(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B41J 29/46 20060101AFI20220117BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20220117BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20220117BHJP
B41J 29/393 20060101ALI20220117BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20220117BHJP
B65H 3/44 20060101ALI20220117BHJP
B65H 7/02 20060101ALI20220117BHJP
【FI】
B41J29/46 Z
G03G21/00 384
G03G21/00 386
B41J29/38 302
B41J29/393 101
H04N1/00 002A
B65H3/44 340Z
B65H7/02
(21)【出願番号】P 2018080560
(22)【出願日】2018-04-19
【審査請求日】2020-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121599
【氏名又は名称】長石 富夫
(72)【発明者】
【氏名】宮▲崎▼ 健
【審査官】佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-170859(JP,A)
【文献】特開2016-109829(JP,A)
【文献】特開2006-088513(JP,A)
【文献】特開2014-056043(JP,A)
【文献】特開2004-145194(JP,A)
【文献】特開2013-188900(JP,A)
【文献】特開2004-191895(JP,A)
【文献】特開2009-226665(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0047643(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/46
G03G 21/00
B41J 29/38
B41J 29/393
H04N 1/00
B65H 3/44
B65H 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給紙トレイに、用紙プロファイルを設定する用紙プロファイル設定部と、
給紙トレイから用紙を繰り出して搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送されて来た用紙に、給紙元の給紙トレイに設定された用紙プロファイルに基づいて定めた画像形成条件で画像を形成する画像形成部と、
前記搬送部の搬送経路上にあって搬送される用紙の物性値を測定する用紙物性測定部と、
一の給紙トレイから繰り出されて搬送される用紙を前記用紙物性測定部で測定して得た物性値に基づいて、前記一の給紙トレイから繰り出された用紙と前記一の給紙トレイに設定された用紙プロファイルが示す用紙との適合性を判断する適合性判断部と、
前記一の給紙トレイへの用紙の挿入と前記一の給紙トレイに対する用紙プロファイルの設定のうちのいずれが前記適合性判断部が行った前記判断に係る前記測定の前の最近に行われていたかを調べ、前者の場合は前記判断の結果を第1通知方法で通知し、後者の場合は前記判断の結果を第2通知方法で通知する通知部と、
を有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記用紙プロファイルには、前記用紙物性測定部が測定する項目の物性値が登録されており、
前記適合性判断部は、前記一の給紙トレイから繰り出されて搬送される用紙を前記用紙物性測定部で測定して得た物性値と、前記一の給紙トレイに設定されている用紙プロファイルに登録されている物性値を比較して前記判断を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記用紙物性測定部で用紙を測定して得た物性値を前記用紙プロファイルに登録する測定値登録部を有する
ことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記用紙プロファイルには、用紙の種類と、用紙の坪量が登録されており、
前記適合性判断部は、前記一の給紙トレイから繰り出されて搬送される用紙を前記用紙物性測定部で測定して得た物性値に基づいて用紙の種類と坪量を求め、該求めた用紙の種類と坪量を、前記一の給紙トレイに設定されている用紙プロファイルに登録されている用紙の種類および坪量と比較して前記判断を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
給紙トレイの状態情報を、該給紙トレイに用紙が挿入されたら挿入用紙確認状態に切り替え、該給紙トレイに対して用紙プロファイルが設定登録されたら用紙設定確認状態に切り替え、該給紙トレイから繰り出された用紙が前記用紙物性測定部によって測定されたら確認不要状態に切り替える状態管理部をさらに備え、
前記用紙物性測定部は、給紙トレイの状態情報が、前記挿入用紙確認状態と前記用紙設定確認状態のいずれかであることを条件に前記測定を行い、
前記通知部は、給紙トレイの状態情報が前記挿入用紙確認状態のときに前記用紙物性測定部が実行した測定結果に基づいて前記適合性判断部が前記判断した結果を通知する場合は前記第1通知方法を選択し、給紙トレイの状態情報が前記用紙設定確認状態のときに前記用紙物性測定部が実行した測定結果に基づいて前記適合性判断部が判断した結果を通知する場合は前記第2通知方法を選択する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記用紙物性測定部は、前記条件の成立する給紙トレイから用紙を繰り出して試し印刷が行われる際に、前記給紙トレイから繰り出された用紙について前記測定を実行する
ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記用紙物性測定部は、前記条件の成立する給紙トレイについては、ユーザからの指示に基づいて前記測定を実行する
ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記通知部は、前記一の給紙トレイから繰り出された用紙と前記一の給紙トレイに設定された用紙プロファイルが示す用紙が前記適合性判断部によって不適合と判断された場合に前記通知を行うと共に、前記第1通知方法では給紙トレイに間違った用紙が挿入されたことを警告し、前記第2通知方法では推奨する用紙プロファイルを通知する
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給紙トレイに設定された用紙プロファイルと給紙トレイに挿入された用紙との適合性を判断する機能を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置における出力画像の品質は、画像形成装置の各特性(搬送特性、転写特性、定着特性など)と、用紙の特性(用紙種類、坪量など)が、適合するか否かに大きく依存している。そのため、使用する用紙の特性に合わせて、画像形成装置側の画像形成条件に係る各種パラメータの値を変更する必要がある。多数のパラメータの値を個別にかつ正確に設定するには手間を要すると共に設定ミスも生じ易い。そこで、使用する用紙の種類毎に、その用紙の特性{属性}やこれに対応する装置側のパラメータの値などを集約した用紙プロファイルを予め作成してデータベース等に登録しておき、画像形成時には、使用する用紙に対応した用紙プロファイルを選択して指定すれば足りるように装置を構成することで、作業量の軽減とミスの発生防止を図っている。
【0003】
オペレータは、(1)ジョブで使用する給紙トレイに、該給紙トレイに挿入する用紙に対応した用紙プロファイルを設定する作業と、(2)給紙トレイに該当の種類の用紙をセットする作業、を行えばよい。画像形成装置は、ジョブを実行する際に、そのジョブで給紙元に指定された給紙トレイに設定されている用紙プロファイルを読み込み、該用紙プロファイルに従って装置側の画像形成パラメータ等をセットし、該ジョブで給紙元に指定された給紙トレイから用紙を給紙して画像形成を実行する。
【0004】
上記のように用紙プロファイルを用いて作業の簡素化を図ったとしても、人為的なミスによる誤設定等が完全に解消されるわけではない。たとえば、オペレータが給紙トレイに間違った用紙プロファイルを設定することがある。また、オペレータが給紙トレイに誤った種類の用紙を挿入することもある。
【0005】
このような人為的なミスに対応する技術として、下記特許文献1には、給紙トレイの開閉検知に基づいてオペレータによって用紙の変更操作が行われた給紙トレイを判断し、その給紙トレイに対して設定されている用紙属性(用紙プロファイル)の確認をユーザに促して警告する画像形成装置が開示されている。
【0006】
また、近年は、平滑度など用紙の各種物性値を測定可能なメディアセンサが開発されており、給紙トレイに用紙をセットする前に、メディアセンサで用紙の物性値を測定し、該測定結果と予め登録されている用紙プロファイルとの適合性を判断して適合度の高い順に用紙プロファイルをリスト表示することで、用紙プロファイルの選択ミスを防ぐ、といったことも行われている。
【0007】
さらに、メディアセンサを用紙の搬送経路上に設け、給紙トレイから給紙された用紙の物性値をメディアセンサで測定し、記憶部に登録されているこれまでの印刷で使用した用紙の特性と異なる特性の用紙が検出された場合に、用紙の搬送を停止する画像形成装置がある(たとえば、下記特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2014-18974号公報
【文献】特開2017-170859号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
搬送経路上にメディアセンサを設けることで、給紙トレイから給紙された用紙と、その給紙トレイに設定されている用紙プロファイルとが適合(一致)するか否かを判定することは可能になる。しかし、用紙と用紙プロファイルが不適合となるケースには、用紙を入れる給紙トレイをオペレータが間違える場合と、給紙トレイに設定する用紙プロファイルを間違える場合がある。
【0010】
用紙を入れる給紙トレイを間違えた場合は、正しい給紙トレイに用紙を入れ直さなければならない。用紙を傷つけないように注意払いながら大量の用紙を出し入れする作業には多大な労力と時間を要する。給紙トレイに設定する用紙プロファイルを間違えた場合には、正しい用紙プロファイルを設定し直す必要があるが、印刷ジョブを流し始めてから初めてこの間違いに気付くことが多いため、多量の用紙やトナーが無駄になってしまう。
【0011】
このように、不適合の原因によってその後の対処が大きく異なるにもかかわらず、従来の画像形成装置では不適合の原因までは判定できないので、不適合検出後の対処を円滑に進めることができなかった。
【0012】
本発明は、上記の問題を解決しようとするものであり、給紙トレイにセットされた用紙と給紙トレイに設定されている用紙プロファイルとが不適合の場合にその原因が用紙の入れ間違いと用紙プロファイルの設定ミスのいずれにあるかを判別して通知することのできる画像形成装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
【0014】
[1]給紙トレイに、用紙プロファイルを設定する用紙プロファイル設定部と、
給紙トレイから用紙を繰り出して搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送されて来た用紙に、給紙元の給紙トレイに設定された用紙プロファイルに基づいて定めた画像形成条件で画像を形成する画像形成部と、
前記搬送部の搬送経路上にあって搬送される用紙の物性値を測定する用紙物性測定部と、
一の給紙トレイから繰り出されて搬送される用紙を前記用紙物性測定部で測定して得た物性値に基づいて、前記一の給紙トレイから繰り出された用紙と前記一の給紙トレイに設定された用紙プロファイルが示す用紙との適合性を判断する適合性判断部と、
前記一の給紙トレイへの用紙の挿入と前記一の給紙トレイに対する用紙プロファイルの設定のうちのいずれが前記適合性判断部が行った前記判断に係る前記測定の前の最近に行われていたかを調べ、前者の場合は前記判断の結果を第1通知方法で通知し、後者の場合は前記判断の結果を第2通知方法で通知する通知部と、
を有する
ことを特徴とする画像形成装置。
【0015】
上記発明では、給紙トレイから給紙された用紙をインラインの用紙物性測定部で測定し、その測定結果の物性値が示す用紙と給紙元の給紙トレイに設定されている用紙プロファイルが示す用紙との適合性を判断し、その判断結果を通知する。この際、給紙元の給紙トレイへの用紙挿入と用紙プロファイルの設定のいずれが用紙物性測定部による測定の前の最近に行われたかを調べ、前者が直前に行われていた場合は第1通知方法で判断結果を通知し、後者が直前に行われていた場合は第2通知方法で判断結果を通知する。たとえば、判断結果が不適合であって用紙挿入が測定の直前に行われていた場合は用紙のセットミスを通知し(第1通知方法)、用紙プロファイルの設定が測定の直前に行われていた場合は用紙プロファイルの設定ミスの可能性を通知する(第2通知方法)。
【0016】
[2]前記用紙プロファイルには、前記用紙物性測定部が測定する項目の物性値が登録されており、
前記適合性判断部は、前記一の給紙トレイから繰り出されて搬送される用紙を前記用紙物性測定部で測定して得た物性値と、前記一の給紙トレイに設定されている用紙プロファイルに登録されている物性値を比較して前記判断を行う
ことを特徴とする[1]に記載の画像形成装置。
【0017】
上記発明では、画像形成装置は、測定した物性値と、用紙プロファイルに登録されている物性値を比較することで、給紙トレイに収容されている用紙とその給紙トレイに設定されている用紙プロファイルとの適合性を判断する。
【0018】
[3]前記用紙物性測定部で用紙を測定して得た物性値を前記用紙プロファイルに登録する測定値登録部を有する
ことを特徴とする[2]に記載の画像形成装置。
【0019】
上記発明では、画像形成装置は、自装置が有する用紙物性測定部で用紙を測定して得た物性値を用紙プロファイルに登録する機能を有する。
【0020】
[4]前記用紙プロファイルには、用紙の種類と、用紙の坪量が登録されており、
前記適合性判断部は、前記一の給紙トレイから繰り出されて搬送される用紙を前記用紙物性測定部で測定して得た物性値に基づいて用紙の種類と坪量を求め、該求めた用紙の種類と坪量を、前記一の給紙トレイに設定されている用紙プロファイルに登録されている用紙の種類および坪量と比較して前記判断を行う
ことを特徴とする[1]に記載の画像形成装置。
【0021】
上記発明では、画像形成装置は、用紙物性測定部で測定して得た物性値に基づいて用紙種類と坪量を求め、これを用紙プロファイルに登録されている用紙種類および坪量と比較することで、給紙トレイに収容されている用紙とその給紙トレイに設定されている用紙プロファイルとの適合性を判断する。
【0022】
[5]給紙トレイの状態情報を、該給紙トレイに用紙が挿入されたら挿入用紙確認状態に切り替え、該給紙トレイに対して用紙プロファイルが設定登録されたら用紙設定確認状態に切り替え、該給紙トレイから繰り出された用紙が前記用紙物性測定部によって測定されたら確認不要状態に切り替える状態管理部をさらに備え、
前記用紙物性測定部は、給紙トレイの状態情報が、前記挿入用紙確認状態と前記用紙設定確認状態のいずれかであることを条件に前記測定を行い、
前記通知部は、給紙トレイの状態情報が前記挿入用紙確認状態のときに前記用紙物性測定部が実行した測定結果に基づいて前記適合性判断部が前記判断した結果を通知する場合は前記第1通知方法を選択し、給紙トレイの状態情報が前記用紙設定確認状態のときに前記用紙物性測定部が実行した測定結果に基づいて前記適合性判断部が判断した結果を通知する場合は前記第2通知方法を選択する
ことを特徴とする[1]乃至[4]のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0023】
上記発明では、画像形成装置は給紙トレイの状態を、給紙トレイへの用紙挿入と給紙トレイへの用紙プロファイルの設定と用紙物性測定部による測定のうちで用紙挿入が最近行われたことを示す挿入用紙確認状態と、給紙トレイへの用紙プロファイルの設定が最近行われたことを示す用紙設定確認状態と、用紙物性測定部による測定が最近行われたことを示す確認不要状態の3状態で管理する。用紙物性測定部は、給紙トレイの状態が挿入用紙確認状態と用紙設定確認状態のいずれかであることを条件に物性値の測定を行い、通知部は、適合性判断部の判断に係る物性値の測定が行われたときの給紙トレイの状態に応じて、判断結果の通知方法を切り替える。
【0024】
[6]前記用紙物性測定部は、前記条件の成立する給紙トレイから用紙を繰り出して試し印刷が行われる際に、前記給紙トレイから繰り出された用紙について前記測定を実行する
ことを特徴とする[5]に記載の画像形成装置。
【0025】
上記発明では、試し印刷のときに用紙の物性値を測定することで、物性値の測定のみを目的にして給紙トレイから用紙を繰り出す場合に比べて、用紙の消費を抑えることができる。
【0026】
[7]前記用紙物性測定部は、前記条件の成立する給紙トレイについては、ユーザからの指示に基づいて前記測定を実行する
ことを特徴とする[5]に記載の画像形成装置。
【0027】
[8]前記通知部は、前記一の給紙トレイから繰り出された用紙と前記一の給紙トレイに設定された用紙プロファイルが示す用紙が前記適合性判断部によって不適合と判断された場合に前記通知を行うと共に、前記第1通知方法では給紙トレイに間違った用紙が挿入されたことを警告し、前記第2通知方法では推奨する用紙プロファイルを通知する
ことを特徴とする[1]乃至[7]のいずれか1つに記載の画像形成装置。
【0028】
上記発明では、不適合の原因に応じた通知を行うので、オペレータは、不適合に対して適切な対処を迅速に行うことができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係る画像形成装置によれば、給紙トレイにセットされた用紙と給紙トレイに設定されている用紙プロファイルとの適合性の判断結果の通知方法を、直前の作業が給紙トレイへの用紙挿入であったか給紙トレイへの用紙プロファイルの設定であったかに応じて切り替えるので、たとえば、不適合の場合に、オペレータは通知方法の違いからその原因が用紙の入れ間違いと用紙プロファイルの設定ミスのいずれにあるかを認識して、その後の対処を円滑に進めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置を含む画像形成システムの構成を示す図である。
【
図2】画像形成装置の電気的な概略構成を示すブロック図である。
【
図3】メディアセンサの取り付け位置や構造等を示す図である。
【
図4】各給紙トレイについて、給紙トレイの状態を示す状態情報が登録された状態情報管理テーブルの一例を示す図である。
【
図5】各給紙トレイの状態情報を更新する処理を示す流れ図である。
【
図6】メディアセンサで測定した用紙と給紙トレイに設定されている用紙プロファイルとの適合性を判断してその判断結果を通知する処理を示す流れ図である。
【
図7】画像形成装置の操作パネルに表示される操作画面の一例を示す図である(表裏調整釦を押下する場合)。
【
図8】画像形成装置の操作パネルに表示される表裏調整値設定画面の一例を示す図である。
【
図9】画像形成装置の操作パネルに表示される再確認画面の一例を示す図である。
【
図10】画像形成装置の操作パネルに表示される用紙プロファイル設定画面の一例を示す図である。
【
図11】画像形成装置の操作パネルに表示される操作画面の一例を示す図である(用紙確認釦を押下する場合)。
【
図12】画像形成装置の操作パネルに表示される推奨用紙設定画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0032】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置を含む画像形成システム3を示す図である。画像形成システム3は、複数の給紙ユニット5と、画像形成装置10と、後処理ユニット8を備えて構成される。給紙ユニット5は用紙を収納する給紙トレイを複数備えており、各給紙トレイに収納されている用紙を繰り出して画像形成装置10に向けて搬送する。画像形成装置10は、給紙ユニット5から搬送されてきた用紙に画像を形成して後段の後処理ユニット8へ送り出す。後処理ユニット8は、画像形成装置10から受け入れた用紙に、穴あけ、綴じ、折りなどの後処理を施す機能および画像形成装置10から受け入れた用紙もしくは当該ユニットで後処理を施した用紙をスタックして保持する機能を果たす。
【0033】
画像形成装置10は、給紙ユニット5から到来する用紙を搬送する搬送部12と、搬送部12が搬送する用紙に画像を形成する画像形成部11を備えている。搬送部12は、搬送経路を構成する多数の搬送ローラ、搬送ガイド、搬送ローラの駆動するモータなどで構成される。画像形成部11は、無端で環状に掛け渡された中間転写ベルト11aと、この中間転写ベルト11aに沿って配置されたC,M,Y,K各色の像形成ユニット11bと、定着装置11cなどで構成される。
【0034】
画像形成部11は、像形成ユニット11bによって中間転写ベルト11a上にC,M,Y,K各色のトナー像を重畳してフルカラーのトナー像を形成する。中間転写ベルト11a上に形成されたトナー像は、給紙ユニット5から搬送されてきた用紙に2次転写位置Dで転写される。トナー像が転写された用紙は、下流の定着装置11cを通る際に加圧加熱されて該用紙に定着される。定着装置11cを出た用紙は、搬送部12によって後段の後処理ユニット8に向けて搬送される。なお、画像形成装置10の画像形成部11は上記のようなタンデム式の電子写真方式に限定されない。
【0035】
画像形成装置10内の搬送経路上の所定箇所には、搬送される用紙の各種物性値を測定する機能を果たすメディアセンサ(用紙物性測定部)13が設けてある。
【0036】
さらに画像形成装置10は、オペレータから各種の操作を受け付ける機能、および、設定画面・操作画面、装置状態、警告等を表示する機能を果たす操作パネル14を備えている。
【0037】
画像形成装置10は、給紙トレイ毎に、用紙プロファイルを設定するようになっており、給紙トレイから給紙した用紙に画像を形成するとき、その給紙トレイに設定されている用紙プロファイルに基づいて定めた画像形成条件で画像を形成する。用紙プロファイルは、用紙の属性・特性(用紙種類、坪量)を示す情報を集約したものである。たとえば、画像形成装置10は、用紙プロファイルに登録されている坪量等の情報に基づいて用紙の搬送速度や定着温度を切り換える。なお、用紙プロファイルには用紙に画像形成するときに使用すべき画像形成装置側の各種パラメータ値(たとえば、パンチ穴の位置)などをさらに登録してもよい。
【0038】
画像形成装置10は、給紙トレイから繰り出されて搬送されて来た用紙の各種物性値をメディアセンサ13で測定し、その測定結果に基づいて、この用紙と給紙元の給紙トレイに設定されている用紙プロファイルとの適合性を判断する。そして、用紙と給紙元の給紙トレイに設定されている用紙プロファイルとが不適合(不一致)であると判断した場合に、その旨の警告や対処方法をオペレータに通知する用紙適合性判定機能を有する。通知する際には、不適合(不一致)の原因が給紙トレイへの用紙の入れ間違いであるか、給紙トレイに対する用紙プロファイルの設定ミスであるかを判別しオペレータに不適合の原因やその原因に応じた対処方法を通知する。
【0039】
なお、画像形成装置10は、メディアセンサ13で測定して得た各物性値を、指定された用紙プロファイルに登録する機能を備えている。外部のメディアセンサで測定した物性値を取得して用紙プロファイルに登録するようにしてもよい。
【0040】
図2は、画像形成装置10の電気的な概略構成を示すブロック図である。画像形成装置10は、画像処理部20と、本体部30を有し、画像処理部20には、PC端末などの外部端末がLANなどのネットワークを介して接続される。画像処理部20は外部端末から送られてくる印刷ジョブに係る印刷データをラスタライズしてビットマップ形式のイメージデータを生成するRIP(Raster Image Processor)機能等を果たす。
【0041】
画像処理部20は、画像処理部20の動作を統括制御するコントローラ制御CPU(Central Processing Unit)21、LANに接続するための通信機能を果たすLANI/F部(Interface)部24、RIP処理により生成したイメージデータなどを記憶する画像メモリ23、画像メモリ23へのデータのリード/ライト機能、画像データの本体部30への転送等を行うDRAM(Dynamic Random Access Memory)制御部22、多数の用紙プロファイルを記憶する用紙プロファイル記憶部25を備えている。
【0042】
このほか、コントローラ制御CPU21には、当該コントローラ制御CPU21が読み出して実行するプログラムや固定データが記憶されたROM(Read Only Memory)、コントローラ制御CPU21がプログラムを実行する際に各種データを一時的に格納するためのワークメモリとして使用されるRAM(Random Access Memory)などが接続されている。
【0043】
本体部30は、本体部30の動作を制御する制御部40に、操作パネル14と、プリントエンジン部33を接続して構成される。プリントエンジン部33は、前述の画像形成部11、搬送部12、メディアセンサ13のほか、プリントエンジン部33全体の動作を制御するプリンタ制御部33bを有する。プリンタ制御部33bには先ほど説明したメディアセンサ13、プリントエンジン部33が有するモータ、ソレノイド、センサなどの各種電気部品が接続されている。
【0044】
操作パネル14は、液晶ディスプレイ(LCD(Liquid Crystal Display))と、その画面上に敷設されたタッチスイッチやその他のスイッチから成る操作部と、これらを制御する操作表示制御部(CPU)を有して構成される。
【0045】
制御部40は、画像形成装置10の本体部30の動作を統括制御する機能を果たし、DRAM制御部41と、画像制御CPU42と、不揮発メモリ43と、読み取り処理部44と、圧縮IC(Integrated Circuit)45と、書き込み処理部47と、伸張IC48と、半導体メモリで構成された画像メモリ50などを備えて構成される。
【0046】
読み取り処理部44は、入力される画像データに対して拡大処理、鏡像処理、誤差拡散処理などを施す機能を果たす。圧縮IC45は画像データを圧縮し、伸張IC48は圧縮された画像データ(圧縮画像データ)を元のイメージデータに伸張する機能を果たす。
【0047】
画像メモリ50は、非圧縮の画像データをページ単位で記憶可能なページメモリ52としての機能と、圧縮画像データを記憶する圧縮メモリ51などとして使用される。
【0048】
書き込み処理部47は、圧縮メモリ51から読み出して伸張された画像データに応じて像形成ユニット11bのレーザーダイオード(LD)をオン/オフさせるための信号を、画像形成部11の動作に応じたタイミングで出力する機能を果たす。
【0049】
DRAM制御部41は、ダイナミックRAMからなる画像メモリ50へのリード・ライトおよびリフレッシュのタイミング制御や、画像データを圧縮して圧縮メモリ51に格納したり、圧縮メモリ51から圧縮画像データを読み出して伸張したりする際のタイミング制御などを行う。またDRAM制御部41はPCI(Peripheral Component Interconnect)バス54を通じて画像処理部20のDRAM制御部22と接続されており、画像処理部20との間でPCIバス54を通じて各種のデータを授受する機能を果たす。
【0050】
画像制御CPU42は、本体部30の動作全体を制御する機能を果たす。画像制御CPU42は、CPUおよびROM、RAMを主要部とする回路で構成されており、ROMに格納されたプログラムに従って各種の制御を実行する。このROMには、プログラムや各種固定データなどが記憶されており、CPUはROMに格納されたプログラムに従って動作する。RAMは、CPUがプログラムを実行する際に各種のデータを一時的に格納するワークメモリとして使用される。
【0051】
不揮発メモリ43は、電源オフ後も記憶しておくべきユーザデータやシステムデータなどが記憶されるメモリである。
【0052】
画像制御CPU42はプログラムを実行することで、適合性判断部、通知部、状態管理部、測定値登録部等の機能を果たす。適合性判断部は、給紙トレイから繰り出されて搬送される用紙をメディアセンサ13で測定して得た物性値に基づいて、該給紙トレイから繰り出された用紙と給紙元の給紙トレイに設定された用紙プロファイルが示す用紙との適合性を判断する。
【0053】
通知部は、適合性判断部の判断結果をオペレータに通知する。通知は、表示のほか音声で行ってもよい。通知部は、給紙トレイへの用紙の挿入と該給紙トレイに対する用紙プロファイルの設定のうちのいずれが、適合性判断部が行った判断に係る物性値の測定前の最近に行われていたかを調べ、前者の場合(給紙トレイへの用紙の挿入が測定の直前に行われていた場合)は、適合性判断部による判断の結果を第1通知方法で通知し、後者の場合(給紙トレイへの用紙プロファイルの設定が測定の直前に行われたいた場合)は適合性判断部による判断の結果を第2通知方法で通知する。
【0054】
測定値登録部は、メディアセンサ13で用紙を測定して得た物性値を用紙プロファイルに登録する機能を果たす。
【0055】
状態管理部は、給紙トレイの状態情報を後述する3状態に管理する。
【0056】
なお、
図2に示す画像形成装置10の構成は一例であり、これに限定されるものではない。
【0057】
図3は、メディアセンサ13の取り付け位置や構造等を示している。各給紙トレイから繰り出される用紙の搬送経路は、各給紙トレイの下流で合流したのち、水平搬送、中間搬送、レジスト部、2次転写位置D、定着装置11cを通るように設けてある。また、搬送経路の一部として、両面印刷のために用紙の表裏を反転する反転機構が設けてある。
【0058】
メディアセンサ13は、中間搬送に設けてあり、紙厚センサ、坪量センサ、平滑度センサなどで構成される。
【0059】
次に、画像形成システム3の画像形成装置10が有する用紙適合性判定機能について説明する。
【0060】
画像形成装置10は、給紙トレイ毎に、その給紙トレイを次の3状態で管理する。
【0061】
(1)挿入用紙確認状態
用紙の物性値をメディアセンサ13で測定する必要があって、給紙トレイに対する用紙プロファイルの設定と、給紙トレイへの用紙のセット(給紙トレイの開閉)のうち、給紙トレイの開閉がより最近に行われたことを示す状態である。
【0062】
(2)用紙設定確認状態
用紙の物性値をメディアセンサ13で測定する必要があって、給紙トレイに対する用紙プロファイルの設定と、給紙トレイへの用紙のセット(給紙トレイの開閉)のうち、給紙トレイに対する用紙プロファイルの設定がより最近に行われたことを示す状態である。
【0063】
(3)確認不要状態
用紙の物性値をメディアセンサ13で測定する必要のない状態である。
【0064】
すなわち、挿入用紙確認状態は、給紙トレイへの用紙挿入と、給紙トレイへの用紙プロファイルの設定と、給紙トレイから繰り出した用紙のメディアセンサ13による物性値の測定の3事象のうちで、用紙挿入が最近行われたことを示し、用紙設定確認状態は、上記3事象のうちで給紙トレイへの用紙プロファイルの設定が最近行われたことを示し、確認不要状態は上記3事象のうちでメディアセンサ13による物性値の測定が最近行われたことを示している。
【0065】
図4は、各給紙トレイについて、給紙トレイの状態を示す状態情報が登録された状態情報管理テーブル60の一例を示している。
【0066】
図5は、画像形成装置10が、各給紙トレイの状態情報を更新する処理を示す流れ図である。まず、給紙トレイの状態情報を「確認不要状態」に初期設定する(ステップS101)。その後は、以下の監視を継続的に行い、該当する事象が発生するたびに、給紙トレイの状態情報を変更する。具体的には、給紙トレイの開閉を監視し、給紙トレイの開閉が行われたら(ステップS102;Yes)、その給紙トレイの状態情報を「挿入用紙確認状態」に変更する(ステップS103)。
【0067】
また、給紙トレイに対して用紙プロファイルが設定された否か、および設定されている用紙プロファイルが変更されたか否かを監視し、いずれかの事象が発生した場合は(ステップS104;Yes)、その給紙トレイの状態情報を「用紙設定確認状態」に変更する(ステップS105)。
【0068】
また、メディアセンサ13を用いて用紙の物性値が測定されたら(ステップS106;Yes)、その用紙の給紙元の給紙トレイの状態情報を「確認不要状態」に変更する。
【0069】
次に、画像形成装置10が、給紙トレイにセットされている用紙と給紙トレイに設定されている用紙プロファイルの適合性を判断し、不適合(不一致)の場合に警告や対処方法をオペレータに通知する用紙適合性判定機能の係る処理について説明する。この処理は、たとえば、用紙表面の画像と裏面の画像の位置合わせ(表裏調整)をするための試し印刷を行う際に実行される。なお、表裏調整の試し印刷では、位置合わせ用のトンボが用紙に印刷される。
【0070】
図6は、用紙適合性判定機能の係る処理を示す流れ図である。ここでは、表裏調整のための試し印刷を行う際にこの処理が実行されたものとする。画像形成装置10は、表裏調整のための試し印刷を行うにあたって、用紙の給紙元に設定されている給紙トレイの状態情報が「確認不要状態」か否かを調べる(ステップS201)。給紙元に設定されている給紙トレイの状態情報が「確認不要状態」ならば(ステップS201;Yes)、適合性の判断は不要と判断し、試し印刷を行って、本処理を終了する。
【0071】
給紙元に設定されている給紙トレイの状態情報が「確認不要状態」でなければ、試し印刷を開始し、該試し印刷において搬送される用紙の物性値をメディアセンサ13で測定する(ステップS202)。
【0072】
次に、画像形成装置10は、メディアセンサ13で測定して得た物性値に基づいて、給紙元の給紙トレイにセットされている用紙とその給紙トレイに設定されている用紙プロファイルとの適合度を算出する(ステップS203)。
【0073】
適合度の算出には、以下のA、Bの2種類の方法のうちのいずれかを使用する。
【0074】
(方法A)
用紙プロファイルに、メディアセンサ13で測定される項目の物性値を予め登録しておき、搬送中の用紙をメディアセンサ13で測定して得た物性値と、その用紙の給紙元の給紙トレイに設定されている用紙プロファイルに登録されている物性値とを比較して、適合度を求める。なお、画像形成装置10は、メディアセンサ13で測定した各物性値を、指定された用紙プロファイルに登録する機能を備えている。
【0075】
(方法B)
搬送中の用紙をメディアセンサ13で測定して得た物性値から、この物性値に対応する用紙種類と坪量を求め、該用紙種類、坪量と、用紙プロファイルに登録されている用紙種類、坪量とを比較して、適合度を算出する。方法Bでは、たとえば、物性値を用紙種類や坪量に変換する変換テーブルを予め作成しておき、実測で得た物性値で該変換テーブルを参照することにより、物性値を用紙種類や坪量に変換する。
【0076】
算出した適合度が閾値以上ならば(ステップS204;Yes)、給紙元の給紙トレイにセットされている用紙とその給紙トレイに設定されている用紙プロファイルとの組み合わせは適合(一致)すると判断して、ステップS208へ移行する。
【0077】
算出した適合度が閾値未満ならば(ステップS204;No)、給紙元の給紙トレイにセットされている用紙とその給紙トレイに設定されている用紙プロファイルとは不適合(不一致)であると判断する。そして、給紙元の給紙トレイの状態情報が「挿入用紙確認状態」であるか「用紙設定確認状態」であるかを確認する(ステップS205)。
【0078】
給紙元の給紙トレイの状態情報が「挿入用紙確認状態」ならば(ステップS205;Yes)、この試し印刷の前に、給紙トレイに対する用紙プロファイルの設定と給紙トレイへの用紙のセット(給紙トレイの開閉)のうち、給紙トレイの開閉がより最近に行われているので、給紙元の給紙トレイにセットする用紙を間違えたことが不適合の原因であると判断する。そして、不適合の原因が、用紙のセットミスであることをオペレータに通知する後述の再確認画面を表示して(ステップS206)、ステップS208へ移行する。
【0079】
給紙元の給紙トレイの状態情報が「用紙設定確認状態」ならば(ステップS205;No)、この試し印刷の前に、給紙トレイに対する用紙プロファイルの設定と給紙トレイへの用紙のセット(給紙トレイの開閉)のうち、用紙プロファイルの設定がより最近に行われているので、給紙元の給紙トレイに対する用紙プロファイルの設定ミスが不適合の原因であると判断する。そして、不適合の原因が、用紙プロファイルの設定ミスであることをオペレータに通知し、その対処に適した後述の推奨用紙設定画面を表示して(ステップS207)、ステップS208へ移行する。
【0080】
ステップS208では、給紙元の給紙トレイの状態情報を「確認不要状態」に変更し、本処理を終了する。なお、ステップS208は、
図5のステップS107に相当する。
【0081】
印刷ジョブで使用する給紙トレイが複数ある場合には、その複数の給紙トレイのそれぞれについて
図6の処理が行われる。また、
図6の処理は、表裏調整等の試し印刷の際に行うほか、オペレータからの個別の指示に基づいて実行してもよい。たとえば、画像形成装置10は、チェック対象の給紙トレイの指定を受け付けた後、用紙適合性判定機能の実行指示をオペレータから受けると、チェック対象に指定されているそれぞれの給紙トレイについて、
図6に示す処理を実行する。この際、給紙トレイの状態情報が「確認不要状態」でない給紙トレイ(「挿入用紙確認状態」もしくは「用紙設定確認状態」のもの)についてのみ用紙を繰り出し、メディアセンサ13で測定し、適合度を判定すればよい。
【0082】
次に、印刷時にオペレータが行う作業の流れと用紙適合性判定機能に係る動作および表示画面について説明する。
【0083】
<用紙プロファイルの設定後に用紙挿入が行われる場合>
(1)オペレータは、印刷ジョブで使用する各給紙トレイに用紙プロファイルを設定した後、給紙トレイを開閉して各給紙トレイに用紙を挿入しセットする。
【0084】
(2)上記の操作を受ける毎に、画像形成装置10は、開閉された給紙トレイの状態情報を「挿入用紙確認状態」に変更する(
図5、ステップS103)。
【0085】
(3)オペレータは、必要な給紙トレイのすべてに用紙を挿入し終えると、操作パネル14に表示された操作画面70(
図7参照)にある表裏調整釦71を押下して、表裏調整の実行を指示する。なお、オペレータは、表裏の位置等を変更して調整する必要がある場合は、
図8に示す表裏調整値設定画面74を開いて、調整値を設定変更する。調整値の設定が完了したら「印刷モードへ」釦75を押下すると、
図7の操作画面70に戻る。
【0086】
(4)画像形成装置10は、表裏調整の印刷(試し印刷)時に
図6の処理を行う。この場合にステップS204でNo(不適合)になると、ステップS206に移行して、
図9に示すような、用紙の入れ間違いを示唆する再確認画面78を表示する。また、給紙元の給紙トレイの状態情報を「確認不要状態」に変更する(ステップS208)。
【0087】
再確認画面78では、給紙元の給紙トレイ(この例ではトレイ1)に入れた用紙と、トレイ1に設定されている用紙プロファイルが不適合(不一致)であることを通知すると共に、その不適合の原因が用紙をセットした給紙トレイの間違いであることを表示する。
【0088】
<用紙挿入後に用紙プロファイルの設定が行われる場合>
(1)オペレータは、印刷ジョブで使用する各給紙トレイに用紙を挿入した後、給紙トレイに対して用紙プロファイルを設定する。
図10は、用紙プロファイル設定画面80の一例を示している。この画面では用紙プロファイルに登録する各項目の値を個別に設定変更することができる。既に登録されている用紙プロファイルを呼び出して給紙トレイに紐付けるようにしてもよい。オペレータは設定が必要な各給紙トレイについて用紙プロファイルの設定を行う。
【0089】
(2)画像形成装置10は、給紙トレイに対する用紙プロファイルの設定を受ける毎に、その給紙トレイの状態情報を「用紙設定確認状態」に変更する(
図5、ステップS105)。
【0090】
(3)オペレータは、用紙プロファイルの設定操作が完了すると、操作画面70において用紙確認釦72を押下する(
図11参照)。
【0091】
(4)この操作を受けた画像形成装置10は、状態情報が「用紙設定確認状態」になっている給紙トレイのそれぞれについて(たとえば、トレイ番号の若い順に)、その給紙トレイから用紙を給紙して後処理ユニット8へ排出すると共に、
図6に示す処理を実行する。これにより、搬送中の用紙の物性値がメディアセンサ13で測定され、給紙トレイにセットされている用紙とその給紙トレイに設定されている用紙プロファイルとの適合性が判定される。
【0092】
(5)画像形成装置10は、不適合(不一致)と判断すると(
図6のステップS204;No)、ステップS207へ移行して、
図12に示すような推奨用紙設定画面85を操作パネル14に表示する。推奨用紙設定画面85には、適合度の高い順に、用紙プロファイルがリスト表示される。推奨用紙設定画面85に、不適合の原因が給紙トレイに対する用紙プロファイルの設定ミスである可能性が高いことを表示してもよい。
【0093】
なお、適合度が低い場合でも、その用紙プロファイルを意図的に設定している場合があるので、不適合を警告する代わりに、推奨用紙設定画面85では、より適合度の高い用紙プロファイルが存在することを示し、給紙トレイに設定する用紙プロファイルの変更を推奨している。
【0094】
推奨用紙設定画面85にあるプロファイル登録釦89を押下すると、メディアセンサ13の測定結果の物性値を、指定の用紙プロファイルに登録することができる。
【0095】
以上説明したように、実施の形態に係る画像形成装置10は、給紙トレイにセットされた用紙と給紙トレイに設定されている用紙プロファイルとが不適合(不一致)の場合にその原因が用紙の入れ間違いと用紙プロファイルの設定ミスのいずれにあるかを判別して通知するので、オペレータは間違いの種類を認識して、適切な対処を迅速に行うことができる。特に、不適合の原因が用紙プロファイルの設定ミスであると判断した場合に推奨用紙設定画面85を表示するので、オペレータは、この表示された画面から必要な変更を直ちに行うことができる。
【0096】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0097】
実施の形態では、不適合の場合にのみ判断結果をオペレータに通知したが、適合する場合にも判断結果を通知するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0098】
3…画像形成システム
5…給紙ユニット
8…後処理ユニット
10…画像形成装置
11…画像形成部
11a…中間転写ベルト
11b…像形成ユニット
11c…定着装置
12…搬送部
13…メディアセンサ
14…操作パネル
20…画像処理部
21…コントローラ制御CPU
22…DRAM制御部
23…画像メモリ
24…LANI/F部
25…用紙プロファイル記憶部
30…本体部
33…プリントエンジン部
33b…プリンタ制御部
40…制御部
41…DRAM制御部
42…画像制御CPU
43…不揮発メモリ
44…読み取り処理部
45…圧縮IC
47…書き込み処理部
48…伸張IC
50…画像メモリ
51…圧縮メモリ
52…ページメモリ
54…PCIバス
60…状態情報管理テーブル
70…操作画面
71…表裏調整釦
72…用紙確認釦
74…表裏調整値設定画面
75…「印刷モードへ」釦
78…再確認画面
80…用紙プロファイル設定画面
85…推奨用紙設定画面