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特許7006505放射線撮影システム及び撮影ガイドパターン選択装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】放射線撮影システム及び撮影ガイドパターン選択装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20060101AFI20220117BHJP
【FI】
A61B6/00 320M
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018099252
(22)【出願日】2018-05-24
(65)【公開番号】P2019201929
(43)【公開日】2019-11-28
【審査請求日】2020-12-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大原 弘
【審査官】松岡 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-87422(JP,A)
【文献】実開昭58-58009(JP,U)
【文献】特開2017-205187(JP,A)
【文献】特開2017-202307(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/055、6/00-6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者に放射線を照射して動画撮影を行う撮影手段を備える放射線撮影システムであって、
撮影オーダーに含まれ得る所定の単語に、前記撮影手段による撮影時に前記被検者に対して所定動作を指示するための撮影ガイドパターンが対応付けられて記憶されている記憶手段と、
前記撮影手段による撮影に対する撮影オーダーを取得する取得手段と、
当該取得された撮影オーダーから前記所定の単語を抽出し、前記記憶手段に記憶されている撮影ガイドパターンの中から、前記抽出された所定の単語に対応付けられている撮影ガイドパターンを選択する選択手段と、
前記選択された撮影ガイドパターンに基づいて、前記被検者に対して前記所定動作を指示する指示手段と、
を備える放射線撮影システム。
【請求項2】
前記所定動作は、呼吸である請求項1に記載の放射線撮影システム。
【請求項3】
前記所定動作は、撮影部位の曲げ伸ばし、又は、向きの変更である請求項1に記載の放射線撮影システム。
【請求項4】
前記所定の単語は、撮影部位、疾患、前記撮影手段により得られる動画像の解析内容の少なくとも一つを含む請求項1から3のいずれか一項に記載の放射線撮影システム。
【請求項5】
前記指示手段は、音声を出力することで、前記所定動作を指示する請求項1から4のいずれか一項に記載の放射線撮影システム。
【請求項6】
前記指示手段は、画像を表示することで、前記所定動作を指示する請求項1から4のいずれか一項に記載の放射線撮影システム。
【請求項7】
前記記憶手段には、前記所定の単語に対する優先順位が記憶されており、
前記選択手段は、前記撮影オーダーから前記所定の単語が複数抽出された場合に、当該抽出された複数の所定の単語のうち、最も優先順位が高い所定の単語に対応付けられている撮影ガイドパターンを選択する請求項1から6のいずれか一項に記載の放射線撮影システム。
【請求項8】
撮影オーダーに含まれ得る所定の単語に、被検者に放射線を照射して動画撮影を行う撮影手段による撮影時に前記被検者に対して所定動作を指示するための撮影ガイドパターンが対応付けられて記憶されている記憶手段と、
前記撮影手段による撮影に対する撮影オーダーを取得する取得手段と、
当該取得された撮影オーダーから前記所定の単語を抽出し、前記記憶手段に記憶されている撮影ガイドパターンの中から、前記抽出された所定の単語に対応付けられている撮影ガイドパターンを選択する選択手段と、
を備える撮影ガイドパターン選択装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線撮影システム及び撮影ガイドパターン選択装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被検者に放射線を照射して動画撮影を行う放射線撮影システムでは、被検者に適切なタイミングで動作指示を与えながら、撮影を行っている。例えば、被検者に所定のタイミングで呼吸動作を行わせるために、音声発生装置(オートボイス)等が用いられている。
【0003】
また、被検体に対して呼吸タイミングを通知する複数種類の呼吸タイミング通知部と、少なくとも一つの呼吸タイミング通知部を選択する選択部と、選択部により選択された呼吸タイミング通知部を駆動させる制御部と、を備える呼吸タイミング通知装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、被検体を透過した放射線強度分布に基づいて連続的な放射線画像を取得する取得手段と、連続的な放射線画像のそれぞれから肺野部分を抽出する抽出手段と、肺野部分から変動状態を検出し、検出された変動状態に基づいて、被検体の呼吸状態が呼吸動態の撮影に適するか否かを判定する判定手段と、を備える放射線画像取得装置が提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-130612号公報
【文献】特開2005-312776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、動画撮影時に被検者に対して所定動作を指示するための撮影ガイドパターンは、疾患に応じて異なるため、撮影技師が撮影ガイドパターンの選択を間違えてしまうと、医師が意図した撮影にならないおそれがあった。
【0007】
本発明は、上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、撮影ガイドパターンの選択ミスを防ぎ、医師が意図した動画撮影を実現させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、被検者に放射線を照射して動画撮影を行う撮影手段を備える放射線撮影システムであって、撮影オーダーに含まれ得る所定の単語に、前記撮影手段による撮影時に前記被検者に対して所定動作を指示するための撮影ガイドパターンが対応付けられて記憶されている記憶手段と、前記撮影手段による撮影に対する撮影オーダーを取得する取得手段と、当該取得された撮影オーダーから前記所定の単語を抽出し、前記記憶手段に記憶されている撮影ガイドパターンの中から、前記抽出された所定の単語に対応付けられている撮影ガイドパターンを選択する選択手段と、前記選択された撮影ガイドパターンに基づいて、前記被検者に対して前記所定動作を指示する指示手段と、を備える。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の放射線撮影システムにおいて、前記所定動作は、呼吸である。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の放射線撮影システムにおいて、前記所定動作は、撮影部位の曲げ伸ばし、又は、向きの変更である。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の放射線撮影システムにおいて、前記所定の単語は、撮影部位、疾患、前記撮影手段により得られる動画像の解析内容の少なくとも一つを含む。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の放射線撮影システムにおいて、前記指示手段は、音声を出力することで、前記所定動作を指示する。
【0013】
請求項6に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の放射線撮影システムにおいて、前記指示手段は、画像を表示することで、前記所定動作を指示する。
【0014】
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の放射線撮影システムにおいて、前記記憶手段には、前記所定の単語に対する優先順位が記憶されており、前記選択手段は、前記撮影オーダーから前記所定の単語が複数抽出された場合に、当該抽出された複数の所定の単語のうち、最も優先順位が高い所定の単語に対応付けられている撮影ガイドパターンを選択する。
【0015】
請求項8に記載の発明は、撮影オーダーに含まれ得る所定の単語に、被検者に放射線を照射して動画撮影を行う撮影手段による撮影時に前記被検者に対して所定動作を指示するための撮影ガイドパターンが対応付けられて記憶されている記憶手段と、前記撮影手段による撮影に対する撮影オーダーを取得する取得手段と、当該取得された撮影オーダーから前記所定の単語を抽出し、前記記憶手段に記憶されている撮影ガイドパターンの中から、前記抽出された所定の単語に対応付けられている撮影ガイドパターンを選択する選択手段と、を備える撮影ガイドパターン選択装置である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、撮影ガイドパターンの選択ミスを防ぎ、医師が意図した動画撮影を実現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態における放射線撮影システムの全体構成図である。
図2】コンソールの機能的構成を示すブロック図である。
図3】対応テーブルのデータ構成例を示す図である。
図4】撮影ガイドパターンの音声出力例を示す図である。
図5】動作指示装置の機能的構成を示すブロック図である。
図6】コンソール及び動作指示装置において実行される撮影処理を示すラダーチャートである。
図7】深呼吸(息止め有り)時の呼吸パターンの具体例である。
図8】安静呼吸時の呼吸パターンの具体例である。
図9】息止め(吸気)時の呼吸パターンの具体例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されるものではない。
【0019】
〔放射線撮影システムの構成〕
図1に、放射線撮影システム100の全体構成を示す。
図1に示すように、放射線撮影システム100は、RIS(Radiology Information System)サーバー10、RIS端末11、画像管理サーバー20、画像ビューアー端末21、コンソール30、動作指示装置40、撮影装置50、タブレット端末60等を備える。RISサーバー10、RIS端末11、画像管理サーバー20、画像ビューアー端末21、コンソール30は、病院内のLAN(Local Area Network)等の通信ネットワークNを介してデータ通信可能に接続されている。
【0020】
RISサーバー10は、放射線機器による撮影の予約、検査結果等の放射線科内の情報を管理する。RISサーバー10は、診察室R1のRIS端末11において医師の操作に基づいて発行された撮影オーダーを、撮影対象となる患者(被検者)及び撮影を依頼した医師と対応付けて管理する。RISサーバー10は、撮影オーダーにおいて指定された撮影装置50に対応するコンソール30に対して撮影オーダーを送信する。
【0021】
RIS端末11は、診察室R1や操作室R2に設置されているコンピューター装置であり、RISサーバー10に対して撮影オーダーを発行したり、RISサーバー10で管理されている情報を閲覧したりする際に用いられる。医師は、診察室R1のRIS端末11において、動画撮影を指定して、撮影オーダーを発行する。
【0022】
画像管理サーバー20は、撮影装置50において生成された放射線画像の画像データを記憶し、患者ごとに管理する。画像管理サーバー20は、PACS(Picture Archiving and Communication System)等で構成される。
【0023】
画像ビューアー端末21は、診察室R1に設置されているコンピューター装置であり、画像管理サーバー20で管理されている放射線画像や解析結果を閲覧する際等に用いられる。
【0024】
コンソール30は、操作室R2に設置されており、動作指示装置40、撮影装置50と有線又は無線で通信可能に接続されている。また、コンソール30は、タブレット端末60と無線で通信可能となっている。コンソール30は、RISサーバー10から取得した撮影オーダーや撮影技師による操作に基づいて、撮影装置50に各種撮影条件を設定することが可能となっている。また、コンソール30は、撮影オーダーに基づいて撮影ガイドパターンを選択し、選択された撮影ガイドパターンを動作指示装置40に送信する。コンソール30は、撮影オーダーをインプットとして、撮影オーダーに含まれる所定の単語に予め対応付けられている撮影ガイドパターンをアウトプットとする撮影ガイドパターン選択装置である。
【0025】
動作指示装置40は、撮影室R3に設置された動作指示出力部44から動作指示(撮影ガイド)を出力する。動作指示装置40は、被検者に対して呼吸動作、撮影部位の曲げ伸ばし、撮影部位の向きの変更等の所定動作を指示する。
【0026】
撮影装置50は、被検者に放射線を照射して動画撮影を行う撮影手段であり、撮影室R3に設置されている。撮影装置50は、例えば、呼吸運動に伴う肺の膨張及び収縮の形態変化、横隔膜の移動、心臓の拍動等の動態を動画撮影する。また、撮影装置50は、撮影部位の関節の曲げ伸ばしや撮影部位の向きの変更に伴う動画を撮影する。動画撮影では、被検者の撮影部位に対し、X線等の放射線をパルス状にして所定時間間隔で繰り返し照射するか(パルス照射)、若しくは、低線量率にして途切れなく継続して照射する(連続照射)ことで、被検者の動態を示す複数の画像を取得する。動画撮影により得られた一連の画像を動画像と呼ぶ。
【0027】
撮影装置50は、放射線照射制御装置51、放射線源52、放射線画像生成部53等を備える。
放射線照射制御装置51は、コンソール30に接続されており、コンソール30から入力された撮影条件に基づいて放射線源52及び放射線画像生成部53を制御して放射線撮影を行う。コンソール30から入力される撮影条件は、例えば、パルス幅、パルス間隔、1撮影あたりの撮影時間、管電流の値、管電圧の値等である。
放射線照射制御装置51は、放射線画像生成部53により生成された放射線画像の画像データを取得し、コンソール30に送信する。
放射線源52は、被検者を挟んで放射線画像生成部53と対向する位置に配置され、放射線照射制御装置51の制御に従って、被検者に対し放射線を照射する。
【0028】
放射線画像生成部53は、放射線を受けることで線量に応じた電荷を発生させる放射線検出素子や電荷の蓄積・放出を行うスイッチ素子を備えた画素が二次元状(マトリクス状)に配列された基板や、各画素から放出された電荷の量を信号値として読み出す読み出し回路を有し、読み出し回路が読み出した複数の信号値から画像データを生成する。放射線画像生成部53は、生成した画像データを放射線照射制御装置51に出力する。
なお、放射線画像生成部53は、シンチレーター等を内蔵し、照射された放射線をシンチレーターで可視光等の他の波長の光に変換し、変換した光に応じた電荷を発生させるもの(いわゆる間接型)であってもよいし、シンチレーター等を介さずに放射線から直接電荷を発生させるもの(いわゆる直接型)であってもよい。
また、放射線画像生成部53は、撮影台と一体化された専用機型のものでも、可搬型(カセッテ型)のものであってもよい。
【0029】
タブレット端末60は、制御部、操作部、表示部、音声出力部、通信部、記憶部等を備える可搬型のコンピューター装置であり、被検者により使用される。タブレット端末60は、コンソール30から送信された撮影ガイドパターンに基づいて、撮影前の事前練習のための動作指示(撮影ガイド)を出力する。
【0030】
〔コンソールの構成〕
図2に、コンソール30の機能的構成を示す。
図2に示すように、コンソール30は、制御部31、操作部32、表示部33、通信部34、記憶部35等を備える。
【0031】
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等により構成され、コンソール30の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、制御部31のCPUは、操作部32の操作に応じて、記憶部35に記憶されているシステムプログラムや各種処理プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行する。
【0032】
操作部32は、カーソルキー、文字・数字入力キー及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードに対するキー操作やマウス操作により入力された操作信号を制御部31に出力する。また、操作部32は、2段階に押し込み可能なハンドスイッチ321を備え、ハンドスイッチ321の押し込み状態(OFF/1段階押下(軽く押した状態)/2段階押下(深く押し込んだ状態))を制御部31に出力する。操作部32が、表示部33の表示画面に積層されたタッチパネルにより構成される場合には、操作者の指等によるタッチ操作の位置に応じた操作信号を制御部31に出力する。
【0033】
表示部33は、LCD(Liquid Crystal Display)等のモニターにより構成され、制御部31から入力される表示信号の指示に従って、各種画面を表示する。
【0034】
通信部34は、LANアダプターやモデムやTA(Terminal Adapter)等を備え、通信ネットワークNに接続された各装置との間でデータ通信を行う。また、通信部34は、動作指示装置40、撮影装置50及びタブレット端末60との間でデータ通信を行う。
【0035】
記憶部35は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成される。記憶部35は、制御部31で実行される各種プログラムやプログラムにより処理の実行に必要なパラメーター、処理結果等のデータを記憶する。例えば、記憶部35には、対応テーブル351が記憶されている。
【0036】
図3に、対応テーブル351のデータ構成例を示す。
対応テーブル351には、撮影オーダーに含まれ得る所定の単語に、撮影装置50による撮影時に被検者に対して所定動作を指示するための撮影ガイドパターンと、解析内容と、が対応付けられて格納されている。所定の単語は、撮影部位、疾患、撮影装置50により得られる動画像の解析内容の少なくとも一つを含む。また、対応テーブル351において、所定の単語は、疾患、呼吸パターン、解析、整形外科分野等に分類されている。
【0037】
撮影オーダーには、患者情報(患者ID、患者の氏名、身長、体重、年齢、性別等)、検査情報(検査ID、検査日、撮影部位(胸部正面、胸部側面、膝、手首等))、疾患(COPD、肺塞栓、喘息、骨折等)、解析内容(換気解析、血流解析、横隔膜移動量計測等)等が含まれる。
なお、撮影オーダーに撮影ガイドパターンを直接指定する情報(深呼吸、安静呼吸、息止め等)が含まれていることとしてもよい。
【0038】
撮影ガイドパターンとは、撮影時に被検者に対して所定動作を指示するための情報であり、被検者が行うべき一連の動作が時間の経過に沿って定められている。つまり、撮影ガイドパターンは、被検者に対して、各動作を行うべきタイミングで各動作の実行を促すものである。撮影ガイドパターンは、所定動作を音声で指示する音声データであってもよいし、所定動作を映像(動画像)で指示する映像データであってもよい。また、撮影ガイドパターンは、文字や画像を表示することで所定動作を指示するテキストデータ・画像データと表示タイミングとが対応付けられた情報であってもよい。撮影ガイドパターンには、動作を指示する内容に加え、撮影の終了を通知する音声や画像が含まれることが好ましい。
【0039】
撮影ガイドパターンとして、例えば、呼吸動作を指示する呼吸パターン(胸部用パターン)、整形外科の撮影用の動作を指示する整形外科用パターン等が挙げられる。
呼吸パターンには、深呼吸用パターン、安静呼吸用パターン、息止め(吸気)用パターン、息止め(呼気)用パターン等がある。呼吸パターンは、「息を吸う」、「息を吐く」、「息を止める」等の順序だけでなく、各動作の継続時間や間隔が異なるパターンもあり得る。例えば、深呼吸用パターン、安静呼吸用パターンにおいて、呼吸の回数、スピード、負荷の大きさ等を、段階的に分けてもよい。また、息止め用パターンにおいて、息を吸う/吐く/止める等の時間、呼気位、吸気位等を、段階的に分けてもよい。
【0040】
整形外科用パターンには、顎関節用パターン、膝関節用パターン、頸椎用パターン、手首用パターン等がある。整形外科用パターンの関節の曲げ伸ばしや、手を握ったり開いたりする動作において、回数、スピード、負荷の大きさ等を、段階的に分けてもよい。
【0041】
換気解析は、胸部動画像から、呼吸に同期した周期的な信号変化量を求めるものである。換気解析結果に基づいて、局所的な呼吸機能を可視化する等して、診断に利用する。
血流解析は、胸部動画像から、心拍に同期した信号変化の類似度を求める。血流解析結果に基づいて、血流機能を可視化する等して、肺血管疾患の診断に利用する。
横隔膜移動量計測は、胸部動画像から、横隔膜部の動きを自動追跡するものである。横隔膜の移動量や移動速度を、肺疾患の診断に利用する。
【0042】
顎関節動画像の解析では、切歯の移動距離を時間で追跡する解析を行う。
膝関節動画像の解析では、屈曲部及び膝関節の伸展における大腿骨の外側顆の接点と脛骨の上関節面の移動距離を求める。
頸椎動画像の解析では、頸椎の前後屈運動における椎体の配列(頸椎アライメント)を時系列に解析する。
【0043】
なお、対応テーブル351内の、撮影オーダーに含まれ得る複数の所定の単語には、予め優先順位が設けられている。各所定の単語に対する優先順位は、記憶部35に記憶されている。
【0044】
図4に、撮影ガイドパターンの音声出力例を示す。呼吸の種類ごと、整形外科分野の撮影部位ごと等、事前に複数の撮影ガイドパターンが用意されている。
【0045】
制御部31は、通信部34を介して、RISサーバー10から、撮影装置50による撮影に対する撮影オーダーを取得する。すなわち、制御部31は、取得手段として機能する。
制御部31は、取得された撮影オーダーから所定の単語を抽出し、記憶部35に記憶されている撮影ガイドパターンの中から、抽出された所定の単語に対応付けられている撮影ガイドパターンを選択する。すなわち、制御部31は、選択手段として機能する。
制御部31は、通信部34を介して、選択された撮影ガイドパターンを動作指示装置40に送信する。
【0046】
〔動作指示装置の構成〕
図5に、動作指示装置40の機能的構成を示す。
図5に示すように、動作指示装置40は、制御部41、通信部42、記憶部43、動作指示出力部44等を備える。
【0047】
制御部41は、CPU、RAM等により構成され、動作指示装置40の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、制御部41のCPUは、記憶部43に記憶されているシステムプログラムや各種処理プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行する。
【0048】
通信部42は、コンソール30との間でデータ通信を行う。
記憶部43は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成される。記憶部43は、制御部41で実行される各種プログラムやプログラムにより処理の実行に必要なパラメーター、処理結果等のデータを記憶する。
【0049】
動作指示出力部44は、コンソール30から受信した撮影ガイドパターンに基づいて、被検者に対して所定動作を指示する指示手段である。例えば、動作指示出力部44は、音声を出力するスピーカー、画像を表示するLCD等のモニター、ランプ(室内灯、照明器具等)等で構成されており、制御部41から入力される制御信号の指示に従って、音声を出力、各種画像を表示、又は発光することで、被検者に所定動作を指示する。
【0050】
なお、動作指示出力部44は、被検者の近傍にあることが求められる一方で、動作指示装置40のその他の構成は、必ずしも被検者の近傍にある必要はない。
【0051】
〔放射線撮影システムの動作〕
次に、放射線撮影システム100における動作について説明する。
図6は、コンソール30及び動作指示装置40において実行される撮影処理を示すラダーチャートである。
【0052】
まず、コンソール30において、制御部31は、通信部34を介して、RISサーバー10から、撮影装置50による撮影に対する撮影オーダーを取得する(ステップS1)。
【0053】
次に、制御部31は、取得された撮影オーダーから所定の単語を抽出する(ステップS2)。具体的には、制御部31は、撮影オーダーから、記憶部35の対応テーブル351に予め登録されている単語(撮影部位、疾患、解析内容等)を抽出する。
【0054】
次に、制御部31は、対応テーブル351を参照して、抽出された所定の単語に対応付けられている撮影ガイドパターン及び解析内容を選択する(ステップS3)。なお、制御部31は、撮影オーダーから所定の単語が複数抽出された場合には、抽出された複数の所定の単語のうち、最も優先順位が高い所定の単語に対応付けられている撮影ガイドパターン及び解析内容を選択する。
【0055】
次に、制御部31は、通信部34を介して、選択された撮影ガイドパターンを動作指示装置40に送信する(ステップS4)。
【0056】
動作指示装置40では、制御部41は、通信部42を介して、コンソール30から送信された撮影ガイドパターンを受信する(ステップS5)。制御部41は、受信された撮影ガイドパターンを記憶部43に記憶させる。
【0057】
撮影室R3では、被検者が撮影位置で待機する。
被検者の準備ができた状態で、操作室R2のコンソール30において、撮影技師が操作部32を操作して、ハンドスイッチ321をON状態にすると、制御部31は、通信部34を介して、撮影開始指示を動作指示装置40及び撮影装置50に送信する(ステップS6)。
【0058】
動作指示装置40では、制御部41は、通信部42を介して、コンソール30から撮影開始指示を受信すると、撮影ガイドパターンに基づいて、動作指示出力部44を制御して、撮影時の動作を指示させる(ステップS7)。具体的には、制御部41は、スピーカーから所定の動作を促す音声を出力させたり、モニターに所定の動作を促す画像を表示させたり、ランプを発光させて動作タイミングを通知したりする。
【0059】
被検者は、動作指示出力部44から出力される動作指示に応じて、所定動作を行う。例えば、被検者は、動作指示に応じて、呼吸動作(吸う/吐く/止める)を行ったり、撮影部位の曲げ伸ばしや向きの変更を行ったりする。
撮影装置50では、被検者に放射線を照射して動画撮影を行う。具体的には、放射線照射制御装置51が、放射線源52における放射線の照射を制御しながら、放射線画像生成部53に放射線画像の画像データを生成させる。
【0060】
コンソール30において、制御部31は、撮影装置50から動画像データを取得する(ステップS8)。
次に、制御部31は、ステップS3で選択された解析内容に基づいて、動画像データに対して解析を行う(ステップS9)。対応テーブル351において、撮影オーダーから抽出された所定の単語に対応する解析内容が設定されていない場合には、解析は行われない。
【0061】
次に、制御部31は、動画像データ及び解析結果を画像管理サーバー20に送信する(ステップS10)。画像管理サーバー20は、動画像データ及び解析結果を、患者と対応付けて保存する。
以上で、撮影処理が終了する。
【0062】
なお、事前練習モードとして、放射線未照射の状態で、動作指示出力部44から撮影ガイドパターンに基づく動作指示を出力することで、被検者が撮影ガイドパターンを事前に確認できるようにしてもよい。具体的には、動作指示として、スピーカーから音声を出力したり、被検者から見える位置に配置されたモニターに指示内容を表示したりする。
例えば、呼吸動作に伴う胸部動画像を撮影する場合、撮影時の動作を記録した映像や、呼吸に合わせたアニメーション等を表示して、被検者に呼吸のリズムを提示する。被検者は、このような動作指示に従った呼吸動作を数回繰り返すことにより、撮影に適切な呼吸パターンを短時間で習得できる。
【0063】
また、コンソール30からタブレット端末60に事前練習用の撮影ガイドパターンを送信し、タブレット端末60の音声出力部や表示部により、動作指示を出力することで、被検者が撮影前に動作を練習できることとする。医師又は撮影技師がタブレット端末60を被検者に渡し、被検者が撮影室R3の外等において、タブレット端末60を用いて撮影前に撮影ガイドパターンを確認し、撮影時における動作を練習する。
【0064】
〔呼吸パターンの具体例〕
図7図9を参照して、呼吸パターンの具体例について説明する。図7図9では、コンソール30のハンドスイッチ321のON/OFF状態、動作指示出力部44のオートボイス機能により出力される音声、放射線源52により照射される放射線パルス、被検者の呼吸による横隔膜レベルを、時間軸に沿って示している。
【0065】
図7は、深呼吸(息止め有り)時の呼吸パターンの具体例である。撮影技師がハンドスイッチ321をON状態(1段階押下)にすると、動作指示出力部44により、息を吸う動作を指示する音声、息を止める動作を指示する音声、息を吐く動作を指示する音声、息を止める動作を指示する音声、息を吸う動作を指示する音声、撮影の終了を通知する音声が所定のタイミングで出力される。被検者は、オートボイス(音声ガイド)に従って、深呼吸を行う。ハンドスイッチ321が1段階押下されてから5秒後に(被検者が大きく息を吸った状態で)、撮影技師がハンドスイッチ321をさらに押し込んだ状態(2段階押下)にすると、放射線源52により放射線の照射が開始される。また、動作指示出力部44により、「はい、撮影終了です。」という音声が出力されるタイミングで、撮影技師がハンドスイッチ321をOFF状態にすると、放射線源52による放射線の照射が停止される。撮影装置50では、深呼吸(息止め有り)時の動画像データ(放射線の照射開始からハンドスイッチOFFまで)が得られる。
【0066】
図8は、安静呼吸時の呼吸パターンの具体例である。撮影技師は、被検者に普段通りの呼吸をするよう声をかける。撮影技師がハンドスイッチ321をON状態(2段階押下)にすると、放射線源52により放射線の照射が開始される。被検者は、普段通りに呼吸を行う。放射線の照射開始から15秒間、動作指示出力部44による音声出力は無く、その後、動作指示出力部44により、「はい、撮影終了です。」という音声が出力されるタイミングで、撮影技師がハンドスイッチ321をOFF状態にすると、放射線源52による放射線の照射が停止される。撮影装置50では、安静呼吸時の動画像データ(放射線の照射開始からハンドスイッチOFFまで)が得られる。
【0067】
図9は、息止め(吸気)時の呼吸パターンの具体例である。撮影技師がハンドスイッチ321をON状態(1段階押下)にすると、動作指示出力部44により、息を吸う動作を指示する音声、息を止める動作を指示する音声、楽にする動作を指示する音声、撮影の終了を通知する音声が所定のタイミングで出力される。被検者は、オートボイス(音声ガイド)に従って、息止め等を行う。ハンドスイッチ321が1段階押下されてから3秒後に(被検者が軽く息を吸う途中の状態で)、撮影技師がハンドスイッチ321をさらに押し込んだ状態(2段階押下)にすると、放射線源52により放射線の照射が開始される。また、動作指示出力部44により、「はい、撮影終了です。」という音声が出力されるタイミングで、撮影技師がハンドスイッチ321をOFF状態にすると、放射線源52による放射線の照射が停止される。撮影装置50では、息止め(吸気)時の動画像データ(放射線の照射開始からハンドスイッチOFFまで)が得られる。
【0068】
以上説明したように、本実施の形態によれば、撮影オーダーから抽出された所定の単語に対応付けられている撮影ガイドパターンを自動的に選択するので、撮影ガイドパターンの選択ミスを防ぎ、医師が意図した動画撮影を実現させることができる。これにより、得られた動画像を解析することで、医師が意図した解析結果を得ることが可能となる。
例えば、呼吸動作を行わせるための撮影ガイドパターンや、撮影部位の曲げ伸ばし、又は、向きの変更を行わせるための撮影ガイドパターンを選択することができる。
【0069】
具体的には、撮影オーダーに含まれる撮影部位、疾患、撮影装置50により得られる動画像の解析内容等の単語を抽出し、抽出された単語に対応付けられている撮影ガイドパターンを選択することができる。
【0070】
また、撮影オーダーから抽出される所定の単語に対して優先順位を設けておくことで、撮影オーダーから所定の単語が複数抽出された場合に、最も優先順位が高い所定の単語に対応付けられている撮影ガイドパターンを選択することが可能となる。
【0071】
なお、上記実施の形態における記述は、本発明に係る放射線撮影システムの例であり、これに限定されるものではない。システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0072】
例えば、上記実施の形態では、コンソール30がRISサーバー10から撮影オーダーを取得することとしたが、コンソール30に直接撮影オーダーを入力することとしてもよい。
また、上記実施の形態では、コンソール30において、動画像データの解析を行うこととしたが、動画像データの解析を行う解析装置や解析ツール用のサーバーやワークステーションを設けてもよい。
【0073】
また、上記実施の形態では、撮影オーダー(インプット)と撮影ガイドパターン(アウトプット)との対応関係(対応テーブル351)がコンソール30内に記憶されていることとしたが、撮影オーダーと撮影ガイドパターンとの対応関係が動作指示装置40内に記憶されていて、動作指示装置40の制御部41が撮影オーダーに対応する撮影ガイドパターンを選択することとしてもよい。また、撮影オーダーと撮影ガイドパターンとの対応関係が、RIS端末11や、撮影ガイドパターンを選択するための専用機器に記憶されていることとしてもよい。また、いずれかの装置で選択された撮影ガイドパターンを、医師がRIS端末11で確認できるようにしてもよい。
【0074】
また、撮影技師がコンソール30又は動作指示装置40から操作することにより、実施する撮影ガイドパターンを変更可能としてもよい。
また、コンソール30や動作指示装置40において、撮影ガイドパターンを新たに作成したり、ガイド内容を編集したりして、施設に合わせて撮影ガイドパターンをカスタマイズできるようにしてもよい。例えば、撮影技師が患者の様子を見て、コンソール30において、呼吸パターンの呼吸(吸う/吐く/止める)の間隔や、全撮影時間等を微調整できるようにしてもよい。
【0075】
また、撮影オーダーに基づいて、撮影ガイドパターンを選択するとともに、撮影装置50における撮影条件(距離、管電圧、管電流、パルス幅、全撮影時間等)を自動的に切り替えることとしてもよい。
また、撮影オーダーに基づいて、撮影ガイドパターンを選択するとともに、撮影オーダーに予め対応付けられた撮影装置(立位撮影台、臥位撮影台、可搬型カセッテ、回診車+可搬型カセッテのうちの一つ)を自動的に選択することとしてもよい。
また、撮影オーダーに基づいて、撮影する部位に予め対応付けられた画像処理を自動的に選択し、選択された画像処理を画像に対して自動的に施すこととしてもよい。
【0076】
また、放射線源52における放射線の照射は、時間(15秒等)で自動的に終了することとしてもよいが、3呼吸で終了する等の設定が可能でもよい。ただし、安全のため、予め定められた上限時間では必ず放射線の照射が停止されることとする。
【0077】
また、動作指示出力部44から出力される音声の音質(高低)を変更可能としてもよい。例えば、患者ごと、年齢ごと等、被検者に応じて聞き取りやすい音に設定することが望ましい。
また、動作指示出力部44により撮影ガイドを映像で表示する場合に、色覚異常や年齢等に応じて、患者ごとに、患者が見やすい色に設定することとしてもよい。
【0078】
また、動作指示出力部44が音声ガイドを出力するスピーカーや映像ガイドを出力するモニターを撮影室R3に複数個備えることとしてもよい。また、撮影室R3と操作室R2にそれぞれスピーカーとモニターを備えることとしてもよい。
【0079】
また、上記実施の形態では、動作指示出力部44(指示手段)として、被検者に聴覚を通じて動作タイミングを通知するスピーカーや、被検者に視覚を通じて動作タイミングを通知するモニター、ランプ等を用いる場合について説明したが、被検者に触覚を通じて動作タイミングを通知するバイブレーターや送風機等を用いることとしてもよい。また、複数の指示手段を組み合わせることとしてもよい。具体的には、音声と画像の組み合わせにより動作を指示すると、被検者に動作のタイミングを伝えやすい。
【0080】
また、動作指示出力部44が映像を表示するものである場合に、目標とする呼吸パターンと、現在の被検者の呼吸の様子が、吸気量の時間変化等で表示されることとしてもよい。被検者がこれらを確認することで、被検者自身の呼吸動作を目標のパターンに近付けることができる。
【0081】
また、動作指示内容に合わせて、放射線照射制御装置51が、放射線源52により照射される放射線量を制御することとしてもよい。あるいは、被検者の呼吸状態をモニターして、その情報に合わせて放射線量を制御してもよい。例えば、最大呼気位や最大吸気位時に放射線量を上げて、他の期間は放射線量を下げる。
【0082】
また、コンソール30に動作指示出力部44が直接接続され、コンソール30が動作指示出力部44を制御することとしてもよい。また、放射線照射制御装置51に動作指示出力部44が接続され、放射線照射制御装置51が動作指示出力部44を制御することとしてもよい。
【0083】
また、被検者を撮影して得られた撮影結果(動画像データ)が、診断や解析の許容範囲内であるか否かのチェック機能を有していてもよい。
ここでは、呼吸の動作指示を例にして説明する。撮影技師がコンソール30の操作部32から放射線撮影の開始を指示すると、動作指示装置40の制御部41は、動作指示出力部44から呼吸の動作指示(ガイダンス)を出力させ、被検者は、動作指示に従って呼吸を行う。患者が呼吸のリズムに慣れた数回目から、撮影装置50により1周期分の呼吸動作に伴う胸部動画像の撮影を実行する。コンソール30の制御部31は、胸部動画像から肺野部を抽出し、肺野部の時間変動から胸部動画像が許容範囲内であるか否かを判断する。例えば、肺野長さ、肺野面積等、呼吸動態を示し得るパラメーターの異常な動きや閾値を外れる結果が出た場合に、この撮影は不適切(許容範囲外)と判断する。許容範囲内である場合は、胸部動画像を撮影結果として保存し、許容範囲外である場合は、警告及び再撮影を通知する。
また、横隔膜の動きから撮影結果の適否をチェックしてもよい。
【0084】
また、放射線源52における放射線の照射を強制的に中断するための緊急停止ボタンが設けられていてもよい。この場合、被検者が撮影の途中で撮影部位が痛い等、撮影を続けることが辛くなったときに、緊急停止ボタンを押下することで、撮影を止めることができる。
【0085】
また、医師がRIS端末11から患者を選択して撮影オーダーを発行する際に、RISサーバー10に過去に該当患者の放射線撮影の実施歴があるか否かを問い合わせ、実施歴がある場合に、過去と同じ撮影を自動的にオーダーすることとしてもよい。あるいは、過去に該当患者の放射線撮影の実施歴がある場合に、医師が過去のオーダーの中からいずれかのオーダーを選択し、選択されたオーダーと同じ撮影を行うための撮影オーダーを発行するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0086】
10 RISサーバー
20 画像管理サーバー
30 コンソール
31 制御部
32 操作部
33 表示部
34 通信部
35 記憶部
40 動作指示装置
41 制御部
42 通信部
43 記憶部
44 動作指示出力部
50 撮影装置
51 放射線照射制御装置
52 放射線源
53 放射線画像生成部
60 タブレット端末
100 放射線撮影システム
351 対応テーブル
N 通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9