(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】孔塞ぎシールのシール貼着装置
(51)【国際特許分類】
B65C 9/26 20060101AFI20220117BHJP
B62D 65/00 20060101ALI20220117BHJP
【FI】
B65C9/26
B62D65/00 Z
(21)【出願番号】P 2018188970
(22)【出願日】2018-10-04
【審査請求日】2020-12-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】特許業務法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 俊成
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】特許第6809346(JP,B2)
【文献】特開2007-126180(JP,A)
【文献】実開平04-097014(JP,U)
【文献】特開平09-124019(JP,A)
【文献】米国特許第05304264(US,A)
【文献】特開昭61-178824(JP,A)
【文献】特開2018-062418(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65C 1/00-11/04
B62D 65/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状の離形テープに孔塞ぎシールが所定の間隔で貼付されたシール付きテープをロール状にして回転可能に保持するテープ保持部と、前記シール付きテープを一定方向へ繰り出しつつ折り返して前記孔塞ぎシールを前記離形テープから剥離するシール剥離部と、前記孔塞ぎシールが剥離された前記離形テープのみを巻き取るテープ巻取部とを有するシール供給装置と、
前記シール剥離部で剥離する前記孔塞ぎシールを吸着して車両の車体パネルに開口された貫通孔の外周面に貼着させる吸着パッドと、前記吸着パッドを吸着位置から貼着位置まで前進後退させる可動部とを有するパッド駆動装置と、
を備えた孔塞ぎシールのシール貼着装置であって、
前記吸着パッドは、前記シール剥離部で前記離形テープから送り方向前側部分が所定量剥離されて停止した前記孔塞ぎシールを吸着すること、
前記シール供給装置は、前記パッド駆動装置に旋回可能に支持され、前記シール供給装置の本体部と前記パッド駆動装置の可動部との間には、前記吸着パッドの前進動作に伴って前記シール剥離部が前記吸着パッドの吸着位置に対して離間する方向へ前記シール供給装置を旋回させ、かつ、前記吸着パッドの後退動作に伴って前記シール剥離部が前記吸着パッドの吸着位置に対して近接する方向へ前記シール供給装置を旋回させる旋回機構を備えていること
、
前記テープ保持部の回転軸部とその軸受け部との間には、前記回転軸部の回転トルクを調節するトルク調節機構が連結されていることを特徴とする孔塞ぎシールのシール貼着装置。
【請求項2】
請求項1に記載された孔塞ぎシールのシール貼着装置において、
前記旋回機構は、前記パッド駆動装置の可動部に連結されたカムフォロア部と、前記シール供給装置の本体部に連結され前記カムフォロア部を案内するカムガイド部とを備えていることを特徴とする孔塞ぎシールのシール貼着装置。
【請求項3】
請求項
1又は請求項2に記載された孔塞ぎシールのシール貼着装置において、
前記トルク調節機構には、テープ保持部の回転軸部と連結され外周側に突設された環状鍔部を有する連結軸部と、前記環状鍔部と摺接する環状摩擦板を有するカラー部材と、前記カラー部材に対向し前記連結軸部の外周面に形成した雄ネジとネジ係合する調節ナット部と、前記カラー部材と前記調節ナット部との間に装着された圧縮バネ部材とを備え、前記カラー部材の係止突起部が前記回転軸部の軸受け部に係止されていることを特徴とする孔塞ぎシールのシール貼着装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項
3のいずれか1項に記載された孔塞ぎシールのシール貼着装置において、
前記パッド駆動装置の本体部には、前記シール供給装置の旋回軸部を外周側で同軸旋回可能に支持する円筒状軸受け部を備え、
前記テープ保持部の回転軸部は、前記円筒状軸受け部の内周側で同軸回転可能に支持されていることを特徴とする孔塞ぎシールのシール貼着装置。
【請求項5】
請求項
4に記載された孔塞ぎシールのシール貼着装置において、
前記シール供給装置には、前記テープ保持部の回転軸部から離間した位置に前記シール供給装置の旋回軌跡に沿って形成された被案内部を備え、
前記パッド駆動装置の本体部には、前記被案内部を案内する案内部を備えていることを特徴とする孔塞ぎシールのシール貼着装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項
5のいずれか1項に記載された孔塞ぎシールのシール貼着装置において、
前記テープ巻取部の回転軸部には、前記テープ保持部に保持されるロール状のシール付きテープを前記シール剥離部へ繰り出すと同時に、前記テープ巻取部で前記離形テープを巻き取る駆動モータが連結されていることを特徴とする孔塞ぎシールのシール貼着装置。
【請求項7】
請求項
6に記載された孔塞ぎシールのシール貼着装置において、
前記駆動モータは、回転演算器を備えたサーボモータであることを特徴とする孔塞ぎシールのシール貼着装置。
【請求項8】
請求項
6又は請求項
7に記載された孔塞ぎシールのシール貼着装置において、
前記孔塞ぎシールは、一部に着色部が形成されたシール体からなり、
前記シール供給装置には、前記シール剥離部のテープガイド部上方に設置された光検出器を備え、前記光検出器が前記着色部を検出した信号によって、前記駆動モータを停止させることを特徴とする孔塞ぎシールのシール貼着装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項
8のいずれか1項に記載された孔塞ぎシールのシール貼着装置において、
前記テープ巻取部の回転軸部には、前記離形テープの端部を差し込み可能に形成された複数のスリット部が外周側に形成されたテープ巻取用の筒状芯金が、着脱可能に装着されていることを特徴とする孔塞ぎシールのシール貼着装置。
【請求項10】
請求項1乃至請求項
9のいずれか1項に記載された孔塞ぎシールのシール貼着装置において、
前記シール供給装置には、前記テープ保持部に保持されている前記シール付きテープを幅方向で位置規制するガイド板を備え、
前記ガイド板には、前記テープ巻取部に巻き取られる前記離形テープを幅方向で位置規制する小ガイド板が一体に形成され、また、前記テープ保持部の回転軸部の側端面と前記シール剥離部の側端面とに固定されるネジ部に係止する切欠き部が形成されていることを特徴とする孔塞ぎシールのシール貼着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、車両の車体パネルに開口された貫通孔を閉塞する孔塞ぎシールのシール貼着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両の車体パネルには、各種部品を取り付けるための貫通孔(例えば、内装樹脂部品やエアバッグ等を取付けるクリップ孔など)が数多く形成されている。この貫通孔には、車両の種類(仕様)によっては部品取り付けに使われず、開口されたままのものがある。その場合、開口された貫通孔を通して、車外の騒音や粉塵等が車内に伝搬され、車内騒音増大や車内環境汚染等の問題が生じやすくなる。そのため、車内騒音等の低減を目的として、開口された貫通孔の外周面に孔塞ぎシールを貼着して、貫通孔を閉塞することが行われている。
【0003】
しかし、車両の車体パネルには、車体構造や強度等の観点から補強リブや凹凸形状が形成され、貫通孔が形成されたパネル面の傾斜角度も種々様々である。そのため、貫通孔に対する孔塞ぎシールの貼着作業を作業者の手作業で行うと、作業者に無理な作業姿勢が求められ、生産性も低下する等の課題があった。かかる課題を解決すべく、ロボット等に装着でき、車両の車体パネルに開口された貫通孔を簡単に閉塞することができる孔塞ぎシールのシール貼着装置が求められている。
【0004】
上記孔塞ぎシールのシール貼着装置に関連して、例えば、
図11に示すように、ラベル供給部101と、印字部102と、ラベル剥離部103と、台紙巻取部104と、ラベル貼付部105と、制御部106とを有するラベル貼付機100が、特許文献1に記載されている。ここで、ラベル供給部101は、ラベル供給軸101aを有し、帯状の台紙107と台紙上に仮着した複数枚のラベル片108とを有するラベル連続体109をロール状に保持して、ラベル剥離部103方向へラベル連続体109を帯状に繰り出し可能に形成されている。また、ラベル剥離部103は、転向ピン103aを有し、転向ピン103aの部分でラベル連続体109の台紙107のみを転向させ、台紙107からラベル片108を剥離し、ラベル貼付部105方向へ送り出す。また、ラベル貼付部105は、貼付シリンダ105aと吸着板105bとを有し、ラベル剥離部103において剥離されたラベル片108を吸着板105bにより吸着し、貼付シリンダ105aが伸長して被貼付体Mにラベル片108を貼り付けるように構成されている。また、台紙巻取部104は、台紙巻取軸104aを有し、転向ピン103aで転向した台紙107をロール状に巻き取るように形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1のラベル貼付機100では、ラベル剥離部103で台紙107から剥離され、ラベル貼付部105方向へ送り出したラベル片108を吸着板105bにより吸着し、貼付シリンダ105aが伸長して被貼付体Mにラベル片108を貼り付けるように構成されている。すなわち、台紙107から剥離されて、空中に浮いたラベル片108を吸着板105bにより吸着する構成であるので、吸着板105bによりラベル片108を吸着する前に、ラベル片108が落下したり、吸着板105bに対するラベル片108の吸着位置がバラついて不安定となり、被貼付体Mにラベル片108を精度よく、また、安定して貼り付けることができないという問題があった。
【0007】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、車両の車体パネルに開口された貫通孔を精度よく安定して閉塞することができる孔塞ぎシールのシール貼着装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る孔塞ぎシールのシール貼着装置は、次のような構成を有している。
(1)帯状の離形テープに孔塞ぎシールが所定の間隔で貼付されたシール付きテープをロール状にして回転可能に保持するテープ保持部と、前記シール付きテープを一定方向へ繰り出しつつ折り返して前記孔塞ぎシールを前記離形テープから剥離するシール剥離部と、前記孔塞ぎシールが剥離された前記離形テープのみを巻き取るテープ巻取部とを有するシール供給装置と、
前記シール剥離部で剥離する前記孔塞ぎシールを吸着して車両の車体パネルに開口された貫通孔の外周面に貼着させる吸着パッドと、前記吸着パッドを吸着位置から貼着位置まで前進後退させる可動部とを有するパッド駆動装置と、
を備えた孔塞ぎシールのシール貼着装置であって、
前記吸着パッドは、前記シール剥離部で前記離形テープから送り方向前側部分が所定量剥離されて停止した前記孔塞ぎシールを吸着すること、
前記シール供給装置は、前記パッド駆動装置に旋回可能に支持され、前記シール供給装置の本体部と前記パッド駆動装置の可動部との間には、前記吸着パッドの前進動作に伴って前記シール剥離部が前記吸着パッドの吸着位置に対して離間する方向へ前記シール供給装置を旋回させ、かつ、前記吸着パッドの後退動作に伴って前記シール剥離部が前記吸着パッドの吸着位置に対して近接する方向へ前記シール供給装置を旋回させる旋回機構を備えていることを特徴とする。
【0009】
本発明においては、吸着パッドは、シール剥離部で離形テープから送り方向前側部分が所定量剥離されて停止した孔塞ぎシールを吸着するので、吸着パッドが略一定の位置で孔塞ぎシールを負圧等を利用して簡単に吸着することができる。また、吸着パッドが孔塞ぎシールを吸着するとき、孔塞ぎシールの送り方向後側部分が離形テープに貼り付いているので、孔塞ぎシールが離形テープから落下していることもない。そのため、吸着パッドは、孔塞ぎシールを精度よく、また、安定して吸着することができ、結果として、孔塞ぎシールを車両の車体パネルに開口された貫通孔の外周面に精度よく安定して貼着することができる。
【0010】
また、シール供給装置は、パッド駆動装置に旋回可能に支持され、シール供給装置の本体部とパッド駆動装置の可動部との間には、吸着パッドの前進動作に伴ってシール剥離部が吸着パッドの吸着位置に対して離間する方向へシール供給装置を旋回させ、かつ、吸着パッドの後退動作に伴ってシール剥離部が吸着パッドの吸着位置に対して近接する方向へシール供給装置を旋回させる旋回機構を備えているので、吸着パッドの前進動作に連動してシール剥離部が吸着パッドの吸着位置から自動的に離間し、吸着パッドの後退動作に連動してシール剥離部が吸着パッドの吸着位置に自動的に近接することができる。そのため、吸着パッドが、シール剥離部で離形テープから送り方向前側部分が所定量剥離された孔塞ぎシールを吸着した後、吸着パッドが前進後退する時に、吸着パッドとシール剥離部との干渉を緩和又は回避して、吸着パッドに対する孔塞ぎシールの位置ズレや落下等を防止できる。その結果、車体パネルに開口された貫通孔の外周面に孔塞ぎシールを確実に貼着して、当該貫通孔を精度よく安定して閉塞することができる。なお、吸着パッドが前進後退する動作に同期して、シール供給装置全体を旋回させるので、テープ保持部とシール剥離部とテープ巻取部との相対的な位置関係は変化しない。したがって、シール剥離部の離間・近接に伴う離形テープの伸縮や離形テープに対する孔塞ぎシールの位置ズレ等も生じない。
【0011】
よって、本発明によれば、車両の車体パネルに開口された貫通孔を精度よく安定して閉塞することができる孔塞ぎシールのシール貼着装置を提供することができる。
【0012】
(2)(1)に記載された孔塞ぎシールのシール貼着装置において、
前記旋回機構は、前記パッド駆動装置の可動部に連結されたカムフォロア部と、前記シール供給装置の本体部に連結され前記カムフォロア部を案内するカムガイド部とを備えていることを特徴とする。
【0013】
本発明においては、旋回機構は、パッド駆動装置の可動部に連結されたカムフォロア部と、シール供給装置の本体部に連結されカムフォロア部を案内するカムガイド部とを備えているので、吸着パッドの前進後退に伴って、パッド駆動装置の可動部に連結されたカムフォロア部がシール供給装置の本体部に連結されたカムガイド部に案内されて移動するとき、シール剥離部を吸着パッドの吸着位置に対して、機械的に離間又は近接させることができる。そのため、シール供給装置を旋回させる専用の駆動部や、上記専用の駆動部とパッド駆動装置の可動部との同期をとる制御部等を必要とせず、本シール貼着装置の簡素化、軽量化を図りつつ、吸着パッドに対する孔塞ぎシールの位置ズレや落下等を防止できる。
【0014】
(3)(1)又は(2)に記載された孔塞ぎシールのシール貼着装置において、
前記テープ保持部の回転軸部とその軸受け部との間には、前記回転軸部の回転トルクを調節するトルク調節機構が連結されていることを特徴とする。
【0015】
本発明においては、テープ保持部の回転軸部とその軸受け部との間には、回転軸部の回転トルクを調節するトルク調節機構が連結されているので、本シール貼着装置を、例えばロボットの可動アームに装着し、急速に旋回又は移動させた場合でも、トルク調節機構がテープ保持部の回転軸部における回転速度の変動等を抑制して、テープ保持部に保持されるロール状のシール付きテープが振動又は揺動等するのを防止できる。そのため、シール剥離部に繰り出されたシール付きテープに生じる弛みや変形を低減させることができる。その結果、吸着パッドに対する孔塞ぎシールの停止位置が安定して、車体パネルに開口された貫通孔を、より一層精度よく閉塞することができる。なお、シール剥離部のシール付きテープに対するテープガイド部には、シール付きテープの浮き上がりを規制する上規制板を設けることによって、シール剥離部に繰り出されたシール付きテープに生じる弛みや変形をより一層低減させることができる。
【0016】
(4)(3)に記載された孔塞ぎシールのシール貼着装置において、
前記トルク調節機構には、テープ保持部の回転軸部と連結され外周側に突設された環状鍔部を有する連結軸部と、前記環状鍔部と摺接する環状摩擦板を有するカラー部材と、前記カラー部材に対向し前記連結軸部の外周面に形成した雄ネジとネジ係合する調節ナット部と、前記カラー部材と前記調節ナット部との間に装着された圧縮バネ部材とを備え、前記カラー部材の係止突起部が前記回転軸部の軸受け部に係止されていることを特徴とする。
【0017】
本発明においては、トルク調節機構には、テープ保持部の回転軸部と連結され外周側に突設された環状鍔部を有する連結軸部と、環状鍔部と摺接する環状摩擦板を有するカラー部材と、カラー部材に対向し連結軸部の外周面に形成した雄ネジとネジ係合する調節ナット部と、カラー部材と調節ナット部との間に装着された圧縮バネ部材とを備え、カラー部材の係止突起部が回転軸部の軸受け部に係止されているので、調節ナット部を回転して圧縮バネ部材の撓み量を調節することによって、軸受け部に係止・固定されたカラー部材と環状摩擦板と連結軸部の環状鍔部との間で機械的な回転規制力を生じさせ、上記回転規制力を維持した状態でテープ保持部の回転軸部を回転させることができる。そのため、本シール貼着装置の使用状況に応じて、上記回転規制力の強さを調節ナット部によって調節でき、テープ保持部に保持されるロール状のシール付きテープの振動や揺動等を抑制して、シール剥離部に繰り出されたシール付きテープに生じる弛みや変形を、より一層低減させることができる。
【0018】
(5)(1)乃至(4)のいずれか1つに記載された孔塞ぎシールのシール貼着装置において、
前記パッド駆動装置の本体部には、前記シール供給装置の旋回軸部を外周側で同軸旋回可能に支持する円筒状軸受け部を備え、
前記テープ保持部の回転軸部は、前記円筒状軸受け部の内周側で同軸回転可能に支持されていることを特徴とする。
【0019】
本発明においては、パッド駆動装置の本体部には、シール供給装置の旋回軸部を外周側で同軸旋回可能に支持する円筒状軸受け部を備え、テープ保持部の回転軸部は、円筒状軸受け部の内周側で同軸回転可能に支持されているので、シール供給装置における旋回軸部とテープ保持部における回転軸部とを同軸化して、パッド駆動装置の本体部に備えた円筒状軸受け部が、旋回軸部と回転軸部とを1つの軸上で支持することができ、シール貼着装置をより一層小型化できる。そのため、狭い作業空間でも、車体パネルに開口された貫通孔をより一層精度よく閉塞することができる。
【0020】
(6)(5)に記載された孔塞ぎシールのシール貼着装置において、
前記シール供給装置には、前記テープ保持部の回転軸部から離間した位置に前記シール供給装置の旋回軌跡に沿って形成された被案内部を備え、
前記パッド駆動装置の本体部には、前記被案内部を案内する案内部を備えていることを特徴とする。
【0021】
本発明においては、シール供給装置には、テープ保持部の回転軸部から離間した位置に旋回軌跡に沿って形成された被案内部を備え、パッド駆動装置の本体部には、被案内部を案内する案内部を備えているので、パッド駆動装置に対して、安定した姿勢でシール供給装置を旋回させることができる。そのため、吸着パッドに対する孔塞ぎシールの停止位置が安定して、車体パネルに開口された貫通孔を、より一層精度よく閉塞することができる。
【0022】
(7)(1)乃至(6)のいずれか1つに記載された孔塞ぎシールのシール貼着装置において、
前記テープ巻取部の回転軸部には、前記テープ保持部に保持されるロール状のシール付きテープを前記シール剥離部へ繰り出すと同時に、前記テープ巻取部で前記離形テープを巻き取る駆動モータが連結されていることを特徴とする。
【0023】
本発明においては、テープ巻取部の回転軸部には、テープ保持部に保持されるロール状のシール付きテープをシール剥離部へ繰り出すと同時に、テープ巻取部で離形テープを巻き取る駆動モータが連結されているので、テープ保持部から繰り出すシール付きテープとテープ巻取部で巻き取る離形テープとを略同一の速度で移動させることができ、移動経路の途中でシール付きテープや離形テープに弛み等が生じにくい。そのため、シール剥離部での孔塞ぎシールの停止位置の精度がより一層向上し、車体パネルに開口された貫通孔の外周面に孔塞ぎシールを確実に貼着して、当該貫通孔をより一層精度よく安定して閉塞することができる。
【0024】
(8)(7)に記載された孔塞ぎシールのシール貼着装置において、
前記駆動モータは、回転演算器を備えたサーボモータであることを特徴とする。
【0025】
本発明においては、駆動モータは、回転演算器を備えたサーボモータであるので、離形テープを駆動モータが高速で巻き取っても、また、その巻取負荷が変化しても、シール剥離部の所定の停止位置に、離形テープから送り方向前側部分が所定量剥離した孔塞ぎシールを、精度よく停止させることができる。そのため、吸着パッドが、孔塞ぎシールをより一層精度よく吸着し、車体パネルに開口された貫通孔の外周面に孔塞ぎシールを貼着して、当該貫通孔をより一層精度よく、かつ迅速に閉塞することができる。
【0026】
(9)(7)又は(8)に記載された孔塞ぎシールのシール貼着装置において、
前記孔塞ぎシールは、一部に着色部が形成されたシール体からなり、
前記シール供給装置には、前記シール剥離部のテープガイド部上方に設置された光検出器を備え、前記光検出器が前記着色部を検出した信号によって、前記駆動モータを停止させることを特徴とする。
【0027】
本発明においては、孔塞ぎシールは、一部に着色部が形成されたシール体からなり、シール供給装置には、シール剥離部のテープガイド部上方に設置された光検出器を備え、光検出器が着色部を検出した信号によって、駆動モータを停止させるので、シール剥離部の直前でシール付きテープに貼付された孔塞ぎシールの位置を光検出器が検出することができ、シール剥離部での孔塞ぎシールの停止精度をより一層向上させることができる。また、例えば、離形テープに検出用マークを付ける等の手間が省け、シール貼着装置における孔塞ぎシールの貼着作業の安定性を、より安価に向上させることができる。
【0028】
(10)(1)乃至(9)のいずれか1つに記載された孔塞ぎシールのシール貼着装置において、
前記テープ巻取部の回転軸部には、前記離形テープの端部を差し込み可能に形成された複数のスリット部が外周側に形成されたテープ巻取用の筒状芯金が、着脱可能に装着されていることを特徴とする。
【0029】
本発明においては、テープ巻取部の回転軸部には、離形テープの端部を差し込み可能に形成された複数のスリット部が外周側に形成されたテープ巻取用の筒状芯金が、着脱可能に装着されているので、所定の量まで巻き取られた離形テープを回収する際、使用中の筒状芯金を回転軸部から外して、新しい筒状芯金を付け替えるだけで、迅速かつ簡単に離形テープの回収作業を行うことができる。そのため、本シール貼着装置による貫通孔の閉塞作業において、その安定性と生産性を高めることができる。
【0030】
(11)(1)乃至(10)のいずれか1つに記載された孔塞ぎシールのシール貼着装置において、
前記シール供給装置には、前記テープ保持部に保持されている前記シール付きテープを幅方向で位置規制するガイド板を備え、
前記ガイド板には、前記テープ巻取部に巻き取られる前記離形テープを幅方向で位置規制する小ガイド板が一体に形成され、また、前記テープ保持部の回転軸部の側端面と前記シール剥離部の側端面とに固定されるネジ部に係止する切欠き部が形成されていることを特徴とする。
【0031】
本発明においては、シール供給装置には、テープ保持部に保持されているシール付きテープを幅方向で位置規制するガイド板を備え、ガイド板には、テープ巻取部に巻き取られる離形テープを幅方向で位置規制する小ガイド板が一体に形成され、また、テープ保持部の回転軸部の側端面とシール剥離部の側端面とに固定されるネジ部に係止する切欠き部が形成されているので、テープ保持部に保持されているシール付きテープとテープ巻取部に回収される離形テープとを1つのガイド板で幅方向に規制できる。そのため、シール剥離部に送られるシール付きテープの蛇行や詰まり等を未然に回避できる。また、切欠き部で係止されるネジ部を緩めるだけで、ガイド板の取り外しを簡単に行い、テープ保持部へのシール付きテープの供給や、テープ巻取部からの離形テープの回収を迅速かつ簡単に行うことができる。そのため、本シール貼着装置による貫通孔の閉塞作業において、その生産性と安定性をより一層高めることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、車両の車体パネルに開口された貫通孔を精度よく安定して閉塞することができる孔塞ぎシールのシール貼着装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本実施形態の孔塞ぎシールのシール貼着装置の全体斜視図である。
【
図2】
図1に示す孔塞ぎシールのシール貼着装置におけるA視側面図である。
【
図7】
図6に示すシール剥離部のF部詳細斜視図である。
【
図8】
図1に示す孔塞ぎシールのシール貼着装置における動作フロー図である。
【
図9】
図1に示す孔塞ぎシールのシール貼着装置における動作説明図である。
【
図10】
図1に示すシール剥離部における動作説明用の側面図である。
【
図11】特許文献1に記載されたラベル貼付機の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
次に、本発明に係る実施形態である孔塞ぎシールのシール貼着装置について、図面を参照して詳細に説明する。はじめに、本実施形態に係る孔塞ぎシールの貼着装置の構成について説明し、次に、その動作方法を説明する。
【0035】
<孔塞ぎシールのシール貼着装置の構成>
まず、本実施形態である孔塞ぎシールのシール貼着装置の構成について、
図1~
図7を用いて説明する。
図1に、本実施形態の孔塞ぎシールのシール貼着装置の全体斜視図を示す。
図2に、
図1に示す孔塞ぎシールのシール貼着装置におけるA視側面図を示す。
図3に、
図2に示すB-B断面図を示す。
図4に、
図3に示すE部詳細断面図を示す。
図5に、
図1に示すC斜視図を示す。
図6に、
図1に示すD斜視図を示す。
図7に、
図6に示すシール剥離部のF部詳細斜視図を示す。
【0036】
図1~
図3に示すように、本シール貼着装置70は、帯状の離形テープ11に孔塞ぎシール12が所定の間隔で貼付されたシール付きテープ1をロール状にして回転可能に保持するテープ保持部2と、シール付きテープ1を一定方向へ繰り出しつつ折り返して孔塞ぎシール12を離形テープ11から剥離するシール剥離部3と、孔塞ぎシール12が剥離された離形テープ11のみを巻き取るテープ巻取部4とを有するシール供給装置50と、シール剥離部3で剥離する孔塞ぎシール12を吸着して車両Sの車体パネルSPに開口された貫通孔KTの外周面に貼着させる吸着パッド5と、吸着パッド5を吸着位置(P1)から貼着位置(P2)まで前進後退させる可動部6とを有するパッド駆動装置60と、を備えた孔塞ぎシールのシール貼着装置である。
【0037】
また、吸着パッド5は、シール剥離部3で離形テープ11から送り方向前側部分121が所定量剥離されて停止した孔塞ぎシール12を吸着するように構成されている。吸着パッド5には、孔塞ぎシール12を吸着する円錐状のゴムパッド5Gと、吸引口56に接続された真空エジェクタ(図示しない)とを備え、真空エジェクタが形成する負圧によってゴムパッド5Gが孔塞ぎシール12を吸着する。また、シール供給装置50は、パッド駆動装置60に旋回可能に支持され、シール供給装置50の本体部9とパッド駆動装置60の可動部6との間には、吸着パッド5の前進動作(矢印F1の方向の動作)に伴ってシール剥離部3が吸着パッド5の吸着位置(P1)に対して離間する方向(矢印R1の方向)へシール供給装置50を旋回させ、かつ、吸着パッド5の後退動作(矢印F2の方向の動作)に伴ってシール剥離部3が吸着パッド5の吸着位置(P1)に対して近接する方向(矢印R2の方向)へシール供給装置50を旋回させる旋回機構8を備えている。
【0038】
シール供給装置50には、板状の本体部9を備え、テープ保持部2とシール剥離部3とテープ巻取部4とが、本体部9に対してそれぞれ所定の位置に支持されている。また、パッド駆動装置60には、角筒状のシリンダケース6Kに対して、吸着パッド5の進退方向へ伸縮するシリンダロッド6Lを有する電動シリンダ6Sを備え、当該シリンダロッド6Lの先端部に可動部6が連結されている。可動部6には、互いに連結された断面L字状の第1支持ブラケット61と第2支持ブラケット62とを備え、先端側に位置する第2支持ブラケット62に吸着パッド5が連結されている。また、シリンダケース6Kの両側面には、パッド駆動装置60の本体部7が両側から挟み込むように締結されている。パッド駆動装置60の本体部7の基台73には、ロボットの可動アーム19に装着する装着具20が、着脱可能に連結されている。なお、基台73と装着具20との間には、本シール貼着装置70の着脱性、交換性を向上させるため、ツールチェンジャ75を装着するのが好ましい。
【0039】
また、旋回機構8は、パッド駆動装置60の可動部6に連結されたカムフォロア部81と、シール供給装置50の本体部9に連結されカムフォロア部81を案内するカムガイド部82とを備えている。カムフォロア部81の軸部は、可動部6の第1支持ブラケット61に支持されている。カムガイド部82は、シール供給装置50の本体部9に固定されている。また、カムガイド部82には、カムフォロア部81が係合されて移動するカム溝821が形成されている。
【0040】
また、カム溝821は、吸着パッド5の進退方向に対して傾斜する傾斜角度が大きい第1カム溝821aと、吸着パッド5の進退方向に対して傾斜する傾斜角度が小さい第2カム溝821bとが、への字状に連接されている。第1カム溝821aは、カムフォロア部81が第1カム溝821aに沿って移動するとき、シール剥離部3が吸着パッド5の吸着位置(P1)に対して離間又は近接する方向(矢印R1、R2の方向)へシール供給装置50を旋回させるように形成されている。第2カム溝821bは、カムフォロア部81が第2カム溝821bに沿って移動するとき、シール剥離部3が吸着パッド5の吸着位置(P1)に対して離間した位置でシール供給装置50を静止させるように形成されている。
【0041】
また、シール供給装置50には、テープ保持部2に保持されているシール付きテープ1を幅方向で位置規制するガイド板53を備え、ガイド板53には、テープ巻取部4に巻き取られる離形テープ11を幅方向で位置規制する小ガイド板531が一体に形成されている。また、ガイド板53は、テープ保持部2の回転軸部21の側端面21Tとシール剥離部3の側端面3Tとにネジ部54(54a、54b)で着脱可能に固定されている。また、ガイド板53には、ネジ部54(54a、54b)に係止する切欠き部532、533が形成されている。
【0042】
また、シール供給装置50の本体部9には、テープ保持部2にロール状に巻かれたシール付きテープ1の最大外径と略同径に形成された固定ガイド板55が固定されている。テープ保持部2に保持されているシール付きテープ1は、固定ガイド板55とガイド板53とによって、幅方向の両側から挟まれて幅方向の位置が規制されている。一方、ガイド板53は、切欠き部532、533で係止されるネジ部54(54a、54b)を緩めるだけで、ガイド板53の取り外しを簡単に行い得るので、テープ保持部2へのシール付きテープ1の供給や、テープ巻取部4からの離形テープ11の回収を迅速かつ簡単に行うことができる。
【0043】
また、
図3、
図4に示すように、テープ保持部2の回転軸部21とその軸受け部22との間には、回転軸部21の回転トルクを調節するトルク調節機構10が連結されている。テープ保持部2は、ロール状に巻かれたシール付きテープ1を保持可能に円筒体として形成されている。テープ保持部2の軸心には、回転軸部21が嵌装されている。回転軸部21の一端側には、係止ピン212を介してテープ保持部2が固定されている。係止ピン212は、回転軸部21に対して軸方向と直交しテープ保持部2の係止溝側に突出するように挿通されている。回転軸部21の他端側には、トルク調節機構10が連結されている。
【0044】
また、トルク調節機構10には、テープ保持部2の回転軸部21と連結され外周側に突設された環状鍔部131を有する連結軸部13と、環状鍔部131と摺接する環状摩擦板141を有するカラー部材14と、カラー部材14に対向し連結軸部13の外周面に形成した雄ネジ132とネジ係合する調節ナット部15と、カラー部材14と調節ナット部15との間に装着された圧縮バネ部材16とを備え、カラー部材14の係止突起部142が回転軸部21の軸受け部22(22a)に係止されている。カラー部材14の内突部143が環状摩擦板141と摺接する。また、連結軸部13は、係止ピン211を介して回転軸部21に固定されている。係止ピン211は、回転軸部21に対して軸方向と直交し環状鍔部131の係止溝側に突出するように挿通されている。なお、回転軸部21の軸受け部22(22b)は、調節ナット部15側にも形成されている。2つの軸受け部22(22a、22b)は、パッド駆動装置60のシリンダケース6Kに固定された軸受け板72に締結されている。
【0045】
また、パッド駆動装置60の本体部7には、シール供給装置50の旋回軸部23を外周側で同軸旋回可能に支持する円筒状軸受け部71を備え、テープ保持部2の回転軸部21は、円筒状軸受け部71の内周側で同軸回転可能に支持されている。円筒状軸受け部71には、パッド駆動装置60の本体部7に固定された環状フランジ部711が形成されている。また、旋回軸部23には、シール供給装置50の本体部9に固定された環状フランジ部231が形成されている。上記構成によって、シール供給装置50における旋回軸部23とテープ保持部2における回転軸部21とを同軸化して、パッド駆動装置60の本体部9に固定した円筒状軸受け部71が、旋回軸部23と回転軸部21とを1つの軸上で支持するように形成されている。
【0046】
また、
図2、
図3、
図5に示すように、シール供給装置50には、テープ保持部2の回転軸部21から離間した位置に旋回軌跡に沿って形成された被案内部51を備え、パッド駆動装置60の本体部7には、被案内部51を幅方向で規制して案内する案内部52を備えている。案内部52は、回転自在の鍔付きローラとして形成され、被案内部51は、鍔付きローラの鍔面とローラ面とに当接する円弧状角柱部材として形成されている。案内部52の軸部は、シリンダケース6Kに締結された固定板74に支持ブラケット741を介して固定されている。シール供給装置50が、テープ保持部2の回転軸部21を中心に旋回したときに、案内部52が被案内部51を幅方向で規制することによって、パッド駆動装置60に対するシール供給装置50の揺れや傾きを防止するよう作用する。その結果、吸着パッド5がシール剥離部3で孔塞ぎシール12を吸着するときの位置精度を、より一層向上させ得る。
【0047】
また、テープ巻取部4の回転軸部41には、テープ保持部2に保持されるロール状のシール付きテープ1をシール剥離部3へ繰り出すと同時に、テープ巻取部4で離形テープ11を巻き取る駆動モータ42が連結されている。テープ巻取部4の回転軸部41は、駆動モータ42と平歯車45を介して連結されている。また、駆動モータ42は、回転演算器43を備えたサーボモータ42Sであることが好ましい。回転演算器43を備えたサーボモータ42Sであれば、離形テープ11をサーボモータ42Sが高速で巻き取っても、また、その巻取負荷が変化しても、シール剥離部3の所定の停止位置に、離形テープ11から送り方向前側部分121が所定量剥離した孔塞ぎシール12を、精度よく停止させることができる。
【0048】
また、テープ巻取部4の回転軸部41には、離形テープ11の端部11Tを差し込み可能に形成された複数のスリット部441が外周側に形成されたテープ巻取用の筒状芯金44が、着脱可能に装着されている。筒状芯金44の内周面には、係止溝442が略十字状に形成され、テープ巻取部4の回転軸部41には、係止溝442に係合する係止ピン411が外周側へ突出されている。テープ巻取部4では、所定の量まで巻き取られた離形テープ11を回収する際、使用中の筒状芯金44を回転軸部41から外して、新しい筒状芯金44を付け替える。
【0049】
また、
図6、
図7に示すように、孔塞ぎシール12は、一部に着色部12t、12gが形成された円形のシール体からなり、帯状の離形テープ11に対して貼着剤で剥離可能に貼付されている。着色部12t、12gは、シール体の中心部と外周部とに同心円状に形成されている。また、帯状の離形テープ11に孔塞ぎシール12が一列で等間隔に貼付されたシール付きテープ1は、テープガイド部31の上流側に軸支された案内ローラ32を経由して、シール剥離部3に送給される。
【0050】
また、シール剥離部3には、案内ローラ32を経由して送給されたシール付きテープ1を鋭角状に折り返すテーパー部3Sが形成されている。シール付きテープ1は、テーパー部3Sで孔塞ぎシール12が離形テープ11から送り方向前側部分121が所定量剥離された状態で、停止する。孔塞ぎシール12の内、離形テープ11から剥離された送り方向前側部分121は、離形テープ11から剥離されない送り方向後側部分122と比較して、1~2倍程度の面積が好ましい。孔塞ぎシール12の停止位置(P0)の上方に、吸着パッド5が待機している。吸着パッド5には、進退方向に伸縮するコイルバネ571を内蔵したシリンダ機構57を備え、吸着パッド5が前進するとき、仮に、吸着パッド5がシール剥離部3に当接した場合でも、シリンダ機構57が伸縮して吸着パッド5に対する衝撃を緩和するように形成されている。また、テープガイド部31には、テープ摺接平面312の両側に起立するガイド側壁311が形成されている。ガイド側壁311は、シール付きテープ1の蛇行等を規制する。また、ガイド側壁311には、シール付きテープ1の浮き上がりを規制する上規制板33が、吸着パッド5の吸着位置近傍に設けられている。なお、テーパー部3Sで孔塞ぎシール12が剥離された離形テープ11は、テープガイド部31の底面を経由してテープ巻取部4へ送られる(
図2を参照)。
【0051】
また、シール供給装置50には、シール剥離部3のテープガイド部31上方に設置された光検出器17を備えている。光検出器17は、例えば、外周側の着色部12gに投光した光ビームの反射率を検出した信号によって、駆動モータ42を停止させるように制御されている。光検出器17の制御アンプ171は、パッド駆動装置60の本体部7に装着されている(
図1、
図3を参照)。また、
図1、
図3に示すように、パッド駆動装置60の本体部7には、テープ保持部2に保持されているロール状のシール付きテープ1の残量を検出するテープ残量検出器18が、支持ブラケット181を介して装着されている。テープ残量検出器18は、ロール状のシール付きテープ1の外径が所定量となった時に、検出信号を出力して、警報等の注意表示を行うように設けられている。なお、シール供給装置50の固定ガイド板55には、テープ残量検出器18に対する逃し孔551が形成されている。
【0052】
<孔塞ぎシールのシール貼着装置の動作方法>
次に、本実施形態に係る孔塞ぎシールのシール貼着装置の動作方法について、
図1、
図2、
図8~
図10を用いて説明する。
図1に、本実施形態の孔塞ぎシールのシール貼着装置の全体斜視図を示す。
図2に、
図1に示す孔塞ぎシールのシール貼着装置におけるA視側面図を示す。
図8に、
図1に示す孔塞ぎシールのシール貼着装置における動作フロー図を示す。
図9に、
図1に示す孔塞ぎシールのシール貼着装置における動作説明図を示す。
図10に、
図1に示すシール剥離部における動作説明用の側面図を示す。
【0053】
図1、
図2、
図8~
図10に示すように、本孔塞ぎシールのシール貼着装置70は、以下の手順に従って動作させる。
【0054】
はじめに、ロボット等を操作させて、吸着パッド5が孔塞ぎされていない貫通孔KTと対向するように、本シール貼着装置70を移動させる(ステップ:S1)。このとき、吸着パッド5は、孔塞ぎシール12を吸着する吸着位置(P1)で待機している。シール貼着装置70を移動させる間に、テープ巻取部4の駆動モータ42を間欠的に作動させて、テープ保持部2に保持されたロール状のシール付きテープ1を繰り出して、シール剥離部3の停止位置(P0)で離形テープ11から送り方向前側部分121が所定量剥離した孔塞ぎシール12を停止させる。駆動モータ42がロール状のシール付きテープ1を繰り出すときには、駆動モータ42の巻取り力Q1に対向して、トルク調節機構10による所定の巻き戻し力Q2(Q2<Q1)が作用しているので、ロボットの可動アーム19を急速に旋回・移動させても、テープ保持部2に保持されたロール状のシール付きテープ1の振動や揺動等を抑制して、シール剥離部3でのシール付きテープ1の浮き等を回避できる。そのため、例えば、
図10に示すように、シール付きテープ1Sがテープガイド部31のテープ摺接平面312から浮き上がり、孔塞ぎシール12が所定の停止位置(P0)から位置ズレすることを効果的に回避できる。
【0055】
次に、図示しない真空エジェクタを作動させ、吸着パッド5がシール剥離部3で所定量剥離された孔塞ぎシール12を真空吸着する(ステップ:S2)。吸着パッド5の吸着位置(P1)と孔塞ぎシール12の停止位置(P0)との間には、所定の隙間(例えば、1~2mm程度)が形成されているが、吸着パッド5は、シール剥離部3で離形テープ11から送り方向前側部分121が所定量剥離された孔塞ぎシール12を吸着するので、真空エジェクタの負圧が作用するだけで、吸着パッド5が孔塞ぎシール12を簡単に吸着することができる。また、吸着パッド5が孔塞ぎシール12を吸着するとき、孔塞ぎシール12の送り方向後側部分122が離形テープ11に貼り付いているので、孔塞ぎシール12が離形テープ11から落下していることもない。そのため、吸着パッド5は、孔塞ぎシール12を精度よく、また、安定して吸着することができる。
【0056】
次に、吸着パッド5を吸着位置(P1)から貼着位置(P2)まで前進させ、孔塞ぎシール12を貫通孔KTの外周面に貼着させる(ステップ:S3)。吸着パッド5の前進動作(矢印F1の方向の動作)に伴い、旋回機構8が作動して、シール剥離部3が吸着パッド5の吸着位置(P1)に対して離間する方向(矢印R1の方向)へシール供給装置50を旋回させる。すなわち、カムフォロア部81が第1カム溝821aに沿って移動するとき、シール剥離部3が吸着パッド5の吸着位置(P1)に対して離間する方向(矢印R1の方向)へシール供給装置50を旋回させる。また、吸着パッド5には、進退方向に伸縮するコイルバネ571を内蔵したシリンダ機構57を備え、吸着パッド5が前進するとき、仮に、吸着パッド5がシール剥離部3に当接した場合でも、シリンダ機構57が伸縮して吸着パッド5に対する衝撃を緩和させる。また、吸着パッド5が、貼着位置(P2)で孔塞ぎシール12を貫通孔KTの外周面に貼着させるとき、ゴムパッド5Gやコイルバネ571の弾性力によって押圧し、孔塞ぎシール12を貫通孔KTの外周面に確実に貼着させることができる。
【0057】
次に、吸着パッド5の真空吸引を停止後、吸着パッド5を吸着位置(P1)まで後退させる(ステップ:S4)。吸着パッド5の後退動作(矢印F2の方向の動作)に伴い、旋回機構8が作動して、シール剥離部3が吸着パッド5の吸着位置(P1)に対して近接する方向(矢印R2の方向)へシール供給装置50を旋回させる。すなわち、カムフォロア部81が第1カム溝821aに沿って移動するとき、シール剥離部3が吸着パッド5の吸着位置(P1)に対して近接する方向(矢印R2の方向)へシール供給装置50を旋回させる。
【0058】
次に、孔塞ぎ未の貫通孔KTが残っているか否かを判定する(ステップ:S5)。例えば、孔塞ぎする貫通孔KTをロボットの制御部に教示しておくことで、孔塞ぎ未の貫通孔KTが残っているか否かを判定できる。孔塞ぎ未の貫通孔KTが残っている場合には、上述したステップ:S1~S4を繰り返し、孔塞ぎ未の貫通孔KTがなくなった場合に終了する。以上のように、本シール貼着装置70を作動させることによって、車両Sの車体パネルSPに開口された貫通孔KTを精度よく安定して閉塞することができる。
【0059】
<作用効果>
以上、詳細に説明したように、本実施形態に係る孔塞ぎシールのシール貼着装置70によれば、吸着パッド5は、シール剥離部3で離形テープ11から送り方向前側部分121が所定量剥離されて停止した孔塞ぎシール12を吸着するので、吸着パッド5が略一定の位置で孔塞ぎシール12を負圧等を利用して簡単に吸着することができる。また、吸着パッド5が孔塞ぎシール12を吸着するとき、孔塞ぎシール12の送り方向後側部分122が離形テープ11に貼り付いているので、孔塞ぎシール12が離形テープ11から落下していることもない。そのため、吸着パッド5は、孔塞ぎシール12を精度よく、また、安定して吸着することができ、結果として、孔塞ぎシール12を車両Sの車体パネルSPに開口された貫通孔KTの外周面に精度よく安定して貼着することができる。
【0060】
また、シール供給装置50は、パッド駆動装置60に旋回可能に支持され、シール供給装置50の本体部9とパッド駆動装置60の可動部6との間には、吸着パッド5の前進動作に伴ってシール剥離部3が吸着パッド5の吸着位置(P1)に対して離間する方向(矢印R1の方向)へシール供給装置50を旋回させ、かつ、吸着パッド5の後退動作に伴ってシール剥離部3が吸着パッド5の吸着位置(P1)に対して近接する方向(矢印R2の方向)へシール供給装置50を旋回させる旋回機構8を備えているので、吸着パッド5の前進動作に連動してシール剥離部3が吸着パッド5の吸着位置(P1)から自動的に離間し、吸着パッド5の後退動作に連動してシール剥離部3が吸着パッド5の吸着位置(P1)に自動的に近接することができる。そのため、吸着パッド5が、シール剥離部3で離形テープ11から送り方向前側部分121が所定量剥離された孔塞ぎシール12を吸着した後、吸着パッド5が前進後退する時に、吸着パッド5とシール剥離部3との干渉を緩和又は回避して、吸着パッド5に対する孔塞ぎシール12の位置ズレや落下等を防止できる。その結果、車体パネルSPに開口された貫通孔KTの外周面に孔塞ぎシール12を確実に貼着して、当該貫通孔KTを精度よく安定して閉塞することができる。なお、吸着パッド5が前進後退する動作に同期して、シール供給装置50全体を旋回させるので、テープ保持部2とシール剥離部3とテープ巻取部4との相対的な位置関係は変化しない。したがって、シール剥離部3の離間・近接に伴う離形テープ11の伸縮や離形テープ11に対する孔塞ぎシール12の位置ズレ等も生じない。
【0061】
よって、本実施形態によれば、車両Sの車体パネルSPに開口された貫通孔KTを精度よく安定して閉塞することができる孔塞ぎシールのシール貼着装置70を提供することができる。
【0062】
また、本実施形態によれば、旋回機構8は、パッド駆動装置60の可動部6に連結されたカムフォロア部81と、シール供給装置50の本体部9に連結されカムフォロア部81を案内するカムガイド部82とを備えているので、吸着パッド5の前進後退に伴って、パッド駆動装置60の可動部6に連結されたカムフォロア部81がシール供給装置50の本体部9に連結されたカムガイド部82に案内されて移動するとき、シール剥離部3を吸着パッド5の吸着位置(P1)に対して、機械的に離間又は近接させることができる。そのため、シール供給装置50を旋回させる専用の駆動部や、上記専用の駆動部とパッド駆動装置60の可動部6との同期をとる制御部等を必要とせず、本シール貼着装置70の簡素化、軽量化を図りつつ、吸着パッド5に対する孔塞ぎシール12の位置ズレや落下等を防止できる。
【0063】
また、本実施形態によれば、テープ保持部2の回転軸部21とその軸受け部22との間には、回転軸部21の回転トルクを調節するトルク調節機構10が連結されているので、本シール貼着装置70を、例えばロボットの可動アーム19に装着し、急速に旋回又は移動させた場合でも、トルク調節機構10がテープ保持部2の回転軸部21における回転速度の変動等を抑制して、テープ保持部2に保持されるロール状のシール付きテープ1が振動又は揺動等するのを防止できる。そのため、シール剥離部3に繰り出されたシール付きテープ1に生じる弛みや変形を低減させることができる。その結果、吸着パッド5に対する孔塞ぎシール12の停止位置(P0)が安定して、車体パネルSPに開口された貫通孔KTを、より一層精度よく閉塞することができる。なお、シール剥離部3のシール付きテープ1に対するテープガイド部31には、シール付きテープ1の浮き上がりを規制する上規制板33を設けることによって、シール剥離部3に繰り出されたシール付きテープ1に生じる弛みや変形をより一層低減させることができる。
【0064】
また、本実施形態によれば、トルク調節機構10には、テープ保持部2の回転軸部21と連結され外周側に突設された環状鍔部131を有する連結軸部13と、環状鍔部131と摺接する環状摩擦板141を有するカラー部材14と、カラー部材14に対向し連結軸部13の外周面に形成した雄ネジ132とネジ係合する調節ナット部15と、カラー部材14と調節ナット部15との間に装着された圧縮バネ部材16とを備え、カラー部材14の係止突起部142が回転軸部21の軸受け部22(22a)に係止されているので、調節ナット部15を回転して圧縮バネ部材16の撓み量を調節することによって、軸受け部22に係止・固定されたカラー部材14と環状摩擦板141と連結軸部13の環状鍔部131との間で機械的な回転規制力を生じさせ、上記回転規制力を維持した状態でテープ保持部2の回転軸部21を回転させることができる。そのため、本シール貼着装置70の使用状況(例えば、移動速度や旋回速度等)に応じて、上記回転規制力の強さを調節ナット部15によって調節でき、テープ保持部2に保持されるロール状のシール付きテープ1の振動や揺動等を抑制して、シール剥離部3に繰り出されたシール付きテープ1に生じる弛みや変形を、より一層低減させることができる。
【0065】
また、本実施形態によれば、パッド駆動装置60の本体部7には、シール供給装置50の旋回軸部23を外周側で同軸旋回可能に支持する円筒状軸受け部71を備え、テープ保持部2の回転軸部21は、円筒状軸受け部71の内周側で同軸回転可能に支持されているので、シール供給装置50における旋回軸部23とテープ保持部2における回転軸部21とを同軸化して、パッド駆動装置60の本体部7に備えた円筒状軸受け部71が、旋回軸部23と回転軸部21とを1つの軸上で支持することができ、シール貼着装置70をより一層小型化できる。そのため、狭い作業空間でも、車体パネルSPに開口された貫通孔KTをより一層精度よく閉塞することができる。
【0066】
また、本実施形態によれば、シール供給装置50には、テープ保持部2の回転軸部21から離間した位置に旋回軌跡に沿って形成された被案内部51を備え、パッド駆動装置60の本体部9には、被案内部51を案内する案内部52を備えているので、パッド駆動装置60に対して、安定した姿勢でシール供給装置50を旋回させることができる。そのため、吸着パッド5に対する孔塞ぎシール12の停止位置(P0)が安定して、車体パネルSPに開口された貫通孔KTを、より一層精度よく閉塞することができる。
【0067】
また、本実施形態によれば、テープ巻取部4の回転軸部41には、テープ保持部2に保持されるロール状のシール付きテープ1をシール剥離部3へ繰り出すと同時に、テープ巻取部4で離形テープ11を巻き取る駆動モータ42が連結されているので、テープ保持部2から繰り出すシール付きテープ1とテープ巻取部4で巻き取る離形テープ11とを略同一の速度で移動させることができ、移動経路の途中でシール付きテープ1や離形テープ11に弛み等が生じにくい。そのため、シール剥離部3での孔塞ぎシール12の停止位置(P0)の精度がより一層向上し、車体パネルSPに開口された貫通孔KTの外周面に孔塞ぎシール12を確実に貼着して、当該貫通孔KTをより一層精度よく安定して閉塞することができる。
【0068】
また、本実施形態によれば、駆動モータ42は、回転演算器43を備えたサーボモータ42Sであるので、離形テープ11を駆動モータ42が高速で巻き取っても、また、その巻取負荷が変化しても、シール剥離部3の所定の停止位置(P0)に、離形テープ11から送り方向前側部分121が所定量剥離した孔塞ぎシール12を、精度よく停止させることができる。そのため、吸着パッド5が、孔塞ぎシール12をより一層精度よく吸着し、車体パネルSPに開口された貫通孔KTの外周面に孔塞ぎシール12を貼着して、当該貫通孔KTをより一層精度よく、かつ迅速に閉塞することができる。
【0069】
また、本実施形態によれば、孔塞ぎシール12は、一部に着色部12gが形成されたシール体からなり、シール供給装置50には、シール剥離部3のテープガイド部31上方に設置された光検出器17を備え、光検出器17が着色部12gを検出した信号によって、駆動モータ42を停止させるので、シール剥離部3の直前でシール付きテープ1に貼付された孔塞ぎシール12の位置を光検出器17が検出することができ、シール剥離部3での孔塞ぎシール12の停止精度をより一層向上させることができる。また、例えば、離形テープ11に検出用マークを付ける等の手間が省け、シール貼着装置70における孔塞ぎシール12の貼着作業の安定性を、より安価に向上させることができる。
【0070】
また、本実施形態によれば、テープ巻取部4の回転軸部41には、離形テープ11の端部11Tを差し込み可能に形成された複数のスリット部441が外周側に形成されたテープ巻取用の筒状芯金44が、着脱可能に装着されているので、所定の量まで巻き取られた離形テープ11を回収する際、使用中の筒状芯金44を回転軸部41から外して、新しい筒状芯金44を付け替えるだけで、迅速かつ簡単に離形テープ11の回収作業を行うことができる。そのため、本シール貼着装置70による貫通孔KTの閉塞作業において、その安定性と生産性を高めることができる。
【0071】
また、本実施形態によれば、シール供給装置50には、テープ保持部2に保持されているシール付きテープ1を幅方向で位置規制するガイド板53を備え、ガイド板53には、テープ巻取部4に巻き取られる離形テープ11を幅方向で位置規制する小ガイド板531が一体に形成され、また、テープ保持部2の回転軸部21の側端面21Tとシール剥離部3の側端面3Tとに固定されるネジ部54(54a、54b)に係止する切欠き部532、533が形成されているので、テープ保持部2に保持されているシール付きテープ1とテープ巻取部4に回収される離形テープ11とを1つのガイド板53で幅方向に規制できる。そのため、シール剥離部3に送られるシール付きテープ1の蛇行や詰まり等を未然に回避できる。また、切欠き部532、533で係止されるネジ部54(54a、54b)を緩めるだけで、ガイド板53の取り外しを簡単に行い、テープ保持部2へのシール付きテープ1の供給や、テープ巻取部4からの離形テープ11の回収を、迅速かつ簡単に行うことができる。そのため、本シール貼着装置70による貫通孔KTの閉塞作業において、その生産性と安定性をより一層高めることができる。
【0072】
<変形例>
上述した実施形態は、本発明の要旨を変更しない範囲で変更することができる。例えば、本実施形態によれば、旋回機構8は、パッド駆動装置60の可動部6に連結されたカムフォロア部81と、シール供給装置50の本体部9に連結されカムフォロア部81を案内するカムガイド部82とを備えているが、必ずしも、これに限定する必要はない。例えば、シール供給装置50の本体部9にカムフォロア部81を軸支して、パッド駆動装置60の可動部6にカムフォロア部81を案内するカムガイド部82を連結しても良い。また、カムフォロア部81とカムガイド部82からなるカム機構のみならず、リンク機構やラックピニオン機構等を用いて、パッド駆動装置60の可動部6の直進運動を、シール供給装置50の旋回運動に変換することもできる。
【0073】
また、本実施形態によれば、トルク調節機構10には、テープ保持部2の回転軸部21と連結され外周側に突設された環状鍔部131を有する連結軸部13と、環状鍔部131と摺接する環状摩擦板141を有するカラー部材14と、カラー部材14に対向し連結軸部13の外周面に形成した雄ネジ132とネジ係合する調節ナット部15と、カラー部材14と調節ナット部15との間に装着された圧縮バネ部材16とを備え、カラー部材14の係止突起部142が回転軸部21の軸受け部22(22a)に係止されている構成であるが、必ずしも、これに限定する必要はない。例えば、電磁力でクラッチ板の摩擦力を調節する電磁ブレーキ機構の構成でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、例えば、車両の車体パネルに開口された貫通孔を閉塞する孔塞ぎシールのシール貼着装置として利用できる。
【符号の説明】
【0075】
1 シール付きテープ
2 テープ保持部
3 シール剥離部
3T 側端面
4 テープ巻取部
5 吸着パッド
6 可動部
7、9 本体部
8 旋回機構
10 トルク調節機構
11 離形テープ
11T 端部
12 孔塞ぎシール
12g、12t 着色部
13 連結軸部
14 カラー部材
15 調節ナット部
16 圧縮バネ部材
17 光検出器
21、41 回転軸部
21T 側端面
22 軸受け部
23 旋回軸部
31 テープガイド部
42 駆動モータ
42S サーボモータ
43 回転演算器
44 筒状芯金
50 シール供給装置
51 被案内部
52 案内部
53 ガイド板
54 ネジ部
60 パッド駆動装置
70 孔塞ぎシールのシール貼着装置
71 円筒状軸受け部
81 カムフォロア部
82 カムガイド部
121 送り方向前側部分
131 環状鍔部
132 雄ネジ
141 環状摩擦板
142 係止突起部
441 スリット部
531 小ガイド板
532、533 切欠き部
KT 貫通孔
P1 吸着位置
P2 貼着位置
SP 車体パネル