(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】放射線画像撮影装置
(51)【国際特許分類】
A61B 6/00 20060101AFI20220117BHJP
【FI】
A61B6/00 320Z
A61B6/00 300W
(21)【出願番号】P 2019219786
(22)【出願日】2019-12-04
(62)【分割の表示】P 2016034024の分割
【原出願日】2016-02-25
【審査請求日】2019-12-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久保田 哲生
(72)【発明者】
【氏名】廣重 陽
(72)【発明者】
【氏名】柿木 章徳
【審査官】伊知地 和之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0064351(US,A1)
【文献】特開2014-196959(JP,A)
【文献】特開2015-167449(JP,A)
【文献】特開2011-248158(JP,A)
【文献】特開2009-219585(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00 - 6/14
H02J 1/00 - 1/16
H05G 1/00 - 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部コネクターと接続可能なコネクターを備える放射線画像撮影装置であって、
前記外部コネクターを介して外部から電力の供給を受けることが可能か否かを検知する電力供給検知手段と、
前記放射線画像撮影装置の電源のオン/オフを制御可能な制御手段と、
前記制御手段に電力を供給する内蔵電源と、を備え、
前記制御手段は、前記電力供給検知手段が外部からの電力の供給を受けることが可能でないことを検知する状態から外部からの電力の供給を受けることが可能であることを検知する状態に切り替わったタイミングで、前記内蔵電源に蓄積されている電力量が、前記放射線画像撮影装置の電源をオンすることが可能な下限値を下回っている場合には、オフの状態の前記放射線画像撮影装置の電源をオンせずに前記電源がオフの状態を維持するように制御することを特徴とする放射線画像撮影装置。
【請求項2】
前記外部コネクターと前記放射線画像撮影装置の前記コネクターとが接続されているか否かを検知可能なコネクター接続検知手段をさらに有し、
前記制御手段は、
前記電力供給検知手段が、外部からの電力の供給を受けることが可能であることを検知する状態から電力の供給を受けることが可能でないことを検知する状態に切り替わった時点で、
前記コネクター接続検知手段が前記外部コネクターと前記放射線画像撮影装置の前記コネクターとが接続されていることを検知した場合には、オンの状態の前記放射線画像撮影装置の前記電源をオフするように制御し、
前記コネクター接続検知手段が前記外部コネクターと前記放射線画像撮影装置の前記コネクターとが接続されていないことを検知した場合には、前記放射線画像撮影装置の前記電源がオンの状態を維持するように制御することを特徴とする請求項1記載の放射線画像撮影装置。
【請求項3】
前記外部コネクターの種別を判別するコネクター種別判別手段を備え、
前記制御手段は、前記コネクター種別判別手段が判別したコネクターの種別に応じて、
前記タイミングで、
前記コネクター接続検知手段が前記外部コネクターと前記放射線画像撮影装置の前記コネクターとが接続していることを検知した場合に、オフの状態の前記放射線画像撮影装置の電源をオンするように制御すること、
または、前記コネクター接続検知手段が前記外部コネクターと前記放射線画像撮影装置の前記コネクターとが接続している
か否かにかかわらず、オフの状態の前記放射線画像撮影装置の電源をオンせずに前記電源がオフの状態を維持するように制御すること、を選択することを特徴とする請求項2に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記電力量が前記下限値以上となったことに基づいて前記放射線画像撮影装置の電源をオンにすることを特徴とする請求項1に記載の放射線画像撮影装置。
【請求項5】
前記電力量が前記下限値以下である場合に、その旨を報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の放射線画像撮影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線画像撮影装置に係り、特に電源のオン/オフを自ら制御可能な放射線画像撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の放射線検出素子が二次元状(マトリクス状)に配列され、被写体を透過した放射線を、各放射線検出素子で放射線の強度に応じて信号値に変換して読み出す放射線画像撮影装置(flat panel detector)が種々開発されている。また、近年、各放射線検出素子を筐体内に収納して持ち運び可能とした可搬型の放射線画像撮影装置も上市されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
そして、放射線画像撮影装置は、例えば胸部のレントゲン撮影の場合のように病院等の施設の撮影室に設置されている撮影台に装填して撮影に用いることも可能であるが、撮影台から取り出し、被写体である患者の身体にあてがったり、ベッド上に横臥している患者とベッドとの間に差し込んだりして撮影に用いることもできる。
【0004】
また、例えば放射線画像撮影装置を健診車等の車載の撮影システムで用いる場合、スペースが狭いこともあり、放射線画像撮影装置がカセッテホルダーにネジ止めされて撮影に用いられる場合もある。そして、そのような場合、放射線画像撮影装置の電源をオン/オフするためにいちいちネジ止めを外さなければならないと放射線技師等の操作者にとって非常に使い勝手が悪いものとなるため、このような場合には、放射線画像撮影装置に電力を供給している外部装置の電源をオン/オフする際、それに連動して放射線画像撮影装置の電源が自動的にオン/オフされるように構成される場合が多い。
【0005】
そして、このことは、放射線画像撮影装置が撮影室の撮影台に装填されて用いられる場合等も同様であり、放射線画像撮影装置とケーブル等と介して接続されているコンソールの電源のオン/オフや、放射線画像撮影装置とコンソールとの通信を中継する中継器の電源のオン/オフに連動して、放射線画像撮影装置の電源が自動的にオン/オフするように構成される場合がある。
【0006】
そして、このように構成すると、例えば撮影室の撮影台に放射線画像撮影装置を装填したままにして撮影を終了する際に、仮に放射線技師等の操作者が放射線画像撮影装置の電源をオフし忘れても、コンソールや中継器の電源がオフになると放射線画像撮影装置の電源が自動的にオフされるため、放射線画像撮影装置の電源がオンのままになって内蔵電源が消耗してしまうことを防止することが可能となる等の有益な効果がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記のように、放射線画像撮影装置に接続されている機器(上記の外部装置やコンソール、中継器等)の電源がオフされた場合にそれと連動して放射線画像撮影装置の電源が必ずオフされるように構成されている場合、例えば、放射線画像撮影装置に接続されている機器(上記の外部装置やコンソール、中継器等)の電源がオフの状態で、放射線技師等の操作者が放射線画像撮影装置の電源を手動でオンした場合でも、機器の電源がオフであるため放射線画像撮影装置の電源が自動的にオフされてしまう可能性がある。
【0009】
しかし、この場合、放射線技師等の操作者の意図は放射線画像撮影装置の電源をオンすることであるのに、それに反して放射線画像撮影装置の電源が自動的にオフされてしまうため、放射線画像撮影装置が操作者にとって使い勝手が悪いと感じられたり、或いは使い物にならないと感じられたりしてしまう。
【0010】
また、上記のように撮影台に装填されて撮影に用いられていた放射線画像撮影装置(電源オン)を、例えば患者の膝の関節等にあてがって撮影するために撮影台から取り出す際に、放射線画像撮影装置のコネクターと撮影台のコネクターとが非接続の状態になり、放射線画像撮影装置への電力の供給がなくなると、放射線画像撮影装置が、機器の電源がオフされたと判断して、放射線画像撮影装置の電源を自動的にオフしてしまう可能性がある。
【0011】
しかし、この場合は、放射線画像撮影装置を患者の膝の関節等の撮影に用いるために撮影台から取り外したにもかかわらず、放射線画像撮影装置の電源がオフになってしまうため、放射線技師等の操作者は、放射線画像撮影装置の電源を改めてオンしなければならなくなり、この場合も放射線画像撮影装置が操作者にとって使い勝手が悪いと感じられてしまう。
【0012】
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、状況に応じて電源をオフするか否かを的確に制御することが可能な使い勝手の良い放射線画像撮影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記の問題を解決するために、本発明の放射線画像撮影装置は、
外部コネクターと接続可能なコネクターを備える放射線画像撮影装置であって、
前記外部コネクターを介して外部から電力の供給を受けることが可能か否かを検知する電力供給検知手段と、
前記放射線画像撮影装置の電源のオン/オフを制御可能な制御手段と、
前記制御手段に電力を供給する内蔵電源と、を備え、
前記制御手段は、前記電力供給検知手段が外部からの電力の供給を受けることが可能でないことを検知する状態から外部からの電力の供給を受けることが可能であることを検知する状態に切り替わったタイミングで、前記内蔵電源に蓄積されている電力量が、前記放射線画像撮影装置の電源をオンすることが可能な下限値を下回っている場合には、オフの状態の前記放射線画像撮影装置の電源をオンせずに前記電源がオフの状態を維持するように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明のような方式の放射線画像撮影装置によれば、放射線画像撮影装置が、状況に応じて電源をオフするか否かを的確に制御することが可能となり、使い勝手の良いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】放射線画像撮影装置の外観を示す斜視図である。
【
図2】放射線画像撮影装置の等価回路を表すブロック図である。
【
図3】放射線画像撮影装置のコネクターに外部コネクターを接続した状態を表す図である。
【
図4】撮影台および撮影台に設けられた外部コネクターの構成例を表す図である。
【
図5】(A)放射線画像撮影装置と外部機器の電源のオン/オフが連動する場合、(B)放射線画像撮影装置が撮影台から取り出された場合、(C)操作者が放射線画像撮影装置の電源をオンした場合を表す図である。
【
図6】(A)放射線画像撮影装置と外部機器の電源のオン/オフが連動する場合、(B)放射線画像撮影装置を撮影台に装填した場合、(C)操作者が放射線画像撮影装置の電源をオフした場合を表す図である。
【
図7】放射線画像撮影装置がクレードルに挿入されている状態を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る放射線画像撮影装置の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0017】
[放射線画像撮影装置の構成について]
図1は、放射線画像撮影装置の外観を示す斜視図であり、
図2は、放射線画像撮影装置の等価回路を表すブロック図である。本実施形態では、放射線画像撮影装置1は、複数の放射線検出素子7(
図2参照)が筐体2(
図1参照)内に収納されて形成されている。
【0018】
そして、
図1に示すように、放射線画像撮影装置1の筐体2の一方の側面には、電源スイッチ25や切替スイッチ26、コネクター27、インジケーター28等が配置されている。また、図示を省略するが、筐体2の反対側の側面には、外部と無線方式で通信を行うためのアンテナ29(後述する
図2参照)が設けられている。
【0019】
そして、放射線画像撮影装置1は、例えば撮影台50(後述する
図4参照)や前述した健診車のカセッテホルダー等に装填されて撮影に用いることができるが、撮影台50等に装填せず、いわば単独の状態で、例えば被写体である患者の身体にあてがったり、ベッド上に横臥している患者とベッドとの間に差し込んだりして撮影に用いることもできるようになっている。
【0020】
本実施形態では、放射線画像撮影装置1の筐体2内には、
図2に示すように、複数の放射線検出素子7が図示しないセンサー基板上に二次元状(マトリクス状)に配列されている。そして、各放射線検出素子7には、バイアス線9が接続されており、バイアス線9やそれらの結線10を介してバイアス電源14から逆バイアス電圧が印加される。
【0021】
また、各放射線検出素子7には、スイッチ素子としてTFT(Thin Film Transistor)8が接続されており、TFT8は信号線6に接続されている。そして、各放射線検出素子7では、図示しない被写体を介して照射された放射線の線量に応じた電荷が各放射線検出素子7内でそれぞれ発生するようになっている。
【0022】
また、走査駆動手段15では、配線15cを介して電源回路15aから供給されたオン電圧とオフ電圧がゲートドライバー15bで切り替えられて走査線5の各ラインL1~Lxに印加される。そして、各TFT8は、走査線5を介してオフ電圧が印加されるとオフ状態になり、放射線検出素子7と信号線6との導通を遮断して、電荷を放射線検出素子7内に蓄積させる。また、走査線5を介してオン電圧が印加されるとオン状態になり、放射線検出素子7内に蓄積された電荷を信号線6に放出させる。
【0023】
各信号線6は、読み出しIC16内の各読み出し回路17にそれぞれ接続されている。そして、信号値Dの読み出し処理の際には、ゲートドライバー15bから走査線5の各ラインL1~Lxにオン電圧が順次印加される。そして、TFT8がオン状態になると、放射線検出素子7から電荷がTFT8や信号線6を介して読み出し回路17に流れ込み、増幅回路18で、流れ込んだ電荷の量に応じた電圧値が出力される。
【0024】
相関二重サンプリング回路(
図2では「CDS」と記載されている。)19は、増幅回路18から出力された電圧値をアナログ値の信号値Dとして読み出して出力し、出力された信号値Dはアナログマルチプレクサー21を介してA/D変換器20に順次送信され、A/D変換器20でデジタル値の信号値Dに順次変換されて記憶手段23に順次保存されるようになっている。
【0025】
制御手段22は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インターフェース等がバスに接続されたコンピューターや、FPGA(Field Programmable Gate Array)等で構成されている。専用の制御回路で構成されていてもよい。
【0026】
また、制御手段22には、SRAM(Static RAM)やSDRAM(Synchronous DRAM)、NAND型フラッシュメモリー等で構成される記憶手段23や、リチウムイオンキャパシター等で構成される内蔵電源24が接続されており、また、前述したアンテナ29やコネクター27を介して外部と無線方式や有線方式で通信を行うための通信部30が接続されている。
【0027】
また、制御手段22は、上記のように、バイアス電源14から各放射線検出素子7への逆バイアス電圧の印加を制御したり、走査駆動手段15や読み出し回路17等の動作を制御して、各放射線検出素子7からの信号値Dの読み出し処理を行わせ、読み出された信号値Dを記憶手段23に保存したり、或いは、保存された信号値Dを、通信部30を介して外部に転送する等の制御を行うようになっている。
【0028】
また、制御手段22は、放射線画像撮影装置1の電源のオン/オフを制御することができるようになっている。その際、制御手段22には、放射線画像撮影装置1の電源がオフの状態でも内蔵電源24から供給される非常に小さい電力で駆動する図示しないマイコンが含まれており、制御手段22は、後述するように、放射線画像撮影装置1の電源がオフの状態でも放射線画像撮影装置1の電源のオフからオンへの切り替えを制御することができるようになっている。
【0029】
[外部コネクターと放射線画像撮影装置のコネクターとの接続等の検知について]
本実施形態では、
図3に示すように、放射線画像撮影装置1のコネクター27には、ケーブルCaの先端に設けられた外部コネクターCを接続することができるようになっている。そして、放射線画像撮影装置1が前述した撮影台や健診車のカセッテホルダー等に装填される場合、
図4に示すように、例えば撮影台50等のカセッテホルダー51に設けられた外部コネクターCと、
図4では図示を省略した放射線画像撮影装置1のコネクター27とが自動的に接続されるように構成されている場合がある。
【0030】
そして、外部コネクターCやケーブルCa等を介して、図示しない外部機器から放射線画像撮影装置1に電力を供給することができるようになっている。なお、図示を省略するが、この場合、放射線画像撮影装置1に電力を供給する外部機器には、外部の電源装置や充電装置等のほか、電源装置や充電装置等から放射線画像撮影装置1への電力の供給を中継する中継器等も含まれる。
【0031】
本実施形態では、外部コネクターC内にはチップが内蔵されている。そして、外部コネクターCと放射線画像撮影装置1のコネクター27とが接続されている場合、外部コネクターCのチップは、放射線画像撮影装置1から送信したパルス信号に対してレスポンス信号を放射線画像撮影装置1に返すようになっている。
【0032】
そのため、本実施形態では、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、外部コネクターCに対してパルス信号を送信することができるように構成されている。そして、制御手段22は、送信したパルス信号に応じて外部コネクターCからレスポンス信号が返ってきた場合には、外部コネクターCと放射線画像撮影装置1のコネクター27とが接続されていることを検知し、パルス信号を送信しても外部コネクターCからレスポンス信号が返ってこない場合には、外部コネクターCと放射線画像撮影装置1のコネクター27とが接続されていないこと(以下、非接続という場合がある。)を検知するようになっている。
【0033】
なお、外部コネクターCと放射線画像撮影装置1のコネクター27との接続、非接続は、上記のように信号に基づいて行うように構成することも可能であるが、この他にも、例えば、放射線画像撮影装置1に、外部コネクターCと放射線画像撮影装置1のコネクター27との物理的な接続(或いは非接続)を検知する手段を設けておき、当該手段から制御手段22に対して接続(或いは非接続)を検知したことを表す信号等を送信するように構成することも可能である。
【0034】
[外部コネクターを介する外部からの電力の供給を受けることが可能か否かの検知について]
一方、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、外部コネクターCを介して外部から電力の供給を受けることが可能か否かを検知するようになっている。以下、この点について説明する。
【0035】
放射線画像撮影装置1のコネクター27と外部コネクターCとが接続されており、放射線画像撮影装置1が外部機器から電力の供給を受けることが可能である場合の、放射線画像撮影装置1の制御手段22等への電力の供給の仕方については、例えば以下の2つのケースがあり得る。
【0036】
[ケース1]
例えば、外部機器から供給された電力を、放射線画像撮影装置1の制御手段22等に供給するように構成される場合がある。その際、放射線画像撮影装置1内の図示しない電源回路等で、外部機器から供給された電力を所定の電圧に変換する等して制御手段22等に供給するように構成される。そして、この場合、放射線画像撮影装置1の内蔵電源24(
図2参照)から制御手段22等への電力の供給は行われない。そして、この場合は、放射線画像撮影装置1の電源がオンであれば、外部機器から放射線画像撮影装置1に電力が供給され続ける状態になる。
【0037】
[ケース2]
また、例えば、放射線画像撮影装置1の制御手段22等での電力の供給は放射線画像撮影装置1の内蔵電源24から行い、必要に応じて外部から供給された電力で放射線画像撮影装置1の内蔵電源24の充電を行うように構成される場合もある。そのため、この場合は、放射線画像撮影装置1の電源がオンであっても、放射線画像撮影装置1の内蔵電源24の充電を行う場合にのみ外部から放射線画像撮影装置1に電力が供給され、内蔵電源24に十分な電力が蓄積されていれば外部からの電力供給はなくなる。
【0038】
上記の[ケース1]の場合には、外部機器の電源がオフされて外部機器から放射線画像撮影装置1に電力を供給することができなくなった場合には、外部機器から放射線画像撮影装置1に電力が供給されなくなる。また、外部コネクターCと放射線画像撮影装置1のコネクター27とが接続しなくなったために外部機器から放射線画像撮影装置1に電力を供給することができなくなった場合にも、外部機器から放射線画像撮影装置1に電力が供給されなくなる。
【0039】
そのため、[ケース1]の場合には、外部機器から放射線画像撮影装置1に電力が供給されなくなったことを検知するように構成すれば、電力が供給されなくなった原因までは分からないものの、少なくとも、外部コネクターCを介して外部から電力の供給を受けることが可能でなくなったことを検知することができる。また、外部機器から放射線画像撮影装置1に電力が供給されていることを検知するように構成すれば、外部コネクターCを介して外部から電力の供給を受けることが可能であることを検知することができる。
【0040】
すなわち、上記の[ケース1]の場合には、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、外部機器から放射線画像撮影装置1に電力が供給されているか否かに基づいて、外部コネクターCを介して外部から電力の供給を受けることが可能であるか否かを検知することができる。
【0041】
しかし、上記の[ケース2]の場合は、外部機器から放射線画像撮影装置1への電力の供給が可能であっても(すなわち、外部機器の電源がオフされておらず、外部コネクターCと放射線画像撮影装置1のコネクター27とが接続されていても)、内蔵電源24に十分な電力が蓄積されていれば外部からの電力供給はなくなる。
【0042】
そのため、上記の[ケース2]の場合に、上記の[ケース1]の場合のように、外部機器から放射線画像撮影装置1に電力が供給されているか否かに基づいて、外部コネクターCを介して外部から電力の供給を受けることが可能であるか否かを検知するように構成することは難しい。そこで、本実施形態では、以下のように構成されている。
【0043】
外部コネクターCには図示しないマイコンが内蔵されている。そして、外部コネクターCのマイコンは、外部コネクターCと放射線画像撮影装置1のコネクター27とが接続されている場合、外部コネクターCを介して放射線画像撮影装置1に電力を供給することが可能であれば、放射線画像撮影装置1に対して電力の供給が可能であることを表す信号(以下、供給可能信号という。)を発信する。また、外部コネクターCを介する外部機器から放射線画像撮影装置1への電力の供給が停止されている場合には、放射線画像撮影装置1に対して電力の供給が停止されていることを表す信号(以下、供給停止信号という。)を発信するようになっている。
【0044】
そのため、本実施形態では、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、外部コネクターCのマイコンが発信する信号が供給可能信号であれば、外部コネクターCを介して外部から電力の供給を受けることが可能であることを検知する。また、外部コネクターCのマイコンが発信する信号が供給停止信号である場合、或いは外部コネクターCのマイコンから供給可能信号も供給停止信号も発信されなくなった場合に、外部コネクターCを介して外部から電力の供給を受けることが可能でないことを検知するようになっている。
【0045】
本実施形態では、このように構成することで、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、放射線画像撮影装置1の構成が上記のいずれのケースであっても、同じ論理構成を用いて(すなわち同じプログラムに基づいて)外部コネクターCを介して外部から電力の供給を受けることが可能か否かを検知するようになっている。
【0046】
なお、放射線画像撮影装置1の構成が上記の[ケース1]である場合には、上記のように、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、外部コネクターCを介して外部機器から放射線画像撮影装置1に電力が供給されているか否かに基づいて、外部コネクターCを介して外部から電力の供給を受けることが可能であるか否かを検知するように構成することも可能である。
【0047】
[放射線画像撮影装置の制御手段による電源のオン/オフ制御について]
次に、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1における制御手段22による放射線画像撮影装置1の電源のオン/オフ制御について説明する。
【0048】
[オンの状態の放射線画像撮影装置の電源をオフする制御を行うか否かについて]
本実施形態では、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、放射線画像撮影装置1の電源がオンの状態である場合、上記のように外部からの電力の供給を受けることが可能であることを検知する状態から、電力の供給を受けることが可能でないことを検知する状態に切り替わった時点で(すなわちその瞬間に)、放射線画像撮影装置1の電源をオフするように制御するか否かを判断するようになっている。
【0049】
なお、本実施形態では、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、上記の判断を、上記の時点(すなわち外部から電力の供給を受けることが可能でないことを検知する状態に切り替わった時点)でのみ行うようになっている。すなわち、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、他の時点では、オンの状態の放射線画像撮影装置1の電源をオフするように制御するか否かの判断は行わない。
【0050】
そして、本実施形態では、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、上記の時点で、外部コネクターCと放射線画像撮影装置1のコネクター27とが接続されていることを検知した場合には、オンの状態の放射線画像撮影装置1の電源をオフするように制御するようになっている。
【0051】
また、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、上記の時点で、外部コネクターCと放射線画像撮影装置1のコネクター27とが接続されていないことを検知した場合には、放射線画像撮影装置1の電源がオンの状態を維持する(すなわちオンの状態のままとする)ように制御するようになっている。
【0052】
[作用]
次に、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の作用について説明する。
【0053】
[外部機器の電源オフに連動して放射線画像撮影装置の電源をオフさせる場合]
放射線画像撮影装置1の電源がオンの状態で、上記のように、放射線画像撮影装置1の制御手段22が外部からの電力の供給を受けることが可能であることを検知する状態から電力の供給を受けることが可能でないことを検知する状態に切り替わった時点で、外部コネクターCと放射線画像撮影装置1のコネクター27とが接続されていることが検知された場合、コネクター同士が接続されているのに外部から電力の供給を受けることが可能でなくなったのは外部機器の電源がオフされたためであると考えられる。
【0054】
すなわち、
図5(A)に示すように、放射線画像撮影装置1と外部機器Aとが接続されている場合、上記の例では、外部機器Aの電源がオンであれば外部コネクターCから放射線画像撮影装置1に供給可能信号が発信される。そして、外部機器Aの電源がオフされると外部コネクターCから放射線画像撮影装置1に発信される信号が供給停止信号に切り替わる。そのため、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、これらの信号に基づいて外部
からの電力の供給を受けることが可能であることを検知する状態から電力の供給を受けることが可能でないことを検知する状態に切り替わったと判断する。
【0055】
そして、この場合、その時点で外部コネクターCと放射線画像撮影装置1のコネクター27とが接続されているため、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、その時点で、それらが接続されていることを検知する。そのため、上記のように、オンの状態の放射線画像撮影装置1の電源をオフするように制御する。従って、この場合は、
図5(A)に示すように、前述した従来の場合と同様に、放射線画像撮影装置1の電源が外部機器Aの電源オフに連動してオフされる。
【0056】
そのため、例えば撮影室の撮影台や健診車のカセッテホルダー等に放射線画像撮影装置1を装填したまま外部機器Aの電源をオフすることで放射線画像撮影装置1の電源を自動的にオフさせることが可能となり、放射線画像撮影装置1が放射線技師等の操作者にとって使い勝手が良いものとなるとともに、例えば撮影台やカセッテホルダー等に装填した放射線画像撮影装置1の電源をオフし忘れても自動的にオフされるため、放射線画像撮影装置1の内蔵電源24(
図2参照)が消耗してしまうことを防止することが可能となる。
【0057】
[放射線画像撮影装置が撮影台から取り出された場合]
また、放射線画像撮影装置1の電源がオンの状態で、上記のように、放射線画像撮影装置1の制御手段22が外部からの電力の供給を受けることが可能であることを検知する状態から電力の供給を受けることが可能でないことを検知する状態に切り替わった時点で、
図5(B)に示すように、外部コネクターCと放射線画像撮影装置1のコネクター27とが接続されていないことが検知された場合、外部から電力の供給を受けることが可能でなくなったのは、放射線技師等の操作者により、外部コネクターCが放射線画像撮影装置1のコネクター27から取り外されて放射線画像撮影装置1が撮影台等から取り出される等して、放射線画像撮影装置1が単独の状態で用いられるためであると考えられる。
【0058】
すなわち、放射線画像撮影装置1が撮影台50に装填されていて放射線画像撮影装置1のコネクター27と撮影台50のコネクターすなわち外部コネクターCが接続されている状態では、撮影台50の外部コネクターCから放射線画像撮影装置1に供給可能信号が発信される。しかし、
図5(B)に示すように放射線画像撮影装置1が撮影台50から取り出されると、外部コネクターCと放射線画像撮影装置1のコネクター27との接続がなくなるため、外部コネクターCから放射線画像撮影装置1に、供給可能信号も供給停止信号もいずれも発信されない状態になる。
【0059】
そのため、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、その時点で、外部からの電力の供給を受けることが可能であることを検知する状態から電力の供給を受けることが可能でないことを検知する状態に切り替わったと判断する。
【0060】
そして、この場合は、その時点で外部コネクターCと放射線画像撮影装置1のコネクター27とが接続されていないため、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、その時点で、それらが接続されていないことを検知する。そのため、上記のように、放射線画像撮影装置1の電源がオンの状態を維持する(すなわちオンの状態のままとする)ように制御する。
【0061】
そのため、
図5(B)に示すように、放射線画像撮影装置1が撮影台50等から取り外された後も、放射線画像撮影装置1の電源をオンの状態のままとすることが可能となり、放射線画像撮影装置1をそのまま(すなわち電源をオンする操作を行わなくても)、この後も単独の状態で撮影に用いることが可能となる。
【0062】
このような場合も放射線画像撮影装置の電源のオン/オフが外部機器Aの電源のオン/オフに連動してしまい、放射線画像撮影装置を単独の状態で撮影に用いるために撮影台等から取り外したにもかかわらず、放射線画像撮影装置が、外部機器の電源がオフされたと判断して放射線画像撮影装置の電源をオフしてしまうと、放射線技師等の操作者が放射線画像撮影装置の電源を改めてオンしなければならなくなり、放射線画像撮影装置が操作者にとって使い勝手が悪いものとなる。
【0063】
しかし、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1では、上記のように、外部からの電力の供給を受けることが可能であることを検知する状態から電力の供給を受けることが可能でないことを検知する状態に切り替わった原因が、放射線画像撮影装置1を撮影台50等から取り出したためである場合には、放射線画像撮影装置1の電源がオンの状態を維持するように制御される。
【0064】
そのため、放射線技師等の操作者は、放射線画像撮影装置1を撮影台50等から取り出し、電源をオンすることなくそのまま放射線画像撮影装置1を単独の状態で撮影に用いることが可能となるため、放射線画像撮影装置1が操作者にとって使い勝手が良いものとなるとともに、撮影作業をスムーズに行うことが可能となる。
【0065】
なお、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1では、上記のように電源がオンの状態の放射線画像撮影装置1が撮影台50等から取り外される場合だけでなく、どのような場合でも、放射線画像撮影装置1の電源がオンの状態で放射線画像撮影装置1のコネクター27から外部コネクターCが取り外された場合には、放射線画像撮影装置1の電源はオフにはならずオンの状態のままになる。
【0066】
[操作者が放射線画像撮影装置の電源をオンした場合]
一方、外部機器の電源のオン/オフと連動する従来の放射線画像撮影装置では、前述したように、例えば、放射線画像撮影装置に接続されている外部機器の電源がオフされていると、放射線技師等の操作者が放射線画像撮影装置の電源を手動でオンした場合でも、外部機器の電源オフに連動して放射線画像撮影装置の電源が自動的にオフされてしまう可能性がある。
【0067】
しかし、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1では、前述したように、制御手段22は、上記のように放射線画像撮影装置1の電源のオン/オフ制御(今の場合はオンからオフへの制御)を行うか否かの判断を、上記の時点、すなわち外部からの電力の供給を受けることが可能であることを検知する状態から電力の供給を受けることが可能でないことを検知する状態に切り替わった時点でのみ行う。
【0068】
そして、上記のような場合、
図5(C)に示すように、放射線技師等の操作者が放射線画像撮影装置1の電源スイッチ25(
図1参照)を操作する等して放射線画像撮影装置1の電源をオンした時点では、外部機器Aの電源はオフであるから外部コネクターCは供給停止信号を発信し続けており、電力の供給を受けることが可能でないことを検知する状態のままである。すなわち、外部からの電力の供給を受けることが可能であることを検知する状態から電力の供給を受けることが可能でないことを検知する状態に切り替わっていない。
【0069】
そのため、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、操作者が放射線画像撮影装置1の電源をオンした時点では、上記のような放射線画像撮影装置1の電源のオン/オフ制御(この場合はオン→オフ制御)を行うか否かの判断を行わず、操作者の操作に従って、放射線画像撮影装置1の電源をオフするように制御する。そのため、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1では、外部機器Aと接続されている放射線画像撮影装置1の電源を放射線技師等の操作者がオンした場合には、
図5(C)に示すように、外部機器Aの電源がオフの状態であっても放射線画像撮影装置1の電源は的確にオンされる。
【0070】
そのため、放射線技師等の操作者の意図に反して放射線画像撮影装置1の電源が自動的にオフされてしまうことはないため、放射線画像撮影装置1が操作者にとって使い勝手が良いものとなる。そして、少なくとも操作者が放射線画像撮影装置1の電源をオンする度に電源が自動的にオフされてしまう事態が生じることを防止することが可能となる。
【0071】
[効果]
以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1によれば、外部コネクターCと放射線画像撮影装置1のコネクター27とが接続されている状態で外部機器の電源がオフされると、それに連動して放射線画像撮影装置1の電源もオフされる。また、電源がオンの状態の放射線画像撮影装置1を撮影台から取り出し、患者の身体にあてがう等して単独の状態で撮影に用いる場合には、放射線画像撮影装置1の電源はオフされず、オンの状態を維持するように制御される。
【0072】
また、放射線技師等の操作者が放射線画像撮影装置1の電源をオンした場合には、放射線画像撮影装置1に接続されている外部機器の電源がオフの状態であっても、放射線画像撮影装置1の電源は確実にオンされる。放射線画像撮影装置1の電源が自動的にオフされてしまうことはない。
【0073】
このように、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1によれば、オンの状態の放射線画像撮影装置1の電源を、状況に応じて、オフするか否かを的確に制御することが可能となり、放射線画像撮影装置1を放射線技師等の操作者にとって使い勝手が良いものとすることが可能となる。
【0074】
なお、本実施形態では、放射線画像撮影装置1の制御手段22が、外部コネクターCと放射線画像撮影装置1のコネクター27とが接続されているか否かを検知可能なコネクター接続検知手段や、外部コネクターCを介して外部から電力の供給を受けることが可能か否かを検知する電力供給検知手段として機能するように構成されている場合について説明したが、コネクター接続検知手段と電力供給検知手段のいずれか一方或いは両方を放射線画像撮影装置1の制御手段22とは別体に設けることも可能である。
【0075】
[変形例1]
また、上記の実施形態では、外部コネクターCと放射線画像撮影装置1のコネクター27とが接続されており、外部機器の電源がオフされた場合、外部機器の電源オフに連動させて放射線画像撮影装置1の電源もオフするように制御する場合について説明したが、上記の場合に、外部機器の電源がオフされた時点で、放射線画像撮影装置1の記憶手段23(
図2参照)内に、まだコンソール等に転送されていない信号値Dが保存されていると、放射線画像撮影装置1の電源オフにより記憶手段23内からそれらの信号値Dが消えてしまう可能性がある。
【0076】
そこで、上記の時点で、放射線画像撮影装置1の記憶手段23内に、コンソール等に転送していない信号値Dが保存されている場合には、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、外部コネクターCと放射線画像撮影装置1のコネクター27とが接続されていることを検知した場合であっても、或いは、外部コネクターCと放射線画像撮影装置1のコネクター27とが接続されているか否かの検知を行うことなく、放射線画像撮影装置1の電源がオンの状態を維持するように制御するように構成することが可能である。
【0077】
このように構成すれば、放射線画像撮影装置1の電源が自動的にオフされてしまい記憶手段23内の信号値Dが消えてしまうことを的確に防止することが可能となり、信号値Dが消えてしまい再撮影を行うことが必要になり被写体である患者の被曝線量が増えてしまうこと等を的確に防止することが可能となる。
【0078】
なお、この場合、放射線画像撮影装置1や、放射線画像撮影装置1に接続されたコンソール等で、放射線画像撮影装置1の電源のオンのままであることや、転送されていない信号値Dが放射線画像撮影装置1の記憶手段23内に残っていること等を放射線技師等の操作者に報知するように構成することが望ましい。
【0079】
[変形例2]
また、例えば、何らかの原因(例えば一時的な停電や電力低下等)で外部機器の電源が一時的にオフになったり外部機器からの電力の供給が一時的に停止したが、すぐに回復して、外部機器の電源がオンの状態になったり外部機器からの電力の供給が再開されたりする場合があり得る。
【0080】
上記の実施形態では、外部コネクターCと放射線画像撮影装置1のコネクター27とが接続されていれば、そのような場合でも放射線画像撮影装置1の電源はオフされるが、放射線技師等の操作者はそれに気づかずに電源がオフの状態の放射線画像撮影装置1を用いて撮影を行ってしまう場合が生じ得る。
【0081】
そこで、例えば、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、上記の時点で、外部コネクターCと放射線画像撮影装置1のコネクター27とが接続されていることを検知した場合、放射線画像撮影装置1の電源をすぐにはオフせず、上記の時点から所定時間τ(例えば1分)が経過するまでに、外部機器の電源がオンの状態になったり外部機器からの電力の供給が再開される等して外部からの電力の供給を受けることが可能であることを検知した場合には、オンの状態の前記放射線画像撮影装置の電源をオフせずに電源がオンの状態を維持するように制御するように構成することが可能である。
【0082】
また、上記の場合において、上記の時点から所定時間τが経過するまでに、外部機器からの電力の供給を受けることが可能であることを検知しない場合には、所定時間τの経過後に、オンの状態の放射線画像撮影装置1の電源をオフするように制御するように構成することが可能である。
【0083】
[オフの状態の放射線画像撮影装置の電源をオンする制御について]
以上では、外部機器Aの電源がオフされたり撮影台50から取り出されたりした場合に、電源がオンの状態の放射線画像撮影装置1の電源をオフするように制御するか否かについて説明した。以下では、逆に、電源がオフの状態の放射線画像撮影装置1の電源をオンする制御について説明する。
【0084】
なお、前述したように、本実施形態では、放射線画像撮影装置1の制御手段22には、放射線画像撮影装置1の電源がオフの状態でも内蔵電源24から供給される非常に小さい電力で駆動する図示しないマイコンが含まれており、制御手段22は、放射線画像撮影装置1の電源がオフの状態でも放射線画像撮影装置1の電源のオフからオンへの切り替えを制御することができるようになっている。
【0085】
本実施形態では、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、外部からの電力の供給を受けることが可能でないことを検知する状態から外部からの電力の供給を受けることが可能であることを検知する状態に切り替わったタイミングで、外部コネクターCと放射線画像撮影装置1のコネクター27とが接続していることを検知した場合には、オフの状態の放射線画像撮影装置1の電源をオンするように制御するようになっている。
【0086】
なお、前述したオン→オフ制御の場合には「時点」と表現し、上記のオフ→オン制御の場合には「タイミング」と表現しているが、これは上記のオフ→オン制御の場合に「時点」と表現すると前述したオン→オフ制御の場合の「時点」と混同する可能性があるため、それを避けるために表現を変えたものであり、「時点」と「タイミング」とを異なる意味で用いているわけではない。
【0087】
上記のように構成すると、例えば
図6(A)に示すように、放射線画像撮影装置1の電源がオフの状態で、放射線画像撮影装置1と外部機器Aとが接続されている場合に、外部機器Aの電源がオンされると、外部コネクターCが発信する信号が供給停止信号から供給可能信号に切り替わる。そのため、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、そのタイミングで、外部からの電力の供給を受けることが可能でないことを検知する状態から電力の供給を受けることが可能であることを検知する状態に切り替わったと判断する。
【0088】
そして、そのタイミングで、外部コネクターCと放射線画像撮影装置1のコネクター27とが接続していることが検知されるため、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、オフの状態の放射線画像撮影装置1の電源をオンするように制御する。従って、この場合は、
図6(A)に示すように、前述した従来の場合と同様に、放射線画像撮影装置1の電源が外部機器Aの電源オンに連動してオンされる。
【0089】
そのため、例えば撮影室の撮影台や健診車のカセッテホルダー等に放射線画像撮影装置1を装填したままの状態で、放射線画像撮影装置1と接続されているコンソールや中継器等の外部機器Aの電源をオンすれば、放射線画像撮影装置1を撮影台や健診車のカセッテホルダー等からいちいちとりだすことなく放射線画像撮影装置1の電源を自動的にオンさせることが可能となる。そのため、放射線画像撮影装置1が放射線技師等の操作者にとって使い勝手が良いものとなる。
【0090】
また、例えば
図6(B)に示すように、電源がオフの状態の放射線画像撮影装置1を撮影台50に装填して、放射線画像撮影装置1のコネクター27と撮影台50のコネクターすなわち外部コネクターCとが接続されると、外部コネクターCから放射線画像撮影装置1に供給可能信号も供給停止信号も発信されない状態から供給可能信号が発信される状態に切り替わる。
【0091】
そのため、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、そのタイミングで、外部からの電力の供給を受けることが可能でないことを検知する状態から電力の供給を受けることが可能であることを検知する状態に切り替わったと判断する。そして、そのタイミングで、外部コネクターC(撮影台50のコネクター)と放射線画像撮影装置1のコネクター27とが接続していることが検知されるため、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、オフの状態の放射線画像撮影装置1の電源をオンするように制御する。
【0092】
そのため、
図6(B)に示すように、電源がオフの状態の放射線画像撮影装置1を撮影台50等に装填する際に、放射線画像撮影装置1の電源をオンする操作を行わなくても、放射線画像撮影装置1を撮影台50等に装填するだけで(撮影台50等のコネクターと放射線画像撮影装置1のコネクター27とを接続するだけで)放射線画像撮影装置1の電源が自動的にオンされる。そのため、放射線画像撮影装置1が操作者にとって使い勝手が良いものとなる。
【0093】
なお、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1では、上記のように電源がオフの状態の放射線画像撮影装置1を撮影台50等に装填する場合だけでなく、どのような場合でも、放射線画像撮影装置1の電源がオフの状態で放射線画像撮影装置1のコネクター27に外
部コネクターCが接続され、外部コネクターCに接続されている外部機器Aの電源がオンであれば、放射線画像撮影装置1の電源は自動的にオンに切り替わる。
【0094】
一方、
図6(C)に示すように、放射線画像撮影装置1の電源がオンの状態で、放射線画像撮影装置1と外部機器Aとが接続されている状態で、放射線技師等の操作者が放射線画像撮影装置1の電源スイッチ25(
図1参照)を操作する等して放射線画像撮影装置1の電源をオフした場合、外部機器Aの電源はオンのままであるから外部コネクターCは供給可能信号を発信する状態のまま変わらない。
【0095】
そのため、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、操作者が放射線画像撮影装置1の電源をオフした時点では、上記のような放射線画像撮影装置1の電源のオン/オフ制御(この場合はオフ→オン制御)を行うか否かの判断を行わず、操作者の操作に従って、放射線画像撮影装置1の電源をオンするように制御する。そのため、電源がオンの状態の外部機器Aと接続されている放射線画像撮影装置1の電源を放射線技師等の操作者がオフした場合には、
図6(C)に示すように、放射線画像撮影装置1の電源は的確にオフされる。
【0096】
そのため、放射線技師等の操作者の意図に反して放射線画像撮影装置1の電源が自動的にオンされてしまうことはないため、放射線画像撮影装置1が操作者にとって使い勝手が良いものとなる。そして、少なくとも操作者が放射線画像撮影装置1の電源をオフする度に電源が自動的にオンされてしまう事態が生じることを防止することが可能となる。
【0097】
以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1によれば、外部コネクターCと放射線画像撮影装置1のコネクター27とが接続されている状態で外部機器の電源がオンされると、それに連動して放射線画像撮影装置1の電源もオンされる。また、電源がオフの状態の放射線画像撮影装置1を撮影台50等に装填することで、放射線画像撮影装置1の電源が自動的にオンされる。
【0098】
また、放射線技師等の操作者が放射線画像撮影装置1の電源をオフした場合には、放射線画像撮影装置1に接続されている外部機器の電源がオンの状態であっても、放射線画像撮影装置1の電源は確実にオフされる。放射線画像撮影装置1の電源が自動的にオンされてしまうことはない。
【0099】
このように、本実施形態に係る放射線画像撮影装置1によれば、オフの状態の放射線画像撮影装置1の電源を、状況に応じて的確にオンの状態に切り替えるように制御することが可能となり、放射線画像撮影装置1を放射線技師等の操作者にとって使い勝手が良いものとすることが可能となる。
【0100】
[変形例3]
なお、上記のように、放射線画像撮影装置1が内蔵電源24(
図2参照)を有していて内蔵電源24の電力で駆動するように構成されている場合、内蔵電源24に蓄積されている電力量Eが少な過ぎて、放射線画像撮影装置1の電源をオンして放射線画像撮影装置1を駆動させることが可能な電力量Eの範囲の下限値Eminを下回っている場合には、上記
のように、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線画像撮影装置1の電源を自動的にオンする制御を行う場合であっても、放射線画像撮影装置1の電源をオンすべきでない。なお、電力量Eが電圧V等で表される場合もある。
【0101】
そのため、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、内蔵電源24に蓄積されている電力量Eが上記の下限値Eminを下回っている場合には、上記のタイミングで、外部コネクターCと放射線画像撮影装置1のコネクター27とが接続していることを検知した場合であっても、或いは、外部コネクターCと放射線画像撮影装置1のコネクター27とが接続されているか否かの検知を行うことなく、オフの状態の放射線画像撮影装置1の電源をオンせずに、電源がオフの状態を維持するように制御することが望ましい。
【0102】
なお、この場合は、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、例えば外部コネクターCを介して外部機器Aから供給される電力で放射線画像撮影装置1の内蔵電源24を充電し、内蔵電源24の電力量Eが上記の下限値Emin以上になり撮影可能な所定の電力量になった時点で、放射線画像撮影装置1の電源をオンするように制御するように構成することが可能である。
【0103】
また、上記の状況で、放射線技師等の操作者が、
図6(A)に示したように放射線画像撮影装置1の電源が外部機器Aの電源に連動して自動的にオンになっていると勘違いしたり、或いは
図6(B)に示したように放射線画像撮影装置1を撮影台50等に装填したため放射線画像撮影装置1の電源が自動的にオンになっていると勘違いして、放射線画像撮影装置1に放射線を照射して撮影を行ってしまうと、放射線画像撮影装置1の電源がオンされていないため撮影を行えず、再撮影が必要になる等の弊害が生じ得る。
【0104】
そのため、上記のように、内蔵電源24に蓄積されている電力量Eが上記の下限値Eminを下回っていてすぐには放射線画像撮影装置1の電源をオンしない場合、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、充電を行っていることや放射線画像撮影装置1の電源がまだオンになっていないこと等を放射線技師等の操作者に報知するように構成することが望ましい。
【0105】
[変形例4]
また、
図7に示すように、放射線画像撮影装置1をクレードル60に挿入して内蔵電源24の充電を行う場合がある。この場合、放射線画像撮影装置1をクレードル60に挿入すると、放射線画像撮影装置1のコネクター27とクレードル60の図示しないコネクターすなわち外部コネクターCとが自動的に接続される。
【0106】
そして、この場合、放射線画像撮影装置1の制御手段22が上記の制御を行うと、クレードル60の電源がオンになったタイミング(或いはクレードル60の図示しないスタートボタンが押下されてクレードル60のコネクター(外部コネクターC)から放射線画像撮影装置1に発信する信号が供給停止信号から供給可能信号に切り替わったタイミング)で、放射線画像撮影装置1の電源をオンするように制御することになる。
【0107】
しかし、このように放射線画像撮影装置1をクレードル60に挿入して充電を行っている間、放射線画像撮影装置1が撮影に用いられることはない。そのため、放射線画像撮影装置1の電源をオンする必要はない。
【0108】
また、クレードル60で放射線画像撮影装置1の充電を行っている間に放射線画像撮影装置1の電源がオンされていると、放射線画像撮影装置1の内蔵電源24から電力が供給されて放射線画像撮影装置1が駆動する状態になる。そのため、クレードル60で放射線画像撮影装置1の内蔵電源24を充電しつつ内蔵電源24の電力が消費される状態になるため、充電完了までの時間が長くなってしまう可能性がある。
【0109】
そのため、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、外部機器Aがクレードルである場合は、外部機器A(この場合はクレードル60)からの電力の供給を受けることが可能でないことを検知する状態から外部からの電力の供給を受けることが可能であることを検知する状態に切り替わったタイミングで、外部コネクターC(クレードル60のコネクター)と放射線画像撮影装置1のコネクター27とが接続していることを検知した場合であっても、或いは、外部コネクターCと放射線画像撮影装置1のコネクター27とが接続されているか否かの検知を行うことなく、オフの状態の放射線画像撮影装置1の電源をオンせずに電源がオフの状態を維持するように制御することが望ましい。
【0110】
そして、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、放射線画像撮影装置1のコネクター27と接続されている外部コネクターC(クレードル60のコネクターの場合に限らない。)から外部コネクターCに取り付けられているケーブルのIDや外部機器AのID等を取得することができる。そのため、クレードルのID等を、予め放射線画像撮影装置1の記憶手段23(
図2参照)や図示しないROM中に記憶したり、プログラム中に書き込んでおく。
【0111】
そして、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、放射線画像撮影装置1のコネクター27と外部コネクターCとが接続された際に、外部コネクターCから上記のIDを取得し、それがクレードルのID以外のIDであれば、上記のように制御するが、外部コネクターCから取得したIDがクレードルのIDである場合には、上記のように、オフの状態の放射線画像撮影装置1の電源をオンせずに電源がオフの状態を維持するように制御するように構成することが可能である。
【0112】
このように構成すれば、放射線画像撮影装置1の制御手段22が上記のように制御を行うように構成されている場合であっても、放射線画像撮影装置1がクレードル60に挿入された場合には放射線画像撮影装置1の電源をオフの状態のまま維持するようになる。そのため、充電完了までの時間を短くすることが可能となり、クレードル60や放射線画像撮影装置1が放射線技師等の操作者にとって使い勝手が良いものとなる。
【0113】
なお、本発明が上記の実施形態や変形例等に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜変更可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0114】
1 放射線画像撮影装置
7 放射線検出素子
22 制御手段(コネクター接続検知手段、電力供給検知手段、制御手段、コネクター種別判別手段)
23 記憶手段
24 内蔵電源
27 コネクター
60 クレードル
C 外部コネクター
D 信号値
E 電力量
Emin 下限値
τ 所定時間