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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】温度測定装置及び温度測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01K 7/01 20060101AFI20220117BHJP
【FI】
G01K7/01 C
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019518608
(86)(22)【出願日】2017-05-15
(86)【国際出願番号】 JP2017018169
(87)【国際公開番号】W WO2018211554
(87)【国際公開日】2018-11-22
【審査請求日】2020-04-09
(73)【特許権者】
【識別番号】514315159
【氏名又は名称】株式会社ソシオネクスト
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】濱野 寛之
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 敬史
【審査官】平野 真樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0117495(US,A1)
【文献】特開平11-211574(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0178450(US,A1)
【文献】特開2015-190799(JP,A)
【文献】特開2011-220777(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K 7/00,7/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
PN接合を有する第1及び第2の半導体素子と、
ソースが電源に接続され、互いのゲート同士が接続され電流源を構成する複数のトランジスタを有し、前記第1及び第2の半導体素子に対し、第1の電流と、前記第1の電流とは異なる大きさの第2の電流を出力するトランジスタ群と、
前記複数のトランジスタから、少なくとも1個の第1のトランジスタと前記第1のトランジスタと異なる複数の第2のトランジスタを選択し、前記第1のトランジスタのドレインを、前記第1及び第2の半導体素子の一方に接続し、前記複数の第2のトランジスタのドレインを、前記第1および第2の半導体素子の他方に接続するセレクタと、
前記第1の半導体素子のPN接合の順方向電圧と、前記第2の半導体素子のPN接合の順方向電圧に基づいて生成した電圧を、前記複数のトランジスタのゲートに供給するアンプと、を有する温度測定装置。
【請求項2】
前記第1の半導体素子のPN接合の順方向電圧と、前記第2の半導体素子のPN接合の順方向電圧の差分をデジタル値に変換して出力するADコンバータと、
前記ADコンバータから出力された出力値に基づき演算結果を出力する演算部と、
を有する、請求項1記載の温度測定装置。
【請求項3】
前記演算部は、
前記ADコンバータの複数の出力値に基づき、前記演算結果を出力することを特徴とする請求項2記載の温度測定装置。
【請求項4】
前記演算結果は、前記複数の出力値の平均値であることを特徴とする、請求項3記載の温度測定装置。
【請求項5】
一端が前記セレクタを介して前記複数のトランジスタの何れかと接続され、他端が前記第1の半導体素子と接続されており、前記第1の半導体素子に流れる電流に応じた電圧降下を生ずる第1の抵抗素子と、
一端が前記セレクタを介して前記複数のトランジスタの何れかと接続され、他端が前記第2の半導体素子と接続されており、前記第2の半導体素子に流れる電流に応じた電圧降下を生ずる第2の抵抗素子と、を更に含み、
前記第1の抵抗素子と前記複数のトランジスタの何れかとの接続点の電圧及び前記第2の半導体素子のPN接合の順方向電圧、又は、前記第2の抵抗素子と前記複数のトランジスタの何れかとの接続点の電圧及び前記第1の半導体素子のPN接合の順方向電圧の何れか一方を、前記アンプの非反転入力端子及び反転入力端子の入力とする、切り替え部を有することを特徴とする、請求項記載の温度測定装置。
【請求項6】
ソースが電源に接続され、互いのゲート同士が接続され電流源を構成する複数のトランジスタを含むトランジスタ群により、PN接合を有する第1及び第2の半導体素子に対し、第1の電流と、前記第1の電流とは異なる大きさの第2の電流を出力し、
前記複数のトランジスタから、少なくとも1個の第1のトランジスタと前記第1のトランジスタと異なる複数の第2のトランジスタを選択し、前記第1のトランジスタのドレインを、前記第1及び第2の半導体素子の一方に接続し、前記複数の第2のトランジスタのドレインを、前記第1および第2の半導体素子の他方に接続し、
前記第1の半導体素子のPN接合の順方向電圧と、前記第2の半導体素子のPN接合の順方向電圧に基づいて生成した電圧を、前記複数のトランジスタのゲートに供給する、ことを特徴とする温度測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度測定装置及び温度測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、面積の増大を抑制しつつ温度の測定の精度を向上させる温度測定装置が提案されている。
【0003】
その一例として、従来では、温度測定の基準となる電流を生成する電流源部と、電流値に基づいて絶対温度に比例した電圧を生成するセンサ部と、電圧をA/D変換するADC部と、を有する温度測定装置がある。この温度測定装置では、スイッチで動的に切り替えて温度を計測することで、電流源部、センサ部、ADC部のそれぞれを構成するトランジスタ、抵抗のミスマッチを検出して補正することが知られている。
【0004】
さらに、この温度測定装置では、電流源部とセンサ部のそれぞれが、制御電圧に応じた第一の電流を流す第一のトランジスタと、第一の電流とは異なる第二の電流を出力する第二のトランジスタと、を有することが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-190799号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の技術では、電流源部の有する第一のトランジスタとセンサ部の有する第一のトランジスタとの間、及び、電流源部の有する第二のトランジスタとセンサ部の有する第二のトランジスタとの間、のミスマッチを補正することができない。
【0007】
このため、従来の技術では、温度測定の精度を維持するためには、電流源部とセンサ部のそれぞれにおいて、第一及び第二のトランジスタの素子サイズを、ミスマッチの影響が抑えられる程度の大きさとする必要があり、更なる小型化が困難であった。
【0008】
開示の技術は、上記事情に鑑みてなされたものであり、温度測定の精度を向上させ、且つ、小型化することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
開示の技術は、PN接合を有する第1及び第2の半導体素子と、ソースが電源に接続され、互いのゲート同士が接続され電流源を構成する複数のトランジスタを有し、前記第1及び第2の半導体素子に対し、第1の電流と、前記第1の電流とは異なる大きさの第2の電流を出力するトランジスタ群と、前記複数のトランジスタから、少なくとも1個の第1のトランジスタと前記第1のトランジスタと異なる複数の第2のトランジスタを選択し、前記第1のトランジスタのドレインを、前記第1及び第2の半導体素子の一方に接続し、前記複数の第2のトランジスタのドレインを、前記第1および第2の半導体素子の他方に接続するセレクタと、前記第1の半導体素子のPN接合の順方向電圧と、前記第2の半導体素子のPN接合の順方向電圧に基づいて生成した電圧を、前記複数のトランジスタのゲートに供給するアンプと、を有する温度測定装置である。
【発明の効果】
【0010】
温度測定の精度を向上させ、且つ、小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第一の実施形態の温度測定装置を説明する図である。
図2】第一の実施形態のセンサ部の構成を説明する図である。
図3】第一の実施形態の温度測定装置の動作を説明するフローチャートである。
図4】第一の実施形態の温度測定装置の動作を説明する第一の図である。
図5】第一の実施形態の温度測定装置の動作を説明する第二の図である。
図6】第一の実施形態の温度測定装置の動作を説明する第三の図である。
図7】第一の実施形態の温度測定装置の動作を説明する第三の図である。
図8】第一の実施形態の効果を説明する図である。
図9】第二の実施形態の温度測定装置の構成を説明する図である。
図10】第二の実施形態の温度測定装置の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第一の実施形態)
以下に図面を参照して、第一の実施形態について説明する。図1は、第一の実施形態の温度測定装置を説明する図である。
【0013】
本実施形態の温度測定装置100は、センサ部110、ADC(Analog to Digital Converter)部120、デジタル演算部130、制御部140を有する。
【0014】
センサ部110は、温度測定の基準となる電流を供給する電流源を含んでおり、温度を電圧値に変換する。本実施形態では、センサ部110に電流源を含ませることで、温度測定装置100の小型化を実現する。センサ部110の詳細は後述する。
【0015】
ADC部120は、センサ部110から出力される電圧をA/D(Analog to Digital)変換によりデジタル値に変換する。デジタル演算部130は、ADC部120から出力されるデジタル値を演算処理することにより温度測定値Tを算出する。制御部140は、センサ部110、ADC部120、デジタル演算部130を制御する。
【0016】
尚、図1の例では、温度測定装置100は、ADC部120とデジタル演算部130とを含むものとしているが、これに限定されない。例えば、ADC部120とデジタル演算部130とは、温度測定装置の外部に設けられるものであっても良く、この場合には、センサ部110と制御部140とが温度測定装置150を形成することになる。
【0017】
次に、図2を参照して、本実施形態のセンサ部110について説明する。図2は、第一の実施形態のセンサ部の構成を説明する図である。
【0018】
本実施形態のセンサ部110は、トランジスタQ1及びQ2と、トランジスタ群111と、抵抗R1と、抵抗R2と、セレクタ112と、セレクタ113と、アンプ114と、を有する。
【0019】
本実施形態の温度測定装置100では、後述する動作によって、センサ部110のトランジスタ群111の有する各トランジスタ間のミスマッチと、トランジスタQ1及びトランジスタQ2間のミスマッチによる、温度測定に対する影響を抑制する。また、本実施形態の温度測定装置100では、後述する動作によって、抵抗R1と抵抗R2間のばらつきと、アンプ114のオフセットによる、温度測定に対する影響も抑制する。
【0020】
より具体的には、本実施形態では、後述する動作によって、センサ部110の有するトランジスタ間や抵抗間のミスマッチによって生じる、トランジスタQ1のベース-エミッタ間電圧Vbe1とトランジスタQ2のベース-エミッタ間電圧Vbe2との差分の誤差を低減する。ベース-エミッタ間電圧Vbe1とは、トランジスタQ1のPN接合の順方向電圧であり、ベース-エミッタ間電圧Vbe2とは、トランジスタQ2のPN接合の順方向電圧である。
【0021】
本実施形態では、トランジスタQ1のベース-エミッタ間電圧Vbe1とトランジスタQ2のベース-エミッタ間電圧Vbe2との差分の誤差を低減することで、温度測定値Tに対するミスマッチの影響を抑制でき、温度測定の精度を向上させることができる。
【0022】
尚、本実施形態において、トランジスタQ1及びトランジスタQ2間のミスマッチとは、トランジスタQ1とQ2との間でベース-エミッタ間電圧の電流特性に差異があることを
示す。また、本実施形態において、抵抗R1及び抵抗R2間のミスマッチとは、抵抗R1の抵抗値と抵抗R2の抵抗値に差異があることを示す。また、本実施形態において、トランジスタM1及びトランジスタM2間のミスマッチとは、トランジスタM1を流れる電流と、トランジスタM2を流れる電流との電流比と、設計された電流比との間にずれが生じていることを示す。
【0023】
尚、本実施形態のミスマッチとは、同じ構成のトランジスタを2つ隣接して配置した場合の特性のばらつきを示す。
【0024】
本実施形態では、このように、センサ部110が有するトランジスタ間、抵抗間のミスマッチ、アンプのオフセットによる影響を抑制することで、温度測定の精度を向上させる。以下に、センサ部110について、さらに説明する。
【0025】
本実施形態のトランジスタQ1及びQ2は、pn接合を有する一対のバイポーラトランジスタである。図2の例では、トランジスタQ1及びQ2は、pnpトランジスタとしたが、これに限定されない。トランジスタQ1及びQ2は、npnトランジスタであっても良い。また、本実施形態では、トランジスタQ1及びQ2の代わりに、ダイオードを用いても良い。
【0026】
本実施形態のトランジスタ群111は、電界効果トランジスタであるトランジスタM1、M2、・・・、Mnを有する。本実施形態のトランジスタM1、M2、・・・、Mnは、例えば、同じサイズのpチャネルMOSMETである。また、nは任意の整数値で選択することができる。
【0027】
本実施形態のトランジスタ群111は、電流源であり、トランジスタM1、M2、・・・、Mnのソースが電源に接続され、互いのゲート同士が接続された電流源回路を構成している。
【0028】
本実施形態のセレクタ112は、制御部140から供給される制御信号C1によって制御されるスイッチSW1、SW2、・・・、SWnを有する。本実施形態のスイッチSW1、SW2、・・・、SWnは、それぞれが、ノードn1とノードn2を有する。ノードn1は、
トランジスタ群111の各トランジスタのドレインの接続先をトランジスタQ1とするノードであり、ノードn2は、トランジスタ群111の各トランジスタのドレインの接続先をトランジスタQ2とするノードである。
【0029】
本実施形態のセンサ部110において、トランジスタQ1及びQ2は、ベースとコレクタとがそれぞれ共通電位(例えば接地電位)に接続されている。また、本実施形態のトランジスタQ1のエミッタは、抵抗R1の一端と接続され、トランジスタQ2のエミッタは、抵抗R2の一端と接続されている。
【0030】
抵抗R1の他端は、スイッチSW1、SW2、・・・、SWnのノードn1と接続されており、抵抗R2の他端は、スイッチSW1、SW2、・・・、SWnのノードn2と接続されている。スイッチSW1、SW2、・・・、SWnの他端は、トランジスタM1、M2、・・・、Mnと接続されている。
【0031】
本実施形態のセレクタ113は、制御部140から供給される制御信号C2によって、アンプ114の接続先を切り替える。具体的には、セレクタ113は、制御信号C2に応じて、アンプ114の非反転入力端子及び反転入力端子の接続先を、ノードn3及びノードn6、又は、ノードn4及びノードn5とする。
【0032】
本実施形態のアンプ114は、負帰還構成によって、非反転入力端子の電圧が反転入力端子の電圧と等しくなるように、トランジスタM1、M2、・・・、Mnのそれぞれに電流Iを生成する出力電圧V1を、トランジスタ群111の各トランジスタのゲートに供給する。
【0033】
また、センサ部110では、ノードn4に出力端子Tout1が接続され、ノードn6に出力端子Tout2が接続される。つまり、本実施形態のセンサ部110では、トランジスタQ1のベース-エミッタ間電圧Vbe1が出力端子Tout1から出力され、トランジスタQ2のベース-エミッタ間電圧Vbe2が出力端子Tout2から出力される。センサ部110から出力された電圧は、ADC部120へ供給される。
【0034】
ADC部120では、ベース-エミッタ間電圧Vbe1と、のベース-エミッタ間電圧Vbe2の差分の電圧をデジタル値としてデジタル演算部130に出力する。
【0035】
図2の例では、セレクタ112は、制御信号C1によって、トランジスタ群111のうち、トランジスタM1のドレインをノードn1と接続させ、その他のトランジスタM2~Mnのドレインをノードn2と接続させている。
【0036】
ここで、本実施形態のトランジスタ群111は、アンプ114の出力電圧V1で制御されるため、トランジスタM1、M2、・・・、Mnに流れる電流はそれぞれ電流Iとなる。
【0037】
したがって、図2の例では、抵抗R1とトランジスタQ1に流れる電流I1=電流Iとなり、抵抗R2とトランジスタQ2に流れる電流I2=電流I×(n-1)となる。
【0038】
このとき、セレクタ113は、制御信号C2によって、アンプ114の非反転入力端子及び反転入力端子をノードn3及びノードn6と接続させている。この場合、アンプ114は、ノードn3の電圧Va1がノードn6の電圧Vbe2となるように電流Iを発生させる電圧を、トランジスタ群111の各トランジスタのゲートに供給する。
【0039】
以下に、本実施形態の温度測定装置100の動作について説明する。図3は、第一の実施形態の温度測定装置の動作を説明するフローチャートである。
【0040】
本実施形態の温度測定装置100において、制御部140は、温度測定装置100の上位の装置から温度測定の開始の指示を受け付けると、図3に示す動作(処理)を開始する。尚、温度測定装置100の上位の装置とは、例えば、検出された温度に基づき、所定の処理を実行する装置等である。
【0041】
本実施形態の温度測定装置100において、制御部140は、温度測定の開始の指示を受け付けると、制御信号C2によって、セレクタ113の接続状態の設定を行う(ステップS301)。ここでは、セレクタ113によって、アンプ114の接続先を、ノードn3及びノードn6に設定する。言い換えれば、セレクタ113は、アンプ114の非反転入力端子に電圧Va1を印加させ、反転入力端子に電圧Vbe2を印加させる。
【0042】
続いて、温度測定装置100は、制御部140により、変数j=1に設定し(ステップS302)、制御信号C1によって、セレクタ112の接続状態の設定を行う(ステップS303)。ここでは、セレクタ112は、トランジスタMjをノードn1と接続させ、トランジスタMj以外のトランジスタMをノードn2と接続させる。つまり、セレクタ113は、トランジスタ群111のうち、1個のトランジスタをノードn1と接続させ、(n-1)個のトランジスタをノードn2と接続させる。
【0043】
続いて、制御部140は、ADC部120によって、センサ部110から供給される電圧Vbe1(j)と電圧Vbe2(j)の差分である電圧ΔVbe1(j)をデジタル値へ変換し、デジタル値をデジタル演算部130に格納させる(ステップS304)。
【0044】
続いて、温度測定装置100は、制御部140により、変数j=j+1とし(ステップS305)、変数jがnより大きいか否かを判定する(ステップS306)。ステップS306において、変数jがn以下である場合、制御部140は、ステップS303へ戻る。
【0045】
ステップS306において、変数jがnより大きい場合、制御部140は、制御信号C2によって、セレクタ113の接続状態の設定を行う(ステップS307)。ここでは、セレクタ113によって、アンプ114の接続先を、ノードn4及びノードn5に設定する。言い換えれば、セレクタ113は、アンプ114の非反転入力端子に電圧Va2を印加させ、反転入力端子に電圧Vbe1を印加させる。
【0046】
続いて、温度測定装置100は、制御部140により、変数l=1に設定し(ステップS308)、制御信号C1によって、セレクタ112の接続状態の設定を行う(ステップS309)。ここでは、セレクタ112は、トランジスタMlをノードn2と接続させ、トランジスタMl以外のトランジスタMをノードn1と接続させる。つまり、セレクタ113は、トランジスタ群111のうち、1個のトランジスタをノードn2と接続させ、(n-1)個のトランジスタをノードn1と接続させる。
【0047】
続いて、制御部140は、ADC部120によって、センサ部110から供給される電圧Vbe1(l)と電圧Vbe2(l)の差分である電圧ΔVbe2(l)をデジタル値へ変換し、デジタル値をデジタル演算部130に格納させる(ステップS310)。
【0048】
続いて、温度測定装置100は、制御部140により、変数l=l+1とし(ステップS311)、変数lがnより大きいか否かを判定する(ステップS312)。ステップS312において、変数lがn以下である場合、制御部140は、ステップS309へ戻る。
【0049】
ステップS312において、変数lがnより大きい場合、制御部140は、デジタル演算部130に格納された電圧ΔVbe1(j)と電圧ΔVbe2(l)の平均値を算出し(ステップS313)、この平均値を誤差として、温度測定値Tを算出して出力する(ステップS314)。
【0050】
尚、本実施形態では、デジタル演算部130は、電圧ΔVbe1(j)と電圧ΔVbe2(l)の平均値を算出するものとしたが、これに限定されない。デジタル演算部130は、電圧ΔVbe1(j)と電圧ΔVbe2(l)の平均値の代わりに、中央値等を求めても良い。デジタル演算部130は、電圧ΔVbe1(j)と電圧ΔVbe2(l)の平均値の誤差を平滑化することができる値であれば、平均値の代わりとして算出しても良い。
【0051】
続いて、温度測定装置100は、制御部140により、測定終了の指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS315)。ステップS315において、測定終了の指示を受け付けない場合、制御部140は、ステップS301に戻る。
【0052】
ステップS314において、測定終了の指示を受け付けた場合、制御部140は、処理を終了し、温度測定装置100の動作を停止させる。
【0053】
以下に、図4乃至図7を参照して、上述した図3の動作について、具体的に説明する。図4は、第一の実施形態の温度測定装置の動作を説明する第一の図であり、図5は、第一の実施形態の温度測定装置の動作を説明する第二の図である。
【0054】
図4及び図5では、n=4であり、アンプ114の接続先がノードn3及びノードn6に設定されたときのセンサ部110の動作を説明する。n=4とは、トランジスタ群111が、4つのトランジスタM1、M2、M3、M4を有することを示す。
【0055】
図4(A)は、制御部140にj=1が設定されたときのセンサ部110の状態を示す図である。図4(B)は、制御部140にj=2が設定されたときのセンサ部110の状態を示す図である。
【0056】
図4(A)では、j=1であるため、センサ部110では、トランジスタM1のみがセレクタ112のノード1と接続され、トランジスタM2、M3、M4がノード2と接続される。
【0057】
このとき、トランジスタQ1にはトランジスタM1の電流Im1が流れ、トランジスタQ2にはトランジスタM2、M3、M4の合計電流である電流Im2+Im3+Im4が流れる。
【0058】
よって、ADC部120は、この電流によって生じた電圧Vbe1と電圧Vbe2と差分の電圧ΔVbe1(1)をデジタル値に変換し、その変換結果を後段のデジタル演算部130に格納する。尚、電圧ΔVbe1(1)=電圧Vbe1(1)-電圧Vbe2(1)である。
【0059】
次に、変数j=2とする。この場合、図4(B)に示すように、センサ部110では、トランジスタM2のみがセレクタ112のノード1と接続され、トランジスタM1、M3、M4がノード2と接続される。このとき、トランジスタQ1にはトランジスタM2の電流Im1が流れ、トランジスタQ2にはトランジスタM1、M3、M4の合計電流である電流Im1+Im3+Im4が流れる。
【0060】
よって、ADC部120は、この電流によって生じた電圧Vbe1と電圧Vbe2と差分の電圧ΔVbe1(2)をデジタル値に変換し、その変換結果を後段のデジタル演算部130に格納する。
【0061】
図5(A)は、制御部140にj=3が設定されたセンサ部110の状態を示す図である。図5(B)は、制御部140にj=4が設定されたセンサ部110の状態を示す図である。
【0062】
図5(A)に示すように、変数j=3とされると、センサ部110では、トランジスタM3のみがセレクタ112のノード1と接続され、トランジスタM1、M2、M4がノード2と接続される。そして、ADC部120は、電圧Vbe1と電圧Vbe2と差分の電圧ΔVbe1(3)をデジタル値に変換し、その変換結果を後段のデジタル演算部130に格納する。
【0063】
また、変数j=4とされると、図5(B)に示すように、センサ部110では、トランジスタM4のみがセレクタ112のノード1と接続され、トランジスタM1、M2、M3がノード2と接続される。そして、ADC部120は、電圧Vbe1と電圧Vbe2と差分の電圧ΔVbe1(4)をデジタル値に変換し、その変換結果を後段のデジタル演算部130に格納する。
【0064】
図6は、第一の実施形態の温度測定装置の動作を説明する第三の図であり、図7は、第一の実施形態の温度測定装置の動作を説明する第三の図である。
【0065】
図6及び図7では、n=4であり、アンプ114の接続先がノードn4及びノードn5に設定されたときのセンサ部110の動作を説明する。
【0066】
図6(A)は、制御部140にl=1が設定されたセンサ部110の状態を示す図である。図6(B)は、制御部140にl=2が設定されたセンサ部110の状態を示す図である。
【0067】
図6(A)では、l=1であるため、センサ部110では、トランジスタM1のみがセレクタ112のノード2と接続され、トランジスタM2、M3、M4がノード1と接続される。
【0068】
このとき、トランジスタQ2にはトランジスタM1の電流Im1が流れ、トランジスタQ1にはトランジスタM2、M3、M4の合計電流である電流Im2+Im3+Im4が流れる。
【0069】
つまり、この場合、トランジスタQ1とトランジスタQ2に流れる電流の大小関係は、j=1~4の場合と逆の関係となる。
【0070】
ADC部120は、この電流によって生じた電圧Vbe1と電圧Vbe2と差分の電圧ΔVbe2(1)をデジタル値に変換し、その変換結果を後段のデジタル演算部130に格納する。
【0071】
次に、図6(B)に示すように、変数l=2とされると、センサ部110では、トランジスタM2のみがセレクタ112のノード2と接続され、トランジスタM1、M3、M4がノード1と接続される。そして、ADC部120は、電圧Vbe1と電圧Vbe2と差分の電圧ΔVbe2(2)をデジタル値に変換し、その変換結果を後段のデジタル演算部130に格納する。
【0072】
図7(A)は、制御部140にl=3が設定されたセンサ部110の状態を示す図である。図7(B)は、制御部140にl=4が設定されたセンサ部110の状態を示す図である。
【0073】
図7(A)に示すように、変数l=3とされると、センサ部110では、トランジスタM3のみがセレクタ112のノード2と接続され、トランジスタM1、M2、M4がノード1と接続される。そして、ADC部120は、電圧Vbe1と電圧Vbe2と差分の電圧ΔVbe2(3)をデジタル値に変換し、その変換結果を後段のデジタル演算部130に格納する。
【0074】
また、変数l=4とされると、図7(B)に示すように、センサ部110では、トランジスタM4のみがセレクタ112のノード2と接続され、トランジスタM1、M2、M3がノード1と接続される。そして、ADC部120は、電圧Vbe1と電圧Vbe2と差分の電圧ΔVbe2(4)をデジタル値に変換し、その変換結果を後段のデジタル演算部130に格納する。
【0075】
本実施形態のデジタル演算部130では、図4乃至図7で示した動作により、電圧ΔVbe1(1)~電圧ΔVbe1(4)、電圧ΔVbe2(1)~電圧ΔVbe2(4)が格納される。デジタル演算部130は、これらの電圧の平均値ΔVaveを算出することで、トランジスタ間や抵抗間のミスマッチによって生じる、電圧Vbe1と電圧Vbe2との差分である電圧ΔVbeの誤差を平滑化した、真の電圧ΔVbeを得る。
【0076】
そして、デジタル演算部130は、平均値ΔVaveを真の電圧ΔVbeとし、温度測定値Tを算出する。ここで、温度測定値Tと、電圧ΔVbeとの関係について説明する。本実施形態において、電圧Vbe1は、以下の式(1)によって示される。
【0077】
Vbe=(kTa/e)×ln(Iq1/Is) 式(1)
尚、式(1)において、kはボルツマン定数であり、eは電気素量であり、Taは絶対温度であり、Iq1はトランジスタQ1を流れる電流であり、Isは、トランジスタQ1に対して逆バイアスをかけたときの飽和電流である。また、式(2)において、Iq2は、トランジスタQ2を流れる電流である。
【0078】
この式(1)から、電圧ΔVbeは、以下の式(2)で示される。
【0079】
ΔVbe=(kTa/e)×{ln(Iq1)-ln(Iq2)}
=(kTa/e)×{ln(Iq2)/(Iq1)}
=(kTa/e)×{ln(n-1)} 式(2)
トランジスタ群111の各トランジスタ間のミスマッチが存在する場合、電流Iq1と電流Iq2との差に、ミスマッチによる誤差が生じる。ミスマッチによって生じる電流Iq1と電流Iq2との差の誤差は、ΔVbeの誤差となる。
【0080】
そこで、本実施形態では、変数j,lに対して1からnまで順次設定し、トランジスタ群111の各トランジスタ間のミスマッチによって生じる誤差を含む電圧ΔVbe1(j)、電圧ΔVbe2(l)を取得する。
【0081】
そして、本実施形態のデジタル演算部130は、式(2)において、電圧ΔVbe1(j)、電圧ΔVbe2(l)の平均値ΔVaveを電圧ΔVbeとして、絶対温度Taを算出することで、トランジスタ群111の各トランジスタ間のミスマッチによる誤差が平滑化された温度測定値Tを出力する。このとき、k,eは物理定数であることから、精度の高い温度測定値Tが得られることが分かる。
【0082】
尚、本実施形態のデジタル演算部130は、絶対温度Ta[K]を温度測定値Tとして出力しても良いし、絶対温度Ta[K]から、温度測定値T[℃]を算出して出力しても良い。
【0083】
また、デジタル演算部130は、式(2)、ボルツマン定数k、電気素量eが予め格納された記憶部を有しているものとした。
【0084】
以下に、本実施形態の効果について説明する。図8は、第一の実施形態の効果を説明する図である。図8(A)は、センサ部110における電流源の電流の誤差を示す図である。図8(B)は、ADC部120から出力される電圧ΔVbe1(j)、電圧ΔVbe2(l)の一覧を示す図である。
【0085】
図8の例では、図8(A)に示すように、トランジスタ群111のトランジスタM1に流れる電流だけが、トランジスタM間のミスマッチにより、10%の誤差を有している場合を示している。
【0086】
この場合、トランジスタM2~M4に流れる電流をIとした場合、トランジスタM1に流れる電流は、1.1Iとなる。
【0087】
また、図8(A)では、制御部140において、変数j=1が設定された状態を示している。したがって、トランジスタQ1には、トランジスタM1から、1.1Iの電流が供給されている。また、トランジスタQ2には、トランジスタM2~M4から、3Iの電流が供給されている。
【0088】
この場合、図8(B)に示すように、電圧ΔVbe1(1)は、(kTa/e)×(In3I/1.1I)となる。
【0089】
このようにして、変数j=1~4、変数l=1~4とする処理を行った結果、デジタル演算部130には、図8(B)に示すように、電圧ΔVbe1(1)~電圧ΔVbe1(4)、電圧ΔVbe2(1)~電圧ΔVbe2(4)が格納される。
【0090】
この場合、電圧ΔVbe1(1)~電圧ΔVbe1(4)、電圧ΔVbe2(1)~電圧ΔVbe2(4)の平均値は、以下の式(3)によって算出される。
【0091】
(1/8)×(kTa/e)×In{(3/1.1)×(In3/1.1)
=(kTa/e)×In{(3/1.1)×(3/1.1)1/8
≒(kTa/e)×ln(3.002295) 式(3)
また、トランジスタM1~M4を流れる電流値に誤差がない場合の、電圧ΔVbe1(1)~電圧ΔVbe1(4)、電圧ΔVbe2(1)~電圧ΔVbe2(4)の期待値は、以下の式(4)となる。
【0092】
(kTa/e)×ln(3) 式(4)
したがって、本実施形態によれば、式(3)と式(4)の比から、電圧Vbe1と電圧Vbe2との差分の誤差を、ln(3.002295)/ln(3)≒1.0007、つまり、0.07%まで低減できることがわかる。
【0093】
これに対し、本実施形態を適用しない場合には、電圧Vbe1と電圧Vbe2との差分の誤差は、以下の式(5)によって示される。
【0094】
ln(3.1/1)/ln(3)≒1.03[%] 式(5)
このことから、本実施形態を適用すれば、センサ部110の有するトランジスタ間のミスマッチや抵抗間のばらつき等によって生じる電圧Vbe1と電圧Vbe2との差分の誤差が、3%程度から0.07%程度まで低減されることがわかる。
【0095】
このように、本実施形態によれば、センサ部110に電流源を含めることで、温度測定装置100の小型化に貢献することができる。したがって、本実施形態の温度測定装置100は、例えば、LSI(large-scale integrated circuit)上において複数の局所的な発熱箇所を検出する場合等に効果的である。
【0096】
さらに、本実施形態によれば、対数の近似計算等を行わず、平均処理によって温度測定値を算出できるため、デジタル演算の負荷を低減することができる。
【0097】
(第二の実施形態)
以下に、図面を参照して、第二の実施形態について説明する。第二の実施形態では、センサ部がセレクタ113を有していない点が、第一の実施形態と相違する。よって、以下の第二の実施形態の説明では、第一の実施形態との相違点についてのみ説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには、第一の実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
【0098】
図9は、第二の実施形態の温度測定装置の構成を説明する図である。本実施形態の温度測定装置100Aは、センサ部110A、ADC部120、デジタル演算部130、制御部140Aを有する。
【0099】
尚、図9の例では、温度測定装置100Aは、ADC部120、デジタル演算部130を含む構成としているが、これに限定されない。ADC部120とデジタル演算部130は、温度測定装置の外部に設けられるものであっても良く、この場合には、センサ部110Aと、制御部140Aとが温度測定装置150Aを形成することになる。
【0100】
本実施形態のセンサ部110Aは、トランジスタQ1及びQ2と、トランジスタ群111と、抵抗R1と、抵抗R2と、セレクタ112と、アンプ114と、を有する。
【0101】
本実施形態のアンプ114は、非反転入力端子がノードn5と接続され、反転入力端子がノードn4と接続されている。
【0102】
本実施形態の制御部140Aは、セレクタ112に対して制御信号C1を出力し、トランジスタ群111の各トランジスタの接続先を制御する。言い換えれば、制御部140は、変数jの設定についてのみ行い、変数lの設定は行わない。
【0103】
次に、図10を参照して、本実施形態の温度測定装置100Aの動作について説明する。図10は、第二の実施形態の温度測定装置の動作を説明するフローチャートである。
【0104】
本実施形態の温度測定装置100Aにおいて、制御部140Aは、温度測定装置100Aの上位の装置から温度測定の開始の指示を受け付けると、図10に示す動作(処理)を開始する。
【0105】
図10のステップS1001からステップS1005は、図3のステップS302からステップS306までの処理と同様であるから、説明を省略する。
【0106】
ステップS1005において、デジタル演算部130に、ΔVbe(1)~ΔVbe(n)が格納されると、制御部140Aは、デジタル演算部130により、これらの平均値を算出させる(ステップS1006)。
【0107】
続いて、制御部140Aは、デジタル演算部130により、ΔVbe(1)~ΔVbe(n)の平均値を用いて温度測定値Tを算出させ、出力させる(ステップS1007)。
【0108】
続いて、温度測定装置100Aは、制御部140Aにより、測定終了の指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS1008)。ステップS1008において、測定終了の指示を受け付けない場合、制御部140Aは、ステップS1001に戻る。
【0109】
ステップS1008において、測定終了の指示を受け付けた場合、制御部140Aは、処理を終了し、温度測定装置100Aの動作を停止させる。
【0110】
以上のように、本実施形態では、第一の実施形態と比較して、ΔVbeの平均値を算出する処理を簡略化することができ、デジタル演算の処理の負荷を軽減し、処理速度を向上させることができる。
【0111】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【0112】
尚、各実施形態のトランジスタQ1及びトランジスタQ2は、特許請求の範囲の記載の第1及び第2の半導体素子の一例であり、トランジスタM1~Mnは、特許請求の範囲の記載の複数のトランジスタの一例であり、トランジスタ群111は、特許請求の範囲の記載のトランジスタ群の一例である。また、各実施形態のセレクタ112は、特許請求の範囲の記載のセレクタの一例であり、セレクタ113は、特許請求の範囲の記載の切り替え部の一例であり、アンプ114は、特許請求の範囲の記載のアンプの一例である。
【0113】
また、各実施形態の抵抗R1と抵抗R2は、特許請求の範囲の記載の第1の抵抗素子と第2の抵抗素子の一例である。
【符号の説明】
【0114】
100、100A 温度測定装置
110、110A センサ部
111 トランジスタ群
112、113 セレクタ
114 アンプ
120 ADC部
130 デジタル演算部
140、140A 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10