(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-02-14
(54)【発明の名称】選別装置
(51)【国際特許分類】
B07C 5/342 20060101AFI20220117BHJP
G01N 21/85 20060101ALI20220117BHJP
B07C 5/346 20060101ALI20220117BHJP
G01N 23/04 20180101ALI20220117BHJP
【FI】
B07C5/342
G01N21/85 A
B07C5/346
G01N23/04
(21)【出願番号】P 2020216333
(22)【出願日】2020-12-25
【審査請求日】2021-06-25
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001812
【氏名又は名称】株式会社サタケ
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】定丸 雅明
(72)【発明者】
【氏名】立石 芳和
【審査官】小川 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-179292(JP,A)
【文献】特開2017-164723(JP,A)
【文献】特開2017-164722(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/85
B07C 5/342
B07C 5/346
G01N 23/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空中を進む被選別物を1つ以上の選別手段により選別可能に構成された選別装置であって、
前記被選別物を撮像して1つ以上の選別要否判断用情報を取得する少なくとも1つの撮像手段と、
前記選別要否判断用情報を基に前記被選別物の選別の要否を判定するとともに、判定した結果である選別要否判定結果を出力する判定手段と、
前記1つの被選別物において前記判定手段による選別要否判定結果のうち選別が必要と判定された結果が2つ以上の場合、前記被選別物が選別領域を通過する際
のタイミングにおいてのみ前記選別手段を作動させる情報を含む選別作動信号を予め決められた信号設定テーブルから前記各選別要否判定結果の組み合わせに基づいて設定するか、或いは、前記各選別要否判定結果の組み合わせに基づいて所定の信号演算アルゴリズムを用いて演算して設定する選別信号設定手段とを備えていることを特徴とする選別装置。
【請求項2】
請求項1に記載の選別装置において、
前記信号設定テーブルには、前記選別手段を作動させるための情報を含んだ事前設定信号が前記選別要否判断用情報毎に対応させて予め記憶されており、
前記選別信号設定手段は、前記判定手段による選別要否判定結果のうち選別が必要と判定された結果が1つだけの場合には、その選別が必要と判定された選別要否判定用情報に対応する前記事前設定信号を前記選別作動信号とするよう構成される一方、前記判定手段による選別要否判定結果のうち選別が必要と判定された結果が2つ以上の場合には、その選別が必要と判定された各選別要否判定用情報に対応する前記各事前設定信号のうちの1つを前記選別作動信号とするよう構成されていることを特徴とする選別装置。
【請求項3】
請求項2に記載の選別装置において、
前記撮像手段は、可視光線を用いて前記被選別物を撮像することにより可視光線データを前記選別要否判定用情報として取得する第1撮像手段と、近赤外線を用いて前記被選別物を撮像することにより近赤外線データを前記選別要否判定用情報として取得する第2撮像手段とを備え、
前記選別信号設定手段は、前記可視光線データ及び近赤外線データの選別要否判定結果の両方において選別が必要と判定された場合には、前記可視光線データ及び近赤外線データに対応する各事前設定信号のいずれか一方を前記選別作動信号とするよう構成されていることを特徴とする選別装置。
【請求項4】
請求項2に記載の選別装置において、
前記撮像手段は、可視光線を用いて前記被選別物を撮像することにより可視光線データを前記選別要否判定用情報として取得する第1撮像手段と、近赤外線を用いて前記被選別物を撮像することにより近赤外線データを前記選別要否判定用情報として取得する第2撮像手段と、X線を用いて前記被選別物を撮像することによりX線データを前記選別要否判定用情報として取得する第3撮像手段とを備え、
前記選別信号設定手段は、前記可視光線データ、近赤外線データ及びX線データの各選別要否判定結果のうち少なくとも2つ以上において選別が必要と判定された場合には、選別が必要と判定された前記各選別要否判定結果にそれぞれ対応する前記各事前設定信号のうちから1つの信号を前記選別作動信号とするよう構成されていることを特徴とする選別装置。
【請求項5】
請求項2から4のいずれか1つに記載の選別装置において、
前記選別手段は、圧縮エアを噴射ノズルから前記被選別物に向けて噴射するエア噴射手段であり、
前記事前設定信号は、前記撮像手段が前記被選別物を撮像した後、前記選別手段に対して前記選別作動信号を出力するまでの遅延時間と、前記選別手段に対して前記選別作動信号を出力し続ける噴射時間との情報を含んでいることを特徴とする選別装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、可視光線やX線等を用いた撮像データにより被選別物の選別の要否を判定して被選別物を選別する選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、米麦等の多数の粒状体を袋詰めする際において、石やガラス等の異物や或いは着色粒等の不良物の混入を防ぐために、これら異物や不良物を光学的に判別して選別する選別機が一般的に知られている。例えば、特許文献1に開示されている選別機は、各粒状体を順次斜め下方に流下させて搬送する搬送シュートと、該搬送シュートの下方に所定の間隔をあけて配置された排出シュートとを備え、該排出シュートは、良品である粒状体の排出を案内する良品排出部と不良品である粒状体の排出を案内する不良品排出部とが装置の前後方向に並設されている。搬送シュートの下方には、当該搬送シュートと排出シュートとの間に設定された検査領域を挟んで搬送シュートの上面側と下面側とに可視光用の第1及び第2CCDカメラがそれぞれ配設され、該第1及び第2CCDカメラは、搬送シュート下端から落下して検査領域を通過する粒状体をその上面側及び下面側からそれぞれ撮像するようになっている。搬送シュートの上面側で、且つ、第1CCDカメラの装置下流側には、近赤外光用のNIRカメラが配設され、検査領域を通過する粒状体を上面側から撮像するようになっている。また、搬送シュートの下面側で、且つ、第2CCDカメラの装置下流側には、噴射ノズルを有するエジェクターが配設され、該エジェクターは、検査領域の下流側に位置する選別領域に対して装置前側の斜め上方に向かって圧縮エアを噴射可能になっている。第1及び第2CCDカメラ、NIRカメラ及びエジェクターには、制御部が接続され、該制御部は、第1CCDカメラ、第2CCDカメラ及びNIRカメラでそれぞれ取得した撮像データから各粒状体の選別が必要か否かを判定するとともに、粒状体の選別が必要であると判定した際、エジェクターに選別作動信号を出力して、選別領域に位置する粒状体に向けて噴射ノズルから圧縮エアを噴射することにより、良品排出部に向かって落下する粒状体の落下方向を不良品排出部側へと変更させて粒状体を選別するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述の如き選別装置は、各カメラによる検査領域やエジェクターによる選別領域において粒状体が自由落下しているので、質量や体積が異なる粒状体は、検査領域から選別領域に到達するまでの時間がそれぞれ異なる。したがって、各カメラが検査領域にて粒状体を撮像した後、粒状体に向けてエジェクターから圧縮エアを噴射するまでの遅延時間、及び、エジェクターから圧縮エアを噴射し続ける噴射時間といったエジェクターを作動させる情報を含む選別作動信号を異物や不良物の種類毎に可視光線データや近赤外線データ等の選別要否判断用情報の1つに紐付けて制御部に予め記憶させ、当該制御部は、カメラから取得した選別要否判断用情報から粒状体の選別が必要であると判定すると、その異物や不良物に対応する選別作動信号にてエジェクターを作動させて選別領域における異物や不良物を選別するようにしている。
【0005】
しかし、上述の如き制御では、異物や不良物である1つの粒状体が複数の選別要否判断用情報においてそれぞれ選別が必要であると判定されるようなものの場合、当該粒状体において選別に用いる選別要否判断用情報以外の選別に用いない各選別要否判断用情報に紐付く選別作動信号においてもエジェクターが作動するので、そのエジェクターが作動するタイミングにおいて選別領域を通過する他の良品である粒状体がエジェクターによる噴射で意図せず選別されてしまい、歩留まりが低下してしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、多数の粒状体の中から異物や不良物を精度良く選別可能な選別装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は、1つの被選別物において2つ以上の選別要否判断用情報にて選別要否判定結果が出る場合の選別手段を作動させる信号の設定の仕方に工夫を凝らしたことを特徴とする。
【0008】
具体的には、空中を進む被選別物を1つ以上の選別手段により選別可能に構成された選別装置を対象とし、次のような対策を講じた。
【0009】
すなわち、第1の発明では、前記被選別物を撮像して1つ以上の選別要否判断用情報を取得する少なくとも1つの撮像手段と、前記選別要否判断用情報を基に前記被選別物の選別の要否を判定するとともに、判定した結果である選別要否判定結果を出力する判定手段と、前記1つの被選別物において前記判定手段による選別要否判定結果のうち選別が必要と判定された結果が2つ以上の場合、前記被選別物が選別領域を通過する際のタイミングにおいてのみ前記選別手段を作動させる情報を含む選別作動信号を予め決められた信号設定テーブルから前記各選別要否判定結果の組み合わせに基づいて設定するか、或いは、前記各選別要否判定結果の組み合わせに基づいて所定の信号演算アルゴリズムを用いて演算して設定する選別信号設定手段とを備えていることを特徴とする。
【0010】
第2の発明では、第1の発明において、前記信号設定テーブルには、前記選別手段を作動させるための情報を含んだ事前設定信号が前記選別要否判断用情報毎に対応させて予め記憶されており、前記選別信号設定手段は、前記判定手段による選別要否判定結果のうち選別が必要と判定された結果が1つだけの場合には、その選別が必要と判定された選別要否判定用情報に対応する前記事前設定信号を前記選別作動信号とするよう構成される一方、前記判定手段による選別要否判定結果のうち選別が必要と判定された結果が2つ以上の場合には、その選別が必要と判定された各選別要否判定用情報に対応する前記各事前設定信号のうちの1つを前記選別作動信号とするよう構成されていることを特徴とする。
【0011】
第3の発明では、第2の発明において、前記撮像手段は、可視光線を用いて前記被選別物を撮像することにより可視光線データを前記選別要否判定用情報として取得する第1撮像手段と、近赤外線を用いて前記被選別物を撮像することにより近赤外線データを前記選別要否判定用情報として取得する第2撮像手段とを備え、前記選別信号設定手段は、前記可視光線データ及び近赤外線データの選別要否判定結果の両方において選別が必要と判定された場合には、前記可視光線データ及び近赤外線データに対応する各事前設定信号のいずれか一方を前記選別作動信号とするよう構成されていることを特徴とする。
【0012】
第4の発明では、第2の発明において、前記撮像手段は、可視光線を用いて前記被選別物を撮像することにより可視光線データを前記選別要否判定用情報として取得する第1撮像手段と、近赤外線を用いて前記被選別物を撮像することにより近赤外線データを前記選別要否判定用情報として取得する第2撮像手段と、X線を用いて前記被選別物を撮像することによりX線データを前記選別要否判定用情報として取得する第3撮像手段とを備え、前記選別信号設定手段は、前記可視光線データ、近赤外線データ及びX線データの各選別要否判定結果のうち少なくとも2つ以上において選別が必要と判定された場合には、選別が必要と判定された前記各選別要否判定結果にそれぞれ対応する前記各事前設定信号のうちから1つの信号を前記選別作動信号とするよう構成されていることを特徴とする。
【0013】
第5の発明では、第2から第4のいずれか1つの発明において、前記選別手段は、圧縮エアを噴射ノズルから前記被選別物に向けて噴射するエア噴射手段であり、前記事前設定信号は、前記撮像手段が前記被選別物を撮像した後、前記選別手段に対して前記選別作動信号を出力するまでの遅延時間と、前記選別手段に対して前記選別作動信号を出力し続ける噴射時間との情報を含んでいることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
第1の発明では、被選別物が2つ以上の選別要否判断用情報において選別が必要と判定された場合であっても、その被選別物が選別領域を通過するタイミングにおいてのみ選別手段を作動させることができるようになり、それ以外のタイミングで選別手段を作動させないようにすることができる。したがって、第1の発明によれば、多数の粒状体の中から異物や不良物を精度良く選別可能な選別装置を得ることができる。
【0015】
第2の発明では、被選別物から取得される選別要否判断用情報の数に関係無く被選別物を選別領域にて選別するための最適な選別作動信号が選択されるようになるので、異物や不良物である粒状体だけを確実に選別領域において選別できるようになり、良品である粒状体を意図せずに選別してしまうのを防ぐことが可能な、高い選別精度を有する選別装置にすることができる。
【0016】
第3の発明では、可視光線にのみ反応するか、或いは、近赤外線にのみ反応する被選別物G1と、可視光線及び近赤外線の両方に反応する被選別物G2とを多数の粒状体の中から選別する際において、被選別物G2を選別する際に良品である粒状体が選別領域にて選別手段により意図せずに選別されなくすることができるようになるので、可視光線及び近赤外線の両方を利用して被選別物を選別する場合において選別精度を高めることができる。
【0017】
第4の発明では、可視光線、近赤外線及びX線のいずれか1つに反応する被選別物G3と可視光線、近赤外線及びX線のうちの少なくとも2つに反応する被選別物G4とを多数の粒状体の中から選別する際において、被選別物G4を選別する際に良品である粒状体が選別領域にて選別手段により意図せずに選別されなくすることができるようになるので、可視光線、近赤外線及びX線の3つの選別要否判断用情報を利用して被選別物を選別する場合において選別精度の良い選別装置にすることができる。
【0018】
第5の発明では、選別される被選別物が選別領域を通過する際、圧縮エアによる風圧で被選別物の落下方向を変化させることで選別作業を行うので、シンプルで、且つ、低コストな構造で効率良く被選別物を選別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態1に係る選別装置の正面図である。
【
図2】本発明の実施形態1に係る選別装置の内部構造を示す概略断面図である。
【
図3】制御部、撮像機器及びエジェクターの関係を示すブロック図である。
【
図4】1つの粒状体において選別要否判定用情報を2つ取得する場合の信号設定テーブルの例を示す図である。
【
図5】1つの粒状体において選別要否判定用情報を3つ取得する場合の信号設定テーブルの例を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態1に係る選別装置における粒状体の選別を行う制御のフローチャートである。
【
図7】本発明の実施形態2に係る
図3相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。
【0021】
《発明の実施形態1》
図1は、本発明の実施形態1に係る光学式選別装置1を示す。該光学式選別装置1は、例えば、アーモンドや豆等の食品類、或いは、プラスチック片等の多数の粒状体G(被選別物)の状態や種類をそれぞれ順次搬送させながら検査して良否を判定した後、良品と不良品とを選別して取り出すよう構成されたものであり、複数の金属製フレームからなる機枠10を備えている。
【0022】
該機枠10には、
図2に示すように、装置上流側から順に、搬入ユニット2、搬送ユニット3、第1検査ユニット4、第2検査ユニット5、選別ユニット6(選別手段)及び搬出ユニット7が取り付けられ、搬送ユニット3、第1及び第2検査ユニット4,5及び選別ユニット6は、遮蔽カバー8にて覆われている。そして、搬入ユニット2、搬送ユニット3、第1及び第2検査ユニット4,5、選別ユニット6及び搬出ユニット7には、制御部9が接続されている。
【0023】
搬入ユニット2は、振動フィーダ(図示せず)により導入される多数の粒状体Gを搬入スライダ21により搬送ユニット3へと搬入するようになっていて、各粒状体Gは、搬送ユニット3の幅方向における等間隔の位置に順次搬入されるようになっている。
【0024】
搬送ユニット3は、搬入スライダ21の下端から装置下流側へと水平方向に延びるベルトコンベア31を備えている。
【0025】
該ベルトコンベア31は、搬入スライダ21下端の下側に位置する駆動ローラ32と、装置下流側に位置し、且つ、駆動ローラ32よりもローラ径が小さい従動ローラ33とを備え、駆動ローラ32と従動ローラ33とには、樹脂製の無端状ベルト34が巻き掛けられている。
【0026】
該無端状ベルト34は、駆動ローラ32及び従動ローラ33の回転動作により周回移動して外周面に載置される各粒状体Gを順次搬送するようになっている。
【0027】
そして、搬送される各粒状体Gは、無端状ベルト34の中途部に設定された第1検査領域V1を通過した後、搬送方向下流端から順次斜め下方に落下してベルトコンベア31と搬出ユニット7との間の空中に設定された第2検査領域V2と選別領域Pとを順次通過するようになっている。
【0028】
第1検査ユニット4は、粒状体Gの外形又は内部状態を撮像するものであり、第1検査領域V1の上方に所定の間隔をあけて位置するX線照射ユニット41と、第1検査領域V1の下方に設置されたX線検出器42(第3撮像手段)とを備えている。
【0029】
X線照射ユニット41は、X線を真下に出射するX線出射部41aを備え、該X線出射部41aから出射したX線は、無端状ベルト34により搬送されて第1検査領域V1を通過する粒状体Gに照射されるようになっている。
【0030】
X線検出器42は、ベルトコンベア31の幅方向に一列に配設され、X線を検出可能なラインセンサ42aを備え、当該ラインセンサ42aにより検出したX線により粒状体Gの形状又は内部状態(透過量)を撮像したX線データD1(選別要否判定用情報)を得るようになっている。
【0031】
X線出射部41aと第1検査領域V1との間には、筒中心線が垂直に延びる遮蔽筒体43が配設されている。
【0032】
該遮蔽筒体43は、X線出射部41aに連続して配置され、上端開口がX線出射部41aに対応する第1筒体43aと、該第1筒体43aの下部に連続して配置され、下端開口が第1検査領域V1に接近する第2筒体43bとを備えている。
【0033】
第2検査ユニット5は、ベルトコンベア31の下流端上方の位置に配置された可視光用の第1CCDカメラ51a(第1撮像手段)と、ベルトコンベア31の下流端寄りの下方の位置に配置された可視光用の第2CCDカメラ52a(第1撮像手段)と、第1CCDカメラ51aの装置下流側に所定の間隔をあけて配置された近赤外光用のNIRカメラ53a(第2撮像手段)とを備えている。
【0034】
第1CCDカメラ51aの装置下流側の斜め下方には、当該第1CCDカメラ51aの撮影方向に対して傾斜する姿勢の第1ミラー51bが配設される一方、第2CCDカメラ52aの装置下流側斜め上方の位置には、第1背景板51cが配設され、第1ミラー51bと第1背景板51cとの間に第2検査領域V2が位置している。
【0035】
第1背景板51cの上方には、一対の第1可視光源51dが配設され、第1CCDカメラ51aは、第2検査領域V2を通過するときの第1ミラー51bに反射する粒状体Gをその上面側から撮像して可視光線データD2(選別要否判定用情報)を得るようになっている。
【0036】
すなわち、第1CCDカメラ51aは、可視光線を用いて粒状体Gを撮像することにより可視光線データD2を選別要否判定用情報として取得するようになっている。
【0037】
第2CCDカメラ52aの装置下流側には、当該第2CCDカメラ52aの撮影方向に対して傾斜する姿勢の第2ミラー52bが配設される一方、第1ミラー51bの装置上流側斜め下方の位置には、第2背景板52cが配設され、第2ミラー52bと第2背景板52cとの間に第2検査領域V2が位置している。
【0038】
第2背景板52cの下方には、一対の第2可視光源52dが配設され、第2CCDカメラ52aは、第2検査領域V2を通過するときの第2ミラー52bに反射する粒状体Gをその下面側から撮像して可視光線データD3(選別要否判定用情報)を得るようになっている。
【0039】
すなわち、第2CCDカメラ52aは、可視光線を用いて粒状体Gを撮像することにより可視光線データD3を選別要否判定用情報として取得するようになっている。
【0040】
NIRカメラ53aの装置上流側の斜め上方には、当該NIRカメラ53aの撮影方向に対して傾斜する姿勢の第3ミラー53bが配設される一方、第2ミラー52bの装置下流側の位置には、第3背景板53cが配設され、第3ミラー53bと第3背景板53cとの間に第2検査領域V2が位置している。
【0041】
一対の第2可視光源52dの間には、一対の近赤外光源53dが配設され、NIRカメラ53aは、第2検査領域V2を通過するときの第3ミラー53bに反射する粒状体Gを撮像して近赤外線データD4(選別要否判定用情報)を得るようになっている。
【0042】
すなわち、NIRカメラ53aは、近赤外線を用いて粒状体Gを撮像することにより近赤外線データD4を選別要否判定用情報として取得するようになっている。
【0043】
選別ユニット6は、NIRカメラ53aの下方に位置するエジェクター61(エア噴射手段)を備えている。
【0044】
該エジェクター61は、圧縮エアの噴射口が装置上流側の斜め下方を向く噴射ノズル61aを備え、該噴射ノズル61aは、第2検査領域V2の装置下流側に位置する選別領域Pに向けて圧縮エアを噴射可能になっている。
【0045】
搬出ユニット7は、正面視で開放側が装置下流側の斜め下方に向く略V字形状をなすとともにベルトコンベア31の幅方向に幅広な形状をなす排出シュート71を備えている。
【0046】
該排出シュート71は、粒状体Gの不良品の排出を下方に案内する不良品排出部72と、粒状体Gの良品の排出を装置下流側の斜め下方に案内する良品排出部73とを備え、該良品排出部73は、不良品排出部72における装置下流側上部に連続して設けられている。
【0047】
制御部9は、搬送作動信号を出力してベルトコンベア31を作動させるとともに、選別作動信号Xを出力してエジェクター61を作動させるようになっている。
【0048】
制御部9は、
図3に示すように、X線データD1、可視光線データD2、可視光線データD3及び近赤外線データD4を基に粒状体Gの選別の要否を判定する判定部91(判定手段)を備え、該判定部91は、判定した結果である選別要否判定結果Rを出力するようになっている。
【0049】
具体的には、判定部91は、X線データD1を基に選別要否判定結果R1を出力し、可視光線データD2を基に選別要否判定結果R2を出力し、可視光線データD3を基に選別要否判定結果R3を出力し、近赤外線データD4を基に選別要否判定結果R4を出力するようになっている。
【0050】
また、制御部9は、各種データを記憶可能な記憶部92を備え、該記憶部92には、選別作動信号Xを設定するための信号設定テーブルTが設けられている。
【0051】
該信号設定テーブルTには、選別する粒状体Gが選別領域Pを通過する際にエジェクター61を作動させるための情報Iを含んだ事前設定信号Zが予め記憶され、該事前設定信号Zは、X線データD1、可視光線データD2、D3及び近赤外線データD4に対してそれぞれ設定されている。
【0052】
事前設定信号Zは、X線検出器42、第1CCDカメラ51a、第2CCDカメラ52a及びNIRカメラ53aが粒状体Gをそれぞれ撮像した後、エジェクター61に対して選別作動信号Xを出力するまでの遅延時間S1と、エジェクター61に対して選別作動信号Xを出力し続ける噴射時間S2との情報Iを含んでいる。
【0053】
信号設定テーブルTには、X線データD1に対応する事前設定信号Z1と、可視光線データD2に対応する事前設定信号Z2と、可視光線データD3に対応する事前設定信号Z3と、近赤外線データD4に対応する事前設定信号Z4とが予め記憶されていて、事前設定信号Z1~Z4毎に遅延時間S1及び噴射時間S2の情報を有している。
【0054】
事前設定信号Z1は、第1検査領域V1にて取得したX線データD1に基づいて選別が必要と判定されたときに粒状体Gをエジェクター61の噴射動作により選別領域Pにて選別可能な情報I(遅延時間S1、噴射時間S2)を有している。
【0055】
事前設定信号Z2~Z4は、第2検査領域V2にて取得した可視光線データD2、可視光線データD3、近赤外線データD4に基づいてそれぞれ選別が必要とされたときに粒状体Gをエジェクター61の噴射動作により選別領域Pにて選別可能な情報I(遅延時間S1、噴射時間S2)をそれぞれ有している。
【0056】
尚、信号設定テーブルTには、X線データD1、可視光線データD2、可視光線データD3及び近赤外線データD4に基づいて2つ以上選別が必要と判定された場合の各組み合わせに対応する専用の情報Iを有する事前設定信号Zを予め記憶しておいてもよい。例えば、X線データD1及び可視光線データD2に基づいて両方共に選別が必要と判定されたときに粒状体Gをエジェクター61の噴射動作により選別領域Pにて選別可能な専用の情報I(遅延時間S1、噴射時間S2)を事前設定信号Z5として記憶させておいてもよい。
【0057】
また、信号設定テーブルTには、判定部91において判定された各選別要否判定結果Rの組み合わせとそれら各組み合わせに紐付けにされた各選別作動信号Xとの関係が記憶されている。
【0058】
さらに、制御部9は、信号設定テーブルTから各選別要否判定結果Rの組み合わせに基づいて選別作動信号Xを設定する選別信号設定部93(選別信号設定手段)を備えている。
【0059】
該選別信号設定部93は、1つの粒状体Gにおいて判定部91による選別要否判定結果Rのうち選別が必要と判定された結果が1つだけの場合には、その選別が必要と判定された選別要否判定用情報に対応する事前設定信号Zを選別作動信号Xとするよう構成されている。
【0060】
例えば、選別要否判定結果R1だけ選別が必要と判定された場合には、選別要否判定結果R1に対応する事前設定信号Z1を選別作動信号Xと設定するよう構成されている。
【0061】
また、選別信号設定部93は、1つの粒状体Gにおいて判定部91による選別要否判定結果Rのうち選別が必要と判定された結果が2つ以上の場合には、信号設定テーブルTから各選別要否判定結果Rの組み合わせに基づいて選別作動信号Xを設定するようになっている。
【0062】
例えば、選別要否判定結果R1及び選別要否判定結果R2の両方において選別が必要と判定された場合には、選別要否判定結果R1に対応する事前設定信号Z1を選別作動信号Xとするよう構成されている。
【0063】
また、他の例では、選別要否判定結果R1~R4のうち少なくとも2つ以上において選別が必要と判定された場合には、選別要否判定結果R1~R4の結果の優劣を予め決めておき、選別が必要と判定された選別要否判定結果R1~R4にそれぞれ対応する事前設定信号Z1~Z4のうちから1つの信号を選別作動信号Xとするよう構成されている。
【0064】
尚、選別信号設定部93は、選別要否判定結果R1~R4のうち少なくとも2つ以上において選別が必要と判定された場合において、信号設定テーブルTに予め記憶された専用の信号を選別作動信号Xとして設定する構成であってもよい。例えば、X線データD1及び可視光線データD2に基づいて両方共に選別が必要と判定された場合、上記事前設定信号Z5を選別作動信号Xとして設定する構成であってもよい。
【0065】
そして、制御部9は、判定部91において粒状体Gの選別が必要であると判定すると、上述の信号設定テーブルTから設定した選別作動信号Xをエジェクター61に出力して、ベルトコンベア31の下流端から落下して選別領域Pに位置する選別必要と判定された粒状体Gに対して噴射ノズル61aから圧縮エアを噴射させてその粒状体Gの落下方向を不良品排出部72側へと変更させるようになっている。
【0066】
信号設定テーブルTの例1~例5を
図4及び
図5に示す。例1は、光学式選別装置1において得られる選別要否判定用情報が異なる2つの可視光線データ(波長A、波長B)であり、2つの可視光線データの両方共に選別必要との判定がなされた場合において、波長Aの可視光線データの判定結果を優先して当該波長Aの可視光線データに対応する事前設定信号Aを選別作動信号Xに設定するというものである。一方、例2は、2つの可視光線データの両方共に選別必要との判定がなされた場合において、波長Bの可視光線データの判定結果を優先して当該波長Bの可視光線データに対応する事前設定信号Bを選別作動信号Xに設定するというものである。さらに、例3は、2つの可視光線データの両方共に選別必要との判定がなされた場合において、事前に設定した専用の情報Iを有する事前設定信号Cを選別作動信号Xに設定するというものである。
【0067】
例4は、光学式選別装置1において得られる選別要否判定用情報が、可視光線データ、近赤外線データ及びX線データの3つであり、可視光線データ、近赤外線データ及びX線データの全てにおいて選別が必要と判定される場合において、可視光線データの判定結果を優先して当該可視光線データに対応する事前設定信号aを選別作動信号Xに設定し、可視光線データ、近赤外線データ及びX線データのうちの2つにおいて選別が必要と判定された場合において、可視光線データ>近赤外線データ>X線データの順に判定結果を優先して可視光線データに対応する事前設定信号aか、若しくは、近赤外線データに対応する事前設定信号bを選別作動信号Xに設定するというものである。また、例5は、可視光線データ、近赤外線データ及びX線データの全てにおいて選別が必要と判定されるか、そのうちの2つにおいて選別が必要と判定された場合において、事前に設定した専用の情報Iを有する事前設定信号d~gを選別作動信号Xにそれぞれ設定するというものである。
【0068】
次に、本発明の実施形態1の光学式選別装置1において所定の粒状体Gを選別する際の制御部9の動作について詳述する。
【0069】
図6に示すように、まず、ステップS1において、撮像手段の番号N及び選別要否判定用情報の数Sが、N=0,S=0としてリセットされた後、ステップS2に進んでN+1がNに代入され、その後、ステップS3に進む。
【0070】
ステップS3において第N撮像手段に撮像開始信号を出力し、選別の要否を判定する所定の粒状体Gの撮像を行った後、ステップS4に進み、選別要否判定用情報を取得したか否かを判定部91が判定する。
【0071】
このステップS4の判定がNOのとき、すなわち、選別要否判定用情報を取得していないと判定部91が判定した場合には、ステップS3に戻って再度第N撮像手段に対して撮像開始信号を出力する。
【0072】
一方、ステップS4の判定がYESのとき、すなわち、選別要否判定用情報を取得したと判定部91が判定すると、ステップS5に進んで判定部91がその選別要否判定用情報を得た粒状体Gを選別する必要があるか否かを判定する。
【0073】
このステップS5の判定がYESのとき、すなわち、判定部91が選別必要であると判定すると、ステップS6に進んでS+1をSに代入した後、ステップS7に進む。一方、ステップS5の判定がNOのとき、ステップS6を飛ばしてステップS7に進む。
【0074】
ステップS7では、選別の要否を判定する所定の粒状体Gに関して全ての撮像作業が終了したか否かを判定部91が判定する。このステップS7の判定がNOのとき、すなわち、全ての撮像作業が終了していない場合、ステップS2に戻って残りの撮像手段の撮像作業を続ける。
【0075】
一方、ステップS7の判定がYESのとき、すなわち、全ての撮像作業が終了すると、ステップS8に進み、判定部91は、選別が必要とされた選別要否判定用情報の数Sが、S=0か否かを判定する。
【0076】
ステップS8の判定がYESのとき、すなわち、全ての撮像手段から得られたデータにおいて選別の必要が無いと判定されると、ステップS9に進んでエジェクター61による噴射動作を行わずに制御部9の処理を終了する。
【0077】
一方、ステップS8の判定がNOのとき、すなわち、1つ以上の撮像手段から得られた1つ以上のデータにおいて選別の必要があると判定されると、ステップS10に進み、判定部91は、選別が必要とされた選別要否判定用情報の数Sが、S=1か否かを判定する。
【0078】
ステップS10の判定がYESのとき、すなわち、1つの撮像手段から得られたデータにおいて選別の必要があると判定されると、ステップS11に進んで選別信号設定部93が設定信号テーブルTに基づいて、選別の必要があると判定された選別要否判定用情報に対応する予め設定された事前設定信号Zを選別作動信号Xとして設定し、ステップS13に進む。
【0079】
一方、ステップS10の判定がNOのとき、すなわち、2つ以上の撮像手段から得られたデータにおいて選別の必要があると判定されると、ステップS12に進んで選別信号設定部93が設定信号テーブルTに基づいて、選別の必要があると判定された各選別要否判定用情報に対応する予め設定された事前設定信号Zから1つを選んで選別作動信号Xとして設定し、ステップS13に進む。
【0080】
ステップS13では、制御部9がステップS11若しくはステップS12にて設定された選別作動信号Xをエジェクター61に出力するようになっている。そして、エジェクター61を作動させて選別領域Pに位置する粒状体Gに向けて圧縮エアを噴射することにより、粒状体Gを選別して制御部9の処理を終了する。
【0081】
以上より、本発明の実施形態1によると、粒状体Gが2つ以上の選別要否判断用情報において選別が必要と判定された場合であっても、その粒状体Gが選別領域Pを通過するタイミングにおいてのみエジェクター61を作動させることができるようになり、それ以外のタイミングでエジェクター61を作動させないようにすることができる。したがって、多数の粒状体Gの中から異物や不良物を精度良く選別可能な光学式選別装置1を得ることができる。
【0082】
また、粒状体Gから取得される選別要否判断用情報の数に関係無く粒状体Gを選別領域Pにて選別するための最適な選別作動信号Xが選択されるようになるので、異物や不良物である粒状体Gのみを確実に選別領域Pにおいて選別できるようになり、良品である粒状体Gを意図せずに選別してしまうのを防ぐことが可能な、高い選別精度を有する光学式選別装置1にすることができる。
【0083】
例えば、可視光線にのみ反応するか、或いは、近赤外線にのみ反応する粒状体G1と、可視光線及び近赤外線の両方に反応する粒状体G2とを多数の粒状体Gの中から選別する際において、粒状体G2を選別する際に意図せずに良品の粒状体Gが選別領域Pにてエジェクター61により選別されなくすることができるようになるので、可視光線及び近赤外線の両方を利用して粒状体Gを選別する場合において選別精度を高めることができる。
【0084】
また、例えば、可視光線、近赤外線及びX線のいずれか1つに反応する粒状体G3と可視光線、近赤外線及びX線のうちの少なくとも2つに反応する粒状体G4とを多数の粒状体Gの中から選別する際において、粒状体G4を選別する際に意図せずに良品の粒状体Gが選別領域Pにてエジェクター61により選別されなくすることができるようになるので、可視光線、近赤外線及びX線の3つの選別要否判断用情報を利用して粒状体Gを選別する場合において選別精度の良い光学式選別装置1にすることができる。
【0085】
さらに、本発明の実施形態1では、選別される粒状体Gが選別領域Pを通過する際、圧縮エアによる風圧で粒状体Gの落下方向を変化させることで選別作業を行うので、シンプルで、且つ、低コストな構造で効率良く粒状体Gを選別することができる。
【0086】
《発明の実施形態2》
図7は、本発明の実施形態2の光学式選別装置1における制御部9と当該制御部9に接続される各構成との関係を示すブロック図である。この実施形態2は、選別領域Pに第1エジェクター6A及び第2エジェクター6Bの2種類の選別手段が配設されている点、及び、選別信号設定部93が選別作動信号Xを設定する際に第1エジェクター6A用の信号と第2エジェクター6B用の信号とをそれぞれ設定する点が実施形態1と異なっている以外は実施形態1と同様であるので、実施形態1と同様の部分には同じ符号を付し、その他、異なる部分のみを説明する。
【0087】
実施形態2では、X線データD1、可視光線データD2、可視光線データD3及び近赤外線データD4に基づいて選別が必要と判定されるデータの組み合わせにおいて粒状体Gにおける不良品の種類を2つに区別できる場合、それぞれの組み合わせに対応した事前設定信号W1,W2を信号設定テーブルTに予め記憶しておくとともに、選別信号設定部93が事前設定信号W1,W2を第1エジェクター6A用の選別作動信号Xと第2エジェクター6B用の選別作動信号Xにそれぞれ設定することで、選別ユニット6において1つの粒状体Gを不良の種類毎に選別できるようになっている。このように、光学式選別装置1に選別手段を2つ以上配設するとともに本発明の制御部9を適用することで選別能力の高い光学式選別装置1にすることができる。
【0088】
尚、本発明の実施形態1,2では、選別信号設定部93が選別作動信号Xを予め決められた信号設定テーブルTから各選別要否判定結果R1~R4の組み合わせに基づいて設定しているが、これに限らず、選別作動信号Xを各選別要否判定結果R1~R4の組み合わせに基づいて、例えば、AI処理のような所定の信号演算アルゴリズムを用いて演算して設定するようにしてもよい。
【0089】
また、本発明の実施形態1,2では、撮像手段としてCCDカメラやNIRカメラを用いているが、粒状体Gの選別に用いることができるデータを取得できるのであれば、その他の種類の撮像手段を用いてデータを取得するようにしてもよい。
【0090】
さらに、本発明の実施形態1,2では、可視光線、近赤外線及びX線を用いて粒状体を撮像することにより選別要否判定用情報を取得しているが、これに限らず、必要に応じて他の電磁波を用いて粒状体を撮像することにより選別要否判定用情報を取得するようにしてもよい。
【0091】
また、本発明の実施形態1,2では、選別領域Pにおいて圧縮エアを利用して粒状体Gの選別を行うようにしているが、空中を移動する粒状体Gの移動方向を変更できるのであれば、その他の種類の選別手段を用いて粒状体Gの選別を行うようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明は、例えば、可視光線やX線等を用いた撮像データにより被選別物の選別の要否を判定して被選別物を選別する選別装置に適している。
【符号の説明】
【0093】
1 光学式選別装置
6 選別ユニット(選別手段)
42 X線検出器(第3撮像手段)
51a 第1CCDカメラ(第1撮像手段)
52a 第2CCDカメラ(第1撮像手段)
53a NIRカメラ(第2撮像手段)
91 判定部(判定手段)
93 選別信号設定部(選別信号設定手段)
D1 X線データ
D2,D3 可視光線データ
D4 近赤外線データ
G1 粒状体(被選別物)
P 選別領域
R 選別要否判定結果
T 信号設定テーブル
V1 第1検査領域
V2 第2検査領域
W1,W2 事前設定信号
X 選別作動信号
Z 事前設定信号
【要約】
【課題】多数の粒状体の中から異物や不良物を精度良く選別可能な選別装置を提供する。
【解決手段】光学式選別装置1は、空中を進む粒状体Gをエジェクター61により選別する。X線検出器42、第1CCDカメラ51a、第2CCDカメラ52a及びNIRカメラ53aは、X線データD1の如き選別要否判断用情報を取得する。判定部91は、選別要否判断用情報を基に粒状体Gの選別の要否を判定する。選別信号設定部93は、判定部91による選別要否判定結果R1~R4のうち選別が必要と判定された結果が2つ以上の場合、粒状体Gが選別領域Pを通過する際にエジェクター61を作動させる情報Iを含む選別作動信号Xを予め決められた信号設定テーブルTから各選別要否判定結果R1~R4の組み合わせに基づいて設定する。
【選択図】
図3