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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】端子
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/44 20060101AFI20220117BHJP
【FI】
H01R13/44 N
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020527175
(86)(22)【出願日】2019-01-21
(86)【国際出願番号】 JP2019001624
(87)【国際公開番号】W WO2020003566
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2020-08-03
(31)【優先権主張番号】P 2018119823
(32)【優先日】2018-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018170432
(32)【優先日】2018-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 徹
(72)【発明者】
【氏名】小林 真吾
(72)【発明者】
【氏名】ビョン ソンヒョン
【審査官】山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0090012(US,A1)
【文献】特開2014-179290(JP,A)
【文献】特開2003-178830(JP,A)
【文献】国際公開第2011/030712(WO,A1)
【文献】英国特許出願公開第02090077(GB,A)
【文献】米国特許第02537370(US,A)
【文献】特開平07-045329(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/44
H01R 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前端面を有し、前後方向に長い金属製の板状をなす本体部と、
前記本体部と連なり、別体の絶縁部材が取付けられる取付部と、を備え、
前記取付部は板状をなし、前記本体部の前端面から前方に突出するものとされ、
前記取付部は、板厚方向に離れて平行に配された一対の板面と、前記一対の板面の間に配されて前端に位置する前端面と、を有し、
一方の前記板面の前端部には前記取付部の前端面に向けて傾斜する一方の第1傾斜面が設けられ、他方の前記板面の前端部には前記取付部の前端面に向けて傾斜する他方の第1傾斜面が設けられており、
前記取付部における前記一方の第1傾斜面と前記他方の第1傾斜面とによって挟まれた部分の板厚は、前記取付部の前端面に向かうほど薄くなっており、
前記絶縁部材は、前記本体部の前端面より前方に位置しており、前記取付部の前端面、及び前記本体部の前端面の少なくとも一部を覆っており、
前記本体部の前端面と、前記一方の第1傾斜面及び前記他方の第1傾斜面と、の間の部分における前記取付部の板厚は、前記本体部の板厚と同じである端子。
【請求項2】
前記絶縁部材は、
前記絶縁部材の後方に前記第1傾斜面の少なくとも一部を覆う第1溝部を有する請求項1に記載の端子。
【請求項3】
前記第1溝部は、前記第1傾斜面を前記取付部の幅方向に亘って覆う請求項2に記載の端子。
【請求項4】
前後方向に長い金属製の板状をなす本体部と、
前記本体部と連なり、別体の絶縁部材が取付けられる取付部と、を備え、
前記取付部は板状をなし、前記本体部の前端面から前方に突出するものとされ、
前記絶縁部材は、前記本体部の前端面より前方に位置しており、前記取付部の前端面、及び前記本体部の前端面の少なくとも一部を覆っており、
前記取付部の板面の幅方向の両側端部のうち、
一方側の側端部には、
前記取付部の前記一方側の側面に向けて板厚が薄くなる第2傾斜面を有し、
他方側の側端部には、
前記取付部の前記他方側の側面に向けて板厚が薄くなる第3傾斜面を有し、
前記絶縁部材は、
前記絶縁部材に前記第2傾斜面の少なくとも一部を覆う第2溝部と、
前記絶縁部材に前記第3傾斜面の少なくとも一部を覆う第3溝部と、を有する端子。
【請求項5】
前記第2溝部は、前記第2傾斜面を前記取付部の前後方向に亘って覆い、
前記第3溝部は、前記第3傾斜面を前記取付部の前後方向に亘って覆う請求項4に記載の端子。
【請求項6】
前後方向に長い金属製の板状をなす本体部と、
前記本体部と連なり、別体の絶縁部材が取付けられる取付部と、を備え、
前記取付部は板状をなし、前記本体部の前端面から前方に突出するものとされ、
前記絶縁部材は、前記本体部の前端面より前方に位置しており、前記取付部の前端面、及び前記本体部の前端面の少なくとも一部を覆っており、
前記取付部の幅方向の長さは、前記本体部の幅方向の長さよりも小さく設定されており、
前記本体部の前端面は、前記取付部を挟んで、幅方向の一方側に位置する第1前端面と、幅方向の他方側に位置する第2前端面と、から構成されており、
前記絶縁部材は、前記取付部の幅方向の両側面のうち、前記一方側の側面から、前記取付部に取付けられる第1絶縁部材と、前記他方側の側面から、前記取付部に取付けられる第2絶縁部材と、から構成され、前記第1絶縁部材及び前記第2絶縁部材は、互いに接合されており、
前記第1絶縁部材は、前後方向に長い形状をなし、前記本体部の前記第1前端面の前方に位置し、前記本体部の前記第1前端面の少なくとも一部を覆っており、
前記第2絶縁部材は、前後方向に長い形状をなし、前記本体部の前記第2前端面の前方に位置し、前記本体部の前記第2前端面の少なくとも一部を覆う第1覆い部と、幅方向に長い形状をなし、前記取付部の前端面の前方に位置し、前記取付部の前端面を覆う第2覆い部と、を有している端子。
【請求項7】
前記取付部は、
前記取付部の前端部に前記取付部の前端面に向けて板厚が薄くなる第1傾斜面を有し、
前記絶縁部材は、
前記絶縁部材の後方に前記第1傾斜面の少なくとも一部を覆う第1溝部を有する請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の端子。
【請求項8】
前記第1溝部は、前記第1傾斜面を前記取付部の幅方向に亘って覆う請求項7に記載の端子。
【請求項9】
前記絶縁部材は、前記取付部の幅方向の両側面のうち、前記一方側の側面から、前記取付部に取付けられる第1絶縁部材と、前記他方側の側面から、前記取付部に取付けられる第2絶縁部材と、から構成され、前記第1絶縁部材及び前記第2絶縁部材は、互いに接合されており、
前記取付部に取付けられた前記第1絶縁部材及び前記第2絶縁部材の幅方向の長さの和が、前記本体部の幅方向の長さ以下である請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の端子。
【請求項10】
前記絶縁部材は、前記取付部の幅方向の両側面のうち、前記一方側の側面から、前記取付部に取付けられる第1絶縁部材と、前記他方側の側面から、前記取付部に取付けられる第2絶縁部材と、から構成され、前記第1絶縁部材及び前記第2絶縁部材は、互いに接合されており、
前記取付部の前記一方側の側面には、第1凹部が開口して設けられ、
前記第1絶縁部材の、前記取付部の前記一方側の側面と対向する面には、前記第1凹部と嵌合する第1凸部が突設され、第1凹部と第1凸部とが嵌合することで、前記第1絶縁部材は、前後方向への変位が規制されており、
前記取付部の前記他方側の側面には、第2凹部が開口して設けられ、
前記第2絶縁部材における、前記取付部の前記他方側の側面と対向する面には、前記第2凹部と嵌合する第2凸部が突設され、第2凹部と第2凸部とが嵌合することで、前記第2絶縁部材は、前後方向への変位が規制される請求項6から請求項9のいずれか一項に記載の端子。
【請求項11】
前記絶縁部材は、前記取付部の幅方向の両側面のうち、前記一方側の側面から、前記取付部に取付けられる第1絶縁部材と、前記他方側の側面から、前記取付部に取付けられる第2絶縁部材と、から構成され、前記第1絶縁部材及び前記第2絶縁部材は、互いに接合されており、
前記第1絶縁部材、及び、前記第2絶縁部材は、互いに接触する接触面をそれぞれ有しており、
前記第1絶縁部材側の前記接触面には、開口部が設けられており、
前記第2絶縁部材側の前記接触面には、第1突出部が突設されており、
前記第1突出部が前記開口部に圧入されることで、前記第1絶縁部材と前記第2絶縁部材とは互いに接合される請求項6から請求項10のいずれか一項に記載の端子。
【請求項12】
前記絶縁部材は、前記取付部の幅方向の両側面のうち、前記一方側の側面から、前記取付部に取付けられる第1絶縁部材と、前記他方側の側面から、前記取付部に取付けられる第2絶縁部材と、から構成され、前記第1絶縁部材及び前記第2絶縁部材は、互いに接合されており、
前記取付部の板面の前端部には、前記取付部の前端面に向けて板厚が薄くなる第1傾斜面が設けられており、
前記第2絶縁部材の後面には、幅方向に長い第1溝部が開口して設けられており、
前記第1溝部の内面は、前記取付部の前端面及び前記第1傾斜面に面で接触している請求項6から請求項11のいずれか一項に記載の端子。
【請求項13】
前記絶縁部材は、前記取付部の幅方向の両側面のうち、前記一方側の側面から、前記取付部に取付けられる第1絶縁部材と、前記他方側の側面から、前記取付部に取付けられる第2絶縁部材と、から構成され、前記第1絶縁部材及び前記第2絶縁部材は、互いに接合されており、
前記取付部の板面の幅方向の両側端部のうち、前記一方側の側端部には、前記取付部の前記一方側の側面に向けて板厚が薄くなる第2傾斜面が設けられており、
前記第1絶縁部材の、前記取付部の前記一方側の側面と対向する面には、前後方向に長い第2溝部が開口して設けられ、
前記第2溝部の内面は、前記取付部の前記一方側の側面、及び、前記第2傾斜面と面で接触しており、
前記取付部の板面の幅方向の両側端部のうち、前記他方側の側端部には、前記取付部の前記他方側の側面に向けて板厚が薄くなる第3傾斜面が設けられており、
前記第2絶縁部材における、前記取付部の前記他方側の側面と対向する面には、前後方向に長い第3溝部が開口して設けられ、
前記第3溝部の内面は、前記取付部の前記他方側の側面、及び、前記第3傾斜面と面で接触している請求項6から請求項12のいずれか一項に記載の端子。
【請求項14】
前後方向に長い金属製の板状をなす本体部と、
前記本体部と連なり、別体の絶縁部材が取付けられる取付部と、を備え、
前記取付部は板状をなし、前記本体部の前端面から前方に突出するものとされ、
前記絶縁部材は、前記本体部の前端面より前方に位置しており、前記取付部の前端面、及び前記本体部の前端面の少なくとも一部を覆っており、
前記取付部の幅方向の長さは、前記本体部の幅方向の長さよりも小さく設定されており、
前記本体部の前端面は、前記取付部を挟んで、幅方向の一方側に位置する第1前端面と、幅方向の他方側に位置する第2前端面と、から構成されており、
前記絶縁部材は、
前後方向に長い形状をなし、前記本体部の前記第1前端面の前方に位置し、前記本体部の前記第1前端面の少なくとも一部を覆う第1絶縁部材と、
前記第1絶縁部材と一体をなす第2絶縁部材と、から構成されており、
前記第2絶縁部材は前記第1絶縁部材と連なっており、前後方向に長い形状をなし、前記本体部の前記第2前端面の前方に位置し、前記本体部の前記第2前端面の少なくとも一部を覆う第1覆い部、及び、幅方向に長い形状をなし、前記取付部の前端面の前方に位置し、前記取付部の前端面を覆う第2覆い部を有しており、
前記第1絶縁部材は、前記取付部の一方側の側面と対向する第1対向面を有し、前記第1対向面には、第1嵌合部が設けられ、
前記第2絶縁部材の前記第1覆い部は、前記取付部の他方側の側面と対向する第2対向面を有し、前記第2対向面には、第2嵌合部が設けられ、
前記取付部の前記一方側の側面には、前記第1嵌合部と嵌合する第3嵌合部が設けられ、
前記取付部の前記他方側の側面には、前記第2嵌合部と嵌合する第4嵌合部が設けられており、
前記第1嵌合部と前記第3嵌合部とが嵌合し、前記第2嵌合部と前記第4嵌合部とが嵌合することで、前記絶縁部材の前後方向への変位が規制される子。
【請求項15】
前記第1嵌合部は、前記第1対向面から前記取付部の前記一方側の側面に向けて突出する第1凸部とされ、
前記第2嵌合部は、前記第2対向面から前記取付部の前記他方側の側面に向けて突出する第2凸部とされ、
前記第3嵌合部は、前記取付部の前記一方側の側面に開口して設けられ、前記第1凸部と嵌合する第1凹部とされ、
前記第4嵌合部は、前記取付部の前記他方側の側面に開口して設けられ、前記第2凸部と嵌合する第4凹部とされる請求項14に記載の端子。
【請求項16】
前記第1絶縁部材及び前記第2絶縁部材の前記第1覆い部は、前記幅方向に弾性変位可能とされる請求項14又は請求項15に記載の端子。
【請求項17】
前記取付部の板面の前端部には、前記取付部の前端面に向けて板厚が薄くなる第1傾斜面が設けられており、
前記第2覆い部の後面には、幅方向に長い第1溝部が開口して設けられており、
前記第1溝部の内面は、前記取付部の前端面及び前記第1傾斜面に面で接触している請求項14から請求項16のいずれか一項に記載の端子。
【請求項18】
前後方向に長い金属製の板状をなす本体部と、
前記本体部と連なり、別体の絶縁部材が取付けられる取付部と、を備え、
前記取付部は板状をなし、前記本体部の前端面から前方に突出するものとされ、
前記絶縁部材は、前記本体部の前端面より前方に位置しており、前記取付部の前端面、及び前記本体部の前端面の少なくとも一部を覆っており、
前記取付部は、前記本体部の前端面の一方側の端部から前方に突出する第1取付部と、前記本体部の前端面の他方側の端部から前方に突出する第2取付部と、を備え、
前記絶縁部材は、前記第1取付部から前記第2取付部に亘って設けられ、前記第1取付部の前端面及び前記第2取付部の前端面、並びに前記本体部の前端面を覆う第2覆い部と、
前記第2覆い部の後面から前記第1取付部と前記第2取付部との間に向けて突出する第2突出部と、を備え、
前記第2突出部の幅方向の両側面のうち、一方の側面には第1嵌合部が設けられ、他方の側面には第2嵌合部が設けられており、
前記第1取付部の前記第2突出部の一方の側面と対向する面には、前記第1嵌合部と嵌合する第3嵌合部が設けられ、
前記第2取付部の前記第2突出部の他方の側面と対向する面には、前記第2嵌合部と嵌合する第4嵌合部が設けられており、
前記第1嵌合部が前記第3嵌合部と嵌合し、前記第2嵌合部が前記第4嵌合部と嵌合することで、前記絶縁部材の前後方向への変位が規制される子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、端子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の端子の一例として、特表2016-522550号公報(下記特許文献1)に記載のピンコンタクト要素が知られている。ピンコンタクト要素は、扁平コンタクトの形状をなしており、コンタクト部材と、コンタクト部材と一体に形成されたコンタクト保護部材と、を備える。コンタクト保護部材は、コンタクト部材の上部及び両側縁を覆っており、コンタクト部材のコンタクト面は、外部に露出している。
【0003】
ピンコンタクト要素は、コネクタ要素に備えられるものであり、コネクタ要素には、コンタクト保護部材と一体に成形されたハウジングが設けられている。ハウジングには、ピンコンタクト要素の周囲を囲むようにコンタクト保護カラーが設けられており、コンタクト保護カラーの上部は開口している。また、コンタクト保護カラーとピンコンタクト要素の間の隙間は、試験指が入らない程度の隙間となっており、試験指がコンタクト部材のコンタクト面に直接接触することは抑制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特表2016-522550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コンタクト保護部材は、ハウジングと一体に成形されているため、コンタクト部材の両側縁がコンタクト保護部材に覆われており、ピンコンタクト要素の幅が大きくなるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で開示される端子は、前後方向に長い金属製の板状をなす本体部と、前記本体部と連なり、別体の絶縁部材が取付けられる取付部と、を備え、前記取付部は板状をなし、前記本体部の前端面から前方に突出するものとされ、前記絶縁部材は、前記本体部の前端面より前方に位置しており、前記取付部の前端面、及び本体部の前端面の少なくとも一部を覆っている。
【0007】
絶縁部材は、取付部の前端面、及び本体部の前端面の少なくとも一部を覆っているため、端子の前方から端子の金属部位(取付部及び本体部)へ触指することが抑制される。また、絶縁部材は、端子が取付けられるハウジングとは別体であるため、従来のように、絶縁部材とハウジングとが一体に成形される構成と比較して、絶縁部材を、本体部を介してハウジングの樹脂部まで延在させる必要がないことから、端子の幅を抑えることができる。
【0008】
また、前記取付部は、前記取付部の前端部に前記取付部の前端面に向けて板厚が薄くなる第1傾斜面を有し、前記絶縁部材は、前記絶縁部材の後方に前記第1傾斜面の少なくとも一部を覆う第1溝部を有する構成としても良い。
【0009】
絶縁部材の第1溝部が、取付部の第1傾斜面の少なくとも一部を覆うことで、絶縁部材が端子の厚さ方向に変位した際に、第1溝部の内面が第1傾斜面に当たるため、絶縁部材が端子の厚さ方向に変位することを抑制することができる。
【0010】
また、前記第1溝部は、前記第1傾斜面を前記取付部の幅方向に亘って覆う構成としても良い。
【0011】
第1溝部が第1傾斜面を取付部の幅方向に亘って覆うことで、第1溝部が第1傾斜面を幅方向について一部を覆う構成と比較して、絶縁部材が端子の厚さ方向に変位することをさらに抑制することができる。
【0012】
また、前記取付部の板面の幅方向の両側端部のうち、一方側の側端部には、前記取付部の前記一方側の側面に向けて板厚が薄くなる第2傾斜面を有し、他方側の側端部には、前記取付部の前記他方側の側面に向けて板厚が薄くなる第3傾斜面を有し、前記絶縁部材は、前記絶縁部材に前記第2傾斜面の少なくとも一部を覆う第2溝部と、前記絶縁部材に前記第3傾斜面の少なくとも一部を覆う第3溝部と、を有する構成としても良い。
【0013】
絶縁部材の第2溝部が、取付部の第2傾斜面の少なくとも一部を覆い、絶縁部材の第3溝部が取付部の第3傾斜面の少なくとも一部を覆うことで、絶縁部材が端子の厚さ方向に変位した際に、第2溝部の内面が第2傾斜面に当たり、第3溝部の内面が第3傾斜面に当たるため、絶縁部材が端子の厚さ方向に変位することを抑制することができる。
【0014】
また、前記第2溝部は、前記第2傾斜面を前記取付部の前後方向に亘って覆い、前記第3溝部は、前記第3傾斜面を前記取付部の前後方向に亘って覆う構成としても良い。
【0015】
第2溝部が第2傾斜面を前後方向に亘って覆い、第3溝部が第3傾斜面を前後方向に亘って覆うことで、第2溝部が第2傾斜面を前後方向について一部を覆い、第3溝部が第3傾斜面を前後方向について一部を覆う構成と比較して、絶縁部材が端子の厚さ方向に変位することをさらに抑制することができる。
【0016】
また、前記取付部の幅方向の長さは、前記本体部の幅方向の長さよりも小さく設定されており、前記本体部の前端面は、前記取付部を挟んで、幅方向の一方側に位置する第1前端面と、幅方向の他方側に位置する第2前端面と、から構成されており、前記絶縁部材は、前記取付部の幅方向の両側面のうち、前記一方側の側面から、前記取付部に取付けられる第1絶縁部材と、前記他方側の側面から、前記取付部に取付けられる第2絶縁部材と、から構成され、前記第1絶縁部材及び前記第2絶縁部材は、互いに接合されており、前記第1絶縁部材は、前後方向に長い形状をなし、前記本体部の前記第1前端面の前方に位置し、前記本体部の前記第1前端面の少なくとも一部を覆っており、前記第2絶縁部材は、前後方向に長い形状をなし、前記本体部の前記第2前端面の前方に位置し、前記本体部の前記第2前端面の少なくとも一部を覆う第1覆い部と、幅方向に長い形状をなし、前記取付部の前端面の前方に位置し、前記取付部の前端面を覆う第2覆い部と、を有している構成としても良い。
【0017】
例えば、第1絶縁部材を取付部の一方側の側面から取付部に取付け、次に、第2絶縁部材を取付部の他方側の側面から取付部に取付け、さらに、第1絶縁部材と第2絶縁部材とを接合することで、絶縁部材を取付部に組付けることができる。このため、従来のように、インサート成形により絶縁部材を取付部に形成する構成(金型に端子の金属部をセットし、金型に樹脂を流し込み、樹脂を冷却して固化させる構成)と比較して、早く組立てることができる。また、専用の金型が不要となるため、コストの低減に寄与することができる。
【0018】
また、前記取付部に取付けられた前記第1絶縁部材及び前記第2絶縁部材の幅方向の長さの和が、前記本体部の幅方向の長さ以下である構成としても良い。
【0019】
第1絶縁部材及び第2絶縁部材の幅方向の長さの和が、本体部の幅方向の長さ以下であるため、端子全体の幅を抑えることができる。
【0020】
また、前記取付部の前記一方側の側面には、第1凹部が開口して設けられ、前記第1絶縁部材の、前記取付部の前記一方側の側面と対向する面には、前記第1凹部と嵌合する第1凸部が突設され、第1凹部と第1凸部とが嵌合することで、前記第1絶縁部材は、前後方向への変位が規制されており、前記取付部の前記他方側の側面には、第2凹部が開口して設けられ、前記第2絶縁部材の前記第1覆い部の、前記取付部の前記他方側の側面と対向する面には、前記第2凹部と嵌合する第2凸部が突設され、第2凹部と第2凸部とが嵌合することで、前記第2絶縁部材は、前後方向への変位が規制される構成としても良い。
【0021】
第1絶縁部材の第1凸部を取付部の第1凹部に嵌合し、第2絶縁部材の第2凸部を、取付部の第2凹部に嵌合することで、絶縁部材が前後方向に変位しようとすると、第1絶縁部材の第1凸部が、取付部の第1凹部の内面に当たり、第2絶縁部材の第2凸部が取付部の第2凹部の内面に当たるため、絶縁部材が前後方向に変位することが規制される。
【0022】
また、前記第1絶縁部材、及び、前記第2絶縁部材の前記第2覆い部は、互いに接触する接触面をそれぞれ有しており、前記第1絶縁部材側の前記接触面には、開口部が設けられており、前記第2絶縁部材の前記第2覆い部側の前記接触面には、第1突出部が突設されており、前記第1突出部が前記開口部に圧入されることで、前記第1絶縁部材と前記第2覆い部とは互いに接合される構成としても良い。
【0023】
第1絶縁部材の第1突出部を第2絶縁部材の開口部に圧入することで、第1絶縁部材と第2絶縁部材とを接合することができる。
【0024】
また、前記取付部の板面の前端部には、前記取付部の前端面に向けて板厚が薄くなる第1傾斜面が設けられており、前記第2絶縁部材の前記第2覆い部の後面には、幅方向に長い第1溝部が開口して設けられており、前記第1溝部の内面は、前記取付部の前端面及び前記第1傾斜面に面で接触している構成としても良い。
【0025】
第1溝部の内面は、本体部の取付部の前端面及び第1傾斜面に面で接触しているため、絶縁部材が、端子の厚さ方向に変位することを抑制することができる。
【0026】
また、前記取付部の板面の幅方向の両側端部のうち、前記一方側の側端部には、前記取付部の前記一方側の側面に向けて板厚が薄くなる第2傾斜面が設けられており、前記第1絶縁部材の、前記取付部の前記一方側の側面と対向する面には、前後方向に長い第2溝部が開口して設けられ、前記第2溝部の内面は、前記取付部の前記一方側の側面、及び、前記第2傾斜面と面で接触しており、前記取付部の板面の幅方向の両側端部のうち、前記他方側の側端部には、前記取付部の前記他方側の側面に向けて板厚が薄くなる第3傾斜面が設けられており、前記第2絶縁部材の前記第1覆い部の、前記取付部の前記他方側の側面と対向する面には、前後方向に長い第3溝部が開口して設けられ、前記第3溝部の内面は、前記取付部の前記他方側の側面、及び、前記第3傾斜面と面で接触している構成としても良い。
【0027】
第1絶縁部材の第2溝部の内面は、取付部の一方側の側面、及び、第2傾斜面と面で接触しており、第2絶縁部材の第1覆い部の第3溝部の内面は、他方側の側面、及び、第3傾斜面と面で接触していることから、絶縁部材が、端子の厚さ方向に変位することを抑制することができる。
【0028】
また、前記取付部の幅方向の長さは、前記本体部の幅方向の長さよりも小さく設定されており、前記本体部の前端面は、前記取付部を挟んで、幅方向の一方側に位置する第1前端面と、幅方向の他方側に位置する第2前端面と、から構成されており、前記絶縁部材は、前後方向に長い形状をなし、前記本体部の前記第1前端面の前方に位置し、前記本体部の前記第1前端面の少なくとも一部を覆う第1絶縁部材と、前記第1絶縁部材と一体をなす第2絶縁部材と、から構成されており、前記第2絶縁部材は前記第1絶縁部材と連なっており、前後方向に長い形状をなし、前記本体部の前記第2前端面の前方に位置し、前記本体部の前記第2前端面の少なくとも一部を覆う第1覆い部、及び、幅方向に長い形状をなし、前記取付部の前端面の前方に位置し、前記取付部の前端面を覆う第2覆い部を有しており、前記第1絶縁部材は、前記取付部の一方側の側面と対向する第1対向面を有し、前記第1対向面には、第1嵌合部が設けられ、前記第2絶縁部材の前記第1覆い部は、前記取付部の他方側の側面と対向する第2対向面を有し、前記第2対向面には、第2嵌合部が設けられ、前記取付部の前記一方側の側面には、前記第1嵌合部と嵌合する第3嵌合部が設けられ、前記取付部の前記他方側の側面には、前記第2嵌合部と嵌合する第4嵌合部が設けられており、前記第1嵌合部と前記第3嵌合部とが嵌合し、前記第2嵌合部と前記第4嵌合部とが嵌合することで、前記絶縁部材の前後方向への変位が規制される構成としても良い。
【0029】
第1絶縁部材の第1嵌合部が、取付部の第3嵌合部と嵌合し、第2絶縁部材の第1覆い部の第2嵌合部が、取付部の第4嵌合部と嵌合することで、絶縁部材は、取付部から前後方向に変位することが規制され、絶縁部材が取付部から外れることが抑制される。
【0030】
また、前記第1嵌合部は、前記第1対向面から前記取付部の前記一方側の側面に向けて突出する第1凸部とされ、前記第2嵌合部は、前記第2対向面から前記取付部の前記他方側の側面に向けて突出する第2凸部とされ、前記第3嵌合部は、前記取付部の前記一方側の側面に開口して設けられ、前記第1凸部と嵌合する第1凹部とされ、前記第4嵌合部は、前記取付部の前記他方側の側面に開口して設けられ、前記第2凸部と嵌合する第4凹部とされる構成としても良い。
【0031】
第1絶縁部材の第1凸部が取付部の第1凹部と嵌合し、第2絶縁部材の第1覆い部の第2凸部が取付部の第2凹部と嵌合することで、絶縁部材は、取付部から前後方向に変位することが規制され、絶縁部材が取付部から外れることが抑制される。
【0032】
また、前記第1絶縁部材及び前記第2絶縁部材の前記第1覆い部は、前記幅方向に弾性変位可能とされる構成としても良い。
【0033】
第1絶縁部材及び第2絶縁部材の第1覆い部は幅方向に弾性変位可能となっているため、絶縁部材の第1嵌合部及び第2嵌合部を、取付部の第3嵌合部及び第4嵌合部に嵌合する際に、第1絶縁部材及び第2絶縁部材の第1覆い部を幅方向に弾性変位させることで、絶縁部材の第1嵌合部及び第2嵌合部を、取付部の第3嵌合部及び第4嵌合部の位置に変位させることができる。このように、組付けにより絶縁部材を取付部に取付けることが可能となるため、インサート成形により絶縁部材を取付部に取付ける場合と比較して、容易に取付けることができる。
【0034】
また、前記取付部の板面の前端部には、前記取付部の前端面に向けて板厚が薄くなる第1傾斜面が設けられており、前記第2覆い部の後面には、幅方向に長い第1溝部が開口して設けられており、前記第1溝部の内面は、前記取付部の前端面及び前記第1傾斜面に面で接触している構成としても良い。
第1溝部の内面は、本体部の取付部の前端面及び第1傾斜面に面で接触しているため、絶縁部材が、端子の厚さ方向に変位することを抑制することができる。
【0035】
また、前記取付部は、前記本体部の前端面の一方側の端部から前方に突出する第1取付部と、前記本体部の前端面の他方側の端部から前方に突出する第2取付部と、を備え、前記絶縁部材は、前記第1取付部から前記第2取付部に亘って設けられ、前記第1取付部の前端面及び前記第2取付部の前端面、並びに前記本体部の前端面を覆う第2覆い部と、前記第2覆い部の後面から前記第1取付部と前記第2取付部との間に向けて突出する第2突出部と、を備え、前記第2突出部の幅方向の両側面のうち、一方の側面には第1嵌合部が設けられ、他方の側面には第2嵌合部が設けられており、前記第1取付部の前記第2突出部の一方の側面と対向する面には、前記第1嵌合部と嵌合する第3嵌合部が設けられ、前記第2取付部の前記第2突出部の他方の側面と対向する面には、前記第2嵌合部と嵌合する第4嵌合部が設けられており、前記第1嵌合部が前記第3嵌合部と嵌合し、前記第2嵌合部が前記第4嵌合部と嵌合することで、前記絶縁部材の前後方向への変位が規制される構成としても良い。
【0036】
絶縁部材の第1嵌合部が、取付部の第3嵌合部と嵌合し、絶縁部材の第2嵌合部が、取付部の第4嵌合部と嵌合することで、絶縁部材は、取付部から前後方向に変位することが規制され、取付部から外れることが抑制される。
【発明の効果】
【0037】
本明細書に開示される端子によれば、前端に絶縁部材を有する板状の端子の幅を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】実施形態1における端子の斜視図
図2図1における端子の取付部付近の拡大図
図3】幅方向から視た、端子の取付部付近の拡大図
図4】正面から視た端子の図
図5】端子の分解斜視図
図6】厚さ方向から視た端子の分解図
図7】正面から視た端子の分解図
図8】第1絶縁部材の斜視図
図9】幅方向から視た第1絶縁部材の図
図10】第2絶縁部材の斜視図
図11】幅方向から視た第2絶縁部材の図
図12】実施形態2における端子の正面図
図13図12におけるA-A断面図
図14図12に対応した、絶縁部材を本体部から分離した状態の図
図15】端子の取付部付近を拡大した斜視図
図16図15に対応した、絶縁部材を本体部から分離した状態の図
図17】実施形態3における端子の取付部付近を拡大した斜視図
図18図17に対応した、絶縁部材を本体部から分離した状態の図
図19】実施形態4における端子の取付部付近を拡大した斜視図
図20図19に対応した、絶縁部材を本体部から分離した状態の図
図21】実施形態5における端子の取付部付近を拡大した斜視図
図22図21に対応した、絶縁部材を本体部から分離した状態の図
図23】実施形態6における端子の取付部付近を拡大した斜視図
図24図23に対応した、絶縁部材を本体部から分離した状態の図
図25】実施形態7における端子の取付部付近を拡大した斜視図
図26図25に対応した、絶縁部材を本体部から分離した状態の図
【発明を実施するための形態】
【0039】
<実施形態1>
図1から図11を参照して本実施形態の板端子(端子)10を説明する。以降の説明では、図6の上側に向かう方向(図6のZ方向)を板端子10の嵌合方向である前方向、図6の下側に向かう方向を後方向、図6の右側に向かう方向(図6のY方向)を板端子10の幅方向の一方、図6の左側に向かう方向を板端子10の幅方向の他方とする。また、図3の右側に向かう方向(図3のX方向)を板端子10の厚さ方向の一方、図3の左側に向かう方向を板端子10の厚さ方向の他方とする。
【0040】
板端子10は、樹脂製のハウジング(図示せず)に取付けられるものであって、図1図2に示すように、前後方向に長い板状をなす金属製の本体部12と、本体部12と連なり、本体部12の前端面14から前方に突出する板状の取付部16と、取付部16に取付けられる別体の絶縁部材18と、から構成されている。絶縁部材18は、本体部12の前端面14よりも前側に位置している。このように、絶縁部材18は、板端子10が取付けられるハウジング(図示せず)とは別体であるため、従来のように、絶縁部材とハウジングとが一体に成形される構成と比較して、絶縁部材18を、本体部12を介してハウジングの樹脂部まで延在させる必要がないことから、本体部12の幅を抑えることができる。
【0041】
本体部12の前端面14は、図5に示すように、第1前端面14Aと、第2前端面14Bとから構成されている。図6に示すように、取付部16の幅方向の長さL1は、本体部12の幅方向の長さL2よりも小さく設定されており、第1前端面14Aは、取付部16を挟んで幅方向の一方側とされ、第2前端面14Bは、取付部16を挟んで幅方向の他方側とされる。
【0042】
図5図6に示すように、取付部16の幅方向の一方側の側面である第1側面20には、溝状の第1凹部22が設けられており、取付部16の幅方向の他方側の側面である第2側面24には、溝状の第2凹部26が設けられている。
【0043】
図5図6図7に示すように、取付部16の、板面の前端部には、取付部16の前端面28に向けて傾斜する第1傾斜面30が設けられている。
【0044】
取付部16の、板面の幅方向の一方側の側端部には、取付部16の第1側面20に向けて傾斜する第2傾斜面32が設けられている。
【0045】
取付部16の、板面の幅方向の他方側の側端部には、取付部16の第2側面24に向けて傾斜する第3傾斜面34が設けられている。
【0046】
絶縁部材18は、樹脂により形成されており、図5に示すように、取付部16の第1側面20側から取付部16に取付けられる第1絶縁部材36と、取付部16の第2側面24側から取付部16に取付けられる第2絶縁部材38と、から構成されている。第1絶縁部材36及び第2絶縁部材38は、図2に示すように、互いに接触する接触面40A及び接触面40Bをそれぞれ有している。
【0047】
第1絶縁部材36は、図8図9に示すように、前後方向に長い形状をなしており、第1絶縁部材36の幅方向の他方側の側面(取付部16の第1側面20と対向する側面)には、第1凸部42、及び、第2溝部44が設けられている。
【0048】
第1凸部42は、図6に示すように、取付部16の第1凹部22と対応する位置に設けられており、図2に示すように、第1絶縁部材36の第1凸部42は、取付部16の第1凹部22と嵌合している。これにより、第1絶縁部材36が前後方向に変位しようとすると、第1凸部42が第1凹部22の内面に当接するため、第1絶縁部材36の前後方向への変位が規制される。
【0049】
第2溝部44は、図6に示すように、取付部16の第2傾斜面32及び第1側面20と対応する位置に設けられており、図2に示すように、第2溝部44は、取付部16の第2傾斜面32及び第1側面20を取付部16の前後方向に亘って覆っている。また、第2溝部44の内面は、取付部16の第2傾斜面32及び第1側面20と対向して設けられており、取付部16の前後方向に亘って面で接触している。これにより、第1絶縁部材36が厚さ方向に変位することが抑制される。また、第2溝部の内面は、取付部16の第2傾斜面32に前後方向に亘って面で接触していることから、第2溝部の内面が取付部の第2傾斜面の一部に接触する構成と比較して、第2溝部44と取付部16との接触面積が大きくなり、さらに第1絶縁部材36が厚さ方向に変位することを抑制できる。なお、第2溝部44は、取付部16への触指を抑制できる範囲であれば、取付部16の第2傾斜面32及び第1側面20の一部を覆う構成としても良い。例えば、第2傾斜面32及び第1側面20の前後方向の一部を覆う構成や第2傾斜面32及び第1側面20の前後方向に対して交差する方向の一部を覆う構成であっても良い。また、第2溝部44の内面が、取付部16の第2傾斜面32の一部に接触する構成としても良い。
【0050】
図8図9に示すように、第1絶縁部材36の接触面40Aは、幅方向の他方側の側面上に設けられており、接触面40Aには、開口部46が開口して設けられている。
【0051】
第2絶縁部材38は、図10図11に示すように、前後方向に長い形状をなす第1覆い部48と、幅方向に長い形状をなし、第1覆い部48の幅方向の一方側の側面から幅方向の一方に突出する第2覆い部50と、から構成されている。
【0052】
図6に示すように、第1覆い部48の幅方向の一方側の側面(取付部16の第2側面24と対向する側面)には、第2凸部52、及び、第3溝部54が設けられている。
【0053】
図6に示すように、第1覆い部48の第2凸部52は、取付部16の第2凹部26と対応する位置に設けられており、図2に示すように、第1覆い部48の第2凸部52は、取付部16の第2凹部26と嵌合している。これにより、第2絶縁部材38が前後方向に変位しようとすると、第2凸部52が第2凹部26の内面に当接するため、第2絶縁部材38の前後方向への変位が規制される。
【0054】
図6に示すように、第1覆い部48の第3溝部54は、取付部16の第3傾斜面34及び第2側面24と対応する位置に設けられており、図2に示すように、第3溝部54は、取付部16の第3傾斜面34及び第2側面24を取付部16の前後方向に亘って覆っている。また、第3溝部54の内面は、取付部16の第3傾斜面34及び第2側面24と対向して設けられており、取付部16の前後方向に亘って面で接触している。これにより、第2絶縁部材38が厚さ方向に変位することが抑制される。また、第3溝部54の内面は、取付部16の第3傾斜面34に前後方向に亘って面で接触していることから、第3溝部の内面が取付部の第3傾斜面の一部に接触する構成と比較して、第3溝部54と取付部16との接触面積が大きくなり、さらに第2絶縁部材38が厚さ方向に変位することを抑制できる。なお、第3溝部54は、取付部16への触指を抑制できる範囲であれば、取付部16の第3傾斜面34及び第2側面24の一部を覆う構成としても良い。例えば、第3傾斜面34及び第2側面24の前後方向の一部を覆う構成や第3傾斜面34及び第2側面24の前後方向に対して交差する方向の一部を覆う構成であっても良い。また、第3溝部54の内面が、取付部16の第3傾斜面34の一部に接触する構成としても良い。
【0055】
図10図11に示すように、第2覆い部50の後面には、幅方向に長い第1溝部56が開口して設けられている。第1溝部56は、図2に示すように、取付部16の第1傾斜面30及び取付部16の前端面28と対応する位置に設けられており、第1溝部56は、取付部16の第1傾斜面30及び前端面28を取付部16の幅方向に亘って覆っている。また、第1溝部56の内面は、取付部16の第1傾斜面30及び取付部16の前端面28と対向して設けられており、取付部16の幅方向に亘って面で接触している。これにより、第2絶縁部材38が厚さ方向に変位することが抑制される。また、第1溝部56の内面は、取付部16の第1傾斜面30に幅方向に亘って面で接触していることから、第1溝部の内面が取付部の第1傾斜面の一部に接触する構成と比較して、第1溝部56と取付部16との接触面積が大きくなり、さらに第1絶縁部材36が厚さ方向に変位することを抑制できる。なお、第1溝部56は、取付部16への触指を抑制できる範囲であれば、取付部16の第1傾斜面30及び前端面28の一部を覆う構成としても良い。例えば、第1傾斜面30及び前端面28の前後方向の一部を覆う構成や第1傾斜面30及び前端面28の前後方向に対して交差する方向の一部を覆う構成であっても良い。また、第1溝部56の内面が、取付部16の第1傾斜面30の一部に接触する構成としても良い。
【0056】
図10図11に示すように、第2絶縁部材38の接触面40Bは、第2覆い部50の幅方向の一方側の側面に設けられており、また、接触面40Bには、第1突出部58が突設されている。第2絶縁部材38の第1突出部58は、図2に示すように、第1絶縁部材36の開口部46に圧入され、第1絶縁部材36と第2絶縁部材38とは接合される。このように、別体の絶縁部材18を取付部16に組み付けることで、絶縁部材18は取付けられるため、従来のように、インサート成形により絶縁部材を取付部に形成する構成(金型に板端子10の金属部をセットし、金型に樹脂を流し込み、樹脂を冷却して固化させる構成)と比較して、早く組み立てることができる。また、専用の金型が不要となるため、コストの低減に寄与することができる。
【0057】
図2に示すように、第1絶縁部材36の幅方向の一方側の側面60と、本体部12の幅方向の一方側の側面62とは、面一となっており、第2絶縁部材38の幅方向の他方側の側面64と、本体部12の幅方向の他方側の側面66とは、面一となっている。これにより、図4図6に示すように、第1絶縁部材36及び第2絶縁部材38の幅方向の長さの和L3は、本体部12の幅方向の長さL2と同じ長さとなり、板端子10全体の幅を抑えることができる。
【0058】
図2図4に示すように、第1絶縁部材36は、本体部12の第1前端面14A全体を前方から覆っている。また、第2絶縁部材38の第1覆い部48は、本体部12の第2前端面14B全体を前方から覆っている。また、第2絶縁部材38の第2覆い部50は、取付部16の前端面28を前方から覆っている。これにより、板端子10の前方から板端子10の金属部位(取付部16及び本体部12)へ触指することが抑制される。
【0059】
以上のように本実施形態によれば、絶縁部材18は、取付部16の前端面28、及び本体部12の前端面14の一部を覆っているため、板端子(端子)10の前方から板端子(端子)10の金属部位(取付部16及び本体部12)へ触指することが抑制される。また、絶縁部材18は、板端子(端子)10が取付けられるハウジングとは別体であるため、従来のように、絶縁部材とハウジングとが一体に成形される構成と比較して、絶縁部材18を、本体部12を介してハウジングの樹脂部まで延在させる必要がないことから、板端子(端子)10の幅を抑えることができる。
【0060】
また、例えば、第1絶縁部材36を取付部16の第1側面(一方側の側面)20から取付部16に取付け、次に、第2絶縁部材38を取付部16の第2側面(他方側の側面)24から取付部16に取付け、さらに、第1絶縁部材36と第2絶縁部材38とを接合することで、絶縁部材18を取付部16に組付けることができる。このため、従来のように、インサート成形により絶縁部材を取付部に形成する構成(金型に板端子(端子)10の金属部をセットし、金型に樹脂を流し込み、樹脂を冷却して固化させる構成)と比較して、早く組立てることができる。また、専用の金型が不要となるため、コストの低減に寄与することができる。
【0061】
また、第1絶縁部材36及び第2絶縁部材38の幅方向の長さの和L3が、本体部の幅方向の長さL2以下であるため、板端子(端子)10全体の幅を抑えることができる。
【0062】
また、第1絶縁部材36の第1凸部42を取付部16の第1凹部22に嵌合し、第2絶縁部材38の第2凸部52を、取付部16の第2凹部26に嵌合することで、絶縁部材18が前後方向に変位しようとすると、第1絶縁部材36の第1凸部42が、取付部16の第1凹部22の内面に当たり、第2絶縁部材38の第2凸部52が取付部16の第2凹部26の内面に当たるため、絶縁部材18が前後方向に変位することが規制される。
【0063】
また、第2絶縁部材38の第1突出部58を第1絶縁部材36の開口部46に圧入することで、第1絶縁部材36と第2絶縁部材38とを接合することができる。
【0064】
また、第1溝部56の内面は、本体部12の取付部16の前端面28及び第1傾斜面30に面で接触しているため、絶縁部材18が、板端子(端子)10の厚さ方向に変位することを抑制することができる。
なお、本体部12の取付部16の第1傾斜面30は、例えば図5の通り、取付部16の幅方向に亘って設けられていることが好ましい。また、同様に第1溝部56も取付部16の幅方向に亘って設けられていることが好ましい。上記構成としておくと、第1溝部56と第1傾斜面30との接触面積をより多く確保できる観点から好ましい。
なお、取付部16の幅方向に亘って設けられるとは、例えば第1傾斜面30の場合、第1傾斜面30が取付部16の幅方向の一端側から他端側まで形成されることを意味する。
【0065】
また、第1絶縁部材36の第2溝部44の内面は、取付部16の第1側面(一方側の側面)20、及び、第2傾斜面32と面で接触しており、第2絶縁部材38の第1覆い部48の第3溝部54の内面は、第2側面(他方側の側面)24、及び、第3傾斜面34と面で接触していることから、絶縁部材18が、板端子(端子)10の厚さ方向に変位することを抑制することができる。
なお、第2傾斜面32、及び第3傾斜面34は、例えば図5の通り、取付部16の前後方向に亘って設けられていることが好ましい。また同様に第2溝部44、及び第3溝部54も取付部16の前後方向に亘って設けられていることが好ましい。上記構成としておくと、第2溝部44と第2傾斜面32との接触面積、及び第3溝部54と第3傾斜面34との接触面積をより多く確保できる観点から好ましい。
【0066】
<実施形態2>
図12から図16を参照して本実施形態の板端子10Aを説明する。板端子10Aは、実施形態1の板端子10と異なり、絶縁部材18Aは、1部材により構成されている。
【0067】
板端子10Aは、図15図16に示すように、前後方向に長い板状をなす金属製の本体部12と、本体部12と連なり、本体部12の前端面14から前方に突出する板状の取付部16Aと、取付部16Aに前方から取付けられる別体の絶縁部材18Aと、から構成されている。
【0068】
取付部16Aの幅方向の一方側の側面である第1側面20には、溝状の第1凹部22が設けられており、取付部16Aの幅方向の他方側の側面である第2側面24には、溝状の第2凹部26が設けられている。
【0069】
取付部16Aの板面の前端部には、取付部16Aの前端面28に向けて傾斜する第1傾斜面30が設けられている。
【0070】
絶縁部材18Aは、第1絶縁部材36Aと、第1絶縁部材36Aと一体に設けられた第2絶縁部材38Aと、から構成されている。
第1絶縁部材36Aは、前後方向に長い形状をなしており、取付部16Aの一方側の側面20側に取付けられ、第1絶縁部材36Aの幅方向の他方側の側面(取付部16Aの第1側面20と対向する側面)には、第1凸部42が突設されている。
【0071】
第1凸部42は、取付部16Aの第1凹部22と対応する位置に設けられており、絶縁部材18Aが取付部16Aに取付けられると、第1凸部42は、取付部16Aの第1凹部22と嵌合する。これにより、絶縁部材18Aが前後方向に変位しようとすると、第1凸部42が第1凹部22の内面に当接するため、第1絶縁部材36Aの前後方向への変位が規制される。
【0072】
第2絶縁部材38Aは、図15図16に示すように、幅方向に長い形状をなし、第1絶縁部材36Aの上端部と連なる第2覆い部50と、第2覆い部50の第1絶縁部材36Aと連なる端部と反対側の端部から後方に突出する第1覆い部48と、から構成されている。
【0073】
第1覆い部48の幅方向の一方側の側面(取付部16Aの第2側面24と対向する側面)には、第2凸部52が突設されている。
第2凸部52は、取付部16Aの第2凹部26と対応する位置に設けられており、絶縁部材18Aが取付部16Aに取付けられると、第1覆い部48の第2凸部52は、取付部16Aの第2凹部26と嵌合する。
【0074】
第1凸部42が第1凹部22と嵌合し、第2凸部52が第2凹部26と嵌合することで、絶縁部材18Aが前後方向に変位しようとすると、第1凸部42が第凹部22の内面に当接し、第2凸部52が第2凹部26の内面に当接するため、絶縁部材18Aの前後方向への変位が規制される。
【0075】
図13に示すように、第2覆い部50の後面には、幅方向に長い第1溝部56が開口して設けられている。第1溝部56は、取付部16Aの第1傾斜面30及び取付部16Aの前端面28と対応する位置に設けられており、第1溝部56の内面は、取付部16Aの第1傾斜面30及び取付部16Aの前端面28と面で接触している。これにより、絶縁部材18Aが厚さ方向に変位することが抑制される。
【0076】
第1絶縁部材36A、及び、第1覆い部48は、幅方向に弾性変位可能となっている。これにより、絶縁部材18Aを取付部16Aに前方から取付ける際に、取付部16Aの前端が第1絶縁部材36Aの後端及び第1覆い部48の後端に当たり、第1絶縁部材36A及び第1覆い部48は、互いに離れる方向に弾性変位する。この状態で、絶縁部材18Aを、第1凸部42が第1凹部42と嵌合し、第2凸部52が第2凹部26と嵌合するまで後方に変位させることで、絶縁部材18Aを取付部16Aに取付けることができる。このように、組付けにより絶縁部材18Aを取付部16Aに取付けることが可能となるため、インサート成形により絶縁部材18Aを取付部16Aに取付ける場合と比較して、容易に取付けることができる。
その他の構成については、実施形態1の板端子10と同じ構成のため、実施形態1と同じ符号を付して説明を省略する。
【0077】
以上のように本実施形態によれば、第1絶縁部材36Aの第1凸部(第1嵌合部)42が、取付部16Aの第1凹部(第3嵌合部)22と嵌合し、第2絶縁部材38Aの第1覆い部48の第2凸部(第2嵌合部)52が、取付部16Aの第2凹部(第4嵌合部)26と嵌合することで、絶縁部材18Aは、本体部12から前後方向に変位することが規制され、絶縁部材18Aが本体部12から外れることが抑制される。
【0079】
また、第1絶縁部材36A及び第2絶縁部材38Aの第1覆い部48は幅方向に弾性変位可能となっているため、絶縁部材18Aの第1凸部(第1嵌合部)42及び第2凸部(第2嵌合部)52を、取付部16Aの第1凹部(第3嵌合部)22及び第2凹部(第4嵌合部)26に嵌合する際に、第1絶縁部材36A及び第2絶縁部材38Aの第1覆い部48を幅方向に弾性変位させることで、絶縁部材18Aの第1嵌合部(第1凸部)42及び第2凸部(第2嵌合部)52を、取付部16Aの第1凹部(第3嵌合部)22及び第2凹部(第4嵌合部)26の位置に変位させることができる。このように、組付けにより絶縁部材18Aを取付部16Aに取付けることが可能となるため、インサート成形により絶縁部材を取付部に取付ける場合と比較して、容易に取付けることができる。
【0080】
また、第1溝部56の内面は、本体部12の取付部16Aの前端面28及び第1傾斜面30に面で接触しているため、絶縁部材18Aが、板端子(端子)10Aの厚さ方向に変位することを抑制することができる。
【0081】
<実施形態3>
図17図18を参照して本実施形態の板端子10Bを説明する。板端子10Bの絶縁部材18Bは、実施形態2の板端子10Aと同様、1部材により構成されているが、実施形態2の板端子10Aと異なり、インサート成形により取付部16Aに取付けられている。
【0082】
絶縁部材18Bの第1絶縁部材36B及び第2絶縁部材38Bの第1覆い部48Aは、実施形態2における板端子10Aと異なり、幅方向に弾性変位することができない構成となっており、実施形態2の板端子10Aよりも、絶縁部材18Bが取付部16Aから外れ難くなっている。
その他の構成については、実施形態2の板端子10Aと同じ構成のため、実施形態2と同じ符号を付して説明を省略する。
【0083】
<実施形態4>
図19図20を参照して本実施形態の板端子10Cを説明する。本実施形態の板端子10Cの絶縁部材18Cは、実施形態3の板端子10Bと同様、インサート成形により取付部16Bに取付けられているが、絶縁部材18C、及び、取付部16Bの形状が、実施形態3における絶縁部材18B、及び、取付部16Aの形状と異なる。
【0084】
取付部16Bは、本体部12の前端面14の幅方向の一方側の端部から前方に突出する第1取付部68と、本体部12の前端面14の幅方向の他方側の端部から前方に突出する第2取付部70と、から構成されている。第1取付部68と第2取付部70とは、幅方向に所定の間隔を開けて配されている。
【0085】
絶縁部材18Cは、幅方向に長い形状をなし、第1取付部68から第2取付部70に亘って設けられ、第1取付部68及び第2取付部70の前端面28、及び、本体部12の前端面14を覆う第2覆い部50Aと、第2覆い部50の後面から第1取付部68と前記第2取付部70との間に向けて突出する第2突出部72と、から構成されている。
【0086】
第2突出部72の幅方向の両側面のうち、一方側の側面60Aには第1凸部(第1嵌合部)42Aが突設され、他方側の側面64Aには第2凸部(第2嵌合部)52Aが突設されている。
【0087】
第1取付部68の、第2突出部72の一方側の側面60Aと対向する第1側面20Aには、第1凸部42Aと嵌合する第1凹部(第3嵌合部)22Aが設けられ、第2取付部70の、第2突出部72の他方側の側面64Aと対向する面24Aには、第2凸部(第2嵌合部)52Aと嵌合する第2凹部(第4嵌合部)26Aが設けられている。第1凸部42Aと第1凹部22Aとが嵌合し、第2凸部52Aと第2凹部26Aとが嵌合することで、絶縁部材18Cは、取付部16Bに対して前後方向に変位することが規制され、絶縁部材18Cが、取付部16Bから外れることが抑制される。
その他の構成については、実施形態3の板端子10Bと同じ構成のため、実施形態3と同じ符号を付して説明を省略する。
【0088】
以上のように本実施形態によれば、絶縁部材18Cの第1凸部(第1嵌合部)42Aが、取付部16Bの第1凹部(第3嵌合部)22Aと嵌合し、絶縁部材18Cの第2凸部(第2嵌合部)52Aが、取付部16Bの第2凹部(第4嵌合部)26Aと嵌合することで、絶縁部材18Cは、取付部16Bから前後方向に変位することが規制され、取付部16Bから外れることが抑制される。
【0089】
<実施形態5>
図21図22を参照して本実施形態の板端子10Dを説明する。板端子10Dは、絶縁部材18Dを取付部16Cに圧入により取付ける構成となっている点が、実施形態4の板端子10Cと異なる。
【0090】
取付部16Cは、本体部12の前端面14の幅方向の一方側の端部から前方に突出する第1取付部68Aと、本体部12の前端面14の幅方向の他方側の端部から前方に突出する第2取付部70Aと、から構成されている。第1取付部68Aと第2取付部70Aとは、幅方向に所定の間隔を開けて配されている。第1取付部68A、及び、第2取付部70Aの互いに対向する第1側面20B、及び、第2側面24Bには、一対の突起部76が突設されている。
【0091】
絶縁部材18Dは、幅方向に長い形状をなし、第1取付部68Aから第2取付部70Aに亘って設けられ、第1取付部68A及び第2取付部70Aの前端面28、及び、本体部12の前端面14を覆う第2覆い部50Aと、第2覆い部50Aの後面から第1取付部68Aと前記第2取付部70Aとの間に向けて突出する第2突出部72Aと、から構成されている。
【0092】
一対の突起部76の先端の間の長さは、絶縁部材18Dの第2突出部72Aの幅方向の長さよりも短くなっており、絶縁部材18Dは、取付部16Cに圧入により取付けられる。
その他の構成については、実施形態4の板端子10Cと同じ構成のため、実施形態4と同じ符号を付して説明を省略する。
【0093】
<実施形態6>
図23図24を参照して本実施形態の板端子10Eを説明する。板端子10Eは、絶縁部材18Eを取付部16Dに圧入により取付ける構成となっている点が、実施形態3の板端子10Bと異なる。
【0094】
取付部16Dは、本体部12の前端面14から前方に突出して設けられており、取付部16Dの一方側の第1側面20、及び、他方側の第2側面24には、一対の突起部76Aが突設されている。
【0095】
絶縁部材18Eは、第1絶縁部材36Cと、第1絶縁部材36Cと一体に設けられた第2絶縁部材38Cと、から構成されている。第1絶縁部材36Cは、前後方向に長い形状をなしており、取付部16Dの一方側の第1側面20側に取付けられている。第2絶縁部材38Cは、幅方向に長い形状をなし、第1絶縁部材36Cの上端部と連なる第2覆い部50Bと、第2覆い部50Bの第1絶縁部材36Cと連なる端部と反対側の端部から後方に突出する第1覆い部48Bと、から構成されている。
【0096】
一対の突起部76Aの先端の間の長さは、絶縁部材18Eの第1絶縁部材36Cと第2絶縁部材38Cの第1覆い部48Bとの間の長さよりも長くなっており、絶縁部材18Eは、取付部16Dに圧入により取付けられる。
その他の構成については、実施形態3の板端子10Bと同じ構成のため、実施形態3と同じ符号を付して説明を省略する。
【0097】
<実施形態7>
図25図26を参照して本実施形態の板端子10Fを説明する。板端子10Fは、実施形態6の板端子10Eと同様、圧入により絶縁部材18Fを取付部16Eに取付ける構成となっているが、絶縁部材18Fには、第3凸部80が設けられており、取付部18Fには、第3凸部80と嵌合する第4凹部82が設けられている点が、実施形態6の板端子10Eと異なる。
【0098】
第3凸部80は、絶縁部材18Fの第1絶縁部材36Cと、第2絶縁部材38Cの第1覆い部48Bとの間に設けられ、第2覆い部50Bの後面から後方に突出して設けられている。第4凹部82は、取付部16Eの前端の第3凸部80と対応する位置に開口して設けられている。第3凸部80及び第4凹部82を設けることで、絶縁部材18Fを取付部16Eに取付ける際の位置決めがし易くなり、実施形態6の板端子10Eと比較して、絶縁部材18Fを取付部16Eに容易に取付けることができる。
その他の構成については、実施形態6の板端子10Eと同じ構成のため、実施形態6と同じ符号を付して説明を省略する。
【0099】
<他の実施形態>
本明細書によって開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような種々の態様も含まれる。
(1)実施形態1では、第2絶縁部材38の第2覆い部50の第1突出部58を、第1絶縁部材36の開口部46に圧入することで、第1絶縁部材36と第2絶縁部材38とは接合されていたが、例えば、第1絶縁部材と第2絶縁部材とを溶接により接合する構成としても良いし、超音波接合により接合する構成としても良い。
(2)実施形態1では、第1絶縁部材36に設けられた第1凸部42を、取付部16に設けられた第1凹部22に嵌合することで、第1絶縁部材36の前後方向への変位を規制していたが、第1絶縁部材に凹部を設け、取付部に凸部を設け、第1絶縁部材の凹部を取付部の凸部に嵌合する構成としても良い。
(3)実施形態1では、第2絶縁部材38に設けられた第2凸部52を、取付部16に設けられた第2凹部26に嵌合することで、第2絶縁部材38の前後方向への変位を規制していたが、第2絶縁部材に凹部を設け、取付部に凸部を設け、第2絶縁部材の凹部を取付部の凸部に嵌合する構成としても良い。
(4)実施形態1では、取付部16の第1側面20側から第1絶縁部材36を取付け、取付部16の第2側面24側から第2絶縁部材38を取付ける構成としていたが、1つの絶縁部材を、取付部に圧入により取付ける構成としても良い。
(5)実施形態1では、第1絶縁部材36及び第2絶縁部材38は、本体部12の第1前端面14A及び第2前端面14Bの全体を覆っている構成としたが、一部を覆っている構成としても良い。
(6)実施形態1では、本体部の幅方向の長さL2と、第1絶縁部材36及び第2絶縁部材38の幅方向の長さの和L3は同じ長さとする構成としたが、L3はL2以下となる構成としても良い。
(7)実施形態1では、絶縁部材18を第1絶縁部36材及び第2絶縁部材38から構成されるものを例示したがこれに限定されない。例えば、第1絶縁部材と第2絶縁部材を一体の部材とすることもできる。
【符号の説明】
【0100】
10、10A、10B、10C、10D、10E、10F:板端子(端子)
12:本体部
14:前端面
14A:第1前端面
14B:第2前端面
16、16A、16B、16C、16D、16E:取付部
18、18A、18B、18C、18D、18E、18F:絶縁部材
20、20A、20B:第1側面(一方側の側面)
22、22A:第1凹部(第3嵌合部)
24、24A、24B:第2側面(他方側の側面)
26、26A:第2凹部(第4嵌合部)
28:前端面
30:第1傾斜面
32:第2傾斜面
34:第3傾斜面
36、36A、36B、36C:第1絶縁部材
38、38A、38B、38C:第2絶縁部材
40A:接触面
40B:接触面
42、42A:第1凸部(第1嵌合部)
44:第2溝部
46:開口部
48、48A、48B:第1覆い部
50、50A、50B:第2覆い部
52、52A:第2凸部(第2嵌合部)
54:第3溝部
56:第1溝部
58:第1突出部
60、60A、60B:一方側の側面
62:一方側の側面
64、64A、64B:他方側の側面
66:他方側の側面
72、72A:第2突出部
L1:長さ
L2:長さ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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