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特許7006835情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H02J 13/00 20060101AFI20220117BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20220117BHJP
   G05B 23/02 20060101ALI20220117BHJP
【FI】
H02J13/00 301J
H02J13/00 301A
H02J7/00 U
G05B23/02 301T
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021507275
(86)(22)【出願日】2020-03-12
(86)【国際出願番号】 JP2020010810
(87)【国際公開番号】W WO2020189499
(87)【国際公開日】2020-09-24
【審査請求日】2021-06-25
(31)【優先権主張番号】P 2019050396
(32)【優先日】2019-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019050397
(32)【優先日】2019-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】松島 均
(72)【発明者】
【氏名】内堀 富勝
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/158783(WO,A1)
【文献】特開2017-167761(JP,A)
【文献】特開2013-9531(JP,A)
【文献】国際公開第2011/115036(WO,A1)
【文献】特開2013-70534(JP,A)
【文献】特開2011-248618(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 13/00
H02J 3/00-7/12
7/34-7/36
G05B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の蓄電セルを含むモジュールを複数接続して構成された蓄電素子の情報を、外部からの要求に応じて、又はイベントとして、送信する情報処理装置であって、
前記蓄電素子の状態を含む情報を通信により取得する取得部と、
取得した情報を、前記蓄電素子を識別する情報と対応付けて記憶媒体に記憶する記憶処理部と、
前記記憶媒体に記憶してある情報に基づいて、前記蓄電素子を含むシステム、又は前記蓄電素子が設置されている場所の画像と、該画像における前記蓄電素子が収容された一又は複数のコンテナ、前記蓄電素子が設置された建物、設置された部屋、写っている位置、又は描かれている位置に重畳されて、前記蓄電素子の状態を示すグラフィックと、を含む状態画面の画面情報を送信する送信処理部と
を備え、
前記状態画面は、前記蓄電素子の階層構造に対応して遷移する複数の画面を含み、
該複数の画面の内、下位の階層の画面は、その階層の前記蓄電素子が設置されている場所の画像と、階層毎に導出されて該画像に重畳された前記グラフィックと、を含む
情報処理装置。
【請求項2】
前記グラフィックは、前記システム又は場所における蓄電素子の状態に対応する色、形、又はイラストを含む
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記状態画面における前記蓄電素子が写っている位置、又は、描かれている位置は、画像毎に、画像内の相対位置で記憶してある
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
複数の蓄電セルを含むモジュールを複数接続して構成された蓄電素子に接続、又は搭載されている通信デバイスと、該通信デバイスと通信接続が可能な情報処理装置とを含み、
該情報処理装置は、
前記蓄電素子の状態を含む情報を通信により取得する取得部と、
取得した情報を、前記蓄電素子を識別する情報と対応付けて記憶媒体に記憶する記憶処理部と、
前記記憶媒体に記憶してある情報に基づいて、前記蓄電素子を含むシステム、又は前記蓄電素子が設置されている場所の画像と、該画像における前記蓄電素子が収容された一又は複数のコンテナ、前記蓄電素子が設置された建物、設置された部屋、写っている位置、又は描かれている位置に重畳されて、前記蓄電素子の状態を示すグラフィックと、を含む状態画面の画面情報を送信する送信処理部と
を備え、
前記状態画面は、前記蓄電素子の階層構造に対応して遷移する複数の画面を含み、
該複数の画面の内、下位の階層の画面は、その階層の前記蓄電素子が設置されている場所の画像と、階層毎に導出されて該画像に重畳された前記グラフィックと、を含む
情報処理システム。
【請求項5】
複数の蓄電セルを含むモジュールを複数接続して構成された蓄電素子の情報を、情報処理装置が要求に応じて、又はイベントとして、送信する情報処理方法であって、
前記蓄電素子に接続又は搭載されている通信デバイスを用いて、前記蓄電素子の状態を含む情報を通信により取得し、
取得した情報を、前記蓄電素子を識別する情報と対応付けて記憶媒体に記憶し、
記憶した各蓄電素子の情報から、前記蓄電素子の階層構造に対応する階層毎に、前記蓄電素子の状態を導出し、
前記蓄電素子を含むシステム、又は前記蓄電素子が設置されている場所の画像と、該画像における前記蓄電素子が収容された一又は複数のコンテナ、前記蓄電素子が設置された建物、設置された部屋、写っている位置、又は描かれている位置に重畳されて、記憶してある情報に基づき、階層毎に導出された前記蓄電素子の状態を示すグラフィックと、を含み、蓄電素子の階層構造に対応して遷移する複数の画面で前記蓄電素子の状態を示す状態画面の画面情報を送信し、
前記複数の画面の内、下位の階層の画面は、その階層の前記蓄電素子が設置されている場所の画像と、階層毎に導出されて該画像に重畳された前記グラフィックと、を含む
情報処理方法。
【請求項6】
表示部を備えるコンピュータに、複数の蓄電セルを含むモジュールを複数接続して構成された蓄電素子の情報を表示させるコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記蓄電素子の情報を、該蓄電素子を含むシステム毎、又は前記蓄電素子が設置されている場所毎に、要求するステップ、及び
要求に応じて送信された前記システム又は場所における蓄電素子の階層構造に対応して遷移する複数の画面を含み、各画面に含まれる前記蓄電素子を含むシステム、又は前記蓄電素子が設置されている場所の画像と、該画像における前記蓄電素子が収容された一又は複数のコンテナ、前記蓄電素子が設置された建物、設置された部屋、写っている位置、又は描かれている位置に重畳されて、前記蓄電素子の階層毎に導出された前記蓄電素子の状態を前記複数の画面それぞれで示すグラフィックとを含む状態画面の画面情報に基づき、前記状態画面を前記表示部に表示するステップ
を実行させ
前記複数の画面の内、下位の階層の画面は、その階層の前記蓄電素子が設置されている場所の画像と、階層毎に導出されて該画像に重畳された前記グラフィックと、を含む
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電素子及び/又は電源関連装置の情報を提示する情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
蓄電素子は、無停電電源装置、安定化電源に含まれる直流又は交流電源装置等に広く使用されている。また、再生可能エネルギー又は既存の発電システムにて発電された電力を蓄電しておく大規模なシステムでの蓄電素子の利用が拡大している。
【0003】
蓄電素子を使用したシステムでは、蓄電素子の状態診断、充電状態(SOC)の推定、又は寿命予測等の実施を含む保守活動が重要になる。これらのシステムに含まれる蓄電素子のSOC、又は寿命予測の情報について、サーバ装置経由で、蓄電素子のユーザ又は保守担当者が遠隔から取得することを可能とする技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-121520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
鉛蓄電池又はリチウムイオン電池のような蓄電素子は、車載用途(自動車用途、自動二輪車用途)以外の産業用途に適用される場面が増加している。例えば、太陽光発電システムに蓄電素子が並設されることがある。この場合、蓄電素子はパワーコンディショナと接続される。メガソーラーと呼ばれる大規模な太陽光発電システムでは、非常に多くの蓄電素子及びパワーコンディショナが設置されて利用される。工場又は大規模施設における電力ピークカットを実現する場合にも、非常に多くの蓄電素子及びパワーコンディショナが設置されて利用される。鉄道用途においても、非常に多くの蓄電素子と直流又は交流電源装置である整流器とが設置されて利用される。従来の保守支援システムでは、分散電源システム又は事業主体にこのように多くの蓄電素子と電源関連装置が設置されるケースを想定していない。
【0006】
IoT(Internet of Things)の社会への浸透と平行して、蓄電素子及び電源関連装置の遠隔監視の実現とそれによる付加価値サービスの実現に対する期待が高まっている。
【0007】
本発明は、蓄電素子及び/又は電源関連装置の状態を視覚的に容易に把握することを可能とする情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一局面に係る情報処理装置は、複数の蓄電セルを含むモジュールを複数接続して構成された蓄電素子の情報を、外部からの要求に応じて、又はイベントとして、送信する。情報処理装置は、前記蓄電素子の状態を含む情報を通信により取得する取得部と、取得した情報を、前記蓄電素子を識別する情報と対応付けて記憶媒体に記憶する記憶処理部と、前記記憶媒体に記憶してある情報を、前記蓄電素子を含むシステム毎、又は前記蓄電素子が設置されている場所毎に、前記システム又は場所における蓄電素子の状態を示すグラフィックを含む状態画面の画面情報を送信する送信処理部とを備え、前記状態画面は、前記蓄電素子の階層構造に対応して遷移する複数の画面を含む。
本発明の他の局面に係る情報処理装置は、蓄電素子及び/又は電源関連装置の情報を、外部からの要求に応じて、又はイベントとして、送信する。情報処理装置は、前記蓄電素子又は前記電源関連装置の状態を含む情報を通信により取得する取得部と、取得した情報を、前記蓄電素子又は前記電源関連装置を識別する情報と対応付けて記憶媒体に記憶する記憶処理部と、前記記憶媒体に記憶してある情報に基づいて、前記蓄電素子若しくは前記電源関連装置を含むシステム、又は、前記蓄電素子若しくは前記電源関連装置が設置されている場所の画像と、該画像における前記蓄電素子若しくは電源関連装置が写っている位置、又は描かれている位置に重畳されており、前記蓄電素子若しくは電源関連装置の状態を表すグラフィックと、を含む状態画面の画面情報を送信する送信処理部とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】遠隔監視システムの概要を示す図である。
図2】蓄電モジュール群の階層構造及び通信デバイスの接続形態の例を示す図である。
図3】遠隔監視システムに含まれる装置の内部構成を示すブロック図である。
図4】サーバ装置における情報提示の処理手順の例を示すフローチャートである。
図5】サーバ装置からクライアント装置への情報提示の処理手順の例を示すフローチャートである。
図6】サーバ装置からクライアント装置への情報提示の処理手順の例を示すフローチャートである。
図7】画面情報に基づき表示される画面の例を示す図である。
図8】画面情報に基づき表示される画面の例を示す図である。
図9】画面情報に基づき表示される画面の例を示す図である。
図10】画面情報に基づき表示される画面の例を示す図である。
図11】画面情報に基づき表示される画面の例を示す図である。
図12】画面情報に基づき表示される画面の例を示す図である。
図13】画面情報に基づき表示される画面の例を示す図である。
図14】画面情報に基づき表示される画面の例を示す図である。
図15】画面情報に基づき表示される画面の例を示す図である。
図16】画面情報に基づき表示される画面の例を示す図である。
図17】画面情報に基づき表示される画面の例を示す図である。
図18】画面情報に基づき表示される画面の例を示す図である。
図19】画面情報に基づき表示される画面の例を示す図である。
図20】画面情報に基づき表示される画面の例を示す図である。
図21】画面情報に基づき表示される画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
情報処理装置は、複数の蓄電セルを含むモジュールを複数接続して構成された蓄電素子の情報を、外部からの要求に応じて、又はイベントとして、送信する。情報処理装置は、前記蓄電素子の状態を含む情報を通信により取得する取得部と、取得した情報を、前記蓄電素子を識別する情報と対応付けて記憶媒体に記憶する記憶処理部と、前記記憶媒体に記憶してある情報に基づいて、前記蓄電素子を含むシステム、又は前記蓄電素子が設置されている場所の画像と、該画像における前記蓄電素子が写っている位置、又は描かれている位置に重畳されており、前記蓄電素子の状態を示すグラフィックと、を含む状態画面の画面情報を送信する送信処理部とを備える。前記状態画面は、前記蓄電素子の階層構造に対応して遷移する複数の画面を含む。該画面はいずれも、前記蓄電素子が階層に応じて写っている画像又は描かれている画像を含んでもよい。
情報処理装置は、蓄電素子及び/又は電源関連装置の情報を、外部からの要求に応じて、又はイベントとして、送信する。情報処理装置は、前記蓄電素子又は前記電源関連装置の状態を含む情報を通信により取得する取得部と、取得した情報を、前記蓄電素子又は前記電源関連装置を識別する情報と対応付けて記憶媒体に記憶する記憶処理部と、前記記憶媒体に記憶してある情報に基づいて、前記蓄電素子若しくは前記電源関連装置を含むシステム、又は、前記蓄電素子若しくは前記電源関連装置が設置されている場所の画像と、該画像における前記蓄電素子若しくは電源関連装置が写っている位置、又は描かれている位置に重畳されており、前記蓄電素子若しくは電源関連装置の状態を表すグラフィックと、を含む状態画面の画面情報を送信する送信処理部とを備える。
【0011】
どのような範囲の蓄電素子の情報を一括表示させるか(例えば、工場エリア毎、オフィス毎、事業拠点毎、又は事業主体毎など)は、オペレータなど人手によって設定可能であってもよく、自動的に設定されてもよい。
状態画面には、システム毎又は場所毎の蓄電素子及び/又は電源関連装置を俯瞰又は鳥瞰して撮影した写真画像を含んでよい。俯瞰又は鳥瞰して撮影した撮影画像は、蓄電素子及び/又は電源関連装置が設置されている施設や建物を高い場所から撮影した写真画像であってもよく、衛星写真の写真画像を用いてよい。状態画面に、写真画像に代えて又は写真画像に加えて、建物や設備を表すイラスト、平面図又は斜視図を含んでもよい。
【0012】
上記構成により、特に大規模なシステムで利用される非常に多くの蓄電素子を階層構造で含むシステム又は場所全体の状態を含む情報を、その蓄電素子又は電源関連装置の位置と共に、視覚から直感的に把握できる。状態画面は、階層構造に応じて全体から一部へ、一部から更に詳細な一部へと遷移するようにしてある。各画面には蓄電素子のシステムの画像を含み、蓄電素子がシステム内のどこに存在しているかが示される。オペレータは、例えば個々の蓄電素子のSOCを夫々チェックする必要なしに、システムが問題なく運用されていることを状態画面のグラフィックで視覚的に確認できる。またオペレータは、システム内で蓄電素子がどのような階層構造を、どのような位置関係で有しているかを画面遷移によって直感的に把握できる。これによりシステムの運用性を高めることができる。蓄電素子に問題が発生した場合にオペレータは、階層構造に応じて遷移する画面によって、いずれの階層での処置が適切かを視覚的に把握できる。したがって保守担当者はいずれの階層の、いずれの場所の蓄電素子又は電源関連装置を保守点検すべきか、迷うことが減り、保守担当者による対処を効率化できる。
【0013】
前記グラフィックは、状態に対応する色、形、又はイラストを含んでもよい。
【0014】
上記構成により、オペレータは、各蓄電素子の状態、若しくは、各電源関連装置の状態、例えばSOCをチェックする必要なしに、グラフィックの色、形、又はイラストによってシステム全体として、又は任意の単位毎に、状態を視覚的に確認できる。これによりシステムの運用性を高めることができる。グラフィックの、画像に対する重畳位置及びグラフィックの態様によって、蓄電素子のいずれの階層に対しても、いずれの場所で、どのような問題が発生しているかをオペレータが早急に把握でき、保守担当者の保守作業を効率化できる。
【0015】
前記状態画面における前記蓄電素子若しくは電源関連装置が写っている位置、又は、描かれている位置は、画像毎に画像内の相対位置で記憶してあってもよい。
【0016】
上記構成により、蓄電素子又は電源関連装置を示す建物又は施設を表す画像の拡縮に応じて、グラフィックの表示位置を適切に移動させることができる。遠隔から状態を確認するオペレータは、適当な縮尺で視覚的に、蓄電システムが全体として問題なく運用されているかを把握できる。
【0017】
情報処理システムは、複数の蓄電セルを含むモジュールを複数接続して構成された蓄電素子に接続、又は搭載されている通信デバイスと、該通信デバイスと通信接続が可能な情報処理装置とを含み、該情報処理装置は、前記蓄電素子の状態を含む情報を通信により取得する取得部と、取得した情報を、前記蓄電素子を識別する情報と対応付けて記憶媒体に記憶する記憶処理部と、前記記憶媒体に記憶してある情報に基づいて、前記蓄電素子を含むシステム、又は前記蓄電素子が設置されている場所の画像と、該画像における前記蓄電素子が写っている位置、又は描かれている位置に重畳されており、前記蓄電素子の状態を示すグラフィックと、を含む状態画面の画面情報を送信する送信処理部とを備え、前記状態画面は、前記蓄電素子の階層構造に対応して遷移する複数の画面を含む。
情報処理システムは、蓄電素子及び/又は電源関連装置に接続又は搭載されている通信デバイスと、該通信デバイスと通信接続が可能な情報処理装置とを含み、該情報処理装置は、前記蓄電素子又は前記電源関連装置の状態を含む情報を、前記通信デバイスを介して取得する取得部と、取得した情報を、前記蓄電素子又は前記電源関連装置を識別する情報と対応付けて記憶媒体に記憶する記憶処理部と、要求に応じて、又はイベントとして、前記記憶媒体に記憶してある情報に基づき、前記蓄電素子若しくは前記電源関連装置を含むシステム、又は、前記蓄電素子若しくは前記電源関連装置が設置されている場所の画像と、該画像における前記蓄電素子若しくは前記電源関連装置が写っている位置、又は描かれている位置に重畳されており、前記蓄電素子若しくは前記電源関連装置の状態を表すグラフィックと、を含む状態画面の画面情報を送信する送信処理部とを備える。
【0018】
情報処理方法は、複数の蓄電セルを含むモジュールを複数接続して構成された蓄電素子の情報を、情報処理装置が要求に応じて、又はイベントとして、送信する。情報処理方法は、前記蓄電素子に接続又は搭載されている通信デバイスを用いて、前記蓄電素子の状態を含む情報を通信により取得し、取得した情報を、前記蓄電素子を識別する情報と対応付けて記憶媒体に記憶し、前記蓄電素子を含むシステム、又は前記蓄電素子が設置されている場所の画像と、該画像における前記蓄電素子が写っている位置、又は描かれている位置に重畳されており、記憶してある情報に基づいた前記蓄電素子の状態を示すグラフィックと、を含み、蓄電素子の階層構造に対応して遷移する複数の画面を有する状態画面の画面情報を送信する。
情報処理方法は、蓄電素子又は電源関連装置の情報を、情報処理装置が要求に応じて、又はイベントとして、送信する。情報処理方法は、前記蓄電素子又は前記電源関連装置に接続又は搭載されている通信デバイスを用いて、前記蓄電素子又は前記電源関連装置の状態を含む情報を通信により取得し、取得した情報を、前記蓄電素子又は前記電源関連装置を識別する情報と対応付けて記憶媒体に記憶し、前記記憶媒体に記憶してある情報に基づき、前記蓄電素子若しくは前記電源関連装置を含むシステム、又は、前記蓄電素子若しくは前記電源関連装置が設置されている場所の画像と、該画像における前記蓄電素子若しくは前記電源関連装置が写っている位置、又は描かれている位置に重畳されており、前記蓄電素子若しくは前記電源関連装置の状態を表すグラフィックと、を含む状態画面の画面情報を送信する。
【0019】
コンピュータプログラムは、表示部を備えるコンピュータに、複数の蓄電セルを含むモジュールを複数接続して構成された蓄電素子の情報を表示させる。コンピュータプログラムは、前記コンピュータに、前記蓄電素子の情報を、該蓄電素子を含むシステム毎、又は前記蓄電素子が設置されている場所毎に、要求するステップ、及び要求に応じて送信された前記システム又は場所における蓄電素子の階層構造に対応して遷移する複数の画面を含み、各画面に含まれる前記蓄電素子を含むシステム、又は前記蓄電素子が設置されている場所の画像と、該画像における前記蓄電素子が写っている位置、又は描かれている位置に重畳されており、前記蓄電素子の状態を示すグラフィックとを含む状態画面の画面情報に基づき、前記状態画面を前記表示部に表示するステップを実行させる。
コンピュータプログラムは、表示部を備えるコンピュータに、蓄電素子又は電源関連装置の情報を表示させる。コンピュータプログラムは、前記コンピュータに、前記蓄電素子又は前期電源関連装置の情報を、前記蓄電素子若しくは前記電源関連装置を含むシステム毎、又は前記蓄電素子若しくは前記電源関連装置が設置されている場所毎に、要求するステップ、及び要求に応じて送信され、前記システム又は場所の画像と、該画像における前記蓄電素子若しくは前記電源関連装置が写っている位置、又は描かれている位置に重畳されており、前記蓄電素子若しくは前記電源関連装置の状態を表すグラフィックと、を含む状態画面の画面情報に基づき、前記状態画面を前記表示部に表示するステップを実行させる。
【0020】
本発明をその実施の形態を示す図面を参照して具体的に説明する。
【0021】
図1は、遠隔監視システム100の概要を示す。遠隔監視システム100は、メガソーラー発電システムS、火力発電システムF、風力発電システムWに含まれる蓄電素子及び電源関連装置に関する情報への遠隔からのアクセスを可能とする。無停電電源装置(UPS)U、鉄道用の安定化電源システム等に配設される整流器(直流電源装置、又は交流電源装置)Dも遠隔監視される。無停電電源装置、整流器に代えて、充放電器(充放電スタンド)U、系統連系ユニットDが遠隔監視されてもよい。充放電器Uは、災害発生時などの非常時に、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)に搭載されている二次電池の電力を、系統連系ユニット経由で、負荷や系統に供給する。
【0022】
メガソーラー発電システムS、火力発電システムF及び風力発電システムWには、パワーコンディショナ(PCS)P及び蓄電システム101が並設されている。蓄電システム101は、蓄電モジュール群Lを収容したコンテナCを複数並設して構成されている。蓄電モジュール群Lは、複数の蓄電素子を含む。蓄電素子は、鉛蓄電池及びリチウムイオン電池のような二次電池や、キャパシタのような、再充電可能なものであることが好ましい。蓄電素子の一部が、再充電不可能な一次電池であってもよい。
【0023】
遠隔監視システム100では、監視対象となるシステムS,F,Wにおける蓄電システム101、又は装置(P,U,Dおよび後述の管理装置M)夫々に、通信デバイス1(図2参照)が搭載/接続される。遠隔監視システム100は、通信デバイス1と、通信デバイス1から情報を収集するサーバ装置2(情報処理装置)と、収集された情報を閲覧するためのクライアント装置3(通信端末装置)と、装置間の通信媒体であるネットワークNとを含む。
【0024】
通信デバイス1は、蓄電素子に備えられる電池管理装置(BMU)と通信して蓄電素子の情報を受信する端末装置(計測モニタ)であってもよいし、ECHONET/ECHONETLite(登録商標)対応のコントローラであってもよい。通信デバイス1は、独立したデバイスであってもよいし、パワーコンディショナPや蓄電モジュール群Lに搭載可能なネットワークカード型のデバイスであってもよい。通信デバイス1は、蓄電システム101における蓄電モジュール群Lの情報を取得すべく、複数の蓄電モジュールからなるグループ毎に1つずつ設けられている。パワーコンディショナPは複数台でシリアル通信が可能に接続されており、通信デバイス1は、いずれか代表となるパワーコンディショナPの制御ユニットに接続されている。
【0025】
サーバ装置2はWebサーバ機能を含み、監視対象の各装置に搭載/接続された通信デバイス1から得られる情報を、クライアント装置3からのアクセスに応じて提示する(送信処理部)。
【0026】
ネットワークNは、所謂インターネットである公衆通信網N1と、所定の移動通信規格による無線通信を実現するキャリアネットワークN2とを含む。公衆通信網N1は、一般光回線を含み、ネットワークNは、サーバ装置2が接続する専用線を含む。ネットワークNは、ECHONET/ECHONETLite対応のネットワークを含んでもよい。キャリアネットワークN2には基地局BSが含まれ、クライアント装置3は基地局BSからネットワークNを介したサーバ装置2との通信が可能である。公衆通信網N1にはアクセスポイントAPが接続されており、クライアント装置3はアクセスポイントAPからネットワークNを介してサーバ装置2との間で情報を送受信することができる。
【0027】
蓄電システム101の蓄電モジュール群Lは階層構造を有している。蓄電素子の情報をサーバ装置2へ送信する通信デバイス1は、蓄電モジュール群Lに設けられた管理装置Mから蓄電モジュール群の情報を取得する。図2は、蓄電モジュール群Lの階層構造及び通信デバイス1の接続形態の例を示す。蓄電モジュール群Lは、例えば蓄電セル(セルとも称する)を複数直列に接続した蓄電モジュール(モジュールとも称する)と、蓄電モジュールを複数直列に接続したバンクと、バンクを複数並列に接続したドメインとの階層構造にて構成されている。図2の例では、番号(#)1-Nのバンク夫々と、バンクを並列に接続したドメインとに1つずつ、管理装置Mが設けられている。バンク毎に設けられている管理装置Mは、蓄電モジュールの内部に夫々内蔵されている通信機能付きの制御基板(CMU:Cell Monitoring Unit)とシリアル通信によって通信し、蓄電モジュール内部の蓄電セルに対する測定データ(電流、電圧、温度)を取得する。バンクの管理装置Mは、通信状態の異常の検知等の管理処理を実行する。バンクの管理装置Mは夫々、ドメインに設けられている管理装置Mへ各々のバンクの蓄電モジュールから得られた測定データを送信する。バンクの管理装置Mは、異常が検知された場合はドメインの管理装置Mへ通知する。ドメインの管理装置Mは、そのドメインに所属するバンクの管理装置Mから得られる測定データ、検知された異常等の情報を集約する。図2の例では通信デバイス1は、ドメインの管理装置Mに接続されている。代替的に、通信デバイス1は、ドメインの管理装置Mとバンクの管理装置Mとの夫々に接続されてもよい。
【0028】
このように遠隔監視システム100では、各装置に搭載した通信デバイス1を利用し、蓄電システム101におけるSOC、SOH(State Of Health)等の状態、検知された異常といった情報を、サーバ装置2が収集し、収集されたデータに基づいて蓄電システム101の状態を提示する。
【0029】
図3は、遠隔監視システム100に含まれる装置の内部構成を示すブロック図である。図3に示すように、通信デバイス1は、制御部10、記憶部11、第1通信部12及び第2通信部13を備える。制御部10はCPU(Central Processing Unit)を用いたプロセッサであり、内蔵するROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等のメモリを用い、各構成部を制御して処理を実行する。
【0030】
記憶部11は、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリを用いる。記憶部11には、制御部10が読み出して実行するデバイスプログラム1Pが記憶されている。デバイスプログラム1Pには、SSH(Secure Shell)、SNMP(Simple Network Management Protocol)等に準じた通信用プログラムが含まれる。記憶部11には、制御部10の処理によって収集された情報、イベントログ等の情報が記憶される。記憶部11に記憶された情報は、通信デバイス1の筐体に端子が露出するUSB等の通信インタフェースを介して読み出すことも可能である。記憶部11に記憶されるデバイスプログラム1Pは、記録媒体4に記憶してあるデバイスプログラム4Pを読み出して記憶部11に複製したものであってもよい。
【0031】
第1通信部12は、通信デバイス1が接続されている監視対象装置との通信を実現する通信インタフェースである。第1通信部12は例えば、RS-232C又はRS-485等のシリアル通信インタフェースを用いる。例えばパワーコンディショナPはRS-485に準拠したシリアル通信機能を有する制御ユニットを備えており、第1通信部12はその制御ユニットと通信する。蓄電モジュール群Lに備えられている制御基板がCAN(Controller Area Network)バスにより接続されて制御基板間の通信をCAN通信で実現する場合、第1通信部12はCANプロトコルに基づく通信インタフェースである。第1通信部12は、ECHONET/ECHONETLiteの規格に対応する通信インタフェースであってもよい。
【0032】
第2通信部13は、ネットワークNを介した通信を実現するインタフェースであり、例えばEthernet(登録商標)、又は無線通信用アンテナ等の通信インタフェースを用いる。制御部10は、第2通信部13を介してサーバ装置2と通信接続が可能である。第2通信部13が、ECHONET/ECHONETLiteの規格に対応する通信インタフェースであってもよい。
【0033】
このように構成される通信デバイス1では、制御部10が第1通信部12を介して、通信デバイス1が接続されている装置にて得られる蓄電素子に対する測定データを取得する。制御部10は、SNMP用プログラムを読み出して実行することにより、SNMPエージェントとして機能し、サーバ装置2からの情報要求に対して応答してもよい。
【0034】
サーバ装置2はサーバコンピュータを用い、制御部20、記憶部21、及び通信部22を備える。本実施の形態においてサーバ装置2は、1台のサーバコンピュータとして説明するが、複数のサーバコンピュータで処理を分散させてもよい。
【0035】
制御部20は、CPU又はGPU(Graphics Processing Unit)を用いたプロセッサであり、内蔵するROM及びRAM等のメモリを用い、各構成部を制御して処理を実行する。制御部20は、記憶部21に記憶されているサーバプログラム21Pに基づく通信及び情報処理を実行する。サーバプログラム21PにはWebサーバプログラムが含まれ、制御部20は、クライアント装置3へのWebページの提供を実行するWebサーバとして機能する。制御部20は、サーバプログラム21Pに基づき、SNMP用サーバとして通信デバイス1から情報を収集する。
【0036】
記憶部21は、例えばハードディスク又はフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを用いる。記憶部21には、上述したサーバプログラム21P及びデータ処理プログラム22Pが記憶されている。記憶部21に記憶されるサーバプログラム21P及びデータ処理プログラム22Pは、記録媒体5に記憶してあるサーバプログラム51P及びデータ処理プログラム52Pを読み出して記憶部21に複製したものであってもよい。
【0037】
記憶部21には、制御部20の処理によって収集される監視対象となる蓄電システム101のパワーコンディショナP及び蓄電モジュール群Lの測定データが記憶される。測定データは、蓄電システム101又はパワーコンディショナPを識別する識別情報(番号)と対応付けられている。蓄電モジュール群Lの測定データは、ドメイン、バンク、モジュール、又はセルと階層構造に応じて記憶される。
【0038】
記憶部21には、監視対象の蓄電モジュール群L又は装置P,U,Dの状態を表示するための画像が複数記憶されている。複数の画像は、監視対象の蓄電モジュール群L又は装置P,U,Dを識別する識別情報と対応付けて記憶部21に記憶されている。複数の画像には、蓄電モジュール群L又は装置P,U,Dを表す画像が含まれる。複数の画像には、蓄電モジュール群L又は装置P,U,Dの配置を示す画像が含まれる。これらの画像は、航空写真、衛星写真等の写真、2D地図、設計図、CAD図面、又はイラストである。これらの画像は、クライアント装置3からのアップロードにより記憶されてよい。写真、地図、設計図、図面又はイラストの内、監視対象の蓄電モジュール群L又は装置P,U,Dの位置又は範囲が各画像について記憶されている。位置又は範囲を示す情報は例えば、画像に対応する座標情報である。画像が航空写真、衛星写真又は地図である場合には緯度経度情報及び相対位置を示す情報であってもよい。記憶部21に記憶されている複数の画像には、蓄電モジュール群L又は装置P,U,Dの状態を表現するためのイラスト、アイコン、アニメーション等の画像が含まれる。記憶部21には状態を表示するための画像の他、Webベースで蓄電システム101、装置P,U,Dの状態を視覚的に出力するためのスタイルシート、スクリプト等のデザインデータが記憶されている。
【0039】
通信部22は、ネットワークNを介した通信接続及び情報の送受信を実現する通信デバイスである。具体的には通信部22はネットワークNに対応したネットワークカードである。
【0040】
クライアント装置3は、発電システムS,F,Wの蓄電システム101の管理者又は保守担当者等のオペレータが使用するコンピュータである。クライアント装置3は、デスクトップ型若しくはラップトップ型のパーソナルコンピュータであってもよいし、所謂スマートフォン又はタブレット型の通信端末であってもよい。クライアント装置3は、制御部30、記憶部31、通信部32、表示部33、及び操作部34を備える。
【0041】
制御部30は、CPUを用いたプロセッサである。制御部30は、記憶部31に記憶されているクライアントプログラム3Pに基づき、サーバ装置2により提供されるWebページを表示部33に表示させる。クライアントプログラム3Pは、サーバ装置2のWebサーバ機能により提供されるWebページに組み込まれており、クライアント装置3で一時的に記憶されるスプリクトとWebブラウザプログラムとを含み、サーバ装置2における動作に基づいたWebベースの画面を表示させるためのプログラムである。
【0042】
記憶部31は、例えばハードディスク又はフラッシュメモリ等の不揮発性メモリを用いる。記憶部31には、クライアントプログラム3Pを含む各種プログラムが記憶されている。クライアントプログラム3Pは、記録媒体6に記憶してあるクライアントプログラム6Pを読み出して記憶部11に複製したものであってもよい。
【0043】
通信部32は、有線通信用のネットワークカード等の通信デバイス、基地局BS(図1参照)に接続する移動通信用の無線通信デバイス、又はアクセスポイントAPへの接続に対応する無線通信デバイスを用いる。制御部30は通信部32により、ネットワークNを介してサーバ装置2との間で通信接続又は情報の送受信が可能である。
【0044】
表示部33は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等のディスプレイを用いる。表示部33は制御部30のクライアントプログラム3Pに基づく処理により、サーバ装置2で提供されるWebページのイメージを表示する。表示部33は、好ましくはタッチパネル内蔵型ディスプレイであるが、タッチパネル非内蔵型ディスプレイであってもよい。
【0045】
操作部34は、制御部30との間で入出力が可能なキーボード及びポインティングデバイス、若しくは音声入力部等のユーザインタフェースである。操作部34は、表示部33のタッチパネル、又は筐体に設けられた物理ボタンを用いてもよい。操作部34は、ユーザによる操作情報を制御部30へ通知する。
【0046】
このように構成される遠隔監視システム100では、サーバ装置2が、データ処理プログラム22Pに基づいてパワーコンディショナP、蓄電モジュール群L(管理装置M)、無停電電源装置U、及び整流器Dの状態を含む様々な情報を通信デバイス1から定期的に取得し、記憶部21に記憶する。通信デバイス1からは、階層構造に応じた親子関係が紐付けられて各蓄電モジュール群Lについての状態情報が送信される。サーバ装置2は、通信デバイス1を用いて蓄電素子若しくは各電源関連装置から取得した情報に基づいて、監視対象のシステム又は装置の状態を、蓄電セルの階層構造に応じて視覚的に表す画面情報を作成し、クライアント装置3へ送信して提示する。
【0047】
図4は、サーバ装置2における情報提示の処理手順の例を示すフローチャートである。サーバ装置2は、通信デバイス1から定期的に取得して記憶部21に記憶してあるパワーコンディショナP、蓄電モジュール群L(管理装置M)、無停電電源装置U、及び整流器Dの情報を用いて、以下の処理をクライアント装置3からの要求に応じて、又は、イベントとして実行する。イベントとは、周期の到来であってもよいし、異常発生等のシステム又は装置の状態変化の検知であってもよい。
【0048】
制御部20は、監視対象であるシステム又は装置を識別する識別情報を1つ選択する(ステップS101)。
【0049】
制御部20は、選択された識別情報により識別されるシステム又は装置が蓄電セルを含むか否かを判断する(ステップS102)。蓄電セルを含むと判断された場合(S102:YES)、選択された識別情報により識別されるシステム又は装置は、階層構造の蓄電セルを含むか否かを判断する(ステップS103)。
【0050】
ステップS103にて階層構造の蓄電セルを含むと判断された場合(S103:YES)、制御部20は、階層毎の充電状態(SOC)を導出する(ステップS104)。ステップS104で階層とは、図2に示すような構造の蓄電システム101であれば例えばドメイン、バンク、モジュールである。
【0051】
制御部20は、階層毎に導出したSOCを、選択中のシステム又は装置の識別情報、階層構造の蓄電モジュール群L夫々を識別する名称(識別番号)に対応付けて、上位層の蓄電モジュール群Lの識別情報と共に一時的に記憶する(ステップS105)。
【0052】
ステップS103にて階層構造を含まないと判断された場合(S103:NO)、制御部20は、選択された識別情報により識別されるシステム又は装置が含む蓄電セル全体としてのSOCを導出(ここでは単に、管理装置Mから送信されたSOCを提示)し(ステップS106)、選択中のシステム又は装置の識別情報と対応付けて一時的に記憶する(ステップS107)。
【0053】
次に制御部20は、選択された識別情報により識別されるシステム又は装置の異常の有無を特定し(ステップS108)、選択中のシステム又は装置の識別情報と対応付けて、特定された結果を一時的に記憶する(ステップS109)。
【0054】
ステップS102において蓄電セルを含まないと判断された場合(S102:NO)、制御部20は、処理をステップS108へ進める。
【0055】
制御部20は、監視対象であるシステム又は装置を識別する識別情報を全て選択したか否かを判断する(ステップS110)。全て判断したと判断された場合(S110:YES)、制御部20は一回の処理を終了する。ステップS110にて全てを選択していないと判断された場合(S110:NO)、制御部20は、処理をステップS101へ戻し、次のシステム又は装置の識別情報を選択する。
【0056】
図4のフローチャートに示した処理により、クライアント装置3からの要求があったタイミング、又はイベント発生(状態変化等)のタイミングにおける状態が一時的に記憶部21又は制御部20内蔵の一時記憶部に記憶される。クライアント装置3からの要求がある都度、又はイベント発生の都度、記憶される状態の情報は更新される。
【0057】
図5及び図6は、サーバ装置2からクライアント装置3への情報提示の処理手順の例を示すフローチャートである。クライアント装置3にてWebブラウザからログイン要求を受けると、以下の処理が開始される。
【0058】
制御部20は、Webサーバとしてクライアント装置3にてログインデータを受け付けるためのログインページのデータをクライアント装置3へ送信する(ステップS201)。クライアント装置3の表示部33に表示されたログイン画面にて操作部34での操作に基づき、制御部20はログインデータを受信する(ステップS202)。ログインデータは、クライアント装置3を使用する管理者又はオペレータを識別するID及びパスワードを含む。ログインデータは、パスワードに代わる生体情報等を含んでもよい。
【0059】
制御部20は、受信したログインデータに基づき、該ログインデータに対応付けて記憶されているアクセス権限を有するシステム又は装置の識別情報を抽出する(ステップS203)。制御部20は、抽出された識別情報に対応するシステム又は装置夫々の異常の有無の記憶を参照する(ステップS204)。ステップS204で制御部20は、図4のフローチャートにより適宜更新された異常の有無の情報を参照する。制御部20は、ステップS203で抽出された識別情報に対応するシステム又は装置夫々の情報を表示するための他のWebページへのリンク情報の一覧に、ステップS204で参照した異常の有無を示すアイコンを付したWebページの情報を、クライアント装置3へ送信する(ステップS205)。ログイン情報に対応付けられているアクセス権限を有するシステム又は装置が単一である場合、ステップS205では、その単一のシステム又は装置の情報を表示するためのWebページのデータがクライアント装置3へ送信される(後述のS207)。
【0060】
クライアント装置3は、通信部32により、アクセス権限を有するシステム又は装置の一覧のWebページのデータを受信し(ステップS301)、一覧のWebページを表示部33に表示する(ステップS302)。制御部30は、受信したデータに基づき表示したリンク情報の一覧から、所望のシステム又は装置の選択を受け付け(ステップS303)、選択されたリンク情報が示すWebページのデータの要求をサーバ装置2へ送信する(ステップS304)。
【0061】
サーバ装置2の制御部20は、対象のシステム又は装置のWebページのデータ要求を受信し(ステップS206)、選択されたシステム又は装置の情報を表示するためのWebページのデータをクライアント装置3へ送信する(ステップS207)。ステップS207で送信されるWebページのデータには、選択されたシステム又は装置を表す画像、配置を示す画像、画像内におけるシステム又は装置の位置を示す座標データ、状態を表現するためのイラスト、アイコン、ポップアップ、アニメーション等のグラフィックデータが含まれる。
【0062】
クライアント装置3の制御部30は、Webページのデータを受信し(ステップS305)、受信したデータに含まれるスクリプトに基づいて、選択されたシステム又は装置の状態取得をサーバ装置2へ要求する(ステップS306)。
【0063】
サーバ装置2の制御部20は、状態取得の要求を受信し(ステップS208)、対象のシステム又は装置の最上位層、即ち全体としての状態と、異常の有無とを特定する(ステップS209)。制御部20は、階層毎に状態が記憶されている場合、制御部20は最上位層の状態を参照する。制御部20は、選択されたシステム又は装置に対してステップS209で特定された状態、及び異常の有無を示すデータをクライアント装置3へ送信する(ステップS210)。
【0064】
クライアント装置3の制御部30は、対象のシステム又は装置の状態、及び異常の有無を示すデータを受信する(ステップS307)。制御部30は、受信したデータが示す状態、又は異常の有無に応じたグラフィックデータを、受信したデータから選択し(ステップS308)、選択したグラフィックデータ等を用いて、対象のシステム又は装置を表す画像を含むWebページを表示部33に表示させる(ステップS309)。
【0065】
クライアント装置3の制御部30は、対象のシステム又は装置に含まれる階層構造の蓄電モジュール群Lについて、他の階層が選択されたか否かを判断する(ステップS310)。ステップS310で選択されたと判断された場合(S310:YES)、選択された階層の蓄電モジュール群Lの状態取得をサーバ装置2へ要求する(ステップS311)。
【0066】
サーバ装置2の制御部20は、状態取得の要求を受信し(ステップS211)、対象の階層の蓄電モジュール群Lの状態と、異常の有無とを特定する(ステップS212)。制御部20は、選択された階層の蓄電モジュール群Lについて特定された状態、及び異常の有無を示すデータをクライアント装置3へ送信する(ステップS213)。
【0067】
クライアント装置3の制御部30は、選択された階層の状態、及び異常の有無を示すデータを受信する(ステップS312)。制御部30は、受信したデータが示す状態、又は異常の有無に応じたグラフィックデータを、受信したデータから選択し(ステップS313)、選択したグラフィックデータ等を用いて、対象の階層の状態を表す画像を含むWebページを表示部33に表示させる(ステップS314)。
【0068】
クライアント装置3の制御部30は、対象のシステム又は装置のWebページの表示の終了操作を受け付けたか否かを判断し(ステップS315)、受け付けていないと判断された場合(S315:NO)、ステップS310へ処理を戻す。ステップS315の終了操作を受け付けたか否かは、Webブラウザが終了されたか、ログアウトが選択されたか、又はアクセス権限を有するシステム又は装置単体の一覧のWebページへの遷移が選択されたかで判断される。
【0069】
ステップS315で終了操作を受け付けたと判断された場合(S315:YES)、情報提示の処理は終了する。
【0070】
図5及び図6のフローチャートに示した処理手順を、具体的な画面例を参照して説明する。図7図16は、画面情報に基づき表示される画面の例を示す。図7は、ステップS302における権限があるシステム又は装置の名称の一覧を含むWeb画面330(クライアント装置3の表示部33に表示される画面)を示す。図7の例であれば、図1に示したメガソーラー発電システムSの名称「XY市メガソーラーシステム」、火力発電システムFの名称「WZ発電所システム」、「K鉄道システム」、「X工場システム」等が夫々、識別情報と共にリンクとして表示されている。名称は「XY市メガソーラーシステム」のように、蓄電モジュール群L及び/又は装置P,U,Dが設置されている場所を表す場合がある。一覧のWeb画面330には、各システムについて特定された異常の有無を示すアイコンが含まれている。
【0071】
次に、システム又は装置が選択された場合の画面例について説明する。図8には、選択されたシステム又は装置の全体の状態を示す状態画面331が示されている。図8における状態画面331は、図7に示した一覧の内の「XY市メガソーラーシステム」がクライアント装置3の操作部34の操作により選択された場合に表示され、多数のソーラーパネルと蓄電モジュール群Lを収容する多数のコンテナCを撮像した航空写真である画像K(図8では線図で描かれている)を含む。画像Kは、写真画像の代わりにイラストであってもよい。状態画面331には、システムの画像Kと共に「XY市メガソーラーシステム」の状態を視覚的に表すグラフィックオブジェクト332が含まれている。グラフィックオブジェクト332は、図8に示す例では、特定されている状態に応じて異なる色が選択される丸形のアイコンである。図8では、異常ありを示す色のアイコンが選択されて表示されている。グラフィックオブジェクト332の表示位置は、画像Kに対する相対位置によって画像Kと対応付けて状態画面331のデザインデータに含まれ、記憶部21に記憶されている。これによりグラフィックオブジェクト332は、画像Kの拡縮に応じて適切に移動するようにしてある。グラフィックオブジェクト332を含む状態画面331により、多数のソーラーパネルとコンテナCの配置を視認できると共に、「XY市メガソーラーシステム」が全体として問題なく運用されていることをクライアント装置3から確認することができる。
【0072】
状態画面331には、切替インタフェース333が含まれている。切替インタフェース333は、図8に示す例では、「写真」、「平面図」、「3D」の3種類について夫々選択可能なボタン又はアイコンを含む。切替インタフェース333は選択の都度巡回的に「写真」「平面図」「3D」が切り替えられる1つのボタンの態様のインタフェースであってもよい。
【0073】
図8に示す状態画面331の画面情報には、グラフィックオブジェクト332が選択された場合に、下位の階層の状態の表示へ遷移するスクリプトが含まれている。グラフィックオブジェクト332が操作部34で選択された場合、図5及び図6のフローチャートに示した処理手順の内のステップS310にて他の階層、下位の階層が選択されたと判断される(S310:YES)。
【0074】
図9は、他の階層の状態表示に遷移した状態画面331の例を示す。図9は、図8に示した「XY市メガソーラーシステム」に含まれるコンテナCレベルの状態を示す状態画面331を示す。図9の状態画面331には、コンテナC毎、即ちコンテナCに含まれる蓄電モジュール群Lの状態が夫々表示されている。図9の状態画面331では、異常があると特定されている蓄電モジュール群Lを含むコンテナCの斜視図上に、異常がある場合の色で描画された円形のアイコンであるグラフィックオブジェクト332が表示されている。異常の有無にかかわらず、各コンテナに選択可能なグラフィックオブジェクト332が表示されてもよい。図9に示す各コンテナCに対応する階層の状態画面331にも、グラフィックオブジェクト332が選択された場合に、下位の階層の状態の表示へ遷移するスクリプトが含まれている。
【0075】
図10は、他の階層の状態表示に遷移した状態画面331の例を示す。図10は、図9に示した「XY市メガソーラーシステム」に含まれるコンテナCに含まれるドメインレベルの状態画面331を示す。図10の状態画面331には、コンテナCに含まれる2つのドメイン夫々の状態が表示されている。図10では、各ドメインをシステム内で識別するドメイン識別情報(ドメイン#)が示されている。図10の状態画面331では、異常があると特定されているドメインの蓄電モジュール群Lの斜視図上に、異常がある場合の色で描画された円形のアイコンであるグラフィックオブジェクト332が表示されている。異常の有無にかかわらず、各コンテナに選択可能なグラフィックオブジェクト332が表示されてもよい。図10に示す各ドメインの状態画面331にも、グラフィックオブジェクト332が選択された場合に、下位の階層の状態の表示へ遷移するスクリプトが含まれている。
図11は、階層毎の状態画面331の例を示す。図11は、図10に示した各ドメインの状態画面331から選択されたドメインの詳細情報を示すページを示す。図11では、選択されたドメインの状態(正常/異常)、ドメインの総電圧、電流、セル電圧、SOC、温度の分布(最高値、平均値、及び最低値)を含む状態画面331が示されている。ドメインの状態画面331には、図11に示すように、そのドメインに含まれるバンク夫々の詳細情報へのリンクが含まれてよい。
【0076】
図10及び図11に示す階層の選択に応じて表示される状態画面331は、選択中の階層を示すフットパス334を含む。フットパス334によって上位層を含む他の階層の選択が可能である。このように、蓄電モジュール群Lの各階層の状態を、斜視図で視覚的に表した状態画面331にて示すことにより、直感的に把握することが容易になる。上下関係にある階層の状態も、状態画面331内のグラフィックオブジェクト332の選択及びフットパス334の選択によって直感的に把握することができる。
【0077】
図8に示した状態画面331から図9の状態画面331、図10の状態画面331への遷移は、アニメーションのように表示されてよい。
【0078】
図12は、状態画面331の他の例を示す。図12における状態画面331は、図7に示した一覧の内の「X工場システム」がクライアント装置3の操作部34の操作により選択された場合に表示される。状態画面331は、蓄電モジュール群Lが屋内に設置された建物を含む工場の航空写真である画像K(図12では線図で描かれている)を含む。状態画面331には上述の図8同様に、システムの画像Kと共に「X工場システム」の状態を視覚的に表すグラフィックオブジェクト332が含まれている。グラフィックオブジェクト332は、図8に示す例では、異常ありを示す色で描画された丸形のアイコンである。グラフィックオブジェクト332の表示位置は、画像Kに対する相対位置によって画像Kと対応付けて状態画面331のデザインデータに含まれ、記憶部21に記憶されている。これによりグラフィックオブジェクト332は、画像Kの拡縮に応じて適切に移動するようにしてある。グラフィックオブジェクト332を含む状態画面331により、蓄電モジュール群Lが設置されている建物の位置を視認できると共に、「X工場システム」が全体として問題なく運用されていることをクライアント装置3の表示部33にて確認することができる。
【0079】
図12に示す状態画面331の画面情報には、グラフィックオブジェクト332が選択された場合に、下位の階層の状態の表示へ遷移するスクリプトが含まれている。グラフィックオブジェクト332が操作部34で選択された場合、図5及び図6のフローチャートに示した処理手順の内のステップS310にて他の階層、下位の階層が選択されたと判断される(S310:YES)。
【0080】
図13は、他の階層の状態表示に遷移した状態画面331の例を示す。図13に示す状態画面331は、図12に示した「X工場システム」の蓄電モジュール群Lが設置されている建物のフロアの図面である画像Kを含む。状態画面331は、画像K上で、蓄電モジュール群Lが設置されている部屋の位置及び蓄電モジュール群Lの状態を示すグラフィックオブジェクト332を含む。図13に示すグラフィックオブジェクト332は、異常がある場合の色で描画された円形のアイコンである。異常の有無にかかわらず、グラフィックオブジェクト332が表示されてもよい。図13に示す状態画面331にも、グラフィックオブジェクト332が選択された場合に、下位の階層の状態の表示へ遷移するスクリプトが含まれている。
【0081】
図14は、他の階層の状態表示に遷移した状態画面331の例を示す。図14に示す状態画面331は、図13に示したグラフィックオブジェクト332が重畳して表示されていた部屋を選択した場合に表示される、蓄電モジュール群Lが複数取り付けられたラックを示す斜視図を画像Kとして含む。画像Kは、写真画像であってもよい。図14の状態画面331も、画像K上で、蓄電モジュール群Lが収容されたラックの位置及び収容されている蓄電モジュール群Lの状態を示すグラフィックオブジェクト332を含む。図14に示すグラフィックオブジェクト332は、異常がある場合の色で描画された円形のアイコンである。異常の有無にかかわらず、グラフィックオブジェクト332が表示されてもよい。図14に示す状態画面331にも、グラフィックオブジェクト332が選択された場合に、下位の階層の状態の表示へ遷移するスクリプトが含まれている。
【0082】
図15は、他の階層の状態表示に遷移した状態画面331の例を示す。図15に示す状態画面331は、図14に示したグラフィックオブジェクト332を選択した場合に表示される。状態画面331は、ラックに収容されている蓄電モジュール群Lをバンク単位のブロックで示す構成図を画像Kとして含む。図15の状態画面331も、画像K上で、蓄電モジュール群Lの状態を示すグラフィックオブジェクト332を含む。図15の例では、異常があると特定されているバンクに対応するブロック上に、異常がある場合の色で描画された円形のアイコンであるグラフィックオブジェクト332が表示されている。異常の有無にかかわらず、各バンクに対応するブロック上にグラフィックオブジェクト332が表示されてもよい。図15に示す状態画面331にも、グラフィックオブジェクト332が選択された場合に、下位の階層の状態の表示へ遷移するスクリプトが含まれている。
【0083】
図16は、階層毎の状態画面331の例を示す。図16は、図15に示したバンク単位の構成図を含む状態画面331から選択されたバンクの詳細情報を示すページを示す。図16では、選択されたバンクの状態(正常/異常)、バンクの総電圧、電流、セル電圧、SOC、温度の分布(最高値、平均値、及び最低値)を含む状態画面331が示されている。バンクの状態画面331には、図16に示すように、そのバンクに含まれるモジュールの詳細情報へのリンクが含まれてよい。
【0084】
このようにして、クライアント装置3を使用する保守担当者又は管理者が権限を有するシステム又は装置の一覧からいずれかを選択した場合に表示されるWebページには、全体の状態及び異常の有無を示すグラフィックオブジェクト332を含む状態画面331が階層状に表示される。これにより、保守担当者又は管理者はシステム全体の状態を視覚から直感的に把握することができる。状態画面331は、図5及び図6のフローチャートに示した処理手順により、階層の順に表示され、保守担当者又は管理者は逐次状態を把握することができる。
【0085】
図17は、状態画面331の他の一例を示す図である。図17では、グラフィックオブジェクト332は、選択されたシステム又は装置におけるSOCを表すアイコンである。図17におけるグラフィックオブジェクト332は、電池のイラストを含み、イラスト内のブロックの数でSOCを表している。グラフィックオブジェクト332の電池のイラストは、異常ありを示す色で描画されている。
【0086】
図17の状態画面331には、画像Kの拡大コントロール335が含まれている。図18は、図17の状態画面331を拡大した場合を示す。図18では、図17の状態画面331に含まれている拡大コントロール335によって拡大された場合に選択されたシステム又は装置に含まれる蓄電モジュール群LのSOCを、コンテナC単位で棒グラフ状に示すグラフィックオブジェクト332を含んでいる。棒グラフ状に限らず、円グラフ、時系列のSOC分布を示す二次元グラフが表示されてもよい。図18に示す例では、異常な状態の蓄電モジュール群Lを含むコンテナCについて、SOCを示す数値と共に異常内容を表すテキストを含む吹き出しが表示されると共に、異常内容に対応するアイコンが表示されている。状態画面331は、コンテナC夫々に、カーソル等のポインティングが重畳した場合に、コンテナCに含まれる蓄電モジュール群LのSOCを夫々数値又は描画して出力してもよい。
【0087】
図19は、状態画面331の他の例を示す。図19では、グラフィックオブジェクト332は、選択されたシステム又は装置の範囲をカバーする形及び色で描画された図形である。図19におけるグラフィックオブジェクト332は、異常ありを示す色で描画されている。コンテナC夫々の状態に応じてグラデーションで描画されてもよい。この場合、異常を示す蓄電モジュール群Lを含むコンテナCが写っている範囲に重畳している部分は赤、橙等の暖色系、正常な蓄電モジュール群Lを含むコンテナCが写っている範囲に重畳する部分は青、緑等の寒色系の色で描画されるようにしてもよい。
【0088】
図20は、状態画面331の他の例を示す。図20は、図8の切替インタフェース333の内、「平面図」のアイコンが選択された場合に表示される画像Kの例を示している。状態画面331の切替インタフェース333によって画像Kが写真画像から平面図に変更された場合も、「XY市メガソーラーシステム」の「平面図」として記憶してある画像Kに対応付けて記憶してある相対位置に基づいて、グラフィックオブジェクト332が表示されている。
【0089】
図21は、状態画面331の他の一例を示す図である。図13では、図8の切替インタフェース333の内、「3D」のアイコンが選択された場合に表示される画像Kの例を示している。状態画面331の切替インタフェース333によって画像Kが写真画像から3D、即ち3次元画像に変更された場合も、「XY市メガソーラーシステム」の「三次元画像」として記憶してある画像Kに対応付けて記憶してある相対位置に基づいて、グラフィックオブジェクト332が表示されている。
【0090】
このようにして、クライアント装置3を使用する保守担当者又は管理者が権限を有するシステム又は装置の一覧からいずれかを選択した場合に表示されるWebページには、全体の状態及び異常の有無を示すグラフィックオブジェクト332を含む状態画面331が表示される。これにより、保守担当者又は管理者はシステム全体の状態を視覚から直感的に把握することができる。状態画面331は、例えば図5及び図6のフローチャートに示した処理手順により、画面のリフレッシュの都度に更新され、保守担当者又は管理者は逐次状態を把握することができる。
【0091】
上述の実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の範囲は、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0092】
上述の実施の形態では、状態画面において蓄電素子の状態をグラフィックにより示したが、電源関連装置の状態をグラフィックにより示してもよい。例えば、図1の、充放電器Uの状態をグラフィックにより示すとともに、系統連系ユニットDの状態をグラフィックにより示してもよい。それらグラフィックは、充放電器U及び系統連系ユニットが設置される施設や場所の画像に重畳されて表示されてもよい。系統連系ユニットが、蓄電素子及びパワーコンディショナ(電力変換器)を含む場合、系統連系の状態、蓄電素子の状態、パワーコンディショナの状態などを、グラフィックにより示してもよい。
蓄電素子及び電源関連装置が相互に関連して動作しているシステムでは、一括表示によって、蓄電素子及び電源関連装置の状態把握がより効率的になる。また、電力に関する異なる監視対象の状態を、共通の画像上に一括表示させることで、システム全体の保守(計画的な保守、予防保守を含む)が行ない易くなる。従来、蓄電素子及び電源関連装置を含むシステムの保守では、システムに含まれる蓄電素子自体又は電源関連装置夫々に独立して開発された保守支援システムを利用していた。それら保守支援システムは、使用方法も表示態様も統一感がなく、保守管理が煩雑だった。本明細書に開示された技術により、運用性・保守性が著しく向上する。
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