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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】非接触給電式電気器具
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/12 20160101AFI20220117BHJP
   A47J 27/00 20060101ALI20220117BHJP
【FI】
H02J50/12
A47J27/00 104Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018126913
(22)【出願日】2018-07-03
(65)【公開番号】P2020010434
(43)【公開日】2020-01-16
【審査請求日】2020-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】519044184
【氏名又は名称】株式会社ベルデザイン
(74)【代理人】
【識別番号】100076255
【弁理士】
【氏名又は名称】古澤 俊明
(72)【発明者】
【氏名】田子 學
(72)【発明者】
【氏名】岡部 耕平
【審査官】宮本 秀一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/089178(WO,A1)
【文献】特表2014-504167(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J27/00-27/13
A47J27/20-29/06
A47J33/00-36/42
H02J7/00-7/12
H02J7/34-7/36
H02J50/00-50/90
H05B39/00-39/10
H05B45/00-45/58
H05B47/00-47/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給電コイルを内蔵した給電台と、前記給電コイルから無接触受電する受電コイルを内蔵した加熱容器とからなる非接触給電式電気器具において、
前記加熱容器は、前記給電コイルと前記受電コイルが対峙した状態で前記給電台に載せられ、前記加熱容器に、前記受電コイルの受電電力で前記加熱容器の内容物を加熱する電熱線と、この電熱線に受電電力を供給する電力供給回路と、前記加熱容器の略回動中心位置に設けられ、この加熱容器の回動角度と回動方向を出力するジャイロセンサーと、このジャイロセンサーの出力により前記電力供給回路の電力供給を制御するマイコンとを具備し、
前記マイコンに、前記給電コイルと前記受電コイルが対峙した状態の前記加熱容器の現状位置を記憶する不揮発性メモリを接続し、前記加熱容器を前記給電台に載せたとき、前記不揮発性メモリに記憶されているデータにより前記加熱容器を前記給電台から外した時の状態にリセットされるようにしたことを特徴とする非接触給電式電気器具。
【請求項2】
前記加熱容器に、内容物の温度を計測する温度センサーを具備し、
前記マイコンは、前記ジャイロセンサーの設定値と前記温度センサーの温度上昇曲線に伴う検出値とを比較し、この比較出力で前記電力供給回路の電力供給を制御することを特徴とする請求項1記載の非接触給電式電気器具。
【請求項3】
前記加熱容器に、内容物の温度を計測する温度センサーを具備し、
前記マイコンは、前記ジャイロセンサーの設定値と前記温度センサーの温度下降曲線に伴う検出値とを比較し、この比較出力で前記電力供給回路の電力供給を制御することを特徴とする請求項1記載の非接触給電式電気器具。
【請求項4】
給電コイルを内蔵した給電台と、前記給電コイルから無接触受電する受電コイルを内蔵した加熱容器とからなる非接触給電式電気器具において、
前記加熱容器は、前記給電コイルと前記受電コイルが対峙した状態で前記給電台に載せられ、前記加熱容器に、前記受電コイルの受電電力で前記加熱容器の内容物を加熱する電熱線と、この電熱線に受電電力を供給する電力供給回路と、前記加熱容器の略回動中心位置に設けられ、この加熱容器の間欠的な回動回数を出力するジャイロセンサーと、このジャイロセンサーの出力により前記電力供給回路の前記電熱線加熱用電力供給を制御するマイコンとを具備し、
前記マイコンに、前記給電コイルと前記受電コイルが対峙した状態の前記加熱容器の現状位置を記憶する不揮発性メモリを接続し、前記加熱容器を前記給電台に載せたとき、前記不揮発性メモリに記憶されているデータにより前記加熱容器を前記給電台から外した時の状態にリセットされるようにしたことを特徴とする非接触給電式電気器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具、加熱器具、スピーカーなどの受電コイルを内蔵した電気器具そのものを回動することでボタンやタッチパネルなど無しで種々の制御を可能にした非接触給電式電気器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から非接触給電式電気器具がよく知られている(特許文献1及び特許文献2)。
特許文献1に記載されている卓上ランプは、卓上ランプのアームの上端からランプと2次コイルが吊り下げられ、アームの途中に取り付けた1次コイルの位置を変更してランプの明るさを調整している。
【0003】
特許文献2に記載の非接触給電式電気器具は、テーブルや棚に設置された給電コイルとテーブルや棚に据え置かれた電気器具の受電コイルが略平衡状態となるように、受電コイルを回転支持部材内で軸回りに回動して電力の供給を効率よくしようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特表2006-523363号公報。
【文献】特開2012-29510号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されている発明は、1次コイルと2次コイルの距離を変化させて明るさを変化させるものであるから、距離を変化させる構成が複雑になる。
また、特許文献2に記載されている発明は、給電コイルと受電コイルが略平衡状態となっているかどうかを確認することが困難であるばかりか、照明器具の明るさを調整することが困難である。
【0006】
本発明は、給電コイルを内蔵した給電台上で受電コイルを内蔵した電気器具を回動することで、ボタンやタッチパネルなど無しで電気器具の出力を種々制御可能にしたものを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の非接触給電式電気器具は、
給電コイル13を内蔵した給電台27と、前記給電コイル13から無接触受電する受電コイル14を内蔵した加熱容器30とからなる非接触給電式電気器具において、
前記加熱容器30は、前記給電コイル13と前記受電コイル14が対峙した状態で前記給電台27に載せられ、前記加熱容器30に、前記受電コイル14の受電電力で前記加熱容器30の内容物35を加熱する電熱線18aと、この電熱線18aに受電電力を供給する電力供給回路19と、前記加熱容器30の略回動中心位置に設けられ、この加熱容器30の回動角度と回動方向を出力するジャイロセンサー21と、このジャイロセンサー21の出力により前記電力供給回路19の前記電熱線加熱用電力供給を制御するマイコン20とを具備し、
前記マイコン20に、前記給電コイル13と前記受電コイル14が対峙した状態の前記加熱容器30の現状位置を記憶する不揮発性メモリ23を接続し、前記加熱容器30を前記給電台27に載せたとき、前記不揮発性メモリ23に記憶されているデータにより前記加熱容器30を前記給電台27から外した時の直前の状態にリセットされるようにしたことを特徴とする。
【0008】
前記加熱容器30に、内容物の温度を計測する温度センサー22を具備し、
前記マイコン20は、前記ジャイロセンサー21の設定値と前記温度センサー22の温度上昇曲線に伴う検出値とを比較し、この比較出力で前記電力供給回路19の電力供給を制御することを特徴とする。
【0009】
前記加熱容器30に、内容物の温度を計測する温度センサー22を具備し、
前記マイコン20は、前記ジャイロセンサー21の設定値と前記温度センサー22の温度下降曲線に伴う検出値とを比較し、この比較出力で前記電力供給回路19の電力供給を制御することを特徴とする。
【0010】
給電コイル13を内蔵した給電台27と、前記給電コイル13から無接触受電する受電コイル14を内蔵した加熱容器30とからなる非接触給電式電気器具において、
前記加熱容器30は、前記給電コイル13と前記受電コイル14が対峙した状態で前記給電台27に載せられ、前記加熱容器30に、前記受電コイル14の受電電力で前記加熱容器30の内容物35を加熱する電熱線18aと、この電熱線18aに受電電力を供給する電力供給回路19と、前記加熱容器30の略回動中心位置に設けられ、この加熱容器30の間欠的な回動回数を出力するジャイロセンサー21と、このジャイロセンサー21の出力により前記電力供給回路19の前記電熱線加熱用電力供給を制御するマイコン20とを具備し、
前記マイコン20に、前記給電コイル13と前記受電コイル14が対峙した状態の前記加熱容器30の現状位置を記憶する不揮発性メモリ23を接続し、前記加熱容器30を前記給電台27に載せたとき、前記不揮発性メモリ23に記憶されているデータにより前記加熱容器30を前記給電台27から外した時の直前の状態にリセットされるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、
給電コイルを内蔵した給電台と、前記給電コイルから無接触受電する受電コイルを内蔵した加熱容器とからなる非接触給電式電気器具において、
前記加熱容器は、前記給電コイルと前記受電コイルが対峙した状態で前記給電台に載せられ、前記加熱容器に、前記受電コイルの受電電力で前記加熱容器の内容物を加熱する電熱線と、この電熱線に受電電力を供給する電力供給回路と、前記加熱容器の略回動中心位置に設けられ、この加熱容器の回動角度と回動方向を出力するジャイロセンサーと、このジャイロセンサーの出力により前記電力供給回路の電力供給を制御するマイコンとを具備し、
前記マイコンに、前記給電コイルと前記受電コイルが対峙した状態の前記加熱容器の現状位置を記憶する不揮発性メモリを接続し、前記加熱容器を前記給電台に載せたとき、前記不揮発性メモリに記憶されているデータにより前記加熱容器を前記給電台から外した時の直前の状態にリセットされるようにしたので、前記加熱容器を、前記給電コイルと受電コイルが対峙した状態で回動するだけで、タッチパネルなど無しで加熱温度の制御を可能にしている。また、ジャイロセンサーを装着するだけで簡単な構成で確実に制御できる。
また、給電台の中心位置に加熱器具を載せると、マイコンの不揮発性メモリに記憶されているデータにより加熱器具を給電台から外した時の直前の状態にリセットされる。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、
前記加熱容器に、内容物の温度を計測する温度センサーを具備し、
前記マイコンは、前記ジャイロセンサーの設定値と前記温度センサーの温度上昇曲線に伴う検出値とを比較し、この比較出力で前記電力供給回路の電力供給を制御するようにしたので、内容物の温度上昇には、時間を要するが、マイコンによるジャイロセンサーの設定値と温度センサーの検出値の比較は、温度上昇曲線等で判断される。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、
前記加熱容器に、内容物の温度を計測する温度センサーを具備し、
前記マイコンは、前記ジャイロセンサーの設定値と前記温度センサーの温度下降曲線に伴う検出値とを比較し、この比較出力で前記電力供給回路の電力供給を制御するようにしたので、内容物の温度下降には、時間を要するが、マイコンによるジャイロセンサーの設定値と温度センサーの検出値の比較は、温度下降曲線等で判断される。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、
給電コイルを内蔵した給電台と、前記給電コイルから無接触受電する受電コイルを内蔵した加熱容器とからなる非接触給電式電気器具において、
前記加熱容器は、前記給電コイルから前記受電コイルへ電力を受電状態で対峙して前記給電台に載せられ、前記加熱容器に、この加熱容器の内容物を加熱する電熱線と、この電熱線に受電電力を供給する電力供給回路と、前記加熱容器の略回動中心位置に設けられ、この加熱容器の間欠的な回動回数を出力するジャイロセンサーと、このジャイロセンサーの出力により前記電力供給回路の前記電熱線加熱用電力供給を制御するマイコンとを具備し、
前記マイコンに、前記給電台に対峙した前記加熱容器の現状位置を記憶する不揮発性メモリを接続し、前記加熱容器を前記給電台に載せたとき、前記不揮発性メモリに記憶されているデータにより前記加熱容器を前記給電台から外した時の直前の状態にリセットされるようにしたので、
加熱容器を間欠的に回動したときその回数をジャイロセンサーで検出して、その回数に応じて所定の温度に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明による非接触給電式電気器具の電気回路の実施例1を示すブロック図である。
図2】本発明による非接触給電式電気器具の角度調整状態の平面図である。
図3】本発明による非接触給電式電気器具が加熱器具である場合の断面図である。
図4】本発明による非接触給電式電気器具が照明器具である場合の電気回路の実施例2を示すブロック図である。
図5】本発明による非接触給電式電気器具が照明器具である場合の明るさの調整を示す波形図である。
図6】本発明による非接触給電式電気器具が照明器具である場合の電気回路の実施例3を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の非接触給電式電気器具は、
給電コイル13を内蔵した給電台27と、前記給電コイル13から無接触受電する受電コイル14を内蔵した加熱容器30とからなる非接触給電式電気器具において、
前記加熱容器30は、前記給電コイル13から前記受電コイル14へ電力を受電状態で対峙して前記給電台に載せられ、前記加熱容器30に、この加熱容器30の内容物35を加熱する電熱線18aと、この電熱線18aに受電電力を供給する電力供給回路19と、前記加熱容器30の略回動中心位置に設けられ、この加熱容器30の回動角度と回動方向を出力するジャイロセンサー21と、このジャイロセンサー21の出力により前記電力供給回路19の前記電熱線加熱用電力供給を制御するマイコン20とを具備し、
前記マイコン20に、前記給電台27に対峙した前記加熱容器30の現状位置を記憶する不揮発性メモリ23を接続し、前記加熱容器30を前記給電台27に載せたとき、前記不揮発性メモリ23に記憶されているデータにより前記加熱容器30を前記給電台27から外した時の直前の状態にリセットされるように構成する。
【0019】
前記加熱容器30に、内容物の温度を計測する温度センサー22を具備し、
前記マイコン20は、前記ジャイロセンサー21の設定値と前記温度センサー22の温度上昇曲線に伴う検出値とを比較し、この比較出力で前記電力供給回路19の電力供給を制御する
【0020】
前記加熱容器30に、内容物の温度を計測する温度センサー22を具備し、
前記マイコン20は、前記ジャイロセンサー21の設定値と前記温度センサー22の温度下降曲線に伴う検出値とを比較し、この比較出力で前記電力供給回路19の電力供給を制御する
【0021】
給電コイル13を内蔵した給電台27と、前記給電コイル13から無接触受電する受電コイル14を内蔵した加熱容器30とからなる非接触給電式電気器具において、
前記加熱容器30は、前記給電コイル13から前記受電コイル14へ電力を受電状態で対峙して前記給電台に載せられ、前記加熱容器30に、この加熱容器30の内容物35を加熱する電熱線18aと、この電熱線18aに受電電力を供給する電力供給回路19と、前記加熱容器30の略回動中心位置に設けられ、この加熱容器30の間欠的な回動回数を出力するジャイロセンサー21と、このジャイロセンサー21の出力により前記電力供給回路19の前記電熱線加熱用電力供給を制御するマイコン20とを具備し、
前記マイコン20に、前記給電台27に対峙した前記加熱容器30の現状位置を記憶する不揮発性メモリ23を接続し、前記加熱容器30を前記給電台27に載せたとき、前記不揮発性メモリ23に記憶されているデータにより前記加熱容器30を前記給電台27から外した時の直前の状態にリセットされるように構成する。
【実施例1】
【0023】
以下、本発明の実施例1を図1に基づき説明する。
交流電源10は、整流回路11で整流され、インバータ回路12で高周波信号に変換され、給電コイル13に印加される。これらの回路は、後述する給電台27に内蔵される。
【0024】
前記給電コイル13に磁気結合している受電コイル14は、電磁誘導と、共振用コンデンサ15との磁場共振作用により、電力が伝導される。この受電コイル14で受電した高周波の電力は、整流回路16で整流され、平滑用コンデンサ17で平滑化されてMOS-FETなどのスイッチ回路からなる電力供給回路19を介して負荷18(実施例1では、マグカップなどの加熱器具の電熱線18a)に接続されている。
前記負荷18が電熱線18aである場合、前記電力供給回路19の開閉を制御するマイコン20を内蔵している。このマイコン20には、電気器具本体30の内容物の温度を計測する温度センサー22と、電気器具本体30の角速度を検出するジャイロセンサー21が接続され、また、無線通信モジュール25と無線で結合される。前記マイコン20には、電気器具本体30の現状位置を記憶する不揮発性メモリ23が接続されている。
これらの回路は、後述する電気器具本体30としての加熱器具又は照明器具に内蔵される。その他、スピーカーなどで、音量と音質を変化する場合などに利用できる。
【0025】
前記電気器具本体30を載せて給電する給電台27の具体的構成を表す図3において、前記給電台27は、厚さが10~15mm程度と薄く、直径が100~200mm程度であり、この給電台27の内部には、前記整流回路11とインバータ回路12と給電コイル13が内蔵され、ACプラグ28により交流電源10に接続される。
この例では、前記給電台27をテーブル26の上に載せているが、テーブル26や壁などに埋め込まれているものであってもよい。
【0026】
前記電気器具本体30の外郭は、底板を構成するゴム材33と、プラスチック、木材、磁器・陶器などの外装材31と、この外装材31の内側に配置された電熱線18aと、この電熱線18aの内側の熱伝導の優れた銅材などの内装材32とからなる。前記ゴム材33と前記内装材32の間には、前記受電コイル14が配置され、その上に配線基板34が配置され、前記内装材32には、前記温度センサー22が密接して設けられている。
前記配線基板34には、前記マイコン20が搭載されているとともに、非接触給電制御用電気回路、前記温度センサー22の定温制御用電気回路、前記ジャイロセンサー21の制御用電気回路、前記無線通信モジュール25の後述する無線通信用電気回路36等が搭載され、さらに、前記配線基板34には、前記ジャイロセンサー21が電気器具本体30の略中心位置になるように搭載されている。これらの回路とジャイロセンサー21と温度センサー22と電力供給回路19と無線通信モジュール25は、前記マイコン20で制御される。
【0027】
このような構成において、給電台27の中心位置に電気器具本体30としての加熱器具を載せると、マイコン20の不揮発性メモリ23に記憶されているデータにより電気器具本体30としての加熱器具を給電台27から外した時の直前の状態にリセットされる。
リセット時の電気器具本体30としての加熱器具の内容物35の温度が温度センサー22のセンサー出力により50℃と出力されているものとし、この温度よりも上昇させようとするときは、図2に示すように、電気器具本体30としての加熱器具に手をかけて、右方向にR1の位置まで回動する。すると、ジャイロセンサー21は、電気器具本体30としての加熱器具の角速度を検出し、例えば、中心角15度につき内容物35の温度を5℃上昇させるような信号をマイコン20に出力し、マイコン20は、電力供給回路19を閉じて電熱線18aに電力を供給して加熱する。5℃上昇して温度センサー22から55℃の信号がマイコン20に送られると、マイコン20は、電力供給回路19を開放する。
【0028】
さらに、R2、R3、…と電気器具本体30としての加熱器具を右回りに回動すると、例えば、中心角15度につき内容物35の温度を5℃ずつ上昇させるような信号をマイコン20に出力し、電力供給回路19を閉じて電熱線18aに電力を供給して加熱し、温度センサー22の検出値とジャイロセンサー21の設定値が一致すると、電力供給回路19を開放する。
なお、内容物35の温度上昇には、時間を要するので、マイコン20によるジャイロセンサー21の設定値と温度センサー22の検出値の比較は、温度上昇曲線等で判断することが望ましい。
【0029】
電気器具本体30としての加熱器具の内容物35の温度を下げる時には、図2に示すように、電気器具本体30としての加熱器具に手をかけて、L1、L2、L3、…と左回りに回動すると、例えば、中心角15度につき内容物35の温度を5℃ずつ下降させるような信号をマイコン20に出力し、電力供給回路19を開放して電熱線18aへの電力供給を停止し、温度センサー22の検出値とジャイロセンサー21の設定値が一致するまで電力供給回路19を開放する。内容物35の温度下降には、時間を要するので、マイコン20によるジャイロセンサー21の設定値と温度センサー22の検出値の比較は、温度下降曲線等で判断することが望ましい。
【実施例2】
【0030】
図4は、電気器具本体30としての照明器具である例を示している。
給電台27の上に電気器具本体30としての照明器具を載せると、マイコン20の指令により電力供給回路19を閉じ、マイコン20の不揮発性メモリ23に記憶されているデータにより照明器具を給電台27から外した時の直前の状態にリセットされて点灯する。このとき、電力供給回路19が図5(b)のDuty比d2/d0のパルスでオン・オフして、LEDなどの発光素子18bに電力を供給しているものとする。
電気器具本体30としての照明器具の明るさをより明るくしようとするときは、図2に示すように、電気器具本体30としての照明器具に手をかけて、右方向にR1の位置まで回動する。すると、ジャイロセンサー21は、電気器具本体30としての照明器具の角速度を検出し、例えば、中心角15度につき図5(c)のDuty比d3/d0パルスとするような信号をマイコン20に出力し、マイコン20は、電力供給回路19のオン時間を長くしてLEDなどの発光素子18bに多くの電力を供給し明度を上げる。さらに、R2、R3、…と電気器具本体30としての照明器具を右回りに回動すると、例えば、中心角15度につき所定の明度ずつ上昇させるような信号をマイコン20に出力する。
【0031】
照明器具のLEDなどの発光素子18bの明度を下げる時には、図2に示すように、電気器具本体30としての照明器具に手をかけて、L1、L2、L3、…と左回りに回動すると、例えば、中心角15度につき明度を所定値ずつ下降させるような信号がジャイロセンサー21からマイコン20に送られ、マイコン20から電力供給回路19に図5(a)のようにDuty比d1/d0が小さくなる方向の信号を出力して電力供給を小さくし、LEDなどの発光素子18bが暗くなるように制御する。
【実施例3】
【0032】
前記実施例2では、明度のみを変えるようにしたが、色相をも変える例を実施例3として説明する。
図6において、受電コイル14と共振用コンデンサ15と整流回路16と平滑用コンデンサ17は、図1及び図4と変わるところはない。また、図6では、安定化回路24とコンデンサ37を追加したが、これらは、図1及び図4においても追加することができる。
図6で特徴的なところは、LEDなどの発光素子18bが赤色発光素子18R(Red・赤)と緑色発光素子18G(Green・緑)と青色発光素子18B(Blue・青)の光の3原色を発光するLED素子からな。これらの組み合わせの選択は、無線通信モジュール25から無線で信号を送ると、無線通信用電気回路36で受信し、マイコン20からの指令で目的の色相が得られ、また、電気器具本体30内のジャイロセンサー21の回動角度で目的の明度が得られる。
【0033】
例えば、最高輝度の白色を再現したい場合には、無線通信モジュール25で赤色発光素子18Rと緑色発光素子18Gと青色発光素子18Bを選択し、電ジャイロセンサー21で赤色用電力供給回路19Rと緑色用電力供給回路19Gと青色用電力供給回路19Bを選択して、Duty比をすべて100%に設定すればよい。
また、色相を黄色にして、輝度を半分に減らしたい場合には、無線通信モジュール25にて赤色発光素子18Rと緑色発光素子18Gと青色発光素子18Bを選択して、ジャイロセンサー21で赤色用電力供給回路19RのDuty比を100%、緑色用電力供給回路19GのDuty比を100%、青色用電力供給回路19BのDuty比を0%に設定する。
同様にして、目的の色相に設定するには、無線通信モジュール25による赤色発光素子18Rと緑色発光素子18Gと青色発光素子18Bの組み合わせの選択と、ジャイロセンサー21による赤色用電力供給回路19Rと、緑色用電力供給回路19Gと、青色用電力供給回路19BのDuty比の組み合わせの設定により無限の組み合わせの色相と明度を設定することができる。
【0034】
前記実施例1と2と3において、加熱器具又は照明器具としての電気器具本体30を所定角度回動したときその角度をジャイロセンサー21で検出して、所定の温度又は明度に制御するようにしたが、これに限られるものではなく、電気器具本体30を間欠的に回動したときその回数をジャイロセンサー21で検出して、その回数に応じて所定の温度又は明度に制御するようにしてもよい。
また、給電台27の上で電気器具本体30が接触しながら回動する場合に限らず、わずかに浮かして回動するものであってもよく、さらに、給電台27が水平面に限らず、傾斜面でもよく、要するに、給電台27の給電コイル13と電気器具本体30の受電コイル13が対峙しながら回動するものであればよい。
【符号の説明】
【0035】
10…交流電源、11…整流回路、12…インバータ回路、13…給電コイル、14…受電コイル、15…共振用コンデンサ、16…整流回路、17…平滑用コンデンサ、18…負荷、19…電力供給回路、20…マイコン、21…ジャイロセンサー、22…温度センサー、23…不揮発性メモリ、24…安定化回路、25…無線通信モジュール、26…テーブル、27…給電台、28…ACプラグ、29…配線基板、30…電気器具本体、31…外装材、32…内装材、33…ゴム材、34…配線基板、35…内容物、36…無線通信用電気回路、37…コンデンサ、38…保護抵抗3。
図1
図2
図3
図4
図5
図6