(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20220117BHJP
【FI】
A63F7/02 320
(21)【出願番号】P 2016116527
(22)【出願日】2016-06-10
【審査請求日】2019-06-05
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000241234
【氏名又は名称】豊丸産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104178
【氏名又は名称】山本 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100213687
【氏名又は名称】平松 大輝
(72)【発明者】
【氏名】小堀 将人
(72)【発明者】
【氏名】澤田 泰典
【審査官】廣瀬 貴理
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-094243(JP,A)
【文献】特開2012-135414(JP,A)
【文献】特開2015-126797(JP,A)
【文献】特開2012-223378(JP,A)
【文献】特開2012-147973(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤上に設けられた始動口への遊技球の通過を検出する検出手段と、
前記検出手段によって遊技球の通過が検出されたことに起因して、遊技者にとって有利な大当たり遊技を実行する大当たりであるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって大当たりと判定された場合に、前記大当たり遊技を実行する遊技実行手段と、
前記大当たり遊技が終了されてから所定の条件が満たされるまでの間の遊技状態である特定遊技状態を生起する生起手段と、
前記判定手段による判定の結果を遊技者に報知する演出である報知演出において、前記特定遊技状態が生起されている場合に実行される演出である第一特定演出の演出パターンである複数の第一特定演出パターンのうち、いずれかを前記判定手段による判定の結果に応じて決定する第一決定手段と、
前記第一決定手段によって決定された前記第一特定演出パターンに基づいて、前記第一特定演出を実行する第一演出実行手段と、
前記大当たり遊技の実行中に実行される演出である第二特定演出の演出パターンである複数の第二特定演出パターンのうち、いずれかを決定する第二決定手段と、
前記第二決定手段によって決定された前記第二特定演出パターンに基づいて、前記第二特定演出を実行する第二演出実行手段と、
演出用のキャラクタを複数記憶するキャラクタ記憶手段と、
前記複数のキャラクタのうち、演出に用いられる前記キャラクタである特定キャラクタを選択する選択手段と、
前記選択手段によって選択された前記特定キャラクタの種類数を示す種類カウンタ値をカウントするカウント手段と
を備え、
前記複数の第一特定演出パターンは、前記選択手段によって選択された前記特定キャラクタが特定の条件を満たすことを示す態様で行われるキャラクタ演出パターン
と、前記特定キャラクタとは異なる前記キャラクタである割込キャラクタが前記特定の条件を満たすことを示す態様で行われる割込キャラクタ演出パターンとを含み、
前記複数の第二特定演出パターンは、前記キャラクタ演出パターンと、前記キャラクタ演出パターンとは異なる通常演出パターンとを含み、
前記キャラクタ記憶手段は、前記複数のキャラクタを、前記種類カウンタ値とそれぞれ対応付けて記憶し、
前記選択手段は、
前記第一決定手段または前記第二決定手段によって前記キャラクタ演出パターンが決定された場合に前記カウント手段によってカウントされた前記種類カウンタ値に対応付けられた前記キャラクタを、前記特定キャラクタとして選択
し、前記第一決定手段によって前記割込キャラクタ演出パターンが決定された場合に前記割込キャラクタを選択し、
前記第一決定手段によって前記割込キャラクタ演出パターンが決定される場合の方が、前記第一決定手段によって前記キャラクタ演出パターンが決定される場合よりも、前記判定手段によって大当たりと判定される確率が高い
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技者にとって有利度が異なる前記大当たり遊技を複数記憶する大当たり遊技記憶手段と、
前記判定手段によって大当たりと判定された場合に、複数の前記大当たり遊技のいずれかを決定する第三決定手段とを備え、
前記第二決定手段は、
前記第三決定手段によって、前記複数の大当たり遊技のうち遊技者にとって最も有利な特定大当たり遊技が決定された場合、前記複数の第二特定演出パターンからいずれかを決定し、
前記第三決定手段によって、前記複数の大当たり遊技のうち前記特定大当たり遊技以外の大当たり遊技が決定された場合、前記通常演出パターンを決定することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の演出を実行する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の演出を実行する遊技機が知られている。例えば特許文献1に記載の遊技機では、通常演出、または通常演出とは異なる態様の第一特定演出が変動表示装置に表示される。第一特定演出は、大当たり遊技が終了してから確変状態の終了等の所定条件を満たすまでの間において、通常演出に代えて実行される。
【0003】
また、特許文献2に記載の遊技機では、特図当たりに連続して当選した回数のカウント値(以下、「連荘回数」という。)とあらかじめ対応付けられた所定演出が複数用意されている。大当たり遊技後の所定の遊技区間において特図当たりに当選した場合には、連荘回数が「1」増える。一方、所定の遊技区間以外の区間において特図当たりに当選した場合、連荘回数が「0」となる。特図当たりに連続して当選した回数のカウント値に対応する所定演出が大当たり遊技中に演出表示装置に表示されるよう制御される。この遊技機は、連荘回数に応じた所定演出を行うことにより、例えば同じ所定演出を連続して実行することなく、数多くの第二特定演出を遊技者に見せることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-223233号公報
【文献】特開2015-163376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の遊技機では、例えば同じ第一特定演出が実行された場合、第一特定演出に対する遊技者の興趣が低下する。ここで、第一特定演出を連荘回数とあらかじめ対応付けて複数用意することが考えられる。しかし、特許文献2に記載の遊技機は、所定の遊技区間が終了した後に特図当たりに当選すると連荘回数が「0」となる。このため、第一特定演出をあらかじめ連荘回数と対応付けて複数用意したとしても、例えば所定の遊技区間において特図当たりに当選する確率が低い場合、数多くの第一特定演出を遊技者に見せることが困難である。この場合、見たことのない演出を見ることに対する遊技者の期待感が削がれるという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、見たことのない演出を見ることに対する期待感を遊技者に与えることができる遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る遊技機は、遊技盤上に設けられた始動口への遊技球の通過を検出する検出手段と、前記検出手段によって遊技球の通過が検出されたことに起因して、遊技者にとって有利な大当たり遊技を実行する大当たりであるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段によって大当たりと判定された場合に、前記大当たり遊技を実行する遊技実行手段と、前記大当たり遊技が終了されてから所定の条件が満たされるまでの間の遊技状態である特定遊技状態を生起する生起手段と、前記判定手段による判定の結果を遊技者に報知する演出である報知演出において、前記特定遊技状態が生起されている場合に実行される演出である第一特定演出の演出パターンである複数の第一特定演出パターンのうち、いずれかを前記判定手段による判定の結果に応じて決定する第一決定手段と、前記第一決定手段によって決定された前記第一特定演出パターンに基づいて、前記第一特定演出を実行する第一演出実行手段と、前記大当たり遊技の実行中に実行される演出である第二特定演出の演出パターンである複数の第二特定演出パターンのうち、いずれかを決定する第二決定手段と、前記第二決定手段によって決定された前記第二特定演出パターンに基づいて、前記第二特定演出を実行する第二演出実行手段と、演出用のキャラクタを複数記憶するキャラクタ記憶手段と、前記複数のキャラクタのうち、演出に用いられる前記キャラクタである特定キャラクタを選択する選択手段と、前記選択手段によって選択された前記特定キャラクタの種類数を示す種類カウンタ値をカウントするカウント手段とを備え、前記複数の第一特定演出パターンは、前記選択手段によって選択された前記特定キャラクタが特定の条件を満たすことを示す態様で行われるキャラクタ演出パターンと、前記特定キャラクタとは異なる前記キャラクタである割込キャラクタが前記特定の条件を満たすことを示す態様で行われる割込キャラクタ演出パターンとを含み、前記複数の第二特定演出パターンは、前記キャラクタ演出パターンと、前記キャラクタ演出パターンとは異なる通常演出パターンとを含み、前記キャラクタ記憶手段は、前記複数のキャラクタを、前記種類カウンタ値とそれぞれ対応付けて記憶し、前記選択手段は、前記第一決定手段または前記第二決定手段によって前記キャラクタ演出パターンが決定された場合に前記カウント手段によってカウントされた前記種類カウンタ値に対応付けられた前記キャラクタを、前記特定キャラクタとして選択し、前記第一決定手段によって前記割込キャラクタ演出パターンが決定された場合に前記割込キャラクタを選択し、前記第一決定手段によって前記割込キャラクタ演出パターンが決定される場合の方が、前記第一決定手段によって前記キャラクタ演出パターンが決定される場合よりも、前記判定手段によって大当たりと判定される確率が高い。
【0008】
上記態様によれば、遊技機は、報知演出において、特定遊技状態が生起されている場合に、選択された特定キャラクタが特定の条件を満たすことを示す態様で行われるキャラクタ演出パターンに基づいて第一特定演出を実行できる。また、遊技機は、大当たり遊技の実行中には、キャラクタ演出パターンまたは通常演出パターンに基づいて第二特定演出を実行できる。例えば所定のキャラクタが登場するキャラクタ演出パターンに基づいて実行される第一特定演出を見たことのない遊技者は、大当たり遊技中に、そのキャラクタが登場するキャラクタ演出パターンに基づいて、第二特定演出が実行されることを期待する。従って、遊技機は、見たことのない演出を見ることに対する期待感を遊技者に与えることができる。また、第一特定演出パターンのうちキャラクタ演出パターンが決定される確率と、第二特定演出パターンのうちキャラクタ演出パターンが決定される確率とをそれぞれ調整することで、種類カウンタ値が所定の値に達する確率を容易に調整できる。さらに、遊技機は、割込キャラクタを有効活用できる。
【0009】
本発明に係る遊技機は、遊技者にとって有利度が異なる前記大当たり遊技を複数記憶する大当たり遊技記憶手段と、前記判定手段によって大当たりと判定された場合に、複数の前記大当たり遊技のいずれかを決定する第三決定手段とを備え、前記第二決定手段は、前記第三決定手段によって、前記複数の大当たり遊技のうち遊技者にとって最も有利な特定大当たり遊技が決定された場合、前記複数の第二特定演出パターンからいずれかを決定し、前記第三決定手段によって、前記複数の大当たり遊技のうち前記特定大当たり遊技以外の大当たり遊技が決定された場合、前記通常演出パターンを決定してもよい。この場合、複数の大当たり遊技のうち特定大当たり遊技が決定されると、複数の第二特定演出パターンからいずれかが決定される。すなわち、キャラクタ演出パターンが決定され得る。一方で、複数の大当たり遊技のうち特定大当たり遊技以外の大当たり遊技が決定されると、通常演出パターンが決定される。すなわち、キャラクタ演出パターンは決定され得ない。よって、特定大当たり遊技が決定された場合においてのみ、キャラクタ演出パターンが決定される可能性がある。遊技者は、キャラクタ演出パターンに基づいて第二特定演出が実行されることを期待して、大当たり遊技中の演出を楽しむことができる。従って、遊技機は、大当たり遊技中の演出についての遊技者の関心を高めることができる。
【0010】
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図3】遊技機1の電気的構成を示すブロック図である。
【
図4】RAM52の第一大当たり関係情報記憶エリアを示す概念図である。
【
図5】ROM53に記憶されている特別図柄決定テーブルの概念図である。
【
図6】ROM53に記憶されている通常変動パターン決定テーブルの概念図である。
【
図7】ROM53に記憶されている転落当選変動パターン決定テーブルの概念図である。
【
図8】ROM53に記憶されている大当たり演出パターン決定テーブルの概念図である。
【
図9】ROM583に記憶されているキャラクタ選択テーブルの概念図である。
【
図10】報知演出において実行される第一バトル勝利演出および発光演出の演出態様を説明するための図である。
【
図11】大当たり演出において実行される第一バトル勝利演出および発光演出の演出態様を説明するための図である。
【
図12】大当たり演出において実行されるキャラクタ選択演出の演出態様を説明するための図である。
【
図13】主制御基板41で実行されるメイン処理のフローチャートである。
【
図14】メイン処理の中で行われる特別図柄処理のフローチャーチである。
【
図15】メイン処理の中で行われる特別図柄処理のフローチャーチである。
【
図16】メイン処理の中で行われる特別図柄処理のフローチャーチである。
【
図17】特別図柄処理の中で行われる大当たり判定処理のフローチャートである。
【
図18】特別図柄処理の中で行われる遊技状態移行処理のフローチャートである。
【
図19】サブ制御基板58で実行されるサブ制御基板処理のフローチャートである。
【
図20】サブ制御基板処理の中で行われる報知演出制御処理のフローチャートである。
【
図21】サブ制御基板処理の中で行われる大当たり演出制御処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一実施形態である遊技機1について、図面を参照して説明する。以下の説明では、
図1の手前側、奥側、上側、下側、左側、右側を、それぞれ、遊技機1の前側(正面側)、後側(背面側)、上側、下側、左側、右側とする。
【0013】
図1および
図2を参照して、遊技機1の概略構成を説明する。
図1に示すように、遊技機1の上半分の部分には遊技盤2が設けられる。遊技盤2は正面視略正方形であり(
図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠13によって前面を保護される。遊技盤2の下部には上皿5が設けられる。上皿5は、発射機に遊技球を供給し、かつ賞品球を受ける。上皿5の上部中央には、遊技者によって操作される操作ボタン9が配設される。上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられる。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられる。前面枠13の上部の左右の角には、スピーカ48がそれぞれ設けられる。
【0014】
図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成される。発射装置37(
図3参照)によって発射された遊技球は、ガイドレール3によって遊技領域4へ導かれ、遊技領域4内を流下する。遊技領域4は、発射ハンドル7の発射強度に応じて、遊技球が流下する度合いを互いに異にする第一遊技領域4Lと第二遊技領域4Rとを備える。第一遊技領域4Lは、遊技機1に正対した遊技者から見て遊技領域4の左側に位置し、第二遊技領域4Rは、遊技者から見て遊技領域4の右側に位置している。ガイドレール3は遊技領域4の左側に形成されている。発射ハンドル7によって所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球は、第二遊技領域4Rを流下し(矢印R参照)、所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は第一遊技領域4Lを流下する(矢印L参照)。以下、矢印Lに示すように遊技球を発射することを「左打ち」と、矢印Rに示すように遊技球を発射することを「右打ち」という。
【0015】
遊技領域4の略中央には、LCD(液晶ディスプレイ)等で構成された表示装置28が配設される。表示装置28は、動画、メッセージ等の遊技に関する様々な映像を表示可能な表示面を有する。特に、表示装置28は、大当たり判定の結果を報知するための演出図柄を表示する。遊技機1は、複数(本実施形態では3つ)の図柄を含む演出図柄を変動させた後に、大当たり判定の結果を示す演出図柄の組合せを確定表示させる報知演出を実行することで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する。
【0016】
表示装置28の前方には、正面視で表示装置28の表示面を取り囲むように、センター部材10が設けられる。センター部材10は、可動役物31と発光役物32とを備える。可動役物31は、センター部材10において、表示装置28の上側に設けられる。可動役物31は、可動部を動作させることで、表示装置28、スピーカ48等と連動して、報知演出等の様々な演出を実行する。
【0017】
発光役物32は、複数(本実施形態では、8つ)のキャラクタ部材321A~321Hと複数(本実施形態では、8つ)のLED322A~322H(
図2および
図3参照)とを備える。キャラクタ部材321Aは、センター部材10において、可動役物31の右側に配置される。複数のキャラクタ部材321B~321Hは、センター部材10において、可動役物31の上側に配置される。複数のキャラクタ部材321A~321Hは、遊技機1の演出に用いられる複数のキャラクタの外形をかたどって形成されている。複数のキャラクタ部材321A~321Hの前面には、それぞれ、複数のキャラクタを示す絵が印刷されている。以下、キャラクタ部材321A~321Hがそれぞれ示すキャラクタを、「キャラクタA~H」という。本実施形態では、キャラクタAは、所謂メインキャラクタであり、遊技者の味方である。キャラクタB~Hは、所謂敵キャラクタであり、キャラクタAに対抗する相手方である。
【0018】
LED322A~322Hは、それぞれ、複数のLED素子を有する。LED322A~322Hの複数のLED素子は、それぞれ、複数のキャラクタ部材321A~321Hの外縁に沿って設けられる。LED322A~322Hは、それぞれ独立して発光可能である。LED322A~322Hのいずれかが発光すると、発光したLEDが設けられているキャラクタ部材が他のキャラクタ部材と識別可能な状態になる。発光役物32は、1または複数のLEDを発光させることで、表示装置28、スピーカ48等と連動して、報知演出、後述の発光演出等の様々な演出を実行する。なお、発光役物32は、LED322A~322Hの代わりに、LED以外の発光手段(例えば白熱灯等)を備えてもよい。
【0019】
表示装置28の下方には、第一始動口14が設けられる。表示装置28の右斜め下方には、普通図柄作動ゲート12が設けられる。普通図柄作動ゲート12の下方には、第二始動口15が設けられる。第二始動口15の左斜め下方には、通常アタッカー16が設けられる。第一始動口14の直下に、Vアタッカー17が設けられる。
【0020】
第二始動口15は、開閉部材を備える。第二始動口15の開閉部材が開放状態となると、第二始動口15への遊技球の入賞が容易になる。通常アタッカー16およびVアタッカー17も開閉部材を備える。遊技球は、開閉部材が開放した状態でのみ、通常アタッカー16およびVアタッカー17に入賞できる。各開閉部材はソレノイドによって電気的に開閉される。入賞口である第一始動口14、第二始動口15、通常アタッカー16、およびVアタッカー17に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が払い出される。
【0021】
図示しないが、Vアタッカー17に入賞した遊技球の流路には、特定領域および非特定領域が形成される。遊技機1では、大当たり遊技中に遊技球がVアタッカー17内の特定領域を通過することが、大当たり遊技終了後に確率変動状態(以下、「確変状態」という。)を生起する条件となっている。本実施形態では、Vアタッカー17は1回の大当たり遊技中に1回開放される。Vアタッカー17の開放パターンには、1回の開放動作で最大13秒開放される長時間開放パターンと、最大0.3秒しか開放されない短時間開放パターンとがある。短時間開放パターンの場合には、Vアタッカー17に遊技球が入賞する確率は低い。そして、大当たり遊技の種類には、長時間開放パターンが選択される長時間開放大当たりと、短時間開放パターンが選択される短時間開放大当たりとが設けられる。よって、長時間開放大当たりとなるか否かによって、確変状態が生起される割合は変化する。
【0022】
遊技盤2の右斜め下部には図柄表示部8が設けられる。図柄表示部8は、普通図柄表示部、第一特別図柄表示部、第二特別図柄表示部、普通図柄記憶数表示LED、第一特別図柄記憶数表示LED、および第二特別図柄記憶数表示LEDを備える。普通図柄作動ゲート12を遊技球が通過すると普通当たり判定が行われて、判定結果が普通図柄表示部に表示される。第一始動口14へ遊技球が入賞すると、第一大当たり判定が行われ、判定の結果に応じて複数の特別図柄のうちの1つが第一特別図柄表示部に表示される。第二始動口15へ遊技球が入賞すると、第二大当たり判定が行われ、その判定の結果は第二特別図柄表示部に表示される。
【0023】
普通図柄記憶数表示LEDは、普通図柄作動保留球数を4つまで表示する。普通図柄作動保留球数とは、普通図柄作動ゲート12を通過し、かつ普通図柄表示部に普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である。第一特別図柄記憶数表示LEDは、第一特別図柄作動保留球数を4つまで表示する。第一特別図柄作動保留球数とは、第一始動口14に入賞し、かつ第一大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である。第二特別図柄記憶数表示LEDは、第二特別図柄作動保留球数を4つまで表示する。第二特別図柄作動保留球数とは、第二始動口15に入賞し、かつ第二大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である。さらに、遊技盤2には、上記以外に各種の電飾ランプ、入賞口、風車、および遊技くぎ等が設けられる。
【0024】
次に、遊技機1における遊技の流れについて概略的に説明する。遊技機1には、大当たり遊技および普通当たり遊技が設けられる。遊技機1では、大当たり判定において「大当たり」と判定されると、通常アタッカー16およびVアタッカー17が所定の時間、所定の順序で開放される大当たり遊技が行われる。また、遊技機1では、普通当たり判定において「普通当たり」と判定されると、第二始動口15の開閉部材が所定の時間、所定の回数開放される普通当たり遊技が行われる。なお、遊技機1は、大当たり判定において「小当たり」と判定された場合に、通常アタッカー16を短時間開放する小当たり遊技を実行してもよい。
【0025】
遊技機1は、大当たり判定において「大当たり」と判定される大当たり確率が、約1/320である「非確変状態」と、非確変状態よりも高い約1/100である「確変状態」とを、大当たり遊技の終了後に生起させることができる。また、第二始動口15の開閉部材が開放される割合が、通常の割合である「非時短状態」と、非時短状態よりも第二始動口15の開閉部材が開放される割合が高くなる「時短状態」とを、大当たり遊技の終了後に生起させることができる。本実施形態では、時短状態において普通当たりと判定される確率(本実施形態では99/100)は、非時短状態において普通当たりと判定される確率(本実施形態では4/100)よりも高い。また、普通当たり遊技中の第二始動口15の開閉部材の最大開放時間は、非時短状態(0.2秒)よりも時短状態(4.2秒)の方が長い。さらに、普通図柄の変動時間は、非時短状態における変動時間(本実施形態では10秒)よりも時短状態における変動時間(本実施形態では2秒)の方が短い。遊技機1は、これらの遊技状態の組合せにより、「非確変非時短状態」(以下、「通常状態」という。)、「確変時短状態」、および「非確変時短状態」の3種類の遊技状態を生起する。なお、遊技機1は、本実施形態に限られず、「確変非時短状態」等を含む4種類以上の遊技状態を生起してもよい。また、遊技機1は、2種類以下の遊技状態を生起するものであってもよい。
【0026】
遊技機1では、確変状態において、特別図柄が変動する際に確変状態から非確変状態へ転落するか否かを決定するための転落抽選が行われる。遊技機1では、転落抽選に当選した場合、非確変状態へ移行する。遊技機1において、転落抽選に当選する確率(確変状態から非確変状態に転落する確率)は、約1/200である。遊技機1の確変状態は、転落抽選に当選するまで継続する。
【0027】
ここで、転落抽選は、大当たり判定における大当たりか否かの判定結果に係わらず、確変状態から非確変状態に転落させるか否かを決定するための抽選である。転落抽選は、大当たりか否かを決定するための大当たり乱数とは別に、転落させるか否かを決定するための転落乱数を用いて行われる。また、転落抽選は、遊技機1が確変状態である場合、第一始動口14および第二始動口15のいずれに遊技球が入賞した場合にも、大当たり判定に先だって、特別図柄の変動開始時に行われる。転落抽選の結果、確変状態から非確変状態への転落が決定された場合、当該特別図柄の変動において、非確変状態で大当たり判定が行われる。一方、転落抽選の結果、転落が決定されなかった場合、当該特別図柄の変動において、確変状態で大当たり判定が行われる。すなわち、確変状態では、特別図柄の変動のたびに、転落抽選の後に大当たり判定が行われる。非確変状態では、転落抽選は行われずに、大当たり判定が行われる。
【0028】
なお、確変状態の終了の条件は、上記の例に限られない。遊技機1は、転落抽選を行う遊技機に限られず、大当たり遊技の終了後に確変状態を生起し、次に大当たりと判定された場合に確変状態を終了させる、所謂「ループタイプ」の遊技機によっても、本発明は実現できる。また、遊技機1は、大当たり遊技の終了後に確変状態を生起し、その後に行われた第一大当たり判定の回数と第二大当たり判定の回数との和(以下、「判定回数」という。)が所定の回数に達することで確変状態が終了する、所謂「回数切り確変機能」を有する遊技機であってもよい。
【0029】
また、遊技機1では、次回の大当たり遊技の実行開始まで、または、判定回数が規定回数(以下、「時短回数」という。)に達するまで時短状態が継続する。遊技機1では、時短回数は100回である。本実施形態では、時短回数に達するまでの間に転落抽選によって確変状態から非確変状態へ転落しても、時短回数に達するまで時短状態は継続する。なお、時短回数は、遊技機1の100回に限られない。遊技機1は、大当たりと判定された際に決定される特別図柄と、大当たり判定時に生起されている遊技状態とに応じて、大当たり遊技終了後に生起する時短状態の時短回数を、複数の時短回数の中から決定してもよい。
【0030】
通常状態中(つまり、非時短状態中)には、第二始動口15の開閉部材が開放される割合は非確変時短状態中および確変時短状態中(つまり、時短状態中)よりも低い。従って、通常状態中には、第二始動口15よりも第一始動口14の方が容易に遊技球を入賞させることができる。なお、本実施形態では、第二遊技領域4Rを流下する遊技球よりも第一遊技領域4Lを流下する遊技球の方が、第一始動口14に入賞しやすいように遊技くぎ等が配置されている。よって、通常状態中には、遊技者は左打ちを行う。第一始動口14へ遊技球が入賞すると、第一大当たり判定が行われる。第一大当たり判定によって大当たりと判定された場合には、長時間開放大当たりおよび短時間開放大当たりのいずれを生起するかが決定される。本実施形態では、第一大当たり判定によって大当たりと判定された場合、長時間開放大当たりが決定される割合は50%であり、短時間開放大当たりが決定される割合も50%である。前述したように、長時間開放大当たりの場合、遊技球は非常に高い確率でVアタッカー17内の特定領域を通過する。一方で、短時間開放大当たりの場合には、遊技球が特定領域を通過する確率は非常に低い。なお、本実施形態では、通常アタッカー16が第二遊技領域4Rに設けられている(
図2参照)。よって、大当たり遊技中には、遊技者は右打ちを行う。
【0031】
遊技機1では、大当たり遊技中に遊技球が特定領域を通過すると、大当たり遊技終了後に確変時短状態が生起される。遊技球が特定領域を通過しなければ、大当たり遊技終了後に非確変時短状態が生起される。なお、大当たり遊技終了後に生起される遊技状態の決定方法は、これに限定されない。例えば、遊技機1は、大当たりと判定された際に決定される特別図柄に応じて複数の遊技状態の中からいずれを生起するか決定してもよい。
【0032】
確変時短状態中(つまり、時短状態中)には、第二始動口15の開閉部材が開放される割合は、通常状態中(つまり、非時短状態中)よりも高い。従って、確変時短状態中には、第一始動口14よりも第二始動口15の方が容易に遊技球を入賞させることができるため、遊技者は右打ちを行う。なお、本実施形態では、第二始動口15は、右打ちされた遊技球が第二遊技領域4Rを流下する流路において、アタッカー16,17よりも上流側に配置される(
図2参照)。第二始動口15へ遊技球が入賞すると、第二大当たり判定が行われる。第二大当たり判定によって大当たりと判定された場合には、第一大当たり判定によって大当たりと判定された場合よりも高い割合で長時間開放大当たりが決定される。本実施形態では、第二大当たり判定によって大当たりと判定された場合は、100%の割合で長時間開放大当たりが決定される。
【0033】
非確変時短状態中(つまり、時短状態中)にも、第二始動口15の開閉部材が開放さる割合は、通常状態中(つまり、非時短状態中)よりも高い。よって、非確変時短状態中にも、遊技者は右打ちを行う。非確変時短状態中に大当たりと判定される確率は、確変時短状態中よりも低い。しかし、はずれが規定回数連続して通常状態へ移行する前に、第二大当たり判定の結果が大当たりとなると、大当たり遊技終了後に約100%の確率で確変時短状態が生起される。従って、遊技機1では、確変時短状態が生起されずに非確変時短状態が生起された場合でも、遊技者は期待感を損なうことなく遊技を楽しむことができる。なお、遊技機1は、遊技状態によらず、左打ちによって遊技を進行することが遊技者にとって有利である遊技機であってもよい。
【0034】
図3を参照して、遊技機1の電気的構成について説明する。遊技機1の制御部40は、主制御基板41、サブ制御基板58、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、および中継基板47等を備える。
【0035】
主制御基板41は、遊技機1の主制御を司る。主制御基板41のCPUユニット50には、各種の演出処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とが設けられている。CPUユニット50には、割込信号発生回路57が接続されている。CPU51は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎にプログラムを実行する。主制御基板41は、I/Oインタフェイス54を介してサブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47、出力ポート55、第一始動スイッチ72、および第二始動スイッチ73に接続されている。出力ポート55は、図示外の遊技場管理用コンピュータに遊技機1の情報を出力する。第一始動スイッチ72は、第一始動口14に入賞した遊技球を検出する。第二始動スイッチ73は、第二始動口15に入賞した遊技球を検出する。
【0036】
サブ制御基板58は、CPU581、RAM582、およびROM583を備え、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、操作ボタン9、およびスピーカ48に接続している。サブ制御基板58は、主制御基板41から送信されるコマンド、および操作ボタン9の検出結果に従って、演出等の総合的な制御を行う。ランプドライバ基板46は、可動役物31の動作、発光役物32(LED322A~322H)の発光、各種照明の発光等を制御する。なお、ランプドライバ基板46は、LED322A~322Hの発光をそれぞれ独立して制御する。演出制御基板43は、CPU431、CGROM432等を備え、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って表示装置28の表示を制御する。払出制御基板45は、CPU451等を備える。払出制御基板45は、主制御基板41から送信されるコマンドに応じて賞品球払出装置49の動作を制御し、所定数の遊技球を払い出させる。
【0037】
中継基板47には、普通電動役物開閉ソレノイド69、通常アタッカー開閉ソレノイド70、およびVアタッカー開閉ソレノイド71が接続されている。普通電動役物開閉ソレノイド69は、普通当たり遊技中に第二始動口15の開閉部材を開閉する。通常アタッカー開閉ソレノイド70は、大当たり遊技中に通常アタッカー16の開閉部材を開閉する。Vアタッカー開閉ソレノイド71は、大当たり遊技中にVアタッカー17の開閉部材を開閉する。
【0038】
さらに、中継基板47には、普通図柄作動スイッチ74、通常アタッカースイッチ75、特定領域スイッチ76、非特定領域スイッチ77、および図柄表示部8が接続されている。普通図柄作動スイッチ74は、普通図柄作動ゲート12を通過した遊技球を検出する。通常アタッカースイッチ75は、通常アタッカー16に入賞した遊技球を検出する。特定領域スイッチ76は、Vアタッカー17内の特定領域を通過した遊技球を検出する。非特定領域スイッチ77は、Vアタッカー17内の非特定領域を通過した遊技球を検出する。
【0039】
電源基板42は、主制御基板41および発射装置37に接続されており、各基板および発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。発射装置37は、一定間隔(本実施形態では0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ発射する。
【0040】
図4を参照して、主制御基板41のRAM52の第一大当たり関係情報記憶エリアについて説明する。なお、第二大当たり関係情報記憶エリアの構成は、第一大当たり関係情報記憶エリアの構成と同様であるため、説明を簡略化する。第一大当たり関係情報記憶エリアおよび第二大当たり関係情報記憶エリアは、後述するメイン処理の特別図柄処理(
図14~
図16参照)において使用される。第一大当たり関係情報記憶エリアには複数の記憶エリアが設けられている。第一始動口14に遊技球が入賞した際に、特別図柄保留球数のうち第一始動口14への入賞による第一保留球数が4未満(0~3)であれば、番号の小さい記憶エリアから順に乱数が記憶される。本実施形態において、第一始動口14に入賞した遊技球に対して、大当たり判定を保留して乱数を記憶しておくことのできる数(最大第一保留球数)は「4」である。CPU51は、処理が未だ行われていない記憶エリアの乱数のうち、最も番号が小さい記憶エリアを判定エリアとし、判定エリアに記憶されている乱数について大当たり判定等の各種処理を行う。判定エリアに記憶されている乱数に関する処理(具体的には、判定結果を報知する報知演出、および、判定結果が大当たりの場合に実行される大当たり遊技)が終了すると、次に番号が小さい記憶エリアが判定エリアとされて、大当たり判定等の処理が繰り返される。なお、処理が終了した記憶エリアの乱数は、適宜消去してもよい。
【0041】
各記憶エリアには、第一大当たり判定カウンタの値が記憶される第一大当たり乱数欄、第一特別図柄決定カウンタの値が記憶される第一特別図柄決定乱数欄、第一変動パターン決定カウンタの値が記憶される第一変動パターン決定乱数欄、演出パターン決定カウンタの値が記憶される演出パターン決定乱数欄、および転落決定カウンタの値が記憶される転落乱数欄が設けられている。第一始動口14に遊技球が入賞すると、その時点で計数されているそれぞれの乱数取得カウンタの値が各欄に記憶される。第一大当たり乱数は、第一大当たり判定のために用いられる。第一特別図柄決定乱数は、第一特別図柄を決定するために用いられる。第一変動パターン決定乱数は、図柄表示部8の第一特別図柄表示部に表示される第一特別図柄の変動時間を示す変動パターンを決定するために用いられる。演出パターン決定乱数は、大当たり遊技中に実行される大当たり演出の演出パターンを決定するために用いられる。転落乱数は、転落抽選のために用いられる。
【0042】
以下の説明では、大当たり関係情報記憶エリアに記憶された状態で大当たり判定が保留されている大当たり乱数、および大当たり判定が保留されている大当たり乱数とともに取得されて大当たり関係情報記憶エリアに記憶されている各種乱数を総称して「保留乱数」という。保留乱数のうち第一大当たり関係エリアに記憶されている第一保留乱数の数は、第一保留球数に対応する。保留乱数のうち第二大当たり関係エリアに記憶されている第二保留乱数の数は、第二保留球数に対応する。なお、RAM52には、普通図柄作動ゲート12への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶するための普通当たり関係情報記憶エリアが設けられている。普通当たり関係情報記憶エリアも、大当たり関係情報記憶エリアと同様に構成されている。
【0043】
図5を参照して、主制御基板41のROM53に記憶されている特別図柄決定テーブルについて説明する。遊技機1は、第一大当たり判定の結果が大当たりであることを示す第一特別図柄と、第二大当たり判定の結果が大当たりであることを示す第二特別図柄とを、特別図柄決定テーブルを参照することで決定する。第一特別図柄および第二特別図柄は、それぞれ、遊技者にとって有利度の異なる複数の大当たり種別のいずれかに分類される。特別図柄決定テーブルには、複数の大当たり種別にそれぞれ対応する特別図柄決定乱数の乱数値が定義されている。第一特別図柄の大当たり種別には、「8R短時間開放大当たり」、「8R長時間開放大当たり」、および「16R長時間開放大当たり」の3つがある。第二特別図柄の大当たり種別には、「8R長時間開放大当たり」および「16R長時間開放大当たり」の2つがある。「8R」および「16R」は、1回の大当たり遊技中にアタッカー16,17が開閉される回数の合計(所謂「ラウンド数」)を示す。ラウンド数が多い程、アタッカー16,17に入賞する遊技球が多くなるため、遊技者が獲得する賞球も多くなる。前述したように、長時間開放大当たりでは、Vアタッカー17が長時間(本実施形態では、最大13秒)開放されるため、Vアタッカー17内の特定領域に遊技球が入賞しやすい。よって、その後に非常に高い確率で確変時短状態へ移行する。短時間開放大当たりでは、Vアタッカー17が短時間(本実施形態では、最大0.3秒)しか開放されないため、特定領域への遊技球の入賞は困難である。よって、その後に確変時短状態へ移行する確率は非常に低い。従って、「8R短時間開放大当たり」、「8R長時間開放大当たり」、「16R長時間開放大当たり」の順で、遊技者にとって有利になる。すなわち、複数の大当たりに基づいて実行される大当たり遊技のうち、16R長時間開放大当たりに基づいて実行される16R長時間開放大当たり遊技が遊技者にとって最も有利な大当たりである。
【0044】
遊技機1では、第一大当たり判定において大当たりと判定された場合には、8R大当たりとなる割合は75%、16R大当たりとなる割合は25%となっている。一方で、第二大当たり判定において大当たりと判定された場合には、8R大当たりとなる割合は50%、16R大当たりとなる割合も50%となっている。つまり、第一大当たり判定によって大当たりと判定された場合よりも、第二大当たり判定によって大当たりと判定された場合の方が、16R大当たりとなる割合は高い。
【0045】
また、遊技機1では、第一大当たり判定において大当たりと判定された場合には、長時間開放大当たりとなる割合は50%、短時間開放大当たりとなる割合も50%となっている。一方で、第二大当たり判定において大当たりと判定された場合には、長時間開放大当たりとなる割合は100%となっている。つまり、第一大当たり判定によって大当たりと判定された場合よりも、第二大当たり判定によって大当たりと判定された場合の方が、長時間開放大当たりとなる割合は高い。
【0046】
遊技機1では、大当たり判定において大当たりと判定された場合、大当たり種別によらず、100回の時短回数が付与される。なお、本実施形態では、判定回数が時短回数に達した際に確変状態が生起されていた場合、時短状態は終了されず、次に大当たり判定によって大当たりと判定されるまで、または転落抽選に当選するまで、時短状態が継続される。
【0047】
図6および
図7を参照して、主制御基板41のROM53に記憶されている変動パターン決定テーブルについて説明する。本実施形態の遊技機1は、以下説明する変動パターン決定テーブル、後述の大当たり演出パターン決定テーブル、およびキャラクタ選択テーブルを備えることで、見たことのない演出を見ることに対する期待感を遊技者に与えることができる。変動パターンとは、大当たり判定による判定結果を遊技者に報知する際に用いられる特別図柄の変動のパターンである。この変動パターンによって、第一特別図柄表示部および第二特別図柄表示部に表示される特別図柄の変動時間と、特別図柄の変動に同期して表示装置28、スピーカ48等によって実行される報知演出のパターンとが決定される。本実施形態では、特別図柄の変動時間は報知演出の演出時間(演出図柄の変動時間)に等しい。
【0048】
遊技機1では、
図6に示す通常変動パターン決定テーブル、および
図7に示す転落当選変動パターン決定テーブルの2つの変動パターン決定テーブルがROM53に記憶されている。転落当選変動パターン決定テーブルは、確変時短状態において転落抽選に当選した場合であって、かつ、大当たり判定の結果がはずれである場合に実行される報知演出の変動パターンを決定するために参照される。通常変動パターン決定テーブルは、転落当選パターン決定テーブルが参照されない場合に、実行される報知演出の変動パターンを決定するために参照される。なお、本実施形態では、転落抽選に当選し、かつ大当たり判定の結果が大当たりである場合には、通常変動パターン決定テーブルが参照される。
【0049】
図6に示すように、通常変動パターン決定テーブルには、大当たり判定の種別(第一大当たり判定または第二大当り判定)、大当たり判定時の遊技状態(時短状態または非時短状態)、および大当たり判定の結果(大当たりまたははずれ)に応じて、複数のテーブルが設けられている。それぞれのテーブルには複数種類の変動パターンV0~V4、H0~H5、W0,W1、X0~X2が割り当てられており、各変動パターンV0~V4、H0~H5、W0,W1、X0~X2と変動パターン決定乱数の値(0~511)とが対応付けられている。
図7に示すように、転落当選変動パターン決定テーブルには、変動パターンL0のみが割り当てられており、変動パターンL0と変動パターン決定乱数の値(0~511)とが対応付けられている。なお、転落当選変動パターン決定テーブルには、通常変動パターン決定テーブルと同様に複数の変動パターンが割り当てられてもよい。
【0050】
大当たり判定が行われると、転落抽選の結果および大当たり判定の結果に応じて通常変動パターン決定テーブルおよび転落当選変動パターン決定テーブルのいずれかが参照される。そして、例えば通常変動パターン決定テーブルが参照された場合、大当たり判定の種別、およびその時点の遊技状態と判定結果とに応じたテーブルが参照され、大当たり乱数とともに取得されている変動パターン決定乱数の値に対応する変動パターンが1つ決定される。主制御基板41は、決定した変動パターンを指定するコマンドをサブ制御基板58へ送信する。サブ制御基板58は、主制御基板41で決定された変動パターンに従って報知演出を制御する。
【0051】
具体的には、主制御基板41は、変動パターンに従って特別図柄の変動を開始する。サブ制御基板58は、特別図柄の変動開始に同期して、演出図柄の変動表示を開始する。主制御基板41は、変動を開始した特別図柄の変動時間が終了すると、変動させていた特別図柄を、所定の特別図柄停止表示時間(本実施形態では0.8秒)の間、確定表示させる。サブ制御基板58は、特別図柄停止表示時間に同期して、演出図柄を確定表示させる。また、サブ制御基板58は、表示装置28、可動役物31、発光役物32(LED322A~322H)、スピーカ48等によって、変動パターンと同期した報知演出を実行する。
【0052】
変動パターンV0~V4、H1~H5、W0,W1、X1,X2、L0が決定された場合、例えば演出図柄に含まれる3つの図柄のうち2つが同じ図柄で停止したリーチ状態を構成した後に、大当たりの可能性があることを示す態様で行われるリーチ演出が実行される。変動パターンH0、X0が決定された場合、リーチ状態に至ることなく演出が終了する態様で行われる非リーチ変動が実行される。
【0053】
また、リーチ演出が実行される変動パターンV0~V4、H1~H5、W0,W1、X1,X2、L0のうち、変動パターンW0、X1、L0が決定された場合、第一バトル演出が実行される。詳細は後述するが、第一バトル演出は、キャラクタAと後述する特定キャラクタとが対戦を行う演出である(
図10参照)。第一バトル演出は、第一バトル勝利演出、第一バトル引分演出、および第一バトル敗北演出を含む。変動パターンW0が決定された場合、第一バトル勝利演出が実行される。変動パターンX1が決定された場合、第一バトル引分演出が実行される。変動パターンL0が決定された場合、第一バトル敗北演出が実行される。
【0054】
また、リーチ演出が実行される変動パターンV0~V4、H1~H5、W0,W1、X1,X2、L0のうち、変動パターンW1、X2が決定された場合、第二バトル演出が実行される。詳細は後述するが、第二バトル演出は、キャラクタAと後述する割込キャラクタとが対戦を行う演出である。第二バトル演出は、第二バトル勝利演出および第二バトル引分演出を含む。変動パターンW1が決定された場合、第二バトル勝利演出が実行される。変動パターンX2が決定された場合、第二バトル引分演出が実行される。以下、第一バトル演出および第二バトル演出を総称する場合、「バトル演出」という。
【0055】
非リーチ変動が実行される変動パターンH0、X0は、大当たり判定の結果がはずれである場合にのみ決定され得る。バトル演出が実行される変動パターンW0、X1、L0、W1、X2は、遊技状態が時短状態の場合にのみ決定され得る。特に変動パターンL0は、遊技状態が確変状態の場合(本実施形態では、確変状態の場合、常に時短状態である。)にのみ決定され得る。このように、遊技機1は、時短状態中にしか実行されない変動パターンを備えることで、時短状態における報知演出に対する遊技者の関心を高めることができる。
【0056】
また、各変動パターンに対応する変動パターン決定乱数の個数に応じて、各変動パターンの選択される確率が異なる。非時短状態中の判定結果が大当たりである場合、変動時間のより長い変動パターンが、通常変動パターン決定テーブルから選択される確率が高い。非時短状態中の判定結果がはずれである場合、変動時間のより短い変動パターンが、通常変動パターン決定テーブルから選択される確率が高い。従って、選択された変動パターンの変動時間が長いほど、大当たり判定の結果が大当たりであることの期待度(以下、「大当たり期待度」という。)が高い。
【0057】
また、本実施形態では、第一バトル演出が実行された場合、大当たり判定の結果が大当たりである確率は、変動パターンW0、X1、L0のうち変動パターンW0が決定されている場合であるため、「450/(450+60+512)=約44%」である。一方、第二バトル演出が実行された場合、大当たり判定の結果が大当たりである確率は、変動パターンW1、X2のうち変動パターンW1が決定されている場合であるため、「112/(112+2)=約98%」である。従って、第二バトル演出が実行された場合の方が、第一バトル演出が実行された場合よりも、大当たり期待度が高い。
【0058】
また、通常変動パターン決定テーブルにおいて、第二大当り判定についても、第一大当たり判定と同様に、複数種類の変動パターンが割り当てられ、各変動パターンと変動パターン決定乱数の値とが対応付けられている。
【0059】
図8を参照して、主制御基板41のROM53に記憶されている大当たり演出パターン決定テーブルについて説明する。演出パターンとは、大当たり遊技の実行中に、表示装置28、スピーカ48等によって実行される大当たり演出のパターンである。大当たり演出パターン決定テーブルは、大当たり判定の結果が大当たりである場合、大当たり演出の演出パターンを決定するために参照される。
【0060】
大当たり演出パターン決定テーブルには、大当たり種別(8R短時間開放大当たり、8R長時間開放大当たり、または16R長時間開放大当たり)に応じて、複数のテーブルが設けられている。それぞれのテーブルには少なくとも1種類の演出パターンB0、C0、P0,P1が割り当てられており、各演出パターンB0、C0、P0,P1と変動パターン決定乱数の値(0~511)とが対応付けられている。
【0061】
大当たり判定の結果が大当たりである場合、大当たり演出パターン決定テーブルが参照される。そして、大当たり種別に応じたテーブルが参照され、大当たり乱数とともに取得されている演出パターン決定乱数の値に対応する演出パターンが1つ決定される。主制御基板41は、決定した演出パターンを指定するコマンドをサブ制御基板58へ送信する。サブ制御基板58は、主制御基板41で決定された演出パターンに従って大当たり演出を制御する。
【0062】
具体的には、サブ制御基板58は、演出パターンに従って表示装置28に大当たり演出の映像の表示を開始する。また、サブ制御基板58は、可動役物31、発光役物32(LED322A~322H)、スピーカ48等によって、演出パターンに従って大当たり演出を実行する。また、主制御基板41は、ラウンド毎に現在のラウンド数を示すコマンドをサブ制御基板58へ送信する。サブ制御基板58は、現在のラウンド数に応じて大当たり演出を実行する。
【0063】
演出パターンB0、C0、P0が決定された場合、通常大当たり演出が実行される。演出パターンP1が決定された場合、大当たり演出において第一バトル勝利演出が実行される。すなわち、本実施形態の第一バトル勝利演出は、変動パターンW0(
図6参照)が決定された場合に報知演出において実行されるとともに、演出パターンP1が決定された場合には大当たり演出においても実行される。従って、遊技者は、第一バトル勝利演出を、報知演出および大当たり演出の両方で楽しむことができる。また、本実施形態では、大当たり種別が16R長時間開放大当たりの場合、第一バトル勝利演出が実行される演出パターンP1の方が、通常大当たり演出が実行される演出パターンP0よりも決定されやすくなっているが、これに限定されない。
【0064】
第一バトル勝利演出が実行される演出パターンP1は、16R長時間開放大当たり(すなわち、遊技者にとって最も有利な大当たり)の場合にのみ決定され得る。これにより、大当たり演出において、第一バトル勝利演出が実行された場合、遊技者は、現在実行中の大当たり遊技が、複数の大当たり遊技のうち遊技者にとって最も有利な16R長時間開放大当たり遊技であることを把握できる。従って、遊技者は、大当たり演出において、第一バトル勝利演出が実行されることを期待して演出を楽しむことができる。従って、遊技機1は、大当たり演出についての遊技者の関心を高めることができる。
【0065】
図9を参照して、サブ制御基板58のROM583に記憶されているキャラクタ選択テーブルについて説明する。キャラクタ選択テーブルは、複数のキャラクタB~Hのうち、第一バトル演出に登場するキャラクタ(以下、「特定キャラクタ」という。)、および第二バトル演出に登場するキャラクタ(以下、「割込キャラクタ」という。)を選択するために参照される。
【0066】
キャラクタ選択テーブルには、各キャラクタB~Hが種類カウンタの値(以下、「種類カウンタ値T」という。)「0」~「6」と対応付けられて割り当てられている。種類カウンタ値Tは、複数のキャラクタB~Hのうち、第一バトル勝利演出に登場する特定キャラクタとして選択されたキャラクタの種類数を示す。
【0067】
特定キャラクタの選択方法を説明する。サブ制御基板58は、主制御基板41から第一バトル演出が実行される変動パターンW0、X1、L0または演出パターンP1を指定するコマンドを受信すると、種類カウンタ値Tが所定の規定値に達しているかを判断する。本実施形態の規定値は、敵キャラクタであるキャラクタB~Hの種類数と同数の「7」である。
【0068】
種類カウンタ値Tが「7」に達していない場合には、キャラクタ選択テーブルが参照されて、種類カウンタ値Tに対応するキャラクタが、特定キャラクタとして選択される。そして、特定キャラクタとして選択されたキャラクタが登場する第一バトル演出が実行される。本実施形態では、キャラクタB~Hは、種類カウンタ値Tが「7」に達するまで、キャラクタB~Hの順に所定の順序で特定キャラクタとして選択される。
【0069】
また、種類カウンタ値Tが「7」に達している場合には、後述のキャラクタ選択演出において遊技者によって選択されたキャラクタ(以下、「選択キャラクタ」という。)が、特定キャラクタとして選択される。そして、特定キャラクタとして選択された選択キャラクタが登場する第一バトル演出が実行される。
【0070】
先述したように、遊技機1では、第一バトル勝利演出が実行される変動パターンW0が通常変動パターン決定テーブルに割り当てられ、かつ第一バトル勝利演出が実行される演出パターンP1が大当たり演出パターン決定テーブルに割り当てられている。従って、変動パターンW0,W1のうち変動パターンW0が決定される確率、および演出パターンP0,P1のうち演出パターンP1が決定される確率をそれぞれ調整することで、遊技機1は、例えば種類カウンタ値Tが規定値に達する確率を容易に調整できる。このため、例えば仮に大当たり終了後に時短状態が生起されてから時短状態が終了するまでの間に大当たりと判定される確率(所謂、継続率)が低くても、演出パターンP0.P1のうち演出パターンP1が決定される確率を高くすることで、遊技機1は、より多くの種類のキャラクタが特定キャラクタとして登場する第一バトル勝利演出を遊技者に見せることができる。そして、例えば報知演出において、キャラクタB~Hのうち所定のキャラクタが登場する第一バトル勝利演出を見たことのない遊技者は、大当たり演出においても、見たことのないキャラクタが登場する第一バトル勝利演出が実行されることに対する期待をもつことができる。従って、遊技機1は、見たことのない演出を見ることに対する期待感を遊技者に与えることができる。
【0071】
割込キャラクタの選択方法を説明する。サブ制御基板58は、主制御基板41から第二バトル演出が実行される変動パターンW1、X2を指定するコマンドを受信すると、種類カウンタ値Tが規定値「7」に達しているかを判断する。
【0072】
種類カウンタ値Tが「7」に達していない場合には、キャラクタ選択テーブルが参照され、特定キャラクタとして選択され得るキャラクタ以外の複数のキャラクタのうちからいずれかが割込キャラクタとして選択される。つまり、割込キャラクタは、種類カウンタ値Tに対応していない複数のキャラクタのうちから選択される。従って、第二バトル演出が実行されると、所定の順序から外れたキャラクタが割込キャラクタとして登場する。これにより、遊技機1は、遊技者に驚きを与え、第二バトル演出を楽しませることができる。
【0073】
また、種類カウンタ値Tが「7」に達している場合には、先述したように、選択キャラクタが特定キャラクタとして選択される。すなわち、種類カウンタ値Tが「7」に達している場合、選択キャラクタ(特定キャラクタとして選択され得るキャラクタ)以外の複数のキャラクタのうちからいずれかが割込キャラクタとして選択される。従って、第二バトル演出では、遊技者の所望するキャラクタ(選択キャラクタ)が登場しない。しかし、本実施形態では、先述したように、第二バトル演出が実行された場合の方が、第一バトル演出が実行された場合よりも、大当たり期待度が高い。これにより、遊技者は、第一バトル演出が実行された場合よりも大当たりへの期待感をもって第二バトル演出を楽しむことができる。従って、遊技機1は、選択キャラクタ以外のキャラクタを有効活用して、遊技者に演出を楽しませることができる。
【0074】
図10および
図11を参照して、本実施形態において実行されるバトル演出について説明する。バトル演出が実行されると、バトル演出の映像(以下、「バトル演出映像」という。)が表示装置28に表示される。また、バトル演出は、バトル演出映像に同期して、可動役物31、発光役物32(LED322A~322H)、スピーカ48等も制御されて実行される。
【0075】
以下、バトル演出のうち第一バトル演出について説明する。なお、第二バトル演出は、第一バトル演出に登場するキャラクタが特定キャラクタであるのに対して、第二バトル演出に登場するキャラクタは割込キャラクタである点が異なり、演出の内容は同様であるため、説明を簡略化する。第一バトル演出は、複数のキャラクタB~Hのうち特定キャラクタが特定の条件を満たすか否かを示す態様で行われる演出である。本実施形態の第一バトル演出は、特定キャラクタがキャラクタAとの対戦において、敗北するか否かを示す態様で行われる。すなわち、本実施形態において、「特定キャラクタが特定の条件を満たす」とは、特定キャラクタがキャラクタAとの対戦において敗北することを示す。
【0076】
第一バトル演出は、第一バトル勝利演出、第一バトル引分演出、および第一バトル敗北演出を含む。第一バトル勝利演出は、特定キャラクタがキャラクタAとの対戦において敗北する(すなわち、特定キャラクタが特定の条件を満たす)ことを示す態様で行われる。第一バトル勝利演出は、報知演出および大当たり演出の両方において実行される。第一バトル引分演出は、特定キャラクタがキャラクタAとの対戦において引き分ける(すなわち、特定キャラクタが特定の条件を満たさない)ことを示す態様で行われる。第一バトル敗北演出は、特定キャラクタがキャラクタAとの対戦において勝利する(すなわち、特定キャラクタが特定の条件を満たさない)ことを示す態様で行われる。
【0077】
報知演出において実行される第一バトル演出において、特定キャラクタがキャラクタAに敗北すると大当たり判定の結果が大当たりであることが、特定キャラクタがキャラクタAと引き分けると大当たり判定の結果がはずれであることが、特定キャラクタがキャラクタAに勝利すると転落抽選に当選して確変状態から非確変状態へ転落したことが、それぞれ報知される。
【0078】
なお、第一バトル勝利演出は、第二バトル勝利演出に対応する。第一バトル引分演出は、第二バトル引分演出に対応する。遊技機1には、第一バトル敗北演出に対応する第二バトル敗北演出は設けられていないが、設けられていてもよい。
【0079】
図10は、バトル演出の一例として、報知演出において実行される第一バトル勝利演出を示す。
図10は、特定キャラクタとしてキャラクタCが選択された場合の第一バトル勝利演出を示す。
図10(a)に示すように、報知演出が実行されると、表示装置28の右上部に、複数の演出図柄81A~81Cのうち、演出図柄81A,81Cが同じ図柄を示す状態で停止表示されてリーチ状態が構成された演出図柄が表示される。この状態で第一バトル勝利演出が実行される。具体的には、メインキャラクタであるキャラクタAを示すキャラクタ画像82Aと、特定キャラクタであるキャラクタCを示すキャラクタ画像82Cとがバトル演出映像として表示装置28に表示される。
【0080】
次いで、キャラクタ画像82Aとキャラクタ画像82Cとが用いられて、キャラクタAとキャラクタCとが対戦を行う。
図10(b)に示すように、第一バトル勝利演出は、キャラクタAがキャラクタCとの対戦において勝利したことを示す態様で終了する。
【0081】
また、第一バトル勝利演出、第一バトル引分演出、および第一バトル敗北演出は、それぞれ、演出の途中までは同じ態様で行われ、最終的にキャラクタAおよび特定キャラクタのいずれが勝利するか、または引き分けるかを示す態様の部分が異なる。これにより、遊技者は、実行中の第一バトル演出が第一バトル勝利演出であることの期待感を持ちながら第一バトル演出を楽しむことができる。
【0082】
図11は、大当たり演出において実行される第一バトル勝利演出を示す。
図11は、特定キャラクタとしてキャラクタHが選択された場合の第一バトル勝利演出を示す。
図11(a)に示すように、大当たり演出が実行されると、表示装置28の上部には、左方から順に、ラウンド数表示24、大当たり演出図柄25、および右打ち報知表示26が表示される。ラウンド数表示24は、現在のラウンド数を示す。大当たり演出図柄25は、報知演出において確定表示された大当たりを示す演出図柄(3つの同じ演出図柄)を示す。右打ち報知表示26は、遊技者に右打ちを行うことを示す。この状態で第一バトル勝利演出が実行される。具体的には、メインキャラクタであるキャラクタAを示すキャラクタ画像82Aと、特定キャラクタであるキャラクタHを示すキャラクタ画像82Hとがバトル演出映像として表示装置28に表示される。
【0083】
次いで、キャラクタ画像82Aとキャラクタ画像82Hとが用いられて、キャラクタAとキャラクタHとが対戦を行う。
図11(b)に示すように、第一バトル勝利演出は、キャラクタAがキャラクタHとの対戦において勝利したことを示す態様で終了する。なお、大当たり演出において実行されるバトル演出は、第一バトル勝利演出のみである。このため、大当たり演出においてバトル演出が実行されると、遊技者の味方であるキャラクタAが必ず勝利するため、遊技者は爽快感を得ることができる。
【0084】
図10および
図11を参照して、本実施形態において実行される発光演出について説明する。以下、キャラクタ部材321A~321Hのうち、表示装置28に表示中のバトル演出映像に登場しているキャラクタを示すキャラクタ部材を、総称して「特定キャラクタ部材」という。すなわち、第一バトル演出の実行中における特定キャラクタ部材は、キャラクタ部材321B~321Hのうち特定キャラクタを示すキャラクタ部材と、キャラクタ部材321Aとを示す。第二バトル演出の実行中における特定キャラクタ部材は、キャラクタ部材321B~321Hのうち割込キャラクタを示すキャラクタ部材と、キャラクタ部材321Aとを示す。
【0085】
本実施形態では、バトル演出が実行された場合、複数のキャラクタA~Hのうち少なくとも1つのキャラクタ(本実施形態では、キャラクタA、および特定キャラクタまたは割込キャラクタ)が登場するバトル演出映像が表示装置28に表示される。本実施形態の遊技機1は、以下説明するように、発光演出を実行することで、バトル演出映像に登場する少なくとも1つのキャラクタが複数のキャラクタA~Hうちいずれであるかを、遊技者に容易に把握させることができる。
【0086】
本実施形態の発光演出は、バトル演出が実行された場合に実行される。詳細には、発光演出では、LED322A~322Hのうち特定キャラクタ部材に設けられたLED(以下、「特定LED」という。)が、他のキャラクタ部材に設けられたLED(以下、「他のLED」という。)の発光態様と識別可能な態様で発光する。例えば、特定LEDは点灯し、他のLEDは消灯してもよい。特定LEDは点滅し、他のLEDは点滅しなくてもよい。特定LEDは、他のLEDの点滅速度と異なる点滅速度で点滅してもよい。特定LEDは、他のLEDの発光色とは異なる色で発光してもよい。特定LEDは他のLEDの発光強度とは異なる発光強度で発光してもよい。なお、識別可能な発光態様はこれらに限定されない。
【0087】
図10に示す例では、報知演出において、メインキャラクタであるキャラクタAと特定キャラクタであるキャラクタCとが登場するバトル演出映像が表示装置28に表示されると、特定LEDであるLED322A,322Cが発光されて、発光演出が実行される。LED322A,322Cが発光しているため、遊技者はキャラクタAとキャラクタCとが対戦を行っていることを容易に把握できる。発光演出は、バトル演出映像の終了に伴って終了する。
【0088】
図11に示す例では、大当たり演出において、メインキャラクタであるキャラクタAと特定キャラクタであるキャラクタHとが登場するバトル演出映像が表示装置28に表示されると、特定LEDであるLED322A,322Hが発光されて、発光演出が実行される。LED322A,322Hが発光しているため、遊技者はキャラクタAとキャラクタHとが対戦を行っていることを容易に把握できる。発光演出は、バトル演出映像の終了に伴って終了する。
【0089】
このように、遊技者は特定LEDを視認することで、特定キャラクタ部材を容易に把握できる。例えばバトル演出では、対戦中のキャラクタが表示装置28に常に表示されているとは限らない。このように、対戦中のキャラクタが表示装置28に表示されていない場合においても、遊技者は特定キャラクタ部材を視認するだけで、表示中のバトル演出映像に登場しているキャラクタ(キャラクタA、および特定キャラクタまたは割込キャラクタ)が、複数のキャラクタA~Hのうちいずれであるかを容易に把握できる。従って、遊技機1は、表示中のバトル演出映像に登場しているキャラクタを、遊技者に容易に把握させることができる。
【0090】
さらに、本実施形態では、種類カウンタ値Tが規定数に達するまでは、キャラクタB~Hが所定の順序で第一バトル演出に登場する。従って、遊技機1は、特定キャラクタ部材を識別可能な状態にする発光演出を実行することで、現在の遊技の進行状況(種類カウンタ値T)を遊技者に報知できる。また、LED322A~322Hは、遊技者以外の者もその発光を視認できる位置に配置されている。このため、例えば時短状態を介して大当たりが連続して続き、所謂連荘モードになると、遊技者以外の者も特定キャラクタ部材を視認することでその遊技の進行状況を確認できるため、遊技者は優越感を得ることができる。
【0091】
図12を参照して、本実施形態において実行されるキャラクタ選択演出について説明する。本実施形態の遊技機1は、以下説明するように、キャラクタ選択演出を実行することで、遊技者に達成感を与えるとともに、報知演出において実行される第一バトル演出を、より楽しませることができる。キャラクタ選択演出は、大当たり遊技の実行中において、複数のキャラクタB~Hのうちいずれかを遊技者が選択可能な状態であることを報知するための演出である。詳細には、大当たり遊技が実行されると、種類カウンタ値Tが所定の規定値である「7」に達しているかが判断される。キャラクタ選択演出は、大当たり演出において、種類カウンタ値Tが「7」に達している場合に実行される。
【0092】
キャラクタ選択演出が実行されると、キャラクタ選択画像21B~21I、ボタン画像22、および選択キャラクタ名23が表示装置28に表示される。キャラクタ選択画像21B~21Hは、それぞれ、キャラクタB~Hを示し、遊技者がキャラクタB~Hのいずれかを自ら選択するための画像である。キャラクタ選択画像21Iは、いずれのキャラクタも示さず、遊技者がキャラクタB~Hのいずれかをランダムで遊技機1に選択させるための画像である。ボタン画像22は、操作ボタン9によるキャラクタの選択方法を示す。選択キャラクタ名23は、現在選択中のキャラクタ名を表示する。
【0093】
遊技者は、ボタン画像22に従って、操作ボタン9を操作してキャラクタ選択画像21B~21Iのいずれかを選択することで、キャラクタB~Hからいずれかのキャラクタを選択キャラクタとして選択する。
図12の例では、キャラクタ選択画像21Cが選択されている。この場合、選択キャラクタ名23は、キャラクタCを示す。なお、キャラクタ選択画像21Iが選択された場合、遊技機1によってランダムに選択キャラクタが選択される。サブ制御基板58は、遊技者による操作ボタン9の操作を受け付けると、選択キャラクタをRAM582に記憶する。RAM582に記憶された選択キャラクタは、次に実行される第一バトル演出に登場する特定キャラクタとして選択される。
【0094】
これによれば、種類カウンタ値Tが規定値に達したことを条件として、遊技者は特定キャラクタとして所望のキャラクタを選択できるようになる。また、本実施形態の規定値は、敵キャラクタであるキャラクタB~Hの種類数と同数の「7」である。これにより、第一バトル勝利演出によって、所定の順番で登場する敵キャラクタであるキャラクタB~HのすべてにキャラクタAが勝利した場合に、キャラクタ選択演出が実行される。従って、種類カウンタ値Tが規定値に達すると、遊技者は大きな達成感を得ることができる。さらに、選択キャラクタは、次に実行される第一バトル演出に特定キャラクタとして登場するため、遊技者は第一バトル演出をより楽しむことができる。
【0095】
また、従来の遊技機では、演出パターンP1が設けられていなかったため、時短状態を介して大当たりと判定された場合(つまり、変動パターンW0が決定された場合)に種類カウンタ値Tがカウントされていた。この場合、時短状態を介して連続して大当たりと判定された回数(所謂連荘回数)が規定値である7回に達しないとキャラクタ選択演出が実行されなかった。しかし、本実施形態の遊技機1では、第一バトル勝利演出が実行される変動パターンW0が通常変動パターン決定テーブルに割り当てられ、かつ第一バトル勝利演出が実行される演出パターンP1が大当たり演出パターン決定テーブルに割り当てられている。従って、演出パターンP1が決定された場合、種類カウンタ値Tがカウントされるので、所謂連荘回数が規定値である7回に達する前に、敵キャラクタであるキャラクタB~HのすべてにキャラクタAが勝利し、キャラクタ選択演出が実行されることとなる。従って、遊技機1は、演出パターンP1が設けられていない従来の遊技機よりも早くキャラクタ選択演出を実行させ、遊技者に達成感を与えることができる。
【0096】
図13~
図18を参照して、遊技機1の主制御基板41による動作について説明する。遊技機1の主制御は、ROM53に記憶されている制御プログラムによって行われる。制御プログラムのメイン処理(
図13参照)は、割込信号発生回路57(
図3参照)が4mS毎に発生する割込信号をCPU51が感知した際に、CPU51において実行される。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
【0097】
図13に示すように、メイン処理が開始されると、コマンド出力処理が行われる(S10)。コマンド出力処理では、制御コマンドが、サブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47等に出力される。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメイン処理においてRAM52に記憶された制御コマンドである。
【0098】
次いで、スイッチ読込処理が行われる(S11)。スイッチ読込処理では、普通図柄作動ゲート12、各入賞口、Vアタッカー17の特定領域、および非特定領域に設けられた各スイッチ(
図3参照)の検出結果から、遊技球を検知するための処理が行われる。
【0099】
次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。カウンタ更新処理では、RAM52に記憶されている乱数取得カウンタの値が加算され、かつ、特別図柄の変動時間を計測するためのタイマカウンタである特別図柄変動時間カウンタの値が減算される。
【0100】
次いで、特別電動役物処理が行われる(S13)。特別電動役物処理では、大当たり遊技の動作(主にアタッカー16,17の開閉部材の開閉動作)を制御するための処理と、大当たり遊技終了後に生起される遊技状態に関する処理とが行われる。本実施形態では、大当たり種別によらず、遊技球が特定領域を通過した場合、大当たり遊技終了後に確変フラグが「ON」となる。また、本実施形態では、大当たり種別によらず、大当たり遊技終了後に時短フラグが「ON」となる。なお、大当たり遊技におけるラウンド数は、大当たり種別に応じて決定される。本実施形態では、大当たり種別が「8R大当たり」および「16R大当たり」の場合、通常アタッカー16またはVアタッカー17が各ラウンドにおいて最大開放時間29秒で開放される。そして、一旦開放されたアタッカー16,17は、最大開放時間の経過、および9個の遊技球の入賞のいずれかの条件が満たされると閉鎖される。なお、本実施形態では、8ラウンド目にVアタッカー17の長時間開放または短時間開放が行われる。
【0101】
次いで、特別図柄処理が行われる(S14)。詳細は後述するが、特別図柄処理では、大当たり判定、変動パターンの決定、特別図柄の決定、および遊技状態の移行処理等が行われる(
図14~
図16参照)。
【0102】
次いで、普通電動役物処理が行われる(S15)。普通電動役物処理では、普通当たりとなった場合に普通当たり遊技の動作を制御するための処理が行われる。CPU51は、時短状態が生起されていれば、非時短状態中よりも長く、第二始動口15の開閉部材を開放させる。なお、CPU51は、時短フラグが「ON」とされていれば、時短状態中であると判断する。
【0103】
次いで、普通図柄処理が行われる(S16)。普通図柄処理では、普通図柄作動スイッチ74が遊技球を検出することを契機として、普通当たり乱数が取得される。取得された乱数に基づいて、普通当たり判定、普通図柄の変動を制御するためのコマンドの記憶等の処理が行われる。前述したように、普通当たり判定は、時短状態が生起されているか否かに応じて、それぞれの確率(99/100または4/100)で判定される。
【0104】
次いで、払出処理(S17)、エラーチェック(S18)、および情報出力処理(S19)が行われる。払出処理では、賞球の払い出しが制御される。エラーチェックでは、エラーが発生している場合に、表示装置28およびスピーカ48等を用いてエラーが報知される。情報出力処理では、遊技場管理用コンピュータ(図示略)に各種の情報が出力される。
【0105】
図14~
図16を参照して、特別図柄処理(S14、
図13参照)の詳細について説明する。まず、特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52には、前述した第一始動口入賞フラグおよび第二始動口入賞フラグに加えて、大当たり遊技状態フラグ、特別図柄表示状態フラグ、確変フラグ、時短フラグ、転落当選フラグ等が記憶されている。
【0106】
大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技中に「1」が記憶されて「ON」となり、大当たり遊技中でない場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。特別図柄表示状態フラグは、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれか一方が変動している場合(変動中)に「1」、いずれか一方が停止表示されている場合(停止表示中)に「2」、いずれも変動中でも停止表示中でもない場合に「0」が記憶される。確変フラグは、確変状態中に「1」が記憶されて「ON」となる。時短フラグは、時短状態中に「1」が記憶されて「ON」となる。転落当選フラグは、転落抽選に当選した場合に「1」が記憶されて「ON」となり、大当たり判定が行われたら「0」が記憶されて「OFF」となる。
【0107】
図14に示すように、特別図柄処理が開始されると、第一始動口14に遊技球が入賞しているか否かが判断される(S41)。ここでの判断は、第一始動口入賞フラグの状態によって行われる。第一始動口入賞フラグが「OFF」の場合(S41:NO)、処理はS51の判断へ移行する。第一始動口入賞フラグが「ON」の場合(S41:YES)、RAM52に記憶されている第一保留球数が「4」であるか否かが判断される(S42)。第一保留球数が「4」であれば(S42:YES)、記憶可能な第一保留球の数が上限に達しているため、処理はS51の判断へ移行する。
【0108】
第一保留球数が「4」でない場合には(S42:NO)、RAM52に記憶されている第一保留球数に「1」が加算される(S43)。次いで、各種乱数が取得され、第一大当たり関係情報記憶エリア(
図4参照)における空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S44)。具体的には、第一大当たり乱数欄には第一大当たり判定カウンタの値が、第一特別図柄決定乱数欄には第一特別図柄決定カウンタの値が、第一変動パターン決定乱数欄には第一変動パターン決定カウンタの値が、演出パターン決定乱数欄には演出パターン決定カウンタの値が、転落乱数欄には転落決定カウンタの値が、それぞれRAM52に記憶される。
【0109】
次いで、第二始動口15に遊技球が入賞しているか否かが判断される(S51)。ここでの判断は、第二始動口入賞フラグの状態によって行われる。第二始動口入賞フラグが「OFF」の場合(S51:NO)、処理はS61(
図15参照)の判断へ移行する。第二始動口入賞フラグが「ON」の場合(S51:YES)、RAM52に記憶されている第二保留球数が「4」であるか否かが判断される(S52)。第二保留球数が「4」であれば(S52:YES)、記憶可能な第二保留球の数が上限に達しているため、処理はS61の判断へ移行する。
【0110】
第二保留球数が「4」でない場合には(S52:NO)、RAM52に記憶されている第二保留球数に「1」が加算される(S53)。次いで、各種乱数が取得され、RAM52に記憶される(S54)。
【0111】
次いで、
図15に示すように、大当たり遊技状態であるか否かが判断される(S61)。大当たり遊技状態フラグが「ON」である場合、大当たり遊技状態中であると判断されて(S61:YES)、処理はメイン処理へ戻る。大当たり遊技状態フラグが「OFF」である場合、大当たり遊技状態中でないと判断されて(S61:NO)、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかが変動中であるか否かが判断される(S62)。特別図柄表示状態フラグが「1」でない場合には、いずれも変動中でないと判断されて(S62:NO)、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかが停止状態中であるか否かが判断される(S63)。特別図柄表示状態フラグが「2」でない場合は、いずれも停止表示中でないと判断されて(S63:NO)、処理はS71(
図16参照)へ移行し、大当たり判定等の処理が行われる。
【0112】
図16に示すように、本実施形態では、大当たり判定において、第二大当り判定が第一大当たり判定よりも優先して行われる。まず、第二保留球数が「1」以上であるか否かが判断される(S71)。RAM52に記憶されている第二保留球数が「1」以上である場合には(S71:YES)、第二大当り判定が行われるが、詳細は後述する。第二保留球数が「0」である場合には(S71:NO)、第一保留球数が「1」以上であるか否かが判断される(S72)。RAM52に記憶されている第一保留球数が「0」であれば(S72:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
【0113】
第一保留球数が「1」以上である場合には(S72:YES)、RAM52に記憶されている第一保留球数が「1」減算される(S73)。次いで、第一大当たり関係情報記憶エリア(
図4参照)の判定エリアが、次の番号の記憶エリアにシフトされ(S74)、処理はS90へ移行する。
【0114】
一方、第二大当たり判定では、まず、第二保留球数が「1」減算される(S83)。次いで、第二大当たり関係情報記憶エリアの判定エリアが次の番号の記憶エリアにシフトされ(S84)、処理はS90へ移行する。次いで、大当たり判定処理が行われる(S90)。大当たり判定処理では、転落抽選、大当たり判定、特別図柄の決定に関する各処理が行われる。
【0115】
図17を参照して、大当たり判定処理(S90、
図16参照)について詳細に説明する。大当たり判定処理が開始されると、確変フラグが「ON」であるか否かが判断される(S121)。遊技状態によって転落抽選を行うか否かが異なるためである。確変フラグが「OFF」の場合(S121:NO)、非確変中には転落抽選は行われないため、処理はS126へ移行する。確変フラグが「ON」の場合(S121:YES)、転落抽選処理が行われる(S122)。図示しないが、ROM53には、転落抽選を行うためのテーブルとして、転落抽選テーブルが記憶されている。転落抽選テーブルには、転落抽選の「当選」および「はずれ」にそれぞれ対応する転落乱数の乱数値が定義されている。転落抽選処理では、転落抽選テーブルが参照されて、S74およびS84(
図16参照)でシフトされて判定エリアに記憶されている転落乱数が、「当選」および「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、RAM52に記憶された未判定の転落乱数に基づく転落抽選が、転落乱数の記憶された順に行われる。
【0116】
次いで、転落抽選の結果が「当選」であるか否かが判断される(S123)。転落抽選の結果が「はずれ」の場合(S123:NO)、処理はS126へ移行する。転落抽選の結果が「当選」の場合(S123:YES)、確変フラグが「OFF」となる(S124)。次いで、転落抽選フラグが「ON」となる(S125)。
【0117】
次いで、確変状態が生起されているか否かに応じた大当たり判定が行われる(S126)。S126では、確変フラグの状態を参照して、現時点において確変状態が生起されているか否かが特定される。図示しないがROM53には、大当たり判定を行うためのテーブルとして、低確率判定テーブルと、高確率判定テーブルとが設けられている。低確率判定テーブルは、非確率変動状態中の大当たり判定に用いられるテーブルであり、「大当たり」および「はずれ」に各々対応する大当たり乱数の乱数値が定義されている。高確率判定テーブルは、確率変動状態中の大当たり判定に用いられるテーブルであり、「大当たり」および「はずれ」に各々対応する大当たり乱数の乱数値が定義されている。特定された遊技状態に対応して、低確率判定テーブルまたは高確率判定テーブルが選択される。選択された低確率判定テーブルまたは高確率判定テーブルを参照して、S74またはS84でシフトされた判定エリアに記憶されている大当たり乱数が「大当たり」および「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、RAM52に記憶された未判定の大当たり乱数に基づく大当たり判定が、大当たり乱数の記憶された順に行われる。
【0118】
次いで、大当たり判定の結果が大当たりであるか否かが判断される(S127)。大当たり判定の結果が大当たりの場合(S127:YES)、大当たりであることを示す特別図柄が決定されて(S128)、処理は特別図柄処理(
図16参照)へ戻る。大当たり判定の結果が大当たりでない場合(S127:NO)、はずれであることを示す特別図柄が決定されて(S129)、処理は特別図柄処理へ戻る。
【0119】
図16の説明に戻る。大当たり判定処理(S90)の後、転落当選フラグが「ON」であるか否かが判断される(S91)。転落当選フラグが「ON」の場合(S91:YES)、大当たり判定の結果がはずれであるか否かが判断される(S92)。大当たり判定の結果がはずれの場合(S92:YES)、CPU51が参照する変動パターン決定テーブルとして、転落当選変動パターン決定テーブル(
図7参照)がセットされる(S93)。つまり、転落当選変動パターン決定テーブルは、転落抽選に当選した場合であって、かつ、大当たり判定の結果がはずれである場合にセットされる。次いで、処理はS95へ移行する。転落当選フラグが「OFF」の場合(S91:NO)、もしくは転落当選フラグは「ON」であるが、大当たり判定の結果がはずれでない場合(S92:NO)、CPU51が参照する変動パターン決定テーブルとして、通常変動パターン決定テーブル(
図6参照)がセットされる(S94)。処理はS95へ移行する。
【0120】
次いで、転落当選フラグが「ON」となっていれば「OFF」とされる(S95)。次いで、セットされた変動パターン決定テーブルが参照されて、大当たり判定の種別、遊技状態、および判定結果に応じた変動パターンの1つが、変動パターン決定乱数の値によって決定される(S96)。次いで、S96で決定された変動パターンを指定するための変動パターン指定コマンドがRAM52に記憶される(S97)。変動パターン指定コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、
図13参照)において、サブ制御基板58に送信される。決定された変動パターンに応じて決められている第一特別図柄または第二特別図柄の変動時間が、特別図柄変動時間カウンタにセットされる(S98)。第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかが変動中であることを示す「1」が特別図柄表示状態フラグに記憶されて(S99)、処理はメイン処理へ戻る。
【0121】
また、
図15に示すS62の判断において、特別図柄表示状態フラグに「1」が記憶されている場合には、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかが変動中であると判断され(S62:YES)、S98(
図16参照)の処理においてセットされた特別図柄変動時間カウンタの値によって変動時間が経過したか否かが判断される(S101)。特別図柄変動時間カウンタの値が「0」でない場合には、変動時間がまだ経過していないと判断され(S101:NO)、処理はメイン処理へ戻る。変動時間が経過した場合には(S101:YES)、RAM52に特別図柄停止コマンドが記憶される(S102)。特別図柄停止コマンドは、コマンド出力処理(S10、
図13参照)によってサブ制御基板58および中継基板47に送信され、表示装置28に変動表示されている演出図柄、および第一特別図柄または第二特別図柄の変動停止を指示する。次いで、所定の特別図柄停止表示時間(本実施形態では0.8秒)が特別図柄停止時間カウンタに記憶される(S103)。第一特別図柄および第二特別図柄のいずれかが停止表示中であることを示す「2」が特別図柄表示状態フラグに記憶される(S104)。その後、第一始動口入賞フラグおよび第二始動口入賞フラグのうち「ON」となっているものが「OFF」とされて(S105)、処理はメイン処理へ戻る。
【0122】
また、S63の判断において、特別図柄表示状態フラグに「2」が記憶されている場合(S63:YES)、S103においてセットされた特別図柄停止時間カウンタの値によって、停止表示時間が経過したか否かが判断される(S106)。特別図柄停止時間カウンタの値が「0」でない場合には、停止表示時間がまだ経過していないと判断され(S106:NO)、処理はメイン処理へ戻る。停止表示時間が経過した場合には(S106:YES)、第一特別図柄および第二特別図柄のいずれもが変動中でも停止表示中でもないことを示す「0」が、特別図柄表示状態フラグに記憶される(S107)。次いで、遊技状態移行処理が行われて(S108)、処理はメイン処理へ戻る。
【0123】
図18を参照して、遊技状態移行処理(S108、
図15参照)について詳細に説明する。遊技状態移行処理では、大当たりと判定された場合には遊技を大当たり遊技へ移行させ、所定の終了条件が成立した場合には時短状態および確変状態を終了させるための各種のフラグの制御とが行われる。
【0124】
図18に示すように、遊技状態移行処理が開始されると、大当たり判定の結果が大当たりであるか否かが判断される(S131)。大当たりでない場合(S131:NO)、判定回数をカウントするための判定回数計数カウンタの値(以下、「判定回数計数カウンタ値K」という。)に「1」が加算される(S132)。次いで、確変フラグが「ON」であるか否かが判断される(S133)。確変フラグが「ON」の場合(S133:YES)、遊技状態の移行はないため、処理は特別図柄処理(
図15参照)へ戻る。確変フラグが「OFF」の場合(S133:NO)、判定回数計数カウンタ値Kが「100」以上であるか否かが判断される(S134)。判定回数計数カウンタ値Kが「100」以上でない場合(S134:NO)、遊技状態の移行はないため、処理は特別図柄処理へ戻る。判定回数計数カウンタ値Kが「100」以上の場合(S134:YES)、時短フラグが「ON」であるか否かが判断される(S135)。
【0125】
時短フラグが「OFF」の場合(S135:NO)、既に通常状態であり、遊技状態の移行はないため、処理は特別図柄処理へ戻る。時短フラグが「ON」の場合(S135:YES)、時短フラグが「OFF」とされる(S136)。S136の処理が実行される具体的な場合として、非確変時短状態において判定回数が時短回数である100回に達した場合と、確変時短状態において判定回数が100回以上で転落抽選に当選した場合とが挙げられる。次いで、RAM52に種類数クリアコマンドが記憶される(S137)。種類数クリアコマンドは、コマンド出力処理(S10、
図13参照)によってサブ制御基板58に送信され、種類カウンタ値Tを「0」にクリアすることを指示する。処理は特別図柄処理へ戻る。
【0126】
一方、大当たり判定の結果が大当たりの場合(S131:YES)、大当たり遊技状態フラグが「ON」となる(S141)。本実施形態では、大当たり遊技のラウンド数は、特別図柄決定テーブル(
図5参照)における特別図柄の大当たり種別に応じて決定される。従って、大当たり種別に応じた「8R」および「16R」の各ラウンド数のいずれかを示す値が、ラウンド数を計数するラウンド数カウンタにセットされる(S142)。次いで、演出パターン決定テーブルが参照されて、大当たり種別に応じた演出パターンの1つが、演出パターン決定乱数の値によって決定される(S143)。また、大当たり遊技を開始させることを示し、かつS143で決定された演出Sパターンを指定するための大当たり遊技開始コマンドが、RAM52に記憶される(S144)。大当たり遊技開始コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、
図13参照)において、サブ制御基板58に送信される。
【0127】
次いで、判定回数計数カウンタ値Kが「0」にクリアされる(S145)。次いで、「ON」となっている時短フラグおよび確変フラグがあれば、「OFF」とされる(S146)。つまり、大当たり遊技中は、遊技状態が、確変時短状態または非確変時短状態から通常状態へと移行する。処理は特別図柄処理へ戻る。
【0128】
図19~
図21を参照して、サブ制御基板58が実行するサブ制御基板処理について説明する。サブ制御基板処理では、主制御基板41から送信されるコマンドに従って、表示装置28、スピーカ48等による演出を制御する処理が行われる。特に、サブ制御基板処理では、大当たり判定の結果を報知するための報知演出、報知演出において実行されるバトル演出、発光演出、および大当たり遊技の実行中であることを示すための大当たり演出が制御される。サブ制御基板処理は、ROM583に記憶されているプログラムに従って、CPU581によって実行される。
【0129】
サブ制御基板処理が開始されると、変動パターン指定コマンドを主制御基板41から受信したか否かが判断される(S201)。受信していない場合(S201:NO)、処理はS221の判断に移行する。変動パターン指定コマンドを受信すると(S201:YES)、報知演出制御処理が実行される(S202)。
【0130】
図20を参照して、報知演出制御処理(S202、
図19参照)について詳細に説明する。報知演出制御処理では、報知演出、バトル演出、発光演出等が制御される。
【0131】
図20に示すように、報知演出制御処理が開始されると、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターンがRAM582に記憶される(S241)。次いで、RAM582に記憶された変動パターンがバトル演出を実行する変動パターンであるか否かが判断される(S242)。RAM582に記憶された変動パターンが変動パターンV0~V4、H0~H5、X0のいずれかである場合(S242:NO)、RAM582に記憶された変動パターンに応じて報知演出(非リーチ変動またはリーチ演出A~E)が制御される(S243)。具体的には、複数の演出図柄の変動表示が開始される。処理はサブ制御基板処理(
図19参照)に戻る。
【0132】
RAM582に記憶された変動パターンが変動パターンW0,W1、X1,X2、L0のいずれかである場合(S242:YES)、第一バトル演出が実行される変動パターンであるか否かが判断される(S244)。変動パターンW0、X1、L0のいずれかである場合(S244:YES)、種類カウンタ値Tが規定値である「7」に達しているか否かが判断される(S245)。本実施形態では、種類カウンタ値Tは、第一バトル勝利演出が実行されるごとにカウントされている(
図20のS266、
図21のS287参照)。種類カウンタ値Tが「7」に達していない場合(S245:NO)、キャラクタ選択テーブルが参照され、種類カウンタ値Tに対応しているキャラクタが特定キャラクタとして選択され(S261)、処理はS263に移行する。種類カウンタ値Tが「7」に達している場合(S245:YES)、後述のS293(
図21参照)で選択キャラクタとして選択されたキャラクタが、特定キャラクタとして選択され(S262)、処理はS263に移行する。
【0133】
S261またはS262で選択された特定キャラクタが登場する第一バトル演出が実行される報知演出が制御される(S263)。具体的には、複数の演出図柄の変動表示が開始され、第一バトル演出が実行される。第一バトル演出の実行中には、発光演出が制御される(S264)。発光演出では、第一バトル演出が実行されている間、LED322B~322HのうちS261またはS262で選択された特定キャラクタを示すLEDと、キャラクタAを示すLED322Aとがそれぞれ発光する。
【0134】
次いで、第一バトル勝利演出が実行されたか否かが判断される(S265)。第一バトル引分演出または第一バトル敗北演出が実行された場合(S265:NO)、処理はサブ制御基板処理に戻る。RAM582に記憶された変動パターンが変動パターンW0であり、第一バトル勝利演出が実行された場合(S265:YES)、種類カウンタ値Tに「1」が加算され(S266)、処理はサブ制御基板処理に戻る。なお、種類カウンタ値Tの初期値は「0」である。
【0135】
S244において、S241でRAM582に記憶された変動パターンが変動パターンW1、X2のいずれかである場合(S244:NO)、複数のキャラクタB~Hのうち、S161またはS262が実行されていたとしたら選択されていたキャラクタ以外の複数のキャラクタからいずれかが割込キャラクタとして選択される(S271)。詳細には、種類カウンタ値Tが「7」に達していない場合、キャラクタ選択テーブルが参照され、種類カウンタ値Tに対応しているキャラクタ以外の複数のキャラクタ(すなわち、種類カウンタ値Tに対応していない複数のキャラクタ)のうちいずれかが、割込キャラクタとして選択される。種類カウンタ値Tが「7」に達している場合、後述のS293で選択キャラクタとしてRAM582に記憶されたキャラクタ以外の複数のキャラクタのうちいずれかが、割込キャラクタとして選択される。これらの場合、割込キャラクタは、特定キャラクタとして選択され得るキャラクタ以外の複数のキャラクタのうちから、例えば、乱数によってランダムに選択されてもよいし、所定の順番で選択されてもよいし、他の方法で選択されてもよい。また、遊技機1は、特定キャラクタとして選択可能な複数のキャラクタB~H以外のキャラクタを、割込キャラクタとして選択可能なキャラクタとして備えてもよい。
【0136】
次いで、S271で選択されたキャラクタが登場する第二バトル演出が実行される報知演出が制御される(S272)。具体的には、複数の演出図柄の変動表示が開始され、第二バトル演出が実行される。第二バトル演出中には、発光演出が制御される(S273)。発光演出では、第二バトル演出が実行されている間、LED322B~322HのうちS271で選択されたキャラクタを示すLEDと、キャラクタAを示すLED322Aとがそれぞれ発光する。次いで、処理はサブ制御基板処理(
図19参照)に戻る。
【0137】
図19に示すように、報知演出制御処理(S202)が終了すると、特別図柄停止コマンドを主制御基板41から受信したか否かが判断される(S211)。受信していない場合(S211:NO)、処理はS221の判断へ移行する。特別図柄停止コマンドを受信すると(S211:YES)、大当たり判定の結果を示す演出図柄の組み合わせが確定表示されて報知演出が終了し(S212)、処理はS221の判断へ移行する。次いで、大当たり遊技開始コマンドを主制御基板41から受信したか否かが判断される(S221)。受信していない場合(S221:NO)、処理はS231の判断へ移行する。大当たり遊技開始コマンドを受信すると(S221:YES)、大当たり演出制御処理が実行される(S222)。
【0138】
図21を参照して、大当たり演出制御処理(S222、
図19参照)について詳細に説明する。大当たり演出制御処理では、大当たり遊技中に実行される大当たり演出、キャラクタ選択演出等が制御される。
【0139】
図21に示すように、大当たり演出制御処理が開始されると、大当たり遊技開始コマンドによって指定された演出パターンがRAM582に記憶される(S281)。RAM582に記憶された演出パターンが第一バトル勝利演出を実行する演出パターンであるか否かが判断される(S282)。RAM582に記憶された演出パターンが演出パターンB0、C0、P0のいずれかである場合(S282:NO)、通常大当たり演出が制御され(S283)、処理はS291の判断に移行する。RAM582に記憶された演出パターンが演出パターンP1である場合(S282:YES)、キャラクタ選択テーブルが参照され、種類カウンタ値Tに応じたキャラクタが特定キャラクタとして選択される(S284)。なお、本実施形態では、種類カウンタ値Tが「7」に達している場合、キャラクタB~Hの中からランダムでいずれかのキャラクタが選択される。
【0140】
次いで、S284で選択された特定キャラクタが登場する第一バトル勝利演出が制御される(S285)。例えば、バトル演出映像が表示装置28に表示される。第一バトル勝利演出の実行中には、発光演出が制御される(S286)。発光演出では、第一バトル演出が実行されている間、LED322B~322Hのうち特定キャラクタを示すLEDと、キャラクタAを示すLED322Aとがそれぞれ発光する。次いで、種類カウンタ値Tに「1」が加算され(S287)、処理はS291に移行する。
【0141】
次いで、種類カウンタ値Tが規定値である「7」に達しているか否かが判断される(S291)。種類カウンタ値Tが「7」に達していない場合(S291:NO)、処理はS294に移行する。種類カウンタ値Tが「7」に達している場合(S291:YES)、キャラクタ選択演出(
図12参照)が制御される(S292)。遊技者は、操作ボタン9を操作してキャラクタを選択する。遊技者による操作ボタン9の操作に応じて、キャラクタが選択キャラクタとして選択され、RAM582に記憶される(S293)。次いで、大当たり演出を終了するか否かが判断される(S294)。大当たり演出は、主制御基板41から送信されるラウンド数を示すコマンドに従って制御されている。大当たり遊技がまだ終了しない場合(S294:NO)、大当たり遊技が終了するまで大当たり演出が制御される。大当たり遊技が終了した場合(S294:YES)、大当たり演出が終了され、処理はサブ制御基板処理(
図19参照)に戻る。
【0142】
図19に示すように、大当たり演出制御処理(S232)が終了すると、種類数クリアコマンドを主制御基板41から受信したか否かが判断される(S231)。受信していない場合(S231:NO)、処理はS201の判断に戻る。種類数クリアコマンドを受信すると(S231:YES)、種類カウンタ値Tが「0」にクリアされて(S232)、処理はS201の判断に戻る。種類カウンタ値Tは、非確変時短状態において判定回数が時短回数である100回に達した場合、もしくは確変時短状態において判定回数が100回以上で転落抽選に当選した場合、「0」にクリアされる。これにより、時短状態を介して大当たりが連続する所謂連荘モードが終了し、次に大当たり演出または報知演出において第一バトル演出が実行されると、種類カウンタ値T=「0」に対応するキャラクタBが登場する第一バトル演出が実行される。このように所定の条件が満たされた場合に種類カウンタ値Tが「0」にクリアされることにより、種類カウンタ値Tが「0」にクリアされずに規定値に達した場合、遊技者はより大きな達成感を得ることができる。
【0143】
以上説明したように、遊技機1は、報知演出において、時短状態が生起されている場合に、S261またはS262で選択された特定キャラクタがキャラクタAとの対戦において敗北する態様で行われる変動パターンW0に基づいて第一バトル勝利演出を実行できる。また、遊技機1は、大当たり遊技の実行中には、演出パターンP1に基づいて第一バトル勝利演出が実行される大当たり演出、または演出パターンB0、C0、P0に基づいて通常大当たり演出を実行できる。例えば所定のキャラクタが登場する第一バトル勝利演出を見たことのない遊技者は、大当たり遊技中に、そのキャラクタが登場する第一バトル勝利演出が実行される大当たり演出が実行されることを期待する。従って、遊技機1は、見たことのない演出を見ることに対する期待感を遊技者に与えることができる。
【0144】
複数の大当たり遊技のうち16R長時間開放大当たり遊技を実行することが決定されると、演出パターンP0,P1からいずれかが決定される。すなわち、第一バトル勝利演出が実行される演出パターンP1が決定され得る。一方で、複数の大当たり遊技のうち16R長時間開放大当たり遊技以外の大当たり遊技が実行されることが決定されると、通常大当たり演出が実行される演出パターンB0、C0、P0のいずれかが決定される。すなわち、第一バトル勝利演出が実行される演出パターンP1は決定され得ない。よって、遊技者にとって最も有利な16R長時間開放大当たり遊技が実行されることが決定された場合においてのみ、第一バトル勝利演出が実行される演出パターンP1が決定される可能性がある。遊技者は、大当たり演出において演出パターンP1に基づいて第一バトル勝利演出が実行されることを期待して、大当たり遊技を楽しむことができる。従って、遊技機1は、大当たり演出についての遊技者の関心を高めることができる。
【0145】
種類カウンタ値Tは、第一バトル勝利演出が実行されるごとにカウントされる。変動パターンW0,W1のうち第一バトル勝利演出が実行される変動パターンW0が決定される確率と、演出パターンP0,P1のうち第一バトル勝利演出が実行される演出パターンP1が決定される確率とをそれぞれ調整することで、遊技機1は、種類カウンタ値Tが所定の値に達する確率を容易に調整できる。
【0146】
なお、本実施形態において、第一始動口14および第二始動口15が本発明の「始動口」に相当する。第一始動スイッチ72および第二始動スイッチ73が本発明の「検出手段」に相当する。
図17のS126の処理を実行するCPU51が本発明の「判定手段」に相当する。
図13のS13の処理で、大当たり遊技の動作を制御するCPU51が本発明の「遊技実行手段」に相当する。時短状態が本発明の「特定遊技状態」に相当する。
図13のS13の処理で、大当たり遊技終了後に時短フラグを「ON」にするCPU51が本発明の「生起手段」に相当する。
図20のS261、S262および
図21のS284の処理を実行するCPU581が本発明の「選択手段」に相当する。バトル演出が本発明の「第一特定演出」に相当する。変動パターンW0,W1、X1,X2、L0が本発明の「複数の第一特定演出パターン」に相当する。
図16のS96の処理を実行するCPU51が本発明の「第一決定手段」に相当する。
図20のS263およびS272の処理を実行するCPU581が本発明の「第一演出実行手段」に相当する。大当たり演出が本発明の「第二特定演出」に相当する。演出パターンB0、C0、P0,P1が本発明の「複数の第二特定演出パターン」に相当する。
図18のS143の処理を実行するCPU51が本発明の「第二決定手段」に相当する。
図21のS283およびS285の処理を実行するCPU581が本発明の「第二演出実行手段」に相当する。変動パターンW0および演出パターンP1が本発明の「キャラクタ演出パターン」に相当する。演出パターンB0、C0、P0が本発明の「通常演出パターン」に相当する。ROM53が本発明の「大当たり遊技記憶手段」に相当する。
図17のS128の処理を実行するCPU51が本発明の「第三決定手段」に相当する。16R長時間開放大当たり遊技が本発明の「特定大当たり遊技」に相当する。
図20のS266および
図21のS287の処理を実行するCPU581が本発明の「カウント手段」に相当する。ROM583が本発明の「キャラクタ記憶手段」に相当する。
【0147】
また、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。例えば、上記実施形態において、遊技機1は、バトル演出映像の表示中に発光演出を実行するが、複数のキャラクタのうち少なくとも1つのキャラクタが登場する他の演出映像の表示中に実行してもよい。
【0148】
また、上記実施形態において、発光演出では、遊技機1は、特定LEDを他のLEDの発光態様と異なる態様で発光させる。これに対し、遊技機1は、上記実施形態の発光演出とは異なる態様の演出(以下、「識別演出」という。)によって、特定キャラクタ部材を他のキャラクタ部材と識別可能にしてもよい。例えば、識別演出では、遊技機1は、特定キャラクタ部材を、揺動、回転、振動、変形、移動等させることで他のキャラクタ部材と識別可能にしてもよい。遊技機1は、発光演出を実行することで、表示中のバトル演出映像に登場しているキャラクタを、遊技者に容易に把握させることができる。
【0149】
上記実施形態において、「特定キャラクタが特定の条件を満たす」とは、特定キャラクタがキャラクタAとの対戦において敗北することを示すが、これに限定されない。例えば、「特定キャラクタが特定の条件を満たす」とは、特定キャラクタがキャラクタAとの対戦において勝利することを示してもよい。つまり、特定キャラクタは、敵キャラクタに限定されず、メインキャラクタであってもよい。また、第一バトル演出に代えて、例えば特定キャラクタが所定のゲームをクリアするか否かが示される態様で行われる演出が実行されてもよい。
【0150】
また、所謂バトル演出では、例えば現在登場しているキャラクタ以外のキャラクタが演出の途中で割り込んで登場する場合がある。この場合、演出の途中でキャラクタが割り込んで登場した時点から、そのキャラクタを示すキャラクタ部材に設けられたLEDを発光させる発光演出を実行してもよい。
【0151】
また、メインキャラクタであるキャラクタAと特定キャラクタとを識別可能な態様で特定LEDを発光させてもよい。すなわち、特定LEDのうち、LED322Aと、特定キャラクタを示すキャラクタ部材に設けられたLEDとを互いに異なる態様で発光させてもよい。これにより、例えば3つ以上のキャラクタが登場するバトル演出において、いずれのキャラクタが味方同士であるかを、遊技者は容易に把握できる。
【0152】
上記実施形態において、LED322A~322Hは、それぞれ、キャラクタ部材321A~321Hの外縁に沿って設けられているが、キャラクタ部材321A~321Hの背面側に設けられてもよい。この場合、例えばキャラクタ部材321A~321Hは、光透過性を有する部材で形成されればよい。LED322A~322Hはそれぞれキャラクタ部材321A~321Hに表面に設けられてもよい。また、LED322A~322Hは、それぞれ、キャラクタ部材321A~321Hと対応するように、例えばキャラクタ部材321A~321Hの上部近傍に設けられてもよい。
【0153】
上記実施形態では、種類カウンタ値TがキャラクタB~Hの種類数と同数の規定値である「7」に達した場合、すなわち、メインキャラクタであるキャラクタAが敵キャラクタであるキャラクタB~Hのすべてに勝利した場合に、キャラクタ選択演出が実行される。これに対し、規定値は、遊技機1の有するキャラクタの種類数よりも小さくてもよいし、大きくてもよい。すなわち、キャラクタ選択演出は、キャラクタAがキャラクタB~Hのうち少なくとも1体のキャラクタに勝利した場合に実行されてもよい。
【0154】
また、上記実施形態において、例えば第二バトル勝利演出が実行された場合、S273において割込キャラクタとして選択されたキャラクタをRAM582に記憶しておいてもよい。そして、その後、第一バトル演出が決定された場合に、種類カウンタ値Tに応じたキャラクタがRAM582に記憶されたキャラクタである場合に、S261において種類カウンタ値T+1に応じたキャラクタを選択してもよい。この場合、種類カウンタ値Tが「7」に達するまで、第二バトル勝利演出に割込キャラクタとして登場したキャラクタが、第一バトル勝利演出に特定キャラクタとして再度登場することを防止できる。また、第二バトル勝利演出が実行された場合に種類カウンタ値がカウントされてもよい。
【0155】
また、上記実施形態では、キャラクタ選択演出では、遊技者はキャラクタB~Hのうち所望のキャラクタを選択できる。これに対し、キャラクタ選択演出では、一度遊技者によって選択されたキャラクタは、以降のキャラクタ選択演出において選択できないようにしてもよい。さらに、種類カウンタ値Tが「7」に達すると、それ以後種類カウンタ値Tが「0」にクリアされるまでの大当たり演出では、キャラクタ選択演出が実行される。これに対し、遊技機1は、例えば種類カウンタ値Tが「14」に達した場合、種類カウンタ値Tを「0」にクリアしてもよい。すなわち、キャラクタ選択演出において、7つのキャラクタのすべてを遊技者によって選択された場合、種類カウンタ値Tを「0」にクリアしてもよい。
【0156】
また、操作手段は、上記実施形態の操作ボタン9に限定されない。遊技機1は、操作手段として例えばタッチパネル、モーションセンサー等を備えてもよい。
【0157】
さらには、特許請求の範囲、明細書、および図面に記載される全ての要素は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、特許請求の範囲や明細書等で使用している要素名(要素に付けた名称)は、単に本件の記載のために便宜上付与したに過ぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。すなわち、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「第一演出実行手段」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。さらには、全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくは一つの要素を複数の要素に分けて構成するかは、特許請求の範囲等において特定していない限り、いずれも当業者であれば極めて容易に考えられる事項であるため、敢えて明細書等において全てのパターンを記載しなくてもいずれのパターンも想定範囲内であることから本発明に係る権利範囲に含まれることは勿論である。従って、その程度の範囲内での構成上の差異を有する遊技機を、本実施形態に記載がなされていないことを理由に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはならない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施形態から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。
【符号の説明】
【0158】
1 遊技機
2 遊技盤
14 第一始動口
15 第二始動口
28 表示装置
41 主制御基板
51 CPU
52 RAM
53 ROM
58 サブ制御基板
321A~321H キャラクタ部材
322A~322H LED
581 CPU
582 RAM
583 ROM