(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】ラップマシーン
(51)【国際特許分類】
A01F 15/08 20060101AFI20220117BHJP
A01F 25/00 20060101ALI20220117BHJP
【FI】
A01F15/08 R
A01F25/00 J
(21)【出願番号】P 2017056996
(22)【出願日】2017-03-23
【審査請求日】2020-01-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000132909
【氏名又は名称】株式会社タカキタ
(74)【代理人】
【識別番号】100111349
【氏名又は名称】久留 徹
(72)【発明者】
【氏名】岡嶋 弘
【審査官】小島 洋志
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-226507(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0296715(US,A1)
【文献】特開2013-005723(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0125518(US,A1)
【文献】特開2009-159926(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01F 15/08
A01F 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムロールからフィルムを繰り出してロールベールに巻き付けるラップマシーンにおいて、
フィルムロールから繰り出されたフィルムをストレッチさせるストレッチ部と、
当該ストレッチ部に供給されるフィルムを
、高い位置と低い位置に選択可能に保持させる起立した挿入桿と、
当該挿入稈を円周方向に沿って4本起立させた状態で保持し、当該4本の挿入稈を円周方向に回転させるための回転保持部と、
当該回転保持部を所定の回転位置に固定させた状態で、前記4本の挿入稈のうち、円周方向に隣接する高い位置のフィルムロールと低い位置のフィルムロールからフィルムを繰り出し、前記ストレッチ部で当該繰り出されたフィルムをストレッチさせてロールベールに巻き付けられるようにしたラップマシーン。
【請求項2】
前記回転保持部に設けられた特定の挿入桿が所定の位置した場合にのみ、当該挿入桿の傾倒を許容させる傾倒許容部を設け、当該傾倒許容部で傾倒可能に設けられた挿入稈以外の挿入稈を、起立状態に保持させるようにした請求項1に記載のラップマシーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロールベールの外周にフィルムを巻き付けるようにしたラップマシーンに関するものであって、より詳しくは、予備のフィルムロールを保持できるようにしたラップマシーンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ロールベールにフィルムを巻き付けるようにしたラップマシーンは、ロールベールを載置するターンテーブルや、このターンテーブルに載置されたロールベールを回転させる回転機構、薄いフィルムを繰り出すフィルムユニットなどを備えて構成されている。そして、このようなロールベールにフィルムを巻き付ける場合は、フィルムユニットからフィルムをストレッチさせながら繰り出すとともに、鉛直軸および水平軸を中心にロールベールを回転させてフィルムを全体的に巻き付けるようにしている(特許文献1など)。
【0003】
ところで、このようなフィルムロールは、圃場での交換が可能なように、例えば、ラップマシーンとトラクターの連結フレームなどに櫛状の挿入桿を設けておき、そこに複数本の予備のフィルムロールを挿入して保管するようにしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような位置に挿入桿を設けてフィルムロールを保管する場合、フィルムを巻き付けている途中でフィルムがなくなると、連結フレームの挿入桿からフィルムロールを抜き出してセットしなければならず、その作業に時間がかかってしまう。
【0006】
また、一般にフィルムロールは18kg~25kgと大変重いものであり、また、高低差のある挿入桿やフィルムユニットの位置まで何度も抜き差ししなければならないため、背丈の低い作業者や体力のない作業者にとっては、その作業が大変なものとなっていた。
【0007】
そこで、本発明は、上記課題に着目してなされたもので、フィルムロールのフィルムがなくなってしまった場合であっても、容易に予備のフィルムロールを使用できるようにしたラップマシーンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は上記課題を解決するために、フィルムロールからフィルムを繰り出してロールベールに巻き付けるラップマシーンにおいて、フィルムロールから繰り出されたフィルムをストレッチさせるストレッチ部と、当該ストレッチ部に供給されるフィルムを、高い位置と低い位置に選択可能に保持させる起立した挿入桿と、当該挿入稈を円周方向に沿って4本起立させた状態で保持し、当該4本の挿入稈を円周方向に回転させるための回転保持部と、当該回転保持部を所定の回転位置に固定させた状態で、前記4本の挿入稈のうち、円周方向に隣接する高い位置のフィルムロールと低い位置のフィルムロールからフィルムを繰り出し、前記ストレッチ部で当該繰り出されたフィルムをストレッチさせてロールベールに巻き付けられるようにしたものである。
【0009】
このように構成すれば、予備のフィルムロールをストレッチ部の一番近い位置に移動させ、そこからストレッチ部で押圧させながらフィルムを繰り出していくことができるようになる。
【0010】
また、このような発明において、前記回転保持部に設けられた特定の挿入桿が所定の位置した場合にのみ、当該挿入桿の傾倒を許容させる傾倒許容部を設け、当該傾倒許容部で傾倒可能に設けられた挿入稈以外の挿入稈を、起立状態に保持させるようにする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、予備のフィルムロールをストレッチ部の一番近い位置に移動させ、そこからストレッチ部で押圧させながらフィルムを繰り出していくことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施の形態を示すラップマシーンの概略図
【
図2】同形態におけるフィルムユニットに75cm幅のフィルムロールを保持させた状態を示す図
【
図3】同形態におけるフィルムユニットに50cm幅のフィルムロールを段違いに保持させた状態を示す図
【
図4】同形態におけるフィルム保持部の上部フレームを示す図
【
図5】同形態におけるフィルム保持部の回転保持部や下部フレームを示す概略図
【
図6】同形態におけるフィルム保持部を下方から見た図
【
図8】同形態におけるベール支持台を傾斜させてロールベールを放出する際の状態図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0014】
この実施の形態におけるラップマシーン1は、
図1に示すように、ロールベール9を載置して回転させるターンテーブル2と、このターンテーブル2によって回転するロールベール9にフィルムをストレッチさせて繰り出すようにしたストレッチ部6などを備えて構成されている。そして、特徴的に、このストレッチ部6に隣接して、複数本のフィルムロール7を保持する回転保持部40を設けておき、その回転保持部40に保持されたフィルムロール7を周回させながら選択して使用できるようにしたものである。以下、本実施の形態におけるラップマシーン1の構成について詳細に説明する。
【0015】
まず、ロールベール9を支持させた状態で回転させるターンテーブル2は、ベール支持台23の上に支持されるものであって、
図1に示すように、前後一定間隔をもって平行に設けられた一対のローラー21と、そのローラー21の間に張架されるベルト22を備えて構成されている。そして、ローラー21をその軸芯に沿って回転させることで、水平軸を中心としてロールベール9を回転させるとともに、ターンテーブル2の下方に設けられた図示しないモーターを用いて鉛直軸を中心としてターンテーブル2を回転させるようにしている。
【0016】
このターンテーブル2の側方には、フィルムユニット3が設けられる。このフィルムユニット3は、このターンテーブル2に載置されたロールベール9に対して、薄いフィルムをストレッチさせながら繰り出せるようにしたものであって、本体のフレームから起立する支柱31の上端に設けられる。
【0017】
このフィルムユニット3は、複数本のフィルムロール7の位置を変えられるように保持するフィルム保持部4と、そのフィルム保持部4で保持されたフィルムロール7のフィルムをストレッチさせながら繰り出すストレッチ部6とを有するように構成されている。
【0018】
このうち、フィルム保持部4は、
図2から
図6に示すように、支柱31の下方で回転可能に取り付けられた回転保持部40と、その回転保持部40の同心円上に設けられた複数本の平行な挿入桿5などを備えて構成されており、こられの挿入桿5にフィルムロール7を挿入させて保持させるようになっている。この挿入桿5は、
図5や
図6に示すように、回転保持部40の外縁から内側に向けて切り込んだ溝部41の内部に設けられたヒンジ41aを介して取り付けられており、そのヒンジ41aを中心に傾動させるようになっている。そして、このように挿入桿5を傾動させることで、上端からフィルムロール7を挿入できるようにしており、このフィルムロール7を挿入した挿入桿5を戻す場合は、
図4に示すように、その上端側を前記支柱31を中心に回転可能に設けられた上部フレーム45の溝部46に差し込み、その状態で固定部であるフック48を介して係止させるようにしている。このフック48は、バネ48bを介して常に挿入桿5を係止させるように力を付勢しており、その係止状態を解除する場合は、逆方向に力を付与することで係止状態を解除できるようになっている。
【0019】
ところで、この挿入桿5を傾倒させる場合、不用意な位置で挿入桿5を傾倒させると、フィルムロール7がラップマシーン1の本体に接触したり、トラクターに接触して破損する可能性がある。このため、この挿入桿5は、ラップマシーン1の最も外側の位置(
図1における紙面手前側)にフィルムロール7が位置した場合にのみ、固定部であるフック48などを解除できるようにしている。このフック48を解除する場合は、
図4に示すように、支柱31の中心側に取り付けられた円板47aにフック48の爪48aを退避させる退避部47を設けておき、フィルムロール7がラップマシーン1の最も外側に位置した場合にのみ、支点を介してフック48を回動させるようにしている。これにより、フック48が回動した際に爪48aが退避部47の内側に入り込むようになるため、フック48の回動が許容される。一方、それ以外の位置では、フック48部の爪48aが円板の外周に当接するため、回動することができない。これにより、フィルムロール7が外側に位置した場合にのみフック48を解除させることができるようになる。
【0020】
また、このようにフィルムロール7が最も外側に位置した状態で挿入桿5を傾倒させる場合、フック48の解除とともに、
図5および
図6に示すように、挿入桿5の下側に設けられたストッパー片49も解除させて挿入桿5を傾倒させるようにする。このストッパー片49は、回転保持部40の下方でバネを介して下方に傾動させるように設けられており、その先端部分を挿入桿5に当接させるようにしている。これにより、ストッパー片49の先端が挿入桿5の下方部分に当接し、挿入桿5の傾倒が防止される。一方、その挿入桿5を傾倒させる場合は、そのストッパー片49を下方に傾倒させることで、挿入桿5を傾倒させるようにする。
【0021】
この挿入桿5を支持する回転保持部40は、支柱31を中心とする同心円上にフィルムロール7を保持させるようにしたもので、特定の位置でその支柱を中心とする回転状態が固定されるようになっている。この回転保持部40を固定させる場合は、
図5や
図6に示すように、回転保持部40の下方に設けられた下部フレーム42からピン43を上方向に挿入するとともに、その先端部分を回転保持部40の下方に設けられた凹部44に嵌合させ、これによって、回転保持部40の回転状態を固定させる。これにより、フィルムロール7の位置が固定され、安定してフィルムをストレッチ部6に供給させることができるようになる。
【0022】
一方、これらの挿入桿5には、フィルム幅の異なる(例えば、75cm幅、50cm幅など)複数種類のフィルムロール7を保持させるための複数の穴部51が設けられており、ここにピンを差し込むことで軸芯保持部53の高さを変えてフィルムロール7を保持させるようになっている。このフィルムロール7を保持させる場合、例えば、
図2に示すように、75cm幅のフィルムロール7を取り付ける場合は、最下部の穴部51にピン52を差し込んでフィルムロール7を保持させ、そのフィルムロール7の上端部に押圧部54で押圧させて浮き上がりを防止する。一方、50cm幅のフィルムロール7を取り付ける場合は、下から2番目の穴部51にピン52を差し込んでフィルムロール7を取り付けるか、あるいは、
図3に示すように、最下部の穴部51と2番目の穴部51にピン52を差し込んで隣接するフィルムロール7を段違いに取り付けるようにする。このように段違いにフィルムロール7を取り付けると、互いにオーバーラップさせた状態で二本のフィルムロール7からフィルムを繰り出すことができ、幅広くロールベール9にフィルムを巻き付けることができるようになる。また、いずれか一方のフィルムロール7がなくなった場合は、回転保持部40を回転させることで、隣接する段違いのフィルムロール7を用いてフィルムを繰り出して使用することもできるようになる。
【0023】
ストレッチ部6は、フィルムロール7から繰り出されたフィルムを150%~180%ストレッチさせて繰り出せるようにしたものであって、
図7の原理図に示すように、ギア比の異なるギアを噛み合わせることで、それぞれのストレッチローラ61、62の回転数を変えられるようにしている。このストレッチを行う場合、出口側(ロールベール9側)に設けられた第二ストレッチローラ62の回転よりフィルムロール7側に設けられた第一ストレッチローラ61を相対的に遅く回転させるようにしている。これにより、フィルムをストレッチさせながら繰り出してロールベール9に巻き付けることができるようになる。なお、このストレッチ部6の第一ストレッチローラ61は、バネ63を介してフィルムロール7の外周を押圧させるようになっており、これによって、フィルムロール7の慣性による自由回転を抑制し、無駄にフィルムが繰り出されるのを防止できるようにしている。
【0024】
このように繰り出されたフィルムは、ターンテーブル2上で回転するロールベール9に巻き付けられ、その後、
図8に示すように、ベール支持台23を油圧シリンダー24で後方に傾倒させて切断保持部8で切断される。この切断保持部8は、ベール支持台23の端部に設けられており、ベール支持台23を傾倒させることで、フィルムを下から束ねた状態で保持してカッターで切断できるようになっている。そして、このようにフィルムを切断した状態で、ロールベール9を後方に放出させる。このとき、切断保持部8では、次のロールベール9へのフィルムの巻き付けのために、フィルムの端部が保持された状態となる。
【0025】
次に、このように構成されたラップマシーン1の使用方法について説明する。
【0026】
まず、ロールベール9にフィルムを巻き付ける場合、そのフィルムの巻き付け対象となるロールベール9をターンテーブル2の上に載置するとともに、フィルム保持部4に複数本のフィルムロール7を挿入して保持させる。
【0027】
このフィルムロール7を保持させる場合、挿入桿5を最も外側に位置させるように回転保持部40を回転させ、その状態で固定部のピン43を挿入して回転状態を固定する。すると、その状態で、上部フレーム45側に設けられたフック48の爪48aが退避部47に退避可能な状態になり、フック48による挿入桿5の係止状態を解除することができるようになる。また、これとともに、下部フレーム42側に設けられたストッパー片49を下方に倒し、これによって挿入桿5を車体の側方に傾倒させるようにする。そして、その挿入桿5に上からフィルムロール7を挿入させるようにする。このとき、75cm幅のフィルムロール7を挿入させる場合は、挿入桿5の最下部に設けられた穴部51にピン52を差し込んで軸芯保持部53でフィルムロール7を保持させ、一方、50cm幅のフィルムロール7を挿入する場合は、挿入桿5の最下部もしくは下から二番目の穴部51にピン52を差し込んで軸芯保持部53でフィルムロール7を保持させる。そして、このようにフィルムロール7を保持させた状態で挿入桿5を起立させ、上部フレーム45の溝部46に収容してフック48で係止させる。
【0028】
次に、このようにフィルムロール7を保持させた後、回転保持部40の下方のピン43を抜いて回転保持部40を回転させ、未装填の挿入桿5が最も外側に位置した状態で再び下側のピン43を挿入して回転保持部40を固定する。そして、同様にしてフック48やストッパー片49を解除するとともに、挿入桿5の穴部51を選択してピン52を横から挿入し、軸芯保持部53でフィルムロール7を保持させる。このとき、75cm幅のフィルムロール7を保持させる場合は、
図2に示すように、挿入桿5の最下部に設けられた穴部51にピン52を差し込んで軸芯保持部53でフィルムロール7を保持させ、一方、50cm幅のフィルムロール7を保持させる場合は、
図3に示すように、先程のフィルムロール7と高さの異なる位置にピン52を差し込んで軸芯保持部53でフィルムロール7を保持させる。
【0029】
以下、同様にして順次回転保持部40を回転させながらフィルムロール7を保持させていく。そして、フィルムロール7を保持させるのと同時に、フィルムロール7の上端部を押圧部54で押圧させて浮き上がりを防止する。
【0030】
そして、このようにフィルムロール7を保持させた状態で、ストレッチ部6の第一ストレッチローラ61をバネ63を用いて内側のフィルムロール7に押圧させ、その状態でフィルムを第一ストレッチローラ61や第二ストレッチローラ62を介して切断保持部8までフィルムを繰り出すようにする。そして、その切断保持部8でフィルムの端部を保持させておくようにする。
【0031】
このようにフィルムやロールベール9をセットした状態で、ターンテーブル2によってロールベール9を回転させる。すると、ターンテーブル2の切断保持部8に保持されたフィルムがターンテーブル2の回転によってロールベール9の外周に巻き付けられていく。このとき、ロールベール9は水平軸および鉛直軸に回転するため、その回転によってロールベール9の全体にフィルムを巻き付けることができるようになる。
【0032】
そして、所定回数フィルムを巻き付けてターンテーブル2を所定の位置に停止させた後、
図8に示すように、ベール支持台23を後方に向けて傾斜させ、ロールベール9を後方に放出させる。このとき、ベール支持台23を傾斜させると、ターンテーブル2に設けられた切断保持部8によってフィルムの端部が保持され、その後、ロールベール9側のフィルムが切断される。これによりロールベール9の放出が可能になる。
【0033】
以下、同様にしてロールベール9の載置やフィルムの巻き付けを行うようにするが、このフィルムの巻き付け途中でフィルムがなくなった場合、回転保持部40の下方のピン43を抜いて回転保持部40をいずれか一方に回転させ、新規のフィルムロール7を第一ストレッチローラ61に最も近い位置まで移動させる。そして、再び下方のピン43を挿入して回転状態を固定する。そして、そのフィルムロール7からフィルムを撮りだしてストレッチ部6にフィルムを通し、切断保持部8でそのフィルムの端部を保持させる。このとき、50cm幅のフィルムロール7を段違いに用いている場合は、残っている方のフィルムロール7をそのまま用い、これに隣接するフィルムロール7からフィルムを繰り出してオーバーラップさせるようにストレッチ部6を通す。そして、同様に切断保持部8にそれらのフィルムの端部を保持させるようにする。
【0034】
以下、同様にしてターンテーブル2を回転させてロールベール9にフィルムを巻き付けていき、ベール保持部を傾動させてロールベール9を放出する。
【0035】
このように上記実施の形態によれば、フィルムロール7からフィルムを繰り出してロールベール9に巻き付けるラップマシーン1において、フィルムロール7から繰り出されたフィルムをストレッチさせるストレッチ部6と、当該ストレッチ部6に供給されるフィルムを、高い位置と低い位置に選択可能に保持させる起立した挿入桿5と、当該挿入稈5を円周方向に沿って4本起立させた状態で保持し、当該4本の挿入稈5を円周方向に回転させるための回転保持部40と、当該回転保持部40を所定の回転位置に固定させた状態で、前記4本の挿入稈5のうち、円周方向に隣接する高い位置のフィルムロール7と低い位置のフィルムロール7からフィルムを繰り出し、前記ストレッチ部6で当該繰り出されたフィルムをストレッチさせてロールベール9に巻き付けられるようにしたので、予備のフィルムロール7をストレッチ部6の一番近い位置に移動させ、そこからストレッチ部6で押圧させながらフィルムを繰り出していくことができるようになる。
【0036】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。
【0037】
例えば、上記実施の形態では、回転保持部40に同心円上に挿入桿5を取り付けて回転させるようにしたが、直線状に挿入桿5を平行に設け、これを横方向にスライドさせて挿入桿5の位置を移動させるようにしてもよい。あるいは、平行に設けられた2~3本の挿入桿5を扇状に回転させることで、挿入桿5の位置を変えられるようにしてもよい。
【0038】
また、上記実施の形態では、挿入桿5として一本の細長い棒状のものを用い、この上端部側をフック48で係止させるようにしたが、上端部側と下端部側にそれぞれフィルムロール7の軸芯に嵌合する短い挿入桿を延出させ、これによってフィルムロール7を上下から挟み込んで保持させるようにしてもよい。
【0039】
さらに、上記実施の形態では、フック48を用いて挿入桿5の傾倒を防止させるようにしたが、これ以外にピンを挿入して挿入桿5の傾倒を防止させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0040】
1・・・ラップマシーン
2・・・ターンテーブル
21・・・ローラー
22・・・ベルト
23・・・ベール支持台
24・・・油圧シリンダー
3・・・フィルムユニット
31・・・支柱
4・・・フィルム保持部
40・・・回転保持部
41・・・溝部
41a・・・ヒンジ
42・・・下部フレーム
43・・・ピン
44・・・凹部
45・・・上部フレーム
46・・・溝
47・・・退避部
48・・・フック
48a・・・爪
48b・・・バネ
49・・・ストッパー片
5・・・挿入桿
51・・・穴部
52・・・ピン
53・・・軸芯保持部
54・・・押圧部
6・・・ストレッチ部
61・・・第一ストレッチローラ
62・・・第二ストレッチローラ
63・・・バネ
7・・・フィルムロール
71・・・フィルム
8・・・切断保持部