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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】化粧料用樹脂分散液
(51)【国際特許分類】
   C08L 33/14 20060101AFI20220117BHJP
   C08L 83/04 20060101ALI20220117BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20220117BHJP
   C08K 5/01 20060101ALI20220117BHJP
   A61K 8/04 20060101ALI20220117BHJP
   A61K 8/891 20060101ALI20220117BHJP
   A61Q 1/10 20060101ALI20220117BHJP
   A61Q 1/02 20060101ALI20220117BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20220117BHJP
   A61K 8/89 20060101ALI20220117BHJP
   A61K 8/31 20060101ALI20220117BHJP
【FI】
C08L33/14
C08L83/04
C08L101/00
C08K5/01
A61K8/04
A61K8/891
A61Q1/10
A61Q1/02
A61K8/81
A61K8/89
A61K8/31
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018060502
(22)【出願日】2018-03-27
(65)【公開番号】P2019172757
(43)【公開日】2019-10-10
【審査請求日】2020-10-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000004592
【氏名又は名称】日本カーバイド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】竹田 佳靖
(72)【発明者】
【氏名】中野 宏人
【審査官】中落 臣諭
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-285013(JP,A)
【文献】特開2013-221028(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L1/00-101/14
C08K3/00-13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非水溶媒(A)と、
エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーンに由来する構成単位(b1)及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位(b2)を含み、かつ、前記構成単位(b1)の含有率が、全構成単位に対して、35質量%以上48質量%以下の(メタ)アクリル系共重合体(b)である分散剤(B)と、
前記(メタ)アクリル系共重合体(b)とは異なる共重合体(c)である分散粒子(C)と、
を含有する化粧料用樹脂分散液。
【請求項2】
前記反応性シリコーンが、下記式(1)で表される化合物である請求項1に記載の化粧料用樹脂分散液。
【化1】


式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基を表し、R、R、R、R、及びRは、各々独立に、炭素数1~5のアルキル基、炭素数1~5のアルコキシ基、又は炭素数1~3のアルキル基を有するトリアルキルシロキシ基を表す。mは、1~10の整数を表し、nは、0~150の整数を表す。
【請求項3】
前記非水溶媒(A)が、脂肪族炭化水素系溶媒及びシリコーン油からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1又は請求項2に記載の化粧料用樹脂分散液。
【請求項4】
前記脂肪族炭化水素系溶媒が、2,2,4,6,6-ペンタメチルヘプタンである請求項3に記載の化粧料用樹脂分散液。
【請求項5】
前記シリコーン油が、デカメチルシクロペンタシロキサンである請求項3に記載の化粧料用樹脂分散液。
【請求項6】
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体が、2-エチルヘキシルメタクリレートを含む請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の化粧料用樹脂分散液。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、化粧料用樹脂分散液に関する。
【背景技術】
【0002】
ファンデーション、アイライナー、マスカラ等の各種化粧料には、皮膜形成剤が含まれている。皮膜形成剤には、アクリル樹脂、シリコーン樹脂等の各種樹脂が広く使用されている。皮膜形成剤では、人体に対する刺激が小さいとの理由から、樹脂をエマルション樹脂の形態で使用している。しかし、エマルション樹脂を含む化粧料は、汗等の水分の影響により剥がれやすい傾向がある。そのため、エマルション樹脂を含む化粧料では、有機溶媒、シリコーン油等の各種溶媒を使用することで、耐水性を改善している。
【0003】
例えば、シリコーン油を含有する非水溶媒(A)、特定の構造を有する珪素含有単量体の重合体からなる上記非水溶媒(A)に可溶性の分散安定剤(B)、及び、上記非水溶媒(A)に実質的に不溶性の重合体からなる分散粒子(C)を含有してなる化粧料原料用非水系樹脂分散液が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平8-269332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、シリコーン油を含有する非水溶媒と(メタ)アクリル系樹脂とを含む非水系樹脂分散液では、(メタ)アクリル系樹脂が不溶化しやすく、良好な分散性が得られ難いという問題がある。
(メタ)アクリル系樹脂の不溶化を抑制する方法としては、例えば、界面活性剤を使用する方法が考えられる。しかし、化粧料において界面活性剤を使用した場合に、化粧料の耐水性が低下しやすい傾向がある。そのため、界面活性剤は、実質的には使用しづらい。
他の方法としては、例えば、シリコーン油を使用せずに分散安定剤を使用する方法も考えられる。しかし、この方法によれば、(メタ)アクリル系樹脂の不溶化を抑制できるものの、化粧料においてシリコーン油を配合した場合に、樹脂分散液とシリコーン油との相溶性が悪いため、形成される膜の光沢が失われやすい傾向がある。
以上のように、従来の非水系樹脂分散液では、優れた分散性を確保しながら、化粧料の原料として使用した場合に、光沢性に優れる膜を形成することは困難であった。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、分散性に優れ、かつ、光沢性に優れる膜を形成できる化粧料用樹脂分散液を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための具体的手段には、以下の態様が含まれる。
<1> 非水溶媒(A)と、エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーンに由来する構成単位(b1)及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位(b2)を含み、かつ、上記構成単位(b1)の含有率が、全構成単位に対して、35質量%以上50質量%以下の(メタ)アクリル系共重合体(b)である分散剤(B)と、上記(メタ)アクリル系共重合体(b)とは異なる共重合体(c)である分散粒子(C)と、を含有する化粧料用樹脂分散液。
<2> 上記反応性シリコーンが、下記式(1)で表される化合物である<1>に記載の化粧料用樹脂分散液。
【0008】
【化1】

【0009】
式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基を表し、R、R、R、R、及びRは、各々独立に、炭素数1~5のアルキル基、炭素数1~5のアルコキシ基、又は炭素数1~3のアルキル基を有するトリアルキルシロキシ基を表す。mは、1~10の整数を表し、nは、0~150の整数を表す。
【0010】
<3> 上記非水溶媒(A)が、脂肪族炭化水素系溶媒及びシリコーン油からなる群より選ばれる少なくとも1種である<1>又は<2>に記載の化粧料用樹脂分散液。
<4> 上記脂肪族炭化水素系溶媒が、2,2,4,6,6-ペンタメチルヘプタンである<3>に記載の化粧料用樹脂分散液。
<5> 上記シリコーン油が、デカメチルシクロペンタシロキサンである<3>に記載の化粧料用樹脂分散液。
<6> 上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体が、2-エチルヘキシルメタクリレートを含む<1>~<5>のいずれか1つに記載の化粧料用樹脂分散液。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、分散性に優れ、かつ、光沢性に優れる膜を形成できる化粧料用樹脂分散液が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明する。但し、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
【0013】
本明細書において、「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本明細書において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本明細書において、各成分の量は、各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、複数種の物質の合計量を意味する。
【0014】
本明細書において、「(メタ)アクリル系共重合体」とは、(メタ)アクリロイル基を有する単量体に由来する構成単位の含有率が全構成単位(即ち、(メタ)アクリル系共重合体を構成する全構成単位)の50質量%以上である共重合体を意味する。
【0015】
本明細書において、「(メタ)アクリル」は、アクリル及びメタクリルの両方を包含する用語であり、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート及びメタクリレートの両方を包含する用語であり、「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基及びメタクリロイル基の両方を包含する用語である。
【0016】
本明細書において、「液分散性」とは、樹脂分散液自体の分散性を意味する。より詳しくは、非水溶媒(A)中の分散粒子(C)の分散性を意味する。
本明細書において、「希釈分散性」とは、樹脂分散液の希釈後の分散性を意味し、「希釈分散性に優れる」とは、分散性が樹脂分散液中の非水溶媒(A)とは異なる種類の溶媒による希釈の影響を受け難いことを意味する。
本明細書における「樹脂分散液の分散性」には、「液分散性」及び「希釈分散性」の両方が包含される。
【0017】
本明細書における「化粧料」には、化粧品に分類される化粧料のみならず、医薬部外品に分類される化粧料(所謂、薬用化粧品)も包含される。
【0018】
[化粧料用樹脂分散液]
本発明の化粧料用樹脂分散液(以下、単に「樹脂分散液」ともいう。)は、非水溶媒(A)と、エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーンに由来する構成単位(b1)及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位(b2)を含み、かつ、上記構成単位(b1)の含有率が、全構成単位に対して、35質量%以上50質量%以下の(メタ)アクリル系共重合体(b)である分散剤(B)と、上記(メタ)アクリル系共重合体(b)とは異なる共重合体(c)である分散粒子(C)と、を含有する。
本発明の樹脂分散液は、化粧料の原料として用いられる樹脂分散液である。
本発明の樹脂分散液は、分散性に優れ、また、本発明の樹脂分散液によれば、光沢性に優れる膜を形成できる。
【0019】
以下、本発明の樹脂分散液の各成分について説明する。
【0020】
〔非水溶媒(A)〕
本発明の樹脂分散液は、非水溶媒(A)を含有する。
本発明の樹脂分散液において、非水溶媒(A)は、分散媒として機能する。
本明細書において、「非水溶媒」とは、水に対する溶解度が低い溶媒(例えば、有機溶媒及びシリコーン系溶媒)を意味し、25℃における水への溶解度が0.05質量%以下である溶媒が好ましい。
【0021】
非水溶媒(A)としては、化粧料に配合し得るものであれば、特に制限されない。
非水溶媒(A)としては、脂肪族炭化水素系溶媒、脂環式炭化水素系溶媒、シリコーン油等が挙げられる。
これらの中でも、非水溶媒(A)としては、揮発しやすく、膜を形成しやすいとの観点から、脂肪族炭化水素系溶媒及びシリコーン油からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【0022】
脂肪族炭化水素系溶媒は、特に制限されず、例えば、直鎖状及び分岐鎖状のいずれであってもよい。
脂肪族炭化水素系溶媒としては、例えば、人体に対する刺激が小さいとの観点から、炭素数9~13の脂肪族炭化水素系溶媒が好ましく、炭素数10~13の脂肪族炭化水素系溶媒がより好ましい。
脂肪族炭化水素系溶媒の具体例としては、イソデカン、イソドデカン、イソヘキサデカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン等が挙げられる。
脂肪族炭化水素系溶媒は、イソドデカン(即ち、2,2,4,6,6-ペンタメチルヘプタン)を含むことが好ましく、イソドデカン(即ち、2,2,4,6,6-ペンタメチルヘプタン)であることがより好ましい。
イソドデカン(即ち、2,2,4,6,6-ペンタメチルヘプタン)は、分散粒子(C)を形成する際に重合反応が適切に行われる点、及び、重合反応後の作業の際に、樹脂分散液の粘度が高くなりすぎることによる作業性の低下が起きない点において、好ましい。
【0023】
シリコーン油としては、特に制限はない。
シリコーン油の具体例としては、ジアルキルシリコーンオイル(ジメチルシリコーンオイル、ジエチルシリコーンオイル、ジブチルシリコーンオイル等)、環状ポリジアルキルシロキサン(環状ポリジメチルシロキサン、環状ポリジエチルシロキサン、環状ポリジブチルシロキサン等)、環状ポリアルキルフェニルシロキサン(環状ポリメチルフェニルシロキサン、環状ポリエチルフェニルシロキサン、環状ポリブチルフェニルシロキサン等)、アルキルフェニルシロキサン(メチルフェニルシロキサン、エチルフェニルシロキサン、ブチルフェニルシロキサン等)、変性シリコーンオイル(高級脂肪酸変性シリコーンオイル、メチル塩素化フェニルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル等)等が挙げられる。
これらの中でも、シリコーン油としては、例えば、皮膜形成性の観点から、揮発性を有するシリコーン油が好ましい。
具体的には、揮発性を有するジアルキルシリコーンオイル、揮発性を有する環状ポリジアルキルシロキサン、及び揮発性を有する環状ポリアルキルフェニルシロキサンからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、揮発性を有するジメチルシリコーンオイル、揮発性を有する環状ポリジアルキルシロキサン、及び揮発性を有する環状ポリアルキルフェニルシロキサンからなる群より選ばれる少なくとも1種がより好ましく、揮発性を有する環状ポリジメチルシロキサン(オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等)からなる群より選ばれる少なくとも1種が更に好ましく、デカメチルシクロペンタシロキサン(化粧品成分表示名称:シクロペンタシロキサン)が特に好ましい。
【0024】
シリコーン油としては、市販品を使用できる。
シリコーン油の市販品の例としては、SH245〔東レ・ダウコーニング(株)〕、KF-995〔信越化学工業(株)〕等が挙げられる。
【0025】
本発明の樹脂分散液は、非水溶媒(A)を1種のみ含んでいてもよく、2種以上を含んでいてもよい。
【0026】
本発明の樹脂分散液における非水溶媒(A)の含有率は、特に制限されないが、例えば、樹脂分散液の全質量に対して、35質量%以上70質量%以下が好ましく、40質量%以上70質量%以下がより好ましく、50質量%以上70質量%以下が更に好ましい。
本発明の樹脂分散液における非水溶媒(A)の含有率が、樹脂分散液の全質量に対して35質量%以上であると、樹脂分散液の粘度が高くなりすぎないため、光沢性に優れる膜をより形成しやすい傾向がある。
本発明の樹脂分散液における非水溶媒(A)の含有率が、樹脂分散液の全質量に対して70質量%以下であると、後述するように、非水溶媒(A)中で分散剤(B)を重合する場合に、分散剤(B)の濃度がより適切に保たれるため、分散剤(B)の濃度低下に起因する樹脂分散液の液分散性の低下が生じ難い。また、本発明の樹脂分散液を化粧料の原料として用いた場合に、形成される膜の光沢性の低下が生じ難い傾向がある。
【0027】
〔分散剤(B)〕
本発明の樹脂分散液は、エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーンに由来する構成単位(b1)及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位(b2)を含み、かつ、上記構成単位(b1)の含有率が、全構成単位に対して、35質量%以上50質量%以下の(メタ)アクリル系共重合体(b)である分散剤(B)を含有する。
本発明の樹脂分散液において、分散剤(B)は、非水溶媒(A)中に分散粒子(C)を分散させる分散剤として機能する。
【0028】
分散剤(B)は、既述の非水溶媒(A)に可溶な分散剤である。
「分散剤(B)が非水溶媒(A)に可溶である」とは、25℃における非水溶媒(A)への分散剤(B)の溶解度が90質量%以上であること、また、好ましくは99質量%以上であることを意味する。
【0029】
<エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーンに由来する構成単位(b1)>
(メタ)アクリル系共重合体(b)は、エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーンに由来する構成単位(b1)を含む。
エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーンに由来する構成単位(b1)は、樹脂分散液の分散性及び形成される膜の光沢性の向上に寄与する。
【0030】
本明細書において「エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーンに由来する構成単位」とは、エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーンが付加重合して形成される構成単位を意味する。
【0031】
エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーン(以下、単に「反応性シリコーン」ともいう。)としては、特に制限はない。
反応性シリコーンは、例えば、樹脂分散液の液分散性及び希釈分散性の観点から、下記式(1)で表される化合物であることが好ましい。
【0032】
【化2】

【0033】
式(1)において、Rは、水素原子又はメチル基を表し、メチル基であることが好ましい。
式(1)において、R、R、R、R、及びRは、各々独立に、炭素数1~5のアルキル基、炭素数1~5のアルコキシ基、又は炭素数1~3のアルキル基を有するトリアルキルシロキシ基を表し、炭素数1~5のアルキル基又は炭素数1~3のアルキル基を有するトリアルキルシロキシ基であることが好ましく、炭素数1~5のアルキル基であることがより好ましい。更に好ましくは、R、R、R、R、及びRの全てが炭素数1のアルキル基(即ち、メチル基)である。
アルキル基及びアルコキシ基は、直鎖状又は分岐鎖状のいずれであってもよい。
mは、1~10の整数を表し、1~5の整数であることが好ましく、3であることがより好ましい。
nは、0~150の整数を表し、0~72の整数であることが好ましい。
【0034】
式(1)で表される化合物の具体例としては、サイラプレーン(登録商標) FM-0711〔式(1)において、R=R=R=R=R=R=メチル基、m=3、重量平均分子量:1000、JNC(株)〕、サイラプレーン(登録商標) FM-0721〔式(1)において、R=R=R=R=R=R=メチル基、m=3、重量平均分子量:5000、JNC(株)〕、サイラプレーン(登録商標) FM-0725〔式(1)において、R=R=R=R=R=R=メチル基、m=3、重量平均分子量:10000、JNC(株)〕、サイラプレーン(登録商標) TM-0701〔式(1)において、R=メチル基、R=R=R=トリメチルシロキシ基、m=3、n=0、JNC(株)〕、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0035】
これらの中でも、式(1)で表される化合物としては、樹脂分散液の液分散性の観点から、サイラプレーン(登録商標) FM-0711及びサイラプレーン(登録商標) FM-0721から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
【0036】
(メタ)アクリル系共重合体(b)は、構成単位(b1)を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
【0037】
(メタ)アクリル系共重合体(b)における構成単位(b1)の含有率(割合)は、全構成単位(即ち、(メタ)アクリル系共重合体(b)を構成する全構成単位)に対して、35質量%以上50質量%以下であり、37質量%以上48質量%以下が好ましく、40質量%以上45質量%以下がより好ましい。
(メタ)アクリル系共重合体(b)における構成単位(b1)の含有率が、全構成単位に対して35質量%以上であると、樹脂分散液が分散性に優れる傾向を示す。
(メタ)アクリル系共重合体(b)における構成単位(b1)の含有率が、全構成単位に対して50質量%以下であると、形成される膜が光沢性に優れる傾向を示す。
なお、(メタ)アクリル系共重合体(b)における構成単位(b1)の含有率が、全構成単位に対して35質量%未満であると、非水溶媒(A)に対する分散剤(B)の溶解性が悪く、分散剤(B)が不溶化しやすい。
また、(メタ)アクリル系共重合体(b)における構成単位(b1)の含有率が、全構成単位に対して50質量%を超えると、膜を形成する際に樹脂分散液のレベリング性が悪く、膜表面の平滑性を保持できないため、光沢性に優れた膜が得られない。
【0038】
<(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位(b2)>
(メタ)アクリル系共重合体(b)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位(b2)を含む。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位(b2)は、樹脂分散液の液分散性及び形成される膜の光沢性の向上に寄与する。
【0039】
本明細書において「(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位」とは、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体が付加重合して形成される構成単位を意味する。
【0040】
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、無置換の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体が好ましく、その種類は特に制限されない。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれであってもよい。
また、アルキル基の炭素数は、非水溶媒(A)への分散剤(B)の溶解性の観点から、1~12の範囲が好ましく、2~8の範囲がより好ましく、4~8の範囲が更に好ましい。
【0041】
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、s-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、i-オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、i-ノニル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、例えば、非水溶媒(A)への分散剤(B)の溶解性の観点から、i-ブチルメタクリレート(i-BMA)、t-ブチルメタクリレート(t-BMA)、2-エチルヘキシルメタクリレート(2EHMA)、及び2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA)からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、2-エチルヘキシルメタクリレート(2EHMA)を含むことがより好ましい。
【0042】
(メタ)アクリル系共重合体(b)は、構成単位(b2)を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
【0043】
(メタ)アクリル系共重合体(b)における構成単位(b2)の含有率(割合)は、特に制限されないが、例えば、全構成単位(即ち、(メタ)アクリル系共重合体(b)を構成する全構成単位)に対して、50質量%以上65質量%以下が好ましく、52質量%以上63質量%以下がより好ましく、55質量%以上60質量%以下が更に好ましい。
(メタ)アクリル系共重合体(b)における構成単位(b2)の含有率が、全構成単位に対して50質量%以上であると、形成される膜の光沢性がより優れる傾向がある。
(メタ)アクリル系共重合体(b)における構成単位(b1)の含有率が、全構成単位に対して65質量%以下であると、(メタ)アクリル系共重合体(b)が、化粧料において配合されるシリコーン油により良好に分散する傾向がある。
【0044】
<その他の構成単位(b3)>
(メタ)アクリル系共重合体(b)は、本発明の効果が発揮される範囲内において、構成単位(b1)及び構成単位(b2)以外の構成単位〔所謂、その他の構成単位(b3)〕を含んでいてもよい。
その他の構成単位(b3)を構成する単量体としては、カルボキシ基を有する単量体、水酸基を有する単量体等が挙げられる。
カルボキシ基を有する単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、グルタコン酸、シトラコン酸等が挙げられる。
水酸基を有する単量体としては、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリレート等が挙げられる。
【0045】
-(メタ)アクリル系共重合体(b)の重量平均分子量-
(メタ)アクリル系共重合体(b)の重量平均分子量(Mw)は、特に制限されない。
(メタ)アクリル系共重合体(b)の重量平均分子量(Mw)は、例えば、10,000~500,000の範囲が好ましく、15,000~300,000の範囲がより好ましい。
(メタ)アクリル系共重合体(b)の重量平均分子量(Mw)が10,000以上であると、樹脂分散液の液分散性及び希釈分散性がより向上する傾向がある。
(メタ)アクリル系共重合体(b)の重量平均分子量(Mw)が500,000以下であると、樹脂分散液の粘度が高くなりすぎないため、化粧料の原料としての使用適性により優れる傾向がある。
(メタ)アクリル系共重合体(b)の重量平均分子量(Mw)は、反応温度、反応時間、有機溶媒の使用量、重合開始剤の種類、重合開始剤の使用量等を調整することにより、所望の値にできる。
【0046】
(メタ)アクリル系共重合体(b)の重量平均分子量(Mw)は、下記の方法により測定される値である。具体的には、下記(1)~(3)に従って測定する。
(1)(メタ)アクリル系共重合体(b)の溶液を剥離紙に塗布し、100℃で1分間乾燥し、フィルム状の(メタ)アクリル系共重合体(b)を得る。
(2)上記(1)で得られたフィルム状の(メタ)アクリル系共重合体(b)とテトラヒドロフランとを用いて、固形分濃度が0.2質量%である試料溶液を得る。
(3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、下記条件にて、標準ポリスチレン換算値として、(メタ)アクリル系共重合体(b)の重量平均分子量(Mw)を測定する。
【0047】
~条件~
測定装置:高速GPC(型番:HLC-8220 GPC、東ソー(株))
検出器:示差屈折率計(RI)(HLC-8220に組込、東ソー(株))
カラム:TSK-GEL GMHXL(東ソー(株))を直列に4本接続
カラム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン
試料濃度:0.2質量%
注入量:100μL
流量:0.6mL/分
【0048】
〔分散剤(B)の製造方法〕
分散剤(B)〔即ち、(メタ)アクリル系共重合体(b)〕の製造方法は、特に制限されない。
(メタ)アクリル系共重合体(b)は、例えば、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、及び塊状重合に代表される公知の重合方法で、単量体を重合して製造できる。
これらの中でも、重合方法としては、例えば、得られる(メタ)アクリル系共重合体(b)の分子量の調整が容易であるとの観点から、溶液重合が好ましい。
【0049】
溶液重合は、一般に、重合槽内に所定の有機溶媒、単量体、重合開始剤、及び、必要に応じて用いられる連鎖移動剤を仕込み、窒素気流中又は有機溶媒の還流温度で、撹拌しながら数時間加熱反応させる。この場合、有機溶媒、単量体、重合開始剤、及び連鎖移動剤の少なくとも一部を逐次添加してもよい。
【0050】
重合反応時に用いられる有機溶媒としては、既述の非水溶媒(A)が好ましく、非水溶媒(A)以外の有機溶媒を併用してもよい。
重合反応時に用いられる非水溶媒(A)以外の有機溶媒としては、アルコール系溶媒(メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、i-プロピルアルコール、n-ブチルアルコール、i-ブチルアルコール、s-ブチルアルコール、t-ブチルアルコール等)、ケトン系溶媒(アセトン、メチルエチルケトン等)、エステル系溶媒(酢酸エチル、酢酸ブチル等)などが挙げられる。
これらの中でも、重合反応時に用いられる非水溶媒(A)以外の有機溶媒としては、アルコール系溶媒が好ましく、メタノールがより好ましい。
重合反応時には、有機溶媒を1種のみ用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
【0051】
重合開始剤としては、通常の溶液重合で用いられる有機過酸化物、アゾ化合物等が挙げられる。
有機過酸化物としては、例えば、t-ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、カプロイルペルオキシド、ジ-i-プロピルペルオキシジカルボナト、ジ-2-エチルヘキシルペルオキシジカルボナト、t-ブチルペルオキシビバラト、(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド、2,2-ビス(4,4-ジ-t-ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス(4,4-ジ-t-アミルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス(4,4-ジ-t-オクチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス(4,4-ジ-α-クミルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2-ビス(4,4-ジ-t-ブチルペルオキシシクロヘキシル)ブタン、及び2,2-ビス(4,4-ジ-t-オクチルペルオキシシクロヘキシル)ブタンが挙げられる。
アゾ化合物としては、例えば、2,2’-アゾビスイソブチルニトリル(AIBN)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(ABVN)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、1,1’-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、及び2,2’-アゾビス(イソ酪酸)ジメチルが挙げられる。
重合反応には、重合開始剤を1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0052】
重合開始剤の使用量は、特に制限されず、目的とする(メタ)アクリル系共重合体(b)の分子量に応じて、適宜設定される。
【0053】
(メタ)アクリル系共重合体(b)の製造に際しては、本発明の目的及び効果を損なわない範囲であれば、必要に応じて連鎖移動剤を用いてもよい。
連鎖移動剤としては、例えば、シアノ酢酸、シアノ酢酸の炭素数1~8のアルキルエステル類、ブロモ酢酸、ブロモ酢酸の炭素数1~8のアルキルエステル類、α‐メチルスチレン、アントラセン、フェナントレン、フルオレン、及び9-フェニルフルオレンに代表される芳香族化合物類、p-ニトロアニリン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、p-ニトロ安息香酸、p-ニトロフェノール、及びp-ニトロトルエンに代表される芳香族ニトロ化合物類、ベンゾキノン及び2,3,5,6-テトラメチル-p-ベンゾキノンに代表されるベンゾキノン誘導体類、トリブチルボランに代表されるボラン誘導体、四臭化炭素、四塩化炭素、1,1,2,2-テトラブロモエタン、トリブロモエチレン、トリクロロエチレン、ブロモトリクロロメタン、トリブロモメタン、及び3-クロロ-1-プロペンに代表されるハロゲン化炭化水素類、クロラール及びフラルデヒドに代表されるアルデヒド類、炭素数1~18のアルキルメルカプタン類、チオフェノール及びトルエンメルカプタンに代表される芳香族メルカプタン類、メルカプト酢酸、メルカプト酢酸の炭素数1~10のアルキルエステル類、炭素数1~12のヒドロキシアルキルメルカプタン類、並びに、ビネン及びターピノレンに代表されるテルペン類が挙げられる。
【0054】
(メタ)アクリル系共重合体(b)の製造に際し、連鎖移動剤を用いる場合、連鎖移動剤の使用量は、特に制限されず、目的とする(メタ)アクリル系共重合体(b)の分子量に応じて、適宜設定される。
【0055】
重合温度は、特に制限されず、目的とする(メタ)アクリル系共重合体(b)の分子量に応じて、適宜設定される。
重合は、一般に30℃~180℃、好ましくは60℃~150℃の温度範囲内で行う。
【0056】
〔分散粒子(C)〕
本発明の樹脂分散液は、既述の(メタ)アクリル系共重合体(b)とは異なる共重合体(c)である分散粒子(C)を含有する。
分散粒子(C)は、(メタ)アクリル系共重合体(b)とは異なる共重合体であって、かつ、分散粒子の形態をとる共重合体であれば、その種類は、特に制限されない。
分散粒子(C)は、分散粒子の形態をとることから、非水溶媒(A)に実質的に不溶である。ここで、「非水溶媒(A)に実質的に不溶」とは、分散粒子(C)が、たとえ非水溶媒(A)により膨潤した状態であっても、明確な粒子形状をなしており、非水溶媒(A)と分散粒子(C)との境界面が確認できる状態であることを意味する。このような状態は、光学顕微鏡による観察又は光散乱法による観察により確認できる。
【0057】
共重合体(c)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位を含むことが好ましい。
共重合体(c)が(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位を含むと、非水溶媒(A)中に分散粒子(C)がより安定的に分散し、かつ、形成される膜の光沢性がより優れる傾向がある。
【0058】
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、s-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、i-オクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、i-ノニル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、例えば、非水溶媒(A)への分散性の観点から、t-ブチルメタクリレート(t-BMA)、2-エチルヘキシルアクリレート(2EHA)、n-ブチルメタクリレート(n-BMA)、n-ブチルアクリレート(n-BA)、メチルメタクリレート(MMA)、及びエチルアクリレート(EA)からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、メチルメタクリレート(MMA)を含むことがより好ましい。
【0059】
共重合体(c)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位を含む場合、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位を1種のみ含んでいてもよく、2種以上含んでいてもよい。
【0060】
共重合体(c)が(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位を含む場合、共重合体(c)における(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位の含有率(割合)は、特に制限されないが、例えば、全構成単位(即ち、共重合体(c)を構成する全構成単位)に対して、20質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましい。
共重合体(c)における(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位の含有率が、全構成単位に対して20質量%以上であると、樹脂分散液の粘度が高くなりすぎず、膜を形成する際の樹脂分散液のレベリング性が良好となるため、光沢性により優れる膜を形成できる傾向がある。また、分散粒子(C)を製造する際に、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体が残存し難い。
共重合体(c)における(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位の含有率の上限は、特に限定されないが、例えば、全構成単位に対して100質量%以下が好ましい。
【0061】
共重合体(c)は、カルボキシ基を有する単量体、水酸基を有する単量体、芳香族モノビニル、シアン化ビニル、ビニルエステル等の単量体に由来する構成単位を含むことができる。
芳香族モノビニルとしては、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、t-ブチルスチレン、p-クロロスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
シアン化ビニルとしては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
ビニルエステルとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等が挙げられる。
なお、共重合体(c)におけるカルボキシ基を有する単量体及び水酸基を有する単量体は、(メタ)アクリル系共重合体(b)におけるカルボキシ基を有する単量体及び水酸基を有する単量体と同義であるため、ここでは説明を省略する。
【0062】
-分散粒子(C)の平均粒子径-
分散粒子(C)の平均粒子径は、特に制限されないが、例えば、形成される膜の光沢性の観点から、0.05μm以上5μm以下が好ましく、0.1μm以上2μm以下がより好ましく、0.1μm以上1μm以下が更に好ましい。
【0063】
本明細書において、「分散粒子(C)の平均粒子径」は、光透過法(基本原理:液相沈降法)により測定された値である。粒度分布測定装置を用いて、分散粒子(C)の粒子径分布を測定し、得られた粒子径分布から算出したメジアン径(d50)を分散粒子(C)の平均粒子径とする。具体的な測定方法は、実施例に記載のとおりである。
【0064】
-共重合体(c)の重量平均分子量-
共重合体(c)の重量平均分子量(Mw)は、特に制限されない。
共重合体(c)の重量平均分子量(Mw)は、例えば、10,000~500,000の範囲が好ましく、15,000~300,000の範囲がより好ましい。
共重合体(c)の重量平均分子量(Mw)が10,000以上であると、分散粒子としての形態を維持できる傾向がある。
共重合体(c)の重量平均分子量(Mw)が500,000以下であると、樹脂分散液の粘度が高くなりすぎず、膜を形成する際の樹脂分散液のレベリング性が良好となるため、光沢性により優れる膜を形成できる傾向がある。
共重合体(c)の重量平均分子量(Mw)は、反応温度、反応時間、有機溶媒の使用量、重合開始剤の種類、重合開始剤の使用量等を調整することにより、所望の値にできる。
【0065】
共重合体(c)の重量平均分子量(Mw)の測定方法は、既述の(メタ)アクリル系共重合体(b)の測定方法と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0066】
〔分散粒子(C)の製造方法〕
分散粒子(C)〔即ち、共重合体(c)〕の製造方法は、特に制限されない。
共重合体(c)の製造方法は、既述の(メタ)アクリル系共重合体(b)の製造方法と同様であるため、ここでは説明を省略する。
なお、後述の「樹脂分散液の製造方法」の(3)を採用する場合には、重合反応時に用いられる有機溶媒として、(メタ)アクリル系共重合体(b)を含む非水溶媒(A)が用いられる。
【0067】
〔他の溶媒〕
本発明の樹脂分散液は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、非水溶媒(A)以外の溶媒(所謂、他の溶媒)を含んでいてもよい。
他の溶媒としては、アルコール系溶媒(メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、i-プロピルアルコール、n-ブチルアルコール、i-ブチルアルコール、s-ブチルアルコール、t-ブチルアルコール等)、ケトン系溶媒(アセトン、メチルエチルケトン等)、エステル系溶媒(酢酸エチル、酢酸ブチル等)などが挙げられる。
【0068】
〔その他の成分〕
本発明の樹脂分散液は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、既述した成分以外の成分(所謂、その他の成分)を含んでいてもよい。
その他の成分としては、化粧料に使用される各種添加剤が挙げられる。
その他の成分としては、油剤(油脂、ロウ、脂肪酸、高級アルコール、炭化水素、エステル等)、可塑剤(フタル酸誘導体、クエン酸エステル類、ショ糖安息香酸エステル類等)、白色顔料(酸化チタン、酸化亜鉛等)、着色顔料(酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青等)、体質顔料(カオリン、タルク、マイカ、セリサイト等)、金属石鹸、多価アルコール(エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセロール等)、高分子化合物(セルロース誘導体、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸塩、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、シリコーン樹脂、酢酸ビニル系樹脂等)、界面活性剤、増粘剤、ゲル化剤(キサンタンガム、グアーガム、ゼラチン、ペクチン、寒天等)、防腐剤(フェノキシエタノール、メチルパラベン等)、pH調整剤(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)、紫外線吸収剤、美白剤、保湿剤、酸化防止剤、帯電防止剤、可塑剤、消泡剤、色分かれ防止剤、沈降防止剤、香料などが挙げられる。
【0069】
〔用途〕
本発明の樹脂分散液は、化粧料の原料として用いることができる。
本発明の樹脂分散液は、分散性に優れるのみならず、光沢性に優れる皮膜を形成できるため、例えば、メイクアップ化粧料(ファンデーション、白粉、口紅、ほお紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、アイブロー、ネイルエナメル等)、頭髪用化粧料などの原料として、好適に用いることができる。
但し、本発明の樹脂分散液の用途は、これらに制限されない。
【0070】
〔樹脂分散液の製造方法〕
本発明の樹脂分散液の製造方法は、既述の樹脂分散液を製造できればよく、特に制限されない。
本発明の樹脂分散液は、例えば、下記の(1)~(3)の方法により製造できる。
(1)共重合体(c)である分散粒子(C)を、(メタ)アクリル系共重合体(b)である分散剤(B)を溶解させた非水溶媒(A)中に分散させることにより、樹脂分散液を得る方法。
(2)共重合体(c)である分散粒子(C)を非水溶媒(A)中に分散させた後、(メタ)アクリル系共重合体(b)である分散剤(B)を添加し、溶解させることにより、樹脂分散液を得る方法。
(3)非水溶媒(A)中で、エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーンと(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体とを重合させて(メタ)アクリル系共重合体(b)である分散剤(B)を製造し、次いで、分散剤(B)を含有する非水溶媒(A)中で、共重合体(c)を形成するための単量体を重合させることにより、樹脂分散液を得る方法。
これらの中でも、本発明の樹脂分散液の製造方法としては、工業的生産性の観点から、上記(3)の方法が好ましい。
【実施例
【0071】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0072】
[樹脂分散液の製造]
〔実施例1〕
1.分散剤溶液の製造
温度計、撹拌機、還流冷却器、及び滴下ロートを備えた反応器内に、2-エチルへキシルメタクリレート〔2EHMA;(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕2.0質量部、i-ブチルメタクリレート〔i-BMA;(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕3.7質量部、サイラプレーン(登録商標) FM-0711〔商品名、α-ブチル-ω-(3-メタクリロキシプロピル)ポリジメチルシロキサン、JNC(株)、エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーン〕3.0質量部、イソドデカン〔2,2,4,6,6-ペンタメチルヘプタン、非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕25.2質量部、メタノール0.9質量部、及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.07質量部を入れて混合し、反応器内を窒素置換した。その後、得られた混合物を撹拌しながら90℃まで昇温した。次に、その温度を10分間保った後、2EHMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕8.0質量部、i-BMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕14.8質量部、サイラプレーン FM-0711〔エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーン〕12.3質量部、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕3.6質量部、メタノール0.3質量部、及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.50質量部の混合液を80分間にわたって逐次滴下し、滴下終了後、60分間重合反応を行った。その後、更にイソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕3.6質量部及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.13質量部の混合液を30分間にわたって逐次滴下し、滴下終了後、90分間重合反応を行った。重合反応終了後、反応混合物をイソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕にて希釈し、固形分を37質量%に調整した。このようにして、分散剤溶液を得た。
【0073】
2.樹脂分散液の製造
温度計、撹拌機、還流冷却器、及び滴下ロートを備えた反応器内に、上記にて得られた分散剤溶液32.2質量部、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕4.5質量部、及びメタノール0.6質量部を入れて混合し、反応器内を窒素置換した。その後、得られた混合物を撹拌しながら100℃まで昇温した。100℃になったところで、2-エチルへキシルアクリレート〔2EHA〕1.6質量部、t-ブチルメタクリレート〔t-BMA〕12.3質量部、メチルメタクリレート〔MMA〕6.5質量部、エチルアクリレート〔EA〕12.0質量部、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕3.6質量部、メタノール0.4質量部、及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.3質量部の混合液を120分間にわたって逐次滴下し、滴下終了後、60分間重合反応を行った。その後、更にイソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕7.1質量部及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.4質量部の混合液を90分間にわたって逐次滴下し、滴下終了後、60分間重合反応を行った。その後、更にイソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕3.6質量部及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.2質量部の混合液を30分間にわたって逐次滴下し、滴下終了後、90分間重合反応を行った。重合反応終了後、反応混合物を100℃にて減圧蒸留し、次いで、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕にて希釈し、固形分を40質量%に調整した。このようにして、分散粒子を含む樹脂分散液を得た。
【0074】
〔実施例2〕
1.分散剤溶液の製造
温度計、撹拌機、還流冷却器、及び滴下ロートを備えた反応器内に、2EHMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕1.8質量部、i-BMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕3.4質量部、サイラプレーン FM-0711〔エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーン〕3.5質量部、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕25.2質量部、メタノール0.9質量部、及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.07質量部を入れて混合し、反応器内を窒素置換した。その後、得られた混合物を撹拌しながら90℃まで昇温した。次に、その温度を10分間保った後、2EHMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕7.4質量部、i-BMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕13.7質量部、サイラプレーン FM-0711〔エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーン〕14.0質量部、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕3.6質量部、メタノール0.3質量部、及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.50質量部の混合液を80分間にわたって逐次滴下し、滴下終了後、60分間重合反応を行った。その後、更にイソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕3.6質量部及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.13質量部の混合液を30分間にわたって逐次滴下し、滴下終了後、90分間重合反応を行った。重合反応終了後、反応混合物をイソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕にて希釈し、固形分を37質量%に調整した。このようにして、分散剤溶液を得た。
【0075】
2.樹脂分散液の製造
実施例1において、使用する分散剤溶液を変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、分散粒子を含む樹脂分散液(固形分:40質量%)を得た。
【0076】
〔実施例3〕
1.分散剤溶液の製造
温度計、撹拌機、還流冷却器、及び滴下ロートを備えた反応器内に、2EHMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕1.7質量部、i-BMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕3.1質量部、サイラプレーン FM-0711〔エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーン〕3.9質量部、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕25.2質量部、メタノール0.9質量部、及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.07質量部を入れて混合し、反応器内を窒素置換した。その後、得られた混合物を撹拌しながら90℃まで昇温した。次に、その温度を10分間保った後、2EHMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕6.7質量部、i-BMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕12.6質量部、サイラプレーン FM-0711〔エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーン〕15.8質量部、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕3.6質量部、メタノール0.3質量部、及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.50質量部の混合液を80分間にわたって逐次滴下し、滴下終了後、60分間重合反応を行った。その後、更にイソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕3.6質量部及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.13質量部の混合液を30分間にわたって逐次滴下し、滴下終了後、90分間重合反応を行った。重合反応終了後、反応混合物をイソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕にて希釈し、固形分を37質量%に調整した。このようにして、分散剤溶液を得た。
【0077】
2.樹脂分散液の製造
実施例1において、使用する分散剤溶液を変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、分散粒子を含む樹脂分散液(固形分:40質量%)を得た。
【0078】
〔実施例4〕
1.分散剤溶液の製造
温度計、撹拌機、還流冷却器、及び滴下ロートを備えた反応器内に、2EHMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕1.5質量部、i-BMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕2.8質量部、サイラプレーン FM-0711〔エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーン〕4.4質量部、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕25.2質量部、メタノール0.9質量部、及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.07質量部を入れて混合し、反応器内を窒素置換した。その後、得られた混合物を撹拌しながら90℃まで昇温した。次に、その温度を10分間保った後、2EHMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕6.1質量部、i-BMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕11.4質量部、サイラプレーン FM-0711〔エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーン〕17.6質量部、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕3.6質量部、メタノール0.3質量部、及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.50質量部の混合液を80分間にわたって逐次滴下し、滴下終了後、60分間重合反応を行った。その後、更にイソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕3.6質量部及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.13質量部の混合液を30分間にわたって逐次滴下し、滴下終了後、90分間重合反応を行った。重合反応終了後、反応混合物をイソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕にて希釈し、固形分を37質量%に調整した。このようにして、分散剤溶液を得た。
【0079】
2.樹脂分散液の製造
実施例1において、使用する分散剤溶液を変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、分散粒子を含む樹脂分散液(固形分:40質量%)を得た。
【0080】
〔実施例5〕
1.分散剤溶液の製造
温度計、撹拌機、還流冷却器、及び滴下ロートを備えた反応器内に、2EHMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕3.7質量部、t-ブチルメタクリレート〔t-BMA;(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕1.6質量部、サイラプレーン FM-0711〔エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーン〕3.5質量部、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕25.2質量部、メタノール0.9質量部、及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.07質量部を入れて混合し、反応器内を窒素置換した。その後、得られた混合物を撹拌しながら90℃まで昇温した。次に、その温度を10分間保った後、2EHMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕14.7質量部、t-BMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕6.3質量部、サイラプレーン FM-0711〔エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーン〕14.0質量部、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕3.6質量部、メタノール0.3質量部、及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.50質量部の混合液を80分間にわたって逐次滴下し、滴下終了後、60分間重合反応を行った。その後、更にイソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕3.6質量部及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.13質量部の混合液を30分間にわたって逐次滴下し、滴下終了後、90分間重合反応を行った。重合反応終了後、反応混合物をイソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕にて希釈し、固形分を37質量%に調整した。このようにして、分散剤溶液を得た。
【0081】
2.樹脂分散液の製造
実施例1において、使用する分散剤溶液を変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、分散粒子を含む樹脂分散液(固形分:40質量%)を得た。
【0082】
〔実施例6〕
1.分散剤溶液の製造
温度計、撹拌機、還流冷却器、及び滴下ロートを備えた反応器内に、2-エチルへキシルアクリレート〔2EHA;(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕1.8質量部、t-ブチルメタクリレート〔t-BMA;(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕3.4質量部、サイラプレーン FM-0711〔エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーン〕3.5質量部、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕25.2質量部、メタノール0.9質量部、及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.07質量部を入れて混合し、反応器内を窒素置換した。その後、得られた混合物を撹拌しながら90℃まで昇温した。次に、その温度を10分間保った後、2EHA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕7.4質量部、t-BMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕13.7質量部、サイラプレーン FM-0711〔エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーン〕14.0質量部、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕3.6質量部、メタノール0.3質量部、及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.50質量部の混合液を80分間にわたって逐次滴下し、滴下終了後、60分間重合反応を行った。その後、更にイソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕3.6質量部及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.13質量部の混合液を30分間にわたって逐次滴下し、滴下終了後、90分間重合反応を行った。重合反応終了後、反応混合物をイソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕にて希釈し、固形分を37質量%に調整した。このようにして、分散剤溶液を得た。
【0083】
2.樹脂分散液の製造
実施例1において、使用する分散剤溶液を変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、分散粒子を含む樹脂分散液(固形分:40質量%)を得た。
【0084】
〔実施例7〕
1.分散剤溶液の製造
温度計、撹拌機、還流冷却器、及び滴下ロートを備えた反応器内に、2EHA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕0.8質量部、i-BMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕4.4質量部、サイラプレーン FM-0711〔エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーン〕3.5質量部、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕25.2質量部、メタノール0.9質量部、及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.07質量部を入れて混合し、反応器内を窒素置換した。その後、得られた混合物を撹拌しながら90℃まで昇温した。次に、その温度を10分間保った後、2EHA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕3.2質量部、i-BMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕17.9質量部、サイラプレーン FM-0711〔エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーン〕14.0質量部、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕3.6質量部、メタノール0.3質量部、及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.50質量部の混合液を80分間にわたって逐次滴下し、滴下終了後、60分間重合反応を行った。その後、更にイソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕3.6質量部及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.13質量部の混合液を30分間にわたって逐次滴下し、滴下終了後、90分間重合反応を行った。重合反応終了後、反応混合物をイソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕にて希釈し、固形分を37質量%に調整した。このようにして、分散剤溶液を得た。
【0085】
2.樹脂分散液の製造
実施例1において、使用する分散剤溶液を変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、分散粒子を含む樹脂分散液(固形分:40質量%)を得た。
【0086】
〔実施例8〕
1.分散剤溶液の製造
温度計、撹拌機、還流冷却器、及び滴下ロートを備えた反応器内に、2EHMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕1.8質量部、i-BMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕3.4質量部、サイラプレーン(登録商標) FM-0721〔商品名、JNC(株)、エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーン〕3.5質量部、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕25.2質量部、メタノール0.9質量部、及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.07質量部を入れて混合し、反応器内を窒素置換した。その後、得られた混合物を撹拌しながら90℃まで昇温した。次に、その温度を10分間保った後、2EHMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕7.4質量部、i-BMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕13.7質量部、サイラプレーン FM-0721〔エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーン〕14.0質量部、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕3.6質量部、メタノール0.3質量部、及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.50質量部の混合液を80分間にわたって逐次滴下し、滴下終了後、60分間重合反応を行った。その後、更にイソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕3.6質量部及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.13質量部の混合液を30分間にわたって逐次滴下し、滴下終了後、90分間重合反応を行った。重合反応終了後、反応混合物をイソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕にて希釈し、固形分を37質量%に調整した。このようにして、分散剤溶液を得た。
【0087】
2.樹脂分散液の製造
実施例1において、使用する分散剤溶液を変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、分散粒子を含む樹脂分散液(固形分:40質量%)を得た。
【0088】
〔実施例9〕
1.分散剤溶液の製造
温度計、撹拌機、還流冷却器、及び滴下ロートを備えた反応器内に、2EHMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕1.8質量部、i-BMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕3.4質量部、サイラプレーン(登録商標) FM-0725〔商品名、JNC(株)、エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーン〕3.5質量部、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕25.2質量部、メタノール0.9質量部、及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.07質量部を入れて混合し、反応器内を窒素置換した。その後、得られた混合物を撹拌しながら90℃まで昇温した。次に、その温度を10分間保った後、2EHMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕7.4質量部、i-BMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕13.7質量部、サイラプレーン FM-0725〔エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーン〕14.0質量部、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕3.6質量部、メタノール0.3質量部、及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.50質量部の混合液を80分間にわたって逐次滴下し、滴下終了後、60分間重合反応を行った。その後、更にイソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕3.6質量部及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.13質量部の混合液を30分間にわたって逐次滴下し、滴下終了後、90分間重合反応を行った。重合反応終了後、反応混合物をイソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕にて希釈し、固形分を37質量%に調整した。このようにして、分散剤溶液を得た。
【0089】
2.樹脂分散液の製造
実施例1において、使用する分散剤溶液を変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、分散粒子を含む樹脂分散液(固形分:40質量%)を得た。
【0090】
〔実施例10〕
1.分散剤溶液の製造
実施例2と同様の操作を行い、分散剤溶液(固形分:37質量%)を得た。
【0091】
2.樹脂分散液の製造
温度計、撹拌機、還流冷却器、及び滴下ロートを備えた反応器内に、上記にて得られた分散剤溶液32.2質量部、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕4.5質量部、及びメタノール0.6質量部を入れて混合し、反応器内を窒素置換した。その後、得られた混合物を撹拌しながら100℃まで昇温した。100℃になったところで、n-ブチルメタクリレート〔n-BMA〕18.1質量部、メチルメタクリレート〔MMA〕6.5質量部、エチルアクリレート〔EA〕6.2質量部、n-ブチルアクリレート〔n-BA〕1.6質量部、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕3.6質量部、メタノール0.4質量部、及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.3質量部の混合液を120分間にわたって逐次滴下し、滴下終了後、60分間重合反応を行った。その後、更にイソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕7.1質量部及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.4質量部の混合液を90分間にわたって逐次滴下し、滴下終了後、60分間重合反応を行った。その後、更にイソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕3.6質量部及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.2質量部の混合液を30分間にわたって逐次滴下し、滴下終了後、90分間重合反応を行った。重合反応終了後、反応混合物を100℃にて減圧蒸留し、次いで、反応混合物をイソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕にて希釈し、固形分を40質量%に調整した。このようにして、分散粒子を含む樹脂分散液を得た。
【0092】
〔実施例11〕
1.分散剤溶液の製造
実施例2において、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕の代わりに、KF-995〔商品名、化粧品成分表示名称:シクロペンタシロキサン、医薬部外品添加物名称:デカメチルシクロペンタシロキサン、信越化学工業(株)、非水溶媒(シリコーン油)〕を使用したこと以外は、実施例2と同様の操作を行い、分散剤溶液(固形分:37質量%)を得た。
【0093】
2.樹脂分散液の製造
実施例2において、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕の代わりに、KF-995〔非水溶媒(シリコーン油)〕を使用したこと以外は、実施例2と同様の操作を行い、分散粒子を含む樹脂分散液(固形分:40質量%)を得た。
【0094】
〔実施例12〕
1.分散剤溶液の製造
実施例3において、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕の代わりに、KF-995〔非水溶媒(シリコーン油)〕を使用したこと以外は、実施例3と同様の操作を行い、分散剤溶液(固形分:37質量%)を得た。
【0095】
2.樹脂分散液の製造
実施例3において、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕の代わりに、KF-995〔非水溶媒(シリコーン油)〕を使用したこと以外は、実施例3と同様の操作を行い、分散粒子を含む樹脂分散液(固形分:40質量%)を得た。
【0096】
〔実施例13〕
1.分散剤溶液の製造
実施例4において、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕の代わりに、KF-995〔非水溶媒(シリコーン油)〕を使用したこと以外は、実施例4と同様の操作を行い、分散剤溶液(固形分:37質量%)を得た。
【0097】
2.樹脂分散液の製造
実施例4において、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕の代わりに、KF-995〔非水溶媒(シリコーン油)〕を使用したこと以外は、実施例4と同様の操作を行い、分散粒子を含む樹脂分散液(固形分:40質量%)を得た。
【0098】
〔実施例14〕
1.分散剤溶液の製造
実施例2において、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕の代わりに、IPソルベント 1620〔商品名、出光興産(株)、非水溶媒(脂肪族炭化水素系混合溶媒)〕を使用したこと以外は、実施例2と同様の操作を行い、分散剤溶液(固形分:37質量%)を得た。なお、「IPソルベント 1620」は、炭素数10~12の分岐鎖状の脂肪族炭化水素系溶媒(所謂、イソパラフィン系溶媒)の混合溶媒を主成分とする市販の溶媒である。表1中では、「IPソルベント 1620」を「IPS 1620」と表記する。
【0099】
2.樹脂分散液の製造
実施例2において、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕の代わりに、IPソルベント 1620〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系混合溶媒)〕を使用したこと以外は、実施例2と同様の操作を行い、分散粒子を含む樹脂分散液(固形分:40質量%)を得た。
【0100】
〔比較例1〕
1.分散剤溶液の製造
温度計、撹拌機、還流冷却器、及び滴下ロートを備えた反応器内に、2EHMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕3.0質量部、i-BMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕5.7質量部、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕25.2質量部、メタノール0.9質量部、及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.07質量部を入れて混合し、反応器内を窒素置換した。その後、得られた混合物を撹拌しながら90℃まで昇温した。次に、その温度を10分間保った後、2EHMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕12.3質量部、i-BMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕22.8質量部、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕3.6質量部、メタノール0.3質量部、及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.50質量部の混合液を80分間にわたって逐次滴下し、滴下終了後、60分間重合反応を行った。その後、更にイソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕3.6質量部及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.13質量部の混合液を30分間にわたって逐次滴下し、滴下終了後、90分間重合反応を行った。重合反応終了後、反応混合物をイソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕にて希釈し、固形分を37質量%に調整した。このようにして、分散剤溶液を得た。
【0101】
2.樹脂分散液の製造
実施例1において、使用する分散剤溶液を変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、分散粒子を含む樹脂分散液(固形分:40質量%)を得た。
【0102】
〔比較例2〕
1.分散剤溶液の製造
温度計、撹拌機、還流冷却器、及び滴下ロートを備えた反応器内に、2EHMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕2.4質量部、i-BMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕4.5質量部、サイラプレーン FM-0711〔エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーン〕1.7質量部、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕25.2質量部、メタノール0.9質量部、及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.07質量部を入れて混合し、反応器内を窒素置換した。その後、得られた混合物を撹拌しながら90℃まで昇温した。次に、その温度を10分間保った後、2EHMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕9.8質量部、i-BMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕18.3質量部、サイラプレーン FM-0711〔エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーン〕7.0質量部、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕3.6質量部、メタノール0.3質量部、及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.50質量部の混合液を80分間にわたって逐次滴下し、滴下終了後、60分間重合反応を行った。その後、更にイソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕3.6質量部及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.13質量部の混合液を30分間にわたって逐次滴下し、滴下終了後、90分間重合反応を行った。重合反応終了後、反応混合物をイソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕にて希釈し、固形分を37質量%に調整した。このようにして、分散剤溶液を得た。
【0103】
2.樹脂分散液の製造
実施例1において、使用する分散剤溶液を変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、分散粒子を含む樹脂分散液(固形分:40質量%)を得た。
【0104】
〔比較例3〕
1.分散剤溶液の製造
温度計、撹拌機、還流冷却器、及び滴下ロートを備えた反応器内に、2EHMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕2.1質量部、i-BMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕4.0質量部、サイラプレーン FM-0711〔エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーン〕2.6質量部、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕25.2質量部、メタノール0.9質量部、及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.07質量部を入れて混合し、反応器内を窒素置換した。その後、得られた混合物を撹拌しながら90℃まで昇温した。次に、その温度を10分間保った後、2EHMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕8.6質量部、i-BMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕16.0質量部、サイラプレーン FM-0711〔エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーン〕10.5質量部、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕3.6質量部、メタノール0.3質量部、及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.5質量部の混合液を80分間にわたって逐次滴下し、滴下終了後、60分間重合反応を行った。その後、更にイソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕3.6質量部及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.13質量部の混合液を30分間にわたって逐次滴下し、滴下終了後、90分間重合反応を行った。重合反応終了後、反応混合物をイソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕にて希釈し、固形分を37質量%に調整した。このようにして、分散剤溶液を得た。
【0105】
2.樹脂分散液の製造
実施例1において、使用する分散剤溶液を変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、分散粒子を含む樹脂分散液(固形分:40質量%)を得た。
【0106】
〔比較例4〕
1.分散剤溶液の製造
温度計、撹拌機、還流冷却器、及び滴下ロートを備えた反応器内に、2EHMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕1.4質量部、i-BMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕2.5質量部、サイラプレーン FM-0711〔エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーン〕4.8質量部、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕25.2質量部、メタノール0.9質量部、及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.07質量部を入れて混合し、反応器内を窒素置換した。その後、得られた混合物を撹拌しながら90℃まで昇温した。次に、その温度を10分間保った後、2EHMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕5.5質量部、i-BMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕10.3質量部、サイラプレーン FM-0711〔エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーン〕19.3質量部、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕3.6質量部、メタノール0.3質量部、及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.50質量部の混合液を80分間にわたって逐次滴下し、滴下終了後、60分間重合反応を行った。その後、更にイソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕3.6質量部及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.13質量部の混合液を30分間にわたって逐次滴下し、滴下終了後、90分間重合反応を行った。重合反応終了後、反応混合物をイソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕にて希釈し、固形分を37質量%に調整した。このようにして、分散剤溶液を得た。
【0107】
2.樹脂分散液の製造
実施例1において、使用する分散剤溶液を変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、分散粒子を含む樹脂分散液(固形分:40質量%)を得た。
【0108】
〔比較例5〕
1.分散剤溶液の製造
温度計、撹拌機、還流冷却器、及び滴下ロートを備えた反応器内に、2EHMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕1.2質量部、i-BMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕2.3質量部、サイラプレーン FM-0711〔エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーン〕5.2質量部、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕25.2質量部、メタノール0.9質量部、及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.07質量部を入れて混合し、反応器内を窒素置換した。その後、得られた混合物を撹拌しながら90℃まで昇温した。次に、その温度を10分間保った後、2EHMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕4.9質量部、i-BMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕9.1質量部、サイラプレーン FM-0711〔エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーン〕21.1質量部、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕3.6質量部、メタノール0.3質量部、及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.50質量部の混合液を80分間にわたって逐次滴下し、滴下終了後、60分間重合反応を行った。その後、更にイソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕3.6質量部及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.13質量部の混合液を30分間にわたって逐次滴下し、滴下終了後、90分間重合反応を行った。重合反応終了後、反応混合物をイソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕にて希釈し、固形分を37質量%に調整した。このようにして、分散剤溶液を得た。
【0109】
2.樹脂分散液の製造
実施例1において、使用する分散剤溶液を変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、分散粒子を含む樹脂分散液(固形分:40質量%)を得た。
【0110】
〔比較例6〕
1.分散剤溶液の製造
温度計、撹拌機、還流冷却器、及び滴下ロートを備えた反応器内に、2EHMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕0.6質量部、i-BMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕1.1質量部、サイラプレーン FM-0711〔エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーン〕7.0質量部、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕25.2質量部、メタノール0.9質量部、及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.07質量部を入れて混合し、反応器内を窒素置換した。その後、得られた混合物を撹拌しながら90℃まで昇温した。次に、その温度を10分間保った後、2EHMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕2.5質量部、i-BMA〔(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体〕4.6質量部、サイラプレーン FM-0711〔エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーン〕28.1質量部、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕3.6質量部、メタノール0.3質量部、及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.50質量部の混合液を80分間にわたって逐次滴下し、滴下終了後、60分間重合反応を行った。その後、更にイソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕3.6質量部及び(2-エチルヘキサノイル)(t-ブチル)ペルオキシド〔重合開始剤〕0.13質量部の混合液を30分間にわたって逐次滴下し、滴下終了後、90分間重合反応を行った。重合反応終了後、反応混合物をイソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕にて希釈し、固形分を37質量%に調整した。このようにして、分散剤溶液を得た。
【0111】
2.樹脂分散液の製造
実施例1において、使用する分散剤溶液を変更したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、分散粒子を含む樹脂分散液(固形分:40質量%)を得た。
【0112】
〔比較例7〕
1.分散剤溶液の製造
比較例1において、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕の代わりに、KF-995〔非水溶媒(シリコーン油)〕を使用したこと以外は、比較例1と同様の操作を行ったところ、分散剤がKF-995に溶解せず、分散剤溶液が得られなかった。そのため、比較例7では、樹脂分散液を製造することができなかった。
【0113】
〔比較例8〕
1.分散剤溶液の製造
比較例2において、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕の代わりに、KF-995〔非水溶媒(シリコーン油)〕を使用したこと以外は、比較例2と同様の操作を行ったところ、分散剤がKF-995に溶解せず、分散剤溶液が得られなかった。そのため、比較例8では、樹脂分散液を製造することができなかった。
【0114】
〔比較例9〕
1.分散剤溶液の製造
比較例3において、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕の代わりに、KF-995〔非水溶媒(シリコーン油)〕を使用したこと以外は、比較例3と同様の操作を行ったところ、分散剤がKF-995に溶解せず、分散剤溶液が得られなかった。そのため、比較例9では、樹脂分散液を製造することができなかった。
【0115】
〔比較例10〕
1.分散剤溶液の製造
比較例4において、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕の代わりに、KF-995〔非水溶媒(シリコーン油)〕を使用したこと以外は、比較例4と同様の操作を行い、分散剤溶液(固形分:37質量%)を得た。
【0116】
2.樹脂分散液の製造
比較例4において、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕の代わりに、KF-995〔非水溶媒(シリコーン油)〕を使用したこと以外は、比較例4と同様の操作を行い、分散粒子を含む樹脂分散液(固形分:40質量%)を得た。
【0117】
〔比較例11〕
1.分散剤溶液の製造
比較例5において、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕の代わりに、KF-995〔非水溶媒(シリコーン油)〕を使用したこと以外は、比較例5と同様の操作を行い、分散剤溶液(固形分:37質量%)を得た。
【0118】
2.樹脂分散液の製造
比較例5において、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕の代わりに、KF-995〔非水溶媒(シリコーン油)〕を使用したこと以外は、比較例5と同様の操作を行い、分散粒子を含む樹脂分散液(固形分:40質量%)を得た。
【0119】
〔比較例12〕
1.分散剤溶液の製造
比較例6において、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕の代わりに、KF-995〔非水溶媒(シリコーン油)〕を使用したこと以外は、比較例6と同様の操作を行い、分散剤溶液(固形分:37質量%)を得た。
【0120】
2.樹脂分散液の製造
比較例6において、イソドデカン〔非水溶媒(脂肪族炭化水素系溶媒)〕の代わりに、KF-995〔非水溶媒(シリコーン油)〕を使用したこと以外は、比較例6と同様の操作を行い、分散粒子を含む樹脂分散液(固形分:40質量%)を得た。
【0121】
実施例1~実施例14及び比較例1~比較例12の樹脂分散液に含まれる分散剤である(メタ)アクリル系共重合体の単量体組成、分散粒子である共重合体の単量体組成、並びに非水溶媒の種類及び含有率を表1に示す。
表1中、「-」は、該当する成分を使用していないことを意味する。
表1に記載の非水溶媒の含有率(質量%)は、樹脂分散液の全質量に対する割合を意味する。
【0122】
【表1】
【0123】
[測定及び評価]
上記にて得られた実施例1~実施例14、並びに、比較例1~比較例6及び比較例10~比較例12の樹脂分散液を用いて、以下に示す測定及び評価を行った。なお、比較例7~比較例9は、分散剤溶液が得られず、樹脂分散液を製造できなかったため、以下に示す測定及び評価を行っていない。
【0124】
1.分散粒子の平均粒子径の測定
(1)試料液の調製
樹脂分散液を、該樹脂分散液の調製の際に使用した非水溶媒を用いて、吸光度が0.7~0.9の範囲内になるように希釈し、試料液とした。
【0125】
(2)平均粒子径の測定
分散粒子の平均粒子径は、測定装置として、超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA-700〔(株)堀場製作所〕を用いて、光透過法(基本原理:液相沈降法)により測定した。
上記にて調製した試料液をセルに入れ、測定装置にセットした。その際、リファレンスとして、樹脂分散液の調製及び希釈に使用したものと同じ非水溶媒を別のセルにいれ、同様に、測定装置にセットした。次いで、下記の測定条件を入力し、分散粒子の粒子径分布を測定した。得られた粒子径分布から算出したメジアン径(d50)を分散粒子の平均粒子径(単位:μm)とした。
【0126】
-測定条件-
・分散媒粘性係数:非水溶媒の粘度〔イソドデカン:1.01cP(1.01×10-3Pa・s)、KF-995:3.91cP(3.91×10-3Pa・s)、IPソルベント 1620:0.97cP(0.97×10-3Pa・s)〕
・分散媒密度:非水溶媒の密度(イソドデカン:0.75g/cm、KF-995:0.96g/cm、IPソルベント 1620:0.76g/cm
・試料密度:1.13g/cm
・測定最大粒子径:2.00μm
・測定最小粒子径:0.10μm
・測定粒子径間隔:0.10μm
【0127】
なお、試料密度は、樹脂分散液を、減圧下、170℃で70分間乾燥した後、得られた乾燥物について、ピクノメーターを用いて、JIS K 0061:2001に準拠した方法により測定した。
【0128】
2.樹脂分散液の分散性
2-1.液分散性
樹脂分散液20mLをガラス瓶に採取し、室温(23℃)にて24時間放置した。放置後の樹脂分散液を目視にて観察し、下記の評価基準に従って、樹脂分散液の分散性(即ち、液分散性)を評価した。
評価結果が「A」又は「B」であれば、分散性に優れる樹脂分散液であると判断した。
【0129】
-評価基準-
A:樹脂分散液中に凝集及び沈降が全く確認されない。
B:樹脂分散液中に凝集及び沈降の少なくとも一方が僅かに確認される。
C:樹脂分散液中に凝集及び沈降の少なくとも一方が顕著に確認される。
【0130】
2-2.希釈分散性
樹脂分散液10質量部に対して、樹脂分散液の調製の際に使用した非水溶媒とは異なる非水溶媒(樹脂分散液の調製の際に非水溶媒としてイソドデカンを使用した場合:KF-995、樹脂分散液の調製の際に非水溶媒としてKF-995を使用した場合:イソドデカン、樹脂分散液の調製の際に非水溶媒としてIPソルベント 1620を使用した場合:KF-995)を90質量部添加し、軽く撹拌した後、10分間静置した。静置後の希釈液を目視にて観察し、下記の評価基準に従って、樹脂分散液の希釈後の分散性(即ち、希釈分散性)を評価した。
評価結果が「A」又は「B」であれば、希釈分散性に優れる樹脂分散液であると判断した。
【0131】
-評価基準-
A:樹脂分散液中に凝集及び沈降が全く確認されない。
B:樹脂分散液中に凝集及び沈降の少なくとも一方が僅かに確認される。
C:樹脂分散液中に凝集及び沈降の少なくとも一方が顕著に確認される。
【0132】
3.膜の光沢性
清浄なガラス板上に、樹脂分散液を、乾燥後の膜厚が50μmとなるようにドクターブレードを用いて塗布し、塗布膜を形成した。次いで、形成された塗布膜を、雰囲気温度23℃、相対湿度50%の環境下に24時間静置して乾燥させた。乾燥後の膜の表面を目視にて観察し、下記の評価基準に従って、膜の光沢性を評価した。
評価結果が「A」又は「B」であれば、膜の光沢性が優れると判断した。
【0133】
-評価基準-
A:光沢が強く感じられる。
B:光沢が感じられる。
C:光沢があまり感じられない。
D:光沢が全く感じられない。
【0134】
【表2】
【0135】
表2中、「-」は、未測定又は未評価であることを意味する。
【0136】
表2に示すように、非水溶媒と、エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーンに由来する構成単位及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体に由来する構成単位を含み、かつ、エチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーンに由来する構成単位の含有率が、全構成単位に対して、35質量%以上50質量%以下の(メタ)アクリル系共重合体である分散剤と、上記(メタ)アクリル系共重合体とは異なる共重合体である分散粒子と、を含有する実施例1~実施例14の樹脂分散液は、いずれも分散性に優れていた。また、実施例1~実施例14の樹脂分散液を用いて形成された膜は、いずれも光沢性に優れていた。
【0137】
一方、非水溶媒として脂肪族炭化水素系溶媒であるイソドデカンを含む場合において、分散剤である(メタ)アクリル系共重合体がエチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーンに由来する構成単位を含まない比較例1の樹脂分散液は、液分散性は優れるものの、希釈分散性は低いことが確認された。
【0138】
非水溶媒として脂肪族炭化水素系溶媒であるイソドデカンを含む場合において、分散剤である(メタ)アクリル系共重合体がエチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーンに由来する構成単位を含むが、その含有率が全構成単位に対して35質量%未満である比較例2及び比較例3の樹脂分散液は、いずれも液分散性は優れるものの、希釈分散性は低いことが確認された。
【0139】
非水溶媒として脂肪族炭化水素系溶媒であるイソドデカンを含む場合において、分散剤である(メタ)アクリル系共重合体がエチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーンに由来する構成単位を含むが、その含有率が全構成単位に対して50質量%を超える比較例4、比較例5、及び比較例6の樹脂分散液は、いずれも分散性に優れるものの、形成された膜の光沢性は劣っていた。
非水溶媒としてシリコーン油であるKF-995を含む場合において、分散剤である(メタ)アクリル系共重合体がエチレン性不飽和二重結合を有する反応性シリコーンに由来する構成単位を含むが、その含有率が全構成単位に対して50質量%を超える比較例10、比較例11、及び比較例12の樹脂分散液は、いずれも分散性に優れるものの、形成された膜の光沢性は劣っていた。