(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】ロッドハンドリング装置
(51)【国際特許分類】
E21B 19/08 20060101AFI20220117BHJP
E21B 19/086 20060101ALI20220117BHJP
【FI】
E21B19/08
E21B19/086
(21)【出願番号】P 2020045548
(22)【出願日】2020-03-16
【審査請求日】2021-10-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000168506
【氏名又は名称】鉱研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】生田 正治
(72)【発明者】
【氏名】木村 敦志
(72)【発明者】
【氏名】田島 史郷
【審査官】高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】特開平6-235216(JP,A)
【文献】特開平8-284576(JP,A)
【文献】特開平5-302488(JP,A)
【文献】特開昭63-315794(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21B 19/08
E21B 19/086
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボーリング装置にボーリングロッドを供給及び回収するロッドハンドリング装置であって、
前記ボーリングロッドの複数本を積み重ね状態で搭載したロッドコンテナが着脱可能に取り付けられる旋回動作可能及び自走動作可能な本体部と、
前記本体部に上下方向への伸縮可能に立設された伸縮マストと、
前記伸縮マストに対する傾斜角度が変更可能に伸縮マストに支持され、スライド動作することにより長さが変化可能となっているスライドアームと、
上下方向へのチルト動作と、旋回動作と、軸回りのスイング動作が可能となって前記スライドアームの先端部に取り付けられ、前記ボーリングロッドの把持及び解放を行なうロッド把持部材と、を備えていることを特徴とするロッドハンドリング装置。
【請求項2】
前記ロッドコンテナを着脱可能に支持するコンテナ架台が前記本体部に取り付けられており、前記コンテナ架台は前記本体部に対する起伏動作が可能となっていることを特徴とする請求項1記載のロッドハンドリング装置。
【請求項3】
前記本体部に弾性的に当接する弾性部材が前記コンテナ架台における前記本体部側の端部に取り付けられ、前記ロッド把持部材によるボーリングロッドの把持動作の負荷が緩和可能となっていることを特徴とする請求項2記載のロッドハンドリング装置。
【請求項4】
前記ロッド把持部材は、前記ボーリングロッドを3点支持で把持する把持ブロックを横並び状に少なくとも2つ備えていることを特徴とする請求項1記載のロッドハンドリング装置。
【請求項5】
前記横並び状の把持ブロックは、一方が前記ボーリングロッドのインナーロッドの把持が可能で、他方がボーリングロッドのアウターロッドの把持が可能となっていることを特徴とする請求項4記載のロッドハンドリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボーリング装置に対してボーリングロッドを供給したり、回収するために用いるロッドハンドリグ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ボーリングロッドをボーリング装置へ供給するロッドハンドリング装置として、特許文献1及び特許文献2に記載された構造が従来より公知である。
特許文献1には、ボーリングロッドの複数をロッドコンテナに立設させてループ状移動路を移動させ、このボーリングロッドをロッドハンドラが取り出し、ボーリング装置に移動して供給する構造が記載されている。
特許文献2には、ボーリングロッドを立設させたターンプレートがループ状移動路に沿って移動するロッドコンテナと、ロッドコンテナ上のボーリングロッドを把持して移動し、ボーリング装置のドリルヘッドに供給するグリッパーとを有する構造が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平5-302488号公報
【文献】特許第6501811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のロッドハンドリング装置では、ボーリングロッドをロッドコンテナに立設させた状態とし、立設したボーリングロッドを取り出してボーリング装置に供給する構造であるため、ボーリングロッドを立設させる必要があり、そのための支持構造が必要であるばかりでなく立設させた状態で移動させる構造が必要となっており、ロッドハンドリング装置の全体が複雑な構造となる問題がある。しかも、ボーリングロッドを立設させることなく横置きに積み重ねた状態では、取り出すことができないため、不便となっている。
【0005】
従来のロッドハンドリング装置では、ボーリングロッドを立設した状態のままでボーリング装置に供給する構造であるため、ボーリング装置もそのガイドセルが垂直となった状態でボーリングロッドを受け取る必要がある。このためボーリングロッドの受け渡し姿勢が限定され、例えば、傾斜した状態や水平の状態でのボーリングロッドの供給ができない問題がある。従って地盤の状況に応じて角度変更及び高さ変更しながらボーリングロッドを供給することができないものとなっている。
【0006】
従来のロッドハンドリング装置では、ボーリングロッドが単管だけ、あるいは二重管だけに限定されるものであり、単管、二重管の双方のロッドハンドリングができない不便さがある。
【0007】
本発明は、このような従来の問題点を考慮してなされたものであり、横置きのボーリングロッドをボーリング装置に供給することができ、しかもボーリングロッドを傾斜状態や水平状態でもボーリング装置に供給することができ、単管、二重管を問わず取り扱いすることが可能なロッドハンドリング装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のロッドハンドリング装置は、ボーリング装置にボーリングロッドを供給及び回収するロッドハンドリング装置であって、前記ボーリングロッドの複数本を積み重ね状態で搭載したロッドコンテナが着脱可能に取り付けられる旋回動作可能及び自走動作可能な本体部と、前記本体部に上下方向への伸縮可能に立設された伸縮マストと、前記伸縮マストに対する傾斜角度が変更可能に伸縮マストに支持され、スライド動作することにより長さが変化可能となっているスライドアームと、上下方向へのチルト動作と、旋回動作と、軸回りのスイング動作が可能となって前記スライドアームの先端部に取り付けられ、前記ボーリングロッドの把持及び解放を行なうロッド把持部材と、を備えていることを特徴とする。
【0009】
本発明では、前記ロッドコンテナを着脱可能に支持するコンテナ架台が前記本体部に取り付けられており、前記コンテナ架台は前記本体部に対する起伏動作が可能となっていることを特徴とする。
また、前記本体部に弾性的に当接する弾性部材が前記コンテナ架台における前記本体部側の端部に取り付けられ、前記ロッド把持部材によるボーリングロッドの把持動作の負荷が緩和可能となっていることを特徴とする。
また、前記ロッド把持部材は、前記ボーリングロッドを3点支持で把持する把持ブロックを横並び状に少なくとも2つ備えていることを特徴とする。
また、前記横並び状の把持ブロックは、一方が前記ボーリングロッドのインナーロッドの把持が可能で、他方がボーリングロッドのアウターロッドの把持が可能となっていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、横置きのボーリングロッドをボーリング装置に供給することができ、ボーリングロッドを傾斜状態や水平状態でもボーリング装置に供給することができ、単管、二重管を問わず取り扱いすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】ボーリング装置に対し前側に設置されたロッドハンドリング装置からボーリングロッドを供給する状態を示す側面図である。
【
図2】ボーリング装置に対し横側からのボーリングロッドの供給状態、回収状態を示す側面図である。
【
図3】ボーリングロッドを後部のロッドコンテナから取り出し旋回した状態を示す側面図である。
【
図4】ロッドハンドリング装置が備える各部材の動作を示す側面図である。
【
図5】コンテナ架台の傾斜動作を示す側面図である。
【
図6】コンテナ架台の水平状態を示す側面図である。
【
図7】ロッドハンドリング装置の主要部分を示す側面図である。
【
図8】コンテナ架台の取り付け構造を示す側面図である。
【
図9】2重管を外した時のアウターロッドにインナーロッドを格納する状態を示す側面図である。
【
図10】2重管からなるボーリングロッドの把持状態を示す側面図である。
【
図11】ロッド把持部材の全体を示す側面図である。
【
図12】ボーリングロッドを把持した状態のロッド把持部材の正面図である。
【
図13】把持ブロックのスイング動作を示す正面図である。
【
図14】把持ブロックによるボーリングロッドの把持動作を示す正面図である。
【
図15】把持ブロックがボーリングロッドを掴む状態を示す正面図である
【
図16】把持ブロックが大径のボーリングロッドを掴む状態を示す正面図である。
【
図17】把持ブロックが小径のボーリングロッドを掴む状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1~
図17を参照して本発明の一実施形態のロッドハンドリング装置1を説明する。
【0013】
ロッドハンドリング装置1は掘削を行うボーリング装置100に対してボーリングロッド2を供給及び回収する装置である。
ボーリング装置100は
図1及び
図2に示すように、クローラ111によって走行する装置本体110と、装置本体110に伸縮駆動可能に設けられた複数のシリンダアーム120と、シリンダアーム120の先端部に取り付けられたガイドセル130とを備えている。ガイドセル130はシリンダアーム120の伸縮駆動によって垂直状態から水平状態の間で角度調整が行われる。従って、図示例ではガイドセル130が斜めとなっているが、掘削条件に応じて適宜、ガイドセル130の傾き姿勢を調整することができる。
【0014】
ガイドセル130には、給進機構150が取り付けられ、給進機構150にドリルヘッド140が連結されている。給進機構150が駆動することによりドリルヘッド140がガイドセル130の長さ方向に沿って移動する。ドリルヘッド140には、ボーリングロッド2が着脱可能に取り付けられており、ドリルヘッド140が駆動することによりボーリングロッド2による掘削が行われる。また、先行したボーリングロッド2を地盤から引き抜く動作も行われる。
【0015】
図1~
図4に示すように、ロッドハンドリング装置1は、本体部3と、伸縮マスト4と、スライドアーム5と、ロッド把持部材6とを備えている。
【0016】
本体部3は、クローラ11が取り付けられたベース(図示省略)上に旋回動作可能に取り付けられており、全体が自走動作可能及び旋回動作可能となっている。本体部3が旋回動作可能となっていることにより、本体部3はその前面がボーリング装置100側に臨む姿勢(
図1、
図3、
図4)、ボーリング装置100との反対側に臨む姿勢(
図7)及びこれらの中間に臨む姿勢(
図2)に変化することができる。
伸縮マスト4はこの本体部3に取り付けられる。また、本体部3には、ロッドコンテナ7が着脱可能に取り付けられる。
【0017】
伸縮マスト4は垂直方向を向くように本体部3に立設されている。伸縮マスト4は内部にマストシリンダ12を備えており、マストシリンダ12が作動することにより上下方向に伸縮するようになっている。この上下動作によりスライドアーム5の高さ位置を変更することができる。
【0018】
スライドアーム5は伸縮マスト4の上端部に取り付けられるものであり、伸縮マスト4の上端部にヒンジピン13を介して回動可能に支持される。スライドアーム5及び伸縮マスト4には、傾斜シリンダ14が掛け渡されており、傾斜シリンダ14が伸縮動作することにより、スライドアーム5の伸縮マスト4に対する傾斜角度が変更される。これによりスライドアーム5は
図4に示す水平状態だけなく、
図3に示す下方傾斜状態、
図9に示す上方傾斜状態に姿勢変更することができる。
スライドアーム5の内部には、伸縮シリンダ15が配置されており、伸縮シリンダが伸縮することによりスライドアーム5がスライド動作して同アームの長さが変更される。
以上のスライドアーム5の一方側の端部には、ロッド把持部材6が取り付けられている。
【0019】
ロッド把持部材6は
図7及び
図9に示すように、上端部に連結フレーム20を備え、この連結フレーム20がスライドアーム5の先端部の連結ブラケット16に連結される。連結フレーム20と連結ブラケット16とには屈曲動作可能なチルトレバー21が掛け渡されており、このチルトレバー21にスライドアーム内のチルトシリンダ22が連結されている。従って、チルトシリンダ22が伸縮動作することによりロッド把持部材6の全体は
図4の矢印Eで示すようにスライドアーム5に対してチルト動作する。
【0020】
ロッド把持部材6は
図11及び
図12に示すように、スイング用シリンダ23、把持用シリンダ32、旋回用モータ27を制御する電磁弁ユニット24が連結フレーム20の内部に配置されている。この連結フレーム20には、スイング用シリンダ23が横並び位置に固定されている。スイング用シリンダ23の先端には、支持プレート25が連結されている。支持プレート25はヒンジピン26を介して連結フレーム20にスイング可能に取り付けられている。この構造では、スイング用シリンダ23が伸縮すると、支持プレート25はヒンジピン26を中心に正逆回転する。これによりロッド把持部材6の全体は
図13の矢印Fで示すようにスライドアーム5に対してスイング動作する。このスイング動作はヒンジピン26の軸回りに行われ、例えば、45°の範囲内のスイング動作で調整される。なお、把持用シリンダ32への油は電磁弁ユニット24から回転ジョイント39(
図12、
図13参照)を介して供給される。
【0021】
図11に示すように、ロッド把持部材6は横並び状で配置された2つの把持ブロック28、29を有している。2つの把持ブロック28,29は取付プレート30から垂下しており、この取付プレート30と支持プレート25との間に油圧で作動する旋回用モータ27が配置されている。旋回用モータ27が作動すると、取付プレート30が旋回用モータ27により旋回し、この旋回により2つの把持ブロック28、29は
図4の矢印Gで示すようにスライドアーム5に対して旋回動作する。
【0022】
以上の構造では、ロッド把持部材6はスライドアーム5に対して上下方向のチルト動作と、旋回動作と、軸回りのスイング動作とが可能となっているため、ボーリングロッド2に合わせた姿勢の変更が容易となり、ロッド把持部材6によるボーリングロッド2の把持が容易となる。
【0023】
横並び状の2つの把持ブロック28、29は、取付プレート30から垂下した一対の支持プレート31に取り付けられている。2つの把持ブロック28、29は同一の構造となっており、一方の把持ブロック29について説明する。
把持ブロック29は、
図11、
図12及び
図16、
図17に示すように、上下方向に沿って支持プレート31に取り付けられた把持用シリンダ32と、把持用シリンダ32のシリンダロッド32aに取り付けられたスライドブロック33と、スライドブロック33の左右両側に連結ピン34を介して連結された2つの可動アーム35と、それぞれの可動アーム35の下部の可動ピン36を介して連結された2つの把持爪37とを有している。把持爪37は固定ピン38によって支持プレート31に回動可能に取り付けられている。
【0024】
以上の把持ブロック28、29は、スライドブロック33と、2つの把持爪37とによってボーリングロッド2を把持するものであり、ボーリングロッド2は3点支持によって把持される。
【0025】
次に、ロッド把持部材6によるボーリングロッド2の把持を説明する。
ロッド把持装置6を下降させてロッドコンテナ7に載置されているボーリングロッド2の間に開放状態の把持爪37を差し込み、
図15に示すように一のボーリングロッド2を掴む。この状態で把持用シリンダ32を伸長し、スライドブロック33の下降と共に可動アーム35を下降させて可動ピン36を押す。これにより
図14に示すように固定ピン38を中心に2つの把持爪37がボーリングロッド2の方向に移動し、ボーリングロッド2を持ち上げてセンター側に引き寄せる。この引き寄せによりスライドブロック33と左右の把持爪37とによってボーリングロッド2がほぼ中央に位置決めされる。さらに把持爪37が閉じることにより、ボーリングロッド2が浮き上がって確実にセンタリングされながら把持される。ボーリングロッド2の把持は3点支持のため、ボーリングロッド2の潰れを防止することができる。この構造では、ボーリングロッド2のロッド径が異なっていても、
図16、
図17に示すようにほぼ中央に位置決めしたボーリングロッド2の把持が可能となる。
【0026】
この形態におけるロッド把持部材6は、把持ブロック28、29を横並び状に2つ設けることにより、ボーリングロッド2が2重管であっても、その把持が可能となっている。
図10はアウターロッド2aの内部にインナーロッド2bが挿入された2重管からなるボーリングロッド2の把持を示し、一方の把持ブロック28がアウターロッド2aを把持し、他方の把持ブロック29がインナーロッド2bを把持する。これにより単管だけでなく、2重管の把持も可能となり適用範囲を広げることができる。なお、把持ブロックは2つだけなく、3つ以上設けることも可能である。
【0027】
次に、本体部3に着脱可能となっているロッドコンテナ7について説明する。
図1、
図3、
図4、
図7、
図9に示すように、本体部3には、コンテナ架台40が設けられており、このコンテナ架台40上にロッドコンテナ7が載置可能となっている。
ロッドコンテナ7は複数のボーリングロッド2を積み重ね状態で搭載するものであり、複数のボーリングロッド2の搭載状態でコンテナ架台40に着脱可能に載置される。このように複数のボーリングロッド2を搭載したロッドコンテナ7を載置することにより、ボーリング装置100に対するボーリングロッド2の補充を迅速に行うことができる。又、掘削に使用した先行のボーリングロッド2をボーリング装置100から取り外してロッドコンテナ7に回収することもできる。
【0028】
コンテナ架台40は、ロッドコンテナ7が載置される載置台41と、載置台41を本体部3に取り付けるための取付アーム42とによって形成されている。本体部3には、コンテナ架台40を着脱可能に取り付けるための取付ブラケット44が設けられている。取付ブラケット44は取付ピン45を有しており、この取付ピン45に取付アーム42を係止することによりコンテナ架台40が片持ち支持で本体部3に取り付けられる。
【0029】
図5、
図6、
図9に示すように、取付ブラケット44には立ち上げ用シリンダ46が設けられている。この立ち上げ用シリンダ46を伸長作動させることによりコンテナ架台40が傾斜状に立ち上げられる(
図5)。また、立ち上げ用シリンダ46を短縮動作させることによりコンテナ架台40を水平状態に戻すことができる(
図6)。従って、コンテナ架台40は本体部3に対する起伏動作が可能となっており、ロッドコンテナ7からのボーリングロッド2の取り出しやロッドコンテナ7へのボーリングロッド2の回収の際の姿勢を任意に変更することができ、これらの作業を容易に行うことができる。
【0030】
図8に示すように、この実施形態においては、コンテナ架台40の載置台41における取付ブラケット44側の端部に弾性部材43が取り付けられ、この弾性部材43が取付ブラケット44に当接している。このような構造では、ロッド把持部材6によってロッドコンテナ7からボーリングロッド2を取り出す際の押し付けによる負荷が作用しても、弾性部材43が負荷を減衰させるため、負荷を緩和することができる。
【0031】
この実施形態のロッドハンドリング装置1は、本体部3が旋回動作及び自走可能で、本体部3に取り付けられた伸縮マスト4が伸縮可能で、スライドアーム5が長さ変化可能で、ロッド把持部材6がチルト動作、旋回動作及び軸回りのスイング動作が可能となっている。このような構造とすることにより、以下の優れた点を有している。
(1)地盤の状況に応じて角度変更及び高さ変更しながらボーリング装置100に対するボーリングロッド2の供給及び回収を行うことができ、ボーリング装置100に対するボーリングロッド2の着脱の作業性が向上する。しかもボーリングロッドを横置きの積み重ね状態で供給できるため、簡単な構造とすることができる。
(2)複数のボーリングロッド2を搭載した状態でボーリング装置100に対する移動ができるため、施工現場へのボーリングロッド2の搬送を迅速に行うことができ、省力化も可能となる。
(3)ボーリングロッド2が単管であっても、二重管であっても確実に把持できるため、ボーリングロッドに対する適用範囲を大きくすることができる。
【符号の説明】
【0032】
1 ロッドハンドリング装置
2 ボーリングロッド
3 本体部
4 伸縮マスト
5 スライドアーム
6 ロッド把持部材
7 ロッドコンテナ
12 マストシリンダ
13 ヒンジピン
14 傾斜シリンダ
15 伸縮シリンダ
21 チルトレバー
22 チルトシリンダ
23 スイング用シリンダ
26 ヒンジピン
27 旋回用モータ
28 29 把持ブロック
32 把持用シリンダ
33 スライドブロック
37 把持爪
39 回転ジョイント
40 コンテナ架台
43 弾性部材
46 立ち上げ用シリンダ
100 ボーリング装置
140 ドリルヘッド