(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】作業機操作プログラム
(51)【国際特許分類】
A01B 63/00 20060101AFI20220117BHJP
A01B 63/02 20060101ALI20220117BHJP
A01B 59/06 20060101ALI20220117BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20220117BHJP
【FI】
A01B63/00 B
A01B63/02
A01B59/06
H04M11/00 301
(21)【出願番号】P 2020082638
(22)【出願日】2020-05-08
(62)【分割の表示】P 2016102971の分割
【原出願日】2016-05-24
【審査請求日】2020-05-08
(73)【特許権者】
【識別番号】390010836
【氏名又は名称】小橋工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】池田 幸治
(72)【発明者】
【氏名】阿部 徹
(72)【発明者】
【氏名】長濱 大輔
【審査官】田辺 義拓
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-120539(JP,A)
【文献】特開2013-250807(JP,A)
【文献】特開2006-223105(JP,A)
【文献】特開2011-120540(JP,A)
【文献】特開2008-282251(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 63/00
A01B 63/02
A01B 59/06
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機の位置情報と通信端末の位置情報とに基づき、前記作業機と前記通信端末とが一定の範囲内にあると判断された場合に開始される前記作業機と
前記通信端末との通信によって前記通信端末に送信された前記作業機の作業機IDを受信し、
前記作業機IDに関連付けられた実行アプリケーションが前記通信端末に格納されていない場合、前記実行アプリケーションをサーバからダウンロードすることを前記通信端末に実行させる作業機操作プログラム。
【請求項2】
ダウンロードされた前記実行アプリケーションを自動的に起動することをさらに含む請求項1に記載された作業機操作プログラム。
【請求項3】
前記実行アプリケーションは、前記作業機の作業高さを前記表示画面に表示させることを特徴とする請求項1または2に記載された作業機操作プログラム。
【請求項4】
前記実行アプリケーションは、前記作業機が作業を行った作業済み領域と前記作業機が作業を行っていない未作業領域とを区別して前記表示画面に表示させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載された作業機操作プログラム。
【請求項5】
前記実行アプリケーションは、前記通信の前に入力された作業予定領域および作業予定内容を記憶手段に保存させ、前記通信の後に前記記憶手段に保存された前記作業予定領域および前記作業予定内容に基づく前記作業機の操作方法を前記表示画面に表示させることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載された作業機操作プログラム。
【請求項6】
前記実行アプリケーションは、前記記憶手段に保存された前記作業予定領域および前記作業予定内容に基づいて、作業予定経路および予想作業時間を前記表示画面に表示させることを特徴とする請求項5に記載された作業機操作プログラム。
【請求項7】
前記作業機は、畦塗り機であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一に記載された作業機操作プログラム。
【請求項8】
前記実行アプリケーションは、前記畦塗り機の整畦部の高さおよび前記畦塗り機が作業を行った作業済み領域に基づいて、前記畦塗り機が形成した畦の立体情報を記憶手段に保存させることを特徴とする請求項7に記載された作業機操作プログラム。
【請求項9】
前記実行アプリケーションは、前記畦塗り機を用いて畦の角部を形成する際に、前記角部を形成するための前記畦塗り機の操作方法を前記表示画面に表示させることを特徴とする請求項7または8に記載された作業機操作プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は作業機操作プログラムに関する。特に、走行機の後部に装着される作業機操作プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の農作業は各農家の経験と勘に頼っていた。したがって、各農家によって農作業の効率はばらつき、農作物の収穫量および品質にもばらつきが生じていた。さらに、各農家が世代交代すると、新たな世代を担う農家は、その経験と勘のすべてを引き継ぐことは困難であり、農作業の経験の蓄積が活かされない。
【0003】
近年、農作業の作業効率を向上させるために、情報技術(IT)を駆使した農作業機の開発が進められている。例えば、全地球測位システム(GPS)を利用して正確な作業が可能なトラクタや、稲刈りと同時に米の水分やタンパク量を測定可能なコンバインが開発されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
また、農作業の労働時間を軽減するために作業機のオートマチック化が進められ、様々な作業機が開発されている。特に、トラクタ等の走行機の後方に装着され、耕耘、代かき、および畦塗りなど、作業の種類に応じて交換可能な作業機は、トラクタ等の走行機に対してアタッチメントのように交換するだけで様々な農作業に対応することが可能であり、農作業のコスト低減に大きく寄与している。
【0005】
上記の交換可能な作業機はさまざまな機種の走行機に取り付けられる。したがって、ITを駆使した農作業を行うためには、作業機自体にITを導入する必要がある。また、作業機の性能は取り付けられる走行機の性能に依存する。つまり、ITを駆使した作業機の性能を十分に発揮するためには、走行機に応じて作業機の作業条件を調整する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、走行機に応じて作業機の作業条件を調整することはユーザにとって大きな負担になる。特に、ITに慣れていないユーザは、上記作業条件の調整の煩わしさからIT導入に否定的になってしまう。その結果、農作業機へのITの導入が進展しない可能性があった。
【0008】
本発明は、そのような課題に鑑みてなされたものであり、作業機に適した作業条件を容易に得ることができる作業機操作プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態による作業機操作プログラムは、作業機と通信端末との確認通信によって通信端末に送信された作業機の作業機IDを確認し、通信端末で動作する複数のアプリケーションから、作業機IDに関連付けられた実行アプリケーションを選択し、実行アプリケーションを通信端末の表示画面に表示することを通信端末に実行させる。
【0010】
本発明の一実施形態による作業機操作プログラムは、作業機と通信端末との確認通信によって通信端末に送信された作業機の作業機IDを確認し、通信端末で動作する複数のアプリケーションから、作業機IDに関連付けられた実行アプリケーションを選択し、実行アプリケーションを作業機に接続された走行機に備えられた表示画面に表示することを通信端末に実行させる。
【0011】
また、選択された実行アプリケーションを自動的に起動してもよい。
【0012】
また、確認通信は、作業機と通信端末との間で行われる直接通信であってもよい。
【0013】
また、確認通信は、作業機の位置情報および通信端末の位置情報に基づく位置情報通信であってもよい。
【0014】
また、実行アプリケーションは、作業機の作業高さを通信端末に表示させてもよい。
【0015】
また、実行アプリケーションは、作業機が作業を行った作業済み領域と作業機が作業を行っていない未作業領域とを区別して通信端末に表示させてもよい。
【0016】
また、実行アプリケーションは、確認通信の前に入力された作業予定領域および作業予定内容を記憶手段に保存させ、確認通信の後に記憶手段に保存された作業予定領域および作業予定内容に基づく作業機の操作方法を通信端末に表示させてもよい。
【0017】
また、実行アプリケーションは、記憶手段に保存された作業予定領域および作業予定内容に基づいて、作業予定経路および予想作業時間を通信端末に表示させてもよい。
【0018】
また、実行アプリケーションは、複数の作業機IDおよび作業機に接続される走行機の複数の走行機IDの複数の組み合わせが登録されたIDリストから、作業機および走行機の適合性に応じて複数の走行機IDのうち1以上の走行機IDを通信端末に表示させてもよい。
【0019】
また、作業機に接続された走行機の走行機IDを確認することをさらに含み、実行アプリケーションは、複数の作業機IDと、複数の走行機IDと、作業機および走行機の少なくともいずれか一の操作方法を含む複数のガイダンスレシピと、が互いに関連付けられたレシピリストから、作業機IDおよび走行機IDの組み合わせに対応するガイダンスレシピを通信端末に表示させてもよい。
【0020】
また、作業機は、畦塗り機であってもよい。
【0021】
また、実行アプリケーションは、畦塗り機の整畦部の高さおよび畦塗り機が作業を行った作業済み領域に基づいて、畦塗り機が形成した畦の立体情報を記憶手段に保存させてもよい。
【0022】
また、実行アプリケーションは、畦塗り機を用いて畦の角部を形成する際に、角部を形成するための畦塗り機の操作方法を通信端末に表示させてもよい。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る作業機によれば、作業機に適した作業条件を容易に得ることができる作業機操作プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の一実施形態に係る作業機操作システムの概要を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る作業機操作システムの概要を示すブロック図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る作業機操作システムに用いられるサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る作業機操作システムに用いられる通信端末のハードウェア構成を示す概略図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る作業機操作システムに用いられる作業機のハードウェア構成を示す概略図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る作業機操作システムに用いられる通信端末の機能構成を示すブロック図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る作業機操作システムに用いられる作業機の機能構成を示すブロック図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る作業機操作システムの動作フローを示す図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る作業機操作プログラムのシーケンスを示す図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る作業機操作システムに用いられる実行アプリケーションの機能構成を示すブロック図である。
【
図11】本発明の一実施形態に係る作業機操作システムに用いられるアプリケーションによって表示されるインターフェースの一例を示す図である。
【
図12】本発明の一実施形態に係る作業機操作システムに用いられる作業機の一例を示す上面図である。
【
図13A】本発明の一実施形態に係る作業機操作システムに用いられる作業機の一例を示す側面図である。
【
図13B】本発明の一実施形態に係る作業機操作システムに用いられる作業機の一例を示す側面図である。
【
図14】本発明の一実施形態に係る作業機操作システムに用いられる作業機の一例を示す上面図である。
【
図15】本発明の一実施形態に係る作業機操作システムに用いられる作業機の一例を示す側面図である。
【
図16】本発明の一実施形態に係る作業機操作システムに用いられる通信端末の機能構成を示すブロック図である。
【
図17】本発明の一実施形態に係る作業機操作システムに用いられるアプリケーションによって表示されるインターフェースの一例を示す図である。
【
図18】本発明の一実施形態に係る作業機操作システムに用いられるアプリケーションによって表示されるインターフェースの一例を示す図である。
【
図19】本発明の一実施形態に係る作業機操作システムに用いられるアプリケーションによって表示されるインターフェースの一例を示す図である。
【
図20】本発明の一実施形態に係る作業機操作システムに用いられるアプリケーションによって表示されるインターフェースの一例を示す図である。
【
図21】本発明の一実施形態に係る作業機操作システムに用いられるIDリストの一例を示す図である。
【
図22】本発明の一実施形態に係る作業機操作システムに用いられる通信端末の機能構成を示すブロック図である。
【
図23】本発明の一実施形態に係る作業機操作システムに用いられるレシピリストの一例を示す図である。
【
図24】本発明の一実施形態に係る作業機操作システムの概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照して本発明に係る作業機について説明する。但し、本発明の作業機は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、本実施の形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の数字または同一の数字の後にアルファベットを追加した符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、説明の便宜上、上方(上部)又は下方(下部)という語句を用いて説明するが、上方(上部)又は下方(下部)はそれぞれ作業機の作業状態における向きを示す。また、同様に、前方(前側)又は後方(後側)という語句を用いて説明する場合、前方(前側)は作業機に対する作業機を牽引する走行機の方向を示し、後方(後側)は走行機に対する作業機の方向を示す。
【0026】
〈実施形態1〉
本発明の実施形態1に係る作業機操作システム及び作業機操作プログラムについて、
図1~9を参照しながら詳細に説明する。
【0027】
[システム概要]
図1は、本発明の一実施形態に係る作業機操作システムの概要を示す図である。実施形態1に係る作業機操作システム10は、サーバ100、通信端末200、走行機300、および作業機400を含む。作業機操作システム10は例えば通信端末200にインストールされた作業機操作プログラムによって実現される。
【0028】
通信端末200はサーバ100および作業機400の両方と通信する。通信端末200は作業機400と直接通信する。通信端末200が作業機400と直接通信する手段は、近距離無線通信であってもよく、有線通信であってもよい。通信の手段に関しては後で詳細に説明する。通信端末200は、作業機400の機器固有情報(作業機ID)を確認し、当該作業機400に適したアプリケーションを選択するプログラムを有する。
【0029】
図2は、本発明の一実施形態に係る作業機操作システムの概要を示すブロック図である。通信端末200はインターネット101を介してサーバ100と通信する。サーバ100は記憶手段であるデータベース105に接続されている。インターネット101は複数の通信端末200とサーバ100とを接続するネットワークである。インターネット101は、一般的なWorld Wide Web(WWW)であってもよく、ローカルネットワークであってもよい。データベース105には、通信端末200で動作するアプリケーション、走行機300の走行機ID、および作業機400の作業機IDなどが格納されている。データベース105において、作業機IDおよびアプリケーションは関連付けられており、走行機IDおよび作業機IDは関連付けられている。作業機IDに関連付けられたアプリケーションには、当該作業機IDを有する作業機400に適した作業条件および作業機400の操作方法(ガイダンスレシピ)が含まれている。
【0030】
図2では、データベース105がサーバ100を介してインターネット101に接続された構成を例示したが、この構成に限定されず、例えばデータベース105が直接インターネット101に接続されていてもよい。つまり、サーバ100としてデータの格納をネットワーク経由で行うクラウドコンピューティングが用いられてもよい。
【0031】
[サーバのハードウェア構成]
図3は、本発明の一実施形態に係る作業機操作システムに用いられるサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図3によると、サーバ100は、サーバ制御部110、サーバ記憶部120、およびサーバ通信部130を有する。
【0032】
サーバ制御部110は、中央演算処理装置(CPU:Central Processing Unit)、レジスタやメモリなどの記憶装置を含む。サーバ制御部110は、メモリに記憶されたプログラムをCPUによって実行し、通信端末200からの命令信号に応じて演算処理を行う。
【0033】
サーバ記憶部120は大容量のデータを格納することができる記憶手段であり、演算処理に必要なプログラムなどが格納されている。サーバ記憶部120に格納されているプログラムは、サーバ制御部110によって読み出しされ、サーバ制御部110の記憶装置に一時的に記憶される。また、サーバ記憶部120は通信端末200から送信された情報を保存する。サーバ記憶部120はハードディスクであってもよく、揮発性又は不揮発性のメモリであってもよい。
【0034】
サーバ通信部130は、外部機器に対してデータを送受信可能に接続することができる制御装置であり、インターネット101に対するデータの送受信を制御する。
【0035】
図1および
図2では、通信端末200がインターネット101に接続され、走行機300および作業機400はインターネット101に接続されない構成を示したが、走行機300および作業機400の少なくともいずれかがインターネット101に接続されてもよい。この場合、通信端末200は作業機400と直接通信せず、インターネット101を介して通信してもよい。
【0036】
[通信端末200のハードウェア構成]
図4は、本発明の一実施形態に係る作業機操作システムに用いられる通信端末のハードウェア構成を示す概略図である。
図4に示すように、通信端末200は、端末記憶部205、端末制御部210、第1端末通信部215、第2端末通信部220、ディスプレイ230、操作ボタン240、スピーカ250、及びマイク260を有する。
【0037】
端末記憶部205は、通信端末200に特定の機能を実行させるためのプログラム、アプリケーション、および通信端末200の端末識別情報を有する。当該アプリケーションは、通信端末200で動作し、作業機400の操作方法等を示すアプリケーションである。端末記憶部205はフラッシュメモリ等の不揮発性メモリおよびSRAM、DRAM等の揮発性メモリのうち少なくともいずれか一のメモリを有している。端末記憶部205は上記の不揮発性メモリおよび揮発性メモリに加え、または上記の不揮発性メモリの代わりにハードディスクを有していてもよい。プログラム、複数のアプリケーション、および端末識別情報のデータは不揮発性メモリまたはハードディスクに格納される。複数のアプリケーションのうち選択されて実行中のアプリケーションのデータは揮発性メモリに一時的に格納される。
【0038】
端末制御部210は、CPUなどの演算回路やメモリ及びレジスタなどの記憶回路を有する。端末制御部210は、端末記憶部205に記憶されたプログラムおよびアプリケーションをCPUによって実行し、通信端末200によって入力された命令信号に応じて、通信端末200の各種機能を実現する。
【0039】
第1端末通信部215は作業機400と通信を行う。第1端末通信部215は、近距離無線通信手段を有している。ここで、近距離無線通信とは、メガヘルツからギガヘルツの高周波の電波を利用した通信であり、数メートルの範囲内で通信を行うことができる通信方法である。近距離無線通信は、電波源から放出された電波を受信して通信端末の固有情報や電波源と通信端末との距離などの各種情報を伝達する通信である。
【0040】
上記の近距離無線通信として、例えば、BlueTooth(登録商標)を用いた通信やRFID(Radio Frequency IDentifier)を用いた通信が挙げられる。BlueToothを用いた通信として、BLE(BlueTooth Low Energy)が挙げられる。
【0041】
近距離無線通信としてBLEが用いられる場合は、作業機400に電波源が備えられ、通信端末200に電波受信部が設けられる。BLEとしては、例えばBlueToothを用いて作業機400の作業機IDを伝達するビーコンが挙げられる。一方、近距離無線通信としてRFIDが用いられる場合は、通信端末200にRFID(ICチップ)が備えられ、作業機400にRFID読み取り機(リーダ・ライタ)が備えられる。RFIDとしては、例えば13.56MHz帯の電波を利用したHF帯RFIDや900MHz帯の電波を利用したUHF帯RFIDが挙げられる。リーダ・ライタは、通信端末200に電波を放出する電波源、通信端末200の第1端末通信部215によって変調された電波を受信する受信部、および変調された電波から通信端末200の固有情報を解析する解析部を有する。
【0042】
第2端末通信部220は、無線で信号を送受信するアンテナや高周波回路、復調回路などを含む。また、第2端末通信部220は端末制御部210によって制御されてインターネット101に接続し、サーバ100にアクセスする。
【0043】
ディスプレイ230は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどを使用することができる。また、ディスプレイ230はタッチセンサを有していてもよい。タッチセンサは、抵抗膜方式、静電容量方式、光学式のセンサなどを使用することができる。ユーザはディスプレイ230の表示に従って通信端末200を操作し、作業機400の各種機能を実現する。
【0044】
図4では、通信端末200が操作ボタン240、スピーカ250、及びマイク260を有する構成を例示したが、この構成に限定されない。本発明において、作業機400の操作に必要がなければ、操作ボタン240、スピーカ250、及びマイク260は省略することができる。
【0045】
図4では、通信端末200の一例として、スマートフォンを示したが、作業機操作システム10に用いる通信端末200はスマートフォンに限定されない。作業機操作システム10に用いる通信端末200としては、通信機能、表示機能、及び操作機能を有していればよく、スマートフォン以外にも携帯電話、タブレットPC、PDA、ノートPC、PHSなどを用いることができる。
【0046】
[作業機400のハードウェア構成]
図5は、本発明の一実施形態に係る作業機操作システムに用いられる作業機のハードウェア構成を示す概略図である。作業機400には作業機通信部420が設けられている。近距離無線通信としてBLEが用いられる場合は、作業機通信部420は電波を放出する電波源を含む。一方、近距離無線通信としてRFIDが用いられる場合は、作業機通信部420はリーダ・ライタを含む。
【0047】
[通信端末200の機能構成]
図6は、本発明の一実施形態に係る作業機操作システムに用いられる通信端末の機能構成を示すブロック図である。通信端末200は、確認通信部270、作業機ID受信部272、作業機ID検索部274、アプリケーション選択部276、アプリケーション起動部278、および表示部280を有する。
【0048】
確認通信部270は、第1端末通信部215を用いて通信端末200と作業機400との通信を行う。当該通信は、作業機400と通信端末200との間で行われる直接通信である。作業機ID受信部272は、確認通信部270による通信によって得られた作業機400の作業機IDを受信する。作業機ID検索部274は、データベース105に対して、受信された作業機IDの検索を行い、作業機IDに関連付けられた実行アプリケーションを特定する。アプリケーション選択部276は、通信端末200に格納された複数のアプリケーションから、上記の作業機ID検索によって特定された実行アプリケーションを選択する。アプリケーション起動部278は、アプリケーション選択部276によって選択された実行アプリケーションを通信端末200上で自動的に起動する。表示部280は、起動された実行アプリケーションを通信端末200の表示画面に表示する。
【0049】
なお、アプリケーション起動部278が通信端末200に設けられていなくてもよい。つまり、アプリケーション選択部276によって選択された実行アプリケーションが通信端末200の表示画面に表示されてもよい。この場合、通信端末200の表示画面に表示された実行アプリケーションを確認したユーザの操作によって、当該実行アプリケーションが起動してもよい。ユーザの操作によって実行アプリケーションが起動する場合、アプリケーション選択部276によって選択される実行アプリケーションは1つであってもよく、複数であってもよい。
【0050】
アプリケーション選択部276は、作業機IDに関連付けられた実行アプリケーションが通信端末200に格納されていない場合、当該実行アプリケーションをサーバ100のデータベース105からダウンロードしてもよい。
【0051】
[作業機400の機能構成]
図7は、本発明の一実施形態に係る作業機操作システムに用いられる作業機の機能構成を示すブロック図である。作業機400は、確認通信部470および作業機ID送信部472を有する。
【0052】
確認通信部470は、作業機通信部420を用いて通信端末200と作業機400との通信を行う。作業機ID送信部472は、作業機通信部420を用いて通信端末200に作業機400の作業機IDを送信する。
【0053】
確認通信部270および確認通信部470がBLEを用いて通信する場合、確認通信部470は作業機通信部420の電波源に電波を放出させる機能を有し、確認通信部270は当該電波を受信する。作業機ID送信部472は、放出する電波を変調することで、電波に作業機400の作業機IDの情報を含ませる。作業機ID受信部272は、変調された電波を復調することで電波から作業機IDの情報を抽出する。
【0054】
[作業機操作システム10の動作フロー]
図8は、本発明の一実施形態に係る作業機操作システムの動作フローを示す図である。
図8では、
図1に示した作業機操作システム10のサーバ100、通信端末200、および作業機400の動作について、フローチャートを用いて詳しく説明する。以下のフローチャートでは、通信端末200と作業機400との間の通信がBLEを用いて行われる場合について説明する。
【0055】
まず、作業機400から放出される電波を通信端末200が受信することで確認通信が行われる(ステップS531)。この確認通信によって作業機400は通信端末200に作業機400の作業機IDを送信する(ステップS541)。通信端末200は作業機IDを受信すると(ステップS521)、インターネット101を介して、サーバ100に当該作業機IDの検索を要求する(ステップS522)。サーバ100は、当該検索要求に基づき、サーバ100に接続されたデータベース105に対して作業機IDを検索する(ステップS511)。
【0056】
作業機IDがデータベース105で検索されると、サーバ100は検索結果を通信端末200に送信する(ステップS512)。当該検索結果には検索された作業機IDに関連付けられた実行アプリケーションの情報が含まれる。通信端末200は検索結果に含まれる実行アプリケーションの情報に該当するアプリケーションを通信端末200に格納された複数のアプリケーションから選択し(ステップS523)、起動する(ステップS524)。そして、起動した実行アプリケーションを通信端末200の表示画面に表示する(ステップS525)。
【0057】
図8のフローチャートでは、通信端末200が起動されたアプリケーションを表示する例を示したが、アプリケーションを起動せず、選択されたアプリケーションを表示してもよい。そして、表示されたアプリケーションのうちユーザの操作によって選択されたアプリケーションが起動されてもよい。
【0058】
[作業機操作システム10の動作シーケンス]
図9は、本発明の一実施形態に係る作業機操作プログラムのシーケンスを示す図である。
図9に示す作業機操作プログラムは、通信端末200によって実行されるプログラムである。作業機操作システム10の基本的な動作は
図8で説明した動作フローと同様なので、詳しい説明は省略する。以下のシーケンスでは、通信端末200と作業機400との間の通信がBLEを用いて行われる場合について説明する。
【0059】
通信端末200が作業機400に近づき、通信端末200が作業機400からの電波を受信すると、両者の確認通信が開始される(ステップS600)。通信が成功すれば(ステップS602における「OK」)、作業機IDの受信が行われる(ステップS604)。一方、ステップS602において通信が失敗すると(ステップS602における「NG」)、再度ステップS600の通信が行われる。
【0060】
続いて、ステップS604で受信した作業機IDの検索が行われる(S606)。対象の作業機IDが検索されれば(ステップS608における「OK」)、その検索結果に基づいてアプリケーションの選択が行われる(ステップS610)。一方、ステップS608において対象の作業機IDが検索されないと(ステップS608における「NG」)、エラーメッセージが表示され(ステップS612)、プログラムは終了する(ステップS624)。
【0061】
ステップS610に進んだ場合、選択される対象のアプリケーションが通信端末200にあれば(ステップS614における「OK」)、当該アプリケーションの起動が行われ(ステップS616)、起動されたアプリケーションの表示が行われ(ステップS618)、プログラムは終了する(ステップS624)。一方、ステップS614において選択される対象のアプリケーションが通信端末200にないと(ステップS614における「NG」)、当該アプリケーションの検索が行われ(ステップS620)、検索されたアプリケーションのダウンロードが行われる(ステップS622)。ステップS620におけるアプリケーションの検索はインターネット101を介してサーバ100に接続されたデータベース105に対して行われる。そして、ステップS622においてダウンロードされたアプリケーションが起動され(ステップS616)、起動されたアプリケーションが表示され(ステップS618)、プログラムは終了する(ステップS624)。
【0062】
なお、上記のシーケンスとは異なり、ステップS614において選択される対象のアプリケーションが通信端末200にない場合、エラーメッセージを表示し(ステップS612)、プログラムが終了してもよい(ステップS624)。
【0063】
以上のように、実施形態1に係る作業機操作システム10によると、通信端末200と作業機400との通信によって、作業機IDに関連付けられたアプリケーションが選択されて表示される。したがって、ユーザに負担をかけることなく作業機400の作業機IDに関連付けられたアプリケーションを用いて作業機400に適した作業条件や作業機400の操作方法を得ることができる。つまり、作業機400に適した作業条件を容易に得ることができる作業機操作プログラムを提供することができる。
【0064】
本実施形態では、近距離無線通信によって通信端末200および作業機400が直接通信を行うことで、作業機400に関連付けられたアプリケーションを通信端末200の表示画面に表示する構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、通信端末200および作業機400の各々の位置情報(例えば、GPSを用いて)に基づいて、通信端末200の近くに存在する作業機400に関連付けられたアプリケーションを通信端末200の表示画面に表示してもよい。つまり、通信端末200および作業機400の直接通信の代わりに通信端末200および作業機400の各々の位置情報を用いてもよい。この場合、通信端末200の第1端末通信部215および作業機400の作業機通信部420の各々はGPS機能を有する。
【0065】
この場合、サーバ100は通信端末200の固有情報および位置情報と、作業機400の作業機IDおよび位置情報とを取得する。通信端末200の位置と作業機400の位置とが一定の範囲内にある場合、サーバ100は通信端末200のユーザが作業機400を操作しているまたは操作しようとしていると判断する。通信端末200は、当該サーバ100による判断に基づいて、作業機400の作業機IDに関連付けられた実行アプリケーションを選択する。
【0066】
本実施形態では、アプリケーションおよび当該アプリケーションを選択するプログラムが通信端末200に格納される構成を例示したが、当該アプリケーションおよびプログラムはデータベース105に格納されてもよい。上記アプリケーションおよびプログラムがデータベース105に格納される場合は、サーバ100によってプログラムが実行されてもよい。つまり、クラウドコンピューティングを用いてアプリケーションおよびプログラムが実行されてもよい。
【0067】
〈実施形態2〉
本発明の実施形態2に係る作業機操作システム及び作業機操作プログラムについて、
図10~15を参照しながら詳細に説明する。実施形態2では、通信端末200と直接通信を行った作業機400に関連付けられた実行アプリケーションの機能の一例について説明する。具体的には、作業機400に関連付けられた実行アプリケーションの一例として、畦塗り機の整畦高さまたは代かき機の整地高さとそれぞれの作業機の作業済み領域とを表示するアプリケーションについて説明する。
【0068】
図10は、本発明の一実施形態に係る作業機操作システムに用いられる実行アプリケーションの機能構成を示すブロック図である。実行アプリケーション700は、作業高さ表示部770および作業済み領域表示部772を有する。作業高さ表示部770は、作業機400の作業高さを通信端末200の表示画面に表示する。作業高さ表示部770は、作業機400の現在の作業高さをリアルタイムで表示してもよく、作業機400が作業した作業済み領域に作業高さの履歴情報を表示してもよい。作業済み領域表示部772は、作業機400が作業を行った領域を通信端末200の表示画面に表示する。作業済み領域表示部772は作業機400が作業を行った作業済み領域と、作業機400が作業を行っていない未作業領域とを区別して表示する。つまり、作業済み領域表示部772は、作業機400が作業する予定の領域のうち、作業を行った領域だけを識別可能に表示する。
【0069】
図11は、本発明の一実施形態に係る作業機操作システムに用いられるアプリケーションによって表示されるインターフェースの一例を示す図である。
図11では、作業機400の一例として、畦塗り機の整畦高さを表示する例が示されている。インターフェース710は、通信端末200の表示画面に作業高さ情報712および作業済み領域情報714を表示する。
【0070】
作業高さ情報712は作業高さ720を表示する。
図11に示すように、作業高さ情報712は、例えばグランドレベル722から整畦部822によって形成される畦上面724までの高さをイメージ情報として表示してもよい。作業済み領域情報714は作業済み領域732を未作業領域734とは異なる色または模様で表示する。作業済み領域情報714は、作業機400の現在位置および作業機400の進行方向736を表示してもよい。なお、作業済み領域732に一定間隔で作業高さ720の履歴が表示されてもよい。
【0071】
【0072】
図12は、本発明の一実施形態に係る作業機操作システムに用いられる作業機の一例を示す上面図である。
図13Aおよび
図13Bは、本発明の一実施形態に係る作業機操作システムに用いられる作業機の一例を示す側面図である。
図12、
図13A、および
図13Bの畦塗り機800は、走行機300のリンク機構(例えば3点リンク機構)に装着される装着部810と、畦塗り作業を行う作業部820と、装着部810及び作業部820を連結する連結部830とを基本構成として備えている。畦塗り機800は、整畦部822を回転させながら移動することで畦を形成する。また、畦塗り機800は、下記の機構によって整畦部822の向きを制御することで、畦の角部を容易に形成することができる。
【0073】
装着部810は、ロアリンク連結部811a、811bと、トップリンク連結部812と、連結部830が装着される支持部材813と、を備えている。装着部810は、走行機300のPTO(Power Take Off)軸に、ユニバーサルジョイント等の伝動継手を介して接続される入力軸(図示せず)を備えており、この入力軸に伝達された動力を連結部830の伝動機構に伝達する機構も支持部材813内に備えている。
【0074】
連結部830は、その一端が装着部810の支持部材813に支持され、他端が作業部820に取り付けられており、リンク部材831とオフセットフレーム832とを具備している。
【0075】
リンク部材831は、一端が装着部810側に回動可能に支持され、他端が作業部820側に回動可能に支持された部材であり、作業部820の位置を制御するものである。
【0076】
オフセットフレーム832は、作業部820側に動力を伝達する巻き掛け伝動手段を備えるとともに、垂直に設けられた伝動軸832a及び832bを有し、伝動軸832aの回りにオフセットフレーム832が回動可能に支持され、伝動軸832bの回りに作業部820が回動可能に支持されている。
【0077】
オフセットフレーム832とリンク部材831とは平行に配置され、これらと支持部材823とで平行リンク機構を形成している。そのため、連結部830のオフセット角度θ方向の揺動に対して作業部820の作業方向が変化しない、すなわち、畦塗りの作業面を維持したまま作業部820のオフセット移動が可能となる。
【0078】
本実施形態では、オフセットシリンダ840及び方向シリンダ841の制御を容易化するために平行リンク機構を採用している。ただし、オフセットシリンダ840と方向シリンダ841を独立して制御するように構成することも可能である。
【0079】
作業部820は、古い畦の一部を切り崩して土盛り作業を行う前処理部821と、この前処理部821によって前方に盛られた土を切り崩された古い畦に塗り付けて新しい畦を成形する整畦部822とを備える。前処理部821および整畦部822は支持ケース(図示せず)に装着されている。作業部820は、伝動軸832bに伝達された動力を前処理部821および整畦部822に振り分ける伝動機構を備える。
【0080】
前処理部821はロータリ爪を駆動軸に装着したロータリ耕耘型の前処理機構を有する。前処理部821は、古い畦の天場(上面)を削り取る天場処理機構(天場処理ロータ)を有していてもよい。
【0081】
このような基本構成を備えた畦塗り機800には、作業部820の作業位置(オフセット位置)を調整するための作業位置調整機構としてのオフセットシリンダ840と、作業部820の作業方向(回転方向)を調整するための作業方向調整機構としての方向シリンダ841が装備されている。
【0082】
図13Aおよび
図13Bを用いて畦塗り機の前処理部821と整畦部822との相対高さを調整するための構成を説明する。
図12に示すように、整畦部822は、走行機300の進行方向に対して左右方向に延びて回転自在に支持された回転中心軸(図示せず)に取り付けられた円錐傘状ドラム822bと、円錐傘状ドラム822bの右側端部に取り付けられて横方向に延びる円筒ドラム822aを有してなる。円筒ドラム822aは畦の上面を成形する。円錐傘状ドラム822bは畦の側面を成形する。なお、
図13Bに示す856aおよび856bは、それぞれ前処理部に対する整畦部の相対位置が最も高くなった場合および前処理部に対する整畦部の相対位置が最も低くなった場合の整畦部822の回転軌道を示す。
【0083】
図13Bを参照すると、整畦部822はチェンケース854と連動するように構成されており、チェンケース854にはこれを上下方向に回動させるためのアクチュエータ851として電動式の油圧シリンダが接続されている。アクチュエータ851である油圧シリンダのロッド851a先端側の一方側端部851bは、チェンケースから延長するブラケット853に枢設されており、アクチュエータ851である油圧シリンダの他方側端部851cは畦塗り機本体側(機枠)に枢結されている。このため、アクチュエータ851である油圧シリンダを動作させてロッドを伸縮すると、チェンケース854が回動中心858を中心に回動し、整畦部822の回転中心857を上下方向に回動して整畦部822の高さを変更することができる。このアクチュエータ851である油圧シリンダは後述する制御部860によって伸縮が制御される。
【0084】
また、畦塗り機800は高さセンサ855を備える。高さセンサ855は、アクチュエータ851による整畦部822の回動状態を計測するものであり、整畦部822の前処理部821に対する相対位置を計測するために回動角度センサ等が適用される。具体的には、高さセンサとしてポテンショメータを用い、これをチェンケースの機枠に対する回動部近傍に設置し、チェンケースの回動状態を計測する。そして、計測された情報から、制御部860で整畦部822の前処理部821に対する相対位置を計算する。このように計算された相対位置に基づいて、整畦部822の整畦高さが算出される。
【0085】
なお、高さセンサとして、ポテンショメータの代わりに超音波センサを用いることができる。例えば、超音波センサを用いることで、グランドレベル722から整畦部822までの高さを評価することができる。
【0086】
図14は、本発明の一実施形態に係る作業機操作システムに用いられる作業機の一例を示す上面図である。
図15は、本発明の一実施形態に係る作業機操作システムに用いられる作業機の一例を示す側面図である。
【0087】
代かき機900は、作業機本体910、延長作業体920、切り替え部930、連結部940およびロータリ作業部960を備える。代かき機900は、
図14及び
図15に示すように、走行機300の後部に装着されて走行機300の前進走行とともに進行して代かき作業を行う作業機である。代かき機900は、機体前進方向に対して左右方向の中央部に配置された作業機本体910と、この左右両端部に上下方向に回動可能に取り付けられた左延長作業体920L及び右延長作業体920Rとを備え、作業機本体910、左延長作業体920L、および右延長作業体920Rに3分割された構造である。以下では、左延長作業体920Lと右延長作業体920Rとを合わせて、または単独で延長作業体920という。
【0088】
作業機本体910は、シールドカバー911、エプロン912、およびレベラ913を有する。シールドカバー911は、ロータリ作業部960のうち作業機本体910に対応して設けられた耕耘ロータの上方に設けられている。エプロン912は、当該耕耘ロータの後方に設けられており、シールドカバー911に接続部(図示せず)を軸として回動可能に接続されている。レベラ913は、上記耕耘ロータの後方に設けられており、エプロン912に接続部919を軸として回動可能に接続されている。エプロン912は、ロータリ作業部960の作業によって飛散された飛散物が外部に放出されることを抑制する。また、レベラ913は、ロータリ作業部960の作業によって耕耘された土壌を整地する。
【0089】
作業機本体910は、左右方向に延びる主フレーム903を有する機体905の前部に、走行機300の後部に設けられた3点リンク連結機構(図示せず)が連結されて、走行機300に対して昇降可能に装着される。主フレーム903の左右方向の中央部には前方へ突出する入力軸906aを備えたギアボックス906が設けられ、走行機300のPTO軸からユニバーサルジョイント等の動力伝達手段を介して動力が入力軸906aに伝達される。
【0090】
主フレーム903の左右両端部には伝動フレーム(チェーンケース)908と側部フレーム909が垂設される。伝動フレーム908および側部フレーム909の間には多数の耕耘爪が取り付けられたロータリ作業部960が回転自在に支持されている。主フレーム903内には伝動機構が設けられ、この伝動機構が伝動フレーム908内の伝動機構と連結される。
【0091】
延長作業体920は、代かき機900が収納状態と作業状態とを切り替え可能に作業機本体910に接続されている。ここで、収納状態とは、作業機が走行機の進行方向に対して直交する方向の幅を縮小された状態である。具体的には、延長作業体920が作業機本体910に対して回転移動(回動)することで折りたたまれた状態を収納状態という。また、作業状態とは、作業機が走行機の進行方向に対して直交する方向に延長された状態である。具体的には、収納状態から延長作業体920が作業機本体910に対して回動し、展開された状態を作業状態という。
【0092】
延長作業体920は、作業機本体910と同様に、延長シールドカバー921、延長エプロン922、および延長レベラ923を有する。延長シールドカバー921は、ロータリ作業部960のうち延長作業体920に対応して設けられた耕耘ロータの上方に設けられている。延長エプロン922は、当該耕耘ロータの後方に設けられており、延長シールドカバー921に接続部928を軸として回動可能に接続されている。延長レベラ923は、上記耕耘ロータの後方に設けられており、延長エプロン922に接続部929を軸として回動可能に接続されている。延長エプロン922はエプロン912と連動し、ロータリ作業部960の作業によって飛散された飛散物が外部に放出されることを抑制する。また、延長レベラ923は、レベラ913と連動し、ロータリ作業部960の作業によって耕耘された土壌を整地する。
【0093】
切り替え部930は、制御シリンダ(図示せず)及び接続部932を有し、延長作業体920を作業機本体910に対して回動させることで、収納状態と作業状態とを切り替える。制御シリンダは、一端が作業機本体910に接続され、他端が延長作業体920に固定された接続部932に回動可能に接続されている。延長作業体920は、制御シリンダが収縮することで折りたたまれて収納状態に切り替えられ、制御シリンダが伸長することで展開されて作業状態に切り替えられる。
【0094】
連結部940は、作業機本体910のレベラ913及び延長作業体920の延長レベラ923に取り付けられており、エプロン912に対するレベラ913の回動方向又は延長エプロン922に対する延長レベラ923の回動方向においてエプロン912及び延長エプロン922の相対的な動作範囲を規制する。つまり、連結部940はレベラ913と延長レベラ923とを連動させる。
【0095】
ここで、ロータリ作業部960(
図15参照)は、作業爪(図示せず)を有し、作業爪は、入力軸906aに伝達された動力によって回転され、土壌に作用することで土壌を耕す又は撹拌する。なお、
図15において、作業爪が回動する範囲を回動範囲962として示す。
【0096】
延長レベラ923の端部には、整地可能な幅をさらに広げることができるレベラ拡張部951が設けられている。レベラ拡張部951は、延長レベラ923に回動可能に接続されている。また、レベラ拡張部951は、レベラ913及び延長レベラ923の延長方向に対して傾斜した方向に延長している(長手を有している)。
【0097】
図15に示すように、エプロン912の上に、取付部944が取り付けられ、取付部944の一端側にリンク機構部941が回動自在に設けられている。なお、リンク機構部941は、エプロン912の上に直接取り付けられてもよい。また、リンク機構部941の他端側がポテンショメータ970に回動自在に接続されている。
【0098】
エプロン912が上下方向に回動すると、リンク機構部941が軸部942を回動支点として上下方向に回動する。整地高さが高くなると、エプロン912は、上方向に回動する。エプロン912が上方向に回動すると、リンク機構部941は、上方向に回動する。そして、リンク機構部941が上方向に回動すると、ポテンショメータ970が
図15でみると時計回りの方向に回動する。ポテンショメータ970が
図15でみて時計回りの方向に回動すると、ポテンショメータ970の抵抗が変化し、この変化を電圧変化として取出し、送信部を含む制御ボックス980に入力される。この制御ボックス980に入力された電圧変化の値に基づいて代かき機900の整地高さが算出される。
【0099】
[作業済み領域情報714の算出方法]
作業済み領域情報714は通信端末200および作業機400の少なくともいずれかに設けられたGPS機能に基づいて算出される。作業機400が作業を行っている間に、通信端末200または作業機400が移動した領域が作業済み領域と判断される。この作業済み領域は上記のGPS機能によって得られた位置情報と関連付けられることで、作業済み領域情報714が算出される。
【0100】
[作業高さ情報712および作業済み領域情報714の適用例]
上記のように算出された作業高さ情報712および作業済み領域情報714を用いた適用例について説明する。例えば、上記の情報を畦塗り機800に適用する場合、整畦部822の高さ(
図11に示すグランドレベル722から畦上面724までの高さ)および畦塗り機800が畦塗り作業を行った作業済み領域732(
図11参照)に基づいて、畦塗り機800が形成した畦の立体情報を得ることができる。当該畦の立体情報は、通信端末200およびデータベース105などの記憶手段に保存される。当該畦の立体情報は、1つの圃場を囲む畦の部分的な高さを示す立体情報であってもよく、複数の圃場に形成された畦の各々の高さを示す立体情報であってもよい。
【0101】
以上のように、実施形態2に係る実行アプリケーション700によると、ユーザは現在の作業機400の作業状態を通信端末200を介して確認することができる。ユーザは作業中に後方の作業機400を振り返ることなく現在の作業機400の作業高さを確認することができるため、作業高さ確認の煩雑さを解消することができる。また、実行アプリケーション700によると、ユーザは過去の作業機400の作業履歴を通信端末200を介して確認することができる。したがって、作業情報をデータとして保存することができるため、ユーザの作業経験や勘だけに頼らない農作業を実現することができる。
【0102】
〈実施形態3〉
本発明の実施形態3に係る作業機操作システム及び作業機操作プログラムについて、
図16~20を参照しながら詳細に説明する。実施形態3では、通信端末200Aと直接通信を行った作業機400に関連付けられた実行アプリケーション700Aの機能の一例について説明する。具体的には、ユーザが作業機400による作業を開始する前に作業予定内容を入力し、入力された作業予定内容に基づいて作業機400の操作方法が表示されるアプリケーションについて説明する。
【0103】
図16は、本発明の一実施形態に係る作業機操作システムに用いられる通信端末の機能構成を示すブロック図である。実施形態1(
図6)の通信端末200の機能ブロック図と比較すると、実施形態3の通信端末200Aは作業設定登録部282Aを有する点において、
図6の通信端末200と相違する。それ以外の機能構成は
図6の通信端末200と同様なので、ここでは説明を省略する。
【0104】
作業設定登録部282Aは、作業開始前にユーザによって入力された作業予定領域および作業予定内容を端末記憶部205に保存し、通信端末200Aと作業機400との確認通信の後に端末記憶部205に保存された作業予定領域および作業予定内容に基づく作業機400の操作方法をディスプレイ230に表示する。
【0105】
なお、上記の作業予定領域および作業予定内容は端末記憶部205以外の記憶手段に保存されてもよい。例えば、サーバ100に接続されたデータベース105、またはサーバ記憶部120に保存されてもよい。
【0106】
図17~
図20は、本発明の一実施形態に係る作業機操作システムに用いられるアプリケーションによって表示されるインターフェースの一例を示す図である。
図17では、事前入力として作業予定領域を設定する例が示されている。インターフェース710Aには、ユーザに現在表示されているインターフェースの内容を知らせる『作業内容を設定する領域を選択してください。』というメッセージが表示されている。このインターフェースにおいて、複数の作業予定領域の候補(ユーザ保有領域)が表示されている。ユーザは当該インターフェースに対して、複数の作業予定領域の候補のうち、事前入力を希望する領域を選択することで、作業予定内容の入力画面に進むことができる。
【0107】
図18には、
図17のインターフェースにおいて領域(a)が選択された場合のインターフェース710Aが示されている。インターフェース710Aは畦塗り機800の作業予定内容を入力するインターフェースである。通信端末200Aと作業機400との確認通信によって、作業機400が畦塗り機800であると判定されると、インターフェース710Aには畦塗り機用の作業予定内容の入力を行うインターフェースが表示される。つまり、作業候補領域として、圃場の外周に沿った領域が点線で表示される。
【0108】
インターフェース710Aには、『作業内容を設定してください。』というメッセージが表示され、そのメッセージの下には作業予定内容の入力画面が表示されている。ユーザは、例えば、作業開始地点に『★』印を設定し、作業ルートを『→』で設定する。作業ルートを示す矢印は、上記の作業候補領域の内側の領域に配置されるように自動的にアライメントされてもよい。なお、インターフェース710Aには予め推奨ルートが表示されており、その推奨ルートをユーザが変更できるようにしてもよい。圃場の角部付近で矢印が屈曲している箇所では、走行機300が一定の曲率半径で曲がった場合であっても、畦の形状が概略90°の角形状になるように設定された特定プログラムを起動するように作業予定内容が設定されてもよい。
【0109】
ここで、通信端末200Aと作業機400との確認通信によって、作業機400が代かき機900であると判定されると、
図19に示すようなインターフェースが表示される。つまり、作業候補領域として、圃場の全面が点線によって短冊状に分割され、当該短冊状の領域を交互に往復するように作業ルートが設定されてもよい。上記と同様に、インターフェース710Aには予め推奨ルートが表示されており、その推奨ルートをユーザが変更できるようにしてもよい。
【0110】
上記のように、通信端末200Aと通信した作業機400の作業機IDに応じて、当該作業機IDに適したインターフェースが表示される。
【0111】
図20は、作業予定内容が入力された後のインターフェース710Aである。インターフェース710Aには、事前に入力された作業予定領域および作業予定内容に基づいて、作業予定経路および予想作業時間が表示されている。ここで、上記の特定プログラムが設定されている場合、圃場の角部の作業ルートが他の作業ルートと異なるように表示されてもよい。例えば、圃場の角部の作業ルートの矢印を他よりも太く表示してもよく、矢印の横に“!”などのマークを追加してもよい。これによって、ユーザは一定の領域で特殊なプラグラムが設定されていることを視認することができる。なお、上記の特定プログラムは、ユーザが矢印または“!”を選択することで特定プログラム設定のON/OFFを切り替えることができる。
【0112】
以上のように、実施形態3に係る実行アプリケーション700Aによると、ユーザは例えば作業前に家や事務所で時間に余裕をもって作業計画を設定することができる。
【0113】
〈実施形態4〉
本発明の実施形態4に係る作業機操作システム及び作業機操作プログラムについて、
図21を参照しながら詳細に説明する。実施形態4では、通信端末200と直接通信を行った作業機400に関連付けられた実行アプリケーション700が、当該作業機400に適した走行機300の情報を含む例について説明する。
【0114】
図21は、本発明の一実施形態に係る作業機操作システムに用いられるIDリストの一例を示す図である。IDリスト1000は、走行機ID1010、作業機ID1020、組み合わせID1030、整合性ランク1040、使用不可機能数1050、および判定結果1060の項目を有する。これらの項目は互いに関連付けられている。なお、IDリスト1000が有する項目は、上記の項目に限定されず、多様な項目を有することができる。IDリスト1000は、データベース105、サーバ記憶部120、または端末記憶部205に格納される。
【0115】
走行機ID1010は、作業機400に接続可能な走行機300の機器固有情報である。作業機ID1020は、作業機400の機器固有情報である。組み合わせID1030は、走行機ID1010および作業機ID1020の組み合わせをキーとして割り当てられたIDである。つまり、組み合わせID1030は、走行機ID1010および作業機ID1020の組み合わせを特定するIDである。整合性ランク1040は、走行機ID1010および作業機ID1020の整合性に応じて割り当てられた値である。例えば、両者の整合性が高ければ整合性ランクとして高い値が割り当てられる。
【0116】
整合性は、例えば、走行機出力、前後バランス、干渉、作業速度、PTO、ユニバーサルジョイント、自動化装置、外部電源、外部油圧、3点リンク揚力、作業機幅、3点リンク種類、オートヒッチ種類等の項目に基づいて決定される。走行機出力は走行機の出力が作業機をけん引または動作させるのに適切か否かを示す項目である。前後バランスは装着時のバランスの良し悪しを示す項目である。バランスが悪い時にはバランスウエイトの必要性を示してもよい。干渉は装着時の干渉の有無を示す項目である。作業速度は作業に必要な速度段が走行機に存在するか否かを示す項目である。PTOは作業に必要なPTO機能が走行機に存在するか否かを示す項目である。ユニバーサルジョイントは、用いられているユニバーサルジョイントが走行機と作業機に適切なものか否かを示す項目である。自動化装置は作業機の自動化装置に適応した走行機か否かを示す項目である。外部電源は作業に必要な電源が得られるか否か、またはカプラが適正か否かを示す項目である。外部油圧は作業に必要な油圧が得られるか否か、またはカプラが適正か否かを示す項目である。3点リンク揚力は作業機を持ち上げるのに十分な揚力が得られるか否かを示す項目である。作業機幅は作業機に適切なタイヤ外側幅や輪距に調節可能か否かを示す項目である。3点リンク種類およびオートヒッチ種類はそれぞれ装着・使用の可否を示す項目である。なお、整合性は上記のすべての項目を含む必要はなく、また、上記の項目以外の項目を含んでもよい。
【0117】
使用不可機能数1050は、作業機400の有する機能のうち、接続される走行機300によっては使用できない機能の数を示す。判定結果1060は、整合性ランク1040によって決定されたマークである。例えば
図21に示すように、判定結果1060として「◎、○、△、×」のようなマークが登録されている。「◎」は整合性に何の問題もないことを示す。「○、△、×」は整合性に何らかの問題があることを示す。判定結果1060が「○、△、×」の場合、付属情報が表示されてもよい。当該付属情報として、改良や付属品に関するアドバイスが表示されてもよい。ユーザは、表示されたアドバイスに従うことで、メーカ等に依頼しなくても自ら作業環境の改善を図ることができる。
【0118】
実行アプリケーション700は、IDリスト1000から最も整合性の値が高い走行機IDを通信端末200のディスプレイ230に表示してもよく、IDリスト1000から整合性の値が高い複数の走行機IDのリストを表示してもよい。走行機IDを表示する際に、使用不可機能数1050を表示してもよく、使用できない機能の名称を表示してもよい。
【0119】
以上のように、実施形態4に係る実行アプリケーション700によると、ユーザは作業機400に適した走行機300の情報を得ることができるため、より適した作業環境を構築することができる。
【0120】
〈実施形態5〉
本発明の実施形態5に係る作業機操作システム及び作業機操作プログラムについて、
図22および
図23を参照しながら詳細に説明する。実施形態5では、通信端末200Bは走行機300および作業機400の両方と直接通信を行い、当該走行機300および当該作業機400の両方に適した操作方法を提供するアプリケーションについて説明する。
【0121】
図22は、本発明の一実施形態に係る作業機操作システムに用いられる通信端末の機能構成を示すブロック図である。実施形態1(
図6)の通信端末200の機能ブロック図と比較すると、実施形態5の通信端末200Bは走行機ID受信部284Bおよび走行機ID検索部286Bを有する点において、
図6の通信端末200と相違する。それ以外の機能構成は
図6の通信端末200と同様なので、ここでは説明を省略する。
【0122】
走行機ID受信部284Bは、通信端末200Bと走行機300との間の通信に基づいて、作業機400に接続された走行機300の走行機IDを確認する。走行機ID検索部286Bは、データベース105に対して、受信された走行機IDの検索を行う。ここで、走行機300が通信端末200Bと直接通信を行うことができない場合、作業機400を走行機300に接続した際に作業機400が走行機300の走行機IDを受信し、通信端末200Bは作業機400と通信することで作業機400の作業機IDとともに当該走行機IDを受信してもよい。この場合、通信端末200Bは走行機300と間接的に通信する、ということができる。
【0123】
図23は、本発明の一実施形態に係る作業機操作システムに用いられるレシピリストの一例を示す図である。レシピリスト1100は、走行機ID1110、作業機ID1120、およびガイダンスレシピ1130の項目を有する。これらの項目は、互いに関連付けられている。なお、レシピリスト1100が有する項目は、上記の項目に限定されず、多様な項目を有することができる。レシピリスト1100は、データベース105、サーバ記憶部120、または端末記憶部205に格納される。
【0124】
走行機ID1110および作業機ID1120は、
図21の走行機ID1010および作業機ID1020と同様なので、ここでは説明を省略する。ガイダンスレシピ1130は、作業機400および走行機300の少なくともいずれか一の操作方法を含む。
【0125】
実行アプリケーション700は、レシピリスト1100から、通信端末200Bと作業機400との間の通信によって得られた作業機ID1120、および通信端末200Bと走行機300との間の通信によって得られた走行機ID1110の組み合わせに対応するガイダンスレシピを通信端末200Bのディスプレイ230に表示する。
【0126】
以上のように、実施形態5に係る実行アプリケーション700によると、ユーザは走行機300および作業機400の組み合わせに適した操作方法に関する情報を得ることができるため、より適した作業条件で作業することができる。
【0127】
〈実施形態6〉
本発明の実施形態6に係る作業機操作システム及び作業機操作プログラムについて、
図24を参照しながら詳細に説明する。実施形態6では、通信端末200は作業機400との直接通信によって選択された実行アプリケーション700を走行機300に取り付けられたモニタ310に表示する。
【0128】
図24は、本発明の一実施形態に係る作業機操作システムの概要を示す図である。実施形態6に係る作業機操作システム10は、サーバ100、通信端末200、走行機300、モニタ310、および作業機400を含む。作業機操作システム10は作業機操作プログラムによって実現される。モニタ310以外の構成は実施形態1で説明した構成と同様なので、ここでは説明を省略する。
【0129】
モニタ310は、走行機300に取り付けられており、走行機300に関連する情報(例えば、走行機300の車速、走行機300のエンジンの回転数など)を表示する表示画面を有する。モニタ310は、通信端末200と直接通信する通信機能を有する。モニタ310には、通信端末200によって起動された実行アプリケーション700によって表示される各種情報が表示される。
【0130】
ここで、モニタ310が通信端末200と直接通信を行うことができない場合、通信端末200は直接通信によって作業機400に実行アプリケーション700によって表示される各種情報を送信し、作業機400から走行機300を介してモニタ310に当該情報が転送されてもよい。この場合、通信端末200はモニタ310と間接的に通信する、ということができる。
【0131】
以上のように、実施形態6に係る作業機操作システム10によると、実行アプリケーション700によって表示される情報はモニタ310に表示されるため、ユーザは通信端末200を取り出さなくても実行アプリケーション700によって表示される情報を確認することができる。実施形態6では、各種情報をモニタ310を用いて確認することができるため、通信端末200のディスプレイ230が省略されてもよい。
【0132】
以上、本発明について図面を参照しながら説明したが、本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0133】
10:作業機操作システム、 100:サーバ、 101:インターネット、 105:データベース、 110:サーバ制御部、 120:サーバ記憶部、 130:サーバ通信部、 200:通信端末、 205:端末記憶部、 210:端末制御部、 215:第1端末通信部、 220:第2端末通信部、 230:ディスプレイ、 240:操作ボタン、 250:スピーカ、 260:マイク、 270:確認通信部、 272:作業機ID受信部、 274:作業機ID検索部、 276:アプリケーション選択部、 278:アプリケーション起動部、 280:表示部、 282A:作業設定登録部、 284B:走行機ID受信部、 286B:走行機ID検索部、 300:走行機、 310:モニタ、 400:作業機、 420:作業機通信部、 470:確認通信部、 472:作業機ID送信部、 700:実行アプリケーション、 710:インターフェース、 712:作業高さ情報、 714:作業済み領域情報、 722:グランドレベル、 732:作業済み領域、 734:未作業領域、 736:進行方向、 770:作業高さ表示部、 772:作業済み領域表示部、 800:畦塗り機、 810:装着部、 811a、811b:ロアリンク連結部、 812:トップリンク連結部、 813:支持部材、 820:作業部、 821:前処理部、 822:整畦部、 822a:円筒ドラム、 822b:円錐傘状ドラム、 823:支持部材、 830:連結部、 831:リンク部材、 832:オフセットフレーム、 832a、832b:伝動軸、 840:オフセットシリンダ、 841:方向シリンダ、 900:代かき機、 903:主フレーム、 905:機体、 906:ギアボックス、 906a:入力軸、 908:伝動フレーム、 909:側部フレーム、 910:作業機本体、 911:シールドカバー、 912:エプロン、 913:レベラ、 920:延長作業体、 921:延長シールドカバー、 922:延長エプロン、 923:延長レベラ、 928、929、932:接続部、 930:切り替え部、 940:連結部、 941:リンク機構部、 942:軸部、 944:取付部、 951:レベラ拡張部、 960:ロータリ作業部、 962:回動範囲、 970:ポテンショメータ、 980:制御ボックス、 1000:IDリスト、 1010、1110:走行機ID、 1020、1120:作業機ID、 1030:組み合わせID、 1040:整合性ランク、 1050:使用不可機能数、 1100:レシピリスト、 1130:ガイダンスレシピ