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特許7006983貴蛇紋石入りセラミックを含むマルチイオナイザーシャワー器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】貴蛇紋石入りセラミックを含むマルチイオナイザーシャワー器
(51)【国際特許分類】
   A47K 3/28 20060101AFI20220117BHJP
   B05B 1/18 20060101ALI20220117BHJP
【FI】
A47K3/28
B05B1/18 101
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020166321
(22)【出願日】2020-09-30
(65)【公開番号】P2021058584
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2020-09-30
(31)【優先権主張番号】10-2019-0122990
(32)【優先日】2019-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520381883
【氏名又は名称】イ、ウジョン
【氏名又は名称原語表記】LEE, UJong
【住所又は居所原語表記】(Kwonsun-dong, Suwon IPARK CITY Apt.)#210-901,24,Dongsuwon-ro 145 Bun-gil,Kwonsun-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Korea Republic of Korea.
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】イ、ウジョン
【審査官】津熊 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-043079(JP,A)
【文献】特開2003-192064(JP,A)
【文献】特開2013-027860(JP,A)
【文献】特開平11-047181(JP,A)
【文献】国際公開第2017/209025(WO,A1)
【文献】韓国登録特許第10-1171751(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 3/28
B05B 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貴蛇紋石を含有するセラミックが水の流動する内部に回転自在に設けられ、水を外部に排水するシャワー器ヘッドと、
上部が前記シャワー器ヘッドの下部と連結されて取り付けられ、水をシャワー器ヘッドに移動させる管路を有する円筒状のシャワー器胴体と、
前記シャワー器胴体の下部とねじ山結合されるものであって、永久磁石を収める永久磁石スペースを有し、それらの間に水を移動させる流路を介して水を移動させてイオン水を生成し、水が流入する個所に設けられ、前記セラミックと同じ素材からなるとともに、円板状を呈し、平面上に複数の穿孔を備えるマイクロバブル手段が結着されたマルチイオナイザーと、
上部が前記マルチイオナイザーの下部とねじ山結合され、その下部は固定型の水栓またはコブラ水栓のホースと着脱されるアダプターと、
からなり、35~45℃の温水で用いられ、
前記マルチイオナイザーの流路は、断面上で台形状を呈するものであって、最初に引き込まれる下方の流路面積よりもシャワー器胴体に引き出される上部の流路面積の方が所定の幅だけ大きく、
前記マルチイオナイザーの永久磁石スペースには磁石が挿入されるが、中央に位置する流路を基準として一方の側に挿入される磁石がマルチイオナイザーの回転中心の外側方向にN極、かつ、流路側の方向にS極をなし、向かい合う個所に挿入される磁石が流路側の方向にN極、かつ、マルチイオナイザーの回転中心の外側方向にS極をなすように向かい合う極性が異なるように配列され、
前記シャワー器ヘッド、シャワー器胴体、マルチイオナイザー及びアダプターは着脱可能であり、
前記セラミックは、麦飯石粉末、貴蛇紋石粉末及びバインダーからなり、
前記セラミックの製造方法は、
a)麦飯石と貴蛇紋石とを重量比6:4~9:1でボールミル撹拌機に投入して攪拌して粉末化させ、攪拌混合する攪拌ステップと、
b)前記攪拌ステップにおいて混合された混合物と水とをスプレイドライヤーのチャンバーの内部に注入して水分を蒸発させ、原料のみを回収する不純物除去ステップと、
c)不純物除去ステップにおいて不純物が除去された混合物とバインダーとを金型に投入して成形する成形ステップと、
d)前記成形ステップを終えた後に焼成してセラミックを製造する焼成ステップと、
からなり、
前記マイクロバブル手段は、セラミックと同じ材質からなるものであって、所定の厚さを有する円板状を呈し、水が通過する複数の穿孔が形成され、穿孔はらせん状を呈し、
前記貴蛇紋石としては、元素の含量が、重量比でSiO43~78%、Al1.3~9%、Fe0.07~3.8%、MgO 1.1~39%、CaO 0.7~5.6%、KO 0.06~5.45%であるものを用いる貴蛇紋石入りセラミックを含むシャワー器。
【請求項2】
前記マルチイオナイザーは、外面に永久磁石スペースが形成され、かつ、平面上の中央に流路が形成されたハウジング、前記ハウジングの外面を包み込む円筒状の金属管、前記ハウジングの上部と下部とにそれぞれ結着されて水が排水されることを防ぐ上Oリングと下Oリング及びハウジングの下部面の中央は、下方に、外面にねじ山が形成された円筒状の突縁が形成され、突出した中空にマイクロバブル手段が嵌合され、マイクロバブル手段の遊動を防ぐようにアダプターと密着されるアダプターOリングを含んでなることを特徴とする請求項1に記載の貴蛇紋石入りセラミックを含むシャワー器。
【請求項3】
前記攪拌ステップは、68~76時間をかけて行って麦飯石及び貴蛇紋石の粒子径を38~42メッシュに形成し、不純物除去ステップにおける混合物と水の注入は、スプレイドライヤーのチャンバーの内部に噴射して行い、このとき、チャンバーの内部温度は120~150℃であり、焼成ステップにおける焼成温度は1150~1200℃であって、4~6時間をかけて焼成を行うことを特徴とする請求項1に記載の貴蛇紋石入りセラミックを含むシャワー器。
【請求項4】
マルチイオナイザー(300)の流路の内面またはシャワー器胴体200の管路の内面にセラミック(110)と同じ材質が取り付けられるか、あるいは、ハウジング(310)それ自体を前記セラミック(110)と同じ材質にすることを特徴とする請求項1に記載の貴蛇紋石入りセラミックを含むシャワー器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貴蛇紋石入りセラミックを含むマルチイオナイザーシャワー器に関し、さらに詳しくは、貴蛇紋石を含有するセラミックが水の流動する内部に回転自在に設けられ、水を外部に排水するシャワー器ヘッドと、上部が前記シャワー器ヘッドの下部と連結されて取り付けられ、水をシャワー器ヘッドに移動させる管路を有する円筒状のシャワー器胴体と、前記シャワー器胴体の下部とねじ山結合されるものであって、永久磁石を収める永久磁石スペースを有し、それらの間に水を移動させる流路を介して水を移動させてイオン水を生成し、水が流入する個所に設けられ、前記セラミックと同じ素材からなるとともに、円板状を呈し、平面上に複数の穿孔を備えるマイクロバブル手段が結着されたマルチイオナイザーと、上部が前記マルチイオナイザーの下部とねじ山結合され、その下部は固定型の水栓またはコブラ水栓のホースと着脱されるアダプターと、からなり、35~45℃の温水で用いられる貴蛇紋石入りセラミックを含むマルチイオナイザーシャワー器に関する。
【背景技術】
【0002】
貴蛇紋石は、蛇紋石(サーペンティン)の一種であり、半透明であり、薄い黒色または青黒い色を帯び、艶があるものであり、軟玉または韓国玉とも呼ばれる。一般に、蛇紋石は、モース硬度が約2~3であって、非常に弱い鉱物であるとともに、ほとんど不透明であって、放熱材や製鉄工業の副原料鉱物として用いられているが、宝石などに加工する用途には不向きである。しかしながら、蛇紋石のうち、モース硬度が5~6に及ぶ場合には加工可能であり、軽度が高いこのような蛇紋石を貴蛇紋石またはボーウェナイト(bowenite)または軟玉または黒玉と呼ぶ。
【0003】
また、貴蛇紋石は、マグネシウム、カルシウム、鉄分が主成分であるため、身体に着用したときに糖尿病及び高血圧をはじめとする心血関係の疾患に役立つということが報告されており、炎症誘発遺伝子の発現を抑えるという報告も行われている。大韓眼科科学誌(2018年第59巻第8号)の「軟玉入りコンタクトレンズ保管容器の抗シュードモナス菌効果」には、コンタクトレンズ保管容器に軟玉(蛇紋石)を添加して抗アメーバ効果を奏したという結果が示されている。
【0004】
水と関連して、蛇紋石を用いた先行技術としては、韓国登録特許第10-1219807号(2013.01.08.)が挙げられ、同文献は、浄水槽Aを少なくとも1つ以上並列または直列に配列して原水をろ過するように構成され、前記浄水槽Aは、上部に開口部が形成され、上部の外周面に締結部11が形成され、内部の側壁に金属バー7を固定するための固定口12が形成された本体1と、前記本体1の上部に結合される蓋体2と、前記本体1内に挿入され、内部に1次ろ過素材33が充填されたフィルター3と、前記本体1の内部に設けられ、水と反応して水素を生じさせる金属網6及び金属バー7と、前記本体1の内部に充填されるろ過材5と、を含み、1次ろ過素材に貴蛇紋石が含まれ、ろ過材に玉が混合されるという構成を有するミネラルアルカリイオン活性水に変化させる浄水装置を開示し、韓国公開特許第2003-0081208号(2003.10.17.)は、家庭用の浄水器であって、浄水フィルターに軟玉を混合して軟玉入りセラミックでもって人間に最も有益な紫外線及び赤外線の放出を目指す、堅炭、竹炭、椰子ガラ活性炭、ゲルマニウムセラミック、軟玉セラミック、黄土セラミック、麦飯石セラミックから製造する浄水フィルターの製造方法を開示している。
【0005】
一方、最近には、水道水から金属酸化物質または異物が排出されて利用者の不安感が高まりつつあり、暑くなるときには皮膚疾患に悩んでいる患者が次から次へと増えているため、肌に水道水を直接的に触れさせるシャワー器にフィルターまたはさらなる構成要素が備えられる機能性シャワー器の使用が増える傾向にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】韓国登録特許第10-1219807号(2013.01.08.)
【文献】韓国公開特許第2003-0081208号(2003.10.17.)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする技術的課題は、上記のように従来の皮膚炎症の抑制に役立ち、抗シュードモナス菌効果を奏し、遠赤外線を放出する貴蛇紋石を使用者の肌に直接的に水を触れさせるシャワー器の内部に含めて、人体に有用な水が排水される機能性シャワー器を開発することであり、このとき、シャワー器の内部に含まれる前記貴蛇紋石にさらなる混合物が加えられたセラミックから製造して耐久性及び効果を高めた貴蛇紋石入りセラミックを含むマルチイオナイザーシャワー器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記のごとき問題を解決し、かつ、目的を達成するために、本発明の一実施形態に係る貴蛇紋石入りセラミックを含むマルチイオナイザーシャワー器は、貴蛇紋石を含有するセラミック110が水の流動する内部に回転自在に設けられ、水を外部に排水するシャワー器ヘッド100と、上部が前記シャワー器ヘッド100の下部と連結されて取り付けられ、水をシャワー器ヘッド100に移動させる管路を有する円筒状のシャワー器胴体200と、前記シャワー器胴体200の下部とねじ山結合されるものであって、永久磁石を収める永久磁石スペース312を有し、それらの間に水を移動させる流路314を介して水を移動させてイオン水を生成し、水が流入する個所に設けられ、前記セラミックと同じ素材からなるとともに、円板状を呈し、平面上に複数の穿孔を備えるマイクロバブル手段360が結着されたマルチイオナイザー300と、上部が前記マルチイオナイザー300の下部とねじ山結合され、その下部は固定型の水栓またはコブラ水栓のホースと着脱されるアダプター400と、からなり、35~45℃の温水で用いられる。
【0009】
前記マルチイオナイザー300は、外面に永久磁石スペース312が形成され、かつ、平面上の中央に流路314が形成されたハウジング310、前記ハウジング310の外面を包み込む円筒状の金属管320、前記ハウジング310の上部と下部とにそれぞれ結着されて水が排水されることを防ぐ上Oリング330と下Oリング340及びハウジング310の下部面の中央面の中央は、下方に、外面にねじ山が形成された円筒状の突縁が形成され、突出した中空にマイクロバブル手段360が嵌合され、マイクロバブル手段360の遊動を防ぐようにアダプター400と密着されるアダプターOリング350を含んでなる。
【0010】
前記マルチイオナイザー300の流路314は、断面上で台形状を呈するものであって、最初に引き込まれる下方の流路面積よりもシャワー器胴体に引き出される上部の流路面積の方が所定の幅だけ大きい。
【0011】
前記セラミック110は、麦飯石粉末、貴蛇紋石粉末及びバインダーからなる。
【0012】
前記セラミック110の製造方法は、a)麦飯石と貴蛇紋石とを重量比6:4~9:1でボールミル撹拌機に投入して攪拌して粉末化させ、攪拌混合する攪拌ステップ(S10)と、b)前記攪拌ステップにおいて混合された混合物と水とをスプレイドライヤーのチャンバーの内部に注入して水分を蒸発させ、原料のみを回収する不純物除去ステップ(S20)と、c)不純物除去ステップにおいて不純物が除去された混合物とバインダーとを金型に投入して成形する成形ステップ(S30)と、d)前記成形ステップを終えた後に焼成してセラミックを製造する焼成ステップ(S40)と、からなる。
【0013】
前記攪拌ステップ(S10)は、68~76時間をかけて行って麦飯石及び貴蛇紋石の粒子径を38~42メッシュに形成し、不純物除去ステップ(S20)における混合物と水の注入は、スプレイドライヤーのチャンバーの内部に噴射して行い、このとき、チャンバーの内部温度は120~150℃であり、焼成ステップ(S40)における焼成温度は1150~1200℃であって、4~6時間をかけて焼成を行う。
【0014】
マルチイオナイザー300の流路の内面またはシャワー器胴体200の管路の内面にセラミック110と同じ材質が取り付けられるか、あるいは、ハウジング310それ自体を前記セラミック110と同じ材質にする。
【発明の効果】
【0015】
上述したように、本発明による貴蛇紋石入りセラミックを含むマルチイオナイザーシャワー器は、次のような効果を奏する。
【0016】
(1)本発明は、シャワー器ヘッドの内部に貴蛇紋石及び麦飯石入りセラミックを位置させて肌に有益な遠赤外線を生じさせ、前記貴蛇紋石は、抗菌及び脱臭効果を奏して水道水の浄水効果を奏する。
【0017】
(2)本発明は、マルチイオナイザーの永久磁石によってイオン水を生成し、マルチイオナイザーの流路の形状を台形にして永久磁石から発せられる磁場に流動する水が所定の時間だけさらに露出可能になる。
【0018】
(3)本発明は、マルチイオナイザーによって人体に有益な陰イオン放射も行われる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の好適な一実施形態に係る貴蛇紋石入りセラミックを含むマルチイオナイザーシャワー器の斜視図である。
図2】本発明の好適な一実施形態に係る貴蛇紋石入りセラミックを含むマルチイオナイザーシャワー器の分解図である。
図3】本発明の好適な一実施形態に係るマルチイオナイザーの分解図である。
図4】本発明の好適な一実施形態に係るマルチイオナイザーのハウジングの正面図、平面図、底面図及び断面図である。
図5】本発明の好適な一実施形態に係るシャワー器ヘッド及びセラミックの配設位置を示す例示図である。
図6】本発明の好適な一実施形態に係るセラミックの製造方法を示す工程手順図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の名称は、「貴蛇紋石入りセラミックを含むマルチイオナイザーシャワー器」であって、通常の技術者が分かりやすいように具体的な内容を記載し、十分に類推可能な別途の記載は省略し、必要に応じて、実施例及び図面を記載する。なお、本明細書及び特許請求の範囲において定義された用語は限定的に解釈せず、運用者の意図または慣例などに応じて異なってくる場合があり、本発明の技術的思想に見合う意味や概念として解釈されるべきである。
【0021】
本発明の一局面において、図1は、本発明の好適な一実施形態に係る貴蛇紋石入りセラミックを含むマルチイオナイザーシャワー器の斜視図であり、図2は、本発明の好適な一実施形態に係る貴蛇紋石入りセラミックを含むマルチイオナイザーシャワー器の分解図であり、図3は、本発明の好適な一実施形態に係るマルチイオナイザーの分解図であり、図4は、本発明の好適な一実施形態に係るマルチイオナイザーのハウジングの正面図、平面図、底面図及び断面図であり、図5は、本発明の好適な一実施形態に係るシャワー器ヘッド及びセラミックの配設位置を示す例示図であって、前記図1から図5に基づいて、以下、本発明の貴蛇紋石入りセラミックを含むマルチイオナイザーシャワー器について詳しく述べる。
【0022】
貴蛇紋石を含有するセラミック110が水の流動する内部に回転自在に設けられ、水を外部に排水するシャワー器ヘッド100と、上部が前記シャワー器ヘッド100の下部と連結されて取り付けられ、水をシャワー器ヘッド100に移動させる管路を有する円筒状のシャワー器胴体200と、前記シャワー器胴体200の下部とねじ山結合されるものであって、永久磁石を収める永久磁石スペース312を有し、それらの間に水を移動させる流路314を介して水を移動させてイオン水を生成し、水が流入する個所に設けられ、前記セラミックと同じ素材からなるとともに、円板状を呈し、平面上に複数の穿孔を備えるマイクロバブル手段360が結着されたマルチイオナイザー300と、上部が前記マルチイオナイザー300の下部とねじ山結合され、その下部は固定型の水栓またはコブラ水栓のホースと着脱されるアダプター400と、からなり、35~45℃の温水で用いられる。
【0023】
前記シャワー器ヘッド100の内部に設けられるセラミック110は、円形板の外周面に複数の羽根が突出した形状を呈し、中央にフレームが貫設されて前記フレームをシャワー器ヘッド100の内部の一方の側に形成された溝に嵌設する。
【0024】
前記マイクロバブル手段360は、セラミック110と同じ材質からなるものであって、所定の厚さを有する円板状を呈し、水が通過する複数の穿孔が形成され、穿孔はらせん状を呈して、微細バブルの生成がさらに円滑に行われる。
【0025】
また、マイクロバブル手段360は、複数の所定の小径の穿孔が多数形成されてマルチイオナイザー300に流入する水に圧力が加えられることにより、水の温度を所定の温度まで昇温させることで、遠赤外線の放射効果を高める。これは、パスカルの原理によって水に加えられる力を高めて貴蛇紋石と麦飯石とから遠赤外線を導くことである。
【0026】
前記温水の温度を35~45℃に限定した理由は、一般に、無機質では一定の温度を有していれば、遠赤外線を放出するが、本発明のセラミック(マイクロバブル手段を含む)110からの遠赤外線の放出効果を高めるためであり、人体の温度に近い温水を用いて、人体に有用な遠赤外線の波長を放射するために限定したのである。
【0027】
前記シャワー器ヘッド100及びマルチイオナイザー300とシャワー器胴体200は、ねじ山に着脱され、それらの間に水が排水されることを防ぐためにOリングが設けられることが好ましく、前記マルチイオナイザー300の永久磁石スペース312には磁石が挿入されるが、中央に位置する流路314を基準として向かい合う極性が異なるように配列される。例えば、一方の側に挿入される磁石が外方にN極及びS極をなし、向かい合う位置に挿入される磁石が流路314の方向にN極、かつ、外方にS極をなし、それらの間に流路314が形成されている。
【0028】
前記マルチイオナイザー300は、水をイオン化させるものであって、さらには、水酸基及びオキソニウムを所定量だけ生じさせて、殺菌、脱臭効果を奏し、かつ、ミネラルに富んだ酸素水と艶及び新鮮度の保持の面からみて卓越した効果を奏する。
【0029】
前記マルチイオナイザー300は、外面に永久磁石スペース312が形成され、かつ、平面上の中央に流路が形成されたハウジング310、前記ハウジング310の外面を包み込む円筒状の金属管320、前記ハウジング310の上部と下部とにそれぞれ結着されて水が排水されることを防ぐ上Oリング330と下Oリング340及びハウジング310の下部面の中央は、下方に、外面にねじ山が形成された円筒状の突縁が形成され、突出した中空にマイクロバブル手段360が嵌合され、マイクロバブル手段360の遊動を防ぐようにアダプター400と密着されるアダプターOリング350を含んでなる。
【0030】
前記マルチイオナイザー300の流路は、断面上で台形状を呈するものであって、最初に引き込まれる下方の流路314の面積よりも、シャワー器胴体に排出される上部の流路314の面積の方が所定の幅だけ大きい。
【0031】
前記流路314の形状は、一般に、一直線を呈する形状である場合、マルチイオナイザー300を通過する水量に限界があり、その内部において高圧且つ高速にて流動するため、イオン化効果に限定的である。本発明は、台形状の流路314を形成していることから、マルチイオナイザー300に最初に引き込まれる流路314の面積をシャワー器胴体200に引き出される個所の流路314の面積よりも相対的に小さくして、流路314内において水道水が留まる時間を所定量増やし、磁性に晒される度合いを高めることができる。
【0032】
前記セラミック110は、麦飯石粉末、貴蛇紋石粉末及びバインダーからなる。
【0033】
前記バインダーとしては、一般に、セラミック110素材の製造の際に用いられるバインダーを用いても構わない。
【0034】
前記貴蛇紋石は、準寶石類であって、一種の変質岩として存在している地域に応じて、組成している元素において違いを示している。本発明の貴蛇紋石としては、元素の含量が、重量比でSiO43~78%、Al1.3~9%、Fe0.07~3.8%、MgO 1.1~39%、CaO 0.7~5.6%、KO 0.06~5.45%である貴蛇紋石を用い、本発明において実際に用いられる貴蛇紋石の分析試験の結果を下記表1に示す。
【0035】

【表1】
【0036】
マルチイオナイザー300の流路の内面またはシャワー器胴体200の管路の内面にセラミック110と同じ材質が取り付けられるか、あるいは、ハウジング310それ自体を前記セラミック110と同じ材質にしてもよい。
【0037】
図6は、本発明の好適な一実施形態に係るセラミックの製造方法を示す工程手順図であり、以下、図6に基づいて、セラミックの製造方法について説明する。
【0038】
前記セラミック110の製造方法は、a)麦飯石と貴蛇紋石とを重量比6:4~9:1でボールミル撹拌機に投入して攪拌して粉末化させ、攪拌混合する攪拌ステップ(S10)と、b)前記攪拌ステップにおいて混合された混合物と水とをスプレイドライヤーのチャンバーの内部に注入して水分を蒸発させ、原料のみを回収する不純物除去ステップ(S20)と、c)不純物除去ステップにおいて不純物が除去された混合物とバインダーとを金型に投入して成形する成形ステップ(S30)と、d)前記成形ステップを終えた後に焼成してセラミックを製造する焼成ステップ(S40)と、からなる。
【0039】
前記不純物除去ステップ(S20)は、麦飯石粉末及び貴蛇紋石粉末を水と混合して噴霧するものであって、側方向にまたは下部から上方へと噴霧して水気を切り、最終的に麦飯石粉末及び貴蛇紋石粉末の混合原料のみを残す。
【0040】
前記攪拌ステップ(S10)は、68~76時間をかけて行って麦飯石及び貴蛇紋石の粒子径を38~42メッシュに形成し、不純物除去ステップ(S20)における混合物と水の注入は、スプレイドライヤーのチャンバーの内部に噴射して行い、このとき、チャンバーの内部温度は120~150℃であり、焼成ステップ(S40)における焼成温度は1150~1200℃であって、4~6時間をかけて焼成を行う
【0041】
前記麦飯石及び貴蛇紋石の粒子径が38メッシュ以上であるときには、セラミック110の表面が荒く、粒子径が次第に大きくなるにつれて、粉末同士の結合力が弱くなり、42メッシュ以下の粒子径であるときには、セラミックにおいて奏される効果を低減する虞があるため、38~42メッシュの粒子径に粉末化されることが好ましい。
【0042】
一方、前記焼成ステップ(S40)における焼成は、2~3次に亘って行い、短時間または7時間以上をかけて焼成処理を施す場合に貴蛇紋石の陰イオン及び遠赤外線の放出効能が低減されるため、4~6時間をかけて焼成を行うことが好ましい。
【0043】
他の局面において、前記セラミック100は、テラヘルツ放射鉱物であって、モナザイト(monazite)またはトルマリン(tourmaline)を追加して製造してもよい。これらを追加する際には、麦飯石粉末及び貴蛇紋石粉末の混合物に対して、重量比で1:0.01~0.1にすることが好ましい。その理由は、含有量が0.01未満である場合、所望の効能が生じ難く、含有量が0.1以上である場合、人体に有害になる虞がある。
【0044】
以上述べたように、本発明による貴蛇紋石入りセラミックを含むマルチイオナイザーシャワー器は、シャワー器ヘッドの内部に貴蛇紋石及び麦飯石入りセラミックを位置させて肌に有益な遠赤外線を生じさせ、前記貴蛇紋石は、抗菌及び脱臭効果を奏して水道水の浄水効果を奏し、マルチイオナイザーの永久磁石によってイオン水を生成し、マルチイオナイザーの流路の形状を台形にして永久磁石から発せられる磁場に流動する水が所定の時間だけさらに露出可能になり、マルチイオナイザーによって人体に有益な陰イオン放射も行われる。
【0045】
以上述べたように、本発明は、たとえ限られた実施形態と図面により説明されたが、本発明は、これらによって何ら限定されず、本発明が属する技術は、発明の技術思想と後述する特許請求の範囲の均等な範囲内において種々の修正及び変形が可能であるということはいうまでもない。
【符号の説明】
【0046】
100 シャワー器ヘッド
320 金属管
110 セラミック
330 上Oリング
200 シャワー器胴体
340 下Oリング
300 マルチイオナイザー
350 アダプターOリング
310 ハウジング
360 マイクロバブル手段
312 永久磁石スペース
400 アダプター
314 流路
図1
図2
図3
図4
図5
図6