(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】取り外し可能なホイールベースを備えたカート
(51)【国際特許分類】
B62B 5/00 20060101AFI20220117BHJP
B62B 3/02 20060101ALI20220117BHJP
【FI】
B62B5/00 B
B62B3/02 F
(21)【出願番号】P 2020188175
(22)【出願日】2020-11-11
(62)【分割の表示】P 2018566218の分割
【原出願日】2017-06-16
【審査請求日】2020-11-12
(32)【優先日】2016-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516083298
【氏名又は名称】ベルテック アソシエイツ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】VELTEK ASSOCIATES, INC.
【住所又は居所原語表記】15 Lee Boulevard, Malvern, Pennsylvania 19355 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100102934
【氏名又は名称】今井 彰
(72)【発明者】
【氏名】チャーチヴァラ ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルタート ジュニア. アーサー エル.
(72)【発明者】
【氏名】グデスブラット イエフ
(72)【発明者】
【氏名】グデスブラット ウラディスラフ
【審査官】姫島 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-178432(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0028616(US,A1)
【文献】特開2003-252204(JP,A)
【文献】特開2014-001041(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62B 5/00
B62B 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの細長いトレイ受け構造と底面とを含む本体と、
複数のトレイと、
前記少なくとも1つの細長いトレイ受け構造から直交する方向に延び、トレイを受けて支持するように構成された複数の対向するリップであって、リップのペアのそれぞれが1または複数のトレイをスライド可能に収容するチャネルを形成するリップと、
本体の底面を支え、前記底面と接続されるように構成された交換可能なホイールベースアセンブリと、
前記本体と前記交換可能なホイールベースアセンブリとを開放可能に連結するロック機構とを有し、
前記トレイ受け構造のそれぞれは、前記ホイールベースアセンブリに対して垂直方向上方に延び
、
前記底面は、前記本体の前端部から後端部まで延びた平坦な面であり、
前記本体は、他の交換可能なホイールベースアセンブリからスライド可能に取り外され、前記交換可能なホイールベースアセンブリにスライド可能に受け入れられ、前記ロック機構により前記交換可能なホイールベースアセンブリに自動的に連結される、トレイ搬送装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記ロック機構が係合すると、前記本体が前記ホイールベースアセンブリに固定される、トレイ搬送装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記ロック機構が解除されると、前記本体が前記ホイールベースアセンブリから分離可能になる、トレイ搬送装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかにおいて、
前記本体は、全体が加圧滅菌可能である、トレイ搬送装置。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかにおいて、
前記本体は、前記交換可能なホイールベースアセンブリを介してクリーンルーム環境に出入り可能である、トレイ搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の説明)
本願は、2014年12月24日に出願された米国仮特許出願第62/096,648号と2015年1月30日に出願された米国仮特許出願第62/109,873号の利益を主張する、2015年12月22日出願の米国特許出願第14/979,330の一部継続出願である。また、この出願は同時に出願された米国意匠出願29/569,050の一部継続出願であり、これらの出願は、それらの全体が、本明細書において参照により組み込まれている。
【0002】
本発明は、クリーンルーム機器の分野に関するものである。より具体的には、本発明は、滅菌機器を非滅菌環境から滅菌環境へ、また、その逆に円滑に搬送することに関するものである。
【背景技術】
【0003】
制御された環境(例えば、クリーンルーム)とは、汚染物質または粒子のレベルが制御される領域または環境であり、例えば、その室内に入る空気から粒子状物質をフィルタリングすることによって制御される環境である。制御された環境は、汚染物質や粒子のレベルが低く、特定の製品を製造したり、研究を行うために利用される。これらの制御された環境を利用して、外部環境からの有機および無機の汚染物質が、製造または利用される物品または機器を損なうことがないようにしている。しかしながら、制御された環境を汚染したり、他の要因で制御された環境に粒子が入り込むことなく、その制御された環境での製造業務を支援するために必要とされる様々な物品(例えば、供給物、原料など)を、この制御された環境に搬送するのは困難な場合がある。
【0004】
クリーンルームは、正圧および湿度制御などの機能を利用して、それらが設計された目的の用途に合う環境に最適化することもできる。クリーンルームは様々なサイズがあり、クリーンルームの入口の外に、エアロックまたはステージングエリア(一時保管領域)を備えている場合もある。それらのエアロックまたはステージングエリアによって、クリーンルーム内の空気を外部環境から隔離している。クリーンルームは、現在、所定の体積の空気に含まれる粒子の数およびサイズを検査する複数の選択基準を用いて分類される。米国における公知のクリーンルーム規格には、US FED 209Eクラス、ISO 14644-1クラス、およびISO 14644-2クラスが含まれる。他の国では、個別の基準やガイドラインを使用する場合がある。
【0005】
加圧滅菌は、制御された環境に搬送される物品および機器を清浄するための1つの技法である。加圧滅菌器(オートクレーブ)は、水蒸気または過熱水の状態での圧力および/
または熱を利用して、物品および装置を滅菌処理するために使われる装置である。真空中で加圧滅菌処理を行うこともできる。滅菌処理する媒体に応じて、加圧滅菌器の大きさは様々であってよい。加圧滅菌器の中の物品および装置は、高度の熱、圧力、および湿気にさらされるため、そのような処理の対象となる媒体は、それらすべてに耐え得ることが必要である。
【0006】
クリーンルームの作業員は、カートを利用して、クリーンルーム間で物品を搬送する場合が多い。しかし、カートのホイールに付着した汚れにより、クリーンルーム内には望ましくない粒子が入り込む可能性があるため、クリーンルームにカートを入れることはできない。したがって、作業員は、クリーンルームの入口の外(またはステージングエリア内)にカートを停めてから、手動で、トレイおよび/もしくは物品をカートから滅菌環境内に移動する必要がある。クリーンルーム内に第2のカートを用意してもよく、クリーンルーム内のカートとクリーンルーム外のカートとの間で物品を移動することができる。クリーンな環境の外に位置するカートが、滅菌のクリーンルームに入り、そのクリーンルームを汚染することがないようにするためには、このような移動が必要である。しかしながら、そのような従来の手動による環境間の移動には、以下のいくつかのリスクと困難が伴う。
(1)物品が落下したり、こぼれる可能性がある。
(2)不用意な物品の取り扱いにより、滅菌性を損なう可能性がある。
(3)物品の移動や搬送を支援する追加人員が必要になる。
(4)多くの時間と労働力を要する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、1人の作業員だけで物品および機器を搬送するために利用可能な搬送手段を提供することである。本発明の別の目的は、制御されていない環境(例えば、クリーンルームの外)から制御された環境(例えば、クリーンルーム)の中へ、移動可能である搬送装置を提供し、制御されていない環境からクリーンルーム環境内へ、物品を搬送することである。本発明のさらなる目的としては、取り外し可能なホイールベースを有するカートを提供し、1人の作業員でも非滅菌ホイールベースを滅菌ホイールベースに置き換えることができ、制御されていない環境と制御された環境との間で物品や機器を搬送する際に、非滅菌ホイールベースが制御された環境に入るのを防止できるようにすることである。本発明のさらに別の目的は、業界標準の加圧滅菌器の熱および圧力に、全体的に耐えることができるカートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
したがって、取り外し可能なホイールベースを有する、全体が加圧滅菌可能なカートが提供される。そのカートを利用して、滅菌トレイ上の物品および機器を、制御された環境の外から、クリーンルームまたは他の制御された環境の中へ、移動することができ、その際、作業員は、手動でそのトレイを移動する必要はない。1つのホイールベースをクリーンルームの外に置いておくことができ、第2のホイールベースをクリーンルームの中に置いておくことができる。ユーザーは、クリーンルームの入口またはエアロックにカートを持ってきて、ホイールベースを交換し、汚染されたホイールベースをクリーンルームの外に残し、カートをクリーンルーム内の滅菌ホイールベース上に移動し、引き続き、物品を載せたカートをクリーンルーム内へ移動する。
【0009】
また、以下では、底面、複数の垂直な支柱、および複数の垂直な支柱のそれぞれの間に延びた複数の水平な横材であって複数のサイドレールを構成する複数の水平な横材を含む本体と、本体の底面を支え、底面と接続されるように構成された交換可能なホイールベースアセンブリとを有する供給品搬送装置を提供する。本体の底面の上に置かれた複数の供給品(供給物)は、複数のサイドレールにより、その位置(所定の位置)に安定的に保持される。
【0010】
本発明は、また、少なくとも1つの細長いトレイ受け構造と底面とを含む本体と、少なくとも1つの細長いトレイ受け構造から直交する方向に延び、トレイを受けて支持するように構成された複数の対向するリップ(縁)と、本体の底面を支え、底面と接続されるように構成された交換可能なホイールベースアセンブリとを有するトレイ搬送装置に関するものである。トレイ受け構造のそれぞれは、ホイールベースアセンブリに対して垂直方向上方に延びている。
【0011】
以下では、さらに、制動機構(ブレーキ機構)を備えた車輪を有する搬送装置を提供し、搬送装置は、制動機構に隣接して配置された回転可能な作動機構と、作動機構から上方に延びたハンドルであって、停止力が加えられていない開位置と、作動機構が制動機構を作動させる制動位置との間で作動機構を移動させるように構成されたハンドルとを有する。
【0012】
本発明のこれらおよび他の目的、ならびに本発明の意図する利点の多くは、図面とともに以下の説明によって、より容易に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明のより完全な理解および本発明に付随する多くの利点は、以下の詳細な説明を、以下の図面と合わせて検討すれば、より理解されるであろう。
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態による、ホイールベースと、それが取り外されたカートフレームの斜視図である。
【0015】
【
図2A】
図2Aは、取り外し可能なホイールベースが取り付けられたカートの正面図である。
【0016】
【
図2B】
図2Bは、取り外し可能なホイールベースが取り付けられたカートの側面図である。
【0017】
【
図2C】
図2Cは、取り外し可能なホイールベースを備えたカートの上面図である。
【0018】
【
図3】
図3は、
図1のホイールベースホイールアセンブリを拡大して示した斜視図である。
【0019】
【
図4A】
図4Aは、
図2CのZ-Z線に沿って取った、カートおよび後方ホイールベースのロック機構の上部後方コーナ部分の側面図であり、そのロック機構はロックされている状態を示す。
【0020】
【
図4B】
図4Bは、
図4Aに示す後方ホイールベースのホイールアセンブリの側面図であり、そのロック機構はロックが解除されている状態を示す。
【0021】
【
図5A】
図5Aは、制御されていない環境にあるカートが、制御された環境に配置されたホイールベースアセンブリに近づく様子を示す上面図である。
【0022】
【
図5B】
図5Bは、カートが、制御されていない環境と制御された環境との間を移動するときに、そのカートの非滅菌ホイールベースを滅菌ホイールベースに置き換える様子を示す上面図である。
【0023】
【
図5C】
図5Cは、カートの非滅菌ホイールベースを滅菌ホイールベースに交換した後に、カート全体が制御された環境内に位置するときのカートの上面図である。
【0024】
【
図6A】
図6Aは、本発明の実施例である
図1のホイールベースアセンブリを搬送するために使用されるラックの側面斜視図である。
【0025】
【0026】
【0027】
【
図7A】
図7Aは、本発明の別の実施形態によるラックの斜視図である。
【0028】
【0029】
【0030】
【
図8】
図8は、本発明の異なる実施形態による供給品カートの正面斜視図である。
【0031】
【
図9】
図9は、本発明の異なる実施形態によるトレイカートの正面斜視図である。
【0032】
【0033】
【発明を実施するための形態】
【0034】
図面に示す本発明の好ましい実施形態を説明するにあたり、明確化のために特定の用語を使用する。しかしながら、本発明は、それらの選択された特定の用語に限定されるものではなく、それぞれの特定の用語は、同様の目的を達成するために、同様の方法で動作するすべての技術的に等価な意味を含む。本発明のいくつかの好ましい実施形態が例示目的のために記載されているが、本発明は、具体的に図面に示されていない他の形態で具体化されてもよいことが理解されるべきである。
【0035】
図1および
図2は、搬送装置を示しており、それは、限定されない実施形態の一例における、本発明のカート10に対応する。このカート(手押し車)10は、一般的に、本体またはフレーム100と、ホイールベースアセンブリ200と、そのホイールベースアセンブリ200に本体100を解除可能にロックするためのロック機構300とを含む。カート10は、一般的に、細長い矩形の形状で示される。これらのフレーム100、ホイールベース200、およびロック機構300を含むカート10全体は、それ全体を加圧滅菌において用いられる水分、熱、および圧力に耐えることができる材料で作られている。そのような材料には、ニッケル、アルミニウム、またはステンレス鋼のような金属または金属合金、ポリプロピレンのような弾性プラスチック、およびパイレックス(登録商標)タイプのガラスを含むが、これらに限定されない。
メインフレーム100
【0036】
図示されているように、メインフレームまたは本体100は、矩形の一体となった部品であって、前方にある横に延びた側面または端部102、後方にある横に延びた側面または端部104、および2つの長手方向の側面106、108を規定する。本体100は、1つまたは複数の水平に延びる棚板を有し、それら棚板のそれぞれが4つの垂直支柱120に接続し、支えられている。図示されている実施形態では、下部棚板(底板)112、中央棚板(中板)114、および上部棚板(天板)116を含む、3つの棚板が設けられている。これらの棚板112、114、116のそれぞれは、物品および/または機器のような様々な物を運ぶ。しかしながら、この実施形態および本発明の他の実施形態では、棚板および支柱120の数は異なっていてもよいが、少なくとも1つの底板112が設けられていることが好ましい。棚板112、114、116のそれぞれは、側壁118を形成するように下向きに折り曲げられたエッジ(端部)を備えていてもよく、エッジは棚板112、114、116の補強にもなる。また、棚板112、114、116は、上向きに折り曲げられた側面を有していてもよく、搬送される物がそれらの棚板から滑り落ちるのを防止できる。
【0037】
また、この本体100は、細長いハンドル130を含む。このハンドル(取手)130は、カート10の全幅に端から端に達する丸い細長い管であってもよい。このハンドル130は、2つの外側面106、108の支持部によって、カート10の後端部104に接続している。このハンドル130は、後端部104から離れて、後端部104に平行に配置され、ハンドル130とカート10の後端部104との間に、ギャップ(隙間)132が設けられている。このハンドル130は、実質的に、カート10の最上部に位置し、(支持部によって)上部棚板116と水平、またはそれより上に位置する。
【0038】
複数のガイドホイールアセンブリ(補助車輪組み立て体)140は、底板112の下向きに折り曲げられた側壁118に沿って配置されている。
図1に示されるように、4つのガイドホイールアセンブリ140は、互いに間隔を置いて、長手方向の側壁118に沿って配置されている。
図3に示すように、このホイールアセンブリは、1つのホイール142と1つの車軸144を有する。車軸144は、側壁118の開口部を通って突き出たロッドであってもよく、ボルトなどを使って、壁118の反対側から、側壁118に固定することができる。あるいは、車軸144はカート10の全幅に沿って延びていてもよく、1つの車軸144に2つのホイール142を設け、それらをカート10の対向するそれぞれの側面118に固定してもよい。このガイドホイール142は、比較的幅が広く、車軸144に回転可能に固定されており、ガイドホイール142は、車軸144の周りを自由に回転する。これらのガイドホイール142は、側壁118のわずかに下方に突き出ているため、本体100がホイールベースアセンブリ200にスライド可能に収容されたとき、それらのガイドホイール142で本体100の重量を支えることができる。これらのホイール142は、本体100の長手方向に平行な方向、すなわち、前後方向に回転する。したがって、本体100が、ホイールベースアセンブリ200にスライドして収容されたり、それから取り外されるときにガイドホイール142が回転する。回転ホイール142のそれぞれの回転軸は、側壁118に対して垂直であり車軸144も同様である。4つのガイドホイールアセンブリ140が図示されているが、1つまたは複数の任意の適切な数のガイドホイールアセンブリを使用してもよい。
ホイールベースアセンブリ200
【0039】
図1および
図2でさらに図示されているように、ホイールベースアセンブリ(車輪基部組み立て体)200は、複数のホイールアセンブリ(車輪組み立て体)210、平行した2つの長手方向のガイドレール220、ホイールベース200の両端に位置するロック用開口230、および車台(プラットフォーム)240を含む。ホイールアセンブリ210は、ホイールフレーム(車輪枠)と、そのホイールフレームに回転可能に連結されたホイール(車輪)とを含む。そのホイールフレームは、車台240の底部に接続されており、カート10の4つのコーナのそれぞれに、ホイールアセンブリ210が設けられているため、ユーザーは、カートを容易に押したり、引いたりすることができる。それらのホイールアセンブリ210のうち少なくとも1つは、カート10の移動を防止するホイールロック機構(車輪止め機構)250(
図4A)を有する。1つの実施形態では、1つまたは複数のホイールアセンブリ210には、スイベル(回り接手)を介して取り付けられており、ホイールアセンブリ210のそれぞれが、縦軸の周りを360度回転することが可能であり、それによって、カート10は、いかなる方向にも押したり引いたりすることができる。
【0040】
車台240は、本体100と協働可能なように、本体100を収容し、本体100と合わさるサイズおよび形状を有する。したがって、車台240は、フラットで矩形の細長い薄いシートであって、横に延びた後端部242、横に延びた前端部244、および2つの長手方向の側面246、248を有する。車台240は、1つの連続したシート状のフラットな上面241を有する。しかしながら、車台240は、1つまたは複数の細長いスラット(細長い薄板)で構成されていてもよく、それらのスラットは、前端部244から後端部242までのホイールベースアセンブリ200の全長にわたり延びたものとなる。これらの車台240およびホイールベースアセンブリ200は、地面に対して比較的低い位置で(ホイールサイズによって、3~8インチ)、本体100を保持(取り付け)できる安定した基部(ベース)を提供している。したがって、このホイールベースアセンブリ200は、その高さを増加させるような不要な要素を含まない。よって、このホイールベースアセンブリ200は、基本的な構成として複数のホイールと車台240とを有し、それらのホイールは、車台240の下側(下横)または下面に取り付けられている。
【0041】
ガイドレール220は、ホイールベースアセンブリ200の長手方向の側面246、248のそれぞれに設置されており、ホイールベースアセンブリ200の全長にわたる細長い部材である。これらのガイドレール220は、
図3で最もよく示されている。それぞれのガイドレール220は、直立部分222、内向き折曲部材224、および内部ガイドエッジ(内部ガイド端)226を有する。この直立部分222は、フラットな上面241から垂直に上方に延び、ガイドレール220の外端、ならびに長手方向の側面246、248の最も外側の端を形成している。内向き折曲部材224は、ホイールベースアセンブリ200に対して垂直に内向きに延びており、内向き折曲部材224は、車台240の上面241と実質的に平行となり、車台240の上面241との間に隙間が形成されている。これらの上面241、直立部分222、および内向き折曲部分224は、金属(例えば、鋼)壁であり、横から見て、ほぼU字形となるように折り曲げられている。内向き折曲部材224と車台の上面241との間にチャネル227が形成される。
【0042】
図示しているように、垂直部分222によって、内向き折曲部分224は、車台240の上面241から離れて、ガイドエッジ226は、本体100の側壁118に取り付けられた複数の回転ホイールガイドアセンブリ140の最上部と一致するように形成されている。それらのガイドホイール142は、ガイドレール220に沿って(長手方向に)スライドし、その際、複数のホイール142が回転する。複数の回転ホイールガイド140は、本体100を、支持、搬送、およびガイドし、車台240に沿ってスライドさせ、ホイールベースアセンブリ200を本体100の下にスライドすることができる。これらの回転ホイールガイド140は、本体100を、ホイールベースアセンブリ200に、長手方向にスライドして係合(接続)することができる。しかしながら、本体100およびホイールベースアセンブリ200は、本体100をホイールベースアセンブリを並べた状態で横方向にスライドしながら係合(接続)してもよい。
【0043】
ガイドホイールアセンブリ140は、作業中に、本体100が、ホイールベースアセンブリ200から外れることを防止し、ホイールベースアセンブリ200にスライドしながら収容したり、そこから取り外す際に、本体100をガイドする。
図3に示されるように、複数のホイール142は、側壁118の底部よりもわずかに下方に突き出ている。これにより、ホイール142は、ホイールベースアセンブリ200の上面242の上をスライドする。ホイール142は、さらに、上部の内向き折曲部分224と車台240の上面242との間に形成されたチャネル227内に収容される。上部の部材224は、ホイール142が外れることを防止する突出部を形成する。上部の部材224が、複数のホイール142をチャネル227内に保持し、ホイール142は、車台の上面242の上で、前方および後方にのみスライドすることができる。したがって、カート10が倒れたり、ユーザーによって持ち上げられて、本体100が、ホイールベースアセンブリ200に対し上方に持ち上げられるような状態になっても、ホイールベースアセンブリ200から外れることはない。むしろ、本体100をホイールベースアセンブリ200から外すことができるのは、ロック機構300のロックを解除し、本体100を前方または後方にスライドさせて、それらのホイール142をチャネル227の端部から出したときだけである。
【0044】
なお、ガイドレール200を、下向きに折り曲げられた側面118と位置が合うように並べて配置する必要はないが、その代わりに、本体100の複数の垂直支柱120と協働して係合するようにしてもよい。これらのガイドレール220は、例えば、車台240の側面246、248を折り曲げることで、車台240と一体化するように形成してもよい。これらのガイドレール220の前後のコーナ228には、本体100がホイールベースアセンブリ200の上にスライドし始めるときに、本体100を2つのガイドレール220の内側エッジ226の内側にガイドするように傾け(勾配が設けられ)ている。さらに、ホイール142は、本体100の重量を支持しなくてもよく、その場合は、側壁118の底端部より上に配置されていてもよい。この場合、側壁118が車台240の上面242の上をスライドし、複数のホイール142が本体100をガイドし、本体100がホイールベースアセンブリ200から外れるのを防止する。
【0045】
次に、
図4Aおよび
図4Bを参照すると、ロック機構300のさらなる詳細が示されている。このロック機構300は、垂直ロッド302、解放ノブ304、上部止め具306、下部止め具308、バネ310、および上部ガイドホール124を含む。この垂直ロッド302は、本体100の高さ全体にわたって延びている。ノブ304などのハンドルは、このロッド302の端の近傍に配置されている。この垂直ロッド302は、カート10の後端部104で、カート10の本体100と連結している。ロッド302は、上部支持部材320および下部支持部材330によって、本体100にスライド可能に取り付けられている。上部支持部材320は、本体100の上部に固定して取り付けられている。図示の実施形態では、上部支持部材320は、上部棚板116(例えば、上部棚板116の側壁118)に固定されており、ハンドル130の内側に固定されていてもよい。上部支持部材320は、ハンドル130と上部棚板116との間の隙間132内に配置してもよい。下部支持部材330は、本体100の下部に固定して取り付けられている。図示の実施形態では、下部支持部材330は、下部棚板112(例えば、下部棚板112の側壁118)に固定されている。
【0046】
上部支持部材320は、中央開口部または上部透孔(スルーホール)322を有し、下部支持部材330は、中央開口部または下部スルーホール332を有する。それらの上下スルーホール322、332は、ロッド302の直径よりわずかに大きく、ロッド302は、これらのホール322、332にぴったりと収まる。これにより、ロッド302は、上下スルーホール322、332に収容される。ホール322、332は、ロッド302が、ホール322、332の中で、自由自在に上下にスライドできるくらい十分な大きさではあるが、このロッド302が揺れ動いてしまうほどの大きさではない。
【0047】
上部止め具部材306は、ロッド302の最上部の近傍に設けられ、このロッド302に固定して取り付けられている。上部止め具部材306は、上部支持部材320の下に、上部止め具部材306と上部支持部材320との間に、バネ310を設けるのに十分な距離を置いて配置されている。したがって、バネ310は、上部支持部材320の底面と上部止め具部材306の上面との間において、ロッド302の周りに配置される。バネ310の直径は、上部ホール322の直径よりも大きいが、上部支持部材320の幅よりも小さい。バネ310の直径は、また、上部止め具部材306の直径よりも小さい。バネ310は、わずかに圧縮された状態となっており、上部支持部材320の底面および上部止め具部材306の上面に押し付けられている。
【0048】
したがって、上部止め具306は、ロッド302に固定され、そのロッド302は、本体100に固定して取り付けられている上部支持部材320の中をスライドする。
図4Aに示されるように、外側に向かって付勢されたバネ310が、ロッド302を下方に押すことで(ロッド302に固定された上部止め具部材306を下方に押すことによって)、ロッド302の反対側の端312が、下方に押し込まれ、ホイールベースアセンブリ200のロック開口230に係合する。下部止め具部材308は、ロッド302の底部で、このロッド302に固定して連結されており、ロッド302が、開口332、230の中で過度に下方に伸びて、地面に当たったり、もしくは、カート10の動作を妨げたりすることを防止している。
【0049】
ロッド302が、ホイールベースアセンブリ200のロック開口230に収容されると、カート10はロック状態となり、ホイールベースアセンブリ200が、本体100にロックされる。ロック位置にあるときは、ロック機構300とロック開口230とが相互に係合しており、ならびに、底部(下部棚板(底板)112および/または支柱120)がガイドレール部材220同士の間に位置することによって、本体100がホイールベースアセンブリ200から動かないように維持されている。したがって、ユーザーがカートハンドル130を押したり引っ張ったりすると、ホイールベースアセンブリ200は、本体100と共に移動する。
【0050】
ロッド302の端部付近およびノブ304は、上部棚板(天板)116の上面およびカートハンドル130より上方に突き出ている。このノブ304は、カート100の操作者がハンドル130を握っている間でも容易にホイールベースのロック機構300に手が届き、操作できるような位置に配置されている。
【0051】
図4Bに示されるように、ユーザーは、バネ310の付勢(バイアス)に反して、ノブ304をY方向に持ち上げることができる。この操作により、ロッド302の反対側の端部312をホイールベースアセンブリ200の係止ホール230から引き抜くことができる。この位置では、カート10は、ロック解除状態またはロック解除位置にあり、それによって、ホイールベースアセンブリ200は、本体100にロックされていない状態となる。ガイドレール220によって、本体100は、ホイールベースアセンブリ200に対して、横方向に移動しない。しかしながら、本体100は、長手方向Xにスライドさせることができる(
図1、
図4B)。より具体的には、下部棚板(底板)112の底面は、車台240の上面241に沿ってスライドする。両面が平らな金属であるため、棚板112、114、116に物を載せても、本体100をさほど困難なくスライドさせることができる。したがって、要素112は、「棚板」と称しているが、本体100が車台240の上をスライドすることができるような、十分な剛性を有する平らで丈夫なプレートである。車台240も同様に、本体100がその上面241上をスライドできるような、十分に堅い平らで丈夫なプレートである。
【0052】
反対側の端部312が下部支持部材330の開口部332から飛び出るくらいに高く、ロッド302を引き上げることはできない。バネ310が、上部止め具部材306と上部支持部材320との間で完全に圧縮されると、ロッド302は、上方に移動することができない。さらに、下部支持部材330をより高くしたり、または、追加の止め具部材をロッド302に(例えば、反対側の端部312などに)任意に設けてロッド302の上向きの動きを制限してもよい。さらに、ロッド302を収容するスルーホールを有する別の支持部材を本体100(例えば、中間棚板114)に取り付けることで、下部止め具部材208または他の止め具部材(図示せず)の上方への動きを制限してもよい。
カート10の操作
【0053】
次に、
図5A、
図5B、
図5Cでは、カート10の操作が示されている。この非限定的な実施例では、カート10は、単一の操作によって、制御されていない環境5(例えば、クリーンルームの外側)から、制御された環境7(例えば、クリーンルームの内部)に動かされる。境界または境界線9により、制御された環境7と制御されていない環境5とを分離していることが、図示されている。この境界線9は、例えば、クリーンルームの外側に位置するエアロックの入口であってよい。あるいは、境界線9は、エアロックの内側で、クリーンルームの入口の外側にあってもよい。あるいは、境界線9は、異なる微粒子レベル(パーティクルレベル)を有する2つのクリーンルームの間にあってもよい。例えば、カート10は、ISO14644-1クラスのクリーンルームから、ISO14644-2クラスのクリーンルームに動かすことができる。複数の物(物品、製品、および/または機器など)を、カート10の複数の棚板110上に載せて運ぶことができる。これらの物は、滅菌されていてもよく、袋のような密閉された包装内に密封されていてもよく、密封されていなくてもよい。
図5A~
図5Cでは、これらの物または制御された環境を汚染することなく、1人の作業員によってそれらの物をクリーンルームまたは他の制御された環境に搬送している様子を示している。
【0054】
まず
図5Aでは、カート10は、制御されていない環境5に位置し、境界線9に運ばれる。
図2A~
図2Cにおいて、完全に組み立てられた実施例として図示されるように、このカート10は、本体100と第1のホイールベースアセンブリ200
1との両方を含む。同時に、制御された環境7の中の、境界線9の反対側に、第2のホイールベースアセンブリ200
2が配置されている。したがって、2つのホイールベースアセンブリ200があり、第1のアセンブリ200
1は、制御されていない環境5の中で本体100に取り付けられており、第2のアセンブリ200
2は、制御された環境7の中に独立して存在している。第2のホイールベースアセンブリ200
2の複数のホイール210は、ロックされており、第2のホイールベースアセンブリ200
2は動かない。
【0055】
この時点で、作業員が、ハンドル130を用いてカート10を境界線9まで押すことで、第1のホイールベースアセンブリ2001は、第2のホイールベースアセンブリ2002に接触する。次いで、ユーザーは、第1のホイールベースアセンブリ2001の複数のホイール210をロックし、第1のホイールベースアセンブリ2001が動かないようにする。第1のホイールベースアセンブリ2001と、第2のホイールベースアセンブリ2002は、同一形態であり、それぞれの車台2401、2402の高さはそれぞれ同じである。ユーザーは、第1のホイールベースアセンブリ2001と第2のホイールベースアセンブリ2002とを直線に並べて(位置合わせして)、側面246、248が実質的に相互に直線になるようにする。第1のホイールベースアセンブリ2001の前端部244、および/または第2のホイールベースアセンブリの後端部242に、ガイド部材を設けてもよく、ユーザーが、第1のホイールベースアセンブリ2001と第2のホイールベースアセンブリ2002を(個々に、または一緒に)直線に配置する(位置合わせする)ことが容易となる。
【0056】
これにより、第1のホイールベースアセンブリ200
1と第2のホイールベースアセンブリ200
2は位置合わせされ(直線に配置され)、本体100(それを用いて搬送する物品と共に)は、第1のホイールベースアセンブリ200
1から第2のホイールベースアセンブリ200
2へ動かせるようになる。したがって、ユーザーは、バネ310の力に反して、ロック機構300(
図4A)のノブ304を持ち上げ、反対側の端部312を第1のロック用の開口230
1から引き抜き、本体100を第1のホイールベースアセンブリ200
1からロック解除する。作業員がこのノブ304を持ち上げる範囲は、上部止め具306によって制限され、その時、上部止め具306は、上部止め具306と上部ガイドホール322を囲う上部支持部材320の表面との間で、バネ310を機械的な限界まで圧縮している。
【0057】
図5Bに示されるように、ロック解除位置にあるときは、ユーザーはハンドル230を押して、本体100を、第1のホイールベースアセンブリ200
1の車台240の上面241
1に沿ってスライドさせ、第2のホイールベースアセンブリ200
2の車台240の上面241
2の上に載せることができる。本体100を第2のホイールベースアセンブリ200
2上にスライドさせるときには、第1および第2のガイドレール220
1、220
2が、本体100を長手方向X(
図4B)にガイドする。支持支柱120が、第2のガイドレール220
2の斜めになったコーナ228と接触してもよく、斜めになったコーナ228によって本体100は第2のガイドレール220
2内に誘導できる。本体100が、第1のホイールベースアセンブリ100
1からわずかに押し出されると、ロッド302はロック用の開口230と位置が揃わなくなるので、ユーザーは、ノブ304を離してもよい。反対側の端部312は、バネ310の力によって下方に押し戻され、それぞれの車台240の上面241
1、241
2に沿い、それらに乗った状態で移動する。ユーザーがノブを握っている必要がないように、そのノブを垂直に保持するためのキャッチを設けてもよい。
【0058】
本体100が、制御された環境7内の第2のホイールベースアセンブリ2002上に完全に移動するまで、ユーザーは、ハンドル130を押し続ける。第2のホイールベースアセンブリ2002のホイールはロックされているため、ホイールベースアセンブリ2002は静止したままの状態で、本体がその上をスライドしているときでも動かない。なお、ここでは、第1のホイールベース2001と第2のホイールベース2002の両方をロックしているが、第2のホイールベース2002のみをロックしてもよい。しかしながら、さらに、搬送中に第1のホイールベース2001が動かないようにするために、第1のホイールベース2001もロックしてもよい。第1のホイールベース2001をロックしておくことにより、ユーザーが制御された環境7を出るときに、本体100を再び収容する準備となる。本体100が、第2のホイールベースアセンブリ2002上に完全に収容されると、ロッド302は(ガイドレール2202の内部エッジ226により)ロック用の開口2302と位置合わせされ、バネ210の外向き(下向き)の力によって、自動的にロック開口2302に入る。
【0059】
この時点では、本体100は、制御された環境7内の第2のホイールベースアセンブリ200
2(複数の滅菌ホイールを有する)にロックされ、第1のホイールベースアセンブリ200
1(複数の非滅菌ホイールを有する)は、制御されていない環境5に留まる。
図5Cに示されているように、第2のホイールベースアセンブリ200
2の複数のホイールのロックはユーザーにより解除でき、クリーンルーム7の中でカート10(本体100と第2のホイールベースアセンブリ200
2を有する)を操作され、クリーンルーム7内の適切な場所に物品を搬送することができる。なお、
図5A~
図5Cに示されているように、搬送作業の間、物品は、カート10の棚板112、114、116の上に留まり、そこから取り除かれる必要はない。さらに、本体100は、決して地面に接触することはなく、代わりに、第1の車台表面240
1から第2の車台表面240
2に、直接移動する。
【0060】
また、前述の工程は、逆方向でも同様に行うことができる。すなわち、制御された環境7から制御されていない環境5へ、カート10を移動させる場合である。しかしながら、常に、滅菌および非滅菌のホイールベースは、それぞれの環境において隔離されたままであるため、カート10がこれらの環境間を移動しても、粒子状物質によるクロスコンタミネーション(相互汚染、二次汚染)を防止できる。これらのホイールベースは、実質、同一形態であるため、相互に交換可能であり、本体100を再構成することなく、1つのホイールベースアセンブリから他のホイールベースアセンブリに、フレーム100を容易に移動することができる。さらに、開口部230は、ホイールベースアセンブリ200の前端部244および後端部242に位置しているので、いずれの方向からでも、本体100をホイールベースアセンブリ200上に載せることができる。
【0061】
したがって、カート10を使って、物品を棚板112、114、116に載せて運ぶことができる。これらの物品は、カート10が制御されていない環境と制御された環境との間で移動するときでも、棚板112、114、166の上に留めておくことができる。このようにして、ユーザーは、カートをクリーンルームの外に置いたままで、手作業でカートから物品を取り出し、それらの物品をクリーンルームへ持っていく必要はない。また、制御されていない環境で使用されるホイールは、制御された環境には入らない。また、制御された環境で使用されるホイールは、制御された環境の中に留まり、制御された環境から出ない。したがって、カートホイールによって、制御された環境に粒子が入ることはない。
【0062】
上述および図示したように、1つのロック機構300は、主に本体100上に設けられ、ホイールベースアセンブリ200には、1つの開口部230のみが必要となる。しかしながら、数はこれに限定されず、また、構成もこれに限定されない。例えば、複数のロック機構を、本体フレーム100の側面106、108、または端部102、104のうち、1つまたは複数に設けてもよい。また、そのロック機構は、本体100上のロック機構と協働して係合するようにホイールベースアセンブリの上に設けられたり貼りついたり(ファスナ)または交差するようなロック機構を含んでいてよい。また、ロック機構300は、長いロッド302を有する必要はなく、ノブ付きの短いロッドを下部棚板112のすぐ上に有してもよいが、ユーザーはそのノブを持ち上げるためにかがまなくてはならない。
【0063】
さらに、本発明を、車台240の上面241上をスライドする棚板112を有するもので示しており、その棚部112上の物品はすべて新しいホイールベースアセンブリ上に移動する。しかしながら、他の実施例を提供することも可能である。上述したように、車台240はスラット(細長い薄板)等であってもよい。また、底板112の代わりに、支柱120がホイールを有してもよい。あるいは、ローラーベアリング付きの複数の長手方向に延びた支持部を設けてもよく、ローラーベアリングが、ホイールベースアセンブリの上の対応するローラーベアリングと係合するようにしてもよい(それにより、ガイドレールは不要となる)。
【0064】
本発明の別の特徴は、カート10全体が、加圧滅菌可能な材料で作られていることである。したがって、カート10全体、およびそれによって運ばれる全ての物品を加圧滅菌器に入れて滅菌することができる。本発明の趣旨および範囲内で、カート10のさらに異なる他の実施例を提供することができる。本発明を、本体100から完全に分離されたホイールベースアセンブリ200を有するもので説明しているが、本発明の範囲内の他の実施形態を提供することができる。例えば、本体100は、交換可能な複数のホイールセットを有し、1組のホイールがクリーンな環境で使用され、別の1組のホイールがクリーンな環境の外で使用されてもよい。それぞれのホイールを1つずつ交換できるように、それらのホイールが個別に取り外し可能であってもよいし、2つの前方ホイールと2つの後方ホイールとがそれぞれ連結されており、前方ホイールを一度に交換したり、後方ホイールを一度に交換できるようにしてもよい。または、それらのホイールを本体に固定したままにして、レバーで操作して1組のホイールを上げ、もう1組のホイールを下げてもよい。例えば、ホイールアセンブリは、ピボットプレート(旋回板)に取り付けられた2つのホイールを有してもよく、それらのホイールのうちの一方のホイールが下がると他方のホイールが上がるようにしてもよい。
保管/搬送用カートまたはラック600、700
【0065】
本発明の別の特徴を
図6A~
図6Cに示す。
図6Aに示されるように、本発明は、ホイールベースの搬送用カートまたはラック600を含み、それは、1つまたは複数のホイールベースアセンブリ200を、加圧滅菌器まで搬送し、その加圧滅菌器内に保管するために使用することができる。このラック600は、概略、1つの底部602と、少なくとも1つのハンドルアセンブリ604とから形成される。底部602は、上面606および底面608を有する平坦な矩形の細長いプレートから形成されてもよい。このラック600の底部602は、複数のホイールベースアセンブリ200を収容し、加圧滅菌器内に収まるような大きさと構成とを有する。ハンドルアセンブリ604は、複数のポールまたはロッド612、および1つのハンドル610から構成されてもよい。これらのポール612は、底部602の端部610の上面606から、(
図6Aに示すように)垂直、または、ある角度で延びていてもよい。これらのポール612およびハンドル610は、一体的に形成されているか、または互いに取り付けられている。
図6Cに示されるように、ハンドル610は、複数のポール612と一体的に形成され、それらのポール612の頂部からある角度で延びている。ユーザーは、このハンドル610を使って、ラック600を押すことができる。
【0066】
一実施形態では、底部602およびハンドルアセンブリ604(ハンドル610および複数のポール612を含む)は、加圧滅菌可能な材料で形成され、それらには、ニッケル、アルミニウム、またはステンレス鋼などの金属および合金、およびポリプロピレンのような弾性プラスチック、パイレックス(登録商標)タイプのガラス(すなわち、低熱膨張硼珪酸ガラス)が含まれるが、これらに限定されるものではない。したがって、ラック600(およびラック600によって保持されているホイールベースアセンブリ200)全体を加圧滅菌処理することができる。
【0067】
図6Aに示されるように、ラック600は、複数のポールまたは支柱614を含み、これらは、このラック600の底部602の上面606から上方に延びている。これらの支柱は、ラック600の底部602と一体的に形成されてもよく、底部602の上面606に、ピンやねじ等によって連結されていてもよい。これらの支柱614は、円形の断面形状、または、例えば、正方形、楕円形、または八角形などの、他の断面形状を有してよく、ホイールベースアセンブリ200をしっかりと保持し、ガイドレール220のチャネル227内に収まるような形状であればよい。一実施形態では、これらの支柱614は、ラック600を横切る方向に列をなすような対となり、ラック600の底部602の長さ(L
1)に沿って複数の対が配置されるように構成されている。対をなすそれぞれの支柱614の一方は他方の支柱614から間隔を置いて配置され、対をなす第1の支柱614が、ホイールベースアセンブリ200の長手方向の一方の側面246のガイドレール220のチャネル227と係合し、対をなす他方の支柱614は、ホイールベースアセンブリ200の長手方向の他方の側面248のガイドレール200のチャネル227と係合する。それらの支柱614は、ホイールベースアセンブリ200を所定の位置で動かないように保持するのに十分な高さを有し、例えば、ホイールベースアセンブリ200の長さ(L
2)の少なくとも半分である。
【0068】
図6Aでは、6つのホイールベースアセンブリ200を収容するために、合計12本の支柱614を示しているが、本発明は、支柱614の数を限定するものではない。このラック600は、一度に複数のホイールベースアセンブリ200の加圧滅菌を可能にするように設計されており、複数の支柱614を有することが好ましい。ラック600の底部602およびハンドルアセンブリ604と同様に、複数の支柱614もまた、本明細書で説明されるように、加圧滅菌可能な材料で形成される。
【0069】
支柱614は、複数のホイールベースアセンブリ200のそれぞれを、ラック600上で垂直に保持するように構成される。
図6Aおよび
図6Bに示されるように、複数の支柱614は、ホイールベースアセンブリ200の長手方向の側面246,248のいずれかの長手方向のガイドレール220のチャネル227内に位置し、ホイールベースアセンブリ200の平坦な上面241(
図1参照)が、ラック600の底部602に対して垂直になるように保持する。これらの支柱614は、チャネル227内にぴったりと収まるような断面サイズおよび形状を有し、ホイールアセンブリ200を強制的に(力を加えて)支柱614に嵌めなくても、ホイールベースアセンブリ200を所定の位置に保持できる。これらのホイールベースアセンブリ200は、ラック600上で多少動くとしても転倒または落下しないように十分に安定している必要がある。
図3に図示されるように、それぞれのガイドレール200は、1つの支柱614と係合し、ホイールアセンブリ200がラック600上で前後に動くのを防ぐ内向き折曲部材224と、支柱614と係合しホイールベースアセンブリ200がラック600上で左右に動くのを防ぐ垂直部分222とから構成されている。このようにして、ホイールベースアセンブリ200は、ラック600上で前後または左右に動かず、外れないようになっている。
【0070】
複数のホイールベースアセンブリ200をラック600上に垂直に並べることで、ラック600は、複数のホイールベースアセンブリ200を収容することができ(
図6Cに示す)、ユーザーが容易に移動できないくらい、または加圧滅菌器の中に納まらないくらい大きなラック600は必要としないようになっている。複数のホイールベースアセンブリ200は、互いに平行して並べられた状態で、ラック600上に配置される。載せる際に、ユーザーは、長手方向の各側面246、248上のガイドレール220のチャネル227の開口部を、2つの隣接する支柱614と位置合わせし、各ホイールベースアセンブリ200をスライドさせるようにしてラック600上に載せる。ガイドレール220の前後の斜めになったコーナ228(
図3参照)によって、複数の支柱614はチャネル227内にガイドされるようにしてもよい。支柱614の頂部は、ホイールベースアセンブリ200を支柱614の上にさらに確実にガイドするために、丸くてもよく、もしくは先細になっていてもよい。
図6Cに示されるように、ホイールベースアセンブリ200の複数のホイール210は、このラックのハンドルアセンブリ604に向いていてもよく、反対方向に向くように配列されてもよい。
【0071】
ラック600は、底部602の底面608と連結された複数のホイール616を含んでいてもよく、ラック600を、1つの場所から別の場所へ物理的に移動でき、例えば外部環境から加圧滅菌器、またはクリーンルーム環境へと移動できる。複数のホイール616を底部602の底面602の各コーナに配置して、ラック600の安定性を確保してもよい。
【0072】
このようにして、ラック600は、複数のホイールベースアセンブリ200を格納、保持、および搬送できるサイズおよび構成であり、同時に複数のホイールベースアセンブリ200を効率的に加圧滅菌できるようになっている。しかしながら、このラック600は、同時に加圧滅菌処理するために他の装置を搬送できるサイズおよび構成であってもよい。
【0073】
図7A~
図7Cには、本発明の別の実施形態によるラック700が示されている。このカートまたはラック700は、1つまたは複数のホイールベースアセンブリ200を保管および/または搬送し、加圧滅菌器内に保持するために利用されてもよい。このラック700は、複数のホイールベースアセンブリ200を収容し、加圧滅菌器内に収めることができるサイズおよび構成を有する。一実施形態では、ラック700全体は、加圧滅菌可能な材料で形成されており、それらには、ニッケル、アルミニウム、またはステンレス鋼などの金属および合金、または、ポリプロピレンなどの弾力性のあるプラスチック、およびパイレックス(登録商標)タイプのガラス(すなわち、低熱膨張硼珪酸ガラス)を含むが、これらに限定されない。したがって、ラック700が保持しているホイールベースアセンブリ200とともに、このラック700全体が、加圧滅菌可能である。
【0074】
ラック700は、ベースフレーム部(底部フレーム部)702、トップフレーム部(上部フレームk部)704、および四方の支持ポール(側方支持ポール)706を備えたフレームを有する。それらの底部フレーム部702および上部フレーム部704は、それぞれ、4つの細長い支持部材を接続して、中心部が開口した正方形に形成されてもよい。つまり、上部フレーム部704は、前方支持部材704a、後方支持部材704c、およびサイド支持部材704b、704dを有する。あるいは、底部フレーム部702および/または上部フレーム部704は、固い板であってもよい。
【0075】
図7Cで最もよく示されているように、上部フレーム部704は、底部フレーム部702よりも小さくてもよく、複数の側方支持ポール706は、実質的に、垂直に上向きに延び、わずかに内向きに傾斜して、底部フレーム部702の各コーナとそれぞれに対応する上部フレーム部704の各コーナとを繋いでいる。ベースフレーム部702をより幅広くすることで、より高い安定性を備え、トップフレーム部704をより小さくすることで、より簡単に、ホイールベースアセンブリ200を入れたり取り出したりすることができる。複数の支持ポール706により、前方開口部707aと後方開口部707bとを有する内部空間を形成している。
【0076】
図7Bに示されるように、1つまたは複数のフック710が設けられている。これらのフック710は、上部フレーム部704の下側に連結されている。一実施形態では、複数のフック710が、前後の支持部材704a、704cに連結され、互いに離れて配置され、ホイールベースアセンブリ200を隣接するフック710の間に掛けることができるようになっている。前方支持部材704a上の各フック710は、後方支持部材704c上の対応するフック710と位置合わせされており(直線状に並べられ)、それぞれが対をなす。これらのフック710は、概略、J字形状であり、支持部704a、704cから下方に延びたあと、上方に湾曲して、上向きに曲がったリップ(へり)712を形成してもよい。これらのフック710は、実質的に、前方支持部704aおよび後方支持部704cの長手方向の中心軸に平行に延びている。
【0077】
このようにして、各ホイールベースアセンブリをそれぞれ一対のフック710に吊り下げることで、1つまたは複数のホイールベースアセンブリ200を、カート700に対し取り外し可能に掛けることができる。より具体的には、フック710は、ホイールベースアセンブリ200のガイドレール220のうちの1つに取り外し可能に係合でき、アセンブリ200を垂直に横向きでぶら下げることができる。これらのフック710は、内向きに折れ曲がった上部部材224に引っかかり、内部ガイドエッジ226が、フック710の上に載る。ホイールベースアセンブリ200が、フック710の上に配置されると、フックのへり(リップ)712は上に向けて、ガイドチャネル227の内側に入り、ユーザーが、ホイールベースアセンブリをリップ712よりも上に持ち上げなければ、ホイールベースアセンブリ200を取り外すことはできない。
【0078】
したがって、このラック700は、複数のホイールベースアセンブリ200を一度に保持でき、これらのホイールベースアセンブリ200は、実質的に、互いに平行に、ラック上で底部フレーム部に対して垂直に配置した状態で保持できる。
図7Bに示すように、それらのホイールベースアセンブリ200は、ラック700の2つの側面の間に位置する。
図7Cに示すように、ホイールベースアセンブリ200は、カート700の前方および後方を越えて外側に飛び出しているため、ユーザーは、これらのアセンブリ200をつかみ、簡単に、フック710に吊り下げたり、フック710から取り外すことができる。着脱に関しては、ユーザーは、ガイドレール220の辺りでアセンブリ200をつかみ、指をチャネル227に入れることができる。次いで、ユーザーは、ラックの前方支持ポール706同士の間の前方開口部707a、または後方支持ポール706同士の間の後方開口部707bに、これらのアセンブリ200を挿入し、次いで、アセンブリ200をリップ712より上に持ち上げ、これらのアセンブリをフック710の上まで下ろす。この工程を逆にすることで、ラック700からアセンブリ200を取り外すことができる。
【0079】
このラック700は、底部フレーム部702の底面に連結された複数のホイール716を含んでよく、ラック700を、1つの場所から別の場所へ、物理的に移動でき、例えば外部環境から加圧滅菌器へ、またはクリーンルーム環境へ移動できる。これらのホイール716は、底部フレーム部702の各コーナに配置でき、ラック700の安定性を確保することができる。ユーザーは、支持部材704a、b、c、dのうちの1つを握ることによって、ラック700を引っ張ったり、押したりすることができる。
【0080】
このようにして、ラック700は、複数のホイールベースアセンブリ200を格納、保持、および搬送できるサイズおよび構成であり、同時に複数のホイールベースアセンブリ200を効率的に加圧滅菌できるようになっている。しかしながら、このラック700は、同時に加圧滅菌処理するための他の装置を搬送できるサイズおよび構成であってもよい。
供給品搬送/保管カート 800
【0081】
本発明の他の態様を
図8に示す。この実施形態では、供給品搬送(輸送)/保管カート800(「供給品カート(供給品用カート)800」)を使用して、缶、ボトル、または他のかさばる、または独特の形状の供給物をクリーンルーム環境へ搬送して保管し、また、クリーンルーム環境から搬送して保管することができる。供給品カート800は、本明細書に記載のホイールベースアセンブリ200を利用して、それをある場所から別の場所に移動させることができるが、供給品カート800の本体は、
図1および
図2A~Cに示す実施形態とは異なる。
【0082】
供給品カート800の本体802は、直方体状の、単一の部品であり、前側横方向側面または端部804、後側横方向側面または端部806、および2つの対向する長手方向側面808、810を画定し、それらにより1つのフレームを形成する。本体802は、ホイールベース組立体200から上方に延びる4つのコーナー垂直支持ポスト(垂直な支柱)812を有するが、任意の数の支柱812を使用することができる。一実施形態では、垂直な支柱812は、本体802の底面813から上方に延びている。底面813は、垂直な支柱812のそれぞれの間に延びる実質的に平坦な表面であってよい。他の異なる実施形態では、本体802は、底面813を含まず、後述するように、水平な横材(クロス部材)によって接続された垂直な支柱812を有するフレームとして単に形成されていてもよい。
【0083】
一実施形態では、本体802は、本体802の基部に、ガイドホイールアセンブリ140として示したガイドホイールアセンブリ(図示せず)をさらに含んでもよく、ガイドホイールアセンブリは、本体802をホイールベースアセンブリに対しスライド可能に受けたり、取り外したりすることを可能とする。本体802が底面813を含む実施形態では、ガイドホイール組立体が、底面813の外縁(図示せず)に沿って配列されていてもよい。本体802が底面813を含まない実施形態では、ガイドホイール組立体は、垂直な支柱812の間を前端804から後端806まで延びる底部の横材(図示せず)に結合してもよい。
【0084】
供給品カート800は、カート10と同じ方法で、
図5A~5Cに示されているように、ホイールベースアセンブリ200の上に取り付けられたり、そこから取り外されたりするようになっていてもよい。この実施形態では、本体802は、本体802をホイールベースアセンブリに取り外し(解放)可能にロックするロック機構300を含めて、カート10に関して本明細書に記載された機構を介してホイールベースアセンブリ200に対して、協働して支え(取り付け)、および接続(嵌合)するサイズおよび形状である。本体802が底面813を含む場合、底面813は、ホイールベースアセンブリ200のプラットフォーム240の上面241上にスライド可能に受けられる(支えられる)。あるいは、底部の横部材が十分な強度であり、ホイールベースアセンブリ200のプラットフォーム200の上面241をスライドし、供給品用カート800をその上に支持できるものであってもよい。
【0085】
他の実施形態では、供給品カート800の本体802は、ホイールベース組立体200と一体的に形成されている。
【0086】
本体802は、サイドレールを形成するように、異なる高さで、垂直支柱812のそれぞれの間に延びる複数の水平クロス部材(水平な横材)814をさらに含む。
図8に示すように、本体802は全部で12個の水平クロス部材814を有するが、特定の用途には任意の数の水平クロス部材814を使用することができる。この実施形態では、4つの水平クロス部材814aが4つの垂直な支柱812の間に延びてホイールベースアセンブリ200の真上に長方形を形成する。他の4つの水平クロス部材814bが4つの垂直支持ポスト812の間に延びて、4つの水平クロス部材814aの直上に異なる長方形を形成する。このようにして、缶、ボトル、または他の供給品は、供給カート800の本体802の底面813の上に配置され、水平クロス部材814a、814bによって、その場所に保持され、供給品用カート800から落下しない。
【0087】
一実施形態では、
図8に示すように、水平クロス部材814a、814bは、供給カート800の後端部806にヒンジ付きドア(図示せず)を形成する。他の実施形態では、ヒンジ付きドアは前端部804またはどちらの側面808、810にも形成することができる。
【0088】
クロス部材(横材)814dがクロス部材(横材)814cの真上になるように、4つの追加の水平クロス部材814c、814dが2つの垂直支持ポスト812の間に延びている。このため、より背の高い缶、ボトル、および他の供給品が、供給品カート800の前横方向端部804および後部横方向端部806から落下することなく、ホイールベースアセンブリ200の上の適所に保持され得る。一実施形態においては、例えば、缶をクロス部材814c、814dに結び付けて、それらを所定の位置に保持できる。ハンドル130と同様のハンドルを使用して、ユーザーが供給カート800を押すことができるようにすることができる。別の実施形態では、ユーザーは、以下において、
図10Bでさらに説明するように、ハンドル1026によって供給品カート800を押すことができる。さらに別の実施形態では、ユーザーは水平クロス部材814c、814dを使用して供給カート800を押したり引いたりすることができる。
【0089】
供給品カート800は、供給品カート800の全体を加圧滅菌処理(オートクレーブ処理)できるように、十分な湿度、熱、および圧力に耐えることができる材料で形成されることが好ましい。そのような材料としては、ニッケル、アルミニウム、またはステンレス鋼などの金属および金属合金、ポリプロピレンなどの弾性プラスチック(レジリエントプラスチック)、ならびにパイレックス(登録商標)タイプのガラスが挙げられるが、これらに限定されない。
トレイ搬送/保管カート900
【0090】
本発明の他の態様を
図9に示す。この実施形態では、トレイの搬送/保管カート900(「トレイカート(トレイ用カート)900」)を使用して、平らなトレイ(フラットトレイ)をクリーンルーム環境に出入するように搬送し、またはフラットトレイをクリーンルームの内側または外側に保管することができる。トレイカート900の本体は、
図1、2A~Cおよび8に示す実施形態とは異なるが、本明細書に記載のホイールベースアセンブリ200を利用して、トレイカート900をある場所から別の場所に移動させることができる。
【0091】
トレイカート900の本体902は、前側横方向側面または端部904、後側横方向側面または端部906および2つの対向する長手方向側面908、910を画定する、直方体状の単一部品(一体化された物品)であり、フレームを構成するようになっている。一実施形態では、本体902は、長手方向側面908、910の基部に沿って延びるクロス部材(横材)を含む。これらのクロス部材の各々は、ガイドホイール組立体140などのガイドホイールアセンブリ(図示せず)を含んでもよく、本体902をホイールベースアセンブリ200に対しスライドするように取り付けたり、取り外したりしてもよい。別の実施形態では、本体902は底面913を含む。底面913は、本体902の前端部904から後端部906まで延びた実質的に平坦な表面であってもよい。
【0092】
トレイカート900は、
図5A-Cに示したように、カート10と同じ方法で、ホイールベースアセンブリ200上に取り付けられたり(支持されたり)、またそこから取り外されたりしてもよい。この実施形態では、本体902は、本体802をホイールベースアセンブリ200に解放可能にロックするロック機構300を含めて、カート10に対する本明細書に記載の機構を介して、ホイールベースアセンブリ200と協働して、支えたり、接続したりする(はめ合いできる)大きさおよび形状である。本体902が底面913を含む場合、底面913はホイールベースアセンブリ200のプラットフォーム240の上面241上にスライド可能に受け入れられる。本体920が底面913を含まない実施形態では、クロス部材が、それらがホイールベースアセンブリ200のプラットフォーム240の上面241上をスライドし、その上にトレイカート900を支持するのに十分な強度を備えていればよい。
【0093】
他の実施形態では、トレイカート900の本体902は、ホイールベースアセンブリ200と一体的に形成されている。
【0094】
本体902は、一般に、長手方向の側面908、910のそれぞれの間で、ホイールベースアセンブリ200から垂直上方に延びる、少なくとも1つの細長いトレイ受け構造912から形成される。本体902が底面913を含む場合、トレイ受け構造912は、それぞれ、底面913から垂直上方に延びてそれらに接合されている。一実施形態では、本体902は、少なくとも3つの細長いトレイ収容構造912を含むことが好ましい。
図9に示すように、各トレイ収容構造(トレイ受け構造、トレイの受け構造、トレイ受け)912は長方形の形状を有する。各トレイ収容構造912は、各トレイ収容構造912が互いに固定されるように、長方形の上部接合部材911によって接合されてもよい。本体902が底面913を含む場合、各トレイ受け構造912も同様に底面913で互いに固定される。底面913が存在しない場合、各トレイ収容構造912はさらに長方形の底部接合部材によって接合されてもよい。
【0095】
トレイ受け構造912は、トレイ支持体として機能する、構造912に対して直交するように延びる複数の対向するリップ(縁、唇状の構造)916を含む。対向するリップ916は、それぞれ、トレイ受け構造912の高さ方向に沿って、同じ高さに配置され、トレイが対向する棚部またはリップ916のそれぞれに配置されると、地面に対して均等にかつ概して平行に配置される。このようにして、対向するリップ916の各組は、トレイを置くためのスロット(細長い隙間)914を形成する。トレイはスロット914の中に保持され、トレイはトレイカート900を介して保管または輸送することができる。
図9に示すように、複数の対向するリップ916は、それらが複数の積み重ねられたスロット914を形成するように配置されている。一実施形態では、トレイ受け構造912の各々は少なくとも8個のスロット914を有し、トレイカート900の全体で、一度に少なくとも24個のトレイを保持できるが、特定のサイズのトレイカート900に対して任意の数のトレイ収容構造912およびスロット914を使用することができる。
【0096】
ハンドル130と同様のハンドルを使用して、ユーザーがトレイカート900を押すことを可能にすることができる。別の実施形態では、ユーザーは、以下の
図10Bに基づき説明するハンドル1026によってトレイカート900を押すことができる。さらに別の実施形態では、トレイカート900は(
図9に示すように)後端部906または前端部904にハンドル917を含んでもよい。
【0097】
供給品カート800と同様に、トレイカート900は、供給カート800全体をオートクレーブ処理できるのと同様に、十分な水分(湿気)、熱、および圧力に耐えることができる材料で形成されることが好ましい。そのような材料としては、ニッケル、アルミニウム、またはステンレス鋼などの金属および金属合金、ポリプロピレンなどの弾性プラスチック、ならびにパイレックス(登録商標)ガラスが挙げられるが、これらに限定されない。
【0098】
供給品カート800およびトレイカート900のそれぞれは、ホイールベースアセンブリ200と一緒に使用され得るカートの幾つかのタイプの例である。これらの設計のそれぞれの間の共通の特徴は、それぞれが好ましくは底面(813、913)を含むことであり、その底面はホイールベースアセンブリ200のプラットフォーム240の上面214の上にスライド可能に受け入れられる(支持される)。このようにして、ホイールベースアセンブリ200は、様々な異なる種類のカートを輸送するために使用することができ、カートは容易に取り換えでき、また、他の種類のカートと交換できる。さらに、他の本体設計を有する他の種類のカートも本発明のホイールベースアセンブリ200を利用することができる。さらに、カートをホイールベースアセンブリ200に固定するための他の機構、例えばピン、ねじ、および他の既知の連結機構を利用することも考えられる。
ブレーキ機構
【0099】
本発明の他の態様を、
図10A~Bに示している。ホイールおよびブレーキ機構1000(これらを含めて「ブレーキ機構1000」という)を、本明細書に開示されたカートのいずれかと共に使用するためにホイールベースアセンブリ200と一緒に組み込むことができ、カートとしては、カート10(
図1)、供給品カート800(
図8)およびトレイカート900(
図9)を含めた本明細書に開示したカートのいずれであってもよく、ホイールベース付きのカートであってもよく、ラック600であってもよい。一実施形態では、ブレーキ機構1000は、
図1~
図9の発明とは別の他の種類のカートと共に使用してもよい。
【0100】
制動機構(ブレーキ機構)1000は、ホイールベースアセンブリ200またはホイールベース搬送ラック600と一体的に形成されてもよく、または製造後にホイールベースアセンブリ200またはホイールベース搬送ラック600に取り付けられてもよい。後者の方法が使用される場合、ブレーキ機構1000は、ホイール組立体(ホイールアセンブリ)210またはホイール616の代わりに、それぞれホイールベース組立体200またはホイールベース搬送ラック600に結合されてもよい。
図10A~
図10Bに示した実施形態においては、
図4Aのホイールロック機構250と一緒に、またはその代わりとして使用することができる。
【0101】
図10A(従来技術)を参照すると、ブレーキ機構1000は一般に、車輪1002、旋回キャスター1004、プラットフォーム1006、および停止ブレーキ1008を含む。車輪1002は旋回キャスター1004に結合され、旋回キャスター1004はプラットフォーム1006の底部に結合され、プラットフォーム1006は、プラットフォームの上面を介してホイールベースアセンブリ200またはホイールベース搬送ラック600に結合されてもよい。
【0102】
停止ブレーキ1008は、第1の端部1020と第2の反対側の端部1022とを有するL字形部材から形成されている。「開」位置にあるとき、第1の端部1020はプラットフォーム1006と平行であり、第2の端部1022はプラットフォーム1006の上面1007に対し直交している。停止ブレーキ1008が「閉」位置に回転すると、停止ブレーキ1008の第2の端部1022は、車輪1002に対して力を加える停止機構(図示せず)を作動させ、摩擦力などによってホイール1002が回転するのを止める。このように、閉位置(閉鎖位置、クローズドポジション)にあるとき、停止ブレーキ1008は、車輪1002の回転を制限または禁止し、その位置で固定するため、ホイールベースアセンブリ200またはホイールベース搬送ラック600は停止してそれ以上動かなくなる。停止ブレーキが開位置(開放位置)に回されると、第2の端部1022は停止機構(図示せず)を解除して車輪1002が自由に回転することを可能にし、このため、ホイールベースアセンブリ200またはホイールベース搬送ラック600を再び動かすことができる。
【0103】
停止ブレーキ1008の動作を制御するために、
図10Bの断面図に示すように、制御または作動機構1010が設けられる。この図では、ブレーキ機構1000は、ホイールベースアセンブリ200と共に使用するために示されているが、ブレーキ機構1000は、本明細書に開示される任意のホイールベースアセンブリ、カート、またはラック、またはホイールアセンブリ(車輪組立体)を有する任意のカートまたは輸送装置と共に使用され得る。作動機構1010は、概略としては、水平バー1024と、逆U字型ハンドル1026とを含む。一実施形態では、水平バー1024は、実質的に円形の断面形状を有する。他の実施形態では、ハンドル1026はU字形である必要はないが、ユーザー(使用者)が握ることができる任意の形状であってもよい。
【0104】
この実施形態では、水平バー1024は、ホイールベースアセンブリ200の端部(横方向後端部242または横方向前端部244など)に配置され、ホイールベースアセンブリ200の各側面(長手方向側面246、248など)の間に延びている。U字形ハンドル1026は、水平バー1024の表面から垂直上方に、ユーザーがハンドル1026を握ってホイールベースアセンブリ200を動かすことができるような快適な高さまで延びいることが好ましいが、ユーザーがカート10を本体のフレーム100を把持して引いたり押したりするのに邪魔にならない程度に、高すぎないことが望ましい。ユーザーは、代わりに、ハンドル1026を掴んでカート10を引く/押すことができるが、ボディフレーム100を掴み、ハンドル1026はブレーキのためだけに使用されることが好ましい。一実施形態では、U字形ハンドル1026は水平バー1024と一体的に形成される。別の実施形態では、ハンドル1026は、溶接またはボルトもしくはねじなどの任意の既知の取り付け方法を使用して水平バー1024に結合される。
【0105】
図10Bに示すように、水平バー1024は停止ブレーキ(ストップブレーキ)1008の第1の端部1020に連結されている。一実施形態では、水平バー1024は、停止ブレーキ1008の第1の端部1020に溶接されている。水平バー1024は、直線状であり、ホイールベースアセンブリ200の後端部242の端と実質的に平行であり、後端部242から後退してバー1024の回転が妨げられないようになっている。動かしているときに、ユーザーがハンドル1026を床に向かって下げると、水平バー1024は停止ブレーキ1008を上述の開位置と閉位置との間で回転させる。したがって、ハンドル1026が下げられると、停止ブレーキ1008の第2の端部1022が停止機構を作動させ、車輪1002に対して力を加えて、車輪1002が回転できないようにする。ハンドル1026が持ち上げられると、停止ブレーキ1008の第2の端部1022は停止機構を解除し、車輪1002を再び自由に回転できるようにする。
【0106】
上述したように、制動機構1000は、本明細書に開示されているカートまたはラックのうちのいずれかと共に使用することができる。一実施形態では、例えば、ホイールベースアセンブリ200上の既存のホイールは、ホイールおよびブレーキ機構1000と交換することができる。さらに、この制動機構(ブレーキ機構)1000は、分離されるホイールベースアセンブリ200を持たない一体型のカートなどの従来のカートにおいても用いることができる。本発明のさらなる実施形態では、ブレーキ機構(ハンドル1026を含む)は、ベース200に取り付けられているものとして図示および説明されているが、代わりに、フレーム100にそれに取り付けることもできる。
【0107】
図8をさらに参照すると、ロック機構300はカート10の一方の端部に配置され、ハンドル1026はカート10の反対側の端部に配置されている。しかしながら、ロック機構300およびハンドル1026は両方とも互いに同じ端部に配置することができ、さらに、それらの一方または両方をカートの4つの側面のいずれかに配置できる。
【0108】
上記には、底面と、複数の垂直な支柱と、前記複数の垂直な支柱のそれぞれの間に延びた複数の水平な横材であって複数のサイドレールを構成する複数の水平な横材とを含む本体と、前記本体の前記底面を支え、前記底面と接続されるように構成された交換可能なホイールベースアセンブリとを有し、前記本体の前記底面の上に置かれた複数の供給品が、前記複数のサイドレールにより、その位置に安定的に保持される、供給品搬送装置が開示されている。供給品搬送装置は、前記本体と前記交換可能なホイールベースアセンブリとを解放可能に連結するように構成されたロック機構をさらに有してもよい。前記ロック機構が係合すると、前記本体は前記ホイールベースアセンブリに固定されてもよい。前記ロック機構が解除されると、前記本体が前記ホイールベースアセンブリから分離可能になってもよい。前記本体は、全体が加圧滅菌可能であってもよい。前記本体は、少なくとも4つの垂直な支柱と、前記垂直な支柱のそれぞれの間に延び、少なくとも1つの長方形のサイドレールを構成する少なくとも4つの水平な横材とを含んでもよい。前記本体は、前記交換可能なホイールベースアセンブリを介して、クリーンルーム環境に出入り可能であってもよい。
【0109】
また、上記には、少なくとも1つの細長いトレイ受け構造と底面とを含む本体と、前記少なくとも1つの細長いトレイ受け構造から直交するように延び、トレイを受けて支持するように構成された複数の対向するリップと、本体の底面を支え、前記底面と接続されるように構成された交換可能なホイールベースアセンブリとを有し、前記トレイ受け構造のそれぞれは、前記ホイールベースアセンブリに対して垂直方向上方に延びている、トレイ搬送装置が開示されている。トレイ搬送装置は、前記本体を前記交換可能なホイールベースアセンブリと解放可能に連結するように構成されたロック機構をさらに有してもよい。前記ロック機構が係合すると、前記本体が前記ホイールベースアセンブリに固定されてもよい。前記ロック機構が解除されると、前記本体が前記ホイールベースアセンブリから分離可能になってもよい。前記本体は、全体が加圧滅菌可能であってもよい。前記本体は、少なくとも3つのトレイ受け構造を含んでもよい。前記本体は、前記交換可能なホイールベースアセンブリを介してクリーンルーム環境に出入り可能であってもよい。
【0110】
また、上記には、制動機構を備えた車輪を有する搬送装置であって、前記制動機構に隣接して配置された回転可能な作動機構と、前記作動機構から上方に延びたハンドルであって、停止力が加えられていない開位置と、前記作動機構が前記制動機構を作動させる制動位置との間で前記作動機構を移動させるように構成されたハンドルとを有する、搬送装置が開示されている。搬送装置は、第1の端部と第2の対向端部とを含むL字形部材で構成された停止ブレーキをさらに有し、前記作動機構は、前記開位置と前記制動位置との間で前記停止ブレーキを移動させてもよい。前記回転可能な作動機構は、前記ハンドルに連結された水平バーを含んでもよい。前記回転可能な作動機構は、前記停止ブレーキの前記第1の端部に連結されている水平バーを含んでもよい。当該搬送装置はカートであってもよい。
【0111】
また、上記には、上面を備えたホイールベースアセンブリと、前記ホイールベースアセンブリに連結された少なくとも2つの車輪であって、それぞれが制動機構を含む車輪と、前記制動機構に隣接して配置された回転可能な作動機構と、前記作動機構と直に接続され、前記作動機構から上方に延び、かつ前記ホイールベースアセンブリの上面の上に延びたハンドルであって、停止力が加えられていない開位置と、前記作動機構が前記制動機構を作動させて制動力を加える制動位置との間で前記作動機構を移動させるように構成されたハンドルとを有し、前記回転可能な作動機構は、前記ハンドルと連結され、前記少なくとも2つの制動機構の間に水平方向に延びた水平バーを含む、搬送装置が開示されている。搬送装置は、第1の端部と第2の対向端部とを含むL字形部材で構成された停止ブレーキをさらに有し、前記作動機構は、前記開位置と前記制動位置との間で前記停止ブレーキを移動させてもよい。前記水平バーは、前記停止ブレーキの前記第1の端部に接続されていてもよい。当該搬送装置はカートであってもよい。
【0112】
さらに、上記には、底面と、複数の垂直な支柱と、前記複数の垂直な支柱のそれぞれの間に延びた複数の水平な横材であって複数のサイドレールを構成する複数の水平な横材とを含む本体と、前記本体の前記底面を支え、前記底面と接続されるように構成された交換可能なホイールベースアセンブリであって、前記ホイールベースアセンブリの長手方向側面のそれぞれの全長にわたり上方に延びたガイドレールと連続した平坦な前方および後方の反対側の端とを含むホイールベースアセンブリとを有し、前記本体の前記底面の上に置かれた複数の供給品が、前記複数のサイドレールにより、その位置に安定的に保持され、前記複数の垂直な支柱のそれぞれは上端と、底端と、それらの間に延びた中間部分とを含み、前記複数の水平な横材のそれぞれは、前記中間部分において、前記複数の垂直な支柱のそれぞれの間に延びている、供給品搬送装置が開示されている。供給品搬送装置は、前記本体と前記交換可能なホイールベースアセンブリとを解放可能に連結するように構成されたロック機構をさらに有してもよい。前記ロック機構が係合すると、前記本体は前記ホイールベースアセンブリに固定されてもよい。前記ロック機構が解除されると、前記本体が前記ホイールベースアセンブリから分離可能になってもよい。前記本体は、全体が加圧滅菌可能であってもよい。前記本体は、少なくとも4つの垂直な支柱と、前記垂直な支柱のそれぞれの間に延び、少なくとも1つの長方形のサイドレールを構成する少なくとも4つの水平な横材とを含んでもよい。前記本体は、前記交換可能なホイールベースアセンブリを介して、クリーンルーム環境に出入り可能であってもよい。前記本体は、少なくとも3つのトレイ受け構造を含んでもよい。
【0113】
このように、前述の説明および図面は、本発明の原理を例示することだけを目的としている。本発明は、様々な形状およびサイズで構成されてもよく、好ましい実施形態によって限定されるものではない。当業者には、本発明の多数の応用が容易に思い浮かぶであろう。したがって、本発明を、開示された具体的な実施例、または図示および説明した正確な構成および運用に限定することは望ましくない。むしろ、すべての適切な修正および均等物が、本発明の範囲内に含まれ得る。