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特許7007029複合サイクル発電装置のための追加的な動力供給
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】複合サイクル発電装置のための追加的な動力供給
(51)【国際特許分類】
   F01K 23/10 20060101AFI20220117BHJP
   F02C 6/18 20060101ALI20220117BHJP
   F02C 7/00 20060101ALI20220117BHJP
   F01D 19/00 20060101ALI20220117BHJP
   F22B 1/18 20060101ALI20220117BHJP
   F23J 15/06 20060101ALI20220117BHJP
【FI】
F01K23/10 C
F01K23/10 U
F02C6/18 A
F02C7/00 B
F01D19/00 N
F22B1/18 E
F23J15/06
【請求項の数】 31
(21)【出願番号】P 2020544582
(86)(22)【出願日】2018-11-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-28
(86)【国際出願番号】 US2018059603
(87)【国際公開番号】W WO2019094453
(87)【国際公開日】2019-05-16
【審査請求日】2020-07-10
(31)【優先権主張番号】62/583,695
(32)【優先日】2017-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/625,113
(32)【優先日】2018-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513041244
【氏名又は名称】ミツビシ パワー アメリカズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Mitsubishi Power Americas,Inc.
(73)【特許権者】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱パワー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】スコット・クロイド
(72)【発明者】
【氏名】朝來野 二郎
(72)【発明者】
【氏名】豊田 敏彦
(72)【発明者】
【氏名】高松 優
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・ダッカー
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・ハント
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-243079(JP,A)
【文献】特開平10-132278(JP,A)
【文献】特開昭50-101703(JP,A)
【文献】特開2010-084765(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01K 23/10
F02C 6/18
F02C 7/00
F01D 19/00
F22B 1/18
F23J 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電装置を動作させる方法であって、
電力を発生させることに向けて発電機を駆動するために、より高い効率のガスタービンエンジンを動作させるステップと、
熱回収蒸気発生器を使用して、前記より高い効率のガスタービンエンジンの排気ガスで蒸気を発生させるステップと、
前記熱回収蒸気発生器からの蒸気で蒸気タービンを駆動するステップであって、前記蒸気タービンは、前記より高い効率のガスタービンエンジンによって駆動されるときに、前記熱回収蒸気発生器によって発生させられる蒸気の出力より大きい能力を有する、ステップと、
蒸気発電機を前記蒸気タービンから駆動するステップと、
前記蒸気発電機および前記発電機からの出力の合計が送電網からの電気需要より小さいことに応じて、電力を発生させることに向けて1つ以上の発電機を駆動するために、1つ以上のより低い効率のガスタービンエンジンを選択的に動作させるステップであって、前記より低い効率のガスタービンエンジンは前記より高い効率のガスタービンより効率的でない、ステップと、
1つ以上の改造熱回収蒸気発生器を使用して、1つ以上の前記より低い効率のガスタービンエンジンの排気ガスを条件付けするステップと、
を含み、
前記熱回収蒸気発生器と前記改造熱回収蒸気発生器とは、1つ以上の弁を介して、前記蒸気タービンに対して並列に接続されており、
前記熱回収蒸気発生器は、前記一つ以上の弁を介して、選択的に前記蒸気タービンに流体的に連結及び連結解除される、
方法。
【請求項2】
1つ以上の前記改造熱回収蒸気発生器は、以前に設置された熱回収蒸気発生器の筐体を備え、そこから、少なくとも一部の以前に設置された構成要素が除去される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
1つ以上の前記より低い効率のガスタービンエンジンの排気ガスで蒸気を発生させるステップと、
1つ以上の前記より低い効率のガスタービンエンジンによって駆動されるときに、1つ以上の前記熱回収蒸気発生器から発生させられる蒸気で前記蒸気タービンを追加的に駆動するステップと、
をさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
1つ以上の前記より低い効率のガスタービンエンジンの排気ガスで蒸気を発生させる前記ステップは、前記以前に設置された熱回収蒸気発生器の筐体内に位置決めされた貫流式蒸気発生器を動作させることを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
1つ以上の改造熱回収蒸気発生器を使用して、1つ以上の前記より低い効率のガスタービンエンジンの排気ガスを条件付けする前記ステップは、1つ以上の前記改造熱回収蒸気発生器内の排出物低減システムに入る排気ガスを急冷するために、希釈ファンを動作させることを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記排出物低減システムは、1つ以上の前記改造熱回収蒸気発生器の、以前に設置された排出物低減システムを備える、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記排出物低減システムは高温選択触媒還元システムを備える、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
1つ以上の改造熱回収蒸気発生器を使用して、1つ以上の前記より低い効率のガスタービンエンジンの排気ガスを条件付けする前記ステップは、前記排気ガスを1つ以上の前記改造熱回収蒸気発生器の以前に設置された煙突を通じた経路で搬送することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
超低NOx燃焼器を備えるために、1つ以上の前記より低い効率のガスタービンエンジンを改造するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
発電装置システムであって、
第1の効率を有し、第1の排気ガス流を生成するように構成される第1のガスタービンと、
前記第1のガスタービンによって駆動される第1の発電機と、
前記第1の排気ガス流を受け入れ、第1の蒸気流を発生させるように構成される第1の熱回収蒸気発生器と、
前記第1の効率より低い第2の効率を有し、第2の排気ガス流を生成するように構成される第2のガスタービンと、
前記第2のガスタービンによって駆動される第2の発電機と、
前記第2の排気ガス流の温度を低下させるように構成される排気ガス条件付け装置と、
蒸気発電機を駆動し、前記第1の蒸気流を受け入れるように構成される蒸気タービンと、
処理装置、および
前記処理装置によって実行されるとき、前記処理装置に前記発電装置システムを動作させるための動作を実施させる命令を保存しているコンピュータ読取可能記憶媒体であって、前記命令は、
前記蒸気発電機および前記第1の発電機からの出力の合計が送電網からの電気需要より小さいことに応じて、ピーク負荷条件の下で前記第2の発電機で電気を発生させるために前記第2のガスタービンを動作させることを含む、コンピュータ読取可能記憶媒体
を備える制御装置と、
を備え
前記第1の熱回収蒸気発生器と前記排気ガス条件付け装置とは、1つ以上の弁を介して、前記蒸気タービンに対して並列に接続され、
前記第1の熱回収蒸気発生器と前記排気ガス条件付け装置とは、前記1つ以上の弁を介して、選択的に前記蒸気タービンに流体的に連結及び連結解除されるように構成されてい
発電装置システム。
【請求項11】
前記第2のガスタービンと共に動作するように構成された改造熱回収蒸気発生器をさらに備え、前記改造熱回収蒸気発生器は前記排気ガス条件付け装置を備える、請求項10に記載の発電装置システム。
【請求項12】
前記改造熱回収蒸気発生器は、以前に設置された熱回収蒸気発生器の筐体を備える、請求項11に記載の発電装置システム。
【請求項13】
前記排気ガス条件付け装置は蒸気発生器を備える、請求項12に記載の発電装置システム。
【請求項14】
前記蒸気発生器は、前記以前に設置された熱回収蒸気発生器の前記筐体内に設置される貫流式蒸気発生器ループを備え、
前記貫流式蒸気発生器ループは第2の蒸気流を発生させ、
前記蒸気タービンは前記第1の蒸気流および前記第2の蒸気流を受け入れる、請求項13に記載の発電装置システム。
【請求項15】
前記排気ガス条件付け装置は、前記以前に設置された熱回収蒸気発生器の前記筐体内の排気ガスを急冷するように構成される希釈ファンを備える、請求項12に記載の発電装置システム。
【請求項16】
前記以前に設置された熱回収蒸気発生器の前記筐体は、前記改造熱回収蒸気発生器の以前に設置された排出物低減システムを備える、請求項15に記載の発電装置システム。
【請求項17】
前記以前に設置された熱回収蒸気発生器の前記筐体は高温選択触媒還元システムを備える、請求項15に記載の発電装置システム。
【請求項18】
前記排気ガス条件付け装置は前記改造熱回収蒸気発生器の、以前に設置された煙突を備える、請求項12に記載の発電装置システム。
【請求項19】
前記第2のガスタービンは超低NOx燃焼器を備えるように改造される、請求項18に記載の発電装置システム。
【請求項20】
施設に位置付けられた第1のガスタービン、第1の熱回収蒸気発生器、および蒸気タービンを備える発電装置を更新する方法であって、
前記施設において、前記第1のガスタービンの効率より高い効率を有する第2のガスタービンを設置するステップと、
前記施設において、前記第2のガスタービンからの排気ガスを受け入れるための第2の熱回収蒸気発生器を設置するステップと、
前記第2の熱回収蒸気発生器を前記蒸気タービンに連結するステップと、
前記第1のガスタービンからの排気ガスを条件付けるために前記第1の熱回収蒸気発生器を改造するステップと、
を含み、
前記第1の熱回収蒸気発生器と前記第2の熱回収蒸気発生器とは、1つ以上の弁を介して、前記蒸気タービンに対して並列に接続されており、
前記第1の熱回収蒸気発生器と前記第2の熱回収蒸気発生器とは、前記1つ以上の弁を介して、選択的に前記蒸気タービンに流体的に連結及び連結解除され得るように構成される、
方法。
【請求項21】
前記改造された第1の熱回収蒸気発生器を前記蒸気タービンに連結するステップをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の熱回収蒸気発生器を改造する前記ステップは、前記第1の熱回収蒸気発生器の蒸気発生構成要素を除去することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の熱回収蒸気発生器を改造する前記ステップは、前記第1の熱回収蒸気発生器を前記蒸気タービンから連結解除することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第1の熱回収蒸気発生器を改造する前記ステップは、前記第1の熱回収蒸気発生器の、設置されている排出物低減システムを残すことを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の熱回収蒸気発生器を改造する前記ステップは、高温選択触媒還元システムを前記第1の熱回収蒸気発生器に設置することを含み、前記高温選択触媒還元システムは、前記第1の熱回収蒸気発生器の以前に設置された選択触媒還元システムが排出物を効果的に還元できる温度より高い温度において、排気ガスにおける排出物を効果的に還元できる、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記第1の熱回収蒸気発生器を改造する前記ステップは、貫流式蒸気発生器を前記第1の熱回収蒸気発生器において設置することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項27】
前記第1の熱回収蒸気発生器を改造する前記ステップは、希釈ファンを前記第1の熱回収蒸気発生器に設置することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項28】
前記第1の熱回収蒸気発生器を改造する前記ステップは、煙突を残すために前記第1の熱回収蒸気発生器の構成要素を除去することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
超低NOx燃焼器を前記第1のガスタービンに設置するステップをさらに含み、前記超低NOx燃焼器は、前記第1のガスタービンの、以前に設置された燃焼器より少ない排出物を発生させるように構成される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
発電装置システムであって、
第1の効率または出力を有し、第1の排気ガス流を生成するように構成される第1のガスタービンと、
前記第1のガスタービンによって駆動される第1の発電機と、
前記第1の排気ガス流を受け入れ、第1の蒸気流を発生させるように構成される第1の熱回収蒸気発生器と、
前記第1のガスタービンと前記第1の熱回収蒸気発生器との間に配置されるバイパス煙突と、
前記第1の効率より低い第2の効率または出力を有し、第2の排気ガス流を生成するように構成される第2のガスタービンと、
前記第2のガスタービンによって駆動される第2の発電機と、
前記第2の排気ガス流を受け入れ、第2の蒸気流を発生させるように構成される第2の熱回収蒸気発生器と、
前記第1の蒸気流および前記第2の蒸気流を受け入れるように構成される蒸気タービンと、
を備え、
前記第1の熱回収蒸気発生器と前記第2の熱回収蒸気発生器とは、1つ以上の弁を介して、前記蒸気タービンに対して並列に接続され、
前記第1の熱回収蒸気発生器と前記第2の熱回収蒸気発生器とは、前記1つ以上の弁を介して、選択的に前記蒸気タービンに流体的に連結及び連結解除されるように構成されてい
発電装置システム。
【請求項31】
処理装置と、
前記処理装置によって実行されるとき、前記処理装置に前記発電装置システムを動作させるための動作を実施させる命令を保存しているコンピュータ読取可能記憶媒体であって、前記命令は、
通常の動作条件の下で前記第1のガスタービン、前記第1の熱回収蒸気発生器、および前記蒸気タービンを動作させること、ならびに
前記第2のガスタービン、前記第2の熱回収蒸気発生器、および前記蒸気タービン、および前記第1のガスタービンを、前記バイパス煙突がピーク負荷条件の下で開放されている状態で、選択的に動作させること、
を含む、コンピュータ読取可能記憶媒体と、
を備える制御装置をさらに備える、請求項30に記載の発電装置システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権出願
本出願は、2017年11月9日に出願された米国仮特許出願第62/583,695号への優先権の便益を主張し、2018年2月1日に出願された米国仮特許出願第62/625,113号への優先権の便益を主張し、それら両方の出願の内容は、本明細書において参照によりそれらの全体において組み込まれている。
【0002】
本開示は、概して複合サイクル発電装置などの発電装置に関する。より詳細には、本開示は、バックアップ、ピーク時、および他の動作のために複合サイクル発電装置に追加的な動力を提供するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
複合サイクル発電装置は、電力を発生させるためにガスタービンシステムおよび蒸気タービンシステムを用いることができる。典型的には、ガスタービンシステムの出力が蒸気システムの能力を決定するために使用される。複合サイクル発電装置は、動作上の柔軟性および緊急対応を提供するために、液体燃料および天然ガスなどの二元燃料の能力でも動作させることができる。典型的には、通常の動作は天然ガスであり、液体燃料は、典型的には緊急のためといった、天然ガスがさもなければ利用できない状況のために蓄えられている。
【0004】
送電線網運用者および政府機関は、あらゆる時点において送電網の需要を満たすために、様々な利用可能な発電装置のうちから特定の発電装置の動作を選択する能力を有している。優先権が、環境上の理由および他の理由のため、より新しい発電装置としばしば関連付けられるより高い効率のユニットに典型的に与えられる。これは「ディスパッチ」としてしばしば知られている。
【0005】
発電装置の動作可能時間を増加させるために、すなわち、ディスパッチするために、および、より経済的でより高い効率の発電能力を生み出すために、発電装置の所有者が、より旧式のガスタービンエンジン(GTE: Gas Turbine Engine)および付随の熱回収蒸気発生器(HRSG: Heat Recovery Steam Generator)を、進歩したガスタービンエンジン(AGTE: Advanced Gas Turbine Engine)など、より新しくより高い効率のモデルで置き換えることは、一般的である。例えば、進歩したガスタービンエンジンは、発電機を動作させるための機械的動力へと燃料をより高い効率で変換するために、より高い温度で動作できる。これは、より少ない燃料消費のため、排出物の低減と経済的な便益とを提供できる。1つ以上のより旧式のGTEおよびHRSGを、より新しいAGTEおよび適切にサイズ決定されたHRSGで置き換えるために施設を更新することは、リパワリングと称されることもある。これは、より旧式のGTEおよびHRSGが解体されるか、他の場所での使用のために売却されるか、または、原料へとリサイクルされる結果をしばしばもたらす。
【0006】
複合サイクル発電装置の例は、Uramの特許文献1、Brieschらの特許文献2、Kamenoらの特許文献3、およびJonkerらの特許文献4に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許第4,222,229号明細書
【文献】米国特許第8,061,002号明細書
【文献】米国特許出願公開第2016/0341076号明細書
【文献】国際公開WO2012/040790号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明者は、とりわけ、解決されるべき問題が、既存の複合サイクル発電装置の効率を増加させる一方で小さい設置コストを維持することを含み得ることを認識している。蒸気タービンのリパワリングは、既存の蒸気タービンの能力と調和するように、既存の蒸気発生機器を新たなガスタービンエンジン(GTE)および熱回収蒸気発生器(HRGS)で置き換えることを伴う。これは、新たな機器を購入および設置することと、古い機器を処分しなければならないこととにより、大きいコストをもたらす可能性がある。さらに、より旧式のモデルが動作上の柔軟性を提供する二元燃料である場合、新たな置き換えのユニットは、追加的なコストおよび複雑性で、二元燃料のモデルとなるように典型的には構成される。
【0009】
本発明者は、J等級のGTEなど、しばしば単一のより新しくより大きい能力のAGTEユニットが、2つ以上のF等級のGTEなど、より旧式のより小さい能力のユニットを置き換えるだけの能力、可能出力、または出力を有することを認識している。また、本発明者は、より大きい能力のユニットが保守または修理のために停止させられなければならない時間の間、複数のより小さい能力のユニットを単一のより大きい能力のユニットと置き換えることから生じる発生能力の可及的な損失を認識している。
【0010】
ここでの主題は、すでに設置されて機能しているGTEおよびHRSGからのバックアップ能力の価値を保つ一方で、以前に設置されたユニットに対して増加した動力、向上した排出率、および熱消費率の便益を伴うAGTEおよびHRSGが発電装置に加えられる過大な動力供給の概念を提供することなどで、これらの問題および他の問題に解決策を提供するのを助けることができる。本発明者は、例えばGTEおよびHRSGといった既存の蒸気発生ユニットを置き換える代わりに、それらの蒸気発生ユニットが、高度な等級のGTEが保守または計画外の機能停止のため利用可能ではないときに、能力のバックアップを提供し、発電装置の利用可能性を高めるために保持され得ることを認識している。
【0011】
ここでの主題は、追加的な残っている蒸気タービン(ST: Steam Turbine)の能力を使用するために、すでに設置されて機能しているGTEを使用する一方で、以前に設置されたユニットに対して増加した動力および熱消費率の便益を伴うAGTEおよびHRSGが発電装置に加えられるピーク時の概念を提供することなどで、これらの問題および他の問題に解決策を提供するのを助けることができる。本発明者は、新たなAGTEを既存のSTと統合し、既存のGTEを「過大動力」としてこれらの新規の方法で利用し続けることで、既存の複合サイクル発電装置をリパワリングするこの概念に言及している。
【0012】
本発明者は、高度な等級のガスタービンが、出力および増加した効率においてほとんど二倍とされている一方で、排気ガス温度を華氏1100度(≒593℃)~華氏1200度(≒649℃)の範囲で維持するため、F等級のGTEの蒸気サイクルは、正味の発電装置の効率を55%の範囲から61%超まで動かすために効率的に再利用できることを認識している。
【課題を解決するための手段】
【0013】
例では、発電装置を動作させる方法が、電力を発生させることに向けて発電機を駆動するために、より高い効率またはより高い出力のガスタービンエンジンを動作させるステップと、熱回収蒸気発生器を使用して、より高い効率のガスタービンエンジンの排気ガスで蒸気を発生させるステップと、熱回収蒸気発生器からの蒸気で蒸気タービンを駆動するステップであって、蒸気タービンは、より高い効率のガスタービンエンジンによって駆動されるときに、熱回収蒸気発生器によって発生させられる蒸気の出力より大きい能力を有する、ステップと、蒸気発電機を蒸気タービンから駆動するステップと、蒸気発電機および発電機からの出力の合計が送電網からの電気需要より小さいことに応じて、電力を発生させることに向けて1つ以上の発電機を駆動するために、1つ以上のより低い効率のガスタービンエンジンを選択的に動作させるステップであって、より低い効率のガスタービンエンジンはより高い効率のガスタービンより効率的でない、ステップと、1つ以上の改造熱回収蒸気発生器を使用して、1つ以上のより低い効率のガスタービンエンジンの排気ガスを条件付けするステップと、を含み得る。
【0014】
別の例では、発電装置システムが第1の効率を有し、第1の排気ガス流を生成するように構成される第1のガスタービンと、第1のガスタービンによって駆動される第1の発電機と、第1の排気ガス流を受け入れ、第1の蒸気流を発生させるように構成される第1の熱回収蒸気発生器と、第1の効率より低い第2の効率を有し、第2の排気ガス流を生成するように構成される第2のガスタービンと、第2のガスタービンによって駆動される第2の発電機と、第2の排気ガス流の温度を低下させるように構成される排気ガス条件付け装置と、蒸気発電機を駆動し、第1の蒸気流を受け入れるように構成される蒸気タービンと、処理装置、および処理装置によって実行されるとき、処理装置に発電装置システムを動作させるための動作を実施させる命令を保存しているコンピュータ読取可能記憶媒体であって、命令は、蒸気発電機および第1の発電機からの出力の合計が送電網からの電気需要より小さいことに応じて、ピーク負荷条件の下で第2の発電機で電気を発生させるために第2のガスタービンを動作させることを含む、コンピュータ読取可能記憶媒体を備える制御装置と、を備え得る。
【0015】
なおも別の例では、第1の施設に位置付けられた第1のガスタービン、第1の熱回収蒸気発生器、および蒸気タービンを備える発電装置を更新する方法であって、第1の施設において、第1のガスタービンの効率より高い効率を有する第2のガスタービンを設置するステップと、第1の施設において、第2のガスタービンからの排気ガスを受け入れるための第2の熱回収蒸気発生器を設置するステップと、第2の熱回収蒸気発生器を蒸気タービンに連結するステップと、第1のガスタービンからの排気ガスを条件付けるために第1の熱回収蒸気発生器を改造するステップと、を含み得る。
【0016】
この概説は、本特許出願の主題の概説を提供するように意図されている。この概説は、本発明の排他的または包括的な説明を提供するようには意図されていない。詳細な記載は、本特許出願についてのさらなる情報を提供するように意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】一対のガスタービンエンジンと、一対の熱回収蒸気発生器と、蒸気タービンとを備える従来の複合サイクル発電装置の概略図である。
図2】過大動力動作のために構成された、更新されたガスタービンエンジンおよび熱回収蒸気発生器との動作のために、図1の従来の発電装置を旧来のシステムとして利用する、本開示の複合サイクル発電装置の概略図である。
図3】旧来のシステムが過大動力に向けたピーク電力動作のために改造されている、図2の複合サイクル発電装置の概略図である。
図4】熱回収蒸気発生器に貫流式蒸気発生器が組み込まれており、過大動力のための選択触媒還元ユニットを含めずに内部の構成要素が除去されている、改造された旧来のシステムの第1の実施形態の概略図である。
図5】熱回収蒸気発生器に希釈ファンが組み込まれており、過大動力のための選択触媒還元ユニットを含めずに内部の構成要素が除去されている、改造された旧来のシステムの第2の実施形態の概略図である。
図6】熱回収蒸気発生器に希釈ファンが組み込まれており、内部の構成要素が除去されて過大動力のための高温選択触媒還元ユニットで置き換えられている、改造された旧来のシステムの第3の実施形態の概略図である。
図7】熱回収蒸気発生器が、過大動力のために、排気煙突を除いて除去されている、または、排気煙突で置き換えられている、改造された旧来のシステムの第4の実施形態の概略図である。
図8】過大動力動作のためにバイパス煙突でのピーク動作のために構成された、更新されたガスタービンエンジンおよび熱回収蒸気発生器での動作のために、図1の従来の発電装置を旧来のシステムとして利用する、本開示の複合サイクル発電装置の概略図である。
図9】本開示の複合サイクル発電装置を動作させるために制御装置の構成要素を図示する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
必ずしも一定の縮尺で描写されていない図面では、同様の符号が、異なる図において同様の構成要素を記載し得る。異なる添え字を有する同様の符号は、同様の構成要素の異なる例を表している可能性がある。図面は、例を用いるが限定を用いることなく、本明細書において詳述された様々な実施形態を概して示している。
【0019】
図1は、第1のガスタービンエンジン(GTE)12Aと、第1の発電機14Aと、第1の熱回収蒸気発生器(HRSG)16Aと、第2のガスタービンエンジン12Bと、第2の発電機14Bと、第2の熱回収蒸気発生器16Bと、蒸気システム18と、復水器20と、を備える複合サイクル発電装置10の概略図である。第1のGTE12Aは、圧縮機22Aと、燃焼器24Aと、タービン26Aと、を備え得る。第2のGTE12Bは、圧縮機22Bと、燃焼器24Bと、タービン26Bと、を備え得る。蒸気システム18は、第1の段のタービン28と、第2の段のタービン30と、第3の段のタービン32と、発電機34と、を備え得る。
【0020】
GTE12AおよびGTE12Bの各々は、圧縮機22Aおよび22Bにおいて空気を圧縮し、圧縮された空気を燃焼器24Aおよび24Bにおいて燃料と混合して大きいエネルギーのガスを発生させ、そして大きいエネルギーのガスをタービン26Aおよび26Bにおいて膨張させて回転シャフト動力を生成することで動作するように構成され得る。タービン26Aおよび26Bの回転は、シャフトを回転させて、圧縮機22Aおよび22Bの回転と圧縮機での空気の圧縮とを伝播させて、燃焼過程を維持することができる。その同じ回転シャフト動力は、発電機シャフト36Aおよび36Bを回して発電機14Aおよび14Bに入力をそれぞれ提供するために使用され得る。したがって、燃焼器24Aおよび24Bにおける燃料の燃焼は、発電機14Aおよび14Bにおいて電気へと変換される。
【0021】
タービン26Aおよび26Bによって膨張させられたガスは、例えば蒸気システム18の動作のために蒸気を発生させるために、HRSG16Aおよび16Bへとそれぞれ通され得る。HRSG16Aは、ダクトバーナー38Aと、過熱器40Aと、蒸発器42Aと、エコノマイザ44Aと、選択触媒還元(SCR)システム46Aと、を備え得る。HRSG16Bは、ダクトバーナー38Bと、過熱器40Bと、蒸発器42Bと、エコノマイザ44Bと、選択触媒還元(SCR)システム46Bと、を備え得る。HRSG16Aおよび16Bは、CO触媒システム、高圧蒸発器、低圧蒸発器、およびエコノマイザなどの他の構成要素を備え得る。タービン26Aおよび26Bからの排気ガスは、例えば発電機34への入力を提供するためのシャフト48の回転を発生させるように、蒸気を生成し、最終的にはタービン28~32の回転を引き起こすために、発電機HRSG16Aおよび16Bの様々な構成要素を通過することができる。復水器20は、蒸気システム18からの蒸気を集め、凝縮した水を復水器20からHRSG16Aおよび16Bへと戻して、蒸気発生過程を伝播させることができる。蒸気システム18および復水器20は従来の手法で動作できる。したがって、燃焼器24Aおよび24Bの排気ガスからの熱の発生は、発電機34において電気へと変換できる。
【0022】
したがって、ガスタービンエンジン12Aおよび12Bは、燃料を燃焼させて排気ガスを生成することでシャフト36Aおよび36Bを回転させて電気を生成するように構成され得ると共に、排気ガスが、排気煙突50Aおよび50Bにおいて大気へと排出される前に、さらなる電気生成に向けてHRSG16Aおよび16B内で水および蒸気を加熱するためにさらに使用される。
【0023】
発電装置10の効率を増加させることと、発電装置10によって発生させられる排出物を低減することとは、例えば燃料を回転エネルギーへと変換する点においてより高い効率であり、それによってより少ない燃料しか必要とせず、より少ない排出物を発生させる、J等級のAGTEなどの比較的新しいガスタービンエンジンシステムで、ガスタービンエンジン12Aおよび12Bを置き換えることによって達成され得る。しばしば、GTE12Aおよび12Bの各々を置き換えることは、HRSG16Aおよび16Bの能力がGTE12Aおよび12Bの能力に合わせてサイズ決定されているため、HRSG16Aおよび16Bが置き換えられる結果となる。そのため、発電装置10を更新することは、蒸気システム18および復水器20も置き換えられる場合、発電装置10の多くまたは全部を置き換えることを伴う可能性がある。
【0024】
本開示では、通常の動作の間にGTE12Aおよび12BならびにHRSG16Aおよび16Bの代わりに機能できる、より新しくより高い効率の機器が、蒸気システム18および復水器20との使用のために発電装置10に追加できる。GTE12Aおよび12BとHRSG16Aおよび16Bとは、バックアップシステムおよび過大動力システムとしての使用のために、および新たな機器の設置の動作上の影響を低減するために、適切な隔離弁を使用して、より新しくより高い効率の機器に連結できる。さらに、GTE12Aおよび12BならびにHRSG16Aおよび16Bは、新たな機器の構造および設置の大部分が設置されている間に、動作を継続することができる。このような構成は図2を参照して詳述される。他の構成では、GTE12Aおよび12BならびにHRSG16Aおよび16Bは、図3図7を参照して詳述されているものなど、ピーク動作のために構成され得る。追加の構成では、図8を参照して詳述されているようなものなど、より新しくより高い効率の機器は、GTE12Aおよび12BならびにHRSG16Aおよび16Bが通常として動作する一方で、ピーク動作の間に動作するように構成され得る。本開示の他の例では、より小さい出力のガスタービンエンジンが、より新しいかどうかに拘わらず、より大きい出力のガスタービンエンジンで置き換えられ得るか、またはより大きい出力のガスタービンエンジンで補完され得る。同様に、より高い効率のガスタービンエンジンは、より低い効率のガスタービンエンジンより必ずしも新しい必要はない。
【0025】
図2は、過大動力動作のために構成された、更新されたガスタービンエンジン62および熱回収蒸気発生器64との動作のために、図1の発電装置10を旧来のシステムとして利用する、本開示の複合サイクル発電装置60の概略図である。ガスタービンエンジン(GTE)62は、圧縮機64と、燃焼器66と、タービン68と、を備え得る。GTE62は、シャフト72を介して発電機70に連結され得る。図1の発電装置10の構成要素は同じであり、符号のうちの一部が明確性のために図2から省略されている。
【0026】
HRSG64は、出口配管74Aおよび74Bを介して蒸気システム18に連結され、入口配管74Cを介して復水器20に連結され得る。HRSG16Aは、出口配管74Dおよび74Eを介して蒸気システム18に連結され、入口配管74Fを介して復水器20に連結され得る。HRSG16Bは、出口配管74Gおよび74Hを介して蒸気システム18に連結され、入口配管74Iを介して復水器20に連結され得る。
【0027】
HRSG64は、弁76A、76B、および76Cを介して蒸気システム18および復水器20に流体的に連結および連結解除され得る。HRSG16Aは、弁76D、76E、および76Fを介して蒸気システム18および復水器20に流体的に連結および連結解除され得る。HRSG16Bは、弁76G、76H、および76Fを介して蒸気システム18および復水器20に流体的に連結および連結解除され得る。
【0028】
HRSG64は、ダクトバーナー78と、過熱器80と、蒸発器82と、エコノマイザ84と、選択触媒還元(SCR)システム86と、を備え得る。HRSG64は、蒸気システム18および復水器20と適合する蒸気流れおよび流れ条件を生成するように構成され得る。このようにすることで、GTE62およびHRSG64の構築は、新たな蒸気システムおよび復水器の資本投資および構築を節約することができる。例示の実施形態では、後でより詳細に検討されているように、蒸気システム18および復水器20は、GTE62の排気が対応できるよりも多くの蒸気で動作することができ、そのため蒸気システム18および復水器20は十分に活用されていない。図3および図4を参照して記載されているように、蒸気システム18および復水器20のこのような過大な能力は、HRSG16Aおよび16Bの改造によって取り戻すことができる。
【0029】
前述したように、GTE62が比較的GTE12Aおよび12Bより高い効率であり得ることは検討されている。実施形態では、GTE12Aおよび12Bは、技術的に知られているようなより旧式のF等級の機器を備え、GTE62は、J等級の機器などのより新しいAGTE機器を備え得る。一例では、GTE62とGTE12Aおよび12Bとは、おおよそ同じ排気温度で動作でき、蒸気システム18および復水器20との動作を容易にすることができる。
【0030】
典型的には、既存の発電装置は、既存のGTEの排気ガスからの蒸気生成を受け入れるようにサイズ決定されている蒸気システムを有する。蒸気システム18および復水器20は、GTE12Aおよび12Bのピーク出力で動作するように、例えばサイズ決定されるといった構成とされ得る。したがって一例では、GTE12Aおよび12Bは150メガワット(MW)の動力を各々提供でき、蒸気システム18は、GTE12Aおよび12Bと2X1の構成で動作するとき、175MWの動力を提供できる。GTE62は単独で350MWを生成でき、蒸気システム18は、単独でGTE62と1X1の構成で動作するとき、136MWの動力を提供できる。このようにして、GTE62は、すべての新しい蒸気システムおよび復水器に投資することなく、GTE12Aおよび12Bを伴う蒸気システム18の動作に対して11MWの正味の利得をなおも提供できる。しかしながら、蒸気システム18では39MWが十分に活用されていない。本出願は、2X1から1X1の構成へと変更するとして記載されているが、3X1または4X1の構成から小さくなって1X1または2X1の構成へなど、他の変更が行われてもよい。
【0031】
第1の動作のモードでは、発電装置60は、弁76D~76Hを閉じ、弁76A~76Cを開けることなどによって、GTE62および蒸気システム18が一緒に動作するように、GTE12Aおよび12Bがアイドル状態でスタンバイモード(例えば、動作していないが、動作が適切な始動手順で容易に開始できるように遮断または休止されていない)において動作するように構成され得る。第1の動作のモードは、GTE12Aおよび12Bの動作寿命を延ばし、GTE62にほとんど不定のバックアップの余剰性を提供する。
【0032】
前述したように、蒸気システム18はこのようなモードでは十分に活用されない。しかしながら、図3および図4を参照して記載されているように、発電装置10は、ピーク時モードにおける動作のためになど、使用されていない蒸気システム18の39MWの過大な能力を利用するために、追加的な蒸気を蒸気システム18へと導入するために改造され得る。
【0033】
第2の動作のモードでは、HRSG16Aおよび16Bが蒸気システム18に接続され、HRSG64が蒸気システム18との連通から外されるように、弁76D~76Hが開けられ、弁76A~76Cは閉じられる。第2の動作のモードは、GTE62が保守などのために繋がれていないときに使用され得る。さらに、GTE12Aおよび12Bが、天然ガスおよび液体燃料などの二元燃料で可能である実施形態では、これは、ガスの導入(だけ)がGTE62に燃料供給される状態で、発電装置60に二元燃料の能力を維持させることができる。これはGTE62の複雑性およびコストを低減させることになる。二元燃料の能力は、典型的には天然ガスが利用できない可能性のある緊急の状況など、特定の状況において使用されるだけであり、したがって、GTE62についての二元燃料の能力は、GTE12Aおよび12Bがこのような限られた緊急の動作に液体燃料の動作の能力を提供できる場合、必要とされない。様々な条件の下で、GTE12Aおよび12Bの一方だけが第2の動作のモードで動作させられ得る。
【0034】
他の動作のモードでは、弁76A~76Hのすべてが開けられて、GTE62ならびにGTE12Aおよび12Bの動作を可能にすることができる。これは、全体の能力が効率および/または余剰性より大きい価値があるとされる状況にあると考えられ得る。しかしながら、蒸気システム18、およびSCRシステム46A、46B、および86など、それに位置付けられた排出物制御ユニットを潜在的に凌駕するGTE12A、12B、および62のすべての動作を防止するために、蒸気圧、温度、および流れを蒸気システム18の動作制限内に維持するために1つ以上のGTEを部分負荷で動作させるか、または迂回路を復水器に追加するなど、適切な予防措置が取られるべきである。また、蒸気タービンの更新は、より大きい流量を受け入れるために蒸気タービンの入口領域を増大させるために適用されてもよい。
【0035】
他の実施形態では、GTE62の排気ガスがHRSG16Aおよび16Bの間で分けられ、HRSG64が省略されてもよい。
【0036】
旧来の複合サイクル発電装置10の再使用は、発電装置60を様々な条件の下で動作し続けさせることができる。例えば、発電装置60は、効率の増加のため大きいディスパッチにおける動作を維持でき、GTE62の計画および計画外の機能停止のためのバックアップを提供できる。他の便益には、既存のボトミングサイクル(蒸気タービン)機器を維持することによる資本コストの低減があり得る。また、発電装置10は、高度な等級のGT/HRSGの構築の大部分にわたって電気を発生させ続けることができるが、電気、蒸気、水、および燃料の相互接続には停止が適切であり得る。例えば発電装置10といった既存の装置が二元燃料動作のために構成されている場合、GTE62は、緊急の動作については例えばGTE12Aおよび12Bといった既存のユニットの継続的な使用で、一元燃料ユニットとして供給または構築させることができる。例えばGTE12Aおよび12Bといった既存のユニットの保守コストは、GTE12Aおよび12Bの動作時間がGTE62に対して非常に短いため、低コストの褐色部品または寿命の終わりに近い部品を設置することで最小限とされ得る。また、GTE62およびHRSG64を構築するとき、例えば配管74A~74Iといった蒸気タービンの流路は、サイクル効率をさらに向上させるためにGTE62およびHRSG64の設置に伴って更新されてもよい。例えば、蒸気タービンの入口弁ならびに/または静止および回転の構成要素は、蒸気タービンの流れ領域を増加させるために、およびタービンへの増加した流れから結果的に生じる蒸気供給圧力の増加を防止するために、改造されてもよい。このような更新は、蒸気サイクル内の装置構成要素(HRSG、蒸気パイプ、蒸気タービンケーシングなど)を更新するためのより大きな資本支出を回避するのを助けることができる。
【0037】
前述したように、HRSG16Aおよび16Bは、バックアップまたは過大動力の目的のためにそれらの既存の状態で保持されるのではなく、ピーク動作が既存の蒸気システム18および復水器20の失われた能力を取り戻すように改造され得る。
【0038】
図3は、旧来の発電装置システム10がピーク電力動作のために改造されている、図2の複合サイクル発電装置60の概略図である。具体的には、HRSG16Aおよび16Bは、バックアップまたは過大な動力発生のために元々構成されているようにではなく、GTE12Aおよび12Bのピーク動作のために改造され得る。HRSG16Aおよび16Bの改造は、例えば主要な施設またはHRSG16Aおよび16Bの筐体が、GTE12Aおよび12Bからの排気ガスを方向付けるためのダクトのためになどとして使用され得るように、ダクトバーナー38A、過熱器40A、蒸発器42A、エコノマイザ44A、SCRシステム46Aなどの内部構成要素、および熱交換器などの他の構成要素の除去または適合を含み得る。一部の構成では、改造されたHRSG16Aおよび16Bは、主要な筐体または施設への新たな構成要素の追加を含み得る。例えば図3は、ダクトバーナー38Aおよび38Bと、過熱器40および40Bと、蒸発器42Aおよび42Bと、エコノマイザ44Aおよび44Bと、が除去される一方で、SCRシステム46Aおよび46Bが保持されるように改造されたHRSG16Aおよび16Bを示している。
【0039】
概して、GTE12Aおよび12Bのピーク動作についての考慮は、貫流式蒸気発生器(図4)、希釈ファン(図5)、高温選択触媒還元(HTSCR: High Temperature Selective Catalytic Reduction)システムを使用するNOx制御(図6)、または超低窒素酸化物(NOx)(ULN: Ultra-Low Oxides of Nitrogen)燃焼器(図7)の設置を含み得る。また、GTE12Aおよび12Bの始動モータは、10分間の始動能力を支援するために始動高速化能力(SFC: Start Fast Capability)へと更新させられ、GTE12Aおよび12B内のエンジンクリアランスが始動高速化のために調節され得る。このような改造は、蒸気システム18および復水器20の最大限の能力の使用を容易にすることができる。様々な例において、HRSGは、一部が図4図7に記載されている排出物制御ユニット、異なる温度限度の排出物制御ユニット、希釈ファン、排気煙突などとの適合性のために排気ガスの温度を低下させることができる貫流式蒸気発生器など、排気ガス条件付け装置を備えるように改造され得る。また、図4図7は、各々の既存のHRSGまたは以前に設置されたHRSGが同じ方法で改造されているかのように記載されている。しかしながら、様々な例において、単一の発電装置の既存のHRSGまたは以前に設置されたHRSGは、異なる方法で改造されてもよい。例えば、HRSG16Aは、図4図7を参照して記載された方法のうちの1つで改造されてもよく、一方、HRSG16Bは、図4図7を参照して記載された方法のうちの異なる1つで改造されてもよい。
【0040】
図4は、熱回収蒸気発生器16Aには貫流式蒸気発生器システム110が組み込まれており、選択触媒還元システム46Aを含めずに内部構成要素が除去されている、改造された旧来のシステムの第1の実施形態の概略図である。貫流式蒸気発生器システム110は、ポンプ112と、入口配管114と、熱交換区域116と、出口配管118と、を備え得る。図4はHRSG16Aを示し、HRSG16Aに関して記載されているが、HRSG16Bも同様の様態で再構成され得る。
【0041】
GTE12Aは、送電線網がほとんどの入力を必要としているときに発電機14Aが電力を提供できるように、ピーク条件において動作するように構成され得る。GTE12Aの排気ガスEは、排出物が大気へと無制御に排出されるのを防止するために、条件付けまたは処理され得る。例では、HRSG16Aの既存の構成要素が排気ガスEを条件付けまたは処理するために使用され得る。例えば、HRSG16Aの主筐体102が排気ダクトとして使用されてもよい。排気ガスEは、主筐体102から既存の煙突50Aへと流れて大気へと排出させることができる。HRSG16Aの内部構成要素の多くは、例えば排気ガスEの流れ損失を低減するために除去され得る。また、このような構成要素はリサイクルまたは再使用され得る。例えば、ダクトバーナー38A、過熱器40A、蒸発器42A、エコノマイザ44A、および熱交換器などの任意の他の構成要素は、除去され得る。しかしながら、SCRシステム46Aは、排気ガスEを処理するために筐体102内に設置されたままとされ得る。
【0042】
図4のHRSG16Aは、SCRシステム46Aの効果的な使用を可能にするために排気ガスEの温度を低下させるように構成された貫流式蒸気発生器システム110で排出物を低減するために、排気ガスEを処理するように動作するSCRシステム46Aと動作するように構成され得る。ダクトバーナー38A、過熱器40A、蒸発器42A、およびエコノマイザ44Aなど、元のHRSG16Aの他の構成要素が除去され得る。しかしながら、様々な実施形態において、過熱器40A、蒸発器42A、またはエコノマイザ44Aからの配管が熱交換区域116のために適合されて使用されてもよい。排気ガスEは、熱交換区域116との相互作用によって同時に冷却され、蒸気システム18(図3)の出力を増加させるためにポンプ112によって提供される水から蒸気を発生させるために使用され得る。したがって、ポンプ112は、復水器20または他の供給源など、水の供給源に連結され得る。水は、入口配管114を通じて熱交換区域116へと汲み上げられ得る。水は排気ガスEの温度より低い温度であり得る。熱交換区域116は、排気ガスEと相互作用するために、HRSG16Aの主筐体102内に位置決めされ得る。熱交換区域116は、管またはフィンアンドプレートシステムなど、任意の適切な熱交換器を備え得る。追加の実施形態では、熱交換区域116は、貫流式蒸気発生器の熱交換区域として動作するように再構成および再目的化される元のHRSG16Aの既存の部分を備え得る。水または蒸気は、熱交換区域116において加熱されると、出口配管118への経路で搬送され、蒸気システム18へと方向付けられ得る。貫流式蒸気発生器システム110によって提供される蒸気は、蒸気システム18の最大限の能力を利用するために、HRSG64(図3)によって発生させられる蒸気を補完するように使用され得る。貫流式蒸気発生器システム110は、ボイラードラムおよび大量の水の熱質量(および熱慣性)を排除する。したがって、この熱質量(および、蒸気を生成することを開始し、水の高さを動作限度内に制御するために、始動順序の間に必要な時間)のないことで、貫流式蒸気発生器システム110は、発電装置60の素早い始動動作を助けるために使用され得る。
【0043】
図5は、熱回収蒸気発生器16Aに希釈ファンシステム90が組み込まれており、選択触媒還元システム46Aを含めずに内部の構成要素が除去されている、改造された旧来のシステムの第2の実施形態の概略図である。希釈ファンシステム90は、モータ92と、シャフト94と、ファン96と、筐体98と、ダクト100と、を備え得る。図5はHRSG16Aを示し、HRSG16Aに関して記載されているが、HRSG16Bも同様の様態で再構成され得る。
【0044】
GTE12Aは、送電線網がほとんどの入力を必要としているときに発電機14Aが電力を提供できるように、ピーク条件において動作するように構成され得る。GTE12Aの排気ガスEは、排出物が大気へと無制御に排出されるのを防止するために、条件付けまたは処理され得る。例では、HRSG16Aの既存の構成要素が排気ガスEを条件付けまたは処理するために使用され得る。例えば、HRSG16Aの主筐体102が排気ダクトとして使用されてもよい。排気ガスEは、主筐体102から既存の煙突50Aへと流れて大気へと排出させることができる。HRSG16Aの内部構成要素の多くは、例えば排気ガスEの流れ損失を低減するために除去され得る。また、このような構成要素はリサイクルまたは再使用され得る。例えば、ダクトバーナー38A、過熱器40A、蒸発器42A、エコノマイザ44A、および熱交換器などの任意の他の構成要素は、除去され得る。しかしながら、SCRシステム46Aは、排気ガスEを処理するために筐体102内に設置されたままとされ得る。
【0045】
希釈ファンシステム90は、排気ガスEを急冷するために、主筐体102に備え付けられ得るか、またはHRSG16Aに連結され得る。筐体98は、ファン96の周りに位置決めでき、シャフト94およびモータ92を支持できる。モータ92は、シャフト94およびファン98を回転させるように動作させられ得る。ファン98は、希釈ファンシステム90を通じて空気を移動させるために、任意の適切に成形されたファンブレードまたは翼形を備え得る。ファン96の動作によって筐体98へと引き込まれる空気は、筐体98を通じて引っ張られ、HRSG16Aの主筐体102へと空気を入れるためのダクト100へと押し込まれ得る。
【0046】
希釈ファンシステム90は、排気ガスEの温度をSCRシステム46Aの効果的な動作のための高さまで下げることができる希釈空気を導入することによって、排気ガスEの温度を低下させるように作用できる。一例では、希釈ファンシステム90は、SCRシステム46Aの適切な動作のために、排気ガスEを約華氏600度(≒316℃)まで冷却できる。図5の実施形態では、蒸気システム18との結び付けまたは相互接続がないが、排気ガスEは、SCRシステム46Aによって希釈、冷却、処理され、煙突50Aへと送られ得る。
【0047】
図6は、熱回収蒸気発生器16Aに希釈ファンシステム90が組み込まれており、内部の構成要素が除去されて高温選択触媒還元(HTSCR)システム120で置き換えられている、改造された旧来のシステムの第3の実施形態の概略図である。このような構成では、HTSCR入口温度は、収容されている触媒構成要素の過熱を制限するために、おおよそ華氏900度(≒482℃)未満となるべきである。希釈ファンシステム90は、モータ92と、シャフト94と、ファン96と、筐体98と、ダクト100と、を備え得る。図6はHRSG16Aを示し、HRSG16Aに関して記載されているが、HRSG16Bも同様の様態で再構成され得る。
【0048】
HRSG16Aおよび希釈ファンシステム90は、図5を参照して記載されたように構成され得る。しかしながら、図6の実施形態では、SCRシステム46BはHTSCRシステム120で置き換えられている。HTSCRシステム120は、SCRシステム46Bの温度を上回る温度で動作するように構成され得る。例では、HTSCRシステム120は、排出物を低減する機能を実施するために、約華氏900度(≒482℃)の温度で動作することができる。したがって、排気温度がこのような温度限界に近付くかまたは超える場合、希釈ファンシステム90は、排気ガスEの温度をHTSCRシステム120と適合する温度まで低下させるために使用され得る。HTSCRシステム120とのHRSG16Aの動作は、様々な実施形態において、希釈ファンシステム90への必要性を排除できる。図5の実施形態と同様に、蒸気システム18(図3)との結び付けまたは相互接続はなくすことができ、排気ガスEは、HTSCRシステム120によって処理され、煙突50Aへと送られ得る。
【0049】
図7は、熱回収蒸気発生器16Aが、煙突50Aを除いて除去されているか、または新たな排気煙突130で置き換えられている、改造された旧来のシステムの第4の実施形態の概略図である。排気煙突130は、排気ガスEをGTE12Aから受け入れるために構成され得る。また、燃焼器24Aは超低NOx(ULN)燃焼器132で置き換えられ得る。図7はHRSG16Aを示し、HRSG16Aに関して記載されているが、HRSG16Bも同様の様態で再構成され得る。ULN燃焼器132は、排気ガスEがGTE12Aによって発生させられているとき、排気ガスEにおける排出物を低減させるために動作できる。このようにして、GTE12Aは、SCRシステム46AまたはHTSCRシステム120などでの排気ガスEの任意のさらなる条件付けまたは処理への必要性なしで、以前には許容された排出物のレベル内で単純なサイクルのエンジンとして動作でき、そのため排気ガスEは、排気煙突130へと真っ直ぐに送られ得る。
【0050】
他の実施形態では、ULN燃焼器は、図4のHRSG16Aと共にGTE12Aへと組み込むことができ、SCRシステム46Aは、蒸気システム18との動作を容易にするために除去され得る。
【0051】
図8は、バイパス煙突142とのピーク動作のために構成された、更新されたガスタービンエンジン62および熱回収蒸気発生器64との動作のために、図1の従来の発電装置10を旧来のシステムとして利用する、本開示の複合サイクル発電装置140の概略図である。発電装置140は、バイパス煙突142によって提供される追加的な機能性を伴うことを除いて、図2の発電装置60と同様の手法で動作できる。図2の発電装置60の構成要素は同じであり、符号のうちの一部が明確性のために図8から省略されている。また、配管74C、74F、および74Iと弁76Cおよび76Fとは省略されているが、備えられてもよい。
【0052】
発電装置140は、GTE62またはGTE12Aおよび12Bのいずれかを蒸気システム18との複合サイクルで運転させるように構成され得る。例えば、効率が能力に対して優先され得る動作期間にわたって、GTE62は複合サイクルで運転でき、前述したように、利用中の蒸気システム18をもたらす。しかしながら、ピーク電力期間の間、能力が効率に対して優先され得るとき、GTE12Aおよび12Bは、蒸気システム18の能力を十分に利用するために複合サイクルで運転でき、GTE62は、バイパス煙突142を利用する単純なサイクルで運転でき、GTE12Aおよび12Bによって発生させられる複合サイクルの能力を上回る送電網の需要に従う。また、GTE62の保守の機能停止の間、GTE12Aおよび12Bは、発電装置140の動作を維持するために、複合サイクルで追加的に動作させられ得る。また、非到達領域のために、または増加した動作時間の考慮のために、HTSCRシステム120などの高温選択触媒還元システムがHRSG64において使用され得る、および/またはULN燃焼器132がGTE62に追加され得る。
【0053】
発電装置140は、GTE62からの排気ガスの流れを煙突142から出すように方向付ける一方で、HRSG64への排気ガスの流れを抑制するように構成され得る。このようにすることで、バイパス煙突142は、GTE62とHRSG64との間の流れを制御するために、技術的に知られているようなダクト、ダンパ、ルーバー、アクチュエータなどを備え得る。発電装置140は、運転していないユニットのHRSGを加熱させるのを助けるための注入を可能にするために、HRSG16A、16B、および64の間に弁およびパイプを追加的に備えてもよい。
【0054】
図9は、本開示の発電装置60および140を動作させるために制御装置150の構成要素を図示する概略図である。制御装置150は、回路152と、電力供給部154と、メモリ156と、処理装置158と、入力装置160と、出力装置162と、通信インターフェース164と、を備え得る。制御装置150は、GTE12Aおよび12B、GTE62、HRSG16Aおよび16B、ならびにHRSG64と通信することができる。制御装置150は、GTE12A、12B、および62、HRSG16A、16B、および64、蒸気システム18、ならびに復水器20の動作を調和させるように構成され得る。
【0055】
GTE12A、12B、およびGTE62は、各々のガスタービンエンジンの動作を制御するようにエンジン制御装置を各々備え得る。例えば、エンジン制御装置は、燃焼器24A、24B、および66Aにおいて燃焼処理を制御するように構成でき、これはガスタービンの動力出力を変えて、シャフト36A、36B、および72の速度と、HRSG16A、16B、および64への排気ガスEの流れと、に影響を与えることができる。そのために、エンジン制御装置は、GTE12A、12B、および62のための1つ以上の燃料噴射装置、可変羽根、および排気ガス弁を動作させるように構成され得る。制御装置150およびエンジン制御装置は、電子命令を受信および送出することと、命令、データ、および情報を保存することと、他の装置、表示装置、入力装置、出力装置などと通信することと、を容易にする様々なコンピュータシステム構成要素も備え得る。
【0056】
同様に、HRSG16A、16B、および64は、制御装置150によって動作させられる制御装置を備え得るか、または例えば貫流式蒸気発生器システム110、希釈ファンシステム90、バイパス煙突142などの様々な構成要素を動作させるために、制御装置150によって直接的に動作させられ得る。
【0057】
回路152は、メモリ156と、処理装置158と、入力装置160と、出力装置162と、通信インターフェース164と、を一緒に動作させる、マイクロプロセッサ、チップなどの任意の適切なコンピュータアーキテクチャを備え得る。電力供給部154は、交流または直流の電力供給部など、制御装置50に電力を提供するための任意の適切な方法を含み得る。メモリ156は、ランダムアクセスメモリ、リードオンリーメモリ、フラッシュメモリ、磁気メモリ、および光学記憶装置などの任意の適切な記憶装置を備え得る。入力装置160は、使用者の入力または他の入力を回路152またはメモリ156へと提供するためのキーボード、マウス、ポインタ、タッチスクリーン、および他の適切な装置を備え得る。出力装置162は、表示モニタ、画面、タッチスクリーン、印刷装置、プロジェクタ、音響スピーカなどを備え得る。通信インターフェース164は、回路152が、モデム、ルータ、I/Oインターフェース、バス、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、インターネットなどの他のコンピュータ装置から情報を受信すること、および、そのような他のコンピュータ装置に情報を送信することを可能にするための装置を備え得る。
【0058】
回路152は、メモリ156などの記憶装置と通信でき、つまりそのような記憶装置から読み取りでき、およびそのような記憶装置に書き出しできる。メモリ156は、発電装置60および140の動作を実施させるための様々なコンピュータ読取可能命令を含み得る。したがって、メモリ156は、送電網への需要と、送電網へと供給される電力と、を監視するための命令に加えて、GTE12A、12B、および62ならびにHRSG16A、16B、および64の動作のための命令を含み得る。回路152は、このような機能を実施するために様々なセンサに接続され得る。メモリ156は、GTE12A、12B、および62ならびにHRSG16A、16B、および64のための制御装置に命令を提供するときに制御装置150を支援できる情報も含み得る。例えば、メモリ156は、GTE12A、12B、および62ならびにHRSG16A、16B、および64の種類、大きさ(能力)、使用期間、保守履歴、場所を含み得る。このようにして、回路152は、弁76A~76Hをいつ動作させるかを決定するために、ならびに、GTE12A、12B、および62、HRSG16A、16B、および64、貫流式蒸気発生器システム110、希釈ファンシステム90などの各々が、例えば電力送電網の運用者または政府機関からのディスパッチ命令に基づいていつ動作させられ得るかを制御するために、命令をメモリ156から読み取ることができる。
【0059】
本出願で詳述されているシステムおよび方法は、ガスタービンエンジンおよび熱回収蒸気発生器など、先に設置された発電装置機器または旧来の発電装置機器の価値を取り戻す点において有用であり得る。このような機器をより新しくより高い効率の機器との置き換えのために単に除去する代わりに、このような機器は、より新しくより高い効率の機器との使用ために、より大きいシステムへと統合させることができる。実施形態では、以前に設置された機器または旧来の機器と、より新しくより高い効率の機器は、以前に設置された蒸気システムまたは旧来の蒸気システムと、の交互の使用のために構成され得る。このようにして、先に設置された旧来の機器は、緊急のために、または代わりの燃料の状況のために、保持され得る。別の実施形態では、より新しくより高い効率の機器は、以前に設置された機器または旧来の機器が以前に設置された蒸気システムまたは旧来の蒸気システムとの複合サイクルで動作する一方で、単純なサイクルまたはピーク動作において、より新しくより高い効率の機器の動作を容易にするために、熱回収蒸気発生器のバイパス煙突と共に設置され得る。別の実施形態では、以前に設置された機器または旧来の機器は、より新しくより高い効率の機器の出力を補完するためにピーク時の機械として動作するように構成され得る。このようにして、以前に設置された旧来の機器は、より新しくより高い効率の機器の出力を補完するために、および一部の実施形態では、以前に設置された蒸気システムまたは旧来の蒸気システムに追加の蒸気出力を提供するために、単純なサイクルの貫流式蒸気サイクルまたは排出物の制御された動作を提供するように改造され得る。
【0060】
本開示の実施形態が、J等級のAGTEを、1つ以上の旧来のF等級のGTEを利用する発電装置へと組み込むとして記載されているが、本開示の範囲はそのように限定されておらず、例えば1つ以上の旧来のE等級のGTEを利用する発電装置へとF等級のGTEを組み込むためなど、より大きい能力および/または効率を有するGTEの任意の追加にも適用できることは、理解されるものである。
【0061】
様々な注記および例
例1は、電力を発生させることに向けて発電機を駆動するために、より高い効率またはより高い出力のガスタービンエンジンを動作させるステップと、熱回収蒸気発生器を使用して、より高い効率のガスタービンエンジンの排気ガスで蒸気を発生させるステップと、熱回収蒸気発生器からの蒸気で蒸気タービンを駆動するステップであって、蒸気タービンは、より高い効率のガスタービンエンジンによって駆動されるときに熱回収蒸気発生器によって発生させられる蒸気の出力より大きい能力を有する、ステップと、蒸気発電機を蒸気タービンから駆動するステップと、蒸気発電機および発電機からの出力の合計が送電網からの電気需要より小さいことに応じて、電力を発生させることに向けて1つ以上の発電機を駆動するために、1つ以上のより低い効率または動力のガスタービンエンジンを選択的に動作させるステップであって、より低い効率のガスタービンエンジンはより高い効率のガスタービンより効率的でない、ステップと、1つ以上の改造熱回収蒸気発生器を使用して、1つ以上のより低い効率のガスタービンエンジンの排気ガスを条件付けするステップと、を含み得る、発電装置を動作させる方法などの主題を含むかまたは使用し得る。
【0062】
例2は、少なくとも一部の以前に設置された構成要素が除去される以前に設置された熱回収蒸気発生器の筐体を備え得る1つ以上の改造熱回収蒸気発生器を任意選択で備えるために、例1の主題を含み得るか、またはそのような主題と任意選択で組み合わせられ得る。
【0063】
例3は、1つ以上のより低い効率のガスタービンエンジンの排気ガスで蒸気を発生させるステップと、1つ以上のより低い効率のガスタービンエンジンによって駆動されるときに1つ以上の熱回収蒸気発生器から発生させられる蒸気で蒸気タービンを追加的に駆動するステップと、を任意選択で含むために、例1または2の1つまたは任意の組合せの主題を含み得るか、またはそのような主題と任意選択で組み合わせられ得る。
【0064】
例4は、以前に設置された熱回収蒸気発生器の筐体内に位置決めされる貫流式蒸気発生器を動作させることによって、1つ以上のより低い効率のガスタービンエンジンの排気ガスで蒸気を発生させるステップを任意選択で含むために、例1から3の1つまたは任意の組合せの主題を含み得るか、またはそのような主題と任意選択で組み合わせられ得る。
【0065】
例5は、1つ以上の改造熱回収蒸気発生器内の排出物低減システムに入る排気ガスを急冷するために希釈ファンを動作させることによって、1つ以上の改造熱回収蒸気発生器を使用して、1つ以上のより低い効率のガスタービンエンジンの排気ガスを条件付けするステップを任意選択で含むために、例1から4の1つまたは任意の組合せの主題を含み得るか、またはそのような主題と任意選択で組み合わせられ得る。
【0066】
例6は、1つ以上の改造熱回収蒸気発生器の以前に設置された排出物低減システムを備え得る排出物低減システムを任意選択で備えるために、例1から5の1つまたは任意の組合せの主題を含み得るか、またはそのような主題と任意選択で組み合わせられ得る。
【0067】
例7は、高温選択触媒還元システムを備える排出物低減システムを任意選択で備え得るために、例1から6の1つまたは任意の組合せの主題を含み得るか、またはそのような主題と任意選択で組み合わせられ得る。
【0068】
例8は、排気ガスを1つ以上の改造熱回収蒸気発生器の以前に設置された煙突を通じた経路で搬送することによって、1つ以上の改造熱回収蒸気発生器を使用して、1つ以上のより低い効率のガスタービンエンジンの排気ガスを条件付けするステップを任意選択で含むために、例1から7の1つまたは任意の組合せの主題を含み得るか、またはそのような主題と任意選択で組み合わせられ得る。
【0069】
例9は、超低NOx燃焼器を備えるために1つ以上のより低い効率のガスタービンエンジンを改造するステップを任意選択で含むために、例1から8の1つまたは任意の組合せの主題を含み得るか、またはそのような主題と任意選択で組み合わせられ得る。
【0070】
例10は、第1の効率または動力を有し、第1の排気ガス流を生成するように構成される第1のガスタービンと、第1のガスタービンによって駆動される第1の発電機と、第1の排気ガス流を受け入れ、第1の蒸気流を発生させるように構成される第1の熱回収蒸気発生器と、第1の効率より低い第2の効率または動力を有し、第2の排気ガス流を生成するように構成される第2のガスタービンと、第2のガスタービンによって駆動される第2の発電機と、第2の排気ガス流の温度を低下させるように構成される排気ガス条件付け装置と、蒸気発電機を駆動し、第1の蒸気流を受け入れるように構成される蒸気タービンと、処理装置、および処理装置によって実行されるとき、処理装置に発電装置システムを動作させるための動作を実施させる命令を保存しているコンピュータ読取可能記憶媒体であって、命令は、蒸気発電機および第1の発電機からの出力の合計が送電網からの電気需要より小さいことに応じて、ピーク負荷条件の下で第2の発電機で電気を発生させるために第2のガスタービンを動作させることを含む、コンピュータ読取可能記憶媒体を備える制御装置と、を備え得る発電装置システムなどの主題を含むかまたは使用し得る。
【0071】
例11は、第2のガスタービンと共に動作するように構成され、排気ガス条件付け装置を備える改造熱回収蒸気発生器を任意選択で備えるために、例10の主題を含み得るか、またはそのような主題と任意選択で組み合わせられ得る。
【0072】
例12は、以前に設置された熱回収蒸気発生器の筐体を備える改造熱回収蒸気発生器を任意選択で備えるために、例10または11の1つまたは任意の組合せの主題を含み得るか、またはそのような主題と任意選択で組み合わせられ得る。
【0073】
例13は、蒸気発生器を備え得る排気ガス条件付け装置を任意選択で備えるために、例10から12の1つまたは任意の組合せの主題を含み得るか、またはそのような主題と任意選択で組み合わせられ得る。
【0074】
例14は、以前に設置された熱回収蒸気発生器の筐体内に設置される貫流式蒸気発生器ループを備え得る蒸気発生器を任意選択で備え、貫流式蒸気発生器ループは第2の蒸気流を発生させ、蒸気タービンは第1の蒸気流および第2の蒸気流を受け入れるように、例10から13の1つまたは任意の組合せの主題を含み得るか、またはそのような主題と任意選択で組み合わせられ得る。
【0075】
例15は、以前に設置された熱回収蒸気発生器の筐体内の排気ガスを急冷するように構成される希釈ファンを備え得る排気ガス条件付け装置を任意選択で備えるために、例10から14の1つまたは任意の組合せの主題を含み得るか、またはそのような主題と任意選択で組み合わせられ得る。
【0076】
例16は、改造熱回収蒸気発生器の以前に設置された排出物低減システムを備える以前に設置された熱回収蒸気発生器の筐体を任意選択で備えるために、例10から15の1つまたは任意の組合せの主題を含み得るか、またはそのような主題と任意選択で組み合わせられ得る。
【0077】
例17は、高温選択触媒還元システムを備える以前に設置された熱回収蒸気発生器の筐体を任意選択で備えるために、例10から16の1つまたは任意の組合せの主題を含み得るか、またはそのような主題と任意選択で組み合わせられ得る。
【0078】
例18は、改造熱回収蒸気発生器の以前に設置された煙突を備える排気ガス条件付け装置を任意選択で備えるために、例10から17の1つまたは任意の組合せの主題を含み得るか、またはそのような主題と任意選択で組み合わせられ得る。
【0079】
例19は、超低NOx燃焼器を備えるように改造される第2のガスタービンを任意選択で備えるために、例10から18の1つまたは任意の組合せの主題を含み得るか、またはそのような主題と任意選択で組み合わせられ得る。
【0080】
例20は、施設において、第1のガスタービンの効率または動力より高い効率または動力を有する第2のガスタービンを設置するステップと、施設において、第2のガスタービンからの排気ガスを受け入れるための第2の熱回収蒸気発生器を設置するステップと、第2の熱回収蒸気発生器を蒸気タービンに連結するステップと、第1のガスタービンからの排気ガスを条件付けるために第1の熱回収蒸気発生器を改造するステップと、を含み得る、施設に位置付けられた第1のガスタービン、第1の熱回収蒸気発生器、および蒸気タービンを備える発電装置を更新する方法などの主題を含むかまたは使用し得る。
【0081】
例21は、改造された第1の熱回収蒸気発生器を蒸気タービンに連結するステップを含むことを任意選択で含むために、例20の主題を含み得るか、またはそのような主題と任意選択で組み合わせられ得る。
【0082】
例22は、第1の熱回収蒸気発生器の蒸気発生構成要素を除去することによって第1の熱回収蒸気発生器を改造するステップを任意選択で含むために、例20または21の1つまたは任意の組合せの主題を含み得るか、またはそのような主題と任意選択で組み合わせられ得る。
【0083】
例23は、第1の熱回収蒸気発生器を蒸気タービンから連結解除することによって第1の熱回収蒸気発生器を改造するステップを任意選択で含むために、例20から22の1つまたは任意の組合せの主題を含み得るか、またはそのような主題と任意選択で組み合わせられ得る。
【0084】
例24は、第1の熱回収蒸気発生器の設置されている排出物低減システムを残すことを含む、第1の熱回収蒸気発生器を改造するステップを任意選択で含むために、例20から23の1つまたは任意の組合せの主題を含み得るか、またはそのような主題と任意選択で組み合わせられ得る。
【0085】
例25は、高温選択触媒還元システムを第1の熱回収蒸気発生器に設置することによって第1の熱回収蒸気発生器を改造するステップを任意選択で含み、高温選択触媒還元システムは、第1の熱回収蒸気発生器の以前に設置された選択触媒還元システムが排出物を効果的に還元できる温度より高い温度において、排気ガスにおける排出物を効果的に還元できるように、例20から24の1つまたは任意の組合せの主題を含み得るか、またはそのような主題と任意選択で組み合わせられ得る。
【0086】
例26は、貫流式蒸気発生器を第1の熱回収蒸気発生器において設置することによって第1の熱回収蒸気発生器を改造するステップを任意選択で含むために、例20から25の1つまたは任意の組合せの主題を含み得るか、またはそのような主題と任意選択で組み合わせられ得る。
【0087】
例27は、希釈ファンを第1の熱回収蒸気発生器において設置することによって第1の熱回収蒸気発生器を改造するステップを任意選択で含むために、例20から26の1つまたは任意の組合せの主題を含み得るか、またはそのような主題と任意選択で組み合わせられ得る。
【0088】
例28は、煙突を残すために第1の熱回収蒸気発生器の構成要素を除去することによって第1の熱回収蒸気発生器を改造するステップを任意選択で含むために、例20から27の1つまたは任意の組合せの主題を含み得るか、またはそのような主題と任意選択で組み合わせられ得る。
【0089】
例29は、超低NOx燃焼器を第1のガスタービンに設置するステップを任意選択で含み、超低NOx燃焼器は、第1のガスタービンの以前に設置された燃焼器より少ない排出物を発生させるように構成されるように、例20から28の1つまたは任意の組合せの主題を含み得るか、またはそのような主題と任意選択で組み合わせられ得る。
【0090】
例30は、電力を発生させることに向けて発電機を駆動するために、より高い効率またはより高い出力のガスタービンエンジンを動作させるステップと、熱回収蒸気発生器を使用して、より高い効率のガスタービンエンジンの排気ガスで蒸気を発生させるステップと、熱回収蒸気発生器からの蒸気で蒸気タービンを駆動するステップであって、蒸気タービンは、より高い効率のガスタービンエンジンによって駆動されるときに熱回収蒸気発生器によって発生させられる蒸気の出力より大きい能力を有する、ステップと、電力を発生させることに向けて1つ以上の発電機を駆動するために、1つ以上のより低い効率または出力のガスタービンエンジンを動作させるステップと、1つ以上の熱回収蒸気発生器を使用して、1つ以上のより低い効率のガスタービンエンジンの排気ガスで蒸気を発生させるステップと、1つ以上の熱回収蒸気発生器からの蒸気で蒸気タービンを駆動するステップであって、蒸気タービンは、1つ以上のより低い効率のガスタービンエンジンによって駆動されるときに1つ以上の熱回収蒸気発生器によって発生させられる蒸気の出力におおよそ等しい能力を有し、1つ以上のより低い効率のガスタービンエンジンによって駆動される1つ以上の熱回収蒸気発生器によって発生させられる蒸気の出力は、1つ以上のより高い効率のガスタービンによって駆動されるときに熱回収蒸気発生器によって発生させられる蒸気の出力より大きい、ステップと、蒸気タービンを駆動するために、より高い効率のガスタービンと1つ以上のより低い効率のガスタービンエンジンとを交互に動作させるステップと、を含み得る、発電装置を動作させる方法などの主題を含むかまたは使用し得る。
【0091】
例31は、第1の効率または出力を有し、第1の排気ガス流を生成するように構成される第1のガスタービンと、第1のガスタービンによって駆動される第1の発電機と、第1の排気ガス流を受け入れ、第1の蒸気流を発生させるように構成される第1の熱回収蒸気発生器と、第1の効率より低い第2の効率または出力を有し、第2の排気ガス流を生成するように構成される第2のガスタービンと、第2のガスタービンによって駆動される第2の発電機と、第2の排気ガス流を受け入れ、第2の蒸気流を発生させるように構成される第2の熱回収蒸気発生器と、第1の蒸気流および第2の蒸気流を受け入れるように構成される蒸気タービンと、第1の熱回収蒸気発生器および第2の熱回収蒸気発生器から蒸気タービンへの第1の蒸気流および第2の蒸気流の流れを制御する弁調節部と、処理装置、および処理装置によって実行されるとき、処理装置に発電装置システムを動作させるための動作を実施させる命令を保存しているコンピュータ読取可能記憶媒体であって、命令は、第1のガスタービンまたは第2のガスタービンの動作に応じて、第1の蒸気流または第2の蒸気流を蒸気タービンへと交互に到達させるために前記弁調節部を動作させることを含む、コンピュータ読取可能記憶媒体を備える制御装置と、を備え得る発電装置システムなどの主題を含むかまたは使用し得る。
【0092】
例32は、電力を発生させることに向けて発電機を駆動するために、より高い効率またはより高い出力のガスタービンエンジンを動作させるステップと、熱回収蒸気発生器を使用して、より高い効率のガスタービンエンジンの排気ガスで蒸気を発生させるステップと、熱回収蒸気発生器からの蒸気で蒸気タービンを駆動するステップであって、蒸気タービンは、より高い効率のガスタービンエンジンによって駆動されるときに熱回収蒸気発生器によって発生させられる蒸気の出力より大きい能力を有する、ステップと、電力を発生させることに向けて1つ以上の発電機を駆動するために、1つ以上のより低い効率またはより低い出力のガスタービンエンジンを選択的に動作させるステップと、1つ以上の熱回収蒸気発生器を使用して、1つ以上のより低い効率のガスタービンエンジンの排気ガスで蒸気を発生させるステップと、1つ以上のより低い効率のガスタービンエンジンによって駆動されるときに1つ以上の熱回収蒸気発生器からの蒸気で蒸気タービンを追加的に駆動するステップと、を含み得る、発電装置を動作させる方法などの主題を含むかまたは使用し得る。
【0093】
例33は、第1の効率または出力を有し、第1の排気ガス流を生成するように構成される第1のガスタービンと、第1のガスタービンによって駆動される第1の発電機と、第1の排気ガス流を受け入れ、第1の蒸気流を発生させるように構成される第1の熱回収蒸気発生器と、第1の効率より低い第2の効率または出力を有し、第2の排気ガス流を生成するように構成される第2のガスタービンと、第2のガスタービンによって駆動される第2の発電機と、第2の排気ガス流の温度を低下させるように構成される排気ガス条件付け装置と、第1の蒸気流を受け入れるように構成される蒸気タービンと、処理装置、および処理装置によって実行されるとき、処理装置に発電装置システムを動作させるための動作を実施させる命令を保存しているコンピュータ読取可能記憶媒体であって、命令は、ピーク負荷条件の下で第2の発電機で電気を発生させるために第2のガスタービンを選択的に動作させることを含む、コンピュータ読取可能記憶媒体を備える制御装置と、を備え得る発電装置システムなどの主題を含むかまたは使用し得る。
【0094】
例34は、第2の熱回収蒸気発生器のケーシング内に設置される貫流式蒸気発生器ループを備える排気ガス条件付け装置を任意選択で備え、貫流式蒸気発生器ループは第2の蒸気流を発生させ、蒸気タービンは第1の蒸気流および第2の蒸気流を受け入れるように、例33の主題を含み得るか、またはそのような主題と任意選択で組み合わせられ得る。
【0095】
例35は、電力を発生させることに向けて発電機を駆動するために、より高い効率またはより高い出力のガスタービンエンジンを動作させるステップと、熱回収蒸気発生器を使用して、より高い効率のガスタービンエンジンの排気ガスで蒸気を発生させるステップと、熱回収蒸気発生器から発生させられる蒸気で蒸気タービンを駆動するステップであって、蒸気タービンは、より高い効率のガスタービンエンジンによって駆動されるときに熱回収蒸気発生器によって発生させられる蒸気の出力より大きい能力を有する、ステップと、電力を発生させることに向けて1つ以上の発電機を駆動するために、1つ以上のより低い効率またはより低い出力のガスタービンエンジンを動作させるステップと、1つ以上の改造熱回収蒸気発生器を使用して1つ以上のより低い効率のガスタービンの排気ガスを冷却するステップであって、改造熱回収蒸気発生器は、以下の選択触媒還元排出物低減ユニットおよび希釈ファンの1つ以上を備える、ステップと、を含み得る、発電装置を動作させる方法などの主題を含むかまたは使用し得る。
【0096】
例36は、熱交換装置が除去されている改造熱回収蒸気発生器を任意選択で備えるように、例35の主題を含み得るか、またはそのような主題と任意選択で組み合わせられ得る。
【0097】
例37は、第1の効率または出力を有し、第1の排気ガス流を生成するように構成される第1のガスタービンと、第1のガスタービンによって駆動される第1の発電機と、第1の排気ガス流を受け入れ、第1の蒸気流を発生させるように構成される第1の熱回収蒸気発生器と、第1の効率より低い第2の効率または出力を有し、第2の排気ガス流を生成するように構成される第2のガスタービンと、第2のガスタービンによって駆動される第2の発電機と、第2の排気ガス流を受け入れるように構成される選択触媒還元排出物低減ユニットと、第1の蒸気流を受け入れるように構成される蒸気タービンと、処理装置、および処理装置によって実行されるとき、処理装置に発電装置システムを動作させるための動作を実施させる命令を保存しているコンピュータ読取可能記憶媒体であって、命令は、ピーク負荷条件の下で第2の発電機で電気を発生させるために第2のガスタービンを選択的に動作させることを含む、コンピュータ読取可能記憶媒体を備える制御装置と、を備え得る発電装置システムなどの主題を含むかまたは使用し得る。
【0098】
例38は、電力を発生させることに向けて発電機を駆動するために、より高い効率またはより高い出力のガスタービンエンジンを動作させるステップと、熱回収蒸気発生器を使用して、より高い効率のガスタービンエンジンの排気ガスで蒸気を発生させるステップと、熱回収蒸気発生器からの蒸気で蒸気タービンを駆動するステップであって、蒸気タービンは、より高い効率のガスタービンエンジンによって駆動されるときに熱回収蒸気発生器による蒸気の出力より大きい能力を有する、ステップと、電力を発生させることに向けて1つ以上の発電機を駆動するために、1つ以上のより低い効率または出力のガスタービンエンジンを動作させるステップと、1つ以上の改造熱回収蒸気発生器を使用して1つ以上のより低い効率のガスタービンエンジンの排気ガスで蒸気を発生させるステップと、熱回収蒸気発生器の出力と蒸気発生器の能力との間の隔たりを埋めるために、1つ以上の改造熱回収蒸気発生器から蒸気タービンへと蒸気を提供するステップと、を含み得る、発電装置を動作させる方法などの主題を含むかまたは使用し得る。
【0099】
例39は、第1の効率または出力を有し、第1の排気ガス流を生成するように構成される第1のガスタービンと、第1のガスタービンによって駆動される第1の発電機と、第1の排気ガス流を受け入れ、第1の蒸気流を発生させるように構成される第1の熱回収蒸気発生器と、第1の効率より低い第2の効率または出力を有し、第2の排気ガス流を生成するように構成される第2のガスタービンと、第2のガスタービンによって駆動される第2の発電機と、第2の排気ガス流を受け入れ、第2の蒸気流を発生させるように構成される貫流式蒸気発生器と、第1の蒸気流および第2の蒸気流を受け入れるように構成される蒸気タービンと、処理装置、および処理装置によって実行されるとき、処理装置に発電装置システムを動作させるための動作を実施させる命令を保存しているコンピュータ読取可能記憶媒体であって、命令は、ピーク負荷条件の下で第2の発電機で電気を発生させるために、および、蒸気タービンの出力を増加させるために、第2のガスタービンを選択的に動作させることを含む、コンピュータ読取可能記憶媒体を備える制御装置と、を備え得る発電装置システムなどの主題を含むかまたは使用し得る。
【0100】
例40は、第1のガスタービンの前に第2のガスタービンの動作を順序付けることをさらに含む命令を任意選択で含むように、例39の主題を含み得るか、またはそのような主題と任意選択で組み合わせられ得る。
【0101】
例41は、動作の即応性の状態まで蒸気タービンの温度を増加させるように構成される第2のガスタービンの順序付けの動作を任意選択で含むように、例39または40の主題を含み得るか、またはそのような主題と任意選択で組み合わせられ得る。
【0102】
例42は、電力を発生させることに向けて発電機を駆動するために、より高い効率またはより高い出力のガスタービンエンジンを動作させるステップと、熱回収蒸気発生器を使用して、より高い効率のガスタービンの排気ガスで蒸気を発生させるステップと、熱回収蒸気発生器からの蒸気で蒸気タービンを駆動するステップであって、蒸気発生器は、より高い効率のガスタービンによって駆動されるときに熱回収蒸気発生器からの蒸気の出力より大きい能力を有する、ステップと、電力を発生させることに向けて1つ以上の発電機を駆動するために、1つ以上のより低い効率またはより低い動力のガスタービンエンジンを選択的に動作させるステップであって、より低い効率のガスタービンエンジンは超低NOx燃焼器を備える、ステップと、を含み得る、発電装置を動作させる方法などの主題を含むかまたは使用し得る。
【0103】
例43は、第1の効率または第1の出力を有し、第1の排気ガス流を生成するように構成される第1のガスタービンと、第1のガスタービンによって駆動される第1の発電機と、第1の排気ガス流を受け入れ、第1の蒸気流を発生させるように構成される第1の熱回収蒸気発生器と、第1の効率より低い第2の効率または第2の出力を有し、第2の排気ガス流を生成するように構成され、超低NOx燃焼器を備える第2のガスタービンと、第2のガスタービンによって駆動される第2の発電機と、蒸気発電機に連結され、第1の蒸気流を受け入れるように構成される蒸気タービンと、処理装置、および処理装置によって実行されるとき、処理装置に発電装置システムを動作させるための動作を実施させる命令を保存しているコンピュータ読取可能記憶媒体であって、命令は、ピーク負荷条件の下で、第2の発電機で、第1の発電機および蒸気発電機の出力の合計より大きい電気を発生させるために、第2のガスタービンを選択的に動作させることを含む、コンピュータ読取可能記憶媒体を備える制御装置と、を備え得る発電装置システムなどの主題を含むかまたは使用し得る。
【0104】
例44は、施設において、第1のガスタービンの効率より高い効率を有する第2のガスタービンを設置するステップと、施設において、第2のガスタービンからの排気ガスを受け入れるための第2の熱回収蒸気発生器を設置するステップと、第2の熱回収蒸気発生器を蒸気タービンに連結するステップと、第1の熱回収蒸気発生器および第2の熱回収蒸気発生器からの蒸気の流れを交互に制御するために弁調節部を設置するステップと、を含み得る、施設に位置付けられた第1のガスタービン、第1の熱回収蒸気発生器、および蒸気タービンを備える発電装置を更新する方法などの主題を含むかまたは使用し得る。
【0105】
例45は、施設において、第1のガスタービンの効率より高い効率を有する第2のガスタービンを設置するステップと、施設において、第2のガスタービンからの排気ガスを受け入れるための第2の熱回収蒸気発生器を設置するステップと、第2の熱回収蒸気発生器を蒸気タービンに連結するステップと、第1のガスタービンからの排気ガスを条件付けるために第1の熱回収蒸気発生器を改造するステップと、を含み得る、施設に位置付けられた第1のガスタービン、第1の熱回収蒸気発生器、および蒸気タービンを備える発電装置を更新する方法などの主題を含むかまたは使用し得る。
【0106】
例46は、改造された第1の熱回収蒸気発生器を蒸気タービンに連結するステップを任意選択で含むために、例45の主題を含み得るか、またはそのような主題と任意選択で組み合わせられ得る。
【0107】
例47は、改造された第1の熱回収蒸気発生器を蒸気タービンから連結解除するステップを任意選択で含むために、例45または46の主題を含み得るか、またはそのような主題と任意選択で組み合わせられ得る。
【0108】
これらの非限定的な例の各々は、自立し得るか、または他の例のうちの1つ以上との様々な置き換えまたは組合せで組み合わせられ得る。
【0109】
先の詳細な記載は、詳細な記載の一部を形成する添付の図面への参照を含む。図面は、例示を用いて、本発明が実施され得る特定の実施形態を示している。これらの実施形態も本明細書では「例」として参照されている。このような例は、図示または記載されている要素に加えて、要素を含む可能性がある。しかしながら、本発明者は、図示または記載されたそれらの要素だけが提供されている例も検討している。さらに、本発明者は、具体的な例(もしくは、その1つ以上の態様)に関して、または、本明細書で図示または記載された他の例(もしくは、その1つ以上の態様)に関して、図示または記載されたそれらの要素の任意の組合せまたは置き換えを用いる例も検討している。
【0110】
本文書と、参照によって組み込まれている任意の文書との間に不一致の使用がある場合、本文書における使用が支配する。
【0111】
本文書において、「1つ(a、an)」という用語が、特許文書において一般的であるように、「少なくとも1つ」または「1つ以上」の任意の他の例または使用とは無関係に、1つまたは2つ以上を含むように使用されている。本文書では、「または」という用語は、非排他的であることに言及するように、または、他に指示されていない場合、「AまたはB」が、「AであるがBではない」、「BであるがAではない」、および「AおよびB」を含むように、使用されている。本文書では、「含む」および「~において」という用語は、「備える」および「ここにおいて」のそれぞれの用語の平易な英語の等価として使用されている。また、以下の請求項において、「含む」および「備える」という用語はオープンエンドであり、つまり、請求項におけるこのような用語で列記される要素に加えて要素を含むシステム、装置、物品、組成、処方、または過程が、その請求項の範囲内にあるようになおも見なされる。さらに、以下の請求項において、「第1」、「第2」、および「第3」などの用語は、単にラベルとして使用されており、それらの物体に数字上の要件を課すように意図されていない。
【0112】
本明細書に記載されている方法の例は、少なくとも一部において機械またはコンピュータで実施され得る。一部の例は、先の例で記載されているような方法を実施するために電子装置を構成するように動作可能な命令でエンコードされたコンピュータ読取可能媒体または機械読み取り可能媒体を備え得る。このような方法の実施は、マイクロコード、アセンブリ言語コード、高水準言語コードなどのコードを含み得る。このようなコードは、様々な方法を実施するためのコンピュータ読取可能命令を含み得る。コードは、コンピュータプログラム製品の一部を形成してもよい。さらに一例では、コードは、実行の間または他のときにおいてなど、1つ以上の揮発性、非一時的、または不揮発性で有形のコンピュータ読取可能媒体に有形で保存され得る。これらの有形のコンピュータ読取可能媒体の例には、限定されることはないが、ハードディスク、取り外し可能磁気ディスク、取り外し可能光学ディスク(例えば、コンパクトディスクおよびデジタルビデオディスク)、磁気カセット、メモリカード、メモリスティック、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)などがあり得る。
【0113】
先の記載は、例示であり、限定とならないように意図されている。例えば、前述の例(または、その1つもしくは複数の態様)は、互いと組み合わされて使用されてもよい。他の実施形態は、前述の記載を検討することで、当業者などによって、使用され得る。要約が、読者に技術的な開示の本質を素早く確認させるように、37 C.F.R. §1.72(b)と適合するために提供されている。要約は、請求項の範囲または意味を解釈または制限するために使用されないという理解の下で提出されている。また、先の詳細な記載では、様々な特徴が本開示を効率化するために一緒に纏められ得る。これは、請求されていない開示された特徴が任意の請求項にとって必須であることを意図するとして解釈されるべきではない。むしろ、発明的主題は、具体的な開示された実施形態のすべての特徴を満たさないところに位置し得る。したがって、以下の請求項は、本明細書によって、各々の請求項が別々の実施形態として自立している状態で、例または実施形態として詳細な記載に組み込まれており、このような実施形態が様々な組合せまたは置き換えで互いと組み合わせされ得ることは検討されている。本発明の範囲は、このような請求項が与えられているものと等価の完全な範囲と共に、添付の請求項を参照して決定されるべきである。
【符号の説明】
【0114】
10、60、140 複合サイクル発電装置
12A、12B、62 ガスタービンエンジン
14A、14B、70 発電機
16A、16B、64 熱回収蒸気発生器
18 蒸気システム
20 復水器
22A、22B、64 圧縮機
24A、24B、66 燃焼器
26A、26B、68 タービン
28 第1の段のタービン
30 第2の段のタービン
32 第3の段のタービン
34 発電機
36A、36B 発電機シャフト
38A、38B、78 ダクトバーナー
40A、40B、80 過熱器
42A、42B、82 蒸発器
44A、44B、84 エコノマイザ
46A、46B、86 選択触媒還元システム
50A、50B 排気煙突
74A、74B、74D、74E 74G、74H 出口配管
74C、74F、74I 入口配管
76A、76B、76C、76D、76E、76F、76G、76H 弁
90 希釈ファンシステム
92 モータ
94 シャフト
96 ファン
98 筐体
100 ダクト
102 主筐体
110 貫流式蒸気発生器システム
112 ポンプ
114 入口配管
116 熱交換区域
118 出口配管
120 高温選択触媒還元システム
130 排気煙突
132 超低NOx燃焼器
142 バイパス煙突
150 制御装置
152 回路
154 電力供給部
156 メモリ
158 処理装置
160 入力装置
162 出力装置
164 通信インターフェース
図1
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図9