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特許7007033教育用途のために、共に組み合わせることができるモジュールを有する機能デバイス、特にロボット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】教育用途のために、共に組み合わせることができるモジュールを有する機能デバイス、特にロボット
(51)【国際特許分類】
   B25J 9/08 20060101AFI20220117BHJP
   F16D 1/033 20060101ALI20220117BHJP
   B25J 17/00 20060101ALI20220117BHJP
   H02K 7/116 20060101ALI20220117BHJP
【FI】
B25J9/08
F16D1/033
B25J17/00 A
H02K7/116
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017238564
(22)【出願日】2017-12-13
(65)【公開番号】P2018108637
(43)【公開日】2018-07-12
【審査請求日】2020-06-29
(31)【優先権主張番号】102016000130715
(32)【優先日】2016-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】590003342
【氏名又は名称】コマウ・ソシエタ・ペル・アチオニ
【氏名又は名称原語表記】COMAU SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】シニエッロ フランチェスコ
(72)【発明者】
【氏名】クレモニニ マウリツィオ
【審査官】樋口 幸太郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05355743(US,A)
【文献】特開平10-329079(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 9/08
F16D 1/033
B25J 17/00
H02K 7/116
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1または複数のフレーム本体と、
1または複数のモータ駆動式の継手であって、前記継手の各々は、
1または複数の電気モータ、
前記1または複数の電気モータの電源および制御のユニット、ならびに
固定された第1の円筒部分および可動の第2の円筒部分
を有する電動式の継手と
を備えるロボットデバイスであって、
前記第1の円筒部分は、その内部に、前記1または複数の電気モータを含み、
各々のフレーム本体は、第1の円筒シート部および第2の円筒シート部を特定し、前記第1の円筒シート部および前記第2の円筒シート部は、それらの上に偏りなく前記第1の円筒部分または前記第2の円筒部分を収容し、固定するために事前配置され
前記フレーム本体の前記第1の円筒シート部および前記第2の円筒シート部の直径と、前記継手の前記第1の円筒部分および前記第2の円筒部分の直径とは等しく、それにより、前記第1の円筒シート部および前記第2の円筒シート部は、前記第1の円筒部分および前記第2の円筒部分の外壁部が、その全周に沿って前記第1の円筒シート部および前記第2の円筒シート部の内壁部と同一平面にセットされた状態に従って前記第1の円筒部分および前記第2の円筒部分を収容する、
デバイス。
【請求項2】
前記フレーム本体は、その内側に環状フランジ部が設けられた少なくとも1つの管状部分を有し、それにより、前記第1の円筒シート部および前記第2の円筒シート部のうちの少なくとも1つを画定する、
請求項に記載のデバイス。
【請求項3】
一連の開口部が、前記環状フランジ部上に与えられ、一連のねじ付き穴が、前記継手の前記第1の円筒部分および前記第2の円筒部分上に与えられ、前記ねじ付き穴は、ねじを用いて前記フレーム本体上に前記継手を固定すべく、前記環状フランジ部上に与えられた前記開口部と位置合わせされるために事前配置される、
請求項に記載のデバイス。
【請求項4】
前記フレーム本体は、前記第1の円筒シート部および前記第2の円筒シート部が互いに相互に直交するそれぞれの軸を有するように、全体としてL字型である、
請求項1からのいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記フレーム本体は、2つの反対向きに従って前記継手を収容することが可能であるべく、2つの対向した同軸の円筒シート部が与えられる、
請求項1からのいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記継手の前記第1の円筒部分および前記第2の円筒部分は、それぞれの円形の端壁部を有し、その上に、前記継手を前記フレーム本体にねじで固定するための1または複数のねじ付き穴が与えられる、
請求項1からのいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記継手は、
前記1または複数の電気モータを含み、カバーにより閉鎖され、前記第1の円筒部分を画定する円筒の容器と、
その端縁部と共に、前記容器に面し、前記第2の円筒部分を画定する円筒の半シェルと
を有する、
請求項1からのいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記1または複数の電気モータは、ねじによって前記容器の底部に固定され、前記ねじは、前記底部に与えられた対応する開口部を旋回し、前記1または複数の電気モータの筐体上に与えられたねじ付き穴と係合する、
請求項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記1または複数の電気モータは、その出力シャフト上にそれぞれのピニオンを保持し、それは、前記容器の外側に配置され、それにより前記半シェルの内部に含まれ、前記半シェルは、前記ピニオンにより係合される内側の歯を有する、
請求項または請求項に記載のデバイス。
【請求項10】
全体に凹部形状を有するブラケットは、各々のピニオンに関連付けられ、それは、前記電気モータと反対側で前記容器に固定され、前記ピニオンと回転自在に係合するために与えられ、それにより、前記ピニオンを前記出力シャフトから滑り出させる傾向がある作用に対して軸方向に前記ピニオンを拘束する、
請求項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記容器および前記半シェルの外側の円筒壁部は、互いに位置合わせされる、
請求項から10のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記電源および制御のユニットは、設けられた一連の前記継手の中から前記電動式の継手を特定する符号を再生するためのディスプレイを有する、
請求項1から11のいずれか一項に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、教育用途のために、共に組み合わせることができるモジュールを用いた機能デバイスに関する。
【0002】
従来技術を参照すると、市販の小型ロボットが今日存在し、それは一般に関節式アームの構成を提供し、道徳的および教育分野での研究あるいは使用のためのアクティビティに関する用途で、あるいはまた趣味目的で設計される。
【0003】
上記のロボットは、小型であるだけでなく、未熟なオペレータでさえもこれらのロボットを自分自身で正確に設置し取り付けることが可能となることを目的として、共に組み合わせることができるモジュールから成る構造を有することにより、特徴付けられる。
【0004】
ロボット工学の全体的な分野において、従来技術の米国特許第5,428,713号および米国特許第5,293,107号の文書から明らかになるように、ロボット用のモジュール構造はいずれの場合でも、以前から既に周知となっている。
【0005】
米国特許第5,293,107号の文書は、モータ駆動式の継手を介して関節方式で共に接続された一連の構造的要素を含むロボットアームに関する。これらの継手は、回転式の電気機械アクチュエータおよびそのアクチュエータの電源および制御用ユニットをそれらの内部で統合する独立したモジュールを構成する。特に、各々の継手は、一連の巻線および対応する一連の磁石を有する回転子本体を備えた固定子本体を含む。さらにまた、本体はその上に、遊星ギア減速機アセンブリを構成するように設計されるそれぞれのギアを保持する。この継手の回転子本体および固定子本体は、ロボットの他の構造的要素にボルトで固定される。
【0006】
さらに、米国特許5,428,713号の文書は、モジュール式のロボットアームに関するが、それは全く同じである一連のモジュールから構成される。この場合、各々のモジュールは、ギア減速機を備えたモータ、モータと同軸であり直接接続された制御ユニット、モータの回転の軸を共有すべく、制御ユニットから外側へ伸長する固定軸、モータの回転の軸を共有すべく、モータから外側へ伸長する回転軸、固定軸に接続される第1端部と、モータの回転の軸と平行に可動軸の方へ伸長する別の端部とを有するL字型のブラケット、および可動軸に接続される一方の端部と、モータの回転の軸と平行に固定軸の方に伸長する他方の端部とを有するさらなるL字型のブラケットを含む。
【0007】
しかしながら、今日入手可能であるモジュール式のロボット構成は、教育目的の用途に関しては満足からほど遠いことが判明している。
【0008】
[発明の目的]
この文脈において、本発明の目的は、その具体的な使用目的による一連の利点、特に、構造の単純化の点から、アセンブリの容易性および迅速性、ならびに複数の使用可能性をデバイスに与えるであろう、共に組み合わせることができるモジュールを有する構造を、教育目的の機能デバイスに提供することである。
【0009】
特に、本発明は、請求項1に規定される特徴を有する機能デバイスに関する。
【0010】
特許請求の範囲は、本発明に関し、本明細書に提供される技術的な教示の不可欠な部分を形成する。
【0011】
以下に詳細に示されるように、本明細書に説明される機能デバイスは、複数の使用構成を仮定するために提供され、特に単純で、速くて、安全な方法で組み立ておよび解体され得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面を参照して、次の説明から明らかになるであろう。図面は、単に非限定的な例として提供されるものであり、次のとおりである。
図1】本明細書に説明されるデバイスの好ましい実施形態を不等角投影図により示し、そこで、それはロボットアームの構成に組み立てられる。
図2A】本明細書に説明されるデバイスの実施形態において使用される2つの継手の各々を正面図により示す。
図2B】本明細書に説明されるデバイスの実施形態において使用される2つの継手の各々を正面図により示す。
図3図2Bの継手の分解不等角投影図を示す。
図4図3の分解表示の側面図を示す。
図5】本明細書に説明されるデバイスの好ましい実施形態において使用される支持本体の不等角投影図を示す。
図6A図5のコンポーネントを正面図において示す。
図6B図5のコンポーネントを下から見た平面図において示す。
図6C図5のコンポーネントを上面図において示す。
図6D図5のコンポーネントを断面図において示す。
図7】本明細書に説明されるデバイスの1つの実施形態において使用されるさらなる支持本体を不等角投影図により示す。
図8A図7のコンポーネントを正面図において示す。
図8B図7のコンポーネントを下から見た平面図において示す。
図8C図7のコンポーネントを上面図において示す。
図8D図7のコンポーネントを断面図において示す。
図9】本明細書に説明されるデバイスの実施形態において提供される制御および電源ユニットのタイプのブロック図を示す。
図10】本明細書に説明されるデバイスを自己駆動車両の構成において示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次の説明において、複数の実施形態の徹底した理解を提供することを目的として、様々な具体的な詳細が示される。これら実施形態は、具体的な詳細のうちの1または複数がなくても達成され得、または他の方法、コンポーネント、もしくは材料等を用いて達成され得る。その他の場合において、実施形態の様々な態様が不明瞭にならないように、既知の構造、材料、または動作は、詳細には図示または説明されていない。
【0014】
本明細書に使用される参照符号は、単に便宜上のものとして提供される。従って、保護領域または実施形態の範囲を画定するものではない。
【0015】
上述のように、本明細書に説明されるデバイスは、教育目的で、共に組み合わせることができるモジュールを有する機能デバイスである。この使用に係る明細書に関して、デバイスの使用は、デバイスによる特定の動作の性能にというよりはむしろ、機能デバイスの構造およびプログラミングの予備段階の性能のためのものである。それらは、ユーザにこれらの段階を教示すること、および/またはおよびこれらの段階を実験することを主に目的として実行される。使用の目的地は、例えば、特にロボット工学に熱心である人々の学校あるいはコミュニティと考えられ得る。
【0016】
上記のデバイスの好ましい実施形態は、図面に示される。図1において、デバイスは、ロボットアームの構成において組み立てられる一方、図10において、デバイスは、プログラム可能な駆動を有する車両構成において組み立てられる。
【0017】
本明細書に説明されるデバイスは、一連の支持本体により、さらに一連のモータ駆動式の継手により構成され、それらを介して支持本体は関節方式で共に接続されることが、ここで概して留意されるべきである。
【0018】
図示される実施形態を具体的に参照すると、デバイスは、特に、モータ駆動式の継手22および24を含み、それらは一連のフレーム本体42、44と関節方式で共に接続する。図1において、デバイスがロボットアームの構成と考える場合、ブラケットのローマ数字は、各々のコンポーネントの参照符号と並んで、それぞれの一連の内部に対応するシーケンス番号を示す。すなわち、参照符号22(II)は、一連の継手の第2電動式の継手を示し、同様に参照符号42(II)は、一連のフレーム本体の第2フレーム本体を示す。
【0019】
モータ駆動式の継手は、それぞれの回転の軸Xの周りの回転動作の個別の作動のためのユニットを構成する。特に、以下に詳細に示されるように、各々の継手は、1または複数の電気モータ、およびモータの電源および制御のためのモジュールを含む。
【0020】
ここで、本明細書に説明されるデバイスの重要な特徴によれば、デバイスの継手は、継手の上述の電気モータをそれの内部に含む固定された第1の円筒部分と、上記に言及された電気モータにより駆動され、回転移動できる第2の円筒部分とを有する。同時に、フレーム本体はそれぞれ、第1シート部および第2シート部を特定し、それらは両方ともに円筒状であり、モータ駆動式の継手の固定される円筒部分あるいは可動の円筒部分を、その上に偏りなく収容し固定するために事前配置されている。
【0021】
様々な好ましい実施形態において、図示される実施形態に示されるように、フレーム本体は、特に、2つの円筒シート部をそれぞれの軸が相互に直交した状態で配置すべく、全体としてL字型である断面プロファイルを有する。さらにまた、様々な好ましい実施形態において、図示される実施形態に示されるように、各々のフレーム本体は、2つの反対向きによる2つのモータ駆動式の継手を同時または別々に収容することが可能であるべく、2つの対向した同軸の円筒シート部がその直交側の少なくとも1つ上に設けられる。
【0022】
ここで、図面の実施形態に戻ると、継手22および24は、固定された円筒部分22A、24Aと、可動の円筒部分22Bおよび24B(図2Aおよび図2B)を有する。一方、フレーム本体42および44は、一方の側にそれぞれの円筒シート部42Aおよび44Aを有し、他方の側に2つの対向した円筒シート部42B、42Cおよび44B、44C(図6Dおよび図8D)を有する。
【0023】
継手22および24と、同じようにして、フレーム本体42および44とは、それらの寸法に関して基本的に互いに異なり、特に、継手22およびフレーム本体42は、互いに直接接続されるために事前配置されるより大きいコンポーネントを構成し、同様に、継手24およびフレーム本体44は、共に直接接続され得るより小さいコンポーネントを構成する。以下に示されるように、デバイスは代わりに、共に接続する、例えば、大きいフレーム本体42を小さい継手24と接続するためのアダプタモジュールを想定し得、逆も同様である。
【0024】
述べられたコンポーネントは、例えば、図1に示されるロボットアームを達成すべく、あるいは図10の車両を達成すべく、共に組み立てられ得る。以下に示されるように、この適応性は、複数の様式に従って、継手およびフレーム本体を共に組み立てるというこのデバイスに与えられる可能性に由来する。
【0025】
これらの基本的なコンポーネントを介して作り出すことが可能であるデバイスは、複数であることが明らかであり、実際において、この意味での可能性は、入手可能なコンポーネントの数に基本的に依存する。
【0026】
上記の態様は、いずれの場合でも、以下に提供される個別のコンポーネントの構造の詳細な検討に続いて明らかになるであろう。
【0027】
継手に関して、図3および図4に詳細に示されるより大きい継手22を特に参照されたい。
【0028】
様々な好ましい実施形態において、図示される実施形態に示されるように、継手の固定された円筒部分22Aは、管状容器202により構成され、それは、壁部201により一方の側で閉鎖され、穴の開いた外部の円筒口部203である中央部分に設けられる。壁部201に対して反対側で、円筒容器202は、カバー205により閉鎖され、それは穴の開いた内側の口部207が備えられ、容器202の中心の軸を共有する。カバー205は、従来タイプの固定部材を介して容器22Aに固定される。様々な好ましい実施形態において、図示される実施形態に示されるように、カバー205の側縁部に沿って、複数のねじ付き穴206が与えられ、同様に、容器202の端縁部に、カバー205が容器202上に組み立てられた場合に、穴206が位置合わせされる対応する位置において穴209が設けられる。この状態において、2つのコンポーネントは、関係付けられる穴に係合するねじによって、それゆえに共に固定される。
【0029】
継手は、中央が中空の軸211を含み、それは、軸受け部材208の介在により、一方の側で、それの第1端部に近接して、カバー205の口部207により、その反対側の端部に近接して、容器22Aの口部203により、回転自在に支持される。
【0030】
軸211は、リングナット213により係合される、それのねじ付き端部が口部207を通して外側へ突出し、それにより、口部207の外壁に対して軸受け部材208を固定する。
【0031】
代わりに、軸211の反対側の端部は、さらなる円筒シェル212に固定されるように設計され、それにより、継手の第2の円筒部分22Bを構成する。特に、シェル212は、容器202の壁と同一の直径である円筒側壁部と、容器に面する口縁部とを有する。
【0032】
シェル212は、円形の底壁部217を有し、その上に軸211により旋回される中央開口部219が与えられる。壁部217の外側には、中央開口部219の周りに低くされた円形シート部221が作られ、それは、軸211の端部に画定されたフランジ223により係合される。フランジ223およびシート部221の底壁部は、対応する位置に共にねじで固定されるそれぞれの穴を有する。
【0033】
内側の歯を有するリング225は、壁部217の内側に固定される。
【0034】
代わりに、複数の電気モータ227が、容器202の内部に配置され、電気モータ227の出力シャフト上には、リング225の内側の歯と係合すべく、開口部231を通して壁部201を越えて突出するそれぞれのピニオン229が組み立てられる。
【0035】
様々な好ましい実施形態において、モータ227は、一体化された減速機モジュールを有する。様々な好ましい実施形態において、図示される実施形態に示されるように、ブラケット233は、各々のモータまたはモータ減速機227と関連付けられ、それは、壁部201の外側に取り付けられ、軸方向にピニオン229を拘束すべく、それの端部と回転自在に係合するように設計されるピン233Bを備えた中央部分を有する。ピンのこのアセンブリモードは、モータ/モータ減速機の軸上の応力の減少を可能にする。
【0036】
さらに、ブラケット233は、2つの穴の開いた側部を有し、それらは、壁部201に与えられた穴に対応する位置にそれら自身をセットするように設計される。同一の穴のエリアであるが、壁部の内側に、モータ227が代わりに、それの筐体に作られたねじ付き穴を提供する。ブラケット233の側部の穴に挿入され、壁部201を旋回した後、モータの筐体上に与えられたねじ付き穴に到達するねじによって、モータ227、ブラケット233および壁部201は、単一の工程において共に固定される。述べられたように、この状態において、ブラケット233の中央のピン233Bは、ピニオン229を軸方向に拘束する。
【0037】
シェル212(上述されたように、継手の可動な円筒部分22Bを構成する)は、モータ227、ピニオン229およびリング225により構成される駆動システムの結果として、継手の軸Xの周りの回転がセットされる。シェル212および容器202間のセットは、低摩擦の樹脂材料でできた環状要素237であり、それは、シェル212の端縁部に固定されることが、さらに留意されるべきである。この要素は、円筒部分239を有し、好ましくは、容器202およびシェル212の壁部と実質的に同一の直径を有し、それ自体を容器202の壁部201と摺動結合関係にセットする。要素237は、継手のコンポーネントを外部環境から分離すると同時に、シェル212および容器202と互いに連結する部分を摩耗から保護する機能を果たす。
【0038】
継手の電源および制御ユニット280は、カバー205の外側に固定される。様々な好ましい実施形態において、図示される実施形態に示されるように、これは、カバー205上に直接固定され、外部から直接アクセス可能である様々な電子コンポーネントをその上に保持する1または複数のプリント回路基板(PCB)により構成される。
【0039】
このユニットは、図9に機能ブロックの程度で表される。この図を参照すると、ユニットは、制御モジュール282、移動検知デバイス284(例えば、1または複数の加速度計を含む)、1または複数の通信モジュール、特に、無線通信モジュール286(例えば、Wi-Fiあるいはブルートゥース(登録商標)通信プロトコルを用いる)および有線データアクセスモジュール288、モータを駆動するための回路、特に、MOSFET駆動回路290、好ましくは、Hブリッジを含む、および信号増幅器モジュール292(後者はさらに、場合により駆動回路の一部を形成する)を含む。
【0040】
様々な好ましい実施形態において、ユニット280はさらに、オペレータに都合よく、具体的な用途に対して想定される一連の継手の個別の継手を特定する符号を再生する小ディスプレイ294を含む。例えば、図1のデバイスを参照すると、第2継手22(II)と関連しているディスプレイは、ローマ数字「II」を再生し得る。この情報は、制御モジュール282に含まれる。
【0041】
各々の継手の制御ユニット280は、具体的なプロトコルとは独立してプログラムされることとなる。
【0042】
さらに、様々な好ましい実施形態において、各々の継手は、エンコーダ228は、モータ227の少なくとも1つと関連付けられ(図4参照)、制御モジュール282との信号接続がセットされる。
【0043】
好ましくは、本明細書に説明される機能デバイスはさらに、中央制御ユニット302を含み、様々な継手のユニット280がそれと通信し、中央制御ユニット302は、例えば、センサデバイス284と、エンコーダ282とから得られる信号に基づき、様々な継手を共に調整するための制御信号をユニットに送信するために構成される。このユニット302は、パーソナルコンピュータを介してプログラムされるために構成され得る(図1参照)。さらに、ユニット302は、様々な継手の電力供給用のバッテリパックを含み得る。様々な継手の中央ユニット302との電気および/または信号接続は、それぞれの中空軸211の内部に伸びる、様々な継手を通過する配線によって達成され得る。
【0044】
フレーム本体に関して、ここで図5および6A-Dに示されるフレーム本体42に参照がなされる。
【0045】
この本体は、円形の断面が同一の直径を有した2つの管状部分412および414を有し、それぞれの軸I1およびI2が互いに直交し、同時に1つの同一の平面に含まれるように、互いに方向を合わせられる。これらの部分は、凹部の接続面416により共に接続され、それは、その内部にフレーム本体の構造を強化するように設計される一連の肋材を有する。それの実質的に中央の断面において、2つの部分414および412は、それぞれの内部の環状フランジ部413および417を有する。
【0046】
図6Dを参照すると、フランジ413は、部分412の下にある領域と共に、上記に言及された円筒シート部42Aを特定する。一方、内部のフランジ部417は、管状部分414を2つの実質的に等しい部分に分割し、これらと共に、上記に言及された2つの円筒シート部42Bおよび42Cを画定し、本図に示されるように、それらは、反対方向に向いている。
【0047】
シート部42A、42Bおよび42Cの各々は、継手22の円筒部分22Aおよび22Bの各々との形状適合を達成するために事前配置される。この関連において、部分414および412の内径は、これらの外壁部が、実質的にそれらの全周に、シート部の内壁部と実質的に同一平面にセットされている状態に従って、上記に示されたシート部が、円筒部分22Aおよび22Bを収容する円筒部分を収容するように選択されることが、留意されるべきである。
【0048】
対応する穴279、特にねじ付き穴と位置合わせされるために事前配置される複数の開口部419が、フランジ部413および417上に与えられ、継手の、特にそのカバー205上の固定された円筒部分と、継手の、特にその円形の壁部217上の可動部分との両方に作られることは、留意されるべきである。これらの穴部および開口部により、継手が簡易なねじでフレーム本体のシート部に固定されることを可能にする。
【0049】
様々な好ましい実施形態において、図示される実施形態に示されるように、継手により占有されていないシート部は、単に美的な目的で、ファスキア48により閉鎖され得る。
【0050】
上記に述べられたように、継手24およびフレーム本体44は、継手22とフレーム本体42とに関して上記に説明された実質的に同一の構造と、同一の工程様式を有する。
【0051】
ここで図1に戻ると、図示されたロボットアームの構成は、複数の様式に従って継手およびフレーム本体を共に組み立てるという示された可能性を利用することにより達成される。
【0052】
実際、参照符号42(I)により示される第1フレーム本体に関して、そのシート部42Aにおいて第1継手22(I)の可動部分22Bと、そのシート部42Bにおいて第2継手22(II)の固定部分とを収容する。
【0053】
第2フレーム本体42(II)は、代わりに、そのシート部42Bにおいて第2継手22(II)の可動部分と、代わりに、そのシート部42Aでスペーサ要素(図示せず)とを収容し、それは、このフレーム本体を、次のフレーム本体、すなわち、第3フレーム本体42(III)に強固に固定するように設計される。
【0054】
第3フレーム本体42(III)は、そのシート部42Aにおいて今述べたスペーサ要素と、そのシート部42Bにおいて第3継手22(III)の固定部分とを収容する。
【0055】
第4フレーム本体42(IV)は、そのシート部42Bにおいて第3継手22(III)の可動部分と、そのシート部42Aにおいてアダプタ(図示せず)とを収容し、その内部に第4継手24(IV)の固定部分が収容される。
【0056】
第5フレーム本体44(V)は、そのシート部44Aにおいて第4継手24(IV)の可動部分と、そのシート部44Bにおいて第5継手24(V)の固定部分とを収容する。
【0057】
最後に、第6フレーム本体44(VI)は、そのシート部44Aにおいて第5継手24(V)の可動部分と、そのシート部44Cにおいて第6継手24(VI)の固定部分とを収容する。
【0058】
ここで図10に示される構成を参照すると、図示されるプログラム可能な車両は、図1の同一の中央ユニット302により構成されるフレーム本体と、ステアリング用の前輪アセンブリ62と、2つの後輪アセンブリ64とを含み、後輪アセンブリ64は、継手およびフレーム本体の様々な組み合わせにより構成される。
【0059】
特に、前輪アセンブリ62は、フレーム本体44により構成され、それは、その3つのシート部44A、44Bおよび44Cの内部に、同数の継手24の固定部分24Aを収容する。シート部44Bおよび44Cの内部に収容される継手24は、それらの可動部分24Bによってそれぞれの車輪のハブに接続される。シート部44Aの内部に収容される継手24は、その可動部分24Bを介して、代わりに中央ユニット382に接続される。始めの2つの継手24は、モータ部材として動作する一方、第3継手は、ステアリング機能を果たす。
【0060】
一方、後輪アセンブリ64はそれぞれ、そのシート部42Aを介して車両のフレームに接続されるフレーム本体42により構成され、代わりに、シート部42Cの内部に、継手22の固定部分22Aを収容する。この継手の可動部分22Bは、代わりに、それぞれの車輪のハブに接続される。
【0061】
中央ユニット302の車両の構造の一部としての使用により、配線の使用なしで済ませることを可能にし、これにより、車両それ自体の移動を容易にすることは、留意され得る。
【0062】
継手のフレーム本体および筐体は、金属、例えば、アルミニウムで作られ得、あるいはポリマ材料、好ましくは、様々な本体の射出成形に適しているポリマ材料、例えば、ガラス繊維充填剤を有するポリアミドで作られ得る。
【0063】
前述に照らすと、本明細書に説明されるデバイスの利点は、ここで明らかである。一方では、それは、機能的構成の広い範囲を仮定する可能性を与え、それによりユーザのプランニングおよびプログラミングの関心および能力を刺激する。さらに、そのコンポーネントは、実際には、わずかに少数のねじで十分である以上は、急速に組み立てられ、解体され得るが、同時に、その取り付け部分を特徴付ける、上記に説明される円筒ジオメトリのおかげで、固定された安全な接続を提供し得る。
【0064】
もちろん、本発明の原理を損なうことなく、構造の詳細および実施形態は、本明細書に単に非限定的な例として示されるものに対して添付の特許請求の範囲によって規定されるように、それにより本発明の範囲から逸脱することなく顕著にさえ変化し得る。
[項目1]
1または複数のフレーム本体と、
1または複数のモータ駆動式の継手であって、上記継手の各々は、
1または複数の電気モータ、
上記1または複数の電気モータの電源および制御のユニット、ならびに
固定された第1の円筒部分および可動の第2の円筒部分
を有する電動式の継手と
を備えるタイプの、特にロボットである機能デバイスであって、
上記第1の円筒部分は、その内部に、上記1または複数の電気モータを含み、
各々のフレーム本体は、第1の円筒シート部および第2の円筒シート部を特定し、上記第1の円筒シート部および上記第2の円筒シート部は、それらの上に偏りなく上記第1の円筒部分または上記第2の円筒部分を収容し、固定するために事前配置される、
デバイス。
[項目2]
上記フレーム本体の上記第1の円筒シート部および上記第2の円筒シート部の直径と、上記継手の上記第1の円筒部分および上記第2の円筒部分の直径とは、実質的に等しく、それにより、上記第1の円筒シート部および上記第2の円筒シート部は、上記第1の円筒部分および上記第2の円筒部分の外壁部が、その全周に沿って上記第1の円筒シート部および上記第2の円筒シート部の内壁部と同一平面にセットされた状態に従って上記第1の円筒部分および上記第2の円筒部分を収容する、
項目1に記載のデバイス。
[項目3]
上記フレーム本体は、その内側に環状フランジ部が設けられた少なくとも1つの管状部分を有し、それにより、上記第1の円筒シート部および上記第2の円筒シート部のうちの少なくとも1つを画定する、
項目1または項目2に記載のデバイス。
[項目4]
一連の開口部が、上記環状フランジ部上に与えられ、一連のねじ付き穴が、上記継手の上記第1の円筒部分および上記第2の円筒部分上に与えられ、上記ねじ付き穴は、ねじを用いて上記フレーム本体上に上記継手を固定すべく、上記環状フランジ部上に与えられた上記開口部と位置合わせされるために事前配置される、
項目3に記載のデバイス。
[項目5]
上記フレーム本体は、上記第1の円筒シート部および上記第2の円筒シート部が互いに相互に直交するそれぞれの軸を有するように、全体としてL字型である、
項目1から4のいずれか一項に記載のデバイス。
[項目6]
上記フレーム本体は、2つの反対向きに従って上記継手を収容することが可能であるべく、2つの対向した同軸の円筒シート部が与えられる、
項目1から5のいずれか一項に記載のデバイス。
[項目7]
上記継手の上記第1の円筒部分および上記第2の円筒部分は、それぞれの円形の端壁部を有し、その上に、上記継手を上記フレーム本体にねじで固定するための1または複数のねじ付き穴が与えられる、
項目1から6のいずれか一項に記載のデバイス。
[項目8]
上記継手は、
上記1または複数の電気モータを含み、カバーにより閉鎖され、上記第1の円筒部分を画定する円筒の容器と、
その端縁部と共に、上記容器に面し、上記第2の円筒部分を画定する円筒の半シェルと
を有する、
項目1から7のいずれか一項に記載のデバイス。
[項目9]
上記1または複数の電気モータは、ねじによって上記容器の底部に固定され、上記ねじは、上記底部に与えられた対応する開口部を旋回し、上記1または複数の電気モータの筐体上に与えられたねじ付き穴と係合する、
項目8に記載のデバイス。
[項目10]
上記1または複数の電気モータは、その出力シャフト上にそれぞれのピニオンを保持し、それは、上記容器の外側に配置され、それにより上記半シェルの内部に含まれ、上記半シェルは、上記ピニオンにより係合される内側の歯を有する、
項目8または項目9に記載のデバイス。
[項目11]
全体に凹部形状を有するブラケットは、各々のピニオンに関連付けられ、それは、上記電気モータと反対側で上記容器に固定され、上記ピニオンと回転自在に係合するために与えられ、それにより、上記ピニオンを上記出力シャフトから滑り出させる傾向がある作用に対して軸方向に上記ピニオンを拘束する、
項目10に記載のデバイス。
[項目12]
上記容器および上記半シェルの外側の円筒壁部は、互いに位置合わせされる、
項目8から11のいずれか一項に記載のデバイス。
[項目13]
上記電源および制御のユニットは、設けられた一連の上記継手の中から上記電動式の継手を特定する符号を再生するためのディスプレイを有する、
項目1から12のいずれか一項に記載のデバイス。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10