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特許7007044医療デバイスから空気を除去するための方法、キットおよびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】医療デバイスから空気を除去するための方法、キットおよびシステム
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/95 20130101AFI20220117BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20220117BHJP
   A61M 5/36 20060101ALI20220117BHJP
【FI】
A61F2/95
A61M25/00
A61M5/36
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2018506996
(86)(22)【出願日】2016-08-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-09-20
(86)【国際出願番号】 IB2016001237
(87)【国際公開番号】W WO2017025800
(87)【国際公開日】2017-02-16
【審査請求日】2019-08-07
(31)【優先権主張番号】62/203,624
(32)【優先日】2015-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518044099
【氏名又は名称】モキタ メディカル ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ケルベル、ティロ
【審査官】上石 大
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-137060(JP,A)
【文献】特開平07-136255(JP,A)
【文献】特表2011-526802(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0181157(US,A1)
【文献】実表昭59-500001(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/95
A61M 25/00
A61M 5/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
体外で医療デバイスからガスを除去するための方法であって、
ガスをフラッシュ溶液へと吸収させるためのフラッシュ溶液源を提供する段階と、
前記医療デバイスを前記フラッシュ溶液源からの前記フラッシュ溶液に曝露して、前記医療デバイスからガスを除去する段階と、
を備え、
前記フラッシュ溶液は、パーフルオロカーボン、及び、脱気済みパーフルオロカーボンから成る群から選択される、
方法。
【請求項2】
前記パーフルオロカーボンまたは前記脱気済みパーフルオロカーボンは、前記パーフルオロカーボンまたは前記脱気済みパーフルオロカーボンを含むエマルジョンを有する、
請求項に記載の前記体外における方法。
【請求項3】
前記パーフルオロカーボンまたは前記脱気済みパーフルオロカーボンは、ペルフルブロン、パーフルオロデカリン、パーフルオロトリブチルアミン、パーフルオロヘキサン、パーフルオロノナン、パーフルオロペンタン、パーフルオロジクロロオクタンおよびパーフルオロ‐15‐クラウン‐5‐エーテルのうちの1つを含む、
請求項またはに記載の前記体外における方法。
【請求項4】
前記医療デバイスは、カテーテルアセンブリを含む、
請求項1からのいずれか一項に記載の前記体外における方法。
【請求項5】
前記カテーテルアセンブリは、デリバリー状態で拘束されたステントグラフトを運び、
前記方法は、前記ステントグラフトを前記フラッシュ溶液源に浸して、前記ステントグラフトに閉じ込められているガスを除去する段階を備える、
請求項に記載の前記体外における方法。
【請求項6】
前記カテーテルアセンブリは、デリバリー状態で拘束されたステントグラフトを運び、
前記方法は、前記カテーテルアセンブリのルーメンを通じて前記フラッシュ溶液をフラッシュして、前記ステントグラフトに閉じ込められているガスを除去する段階を備える、
請求項またはに記載の前記体外における方法。
【請求項7】
前記医療デバイスをガスで予めフラッシュして空気を移動させる段階をさらに備える、
請求項1からのいずれか一項に記載の前記体外における方法。
【請求項8】
前記ガスは、二酸化炭素と生体不活性ガスとから成る群から選択される、
請求項に記載の前記体外における方法。
【請求項9】
前記フラッシュ溶液で前記医療デバイスをフラッシュした後に生理食塩水で前記医療デバイスをフラッシュする段階をさらに備える、
請求項1に記載の前記体外における方法。
【請求項10】
医療デバイスと、
前記医療デバイスの使用についての命令と、
を備え、
使用についての前記命令は、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法を実行して前記医療デバイスからガスを除去するための命令を有する、
キット。
【請求項11】
ガスをフラッシュ溶液へと吸収させて前記医療デバイスからガスを除去するためのフラッシュ溶液源をさらに備える、
請求項10に記載のキット。
【請求項12】
医療デバイスと、
前記医療デバイスの使用についての命令と、
を備え、
使用についての前記命令は、前記医療デバイスからガスを除去するための方法を実行して前記医療デバイスからガスを除去するための命令を有し、
前記方法は、
ガスをフラッシュ溶液へと吸収させるためのフラッシュ溶液源を提供する段階と、
前記医療デバイスを前記フラッシュ溶液源からの前記フラッシュ溶液に曝露して、前記医療デバイスからガスを除去する段階と、
を有し、
前記フラッシュ溶液は、パーフルオロカーボン、及び、脱気済みパーフルオロカーボンから成る群から選択される、
キット。
【請求項13】
前記パーフルオロカーボンまたは前記脱気済みパーフルオロカーボンは、前記パーフルオロカーボンまたは前記脱気済みパーフルオロカーボンを含むエマルジョンを有する、
請求項12に記載のキット。
【請求項14】
前記パーフルオロカーボンまたは前記脱気済みパーフルオロカーボンは、ペルフルブロン、パーフルオロデカリン、パーフルオロトリブチルアミン、パーフルオロヘキサン、パーフルオロノナン、パーフルオロペンタン、パーフルオロジクロロオクタンおよびパーフルオロ‐15‐クラウン‐5‐エーテルのうちの1つを含む、
請求項12または13に記載のキット。
【請求項15】
前記フラッシュ溶液源をさらに備える、
請求項12から14までの何れか一項に記載のキット。
【請求項16】
近位端と、遠位端と、前記近位端と前記遠位端との間に延在するルーメンと、前記ルーメンと連通する、前記近位端上のポートとを有する細長いデリバリーデバイスと、
前記ルーメン内で前記細長いデリバリーデバイスにより運ばれるプロテーゼと、
ガスをフラッシュ溶液へと吸収させるためのフラッシュ溶液源であって、前記フラッシュ溶液で前記ルーメンをフラッシュして前記プロテーゼおよび前記ルーメンのうちの一方または両方からガスを除去するための前記ポートに接続可能なフラッシュ溶液源と、
を備え、
前記フラッシュ溶液は、パーフルオロカーボン、及び、脱気済みパーフルオロカーボンから成る群から選択される、
医療デバイスから空気をフラッシュするためのシステム。
【請求項17】
前記パーフルオロカーボンまたは前記脱気済みパーフルオロカーボンは、前記パーフルオロカーボンまたは前記脱気済みパーフルオロカーボンを含むエマルジョンを含む、
請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記パーフルオロカーボンまたは前記脱気済みパーフルオロカーボンは、ペルフルブロン、パーフルオロデカリン、パーフルオロトリブチルアミン、パーフルオロヘキサン、パーフルオロノナン、パーフルオロペンタン、パーフルオロジクロロオクタンおよびパーフルオロ‐15‐クラウン‐5‐エーテルのうちの1つを含む、
請求項16または17に記載のシステム。
【請求項19】
前記プロテーゼは、ステントグラフト、ステントおよびコイルのうちの1つを有する、
請求項16から18のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項20】
二酸化炭素および生体不活性ガスのうちの一方を有するガス源であって、前記ガスで前記ルーメンを予めフラッシュして前記プロテーゼおよび前記ルーメンのうちの一方または両方から空気を移動させるための前記ポートに接続可能なガス源をさらに備える、
請求項16から19のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば患者の身体への挿入の前または後に、医療デバイス(例えば、ステントグラフト、ステント、コイルおよびそれらのデリバリーシステム)からガスを除去して、空気塞栓症のリスクを低減するためのデバイス、システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
血管内大動脈修復(EVAR)は、大動脈の病状を治療するために用いられる血管内手術の一種である。最も一般的なEVAR治療は腹部大動脈瘤に関するものであるが、多くの異なる種類の大動脈の病状がEVARにより治療されている。胸部大動脈疾患を治療するために用いられる場合には、この処置は特に、TEVAR(胸部血管内大動脈/動脈瘤修復)と呼ばれる。この処置は、大動脈を直接手術することなく大動脈疾患を治療するために拡張可能なステントグラフトを大動脈内に配置することを伴う。2003年に、EVARは、腹部大動脈瘤の修復のための最も一般的な手法としての開腹大動脈手術を上回り、2010年には、米国における全ての無傷での腹部大動脈瘤修復のうちの78%を占めた。
【0003】
この処置は、血管外科医、心臓外科医、インターベンショナル放射線専門医、一般外科医またはインターベンショナル心臓専門医により、滅菌環境においてX線透視誘導下で実行される。患者の大腿動脈は概して、例えば鼠蹊部における外科的切開または直接穿刺で、経皮的にアクセスされる。血管シースが患者の大腿動脈に挿入され、そこを通じて1または複数のガイドワイヤ、カテーテルおよびステントグラフトが挿入される。ステントグラフトは、血液が流れるようにするための人工ルーメンとして機能し、それにより、直接の血流、および血圧から動脈瘤嚢を実質的に隔離し、それにより、さらなる拡大および破裂を阻止する。ステントグラフトは、カテーテル、イントロデューサーシースまたは他のデリバリーシステムの中へと圧縮され、それらにより、ステントグラフトは、圧縮されて大腿動脈から意図された展開場所に挿入されることが可能になる。
【0004】
ステントグラフトは通常、織物材料および金属フレームまたは金属ばね/ステントのアセンブリであり、カテーテルアセンブリに搭載される。脈管系に挿入された場合、ステントグラフトは、直径がより小さくなるように拘束され、拘束スリーブなどの異なる手法による、またはイントロデューサーシースへの装填による挿入が可能になる。ステントグラフト、ステントおよびそれらのカテーテルアセンブリは通常、室内気条件下で生産され、拘束され、詰め込まれ、滅菌される。その結果、ステントグラフトまたはステントおよび/またはカテーテルアセンブリによって満たされていない、拘束スリーブまたは拘束シースの内部の空間は概して、室内気を含有している。減菌のために、当該アセンブリは、例えばエチレンオキシド含有ガスでの真空を用いて、ガスが浸透可能である滅菌済みパッケージに詰め込まれる。当該ガスは、ガス減菌処理の後半のステップとしての真空の反復および室内気の換気により除去される。故に、生成物がその滅菌パッケージに送り込まれた場合、ステントグラフトアセンブリ内には概して、空気が存在する。
【0005】
手術室において、ステントグラフトアセンブリは、滅菌条件下でそれらのパッケージからアンパックされる。脈管系への挿入の前に、通常、カテーテルアセンブリの一部であるフラッシュポートを通じて挿入されるシースを生理食塩水などの等張性の溶液でフラッシュすることにより、いくつかのステントグラフトおよびそれらのカテーテルアセンブリから空気が除去される。Gore TAGデバイスおよびcTAGデバイスなどのスリーブを用いて拘束されるステントグラフトは通常、フラッシュしてアセンブリから室内気を除去することなく、脈管系に挿入される。
【0006】
胸部大動脈中でのステントグラフトの展開に脳卒中の大きなリスクが伴うことは、よく認識されている。これは、10%程度であると報告されており、TEVARの主な欠点である。
【0007】
レトロスペクティブ研究が行われてきたが、TEVARの合併症としての脳卒中の病理メカニズムはよく知られていない。概して、脳卒中の主な原因は、ワイヤ、カテーテル、シースおよびステントグラフトによる展開中の操作により放出される、血栓症およびアテローム性動脈硬化による物質が大動脈壁に付着することから生じる、粒子による塞栓症であると考えられている。TEVAR中にステントグラフトから閉じ込められている空気が放出されることによる空気塞栓症は、フラッシュの手法にかかわらず、そのような脳卒中の大きな原因であり得る。しかしながら、そのような事象を検出することは困難であり続けてきた。なぜなら、閉じ込められている空気は、見えず、患者が目覚めた後にのみ初めて認識され得るからである。
【0008】
開胸手術中の空気塞栓症および脳卒中のリスクはよく知られており、例えば開心手術および神経手術において、予防戦略が採用されてきた。血管内デバイス内の空気がヒトの身体に入り込むのを回避するための予防戦略には、カテーテル、ステント(被覆されていない金属ステント)、コイルおよび他のデバイスの内部に存在する空気を患者の脈管系にこれらのデバイスを挿入する前に機械的に押し出すための、広範囲にわたる生理食塩水でのフラッシュが含まれる。生理食塩水でのそのようなフラッシュは概して、これらの応用においてよく機能する。なぜなら、空気はほとんど完全に除去され得、そのようなフラッシュは概して、これらのデバイスの使用についての命令の一部であるからである。
【0009】
ステントグラフト(金属ステントにより支持されるプロテーゼ血管グラフト)を用いた、生理食塩水溶液でのフラッシュは、身体への挿入の前に空気を除去するようによく機能しない可能性がある。しかしながら、これは、ほとんどの処置において現在広く推奨され用いられている方法である。ステントグラフトはステントと織物カバーとの組み合せなので、従来の生理食塩水での機械的なフラッシュは、よく機能しない可能性がある。なぜなら、織物は、空気を完全に除く能力を著しく阻害するからである。また、圧縮の度合いなどの要因が「閉じ込められている空気」の量に影響を及ぼし得る。
【0010】
別の要因は、近年のステントグラフトおよびそれらのデリバリーシステムにおける側枝および他の先進的な器具の存在である。これらは、フラッシュ中に空気が圧縮され得るが、絞り出されはしないポケットを生じさせ得る。次に、閉じ込められている空気は、処置の血管内での展開中に放出され得るが、処置中は視覚的に認識され得ない。なぜなら、空気は、概してそのような処置に用いられる蛍光透視の下では見えないからである。例えば図1に示されるように、放出された空気は、処置の数日後に、動脈瘤嚢内の腹部大動脈瘤についてのEVARの後の術後CTスキャンで見えるようになり得る。そのような出現はほとんど無視される。なぜなら、この空気は、多くの害を引き起こすようには思われず、数週間内に再吸収されることが期待されるからである。
【0011】
また、閉じ込められている空気は、脳への供給を担う動脈、大動脈幹血管、例えば、無名動脈、左総頸動脈および左鎖骨下動脈に近い、大動脈の部分においてステントグラフトが展開された場合、放出され得る。そのような閉じ込められている空気が放出された場合、脳への空気塞栓症のリスクがある。これらのステントグラフトが冠状動脈の近くで解放され、心筋梗塞のリスクと共に冠状動脈への空気塞栓症のリスクをもたらす場合にも同じことが当てはまる。故に、ステントグラフトおよび/またはそれらのデリバリーシステムが脈管系に挿入される前にそれらからの空気の除去が不十分であることは、TEVAR中の脳卒中の大きな原因となり得る。
【0012】
空気が神経放射線の処置において用いられる他の医療デバイスから放出されることも既知である。例えば、脳動脈に挿入されるステントおよびコイルならびにそれらのデリバリーアセンブリも空気を含有し得、それにより脳の損傷を潜在的に引き起こし得る。
【0013】
従って、医療デバイス、特に、ステントグラフト、ステント、コイルおよびそれらのデリバリーシステムからの空気または他のガスの除去を促進して塞栓症のリスクを低減するデバイスおよび方法は、有用であろう。
【発明の概要】
【0014】
本発明は、患者の身体への挿入の前または後に、例えばステントグラフト、ステント、コイルおよびそれらのデリバリーシステムといった医療デバイスからガスを除去して、空気塞栓症のリスクを低減するためのデバイスおよび方法に関する。
【0015】
一実施形態に従って、医療デバイスをフラッシュするためのシステムが提供される。医療デバイスは、近位端と、遠位端と、近位端と遠位端との間に延在するルーメンと、ルーメンと連通する、近位端上のポートとを有する細長いデリバリーデバイスと、ルーメン内でデリバリーデバイスにより運ばれるプロテーゼとを備える。システムは、二酸化炭素および生体不活性ガスのうちの一方を有するガス源であって、ガスでルーメンをフラッシュしてプロテーゼおよびルーメンのうちの一方または両方の内部の空気をガスと入れ替えるためのポートに接続可能なガス源と、溶液でルーメンをフラッシュしてガスをプロテーゼおよびルーメンのうちの一方または両方から溶液へと吸収させるためのポートに接続可能なパーフルオロカーボン溶液源とを備える。
【0016】
別の実施形態に従って、医療デバイスを準備するための方法が提供される。方法は、ガスで医療デバイスをフラッシュして医療デバイスから空気を移動させる段階と、その後、パーフルオロカーボンで医療デバイスをフラッシュしてガスを溶解および除去する段階とを含む。
【0017】
さらに別の実施形態に従って、医療デバイスから空気をフラッシュするためのシステムが提供される。システムは、近位端と、遠位端と、近位端と遠位端との間に延在するルーメンと、ルーメンと連通する、近位端上のポートとを有する細長いデリバリーデバイスと、ルーメン内でデリバリーデバイスにより運ばれるプロテーゼと、溶液でルーメンをフラッシュしてプロテーゼおよびルーメンのうちの一方または両方から空気を除去するためのポートに接続可能なパーフルオロカーボン溶液源とを含む。
【0018】
なおも別の実施形態に従って、医療デバイスからガスを除去するための方法が提供される。方法は、パーフルオロカーボン源を提供する段階と、パーフルオロカーボン源からのパーフルオロカーボンに医療デバイスを曝露して医療デバイスから空気を除去する段階とを含む。
【0019】
さらに別の実施形態に従って、医療デバイスからガスを除去するための方法が提供される。方法は、パーフルオロカーボンで医療デバイスをフラッシュする段階と、生理食塩水、二酸化炭素および生体不活性ガスのうちの1つまたは複数で医療デバイスを別途フラッシュする段階とを含む。
【0020】
別の実施形態に従って、ステントグラフトおよびそのデリバリーシステムのうちの一方または両方から空気を除去するための方法が提供される。方法は、ステントグラフトから一定量の空気を除去するのに十分な時間をかけて、ステントグラフトもしくはそのデリバリーシステムまたはそれらの両方をパーフルオロカーボンと接触させる段階と、その後、ステントグラフトを患者の身体に挿入する段階とを含む。パーフルオロカーボン溶液は、ステントグラフト内の空気を機械的に除き得るだけでなく、ステントグラフトおよび/またはそのデリバリーシステムに存在する空気を吸収し得、それにより、ステントグラフトが患者の身体内で挿入され、展開される場合に空気塞栓症のリスクを低減し得る。例えば、脱気済みパーフルオロカーボンは、空気に対して比較的高い溶解度を有し得、その結果、空気を容易に溶解して、患者の身体内での曝露からそれを除去し得る。
【0021】
別の実施形態に従って、ステントグラフトおよびそのデリバリーシステムのうちの一方または両方から空気を除去するための方法が提供される。方法は、ステントグラフトから一定量の空気を除去するのに十分な時間をかけて、ステントグラフトもしくはそのデリバリーシステムまたはそれらの両方を、1または複数のパーフルオロカーボンを含むエマルジョンと接触させる段階と、その後、ステントグラフトを患者の身体に挿入する段階とを含む。
【0022】
さらに別の実施形態に従って、ステントグラフトおよびそのデリバリーシステムのうちの一方または両方から空気を除去するための方法が提供される。方法は、ステントグラフトもしくはそのデリバリーシステムまたはそれらの両方を、ステントグラフトから一定量の空気を除去するのに十分な時間をかけて、パーフルオロカーボンもしくは生理食塩水またはそれらの両方を含む脱気済み溶液と接触させる段階と、その後、ステントグラフトを患者の身体に挿入する段階とを含む。
【0023】
なおも別の実施形態に従って、ステントグラフトおよびそのデリバリーシステムのうちの一方または両方から空気を除去するための方法が提供される。方法は、ステントグラフトから一定量の空気を除去するのに十分な圧力で、かつ十分な時間をかけて、ステントグラフトもしくはそのデリバリーシステムまたはそれらの両方を、二酸化炭素、およびヘリウムまたはアルゴンなどの1または複数の生体不活性ガスのうちの一方または両方と接触させる段階と、その後、ステントグラフトから一定量の二酸化炭素、およびヘリウムまたはアルゴンなどの1または複数の生体不活性ガスを除去するのに十分な時間をかけて、ステントグラフトもしくはそのデリバリーシステムまたはそれらの両方を、例えば生理食塩水もしくはパーフルオロカーボン、またはパーフルオロカーボンもしくは生理食塩水またはそれらの両方を含有する脱気済み溶液を含む別のフラッシュ溶液でフラッシュする段階と、その後、患者の身体にステントグラフトを挿入する段階とを含む。
【0024】
本発明の他の態様および特徴が、添付の図面と併せて考慮される以下の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図面は、本発明の例示的な実施形態を示す。
図1】EVAR処置中のステントグラフトの植え込みの後に放出された空気を示す、術後のCTスキャンの例である。
図2】ステントグラフトを運ぶイントロデューサーシースの側面図であり、パーフルオロカーボン源を用いてステントグラフトおよびイントロデューサーシースから空気を除去するための例示的なシステムを示す。
図2A】2A-2Aでの図2のシステムの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
ステントグラフト、ステント、コイルまたは他のプロテーゼおよびそれらのデリバリーシステムに存在する空気の量を減少させると、空気塞栓症から生じ得る脳卒中および/または他の損傷の事象を減少させ得る。例示的な実施形態に従って、パーフルオロ化合物(または「PFC」)を用いて、例えばフラッシュ中に空気を吸収することにより、ステントグラフト、ステント、コイルおよび/またはそれらのデリバリーシステムなどの医療デバイスをフラッシュするシステムおよび方法が提供される。加えて、PFCは、他のガスでフラッシュした後に(それらのガスを用いて空気をフラッシュしきった後に)医療デバイスをフラッシュしてそれらのガスを除去するために用いられ得る。パーフルオロカーボン液体溶液は、医療デバイス内の空気(または空気を除去するために用いられる他のガス)を機械的に除き得るだけでなく、医療デバイスに存在する空気(または他のガス)を吸収し得、それにより、医療デバイスが患者の身体内に挿入され、および/または展開される場合に空気塞栓症のリスクを低減し得る。例えば、脱気済みパーフルオロカーボンは、空気、および二酸化炭素などの他のガスに対して比較的高い溶解度を有し得、その結果、空気を容易に溶解して、患者の身体内での曝露からそれを除去し得る。
【0027】
ペルフルブロン、パーフルオロデカリン、パーフルオロトリブチルアミン、パーフルオロヘキサン、パーフルオロノナン、パーフルオロペンタン、パーフルオロジクロロオクタン、パーフルオロ‐15‐クラウン‐5‐エーテルおよび同様のものなど、任意の既知の医薬品グレードのパーフルオロカーボンが使用され得る。例示的な実施形態において、パーフルオロカーボンは、エマルジョンの形態でも使用され得る。一例が、プルロニックF-68またはF-127などの、ポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレンのポリマである非イオン性界面活性剤で乳化されたパーフルオロトリブチルアミンである。
【0028】
パーフルオロカーボンは、肺および循環器の中で研究されてきており、生体不活性であること、吸収されるのが最小限であること、および有害な組織学的、細胞的または生化学的な影響がないことが分かっている。この分子は、大き過ぎて代謝されず、肺、尿および便の中では取り除かれ得る。また、それらは、非常に高い蒸気圧を有し、従ってすぐに蒸発する。
【0029】
パーフルオロ化合物(例えば、パーフルオロカーボン)は既に、「液体呼吸」において使用されている。液体呼吸は、正常に空気呼吸している生物が空気を吸うよりもむしろ高酸素の液体(パーフルオロカーボン)を吸う呼吸の一形式である。この処置は、この種類の化合物の一般的な特性が呼吸ガスに対する高溶解度であることを利用している。実際に、これらの液体は、血液よりも多くの酸素、二酸化炭素および窒素を運ぶ。パーフルオロカーボンは、塞栓症により損傷した領域に酸素を送り込むために、かつ、それらの溶解度を用いて、身体内のガスを吸収するという血液の能力を向上させるために静脈内に注入される酸素運搬体として用いられる。
【0030】
故に、ステントグラフトおよびそのデリバリーシステムに存在する空気の量を減少させることにより脳卒中の事象を減少させるべく、ステントグラフトおよびデリバリーシステムは、好ましくは身体に挿入される前に、パーフルオロカーボンに浸され得るか、またはパーフルオロカーボンでフラッシュされ得る。しかしながら、デバイスは、例えば挿入中にデバイスに存在しているあらゆる空気を吸収するために、患者の身体への挿入の後でもパーフルオロカーボンでフラッシュされ得ることが理解されるであろう。塞栓症により損傷した領域に酸素を送り込むためにパーフルオロカーボンを事前に用いるか、またはステントグラフト外に空気を押し出すことにより空気を機械的に減少させるためにフラッシュ溶液を用いるのとは対照的に、パーフルオロカーボンは、ステントグラフトおよびそれらのデリバリーシステムが身体に挿入される前にそれらから空気を取り除くために使用される。オプションとして、パーフルオロカーボンは次に、例えば生理食塩水またはフラッシュに通常用いられる他の溶液でフラッシュすることにより、身体への挿入の前に、ステントグラフトおよびデリバリーシステムから除去され得る。
【0031】
加えて、または代替的に、脱気済み溶液および脱気済みPFCは、フラッシュ中に空気を吸収することにより空気を除去すべく、ステントグラフト、ステント、コイルおよびそれらのデリバリーシステムなどの医療デバイスのフラッシュのために用いられ得る。例えば、パーフルオロカーボン溶液、および生理食塩水などの他の溶液は、脱気され得、それにより、フラッシュ処理中に空気を吸収するというそれらの能力を向上させ得る。脱気は、これらの溶液に真空を加えること、それらを煮沸すること、または不必要なガスを別のガスと入れ替えることにより、実行され得る。フラッシュ溶液の脱気の後、当該溶液は、大気圧下で保存され得るか、またはそうでなければ維持され得る。それにより、ガスが再び溶解するのを阻止することにより、その脱気状態が維持される。
【0032】
加えて、または代替的に、ステントグラフトおよびそれらのデリバリーシステムなどの医療デバイスの高圧フラッシュのために、すなわち、空気を二酸化炭素と入れ替えることによる空気の除去のために、二酸化炭素が用いられ得る。その後、二酸化炭素は、例えばPFC、生理食塩水またはフラッシュに通常用いられる他の溶液でフラッシュすることにより、身体への挿入の前に、ステントグラフトおよびそれらのデリバリーシステムから除去され得る。二酸化炭素は、室内気と比べて22倍高い、血液への溶解度を有し、従って、脈管系に取り込まれ、潜在的に放出される場合、「閉じ込められているガス」として好ましい。
【0033】
図面を参照すると、図2は、フラッシュ溶液源60によりフラッシュされているデリバリーデバイス8により運ばれるステントグラフト10の例示的な実施形態を示している。概して、デリバリーデバイス8は、図2Aで最も良く見られるように、近位端22と、患者の身体への挿入用にサイズ設定された遠位端24と、近位端22と遠位端24との間に延在する1または複数のルーメン(例えば、ステントグラフト10が内部の遠位端24において圧縮状態または収縮状態で装填されたルーメン26)とを含む、イントロデューサーシース、カテーテルまたは他の管状部材20を含む。ハンドルまたはハブ50がシース20の近位端22に設けられ得る。ハンドルまたはハブ50は、ルーメン26と連通するポート52を含む。ポート52は、例えば、選択的に開閉され得るバルブ54を含む。
【0034】
オプションとして、デリバリーデバイス8は、例えばルーメン26内にやはり配置されてその上方にステントグラフト10が装填され得る中央カニューレ30といった、1または複数の追加のコンポーネントを含み得る。中央カニューレ30は、例えばルーメン26の遠位端を囲む、および/または丸みがあるか、テーパ状か、または他の非外傷性の先端部をデリバリーデバイス8に提供する、拡張された遠位先端部34を含み得る。中央カニューレ30は、器具ルーメン(不図示)も含み得る。器具ルーメンは、例えば、上方でデリバリーデバイス8が患者の身体に挿入され得るガイドワイヤまたは他のレールを受け入れるようにサイズ設定され、その近位端と遠位端との間に延在する。加えて、または代替的に、デリバリーデバイス8は、ルーメン26内でスライド可能に受け入れられる押し込まれ部材40も含み得る。押し込まれ部材40は、ステントグラフト10に隣接して配置された遠位端44を含む。
【0035】
例えば、使用中、(ステントグラフト10を運ぶ)イントロデューサーシース20の遠位端24は、例えば経皮進入部位から患者の身体に挿入されて、例えば動脈瘤の部位である患者の大動脈(不図示)内で目標位置へと進められ得る。一旦適切に位置決めされると、シース20は、プッシャ部材30を実質的に静止した状態に維持してステントグラフト10を露出させている間、引き戻され得る。ステントグラフト10は、露出されると自動的に目標位置内で弾性的に拡張するように構成され得る。代替的に、デリバリーデバイス8は、ステントグラフト10を拡張するように膨張させられ得るか、または別の方法でステントグラフト10を拡張するように操作され得るバルーンまたは他の拡張可能な部材(不図示)を含み得る。
【0036】
患者の身体へのデリバリーデバイス8の挿入の前に、フラッシュ溶液源60は、例えば空気を除去すべく、ルーメン26および/またはステントグラフト10をフラッシュするために用いられ得る。例示的な実施形態において、源60は、本明細書の他の箇所で説明されるように、1または複数のパーフルオロカーボンを含む溶液を含有し得る。当該溶液は、ルーメン26にフラッシュされ得る。例えば、当該溶液は、本明細書の他の箇所で説明されるように、パーフルオロカーボンのエマルジョン、および/または脱気済み溶液を含み得る。例示的な実施形態において、源60は、当該溶液で充填されたシリンジ、ポンプまたは他の容器(不図示)であり得、当該溶液を源60からルーメン26に送り込んでステントグラフト10をフラッシュするために作動させられ得る。
【0037】
引き続き図2を参照すると、バルブ54は、空気がポート52およびルーメン26に入るのを阻止するために、最初は閉じられている可能性がある。例えばルアーロックまたは他のコネクタ(不図示)を用いて、管62がポート52と源60との間に連結され得る。一旦源60がポート52に連結されると、バルブ54は開かれ得、当該溶液は、ステントグラフト10をフラッシュするためにルーメン26に注入され得る。例えば、当該溶液は、ステントグラフト10の周りを、および/またはステントグラフト10の中へとポート52およびルーメン26を通過して遠位端24を出ることで、ステントグラフト10の折れ目内に、および/またはそうでなければルーメン26内に位置しているか、またはそうでなければ閉じ込められているあらゆる気泡を除去し得る。一旦十分にフラッシュされると、バルブ54は閉じられ得、源60はポート52から切り離され得る。次に、デリバリーデバイス8は、本明細書の他の箇所で説明されるように、患者の身体に挿入され得る。
【0038】
オプションとして、複数のフラッシュ流体源および/またはフラッシュのシーケンスを提供し、例えばパーフルオロカーボン源60および1または複数の追加の源(不図示)を用いて、空気および/またはあらゆる他の閉じ込められているガスの除去を向上させることが望まれ得る。例えば、窒素、または、アルゴンまたはヘリウムなどの生体不活性ガスを含有するガス源が提供され得る。ガス源は、ガス源に類似したポート52に連結され得る。
【0039】
例示的なシーケンスにおいて、ガス源は、ポート52に連結され得、ルーメン26およびステントグラフト10をフラッシュして、それによりルーメン26およびステントグラフト10の中のあらゆる空気を除去するために、および/または移動させるために用いられ得る。故に、何らかのガスがルーメン26およびステントグラフト10の内部に残っている場合、空気は、二酸化炭素または生体不活性ガスにより入れ替わる。その後、ガス源は切り離され得、パーフルオロカーボン源60は、ポート52に連結され得、ルーメン26およびステントグラフト10の内部に残っているあらゆるガスをフラッシュするために用いられ得る。パーフルオロカーボン溶液は、二酸化炭素または生体不活性ガスを容易に溶解し得、それにより、デバイス8をより効果的にフラッシュし得る。オプションとして、パーフルオロカーボン源60は切り離され得、次に、例えば脱気済み生理食塩水といった生理食塩水源が、ポート52に連結され得、ルーメン26およびステントグラフト10をさらにフラッシュするために用いられ得る。
【0040】
本明細書におけるシステムおよび方法は、患者の身体への挿入の前に他のデバイスから空気をフラッシュするために、および/またはそうでなければ除去するために用いられ得ることが理解されるであろう。例えば、カテーテル、シース、またはステント、コイルもしくは他のプロテーゼもしくはインプラントを運ぶ他の管状のデバイスは、本明細書において説明されるシステムおよび方法のいずれを用いてもフラッシュされ得る。加えて、本明細書におけるシステムおよび方法は、患者の身体への挿入の後にデバイスから空気をフラッシュおよび/またはそうでなければ除去するために用いられ得ることが理解されるであろう。空気および他のガスがパーフルオロカーボン液体溶液内で高い溶解度を有すると仮定すると、パーフルオロカーボンでのフラッシュは、当該デバイスから空気またはガスを機械的に除き得ることを超えるが、フルオロカーボンの化学的および/または物理的特性により、空気またはガスが溶液中に溶解および吸収され得、それにより、患者の身体内でのそれらの曝露または放出が阻止され得る。
【0041】
加えて、ステントグラフト、ステントまたは他のプロテーゼは、フラッシュ以外の方法を用いて、上述のように、パーフルオロカーボン溶液および/またはガスおよび/もしくは溶液のシーケンスに曝露され得ることが理解されるであろう。例えば、プロテーゼは、2015年10月28日に出願された米国仮特許出願第62/247,287号において説明されるものと同様に、例えばフラッシュデバイス内および/または装填デバイス内で、パーフルオロカーボン溶液に浸され得る。この方法において、プロテーゼは、フラッシュデバイスに挿入され得、1または複数の溶液および/またはガスが、プロテーゼから空気を除去するために当該デバイスに挿入され得る。次に、プロテーゼは、デリバリーデバイスに装填され得る。デリバリーデバイス自体も、プロテーゼの装填の前および/または後にフラッシュされ得る。
【0042】
本発明は様々な修正および代替的な形態が可能であるが、それらの具体例が図面に示されてきたとともに、本明細書において詳細に説明されている。しかしながら、本発明は、開示された特定の形態または方法に限定されないが、反対に、添付の特許請求の範囲に含まれる全ての修正、均等物および代替物を包含することが理解されるべきである。
[項目1]
近位端と、遠位端と、上記近位端と上記遠位端との間に延在するルーメンと、上記ルーメンと連通する、上記近位端上のポートとを有する細長いデリバリーデバイスと、
上記ルーメン内で上記デリバリーデバイスにより運ばれるプロテーゼと、
溶液で上記ルーメンをフラッシュして上記プロテーゼおよび上記ルーメンのうちの一方または両方から空気を除去するための上記ポートに接続可能な上記パーフルオロカーボン溶液源と
を備える、医療デバイスから空気をフラッシュするためのシステム。
[項目2]
上記プロテーゼは、ステントグラフト、ステントおよびコイルのうちの1つを有する、
項目1に記載のシステム。
[項目3]
二酸化炭素および生体不活性ガスのうちの一方を有するガス源であって、上記ガスで上記ルーメンをフラッシュして上記プロテーゼおよび上記ルーメンのうちの一方または両方から空気を除去するための上記ポートに接続可能なガス源をさらに備える、
項目1に記載のシステム。
[項目4]
上記パーフルオロカーボン源は、上記ガスで上記ルーメンをフラッシュして上記プロテーゼおよび上記ルーメンのうちの一方または両方から上記ガスを除去した後に上記ポートに接続される、
項目3に記載のシステム。
[項目5]
上記ガス源は、アルゴンおよびヘリウムのうちの一方を有する、
項目3に記載のシステム。
[項目6]
上記パーフルオロカーボン溶液源は、脱気済みパーフルオロカーボンを有する、
項目1に記載のシステム。
[項目7]
上記パーフルオロカーボン溶液源は、パーフルオロカーボンを含むエマルジョンを有する、
項目1に記載のシステム。
[項目8]
上記パーフルオロカーボンは、ペルフルブロン、パーフルオロデカリン、パーフルオロトリブチルアミン、パーフルオロヘキサン、パーフルオロノナン、パーフルオロペンタン、パーフルオロジクロロオクタンおよびパーフルオロ‐15‐クラウン‐5‐エーテルのうちの1つを有する、
項目1に記載のシステム。
[項目9]
上記脱気済み生理食塩水で上記ルーメンをフラッシュして上記プロテーゼおよび上記ルーメンのうちの一方または両方から空気を除去するための上記ポートに接続可能な脱気済み生理食塩水源をさらに備える、
項目1に記載のシステム。
[項目10]
近位端と、遠位端と、上記近位端と上記遠位端との間に延在するルーメンと、上記ルーメンと連通する、上記近位端上のポートとを有する細長いデリバリーデバイスと、
上記ルーメン内で上記デリバリーデバイスにより運ばれるプロテーゼと、
二酸化炭素および生体不活性ガスのうちの一方を有するガス源であって、上記ガスで上記ルーメンをフラッシュして上記プロテーゼおよび上記ルーメンのうちの一方または両方の内部の空気を上記ガスと入れ替えるための上記ポートに接続可能なガス源と、
上記溶液で上記ルーメンをフラッシュして上記ガスを上記プロテーゼおよび上記ルーメンのうちの一方または両方から上記溶液へと吸収させるための上記ポートに接続可能なパーフルオロカーボン溶液源と
を備える、医療デバイスをフラッシュするためのシステム。
[項目11]
医療デバイスからガスを除去するための方法であって、
パーフルオロカーボン源を提供する段階と、
上記パーフルオロカーボン源からのパーフルオロカーボンに上記医療デバイスを曝露して上記医療デバイスから空気を除去する段階と
を備える方法。
[項目12]
上記医療デバイスは、上記医療デバイスが患者の身体に挿入される前に上記パーフルオロカーボンに曝露される、
項目11に記載の方法。
[項目13]
上記医療デバイスの遠位端を患者の身体に挿入する段階をさらに備える、
項目11に記載の方法。
[項目14]
上記パーフルオロカーボン源は、脱気済みパーフルオロカーボンを含有する、
項目11に記載の方法。
[項目15]
上記パーフルオロカーボン源は、パーフルオロカーボンを含むエマルジョンを有する、
項目11に記載の方法。
[項目16]
上記医療デバイスは、デリバリー状態で拘束されたステントグラフトを備える、
項目11に記載の方法。
[項目17]
上記医療デバイスを曝露する段階は、上記ステントグラフトを上記パーフルオロカーボン源に浸して、上記ステントグラフト内に閉じ込められている空気を除去する段階を有する、
項目16に記載の方法。
[項目18]
上記ステントグラフトは、カテーテルアセンブリにより上記デリバリー状態で運ばれ、
上記医療デバイスを曝露する段階は、
上記カテーテルアセンブリの一端を上記パーフルオロカーボン源に接続する段階と、
上記カテーテルアセンブリのルーメンを通じて上記パーフルオロカーボンをフラッシュする段階と
を有する、
項目16に記載の方法。
[項目19]
上記カテーテルアセンブリのルーメンを通じて上記パーフルオロカーボンをフラッシュした後に上記カテーテルアセンブリの遠位端を患者の身体に挿入する段階と、
上記ステントグラフトが展開状態へと拡張するように上記ステントグラフトを目標位置で展開する段階と
をさらに備える、
項目18に記載の方法。
[項目20]
上記カテーテルアセンブリを上記パーフルオロカーボン源から除去する段階と、
その後、上記カテーテルアセンブリの上記ルーメンをフラッシュして、上記ステントグラフトおよび上記カテーテルアセンブリからパーフルオロカーボンを除去する段階と
をさらに備える、
項目18に記載の方法。
[項目21]
医療デバイスからガスを除去するための方法であって、
パーフルオロカーボンで上記医療デバイスをフラッシュする段階と、
生理食塩水、二酸化炭素および生体不活性ガスのうちの1つまたは複数で上記医療デバイスを別途フラッシュする段階と
を備える方法。
[項目22]
上記パーフルオロカーボンは、脱気済みパーフルオロカーボン、およびパーフルオロカーボンのエマルジョンのうちの1または複数両方を含む、
項目21に記載の方法。
[項目23]
上記生体不活性ガスは、ヘリウムまたはアルゴンを含む、
項目21に記載の方法。
[項目24]
上記医療デバイスを別途フラッシュする段階は、脱気済み生理食塩水で上記医療デバイスをフラッシュする段階を有する、
項目21に記載の方法。
[項目25]
上記医療デバイスをフラッシュした後に上記医療デバイスを患者の身体に挿入する段階をさらに備える、
項目21に記載の方法。
[項目26]
医療デバイスを準備するための方法であって、
ガスで上記医療デバイスをフラッシュして上記医療デバイスから空気を移動させる段階と、
その後、パーフルオロカーボンで上記医療デバイスをフラッシュして、上記ガスを溶解させて除去する段階と
を備える方法。
[項目27]
上記ガスは二酸化炭素である、
項目26に記載の方法。
[項目28]
上記ガスは生体不活性ガスである、
項目26に記載の方法。
[項目29]
上記ガスはアルゴンまたはヘリウムである、
項目26に記載の方法。
[項目30]
パーフルオロカーボンで上記医療デバイスをフラッシュした後に生理食塩水で上記医療デバイスをフラッシュする段階をさらに備える、
項目26に記載の方法。
[項目31]
ステントグラフトから空気を除去するための方法であって、
上記ステントグラフトから一定量の空気を除去するのに十分な時間をかけて、上記ステントグラフトもしくはそのデリバリーシステムまたはそれらの両方をパーフルオロカーボンと接触させる段階と、
その後、上記ステントグラフトを患者の身体に挿入する段階と
を備える方法。
[項目32]
ステントグラフトから空気を除去するための方法であって、
上記ステントグラフトから一定量の空気を除去するのに十分な時間をかけて、上記ステントグラフトもしくはそのデリバリーシステムまたはそれらの両方を、1または複数のパーフルオロカーボンを含むエマルジョンと接触させる段階と、
その後、上記ステントグラフトを患者の身体に挿入する段階と
を備える方法。
[項目33]
ステントグラフトから一定量の空気を除去するための方法であって、
上記ステントグラフトから一定量の空気を除去するのに十分な時間をかけて、上記ステントグラフトもしくはそのデリバリーシステムまたはそれらの両方を、パーフルオロカーボンもしくは生理食塩水またはそれらの両方を含む脱気済み溶液と接触させる段階と、
その後、上記ステントグラフトを患者の身体に挿入する段階と
を備える方法。
[項目34]
ステントグラフトから空気を除去するための方法であって、
上記ステントグラフトから一定量の空気を除去するのに十分な圧力で、かつ十分な時間をかけて、上記ステントグラフトもしくはそのデリバリーシステムまたはそれらの両方を二酸化炭素、またはヘリウムまたはアルゴンのような生体不活性ガスと接触させる段階と、
上記ステントグラフトもしくはそのデリバリーシステムまたはそれらの両方を、生理食塩水またはパーフルオロカーボンを含む別のフラッシュ溶液でフラッシュする段階と、
その後、上記ステントグラフトを患者の身体に挿入する段階と
を備える方法。
[項目35]
上記パーフルオロカーボンは、ペルフルブロン、パーフルオロデカリン、パーフルオロトリブチルアミン、パーフルオロヘキサン、パーフルオロノナン、パーフルオロペンタン、パーフルオロジクロロオクタンおよびパーフルオロ‐15‐クラウン‐5‐エーテルのうちの1つを含む、
項目31から34のいずれか一項に記載の方法。
[項目36]
上記パーフルオロカーボンはエマルジョンとして提供される、
項目31から34のいずれか一項に記載の方法。
[項目37]
上記エマルジョンは、ポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレンのポリマである非イオン性界面活性剤で乳化されたパーフルオロトリブチルアミンを含む、
項目36に記載の方法。
図1
図2
図2A