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特許7007047内部ECG取得のためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】内部ECG取得のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/254 20210101AFI20220117BHJP
   A61B 5/287 20210101ALI20220117BHJP
   A61B 5/1455 20060101ALI20220117BHJP
   A61B 5/33 20210101ALI20220117BHJP
【FI】
A61B5/254
A61B5/287 300
A61B5/1455
A61B5/33 200
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020178219
(22)【出願日】2020-10-23
(62)【分割の表示】P 2017556228の分割
【原出願日】2016-05-06
(65)【公開番号】P2021037303
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2020-11-24
(31)【優先権主張番号】62/158,504
(32)【優先日】2015-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/159,912
(32)【優先日】2015-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517370582
【氏名又は名称】イーコム メディカル, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ECOM MEDICAL, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ロウェリー, ガイ ラッセル
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0112172(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0303864(US,A1)
【文献】特開平06-038937(JP,A)
【文献】特表2013-521040(JP,A)
【文献】特開2010-234000(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00-5/0538
A61B 5/06-5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の心臓の電気的活動に関連する信号を得るためのシステムであって、
前記システムが、検出装置と、補助センサと、コンソールとを備え、
前記検出装置が、
近位端及び遠位端を有する長尺部材であって、前記遠位端が被検者の身体管腔内に配置するように構成され、前記近位端が前記被検者から延びるように構成される、長尺部材と、
前記長尺部材の前記遠位端によって支持される第1の電極及び第2の電極であって、それぞれが前記身体管腔の内壁と接触するように構成される第1の電極及び第2の電極と、
前記第1の電極に電気的に結合された遠位端を有する第1の長尺導体であって、前記第1の電極から第1の信号を伝えるように構成された第1の長尺導体と、
前記第2の電極に電気的に結合された遠位端を有する第2の長尺導体であって、前記第2の電極から第2の信号を伝えるように構成された第2の長尺導体と、
を備え、
前記補助センサが、
前記被検者の粘膜に結合するように構成された接触面であって、結合ゲルを使用することなく前記被検者の前記粘膜から信号を得るように構成された接触面と、
前記補助センサを前記被検者の前記粘膜に近接する前記被検者の身体の一部に固定するように構成されたクリップと、
前記補助センサからの第3の信号を伝えるように電気的に構成されたケーブルと、
を備え、
前記コンソールが、前記第1の信号、前記第2の信号、及び前記第3の信号を受信するように構成され、
前記コンソールが、少なくとも前記第1の信号、前記第2の信号、及び前記第3の信号から1つ以上の心電図信号を生成するように構成されたプロセッサを備える、
ステム。
【請求項2】
結合ゲルによって皮膚に結合するように構成される外部センサを含んでいない、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記長尺部材の前記遠位端にあり、前記被検者の前記身体管腔内に送出するための扁平状態と拡張状態とを有する作動部をさらに備える、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記作動部は、前記作動部がその拡張状態にある状態で、前記第1の電極を前記身体管腔の前記内壁上の第1の場所に接触させ、前記第2の電極を前記身体管腔の前記内壁上の第2の場所に接触させるように構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記補助センサは、末梢毛細血管酸素飽和度(SpO )を測定するように構成される、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記補助センサは、前記被検者の舌部の粘膜、前記被検者の頬の内側の粘膜、前記被検者の軟口蓋の粘膜、及び前記被検者の鼻の内側の粘膜からなるリスト内の粘膜のうちの少なくとも1つから前記第3の信号を取得するように構成される、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記長尺部材が、その内部で延びる内側ルーメンをさらに備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記プロセッサが、前記第1の信号、前記第2の信号、及び前記第3の信号のうちの1つ以上を修正するように構成される、請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記長尺部材によって支持され、静脈酸素供給を測定するように構成される更なるセンサをさらに備える、請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の電極及び前記第2の電極は、それらが第1のベクトル及び第2のベクトルを生成するように構成されるように、互いに対して配列され、前記第1のベクトルは、前記第2のベクトルから角度を成す、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記長尺部材によって支持される第3の電極をさらに備え、前記第3の電極が、前記第1のベクトルから角度を成すと共に前記第2のベクトルから角度を成す第3のベクトルを生成するように構成されるように、前記第1の電極及び前記第2の電極が前記第3の電極に対して配列される、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記検出装置が、前記身体管腔内の少なくとも前記第1のベクトル及び前記第2のベクトルの向きを変化させるように、前記被検者の前記身体管腔内で回転可能であるように構成される、請求項10又は11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1の電極、前記第2の電極、及び前記第3の電極は、前記第1の電極が前記心臓よりも上方に位置付けられ、前記第2の電極が前記心臓のレベル内に位置付けられ、前記第3の電極が前記心臓よりも下方に位置付けられるように、前記検出装置が前記被検者の前記心臓に隣接する前記身体管腔内に配置され得るように、前記検出装置上に配置される、請求項11又は12に記載のシステム。
【請求項14】
前記補助センサが、前記被検者内の温度を測定するように構成される、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1の電極及び前記第2の電極が、共に双極リードを形成する、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明の分野は、一般に、少なくとも部分的に天然に存在する体内表面から心臓の電気的活動を検出するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]現在、人の心電図(ECG)信号は、電気ワイヤに接続され得る3~10個の電極パッドを接着パッドを使用して身体外表面上に配置することによって取得される。例えば、3個、5個、7個、9個又は10個の電極パッドが配置される場合がある。「12リード」ECGは、実際には、10個の電極を使用し(1つの電極は一般にグランドとしての機能を果たす)、この場合、リードの一部がバイポーラであり、他の一部がモノポーラであり、したがって、12個の異なるECGベクトルがもたらされる。この方法は、心臓の機能と関連する電気信号を取得するように設計された駆動接地・プログラム/電子回路を伴う。この信号は、それぞれの心拍に関するPQRST波形から構成される。PQRST波形は、一般に、心臓の心室の脱分極と関連付けられ得るQRS複合体を含む。臨床医は、信号を見て、患者の管理にとって重要な心機能及びタイミングを診断することができる。腕、脚、足、肩、胸、及び、他の領域上に一般に配置される複数の電極パッドが、診断及び治療手続きを妨げる可能性がある。また、電極パッドは、診断及び治療手続きによって損傷される場合がある。火傷又は他の外傷の患者を含むがこれに限定されない一部の患者では、十分な皮膚領域が電極パッドの配置に利用できない場合がある。皮膚に対する結合では、電極パッドが結合ゲルを含み、この結合ゲルの特性は時間に伴って変化する可能性があり、それにより、時として、電極パッドが誤動作又は脱落する可能性がある。電極パッドを配置することに伴う困難さは、ECGの取得を遅らせる場合がある。これは、緊急の必要性を有する患者において危機的な事態となり得る。
【発明の概要】
【0003】
[0003]本発明の1つの実施形態において、被検者の心臓の電気的活動に関連する信号を得るためのシステムは、検出装置を含み、該検出装置は、近位端及び遠位端を有する長尺部材であって、遠位端が被検者の身体管腔内に配置するように構成され、近位端が被検者から延びるように構成される、長尺部材と、長尺部材によって支持されるとともに、被検者の身体管腔内に配置するように構成される作動部であって、作動部が被検者の身体管腔内に送出するための扁平状態と拡張状態とを有する、作動部と、作動部上に配置される1つ以上のセンサであって、1つ以上のセンサのそれぞれが、身体管腔の内壁と接触するように構成される接触面を含み、作動部が、1つ以上のセンサのそれぞれの接触面を身体管腔の内壁上の場所と接触させて1つ以上の心電図信号をもたらすための信号成分を与えるように構成される、1つ以上のセンサと、を含む。
【0004】
[0004]本発明の他の実施形態において、被検者の心臓の電気的活動に関連する信号を得るための方法は、検出装置を用意するステップであって、検出装置が、近位端及び遠位端を有する長尺部材であって、遠位端が被検者の身体管腔内に配置するように構成され、近位端が被検者から延びるように構成される、長尺部材と、長尺部材によって支持されるとともに、被検者の身体管腔内に配置するように構成される作動部であって、作動部が被検者の身体管腔内に送出するための扁平状態と拡張状態とを有する、作動部と、作動部上に配置される1つ以上のセンサであって、1つ以上のセンサのそれぞれが、身体管腔の内壁と接触するように構成される接触面を含み、作動部が、1つ以上のセンサのそれぞれの接触面を身体管腔の内壁上の場所と接触させて1つ以上の心電図信号をもたらすための信号成分を与えるように構成される、1つ以上のセンサと、を含む、ステップと、検出装置をその扁平状態又は略扁平状態で被検者の体腔内又は身体管腔内に挿入するステップと、1つ以上のセンサのそれぞれの接触面が被検者の身体管腔の体腔の内面と接触するように検出装置の作動部をその扁平状態からその拡張状態へ向けて移行させるステップと、検出装置から1つ以上の心電図信号を得るステップと、を含む。
【0005】
[0005]本発明の他の実施形態において、被検者の心臓の電気的活動に関連する信号を得るための方法は、検出装置を用意するステップであって、検出装置が、近位端及び遠位端を有する長尺部材であって、遠位端が被検者の身体管腔内に配置するように構成され、近位端が被検者から延びるように構成される、長尺部材と、長尺部材によって支持されるとともに、被検者の身体管腔内に配置するように構成される作動部であって、作動部が被検者の身体管腔内に送出するための扁平状態と拡張状態とを有する、作動部と、作動部上に配置される1つ以上のセンサであって、1つ以上のセンサのそれぞれが、身体管腔の内壁と接触するように構成される接触面を含み、作動部が、1つ以上のセンサのそれぞれの接触面を身体管腔の内壁上の場所と接触させて1つ以上の心電図信号をもたらすための信号成分を与えるように構成され、検出装置の作動部の1つ以上のセンサが2つ以上の電極を含む、1つ以上のセンサと、を含む、ステップと、身体管腔の内部から離れた被検者の部分に結合するように構成される接触面を有する少なくとも1つの補助センサを用意するステップと、結合ゲルまたは結合液体によって皮膚に結合するように構成される少なくとも1つの外部センサを用意するステップと、検出装置をその扁平状態又は略扁平状態で被検者の体腔内又は身体管腔内に挿入するステップと、2つ以上の電極が被検者の身体管腔の体腔の内面と接触するように検出装置の作動部をその扁平状態からその拡張状態へ向けて移行させるステップと、少なくとも1つの補助センサの接触面を被検者の粘膜に結合するステップと、少なくとも1つの外部センサの電極を被検者の皮膚の一部に結合させるステップと、検出装置、少なくとも1つの補助センサ、及び、少なくとも1つの外部センサのそれぞれから1つ以上の心電図信号を得るステップと、を含む。
【0006】
[0006]本発明の更なる他の実施形態において、膨張式装置にトレースを適用するための機器は、内部で長手方向に延びるキャビティと壁とを有する本体と、壁にあってキャビティ内へ通じる1つ以上の長手方向に延びる開口であって、キャビティ内に配置される膨張式装置が壁によって部分的に覆われるとともに1つ以上の開口によって部分的に覆われないようになっている、1つ以上の長手方向に延びる開口と、を含み、1つ以上の開口は、壁によって覆われる膨張式装置の部分に対する導電性材料の適用を阻止しつつ覆われない膨張式装置の部分に対する前記導電性材料の適用を可能にするように構成される。
【0007】
[0007]本発明の更に他の実施形態において、膨張式装置に導電トレースを適用するための方法は、内部で長手方向に延びるキャビティと壁とを有する本体内に膨張式装置を配置するステップであって、本体が、壁にあってキャビティ内へ通じる1つ以上の長手方向に延びる開口を含み、キャビティ内に配置される膨張式装置が壁によって部分的に覆われるとともに1つ以上の開口によって部分的に覆われないようになっている、ステップと、膨張式装置の一部に対して導電性材料を適用するステップと、本体からの膨張式装置の除去中に導電性材料が著しく変化しない状態にあるとき、膨張式装置を本体から除去するステップと、を含む。
【0008】
[0008]本発明の更に他の実施形態において、膨張式装置にトレースを適用するための機器は、内部で長手方向に延びるキャビティと壁とを有する本体と、壁にあってキャビティ内へ通じる1つ以上の長手方向に延びる開口であって、キャビティ内に配置される膨張式装置が壁によって部分的に覆われるとともに1つ以上の開口によって部分的に覆われないようになっている、1つ以上の長手方向に延びる開口と、を含み、1つ以上の開口は、壁によって覆われる膨張式装置の部分に対する導電性材料の適用を阻止しつつ覆われない膨張式装置の部分に対する材料の適用を可能にするように構成され、材料は、流動可能状態で適用されて非流動可能状態又は略非流動可能状態へ変化可能であるように構成される。
【0009】
[0009]本発明の更に他の実施形態において、被検者の心臓の電気的活動に関連する信号を得るための検出装置は、内部で長手方向に延びるキャビティと壁とを有する本体内に拡張式装置を配置するステップであって、本体が、壁にあってキャビティ内へ通じる1つ以上の長手方向に延びる開口を含み、キャビティ内に配置される拡張式装置が壁によって部分的に覆われるとともに1つ以上の開口によって部分的に覆われないようになっている、ステップと、拡張式装置の一部に対して導電性材料を適用するステップと、本体からの拡張式装置の除去中に導電性材料が著しく変化しない状態にあるとき、拡張式装置を本体から除去するステップと、を含む方法によって形成される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態に係る心臓の電気的活動を検出するためのシステムの斜視図である。
図2図1のシステムの検出装置の作動部の斜視図である。
図3】検出装置の作動部の別の実施形態の斜視図である。
図4】本開示の一実施形態に係る被検者の気管内に配置される検出装置の部分断面図である。
図5】拡張状態の作動部を有する図4の検出装置の部分断面図である。
図6】「12リード」心電計システムにおける近似ECGベクトルの斜視図である。
図7】本開示の一実施形態に係る被検者の気管内に配置される検出装置の図である。
図8】本開示の一実施形態に係る心臓の電気的活動を検出するためのシステムの斜視図である。
図9】本開示の一実施形態に係る被検者の気管内及び気管支内に配置される検出装置の図である。
図10】本開示の一実施形態に係る被検者の気管内及び気管支内に配置される検出装置の図である。
図11】本開示の一実施形態に係る心臓の電気的活動を検出するためのシステムの斜視図である。
図12】扁平状態の図11のシステムの検出装置の正面図である。
図13】本開示の一実施形態に係る扁平状態の被検者の食道内の検出装置の部分断面図である。
図14】本開示の一実施形態に係る拡張状態の被検者の食道内の検出装置の部分断面図である。
図15】本開示の一実施形態に係る被検者の食道内に配置される検出装置の図である。
図16】本開示の一実施形態に係る補助センサである。
図17】補助センサが鼻の一部上に配置された被検者の斜視図である。
図18】被検者の鼻上の所定位置にある補助センサの断面図である。
図19】補助センサが鼻の一部上に配置された被検者の斜視図である。
図20】被検者の鼻上の所定位置にある補助センサの断面図である。
図21】補助センサが舌の一部上に配置された被検者の斜視図である。
図22】被検者の舌上の所定位置にある補助センサの断面図である。
図23】補助センサが頬の一部上に配置された被検者の斜視図である。
図24】被検者の頬上の所定位置にある補助センサの断面図である。
図25】補助センサが被検者の軟口蓋に結合される被検者の断面図である。
図26A】本開示の一実施形態に係る心臓の電気的活動を検出するシステムにおける一般的な流れである。
図26B】本開示の一実施形態に係る心臓の電気的活動を検出するためのシステムである。
図26C】本開示の一実施形態に係る心臓の電気的活動を検出するためのシステムである。
図27】開放状態でマスキングするための固定具内に配置される拡張式装置の斜視図である。
図28】本開示の一実施形態に係る閉鎖状態でマスキングするための固定具内の所定位置にある膨張式装置の斜視図である。
図29図27及び図28のマスキングのための固定具を利用するプロセスで形成された導電トレースを有する膨張式装置の正面図である。
図30】拡張式装置上に導電トレースを形成するためのプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0042]本発明の実施形態は、皮膚を含まない被検者の身体の少なくとも1つ以上の部分からの測定値を含むECG信号などの心臓の電気的活動を測定するための信号を取得するための手法を含む。身体の1つ以上の部分は、天然に存在するオリフィス又は体腔又は管腔の内部の部分、或いは更には、外傷によって引き起こされる身体の空洞など、身体の内部を含むことができる。特定の実施形態では、1つ以上の導電性「センサ」パッド又は電極が、身体のオリフィス内、体腔内、又は、管腔内へ挿入されるように構成される検出装置に対して載置され/印刷され/取り付けられる。身体管腔の幾つかの例としては、患者の気管又は食道が挙げられるが、これらに限定されない。各センサは、ECG回路の構成要素を与えるリードを成すように構成される。ECG回路は、これらの構成要素のうちの1つ又はこれらの構成要素のうちの2つ以上を含んでもよい。場合によっては、検出装置のセンサ/電極から形成されるリードは、「12リード」ECGシステムの1つ以上のリードなどの従来のリードに取って代わってもよい。検出装置上のセンサに加えて、1つ以上の補助センサが使用されてもよい。1つ以上の補助センサは、被検者の舌、軟口蓋、鼻孔/鼻孔、頬、肛門、尿道、又は、被検者の粘膜(すなわち、粘液性の薄膜)との接触を可能にする任意の他の場所と接触した状態で配置されてもよい。ある場合には、補助センサは、例えば被検者の肩の上に外部から貼り付けられてもよい。センサは、センサを押圧して気管又は食道の粘膜内層と接触させるように膨張され得る膜、バルーン、又は、カフを備える表面上の検出装置上に支持されてもよい。また、センサは、検出装置の長尺部材(本体、シャフト)上に支持されてもよく、長尺部材は、直線状又は略直線状の扁平状態から検出装置の長尺部材と比べて拡大された状態を有する拡張状態へ変化されるように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、1つ以上のセンサを装置上及び1つの補助センサ上(例えば、舌上又は外部から肩上)のポイントに配置することによって、ECG信号を取得できる。幾つかの実施形態において、検出装置は、2つ以上のセンサを含んでもよく、また、単一の補助センサと共に使用されてもよい。幾つかの実施形態において、検出装置は、単一のセンサを含んでもよく、また、2つ以上の補助センサと共に使用されてもよい。内部構造上に配置するためのセンサを備える検出装置の使用は、センサを導電性の湿った組織と接触させた状態に配置するという利点を有し、したがって、迅速で信頼性のある電気的な結合を可能にする。これにより、特別に導電性のゲルを配置する必要性が排除されるとともに、現在使用されているような別個のECGパッドを貼り付ける必要性がなくなる場合があり、又は、各センサをケーブルに個別に接続する必要性がなくなる場合がある。そのような装置は、身体の管腔内、体腔内、又は、オリフィス内に迅速に配置して拡張(例えば、膨張)させることができ、それにより、ECG信号を直ちに取得することができる。
【0012】
[0043]この手法は、取付部位を用意して個別にケーブルを接続する必要なくマルチリードECG信号を患者から取得できるようにする。また、それは、外側の(抵抗性)皮膚表面に専ら依存するのではなく、湿った粘膜と接触することによって電気的な接触を向上させる。ECG測定を必要とする多くの患者は、一般に、気管チューブ(気管内チューブ)又は経鼻胃チューブ(NGチューブ)のいずれかを受け入れるため、この処置の侵襲性は増加しない。気管内チューブ又はNGチューブの他に、Ewald経口胃チューブ、Lavacutor(登録商標)経口胃チューブ、Edlich経口胃チューブ、排液チューブ、例えばSalemチューブ、Levinチューブ、胃吸引/栄養チューブ、例えばMoss Mark IV鼻チューブ、Dobbhoff経鼻空腸栄養・胃減圧チューブ、経鼻腸チューブ、例えばMiller-Abbottチューブ、及び、Sengstaken-Blakemoreチューブなどの処置チューブを含むがこれらに限定されない、喉頭マスク、胃洗浄チューブ、胃吸引チューブ、又は、胃減圧チューブなどの他のタイプの装置が本明細書中に教示される検出装置に組み込まれてもよい。
【0013】
[0044]図1は、コンソール220に結合されるように構成される検出装置200を備える検出システム20を示す。検出システム20は、被検者の内部からの信号を検出するように構成される。そのような信号は、心電図をもたらすべく取得され得るような心臓の電気的活動に関連する信号を含んでもよい。検出装置200は、シャフト又はカテーテルチューブを備えてもよい長尺部材208を備える。長尺部材208は、近位端222及び遠位端224を有する。図1に描かれるような検出装置200は、気管内チューブとして機能するように構成され、したがって、検出装置200は、長尺部材208の近位端222に結合される取付具228と長尺部材208の遠位端224に隣接するポート230との間で延びる呼吸ルーメン226を備える。呼吸ルーメン226は、被検者の体腔内に検出装置200を送出するのに役立つように呼吸ルーメン226に挿通配置されてもよく且つその後に除去されてもよいガイドワイヤ(図示せず)の通過を可能にするように構成されてもよい。ポート230において、長尺部材208は、検出装置200の遠位端234の追跡に役立つように、スカイブ232、又は、傾斜カット又は傾斜形状を含んでもよい。取付具228は、場合によっては麻酔薬を含んでもよい酸素及び他のガスを呼吸ルーメン226を通じてポート230から例えば気管及び/又は気管支を介して患者の肺の中へ送り込むために、呼吸器或いは他の酸素送出機器又は空気送出機器に結合するように構成される。
【0014】
[0045]近位端236及び遠位端238を有する作動部210が、長尺部材208の遠位端224によって支持され、又は、長尺部材208の遠位端224から実際に形成されてもよい。作動部210は、バルーン又はカフのような膨張可能部材、或いは、他の拡張可能な構造体を備えてもよく、また、身体管腔内又は体腔内への配置及び身体管腔内又は体腔内(或いは、カテーテルチューブを含むシース又はチューブのルーメン内)への送出のための扁平状態を有するように構成され得る。膨張可能部材及び長尺部材208は、ポリ塩化ビニル(PVC)又はポリエチレンなどのポリマーを備えてもよい。また、作動部210は拡張状態を有することもできる。作動部210が膨張可能部材である場合、拡張状態は、作動部210(膨張可能部材)を気体又は液体のような流体で膨張させることによって達成されてもよい。流体は、例えば、水、生理食塩水、空気、窒素、又は、他の膨張媒体を含んでもよい。膨張ルーメン240が、近位位置242から作動部210(膨張可能部材)まで延びるとともに、延在チューブ244を介して膨張ルーメン240に結合されてもよいインタフェース212でアクセスされる。インタフェース212は、シリンジ又は他のタイプの膨張装置250に取り付くように構成されるルアー取付具246を備えてもよい。インタフェース212は、ルアー作動バルブなどのバルブ214を含んでもよい。ルアー作動バルブは、膨張装置がルアー取付具246に取り付けられないときに閉(密閉)状態にあるように構成されてもよく、また、膨張装置がルアー取付具246に取り付けられるときに開(非密閉)状態にあるように構成されてもよい。膨張可能部材の膨張の程度をユーザが決定できるように触覚的又は視覚的なフィードバックを与えるべく、パイロットバルーン248がインタフェース212に支持されてもよい。
【0015】
[0046]図1において、作動部210は、その表面252上で1つ以上のセンサ204を支持する膨張可能部材である。1つ以上のセンサ204は、接着剤又はエポキシによって作動部210の表面252に固定され、或いは、1つ以上のセンサ204は、表面252に堆積され、塗布され、コーティングされ、噴射され、スパッタリングされ、或いはさもなければ、取り付けられ、又は、付着されてもよい。幾つかの実施形態において、1つ以上のセンサ204は、本明細書中に記載されるマスキングプロセスの使用によって作動部210の表面252に適用されてもよい。他の実施形態において、1つ以上のセンサ204は、センサ204をコンピュータ制御パターンで表面252に適用するコンピュータ制御アプリケータ又はロボットアプリケータによって適用されてもよい。幾つかの実施形態において、1つ以上のセンサ204は、導電性材料を備える電極であり、導電性材料は、導電性銀インク、カーボンインク、銀-塩化銀インク、又は、銀-炭素-塩化銀インクなど、銀を備えてもよい。幾つかの実施形態では、放射線不透過性インクが、導電性インクと共に又は隣接して塗布されてもよく、或いは更には、導電性インクであってもよい。放射線不透過性インクは、例えば、X線写真術下又は蛍光透視下で1つ以上のセンサ204を視覚化できる能力を高める。
【0016】
[0047]1つ以上のセンサ204のそれぞれは、近位端256及び遠位端258を有する導体254に結合されてもよい。1つ以上の導体254は、1つ以上のセンサ204が作動部210に適用されるのと同じプロセスによって、作動部210及び長尺部材208に適用されてもよい。1つ以上の導体254は、1つ以上のセンサ204と同時に適用されてもよく、或いは、1つ以上のセンサ204の適用の前又は後に適用されてもよい。幾つかの実施形態では、1つ以上のセンサ204が部分的に適用(例えば、単一層又は最初の数の層)された後、1つ以上の導体254が適用され、その後、1つ以上のセンサ204を完成させるために最後の1つ以上の層が適用される。幾つかの実施形態では、1つ以上の導体254の適用後、それに続いて、誘電体層260が1つ以上の導体254上にわたって適用される。ケーブル262が1つ以上の導体254の近位端256に(例えば半田によって)電気的に結合され、また、被覆体又は歪み緩和体264が接続領域にわたって固定されてもよい。被覆体又は歪み緩和体264は、ポリイミド、接着剤又はエポキシ、ポリエチレン、又は、ポリエステル収縮チューブ、或いは、他の同様の材料、又は、これらの組み合わせを含む誘電体材料であってもよい。
【0017】
[0048]ケーブル262はコネクタ266を含み、該コネクタ266は、コンソール220の入力268に結合されるように構成されるとともに、信号276を1つ以上のセンサ204からコンソール220に伝えるように構成される。幾つかの実施形態において、コンソール220に入る信号276は、(幾つかの対応する導体254によって支持された)幾つかの異なるセンサ204を表してもよい。幾つかの実施形態において、コンソール220は、1つ以上のセンサ204のうちの特定の1つからの信号276を選択できるようにするためにリードセレクタ270を含んでもよい。幾つかの実施形態では、1つ以上のセンサ204からの1つ以上の信号276が並列に処理されてもよい。コンソール220が保護回路272を含んでもよく、保護回路272は、回路遮断器又は他の回路保護装置を含んでもよい。1つ以上の信号276は、コンソール220によって与えられるプロセッサ274に入ってもよい。プロセッサ274は、信号276を増幅するための1つ以上の増幅器278と、信号276をフィルタリングするための1つ以上のフィルタ280とを含んでもよい。ディスプレイ282が、コンソール220からの結果として生じる心電図信号218又はトレース(例えば、PQRST波形)を表示するように構成される。ディスプレイ282は、コンソール220に組み込まれてもよく、又は、別体であってもよい。ディスプレイ282は、コンソール220に直接に接続されてもよく、又は、遠隔にあって、無線で通信してもよい。コンソール220は、ユーザが一般的にコンソール220又は検出システム20を制御できる及び/又はコンソール220又は検出システム20と通信できるようにするインタフェース284を含んでもよい。インタフェースは、例えば、検出装置200がフレックス回路上に支持されてもよい内部マイクロプロセッサを組み込む場合、ユーザが更に検出装置200を制御できる又は検出装置200と通信できるようにしてもよい。インタフェース284は、タッチスクリーン、キーボード、音声通信システム(例えば、音声作動式)であってもよく、また、グラフィックユーザインタフェース(GUI)を組み込んでもよい。
【0018】
[0049]図2は、作動部210を更に詳しく示す。作動部210は、対応する導体254a、254b、254c、254d、254eを有する1つ以上のセンサ204a、204b、204c、204d、204eのうちの幾つかを含み、導体254a、254b、254c、254d、254eは、センサ204a~204eから作動部210及び長尺部材208に沿って近位側に延びる。センサ204a~204eのそれぞれは、他のセンサ204a~204eに対してより遠位側又はより近位側である作動部210に沿う異なる位置に配置されてもよい。加えて、センサ204a~204eのそれぞれは、他のセンサ204a~204eに対して異なる回転方向(例えば、0°~360°)に配置されてもよい。図2では、5つのセンサ204a~204eが表示されるが、この実施形態は、9個の導体254a~254iに接続される9個の別個のセンサ204を有するようになっている。1つ以上のセンサ204a~204eのそれぞれは、身体の管腔、管路、又は、体腔の内壁と接触するように構成される接触面205を有する。(センサ204の)向きは、患者の心筋及び伝導系の様々な部分と関連する信号を取得することによって心臓の様々な部分に影響を及ぼす障害の診断を可能にするために、異なる実施形態において異なってもよい。例えば、梗塞は、左前下行冠状動脈(LAD)、右冠動脈(RCA)、回旋冠動脈(Cx)、或いは更には、特定の縁枝又は対角枝などの冠動脈又は側枝のうちの1つ以上に配置されるように特定される場合がある。
【0019】
[0050]図3は、一連のセンサ290a~290eを有する検出装置288の作動部286の別の実施形態を示す。作動部286が(図示される)その拡張状態にあるときに、センサ290a~290dは作動部286の最大直径部分292上に支持されるが、センサ290eはより小さい直径294にまで延在する。この特定の実施形態は、センサ290eが遠位側の管腔又は血管の適切なより小さい直径で作動部286によって支持されるように、その内径がより小さい直径まで遠位側へ先細る身体の管腔又は血管で使用できるように構成されてもよい。或いは、作動部286は、対象の身体の管腔又は血管に対して意図的に大きめにされ、それにより、過膨張又は過拡張されるように構成されてもよい。これは、作動部286がその拡張状態にあるときに、センサ290eが依然として身体の管腔又は血管の内壁と接触をもたらすことができるように、順応性のある壁を有する身体血管に関して適切であり得る。センサ290eは、検出装置288の遠位端296の方へ向けられるより小さい直径294の付近に配置されるが、別の実施形態において、センサ290eは、作動部286の近位端298へ向かうより小さい直径部分に配置されてもよい。幾つかの実施形態において、検出装置288は、第1の圧力によってセンサ290a、290b、290c、290dが身体の管腔又は体腔の内壁と接触するがセンサ290eは接触しないように構成されるとともに、第2のより高い圧力によってセンサ290eも身体の管腔又は体腔の内壁と接触するように構成される。
【0020】
[0051]図4は、作動部210がその扁平状態又は収縮状態のまま気管206の管腔216内にあるように患者202内の所定位置にある検出装置200を示す。使用中に、ユーザは、検出装置を患者の口内に挿入して、作動部210を気管206内へ押し進める。膨張装置(例えばシリンジ)をインタフェース212に取り付けることによって、ユーザは、センサ204(例えば、電極)が気管206の内壁283と接触するように作動部210(例えば、バルーン、カフ)(図5)を膨張させてもよい。バルブ214は、所望の拡張圧力を維持し、したがって、センサ204と気管206の内壁283との接触を維持する。センサ204が内壁283の軟組織と接触しているため、結合ゲル又は結合液を必要とすることなく、許容できる電気的接触が成される。作動部210内の圧力の維持は、センサ204と内壁283との間の電気的接触が断たれないようにする。これは、一般に結合ゲルを組み込む皮膚によって支持されるにもかかわらず適用領域で発汗又は汚染(漏出など)に起因して偶発的に引き離され、擦り取られ、又は、離れ落ちる可能性がある従来の電極パッドとは対照的である。
【0021】
[0052]図6は、従来の「12リード」ECGのベクトルの3次元配列を示す。これは簡略化された描写であり、心臓207は、必ずしも一定の縮尺ではなく、又は、胴体内のその実際の位置にあるとは限らない。一般に、10個の外部皮膚電極(センサ)が四肢(左腕、右腕、左脚、右脚)上に4つ及び胸部領域上に6つ(1-6)配置される。結果として得られる12本のリードは、双極リードI、II、III(Einthoven Triangleとして知られているものを表すために画像的に重ね合わせることができる)と、単極リードaVR(増幅電圧右)、aVL(増幅電圧左)、aVF(増幅電圧足)、V1、V2、V3、V4、V5、V6(6つの胸部領域電極から)とを含む。
【0022】
[0053]図7には、センサ204x、204yがその作動部210上に配置されるとともに気管206の管腔216内に位置させられて拡張される検出装置200が示される。センサ204x、204yのそれぞれは、気管206の内壁283と接触しており、したがって、リードX及びリードYのそれぞれのための電極である。第1のベクトルXはリードXを示し、ベクトルYはリードYを示す。参照目的のために、大動脈209、上大静脈211、下大静脈213、及び、2つの気管支215、217が示される。
【0023】
[0054]図8は、コンソール320に結合されるように構成される検出装置300を備える検出システム30を示す。検出システム30は、被検者の内部からの信号を検出するように構成される。そのような信号は、心電図をもたらすべく取得され得るような心臓の電気的活動に関連する信号を含んでもよい。検出装置300は、シャフト又はカテーテルチューブを備えてもよい長尺部材308を備える。長尺部材308は、近位端322及び遠位端324を有する。図8に描かれるような検出装置300は、サブ選択能力を有する気管内チューブとして機能するように構成され、したがって、検出装置300は、長尺部材308の近位端322に結合される取付具328と長尺部材308の遠位端324に隣接するポート330との間で延びる呼吸ルーメン326を備える。呼吸ルーメン326は、被検者の体腔内に検出装置300を送出するのに役立つように呼吸ルーメン326に挿通配置されてもよく且つその後に除去されてもよいガイドワイヤ(図示せず)の通過を可能にするように構成されてもよい。ポート330において、長尺部材308は、検出装置300の遠位端334の追跡に役立つように、スカイブ332、又は、傾斜カット又は傾斜形状を含んでもよい。取付具328は、場合によっては麻酔薬を含んでもよい酸素及び他のガスを呼吸ルーメン326を通じてポート330から例えば1つ以上の気管支を介して患者の肺の中へ送り込むために、呼吸器或いは他の酸素送出機器又は空気送出機器に結合するように構成される。
【0024】
[0055]近位端336及び遠位端338を有する第1の作動部310が、長尺部材308の遠位端324によって支持され、又は、長尺部材308の遠位端324から実際に形成されてもよい。第1の作動部310は、バルーン又はカフのような膨張可能部材、或いは、他の拡張可能な構造体を備えてもよく、また、身体管腔内又は体腔内への配置及び身体管腔内又は体腔内(或いは、カテーテルチューブを含むシース又はチューブのルーメン内)への送出のための扁平状態を有するように構成され得る。また、第1の作動部310は拡張状態を有することもできる。第1の作動部310が膨張可能部材である場合、拡張状態は、第1の作動部310(膨張可能部材)を気体又は液体のような流体で膨張させることによって達成されてもよい。流体は、例えば、水、生理食塩水、空気、窒素、又は、他の膨張媒体を含んでもよい。膨張ルーメン340が、近位位置342から第1の作動部310(膨張可能部材)まで延びるとともに、延在チューブ344を介して膨張ルーメン340に結合されてもよいインタフェース312でアクセスされる。インタフェース312は、シリンジ又は他のタイプの膨張装置350に取り付くように構成されるルアー取付具346を備えてもよい。インタフェース312は、ルアー作動バルブなどのバルブ314を含んでもよい。ルアー作動バルブは、膨張装置がルアー取付具346に取り付けられないときに閉(密閉)状態にあるように構成されてもよく、また、膨張装置がルアー取付具346に取り付けられるときに開(非密閉)状態にあるように構成されてもよい。膨張可能部材の膨張の程度をユーザが決定できるように触覚的又は視覚的なフィードバックを与えるべく、パイロットバルーン348がインタフェース312に支持されてもよい。第1の作動部310よりも遠位側は、拡張可能な第2の作動部321がある。第2の作動部321は、バルーン又はカフなどの膨張可能部材であってもよく、また、第1の作動部材310と同じ膨張ルーメン340を通じて拡張可能であってもよく、或いは、図示のように、インタフェース312と同様の特徴を有してもよい第2のインタフェース325を介して第2の膨張ルーメン323を通じて独立に拡張可能であってもよい。例えば、第2のインタフェース325は、膨張装置327によって膨張されてもよい。幾つかの実施形態において、第1の作動部材310は、気管206内で膨張されるように構成されてもよく、一方、第2の作動部321は、気管支215、217内で膨張されるように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、第1の作動部310が第2の作動部321よりも大きい外形又は直径を有する。例えば、第1の作動部310の直径は、約5mm~約30mm、又は、約13mm~約27mmであってもよく、一方、第2の作動部321の直径は、約4mm~20mm、又は約9mm~約18mmであってもよい。
【0025】
[0056]図8において、第1の作動部310は、その表面352上で1つ以上のセンサ304を支持する膨張可能部材である。1つ以上のセンサ304は、接着剤又はエポキシによって第1の作動部310の表面352に固定されてもよく、或いは、1つ以上のセンサ304は、表面352に堆積され、塗布され、コーティングされ、噴射され、スパッタリングされ、或いはさもなければ、取り付けられ、又は、付着されてもよい。幾つかの実施形態において、1つ以上のセンサ304は、本明細書中に記載されるマスキングプロセスの使用によって第1の作動部310の表面352に適用されてもよい。他の実施形態において、1つ以上のセンサ304は、センサ304をコンピュータ制御パターンで表面352に適用するコンピュータ制御アプリケータ又はロボットアプリケータによって適用されてもよい。幾つかの実施形態において、1つ以上のセンサ304は、導電性材料を備える電極であり、導電性材料は、導電性銀インク、カーボンインク、銀-塩化銀インク、又は、銀-炭素-塩化銀インクなど、銀を備えてもよい。幾つかの実施形態では、放射線不透過性インクが、導電性インクと共に又は隣接して塗布されてもよく、或いは更には、導電性インクであってもよい。放射線不透過性インクは、例えば、X線写真術下又は蛍光透視下で1つ以上のセンサ304を視覚化できる能力を高める。
【0026】
[0057]1つ以上のセンサはそれぞれ接触面305を有する。1つ以上のセンサ304のそれぞれは、近位端356及び遠位端358を有する導体354に結合されてもよい。1つ以上の導体354は、1つ以上のセンサ304が第1の作動部310に適用されるのと同じプロセスによって、第1の作動部310及び/又は長尺部材308に適用されてもよい。幾つかの実施形態において、1つ以上のセンサ304及び/又は1つ以上の導体354は、全ての目的のためにその全体が参照により本願に組み入れられる2016年3月22日に発行された「心拍出量の測定のための装置及び方法」と題される米国特許第9、289、141号に記載される方法を用いて適用されてもよい。1つ以上の導体354は、1つ以上のセンサ304と同時に適用されてもよく、或いは、1つ以上のセンサ304の適用の前又は後に適用されてもよい。幾つかの実施形態では、1つ以上のセンサ304が部分的に適用(例えば、単一層又は最初の数の層)された後、1つ以上の導体354が適用され、その後、1つ以上のセンサ304を完成させるために最後の1つ以上の層が適用される。幾つかの実施形態では、1つ以上の導体354の適用後、それに続いて、誘電体層360が1つ以上の導体354上にわたって適用される。1つ以上のセンサ329及び1つ以上の導体331が、記載された方法のいずれかによって第2の作動部321の表面333に適用される。また、1つ以上の導体331は、誘電体材料によってコーティングされてもよく或いはさもなければ覆われてもよい。1つ以上の導体331は、長尺部材308の内部で近位側へ延びてもよく、又は、長尺部材308の外面に沿って1つ以上の導体354と共に延びてもよい。ケーブル362が1つ以上の導体354の近位端356と1つ以上の導体331の近位端335とに対して(例えば半田によって)電気的に結合され、また、被覆体又は歪み緩和体364が接続領域にわたって固定されてもよい。被覆体又は歪み緩和体364は、ポリイミド、接着剤又はエポキシ、ポリエチレン、又は、ポリエステル収縮チューブ、或いは、他の同様の材料、又は、これらの組み合わせを含む誘電体材料であってもよい。
【0027】
[0058]ケーブル362はコネクタ366を含み、該コネクタ366は、コンソール320の入力368に結合されるように構成されるとともに、信号376を1つ以上のセンサ304及び/又は1つ以上のセンサ329からコンソール320に伝えるように構成される。幾つかの実施形態において、コンソール320に入る信号376は、(幾つかの対応する導体354、331によって支持された)幾つかの異なるセンサ304、329を表してもよい。幾つかの実施形態において、コンソール320は、1つ以上のセンサ304、329のうちの特定の1つからの信号376を選択できるようにするためにリードセレクタ370を含んでもよい。幾つかの実施形態では、1つ以上のセンサ304、329からの1つ以上の信号376が並列に処理されてもよい。コンソール320が保護回路372を含んでもよく、保護回路372は、回路遮断器又は他の回路保護装置を含んでもよい。1つ以上の信号376は、コンソール320によって与えられるプロセッサ374に入ってもよい。幾つかの実施形態において、プロセッサ374は、信号376を増幅するための1つ以上の増幅器378と、信号376をフィルタリングするための1つ以上のフィルタ380とを含む。ディスプレイ382が、コンソール320からの結果として生じる心電図信号318又はトレース(例えば、PQRST波形)を表示するように構成される。ディスプレイ382は、コンソール320に組み込まれてもよく、又は、別体であってもよい。ディスプレイ382は、コンソール320に直接に接続されてもよく、又は、遠隔にあって、無線で通信してもよい。コンソール320は、ユーザが一般的にコンソール320又は検出システム30を制御できる及び/又はコンソール320又は検出システム30と通信できるようにするインタフェース384を含んでもよい。インタフェースは、例えば、検出装置300がフレックス回路上に支持されてもよい内部マイクロプロセッサを組み込む場合、ユーザが更に検出装置300を制御できる又は検出装置300と通信できるようにしてもよい。インタフェース384は、タッチスクリーン、キーボード、音声通信システム(例えば、音声作動式)であってもよく、また、グラフィックユーザインタフェース(GUI)を組み込んでもよい。
【0028】
[0059]幾つかの実施形態では、静脈酸素供給を測定するように構成される更なるセンサが第2の作動部321上に支持されてもよい。更なるセンサは、光学的な酸素飽和度センサを備えてもよい。
【0029】
[0060]図9には、センサ304f、304gがその第1の作動部310上に配置されるとともに気管206の管腔216内に位置させられて拡張される検出装置300が示される。加えて、センサ329h、329iが検出装置300の第2の作動部321上に配置され、また、第2の作動部321は、左気管支215の管腔219内に位置させられて拡張されてしまっている。センサ304f、304gのそれぞれは、気管206の内壁283と接触しており、したがって、リードF及びリードGのそれぞれのための電極である。第1のベクトルFがリードFを示し、また、ベクトルGがリードGを示す。センサ329h、329iのそれぞれは、左気管支215の内壁223と接触しており、したがって、リードH及びリードIのそれぞれのための電極である。ベクトルHはリードHを示し、ベクトルIはリードIを示す。
【0030】
[0061]図10には、センサ304j、304kがその第1の作動部310上に配置されるとともに気管206の管腔216内に位置させられて拡張された検出装置300が示される。加えて、センサ329l、329mが検出装置300の第2の作動部321上に配置され、また、第2の作動部321は、右気管支217の管腔221内に位置させられて拡張されてしまっている。センサ304j、304kのそれぞれは、気管206の内壁283と接触しており、したがって、リードJ及びリードKのそれぞれのための電極である。ベクトルJがリードJを示し、また、ベクトルKがリードKを示す。センサ329l、329mのそれぞれは、右気管支217の内壁225と接触しており、したがって、リードL及びリードMのそれぞれのための電極である。ベクトルLはリードLを示し、ベクトルMはリードMを示す。図9及び図10に示される検出装置300のいずれかの位置で見ることができるように、(第2の作動部321を潰す/収縮させる、検出装置300を前進させる又は後退させる、及び、第2の作動部321を再拡張させる/膨張させることによって)第2の作動部321を気管支215、217内へより深く又はより浅く移動させると、ベクトルH、I、L、Mの向き又は角度が変化する。ベクトルH、I、L、Mの向き又は角度の変化は、心臓207の一部をセンサ329h、329i、329l、329mによって検出できるようにする、又は、センサ329h、329i、329l、329mによって検出される心臓207の部分を変えることができる。ベクトルF、G、J、Kは、同様に、検出装置300を前進又は後退させて第1の作動部310を遠位側又は近位側に移動させ、したがって、センサ304f、304g、304j、304kの位置を変えることによって調整されてもよい。図8に戻ると、長尺部材308によって支持される深さマーキング337は、検出装置300並びに第1及び第2の作動部310、321の長手方向位置の正確な配置及び調整を可能にする。深さマーキング337はそれぞれ、20mm、10mm、5mm、或いは更には、1mm、又は、それらの間の任意の距離だけ離間されてもよい。各深さマーキング337は、他の深さマーキング337と同様に形成されてもよく、或いは、特定の識別のために他のものとそれぞれ異なっていてもよい。深さマーキング337は、パッド印刷、マーキング、着色収縮チューブ、引っかき傷、又は、他の許容可能な態様などの当該技術分野において知られる任意の態様によって適用されてもよい。
【0031】
[0062]また、検出装置300を回転させることによって、第2の作動部321のセンサ329h、329i、329l、329m及び第1の作動部310のセンサ304f、304g、304j、304kの回転方向が変えられ、それにより、ベクトルH、I、L、M、F、G、J、Kの向き又は角度がそれぞれ変えられてもよい。この場合も先と同様に、このようにして心臓207の一部がこの態様で設定又は調整されてもよい。周方向に配列されるマーキング339(図8)が、長尺部材308によって支持されてもよく、又は、図示のように取付具338によって支持されてもよい。周方向に配列されるマーキング339は、パッド印刷、マーキング、着色収縮チューブ、引っかき傷、又は、他の許容可能な態様などの当該技術分野において知られている任意の態様によって適用されてもよい。周方向に配列されるマーキング339の位置を比較するための目印として患者の口(唇など)に一時的なマークが形成されてもよく、又は、近くの医療機器の他の部品又は隣接物体が目印として使用されてもよい。記載されたマーキング337、339及び調整方法は、図1の検出装置200又は本明細書中に記載される他の実施形態のいずれかと共に使用されてもよい。
【0032】
[0063]図11は、コンソール420に結合されるように構成される検出装置400を備える検出システム40を示す。検出システム40は、被検者の内部からの信号を検出するように構成される。そのような信号は、心電図をもたらすべく取得され得るような心臓の電気的活動に関連する信号を含んでもよい。検出装置400は、シャフト又はカテーテルチューブを備えてもよい長尺部材408を備える。長尺部材408は、近位端422及び遠位端424を有する。図11に描かれるような検出装置400は、経鼻胃チューブ(NGチューブ)としての機能を果たすように構成され、したがって、検出装置400が1つ以上のルーメン441、443を備え、該ルーメンは、長尺部材408の近位端422に結合される1つ以上の取付具445、447間で延びるとともに、長尺部材408の遠位端424に隣接する1つ以上のポート449、451で終端するまで長尺部材を通じて延びる。ポート449、451のうちの1つは、1つ以上の薬剤の送出のため、又は、他の流体(例えば、生理食塩水)の送出のために、又は、経腸栄養溶液の送出のために構成されてもよい。ポート449、451は、流体を胃内へ直接に送出するように配置されてもよいが、別の実施形態において、検出装置は、ポート449、451のうちの少なくとも1つを直接送出のために十二指腸又は空腸に配置できるようにするべく構成されてもよい。場合によっては、ポート449、451が遠位側の食道に配置されてもよい。幾つかの実施形態では、ルーメン441、443のうちの一方が流体送出専用であってもよく、一方、他方のルーメン441、443は、内容物、例えば胃内容物の吸引又は洗浄に専用のものであってもよい。幾つかの実施形態では、いずれのルーメン441、443も送出及び吸引又は洗浄の両方を行うことができる。幾つかの実施形態において、取付具445、447は、様々な送出装置又は吸引装置のルアー取付具に結合するように構成されるルアー取付具を備える。
【0033】
[0064]近位端436及び遠位端438を有する第1の作動部410が長尺部材408によって支持される。図11に示されるように、この特定の実施形態における第1の作動部410は、(長尺部材408のシャフトの直径と比較して)拡大された外形を有する二次的な形状を備える。二次的な形状は、長尺部材408に直接に形成される蛇行形状又はS形状として図11に示される。この形状は、熱可塑性チューブの熱成形によって形成されてもよい。近位側ハブ455と丸みを帯びた或いは別の態様の鈍的なチップ459を有する長尺体457とを有するスタイレット453が、検出装置400の長尺部材408の中心ルーメン461の下方に配置されるように構成される。図12は、スタイレット453の長尺体457が中心ルーメン461内に挿入された検出装置400を示し、これにより、第1の作動部410は、体腔又は管腔内での送出又は移動に役立つように直線配置又は略直線配置をとる。検出装置400が身体の管腔内、例えば食道内及び胃内の所望の位置へ送出されてしまうと、スタイレット453の長尺体457は、検出装置400の中心ルーメン461から引き込まれ又は完全に除去されて、第1の作動部410が拡大された外形を有するその二次的な形状をとることができるようにしてもよい。他の実施形態において、長尺部材408は、第1の作動部410が患者の体温との接触によって又は増大された温度(例えば42°C)を有する流体を長尺部材408の周囲に導入することによってその所望の二次的な形状を達成できるようにする形状記憶を有する形状記憶ポリマーを備えてもよい。他の別の実施形態では、成形した形状記憶合金(例えば、ニチノール)が長尺部材408内に存在し、この形状記憶合金により、長尺部材408は、高温(例えば、体温又は最大で42°Cにまで至る温度などの高い温度)に晒されるときに第1の作動部410及び/又は第2の作動部421で形状を変える。或いは、第1の作動部410は、図1及び図8の実施形態に記載されるようなバルーン又はカフなどの膨張可能部材に取って代えられてもよい。一般に、第1の作動部410は、拡張可能な構造体を備えるとともに、身体管腔内又は体腔内への配置及び身体管腔内又は体腔内(或いは、カテーテルチューブを含むシース又はチューブのルーメン内)への送出のための扁平状態を有するように構成され得る。前述したように、第1の作動部410が拡張状態を有することもできる。
【0034】
[0065]第1の作動部410よりも遠位側には、近位端463及び遠位端465を有する第2の作動部421がある。第2の作動部421は、拡張可能であるとともに、スタイレット453の長尺体457を中心ルーメン461に挿通配置することによって達成され得る扁平状態(図12)と、スタイレット453の長尺体457を中心ルーメン461から除去する又は引き込むことによって達成され得る拡張状態(図11)とを備える。二次的な形状は、長尺部材408に直接に形成されるスパイラル状又は螺旋状の形状として図11に示される。第1の作動部410に関して使用される成形材料又は成形方法のいずれかが第2の作動部421に関して使用されてもよい。幾つかの実施形態において、第1の作動部材410は、食道内で拡張されるように構成されてもよく、一方、第2の作動部421は、第1の作動部材410よりも遠位側の位置において食道内で拡張されるように構成されてもよい。幾つかの実施形態では、第1の作動部410が第2の作動部421よりも小さい外形又は直径を有する。例えば、第1の作動部410の(拡張された)直径は、約15mm~約30mm、又は、約20mm~約27mmであってもよく、一方、第2の作動部421の(拡張された)直径は、約25mm~40mm、又は、約30mm~約37mmであってもよい。幾つかの実施形態では、作動部410、421の両方がスパイラル状又は螺旋状であってもよい。幾つかの実施形態では、作動部410、421の両方が蛇行状又はS字状であってもよい。幾つかの実施形態では、第1の作動部410がスパイラル状又は螺旋状であってもよく、また、第2の作動部421が蛇行状又はS字状であってもよい。他の三次元形状又は二次元形状が使用されてもよい。幾つかの実施形態では、単一の作動部のみが存在してもよく、又は、他の実施形態では、3つ以上の作動部が存在してもよい。ポート449、451は検出装置400の遠位端434に隣接して示されるが、1つ以上のポート449、451は、遠位端434よりもある距離だけ近位側に配置されてもよく、また、幾つかの実施形態では第2の作動部421よりも近位側に配置されてもよく、幾つかの実施形態では更に第1の作動部410よりも近位側に配置されてもよい。図8の検出装置300に関連して記載されたようにマーキング437、439を検出装置400で利用できる。
【0035】
[0066]図11において、第1の作動部410は、その外方に延在する表面452上に1つ以上のセンサ404を支持し、それにより、第1の作動部410がその拡張状態にあるときに、1つ以上のセンサ404が食道(又は他の身体管腔)の内壁に直接に当て付く。1つ以上のセンサ404は、接着剤又はエポキシによって第1の作動部410の表面452に固定されてもよく、或いは、1つ以上のセンサ404は、表面452に堆積され、塗布され、コーティングされ、噴射され、スパッタリングされ、或いはさもなければ、取り付けられ、又は、付着されてもよい。幾つかの実施形態において、1つ以上のセンサ404は、本明細書中に記載されるマスキングプロセスの使用によって第1の作動部410の表面452に適用されてもよい。他の実施形態において、1つ以上のセンサ404は、センサ404をコンピュータ制御パターンで表面452に適用するコンピュータ制御アプリケータ又はロボットアプリケータによって適用されてもよい。幾つかの実施形態において、1つ以上のセンサ404は、導電性材料を備える電極であり、導電性材料は、導電性銀インク、カーボンインク、銀-塩化銀インク、又は、銀-炭素-塩化銀インクなど、銀を備えてもよい。幾つかの実施形態では、放射線不透過性インクが、導電性インクと共に又は隣接して塗布されてもよく、或いは更には、導電性インクであってもよい。放射線不透過性インクは、例えば、X線写真術下又は蛍光透視下で1つ以上のセンサ404を視覚化できる能力を高める。
【0036】
[0067]1つ以上のセンサはそれぞれ接触面405を有する。1つ以上のセンサ404のそれぞれは、近位端456及び遠位端458を有する導体454に結合されてもよい。1つ以上の導体454は、1つ以上のセンサ404が第1の作動部410に適用されるのと同じプロセスによって、第1の作動部410及び/又は長尺部材408に適用されてもよい。幾つかの実施形態において、1つ以上のセンサ404及び/又は1つ以上の導体454は、全ての目的のためにその全体が参照により本願に組み入れられる2016年3月22日に発行された「心拍出量の測定のための装置及び方法」と題される米国特許第9、289、141号に記載される方法を用いて適用されてもよい。1つ以上の導体454は、1つ以上のセンサ404と同時に適用されてもよく、或いは、1つ以上のセンサ404の適用の前又は後に適用されてもよい。幾つかの実施形態では、1つ以上のセンサ404が部分的に適用(例えば、単一層又は最初の数の層)された後、1つ以上の導体454が適用され、その後、1つ以上のセンサ404を完成させるために最後の1つ以上の層が適用される。幾つかの実施形態では、1つ以上の導体454の適用後、それに続いて、誘電体層460が1つ以上の導体454上にわたって適用される。1つ以上のセンサ429及び1つ以上の導体431が、記載された方法のいずれかによって第2の作動部421の外方に延在する表面433に適用される。また、1つ以上の導体431は、誘電体材料によってコーティングされてもよく或いはさもなければ覆われてもよい。1つ以上の導体431は、長尺部材408の内部で近位側へ延びてもよく、又は、長尺部材408の外面に沿って1つ以上の導体454と共に延びてもよい。また、1つ以上の導体454が長尺部材408の内部で延びてもよい。ケーブル462が1つ以上の導体454の近位端456と1つ以上の導体431の近位端とに対して(例えば半田によって)電気的に結合され、また、被覆体又は歪み緩和体464が接続領域にわたって固定されてもよい。被覆体又は歪み緩和体464は、ポリイミド、接着剤又はエポキシ、ポリエチレン、又は、ポリエステル収縮チューブ、或いは、他の同様の材料、又は、これらの組み合わせを含む誘電体材料であってもよい。
【0037】
[0068]ケーブル462はコネクタ466を含み、該コネクタ466は、コンソール420の入力468に結合されるように構成されるとともに、信号476を1つ以上のセンサ404及び/又は1つ以上のセンサ429からコンソール420に伝えるように構成される。幾つかの実施形態において、コンソール420に入る信号476は、(幾つかの対応する導体454、431によって支持された)幾つかの異なるセンサ404、429を表してもよい。幾つかの実施形態において、コンソール420は、1つ以上のセンサ404、429のうちの特定の1つからの信号476を選択できるようにするためにリードセレクタ470を含んでもよい。幾つかの実施形態では、1つ以上のセンサ404、429からの1つ以上の信号476が並列に処理されてもよい。コンソール420が保護回路472を含んでもよく、保護回路472は、回路遮断器又は他の回路保護装置を含んでもよい。1つ以上の信号476は、コンソール420によって与えられるプロセッサ474に入ってもよい。幾つかの実施形態において、プロセッサ474は、信号476を増幅するための1つ以上の増幅器478と、信号476をフィルタリングするための1つ以上のフィルタ480とを含む。ディスプレイ482が、コンソール420からの結果として生じる心電図信号418又はトレース(例えば、PQRST波形)を表示するように構成される。ディスプレイ482は、コンソール420に組み込まれてもよく、又は、別体であってもよい。ディスプレイ482は、コンソール420に直接に接続されてもよく、又は、遠隔にあって、無線で通信してもよい。コンソール420は、ユーザが一般的にコンソール420又は検出システム40を制御できる及び/又はコンソール420又は検出システム40と通信できるようにするインタフェース484を含んでもよい。インタフェースは、例えば、検出装置400がフレックス回路上に支持されてもよい内部マイクロプロセッサを組み込む場合、ユーザが更に検出装置400を制御できる又は検出装置400と通信できるようにしてもよい。インタフェース484は、タッチスクリーン、キーボード、音声通信システム(例えば、音声作動式)であってもよく、また、グラフィックユーザインタフェース(GUI)を組み込んでもよい。
【0038】
[0069]検出装置400が図13に示されており、この場合、スタイレット453が、長尺部材408の内部に挿入されるとともに、患者202の鼻235の鼻腔237を通じて食道227内へ送出される。口233が基準点として示される。図14では、スタイレット453が検出装置400から除去され、また、長尺部材408は、必要に応じて、第1の作動部410及び第2の作動部421がそれらの所望の位置でそれらの二次的な拡張状態をとるように調整される。センサ404、429は、第1の作動部410及び第2の作動部421によって食道227の内壁部に当て付いて適用される。ポート451は、流体の送出、吸引、洗浄、又は、他の処置目的のために胃231の内部に配置されてしまっている。
【0039】
[0070]図15では検出装置400が食道227内に示され、この場合、第1の作動部410及び第2の作動部421はそれらの拡張状態にある。センサ404a、404bは、第1の作動部410によって食道227の内壁239に押し付けられてしまっており、また、センサ429c、429d、429eは、第2の作動部421によって食道227の内壁239に押し付けられてしまっている。各センサ404a、404b、429c、429d、429eは、リードA、B、C、D、Eのそれぞれのための電極である。ベクトルA、B、C、D、EはそれぞれリードA、B、C、D、Eを示している。参照目的のため、大動脈209、上大静脈211、下大静脈213、気管206、及び、2つの気管支215、217が示されている。更なるセンサ467が、第1の作動部410と第2の作動部421との間にある長尺部材408の中間部408mで、検出装置400の長尺部材408上に支持されてもよい。中間部408mは、第1の作動部410と第2の作動部421との間に圧縮力Fを印加することによって中間部が屈曲できるように構成される。例えば、ユーザは、第2の作動部421のみがその扁平状態からその拡張状態へ変化できるようにするため、また、中間部408mの可撓性を高めるために、スタイレット453の長尺体457を第2の作動部421及び中間部408mから部分的に引き込んでもよい。第2の作動部421が食道227の内壁239に対して垂直力及び付随する摩擦力を加えた状態で、ユーザは、長尺部材408の近位部分を前進させることによって圧縮力Fを印加し、それにより、中間部408mを屈曲させて、センサ467を食道227の内壁239に押し付けてもよい。ユーザは、圧縮力Fを維持しつつ、その後、第1の作動部410がその扁平状態からその拡張状態に変化できるようにするために、スタイレット453の長尺体457を第1の作動部410から引き込むことができる。第1の作動部は、食道227の内壁239に対して垂直力及び付随する摩擦力を加え、それにより、中間部408mを屈曲状態に維持するとともに、センサ467を食道227の内壁239に当て付けた状態に維持する。センサ467はリードZのための電極であり、この場合、ベクトルZがリードZを示す。このように、検出装置400は、全て同時に、少なくとも1つのセンサを心臓よりも上方に位置させることができるように、少なくとも1つのセンサを心臓のレベル内(例えば、心臓の「フットプリント」内)に位置させることができるように、及び、少なくとも1つのセンサを心臓よりも下方に位置させることができるように構成される。これらの各センサ間の位置の変化は、内部電極(センサ)配置に関して全て、様々な範囲のリードを可能にする。これは、結果として生じるベクトルを更に変えるために、食道の直径に沿う位置の変化と組み合わされてもよい。マーキング437、439を使用してセンサ404a、404b、467、429c、429d、429eの挿入深さ及び/又は回転方向を調整することにより、最適化されたECG信号418を得ることができる。
【0040】
[0071]舌、軟口蓋、鼻孔/鼻道、頬、肛門、尿道、又は、被検者の粘膜との接触を可能にする任意の他の場所を含むがこれらに限定されない被検者の身体内の様々な軟組織部位に結合するように構成される補助センサ500が図16に示される。ある場合には、補助センサ500が例えば被検者の肩に外部から適用されてもよい。補助センサ500は、ばね体506によって結合される第1及び第2のヘッド502、504を備え、ばね体506は、第1及び第2のヘッド502、504が互いから離れるように移動されるにつれて増大する付勢力を第1及び第2のヘッド502、504間にもたらし、したがってクリップと同様に作用する。図16に示されるように、第1のヘッド502は、1つ以上の放射体510、512と1つ以上の検出器514とを備える光学センサ508を含んでもよい。光学センサ508は、酸素飽和度(SpO)を測定するためのパルス酸素濃度測定装置として機能することができる。幾つかの実施形態において、光学センサ508は、末梢毛細血管酸素飽和度を測定するように構成されてもよい。また、第1のヘッド502は、前述したような補助部位で軟組織と接触するように構成されるセンサ516(例えば、電極)も含む。光学センサ508及びセンサ516からの信号は、本明細書中に記載されるコンソール202、302、402のいずれかに補助センサ500を接続し得るケーブル518を介して伝えられる。別の実施形態において、光学センサ508及びセンサ516は、補助センサ500の対向するヘッド502、504に支持されてもよい。他の別の実施形態では、補助センサがセンサ516のみを含んでもよい。
【0041】
[0072]補助センサ500は、図17及び図18では、患者202の鼻235の中隔243に結合されて示される。ヘッド502上のセンサ508、516は、中隔243の軟組織243に直接に隣接する。電極としてのセンサ516は、液体の結合ゲルを使用せずに軟組織243に結合されてもよい。センサ516からの信号は、様々なシステム20、30、40のコンソール220、320、420のプロセッサ274、374、474のいずれかによって処理されてもよい。
【0042】
[0073]補助センサ500は、図19及び図20では、患者202の鼻235の鼻孔壁245に結合されて示される。ヘッド502上のセンサ508、516は、鼻孔壁245の軟組織243に直接に隣接する。電極としてのセンサ516は、液体の結合ゲルを使用せずに軟組織243に結合されてもよい。センサ516からの信号は、様々なシステム20、30、40のコンソール220、320、420のプロセッサ274、374、474のいずれかによって処理されてもよい。
【0043】
[0074]補助センサ500は、図21及び図22では、患者202の舌247に結合されて示される。ヘッド502上のセンサ508、516は、舌247の軟組織243に直接に隣接する。場合によっては、センサ508、516が舌247の底部に隣接して配置されてもよい。電極としてのセンサ516は、液体の結合ゲルを使用せずに軟組織243に結合されてもよい。センサ516からの信号は、様々なシステム20、30、40のコンソール220、320、420のプロセッサ274、374、474のいずれかによって処理されてもよい。
【0044】
[0075]補助センサ500は、図23及び図24では、患者202の頬249に結合されて示される。ヘッド502上のセンサ508、516は、口233内の頬249の内部の軟組織243に直接に隣接する。電極としてのセンサ516は、液体の結合ゲルを使用せずに軟組織243に結合されてもよい。センサ516からの信号は、様々なシステム20、30、40のコンソール220、320、420のプロセッサ274、374、474のいずれかによって処理されてもよい。
【0045】
[0076]補助センサ600の別の実施形態が、図25では、患者202の口233の軟口蓋253に結合されて示される。補助センサは、歯クリップ620及びベース624を有するフレーム622を備える。歯クリップ620は、1つ以上の歯251にスナップ留めされてもよい。ベースは、ベース624に取り付けられる1つ以上のセンサ626を軟口蓋253に対して直接に押し付けるための付勢力を印加するように構造化されてもよい。1つ以上のセンサ626は、液体の結合ゲルを使用せずに軟口蓋253組織に結合され得る電極を含む。1つ以上のセンサ626からの信号は、ケーブル618を介して供給されて、様々なシステム20、30、40のコンソール220、320、420のプロセッサ274、374、474のいずれかによって処理されてもよい。
【0046】
[0077]図26Aは、一般に、コンソール220に結合されるように構成される検出装置16を備える検出システム10を示す。検出装置16は、患者202の内部に配置されるように構成されるとともに、ケーブル11でコンソールに供給される信号を得るために使用される1つ以上のセンサ1、2を備える。補助センサ3は、検出装置16とは別個の位置で身体の一部に結合される。補助センサは、ECG測定のための電極であってもよいが、その測定データが検出装置16から受信される及び/又は供給される信号に対して相補的となり得る任意の他のタイプのセンサであってもよい。例えば、温度が補助センサによって検出されてもよい。ケーブル13は、補助センサ3からの情報をコンソールに伝えるように構成される。ある場合には、患者202が電極4及びケーブル14を介して接地されてもよい。幾つかの実施形態において、補助センサ3は、検出装置16と共にパッケージングされ、更には検出装置16と同じケーブル11を共有してもよい。幾つかの実施形態では、双極リードを形成するために、2つ以上の電極が一緒に利用される。
【0047】
[0078]図26Bには患者202が示されており、この場合、心臓の電気的活動に関連する信号を得るためのシステム10Bは、図1及び図7の検出装置200、図16図19図20の補助センサ500、及び、患者202の脚18又は足22に適用される外部センサ24を備える。検出装置200は、その作動部材210(膨張可能なバルーン又はカフ)上に1つ以上の電極(センサ204x、204y)を有する気管内チューブであり、患者202の気管206内に配置されて示される。外部センサ24は、患者202の皮膚34に適用するための電極28を含む。また、外部センサ24は、結合ゲル32(例えば、ヒドロゲル又は接着剤)を含んでもよく、又は、結合ゲル又は液体が電極28と皮膚34との間に配置されてもよい。図1のコンソール220と同様のコンソール220Bが示されており、このコンソール220Bは、補助センサ500のケーブル518、検出装置200のケーブル262、及び、外部センサ24から延びるケーブル26に接続するように構成されるとともに、検出装置200のセンサ(例えば、電極)(センサ204x、204y)、補助センサ500、及び、外部センサ24から信号を受信するように構成される。補助センサ500の付加は更なるリードAA(ベクトルAA)をもたらす。外部センサ24の付加は更なるリードBB(ベクトルBB)をもたらす。心臓及び心筋、血管網及び神経組織の拡張された数又は部分は、これらのベクトルX、Y、AA、BBの組み合わせで検査され得る。
【0048】
[0079]図26Cは患者202が示されており、この場合、心臓の電気的活動に関連する信号を得るためのシステム10C、図11及び図15の検出装置400、図16図23図24の補助センサ500、及び、患者202の胸部46の皮膚44に適用される外部センサ38を備える。検出装置400は、その作動部材410、408m、421(長尺部材408の変位可能な部分)上に1つ以上の電極(センサ404a、404b、467、429c、429d、429e)を有する経鼻胃(NG)チューブであり、患者202の食道227内に配置されて示される。外部センサ38は、患者202の皮膚44に適用するための電極40を含む。また、外部センサ38、結合ゲル42(例えば、ヒドロゲル又は接着剤)を含んでもよく、又は、結合ゲル又は液体が電極40と皮膚44との間に配置されてもよい。図11のコンソール420と同様のコンソール420Cが示されており、このコンソール420Cは、補助センサ500のケーブル518、検出装置400のケーブル462、及び、外部センサ38から延びるケーブル36に接続するように構成されるとともに、検出装置400のセンサ(例えば、電極)(404a、404b、467、429c、429d、429e)、補助センサ500、及び、外部センサ38から信号を受信するように構成される。補助センサ500の付加は更なるリードCC(ベクトルCC)をもたらす。外部センサ38の付加は更なるリードV6(ベクトルV6)をもたらす。図26Cには、一般的なV6胸部ECGリードが示されるが、V1、V2、V3、V4、又は、V5などの他の胸部リードがV6リードに加えて又は代えて使用されてもよく、心臓及び心筋、血管網及び神経組織の拡張された数又は部分は、これらのベクトルA、B、Z、C、D、E、CC、V6の組み合わせで検査され得る。検出装置200、300、400及び検出装置位置と、異なる補助センサ3、500の位置及び/又は外部センサ4、38、24の位置との他の組み合わせは、異なるベクトルの配列から所望のECG信号を得るシステムを形成するようにもたらされ得る。
【0049】
[0080]可撓性プラスチック材料から形成される医療機器に対して機能性を付加するプロセスが、膨張可能なカフ、バルーン、スリーブ、又は、膜上に導電性フレキシブル電子回路を印刷するために開発された。このプロセスは、多次元測定及び撮像を利用して、装置の特定の印刷パターンプログラムを確立し、一貫性がない表面上に印刷することを可能にする。一貫性がない表面としては、折り曲げられた表面、薄い表面、伸縮性のある表面、複雑な3次元表面、不均一な表面、及び、更には部分的に又は完全に重なり合う表面を挙げることができる。膨張可能部分を有するものを含む拡張可能部分を有する使い捨て可能なプラスチック装置の性質は、膨張可能部分の表面の寸法が材料非一貫性、壁厚、及び、膨張圧力に起因して変化することである。これらの変化及び/又は非一貫性に適合して、堆積された回路の寸法及び特性の一貫性を維持するために、「インテリジェント」印刷システムが使用されてきた。
【0050】
[0081]別の方法として、本明細書中では、予めプログラミングされてもよいが、それぞれの装置ごとにプログラムのカスタマイズを必要としない機械を使用して電気回路を印刷する及び/又は堆積させる及び/又は適用するための機器及び方法が提示される。これは、正確に規定された内径を有するマスク/固定具内に膨張可能部を制約することによって達成される。このマスクは、膨張可能材料が膨張されて内面と接触するときにその内径を維持できるようにする十分に剛性のある材料を備える。マスクは、プラスチック(Delrin、PEEK、PTFE)又は金属(ステンレス鋼)のような材料を備えてもよい。マスクは、プリンタ又は他のアプリケータが制約されたバルーン上又は膨張可能部上に既知の距離を隔てつつ材料を堆積できる/適用できるようにするためにその表面から切り欠かれる必要な開口を有する。幾つかの実施形態において、バルーン又は膨張可能部は、堆積中に所望の高圧まで膨張されてもよい。幾つかの実施形態において、この圧力は、マスキングの量を最適化するように調整されてもよい。或いは、回路を形成するべく切り欠きによって露出される材料上に「導電性インク」を(制限なく)噴射、霧化、塗装、スパッタリング、又は、蒸着することができる。導電トレースを配置した後、導電トレースの一部分上にわたって、例えば電極として使用されるようになっている任意の部分を除く全てにわたって、誘電体層が適用されてもよい。
【0051】
[0082]図27は、シャフト108及び膨張可能部110が第1の部分104及び第2の部分106を備えるマスキング固定具102(又はマスク)内に配置される膨張式装置100を示す。マスキング固定具102の第1の部分104及び第2の部分106は、「クラムシェル(clamshells)」を構成してもよく、また、第1の部分104及び第2の部分106を互いに対して位置決めするための1つ以上の段差部128、130を含んでもよい。膨張式装置100の近位端118は、膨張ポートを含んでもよく、又は、膨張ポートに結合されてもよい膨張ポートは、図1のインタフェース212と同様であってもよく、また、膨張装置250及び圧力ゲージ(図示せず)に結合されるように構成されてもよい。膨張可能部110は、マスキング固定具102内に膨張式装置100を配置する前又は後に所望の圧力まで膨張されてもよい。図28は、膨張式装置100で閉じられるマスキング固定具102の第1の部分104及び第2の部分106を示す。閉じられると、マスキング固定具102は、シャフト108の直径と密に嵌合する第1の直径dと、(例えば、膨張可能部110が高圧により膨張されるときに)膨張可能部110の直径と密に嵌合する第2の直径Dとを有するキャビティ140を形成する。プロセス中、膨張可能部110は、空気、窒素、二酸化炭素、又は、多くの他のガスを用いて膨張されてもよい。或いは、膨張可能部110は、滅菌水又は発熱性物質を含まない水などの水溶液によって膨張されてもよい。膨張式装置100の遠位端120は、例えば、患者の身体管腔内でのその配置に役立ってもよいスカイブ122を含んでもよい。
【0052】
[0083]第1及び第2の部分104、106の一方又は両方は、それぞれの部分104、106の壁142を完全に貫通して延びる1つ以上の開口112を含む。したがって、閉じられたマスキング固定具102(図28)は、膨張式装置100の一部を覆うが、導電性材料の制御された適用のために膨張式装置100の一部を露出させたままにする。膨張式装置100の近位端118及び遠位端120は、マスキング固定具102の近位端124及び遠位端126の外側に延びるように示されるが、幾つかの実施形態において、マスキング固定具102は、膨張式装置100の近位端118及び遠位端120を完全に覆ってもよい。複数の開口112a、112b、112c、112d(図示せず)、112e(図示せず)は、センサ及び導体が膨張式装置100の膨張可能部110に適用されるためのパターンを与えるように構成されてもよい。図28において分かるように、開口112cは、他の開口112a、112b、112d(図示せず)、112e(図示せず)のそれぞれと同様に、電極部114と導体部116とを含む。電極部114は、約5mm×5mm平方~約20mm×20mm平方、又は、約10mm×10mm平方~約15mm×15mm平方程度の寸法を有してもよい。導体部116は、約0.25mm~約5mm又は約1mm~3mmの横幅を有してもよい。
【0053】
[0084]使用中、膨張式装置100は、マスキング固定具102の第1及び第2の部分104、106内に配置され、また、第1及び第2の部分104、106は互いに(例えばクランプ、バンド、クリップ、リングを用いて)固定される。導電性インク、塗料、又は、接着剤が、マスキング固定具102の開口112の外側に塗布されて、乾燥、硬化、又は、固化し得る。幾つかの実施形態では、乾燥、硬化、又は、固化を活性化させる及び/又は加速させるために高温が使用されてもよい。膨張式装置100をマスキング固定具102内に配置する前に、膨張式装置に対する導電性インク、塗料、又は、接着剤の接着、付着、又は、融合を改善するために、膨張式装置が洗浄、乾燥、研磨、エッチングされてもよく、又は、任意の他のタイプの表面改変が適用されてもよい。表面処理としては、プラズマ放電、コロナ放電、又は、ビードブラストを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0054】
[0085]プロセスのこれらの要素の使用により、この際、1つ以上の結果として生じる導電トレース132が膨張式装置100に固定され、これが図29において更に詳しく分かる。導電トレース132a、132b、132c、132d、132eがそれぞれ複数のセクションを有してもよい。例えば、導電トレース132cは電極134及び導体136を含む。導電性インク、塗料、エポキシ、又は、接着剤を塗布して導電トレース132a、132b、132c、132d、132eを形成するステップの後、電極134が覆われないたままの状態で、導体136上にわたって誘電体層138が適用されてもよい。例えば、ポイントBとポイントCとの間の部分が覆われないままの状態で、ポイントAとポイントBとの間の部分上にわたって誘電体層138が適用されてもよい。これは、導電トレース132a、132b、132c、132d、132eのそれぞれを用いて行うことができ、また、膨張式装置100をマスキング固定具102内に残したまま行われてもよい。或いは、誘電体層138を適用するために、開口(例えば、より短い開口)に関して異なるパターンを有する別個のマーキング固定具102が使用されてもよい。任意の数の導電トレース132、例えば100個の別個の導電トレース132が適用されてもよく、それぞれの導電トレースはセンサと導体とを含む。
【0055】
[0086]或いは、膨張式装置100がマスキング固定具102から除去されてもよく、また、電極134a、134b、134c、134d、134eのそれぞれがマスキング材料によって一時的に覆われてもよい。その後、誘電体層138が導体136(a、b、c、d、e)を含めてシャフト108全体にわたって適用されてもよい。これは、噴霧、浸漬、塗装、堆積(例えば、蒸着)などによって行われてもよい。誘電体層138が適用された後、マスキング材料が電極134から除去されてもよい。
【0056】
[0087]或いは、誘電体層138は、導電トレース132の表面全体にわたって適用されてもよく、また、固化後に、電極134を含む部分のみから剥離除去されてもよい。
【0057】
[0088]マスキング固定具102は、2つの部分104、106を備える必要はなく、代わりに単一の管状部を備えてもよい。この場合、膨張式装置100は、マスキング固定具102の内部を通じた膨張式装置100の長手方向での通過を可能にするために、収縮されてもよく或いは更にはその内容物が真空引きされてもよい。
【0058】
[0089]マスキング固定具102の外面は、略円筒形の形状を伴って示されるが、代わりに、形状が多角形、例えば八角形であってもよい。これは、機械支援回転割出しの代わりに、手動割出しを可能にすることによって、導電性材料及び/又は誘電体材料の適用を助けてもよい。
【0059】
[0090]図30は、膨張可能なバルーン又はカフなどの拡張式装置の基体上に導電トレースを形成するためのプロセスを示す。動作700において、膨張式装置100は、1つ以上の開口112を有するマスキング固定具102内に配置される。動作702において、マスキング固定具の基体が処理される。このステップは、基体として使用される材料に応じて随意的であってもよく、また、洗浄、プラズマ放電、コロナ放電、研磨、又は、ビードブラストを含んでもよい。動作704では、導電性材料が、マスキング固定具102の1つ以上の開口112を通じて基体上に適用される。動作706において、導電性材料は、安定した固化状態に達してトレース132を形成することができる。動作708では、トレース132の少なくとも一部上にわたって誘電体材料が適用される。動作710において、誘電体材料は、安定した固化状態に達することができる。動作712では、膨張式装置がマスキング固定具102から除去される。導電性トレース、非導電性トレース、又は、放射線不透過性トレースを必要とする任意の装置は、図30に関連して記載されるプロセスの使用によって適用されるこれらのトレースを有してもよい。このプロセスの利益を享受し得る装置としては、本明細書中に組み入れられる検出装置200、300、400の実施形態のいずれかを有するこれらの装置のいずれかを含めて、標準的な又は改変された気管内チューブ、経鼻胃(NG)チューブ、喉頭マスク、胃洗浄チューブ、胃吸引チューブ、胃減圧チューブ、Ewald経口胃チューブ、Lavacutor(登録商標)経口胃チューブ、Edlich経口胃チューブ、排液チューブ、Salemチューブ、Levinチューブ、胃吸引/栄養補給チューブ、Moss Mark IV鼻チューブ、Dobbhoff経鼻空腸栄養補給管・胃減圧チューブ、経鼻腸チューブ、Miller-Abbottチューブ、又は、Sengstaken-Blakemoreチューブが挙げられる。
【0060】
[0091]導電性材料の適用を組み入れずにむしろ非導電性材料を組み入れる他の実施形態が想定される。幾つかの実施形態は、身体の一部に対して温熱治療を行うための装置を構築するために使用されてもよい抵抗材料を組み込んでもよい。幾つかの実施形態は、放射線不透過性材料を組み込んでもよい。
【0061】
[0092]実施形態を図示して説明してきたが、本明細書中に開示される発明概念の範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0062】
20…検出システム、200…検出装置、204…センサ、205…接触面、208…長尺部材、210…作動部、222…近位端、224…遠位端。

図1
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図4
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