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特許7007048表裏両用可能なカーテン、及び、表裏両用可能な生地
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】表裏両用可能なカーテン、及び、表裏両用可能な生地
(51)【国際特許分類】
   A47H 23/04 20060101AFI20220117BHJP
   A47H 23/00 20060101ALI20220117BHJP
   D06C 25/00 20060101ALI20220117BHJP
【FI】
A47H23/04
A47H23/00 Z
D06C25/00 B
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2016229607
(22)【出願日】2016-11-25
(65)【公開番号】P2018083026
(43)【公開日】2018-05-31
【審査請求日】2019-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000148151
【氏名又は名称】株式会社川島織物セルコン
(74)【代理人】
【識別番号】100081891
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100150153
【弁理士】
【氏名又は名称】堀家 和博
(72)【発明者】
【氏名】蒲田 恒彦
(72)【発明者】
【氏名】古川 千穂子
(72)【発明者】
【氏名】野村 佳明
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】特開平9-276125(JP,A)
【文献】実公昭45-23827(JP,Y1)
【文献】特開2010-22478(JP,A)
【文献】独国特許発明第102015004713(DE,B3)
【文献】米国特許出願公開第2006/0175021(US,A1)
【文献】実公昭33-5856(JP,Y1)
【文献】登録実用新案第3123400(JP,U)
【文献】登録実用新案第3133081(JP,U)
【文献】特開2008-30711(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47H 23/04
A47H 23/00
D06C 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーテン生地の表面に一方面材を有し、前記カーテン生地の裏面に他方面材を有するカーテンであって、
前記一方面材はカーテン生地の表面のみに露出すると同時に、前記他方面材はカーテン生地の裏面のみに露出し、
前記カーテン生地は、当該カーテン生地を構成する生地の端部を3回折った3回端折部を備え、
前記カーテン生地は、二重織以上の多重織であり、
前記3回端折部は、前記カーテン生地の端部における端縁に近い側の2つの折目である第1折目及び第2折目が同じ方向に折られ、前記端縁から最も遠い側の折目である第3折目が前記第1折目及び前記第2折目とは逆方向に折られていて、
前記第1折目と前記第2折目の間の部分である第2端折部における一方面材の前記表面に露出したデザインと、前記3回端折部以外の部分における一方面材の前記表面に露出したデザインが一続きとなっている、又は、
前記第2端折部における他方面材の前記裏面に露出したデザインと、前記3回端折部以外の部分における他方面材の前記裏面に露出したデザインが一続きとなっていることを特徴とするカーテン。
【請求項2】
表面に一方面材を有し、裏面に他方面材を有する生地であって、
前記一方面材と他方面材が当該生地一部の表裏で入れ替わっている部分、及び/又は、当該生地一部の表裏が共に前記一方面材若しくは他方面材を有する部分が設けられている生地のうち、その端部に当該生地一部の表裏で入れ替わっている部分又は当該生地一部の表裏が共に前記一方面材若しくは他方面材を有する部分が設けられた生地でカーテン生地を構成し、
当該カーテン生地は、当該生地一部の表裏で入れ替わっている部分又は当該生地一部の表裏が共に前記一方面材若しくは他方面材を有する部分が2回折られることで、前記一方面材をカーテン生地の表面のみに露出すると同時に、前記他方面材をカーテン生地の裏面のみに露出した2回端折部を備えていることを特徴とするカーテン
【請求項3】
前記2回端折部は、前記カーテン生地の端部における端縁に近い側の2つの折目である第1折目及び第2折目が同じ方向に折られていて、
前記第1折目と前記第2折目の間の部分である第2端折部における一方面材の前記カーテン生地の表面に露出したデザインと、前記2回端折部以外の部分における一方面材の前記表面に露出したデザインが一続きとなっている、又は、
前記第2端折部における他方面材の前記カーテン生地の裏面に露出したデザインと、前記2回端折部以外の部分における他方面材の前記裏面に露出したデザインが一続きとなっていることを特徴とする請求項に記載のカーテン。
【請求項4】
請求項に記載の3回端折部又は請求項2若しくは3に記載の2回端折部において折られて重なったカーテン生地同士の間のクリアランス部には、ラベル及び/又はフックが設けられ、
これらラベル及び/又はフックの少なくとも一部が、前記クリアランス部に覆われていることを特徴とするカーテン。
【請求項5】
カーテン生地を備えたカーテンであって、
前記カーテン生地を構成する生地の端部を3回折った3回端折部を備えている、又は、前記カーテン生地を構成する生地の端部を2回折った2回端折部を備えていて、
前記3回端折部又は前記2回端折部において折られて重なったカーテン生地同士の間のクリアランス部には、ラベル及び/又はフックが設けられ、
これらラベル及び/又はフックの少なくとも一部が、前記クリアランス部に覆われ、
前記3回端折部を備えている場合、前記3回端折部は、前記カーテン生地の端部における端縁に近い側の2つの折目である第1折目及び第2折目が同じ方向に折られ、前記端縁から最も遠い側の折目である第3折目が前記第1折目及び前記第2折目とは逆方向に折られていて、
前記第1折目と前記第2折目の間の部分である第2端折部における前記カーテン生地の表面に露出したデザインと、前記3回端折部以外の部分における前記表面に露出したデザインが一続きとなっている、若しくは、
前記第2端折部における前記カーテン生地の裏面に露出したデザインと、前記3回端折部以外の部分における前記裏面に露出したデザインが一続きとなっている、
又は、
前記2回端折部を備えている場合、前記2回端折部は、前記カーテン生地の端部における端縁に近い側の2つの折目である第1折目及び第2折目が同じ方向に折られていて、
前記第1折目と前記第2折目の間の部分である第2端折部における前記カーテン生地の表面に露出したデザインと、前記2回端折部以外の部分における前記表面に露出したデザインが一続きとなっている、若しくは、
前記第2端折部における前記カーテン生地の裏面に露出したデザインと、前記2回端折部以外の部分における前記裏面に露出したデザインが一続きとなっていることを特徴とするカーテン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーテン生地の表面に一方面材を有し、カーテン生地の裏面に他方面材を有するカーテン、及び、表面に一方面材を有し、裏面に他方面材を有する生地に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、色彩等の調整ができるカーテンや垂幕が知られている(特許文献1)。
このカーテン等は、2枚の布を1つの巻上装置で懸垂した二重構造となっており、これら2枚の布は、互いの色模様が異なるため、それぞれを巻き上げ・巻き下ろしすることで、色彩等の調整を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-89706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたカーテン等は、布が2枚必要であることや、巻上装置を必須としていることから、部品点数の増加を招いている。
更に、特許文献1に記載されたカーテン等の巻上装置は、二重に懸垂したカーテン等をそれぞれ巻着し、かつ同一速度及び同一時期にカーテン等の巻き上げ又は巻き下ろしを行う回転柱を2個設け、この内の少なくとも一方の回転柱を上下動自在とするか、又は少なくとも一方のカーテン等と係合しかつ上下動自在である回転柱を別途設けていることから、装置構成が非常に複雑となっている。
【0005】
そこで、本発明は、一方面材を表面のみに露出させると同時に、他方面材を裏面のみに露出させる等により、部品点数の低減や、構成の簡素化を同時に実現できるカーテンや生地を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るカーテン1は、カーテン生地の表面に一方面材を有し、前記カーテン生地の裏面に他方面材を有するカーテンであって、前記一方面材はカーテン生地の表面のみに露出すると同時に、前記他方面材はカーテン生地の裏面のみに露出し、前記カーテン生地は、当該カーテン生地を構成する生地の端部を3回折った3回端折部を備え、前記カーテン生地は、二重織以上の多重織であり、前記3回端折部は、前記カーテン生地の端部における端縁に近い側の2つの折目である第1折目及び第2折目が同じ方向に折られ、前記端縁から最も遠い側の折目である第3折目が前記第1折目及び前記第2折目とは逆方向に折られていて、前記第1折目と前記第2折目の間の部分である第2端折部における一方面材の前記表面に露出したデザインと、前記3回端折部以外の部分における一方面材の前記表面に露出したデザインが一続きとなっている、又は、前記第2端折部における他方面材の前記裏面に露出したデザインと、前記3回端折部以外の部分における他方面材の前記裏面に露出したデザインが一続きとなっていることを第1の特徴とする。
【0008】
本発明に係るカーテン1の第2の特徴は、表面に一方面材を有し、裏面に他方面材を有する生地であって、前記一方面材と他方面材が当該生地一部の表裏で入れ替わっている部分、及び/又は、当該生地一部の表裏が共に前記一方面材若しくは他方面材を有する部分が設けられている生地のうち、その端部に当該生地一部の表裏で入れ替わっている部分又は当該生地一部の表裏が共に前記一方面材若しくは他方面材を有する部分が設けられた生地でカーテン生地を構成し、当該カーテン生地は、当該生地一部の表裏で入れ替わっている部分又は当該生地一部の表裏が共に前記一方面材若しくは他方面材を有する部分が2回折られることで、前記一方面材をカーテン生地の表面のみに露出すると同時に、前記他方面材をカーテン生地の裏面のみに露出した2回端折部を備えている点にある。
【0010】
本発明に係るカーテン1の第の特徴は、上記第の特徴に加えて、前記2回端折部は、前記カーテン生地の端部における端縁に近い側の2つの折目である第1折目及び第2折目が同じ方向に折られていて、前記第1折目と前記第2折目の間の部分である第2端折部における一方面材の前記カーテン生地の表面に露出したデザインと、前記2回端折部以外の部分における一方面材の前記表面に露出したデザインが一続きとなっている、又は、前記第2端折部における他方面材の前記カーテン生地の裏面に露出したデザインと、前記2回端折部以外の部分における他方面材の前記裏面に露出したデザインが一続きとなっている点にある。
【0011】
本発明に係るカーテン1の第の特徴は、上記第の特徴における3回端折部又は上記第2若しくは3の特徴における2回端折部において折られて重なったカーテン生地同士の間のクリアランス部には、ラベル及び/又はフックが設けられ、これらラベル及び/又はフックの少なくとも一部が、前記クリアランス部に覆われている点にある。
尚、本発明における「ラベル及び/又はフックの少なくとも一部」とは、「ラベルの少なくとも一部、及び/又は、フックの少なくとも一部」との意味である。
【0012】
本発明に係るカーテン1の第の特徴は、カーテン生地を備えたカーテンであって、前記カーテン生地を構成する生地の端部を3回折った3回端折部を備えている、又は、前記カーテン生地を構成する生地の端部を2回折った2回端折部を備えていて、前記3回端折部又は前記2回端折部において折られて重なったカーテン生地同士の間のクリアランス部には、ラベル及び/又はフックが設けられ、これらラベル及び/又はフックの少なくとも一部が、前記クリアランス部に覆われ、前記3回端折部を備えている場合、前記3回端折部は、前記カーテン生地の端部における端縁に近い側の2つの折目である第1折目及び第2折目が同じ方向に折られ、前記端縁から最も遠い側の折目である第3折目が前記第1折目及び前記第2折目とは逆方向に折られていて、前記第1折目と前記第2折目の間の部分である第2端折部における前記カーテン生地の表面に露出したデザインと、前記3回端折部以外の部分における前記表面に露出したデザインが一続きとなっている、若しくは、前記第2端折部における前記カーテン生地の裏面に露出したデザインと、前記3回端折部以外の部分における前記裏面に露出したデザインが一続きとなっている、又は、前記2回端折部を備えている場合、前記2回端折部は、前記カーテン生地の端部における端縁に近い側の2つの折目である第1折目及び第2折目が同じ方向に折られていて、前記第1折目と前記第2折目の間の部分である第2端折部における前記カーテン生地の表面に露出したデザインと、前記2回端折部以外の部分における前記表面に露出したデザインが一続きとなっている、若しくは、前記第2端折部における前記カーテン生地の裏面に露出したデザインと、前記2回端折部以外の部分における前記裏面に露出したデザインが一続きとなっている点にある。
【0013】
これらの特徴により、一方面材Aをカーテン生地2の表面2aのみに露出させると同時に、他方面材Bをカーテン生地2の裏面2bのみに露出させることによって、カーテン1を裏返すだけで、カーテン1における色彩や模様を変更(調整)することが可能となるため、特許文献1とは異なり、カーテン生地は1枚で済み、複雑な構造の巻上装置は不要となり、必要な部品点数が減り、カーテン1の構成をシンプルにすることが出来る。
よって、「部品点数の低減」、「構成の簡素化」を同時に実現できる。
尚、本発明に係るカーテン1は、室内等(カーテン1で仕切った空間のうち、一方の空間)の使用者に、意図した意匠性を有する一方面材A(表面2a側)と他方面材B(裏面2b側)の両方を見せることが可能となり、「表裏両用可能なカーテン」であるとも言える。
【0014】
又、カーテン生地2を構成する生地10の端部を3回折った3回端折部Cを備えることで、カーテン生地2端部からの解れ等を防ぐ端部処理が可能となると共に、表面2aには一方面材Aのみが露出し、裏面2bには他方面材Bのみが露出するカーテン1の構成が可能となるため、「部品点数の低減」と「構成の簡素化」の他に、「端部処理の容易化」が図れる。
【0015】
更に、表面10aに一方面材Aを有し、裏面10bに他方面材Bを有した生地10に、一方面材Aと他方面材Bが表裏で入れ替わっているリバース部11や、表裏が共に一方面材A又は他方面材Bであるダブル部12を設けることで、生地10の裁断や幅継ぎの仕方等によって、1つのカーテン生地2において、各端部ごとに解れ防止等の処理を変えたり、様々な幅(巾)のカーテン生地2を作成し易くなると共に、上述のリバース部11やダブル部12を折り曲げる等によって、一方面材Aを表面10aのみに露出させ、他方面材Bを裏面10bのみに露出させることが可能となる。
尚、このような露出をした生地10をカーテンや垂幕等に用いた場合には、上述したように、裏返すだけで、生地10における色彩や模様を変更(調整)することが可能となるため、特許文献1とは異なり、生地は1枚で済み、複雑な構造の巻上装置は不要となり、必要な部品点数が減り、カーテンや垂幕等に用いる生地10の構成をシンプルにすることが出来る。
よって、「部品点数の低減」、「構成の簡素化」を同時に実現できる。
尚、本発明に係る生地10をカーテンや垂幕等に用いた場合、室内等の使用者に、意図した意匠性を有する一方面材A(表面10a側)と他方面材B(裏面10b側)の両方を見せることが可能となり、「表裏両用可能な生地」であるとも言える。
【0016】
上述した生地10で構成したカーテン生地2の端部に設けたリバース部11やダブル部12を2回折って、一方面材Aを表面2aのみに露出させると同時に、他方面材Bを裏面2bのみに露出させた2回端折部を備えることで、リバース部11やダブル部12が設けられた生地10を用いても、過度にカーテン生地2を分厚くすることなく、カーテン生地2端部からの解れ等を防ぐ端部処理が可能となると共に、表面2aには一方面材Aのみが、裏面2bには他方面材Bのみが露出するようにカーテン1を構成できるため、「部品点数の低減」と「構成の簡素化」の他に、「端部処理の容易化」が図れる。
【0017】
更に、カーテン生地2と、上述した3回端折部Cや2回端折部Dで折り返されたカーテン生地2との間のクリアランス部3で、ラベル4やフック5の少なくとも一部を覆うことで、カーテン1の表面1a・裏面1bの何れからもラベル4やフック5が露出し難くし、ラベル4やフック5を取り付けても、カーテン1の表裏両用に適する。
尚、これら3回端折部Cや2回端折部D、クリアランス部3、ラベル4、フック5を有したカーテン生地2は、表面2aに一方面材Aを有し、裏面2bに他方面材Bを有するものだけでなく、表面2aと裏面2bの両面に、一方面材A又は他方面材Bのみを有するものであっても良い。
又、カーテン生地2を構成する生地10の端部を処理した後に折った処理後2回端折部Eや、処理後1回端折部Fにおいても、折り返されたカーテン生地2との間のクリアランス部3で、ラベル4やフック5の少なくとも一部を覆うことで、カーテン1の表面1a・裏面1bの何れからもラベル4やフック5が露出し難くし、ラベル4やフック5を取り付けても、カーテン1の表裏両用に適する。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るカーテン及び生地によると、一方面材を表面のみに露出させると同時に、他方面材を裏面のみに露出させる等とすることで、「部品点数の低減」、「構成の簡素化」を同時に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1実施形態に係るカーテンを示す概要図である。
図2】第1実施形態のカーテン生地(生地)における3回端折部として生地を折る前の状態を示す正面図である。
図3】第1実施形態のカーテン生地(生地)における3回端折部を示す断面図であって、(a)は折った3回端折部がカーテン生地の裏面側に位置する場合を示し、(b)は折った3回端折部がカーテン生地の表面側に位置する場合を示す。
図4】第1実施形態のカーテンを示す図面代用写真である。
図5】第1実施形態のカーテンにおけるラベルとクリアランス部などを示す図面代用写真である。
図6】第1実施形態のカーテンにおけるフックとクリアランス部などを示す図面代用写真である。
図7】生地の実施例1-1における染色堅ろう度を示す試験結果である。
図8】生地の実施例1-2における染色堅ろう度を示す試験結果である。
図9】生地の実施例1-3における染色堅ろう度を示す試験結果である。
図10】本発明の第2、3実施形態に係るカーテンを示す概要図である。
図11】第2、3実施形態のカーテン生地(生地)における2回端折部としてリバース部又はダブル部を折る前の状態を示す正面図である。
図12】第2実施形態のカーテン生地(生地)におけるリバース部を折った2回端折部を示す断面図であって、(a)はリバース部を折った2回端折部がカーテン生地の裏面側に位置する場合を示し、(b)はリバース部を折った2回端折部がカーテン生地の表面側に位置する場合を示す。
図13】第2実施形態のリバース部が設けられた生地の組織の例示であって、(a)は当該生地の組織図であり、(b)は当該生地のリバース部とそれ以外の各1リピートを示すイメージ図であり、(c)は当該生地のリバース部とそれ以外の各数リピートを示すイメージ図である。
図14】生地の実施例2-1におけるリバース部を例示する図面代用写真である。
図15】生地の実施例2-2におけるリバース部を例示する図面代用写真である。
図16】第3実施形態のカーテン生地(生地)におけるダブル部を折った2回端折部を示す断面図であって、(a)はダブル部を折った2回端折部がカーテン生地の裏面側に位置する場合を示し、(b)はダブル部を折った2回端折部がカーテン生地の表面側に位置する場合を示す。
図17】第3実施形態のダブル部が設けられた生地の組織の例示であって、(a)は当該生地の組織図であり、(b)は当該生地のイメージ図である。
図18】生地の実施例3におけるダブル部を例示する図面代用写真である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<第1実施形態のカーテン1>
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1~9には、本発明の第1実施形態に係るカーテン1が示されており、カーテン1は、カーテン生地2を有している。
【0021】
カーテン1は、クリアランス部3やラベル4、フック5が設けられていても良い。
ここで、フック5とは、カーテンランナ等に引っ掛けられて、カーテン1を吊り下げるためのものであり、このカーテンランナは、カーテンレールに移動可能に取り付けられていても良い。
尚、カーテンレール、カーテンランナ等や、カーテン1の上部をカーテンボックスで覆っていても構わない。
【0022】
<カーテン生地2>
図1~9に示したように、カーテン生地2は、カーテン1のベースとなるシート状物である。
カーテン生地2は、当該カーテン生地2を構成する(カーテン生地2の元となる)生地10を、端部における縫製、熱等の加工処理、又は、幅継ぎ(複数の生地を継いで1つのカーテン生地2を構成すること)などを行って、初めてカーテン生地2となる。
【0023】
カーテン生地2は、当該カーテン生地2の表面2aに一方面材Aを有し、当該カーテン生地2の裏面2bに他方面材Bを有するが、更に言及すると、一方面材Aはカーテン生地2の表面2aのみに露出すると同時に、他方面材Bはカーテン生地2の裏面2bのみに露出している。
そこで、カーテン生地2を構成する生地10そのものと、一方面材Aや他方面材B等の面材について、まず詳解する。
【0024】
<生地10>
図1~9に示したように、生地10は、カーテン生地2を構成することとなるシート状物である。
生地10の素材は、特に限定はないが、例えば、織物、編物(レース)、フィルムなどや、それらを組み合わせたもののシート状物であっても良い。
【0025】
生地10が織物の場合、何れの織組織でも構わないが、例えば、平織や綾織、朱子織、二重織、二重織以上の多重織などであっても良い。
生地10が編物の場合、デンビー編(トリコット編)や、ラッシェル編、ダブルラッシェル編、バンダイク編(アトラス編)、コード編などの経編や、平編(天竺編)、ゴム編(リブ編)、パール編などの緯編など、それぞれ何れの組織であっても構わない。
【0026】
生地10が織物や編物である場合、それらを構成(織成、編成)する繊維としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)や、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル繊維、ナイロン(ポリアミド)繊維、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系繊維、レーヨン繊維、キュプラ繊維、アセテート繊維、ポリアクリロニトリル(PAN)を主成分とするアクリル系繊維、ポリビニルアルコール(PVA)繊維(ビニロン繊維)、ポリウレタン(PU)繊維などの合成繊維、その他、絹(シルク)繊維、綿繊維、麻繊維、羊毛繊維、ガラス繊維などであり、これらを単独又は組み合わせて用いられても良い。
又、生地10が織物や編物である場合、それらを構成(織成、編成)する繊維の繊度も、何れの値でも良いが、例えば、総繊度で、20dtex以上3000dtex以下である。
【0027】
生地10がフィルムなどのシート状物であれば(カーテン1が例えばシャワーカーテンである場合など)、それを構成する材料としては、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂や、ポリエチレンテレフタレート(PET)や、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル樹脂、ポリアミド(PA)樹脂などの合成樹脂などや、これらを単独又は組み合わせて用いられても良い。
上述した生地10は、所望により、酸化チタン、炭酸カルシウム等の体質顔料やフィラー(充填材)を任意に付与したり、消臭剤、抗菌剤、防カビ剤、難燃剤、撥水剤、防汚剤、着色剤、香料、発泡剤等を付与しても良く、付与するタイミングも、生地10として構成する(織成・編成等をする)前後を問わず、付与の方法も何れであっても良い。
【0028】
生地10は、その模様については、花や草木などの植物の柄や、動物の柄、幾何学模様、無地、表面凹凸等による模様など何れでも良い。生地10の色彩についても、赤色系、橙色系、黄色系、緑色系、青色系、紫色系、黒色系、白色系など何れの色調でも良く、彩度や明度についても何れの値でも構わない。
尚、このような模様や色彩、彩度、明度は、まとめて生地10の「デザイン」であると言え、生地10が織物や編物であれば、上述した「組織」や「繊維」等によって「デザイン」が表現されていても良く、生地10が織物や編物、不織布、フィルムの何かであれば、プリントや表面凹凸(エンボス等)によって「デザイン」が表現されても構わない。
【0029】
<一方面材A、他方面材B>
図1~9に示すように、ここまで述べた生地10は、その表面10a、裏面10b全体やその部分ごとに、上述した「素材(織物や編物等そのものや、それを構成する繊維など)」を変えたり、生地10における「付与物」、「デザイン」などを変えて、生地10の表面10aには一方面材Aを有し、生地10の裏面10bには他方面材Bを有するように構成されている。
つまり、一方面材Aや他方面材Bとは、1つの生地10において、「素材」や「付与物」、「デザイン」などの少なくとも何れか1つが、互いに異なる部分(面材)を意味すると言える。
【0030】
ここで、生地10における「素材が異なる」とは、大まかな区分け(織物であるか、編物であるか、不織布であるか、フィルムであるかの他、それらの組合せであるか)が異なる場合だけでなく、1つ生地10において、織物や編物を用いた部分であることは同じでも、その「組織」が異なる場合であれば、異なる面材(それぞれが一方面材Aや他方面材B等)であると言える。
同様に、1つの生地10において、織物や編物、不織布を用いた部分であることは同じでも、それらを構成する「繊維」が異なっている場合や、フィルムを用いた部分であることは同じでも、それらを構成する「材料」が異なっている場合であれば、やはり異なる面材であると言える。
尚、「繊維が異なる」とは、当該繊維を構成する「材料(例えば、ポリエステル繊維であるか、ナイロン繊維であるかや、絹であるか等)」や、当該繊維の「総繊度」、「単繊維繊度」、「単繊維の数(フィラメント数)」、「撚数」、「付与物」、「色彩(使用する顔料や染料)」、「断面形状」などのうち、少なくとも1つが異なれば、繊維が異なると言う。
【0031】
生地10における「付与物が異なる」とは、文字通り、付与する物(酸化チタン等の体質顔料やフィラーを付与するか、消臭剤等を付与するか)が異なれば、付与物が異なると言え、更に、付与するタイミング(生地10として構成する前か後か)や、付与する方法が異なっている場合にも、付与物が異なるとしても良い。
尚、1つの生地10において、部分的に「付与物」が異なるように構成するには、生地10として構成する前であれば、付与物が異なる繊維を部分的に変えて用いるか、生地10となった後であれば、塗布(刷毛やスプレー等による塗布)などによって、付与物を部分的に変えて付与することとなる。
【0032】
生地10における「デザインが異なる」とは、上述した模様や色彩、彩度、明度のうち、少なくとも1つが異なっていれば、デザインが異なっていると言う。
尚、生地10が織物や編み物である場合、表現しようとするデザインが同じであっても、これらのデザインを生地10において表現する「組織」や「繊維」が異なれば、厳密には表面形状や風合い、光沢等が異なるため、このような場合も、デザインが異なっているとも言える。
【0033】
又、上述した一方面材Aや他方面材B等の面材が互いに異なっていると判断するには、生地10が織物や編み物であって「組織」や「繊維」が異なる場合には、その「組織」の一単位分(繰り返しの最小単位である1完全組織)を比較しなくては判断できない。
又、一方面材Aや他方面材B等の面材の「デザイン」が互いに異なっていると判断するにも、生地10が織物や編物、不織布、フィルムの何れであるかを問わず、その「デザイン」の一単位分(繰り返しの最小単位である1リピート)を比較しなくては判断できない。
【0034】
つまり、生地10において、異なる面材と判断するには、繰り返しの最小単位が表出する最低限の広さが必要となり、当然に、生地10の表面10a、裏面10b全体又はそれらの一部分にしか、一方面材Aや他方面材B等の面材が表出しない。
これを換言すれば、一方面材Aや他方面材B等の面材は、生地10がシート状物の端面(生地10の端部における側面であって、生地10の表面10aや裏面10b以外の面)や、後述の3回端折部Cの折返し部分における端面には表出(露出)しない。
【0035】
尚、生地10を元に構成したカーテン生地2であっても同様で、カーテン生地2の端面にも、一方面材Aや他方面材B等の面材は露出しない。
従って、生地10(又は、カーテン生地2とも言える)が、一方面材Aや他方面材B等の面材を有するのは、生地10の表面10aや裏面10b(又は、カーテン生地2の表面2aや裏面2bとも言える)だけである。
【0036】
ここで、本発明における「生地10の表面10a(又はカーテン生地2の表面2a)に一方面材Aを有する」とは、生地10の表面10a(又はカーテン生地2の表面2a)のみに一方面材Aを有することを意味するだけでなく、生地10の表面10a(又はカーテン生地2の表面2a)の一部に一方面材Aを有すると同時に、当該生地10の表面10a(又はカーテン生地2の表面2a)には一方面材A以外の部材(例えば、他方面材Bや、A、B以外の面材など)を有する(つまり、生地10の表面10a(又はカーテン生地2の表面2a)の少なくとも一部に一方面材Aを有する)ことも意味する。
同様に、本発明における「生地10の裏面10b(又はカーテン生地2の裏面2b)に他方面材Bを有する」とは、生地10の裏面10b(又はカーテン生地2の裏面2b)のみに他方面材Bを有することを意味するだけでなく、生地10の裏面10b(又はカーテン生地2の裏面2b)の一部に他方面材Bを有すると同時に、当該生地10の裏面10b(又はカーテン生地2の裏面2b)には他方面材B以外の部材(例えば、一方面材Aや、A、B以外の面材など)を有する(つまり、生地10の裏面10b(又はカーテン生地2の裏面2b)の少なくとも一部に他方面材Bを有する)ことも意味する。
【0037】
従って、本発明における「生地10の表面10a(又はカーテン生地2の表面2a)に一方面材Aを有し、生地10の裏面10b(又はカーテン生地2の裏面2b)に他方面材Bを有している」とは、<1>生地10の表面10a(又はカーテン生地2の表面2a)のみに一方面材Aを有すると同時に、生地10の裏面10b(又はカーテン生地2の裏面2b)のみに他方面材Bを有する、<2>生地10の表面10a(又はカーテン生地2の表面2a)の少なくとも一部に一方面材Aを有すると同時に、生地10の裏面10b(又はカーテン生地2の裏面2b)のみに他方面材Bを有する、<3>生地10の表面10a(又はカーテン生地2の表面2a)のみに一方面材Aを有すると同時に、生地10の裏面10b(又はカーテン生地2の裏面2b)の少なくとも一部に他方面材Bを有する、<4>生地10の表面10a(又はカーテン生地2の表面2a)の少なくとも一部に一方面材Aを有すると同時に、生地10の裏面10b(又はカーテン生地2の裏面2b)の少なくとも一部に他方面材Bを有すること<1>~<4>の何れかを意味する。
【0038】
<カーテン生地2における一方面材Aや他方面材Bの露出>
このような生地10を元に構成したカーテン生地2において、上述したように、一方面材Aは、カーテン生地2の表面2aのみに露出すると同時に、他方面材Bは、カーテン生地2の裏面2bのみに露出している。
カーテン生地2は、その表面2aのみに一方面材Aが露出し、他方面材Bが裏面2bのみに露出するのであれば、このような露出のさせ方は、後述するヒートカットなど、何れの構成であっても良いが、例えば、以下に示す3回端折部Cによって、実現しても良い。
【0039】
<3回端折部C>
図1~6に示したように、3回端折部Cは、カーテン生地2を構成する生地10の端部を3回折って、カーテン生地2端部からの解れ等を防ぐものであり、生地10としては、4枚が重なっている部分が生じる(3回端折部Cは、4枚重ね部であるとも言える)。
ここで、生地10の「端部」とは、生地10の端縁から生地10の略中央部分に向かった所定距離の部分を意味しており、生地10が略矩形状である場合、当然に4つ存在し、カーテン生地2として用いられた際の上下方向(丈方向)から上端部10Aと下端部10Bが決まり、カーテン生地2の表面2aに向かった際の左右方向(幅方向)から左端部10Cと右端部10Dが決まる。
生地10が略矩形状である場合、これら4つの端部10A~10D全てに、3回端折部Cが設けられていても良く、その他、4つの端部10A~10Dの少なくとも1つに、3回端折部Cが設けられていても良い。
【0040】
又、生地10が略矩形状である場合、生地10は、その上端部10Aと左端部10Cが重なる左上角部10Eと、上端部10Aと右端部10Dが重なる右上角部10Fと、下端部10Bと左端部10Cが重なる左下角部10Gと、下端部10Bと右端部10Dが重なる右下角部10Hも有する。
尚、生地10が略矩形状でない場合(例えば、略矩形状の一部(一辺等)が波形状となっていたり、略正方形状等)も、その「端部」とは、当該生地10を端縁(周端縁)から所定距離の部分(周端部)を指す。
生地10が略矩形状でない場合、その周端部の一周全てに、3回端折部Cが設けられていても良く、その他、周端部の少なくとも一部に、3回端折部Cが設けられていても良い。
【0041】
<3回端折部Cの各折目L1~L3など>
3回端折部Cは、3回折る際の折り方向について、生地10の端部における端縁に近い側の2つの折目(第1折目L1、第2折目L2)では同じ方向に折るが、最も端縁から遠い側の折目(第3折目L3)は、前記第1、2折目L1、L2とは逆方向に折る。
従って、3回端折部Cにおいて、2回同じ方向に折る第1,2折目L1、L2で、生地10の表面10aが3回端折部Cの内側に位置するように折った場合には、第3折目L3でその反対方向に折るため、3回端折部C(生地10を4枚重ねた部分)は、生地10の裏面10b(カーテン生地2の裏面2b)側に位置することとなる。
【0042】
一方、2回同じ方向に折る第1、2折目L1、L2で、生地10の裏面10bが3回端折部Cの内側に位置するように折った場合には、第3折目L3でその反対方向に折るため、3回端折部Cは、生地10の表面10a(カーテン生地2の表面2a)側に位置する。
尚、3回端折部Cが、生地10の表面10a又は裏面10b側の何れに位置するかは、生地10における各端部(端部10A~10D)ごとに異なっていても良い(例えば、上下端部10A、10Bでは3回端折部Cが生地10の表面10a側に位置し、左右端部10C、10Dでは3回端折部Cが生地10の裏面10b側に位置しても良い)し、全ての端部で生地10の表面10a又は裏面10b側の何れかで統一されていても良い。
【0043】
3回端折部Cにおいて、第1折目L1と端縁の距離や、各折目L1~L3間の距離(各折幅)は、生地10の端部を3回折れるのであれば、特に限定はなく、例えば、3つの折幅W1~W3(1つめは、端縁と端縁に最も近い第1折目L1の間の折幅(以下、第1折幅W1)で、2つめは、端縁に最も近い第1折目L1と端縁に2番目に近い第2折目L2の間の折幅(以下、第2折幅W2)で、3つめは、端縁に2番目に近い第2折目L2と端縁から最も遠い第3折目L3の間の折幅(以下、第3折幅W3))のそれぞれが、略同じであっても良い。
又、第2折幅W2と第3折幅W3は略同じであるが、第1折幅W1だけを、第2折幅W2や第3折幅W3より狭くしても良い。
尚、第2折幅W2や第3折幅W3が、3回端折部Cとしての幅CWと略同じとなる。
【0044】
このように、第1折幅W1だけを狭く出来るのは、この第1折幅W1を有する第1端折部P1(生地10における端縁と端縁に最も近い第1折目L1の間の部分)が、3回端折部Cが折られた際に最も内側に位置するためである。
尚、第1折幅W1だけを狭くした場合、第1端折部P1の端縁は、第2端折部P2(第1折目L1と第2折目L2の間の部分)と、第3端折部P3(第2折目L2と第3折目L3の間の部分)の間で、第1折幅W1の狭さに応じた箇所に位置する。
【0045】
つまり、第1折幅W1を、第2折幅W2や第3折幅W3の略半分にした場合には、第1端折部P1の端縁が、第2端折部P2又は第3端折部P3の幅方向略中間付近に位置することとなる。
又、3回端折部Cには、第1~3端折部P1~P3の他に、第4端折裏面P4b’(第3折目L3で折られた第3端折部P3の裏面P3bが当接する裏面10bの一部分)や、第4端折表面P4a’(第3折目L3で折られた第3端折部P3の表面P3aが当接する表面10aの一部分)も含まれると言える。
【0046】
ここで、生地10が略矩形状である場合、第1~3折幅W1~W3(特に、表に出易い第2、3折幅W2、W3)が、4つの端部10A~10Dにおいて全て略同じであっても良いが、4つの端部10A~10Dで異なっていても良い。
例えば、生地10の下端部10Bにおける第2、3折幅W2、W3が最も幅広く(約10.0cmなど)、その次に、上端部10Aにおける第2、3折幅W2、W3が大きく(約5.0cmなど)、そして、左右端部10C、10Dにおける第2、3折幅W2、W3が共に最も狭い(約2.5cmなど)であっても良い。
尚、上端部10Aにおいては、3回端折部Cに、芯地(モノフィラメント(単繊維)の経糸・緯糸を有した生地など)を合わせ折っていても良い。
【0047】
<生地10の切欠きN等>
生地10の各角部(10E~10H)においては、当該角部で重なる2つの端部のうち、まず何れか一方の端部に3回端折部Cを形成してから、次に残った他方の端部に3回端折部Cを形成する(例えば、右下角部10Hであれば、まず下端部10Bに3回端折部Cを形成してから、次に右端部10Dに3回端折部Cを形成する等)しても良い。
従って、各端部10A~10D(厳密には、各端部10A~10Dにおける角部10E~10Hを除く部分)では、上述したように、3回端折部Cを端部10A~10Dに形成した際には、生地10が4枚重ねとなるが、角部10E~10Hでは、4枚重ねの生地10を更に4枚重ねることから4倍の16枚重ねとなる。
【0048】
よって、生地10における角部10E~10Hの一部又は全部を切り欠いて(切除して)も良く、このように角部10E~10Hを切り欠くことで、その切欠きNに応じて、3回端折部Cを形成しても、生地10が16枚重ねとは必ずしもならず、生地10(カーテン生地2)の角部を薄く出来る(薄肉化できる)。
尚、角部10E~10Hにおける切欠きNの形状は、特に限定はないが、例えば、ある角部で重なる2つの端部(例えば、右下角部10Hで重なる下端部10Bと右端部10D)において、当該2つの端部(下端部10Bと右端部10D)で形成された3回端折部Cの各折目L1~L3に略沿った形状であっても(各折目L1~L3に沿って切り欠かれても)良い。
【0049】
3回端折部Cの各折目L1~L3に略沿った場合について詳解すれば、例えば、右下角部10Hにおいて、下端部10B側の3回端折部Cの第1~3折目L1~L3から1本と、右端部10D側の3回端折部Cの第1~3折目L1~L3から1本の折目を選ぶことで、大まかには全部で9パターンの略矩形状(又は略正方形状)の切欠きNとなる。
ここで、「各折目L1~L3に略沿った」とは、各端部側から選んだ2本の折目L1~L3に完全に沿って切り欠くだけでなく、当該選んだ2本の折目L1~L3より、生地10の角の先端により近い側を切り欠いたり、生地10の角のより先端に遠い側を切り欠くことも含む。
【0050】
尚、最も端縁から遠い折目を2つ(例えば、下端部10B側からは第3折目L3を選び、右端部10D側からも第3折目L3)を選んで切り欠いた場合は、特に、切り欠きすぎて、3回端折部Cにおいて生地10の端面が表出(露出)しないように、角の先端に近い側を切り欠くこととしても良い。
その他、角部10E~10Hにおける切欠きNの形状としては、第1~3折目L1~L3を無視して、略半円状や略三角形状などであっても良い。
【0051】
<3回端折部Cの縫製など>
3回端折部Cは、生地10の端部を3回折るだけでなく、その折った状態を保持する必要がある。
この3回端折部Cの折った状態を保持できるように、例えば、3回端折部Cの端縁(外方)側の部分(第1折目L1及び第3折目L3に略沿った部分)と、3回端折部Cの端縁とは反対(内方)側の部分(第2折目L2に略沿った部分)に、互いに距離を空けて縫製が施されていても良い。
【0052】
3回端折部Cにおける縫製は、3回端折部Cの折った状態を保持できるのであれば、何れの種類の縫製であっても良いが、例えば、掬い縫い(すくい縫い)であっても構わない。
この掬い縫いは、縫製に使う糸(糸目)を生地10の表面10aや裏面10b(又はカーテン生地2の表面2aや裏面2b)に表出させないように、生地10を掬うように縫うことを意味する。
その他、3回端折部Cは、3回折られた状態を保持するために熱加工等や、ホットメルト等の合成樹脂による接着などが施されていても良い。
【0053】
<3回端折部Cと各面材A、Bの配置など>
このような3回端折部Cを備えた生地10に対して、一方面材Aと他方面材Bを、後述の[1]~[2-2]の場合のように配置することで、生地10で構成されるカーテン生地2の表面2aには一方面材Aのみを露出させ、カーテン生地2の裏面2bには他方面材Bのみを露出させることが可能となる。
そこで、3回端折部Cを備えた生地10における一方面材Aと他方面材Bの配置などについて、以下に詳解する。
【0054】
[1]表面10aに一方面材Aのみを有し、裏面10bに他方面材Bのみを有する配置の場合
この[1]の場合、例えば、当該生地10の端部をただ単に2回同じ方向に折っただけでは、端部処理は出来ても、カーテン生地2の表面2aに一方面材A以外に他方面材Bも露出するか、又は、カーテン生地2の裏面2bに他方面材B以外に一方面材Aも露出することとなり、カーテン生地2(カーテン1)を裏返した際に、表面2aに一方面材Aのみが露出し、裏面2bに他方面材Bのみが露出したカーテン1とならず、表裏両用に適さない。
【0055】
しかし、上述した3回端折部Cを備えることによって、[1]の場合であっても、解れ等を防止しつつ、一方面材Aはカーテン生地2の表面2aのみに露出し且つ他方面材Bはカーテン生地2の裏面2bのみに露出するため、カーテン生地2(カーテン1)のリバーシブル(表裏両用)が可能となる。
尚、3回端折部Cの表裏位置(上述したように、3回端折部Cがカーテン生地2の裏面2b(生地10の裏面10b)側に位置するか、カーテン生地2の表面2a(生地10の表面10a)側に位置するか)や、3回端折部Cにおける各折目L1~L3の位置、各折幅W1~W3の上述した値を問わず、3回端折部Cさえ備えていれば、一方面材Aはカーテン生地2の表面2aのみに露出すると同時に、他方面材Bはカーテン生地2の裏面2bのみに露出する。
【0056】
又、[1]の場合には、裏面10bに他方面材Bのみを有することから、生地10の裏面10bの一部である3回端折部Cの第2端折部P2における裏面P2bも、当然、他方面材Bのみを有する。
従って、図3(a)に示したように、3回端折部Cがカーテン生地2の裏面2b側に位置するように各折目L1~L3を折れば、3回端折部Cのうち、第2端折部P2における裏面P2bの他方面材Bだけが、カーテン生地2の裏面2b側に露出することとなる。
このとき、他方面材Bの模様が無地であったり、他方面材Bのデザインにおける一単位分における所定の位置(1リピートにおける位相)が、第3折目L3と第1折目L1で略重なっていれば、3回端折部Cの第2端折部P2における裏面P2bの他方面材Bのデザインと、3回端折部C以外の部分における裏面2bの他方面材Bのデザインが一続きとなり、更に表裏両用に適したカーテン1となる。
【0057】
一方、[1]の場合、表面10aに一方面材Aのみを有することから、生地10の表面10aの一部である3回端折部Cの第2端折部P2における表面P2aが、当然、一方面材Aのみを有する。
従って、図3(b)に示したように、3回端折部Cがカーテン生地2の表面2a側に位置するように各折目L1~L3を折れば、3回端折部Cのうち、第2端折部P2における表面P2aの一方面材Aだけが、カーテン生地2の表面2a側に露出することとなる。
このときも、一方面材Aの模様が無地であったり、一方面材Aのデザインにおける一単位分における所定の位置(1リピートにおける位相)が、第3折目L3と第1折目L1で略重なっていれば、3回端折部Cの第2端折部P2における表面P2aの一方面材Aのデザインと、3回端折部C以外の部分における表面2aの一方面材Aのデザインが一続きとなり、更に表裏両用に適したカーテン1となる。
【0058】
[2-1]表面10aにおける3回端折部C以外の部分に一方面材Aのみを有し、裏面10bにおける3回端折部C以外の部分に他方面材Bのみを有する配置で、且つ、3回端折部Cがカーテン生地2の裏面2b側に位置する場合
図3(a)に示すように、この[2-1]の場合は、3回端折部Cがカーテン生地2の裏面2b側に位置することから、3回端折部Cのうち、第2端折部P2における裏面P2bだけが、カーテン生地2の裏面2b側に露出する。
【0059】
これは、3回端折部Cのうち、第2端折部P2における裏面P2bに、他方面材Bのみを有していれば、それ以外の3回端折部Cの部分は、一方面材Aや他方面材Bを有していたり、面材A、B以外の面材を有していても良いことを意味する。
つまり、図3(a)で示されたように、符号P1a、P1b、P2a、P3a、P3b、P4b’で示される表面・裏面それぞれは、図3(a)中では、一方面材Aや他方面材Bを有しているが、カーテン生地2の裏面2b側に露出しないことから、面材A、B以外の面材を有していても良いことがわかる。
ここで、図3(a)中の符号P1a、P1b、P2a、P3a、P3b、P4b’で示される表面・裏面それぞれは、実際には、図4~6のように、互いに近接している。
尚、第2端折部P2の裏面P2b以外の3回端折部Cの部分とは、第1端折部P1の表面P1a・裏面P1bや、第2端折部P2の表面P2a、第3端折部P3の表面P3a・裏面P3b、そして、第4端折裏面P4b’ある。
又、[2-1]の場合も、他方面材Bの模様が無地であったり、他方面材Bのデザインにおける一単位分における所定の位置(1リピートにおける位相)が、第3折目L3と第1折目L1で略重なっていれば、3回端折部Cの第2端折部P2における裏面P2bの他方面材Bのデザインと、3回端折部C以外の部分における裏面2bの他方面材Bのデザインが一続きとなり、更に表裏両用に適したカーテン1となる。
【0060】
[2-2]表面10aにおける3回端折部C以外の部分に一方面材Aのみを有し、裏面10bにおける3回端折部C以外の部分に他方面材Bのみを有する配置で、且つ、3回端折部Cがカーテン生地2の表面2a側に位置する場合
図3(b)に示すように、この[2-2]の場合は、3回端折部Cがカーテン生地2の表面2a側に位置することから、3回端折部Cのうち、第2端折部P2における表面P2aだけが、カーテン生地2の表面2a側に露出する。
【0061】
これは、3回端折部Cのうち、第2端折部P2における表面P2aに、一方面材Aのみを有していれば、それ以外の3回端折部Cの部分は、一方面材Aや他方面材Bを有していたり、面材A、B以外の面材を有していても良いことを意味する。
つまり、図3(b)で示されたように、符号P1a、P1b、P2b、P3a、P3b、P4a’で示される表面・裏面それぞれは、図3(b)中では、一方面材Aや他方面材Bを有しているが、カーテン生地2の表面2a側に露出しないことから、面材A、B以外の面材を有していても良いことがわかる。
ここで、図3(b)中の符号P1a、P1b、P2b、P3a、P3b、P4a’で示される表面・裏面それぞれは、実際には、図4~6のように、互いに近接している。
尚、第2端折部P2の表面P2a以外の3回端折部Cの部分とは、第1端折部P1の表面P1a・裏面P1bや、第2端折部P2の裏面P2b、第3端折部P3の表面P3a・裏面P3b、そして、第4端折表面P4a’である。
又、[2-2]の場合も、一方面材Aの模様が無地であったり、一方面材Aのデザインにおける一単位分における所定の位置(1リピートにおける位相)が、第3折目L3と第1折目L1で略重なっていれば、3回端折部Cの第2端折部P2における表面P2aの一方面材Aのデザインと、3回端折部C以外の部分における表面2aの一方面材Aのデザインが一続きとなり、更に表裏両用に適したカーテン1となる。
【0062】
ここまで述べた[1]~[2-2]の場合より、表面10aに一方面材A以外を有し、裏面10bに他方面材B以外を有した生地10でカーテン生地2を構成しても、上述した3回端折部Cによって、一方面材Aはカーテン生地2の表面2aのみに露出すると同時に、他方面材Bはカーテン生地2の裏面2bのみに露出させることが可能であることがわかる。
又、3回端折部Cを備えていなくとも、生地10が、後述するリバース部11やダブル部12を折った2回端折部Dを備えていたり、表面10aに一方面材Aのみを有し、裏面10bに他方面材Bのみを有する生地10の端部を、ヒートカッタ等にて端部処理をすることによって、一方面材Aはカーテン生地2の表面2aのみに露出すると同時に、他方面材Bはカーテン生地2の裏面2bのみに露出させても良い。
【0063】
<クリアランス部3>
図1~6に示したように、クリアランス部3は、上述した3回端折部Cや、後述する2回端折部Dにおいて折られて重なったカーテン生地2(生地10とも言える)同士の間の隙間である。
クリアランス部3は、3回端折部C等におけるカーテン生地2同士の間の隙間であれば、何れの構成であっても良いが、例えば、3回端折部Cの折った状態を保持する上述の縫製の一部を、敢えて施さないことで、クリアランス部3の開口3’を形成する構成であっても良い。
【0064】
この場合、3回端折部Cの外方側の部分(第1折目L1及び第3折目L3に略沿った部分)と、3回端折部Cの内方側の部分(第2折目L2に略沿った部分)に互いに距離を空けて施される縫製の一部を、敢えて施さないこととなるため、形成された開口3’から内部に入れば、クリアランス部3は、各折目L1~L3に略沿って存在することとなる。
尚、3回端折部C等において折られて重なったカーテン生地2(第1~3端折部P1~P3)同士が、全面をホットメルト等によって接着されている場合でも、第1~3端折部P1~P3同士の全面接着を外した部分に、クリアランス部3が形成されるとも言える。
以下は、3回端折部Cにおけるクリアランス部3について主に述べる。
【0065】
クリアランス部3は、3回端折部Cにおいて折られて重なったカーテン生地2同士によって形成されていれば、特に限定はなく、3回端折部Cにおいては、カーテン生地2の端縁(外方)側が開口した外方開口クリアランス部3aと、カーテン生地2の端縁とは反対(内方)側が開口した内方開口クリアランス部3bの2種類が存在する。
【0066】
<外方開口クリアランス部3a>
まず、外方開口クリアランス部3aについて述べると、外方開口クリアランス部3aは、第1端折部P1と第3端折部P3との間で形成されるか、又は、第1端折部P1及び第2端折部P2と第3端折部P3との間で形成されている。
尚、外方開口クリアランス部3aが、第1端折部P1と第3端折部P3との間で形成される場合とは、第1折幅W1が、第2折幅W2及び第3折幅W3と略同じ長さとなっている場合である。
【0067】
又、外方開口クリアランス部3aが、第1端折部P1及び第2端折部P2と第3端折部P3との間で形成される場合とは、第1折幅W1が、第2折幅W2及び第3折幅W3より狭くなっている場合である。
更に詳解すれば、外方開口クリアランス部3aは、開口3a’から内方へ進んだ第1端折部P1の先端までは第1端折部P1と第3端折部P3との間で形成され、第1端折部P1の先端から更に内方に進むと第2端折部P2と第3端折部P3との間で形成されることとなる。
【0068】
外方開口クリアランス部3aの深さは、第2折幅W2及び第3折幅W3と略同じであって、外方開口クリアランス部3aの底は、第2折目L2に位置することとなる。
尚、外方開口クリアランス部3aが、カーテン生地2における下端部の3回端折部Cに形成されていれば下方開口クリアランス部3aであると言え、その他、カーテン生地2における上端部の3回端折部Cに形成されていれば上方開口クリアランス部3aであり、カーテン生地2における(正面視で)左端部の3回端折部Cに形成されていれば左方開口クリアランス部3aであり、カーテン生地2における(正面視で)右端部の3回端折部Cに形成されていれば右方開口クリアランス部3aであると言える。
【0069】
<内方開口クリアランス部3b>
次に、内方開口クリアランス部3bについて述べると、内方開口クリアランス部3bは、3回端折部Cがカーテン生地2の裏面2b側に位置していれば、第3端折部P3と第4端折裏面P4b’との間で形成され、3回端折部Cがカーテン生地2の表面2a側に位置していれば、第3端折部P3と第4端折表面P4a’との間で形成されることとなる。
内方開口クリアランス部3bの深さは、第3折幅W3と略同じであって、内方開口クリアランス部3bの底は、第3折目L3に位置することとなる。
【0070】
<ラベル4>
図1~6(特に、図5)に示すように、ラベル4は、当該ラベル4が付けられるカーテン1の防炎性能や製造履歴、洗濯条件、リサイクル情報などを示すものである。
ラベル4は、カーテン1の防炎性能などの情報が、織物などの布帛やフィルム等に、印字などにより示されており、ラベル4の形状も、略矩形状など、特に限定はない。
ラベル4の付け方も、特に限定はなく、カーテン生地2に対して、縫付、ちょう付、下げ札、貼付などであっても良い。
【0071】
ラベル4の種類には、基準に定める防炎性能を有していることが確認された製品であることを示す「防炎物品ラベル」や、製造履歴を明らかにする防炎カーテンのトレーサビリティー確保のための「補助ラベル」、洗い方(液温、洗濯機の水流強度、洗剤の種類、手洗いか、水洗い不可か)、塩素系漂白剤について(塩素系漂白剤の使用不可か)、アイロンの掛け方(温度、当て布の有無、アイロン掛け不可か)、ドライクリーニングについて(溶剤、ドライクリーニング不可か)などを示す「洗濯ラベル」などがある。
その他、ラベル4は、カーテン生地2(生地10)を構成する繊維素材(ポリエステル、アクリル、レーヨン、絹、綿、麻などや、又は、それらの混紡したもの等)を示したり、又、ブランドラベルを示したり、リサイクルの際の連絡先や製造者名などを示していても良い。
【0072】
<ラベル4とクリアランス部3>
このようなラベル4を付ける位置は、上述したクリアランス部3の内部であって、当該ラベル4の少なくとも一部がクリアランス部3に覆われるのであれば、カーテン生地2における下端部や左右端部、上端部など、特に限定はない。
ここで、本発明における「ラベル4の少なくとも一部がクリアランス部3に覆われる」とは、ラベル4の一部又は全体がクリアランス部3に覆われることであり、特に、ラベル4全体が覆われるとは、クリアランス部3の深さの値がラベル4の上下方向長さ(丈)の値より大きく、且つ、カーテン1の正面視において、クリアランス部3の開口3’からラベル4の何れの部分も露出していないことを意味する。
更に加えて、本発明における「ラベル4の少なくとも一部がクリアランス部3に覆われる」とは、1つのカーテン1に複数枚のラベル4が付けられ、その複数枚のラベル4のうち、少なくとも1枚のラベル4における一部又は全部がクリアランス部3に覆われていること(例えば、3枚のラベル4のうち、1枚のラベル4だけが一部をクリアランス部3に覆われ、その他の2枚のラベル4は全部をクリアランス部3に覆われること等)も含む。
【0073】
尚、ラベル4を付ける位置がカーテン生地2の下端部であれば、下方開口クリアランス部3aの内部、又は、カーテン生地2下端部の内方開口クリアランス部3bの内部にラベル4が付けられることとなる。
同様に、ラベル4を付ける位置がカーテン生地2の左端部であれば、左方開口クリアランス部3aの内部、又は、カーテン生地2左端部の内方開口クリアランス部3bの内部にラベル3が付けられ、カーテン生地2の右端部であれば、右方開口クリアランス部3aの内部、又は、カーテン生地2右端部の内方開口クリアランス部3bの内部に付けられ、カーテン生地2の上端部であれば、上方開口クリアランス部3aの内部、又は、カーテン生地2上端部の内方開口クリアランス部3bの内部に付けられることとなる。
【0074】
<フック5>
図1~6(特に、図6)に示したように、フック5は、上述したように、カーテンランナ等に引っ掛かって、カーテン1を吊り下げるためのものである。
フック5の形状は、カーテン1を吊り下げられるのであれば、鉤形状でなくとも良く、例えば、リング形状であったり、フック5の構成も、例えば、クリップ型あっても構わない。
フック5の個数は、吊り下げるカーテン1の幅に応じた数となり、通常は複数である。
【0075】
<フック5とクリアランス部3>
このようなフック5を付ける位置は、カーテン生地2上端部の上方開口クリアランス部3aの内部であって、当該フック5の少なくとも一部が上方開口クリアランス部3aに覆われることとなる。
ここで、本発明における「フック5の少なくとも一部がクリアランス部3に覆われる」とは、フック5の一部又は全体がクリアランス部3に覆われることであり、特に、フック5全体が覆われるとは、上方開口クリアランス部3aの深さの値がフック5の上下方向長さ(丈)の値より大きく、且つ、カーテン1の正面視において、上方開口クリアランス部3aの開口3a’からフック5の何れの部分も露出していないことを意味する。
【0076】
又、フック5は、上方開口クリアランス部3a内部で、カーテン生地2(生地10)に対して、着脱自在に付けられていても良い。
フック5を着脱自在に付ける構成としては、例えば、面ファスナーを介して、フック5を、上方開口クリアランス部3a内部に対して着脱自在な構成としたり、上方開口クリアランス部3a内部のカーテン生地2に設けられた孔に、フック5の一部を差し込むことで着脱自在な構成としても良い。
フック5は上述したように複数あり、これら複数のフック5がカーテンランナ等に引っ掛かることから、これらのフック5を覆う上方開口クリアランス部3aの開口3a’は、その開口幅が、カーテン1(カーテン生地2)の幅と略同じ長さであっても良い。
図6に示したように、上方開口クリアランス部3aにおいては、その内面側に、上述した芯地)を貼り付けていても良い。
【0077】
<染色堅ろう度K等>
上述したカーテン1(カーテン生地2又は生地10)における一方面材Aや他方面材Bの染色堅ろう度Kについて、以下に述べる。
尚、本発明における「染色堅ろう度K」とは、JIS-L-0842:2004の第3露光法に準ずる染色堅ろう度を意味する。
【0078】
カーテン生地2における一方面材Aや他方面材Bそれぞれの染色堅ろう度Kは、特に限定はない。
又、一方面材Aと他方面材Bとの染色堅ろう度Kの差ΔKも、特に限定はないが、例えば、0.5級以上、好ましくは1.0級以上、更に好ましくは1.5級以上であっても良い。
【0079】
<実施例1-1~1-3>
ここからは、図7~9に示す本発明に係る生地10(カーテン生地2とも言える)の実施例1-1~1-3について言及する。
これらの実施例を用いて、後述する試験を行う。
【0080】
<実施例1-1>
図7に示すように、実施例1-1の生地10は、織物であって、その組織は、8枚朱子織である。
この実施例1-1の生地10において、表面10aには一方面材Aのみを有し(一方面材Aのみが露出し)、裏面10bには他方面材Bのみを有している(一方面材Aのみが露出している)。
尚、一方面材Aを構成する繊維は、絹(シルク)繊維であり、その色彩は灰色(グレー)系である。
又、他方面材Bを構成する繊維は、アクリル系繊維であり、その色彩は茶色(ブラウン)系である。
【0081】
<実施例1-2>
図8に示すように、実施例1-1の生地10において、表面10aにおける一方面材Aを構成する繊維の色彩を薄灰色(ライトグレー)系とし、裏面10bにおける他方面材Bを構成する繊維の色彩をクリーム色系に変えることで、実施例1-2の生地10を得た。
【0082】
<実施例1-3>
図9に示すように、実施例1-1の生地10において、織物の組織を5枚朱子織に変え、表面10aにおける一方面材Aを構成する繊維の色彩を薄灰色(ライトグレー)系とし、裏面10bにおける他方面材Bを構成する繊維の色彩をクリーム色系に変えることで、実施例1-3の生地10を得た。
【0083】
<試験(染色堅ろう度Kの試験)>
上述した実施例1-1~1-3の生地10における表面10a、裏面10bそれぞれの染色堅ろう度Kを、JIS-L-0842:2004の第3露光法に準ずる試験によって測定し、その測定値を、以下の表1と図7~9に示す。
尚、表1中の染色堅ろう度Kのうち、実施例1-1の表面10a及び裏面10bの「4-5級」とは、実施例1-1の表面10a及び裏面10bの変退色が、4級のブルースケールと5級のブルースケールに亘って同程度であることを示し、「4.5級」であるとも言える。
又、表1中の染色堅ろう度Kのうち、実施例1-2の裏面10bの「5-6級」とは、実施例1-2の裏面10bの変退色が、5級のブルースケールと6級のブルースケールに亘って同程度であることを示し、「5.5級」であるとも言える。
【0084】
【表1】
【0085】
<試験の評価(染色堅ろう度Kの評価)>
表1、図7~9で示されたように、1枚の生地10であっても、その表面10aと裏面10bで露出する繊維が異なれば、染色堅ろう度Kも異なると言え(特に、実施例1-2と1-3を参照)、表面10aの一方面材A(シルク繊維)の方が裏面10bの他方面材B(アクリル系繊維)より染色堅ろう度Kは低い(つまり、シルク繊維の方が、アクリル系繊維より変退色し易い)。
尚、実施例1-1においては、一方面材A(シルク繊維)と他方面材B(アクリル系繊維)との染色堅ろう度Kの差ΔKは「0級」であると言え、実施例1-2においては、一方面材Aと他方面材Bとの染色堅ろう度Kの差ΔKは「1.5級」であると言え、実施例1-3においては、一方面材Aと他方面材Bとの染色堅ろう度Kの差ΔKは「1.0級」であると言える。
【0086】
繊維素材・織組織が同じであっても、色彩が異なれば、染色堅ろう度Kも異なると言え(特に、実施例1-1と1-2を比較)、表面10a(シルク繊維)においては、薄灰色(ライトグレー)系の方が灰色(グレー)系より染色堅ろう度Kは高く、裏面10b(アクリル系繊維)においては、クリーム色系の方が茶色(ブラウン)系より染色堅ろう度Kは低い(つまり、濃い色の方が、薄い色より変退色し易い)とも言える。
又、色彩が濃い色(灰色(グレー)系や茶色(ブラウン)系)である場合には、繊維素材が異なっても、一方面材Aと他方面材Bとの染色堅ろう度Kの差ΔKは小さいとも言えるが、色彩が薄い色(薄灰色(ライトグレー)系やクリーム色系)である場合には、一方面材Aと他方面材Bとの染色堅ろう度Kの差ΔKが、1.0級以上になるとも言える。
【0087】
繊維素材・色彩が同じでも、組織(織組織)が異なれば、染色堅ろう度Kも異なるとも言え(特に、実施例1-2と1-3を比較)、裏面10b(アクリル系繊維)においては、5枚朱子織の方が8枚朱子織より染色堅ろう度Kは低い(つまり、5枚朱子織の方が、8枚朱子織より変退色し易い)とも言える。
又、5枚朱子織の実施例1-3における一方面材Aと他方面材Bとの染色堅ろう度Kの差ΔKの方が、8枚朱子織の実施例1-2における一方面材Aと他方面材Bとの染色堅ろう度Kの差ΔKより小さいとも言える。
この違いは、8枚朱子織の方が5枚朱子織より朱子線(裏留め)が目立たず、隙間が小さい(生地10として光を透過し難い)ことが関係しているとも言える。
【0088】
<透光率T>
続いて、ここまで述べたカーテン1(カーテン生地2又は生地10)における一方面材Aや他方面材Bの透過率Tについて、以下に述べる。
尚、本発明における「透過率T」とは、JIS-L-1055:2009のA法に準ずる遮光率を100から引いて求めた透過率を意味し、又、JIS-L-1055:2009のA法に準ずる「試験片を装着したときの照度」を「試験片を装着しないときの照度」で割った商を100倍して求めた透過率とも言える。
【0089】
カーテン生地2における一方面材Aや他方面材Bそれぞれの透過率Tは、特に限定はない。
例えば、上述の試験の評価の最後で言及したように、透過率Tが小さい方が、一方面材Aと他方面材Bとの染色堅ろう度Kの差ΔKをはっきり出せて、片方の面材(染色堅ろう度Kの低い一方面材A(シルク繊維など))を守ることが出来ると言える。
【0090】
このように、染色堅ろう度Kの低い一方面材Aを守るのであれば、他方面材Bの透過率Tは、30%以下、好ましくは20%以下、更に好ましくは10%であっても良い。
これとは逆に、一方面材Aと他方面材B両方の色彩を濃い色とすれば、一方面材Aと他方面材Bとの染色堅ろう度Kの差ΔKが小さくなるとも言えることから、一方面材A及び/又は他方面材Bの透過率Tは、40%以上、好ましくは50%以上、更に好ましくは60%であっても良いとも言える。
【0091】
<第2実施形態のカーテン1>
図10~15は、本発明の第2実施形態に係るカーテン1、生地10を示している。
この第2実施形態の生地10として第1実施形態の生地10と最も異なるのは、リバース部11を有している点であり、第2実施形態のカーテン1として第1実施形態のカーテン1と最も異なるのは、2回端折部Dを有している点である。
【0092】
<リバース部11>
図10~15に示すように、リバース部11は、一方面材Aと他方面材Bが生地10一部の表裏で入れ替わっている。
尚、本発明における「一方面材Aと他方面材Bが生地10一部の表裏で入れ替わっている」とは、表面10aに一方面材Aを有し、裏面10bに他方面材Bを有する生地10において、当該生地10の一部は、表面10aに他方面材Bのみを有し、当該生地10の一部の裏面10bに一方面材Aのみを有することで、当該生地10の一部以外の部分と比較すると、一方面材Aと他方面材Bの配置と表裏で入れ替わっていることを意味し、この当該生地10の一部がリバース部11であるとも言える。
【0093】
リバース部11は、生地10の一部にあれば、何れの位置でも良いが、例えば、生地10が略矩形状であれば、その4つの端部10A~10Dの少なくとも1つに設けられていても良い。
生地10が略矩形状でない場合(例えば、略矩形状の一部(一辺等)が波形状となっていたり、略正方形状等)も、その周端部の一周全てにリバース部11が設けられていたり、周端部の少なくとも一部にリバース部11が設けられていても良い。
【0094】
リバース部11の形状は、特に限定はないが、例えば、所定幅(リバース幅11Wと言える)を有した略帯状であっても良い。
尚、リバース部11が略帯状である場合、そのリバース幅11Wは、常に一定であっても良いが、所定の割合で増減したり(つまり、略帯状のリバース部11が先細り・末広がりとなったり)、略帯状のリバース部11における何れか又は全ての縁が波形状であったりしても良い。
【0095】
リバース部11は、生地10における端部以外に設けられていても良く、例えば、カーテン生地2として用いられた際の上下方向(丈方向)に沿って、左端部10Cや右端部10D以外の部分に、略帯状に設けられていても良い。
その他、リバース部11は、カーテン生地2として用いられた際の左右方向(幅方向)に沿って、上端部10Aや下端部10B以外の部分に、略帯状に設けられていたり、斜め方向に沿って、各端部10A~10D以外の部分に、略帯状に設けられていても良い。
【0096】
又、リバース部11は、上下方向や左右方向、斜め方向に沿って、所定間隔ごとに、所定のリバース幅11Wで、複数設けられていても良い。
尚、リバース部11が生地10における端部以外に設けられていても、当該生地10を、リバース部11を裁断する(特に、略帯状のリバース部11であれば、その長手方向に略沿って裁断する)ことで、端部にリバース部11を有した生地10とすることも出来る。
【0097】
<リバース部11の組織例>
図13(a)~(c)に示すように、リバース部11は、生地10におけるリバース部以外の部分11’と組織として一体に設けられていても良く、例えば、リバース部11と、リバース部以外の部分11’の組織(織組織)を、5枚朱子織を基本として織成しても構わない。
この5枚朱子織を基本としたリバース部11の織組織は、リバース部11とリバース部以外の部分11’の境界で、浮いている糸が経糸から緯糸(又は、その逆に)に切り替わり、且つ、経糸による裏留めから緯糸による裏留め(又は、その逆に)に切り替わる(図13(a)~(c)参照)。
尚、図13(a)~(c)における「A」や「B」は、それらの符号が指す糸1本だけを示しているのではなく、生地10の表面10aや裏面10bに存在する「一方面材A」や「他方面材B」全体を指している。
【0098】
ここで、図14、15の実施例2-1、2で示すように、経糸方向などに各糸が詰まることによって、浮いている経糸又は緯糸だけが表に見えて、裏留めは目立たず表に見えない。
従って、生地10の表面10a(図13(a)~(c)においては手前側の面)では、他方面材Bを構成する糸(緯糸)のみが露出する図13(a)~(c)の左側部分(リバース部11)と、一方面材Aを構成する糸(経糸)のみが露出する図13(a)~(c)の右側部分(リバース部以外の部分11’)を設けることが出来る。
【0099】
そして、生地10の裏面10b(図13(a)~(c)においては奥手側の面)では、一方面材Aを構成する糸(緯糸)のみが露出する図13(a)~(c)の左側部分(リバース部11)と、他方面材Bを構成する糸(経糸)のみが露出する図13(a)~(c)の右側部分(リバース部以外の部分11’)を設けることが出来る。
尚、リバース部11の組織は、図13(a)~(c)で示した織組織に限定されず、例えば、8枚朱子織を基本として織成した織組織や、朱子織以外の織組織、又、織組織ではなく、編組織であるなど、何れの組織であっても良い。
【0100】
<リバース部11を折った2回端折部D>
図10~15に示すように、リバース部11を折った2回端折部Dは、生地10(カーテン生地2を構成する生地10)の端部に設けられた上述のリバース部11を2回折って、カーテン生地2端部からの解れ等を防ぐものである。
この2回端折部Dでは、生地10が3枚重なっている部分が生じることから、2回端折部Dは、3枚重ね部であるとも言える。
【0101】
生地10が略矩形状である場合、その4つの端部10A~10D全てに、2回端折部Dが設けられていても良く、その他、4つの端部10A~10Dの少なくとも1つに、2回端折部Dが設けられていても良い。
一方、生地10が略矩形状でない場合(例えば、略矩形状の一部(一辺等)が波形状となっていたり、略正方形状等)、その周端部の一周全てに、2回端折部Dが設けられていても良く、その他、周端部の少なくとも一部に、2回端折部Dが設けられていても良い。
【0102】
<リバース部11を折った2回端折部Dの各折目L1、L2など>
リバース部11を折った2回端折部Dは、2回折る際の折り方向について、生地10の端部における端縁に最も近い側の折目(第1折目L1)と、この第1折目L1の次に端縁に近い側の折目(第2折目L2)では、同じ方向に折る。
従って、2回端折部Dにおいて、2回同じ方向に折る第1、2折目L1、L2で、生地10の裏面10bが2回端折部Dの内側に位置するように折った場合には、2回端折部D(生地10を3枚重ねた部分)は、生地10の裏面10b(カーテン生地2の裏面2b)側に位置することとなる。
【0103】
一方、2回同じ方向に折る第1、2折目L1、L2で、生地10の表面10aが2回端折部Dの内側に位置するように折った場合には、2回端折部Dは、生地10の表面10a(カーテン生地2の表面2a)側に位置する。
尚、2回端折部Dも、生地10の表面10a又は裏面10b側の何れに位置するかは、生地10における各端部(端部10A~10D)ごとに異なっていても良いし、全ての端部で生地10の表面10a又は裏面10b側の何れかで統一されていても良い。
【0104】
尚、2回端折部Dにおいて、まず、第1折目L1は、リバース部11とリバース部以外の部分11’の境界と、生地10の端部における端縁との間の略中間にある線から、端縁寄りに位置する。
次に、第2折目L2は、リバース部11とリバース部以外の部分11’の境界に、略重なるように位置する。
【0105】
又、第1折幅W1(端縁と第1折目L1の間の折幅)と、第2折幅W2(第1折目L1と第2折目L2の間の折幅)のそれぞれを略同じとしたり、第1折幅W1を第2折幅W2より狭くしても良い。
尚、第1折幅W1と第2折幅W2の和がリバース部11のリバース幅11Wとなると共に、第2折幅W2が2回端折部Dとしての幅DWと略同じとなる。
【0106】
従って、所定のリバース幅11Wを持つリバース部11に対して、第1折幅W1を狭くするほど、第2折幅W2(2回端折部Dの幅DW)が広くなり、第1折幅W1を広くするほど、第2折幅W2(2回端折部Dの幅DW)が狭くなる。
2回端折部Dには、第1、2端折部P1、P2の他に、第3端折表面P3a’(第2折目L2で折られた第2端折部P2の表面P2aが当接する表面10aの一部分)や、第3端折裏面P3b’(第2折目L2で折られた第3端折部P3の表面P3aが当接する表面10aの一部分)も含まれると言える。
【0107】
<生地10の切欠きN等>
2回端折部Dは、3回端折部Cと同様に、生地10の各角部(10E~10H)においては、当該角部で重なる2つの端部のうち、まず何れか一方の端部に2回端折部Dを形成してから、次に残った他方の端部に2回端折部Dを形成する(例えば、右下角部10Hであれば、まず下端部10Bに2回端折部Dを形成してから、次に右端部10Dに2回端折部Dを形成する等)としても良い。
従って、各端部10A~10D(厳密には、各端部10A~10Dにおける角部10E~10Hを除く部分)では、上述したように、2回端折部Dを端部10A~10Dに形成した際には、生地10が3枚重ねとなるが、角部10E~10Hでは、3枚重ねの生地10を更に3枚重ねることから3倍の9枚重ねとなる。
【0108】
よって、2回端折部Dにおいても、生地10における角部10E~10Hの一部又は全部を切り欠いて(切除して)も良く、このように角部10E~10Hを切り欠くことで、その切欠きNに応じて、2回端折部Dを形成しても、生地10が9枚重ねとは必ずしもならず、生地10(カーテン生地2)の角部を薄く出来る(薄肉化できる)。
尚、角部10E~10Hにおける切欠きNの形状は、特に限定はないが、例えば、ある角部で重なる2つの端部(例えば、右下角部10Hで重なる下端部10Bと右端部10D)において、当該2つの端部(下端部10Dと右端部10D)で形成された2回端折部Dの第1、2折目L1、L2に略沿った形状であっても(第1、2折目L1、L2に沿って切り欠かれても)良い。
【0109】
2回端折部Dの第1、2折目L1、L2に略沿った場合について詳解すれば、例えば、左上角部10Eにおいて、下端部10B側の3回端折部Cの第1折目L1と第2折目L2から1本と、右端部10D側の3回端折部Cの第1折目L1と第2折目L2から1本の折目を選ぶことで、大まかには全部で4パターンの略矩形状(又は略正方形状)の切欠きNとなる。
ここで、「第1、2折目L1、L2に略沿った」とは、選んだ2本の折目L1~L3に完全に沿って切り欠くだけでなく、選んだ2本の折目L1~L3より、生地10の角の先端により近い側を切り欠いたり、生地10の角の先端により遠い側を切り欠くことも含む。
【0110】
尚、最も端縁から遠い折目を2つ(例えば、下端部10B側からは第2折目L2を選び、右端部10D側からも第2折目L2)を選んで切り欠いた場合は、特に、切り欠きすぎて、2回端折部Dにおいて生地10の端面が表出(露出)しないように、角の先端に近い側を切り欠くこととしても良い。
その他、角部10E~10Hにおける切欠きNの形状としては、第1折目L1又は第2折目L2を無視して、略半円状や略三角形状などであっても良い。
【0111】
<2回端折部Dの縫製など>
2回端折部Dも、3回端折部Cと同様に、生地10の端部を2回折るだけでなく、その折った状態を保持する必要がある。
この2回端折部Dの折った状態を保持できるように、例えば、2回端折部Dの端縁(外方)側の部分(第1折目L1に略沿った部分)と、2回端折部Dの端縁とは反対(内方)側の部分(第2折目L2に略沿った部分)に、互いに距離を空けて縫製が施されていても良い。
【0112】
2回端折部Dにおける縫製は、2回端折部Dの折った状態を保持できるのであれば、何れの種類の縫製であっても良いが、例えば、上述した掬い縫い(すくい縫い)であっても構わない。
その他、2回端折部Dも、2回折られた状態を保持するために熱加工等や、ホットメルト等の合成樹脂による接着などが施されていても良い。
【0113】
<リバース部11を折った2回端折部Dと各面材A、Bの配置など>
このようなリバース部11を折った2回端折部Dにおける上述の第1、2折目L1、L2で生地10を折ることで、リバース部11が設けられた生地10で構成されるカーテン生地2の表面2aには一方面材Aのみを露出させ、カーテン生地2の裏面2bには他方面材Bのみを露出させることが出来、解れ等を防止しつつ、一方面材Aはカーテン生地2の表面2aのみに露出し且つ他方面材Bはカーテン生地2の裏面2bのみに露出するため、カーテン生地2(カーテン1)のリバーシブル(表裏両用)が可能となる。
又、以下では、リバース部11が設けられた生地10における一方面材Aと他方面材Bの配置などについて、更に詳しく述べる。
【0114】
図12(a)に示したように、2回端折部Dがカーテン生地2の裏面2b側に位置するように各折目L1、L2を折れば、2回端折部Dのうち、第2端折部P2(リバース部11の一部)における表面P2aの他方面材Bだけが、カーテン生地2の裏面2b側に露出することとなる。
ここで、図12(a)中の符号P1a、P1b、P2b、P3b’で示される表面・裏面それぞれは、実際には、互いに近接している。
このとき、他方面材Bの模様が無地であったり、他方面材Bのデザインが第2折目L2(リバース部11とリバース部以外の部分11’の境界)において、表裏で入れ替わりつつ線対称になっていれば、2回端折部Dの第2端折部P2における表面P2aの他方面材Bのデザインと、2回端折部D以外の部分における裏面2bの他方面材Bのデザインが一続きとなり、更に表裏両用に適したカーテン1となる。
【0115】
一方、図12(b)に示したように、2回端折部Dがカーテン生地2の表面2a側に位置するように各折目L1、L2を折れば、2回端折部Dのうち、第2端折部P2(リバース部11の一部)における裏面P2bの一方面材Aだけが、カーテン生地2の表面2a側に露出することとなる。
ここで、図12(b)中の符号P1a、P1b、P2a、P3a’で示される表面・裏面それぞれは、実際には、互いに近接している。
このとき、一方面材Aの模様が無地であったり、一方面材Aのデザインが第2折目L2(リバース部11とリバース部以外の部分11’の境界)において、表裏で入れ替わりつつ線対称になっていれば、2回端折部Dの第2端折部P2における裏面P2bの一方面材Aのデザインと、2回端折部D以外の部分における表面2aの一方面材Aのデザインが一続きとなり、更に表裏両用に適したカーテン1となる。
【0116】
<2回端折部Dにおけるクリアランス部3>
図10~15に示したように、2回端折部Dにおけるクリアランス部3も、3回端折部Cの場合と同様に、2回端折部Dにおいて折られて重なったカーテン生地2(生地10とも言える)同士の間の隙間である。
このクリアランス部3も、2回端折部Dにおけるカーテン生地2同士の間の隙間であれば、何れの構成であっても良いが、例えば、2回端折部Dの折った状態を保持する上述の縫製の一部を、敢えて施さないことで、クリアランス部3の開口3’を形成する構成であっても良い。
【0117】
この場合、2回端折部Dの外方側の部分(第1折目L1及び第3折目L3に略沿った部分)と、2回端折部Dの内方側の部分(第2折目L2に略沿った部分)に互いに距離を空けて施される縫製の一部を、敢えて施さないこととなるため、形成された開口3’から内部に入れば、クリアランス部3は、各折目L1、L2に略沿って存在することとなる。
尚、2回端折部Dにおいて折られて重なったカーテン生地2(第1、2端折部P1、P2)同士が、全面をホットメルト等によって接着されている場合でも、第1、2端折部P1、P2同士の全面接着を外した部分に、クリアランス部3が形成されるとも言える。
2回端折部Dにおけるクリアランス部3は、2回端折部Dにおいて折られて重なったカーテン生地2同士によって形成されていれば、特に限定はないが、3回端折部Cにおけるクリアランス部3とは異なり、カーテン生地2の端縁とは反対(内方)側が開口した内方開口クリアランス部3bの1種類だけが存在することとなる。
【0118】
<内方開口クリアランス部3b>
この内方開口クリアランス部3bは、2回端折部Dがカーテン生地2の裏面2b側に位置していれば、第2端折部P2と第3端折裏面P3b’との間で形成され、2回端折部Dがカーテン生地2の表面2a側に位置していれば、第2端折部P2と第3端折表面P3a’との間で形成されることとなる。
内方開口クリアランス部3bの深さは、第2折幅W2と略同じであって、内方開口クリアランス部3bの底は、第2折目L2に位置することとなる。
その他のカーテン1、生地10の構成、作用効果及び使用態様は、第1実施形態と同様である。
【0119】
<第3実施形態のカーテン1>
図10、11、16~18は、本発明の第3実施形態に係るカーテン1、生地10を示している。
この第3実施形態の生地10として、第1、2実施形態の生地10と最も異なるのは、ダブル部12を有している点である。
又、第3実施形態のカーテン1として、第1実施形態のカーテン1と最も異なるのは、2回端折部Dを有している点であり、第2実施形態のカーテン1と最も異なるのは、その2回端折部Dがダブル部12を折ることで形成されている点である。
【0120】
<ダブル部12>
図10、11、16~18に示すように、ダブル部12は、生地10一部の表裏が共に一方面材A若しくは他方面材Bを有している。
尚、本発明における「生地10一部の表裏が共に一方面材A若しくは他方面材Bを有している」とは、表面10aに一方面材Aを有し、裏面10bに他方面材Bを有する生地10において、当該生地10の一部の表面10aには、一方面材A若しくは他方面材Bのみを有し、その一部の裏面10bにも表面10aと同じ面材のみを有することで、その一部が、表裏が共に一方面材A若しくは他方面材Bを有していることを意味し、その一部がダブル部12であるとも言える。
【0121】
ダブル部12も、リバース部11と同様に、生地10の一部にあれば、何れの位置でも良いが、例えば、生地10が略矩形状であれば、その4つの端部10A~10Dの少なくとも1つに設けられていても良い。
生地10が略矩形状でない場合(例えば、略矩形状の一部(一辺等)が波形状となっていたり、略正方形状等)も、その周端部の一周全てにダブル部12が設けられていたり、周端部の少なくとも一部にダブル部12が設けられていても良い。
【0122】
ダブル部12の形状は、特に限定はないが、例えば、所定幅(ダブル幅12Wと言える)を有した略帯状であっても良い。
尚、ダブル部12が略帯状である場合、そのダブル幅12Wは、常に一定であっても良いが、所定の割合で増減したり(つまり、略帯状のダブル部12が先細り・末広がりとなったり)、略帯状のダブル部12における何れか又は全ての縁が波形状であったりしても良い。
【0123】
ダブル部12は、生地10における端部以外に設けられていても良く、例えば、カーテン生地2として用いられた際の上下方向(丈方向)に沿って、左端部10Cや右端部10D以外の部分に、略帯状に設けられていても良い。
その他、ダブル部12は、カーテン生地2として用いられた際の左右方向(幅方向)に沿って、上端部10Aや下端部10B以外の部分に、略帯状に設けられていたり、斜め方向に沿って、各端部10A~10D以外の部分に、略帯状に設けられていても良い。
【0124】
又、ダブル部12は、上下方向や左右方向、斜め方向に沿って、所定間隔ごとに、所定のダブル幅12Wで、複数設けられていても良い。
尚、ダブル部12が生地10における端部以外に設けられていても、当該生地10を、ダブル部12を裁断する(特に、略帯状のダブル部12であれば、その長手方向に略沿って裁断する)ことで、端部にダブル部12を有した生地10とすることも出来る。
【0125】
<ダブル部12の組織例>
図17(a)、(b)に示すように、ダブル部12は、生地10におけるダブル部以外の部分12’と組織として一体に設けられていても良く、例えば、ダブル部12と、ダブル部以外の部分12’の組織(織組織)を、朱子織を基本として織成しても構わない。
この朱子織を基本としたダブル部12の織組織は、浮いている緯糸が3種類(図17(a)、(b)中の「イ」、「ロ」、「ハ」)あり、ダブル部12とダブル部以外の部分12’の境界で、この「イ」、「ロ」、「ハ」の何れの緯糸が浮くかが切り替わる(図17(a)、(b)参照)。
尚、図17(a)、(b)における「A」や「B」も、それらの符号が指す糸1本だけを示しているのではなく、生地10の表面10aや裏面10bに存在する「一方面材A」や「他方面材B」全体を指している。
【0126】
ここで、図18の実施例3で示すように、経糸方向などに各糸が詰まることによって、「イ」、「ロ」、「ハ」のうち、浮いている緯糸だけが表に見えて、その他の浮いていない緯糸や裏留めは目立たず表に見えない。
尚、「イ」、「ロ」、「ハ」の緯糸のうち、「ロ」と「ハ」の緯糸は、同じ繊維(素材・色彩・繊度・付与物等が同じ)を用いている。
従って、生地10の表面10a(図17(a)、(b)においては手前側の面)では、他方面材Bを構成する糸(浮いている「ロ」の緯糸)のみが露出する図17(a)、(b)の左側部分(ダブル部12)と、一方面材Aを構成する糸(浮いている「イ」の緯糸)のみが露出する図17(a)、(b)の右側部分(ダブル部以外の部分12’)と、を設けることが出来る。
【0127】
そして、生地10の裏面10b(図17(a)、(b)においては奥手側の面)では、他方面材Bを構成する糸(浮いている「ハ」の緯糸)のみが露出する図17(a)、(b)の左側部分(ダブル部12)と、同じく他方面材Bを構成する糸(浮いている「ハ」の緯糸)のみが露出する図17(a)、(b)の左側部分(ダブル部以外の部分12’)を設けることが出来る。
尚、ダブル部12の組織も、図17(a)、(b)で示した織組織に限定されず、例えば、朱子織以外の織組織、又、織組織ではなく、編組織であるなど、何れの組織であっても良い。
【0128】
ここで、ダブル部12は、ダブル部12の表裏が共に他方面材Bである場合(図11図16(a)、図17(a)、(b))と、表裏が共に一方面材Aである場合(図16(b))の2つがある。
【0129】
<ダブル部12を折った2回端折部D>
図10、11、16~18に示すように、ダブル部12を折った2回端折部Dも、リバース部11を折った2回端折部Dのように、生地10(カーテン生地2を構成する生地10)の端部に設けられた上述のダブル部12を2回折って、カーテン生地2端部からの解れ等を防ぐものである。
この2回端折部Dでも、生地10が3枚重なっている部分が生じることから、2回端折部Dは、3枚重ね部であるとも言える。
【0130】
<ダブル部12を折った2回端折部Dの各折目L1、L2など>
ダブル部12を折った2回端折部Dも、リバース部11を折った2回端折部Dと同様に、2回折る際の折り方向について、生地10の端部における端縁に最も近い側の折目(第1折目L1)と、この第1折目L1の次に端縁に近い側の折目(第2折目L2)では、同じ方向に折る。
ここで、2回端折部Dとして折ったダブル部12の表裏が共に他方面材Bである場合(図16(a)等)には、第1、2折目L1、L2で、生地10の裏面10bが2回端折部Dの内側に位置するように2回折ることで、2回端折部D(生地10を3枚重ねた部分)は、生地10の裏面10b(カーテン生地2の裏面2b)側に位置することとなる。
【0131】
一方、2回端折部Dとして折ったダブル部12の表裏が共に一方面材Aである場合(図16(b))には、第1、2折目L1、L2で、生地10の表面10aが2回端折部Dの内側に位置するように2回折ることで、2回端折部D(生地10を3枚重ねた部分)は、生地10の表面10a(カーテン生地2の表面2a)側に位置することとなる。
尚、ダブル部12を折った2回端折部Dも、生地10の表面10a又は裏面10b側の何れに位置するかは、生地10における各端部(端部10A~10D)ごとに異なっていても良いし、全ての端部で生地10の表面10a又は裏面10b側の何れかで統一されていても良い。
【0132】
尚、ダブル部12を折った2回端折部Dにおいても、まず、第1折目L1は、ダブル部12とダブル部以外の部分12’の境界と、生地10の端部における端縁との間の略中間にある線から、端縁寄りに位置する。
次に、第2折目L2は、ダブル部12とダブル部以外の部分12’の境界に、略重なるように位置する。
【0133】
又、第1折幅W1(端縁と第1折目L1の間の折幅)と、第2折幅W2(第1折目L1と第2折目L2の間の折幅)のそれぞれを略同じとしたり、第1折幅W1を第2折幅W2より狭くしても良い。
尚、第1折幅W1と第2折幅W2の和がダブル部12のダブル幅12Wとなると共に、第2折幅W2が、ダブル部12を折った2回端折部Dとしての幅DWと略同じとなる。
【0134】
従って、所定のダブル幅12Wを持つダブル部12に対して、第1折幅W1を狭くするほど、第2折幅W2(2回端折部Dの幅DW)が広くなり、第1折幅W1を広くするほど、第2折幅W2(2回端折部Dの幅DW)が狭くなる。
ダブル部12を折った2回端折部Dにも、第1、2端折部P1、P2の他に、第3端折表面P3a’(第2折目L2で折られた第2端折部P2の表面P2aが当接する表面10aの一部分)や、第3端折裏面P3b’(第2折目L2で折られた第3端折部P3の表面P3aが当接する表面10aの一部分)も含まれると言える。
【0135】
<ダブル部12を折った2回端折部Dと各面材A、Bの配置など>
このようなダブル部12を折った2回端折部Dにおける上述の第1、2折目L1、L2で生地10を折ることで、ダブル部12が設けられた生地10で構成されるカーテン生地2の表面2aには一方面材Aのみを露出させ、カーテン生地2の裏面2bには他方面材Bのみを露出させることが出来、解れ等を防止しつつ、一方面材Aはカーテン生地2の表面2aのみに露出し且つ他方面材Bはカーテン生地2の裏面2bのみに露出するため、カーテン生地2(カーテン1)のリバーシブル(表裏両用)が可能となる。
又、以下では、ダブル部12が設けられた生地10における一方面材Aと他方面材Bの配置などについて、更に詳しく述べる。
【0136】
図16(a)に示したように、表裏が共に他方面材Bであるダブル部12を折った2回端折部Dがカーテン生地2の裏面2b側に位置するように各折目L1、L2を折れば、2回端折部Dのうち、第2端折部P2(ダブル部12の一部)における表面P2aの他方面材Bだけが、カーテン生地2の裏面2b側に露出することとなる。
ここで、図16(a)中の符号P1a、P1b、P2b、P3b’で示される表面・裏面それぞれは、実際には、互いに近接している。
このとき、他方面材Bの模様が無地であったり、他方面材Bのデザインが第2折目L2(ダブル部12とダブル部以外の部分12’の境界)において、表裏で入れ替わりつつ線対称になっていれば、2回端折部Dの第2端折部P2における表面P2aの他方面材Bのデザインと、2回端折部D以外の部分における裏面2bの他方面材Bのデザインが一続きとなり、更に表裏両用に適したカーテン1となる。
【0137】
一方、図16(b)に示したように、表裏が共に一方面材Aであるダブル部12を折った2回端折部Dがカーテン生地2の表面2a側に位置するように各折目L1、L2を折れば、2回端折部Dのうち、第2端折部P2(リバース部11の一部)における裏面P2bの一方面材Aだけが、カーテン生地2の表面2a側に露出することとなる。
ここで、図16(b)中の符号P1a、P1b、P2a、P3a’で示される表面・裏面それぞれは、実際には、互いに近接している。
このとき、一方面材Aの模様が無地であったり、一方面材Aのデザインが第2折目L2(ダブル部12とダブル部以外の部分12’の境界)において、表裏で入れ替わりつつ線対称になっていれば、2回端折部Dの第2端折部P2における裏面P2bの一方面材Aのデザインと、2回端折部D以外の部分における表面2aの一方面材Aのデザインが一続きとなり、更に表裏両用に適したカーテン1となる。
その他のカーテン1、生地10の構成、作用効果及び使用態様は、第1、2実施形態と同様である。
【0138】
<その他>
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。カーテン1、生地10等の各構成又は全体の構造、形状、寸法などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することが出来る。
カーテン1(カーテン生地2)は、縫製やセット加工等によって、ヒダを形成しても良い。
カーテン生地2は、表面10aには一方面材Aのみを有し、裏面10bには他方面材Bのみを有する生地10の端部をヒートカットによって、端部処理(解れ防止)を行うことで、生地10を折ることなく、表面10aに一方面材Aのみを露出させ、裏面10bに他方面材Bのみを露出させるものとしても良い。
【0139】
又、1つのカーテン生地2に対して、上述した端部処理(3回端折部Cや2回端折部D、後述のヒートカット等、処理後2回端折部E、処理後1回端折部F)が混在しても良い。
ここで、ヒートカットやオーバーロック等による解れ止めの処理を施した場合は、折る回数が少なくなり、又、3回端折部Cが2回の端折り(処理後2回端折部E)で済み、又、2回端折部Cが1回の端折り(処理後1回端折部F)で済むことになるが、見映えや、耐久性の面から、縫製による端折りが好ましく、リバース部11やダブル部12を設けた生地10を端折りするほうが、折返し部分の生地10の厚みを減らせ、見映えや縫製のし易さの点でより好ましい。
【0140】
<処理後2回端折部E>
上述した処理後2回端折部Eは、2回折る際の折り方向について、第1折目L1と第2折目L2で、折る方向が反対となる(謂わば、処理後2回端折部Eの断面形状が、N字状(Z字状やS字状)になるとも言える)。
従って、処理後2回端折部Eにおいて、第1折目L1で、生地10の表面10aが処理後2回端折部Eの内側に位置するように折った場合には、第2折目L2でその反対方向に折るため、処理後2回端折部E(生地10を3枚重ねた部分)は、生地10の裏面10b(カーテン生地2の裏面2b)側に位置することとなる。
【0141】
一方、第1折目L1で、生地10の裏面10bが処理後2回端折部Eの内側に位置するように折った場合には、第2折目L2でその反対方向に折るため、処理後2回端折部Eは、生地10の表面10a(カーテン生地2の表面2a)側に位置する。
処理後2回端折部Eは、第1、2端折部P1、P2の他に、第3端折裏面P3b’(第2折目L2で折られた第2端折部P2の裏面P2bが当接する裏面10bの一部分)や、第3端折表面P3a’(第2折目L2で折られた第2端折部P2の表面P2aが当接する表面10aの一部分)も含まれると言える。
【0142】
処理後2回端折部Eは、3回端折部Cのように、外方開口クリアランス部3aと内方開口クリアランス部3bの2種類を有する。
ここで、処理後2回端折部Eにおける外方開口クリアランス部3aは、第1端折部P1と第2端折部P2との間で形成され、内方開口クリアランス部3bは、第2端折部P2と、第3端折表面P3a’又は第3端折裏面P3b’との間で形成される。
【0143】
<処理後1回端折部F>
処理後1回端折部Fは、第1端折部P1の他に、第2端折裏面P2b’(第1折目L1で折られた第1端折部P1の裏面P1bが当接する裏面10bの一部分)や、第2端折表面P2a’(第1折目L1で折られた第1端折部P1の表面P1aが当接する表面10aの一部分)も含まれると言える。
処理後1回端折部Fは、2回端折部Dのように 内方開口クリアランス部3bの1種類のみを有する。
【0144】
ここで、処理後1回端折部Fにおける内方開口クリアランス部3bは、第1端折部P1と、第2端折表面P2a’又は第2端折裏面P2b’との間で形成される。
その他、処理後2回端折部Eや処理後1回端折部Fにおける各折目L1、L2や、各折幅W1、W2、各端折部P1、P2、第3端折表面・裏面P3a’、P3b’の構成、作用効果及び使用態様、そして、処理後2回端折部Eや処理後1回端折部Fとクリアランス部3やラベル4、フック5との関係は、3回端折部Cや2回端折部Dと同様である。
【0145】
尚、カーテン生地2は、上述では、当該カーテン生地2の表面2aに一方面材Aを有し、カーテン生地2の裏面2bに他方面材Bを有していたが、その際、一方面材Aと他方面材Bにおける「素材」や「付与物」、「デザイン」などの何れもが同一であっても(換言すれば、当該カーテン生地2の表面2aと裏面2bの両面に、一方面材A又は他方面材Bのみを有していても)良い。
フック5は、カーテンランナに引っ掛けられるだけでなく、直接、窓枠の上部や壁に設けられた鉤状の部材に引っ掛けられることで、カーテン1を吊り下げても良い。
【産業上の利用可能性】
【0146】
本発明のカーテンは、当該カーテンを裏返して、意図した意匠性を有する一方面材と他方面材の両方を見せる表裏両用カーテンとして利用するだけでなく、当該カーテンは裏返さずに、室内と室外の両方(カーテンで仕切った空間のうち、一方と他方の両方の空間)等における使用者それぞれに、意図した意匠性を有する各面材を見えるカーテンとしても、利用可能(つまり、表裏両用可能なカーテン)である。
又、昨今、増えるラベルを露出させることなくカーテンに付けることを可能とし、高い意匠性を表現できるカーテンとしても、更には、耐光堅牢度の弱い面を日射側に露出させず、品質の維持が可能なカーテンとしても利用が可能である。
本発明の生地は、表裏両用可能なカーテンに利用するだけでなく、表裏両用可能な垂れ幕やどん帳などのシート状物にも利用できる。
【符号の説明】
【0147】
1 カーテン
2 カーテン生地
2a カーテン生地の表面
2b カーテン生地の裏面
3 クリアランス部
4 ラベル
5 フック
10 生地
10a 生地の表面
10b 生地の裏面
11 リバース部
12 ダブル部
A 一方面材
B 他方面材
C 3回端折部
D 2回端折部
E 処理後2回端折部
F 処理後1回端折部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16
図17
図18