(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】立体布マスクハンガー
(51)【国際特許分類】
D06F 57/00 20060101AFI20220203BHJP
A47G 25/20 20060101ALI20220203BHJP
D06F 59/00 20060101ALI20220203BHJP
【FI】
D06F57/00 360
A47G25/20
D06F59/00 A
(21)【出願番号】P 2021080044
(22)【出願日】2021-02-24
【審査請求日】2021-02-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521197656
【氏名又は名称】藤森 元吾
(72)【発明者】
【氏名】藤森 元吾
【審査官】田村 惠里加
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-35039(JP,A)
【文献】実開昭60-44796(JP,U)
【文献】実開昭53-94245(JP,U)
【文献】米国特許第2490508(US,A)
【文献】米国特許第5172837(US,A)
【文献】登録実用新案第3230344(JP,U)
【文献】特開平8-71295(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 57/00,59/00
A47G 25/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
立体布マスクハンガーにおいて、
立体布マスクの立体面の形状に適合するように構成されたマスク入れの蓋(1)であって、当該マスク入れの蓋(1)内に空洞が設けられた、前記マスク入れの蓋(1)と、
マスク入れの箱(2)であって、当該マスク入れの箱(2)の上部に立体布マスクを載せて、前記マスク入れの蓋(1)で押さえるように挟むことにより立体布マスクを固定するように構成され、さらに、当該マスク入れの箱(2)内に空洞が設けられた、前記マスク入れの箱(2)と、
前記マスク入れの箱(2)を固定する土台(3)であって、さらに、前記土台(3)の一方の表面側の端部にフック掛け(3a~3d)が設けられた、前記土台(3)と、
前記立体布マスクハンバーを吊るすためのフック(4)と、
チェーン(6)であって、当該チェーン(6)の一端に副連結部(7)を設け、当該副連結部(7)は、前記土台(3)の前記フック掛け(3a~3d)と接続する、前記チェーン(6)と、
前記フック(4)と前記チェーン(6)とを接続する主連結部(5)と、
を備えた、立体布マスクハンガー。
【請求項2】
複数枚の立体布マスクが同時に干せるように構成された、請求項1に記載の立体布マスクハンガーであって、
複数のマスク入れの蓋(1)と、複数のマスク入れの箱(2)とを備え、
前記複数のマスク入れの箱(2)が前記土台(3)上に設けられた、
立体布マスクハンガー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体構造を有する布マスクを洗って干す際、布マスクに洗濯バサミの跡をつけず、立体構造を崩さないように干すのに好適なハンガーに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の従来技術として、特許文献1がある。特許文献1は、フックで物干し竿に引っ掛けるハンガーで独特の形の面に洗濯物をのせることで、タオルなどの洗濯物が素早く乾くハンガーの発明を開示している。本明細書の図22に特許文献1の一例を再掲する。
【0003】
新型コロナウイルスの感染拡大により、使い捨てマスクの他に布マスクの需要が増えた。布マスクを洗って干す際、従来技術の洗濯バサミで挟んで干す方法では、布マスクに洗濯バサミの跡がついてしまったり、布マスクの立体的な形が崩れてしまったりとても不便だと感じていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一態様によれば、上述したような不便さを解消するマスクを提供することであり、布マスクを洗って干す際、布マスクに洗濯バサミの跡をつけず、立体構造を崩さないように干すことができる立体布マスクハンガーを作成することを本発明の目的のひとつとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、マスク入れの箱2は布マスクの形に合う形状にし、布マスクを入れた後、マスク入れの蓋1をする。このようにして、布マスクをどこからも押さえつけられず、立体構造も崩れないで干すことができるものにした。また、四枚のマスクが同時に干せるので、家族の分など複数枚を同時に干す事が出来る。さらに、土台3に取り付けているチェーン6の取り外しを可能にし、マスクハンガー本体を裏返してマスクの裏からも日光が当たるようにした。また、チェーン6の取り付け方により、地面と垂直な状態でも干せるようにし、あらゆる角度から日光を当てられるようにした。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、洗濯バサミなどの跡がつかず、マスクの形が崩れない。また、一度に複数枚(例えば4枚)の布マスクが干せる。(
図17参照)また、色々な干し方ができる。例えば、表で干す(
図2参照)、裏返して干す(
図16参照)、地面と垂直にして干す(
図15参照)、室内で棚に掛けて干すなど(
図18参照)である。
本発明の他の目的、特徴及び利点は添付図面に関する以下の本発明の実施例の記載から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】マスク入れの蓋が開いた状態の本発明の全体図である。
【
図17】実際にマスクを入れた状態のイメージ図である。
【
図22】従来技術の一例である特開2011-152382号公報の図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、マスク入れの蓋が開いた状態の本発明の全体図である。
図1においてマスク入れは、マスク入れの蓋1とマスク入れの箱2で動くように連結して構成する。
【0010】
【0011】
<全体の構成>
この発明の立体布マスクハンガーは、マスク入れの蓋1、マスク入れの箱2、土台3、フック4、主連結部5、チェーン6、副連結部7から構成されている。
【0012】
<マスク入れの蓋1について>
図3は、マスク入れの蓋の詳細構造を示す図である。
図4は、マスク入れの蓋の拡大図である。
図5は、マスク入れの拡大図である。
図6は、マスク入れの箱の詳細構造を示す図である。
図7は、マスク入れを開いた状態を示す図である。
マスク入れの蓋1は、マスク入れの箱2に載せたマスクが風などに飛ばされないように押さえる蓋の役割である。マスク入れの箱2よりも一回り大きく、その間にマスクを入れるのに最適な隙間がある(
図7参照)。また、マスク入れの蓋1のロック部分1bをマスク入れの土台のロック部分2bに掛けることで、ロックして開かないようにする(
図4、5、6参照)。マスク入れの蓋のロック部分1bを外してロックを解除すると、蓋を開けることができる。また、マスク入れの蓋1は、マスクを押さえるために、マスクの立体形状の外側面(人間の顔面に当たる面の反対面すなわち外気に当たる面)にフィット(適合)する形状になっていて、風通しや日光が当たりやすくなるように、蓋1内に空洞を設けることより、(すなわち、蓋1内に柵状や格子状のような形状が空洞より形成されることにより、)マスクの外側面と接する表面積をなるべく少なくした。
【0013】
<マスク入れの箱2について>
図8は、土台3とマスク入れの箱2のみを示す図である。
マスク入れの箱2は、土台3と接合することにより固定されている(
図8参照)。マスクを上に載せるために、マスクの立体形状の内側面(人間の顔面に当たる面)にフィット(適合)するような形状になっていて、風通しや日光が当たりやすくなるように、箱2内に空洞を設けることにより、(すなわち、箱2内に柵状や格子状のような形状が空洞により形成されることにより、)マスクの内側面と接する表面積をなるべく少なくした(
図6参照)。また、マスク入れの箱2aには2cが接合していて、マスク入れの蓋の回転部分1aに開いている穴に軸2cを通すことによりマスク入れの蓋を開け閉めできるようにした(
図7参照)。
【0014】
<土台3について>
図9は、土台の詳細構造を示す図である。
図21は、土台の断面図を示す図である。
土台3は、二重の円に十字を入れて厚みを持たせたような形をしている。軽量化のために、中は空洞になっている。マスク干しを裏返して干すときになるべく影にならないように、必要最低限の面積にしつつ、マスク入れの箱2としっかりと接合して固定できるようにした(
図8、16参照)。また、土台3の一方の面側の端部にはフック掛け(3a~3d)が複数個設けられている。本実施例においては、円形の土台3の中心から見て、互いに点対称関係となるフック掛けが当該土台3の一方の表面側の端部に設けられており、具体的には、ある点にあるフック掛けから見て円周方向に180度反対側にある点に別のフック掛けが設けられている。同様に、土台3の反対側の表面にもフック掛け(3e~3h)が設けられている。
【0015】
<フック4について>
図10は、ハンガーを吊るすフック4の詳細構造を示す図である。
図11は、フック4が開いている状態を示す図である。
フック4は、好ましくは、キャッチ式フックでもよい。キャッチ式フックで引っかけることで風が強くても飛ばされないようになる。また、室内で干したいときは、棚などにフック4を引っかけることで干すことができる(
図16参照)。
【0016】
<主連結部5について>
図13は、フック4と主連結部5を下から見た図である。
図14は、主連結部5の詳細構造を示す平面図である。
主連結部5は、フック4とチェーン6とつながる(
図2参照)。フック4が外れないように主連結部5の接続部5aでとめつつ、回転できるようになっている(
図13参照)。また、主連結部5の形状は、クローバー8の形状をしており、クローバー8は四葉のクローバーをモチーフにし、葉の色が赤、青、黄、緑になっている(
図14参照)。四葉のクローバーの花言葉は幸運といわれているので、covid-19やインフルエンザなどの感染症の拡大が収まり、幸運が戻ってきますようにという意味をこめた。
【0017】
<チェーン6について>
図15は、垂直に干した状態を示す図である。
図16は、裏返して干した状態を示す図である。
チェーンの形状にすることにより、風にマスクハンガーが大きく揺れても壊れないように衝撃を吸収できる。また、チェーンを付け替えることにより、あらゆる角度から布マスクに日光を当てることができる(
図2、15、16参照)。
【0018】
<副連結部7について>
図12は、副連結部の詳細構造を示す図である。
副連結部7は、チェーン6の一端に設けられて、チェーン6からは外れないようになっているが、土台3(のフック掛け)からは付け外しが容易にできる。これにより、色々な干し方ができる。例えば、副連結部7を土台の一方の面側の各端部にあるフック掛け3a~3dから外し、マスク干しをひっくり返して裏にし、その上にフック4が来るよう副連結部を土台の他方の面側にある各端部フック掛け3e~3hに付けるとマスクの裏側にも日光が当たるようになる(
図16参照)。また、土台のフック掛け3aと3bにつながっている副連結部7を外し、フック掛け3eと3fにそれぞれ付けることにより土台を垂直にしてほすこともできる(
図15参照)。この干し方は、病院にある紫外線で菌を殺せる滅菌室などで使うことができる。
【0019】
図17は、実際にマスクを入れた状態のイメージ図である。
マスクがマスク入れにフィットしていて、形が崩れないようになっている。
【0020】
【0021】
図19は、本発明の使用例を示した図である。
キャッチ式フックにより物干し竿にしっかり引っかかっているため、強い風にも耐えることができる。
【0022】
図20は、フックを棚にかけた状態を示す図である。
フック4aを棚などに引っ掛けることで、暖房の前で乾かしたり、雨の日に中で干したりすることができる。
【0023】
以上のように本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。例えば、本実施例では、4枚のマスクを一度に干せる構造について説明したが、1枚でも複数枚でもよい。このような構成は、例えば、干したいマスクの枚数に対応する蓋、箱を土台の上に設けることにより、任意のハンガーが実現可能である。
【符号の説明】
【0024】
1 マスク入れの蓋
2 マスク入れの箱
3 土台
4 フック
5 主連結部
6 チェーン
7 副連結部
8 クローバー
【要約】
【課題】布マスクを洗って干す際、布マスクに洗濯バサミの跡をつけず、立体構造を崩さないように干すことができる立体布マスクハンガーを作成することである。
【解決手段】マスク入れの箱2は布マスクの形に合う形状にし、布マスクを入れた後、マスク入れの蓋1をする。このようにして、布マスクをどこからも押さえつけられず、立体構造も崩れないで干すことができるものにした。また、四枚のマスクが同時に干せるので、家族の分など複数枚を同時に干す事が出来る。さらに、土台3に取り付けているチェーン6の取り外しを可能にし、マスクハンガー本体を裏返してマスクの裏からも日光が当たるようにした。また、チェーン6の取り付け方により、地面と垂直な状態でも干せるようにし、あらゆる角度から日光を当てられるようにした。
【選択図】
図2