(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】フレキシブル表示装置及びフレキシブル導電性パターン
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20220117BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20220117BHJP
H01L 51/50 20060101ALI20220117BHJP
H05B 33/02 20060101ALI20220117BHJP
H05B 33/26 20060101ALI20220117BHJP
H05B 33/10 20060101ALI20220117BHJP
H01L 27/32 20060101ALI20220117BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20220117BHJP
【FI】
G09F9/30 330
G09F9/30 308Z
G09F9/30 365
G09F9/00 366A
G09F9/00 338
H05B33/14 A
H05B33/02
H05B33/26 Z
H05B33/10
H01L27/32
G06F3/041 640
G06F3/041 660
G06F3/041 495
G06F3/041 430
(21)【出願番号】P 2017095298
(22)【出願日】2017-05-12
【審査請求日】2020-03-16
(31)【優先権主張番号】10-2016-0059110
(32)【優先日】2016-05-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 キョン ソプ
(72)【発明者】
【氏名】韓 相 允
(72)【発明者】
【氏名】朴 成 均
(72)【発明者】
【氏名】朴 容 佑
(72)【発明者】
【氏名】孫 正 河
(72)【発明者】
【氏名】姜 帝 旭
(72)【発明者】
【氏名】丁 漢 榮
【審査官】中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0093685(US,A1)
【文献】国際公開第2015/125309(WO,A1)
【文献】特開2006-032930(JP,A)
【文献】特開2016-075884(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00 - 9/46
H01L 51/50
H01L 27/32
H05B 33/00 - 33/28
G06F 3/041
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベンディング部を含むフレキシブル基板と、
第1導電性パターン層及び該第1導電性パターン層上に配置された第2導電性パターン層を有する導電性パターンと、を備え、
前記導電性パターンの少なくとも一部は、前記ベンディング部上に配置され、
前記第1導電性パターン層は、第1厚さを有して第1物質を含み、
前記第2導電性パターン層は、前記第1厚さよりも薄い第2厚さを有して前記第1物質とは異なる第2物質を含
み、
前記第1導電性パターン層は、第1グレーンサイズのグレーンを有し、
前記第2導電性パターン層は、第2グレーンサイズのグレーンを有し、
前記第1導電性パターン層のグレーンの平均グレーンサイズは、前記第2導電性パターン層のグレーンの平均グレーンサイズよりも大きいことを特徴とするフレキシブル表示装置。
【請求項2】
前記第1厚さは、100オングストローム以上1500オングストローム以下であり、
前記第2厚さは、10オングストローム以上100オングストローム以下であることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項3】
前記第1物質及び前記第2物質のそれぞれは、金属、前記金属の合金、前記金属の酸化物、及び透明導電性酸化物のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項4】
前記第1物質及び前記第2物質のそれぞれは、Al、Cu、Ti、Mo、Ag、Mg、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、及びCrのうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項3に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項5】
前記透明導電性酸化物は、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、亜鉛酸化物(ZnO)、及びインジウム錫亜鉛酸化物(ITZO)のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項3に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項6】
前記第1グレーンサイズ及び前記第2グレーンサイズのそれぞれは、100オングストローム以上1000オングストローム以下であることを特徴とする請求項
1に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項7】
前記第2導電性パターン層は、前記第1導電性パターン層のグレーンのグレーンサイズが増加しないように制御することを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項8】
前記導電性パターンは、前記第2導電性パターン層上に配置された第3導電性パターン層を更に含み、
前記第3導電性パターン層は、前記第2厚さよりも厚い第3厚さを有して第3物質を含むことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項9】
前記第1厚さ及び前記第3厚さのそれぞれは、100オングストローム以上1500オングストローム以下であり、
前記第2厚さは、10オングストローム以上100オングストローム以下であることを特徴とする請求項
8に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項10】
前記第3物質は、前記第2物質とは異なることを特徴とする請求項
8に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項11】
前記第1物質は、アルミニウムを含み、
前記第2物質は、チタンを含み、
前記第3物質は、アルミニウムを含むことを特徴とする請求項
8に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項12】
前記導電性パターンは、5つの積層パターンを含み、
前記積層パターンのそれぞれは、
前記第1導電性パターン層と、
前記第1導電性パターン層上に配置された前記第2導電性パターン層と、
前記第2導電性パターン層上に配置された前記第3導電性パターン層と、を含むことを特徴とする請求項
11に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項13】
前記第1厚さは、1500オングストロームであり、
前記第2厚さは、50オングストロームであり、
前記第3厚さは、1500オングストロームであることを特徴とする請求項
11に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項14】
前記第1物質は、アルミニウムを含み、
前記第2物質は、アルミニウム酸化物を含み、
前記第3物質は、アルミニウムを含むことを特徴とする請求項
8に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項15】
前記フレキシブル基板上に配置された配線及び電極を更に含み、
前記配線及び前記電極のうちの少なくとも一つは、前記導電性パターンを含むことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項16】
前記配線は、ゲートライン、データライン、連結ライン、及びファンアウトラインのうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項
15に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項17】
前記フレキシブル基板上に配置された絶縁層と、
前記フレキシブル基板と前記絶縁層との間に配置された第1配線と、
前記絶縁層上に配置された第2配線と、を更に含み、
前記第1配線及び前記第2配線のうちの少なくとも一つは、前記導電性パターンを含むことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項18】
前記フレキシブル表示装置は、携帯電話、テレビジョン、コンピュータ、ウェアラブル表示装置、巻き込み可能な表示装置、折り畳み可能な表示装置、車両用表示装置、及び装飾品用表示装置から選択されることを特徴とする請求項
17に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項19】
前記フレキシブル表示装置は、前記フレキシブル基板及び前記導電性パターンのうちの少なくとも一部が折り曲げられる第1モードで、又は前記フレキシブル基板及び前記導電性パターンのうちの少なくとも一部が伸長される第2モードで動作することを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項20】
前記第1モードは、
前記フレキシブル基板及び前記導電性パターンのうちの少なくとも一部がベンディング軸に対して一方向に折り曲げられる第1ベンディングモードと、
前記フレキシブル基板及び前記導電性パターンのうちの少なくとも一部がベンディング軸に対して前記一方向に反対する方向に折り曲げられる第2ベンディングモードと、含むことを特徴とする請求項
19に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項21】
フレキシブル基板、該フレキシブル基板上に配置された有機発光素子、及び該有機発光素子上に配置された気密層を含むフレキシブル表示パネルと、
タッチベンディング部を有して前記気密層上に配置されたタッチセンシングユニットと、を備え、
前記タッチセンシングユニットは、第1導電性パターン層及び該第1導電性パターン層上に配置された第2導電性パターン層を有して前記タッチベンディング部に含まれる導電性パターンを含み、
前記第1導電性パターン層は、第1厚さを有して第1物質を含み、
前記第2導電性パターン層は、前記第1厚さよりも薄い第2厚さを有して前記第1物質とは異なる第2物質を含
み、
前記第1導電性パターン層は、第1グレーンサイズのグレーンを有し、
前記第2導電性パターン層は、第2グレーンサイズのグレーンを有し、
前記第1導電性パターン層のグレーンの平均グレーンサイズは、前記第2導電性パターン層のグレーンの平均グレーンサイズよりも大きいことを特徴とするフレキシブル表示装置。
【請求項22】
前記タッチセンシングユニットは、
センシング電極と、
前記センシング電極に電気的に連結されるパッド部と、
前記センシング電極に連結される連結ラインと、
前記連結ラインに連結されるファンアウトラインと、を含み、
前記センシング電極、前記パッド部、前記連結ライン、及び前記ファンアウトラインのうちの少なくとも一つは、前記導電性パターンに連結されることを特徴とする請求項
21に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項23】
前記センシング電極は、メッシュ状を有することを特徴とする請求項
22に記載のフレキシブル表示装置。
【請求項24】
フレキシブル基板上に配置され、第1厚さを有して第1物質を含む第1導電性パターン
層と、
前記第1導電性パターン
層上に配置され、前記第1物質とは異なる第2物質を含む第2導電性パターン層と、を備え、
前記第2物質は、前記第1厚さよりも薄い第2厚さを有
し、
前記第1導電性パターン層は、第1グレーンサイズのグレーンを有し、
前記第2導電性パターン層は、第2グレーンサイズのグレーンを有し、
前記第1導電性パターン層のグレーンの平均グレーンサイズは、前記第2導電性パターン層のグレーンの平均グレーンサイズよりも大きいことを特徴とするフレキシブル導電性パターン。
【請求項25】
前記第1厚さは、100オングストローム以上1500オングストローム以下であり、
前記第2厚さは、10オングストローム以上100オングストローム以下であることを特徴とする請求項
24に記載のフレキシブル導電性パターン。
【請求項26】
前記第2導電性パターン層上に配置され、前記第2厚さよりも厚い第3厚さを有して第3物質を含む第3導電性パターンを更に含むことを特徴とする請求項
24に記載のフレキシブル導電性パターン。
【請求項27】
前記第1厚さ及び前記第3厚さのそれぞれは、100オングストローム以上1500オングストローム以下であり、
前記第2厚さは、10オングストローム以上100オングストローム以下であることを特徴とする請求項
26に記載のフレキシブル導電性パターン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フレキシブル表示装置に関し、より詳しくは、湾曲によるクラックの発生を防止するフレキシブル表示装置及びフレキシブル導電性パターンに関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置は、ユーザに情報を提供するように多様なイメージを表示する。最近、曲げられる表示装置が開発されている。平板表示装置とは異なって、フレキシブル表示装置は一枚の紙のように折り曲げられるか、巻かれるか、湾曲される。多様な形状を有するフレキシブル表示装置は、携帯が容易でユーザの便宜を向上させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、折り曲げ変形によってクラックが発生することを防止するフレキシブル表示装置及びフレキシブル導電性パターンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるフレキシブル表示装置は、ベンディング部を含むフレキシブル基板と、第1導電性パターン層及び該第1導電性パターン層上に配置された第2導電性パターン層を有する導電性パターンと、を備え、前記導電性パターンの少なくとも一部は、前記ベンディング部上に配置され、前記第1導電性パターン層は、第1厚さを有して第1物質を含み、前記第2導電性パターン層は、前記第1厚さよりも薄い第2厚さを有して前記第1物質とは異なる第2物質を含む。
【0005】
上記目的を達成するためになされた本発明の他の態様によるフレキシブル表示装置は、フレキシブル基板、該フレキシブル基板上に配置された有機発光素子、及び該有機発光素子上に配置された気密層を含むフレキシブル表示パネルと、タッチベンディング部を有して前記気密層上に配置されたタッチセンシングユニットと、を備え、前記タッチセンシングユニットは、第1導電性パターン層及び該第1導電性パターン層上に配置された第2導電性パターン層を有して前記タッチベンディング部に含まれる導電性パターンを含み、前記第1導電性パターン層は、第1厚さを有して第1物質を含み、前記第2導電性パターン層は、前記第1厚さよりも薄い第2厚さを有して前記第1物質とは異なる第2物質を含む。
【0006】
一実施形態によるフレキシブル表示装置の製造方法は、フレキシブル基板を用意するステップと、前記フレキシブル基板上に導電性パターンを形成するステップと、を有し、前記導電性パターンを形成するステップは、第1ガスを供給して前記フレキシブル基板上に第1厚さを有する第1導電性パターン層を形成するステップと、前記第1ガスとは異なる第2ガスを供給して前記第1導電性パターン層上に前記第1厚さよりも薄い第2厚さを有する第2導電性パターン層を形成するステップと、を含む。
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるフレキシブル導電性パターンは、フレキシブル基板上に配置され、第1厚さを有して第1物質を含む第1導電性パターン層と、前記第1導電性パターン層上に配置され、前記第1物質とは異なる第2物質を含む第2導電性パターン層と、を備え、前記第2物質は、前記第1厚さよりも薄い第2厚さを有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明のフレキシブル表示装置によると、フレキシブル表示装置に含まれる導電性パターンが十分な抵抗性を有し、折り曲げによって引き起こされるクラックの発生が減少するため、適切な構成特性及び向上させた柔軟性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置の一例を示す斜視図である。
【
図1B】本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置の一例を示す斜視図である。
【
図1C】本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置の一例を示す斜視図である。
【
図2B】
図1BのI-I’線による他の例を示す断面図である。
【
図2C】
図1BのI-I’線による更に他の例を示す断面図である。
【
図3A】本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置の他の例を示す斜視図である。
【
図3B】本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置の他の例に含まれる配線の一例を示す断面図である。
【
図3C】本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置の他の例に含まれる配線の他の例を示す断面図である。
【
図3D】本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置の他の例に含まれる電極の一例を示す断面図である。
【
図3E】本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置の他の例に含まれる電極の他の例を示す断面図である。
【
図4A】本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置の更に他の例を示す斜視図である。
【
図4C】本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置の更に他の例に含まれる第1ラインの一例を示す断面図である。
【
図4D】本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置の更に他の例に含まれる第1ライン他の例を示す断面図である。
【
図4E】本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置の更に他の例に含まれる第2ラインの一例を示す断面図である。
【
図4F】本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置の更に他の例に含まれる第2ライン他の例を示す断面図である。
【
図5A】本発明の他の実施形態によるフレキシブル表示装置を示す斜視図である。
【
図5B】本発明の他の実施形態によるフレキシブル表示装置を示す斜視図である。
【
図5C】本発明の他の実施形態によるフレキシブル表示装置を示す斜視図である。
【
図6A】本発明の他の実施形態によるフレキシブル表示装置に含まれるピクセルのうちの一つのピクセルを示す回路図である。
【
図6B】本発明の他の実施形態によるフレキシブル表示装置に含まれるピクセルのうちの一つのピクセルを示す平面図である。
【
図7A】本発明の他の実施形態によるフレキシブル表示装置の一例を示す断面図である。
【
図7B】本発明の他の実施形態によるフレキシブル表示装置の一例に含まれるタッチセンシングユニットを示す平面図である。
【
図8A】本発明の他の実施形態によるフレキシブル表示装置の他の例を示す断面図である。
【
図8B】本発明の他の実施形態によるフレキシブル表示装置の他の例に含まれるタッチセンシングユニットを示す平面図である。
【
図9A】本発明の他の実施形態によるタッチセンシングユニットに含まれるセンシング電極の一例を示す断面図である。
【
図9B】本発明の他の実施形態によるタッチセンシングユニットに含まれるセンシング電極の他の例を示す断面図である。
【
図9C】本発明の他の実施形態によるタッチセンシングユニットに含まれるラインの一例を示す断面図である。
【
図9D】本発明の他の実施形態によるタッチセンシングユニットに含まれるラインの他の例を示す断面図である。
【
図10A】本発明の実施形態によるフレキシブル表示装置が適用された多様な装置を示す斜視図である。
【
図10B】本発明の実施形態によるフレキシブル表示装置が適用された多様な装置を示す斜視図である。
【
図10C】本発明の実施形態によるフレキシブル表示装置が適用された多様な装置を示す斜視図である。
【
図10D】本発明の実施形態によるフレキシブル表示装置が適用された多様な装置を示す斜視図である。
【
図10E】本発明の実施形態によるフレキシブル表示装置が適用された多様な装置を示す斜視図である。
【
図10F】本発明の実施形態によるフレキシブル表示装置が適用された多様な装置を示す斜視図である。
【
図11】本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置の製造方法を示すフローチャートである。
【
図12A】実施例1、比較例1、及び比較例3のSEM画像である。
【
図12B】実施例2、比較例1、及び比較例2のSEM画像である。
【
図13】実施例1、実施例2、比較例1、及び比較例2の断面画像である。
【
図14】比較例1及び比較例3における内側への折り曲げ又は外側への折り曲げによる断線画像である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。本明細書の説明において、説明の目的のために多数の特定の細部事項を本発明の実施形態の完全なる理解を提供するために説明する。しかし、本発明の実施形態がこのような特定の細部事項なしに又は一つ以上の等価形態に実施され得ることは明らかである。本発明の実施形態において、広く知られている構造及び装置が不要に多様な実施形態を不明確にすることを防止するために、ブロック図の形態で示す。
【0011】
図面において、層、膜、パネル、領域などの大きさ及び相対的な大きさは、明確性及び説明の便宜上誇張している可能性がある。また、同じ参照符号は同じ要素を示す。
【0012】
要素又は層が他の要素又は層の「上」に「連結」又は「結合」されると説明する場合、要素又は層は他の要素又は層の上に直接配置されるか連結又は結合されてもよく、他の構成要素又は層がこれらの間に介在してもよい。しかし、一つの構成要素が他の構成要素の「上」に「直接配置」されるか「直接連結」又は「直接結合」されると説明する場合、これらの間に他の要素又は層は存在しない。本開示の目的のために、X、Y、及びZのうちの少なくとも一つ、そしてX、Y、及びZで構成されたグループから選択された少なくとも一つは、単にX、Y、又はZのみで構成されるか、或いはX、Y、及びZのうちの2つ以上の任意の組み合わせ、例えばXYZ、XYY、YZ、及びZZで構成されてもよい。同じ参照符号は同じ要素を指す。ここで使用する用語「及び/又は」は、関連する列挙項目の一つ又はそれ以上の全ての任意の組み合わせを含む。
【0013】
ここで第1、第2などの用語を多様な要素、領域、層、及び/又は部分を説明するために使用するが、このような要素、成分、領域、層、及び/又は部分がこのような用語によって限定されることはない。これらの用語は、他の要素、成分、領域、層、及び/又は部分を一つの要素、成分、領域、層及び/又は部分と区別するために使用する。従って、後述する第1要素、成分、領域、層、及び/又は部分を、本発明の技術を逸脱することなく第2要素、成分、領域、層及び/又は部分と称する。
【0014】
ここで、説明の便宜上「下」、「下部」、「上」、「上部」などのような空間的に相対的な用語を使用し、図示した他の要素又は特徴に対する一つの要素又は特徴の関係を説明する。空間的に相対的な用語を図面に示した方向に加えて使用中の装置の他の方向、動作及び/又は製造を網羅するものとして意図する。例えば、図面で装置が逆さになると、他の要素又は特徴の「下」に配置されたとして説明する要素は他の要素又は特徴の「上」に配置される。従って、「下」の例示的な用語は上下両方向を含む。なお、そうでない場合、装置をそれに合わせて説明し、このような空間的に相対的な記述語のように配置(例えば、90度又は他の方向に回転)する。
【0015】
ここで使用する用語は、特定の実施形態を説明するためのものであって、発明を制限しようとするものではない。ここで使用するように、単数形態、「一つ」及び「前記」は、文脈を特に明示しない限り複数の表現を含むように意図する。また、用語「含む」は、本明細書で使用する際、明示した特徴、数字、ステップ、動作、要素、成分、及び/又はこれらのグループの存在を明示するが、一つ又はそれ以上の他の特徴、数字、ステップ、動作、用度、成分、及び/又はこれらのグループの存在又は付加を排除することはない。
【0016】
本発明の実施形態は、理想的な実施形態の概略的な図面である断面図及び/又は中間構造体を参照して説明する。このように、結果的に図面の形状からの変化、例えば製造技術及び/又は許容誤差の変化は十分に予想可能なものである。従って、ここで開示する実施形態は領域の特定の形態に限らず、例えば製造工程で発生する形状偏差を含むものとして解釈すべきである。例えば、矩形に示した注入領域は、一般に非注入領域への注入による二元的な変化よりも、その角でラウンドした又は屈曲した特徴及び/又は注入濃度勾配を有する。このように、注入によって形成される埋立領域は、埋立領域と注入が発生する表面との間の領域で任意の注入を発生させる。従って、図面に示した領域は事実上概略的であり、その形状は素子領域の実際の形状を示すものでもなく制限するものでもない。
【0017】
異なるように定義しない限り、ここで使用する全ての用語(技術的及び科学的用語を含む)は本開示が一部の当業者によって一般的に理解されるようなものと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書に定義されたものと同じようなこのような用語は、関連技術の文脈上、その意味と一致する意味を有すると解析すべきであり、ここで明白に定義しない限り、理想的な又は過度に形式的な意味として解析されない。
【0018】
図1A、
図1B、及び
図1Cは、本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置の一例を示す斜視図である。
【0019】
図1A、
図1B、及び
図1Cを参照すると、フレキシブル表示装置10はフレキシブル基板FB及び導電性パターンCPを含む。導電性パターンCPは第1方向DR1にフレキシブル基板FB上に配置される。ここで使用するように、用語「フレキシブル」は基板が曲げられるように設計されたことを意味し、従ってフレキシブル基板FBは完全に折り曲げられるか又は部分的に曲げられる。フレキシブル基板FBは、これに限らないが、プラスチック物質又は有機ポリマー、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド、ポリエーテルスルホンなどを含む。フレキシブル基板FB用物質は、機械的強度、熱的安定性、透明性、表面平滑度、取り扱いの容易性、撥水性などの組み合わせから選択される。フレキシブル基板FBは透明である。
【0020】
フレキシブル表示装置10は第1モード又は第2モードで動作する。フレキシブル基板FBはベンディング部BF及び非ベンディング部NFBを含む。ベンディング部BFは、第2方向DR2に延長するベンディング軸BXに対して第1モードで折り曲げられ、第2モードで伸長される。ベンディング部BFは非ベンディング部NBFに連結される。非ベンディング部NBFは第1及び第2モードで折り曲げられない。導電性パターンCPの少なくとも一部はベンディング部BF上に配置される。ここで使用するように、用語「ベンディング」はフレキシブル基板が外力によって特定の形状に曲げられることを意味する。例えば、ベンディング部はリジッド(rigid)であるかフレキシブルである。ベンディング部は、湾曲した、折り曲げ可能な、伸長可能な、巻き込み可能な、そしてフレキシブルな部品の全てを含む概念である。
【0021】
図1A及び
図1Cを参照すると、フレキシブル基板FB及び導電性パターンCPの少なくとも一部は第1モードで屈曲する。
図1Bを参照すると、ベンディング部BFは第2モードで伸長する。
【0022】
第1モードは第1ベンディングモード及び第2ベンディングモードを含む。
図1Aを参照すると、フレキシブル表示装置10は第1ベンディングモードでベンディング軸BXに対して一方向に折り曲げられる。即ち、フレキシブル表示装置10は第1ベンディングモードで内側に折り曲げられる。以下、フレキシブル表示装置10がベンディング軸BXに対して折り曲げられる際、導電性パターンCPが折り曲げられてから互いに向かい合う導電性パターンCPの部分間の距離が、フレキシブル基板FBが折り曲げられてから互いに向かい合うフレキシブル基板FBの部分間の距離より短い状態を、内側への折り曲げという。内側への折り曲げ状態において、ベンディング部BFの表面は第1曲率半径R1を有する。第1曲率半径R1は約1mm以上約10mm以下の範囲である。
【0023】
図1Cを参照すると、フレキシブル表示装置10は第2ベンディングモードでベンディング軸BXに対して
図1Aの一方向に反対する方向に折り曲げられる。即ち、フレキシブル表示装置10は第2ベンディングモードで外側に折り曲げられる。以下、フレキシブル表示装置10がベンディング軸BXに対して折り曲げられる際、フレキシブル基板FBが折り曲げられてから互いに向かい合うフレキシブル基板FBの部分間の距離が、導電性パターンCPが折り曲げられてから互いに向かい合う導電性パターンCPの部分間の距離より短い状態を、外側への折り曲げという。外側への折り曲げ状態において、ベンディング部BFの表面は第2曲率半径R2を有する。第2曲率半径R2は第1曲率半径R1と同じであるか又は異なる。第2曲率半径R2は約1mm以上約10mm以下の範囲である。
【0024】
図1A及び
図1Cにおいて、フレキシブル表示装置10がベンディング軸BXに対して折り曲げられる際、フレキシブル基板FBの互いに向かい合う部分間の距離は、一定であるが、これに限ることはない。即ち、フレキシブル基板FBの互いに向かい合う部分間の距離は一定でなくてもよい。なお、
図1A及び
図1Cにおいて、フレキシブル表示装置10がベンディング軸BXに対して折り曲げられる際、折り曲げられたフレキシブル基板FBの部分のうちの一部分の面積は、折り曲げられたフレキシブル基板FBの部分のうちの他の部分の面積と同じであるが、これに限ることはない。即ち、折り曲げられたフレキシブル基板FBの部分のうちの一部分の面積は、折り曲げられたフレキシブル基板FBの部分の他の部分の面積と異なってもよい。
【0025】
【0026】
図1A、
図1B、
図1C、及び
図2Aを参照すると、導電性パターンCPの少なくとも一部はベンディング部BF上に配置される。導電性パターンCPは多数の導電性パターン層を含む。導電性パターンCPは、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つの導電性パターン層を含むが、これに限ることはない。即ち、導電性パターンCPは7つ又はそれ以上の導電性パターン層を含んでもよい。各導電性パターン層は多数のグレーン(grain)を含む。グレーンは規則的に配列する成分原子によって得られた結晶グレーンである。
【0027】
図1A、
図1B、
図1C、及び
図2Aを参照すると、導電性パターンCPは第1導電性パターン層CPL1及び第2導電性パターン層CPL2を含む。第1導電性パターン層CPL1は、約100オングストローム以上約1500オングストローム以下の第1厚さt1を有する。第1導電性パターン層CPL1の第1厚さt1が約100オングストロームよりも薄いと、導電性パターンの厚さが変わらなくても導電性パターン層間の界面の数が増加し、それによって導電性パターンの抵抗が増加する。従って、フレキシブル表示装置10を駆動するために使用される消費電力が増加する。また、第1導電性パターン層CPL1を製造し提供する工程の信頼性が悪くなる虞があり、第1導電性パターン層CPL1の第1厚さt1が約1500オングストロームを超過すると、第1導電性パターン層CPL1の柔軟性を確保することが難しく、その結果、第1導電性パターン層CPL1でクラック又は断線が発生して信頼性が低下する虞がある。
【0028】
第1導電性パターン層CPL1は、それぞれが第1グレーンサイズを有する第1グレーンGR1を含む。以下、グレーンサイズは粒子直径の平均値又は最大粒子直径を示す。第1導電性パターン層CPL1の第1グレーンGR1は、約100オングストローム以上約1000オングストローム以下の第1グレーンサイズを有する。詳しくは、第1グレーンGR1のそれぞれの第1グレーンサイズは約100オングストローム以上約1000オングストローム以下であり、第1グレーンGR1の第1グレーンサイズの平均値は約100オングストローム以上約1000オングストローム以下であり、そして第1グレーンサイズの代表値は約100オングストローム以上約1000オングストローム以下である。
【0029】
第1導電性パターン層CPL1の第1グレーンGR1の第1グレーンサイズが約100オングストロームよりも小さいと、第1導電性パターン層CPL1の抵抗が増加し、従って、フレキシブル表示装置10を駆動するために要求される消費電力が増加する。また、第1導電性パターン層CPL1の第1グレーンGR1の第1グレーンサイズが約1000オングストロームを超過すると、第1グレーンサイズが過度に大きいために第1導電性パターン層CPL1の折り曲げ信頼性を確保することが難しくなる。その結果、クラックや断線が第1導電性パターン層CPL1に発生してフレキシブル装置10の信頼性が落ちる虞がある。
【0030】
第1導電性パターン層CPL1は第1物質を含む。第1物質は、金属、金属合金、金属酸化物、及び透明導電性酸化物のうちの少なくとも一つを含むが、これに限ることはない。
【0031】
第1物質は、これに限ることはないが、Al、Cu、Ti、Mo、Ag、Mg、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、及びCrのうちの少なくとも一つを含む。
【0032】
透明導電性酸化物は、これに限ることはないが、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、亜鉛酸化物(ZnO)、及びインジウム錫亜鉛酸化物(ITZO)のうちの少なくとも一つを含む。
【0033】
第1導電性パターン層CPL1において、約200個のグレーン~約1200個のグレーンが約1.0μm2の単位面積内に配列される。用語“約1.0μm2の単位面積内”とは、単位面積が第1導電性パターン層CPL1の平面上の任意の面積内で定義されることを意味する。約1.0μm2の単位面積内で第1グレーンGR1の数が約200個よりも少ないと、折り曲げの柔軟性を確保することが難しい。従って、第1導電性パターン層CPL1にクラックや断線が発生してフレキシブル装置10の信頼性が落ちる虞がある。また、約1.0μm2の単位面積内で第1グレーンGR1の数が約1200個を超過すると、第1導電性パターン層CPL1の抵抗が増加し、それによってフレキシブル表示装置10を駆動するために要求される消費電力が増加する虞がある。
【0034】
第2導電性パターン層CPL2は第1導電性パターン層CPL1上に配置される。第2導電性パターン層CPL2は、約10オングストローム以上約100オングストローム以下の第2厚さt2を有する。第2厚さt2は第1厚さt1よりも薄い。第2導電性パターン層CPL2の第2厚さt2が約10オングストロームよりも薄いと、第1導電性パターン層CPL1の第1グレーンサイズが過度に拡大されることを防止することが難しくなる虞がある。また、第2導電性パターン層CPL2を製造し提供する工程の信頼性が悪くなる虞があり、第2導電性パターン層CPL2の第2厚さt2が約100オングストロームを超過すると、第2導電性パターン層CPL2の柔軟性を確保することが難しく、その結果、第2導電性パターン層CPL2でクラック又は断線が発生して信頼性が低下する虞がある。
【0035】
第2導電性パターン層CPL2は、第1導電性パターン層CPL1の第1グレーンGR1が第2導電性パターン層CPL2の第2グレーンGR2に連結されることを防止する。第2導電性パターン層CPL2は第1導電性パターン層CPL1の第1グレーンサイズを制御する。例えば、第2導電性パターン層CPL2は、第1導電性パターン層CPL1の第1グレーンサイズが過度に増加することを防止する。
【0036】
第2導電性パターン層CPL2は、それぞれが第2グレーンサイズを有する第2グレーンGR2を含む。第2導電性パターン層CPL2の第2グレーンGR2は、約100オングストローム以上約1000オングストローム以下の第2グレーンサイズを有する。詳しくは、第2導電性パターン層CPL2の第2グレーンGR2の第2グレーンサイズの平均値は、第1導電性パターン層CPL1の第1グレーンGR1の第1グレーンサイズの平均値よりも小さい。第2導電性パターン層CPL2は第2物質を含む。第2物質は第1物質とは異なる物質である。第2物質は、金属、金属合金、金属酸化物、及び透明導電性酸化物のうちの少なくとも一つを含むが、これに限ることはない。
【0037】
第2物質は、これに限ることはないが、Al、Cu、Ti、Mo、Ag、Mg、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、及びCrのうちの少なくとも一つを含む。
【0038】
透明導電性酸化物は、これに限ることはないが、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、亜鉛酸化物(ZnO)、及びインジウム錫亜鉛酸化物(ITZO)のうちの少なくとも一つを含む。
【0039】
図1A、
図1B、
図1C、及び
図2Bを参照すると、導電性パターンCPは、第1導電性パターン層CPL1、第2導電性パターン層CPL2、及び第3導電性パターン層CPL3を含む。第2導電性パターン層CPL2は第1導電性パターン層CPL1上に配置される。第3導電性パターン層CPL3は第2導電性パターン層CPL2上に配置される。
【0040】
導電性パターンCPは、例えばアルミニウムを含む第1導電性パターン層CPL1、第1導電性パターン層CPL1上に配置されてチタンを含む第2導電性パターン層CPL2、及び第2導電性パターン層CPL2上に配置されてアルミニウムを含む第3導電性パターン層CPL3を含む。この場合、第1導電性パターン層CPL1、第2導電性パターン層CPL2、及び第3導電性パターン層CPL3は、それぞれ約1500オングストローム、約50オングストローム、及び約1500オングストロームの厚さを有する。
【0041】
導電性パターンCPは、例えばアルミニウムを含む第1導電性パターン層CPL1、第1導電性パターン層CPL1上に配置されてアルミニウム酸化物を含む第2導電性パターン層CPL2、及び第2導電性パターン層CPL2上に配置されてアルミニウムを含む第3導電性パターン層CPL3を含む。
【0042】
第3導電性パターン層CPL3は、約100オングストローム以上約1500オングストローム以下の第3厚さt3を有する。第3厚さt3は第2厚さt2よりも厚い。第3厚さt3は第1厚さt1と同じであるか又は異なる。第3導電性パターン層CPL3の第3厚さt3が約100オングストロームよりも薄いと、導電性パターンの厚さが変わらなくても導電性パターン間の界面の数が増加し、それによって導電性パターン層の抵抗が増加する。従って、フレキシブル表示基板10を駆動するために消費される電力が増加する。また、第3導電性パターン層CPL3を製造し提供する工程の信頼性が悪くなる虞があり、第3導電性パターン層CPL3の第3厚さt3が約1500オングストロームを超過すると、第3導電性パターン層CPL3の柔軟性を確保することが難しく、その結果、第3導電性パターン層CPL3でクラック又は断線が発生して信頼性が低下する虞がある。
【0043】
第3導電性パターン層CPL3は、それぞれが第3グレーンサイズを有する第3グレーンGR3を含む。第3導電性パターン層CPL3の第3グレーンGR3は、約100オングストローム以上約1000オングストローム以下の第3グレーンサイズを有する。詳しくは、第3グレーンGR3のそれぞれの第3グレーンサイズは約100オングストローム以上約1000オングストローム以下であり、第3グレーンGR3の第3グレーンサイズの平均値は約100オングストローム以上約1000オングストローム以下であり、そして第3グレーンサイズの代表値は約100オングストローム以上約1000オングストローム以下である。第3導電性パターン層CPL3の第3グレーンGR3の第3グレーンサイズの平均値は、第2導電性パターン層CPL2の第2グレーンGR2の第2グレーンサイズの平均値よりも大きい。
【0044】
第3導電性パターン層CPL3の第3グレーンGR3の第3グレーンサイズが約100オングストロームよりも小さいと、第3導電性パターン層CPL3の抵抗が増加し、それによってフレキシブル表示装置10を駆動するために要求される消費電力が増加する。また、第3導電性パターン層CPL3の第3グレーンサイズが約1000オングストロームを超過すると、第3グレーンサイズが過度に大きいために第3導電性パターン層CPL3の折り曲げ信頼性を確保することが難しい。その結果、第3導電性パターン層CPL3でクラックや断線が発生してフレキシブル装置10の信頼性が落ちる。
【0045】
第3導電性パターン層CPL3は第3物質を含む。第3物質は第2物質とは異なる物質である。第3物質は第1物質と同じであるか又は異なる。第3物質は、金属、金属合金、金属酸化物、及び透明導電性酸化物のうちの少なくとも一つを含むが、これに限ることはない。
【0046】
上述した物質は、これに限ることはないが、Al、Cu、Ti、Mo、Ag、Mg、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、及びCrのうちの少なくとも一つを含む。
【0047】
透明導電性酸化物は、これに限ることはないが、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、亜鉛酸化物(ZnO)、及びインジウム錫亜鉛酸化物(ITZO)のうちの少なくとも一つを含む。
【0048】
第3導電性パターン層CPL3において、約200個のグレーン~約1200個のグレーンが約1.0μm2の単位面積内に配列される。用語“約1.0μm2の単位面積内”とは、単位面積が第3導電性パターン層CPL3の平面上の任意の面積内で定義されることを意味する。約1.0μm2の単位面積内で第3ブレーンGR3の数が約200個よりも少ないと、折り曲げの柔軟性を確保することが難しい。従って、第3導電性パターン層CPL3にクラックや断線が発生してフレキシブル装置10の信頼性が落ちる虞がある。また、約1.0μm2の単位面積内で第3グレーンGR3の数が約1200個を超過すると、第3導電性パターン層CPL3の抵抗が増加し、それによってフレキシブル表示装置10を駆動するために要求される消費電力が増加する虞がある。
【0049】
図2Cを参照すると、導電性パターンCPは、それぞれが第1導電性パターン層CPL1、第1導電性パターン層CPL1上に配置された第2導電性パターン層CPL2、及び第2導電性パターン層CPL2上に配置された第3導電性パターン層CPL3を含む5つの積層パターンを含む。導電性パターンCPは、例えばアルミニウムを含む第1導電性パターン層CPL1、第1導電性パターン層CPL1上に配置されてチタンを含む第2導電性パターン層CPL2、及び第2導電性パターン層CPL2上に配置されてアルミニウムを含む第3導電性パターン層CPL3を含む。
【0050】
一般的に、導電性パターンCPのグレーンサイズが減少すると、導電性パターンCPの抵抗が増加する。従って、フレキシブル表示装置10を駆動するために使用される消費電力は増加するが、導電性パターンCPの柔軟性が確保されるため、フレキシブル表示装置10は向上した柔軟性を有する。一方、導電性パターンCPのグレーンサイズが増加すると、導電性パターンCPの抵抗は減少するが、フレキシブル表示装置10の折り曲げの柔軟性を確保することが難しく、その結果、クラック又は断線が発生する。
【0051】
上述した本実施形態によるフレキシブル表示装置10の導電性パターンCPは、第1厚さt1を有して第1物質を含む第1導電性パターン層CPL1、及び第1厚さよりも薄い第2厚さt2を有して第1物質とは異なる第2物質を含む第2導電性パターン層CPL2を含む。第2導電性パターン層CPL2は、第1導電性パターン層CPL1の第1グレーンサイズが過度に増加することを防止する。従って、導電性パターンが単に一つの層を含むように構成された構造に対し、本実施形態によるフレキシブル表示装置10に含まれる導電性パターンCPは、十分な抵抗性を有するために適切な構成特性及び向上した柔軟性を確保することができる。
【0052】
図3Aは、本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置の他の例を示す斜視図である。
図3B、
図3Cは、本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置に含まれる配線の多様な例を示す断面図であり、
図3D及び
図3Eは、本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置に含まれる電極の多様な例を示す断面図である。
【0053】
図1A、
図1B、
図1C、
図3A、
図3B、
図3C、
図3D、及び
図3Eを参照すると、フレキシブル表示装置10は、フレキシブル基板FB、配線WI、及び電極ELを含む。配線WI及び電極ELのうちの少なくとも一つは導電性パターンCPを含む。配線WI及び電極ELば、タッチセンシングユニットTSU(
図5Aを参照)及びフレキシブル表示パネル(
図5Aを参照)に含まれる。
【0054】
配線WIはフレキシブル基板FB上に配置される。配線WIの少なくとも一部はベンディング部BF上に配置される。例えば、配線WIは、ベンディング部BF上に配置されて非ベンディング部NBF上には配置されないが、これに限ることはない。即ち、配線WIはベンディング部BF及び非ベンディング部NBF上に配置される。
【0055】
図1A、
図1B、
図1C、
図3A、
図3B、及び
図3Cを参照すると、配線WIは多数の配線層を含む。配線WIは、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つの配線層を含むが、これに限ることはない。即ち、配線WIは7つ又はそれ以上の配線層を含む。配線WIは第1配線層WIL1及び第2配線層WIL2を含む。第1配線層WIL1は、それぞれが第1グレーンサイズを有する第1グレーンGR1を含む。第1配線層WIL1は第1物質を含む。第2配線層WIL2は第1配線層WIL1上に配置される。第2配線層WIL2は、それぞれが第2グレーンサイズを有する第2グレーンGR2を含む。第2配線層WIL2は第2物質を含む。第2物質は第1物質とは異なる物質である。第2配線層WIL2は第1配線層WIL1の厚さよりも薄い厚さを有する。
【0056】
配線層WIは第3配線層WIL3を更に含む。第3配線層WIL3は、それぞれが第3グレーンサイズを有する第3グレーンGR3を含む。第3配線層WIL3は第3物質を含む。第3物質は第2物質とは異なる物質である。第3物質は第1物質と同じであるか又は異なる。第3配線層WIL3は第2配線層WIL2の厚さよりも厚い厚さを有する。
【0057】
図1A、
図1B、
図1C、
図3A、
図3D、及び
図3Eを参照すると、電極ELはフレキシブル基板FB上に配置される。電極ELの少なくとも一部はベンディング部BF上に配置される。例えば、電極ELは、ベンディング部BF上に配置されて非ベンディング部NBF上には配置されないが、これに限ることはない。即ち、電極ELはベンディング部BF及び非ベンディング部NBF上に配置される。
【0058】
電極ELは配線WIに電気的に連結される。電極ELは、配線WIから離隔されるがこれに限ることはない。例えば、電極ELは配線WIに一体に連結される。
【0059】
電極EL及び配線WIは、同じ層上に配置されるが、これに限ることはない。電極ELと配線WIは互いに異なる層上に配置されてもよい。図示していないが、中間層が配線WIと電極ELとの間に介在してもよい。
【0060】
電極ELは多数の電極層を含む。電極ELは、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つの電極層を含む。電極ELは第1電極層ELL1及び第2電極層ELL2を含む。第1電極層ELL1は、それぞれが第1グレーンサイズを有する第1グレーンを含む。第1電極層ELL1は第1物質を含む。第2電極層ELL2は第1電極層ELL1上に配置される。第2電極層ELL2は、それぞれが第2グレーンサイズを有する第2グレーンを含む。第2電極層ELL2は第2物質を含む。第2物質は第1物質とは異なる物質である。第2電極層ELL2は第1電極層ELL1の厚さよりも薄い厚さを有する。
【0061】
電極層ELは第3電極層ELL3を更に含む。第3電極層ELL3は、それぞれが第3グレーンサイズを有する第3グレーンを含む。第3電極層ELL3は第3物質を含む。第3物質は第2物質とは異なる物質である。第3物質は第1物質と同じであるか又は異なる。第3電極層ELL3は第2電極層ELL2の厚さよりも厚い厚さを有する。
【0062】
図4Aは、本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置の更に他の例を示す斜視図であり、
図4Bは、
図4AのII-II’線による断面図である。
図4C及び
図4Dは、本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置の更に他の例に含まれる第1ラインの多様な例を示す断面図であり、
図4E及び
図4Fは、本発明の他の実施形態によるフレキシブル表示装置の更に他の例に含まれる第2ラインの多様な例を示す断面図である。
【0063】
図4A、
図4B、
図4C、
図4D、
図4E、及び
図4Fを参照すると、配線WIは第1配線WI1及び第2配線WI2を含む。絶縁層ILが第1配線WI1と第2配線WI2との間に配置される。第1配線WI1はフレキシブル基板FBと絶縁層ILとの間に配置され、第2配線WI2は絶縁層IL上に配置される。絶縁層ILは、有機絶縁物質又は無機絶縁物質を含むが、これに限ることはない。
【0064】
図4A、
図4B、
図4C、及び
図4Dを参照すると、第1配線WI1は多数のサブ配線層を含む。第1配線WI1は、2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つのサブ配線層を含むが、これに限ることはない。即ち、第1配線WI1は7つ又はそれ以上のサブ配線層を含む。
図4Dを参照すると、第2配線WI2は多数のサブ配線層を含む。第2配WI2は、2つ、3つ、4つ、5つ又は6つのサブ配線層を含むが、これに限ることはない。即ち、第2配線WI2は7つ又はそれ以上のサブ配線層を含む。
【0065】
第1配線WI1は第1サブ配線層WIL11及び第2サブ配線層WIL12を含む。第1サブ配線層WIL11は、それぞれが第1グレーンサイズを有する第1グレーンを含む。第1サブ配線層WIL11は第1物質を含む。第2サブ配線層WIL12は第1サブ配線層WIL11上に配置される。第2サブ配線層WIL12は、それぞれが第2グレーンサイズを有する第2グレーンを含む。第2サブ配線層WIL12は第2物質を含む。第2物質は第1物質とは異なる物質である。第2サブ配線層WIL12は第1サブ配線層WIL11の厚さよりも薄い厚さを有する。
【0066】
第1サブ配線層WIL11は第3サブ配線層WIL13を更に含む。第3サブ配線層WIL13は、それぞれが第3グレーンサイズを有する第3グレーンを含む。第3サブ配線層WIL13は第3物質を含む。第3物質は第2物質とは異なる物質である。第3物質は第1物質と同じであるか又は異なる。第3サブ配線層WIL13は第2サブ配線層WIL12の厚さよりも厚い厚さを有する。
【0067】
図4A、
図4E、及び
図4Fを参照すると、第2配線WI2は第4サブ配線層WIL21及び第5サブ配線層WIL22を含む。第4サブ配線層WIL21は、それぞれが第1レーンサイズを有する第1グレーンを含む。第4サブ配線層WIL21は第1物質を含む。第5サブ配線層WIL22は第4サブ配線層WIL21上に配置される。第5サブ配線層WIL22は、それぞれが第2レーンサイズを有する第2グレーンを含む。第5サブ配線層WIL22は第2物質を含む。第2物質は第1物質とは異なる物質である。第5サブ配線層WIL22は第4サブ配線層WIL21の厚さよりも薄い厚さを有する。
【0068】
第2配線層WI2は第6サブ配線層WIL23を更に含む。第6サブ配線層WIL23は、それぞれが第3レーンサイズを有する第3グレーンを含む。第6サブ配線層WIL23は第3物質を含む。第3物質は第2物質とは異なる物質である。第3物質は第1物質と同じであるか又は異なる。第6サブ配線層WIL23は第5サブ配線層WIL22の厚さよりも厚い厚さを有する。
【0069】
図5A、
図5B、及び
図5Cは、本発明の他の実施形態によるフレキシブル表示装置を示す斜視図である。
【0070】
図5A、
図5B及び
図5Cを参照すると、フレキシブル表示装置10は第1モード又は第2モードで動作する。フレキシブル表示装置10はタッチセンシングユニットTSU及びフレキシブル表示パネルDPを含む。タッチセンシングユニットTSUは第1方向DR1にフレキシブル表示パネルDP上に配置される。
【0071】
タッチセンシングユニットTSUはタッチベンディング部BF2及びタッチ非ベンディング部NFB2を含む。タッチベンディング部BF2は、第2方向DR2に延長するベンディング軸BXに対して第1モードで折り曲げられ、第2モードで伸長される。タッチベンディング部BF2はタッチ非ベンディング部NBF2に連結される。タッチ非ベンディング部NBFは第1及び第2モードで折り曲げられない。
【0072】
フレキシブル表示パネルDPはパネルベンディング部BF1及びパネル非ベンディング部NFB1を含む。パネルベンディング部BF1は、第2方向DR2に延長するベンディング軸BXに対して第1モードで折り曲げられ、第2モードで伸長される。パネルベンディング部BF1はパネル非ベンディング部NBF1に連結される。パネル非ベンディング部NBF1は第1及び第2モードで折り曲げられない。
【0073】
図5A、
図5B、及び
図5Cを参照すると、タッチセンシングユニットTSU及びフレキシブル表示パネルDPの少なくとも一部は第1モードで折り曲げられる。
図5Bを参照すると、タッチセンシングユニットTSUのタッチベンディング部BF2及びフレキシブル表示パネルDPのパネルベンディング部BF1は第2モードで伸長される。
【0074】
第1モードは第1ベンディングモード及び第2ベンディングモードを含む。
図5Aを参照すると、フレキシブル表示装置10は第1ベンディングモードでベンディング軸BXに対して一方向に折り曲げられる。即ち、フレキシブル表示装置10は第1ベンディングモードで内側に折り曲げられる。フレキシブル表示装置10が内側へ折り曲げられた状態である場合、タッチセンシングユニットTSUが折り曲げられた後におけるタッチセンシングユニットTSUの互いに向かい合う部分間の距離は、フレキシブル表示パネルDPが折り曲げられた後におけるフレキシブル表示パネルDPの互いに向かい合う部分の距離よりも短い。内側へ折り曲げられた状態において、タッチセンシングユニットTSUのタッチベンディング部BF2の表面は第3曲率半径R3を有する。第3曲率半径R3は約1mm以上約10mm以下である。
【0075】
図5Cを参照すると、フレキシブル表示装置10は第2ベンディングモードでベンディング軸BXに対して
図5Aの一方向に反対する方向に折り曲げられる。即ち、フレキシブル表示装置10は第2ベンディングモードで外側に折り曲げられる。フレキシブル表示装置10が外側へ折り曲げられた状態である場合、フレキシブル表示パネルDPが折り曲げられた後におけるフレキシブル表示パネルDPの互いに向かい合う部分間の距離は、タッチセンシングユニットTSUが折り曲げられた後におけるタッチセンシングユニットTSUの互いに向かい合う部分の距離より短い。外側へ折り曲げられた状態において、フレキシブル表示パネルDPのパネルベンディング部BF1の表面は第4曲率半径R4を有する。第4曲率半径R4は約1mm以上約10mm以下である。
【0076】
図1A、
図1B、
図1C、
図2A、
図2B、
図5A、
図5B、及び
図5Cを参照すると、フレキシブル表示パネルDP及びタッチセンシングユニットTSUの少なくとも一部分は導電性パターンCPを含む。導電性パターンCPはパネルベンディング部BF1及びタッチベンディング部BF2のうちの少なくとも一つに含まれる。
【0077】
導電性パターンCPは、第1導電性パターン層CPL1、第1導電性パターン層CPL1上に配置された第2導電性パターン層CPL2を含む。第1導電性パターン層CPL1は第1厚さt1を有して第1物質を含む。第2導電性パターン層CPL2は第1厚さt1よりも薄い第2厚さt2を有して第1物質とは異なる第2物質を含む。
【0078】
導電性パターン層CPは第3導電性パターン層CPL3を更に含む。第3導電性パターン層CPL3は第2導電性パターン層CPL2上に配置される。第3導電性パターン層CPL3は第2厚さt2よりも厚い第3厚さt3を有して第3物質を含む。
【0079】
図6Aは、本発明の他の実施形態によるフレキシブル表示装置に含まれるピクセルのうちの一つのピクセルを示す回路図である。
図6Bは、本発明の他の実施形態によるフレキシブル表示装置に含まれるピクセルのうちの一つのピクセルを示す平面図であり、
図6Cは、
図6BのIII-III’線による断面図である。
【0080】
以下、有機発光表示パネルをフレキシブル表示パネルDPとして説明するが、フレキシブル表示パネルDPが有機発光表示パネルに限ることはない。即ち、フレキシブル表示パネルDPは、液晶表示パネル、プラズマ表示パネル、電気永動表示パネル、MEMS(Micro Electro‐Mechanical System)表示パネル、又は電気湿潤表示パネルである。
【0081】
図1A、
図1B、
図1C、
図2A、
図2B、
図5A、
図5B、
図5C、
図6A、及び
図6Bを参照すると、フレキシブル表示パネルDPは、フレキシブル基板FB及びフレキシブル基板FB上に配置された導電性パターンCPを含む。導電性パターンCPの少なくとも一部はパネルベンディング部BF1に含まれる。導電性パターンCPは、パネルベンディング部BF1に含まれるが、パネル非ベンディング部NBF1には含まれなくてもよい。或いは、導電性パターンCPは、パネルベンディング部BF1及びパネル非ベンディング部NBF1のそれぞれに含まれる。
【0082】
導電性パターンCPは、第1導電性パターン層CPL1、及び第1導電性パターン層CPL1上に配置された第2導電性パターン層CPL2を含む。第1導電性パターン層CPL1は第1厚さt1を有して第1物質を含む。第2導電性パターン層CPL2は第1厚さt1より薄い第2厚さt2を有して第1物質とは異なる第2物質を含む。
【0083】
導電性パターン層CPは第3導電性パターン層CPL3を更に含む。第3導電性パターン層CPL3は第2導電性パターン層CPL2上に配置される。第3導電性パターン層CPL3は第2厚さt2よりも厚い第3厚さt3を有して第3物質を含む。
【0084】
以下で説明するゲートラインGL、データラインDL、駆動電圧ラインDVL、スイッチング薄膜トランジスタTFT1、駆動薄膜トランジスタTFT2、キャパシタCst、第1半導体パターンSM1、第2半導体パターンSM2、第1電極EL1、及び第2電極EL2のうちの少なくとも一つは導電性パターンCPである。駆動薄膜トランジスタTFT2は、第2ゲート電極GE2、第2ソース電極SE2、及び第2ドレイン電極DE2を含む。キャパシタCstは第1共通電極CE1及び第2共通電極CE2を含む。
【0085】
図1A~
図1C、
図2A、
図2B、
図6A、及び
図6Bを参照すると、各ピクセルPXは、ゲートランGL、データラインDL、及び駆動電圧ラインDVLを含むライン部に連結される。各ピクセルPXは、ライン部に連結された薄膜トランジスタ(TFT1、TFT2)、薄膜トランジスタ(TFT1、TFT2)に連結された有機発光素子OEL、及びキャパシタCstを含む。
【0086】
本実施形態において、一つのピクセルは、一つのゲートライン、一つのデータライン、及び一つの駆動電圧ラインに連結されるが、これに限ることはない。即ち、多数のピクセルは、一つのゲートライン、一つのデータライン、及び一つの駆動電圧ラインに連結される。また、多数のピクセルは、少なくとも一つのゲートライン、少なくとも一つのデータライン、及び少なくとも一つの駆動電圧ラインに連結される。
【0087】
ゲートラインGLは第3方向DR3に延長される。データラインDLは第4方向DR4に延長されてゲートラインGLと交差する。駆動電圧ラインDVLは同じ方向、即ちデータラインDLと同じ第4方向DR4に延長される。ゲートラインGLはスキャン信号を薄膜トランジスタ(TFT1、TFT2)に印加し、データラインDLはデータ信号を薄膜トランジスタ(TFT1、TFT2)に印加し、駆動電圧ラインDVLは駆動電圧を薄膜トランジスタ(TFT1、TFT2)に印加する。
【0088】
ゲートラインGL、データラインDL、及び駆動電圧ラインDVLのうちの少なくとも一つは、第1導電性パターン層CPL1、及び第1導電性パターン層CPL1上に配置された第2導電性パターン層CPL2を含む。第1導電性パターン層CPL1は第1厚さt1を有して第1物質を含む。第2導電性パターン層CPL2は第1厚さt1よりも薄い第2厚さt2を有して第1物質とは異なる第2物質を含む。
【0089】
ゲートラインGL、データラインDL、及び駆動電圧ラインDVLのうちの少なくとも一つは、第3導電性パターン層CPL3を更に含む。第3導電性パターン層CPL3は第2導電性パターン層CPL2上に配置される。第3導電性パターン層CPL3は第2厚さt2よりも厚い第3厚さt3を有して第3物質を含む。
【0090】
ピクセルPXは、それぞれ特定の色、例えば赤色光、緑色光、又は青色光を有する光を放出するが、光の色がこれに限ることはない。例えば、各ピクセルは、白色光、シアン光、マゼンタ光、又は黄色光を放出する。
【0091】
薄膜トランジスタ(TFT1、TFT2)は、駆動薄膜トランジスタTFT2を含んで有機発光素子OELを制御し、スイッチング薄膜トランジスタTFT1を含んで駆動薄膜トランジスタTFT2をスイッチングする。本実施形態において、各ピクセルPXは2つの薄膜トランジスタ(TFT1、TFT2)を含むが、各ピクセルPXに含まれるトランジスタの数が2つに限ることはない。即ち、各ピクセルPXは、一つの薄膜トランジスタ及びキャパシタを含むか、或いは3つ以上の薄膜トランジスタ及び2つ以上のキャパシタを含む。
【0092】
スイッチング薄膜トランジスタTFT1、駆動薄膜トランジスタTFT2、及びキャパシタCstのうちの少なくとも一つは、第1導電性パターン層CPL1、及び第1導電性パターン層CPL1上に配置された第2導電性パターン層CPL2を含む。第1導電性パターン層CPL1は第1厚さt1を有して第1物質を含む。第2導電性パターン層CPL2は第1厚さt1よりも薄い第2厚さt2を有して第1物質とは異なる第2物質を含む。
【0093】
スイッチング薄膜トランジスタTFT1、駆動薄膜トランジスタTFT2、及びキャパシタCstのうちの少なくとも一つは、第3導電性パターン層CPL3を更に含む。第3導電性パターン層CPL3は第2導電性パターン層CPL2上に配置される。第3導電性パターン層CPL3は第2厚さt2よりも厚い第3厚さt3を有して第3物質を含む。
【0094】
スイッチング薄膜トランジスタTFT1は、第1ゲート電極GE1、第1ソース電極SE1、及び第1ドレイン電極DE1を含む。第1ゲート電極GE1はゲートラインGLに連結され、第1ソース電極SE1はデータラインDLに連結される。第1ドレイン電極DE1は、第5コンタクト穴CH5を介して第1共通電極CE1に連結される。スイッチング薄膜トランジスタTFT1は、ゲートラインGLを介して提供されたスキャン信号に応答して、データラインDLを介して提供されたデータ信号を駆動薄膜トランジスタTFT2に印加する。
【0095】
第1ゲート電極GE1、第1ソース電極SE1、及び第1ドレイン電極DE1のうちの少なくとも一つは、第1導電性パターン層CPL1、及び第1導電性パターン層CPL1上に配置された第2導電性パターン層CPL2を含む。第1導電性パターン層CPL1は第1厚さt1を有して第1物質を含む。第2導電性パターン層CPL2は第1厚さt1よりも薄い第2厚さt2を有して第1物質とは異なる第2物質を含む。
【0096】
第1ゲート電極GE1、第1ソース電極SE1、及び第1ドレイン電極DE1のうちの少なくとも一つは、第3導電性パターン層CPL3を更に含む。第3導電性パターン層CPLは第2導電性パターン層CPL2上に配置される。第3導電性パターン層CPL3は第2厚さt2よりも厚い第3厚さt3を有して第3物質を含む。
【0097】
駆動薄膜トランジスタTFT2は、第2ゲート電極GE2、第2ソース電極SE2、及び第2ドレイン電極DE2を含む。第2ゲート電極GE2は第1共通電極CE1に連結される。第2ソース電極SE2は駆動電圧ラインDVLに連結される。第2ドレイン電極DE2は第3コンタクト穴CH3を介して第1電極EL1に連結される。
【0098】
第2ゲート電極GE2、第2ソース電極SE2、及び第2ドレイン電極DE2のうちの少なくとも一つは、第1導電性パターン層CPL1、及び第1導電性パターン層CPL1上に配置された第2導電性パターン層CPL2を含む。第1導電性パターン層CPL1は第1厚さt1を有して第1物質を含む。第2導電性パターン層CPL2は第1厚さt1よりも薄い第2厚さt2を有して第1物質とは異なる第2物質を含む。
【0099】
第2ゲート電極GE2、第2ソース電極SE2、及び第2ドレイン電極DE2のうちの少なくとも一つは、第3導電性パターン層CPL3を更に含む。第3導電性パターン層CPL3は第2導電性パターン層CPL2上に配置される。第3導電性パターン層CPL3は第2厚さt2よりも厚い第3厚さt3を有して第3物質を含む。
【0100】
第1電極EL1は駆動薄膜トランジスタTFT2の第2ドレイン電極DE2に連結される。第2電極EL2には共通電圧が印加され、発光層EMLは駆動薄膜トランジスタTFT2からの出力信号に応答して青色光を放出しイメージを表示する。第1及び第2電極(EL1、EL2)については詳細に後述する。
【0101】
キャパシタCstは、駆動薄膜トランジスタTFT2の第2ゲート電極GE2と第2ソース電極SE2との間に連結され、駆動薄膜トランジスタTFT2の第2ゲート電極GE2に印加されたデータ信号で帯電される。キャパシタCstは第6コンタクト穴CH6を介して第1ドレイン電極DE1に連結された第1共通電極CE1及び駆動電圧ラインDVLに連結された第2共通電極CE2を含む。
【0102】
第1共通電極CE1及び第2共通電極CE2のうちの少なくとも一つは、第1導電性パターン層CPL1、及び第1導電性パターン層CPL1上に配置された第2導電性パターン層CPL2を含む。第1導電性パターン層CPL1は第1厚さt1を有して第1物質を含む。第2導電性パターン層CPL2は第1厚さt1よりも薄い第2厚さt2を有して第1物質とは異なる第2物質を含む。
【0103】
第1共通電極CE1及び第2共通電極CE2のうちの少なくとも一つは、第3導電性パターン層CPL3を更に含む。第3導電性パターン層CPL3は第2導電性パターン層CPL2上に配置される。第3導電性パターン層CPL3は第2厚さt2よりも厚い第3厚さt3を有して第3物質を含む。
【0104】
図6A、
図6B、及び
図6Cを参照すると、第1フレキシブル基板FB1は、これに限らないが、プラスチック物質又は有機ポリマー、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド、ポリエーテルスルホンなどを含む。第1フレキシブル基板FB1用物質は、機械的強度、熱的安定性、透明性、表面平滑度、取り扱いの容易性、撥水性などの組み合わせから選択される。第1フレキシブル基板FB1は透明である。
【0105】
基板バッファ層(図示せず)は第1フレキシブル基板FB1上に配置される。基板バッファ層は、不純物がスイッチング薄膜トランジスタTFT1及び駆動薄膜トランジスタTFT2の内部に拡散することを防止する。基板バッファ層は、シリコン窒化物(SiNx)、シリコン酸化物(SiOx)、又はシリコン酸窒化物(SiOxNy)で形成されるが、物質及び第1フレキシブル基板FB1の工程条件によっては省略される。
【0106】
第1半導体パターンSM1及び第2半導体パターンSM2は第1フレキシブル基板FB1上に配置される。第1及び第2半導体パターン(SM1、SM2)は、半導体物質で形成され、スイッチング薄膜トランジスタTFT1及び駆動薄膜トランジスタTFT2の活性層としてそれぞれ動作する。第1及び第2半導体パターン(SM1、SM2)のそれぞれは、ソース部SA、ドレイン部DA、及びソース部SAとドレイン部DAとの間に配置されたチャネル部CAを含む。第1及び第2半導体パターン(SM1、SM2)のそれぞれは、無機半導体又は有機半導体で形成される。ソース部SAとドレイン部DAはn-タイプの不純物又はp-タイプの不純物でドーピングされる。
【0107】
第1半導体パターンSM1及び第2半導体パターンSM2のうちの少なくとも一つは、第1導電性パターン層CPL1、及び第1導電性パターン層CPL1上に配置された第2導電性パターン層CPL2を含む。第1導電性パターン層CPL1は第1厚さt1を有して第1物質を含む。第2導電性パターン層CPL2は第1厚さt1よりも薄い第2厚さt2を有して第1物質とは異なる第2物質を含む。
【0108】
第1半導体パターンSM1及び第2半導体パターンSM2のうちの少なくとも一つは、第3導電性パターン層CPL3を更に含む。第3導電性パターン層CPL3は第2導電性パターン層CPL2上に配置される。第3導電性パターン層CPL3は第2厚さt2よりも厚い第3厚さt3を有して第3物質を含む。
【0109】
ゲート絶縁層GIは第1及び第2半導体パターン(SM1、SM2)上に配置される。ゲート絶縁層GIは第1及び第2半導体パターン(SM1、SM2)をカバーする。ゲート絶縁層GIは有機絶縁物質又は無機絶縁物質を含む。
【0110】
第1及び第2ゲート電極(GE1、GE2)はゲート絶縁層GI上に配置される。第1及び第2ゲート電極(GE1、GE2)は、第1及び第2半導体パターン(SM1、SM2)のドレイン部DAに対応する部分をそれぞれカバーするように配置される。
【0111】
第1絶縁層IL1は第1及び第2ゲート電極(GE1、GE2)上に配置される。第1絶縁層IL1は第1及び第2ゲート電極(GE1、GE2)をカバーする。第1絶縁層IL1は有機絶縁物質又は無機絶縁物質を含む。
【0112】
第1ソース電極SE1、第1ドレイン電極DE1、第2ソース電極SE2、及び第2ドレイン電極DE2は第1絶縁層IL1上に配置される。第2ドレイン電極DE2は、ゲート絶縁層GI及び第1絶縁層IL1を介して形成された第1コンタクト穴CH1を介して第2半導体パターンSM2のドレイン部DAに接触し、第2ソース電極SE2は、ゲート絶縁層GI及び第1絶縁層IL1を介して形成された第2コンタクト穴CH2を介して第2半導体パターンSM2のソース部SAに接触する。第1ソース電極SE1はゲート絶縁層GI及び第1絶縁層IL1を介して形成された第4コンタクト穴CH4を介して第1半導体パターンSM1のソース部(図示せず)に接触し、第1ドレイン電極DE1は、ゲート絶縁層GI及び第1絶縁層IL1を介して形成された第5コンタクト穴CH5を介して第1半導体パターンSM1のドレイン部(図示せず)に接触する。
【0113】
パッシベーション層PLは第1ソース電極SE1、第1ドレイン電極DE1、第2ソース電極SE2、及び第2ドレイン電極DE2上に配置される。パッシベーション層PLは、保護層として機能してスイッチング薄膜トランジスタTFT1及び駆動薄膜トランジスタTFT2を保護し、平坦層として機能してスイッチング薄膜トランジスタTFT1及び駆動薄膜トランジスタTFT2の上面を平坦化する。
【0114】
第1電極層EL1はパッシベーション層PL上に配置される。第1電極層EL1は正極である。第1電極層EL1は、パッシベーション層PLを介して形成された第3コンタクト穴CH3を介して駆動薄膜トランジスタTFT2の第2ドレイン電極DE2に連結される。
【0115】
ピクセル定義層PDLは、パッシベーション層PL上に配置され、各ピクセルPXに対応するように発光層EMLを駆動する。ピクセル定義層PDLは第1電極EL1の上面を露出させて第1フレキシブル基板FB1から突出する。ピクセル定義層PDLは、これに限らないが、LiF、BaF2、又はCsFのような金属-フッ化イオン化合物を含む。金属-フッ化イオン化合物が所定の厚さを有する場合、金属-フッ化イオン化合物は絶縁特性を有する。ピクセル定義層PDLは約10mm以上約100mmで以下の厚さを有する。ピクセル定義層PDLについては詳細に後述する。
【0116】
有機発光素子OELはピクセル定義層PDLによって囲まれた領域に提供される。有機発光素子OELは、第1電極EL1、正孔輸送領域HTR、発光層EML、電子輸送領域ETR、及び第2電極EL2を含む。
【0117】
第1電極EL1は導電性を有する。第1電極EL1はピクセル電極又は正極である。第1電極EL1は、第1導電性パターン層CPL1及び第1導電性パターン層CPL1上に配置された第2導電性パターン層CPL2を含む。第1導電性パターン層CPL1は第1厚さt1を有して第1物質を含む。第2導電性パターン層CPL2は第1厚さt1よりも薄い第2厚さt2を有して第1物質とは異なる第2物質を含む。第1電極EL1は第3導電性パターン層CPL3を更に含む。第3導電性パターン層CPL3は第2導電性パターン層CPL2上に配置される。第3導電性パターン層CPL3は第2厚さt2よりも厚い第3厚さt3を有して第3物質を含む。
【0118】
第1電極EL1は、透過電極、半透過電極、又は反射電極である。第1電極EL1が透過電極である場合、第1電極EL1は、透明金属酸化物、例えばインジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、亜鉛酸化物(ZnO)、インジウム錫亜鉛酸化物(ITZO)などを含む。第1電極EL1が半透過電極である場合、第1電極EL1は、Al、Cu、Ti、Mo、Ag、Mg、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、及びCrのうちの少なくとも一つを含む。
【0119】
有機層は第1電極EL1上に配置される。有機層は発光層EMLを含む。有機層は正孔輸送領域HTR及び電子輸送領域ETRを更に含む。
【0120】
正孔輸送領域HTRは第1電極EL1上に配置される。正孔輸送領域HTRは、正孔注入層、正孔輸送層、バッファ、及び電子遮断層のうちの少なくとも一つを含む。
【0121】
正孔輸送領域HTRは、単一物質の単一層構造、異なる物質の単一層構造、又は多数の異なる物質層のマルチ層構造を有する。
【0122】
例えば、正孔輸送領域HTRは、互いに異なる物質の単一層が互いに積層された構造、又は正孔注入層/正孔輸送層、正孔注入層/正孔輸送層/バッファ層、正孔注入層/バッファ層、正孔輸送層/バッファ層、又は正孔注入層/正孔輸送層/電子遮断層の構造を有する。
【0123】
正孔輸送領域HTRは、多様な方法、例えば真空蒸着法、スピンコーティング法、キャスティング法、ラングミュア-ブロジェット法、インクジェットプリント法、レーザプリント法、レーザ励起熱転写法(LITI法)などを利用して形成される。
【0124】
正孔輸送領域HTRが正孔注入層を含む場合、正孔輸送領域HTRは、これに限らないが、銅フタロシアニン、DNTPD(N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス-[4-(フェニル-m-トリルーアミノ)-フェニル]-ビフェニル-4,4’-ジアミン)、m-MTDATA(4,4’,4”-トリス(3-メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミノ)、TDATA(4,4’,4”-トリス(N,N-ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン)、2TNATA(4,4’,4”-トリス{N,-(2-ナフチル)-N-フェニルアミノ}-トリフェニルアミン)、PEDOT/PSS(ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(4-スチレンスルフォナート)、PANI/DBSA(ポリアニリン/ドデシルベンゼンスルホン酸)、PANI/CSA(ポリアニリン/カンファースルホン酸)、PANI/PSS(ポリアニリン)/ポリ(4-スチレンスルフォナート)などのようなフタロシアニン化合物を含む。
【0125】
正孔輸送領域HTRが正孔輸送層を含む場合、正孔輸送領域HTRは、これに限らないが、n-フェニルカルバゾール、ポリビニルカルバソールなどのカルバゾール系誘導体、フッ素系誘導体、TPD(N,N’-ビス(3-メチルフェニル)-N,N’-ジフェニル-[1,1-ビフェニル]-4,4’-ジアミン)、TCTA(4,4’,4”-トリス(N-カルバゾリル)トリフェニルアミン)などのトリフェニルアミン系誘導体、NPB(N,N’-ジ(1-ナフチル)-N,N’-ジフェニルベンジジン)、TAPC(4,4’-シクロへキシリデンビス[N,N-ビス(4-メチルフェニル)ベンゼンアミン])などを含む。
【0126】
正孔輸送領域HTRは電荷発生物質を更に含む。電荷発生物質は正孔輸送領域HTRに均一に又は不均一に分布する。電荷発生物質は、これに限らないが、p-ドーパントである。p-ドーパントは、キノン誘導体、金属酸化物、シアン基を含む化合物のうちの一つであるが、これに限ることはない。例えば、p-ドーパントは、TCNQ(テトラシアノキノジメタン)、F4-TCNQ(2,3,5,6-テトラフルオロ-テトラシアノキノジメタン)などのようなキノン誘導体、又はタングステン酸化物、モリブデン酸化物などのような金属酸化物を含むが、これに限ることはない。
【0127】
発光層EMLは正孔輸送領域HTR上に配置される。発光層EMLは、赤色、緑色、及び青色を有する発光物質を含み、蛍光物質又は燐光物質を含む。また、発光層EMLはホスト及びドーパントを含む。
【0128】
ホストとして、例えば、Alq3(トリス(8-ヒドロキシキノリノ)アルミニウム)、CBP(4,4’-ビス(N-カルバゾリル)-1,1’-ビフェニル)、PVK(ポリ(n-ビニルカルバゾール)、ADN(9,10-ジ(ナフタレン-2-イル)アントラセン)、TCTA(4,4’,4”-トリス(カルバゾール-9-イル)-トリフェニルアミン)、TPBi(1,3,5-トリス(N-フェニルベンズイミダゾール-2-イル)ベンゼン)、TBADN(3-テルト-ブチル-9,10-ジ(ナフト-2-イル)アントラセン)、DSA(ジスチリルアリレン)、CDBP(4,4’-ビス(9-カルバゾリル)-2,2”-ジメチル-ビフェニル)、MADN(2-メチル-9,10-ビス(ナフタレン-2-イル)アントラセン)が使用されるが、これに限ることはない。
【0129】
発光層EMLが赤色を有する光を放出する場合、発光層EMLは、例えばPBD:Eu(DBM)3(Phen)(トリス(ジベンゾイルメタナト)フェナントロリン ユウロピウム)又はパリレンを含む蛍光物質を含む。発光層EMLが赤色を有する光を放出する場合、発光層EMLに含まれるドーパントは、PIQIr(acac)(ビス(1-フェニルイソキノリン)アセチルアセトネートイリジウム)、PQIr(acac)(ビス(1-フェニルキノリン)アセチルアセトネートイリジウム)、PQIr(トリス(1-フェニルキノリン)イリジウム)、PtOEP(オクタエチルポリフィリンプラチナ)などのような金属複合体、又は有機金属複合体から選択される。
【0130】
発光層EMLが緑色を有する光を放出する場合、発光層EMLは、例えばAlq3(トリス(8-ヒドロキシキノリノ)アルミニウム)を含む蛍光物質を含む。発光層EMLが緑色を有する光を放出する場合、発光層EMLに含まれるドーパントは、Ir(ppy)3(ファック-トリス(2-フェニルピリジン)イリジウム)のような金属複合体、又は有機金属複合体から選択される。
【0131】
発光層EMLが青色を有する光を放出する場合、発光層EMLは、例えばspiro-DPVBi、spiro-6P、DSB(ジスチリル-ベンゼン)、DSA(ジスチリル-アリレン)、PFO(ポリフルオレン)系ポリマー、及びPPV(ポリ(p-フェニレン)ビニレン)系ポリマーで構成されたグループから選択されるいずれか一つを含む蛍光物質を含む。発光層EMLが青色を有する光を放出する場合、発光層EMLに含まれるドーパントは、(4,6-F2ppy)2Irpicのような金属複合体、又は有機金属複合体から選択される。発光層EMLについては詳細に後述する。
【0132】
電子輸送領域ETRは発光層EML上に配置される。電子輸送領域ETRは、正孔遮断層、電子輸送層、及び電子注入層のうちの少なくとも一つを含むが、これに限ることはない。
【0133】
電子輸送領域ETRが電子輸送層を含む場合、電子輸送領域ETRは、Alq3(トリス(8-ヒドロキシキノリナト)アルミニウム)、TPBi(1,3,5-トリ(1-フェニル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)フェニル)、BCP(2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン)、Bphen(4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン)、TAZ(3-(4-ビフェニルイル)-4-フェニル-5-テルト-ブチルフェニル-1,2,4-トリアゾール)、NTAZ(4-(ナフタレン-1-イル)-3,5-ジフェニル-4H-1,2,4-トリアゾール)、tBu-PBD(2-(4-ビフェニルイル)-5-(4-テルトーブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール)、BAlq(ビス(2-メチル-8-キノリノラト-N1,O8)-(1,1’-ビフェニル-4-オラト)アルミニウム)、Bebq2(ベリリウムビス(ベンゾキノリン-10-オラト)、ADN(9,10-ジ(ナフタレン-2-イル)アントラセン)、又はその化合物を含む。電子輸送層は、約100オングストローム以上約1000オングストローム以下であり、より好ましくは、約150オングストローム以上約500オングストローム以下の厚さを有する。電子輸送層の厚さが上述した範囲内にあると、駆動電圧が増加することなく満足する電子輸送特性が確保される。
【0134】
電子輸送領域ETRが電子注入層を含む場合、電子輸送領域ETRは、LiF、LiQ(リチウムキノレート)、Li2O、BaO、NaCl、CsF、Ybなどのようなランタン系金属、又はRbCl、RbIなどのような金属ハロゲン化物を含むが、これに限ることはない。電子輸送層は、電子輸送物質及び絶縁特性を有する有機金属塩の混合物を含む。有機金属塩は、約4eV又はそれ以上のエネルギーバンドキャップを有する。詳しくは、有機金属塩は、酢酸金属塩、安息香酸塩金属塩、金属アセトアセテート(metal acetoacetate)、金属アセチルアセトナート(metal acetylacetonate)、又はステアリン酸金属塩を含む。電子注入層は、約1オングストローム~約1000オングストローム、より好ましくは、約3オングストローム~約90オングストロームの厚さを有する。電子注入層の厚さが上述した範囲内にあると、駆動電圧が増加することなく満足する電子注入特性が確保される。
【0135】
上述したように、電子輸送領域ETRは正孔遮断層を含む。正孔遮断層は、BCP(2,9-ジメチル-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン)、及びBphen(4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン)のうちの少なくとも一つを含むが、これに限ることはない。
【0136】
第2電極EL2は電子輸送領域ETR上に配置される。第2電極EL2は共通電極又は負極である。第2電極EL2は、第1導電性パターン層CPL1及び第1導電性パターン層CPL1上に配置された第2導電性パターン層CPL2を含む。第1導電性パターン層CPL1は第1厚さt1を有して第1物質を含む。第2導電性パターン層CPL2は第1厚さt1よりも薄い第2厚さt2を有して第1物質とは異なる第2物質を含む。第2電極EL2は第3導電性パターン層CPL3を更に含む。第3導電性パターン層CPL3は第2導電性パターン層CPL2上に配置される。第3導電性パターン層CPL3は第2厚さt2よりも厚い第3厚さt3を有して第3物質を含む。
【0137】
第2電極EL2は、透過電極、半透過電極、又は反射電極である。第2電極EL2が透過電極である場合、第2電極EL2は、Li、Ca、LiF/Ca、LiF/Al、Al、Mg、BaF、Ba、Ag、これらの化合物又はこれらの混合物、例えばAg及びMgの混合物を含む。
【0138】
第2電極EL2は補助電極を含む。補助電極は発光層に向かい合うように上述した物質を蒸着して得られる層を含み、透明金属酸化物は、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、亜鉛酸化物(ZnO)、及びインジウム錫亜鉛酸化物(ITZO)と同じ層上に配置される。
【0139】
第2電極EL2が半透過電極である場合、第2電極EL2は、Ag、Mg、Cu、Al、Pt、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、Li、Ca、LiF/Ca、LiF/Al、Mo、Ti、これらの化合物又はこれらの混合物、例えばAg及びMgの混合物を含む。また、第2電極EL2は、上述した物質で形成された反射層又は半透過層及びインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、亜鉛酸化物、及びインジウム錫亜鉛酸化物で形成された透明導電層の多層構造を有する。
【0140】
有機発光素子OELが前面発光型である場合、第1電極EL1は反射電極であり、第2電極EL2は透過電極又は半透過電極である。有機発光素子OELが後面発光型である場合、第1電極EL1は透過電極又は半透過電極であり、第2電極EL2は反射電極である。
【0141】
電圧が有機発光素子OEL内で第1及び第2電極(EL1、EL2)にそれぞれ印加されると、第1電極EL1から注入された正孔は正孔輸送領域HTRを介して発光層EMLに移動し、第2電極EL2から注入された電子は電子輸送領域ETRを介して発光層EMLに移動する。正孔と電子は発光層EMLで再結合して励起子を発生し、有機発光素子OELは励起状態から基底状態に復帰する励起子によって光を放出する。
【0142】
気密層SLは第2電極EL2上に配置される。気密層SLは第2電極EL2をカバーする。気密層SLは有機層及び無機層のうちの少なくとも一つを含む。気密層SLは薄い気密層である。気密層SLは有機発光素子OELを保護する。
【0143】
図7Aは、本発明の他の実施形態によるフレキシブル表示装置の一例を示す断面図であり、
図7Bは、本発明の他の実施形態によるフレキシブル表示装置の一例に含まれるタッチセンシングユニットを示す平面図である。
図8Aは、本発明の他の実施形態によるフレキシブル表示装置の他の例を示す断面図であり、
図8Bは、本発明の他の実施形態によるフレキシブル表示装置の他の例に含まれるタッチセンシングユニットを示す平面図である。
【0144】
図7A、
図7B、
図8A、及び
図8Bを参照すると、タッチセンシングユニットTSUはフレキシブル表示パネルDP上に配置される。タッチセンシングユニットTSUは気密層SL上に配置される。タッチセンシングユニットTSUは、ユーザの直接タッチ、ユーザの間接タッチ、物体の直接タッチ、又は物体の間接タッチを認識する。ここで使用する用語「間接タッチ」とは、タッチセンシングユニットTSUがユーザや物体のタッチを認識する距離だけユーザや物体がタッチセンシングユニットTSUから離隔され、タッチセンシングユニットTSUがユーザや物体によってタッチされなくてもタッチセンシングユニットTSUがタッチを認識することを意味する。
【0145】
直接又は間接タッチが発生すると、静電容量の変化がセンシング電極TEに含まれる第1センシング電極Txと第2センシング電極Rxとの間に発生する。第1センシング電極Txに印加された感知信号は、静電容量の変化によって遅延され、次に第2センシング電極Rxに印加される。タッチセンシングユニットTSUは感知信号の遅延値からタッチ座標を発生する。
【0146】
本実施形態によるフレキシブル表示装置10において、タッチセンシングユニットTSUは、静電容量モードで動作するが、これに限ることはない。即ち、タッチセンシングユニットTSUは、抵抗膜モード、自己静電容量モード、相互静電容量モードで動作する。
【0147】
図1A、
図1B、
図1C、
図2A、
図2B、
図5A、
図5B、
図5C、
図7A、
図7B、
図8A、及び
図8Bを参照すると、導電性パターンCPの少なくとも一部はタッチベンディング部BF2に含まれる。導電性パターンCPは、タッチベンディング部BF2に含まれるが、タッチル非ベンディング部NBF2には含まれない。或いは、導電性パターンCPは、タッチベンディング部BF2及びタッチル非ベンディング部NBF2のそれぞれに含まれる。導電性パターンCPは、第1導電性パターン層CPL1、及び第1導電性パターン層CPL1上に配置された第2導電性パターン層CPL2を含む。第1導電性パターン層CPL1は第1厚さt1を有して第1物質を含む。第2導電性パターン層CPL2は第1厚さt1よりも薄い第2厚さt2を有して第1物質とは異なる第2物質を含む。導電性パターン層CPLは第3導電性パターン層CPL3を更に含む。第3導電性パターン層CPL3は第2導電性パターン層CPL2上に配置される。第3導電性パターン層CPL3は第2厚さt2よりも厚い第3厚さt3を有して第3物質を含む。
【0148】
以下で詳細に説明するセンシング電極TE、第1連結ラインTL1、第2連結ラインTL2、第1ファンアウトライン(fan-out line)PO1、第2ファンアウトラインPO2、第1ブリッジBD1、及び第2ブリッジBD2のうちの少なくとも一つは導電性パターン層CPである。
【0149】
センシング電極TEは気密層SL上に配置される。図示していないが、追加的なフレキシブル基板がセンシング電極TEと気密層SLとの間に配置されてもよい。センシング電極TEは、第1導電性パターン層CPL1及び第1導電性パターン層CPL1上に配置された第2導電性パターン層CPL2を含む。第1導電性パターン層CPL1は第1厚さt1を有して第1物質を含む。第2導電性パターン層CPL2は第1厚さt1よりも薄い第2厚さt2を有して第1物質とは異なる第2物質を含む。センシング電極TEは第3導電性パターン層CPL3を更に含む。第3導電性パターン層CPL3は第2導電性パターン層CPL2上に配置される。第3導電性パターン層CPL3は第2厚さt2よりも厚い第3厚さt3を有して第3物質を含む。
【0150】
絶縁層ILは第1センシング電極Tx上に配置される。絶縁層ILは、例えばシリコン窒化物を含むが、実施形態によっては有機物質を含む。第2センシング電極Rxは第1センシング電極Txの上側に配置される。第2センシング電極Rxは、第1導電性パターン層CPL1及び第1導電性パターン層CPL1上に配置された第2導電性パターン層CPL2を含む。第1導電性パターン層CPL1は第1厚さt1を有して第1物質を含む。第2導電性パターン層CPL2は第1厚さt1よりも薄い第2厚さt2を有して第1物質とは異なる第2物質を含む。第2センシング電極Rxは第3導電性パターン層CPL3を更に含む。第3導電性パターン層CPL3は第2導電性パターン層CPL2上に配置される。第3導電性パターン層CPL3は第2厚さt2よりも厚い第3厚さt3を有して第3物質を含む。
【0151】
有機層ORLは第2センシング電極Rx上に配置される。有機層ORLは有機物質を含む。
【0152】
第1センシング電極Tx及び第2センシング電極Rxのうちの少なくとも一つは導電性パターンCPである。例えば、気密層SLはシリコン窒化物を含み、第1センシング電極Txのそれぞれは、チタンを含む第1導電性パターン層CPL1、アルミニウムを含む第2導電性パターン層CPL2、及びチタンを含む第3導電性パターン層CPL3を含む。絶縁層ILはシリコン窒化物を含み、第2センシング電極Rxのそれぞれは、アルミニウムを含む第1導電性パターン層CPL1、チタンを含む第2導電性パターン層CPL2、及びアルミニウムを含む第3導電性パターン層CPL3を含む。
【0153】
例えば、気密層SLはシリコン窒化物を含み、第1センシング電極Txのそれぞれはアルミニウムを含む一つの層を含む。絶縁層ILは有機物質を含み、第2センシング電極Rxのそれぞれは、アルミニウムを含む第1導電性パターン層CPL1、及びチタンを含む第2導電性パターン層CPL2を含む。
【0154】
図8A及び
図8Bを参照すると、第1及び第2センシング電極(Tx、Rx)は同じ層上に配置される。第1及び第2センシング電極(Tx、Rx)は気密層SL上に配置される。第1センシング電極Txは第5及び第6方向(DR5、DR6)に配列されて互いに離隔する。
【0155】
第5方向DR5に互いに離隔された第1センシング電極Txは第1ブリッジBD1によって互いに連結される。第2センシング電極Rxは第5及び第6方向(DR5、DR6)に配列されて互いに離隔する。第6方向DR6に互いに離隔された第2センシング電極Rxは第2ブリッジBD2によって互いに連結される。第2ブリッジBD2は第1ブリッジBD1の上に配置される。図示していないが、絶縁層が第1ブリッジBD1と第2ブリッジBD2との間に配置される。
【0156】
第1ブリッジBD1及び第2ブリッジBD2のそれぞれは、第1導電性パターン層CPL1、及び第1導電性パターン層CPL1上に配置された第2導電性パターン層CPL2を含む。第1導電性パターン層CPL1は第1厚さt1を有して第1物質を含む。第2導電性パターン層CPL2は第1厚さt1よりも薄い第2厚さt2を有して第1物質とは異なる第2物質を含む。第1ブリッジBD1及び第2ブリッジBD2のそれぞれは、第3導電性パターン層CPL3を更に含む。第3導電性パターン層CPL3は第2導電性パターン層CPL2上に配置される。第3導電性パターン層CPL3は第2厚さt2よりも厚い第3厚さt3を有して第3物質を含む。
【0157】
連結ライン(TL1、TL2)はセンシング電極TEに電気的に連結される。連結ライン(TL1、TL2)は、第1導電性パターン層CPL1及び第1導電性パターン層CPL1上に配置された第2導電性パターン層CPL2を含む。第1導電性パターン層CPL1は第1厚さt1を有して第1物質を含む。第2導電性パターン層CPL2は第1厚さt1よりも薄い第2厚さt2を有して第1物質とは異なる第2物質を含む。連結ライン(TL1、TL2)は第3導電性パターン層CPL3を更に含む。第3導電性パターン層CPL3は第2導電性パターン層CPL2上に配置される。第3導電性パターン層CPL3は第2厚さt2よりも厚い第3厚さt3を有して第3物質を含む。
【0158】
連結ライン(TL1、TL2)は、第1連結ラインTL1及び第2連結ラインTL2を含む。第1連結ラインTL1は第1センシング電極Tx及び第1ファンアウトラインPO1に連結される。第2連結ラインTL2は第2センシング電極Rx及び第2ファンアウトラインPO2に連結される。
【0159】
ファンアウトライン(PO1、PO2)は、連結ライン(TL1、TL2)及びバッド部(PD1、PD2)に連結される。ファンアウトライン(PO1、PO2)は、第1ファンアウトラインPO1及び第2ファンアウトラインPO2を含む。第1ファンアウトラインPO1は第1連結ラインTL1及び第1パッド部PD1に連結される。第2ファンアウトラインPO2は第2連結ラインTL2及び第2パッド部PD2に連結される。
【0160】
第1及び第2パッド部(PD1、PD2)はセンシング電極TEに電気的に連結される。第1及び第2パッド部(PD1、PD2)は、第1導電性パターン層CPL1及び第1導電性パターン層CPL1上に配置された第2導電性パターン層CPL2を含む。第1導電性パターン層CPL1は第1厚さt1を有して第1物質を含む。第2導電性パターン層CPL2は第1厚さt1よりも薄い第2厚さt2を有して第1物質とは異なる第2物質を含む。
【0161】
第1及び第2パッド部PD1、PD2は第3導電性パターン層CPL3を更に含む。第3導電性パターン層CPL3は第2導電性パターン層CPL2上に配置される。第3導電性パターン層CPL3は第2厚さt2よりも厚い第3厚さt3を有して第3物質を含む。
【0162】
第1及び第2パッド部(PD1、PD2)は第1パッド部PD1及び第2パッド部PD2を含む。第1パッド部PD1は第1ファンアウトラインPO1に連結される。第1パッド部PD1は第1センシング電極Txに電気的に連結される。第2パッド部PD2は第2ファンアウトラインPO2に連結される。第2パッド部PD2は第2センシング電極Rxに電気的に連結される。
【0163】
図9A及び
図9Bは、本発明の他の実施形態によるタッチセンシングユニットに含まれるセンシング電極の多様な例を示す断面図である。
【0164】
図9A及び
図9Bを参照すると、センシング電極TEは多数のセンシング電極層を含む。センシング電極TEは、例えば2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つのセンシング電極層を含むが、これに限ることはない。センシング電極TEは7つ又はそれ以上の電極層を含んでもよい。
【0165】
センシング電極TEは第1センシング電極層TEL1及び第2センシング電極層TEL2を含む。第1センシング電極層TEL1は、それぞれが第1グレーンサイズを有する第1グレーンを含む。第1センシング電極層TEL1は第1物質を含む。第2センシング電極層TEL2は第1センシング電極層TEL1上に配置される。第2センシング電極層TEL2は、それぞれが第2グレーンサイズを有する第2グレーンを含む。第2センシング電極層TEL2は第2物質を含む。第2物質は第1物質とは異なる物質である。第2センシング電極層TEL2は第1センシング電極層TEL1の厚さよりも薄い厚さを有する。
【0166】
センシング電極TEは第3センシング電極層TEL3を更に含む。第3センシング電極層TEL3は、それぞれが第3グレーンサイズを有する第3グレーンを含む。第3センシング電極層TEL3は第3物質を含む。第3物質は第2物質とは異なる物質である。第3物質は第1物質と同じであるか又は異なる。第3センシング電極層TEL3は第2センシング電極層TEL2の厚さよりも厚い厚さを有する。
【0167】
図9C及び
図9Dは、本発明の他の実施形態によるタッチセンシングユニットに含まれるラインの多様な例を示す断面図である。
【0168】
図9C及び
図9Dを参照すると、ライン(TL1、TL、PO1、PO2)は多数のラインを含む。ライン(TL1、TL、PO1、PO2)は2つ、3つ、4つ、5つ、又は6つのライン層を含むが、これに限ることはない。ライン(TL1、TL、PO1、PO2)は7つ又はそれ以上のライン層を含んでもよい。空気層がライン層の間に提供される。
【0169】
ライン(TL1、TL、PO1、PO2)は第1ライン層TLL1及び第2ライン層TLL2を含む。第1ライン層TLL1は、それぞれが第1グレーンサイズを有する第1グレーンを含む。第1ライン層TLL1は第1物質を含む。第2ライン層TLL2は第1ライン層TLL1上に配置される。第2ライン層TLL2は、それぞれが第2グレーンサイズを有する第2グレーンを含む。第2ライン層TLL2は第2物質を含む。第2物質は第1物質とは異なる物質である。第2ライン層TLL2は第1ライン層TLL1の厚さよりも薄い厚さを有する。
【0170】
ライン(TL1、TL、PO1、PO2)は第3ライン層TLL3を更に含む。第3ライン層TLL3は、それぞれが第3グレーンサイズを有する第3グレーンを含む。第3ライン層TLL3は第3物質を含む。第3物質は第2物質とは異なる物質である。第3物質は第1物質と同じであるか又は異なる。第3ライン層TLL3は第2ライン層TLL2の厚さよりも厚い厚さを有する。
【0171】
【0172】
図10A、
図10B、
図10C、
図10D、
図10E、及び
図10Fを参照すると、本発明の実施形態によるフレキシブル表示装置が多様な装置に適用される。例えば、本発明の実施形態による表示装置は、携帯電話、テレビジョン、コンピュータ、ウェアラブル表示装置、巻き込み可能な表示装置、折り畳み可能な表示装置、車両用表示装置、装飾品用表示装置などに適用される。
【0173】
図10Aはフレキシブル表示装置が適用された携帯電話を示し、
図10Bはフレキシブル表示装置が適用されたウェアラブル表示装置を示す。ウェアラブル表示装置は、例えば、腕時計、めがね、ヘッドアップディスプレイなどのような装置であるが、人体に着用可能であれば特定装置に限ることはない。
【0174】
図10Cは、フレキシブル表示装置が適用された巻き込み可能な表示装置を示す。巻き込み可能な表示装置は、表示パネルが筐体に含まれる巻き込み軸によって巻かれるか又は伸長する表示装置を意味する。
図10Dは、フレキシブル表示装置が適用された折り畳み可能な表示装置を示す。折り畳み可能な表示装置は、折り畳み軸に対して折り畳まれるか又は伸長する装置を意味する。
【0175】
図10Eは、フレキシブル表示装置が適用された車両用表示装置を示す。車両用表示装置は、運送手段、例えば、自動車、飛行機、船舶、汽車などに使用される表示装置を意味する。車両用表示装置は、それを設置可能であれば折り畳み可能な表示装置又は巻き込み可能な表示装置であってもよい。
【0176】
図10Fは、フレキシブル表示装置が適用された装飾品用表示装置を示す。
図10Fはビルの柱などのような部分に設置された表示装置を示すが、これに限ることはない。
【0177】
導電性パターンの変形程度は変位程度に応じて異なる。変位が増加するにつれて導電性パターンの変形程度が増加する。即ち、変位が増加するにつれて導電性パターンの柔軟性は折り曲げられる際により難しくなる。グレーン境界の密度が増加するにつれて変位は減少する。従って、グレーン境界の密度を上げるためには、各導電性パターンのグレーンサイズを小さくする必要がある。
【0178】
従来のフレキシブル表示装置の導電性パターンは一つの層を有するように形成されていたが、そのため導電性パターンのサイズを減少することが難しかった。また、導電性パターンが一つの層を含む場合、均一なグレーンサイズを有するグレーンを含む導電性パターンを形成することが難しかった。従って、従来のフレキシブル表示装置の導電性パターンの変位が大きくなり、その結果、導電性パターンを折り曲げるための柔軟性を確保することが難しかった。従って、フレキシブル表示装置が繰り返し折り曲げられると、導電性パターンにクラックや断線が発生し、それによってフレキシブル表示装置の柔軟性が低下する虞がある。
【0179】
また、導電性パターンを折り曲げるための柔軟性を確保することが難しいため、導電性パターンの一方向及び一方向に反対する方向に繰り返し折り曲げられると、導電性パターンにクラックや断線が発生する虞がある。上述したように、本実施形態によるフレキシブル表示装置の導電性パターンは、第1厚さt1を有して第1物質を含む第1導電性パターン層、及び第2厚さt2を有して第1物質とは異なる第2物質を含む第2導電性パターン層を含む。本実施形態によるフレキシブル表示装置に含まれる導電性パターンは、第2物質を含む第2導電性パターンを含むため、第1導電性パターンのグレーンサイズを調節することができる。また、本実施形態によるフレキシブル表示装置に含まれる導電性パターンが互いに異なる物質を含む多数の層を含むため、グレーンのサイズは従来のグレーンよりも相対的に小さく相対的に均一であるが、それによって導電性パターンを折り曲げるための柔軟性が十分に確保される。従って、フレキシブル表示装置が繰り返し折り曲げられても、導電性パターンのクラック又は断線の発生可能性は、従来のフレキシブル表示装置に含まれる導電性パターンよりも顕著に減少する。従って、本発明の実施形態によるフレキシブル表示装置の信頼性が増加する。
【0180】
なお、本発明の実施形態によるフレキシブル表示装置が折り曲げられるための柔軟性が確保されるため、導電性パターンが一方向及び一方向に反対する方向に繰り返し折り曲げられても、導電性パターンのクラック又は断線の発生可能性を顕著に下げることができる。
【0181】
以下、本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置の製造方法を説明する。フレキシブル表示装置の製造方法において、フレキシブル表示装置の説明における特徴とは異なる特徴を主に説明する。
【0182】
図11は、本発明の一実施形態によるフレキシブル表示装置の製造方法を示すフローチャートである。
【0183】
図1A、
図1B、
図1C、
図2A、
図2B、及び
図11を参照すると、フレキシブル表示装置10の製造方法は、フレキシブル基板FBを用意するステップS100と、フレキシブル基板FB上に導電性パターンCPを形成するステップと、を含む。
【0184】
フレキシブル基板FBは、これに限らないが、プラスチック物質又は有機ポリマー、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド、ポリエーテルスルホンなどを含む。フレキシブル基板FB用物質は、機械的強度、熱的安定性、透明性、表面平滑度、取り扱いの容易性、撥水性などの組み合わせから選択される。フレキシブル基板FBは透明である。
【0185】
導電性パターンCPはフレキシブル基板FB上に配置される。導電性パターンCPを形成するステップは、第1厚さt1を有する第1導電性パターン層CPL1を形成するステップS200と、第1導電性パターン層CPL1上に第2厚さt2を有する第2導電性パターン層CPL2を形成するステップS300と、を含む。第1導電性パターン層CPL1を形成するステップは、第1ガスを供給してフレキシブル基板FB上に第1厚さt1を有する第1導電性パターン層CPL1を形成することで行われる。第2導電性パターン層CPL2を形成するステップは、第1ガスとは異なる第2ガスを供給して第1導電性パターン層CPL1上に第1厚さt1よりも薄い第2厚さt2を有する第2導電性パターン層CPL2を形成することで行われる。
【0186】
第1導電性パターン層CPL1は約100オングストローム以上約1500オングストローム以下の第1厚さt1を有する。第1導電性パターン層CPL1は、それぞれが第1グレーンサイズを有する第1グレーンGR1を含む。第1導電性パターン層CPL1の第1グレーンGR1は約100オングストローム以上約1000オングストローム以下の第1グレーンサイズを有する。第1導電性パターン層CPL1は第1物質を含む。第1物質は、金属、金属合金、金属酸化物、及び透明導電性酸化物のうちの少なくとも一つを含むが、これに限ることはない。第1導電性パターン層CPL1において、約200個のグレーン~約1200個のグレーンが、約1.0μm2の単位面積内に配列される。
【0187】
第2導電性パターン層CPL2は、第1導電性パターン層CPL1の第1グレーンGR1が第2導電性パターン層CPL2の第2グレーンGR2に連結されることを防止する。第2導電性パターン層CPL2は第1導電性パターン層CPL1の第1グレーンサイズを制御する。例えば、第2導電性パターン層CPL2は、第1導電性パターン層CPL1の第1グレーンサイズが過度に増加することを防止する。
【0188】
第2導電性パターン層CPL2は、約10オングストローム以上約100オングストローム以下の第2厚さt2を有する。第2厚さt2は第1厚さt1よりも薄い。第2導電性パターン層CPL2は、それぞれが第2グレーンサイズを有する第2グレーンGR2を含む。第2導電性パターン層CPL2は第2物質を含む。第2物質は第1物質とは異なる物質である。第2物質は、金属、金属合金、金属酸化物、及び透明導電性酸化物のうちの少なくとも一つを含むが、これに限ることはない。
【0189】
第1導電性パターン層CPL1を形成するステップS200及び第2導電性パターン層CPL2を形成するステップS300のうちの少なくとも一つは、金属、金属合金、金属酸化物、及び透明導電性酸化物のうちの少なくとも一つをスパッタリングすることで行われる。例えば、第1及び第2導電性パターン層(CPL1、CPL2)のうちの少なくとも一つは、室温で約1分以上約3分以内の時間の間に行われるスパッタリング工程を介して行われる。例えば、第1及び第2導電性パターン層(CPL1、CPL2)のうちの少なくとも一つは、約50℃以上約60℃以下の温度において、約1分以上約3分以内の時間の間に行われるスパッタリング工程を介して行われる。
【0190】
上述した物質は、これに限ることはないが、Al、Cu、Ti、Mo、Ag、Mg、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、及びCrのうちの少なくとも一つを含む。
【0191】
透明導電性酸化物は、これに限ることはないが、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、亜鉛酸化物(ZnO)、及びインジウム錫亜鉛酸化物(ITZO)のうちの少なくとも一つを含む。
【0192】
導電性パターンCPを形成するステップは、第2導電性パターン層CPL2上に第3導電性パターン層CPL3を形成するステップを更に含む。第3導電性パターン層CPL3を形成するステップは、第2ガスとは異なる第3ガスを供給して第2導電性パターン層CPL2上に第3厚さt3を有する第3導電性パターン層CPL3を形成することで行われる。
【0193】
第3導電性パターン層CPL3は、約100オングストローム以上約1500オングストローム以下の第3厚さt3を有する。第3導電性パターン層CPL3は、それぞれが第3グレーンサイズを有する第3グレーンGR3を含む。第3導電性パターン層CPL3の第3グレーンGR3は、約100オングストローム以上約1000オングストローム以下の第3グレーンサイズを有する。第3導電性パターン層CPL3は第3物質を含む。第3物質は第2物質とは異なる物質である。第3物質は第1物質と同じであるか又は異なる。第3物質は、金属、金属合金、金属酸化物、及び透明導電性酸化物のうちの少なくとも一つを含むが、これに限ることはない。第3導電性パターン層CPL3において、約200個のグレーン~約1200個のグレーンが約1.0μm2の単位面積内で配列される。
【0194】
第1導電性パターン層CPL1を形成するステップS200、第2導電性パターン層CPL2を形成するステップS300、及び第3導電性パターン層CPL3を形成するステップのそれぞれは、プラズマなしに行われる。
【0195】
第1導電性パターン層CPL1を形成するステップS200はアルミニウムガスを利用して行われ、第2導電性パターン層CPL2を形成するステップS300はチタンガスを利用して行われ、第3導電性パターン層CP3を形成するステップはアルミニウムガスを利用して行われる。この場合、第1、第2、及び第3導電性パターン層(CPL1、CPL2、CPL3)は、それぞれ約1500オングストローム、約50オングストローム、及び約1500オングストロームの厚さを有する。
【0196】
第1導電性パターン層CPL1を形成するステップS200がアルミニウムガスを利用して行われる場合、第2導電性パターン層CPL2を形成するステップS300はチタンガスを利用して行われ、第3導電性パターン層CP3を形成するステップはアルミニウムガスを利用して行われる。第1導電性パターン層CPL1を形成するステップS200、第2導電性パターン層CPL2を形成するステップS300、及び第3導電性パターン層CP3を形成するステップは、それぞれ5回行われる。
【0197】
他の実施形態として、第1導電性パターン層CPL1を形成するステップS200はアルミニウムガスを利用して行われ、第2導電性パターン層CPL2を形成するステップS300は酸素ガスを利用して行われ、第3導電性パターン層CP3を形成するステップはアルミニウムガスを利用して行われる。
【0198】
第1導電性パターン層CPL1を形成するステップS200は、第1ガスとは異なる第2ガスを利用して第2層を形成するステップ、第2ガスとは異なる第3ガスを利用して第3層を形成するステップ、並びに第1、第2、及び第3層をエッチングして第1、第2、及び第3導電性パターン層CPL1、CPL2、CPL3を形成するステップを含む。
【0199】
他の実施形態として、導電性パターンCPを形成するステップは、第1ガスを利用して第1層を形成するステップ、第1マスクを利用して第1層をエッチングして第1導電性パターン層CPL1を形成するステップ、第1ガスとは異なる第2ガスを利用して第2層を形成するステップ、第2マスクを利用して第2層をエッチングして第2導電性パターン層CPL2を形成するステップ、第2ガスとは異なる第3ガスを利用して第3層を形成するステップ、及び第3マスクを利用して第3層をエッチングして第3導電性パターン層CPL3を形成するステップを含む。
【0200】
導電性パターンの変形程度は変位程度に応じて異なる。変位が増加するにつれて導電性パターンの変形程度が増加する。即ち、変位が増加するにつれて導電性パターンの柔軟性は折り曲げられる際により難しくなる。グレーン境界の密度が増加するにつれて変位は減少する。従って、グレーン境界の密度を上げるためには、各導電性パターンのグレーンサイズを小さくする必要がある。
【0201】
従来のフレキシブル表示装置の導電性パターンは一つの層を有するように形成されていたが、そのため導電性パターンのサイズを減少することが難しかった。また、導電性パターンが一つの層を含む場合、均一なグレーンサイズを有するグレーンを含む導電性パターンを形成することが難しかった。従って、従来のフレキシブル表示装置の導電性パターンの変位が大きくなり、その結果、導電性パターンを折り曲げるための柔軟性を確保することが難しかった。従って、フレキシブル表示装置が繰り返し折り曲げられると、導電性パターンにクラックや断線が発生し、それによってフレキシブル表示装置の柔軟性が低下する虞がある。
【0202】
また、導電性パターンを折り曲げるための柔軟性を確保することが難しいため、導電性パターンの一方向及び一方向に反対する方向に繰り返し折り曲げられると、導電性パターンにクラックや断線が発生する虞がある。上述したように、本実施形態による製造方法によって製造されたフレキシブル表示装置に含まれる導電性パターンは、第1厚さt1を有して第1物質を含む第1導電性パターン層、及び第2厚さt2を有して第1物質とは異なる第2物質を含む第2導電性パターン層を含む。本実施形態による製造方法によって製造されたフレキシブル表示装置に含まれる導電性パターンは、第2物質を含む第2導電性パターンを含むため、第1導電性パターンのグレーンサイズを調節することができる。また、本実施形態による製造方法によって製造されたフレキシブル表示装置に含まれる導電性パターンが互いに異なる物質を含む多数の層を含むため、グレーンのサイズは従来のグレーンよりも相対的に小さく相対的に均一であるが、それによって導電性パターンを折り曲げるための柔軟性が十分に確保される。従って、フレキシブル表示装置が繰り返し折り曲げられても、導電性パターンのクラック又は断線の発生可能性は、従来のフレキシブル表示装置に含まれる導電性パターンよりも顕著に減少する。従って、本発明の実施形態によるフレキシブル表示装置の信頼性が増加する。
【0203】
なお、本発明の実施形態によるフレキシブル表示装置が折り曲げられるための柔軟性が確保されるため、導電性パターンが一方向及び一方向に反対する方向に繰り返し折り曲げられても、導電性パターンのクラック又は断線の発生可能性を顕著に下げることができる。
【0204】
以下、本発明によるフレキシブル表示装置を多様な実施例を参照して詳細に説明する。
【0205】
実施例1:
【0206】
約2分間、約60℃の温度でポリカーボネート(PC)基板上にアルミニウムをスパッタリングすることで、約50nmの厚さを有するアルミニウム導電性パターン層を形成する工程を6回行って、アルミニウム酸化物-導電層をアルミニウム導電性パターン層の間に形成した。アルミニウム導電性パターン層と交互に積層された6つの導電性パターン層及び5つのアルミニウム酸化物-導電層を含む導電性パターンを形成した。
【0207】
実施例2:
【0208】
スパッタリング工程が約60℃ではなく約20℃の温度で行われたことを除いては、実施例1に説明した工程と同じ工程を介して導電性パターンを形成した。
【0209】
実施例3:
【0210】
アルミニウムがPC基板上にスパッタリングされて、約150nmの厚さを有する第1アルミニウム導電性パターン層を形成し、チタンが第1アルミニウム導電性パターン層上にスパッタリングされて、約5nmの厚さを有するチタン導電性パターン層を形成し、アルミニウムがチタン導電性パターン層上にスパッタリングされて、約150nmの厚さを有する第2アルミニウム導電性パターン層を形成した。
【0211】
比較例1:
【0212】
アルミニウムがPC基板上に約60℃で3分間スパッタリングされたことを除いては、実施例1に説明した工程と同じ工程を介して約30nmの厚さを有する導電性パターンを形成した。
【0213】
比較例2:
【0214】
スパッタリング工程が約60℃ではなく約20℃の温度で行われたことを除いては、比較例1に説明した工程と同じ工程を介して導電性パターンを形成した。
【0215】
比較例3:
【0216】
アルミニウムをPC基板の上にスパッタリングして形成した導電性パターンが約200nmの厚さを有することを除いては、実施例1に説明した工程と同じ工程を介して導電性パターンを形成した。
【0217】
1.測定
【0218】
1)グレーンサイズの測定
【0219】
グレーンサイズは、実施例1~3、並びに比較例1及び2の断面の走査電子顕微鏡(SEM)画像を獲得して測定した。SEM画像は、FEI社のHelios 450を使用して獲得した。実施例1、並びに比較例1及び3のSEM画像を
図12Aに示し、実施例1及び2、並びに比較例1及び2のSEM画像を
図12Bに示し、グレーンサイズを下記表1に示した。なお、実施例1及び2、並びに比較例1及び2の断面のSEM画像を
図13に示した。
【0220】
【0221】
2)内側への折り曲げ及び外側への折り曲げによって断線が発生したか否かを点検
【0222】
実施例1~3、並びに比較例1及び3の内側への折り曲げ及び外側への折り曲げによる断線を点検した。比較例1及び3における内側への折り曲げによる断線を
図14に示した。
【0223】
3)内側への折り曲げ及び外側への折り曲げによる抵抗変化の測定
【0224】
実施例1~3、並びに比較例1及び3の内側への折り曲げによる抵抗変化、及び実施例1~3、並びに比較例1及び3の外側への折り曲げよる抵抗変化を測定した。内側への折り曲げによる抵抗変化は下記表2に示し、外側への折り曲げによる抵抗変化は下記表3に示した。
【0225】
【0226】
【0227】
2.測定結果
【0228】
1)グレーンサイズの測定
【0229】
図12A、
図12B、及び
図13、そして表1に示すように、実施例1~3のそれぞれのグレーンサイズは比較例1~3のそれぞれのグレーンサイズより小さかった。
【0230】
2)内側への折り曲げ及び外側への折り曲げによって断線が発生したか否かを点検
【0231】
実施例1~3では内側への折り曲げ及び外側への折り曲による断線が発生していなかったが、
図14に示したように、比較例1及び3では内側への折り曲げ及び外側への折り曲による断線が発生していた。
【0232】
3)内側への折り曲げ及び外側への折り曲げによって引き起こされた抵抗変化の測定
【0233】
表2及び3に示すように、実施例1~3では内側への折り曲げ及び外側への折り曲げによる抵抗変化が相対的に小さかったが、比較例1及び3では内側への折り曲げ及び外側への折り曲による抵抗変化が相対的に大きかった。
【0234】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0235】
10 フレキシブル表示装置
BD1、BD2 第1、第2ブリッジ
BF ベンディング部
BF1 パネルベンディング部
BF2 タッチベンディング部
BX ベンディング軸
CA チャネル部
CE1、CE2 第1、第2共通電極
CH1~CH6 第1~第6コンタクト穴
CP 導電性パターン
CPL1~CPL3 第1~第3導電性パターン層
Cst キャパシタ
DA ドレイン部
DE1、DE2 第1、第2ドレイン電極
DL データライン
DP フレキシブル表示パネル
DR1~DR6 第1~第6方向
DVL 駆動電圧ライン
EL 電極
EL1、EL2 第1、第2電極
ELL1~ELL3 際1~第3電極層
EML 発光層
ETR 電子輸送領域
FB フレキシブル基板
FB1 第1フレキシブル基板
GE1、GE2 第1、第2ゲート電極
GI ゲート絶縁層
GL ゲートライン
GR1~GR3 第1~第3グレーン
HTR 正孔輸送領域
IL 絶縁層
IL1、IL2 第1、第2絶縁層
NBF 非ベンディング部
NBF1 パネル非ベンディング部
NBF2 タッチ非ベンディング部
OEL 有機発光素子
ORL 有機層
PD1、PD2 第1、第2パッド部
PDL ピクセル定義層
PL
PO1、PO2 第1、第2ファンアウトライン
PX ピクセル
R1~R4 第1~第4曲率半径
Rx 第2センシング電極
SA ソース部
SE1、SE2 第1、第2ソース電極
SL 気密層
SM1、SM2 第1、第2半導体パターン
t1~t3 第1~第3厚さ
TE センシング電極
TEL1~TEL3 第1~第3センシング電極層
TFT1 スイッチング薄膜トランジスタ
TFT2 駆動薄膜トランジスタ
TL1、TL2 第1、第2連結ライン
TLL1~TLL3 第1~第3ライン層
TSU タッチセンシングユニット
Tx 第1センシング電極
WI 配線
WI1、WI2 第1、第2配線
WIL1~WIL3 第1~第3配線層
WIL11~WLI13 第1~第3サブ配線層
WIL21~WIL23 第4~第6サブ配線層