(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】医療機器
(51)【国際特許分類】
A61B 1/04 20060101AFI20220117BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20220117BHJP
【FI】
A61B1/04 510
A61B1/00 684
A61B1/04 520
(21)【出願番号】P 2017123613
(22)【出願日】2017-06-23
【審査請求日】2020-05-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002907
【氏名又は名称】特許業務法人イトーシン国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076233
【氏名又は名称】伊藤 進
(74)【代理人】
【識別番号】100101661
【氏名又は名称】長谷川 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100135932
【氏名又は名称】篠浦 治
(72)【発明者】
【氏名】渡部 正晃
【審査官】▲高▼ 芳徳
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-064287(JP,A)
【文献】特開平09-122082(JP,A)
【文献】特開2014-054318(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 - 1/32
G02B 23/24 - 23/26
A61B 5/00 - 5/0538
A61B 5/24 - 5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の観察または処置に用いられるデバイスと電気的に接続される患者回路基板が内蔵される患者回路ユニットと、
前記患者回路ユニットを収容する導電性の筐体シャーシと、
前記患者回路ユニットを外部と遮蔽する導電性の遮蔽部材と、
コンデンサを備え、前記患者回路ユニットの近傍に設けられ、前記遮蔽部材が
前記筐体シャーシの一部に組み付けられることによって前記遮蔽部材と接触する位置に配置され、組み付け後の前記遮蔽部材と前記患者回路ユニットとを前記コンデンサを介して交流的に接続する接続ユニットと、
を具備することを特徴とする医療機器。
【請求項2】
前記接続ユニットは、前記遮蔽部材に向けて付勢して接触するように弾性を有した部材を備えていることを特徴とする請求項1に記載の医療機器。
【請求項3】
前記接続ユニットは、
前記コンデンサの一方のリード線が接続され、前記患者回路ユニットと電気的に接続される第1の電極と、
前記コンデンサの他方のリード線が接続され、前記接続ユニットの導電部材と電気的に接続される第2の電極と、
を有することを特徴とする請求項2に記載の医療機器。
【請求項4】
さらに、前記第1の電極と前記第2の電極の間に介装して放電を防止する沿面距離が規定された凸部を有する絶縁部材を有することを特徴とする請求項3に記載の医療機器。
【請求項5】
前記接続ユニットは、
一端に前記遮蔽部材が組みつけられるシャーシを有し、かつ他端が前記患者回路ユニットと電気的に接続され、
前記シャーシに前記遮蔽部材
が組み付けられる際に前記遮蔽部材と接触して電気的に導通する複数の導電部材が
前記シャーシに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の医療機器。
【請求項6】
前記複数の導電部材は、前記遮蔽部材に向けて付勢して接触するように弾性を有していることを特徴とする請求項5に記載の医療機器。
【請求項7】
内視鏡の内視鏡コネクタが接続されるコネクタ部を有する請求項1に記載の医療機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療機器に関し、特に、内視鏡に接続されるビデオプロセッサを含む医療機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療用分野においては、細長の挿入部を体腔内に挿入することにより、体腔内臓器などを観察することが出来る内視鏡が広く用いられている。このような内視鏡は、内視鏡挿入部先端などに内蔵された撮像部に電荷結合素子(CCD)などの固体撮像素子が配設された電子内視鏡が知られている。
【0003】
この電子内視鏡は、体腔内臓器などの観察画像をモニタに表示させるために、医療機器である外部装置のビデオプロセッサに接続される。このような電子内視鏡、ビデオプロセッサなどから構成される内視鏡システムは、例えば、特許文献1および特許文献2に、EMC対策、ノイズ耐性を高めるなどの種々の技術が開示されている。
【0004】
ところで、近年の電子内視鏡は、高画質な内視鏡用画像撮像する撮像部が搭載されている。そのため、電子内視鏡に接続されるビデオプロセッサには、撮像部からの撮像信号を高速処理する集積回路(IC)などの電気回路が設けられている。このように電子内視鏡に接続される電気回路は、患者の電気的安全性を確保するため、電源アースされる他の回路などから独立したフローティング回路としての所謂患者回路が構成されている。
【0005】
また、処理速度の高速化に伴い、高周波電流が流れる患者回路の集積回路(IC)および回路パターンから強い電磁波、静電気などの不要輻射ノイズが放射されるため、患者回路基板のグランド接続を行い、発生する不要輻射ノイズを低減するためのシールド構造が必要としてEMC対策がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2014-54318号公報
【文献】特開2015-188520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の医療機器である内視鏡用のビデオプロセッサでは、筐体シャーシを除いた筐体外装などの遮蔽部材に患者回路を電気的にグランド接続することが構成上困難であり、不要輻射ノイズを低減するEMC対策の難易度を上げる要因となっている。
【0008】
特に、従来の内視鏡用のビデオプロセッサでは、患者回路を電気的にグランド接続する箇所が不均一となり、これにより不要なノイズによって発生する電流の流れも不均一となり、EMC対策の難易度が上げるという課題もあった。
【0009】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みなされたものあり、簡易な構成で遮蔽部材を組み付ける際に患者回路と容易に電気的に接続でき、不要輻射ノイズを低減する医療機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様における医療機器は、患者の観察または処置に用いられるデバイスと電気的に接続される患者回路基板が内蔵される患者回路ユニットと、前記患者回路ユニットを収容する導電性の筐体シャーシと、前記患者回路ユニットを外部と遮蔽する導電性の遮蔽部材と、コンデンサを備え、前記患者回路ユニットの近傍に設けられ、前記遮蔽部材が前記筐体シャーシの一部に組み付けられることによって前記遮蔽部材と接触する位置に配置され、組み付け後の前記遮蔽部材と前記患者回路ユニットとを前記コンデンサを介して交流的に接続する接続ユニットと、を具備する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、簡易な構成で遮蔽部材を組み付ける際に患者回路と容易に電気的に接続でき、不要輻射ノイズを低減する医療機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】医療機器である内視鏡用のビデオプロセッサの構成を示す側面斜視図
【
図2】同、トップカバーがスライドした状態のビデオプロセッサを示す斜視図
【
図3】同、患者回路ユニットおよび接続ユニットの構成を示す斜視図
【
図6】同、上面視の接続ユニットの構成を示す平面図
【
図8】同、導電部材とトップカバーとが電気的に接続する前の状態の部分断面図
【
図9】同、導電部材とトップカバーとが電気的に接続した状態の部分断面図
【
図10】同、第1の変形例の接続ユニットの構成を示す斜視図
【
図11】同、第2の変形例の接続ユニットおよびシャーシの構成を示す斜視図
【
図12】同、第3の変形例の接続ユニットおよびシャーシの構成を示す斜視図
【
図13】同、第4の変形例の接続ユニットおよびシャーシの構成を示す斜視図
【
図14】同、第5の変形例のトップカバーの裏面側を示した斜視図
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここでは、医療機器である内視鏡用のビデオプロセッサの一態様を例に挙げて説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態に基づく図面は、模式的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、夫々の部分の厚みの比率などは現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面の相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0014】
また、以下の構成説明におけるビデオプロセッサは、内視鏡と接続される医療機器として例に挙げて説明するが、これに限定されることなく、種々の医療機器に適用できる技術である。
【0015】
以下、本発明の一態様の医療機器である内視鏡用のビデオプロセッサについて、図面に基づいて説明する。
図1は、内視鏡用のビデオプロセッサを示す斜視図、
図2はトップカバーがスライドした状態のビデオプロセッサを示す斜視図、
図3は患者回路ユニットおよび接続ユニットの構成を示す斜視図、
図4は接続ユニットの構成を示す分解斜視図、
図5は接続ユニットの構成を示す斜視図、
図6は上面視の接続ユニットの構成を示す平面図、
図7は接続ユニットの構成を示す横断面図、
図8は導電部材とトップカバーとが電気的に接続する前の状態の部分断面図、
図9は導電部材とトップカバーとが電気的に接続した状態の部分断面図である。
【0016】
図1に示す、医療機器であって内視鏡画像処理装置であるビデオプロセッサ(照明光源内蔵型ビデオプロセッサまたはカメラコントロールユニットとも言う)1は、フロントパネル2に、内視鏡の内視鏡コネクタ(不図示)が接続されるレセプタクル部であるコネクタ部3、操作および状態表示のためのパネル部4と、電源スイッチ5と、が設けられている。
【0017】
このビデオプロセッサ1は、外装筐体である金属などから形成された導電性のトップカバー6によって、両側部および上面部が覆われている。即ち、トップカバー6は、断面コの字状をした導電性を有するカバー体である。
【0018】
ここでのビデオプロセッサ1内には、ここでは図示しない、各種電気的回路基板およびハロゲンランプ、キセノンランプ、LEDなどの照明用光源が内蔵されている。なお、ビデオプロセッサ1は、光源装置を兼ねていない構成とした、内視鏡画像処理のみを行うものであってもよい。
【0019】
内視鏡コネクタ(不図示)が接続されるコネクタ部3には、複数の電気接点が配設されており、内視鏡コネクタに設けられた複数の電気接点との接続により、内視鏡との電気的な各種駆動構成への通電が行われる。
【0020】
ビデオプロセッサ1は、
図2に示すように、金属などから形成された導電性を有する筐体シャーシ7にトップカバー6をスライドしながら組み付け固定する構成となっている。なお、筐体シャーシ7の一部として、トップカバー6に近接する位置に、略中央部分の前後方向に強度補強のための金属などから形成された導電性を有するシャーシ8が接続されている。
【0021】
なお、ビデオプロセッサ1には、各種回路基板、照明用の光源などの他、FPGAなどによって構成された集積回路(ICなど)、回路パターンなどを有した患者回路基板を内蔵する患者回路ユニット10が設けられている。ここでの患者回路ユニット10は、フロントパネル2のパネル部4の後方直近であって、筐体シャーシ7の上部側に配設されている。
【0022】
この患者回路ユニット10は、主に内視鏡に設けられる撮像部への電力供給や内視鏡の制御などを行う。なお、患者回路ユニット10内に設けられた患者回路基板は、電源グランドと接続される他の回路基板とは異なる独立したフローティング回路となっている。
【0023】
この患者回路ユニット10の近傍には、患者回路ユニット10と電気的に接続される接続ユニット20が設けられている。なお、たとえば、接続ユニット20は、
図3に示すように、患者回路ユニット10の導電性箱体のシールドケース11の側部近傍に設けられている。
【0024】
具体的には、接続ユニット20は、
図4および
図5に示すように、板状の2つの第1、第2の電極板21,22と、コンデンサ23と、絶縁部材である絶縁ブロック24と、弾性を有する導電性板体をクランク状に加工した導電部材25と、を有して構成されている。また導電部材25は電極板22と一体化して形成されていてもよい。
【0025】
第1の電極板21は、患者回路側電極として構成され、患者回路ユニット10のシールドケース11に設けられた板状の接続縁部12に、例えばボルトと座付ナットから構成された固定部31によって、患者回路ユニット10と電気的に導通された状態で固定される。また、接続縁部12は患者回路ユニット10に直接接続固定しても良い。
【0026】
第2の電極板22は、導電部材側電極として構成され、導電部材25に、例えばボルトと座付ナットから構成された固定部32によって、導電部材25と電気的に導通された状態で固定される。
【0027】
これら第1、第2の電極板21,22は、それぞれに孔部33,34が形成されており、これら孔部33,34に挿通されるビス35,36が絶縁ブロック24のネジ孔24aに螺着されて絶縁ブロック24にも固定される。
【0028】
絶縁ブロック24は、第1、第2の電極板21,22の間に介装される凸部28が上面から突起形成されている。即ち、絶縁ブロック24の凸部28は、第1、第2の電極板21,22が絶縁ブロック24に固定された状態において、これら第1、第2の電極板21,22間の放電を遮蔽する絶縁壁部を構成している。
【0029】
そして、第1、第2の電極板21,22は、端子部37,38が設けられており、これら端子部37,38の孔にコンデンサ23のリード線41,42が挿通されて半田付される。なお、コンデンサ23は、絶縁ブロック24の上面に載置されて保持された状態で設けられる。
【0030】
コンデンサ23は、リード線41,42が物理的なストレスに弱く変形し易いため、電極板21,22が絶縁ブロック24の上面に固定されることで、振動などの外力によりリード線41,42が破断、変形などすることを防止することができるようになっている。さらに、絶縁ブロック24はコンデンサ23の下方、または、上方または、側方に設けられていてもよい。
【0031】
なお、コンデンサ23のリード線41,42が変形して、第1、第2の電極板21,22の距離が近づくことで、第1、第2の電極板21,22間の放電を防止する沿面空間距離を確保できなくなることも防止することができる。
【0032】
以上のように構成された接続ユニット20は、第1、第2の電極板21,22の間に絶縁ブロック24の凸部28が設けられることで、
図6に示す、上方から見た平面視において、患者回路ユニット10とトップカバー6とを電気的にアイソレーション可能な接続ユニット必要な沿面距離L1,L2が常に保たれる。
【0033】
さらに、接続ユニット20は、第1、第2の電極板21,22の間の凸部28によって、
図7に示す、横断面方向において、接続ユニット20からの電磁波、静電気などが第1の電極板21から第2の電極板22に放電しないための必要な沿面距離L3が常に保たれる。
【0034】
なお、絶縁ブロック24の凸部28は、第1の電極板21から第2の電極板22に放電しないための必要な沿面距離L1,L2,L3を確保するために、高さHと幅D(
図7参照)の長さ寸法が規定されている。
【0035】
以上のように構成されたビデオプロセッサ1は、
図2に示したように、筐体シャーシ7にトップカバー6をスライドしながら組み付け固定される。このとき、
図8および
図9に示すように、トップカバー6の裏面9が接続ユニット20の導電部材25のクランク状に折れ曲げられた最上面となる筐体接触面29に接触する。
【0036】
なお、接続ユニット20の導電部材25は、筐体接触面29がトップカバー6の裏面9と確実に接触するように、弾性変形により可動してトップカバー6のスライド方向に合わせて倒れ込みトップカバー6の裏面9に向けて付勢するように上方側への長さ寸法が規定されている。
【0037】
以上に説明したように、本実施の形態の医療機器であるビデオプロセッサ1は、患者回路ユニット10と外装筐体であるトップカバー6とが接続ユニット20と電気的に接続される。
【0038】
また、接続ユニット20が、患者回路ユニット10とトップカバー6とを交流的に接続することで不要輻射ノイズとなる電流を患者回路ユニット10からトップカバー6へ流し、さらに直流はカットされるため、トップカバー6から患者回路ユニット10への静電気の混入も防止可能である。
【0039】
そのため、患者回路ユニット10は、遮蔽部材であるトップカバー6と電気的に導通されて(導通できない)、内部に設けられた高周波電流が流れる患者回路基板などから発生する電磁波、静電気などの不要輻射ノイズが低減され、EMC対策が施される構成となる。
【0040】
また、ビデオプロセッサ1は、トップカバー6の組み付け時に同時に患者回路ユニット10を容易にグランド接続する(グランド接続して同電位にできない)ことができる構成となる。
【0041】
以上から、医療機器であるビデオプロセッサ1は、簡易な構成で筐体外装である遮蔽部材のトップカバー6を組み付ける際に患者回路ユニット10と容易に電気的に接続でき、不要輻射ノイズを低減することができる構成となる。
【0042】
(第1の変形例)
図10は、第1の変形例の接続ユニットの構成を示す斜視図である。
図10に示すように、接続ユニット20は、導電部材25の筐体接触面29上にスポンジなどの弾力性部材に導電布が覆われた導通部材である導電性ガスケット(ソフトガスケット)45を張り付けてもよい。
【0043】
このように、医療機器であるビデオプロセッサ1は、筐体接触面29上に弾力性のある導電性ガスケット45を設けることで、導電部材25と遮蔽部材であるトップカバー6との電気的接触がより確実となり、患者回路ユニット10のトップカバー6へのグランド接続をより確実に行える構成とすることができる。
【0044】
なお、導電性ガスケット45は、弾力性により潰されるように可動してトップカバー6の裏面9と確実に接触するようになっている。
【0045】
(第2の変形例)
図11は、第2の変形例の接続ユニットおよびシャーシの構成を示す斜視図である。
図11に示すように、接続ユニット20とシャーシ8とを電気的に接続して、シャーシ8の上面に導通部材である複数の導電性ガスケット46を張り付けてもよい。
【0046】
接続ユニット20の導電部材25がビス52によって電気線であるグランド線51の一端が電気的に接続され、このグランド線51の他端がビス53によってシャーシ8と電気的に接続される。
【0047】
ここでは、シャーシ8の凹部8aが形成されており、この凹部8aにグランド線51を留めるビス53が螺着された構成となっている。
【0048】
このように、医療機器であるビデオプロセッサ1は、電気的に接続されたシャーシ8上に複数の導電性ガスケット45を設けることで、導電部材25と遮蔽部材であるトップカバー6との電気的接触に加え、シャーシ8上の複数の導電性ガスケット46が潰されることでトップカバー6に向けて付勢して電気的に導通し、患者回路ユニット10のトップカバー6への交流的接続をより確実に行える構成とすることができる。
【0049】
(第3の変形例)
図12は、第3の変形例の接続ユニットおよびシャーシの構成を示す斜視図である。
接続ユニット20の導電部材25とシャーシ8との電気的な導通は、第2の変形例に記載のグランド線51を用いず、
図12に示すように、導電部材25をビス47によって直接的にシャーシ8と接続してもよい。
【0050】
この構成では、接続ユニット20の導電部材25をシャーシ8上の複数の導電性ガスケット46を介してトップカバー6に導通させるものである。
【0051】
(第4の変形例)
図13は、第4の変形例の接続ユニットおよびシャーシの構成を示す斜視図である。
シャーシ8上の複数の導電性ガスケット46に変えて、
図13に示すように、金属などから形成された導電性の弾性を有する導通部材である複数の板バネ49としてもよい。
【0052】
(第5の変形例)
図14は、第5の変形例のトップカバーの裏面側を示した斜視図である。
シャーシ8上に複数の導電性ガスケット46に設けなくとも、
図14に示すように、シャーシ8の位置に合わせて、導通部材である複数の導電性ガスケット46をトップカバー6の裏面9に設けてもよい。なお、ここでの複数の導電性ガスケット46を第4の変形例に例示した複数の板バネ49に変えてもよい。
【0053】
また、第2の変形例から第5の変形例の構成において、複数の導電性ガスケット46または複数の板バネ49は、患者回路ユニット10に内蔵される患者回路基板のサイズ、アンテナ長によって配置が決められており、患者回路基板から発生する高周波ノイズの共振を防ぐ間隔および位置に設けられるものである。
【0054】
さらに、第2の変形例から第5の変形例の構成において、複数の導電性ガスケット46または複数の板バネ49を例示したが、これに限定されることなく、導電性ゴム、導電性スプリングなどの弾性を有する導電部材を用いてもよい。
【0055】
以上に記載した各実施の形態および変形例の構成は、それぞれを組み合わせたものとしてもよく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記各実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得るものである。
【0056】
例えば、各実施の形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、述べられている課題が解決でき、述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得るものである。
【符号の説明】
【0057】
1…ビデオプロセッサ
2…フロントパネル
3…コネクタ部
4…パネル部
5…電源スイッチ
6…トップカバー
7…筐体シャーシ
8…シャーシ
8a…凹部
9…裏面
10…患者回路ユニット
11…シールドケース
12…接続縁部
20…接続ユニット
21…第1の電極板
22…第2の電極板
23…コンデンサ
24…絶縁ブロック
24a…ネジ孔
25…導電部材
28…凸部
29…筐体接触面
31,32…固定部
33,34…孔部
35,36…ビス
37,38…端子部
41,42…リード線
45,46…導電性ガスケット
47,52,53…ビス
49…板バネ
51…グランド線
L1,L2,L3…沿面距離