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特許7007133カラーフィルタ、その製造方法及びそれを含む表示装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】カラーフィルタ、その製造方法及びそれを含む表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/20 20060101AFI20220117BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20220117BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20220117BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20220117BHJP
   H05B 33/22 20060101ALI20220117BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20220117BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20220117BHJP
【FI】
G02B5/20 101
G02B5/20
H05B33/14 A
H01L27/32
H05B33/12 B
H05B33/22 Z
G02F1/1335 505
G09F9/30 349B
G09F9/30 365
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2017154650
(22)【出願日】2017-08-09
(65)【公開番号】P2018025802
(43)【公開日】2018-02-15
【審査請求日】2020-07-07
(31)【優先権主張番号】10-2016-0102443
(32)【優先日】2016-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】蔡 景 泰
(72)【発明者】
【氏名】蔡 勝 淵
【審査官】塚田 剛士
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/083823(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0097774(KR,A)
【文献】特開2014-002363(JP,A)
【文献】特開2015-162280(JP,A)
【文献】国際公開第2016/111483(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/20
H05B 33/00 - 33/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに離隔された第1画素領域と第2画素領域とを有する基板と、
前記第1画素領域上に配置され、入射光を第1カラーの光に変換する第1色変換層と、
前記第2画素領域上に配置され、前記入射光を第2カラーの光に変換する第2色変換層と、
前記基板上で、前記第1色変換層と前記第2色変換層との間に位置する隔壁と、
前記基板と対向する前記隔壁の底面と、前記隔壁の側面とを覆うように、連続して配置される光遮断層と、を含み、
前記光遮断層は、前記隔壁と前記基板との間のブラックマトリックス層、及び、前記隔壁の側面と、前記第1色変換層及び第2色変換層との間に位置する反射層を含み、
前記反射層は、前記ブラックマトリックス層と同一物質からなり、前記ブラックマトリックス層から連続して延長されるカラーフィルタ。
【請求項2】
互いに離隔された第1画素領域と第2画素領域とを有する基板と、
前記第1画素領域上に配置され、入射光を第1カラーの光に変換する第1色変換層と、
前記第2画素領域上に配置され、前記入射光を第2カラーの光に変換する第2色変換層と、
前記基板上で、前記第1色変換層と前記第2色変換層との間に位置する隔壁と、
前記基板と対向する前記隔壁の底面と、前記隔壁の側面とを覆うように、連続して配置される光遮断層と、を含み、
前記光遮断層は、前記隔壁の底面上及び側面上にわたって連続して積層される複数の層を含み、前記光遮断層の一部は、前記隔壁と前記基板との間に位置し、
前記複数の層のうち少なくとも1層は、金属を含カラーフィルタ。
【請求項3】
前記第1色変換層は、第1量子点、散乱粒子及び感光性樹脂層を有する第1量子点色変換層を含み、
前記第1量子点と前記散乱粒子は、前記感光性樹脂層内に分散されることを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタ。
【請求項4】
互いに離隔された第1画素領域と第2画素領域とを有する基板と、
前記第1画素領域上に配置され、入射光を第1カラーの光に変換する第1色変換層と、
前記第2画素領域上に配置され、前記入射光を第2カラーの光に変換する第2色変換層と、
前記基板上で、前記第1色変換層と前記第2色変換層との間に位置する隔壁と、
前記基板と対向する前記隔壁の底面と、前記隔壁の側面とを覆うように、連続して配置される光遮断層と、を含み、
前記第1色変換層は、第1量子点、散乱粒子及び感光性樹脂層を有する第1量子点色変換層を含み、
前記第1量子点と前記散乱粒子は、前記感光性樹脂層内に分散されカラーフィルタ。
【請求項5】
前記第1色変換層は、前記入射光によって励起され、前記第1カラーの光を放出する第1量子点を含み、
前記第2色変換層は、前記入射光によって励起され、前記第2カラーの光を放出する第2量子点を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタ。
【請求項6】
互いに離隔された第1画素領域と第2画素領域とを有する基板と、
前記第1画素領域上に配置され、入射光を第1カラーの光に変換する第1色変換層と、
前記第2画素領域上に配置され、前記入射光を第2カラーの光に変換する第2色変換層と、
前記基板上で、前記第1色変換層と前記第2色変換層との間に位置する隔壁と、
前記基板と対向する前記隔壁の底面と、前記隔壁の側面とを覆うように、連続して配置される光遮断層と、を含み、
前記第1色変換層は、前記入射光によって励起され、前記第1カラーの光を放出する第1量子点を含み、
前記第2色変換層は、前記入射光によって励起され、前記第2カラーの光を放出する第2量子点を含カラーフィルタ。
【請求項7】
前記第1色変換層は、前記第1量子点を含む第1量子点色変換層、及び、前記基板と、前記第1量子点色変換層との間で、前記入射光を反射させる第1カラーフィルタ層を含み、
前記第2色変換層は、前記第2量子点を含む第2量子点色変換層、及び、前記基板と、前記第2量子点色変換層との間で、前記入射光を反射させる第2カラーフィルタ層を含むことを特徴とする請求項に記載のカラーフィルタ。
【請求項8】
前記第1カラーフィルタ層は、前記第1量子点色変換層から放出される前記第1カラーの光を選択的に透過させ、
前記第2カラーフィルタ層は、前記第2量子点色変換層から放出される前記第2カラーの光を選択的に透過させることを特徴とする請求項に記載のカラーフィルタ。
【請求項9】
前記第1色変換層は、前記第1量子点色変換層上に位置し、前記入射光を選択的に透過させるバンドパスフィルタ層を含むことを特徴とする請求項に記載のカラーフィルタ。
【請求項10】
前記隔壁の断面は、前記基板から遠くなるほど幅が増大する逆テーパ形状を有することを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載のカラーフィルタ。
【請求項11】
前記入射光は、青色光または紫外線光であり、前記第1カラーと前記第2カラーは、それぞれ赤色と緑色とであることを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載のカラーフィルタ。
【請求項12】
前記光遮断層は、第1層、前記第1層上の第2層、及び前記第2層上の第3層を含み、
前記第1層及び前記第3層は、透明金属酸化物を含み、前記第2層は、金属を含むこと
を特徴とする請求項1~9のいずれかに記載のカラーフィルタ。
【請求項13】
前記基板は、前記第1画素領域及び第2画素領域から離隔される第3画素領域を有し、
前記カラーフィルタは、前記第3画素領域上に配置され、前記入射光を透過する透過層をさらに含むことを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載のカラーフィルタ。
【請求項14】
前記基板は、前記第1画素領域及び第2画素領域から離隔される第3画素領域を有し、
前記カラーフィルタは、前記第3画素領域上に配置され、前記入射光を第3カラーの光に変換する第3色変換層をさらに含むことを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載のカラーフィルタ。
【請求項15】
前記第1色変換層及び第2色変換層の厚みは、前記基板から前記隔壁の上面までの高さと同じであるか、あるいはそれより薄いことを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載のカラーフィルタ。
【請求項16】
基板上に互いに離隔された第1画素領域と第2画素領域との間の光遮断領域を露出させる犠牲層を形成する段階と、
前記基板の前記光遮断領域と前記犠牲層とを覆うように、前記基板上に反射物質層を形成するとともに、前記光遮断領域上にトレンチを形成する段階と、
前記トレンチの箇所に、少なくとも前記トレンチの内部を充填するように有機物質パターンを形成する段階と、
前記有機物質パターンをマスクとして利用して、前記反射物質層をエッチングし、前記犠牲層を露出させ、前記基板の前記光遮断領域と、前記犠牲層の側面との上に配置される反射層を形成する段階と、
前記犠牲層を除去し、前記基板の前記第1画素領域及び第2画素領域を露出させる段階と、
前記第1画素領域上に、入射された光を第1カラーの光に変換する第1色変換層を形成する段階と、
前記第2画素領域上に、入射された光を第2カラーの光に変換する第2色変換層を形成する段階と、を含むカラーフィルタの製造方法。
【請求項17】
前記第1色変換層及び第2色変換層は、インクジェット塗布法によって形成されることで特徴とする請求項16に記載のカラーフィルタの製造方法。
【請求項18】
前記有機物質パターンの一部を除去し、前記トレンチの内部を充填する部分を残すことにより、隔壁を形成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載のカラーフィルタの製造方法。
【請求項19】
前記トレンチは、前記基板から遠くなるほど幅が広くなることを特徴とする請求項16に記載のカラーフィルタの製造方法。
【請求項20】
前記反射物質層を形成する段階は、前記基板上に複数の層を連続して積層する段階を含むことを特徴とする請求項16に記載のカラーフィルタの製造方法。
【請求項21】
第1画素及び第2画素を含む表示部と、
前記表示部上に配置され、前記第1画素及び第2画素にそれぞれ重なり合うように配置される第1画素領域及び第2画素領域を有するカラーフィルタと、を含み、
前記カラーフィルタは、
前記第1画素領域及び第2画素領域を有する基板と、
前記基板の前記第1画素領域上に配置され、入射光を第1カラーの光に変換する第1色変換層と、
前記基板の前記第2画素領域上に配置され、前記入射光を第2カラーの光に変換する第2色変換層と、
前記基板上で、前記第1色変換層と前記第2色変換層との間に位置する隔壁と、
前記基板と対向する前記隔壁の底面と、前記隔壁の側面とを覆うように、連続して配置される光遮断層と、を含み、
前記表示部は、バックライト装置、及び前記バックライト装置上に配置される液晶表示パネルを含む表示装置
【請求項22】
前記隔壁の断面は、前記基板から遠くなるほど幅が増大する逆テーパ形状を有することを特徴とする請求項21に記載の表示装置。
【請求項23】
前記入射光は、青色光または紫外線光であり、前記第1カラーと前記第2カラーは、それぞれ赤色と緑色とであることを特徴とする請求項21に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カラーフィルタ、及びそれを含む表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、汎用されている表示装置のうち一つであり、画素電極、共通電極、及びそれらの間の液晶層を含む。該画素電極と該共通電極との間に電圧を印加し、液晶層に電場を生成し、それを介して、液晶層の液晶分子の配向を決定し、入射光の偏光を制御することによって映像を表示する。
【0003】
該液晶表示装置は、カラーを形成するために、カラーフィルタを使用するが、バックライト光源から出射された光が、赤色カラーフィルタ、緑色カラーフィルタ及び青色カラーフィルタをそれぞれ通過するとき、それぞれのカラーフィルタによって、光量が約1/3に低下するので光効率が低い。
【0004】
このような光効率の低下を補完し、高い色再現性のために提案されるフォトルミネセント液晶表示装置(PL-LCD:photo-luminescent liquid crystal display apparatus)は、既存の液晶表示装置に使用されるカラーフィルタを、量子点-色変換層(QD-CCL:quantum dot color conversion layer)で代替した液晶表示装置である。該PL-LCDは、光源から生じ、液晶層によって制御された紫外線または青色光など、低波長帯域の光が、色変換層(CCL:color conversion layer)に照射されるときに発生する、可視光を利用してカラー映像を表示する。
【0005】
該色変換層は、カラーフィルタのように、光源から出射された光を通過させるのではなく、光源から出射された光から他の波長の光を生成するので、該色変換層から放出された光は、多様な方向に照射される。このことにより、互いに異なる色相を有する隣り合う色変換層から放出された光は、互いに混合し、混色発生の問題が生じてしまう。該混色により、色再現性がむしろ低下するという問題が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】韓国公開特許KR10-2006-0113160A
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の多様な実施形態が解決しようとする課題は、製造工程を簡単にしながらも、色再現性を改善することができるカラーフィルタ、及びそれを含む表示装置を提供することである。
【0008】
本発明がなす技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されるものではなく、言及されていない他の技術的課題は、本発明の記載から、当該分野で当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面によるカラーフィルタは、(i)互いに離隔された第1画素領域と第2画素領域とを有する基板、(ii)前記第1画素領域上に配置され、入射光を第1カラーの光に変換する第1色変換層、(iii)前記第2画素領域上に配置され、前記入射光を第2カラーの光に変換する第2色変換層、(iv)前記基板上で、前記第1色変換層と前記第2色変換層との間に位置する隔壁、及び(v)前記基板と対向する前記隔壁の底面上と、前記隔壁の側面上とにわたって連続して配置される光遮断層を含む。
【0010】
前記光遮断層は、前記隔壁と前記基板との間のブラックマトリックス層、並びに前記隔壁と、前記第1色変換層及び第2色変換層との間の反射層を含んでもよい。
【0011】
前記反射層は、前記ブラックマトリックス層と同一物質からなり、前記ブラックマトリックス層から連続して延長されるのでありうる。
【0012】
前記隔壁の断面は、前記基板から遠くなるほど幅が増大する逆テーパ形状を有することができる。
【0013】
前記第1色変換層は、前記入射光によって励起され、前記第1カラーの光を放出する第1量子点を含んでもよい。前記第2色変換層は、前記入射光によって励起され、前記第2カラーの光を放出する第2量子点を含んでもよい。
【0014】
前記第1色変換層は、前記第1量子点を含む第1量子点色変換層、及び前記基板と、前記第1量子点色変換層との間で、前記入射光を反射させる第1カラーフィルタ層を含んでもよい。前記第2色変換層は、前記第2量子点を含む第2量子点色変換層、及び前記基板と、前記第2量子点色変換層との間で、前記入射光を反射させる第2カラーフィルタ層を含んでもよい。
【0015】
前記第1カラーフィルタ層は、前記第1量子点色変換層から放出される前記第1カラーの光を選択的に透過させることができる。前記第2カラーフィルタ層は、前記第2量子点色変換層から放出される前記第2カラーの光を選択的に透過させることができる。
【0016】
前記第1色変換層は、前記第1量子点色変換層上に位置し、前記入射光を選択的に透過させるバンドパスフィルタ層を含んでもよい。
【0017】
前記入射光は、青色光または紫外線光であり、前記第1カラーと前記第2カラーは、それぞれ赤色と緑色とでありうる。
【0018】
前記光遮断層は、前記隔壁の底面と側面との上に連続して積層される複数の層を含んでもよい。前記光遮断層の一部は、前記隔壁の底面と前記基板との間に位置することができる。前記複数層のうち少なくとも一層は、連続して延長される金属層を含んでもよい。
【0019】
前記光遮断層は、第1層、前記第1層上の第2層、及び前記第2層上の第3層を含んでもよい。前記第1層及び前記第3層は、透明金属酸化物を含み、前記第2層は、金属を含んでもよい。
【0020】
前記基板は、前記第1画素領域及び第2画素領域から離隔される第3画素領域を有することができる。前記カラーフィルタは、前記第3画素領域上に配置され、前記入射光を透過する透過層をさらに含んでもよい。
【0021】
前記基板は、前記第1画素領域及び第2画素領域から離隔される第3画素領域を有することができる。前記カラーフィルタは、前記第3画素領域上に配置され、前記入射光を第3カラーの光に変換する第3色変換層をさらに含んでもよい。
【0022】
前記第1色変換層及び第2色変換層の厚みは、前記基板から前記隔壁の上面までの高さと同じであるか、あるいはそれより薄い。
【0023】
前記第1色変換層は、第1量子点、散乱粒子及び感光性樹脂層を有する第1量子点色変換層を含んでもよい。前記第1量子点と前記散乱粒子は、前記感光性樹脂層内に分散される。
【0024】
本発明の一側面によるカラーフィルタの製造方法によれば、(i)基板上に互いに離隔された第1画素領域と第2画素領域との間の光遮断領域を露出させる犠牲層が形成される。(ii)前記基板の前記光遮断領域と前記犠牲層とを覆うように、前記基板上に反射物質層が形成され、前記光遮断領域に対応し、前記反射物質層によって側面と底面とが決められるトレンチが形成される。(iii)前記トレンチを充填する有機物質パターンが形成される。前記有機物質パターンをマスクとして利用して、前記反射物質層がエッチングされ、前記犠牲層が露出され、前記基板の前記光遮断領域と、前記犠牲層の側面との上に配置される反射層が形成される。(iv)前記犠牲層が除去され、前記基板の前記第1画素領域及び第2画素領域が露出される。(v)前記第1画素領域上に、入射された光を第1カラーの光に変換する第1色変換層が形成される。前記第2画素領域上に、入射された光を第2カラーの光に変換する第2色変換層が形成される。
【0025】
前記第1色変換層及び第2色変換層は、インクジェット塗布法によって形成されてもよい。
【0026】
前記有機物質パターンの一部を除去し、これにより、トレンチの内部を充填する部分を残すことで、隔壁が形成されてもよい。
【0027】
前記トレンチは、前記基板から遠くなるほど幅が広くなりうる。
【0028】
前記反射物質層を形成する段階において、前記基板上に複数の層が連続して積層されてもよい。
【0029】
具体的な実施形態において、次のような工程により製造することができる。
(i)トレンチを有する犠牲層のパターンを形成する。
(ii)反射物質層を全面に設ける。
(iii)トレンチの領域にて、トレンチを埋めて、さらに表面側へと突き出すように、有機物質パターンを設ける。この際、犠牲層上の反射物質層を除去する。
(iv)エッチングにより、犠牲層と、有機物質パターンの上部(表面側へと突き出す部分)を除去する。
(v)インクジェット塗布法により、色変換層を設ける。
【0030】
本発明の一側面による表示装置は、第1画素及び第2画素を含む表示部、及び前記表示部上に配置され、前記第1画素及び第2画素にそれぞれ重なり合うように配置される第1画素領域及び第2画素領域を有するカラーフィルタを含む。前記カラーフィルタは、(i)前記第1画素領域及び第2画素領域を有する基板、(ii)前記基板の前記第1画素領域上に配置され、入射光を第1カラーの光に変換する第1色変換層、(iii)前記基板の前記第2画素領域上に配置され、前記入射光を第2カラーの光に変換する第2色変換層、(iv)前記基板上で、前記第1色変換層と前記第2色変換層との間に位置する隔壁、及び(v)前記基板と対向する前記隔壁の底面上と、前記隔壁の側面上とにわたって連続して配置される光遮断層を含む。
【0031】
前記表示部は、バックライト装置、及び前記バックライト装置上に配置される液晶表示パネルを含んでもよい。
【0032】
前記第1画素及び第2画素は、それぞれ有機発光素子を含んでもよい。
【0033】
前述のところ以外の他の側面、特徴、利点は、以下の図面、特許請求の範囲、及び発明の詳細な説明から明確になるであろう。
【発明の効果】
【0034】
本発明の多様な実施形態によれば、色変換層をインクジェット塗布法で形成することができるために、製造工程が簡単になる。また、隣接した色変換層間の隔壁を形成するとき、隔壁の側面に反射層が共に形成されるために、隣接した色変換層間の混色が防止されるだけでなく、反射層によって光効率が上昇する。それにより、簡単でありながらも、色再現性が改善された表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】一実施形態によるカラーフィルタの概略的な断面図である。
図2図1のカラーフィルタの一部を拡大した断面図である。
図3A】一実施形態によるカラーフィルタを製造する方法について説明するために、工程順序によって製造されているカラーフィルタの断面図である。
図3B】一実施形態によるカラーフィルタを製造する方法について説明するために、工程順序によって製造されているカラーフィルタの断面図である。
図3C】一実施形態によるカラーフィルタを製造する方法について説明するために、工程順序によって製造されているカラーフィルタの断面図である。
図3D】一実施形態によるカラーフィルタを製造する方法について説明するために、工程順序によって製造されているカラーフィルタの断面図である。
図3E】一実施形態によるカラーフィルタを製造する方法について説明するために、工程順序によって製造されているカラーフィルタの断面図である。
図4】他の実施形態によるカラーフィルタの概略的な断面図である。
図5】さらに他の実施形態によるカラーフィルタの概略的な断面図である。
図6】さらに他の実施形態によるカラーフィルタの概略的な断面図である。
図7】一実施形態による表示装置の概略的な構造を示す断面図である。
図8】他の実施形態による表示装置の概略的な構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明は、多様に変形され、さまざまな実施形態を有することができるので、特定実施形態を図面に図示し、詳細な説明を通じて詳細に説明する。本発明の特徴、効果、及びそれらを達成する方法は、図面と共に以下で詳細に説明する実施形態を参照すれば、明確になるであろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、多様な形態に具現されるのである。
【0037】
以下、添付された図面を参照し、本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明について明確に説明するために、説明と関係ない部分は省略し、図面を参照して説明するとき、同一であるか、あるいは対応する構成要素は、同一図面符号を付し、それらに係わる重複説明は省略する。
【0038】
以下の実施形態として、膜、領域、構成要素などの部分が、他の部分の上または上部にあるとするとき、他の部分の真上にある場合だけではなく、その中間に、他の膜、領域、構成要素などが介在されている場合も含む。図面においては、説明の便宜のために、構成要素の大きさが誇張されていたり縮小されていたりする。例えば、図面に図示された各構成の大きさ及び厚みは、説明の便宜のために任意に選択されたので、本発明は、必ずしも図示された形態に限定されるものではない。
【0039】
以下の実施形態として、膜、領域、構成要素などが連結されたとするとき、膜、領域、構成要素が直接に連結された場合だけではなく、膜、領域、構成要素の中間に、他の膜、領域、構成要素が介在され、間接的に連結された場合も含む。例えば、本明細書において、膜、領域、構成要素などが電気的に連結されたとするとき、膜、領域、構成要素などが直接電気的に連結された場合だけではなく、その中間に、他の膜、領域、構成要素などが介在され、間接的に電気的に連結された場合も含む。
【0040】
以下の実施形態において、第1、第2のような用語は、限定的な意味ではなく、1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的に使用される。明細書全体において、単数の表現は、文脈上明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。
【0041】
図1は、一実施形態によるカラーフィルタの概略的な断面図を図示する。
【0042】
図1を参照すれば、カラーフィルタ100は、基板110、光遮断層120、隔壁130、第1色変換層140及び第2色変換層150を含む。カラーフィルタ100は、平坦化層170をさらに含んでもよい。
【0043】
基板110は、互いに離隔された第1画素領域C1と第2画素領域C2とを有する。第1色変換層140は、第1画素領域C1上に配置され、入射光Lbを第1カラーの光Lrに変換する。第2色変換層150は、第2画素領域C2上に配置され、入射光Lbを第2カラーの光Lgに変換する。隔壁130は、基板110上に配置され、第1画素領域C1と第2画素領域C2との境界またはこれらの輪郭を定め、第1色変換層140と第2色変換層150との間に位置する。光遮断層120は、基板110と対向する隔壁130の底面と、隔壁130の側面との上に連続して配置される。
【0044】
隔壁130の底面とは、後述の実施形態において、基板110上に隔壁130が形成されるので、隔壁130の構造物における、基板110の第1表面111と対向する面、または、隔壁130の構造物の下端面(底面)ということができる。
【0045】
より具体的には、隔壁130の構造物を形成するための樹脂絶縁層の形成の前に、ブラックマトリックス層121などを形成するための反射物質層(光遮断層120)が形成される。そのため、隔壁130の底面とは、隔壁130の構造物が、ブラックマトリックス層121を挟み込むようにして、基板110と接続する面である。なお、場合によっては、ブラックマトリックス層121以外に、さらに、他の絶縁層などが、隔壁130の構造物と、基板110との間に介在してもよい。
【0046】
隔壁130は、少なくとも、互いに異なる色を表示する隣り合う画素領域の間に配置される。例えば、カラー表示のための画素配列が、ストライプ配列である場合、隔壁130は、データ配線またはゲート配線に沿って延びるように設けることができる。また、その他の画素配列方式(デルタ配列、モザイク配列など)である場合、隔壁130は、各画素領域の輪郭を区切るように、格子状やメッシュ状に配置することができる。
【0047】
基板110は、第1色変換層140及び第2色変換層150から放出される第1カラーの光Lrと、第2カラーの光Lgとが透過される透明基板である。基板110は、例えば、ガラス、石英などで構成される無機材料透明基板;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリカルバゾールなどで構成されるプラスチック透明基板;各種透明フィルムなどでありうるが、本実施形態は、それらに限定されるものではない。
【0048】
基板110は、光遮断層120、隔壁130、第1色変換層140及び第2色変換層150が形成される第1表面111を有する。基板110は、第1画素領域C1と第2画素領域C2とを含む複数の画素領域を有することができ、該画素領域は、互いに離隔され、行列(マトリクス)をなすように配列されうる。該画素領域は、第1画素領域C1及び第2画素領域C2と異なる色相の光を放出する第3画素領域C3(図4)をさらに含んでもよい。
【0049】
隔壁130は、第1画素領域C1と第2画素領域C2とを区切るように、第1画素領域C1と第2画素領域C2との間の光遮断領域上に配置される。隔壁130は、基板110上にて、隣り合う画素領域により挟まれる箇所にある光遮断領域上に配置され、基板110上にメッシュ状に配列されうる。隔壁130は、第1色変換層140と第2色変換層150との間に位置する。隔壁130を横切る方向における隔壁130の断面は、図1の垂直断面図に図示されているように、基底部から頂部にわたって幅が一定である長方形でありうる。また、隔壁130の断面は、基板110から遠くなるほど幅が増大する逆テーパ状でありうる。
【0050】
隔壁130は、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、レジスト材料などの有機材料から形成されてもよい。隔壁130は、フォトレジストなどの感光性有機材料から形成されてもよい。隔壁130は、スリットコーティング法、スピンコーティング法などの湿式工程;化学気相蒸着法、真空蒸着法などの乾式工程などで隔壁物質層を塗布した後、フォトリソグラフィ工程を利用して形成されてもよい。隔壁130は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸化タンタルといった無機材料などから形成されてもよい。ただ、本実施形態は、それらの材料及び形成方法に限定されるものではない。
【0051】
隔壁130の厚み、すなわち、基板110の第1表面111から、隔壁130の上面までの距離は、第1色変換層140及び第2色変換層150をインクジェット塗布法で形成する際、色変換物質が、当該画素領域(第1画素領域C1及び第2画素領域C2)の外にあふれることを防止するように設計される。隔壁130の厚み、すなわち、基板110の第1表面111から、隔壁130の上面までの距離は、第1色変換層140及び第2色変換層150の厚みと同じであるか、あるいはそれより長い。隔壁130は、基板110と対向する底面、及び第1色変換層140及び第2色変換層150と対向する側面を有する。すなわち、隔壁130は、ブラックマトリックス層121に接する底面と、反射層122に接する両側面とを有する。
【0052】
光遮断層120は、基板110の内面(パターン形成面)の側からの入射光Lbが基板110中に放出されないように遮断するのであり、第1色変換層140から放出される第1カラーの光Lrが第2色変換層150に照射されないように遮断するとともに、第2色変換層150から放出される第2カラーの光Lgが第1色変換層140に照射されないように遮断する。光遮断層120は、隔壁130の底面と側面との上に連続して配置される。
【0053】
光遮断層120は、隔壁130の底面上に配置され、隔壁130と基板110との間に位置するブラックマトリックス層121と、隔壁130の側面上に配置される反射層122と、を含む。ブラックマトリックス層121は、入射光Lbが、基板110中に放出されないように遮断する。反射層122は、第1色変換層140から側方(基板110に沿った方向)へと放出される第1カラーの光Lrを反射させて光効率を改善し、第1カラーの光Lrが第2色変換層150に照射されないように遮断することができる。また、反射層122は、第2色変換層150から側方へと放出される第2カラーの光Lgを反射させて光効率を改善し、第2カラーの光Lgが第1色変換層140に照射されないように遮断することができる。反射層122は、ブラックマトリックス層121と同一物質により、同一工程によって同時に形成され、ブラックマトリックス層121から連続して延長される。
【0054】
光遮断層120は、光反射率が高い層、例えば金属層を含んでもよい。該金属層は、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、金(Au)、ニッケル(Ni)、ネオジム(Nd)、イリジウム(Ir)、クロム(Cr)、並びにそれらの合金及び金属間化合物から選択される少なくとも一つからなる層でありうる。例えば、光遮断層120は、銀(Ag)からなる層を含んでもよい。光遮断層120は、複数層が連続して積層される複層構造を有することができる。連続して積層された層のうち少なくとも1層は、金属層を含んでもよい。例えば、光遮断層120は、例えば、ITO(indium tin oxide)といった透明金属酸化物層と銀(Ag)層とを含んでもよい。例えば、光遮断層120は、この順に連続して積層される第1透明金属酸化物層、銀(Ag)層、及び第2透明金属酸化物層を含んでもよい。
【0055】
第1色変換層140は、第1画素領域C1上に配置され、第1色変換層140の側面は、隔壁130によって取り囲まれる。第1色変換層140は、入射光Lbを第1カラーの光Lrに変換する。第1色変換層140について、図2を参照し、さらに詳細に説明する。
【0056】
第2色変換層150は、第2画素領域C2上に配置され、第2色変換層150の側面は、隔壁130によって取り囲まれる。第2色変換層150は、入射光Lbを第2カラーの光Lgに変換する。第2色変換層150は、一部の違いを除いては、第1色変換層140と実質的に類似した構造を有することができる。第2色変換層150は、図2を参照し、第1色変換層140について説明しながら、違いを中心に、以下さらに詳細に説明する。
【0057】
一実施形態によれば、入射光Lbは、青色光でありうる。第1カラーの光Lrは、赤色光でありうる。第2カラーの光Lgは、緑色光でありうる。青色光とは、ピーク波長が400nm以上495nm未満の光である。緑色光とは、ピーク波長が495nm以上580nm未満の光である。赤色光とは、ピーク波長が580nm以上750nm未満の光である。他の例によれば、入射光Lbは、紫外線光でありえ、紫外線光は、200nm以上400nm未満のピーク長を有する光である。
【0058】
平坦化層170は、光遮断層120、隔壁130、第1色変換層140及び第2色変換層150を覆うように、基板110上に配置されてもよい。平坦化層170は、入射光Lbが、第1色変換層140及び第2色変換層150に照射されるように透明でありうる。平坦化層170は、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、レジスト材料などの透明有機材料から形成されてもよい。平坦化層170は、スリットコーティング法、スピンコーティング法などの湿式工程;化学気相蒸着法、真空蒸着法などの乾式工程などによって形成されてもよい。本実施形態は、それらの材料及び形成方法に限定されるものではない。
【0059】
図2は、図1のカラーフィルタの一部を拡大した断面図を図示する。
【0060】
図2を参照すれば、一例により、光遮断層120は、第1層120a、第2層120b及び第3層120cを含んでもよい。図2に図示されているように、第1層120aは、隔壁130の底面及び側面を直接取り囲む。第2層120bは、第1層120a上に直接形成され、第3層120cは、第2層120b上に直接形成される。第3層120cは、基板110の上部表面と、第1色変換層140及び第2色変換層150の側面との上に直接形成される。第2層120bは、第1層120aと第3層120cとの間に直接介在される。第1層120aと第3層120cは、例えば、透明金属酸化物から形成され、第2層120bは、光反射率が高い金属、例えば、銀(Ag)から形成されてもよい。しかし、本実施形態は、かような材料と積層構造とに限定されるものではない。
【0061】
第1色変換層140は、量子点143と散乱粒子142とが分散された感光性樹脂141を含む第1量子点色変換層を含んでもよい。
【0062】
量子点143は、入射光Lbによって励起され、第1カラーの光Lrを発光する。量子点143は、入射光Lbを吸収し、入射光Lbの波長より長い波長帯域の第1カラーの光Lrを放出することができる。量子点143は、シリコン(Si)系ナノ結晶、II-VI族系化合物半導体ナノ結晶、III-V族系化合物半導体ナノ結晶、IV-VI族系化合物半導体ナノ結晶、及びそれらの混合物のうちいずれか1つのナノ結晶を含んでもよい。II-VI族系化合物半導体ナノ結晶は、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、HgS、HgSe、HgTe、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HggZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe及びHgZnSTeによって構成された群から選択されたいずれか一つでありうる。III-V族系化合物半導体ナノ結晶は、GaN、GaP、GaAs、AlN、AlP、AlAs、InN、InP、InAs、GaNP、GaNAs、GaPAs、AlNP、AlNAs、AlPAs、InNP、InNAs、InPAs、GaAlNP、GaAlNAs、GaAlPAs、GaInNP、GaInNAs、GaInPAs、InAlNP、InAlNAs及びInAlPAsによって構成された群から選択されたいずれか一つでもある。IV-VI族系化合物半導体ナノ結晶は、SbTeでありうる。
【0063】
散乱粒子142は、量子点143に吸収されていない入射光Lbを散乱させ、入射光Lbにより、さらに多くの量子点143が励起させることができる。散乱粒子142により、第1量子点色変換層の色変換率が上昇する。散乱粒子142は、一般的に使用するものであるならば、特別に限定されるものではないが、例えば、酸化チタン(TiO)や金属粒子などでありうる。
【0064】
感光性樹脂141は、例えば、シリコン樹脂、エポキシ樹脂などでありえ、光透過性を有することができる。
【0065】
第1色変換層140は、入射光Lbを第1カラーの光Lrに変換する蛍光体を含んでもよい。
【0066】
第1色変換層140は、第1量子点色変換層と基板110との間で入射光Lbを反射させる第1カラーフィルタ層144をさらに含んでもよい。第1カラーフィルタ層144は、入射光Lbを反射させることにより、さらに多くの量子点143が励起されるようにする。また、第1カラーフィルタ層144は、入射光Lbがそのまま基板110を通過して外部(基板110の外面の側)に放出されることのないように遮断するものであり、色純度を高め、色再現性を改善することができる。
【0067】
一例によれば、第1カラーフィルタ層144は、青色光遮断フィルタでありうる。他の例によれば、第1カラーフィルタ層144は、第1カラーの光Lrを選択的に透過させる赤色光透過フィルタでありうる。入射光Lbに、第2カラーの光Lg、例えば、緑色光が含まれている場合、第2カラーの光Lgが第1画素領域C1を介して放出されないように、第1カラーフィルタ層144は、入射光Lbだけではなく、第2カラーの光Lgを遮断することができる。
【0068】
第1色変換層140は、第1量子点色変換層上へと、入射光Lbを選択的に透過させるバンドパスフィルタ層145を含んでもよい。入射光Lbに、第2カラーの光Lgが含まれている場合、第2カラーの光Lgは、第1色変換層140内の量子点143を励起させることができず、基板110を介して外部に放出される。その場合、第1画素領域C1には、第1カラーの光Lrだけではなく、第2カラーの光Lgが放出され、色純度が下がり、色再現性が減少してしまう。バンドパスフィルタ層145は、入射光Lb、例えば、青色光のみを選択的に透過させることにより、色純度及び色再現性を改善することができる。他の例によれば、バンドパスフィルタ層145は、省略されることもありうる。
【0069】
図2に図示されていないが、第2色変換層150も、量子点143と散乱粒子142とが分散された感光性樹脂141を含んでもよい。量子点143と散乱粒子142とが分散された感光性樹脂141を含む層は、第2量子点色変換層と呼ぶことができる。
【0070】
第2色変換層150に含まれる量子点143は、入射光Lbによって励起され、第2カラーの光Lgを発光する。量子点143は、入射光Lbを吸収し、入射光Lbの波長より長い波長帯域の第2カラーの光Lgを放出することができる。量子点143は、シリコン(Si)系ナノ結晶、II-VI族系化合物半導体ナノ結晶、III-V族系化合物半導体ナノ結晶、IV-VI族系化合物半導体ナノ結晶、及びそれらの混合物のうちいずれか1つのナノ結晶を含んでもよい。
【0071】
第2色変換層150に含まれる量子点143と、第1色変換層140に含まれる量子点143は、互いに同一の物質でありうる。ただし、第2色変換層150に含まれる量子点143の大きさは、第1色変換層140に含まれる量子点143の大きさと異なりうる。
【0072】
放出される光の波長が長くなるほど、表面プラズモン共鳴を十分に誘導するための量子点143の大きさは、大きくなる傾向を有する。従って、緑色光の波長は、赤色光の波長より短いので、第2色変換層150に含まれる量子点143は、第1色変換層150に含まれる量子点143より大きさが小さい。また、散乱粒子142の大きさは、第2色変換層150に含まれる量子点143の大きさよりも小さい。
【0073】
第2色変換層150に含まれる散乱粒子142と感光性樹脂141は、第1色変換層140に含まれる散乱粒子142と感光性樹脂141と同一でありうる。
【0074】
第2色変換層150も、第1色変換層140と同一に、第2量子点色変換層と基板110との間で入射光Lbを反射させる第2カラーフィルタ層をさらに含んでもよい。第2カラーフィルタ層は、入射光Lbを反射させることにより、さらに多くの量子点143が励起されるようにする。また、第2カラーフィルタ層は、入射光Lbが、基板110を通過して外部に放出されることを遮断することにより、色純度を高め、色再現性を改善することができる。第2カラーフィルタ層は、青色光遮断フィルタでありうる。
【0075】
他の例によれば、第2色変換層150は、第2カラーの光Lgを選択的に透過させる緑色光透過フィルタ層をさらに含んでもよい。緑色光透過フィルタ層は、第2量子点色変換層と基板110との間に配置されてもよい。入射光Lbに、第1カラーの光Lr、例えば、赤色光が含まれている場合、第1カラーの光Lrが、第2画素領域C2を介して放出されないように、緑色光透過フィルタ層は、入射光Lbだけではなく、第1カラーの光Lrを遮断することができる。
【0076】
第2色変換層150も、第1色変換層140と同一に、第2量子点色変換層上で、入射光Lbを選択的に透過させるバンドパスフィルタ層145を含んでもよい。
【0077】
図3Aないし図3Eは、一実施形態による、カラーフィルタを製造する方法について説明するために、工程順序によって製造されているカラーフィルタの断面図を図示する。
【0078】
図3Aを参照すれば、第1画素領域C1と第2画素領域C2とが定められた基板110の第1面111上に、犠牲層112が形成される。犠牲層112は、第1画素領域C1と第2画素領域C2との上に形成され、第1画素領域C1と第2画素領域C2との間の光遮断領域を露出させることができる。光遮断領域は、第1画素領域C1及び第2画素領域C2のように、基板110を通って光が放出されなければならない領域を除いた領域である。光遮断領域は、第1画素領域C1と第2画素領域C2との間といった画素領域間の領域として定められてもよい。
【0079】
犠牲層112は、感光性有機材料から形成されてもよい。例えば、スリットコーティング法、スピンコーティング法などの方法で、感光性有機材料層を基板110上に塗布した後、フォトリソグラフィ工程により、基板110の光遮断領域を露出させる犠牲層112が形成されてもよい。
【0080】
図3Bを参照すれば、基板110の光遮断領域と、犠牲層112とを覆うように、基板110の第1面111上に、反射物質層123が形成される。平坦な第1面111上に、反射物質層123が突設されるので、図3Bに図示されているように、光遮断領域に対応し、反射物質層123によって側面と底面とが決められるトレンチが形成される。図3Bに図示されているように、トレンチは、基板110から遠くなるほど幅が広くなる。それにより、図3Eに図示されているように、隔壁130は、基板110から遠くなるほど幅が広くなる逆テーパ形状の断面を有することができる。
【0081】
反射物質層123は、光反射特性を有する、例えば、金属層を含んでもよい。反射物質層123は、複数の物質層が積層された積層構造を有することができ、図2に図示されているように、第1透明金属酸化物層、金属層及び第2透明金属酸化物層が連続して積層された3層構造を有することもできる。反射物質層123は、例えば、化学的気相蒸着工程(化学気相成長;CVD)によって形成されてもよい。
【0082】
反射物質層123が形成された基板110上に、有機物質層131が形成されてうる。有機物質層131は、感光性有機材料から形成されうる、犠牲層112の感光性有機材料と異なる材料でありうる。図3Bに図示されているように、有機物質層131は、反射物質層123上の全面を覆うとともにトレンチを充填して平坦な表面を形成することができる。
【0083】
図3Cを参照すれば、フォトリソグラフィ工程により、画素領域C1,C2に対応する領域にて、有機物質層131が除去されることにより、トレンチを充填する領域にて有機物質パターン132が形成される。有機物質パターン132は、トレンチの内部を埋める第1部分132aと、トレンチの外に表層側へと突出される第2部分132bとに区分されてもよい。この状態で、反射物質層123は、犠牲層112上に位置する部分が露出している。第1部分132aと第2部分132bとの境界は、反射物質層123における犠牲層112上に位置する部分の上部表面と、同一平面上に位置することができる。
【0084】
有機物質パターン132をエッチングマスクとして利用して、反射物質層123における犠牲層112上の部分が除去されてもよい。それにより、犠牲層112が露出される。反射物質層123の除去されていない部分は、光遮断層120と呼ばれ、光遮断層120は、基板110の光遮断領域と、犠牲層112の側面との上に配置される。
【0085】
図3Dを参照すれば、露出された犠牲層112が除去される。それにより、図3Dに図示されているように、基板110の第1画素領域C1及び第2画素領域C2が露出される。また、有機物質パターン132の第2部分132bが除去され、トレンチの内部を埋める第1部分132aだけが残存する。第1部分132aは、隔壁130とも呼ばれる。図3Dに図示された隔壁130の上部表面は、平坦であり、光遮断層120の最も高い部分と実質的に同一高さを有するように図示されるが、それは例示的なものであり、隔壁130の上部表面は、平坦ではなく、凸凹があってもよい。例えば、反射物質層123と光遮断層120との、エッチングレートの違いにより、隔壁130の上部表面は、湾入状であってもよく、また、膨出状であってもよい。
【0086】
図3Eを参照すれば、第1画素領域C1上にて、隔壁130及び光遮断層120によって範囲が限定される空間に、第1色変換層140が形成されうる。第1色変換層140は、インクジェット塗布法によって形成されうるのであり、隔壁130及び光遮断層120の高さは、第1色変換層140がインクジェット塗布法によって形成される際に、塗布液が、隣接した画素領域(例えば、第2画素領域C2)にあふれ出ないように設計されうる。
【0087】
第1色変換層140は、図2に図示されているように、第1カラーフィルタ層144を含んでもよい。一例によれば、図3Dに図示された基板110の第1画素領域C1上に、第1カラーフィルタ層144を形成した後、第1量子点色変換層が形成されてもよい。他の例によれば、第1カラーフィルタ層144は、基板110上に犠牲層112が形成される前、あらかじめ第1画素領域C1上に形成されうる。
【0088】
第2色変換層150も、第1色変換層140と類似して、第2画素領域C2上に、隔壁と光遮断層120とによって範囲が限定される空間に形成されてもよい。第2色変換層150も、インクジェット塗布法によって形成されてもよい。
【0089】
第1色変換層140と第2色変換層150とがインクジェット塗布法によって形成されるので、フォトリソグラフィ工程が追加されず、製造コストが節減され、工程が単純化される。
【0090】
図4は、他の実施形態によるカラーフィルタの概略的な断面図を図示する。
【0091】
図4を参照すれば、カラーフィルタ100aは、基板110、光遮断層120、隔壁130、第1色変換層140、第2色変換層150及び平坦化層170を含む。
【0092】
基板110は、互いに離隔された第1画素領域C1、第2画素領域C2及び第3画素領域C3を有する。第1色変換層140は、第1画素領域C1上に配置され、入射光Lbを第1カラーの光Lrに変換する。第2色変換層150は、第2画素領域C2上に配置され、入射光Lbを第2カラーの光Lgに変換する。隔壁130は、基板110上に配置され、第1画素領域C1、第2画素領域C2及び第3画素領域C3の境界・範囲を区切り、第1画素領域C1と第2画素領域C2との間、そして第2画素領域C2と第3画素領域C3との間に位置する。光遮断層120は、基板110と対向する隔壁130の底面と、隔壁130の側面との上に連続して配置される。平坦化層170は、光遮断層120、隔壁130、第1色変換層140及び第2色変換層150の全体を覆うように、基板110上に配置されてもよい。
【0093】
基板110、光遮断層120、隔壁130、第1色変換層140、第2色変換層150及び平坦化層170については、図1及び図2を参照してすでに説明したので、反復して説明せず、違いを中心に説明する。
【0094】
図4に図示されているように、第3画素領域C3上には、基板110上に、色変換層なしに平坦化層170が配置される。平坦化層170は、光透過性を有する透明有機材料から形成されてもよい。従って、入射光Lbは、基板110の第3画素領域C3を通過して外部に放出される。前述のように、入射光Lbは、第3カラーの光、すなわち、青色でありうる。
【0095】
第1画素領域C1を介して、赤色光Lrが放出され、第2画素領域C2を介して、緑色光Lgが放出され、第3画素領域C3を介して、青色光Lbが放出される。従って、カラーフィルタを含む表示装置は、カラー映像を表示することができる。
【0096】
図4に図示されていないが、他の実施形態によれば、第3画素領域C3上に、入射光Lbを選択的に透過させるバンドパスフィルタ層が配置されてもよい。該バンドパスフィルタ層は、図2のバンドパスフィルタ層145と実質的に同一である。該バンドパスフィルタ層がない場合、入射光Lbに、第1カラーの光Lr及び/または第2カラーの光Lgが含まれているならば、第1カラーの光Lr及び/または第2カラーの光Lgは、第3画素領域C3を介して放出される。その場合、第3画素領域C3には、入射光Lb、すなわち、青色光だけではなく、第1カラーの光Lr及び/または第2カラーの光Lgが放出され、色純度が下がり、色再現性が低減してしまう。バンドパスフィルタ層は、入射光Lb、例えば、青色光のみを選択的に透過させることにより、第3画素領域C3から青色光だけが放出されるようにし、色純度及び色再現性を改善することができる。
【0097】
図5は、さらに他の実施形態によるカラーフィルタの概略的な断面図を図示する。
【0098】
図5を参照すれば、カラーフィルタ100bは、基板110、光遮断層120、隔壁130、第1色変換層140、第2色変換層150、透過層160及び平坦化層170を含む。
【0099】
基板110は、互いに離隔された第1画素領域C1、第2画素領域C2及び第3画素領域C3を有する。第1色変換層140は、第1画素領域C1上に配置され、入射光Lbを第1カラーの光Lrに変換する。第2色変換層150は、第2画素領域C2上に配置され、入射光Lbを第2カラーの光Lgに変換する。隔壁130は、基板110上に配置され、第1画素領域C1、第2画素領域C2及び第3画素領域C3を定義し、第1画素領域C1と第2画素領域C2との間、そして第2画素領域C2と第3画素領域C3との間に位置する。光遮断層120は、基板110と対向する隔壁130の底面と、隔壁130の側面との上に連続して配置される。透過層160は、入射光Lbを色変換せず、即座に透過させる。平坦化層170は、光遮断層120、隔壁130、第1色変換層140、第2色変換層150及び透過層160を覆うように、基板110上に配置されてもよい。
【0100】
基板110、光遮断層120、隔壁130、第1色変換層140、第2色変換層150及び平坦化層170については、図1及び図2を参照して説明し、反復して説明せず、違いを中心に説明する。
【0101】
図5に図示されているように、基板110の第3画素領域C3上には、透過層160が配置され、透過層160は、入射光Lbを色変換せず、即座に透過させる。透過層160は、光透過性を有する透明有機材料から形成されてもよい。透過層160は、入射光Lbを色変換せずに散乱させる散乱粒子を含んでもよい。従って、第3カラー、すなわち、青色の入射光Lbは、基板110の第3画素領域C3を通過して外部に放出される。
【0102】
図5に図示されていないが、透過層160には、入射光Lbを選択的に透過させるバンドパスフィルタ層が配置されてもよ。該バンドパスフィルタ層は、基板110上に直接配置されてもよい。該バンドパスフィルタ層は、入射光Lbに含まれる第1カラーの光Lr及び/または第2カラーの光Lgが、第3画素領域C3を介して放出されないように遮断するにより、第3画素領域C3を介して、入射光Lb、すなわち、青色光だけが放出されるようにするので、色純度及び色再現性が改善される。
【0103】
第1画素領域C1を介して、赤色光Lrが放出され、第2画素領域C2を介して、緑色光Lgが放出され、第3画素領域C3を介して、青色光Lbが放出される。従って、カラーフィルタを含む表示装置は、カラー映像を表示することができる。
【0104】
図6は、さらに他の実施形態によるカラーフィルタの概略的な断面図を図示する。
【0105】
図6を参照すれば、カラーフィルタ100cは、基板110、光遮断層120、隔壁130、第1色変換層140a、第2色変換層150a、第3色変換層160a及び平坦化層170を含む。
【0106】
基板110は、互いに離隔された第1画素領域C1、第2画素領域C2及び第3画素領域C3を有する。第1色変換層140aは、第1画素領域C1上に配置され、入射される紫外線光Luを、可視光領域の第1カラーの光Lrに変換する。第2色変換層150aは、第2画素領域C2上に配置され、入射される紫外線光Luを、可視光領域の第2カラーの光Lgに変換する。第3色変換層160aは、第3画素領域C3上に配置され、入射される紫外線光Luを、可視光領域の第3カラーの光Lbに変換する。隔壁130は、基板110上に配置され、第1画素領域C1、第2画素領域C2及び第3画素領域C3を互いに区切り、第1色変換層140aと第2色変換層150aとの間、そして第2色変換層150aと第3色変換層160aとの間に位置する。光遮断層120は、基板110と対向する隔壁130の底面と、隔壁130の側面との上に連続して配置される。平坦化層170は、光遮断層120、隔壁130、第1色変換層140a、第2色変換層150a及び第3色変換層160aを覆うように、基板110上に配置されてもよい。
【0107】
基板110、光遮断層120、隔壁130及び平坦化層170については、図1及び図2を参照して説明したので、反復して説明せず、違いを中心に説明する。
【0108】
第1色変換層140aは、入射される紫外線光Luを、第1カラーの光Lr、例えば、赤色光に変換する。第1色変換層140aは、第1量子点と散乱粒子とが分散された感光性樹脂を有する第1量子点色変換層を含んでもよい。第1量子点は、紫外線光Luによって励起され、第1カラーの光Lrを発光する。第1量子点は、紫外線光の波長より長い波長帯域の第1カラーの光Lrを放出することができる。第1量子点は、シリコン(Si)系ナノ結晶、II-VI族系化合物半導体ナノ結晶、III-V族系化合物半導体ナノ結晶、IV-VI族系化合物半導体ナノ結晶、及びそれらの混合物のうちいずれか1つのナノ結晶を含んでもよい。
【0109】
第1色変換層140aは、第1量子点色変換層と基板110との間で、紫外線光Luを反射させる紫外線遮断フィルタ層をさらに含んでもよい。他の例によれば、第1色変換層140aは、第1量子点色変換層と基板110との間で、第1カラーの光Lrを選択的に透過させる第1バンドパスフィルタ層をさらに含んでもよい。
【0110】
第2色変換層150aは、入射される紫外線光Luを、第2カラーの光Lg、例えば、緑色光に変換する。第2色変換層150aは、第2量子点と散乱粒子とが分散された感光性樹脂を有する第2量子点色変換層を含みうる。第2量子点は、紫外線光Luによって励起され、第2カラーの光Lgを発光する。第2量子点は、紫外線光の波長より長い波長帯域の第2カラーの光Lgを放出することができる。第2量子点は、シリコン(Si)系ナノ結晶、II-VI族系化合物半導体ナノ結晶、III-V族系化合物半導体ナノ結晶、IV-VI族系化合物半導体ナノ結晶、及びそれらの混合物のうちいずれか1つのナノ結晶を含んでもよい。
【0111】
第2色変換層150aは、第2量子点色変換層と基板110との間に、紫外線光Luを反射させる紫外線遮断フィルタ層をさらに含んでもよい。他の例によれば、第2色変換層150aは、第2量子点色変換層と基板110との間に、第2カラーの光Lgを選択的に透過させる第2バンドパスフィルタ層をさらに含んでもよい。
【0112】
第3色変換層160aは、入射される紫外線光Luを、第3カラーの光Lb、例えば、青色光に変換する。第3色変換層160aは、第3量子点と散乱粒子とが分散された感光性樹脂を有する第3量子点色変換層を含みうる。第3量子点は、紫外線光Luによって励起され、第3カラーの光Lbを発光する。第3量子点は、紫外線光の波長より長い波長帯域の第3カラーの光Lbを放出することができる。第3量子点は、シリコン(Si)系ナノ結晶、II-VI族系化合物半導体ナノ結晶、III-V族系化合物半導体ナノ結晶、IV-VI族系化合物半導体ナノ結晶、及びそれらの混合物のうちいずれか1つのナノ結晶を含んでもよい。
【0113】
第3色変換層160aは、第3量子点色変換層と基板110との間で、紫外線光Luを反射させる紫外線遮断フィルタ層をさらに含みうる。他の例によれば、第3色変換層160aは、第3量子点色変換層と基板110との間に、第3カラーの光Lbを選択的に透過させる第3バンドパスフィルタ層をさらに含んでもよい。
【0114】
第1量子点、第2量子点及び第3量子点は、いずれも等しい物質でありうる。放出される光の波長が長くなるほど、表面プラズモン共鳴を十分に誘導するための量子点の大きさは、大きくなる傾向を有する。従って、第1量子点の大きさは、第2量子点の大きさより大きく、第2量子点の大きさは、第3量子点の大きさより大きく、第3量子点の大きさは、散乱粒子の大きさより大きくなる。該散乱粒子は、紫外線光Luの波長を変換せずに、紫外線光Luを散乱させることができる。
【0115】
第1画素領域C1を介して、赤色光Lrが放出され、第2画素領域C2を介して、緑色光Lgが放出され、第3画素領域C3を介して、青色光Lbが放出される。従って、カラーフィルタを含む表示装置は、カラー映像を表示することができる。
【0116】
図7は、一実施形態による表示装置の概略的な構造を示す断面図である。
【0117】
図7を参照すれば、表示装置1000は、バックライト装置300、液晶表示パネル200及びカラーフィルタ100bを含む。カラーフィルタ100bは、例示的に、図5に図示されたカラーフィルタ100bである。
【0118】
バックライト装置300は、液晶表示パネル200に画像を形成するための光を提供することができる。バックライト装置300は、例えば、第3カラー、例えば、青色の光Lbを放出する光源を含んでもよい。他の例により、バックライト装置300は、紫外線光を放出する光源を含んでもよく、その場合には、図5に図示されたカラーフィルタ100bの代わりに、図6に図示されたカラーフィルタ100cが使用されてもよい。
【0119】
液晶表示パネル200は、下部基板210、下部基板210上に配置される画素回路部220、画素電極230、液晶層240及び共通電極250を含む。画素回路部220は、第1画素PX1、第2画素PX2及び第3画素PX3を含む。第1画素PX1、第2画素PX2及び第3画素PX3は、それぞれの上部に位置する画素電極230を、それぞれ制御する。
【0120】
カラーフィルタ100bは、バックライト装置300から放出され、液晶表示パネル200を透過した第3カラーの光Lbの一部を色変換させ、第1カラーの光Lr及び第2カラーの光Lgを外部へと放出し、第3カラーの光Lbの一部を、色変換なしに外部へと放出することができる。
【0121】
下部基板210は、ガラス材質または透明プラスチック材質から形成されてもよい。下部基板210の下面には、バックライト装置300から放出された光のうちで特定偏光の光のみを透過させるための、下部偏光版(図示せず)が配置されてもよい。例えば、下部偏光板は、第1方向に線偏光された光を透過させる偏光板でありうる。
【0122】
画素回路部220は、多数の薄膜トランジスタ(図示せず)、並びに、各薄膜トランジスタにゲート信号及びデータ信号をそれぞれ印加するためのゲート配線及びデータ配線を含んでもよい。
【0123】
画素電極230は、画素回路部220に形成された薄膜トランジスタのソース電極またはドレイン電極と連結され、データ電圧が印加される。
【0124】
平坦化層170上には、共通電極250が形成されてもよい。平坦化層170と共通電極250との間には、上部偏光板(図示せず)が配置されてもよい。該上部偏光板は、下部偏光板が透過させる第1方向の線偏光と垂直である第2方向の線偏光の光を透過させる偏光板でありうる。ただし、それは例示的なものであり、上部偏光板と下部偏光板は、いずれも同一偏光の光を透過させるように構成されるのでもありうる。
【0125】
液晶層240は、画素電極230と共通電極250との間に配置され、画素電極230と共通電極250との間に印加される電圧により、液晶層240に含まれた液晶分子の配列が調節される。すなわち、画素電極230と共通電極250との間に印加される電圧により、画素電極230と共通電極250との間の液晶層240の領域が制御され、入射光の偏光を変化させるモード(ON)、入射光の偏光を変化させないモード(OFF)に制御される。また、入射光の偏光を変化させる程度が調節され、中間階調表現が可能である。
【0126】
第1画素PX1上部の液晶層240によって制御された第3色相の光Lbは、第1色変換層140を介して、第1色相の光Lrに変換され、基板110を介して、外部に放出される。第2画素PX2上部の液晶層240によって制御された第3色相の光Lbは、第2色変換層150を介して、第1色相の光Lrに変換され、基板110を介して、外部に放出される。第3画素PX3上部の液晶層240によって制御された第3色相の光Lbは、透過層160を介して、色変換なしに、基板110を介して外部に放出される。
【0127】
カラーフィルタ100bは、基板110、互いに異なるカラーを形成するための第1画素領域C1、第2画素領域C2及び第3画素領域C3、並びに第1画素領域C1、第2画素領域C2及び第3画素領域C3を区画する隔壁130を含む。カラーフィルタ100bは、基板110と対向する隔壁130の底面と、隔壁130の側面との上に連続して配置される光遮断層120を含む。
【0128】
第1画素領域C1、第2画素領域C2及び第3画素領域C3は、図5で説明したように、赤色、緑色、青色を具現するように構成される。第1画素領域C1には、青色光Lbを赤色光Lrに変換する第1色変換層140が配置され、第2画素領域C2には、青色光Lbを緑色光Lgに変換する第2色変換層150が配置され、第3画素領域C3には、青色光Lbをそのまま通過させる透過層160が配置される。
【0129】
バックライト装置300から放出された青色光Lbが、液晶表示パネル200を経て、画像情報に適するように、画素領域ごとにオン(ON)/オフ(OFF)され、カラーフィルタ100bに入射され、赤色光Lr、緑色光Lg、青色光Lbに変換されることにより、映像が表示される。
【0130】
第1色変換層140、第2色変換層150及び透過層160の間に、光遮断層120及び隔壁130が配置されるので、混色が防止され、色再現性が向上し、光効率が改善されるので、消費電力が節減される。
【0131】
図7には、液晶表示パネル200が、バックライト装置300とカラーフィルタ100bとの間に配置されるように図示されるが、カラーフィルタ100bは、バックライト装置300と液晶表示パネル200との間に位置することもできる。
【0132】
図7には、図5に図示されたカラーフィルタ100bについて、上下がさかさまになって液晶表示パネル200上に配置されるように図示されるが、カラーフィルタ100bは、さかさまにならず、基板110が液晶表示パネル200上に位置するように配置されるのであってもよい。
【0133】
図8は、他の実施形態による表示装置の概略的な構造を示す断面図である。
【0134】
図8を参照すれば、表示装置2000は、有機発光表示パネル400及びカラーフィルタ100bを含む。
【0135】
有機発光表示パネル400は、第1画素PX1、第2画素PX2及び第3画素PX3を含み、第1画素PX1、第2画素PX2及び第3画素PX3によってそれぞれ制御される有機発光素子OLEDを含む。該有機発光素子OLEDは、第1画素PX1、第2画素PX2及び第3画素PX3によって、それぞれに制御される光量を有する第3カラーの光、例えば青色光Lbを、それぞれ放出することができる。
【0136】
カラーフィルタ100bは、有機発光素子OLEDから放出される第3カラーの光Lbの一部を色変換させ、第1カラーの光Lr及び第2カラーの光Lgを外部に放出し、第3カラーの光Lbの一部を、色変換なしに外部に放出することができる。
【0137】
他の例により、有機発光素子OLEDは、紫外線光を放出することができ、その場合、図5に図示されたカラーフィルタ100bの代わりに、図6に図示されたカラーフィルタ100cが使用されてもよい。
【0138】
基板410は、ガラス、金属または有機物のような物質から形成されてもよい。
【0139】
基板410上には、第1画素PX1、第2画素PX2及び第3画素PX3を含む画素回路層420が配置される。第1画素PX1、第2画素PX2及び第3画素PX3の各画素は、複数の薄膜トランジスタ(図示せず)と保存キャパシタ(図示せず)とを含み、画素回路層420には、画素(第1画素PX1、第2画素PX2及び第3画素PX3)が配置されるだけでなく、画素(第1画素PX1、第2画素PX2及び第3画素PX3)に印加される信号及び駆動電圧を伝達するための信号ライン及び電源ラインが配置される。
【0140】
該薄膜トランジスタは、半導体層、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を含んでもよい。該半導体層は、非晶質シリコンを含むか、あるいは多結晶シリコンを含んでもよい。該半導体層は、酸化物半導体を含んでもよい。該半導体層は、チャンネル領域と、不純物がドーピングされたソース領域及びドレイン領域と、を含む。
【0141】
画素回路層420上には、画素電極440が配置される。画素電極440は、薄膜トランジスタのソース電極またはドレイン電極と連結される。画素電極440は、画素定義膜(画素区画隔壁)430の開口を介して露出され、画素電極440の縁部は、画素定義膜430によって覆われる。
【0142】
画素定義膜430によって露出された画素電極440上に、中間層450が配置される。中間層450は、有機発光層を含み、該有機発光層は、低分子有機物または高分子有機物でもある。中間層450は、有機発光層以外に、ホール輸送層(HTL:hole transport layer)、ホール注入層(HIL:hole injection layer)、電子輸送層(ETL:electron transport layer)及び電子注入層(EIL:electron injection layer)といった機能層を、これらの中から任意に選択して、さらに含んでもよい。
【0143】
中間層450と画素定義膜430とを覆うように、対向電極460が配置される。
【0144】
対向電極460は、透明電極または半透明電極でもある。例えば、対向電極460は、仕事関数が小さい金属薄膜から形成されてもよい。対向電極460は、透光性導電層(TCO:transparent tconductive oxide)を含んでもよい。
【0145】
画素電極440、中間層450及び対向電極460は、有機発光素子OLEDを構成する。
【0146】
第1画素PX1によって制御される第1有機発光素子OLEDから放出される第3色相の光Lbは、第1色変換層140を介して、第1色相の光Lrに変換され、基板110を介して、外部に放出される。第2画素PX2によって制御される第2有機発光素子OLEDから放出される第3色相の光Lbは、第2色変換層150を介して、第1色相の光Lrに変換され、基板110を介して外部に放出される。第3画素PX3によって制御される第3有機発光素子OLEDから放出される第3色相の光Lbは、透過層160を介して、色変換なしに、基板110を介して外部に放出される。
【0147】
カラーフィルタ100bは、基板110、互いに異なるカラーを形成するための第1画素領域C1、第2画素領域C2及び第3画素領域C3、並びに第1画素領域C1、第2画素領域C2及び第3画素領域C3を区画する隔壁130を含む。カラーフィルタ100bは、基板110と対向する隔壁130の底面と、隔壁130の側面との上に連続して配置される光遮断層120を含む。
【0148】
第1画素領域C1、第2画素領域C2及び第3画素領域C3は、図5で説明したように、赤色、緑色、青色を具現するように構成される。第1画素領域C1には、青色光Lbを赤色光Lrに変換する第1色変換層140が配置され、第2画素領域C2には、青色光Lbを緑色光Lgに変換する第2色変換層150が配置され、第3画素領域C3には、青色光Lbをそのまま通過させる透過層160が配置される。
【0149】
有機発光表示パネル400から放出された青色光Lbの映像は、カラーフィルタ100bに入射され、赤色光Lr、緑色光Lg、青色光Lbに変換されることにより、カラー映像が表示される。
【0150】
第1色変換層140、第2色変換層150及び透過層160の間に、光遮断層120及び隔壁130が配置されるので、混色が防止され、色再現性が向上し、光効率が改善するので、消費電力が低減される。
【0151】
図8には、図5に図示されたカラーフィルタ100bの上下がさかさまになって有機発光表示パネル400上に配置されるように図示されている。すなわち、基板110のパターン形成面が内面(有機発光表示パネル400の側の面)なすように配置されている。但し、カラーフィルタ100bは、さかさまにならず、すなわち、パターン形成面が外面(ユーザー側の面)をなすようにして、基板110が有機発光表示パネル400上に配置されてもよい。
【0152】
以上、本発明は、図面に図示された一実施形態を参照して説明したが、それらは例示的なものに過ぎず、当該分野で当業者であるならば、それらから多様な変形、及び実施形態の変形が可能であるという点を理解するであろう。従って、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決められるものである。
【産業上の利用可能性】
【0153】
本発明の、カラーフィルタ、及びそれを含む表示装置は、例えば、ディスプレイ関連の技術分野に効果的に適用可能である。
【符号の説明】
【0154】
100,100a,100b,100c カラーフィルタ
110 基板
120 光遮断層
130 隔壁
140 第1色変換層
150 第2色変換層
200 液晶表示パネル
300 バックライト装置
400 有機発光表示パネル
1000,2000 表示装置
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4
図5
図6
図7
図8