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特許7007239熱伝達フィン付きの冷却チャネルを有するプラガブルモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】熱伝達フィン付きの冷却チャネルを有するプラガブルモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/46 20060101AFI20220117BHJP
   G02B 6/42 20060101ALI20220117BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20220117BHJP
   H01R 13/533 20060101ALI20220117BHJP
【FI】
H01R13/46 B
G02B6/42
H05K7/20 B
H01R13/533 A
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018109906
(22)【出願日】2018-06-08
(65)【公開番号】P2019040852
(43)【公開日】2019-03-14
【審査請求日】2021-03-23
(31)【優先権主張番号】15/620,195
(32)【優先日】2017-06-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】399132320
【氏名又は名称】ティーイー・コネクティビティ・コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】ブライアント,エリック デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ,マイケル ジョン
(72)【発明者】
【氏名】トライソン,マイケル ジョセフ
【審査官】藤島 孝太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-518688(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0211623(US,A1)
【文献】特開2016-157813(JP,A)
【文献】特開平6-350274(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/46
G02B 6/42
H05K 7/20
H01R 13/533
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前端(134)と嵌合端(132)との間に延びるプラガブル本体(130)であって、前記嵌合端は、通信コネクタ(122)と嵌合するように、レセプタクルアセンブリ(104)のモジュール空洞(120)内に受け取り可能であり、前記プラガブル本体は、前記プラガブル本体の頂部(145)に冷却チャネル(164)を画定するチャネル壁(160、162)を有し、前記冷却チャネルは、前記前端と前記嵌合端との間の空気流を可能にし、前記プラガブル本体は、前記冷却チャネル内で前記チャネル壁間に複数の熱伝達フィン(170)を有し、前記プラガブル本体は、前記熱伝達フィンの上で前記チャネル壁間に広がるランディングカバー(180)を有し、前記チャネル壁、前記熱伝達フィン、および前記ランディングカバーは、一体化された単体構造である、プラガブル本体(130)と、
前記プラガブル本体内に保持され、前記嵌合端で露出された通信回路基板(102)とを備え、
前記プラガブル本体は、前記通信回路基板が前記レセプタクルアセンブリの前記通信コネクタに通信可能に結合されるように、前記レセプタクルアセンブリ内へ差し込まれるように構成されている、
プラガブルモジュール(106)。
【請求項2】
前記熱伝達フィン(170)は、前記ランディングカバー(180)の内部に位置する内部熱伝達フィンである、請求項1に記載のプラガブルモジュール(106)。
【請求項3】
前記プラガブル本体(130)の前記頂部(145)は、前記熱伝達フィン(170)を露出させ、前記冷却チャネル(164)を通る前記前端と前記嵌合端との間の空気流を可能するために、前記前端(134)および前記嵌合端(132)の奥まった位置にある、請求項1に記載のプラガブルモジュール(106)。
【請求項4】
前記冷却チャネル(164)は、前記熱伝達フィン(170)のベース(174)で開いている、請求項1に記載のプラガブルモジュール(106)。
【請求項5】
前記チャネル壁(160、162)は、前記熱伝達フィン(170)より高いか、より厚いかのうちの少なくとも一方である、請求項1に記載のプラガブルモジュール(106)。
【請求項6】
前記熱伝達フィン(170)は、前記前端(134)と前記嵌合端(132)との間で長手方向に、前記チャネル壁(160、162)に対して平行に延びている、請求項1に記載のプラガブルモジュール(106)。
【請求項7】
各熱伝達フィン(170)は、ベース(174)および先端(175)を含み、前記ランディングカバー(180)は、前記先端に位置し、前記ベースは、熱分散板(200)に熱的に結合されている、請求項1に記載のプラガブルモジュール(106)。
【請求項8】
前記熱伝達フィン(170)の下に広がる熱分散板(200)をさらに備え、前記熱分散板は、前記通信回路基板(102)上の通信構成要素(206)に熱的に結合するように構成されている、請求項1に記載のプラガブルモジュール(106)。
【請求項9】
前記熱分散板(200)は、前記プラガブル本体(130)に受け取られた金属薄板である、請求項8に記載のプラガブルモジュール(106)。
【請求項10】
前記熱分散板(200)は、前記プラガブル本体(130)内に受け取られた熱伝導性のエラストマパッドである、請求項8に記載のプラガブルモジュール(106)。
【請求項11】
前記プラガブル本体(130)は、前記チャネル壁(160、162)の下に側壁(152、156)を含み、前記通信回路基板(102)は、前記側壁間に位置付けられ、前記プラガブルモジュールは、前記側壁間で前記熱伝達フィン(170)の下に熱分散板(200)をさらに備えている、請求項1に記載のプラガブルモジュール(106)。
【請求項12】
前記熱分散板(200)は、前記チャネル壁(160、162)、前記熱伝達フィン(170)、および前記ランディングカバー(180)の前記一体化された単体構造の一部である、請求項11に記載のプラガブルモジュール(106)。
【請求項13】
前記プラガブル本体(130)は、前記チャネル壁(160、162)の下に側壁(152、156)を含み、前記通信回路基板(102)は、前記側壁間に位置付けられ、前記側壁は、前記チャネル壁、前記熱伝達フィン(170)、および前記ランディングカバー(180)の前記一体化された単体構造の一部である、請求項1に記載のプラガブルモジュール(106)。
【請求項14】
前記ランディングカバー(180)は、前記熱伝達フィン(170)の長手方向の長さ全体に及んでいる、請求項1に記載のプラガブルモジュール(106)。
【請求項15】
前記ランディングカバー(180)は、前端(188)と後端(190)との間に延び、前記熱伝達フィン(170)は、前記ランディングカバーの前記前端まで延び、前記熱伝達フィンは、前記熱伝達フィンの一部が前記ランディングカバーから露出されるように、前記ランディングカバーの前記後端を越えて後方へ延びている、請求項1に記載のプラガブルモジュール(106)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の主題は、一般に、効率的な冷却能力を有するプラガブルモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
少なくともいくつかの知られている通信システムは、入出力(I/O)コネクタアセンブリなどのレセプタクルアセンブリを含み、レセプタクルアセンブリは、プラガブルモジュールを受け取り、プラガブルモジュールとレセプタクルアセンブリの電気通信コネクタとの間の通信接続を確立するように構成される。一例として、知られているレセプタクルアセンブリは、回路基板に取り付けられたケージ部材を含み、ケージ部材は、ケージ部材の細長い空洞内にプラガブルトランシーバを受け取るように構成される。プラガブルモジュールおよび電気コネクタは、互いに係合して通信接続を確立するそれぞれの電気コンタクトを有する。
【0003】
通信システムの構成要素の電気シールドは、典型的には、プラガブルモジュールを受け取るモジュール空洞の周りにシールドを提供するレセプタクルハウジングまたはケージを使用して実現される。開口内には、プラガブルモジュールとのインターフェース接続のためにガスケットが設けられる。しかし、通信システムによるデータ速度が増大するにつれて、これらの構成要素によって生成される熱も同様に増大している。これらの構成要素からの熱放散は問題である。いくつかの知られている通信システムは、プラガブルモジュール、通信コネクタ、またはシステムの他の構成要素に対する冷却を提供するために、プラガブルモジュールに沿って空気流チャネルを提供する。しかし、空気流チャネルは、大きい開口を画定し、これはEMI抑制にとって問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、十分なEMI抑制を有しながら効率的な冷却を提供するレセプタクルアセンブリおよびプラガブルモジュールを有する通信システムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、前端と嵌合端との間に延びるプラガブル本体を含むプラガブルモジュールが提供され、嵌合端は、通信コネクタと嵌合するように、レセプタクルアセンブリのモジュール空洞内に受け取り可能である。プラガブル本体は、プラガブル本体の頂部に冷却チャネルを画定するチャネル壁を有し、冷却チャネルは、前端と嵌合端との間の空気流を可能にする。プラガブル本体は、冷却チャネル内でチャネル壁間に位置する複数の熱伝達フィンと、熱伝達フィンの上でチャネル壁間に広がるランディングカバーとを有する。チャネル壁、熱伝達フィン、およびランディングカバーは、一体化された単体構造である。プラガブル本体内には、通信回路基板が保持され、嵌合端で露出されている。プラガブル本体は、通信回路基板がレセプタクルアセンブリの通信コネクタに通信可能に結合されるように、レセプタクルアセンブリ内へ差し込まれるように構成されている。
【0006】
本発明について、添付の図面を参照して例として次に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態による通信システムの正面斜視図である。
図2】例示的な実施形態による通信システムのプラガブルモジュールの正面斜視図である。
図3】例示的な実施形態によるプラガブルモジュールの背面斜視図である。
図4】例示的な実施形態によるプラガブルモジュールのプラガブル本体の上部シェルの上面斜視図である。
図5】例示的な実施形態による上部シェルの底面斜視図である。
図6】例示的な実施形態による上部シェルの断面図である。
図7】例示的な実施形態による上部シェルの断面図である。
図8】例示的な実施形態による上部シェルの一部分の上面斜視図である。
図9】例示的な実施形態による上部シェルの底面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、一実施形態による通信システム100の正面斜視図である。通信システム100は、回路基板102と、回路基板102に取り付けられたレセプタクルアセンブリ104と、レセプタクルアセンブリ104内に受け取られるように構成されたプラガブルモジュール106とを含む。回路基板102は、ドーターカードまたはマザーボードとすることができ、回路基板102を通って延びる導電性トレース(図示せず)を含むことができる。任意選択で、プラガブルモジュール106は、通信システム100の構成要素との間でデータ信号を送受信するように、通信コネクタなどのレセプタクルアセンブリ104に通信可能に結合することができる。
【0009】
通信システム100は、電気通信システムもしくはデバイスの一部とすることができ、またはそれらととともに使用することができる。たとえば、通信システム100は、スイッチ、ルータ、サーバ、ハブ、ネットワークインターフェースカード、もしくは記憶システムの一部とすることができ、またはそれらを含むことができる。図示の実施形態では、プラガブルモジュール106は、データ信号を電気信号の形で伝送するように構成される。他の実施形態では、プラガブルモジュール106は、データ信号を光信号の形で伝送するように構成することができる。回路基板102は、ドーターカードまたはマザーボードとすることができ、回路基板102を通って延びる導電性トレース(図示せず)を含むことができる。
【0010】
図示の実施形態では、レセプタクルアセンブリ104は、単一のプラガブルモジュール106を受け取るように構成された単一ポートレセプタクルアセンブリとして示されている。しかし、他の実施形態では、レセプタクルアセンブリ104は、複数のポート内に複数のプラガブルモジュール106を受け取るように構成された多ポートレセプタクルアセンブリとすることができる。たとえば、レセプタクルアセンブリ104の複数のポートは、隣り合わせにつなぎ合わせることができ、かつ/またはつなぎ合わせたポートに加えて、もしくはその代替として、積み重ねることができる。
【0011】
プラガブルモジュール106は、レセプタクルアセンブリ104内へ挿入されかつレセプタクルアセンブリ104から取り外されるように構成された入出力(I/O)モジュールである。たとえば、プラガブルモジュール106は、スモールフォームファクタ(SFF)-8431などのSFPまたはQSFPトランシーバに対して避けられない技術仕様を満たすような、スモールフォームファクタプラガブル(SFP)トランシーバまたはクワッドスモールフォームファクタプラガブル(QSFP)トランシーバとすることができる。例として、プラガブルモジュール106は、TE Connectivityから入手可能なSFP+製品ファミリの一部であるトランシーバの代わりに使用することができる。
【0012】
レセプタクルアセンブリ104は、回路基板102に取り付けられたケージ部材108を含む。ケージ部材108は、システムまたはデバイスの外枠のベゼルまたはパネル109に、パネル109内の開口を通るなどして配置することができる。したがって、ケージ部材108は、デバイスおよび対応するパネル109の内部にあり、プラガブルモジュール106は、デバイスおよび対応するパネル109の外側または外部からケージ部材108内へ装入される。任意選択で、パネル109は、複数の開口を含むことができ、各開口は、対応するプラガブルモジュール106を受け取るように構成される。他の様々な実施形態では、パネル109内の開口は、多ポートレセプタクルアセンブリ104が使用されるときなどに、複数のプラガブルモジュール106を受け取るように寸法設定することができる。
【0013】
ケージ部材108は、前端110と、反対側の後端112とを含む。前端110は、パネル109に設けることができ、パネル109内の開口を通って延びることができる。「前部」、「後部」、「頂部」、または「底部」などの相対的または空間的な用語は、参照する要素を区別するためだけに使用されており、必ずしも通信システム100または通信システム100の周囲環境内の特定の位置または向きを必要とするものではない。たとえば、前端110は、より大きい電気通信システムの後部内に、または後部に面して位置することができる。多くの応用例では、前端110は、使用者がプラガブルモジュール106をレセプタクルアセンブリ104内へ挿入しているとき、使用者に視認可能である。プラガブルモジュール106は、プラガブルモジュール106がレセプタクルアセンブリ104内へ挿入されるとき、使用者にとってアクセス可能であり、使用者に視認可能である。
【0014】
ケージ部材108は、電磁干渉(EMI)などの干渉を抑制または阻止し、嵌合動作中にプラガブルモジュール106を案内するように構成される。この目的で、ケージ部材108は、プラガブルモジュール106を包囲するようにともに組み立てられた複数の部品を含む。たとえば、これらの部品は、ともにスナップ式に嵌めることができ、かつ/またはともに溶接することができる。ケージ部材108が回路基板102に取り付けられたとき、ケージ部材108は、回路基板102に電気的に結合され、特にケージ部材108を電気的に接地するために、回路基板102内の接地面(図示せず)に電気的に結合される。したがって、レセプタクルアセンブリ104は、通信システム100の電気性能に負の影響を与えうるEMIを低減させることができる。プラガブルモジュール106は、EMI抑制および/またはシールドなどのために、ケージ部材108と電気的に共有することができ、またはケージ部材108に接地することができる。
たとえば、プラガブルモジュール106は、ケージ部材108への開口で、EMIガスケットなどのケージ部材108の一部分に直接係合することができる。
【0015】
例示的な実施形態では、ケージ部材108は、レセプタクルハウジング114を含み、レセプタクルハウジング114は、1つまたは複数の部品から形成することができる複数のハウジングパネルまたは壁116によって画定される。様々な壁116は、他の構成要素の壁の中の開口を被覆または遮蔽することなどによって、他の構成要素の脆弱な領域に対するシールドを提供する。レセプタクルハウジング114は、前端110と後端112との間に延びる。壁116は、金属薄板および/または導電性粒子を有するポリマーなどの導電性材料から形成される。図示の実施形態では、これらの部品は、金属薄板から打抜き加工されて形成される。いくつかの実施形態では、ケージ部材108は、ケージ部材108を通る空気流がレセプタクルアセンブリ104および(複数の)プラガブルモジュール106から離れる方へ熱(または熱エネルギー)を伝達することを容易にするように構成される。
空気は、ケージ部材108の内側(たとえば、パネル109の背後)から外部環境(たとえば、パネル109の前方)へ、またはケージ部材108の外側からケージ部材108の内部へ流れることができる。ファンまたは他の空気を動かすデバイスを使用して、ケージ部材108を通って(複数の)プラガブルモジュール106に流れる空気流を増大させることができる。
【0016】
レセプタクルハウジング114は、前端110と後端112との間に延びるモジュール空洞120を画定する。モジュール空洞120は、プラガブルモジュール106を受け取る。モジュール空洞120は、プラガブルモジュール106の差し込み軸に対して平行な方向に長く延びる。多ポートレセプタクルアセンブリ104の場合、複数のプラガブルモジュール106を受け取るために、複数のモジュール空洞120またはポートが画定される。そのような実施形態では、モジュール空洞120は、垂直に積み重ねることができ、かつ/または水平につなぎ合わせることができる。モジュール空洞120間には、モジュール空洞120間のシールドを提供するために、分離パネルを設けることができる。
【0017】
レセプタクルアセンブリ104は、プラガブルモジュール106と嵌合するための嵌合インターフェース124を有する通信コネクタ122(図1に破線で示す)を含む。通信コネクタ122は、積み重ねたケージ部材内で使用されるときなどに、複数のプラガブルモジュール106と嵌合するように構成された複数の嵌合インターフェースを有することができる。通信コネクタ122は、モジュール空洞120の後端に配置される。例示的な実施形態では、通信コネクタ122は、ケージ部材108の後端112またはその付近に設けられる。通信コネクタ122は、プラガブルモジュール106と嵌合するように構成された電気コンタクト(図示せず)を含む。通信コネクタ122は、回路基板102に取り付けられるように構成される。通信コネクタ122は、ケージ部材108の底部126を通ってケージ部材108内に受け取られるように構成される。
たとえば、ケージ部材108は、ケージ部材108が回路基板102に取り付けられるときに通信コネクタ122が底部126内の開口を通過するように、通信コネクタ122を覆って回路基板102に取り付けられるように構成されている。
【0018】
例示的な実施形態では、レセプタクルアセンブリ104は、レセプタクルハウジング114の前端110にEMIガスケット128を含む。EMIガスケット128は、レセプタクルアセンブリ104を受け取るパネル109内の開口内などで、パネル109にインターフェース接続する。EMIガスケット128は、1つまたは複数の別個の部品とすることができ、これらの部品は、レセプタクルハウジング114へのクリップ留め、レセプタクルハウジング114への溶接、またはレセプタクルハウジング114に固定する他の方法などによって、レセプタクルハウジング114に取り付けることができる。他の様々な実施形態では、EMIガスケット128は、レセプタクルハウジング114に一体化することができ、たとえばレセプタクルハウジング114の壁116から打抜き加工および形成され、または壁116から延びる。EMIガスケット128は、プラガブルモジュール106に係合するように、モジュール空洞120内へ延びることができる。
【0019】
図2は、例示的な実施形態によるプラガブルモジュール106の正面斜視図である。図3は、例示的な実施形態によるプラガブルモジュール106の背面斜視図である。プラガブルモジュール106は、プラガブル本体130を有し、プラガブル本体130は、1つまたは複数のシェルによって画定することができる。たとえば、図示の実施形態では、プラガブル本体130は、上部シェル140および下部シェル142を含む。プラガブル本体130は、プラガブルモジュール106に対するEMIシールドを提供するためなどに、熱伝導性とすることができ、かつ/または導電性とすることができる。プラガブル本体130は、後端または嵌合端132と、反対側の前端134とを含む。嵌合端132は、モジュール空洞120(図1に示す)内へ挿入されて、通信コネクタ122(図1に示す)と嵌合するように構成される。
前端134は、典型的には、システム内の別の構成要素へ延びる1つまたは複数のケーブル136を有するケーブル端である。前端134は、レセプタクルアセンブリ104の外面からパネル109の前方へ露出される。
【0020】
プラガブル本体130は、上部シェル140および下部シェル142によって画定される空洞144内など、プラガブル本体130内に保持された通信回路基板138を含む。通信回路基板138は、通信コネクタ122(図1に示す)に通信可能に結合するように構成される。通信回路基板138は、嵌合端132でアクセス可能とすることができ、または露出させることができる。ケーブル136は、たとえば直接、または通信回路基板138上のコネクタを介して、通信回路基板138に終端される。ケーブル136は、電気信号を伝送する銅ワイヤとすることができ、または光信号を伝送する光ファイバケーブルとすることができる。通信回路基板138は、ケーブル136と通信回路基板138の嵌合端との間で信号を伝送するように通信回路基板138に接続された通信構成要素(図示せず)を有する。
たとえば、通信回路基板138は、通信回路基板138に関連する導体、トレース、パッド、電子機器、光モジュール、センサ、コントローラ、スイッチ、入力、出力などを有することができ、これらを通信回路基板138に取り付けて、回路を形成し、プラガブルモジュール106の動作を制御することができる。
【0021】
プラガブルモジュール106は、プラガブル本体130の外面を画定する外周部を含む。外面は、プラガブルモジュール106の嵌合端132と前端134との間に延びる。外面は、プラガブル本体130の1つまたは複数の表面によって画定される。たとえば、外面は、プラガブル本体130の頂部145と、底部146と、対向する第1の側面147および第2の側面148とによって画定することができる。
【0022】
例示的な実施形態では、プラガブル本体130は、通信回路基板138上の電子構成要素など、通信回路基板138に対して、熱伝達を提供する。たとえば、通信回路基板138は、プラガブル本体130と熱的に連通しており、プラガブル本体130は、通信回路基板138からの熱を伝達する。
【0023】
上部シェル140および下部シェル142は、プラガブル本体130を形成するようにともに結合される。上部シェル140は、上壁150および上部側壁152を有し、下部シェル142は、下壁154および下部側壁156を有する。下壁154、上壁150、下部側壁156、および上部側壁152は、空洞144を形成する。側壁152、156は、プラガブル本体130を形成するようにともに結合することができる。たとえば、側壁152、156は、外面の周りの継ぎ目158で合わせることができる。側壁152、156は、継ぎ目158が頂部145と底部146との間のほぼ中央に位置するように、同様の高さを有することができる。例示的な実施形態では、上部シェル140および下部シェル142は、これらの部分を鋳造するためにダイまたは工具を使用して金属材料から製造されたダイカスト構成要素である。
しかし、代替実施形態では、シェル140、142は、成形、圧延、機械加工、押出し加工、打抜き加工、形成などの他のプロセスによって製造することができる。
【0024】
図4は、例示的な実施形態による上部シェル140を示すプラガブル本体130の一部分の上面斜視図である。図5は、例示的な実施形態による上部シェル140を示すプラガブル本体130の一部分の底面斜視図である。例示的な実施形態では、上部シェル140は、一体化された単体構造である。たとえば、上述したように、上部シェル140は、ダイカスト構造とすることができ、当該構造では、これらの部分、壁、および機構は、互いに一体化されて、単体の一体型の物体を形成する。したがって、これらの部分、壁、および機構は、サーマルインターフェースをそれらの間に含まず、むしろ上部シェル140の一体構造全体を利用して、通信構成要素からの熱を放散することができ、アセンブリを必要としない。
【0025】
上壁150は、上部シェル140の頂部145に冷却チャネル164を画定するチャネル壁160、162を両側に有する。冷却チャネル164は、前端134と嵌合端132との間の空気流を可能にする。この空気流を使用して、上部シェル140、通信回路基板138の通信構成要素などのプラガブル本体130内に保持される構成要素を冷却することができ、および/またはシステム100内の通信コネクタ122もしくは他の構成要素などの他の構成要素を冷却することができる。空気は、冷却チャネル164内で前から後ろまたは後ろから前へ流れることができる。
【0026】
チャネル壁160、162は、平面とすることができ、互いに対して平行にすることができる。チャネル壁160、162は、上部シェル140の側壁152上で位置調整してもよいし、側壁152の連続する延長としてもよい。図示の実施形態と同様に、チャネル壁160、162は、前端134と嵌合端132との間で、実質上長さ全体など、任意の長さだけ延びることができる。チャネル壁160、162は、モジュール空洞120内へのプラガブルモジュール106の装入を案内するための導入面を画定する傾斜端を有することができる。
【0027】
例示的な実施形態では、チャネル壁160、162は、冷却チャネル164がチャネル壁160、162間の上部シェル140の幅全体に及ぶように、上部シェル140の両側に設けられる。冷却チャネル164は、プラガブルモジュール106を通る空気流を可能にするために、前端134付近(たとえば、チャネル壁160、162間)および嵌合端132付近(たとえば、チャネル壁160、162間)で開いている。他の様々な実施形態では、チャネル壁160、162は、他の場所に位置することができる。
【0028】
上壁150は、上壁150の少なくとも一部分に沿って複数の熱伝達フィン170を含む。熱伝達フィン170は、チャネル壁160、162間で位置付けられ、任意選択で、前端134と嵌合端132との間で長手方向に、チャネル壁160、162に対して平行に延びる。任意選択で、チャネル壁160、162は、熱伝達フィン170に比べてより厚いか、より高いかのうちの少なくとも一方である。熱伝達フィン170は、冷却チャネル164を冷却サブチャネルに細分する。熱伝達フィン170は、プラガブル本体130の内部から、したがって通信回路基板138および関連する構成要素から離れる方へ、熱を伝達する。熱伝達フィン170は、間隙172によって分離されており、間隙172は、熱伝達フィン170の表面に沿って流れる空気流または他の冷却流が、そこから熱を放散することを可能にする。
熱伝達フィン170は、ベース174から先端175まで延びる。図示の実施形態では、ベース174は露出され、先端175は覆われている。しかし、代替実施形態では、ベース174の少なくとも一部を覆うことができ、かつ/または代替実施形態では、先端175の少なくとも一部を露出させることができる。
【0029】
図示の実施形態では、熱伝達フィン170は、長く延びる平行な板である。しかし、代替実施形態では、熱伝達フィン170は、円筒形または他の形状のポストなどの他の形状を有することができる。例示的な実施形態では、熱伝達フィン170は、前端176と後端178との間に延び、前端176および後端178は、それぞれ前端134および嵌合端132から奥まった位置にあってもよい。任意選択で、チャネル壁160、162は、熱伝達フィン170より長くすることができる。任意選択で、冷却チャネル164は、上部シェル140の内部への空気流を可能にし、かつ/または製造中に成形ダイを使用して熱伝達フィン170を形成するなどのために、熱伝達フィン170の下で開口していてもよい。
【0030】
上壁150は、熱伝達フィン170の上でチャネル壁160、162にまたがるランディングカバー180を含む。ランディングカバー180は、冷却チャネル164に対する蓋を提供する。ランディングカバー180は、熱伝達フィン170の先端175に沿って延びる。例示的な実施形態では、ランディングカバー180は、パネル109(図1に示す)などに、冷却チャネル164によってEMIシールドを提供する。たとえば、ランディングカバー180は、プラガブルモジュール106がレセプタクルのケージ108に出入りするEMIガスケット128(図1に示す)のEMIばね梁に係合することができる。熱伝達フィン170間に画定され、ランディングカバー180によって覆われる間隙172の領域は、EMI抑制に対して適当に寸法設定することができる。
【0031】
例示的な実施形態では、ランディングカバー180は、上部シェル140の一体化された単体構造の一部である。たとえば、ランディングカバー180は、熱伝達フィン170、チャネル壁160、162、ならびに上壁150の他の部分と一体的である。一体化された単体構造には、熱伝達フィン170とランディングカバー180との間およびチャネル壁160、162とランディングカバー180との間に別個のサーマルインターフェースがない。この構造は、本質的に異なるサーマルインターフェースなしで、ランディングカバー180と熱伝達フィン170とチャネル壁160、162との間で推移する。一体化されることで、ランディングカバー180は、上部シェル140の他の部分と電気的に共有される。熱伝達フィン170に一体化されたランディングカバー180を使用するとき、組み立てに必要とされる構成要素がより少なくなる。
熱伝達フィン170の上にランディングカバー180を設けることで、EMIガスケットおよび/またはレセプタクルアセンブリ104のヒートシンクなどの他の構成要素にインターフェース接続するための平坦な表面が提供される。
【0032】
ランディングカバー180は、チャネル壁160、162の対向する側面184と側面186との間および対向する前端188と後端190との間に延びる。ランディングカバー180は、頂部192および底部194を有する。例示的な実施形態では、頂部192は、平坦かつ平面であり、プラガブルモジュール130の頂部145を画定する。底部194は、冷却チャネル164に面する。
【0033】
例示的な実施形態では、ランディングカバー180は、前端188近傍などで頂部192にガスケットインターフェース196を画定する平面のランディング面を含む。ガスケットインターフェース196は、レセプタクルアセンブリ104のEMIガスケット128のガスケットばねフィンガに係合するように構成される。ガスケットインターフェース196は、頂部192に設けられる。ガスケットインターフェース196は、略平面とすることができ、側面184、186間に延びることができる。任意選択で、ガスケットインターフェース196は、EMIガスケット128にインターフェース接続する出っ張りまたは突起を含むことができる。任意選択で、ランディングカバー180は、レセプタクルアセンブリ104のヒートシンクのサーマルインターフェースに係合するヒートシンクインターフェースを含むことができる。たとえば、頂部192は、ヒートシンクインターフェースを画定することができる。
【0034】
例示的な実施形態では、ランディングカバー180は、冷却チャネル164にわたって電気シールドを提供するように、チャネル壁160、162間で冷却チャネル164全体に広がる。間隙172は、冷却チャネル164を通る空気流を可能にし、熱伝達フィン170およびランディングカバー180は、EMIを阻止する。間隙172は、EMIを阻止しながら、上部シェル140を通る大きい空気流を可能にするように寸法設定される。
【0035】
図6は、例示的な実施形態によるプラガブル本体130の上部シェル140の断面図である。図6は、上部シェル140の熱分散板200を示す。図示の実施形態では、熱分散板200は、側壁152間に位置付けられた上部シェル140から分離された別個の構成要素である。熱分散板200は、接着、溶接、機械式締結具、干渉嵌め、または他の手段などを使用して、空洞144内に固定することができる。他の様々な実施形態では、熱分散板200は、上部シェル140の一体化された単体構造の一部である。たとえば、熱分散板200は、側壁152および熱伝達フィン170に一体化することができる。
【0036】
熱分散板200は、上面202および下面204を含む。上面202は、冷却チャネル164の下に位置付けられる。熱伝達フィン170は、熱分散板200が熱伝達フィン170に熱的に結合されるように、上面202に係合する。熱伝達フィン170は、ランディングカバー180と熱分散板200との間に延びる。熱伝達フィン170は、ランディングカバー180と一体的であり、熱伝達フィン170のベース174は、熱分散板200に直接係合するように構成される。下面204は、通信構成要素206(破線で示す)に係合するように構成される。熱分散板200は、通信構成要素206から、熱伝達フィン170内など上部シェル140内へ、熱を放散する。
【0037】
図示の実施形態では、熱分散板200は、熱伝導性のエラストマパッドである。熱分散板200は、圧縮性とすることができる。熱分散板200は、高い熱伝導率を有する材料から製造される。
【0038】
図7は、例示的な実施形態によるプラガブル本体130の上部シェル140の断面図である。図7は、上部シェル140内における熱分散板200を示す。図示の実施形態では、熱分散板200は、上壁150の底部に配置された金属薄板である。金属薄板は、熱伝達フィン170に直接係合する。熱伝達フィン170は、熱分散板200とランディングカバー180との間に位置する。金属薄板は、図6に示すエラストマパッドより薄く、熱伝達フィン170をより長くすることを可能にして、冷却チャネル164を通る空気流の量を増大させ、かつ/または空洞144内に、より高い通信構成要素を受け入れる。
【0039】
図8は、例示的な実施形態による上部シェル140を示すプラガブル本体130の一部分の上面斜視図である。図9は、例示的な実施形態による上部シェル140を示すプラガブル本体130の一部分の底面斜視図である。図示の実施形態では、上部シェル140は、上壁150の一体化された単体構造の一部として、熱分散板200を含む。熱分散板200は、側壁152、熱伝達フィン170、およびランディングカバー180と一体的である。図示の実施形態では、ランディングカバー180は、ガスケットインターフェース196のみを含むなど、他の図示の実施形態より短い。
【0040】
上壁150は、冷却チャネル164を画定するチャネル壁160、162を有する。ランディングカバー180は、冷却チャネル164の上に設けられ、熱分散板200は、冷却チャネル164の下に設けられる。例示的な実施形態では、熱伝達フィン170の一部は露出される。たとえば、熱伝達フィン170の後端178は露出される。ランディングカバー180は、前端176および熱伝達フィン170の対応する部分のみを覆う。上壁150は、熱伝達フィン170の後端178の上で開口している。
【0041】
例示的な実施形態では、熱分散板200は、ランディングカバー180の下で開口している。たとえば、ランディングカバー180は、熱分散板200の上に延びず、むしろ熱分散板200は、ランディングカバー180の後端190で終わり、熱伝達フィン170は、ランディングカバー180の下で熱分散板200の前方へ延びる。任意選択で、そのような配置は、プラガブルモジュール106の内部への空気流を増大させることができる。熱分散板200およびランディングカバー180のそのような配置は、適宜上下からダイを使用して熱伝達フィン170を形成するなど、上部シェル140のダイカストを可能にすることができる。
【0042】
例示的な実施形態では、熱分散板200の下面204は、略平面であり、通信構成要素206に熱的に結合するように構成される。側壁152は、熱分散板200の下に延びて、プラガブルモジュール106の空洞144を形成する。任意選択で、通信構成要素206と熱分散板200との間に、中間の熱的構成要素を設けることができる。たとえば、熱分散板200の下で、空洞144内において熱伝導性のエラストマパッドが受け取られてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9