(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】紙葉類処理装置
(51)【国際特許分類】
G07D 7/06 20060101AFI20220117BHJP
G07D 7/04 20160101ALI20220117BHJP
G07D 7/12 20160101ALI20220117BHJP
G07D 7/20 20160101ALI20220117BHJP
【FI】
G07D7/06
G07D7/04
G07D7/12
G07D7/20
(21)【出願番号】P 2018177595
(22)【出願日】2018-09-21
【審査請求日】2020-12-10
(73)【特許権者】
【識別番号】504373093
【氏名又は名称】日立チャネルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】金 恒志
(72)【発明者】
【氏名】府内 克好
【審査官】木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-045871(JP,A)
【文献】特開2016-177730(JP,A)
【文献】特開2017-016203(JP,A)
【文献】特開2016-177330(JP,A)
【文献】特開2017-045310(JP,A)
【文献】特開2017-004154(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 1/00-13/00
G07F 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層された紙幣を一枚ずつ分離し取り込む取込部と、
前記取込部から取り込まれた前記紙幣を識別して複数種類の紙幣画像と識別結果を取得する識別部と、
前記識別部で識別された正常紙幣を収納するための正常紙幣収納部と、
前記識別部で識別されたリジェクト紙幣を収納するリジェクト紙幣収納部と、
前記紙幣の情報を表示する表示部と、
前記識別部で識別された紙幣を振り分けて前記正常紙幣収納部と前記リジェクト紙幣収納部にそれぞれ搬送する制御部と、を有し、
前記制御部は、
少なくとも前記リジェクト紙幣収納部における複数種類の前記紙幣画像と前記識別結果とを関連付けて前記表示部に一覧表示させ、
前記複数種類の前記紙幣画像と前記識別結果とが一覧表示された画面において、複数種類の前記紙幣画像の中から所定の画像種別を選択することにより前記画像種別ごとに前記紙幣画像を切り替えて表示
し、
前記表示部は、前記識別部で識別された前記リジェクト紙幣のリジェクト要因または金種を設定する設定ボタンを更に表示し、
前記制御部は、
前記設定ボタンの押下に応答して、前記リジェクト紙幣収納部における複数種類の前記紙幣画像と前記識別結果とを関連付けて前記表示部に一覧表示させる画面を、設定した前記リジェクト要因または前記金種に対応する前記紙幣画像と前記識別結果とを関連付けて前記表示部に表示する画面に切り替え、
前記設定ボタンは、
前記リジェクト要因として、可視画像の異常、赤外線画像の異常、紫外線画像の異常、透過画像の異常及び磁気分布画像の異常を含むリジェクト要因または前記金種のいずれか一つ、或いは前記リジェクト要因または前記金種を組み合わせた二つ以上を選択可能に構成されていることを特徴とする紙葉類処理装置。
【請求項2】
前記識別部は、
複数種類の前記紙幣画像として、可視画像、赤外線画像、紫外線画像、透過画像及び磁気分布画像を取得し、
前記制御部は、
前記可視画像、前記赤外線画像、前記紫外線画像、前記透過画像及び前記磁気分布画像の中から前記所定の画像種別を選択することにより前記画像種別ごとに切り替えて表示することを特徴とする請求項1に記載の紙葉類処理装置。
【請求項3】
前記表示部は、
前記紙幣画像の前記画像種別を変更するための複数の画像種別選択ボタンを表示し、
前記制御部は、
複数の前記画像種別選択ボタンの内の所定の画像種別選択ボタンの押下に応答して、複数種類の前記紙幣画像の中から前記所定の画像種別選択ボタンに対応した前記画像種別の紙幣画像を表示することを特徴とする請求項1に記載の紙葉類処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記紙幣画像に並列してサンプル紙幣画像を表示し、
前記紙幣画像のコントラストを調整可能であり、
前記設定ボタンは、一画面に表示する紙幣枚数を設定可能な機能を有し、前記一画面に表示する紙幣枚数を任意に設定でき、
全ての前記紙幣画像を前記一画面に表示できない場合は、画面スクロールすることで枠外の紙幣を閲覧可能に構成されていることを特徴とする請求項
1に記載の紙葉類処理装置。
【請求項5】
前記紙幣の情報を記憶する記憶部を更に有し、
前記表示部は、
ブラックリスト登録ボタンを更に表示し、
前記制御部は、
前記ブラックリスト登録ボタンの押下に応答して、前記識別結果を前記記憶部に格納し、
前記紙幣を搬送する際に、前記記憶部に格納された前記識別結果を参照して、ブラックリスト紙幣として前記紙幣を振り分けることを特徴とする請求項1に記載の紙葉類処理装置。
【請求項6】
積層された紙幣を一枚ずつ分離し取り込む取込部と、
前記取込部から取り込まれた前記紙幣を識別して複数種類の紙幣画像と識別結果を取得する識別部と、
前記識別部で識別された正常紙幣を収納するための正常紙幣収納部と、
前記識別部で識別されたリジェクト紙幣を収納するリジェクト紙幣収納部と、
前記紙幣の情報を表示する表示部と、
前記識別部で識別された紙幣を振り分けて前記正常紙幣収納部と前記リジェクト紙幣収納部にそれぞれ搬送する制御部と、を有し、
前記制御部は、
少なくとも前記リジェクト紙幣収納部における複数種類の前記紙幣画像と前記識別結果とを関連付けて前記表示部に一覧表示させ、
前記複数種類の前記紙幣画像と前記識別結果とが一覧表示された画面において、複数種類の前記紙幣画像の中から所定の画像種別を選択することにより前記画像種別ごとに前記紙幣画像を切り替えて表示
し、
前記表示部は、
専用搬送モードを設定する専用搬送モードボタンを更に表示し、
前記制御部は、
前記専用搬送モードにおいて、前記識別部で識別された複数種類の前記リジェクト紙幣を、リジェクト要因別に設定した前記正常紙幣収納部及び前記リジェクト紙幣収納部に振り分けて再搬送することにより、複数種類の前記リジェクト紙幣の中から前記リジェクト要因に対応した前記リジェクト紙幣を特定し、
前記専用搬送モードボタンの押下に応答して、前記リジェクト紙幣収納部における複数種類の前記紙幣画像と前記識別結果とを関連付けて一覧表示させる画面を、前記専用搬送モードを実行するための画面に切り替え、
前記制御部は、
前記専用搬送モードにおいて、前記リジェクト要因として、可視画像の異常、赤外線画像の異常、紫外線画像の異常、透過画像の異常及び磁気分布画像の異常を含むいずれかを設定することを特徴とする紙葉類処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記専用搬送モードを実行するための画面上で前記リジェクト要因別に設定した前記正常紙幣収納部又は前記リジェクト紙幣収納部を選択することにより、前記専用搬送モードを実行するための画面を、前記リジェクト紙幣の前記リジェクト要因に対応する前記紙幣画像と前記識別結果とを関連付けて表示する画面に切り替えることを特徴とする請求項
6に記載の紙葉類処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙葉類処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
紙幣還流のための現金精査を行う装置として、紙葉類処理装置が用いられている。紙葉類処理装置を用いて行われる現金精査処理としては、枚数確認のための計数処理、偽券を検出し仕分けるための真偽判定処理、正券と損券とを仕分けるための正損分離処理、紙幣を纏まった枚数に束ね管理するための帯封処理等がある。
【0003】
特に、真偽判定処理において、偽券は真券に見えるように偽装されるものである。このため、紙葉類処理装置によって偽券と判断された疑わしき紙幣である疑券に対しての真偽の最終的な判断には、オペレータの手作業を伴う確認が必要である。このため、オペレータによる現金精査には、所定の作業負荷及び作業時間が必要となる。
【0004】
オペレータによる現金精査を容易にするために、特許文献1では、紙葉類処理装置に取り込んだ紙幣の複数種類の画像を画面上に表示してオペレータに確認させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2014-178948号公報(特許第6175255号)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、紙葉類処理装置によって偽券と判定され排除された紙幣であるリジェクト券が多数発生した場合、画面上で紙幣1枚1枚の画像を切り替えて確認する必要がある。このため、リジェクト券の確認作業に時間を要し作業効率が低下する。
【0007】
本発明の目的は、紙葉類処理装置において、リジェクト券の確認作業を効率的に行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様の紙葉類処理装置は、積層された紙幣を一枚ずつ分離し取り込む取込部と、前記取込部から取り込まれた前記紙幣を識別して複数種類の紙幣画像と識別結果を取得する識別部と、前記識別部で識別された正常紙幣を収納するための正常紙幣収納部と、前記識別部で識別されたリジェクト紙幣を収納するリジェクト紙幣収納部と、前記紙幣の情報を表示する表示部と、前記識別部で識別された紙幣を振り分けて前記正常紙幣収納部と前記リジェクト紙幣収納部にそれぞれ搬送する制御部とを有し、前記制御部は、少なくとも前記リジェクト紙幣収納部における複数種類の前記紙幣画像と前記識別結果とを関連付けて前記表示部に一覧表示させ、前記複数種類の前記紙幣画像と前記識別結果とが一覧表示された画面において、複数種類の前記紙幣画像の中から所定の画像種別を選択することにより前記画像種別ごとに前記紙幣画像を切り替えて表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、紙葉類処理装置において、リジェクト券の確認作業を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施例1の紙葉類処理装置の制御ブロック図である。
【
図4】紙幣一覧表示画面(可視、9枚)を示す図である。
【
図5】紙幣一覧表示画面(可視、16枚)を示す図である。
【
図6】紙幣一覧表示画面(詳細表示)を示す図である。
【
図10】紙幣一覧表示画面(磁気)を示す図である。
【
図11】紙幣一覧表示画面(金種別)を示す図である。
【
図12】紙幣一覧表示画面(要因別)を示す図である。
【
図13】紙幣詳細表示画面(可視・表)を示す図である。
【
図14】紙幣詳細表示画面(UV)を示す図である。
【
図15】紙幣詳細表示画面(可視・裏を示す図である。)
【
図16】実施例2の専用搬送モード準備画面(ガイダンス)を示す図である。
【
図17】専用搬送モード準備画面(収納部設定)を示す図である。
【
図18】専用搬送モード搬送結果(説明画面1)を示す図である。
【
図19】専用搬送モード搬送結果(説明画面2)を示す図である。
【
図20】専用搬送モード搬送結果(P1/一覧表示画面)を示す図である。
【
図21】専用搬送モード搬送結果(P1/詳細表示画面)を示す図である。
【
図22】専用搬送モード搬送結果(説明画面3)を示す図である。
【
図23】専用搬送モード搬送結果(説明画面4)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を用いて実施例について説明する。
【実施例1】
【0012】
まず、
図1を参照して、実施例1の紙葉類処理装置の制御について説明する。
紙葉類処理装置200(
図2参照)は、装置内の各部を制御する主制御部100、主制御部100の動作プログラム等を記録したROM110、主制御部100が各部を制御する制御データを読み書き可能に記録するRAM120、オペレータの入力操作を受け付け画像情報及び識別結果等を表示する表示操作部130、外部機器と情報の送受信を行う通信部140、紙幣の画像情報及び通貨種別(国)、金種、新旧(版数)の情報および損券又は偽券と判定する原因となった判定情報を含む識別結果を取得する識別部150及び識別部150で取得した画像情報及び識別結果を格納する記憶部160を備える。
【0013】
識別部150は、取り込んだ紙幣の画像情報及び識別結果を主制御部100に出力する。主制御部100は、取り込んだ紙幣ごとに画像情報及び識別結果を紐付けして記憶部160に格納すると共に、識別部150から受け取った画像情報、識別結果に基づき搬送先を紙幣ごとに決定し、紙幣が所定の収納部180へ搬送されるよう振分ゲート170を制御する。
【0014】
次に、
図2を参照して、紙葉類処理装置200の物理的構成と紙幣搬送時の動作について説明する。
紙葉類処理装置200は、積層された紙幣を一枚ずつ分離し取り込む取込部210と、取込部210から取り込まれた紙幣の画像情報及び識別結果を取得する識別部150と、識別部150にて取得した画像情報及び識別結果を元に収納部181~186いずれかへの搬送が決定した紙幣を収納部181~186いずれかへ搬送するための振分ゲート170と、搬送されてきた紙幣を収納する収納部181~186とを有する。
【0015】
紙葉類処理装置200は、主制御部100からの入力信号により図示しない駆動源の動作を開始し、取り込みローラ211を回転させ、取込部110上に積層された紙幣を一枚ずつ分離しながら紙葉類処理装置200の内部への取り込みを開始する。取り込んだ紙幣は、搬送路220に沿って搬送される。取込部210は開口しており、セットした紙幣の上に紙幣を積み増し可能な構造となっている。
【0016】
識別部150は、搬送路220上に設置される。識別部150は、その内部に構成される光源151、イメージセンサ152、枚数検出センサ153、磁気センサ154を動作することで、搬送されてきた紙幣の紙幣画像、枚数、磁気分布等の情報を取得することができる。光源151は、可視光の他に赤外光、紫外光を照射することができ、可視画像に加え赤外画像(IR画像)、紫外画像(UV画像)、そして可視光を照射側と反対側に透過させ撮像した透過画像を取得することができる。
【0017】
紙葉類処理装置200は、これらの画像情報から抽出した記番号、通貨種別(国)、金種、新旧(版数)、偽造防止技術が施された特徴部位の確からしさ等を判定情報として、予め設定された損券または偽券の判定閾値と比較することで紙幣の真偽判定と正損判定を行う。そして、紙葉類処理装置200は、上述した判定情報と真偽判定結果、正損判定結果とを含んだ情報を識別結果として、識別部150にて取得した画像情報と識別結果とを、搬送中の紙幣1枚ごとに紐付けた状態で記憶部160に格納する。
【0018】
紙葉類処理装置200は、識別部150を通過した紙幣の画像情報と識別結果とに基づき、搬送先を紙幣ごとに決定し、紙幣が所定の収納部181~186のいずれかへ搬送されるよう振分ゲート170を制御する。紙幣は、振分ゲート170の動作による所定の搬送路220に沿って、所定の収納部181~186のいずれかへ搬送される。収納部181~186は羽根車281~286を有しており、収納部181~186のいずれかへ搬送された紙幣は、羽根車281~286いずれかの一対の羽根に挟まれた状態となる。この状態で搬送された勢いで羽根車281~286のいずれかを時計回りに回転させ、底板381~384または側壁385~386付近まで移動する。
【0019】
紙幣は、底板381~384または側壁385~386付近で、羽根車281~286いずれかの回転の遠心力により挟まれた一対の羽根から分離することで、収納部181~186に投げ出される状態よりも整列した状態で底板381~384上または側壁385~386に沿って積層する。ここで、紙葉類処理装置200に真券または正券と判定された正常な紙幣は、収納部181~184のいずれかに搬送されるが、真偽判定または正損判定の結果偽券または損券と判定された紙幣は、識別部150にて識別した結果異常が検出された紙幣(識別リジェクト券)として、リジェクト収納部185(RJ1)に搬送される。
【0020】
また、2枚重なって搬送され正常な識別ができなかった、あるいは紙幣間距離が通常よりも詰まった状態で繰出される等の異常により振分ゲートの動作ができなかった場合は、搬送の異常により正常に識別ができなかった紙幣(搬送リジェクト券)として、リジェクト収納部186(RJ2)に搬送される。搬送リジェクトが発生した場合は、収納部186(RJ2)の紙幣を取込部210にセットし再度搬送することで、正常に真偽判定または正損判定を行うことができる。紙葉類処理装置200は、取込部210にセットされた紙幣が無くなるまで、以上の処理を繰り返す。
【0021】
最終的に、紙葉類処理装置200は、取込部210にセットされた全紙幣を所定の収納部へ搬送し、紙幣一枚ごとに画像情報と識別結果とが紐づいて記憶部160に格納された状態で搬送を終了する。搬送終了後、紙葉類処理装置200は取得した識別結果を表示操作部130に表示する。
【0022】
図3は、紙葉類処理装置200にて400枚の紙幣を搬送後に表示操作部130に表示された識別結果累計画面500である。
図3を用いて、識別結果累計画面500の画面構成について説明する。
【0023】
識別結果累計画面500は、紙葉類処理装置の側面概略
図501と、紙葉類処理装置200の駆動を開始するStartボタン502と、紙葉類処理装置200の駆動を停止するStopボタン503と、収納部181~186にそれぞれ収納された紙幣枚数を示す収納枚数表示511~516と、収納部181~184(P1~P4)に収納された紙幣の合計枚数を示す合計枚数表示504と、収納部181~184(P1~P4)に収納された紙幣の合計金額を示す合計金額表示505と、前記合計枚数表示504と合計金額表示505とを0にリセットするためのResetボタン506とで構成される。
【0024】
一例として、搬送された400枚の紙幣の内、352枚の紙幣が正常な紙幣として収納部181~184(P1~P4)に、48枚の紙幣が識別リジェクト券としてリジェクト収納部185(RJ1)に搬送されたことを示す。
【0025】
収納部181~186に収納可能な枚数はオペレータが設定できる。収納部181~186の収納可能枚数を各100枚に設定しており、搬送が始まると収納部181(P1)から順に収納されていき、収納部181(P1)に100枚収納後、搬送先が収納部182(P2)に切り替わり、収納部182(P2)に100枚収納後、搬送先が収納部183(P3)に切り替わる。このようにして、搬送先が順次切り替わっていく。
【0026】
紙葉類処理装置200は、収納部181~184(P1~P4)が全て収納可能枚数に達する、もしくはリジェクト収納部185(RJ1)、186(RJ2)のどちらかが収納可能枚数に達すると繰出しを止め、収納部181~184(P1~P4)から紙幣を抜き取るまで紙幣を取り込まなくなる。逆に、収納部181~184(P1~P4)のいずれかが収納可能枚数に達すると紙幣を抜き取り、収納部181~184(P1~P4)のいずれかに収納余地のある状態を保つことで、繰出しを止めずに連続して搬送を行うことができる。これにより、一度に大量の紙幣を処理することが可能である。
【0027】
Resetボタン506は、収納部181~186が空の状態且つ取込部210に紙幣がない状態で選択可能となる。Resetボタン506を選択すると、合計枚数表示504と合計金額表示505とがリセットされる。搬送後、リセットボタン506を選択せずに取込部210に紙幣をセットし、Startボタン502を選択すると、合計枚数表示504と合計金額表示505に加算して搬送を行うことができる。また、搬送中にStopボタン503を選択すると繰出しを止め、搬送を中断することができる。この後、再度Startボタン502を選択すると搬送を再開する。
【0028】
収納部181~186(P1~P4、RJ1~2)の各収納部に搬送された紙幣1枚ごとの紙幣画像および識別結果を確認したい場合、収納枚数表示511~516のいずれかを選択することで、収納枚数表示511~516のいずれかに対応した収納部181~186に搬送された紙幣1枚ごとの紙幣画像と識別結果とを確認可能な紙幣一覧表示画面520に切り替わる。識別結果累計画面500にて収納枚数表示515を選択し、収納部185(RJ1)に収納された紙幣を一覧表示した紙幣一覧表示画面520(
図4)を例として説明する。
【0029】
紙幣一覧表示画面520は、紙幣画像531、収納部185(RJ1)に収納された順番を示す収納番号532、通貨種別(国)533、金種534、新旧(版数)535、リジェクト要因536、記番号537が、収納された紙幣1枚ごとに紐付いた状態で表示操作部130に表示される。紙幣一覧表示画面520は、選択中の収納部が強調表示される紙葉類処理装置概略
図521と、識別部150で取得した紙幣画像532の画像種別を変更するための画像種別選択ボタン522~526と、紙幣一覧表示画面520に表示された紙幣画像531と識別結果532~537をオペレータが確認しやすい表示設定に変更するための設定ボタン527と、前画面に戻るための戻るボタン528とで構成される。紙幣一覧表示画面520を下にスクロールする(表示操作部130に指で触れた状態で指を上に動かす)と、枠外にある10枚目以降の紙幣画像531と識別結果532~537とを確認することができる。
【0030】
図4にて図示するリジェクト要因は、UVは紫外特徴異常、IRは赤外特徴異常、Threadはセキュリティスレッド(偽造防止線)異常、Hologramはホログラム異常、Watermarkは透かし異常、Magは磁気異常をそれぞれ意味する。
【0031】
紙葉類処理装置概略
図521上で、収納部185(RJ1)以外のいずれかの収納部を選択すると、選択した収納部内に収納された紙幣画像529と識別結果532~537とを一覧表示する画面へ切り替わる。戻るボタン528を選択すると、識別結果累計画面500(
図3)に戻る。
【0032】
設定ボタン527を選択すると、画面に一覧表示する枚数を設定できる。例えば、
図4に示す紙幣一覧表示画面520は一画面に9枚分の紙幣画像531と識別結果532~537とが表示された状態を示す。しかし、一画面に10枚分以上の紙幣画像531と識別結果532~537とを表示させたり、もしくは8枚分以下の紙幣画像531と識別結果532~537とを表示させたり、オペレータが確認しやすい表示枚数を設定できる。
【0033】
また、紙幣一覧表示画面520(
図4)では、識別部150で取得した可視画像、透過画像、IR画像、UV画像、磁気分布画像の中から任意の画像種別を選択して表示させることができる。
【0034】
図4は、可視画像ボタン522が選択され、画像種別として可視画像が表示されている紙幣一覧表示画面520である。可視画像では、可視光を紙幣に照射し照射側から撮像した紙幣画像を表示操作部130に表示することで、紙幣の破れやめくれ等の異常を表示操作部130の画面上で確認できる。
【0035】
図4の示す例では、スレッドのめくれ529、スレッドの一部欠損538、ホログラム異常539が、紙幣一覧表示画面520により目視確認可能である。このため、収納番号3、4、5の紙幣は、オペレータによる現物確認の必要なく異常を特定できる。
【0036】
図5は、設定ボタン527にて表示設定551を開き、表示枚数:4枚、表示枚数:9枚、表示枚数:16枚、詳細表示、の中から表示枚数:16枚を選択した場合の紙幣一覧表示(表示枚数:16枚)画面550である。表示設定551の枠外を選択すると、表示設定551が閉じる。一画面に表示する紙幣枚数は、オペレータの手入力により設定できるようにしても良い。
【0037】
図6は、表示設定551内で詳細表示を選択中の紙幣一覧表示(表示設定:詳細表示)画面560である。である。紙幣一覧表示(表示設定:詳細表示)画面560では、紙幣画像531は表示されず、識別結果532~537が列挙された状態で表示されるので、識別結果全体を把握しやすい。項目はそれぞれ、No.:収納番号532、Country:通貨種別(国)533、Denom.:金種534、Series:新旧(版数)535、RJ-Factor:リジェクト要因536、Serno:記番号537を表す。ここで、リジェクト要因として図示される「misc」は、「その他」(miscellaneous)を意味する。
【0038】
図7は、紙幣一覧表示画面520にてIR画像ボタン523が選択され、画像種別:IR画像が表示されている紙幣一覧表示画面(IR画像)580である。画像種別:IR画像では、赤外光を紙幣に照射し撮像した紙幣画像(IR画像)を表示操作部130に表示することで、赤外インクで描かれた模様の有無や赤外インクによる落書き等を表示操作部130の画面上で確認できる。収納番号2の紙幣は、通常あるはずの赤外インクで描かれた「100」の文字がなく、IR異常581が紙幣一覧表示画面(IR画像)580により目視確認可能である。このため、収納番号2の紙幣は、オペレータによる現物確認の必要なく異常を特定できる。
【0039】
図8は、紙幣一覧表示画面520にてUV画像ボタン524が選択され、画像種別:UV画像が表示されている紙幣一覧表示画面(UV画像)590である。画像種別:UV画像では、紫外光を紙幣に照射し撮像した紙幣画像(UV画像)を表示操作部130に表示することで、UVインクで描かれた模様の有無やUVインクによる落書き等を表示操作部130の画面上で確認できる。UV異常591およびUV異常592が紙幣一覧表示画面(UV画像)590により目視確認可能である。このため、収納番号1、8の紙幣は、オペレータによる現物確認の必要なく異常を特定できる。
【0040】
図9は、紙幣一覧表示画面520にて透過画像ボタン525が選択され、画像種別:透過画像が表示されている紙幣一覧表示画面(透過画像)600である。画像種別:透過画像では、可視光を照射側と反対側に透過させた紙幣画像を表示操作部130に表示することで、透かし601(印刷の凹凸で濃淡を表現し模様を描く)の異常を表示操作部130の画面上で確認できる。透かし異常611と透かし異常612が、紙幣一覧表示画面(透過画像)600により目視確認可能である。このため、収納番号6、7の紙幣は、オペレータによる現物確認の必要なく異常を特定できる。
【0041】
図10は、紙幣一覧表示画面520にて磁気画像ボタン526が選択され、画像種別:磁気画像が表示されている紙幣一覧表示画面(磁気画像)620である。画像種別:磁気画像では、識別部150にて読み取った紙幣の磁気分布を表示操作部130に表示することで、磁性インクで描かれた模様の有無や磁性インクによる落書き等を表示操作部130の画面上で確認できる。磁気異常621が紙幣一覧表示画面(磁気画像)620により目視確認可能である。このため、収納番号9の紙幣は、オペレータによる現物確認の必要なく異常を特定できる。
【0042】
図11は、設定ボタン527から金種設定631を開いて金種632を選択し、収納部185(RJ1)に収納された紙幣の内、識別結果が金種632に該当する紙幣に限定して紙幣画像と識別結果とを表示操作部130に表示した画面である。このように、設定ボタン527は、前述した表示枚数設定機能以外に、金種による絞込み表示機能を持つ。実施例1では金種632のみ選択されているが、複数金種を選択すれば、複数金種の紙幣画像と識別結果とを表示操作部130に表示できる。金種設定631の枠外を選択すると、金種設定631を閉じる。
【0043】
図12は、設定ボタン527からリジェクト要因設定641を開きリジェクト要因642を選択し、収納部185(RJ1)に収納された紙幣の内、リジェクト要因641に該当する紙幣に限定して紙幣画像と識別結果とを表示操作部130に表示した画面である。このように、設定ボタン527は、前述した表示枚数設定機能および金種による絞込み表示機能以外に、リジェクト要因による絞込み表示機能を持つ。実施例1では、一つのリジェクト要因のみの表示であるが、複数のリジェクト要因を選択すれば、複数のリジェクト要因に該当する紙幣の紙幣画像と識別結果とを表示操作部130に表示させることができる。リジェクト要因設定641の枠外を選択すると、リジェクト要因設定641を閉じる。
【0044】
以上のように、紙幣の画像種別選択、表示枚数設定機能、金種による絞込み表示機能、リジェクト要因による絞込み表示機能を組み合わせることにより、紙幣一枚一枚の画像を確認することなく、効率良く異常個所を特定できる。
【0045】
また、紙幣一覧表示画面520にて、表示された紙幣画像のいずれか一つを選択すると、紙幣一覧表示画面520に表示された紙幣画像よりもサイズの大きい紙幣画像を表示できる紙幣詳細表示画面に切り替わる。
【0046】
図13は、紙幣一覧表示画面520(
図4)にて紙幣画像531を選択した紙幣詳細表示画面650である。
紙幣詳細表示画面650は、紙幣画像651、収納された順番を示す収納番号652、通貨種別(国)653、金種654、新旧(版数)655、リジェクト要因656、記番号657、記番号画像658、サンプル紙幣659で構成さる。さらに、紙幣詳細表示画面650は、選択中の収納部185(RJ1)が強調表示される紙葉類処理装置概略
図521と、識別部150で取得した紙幣画像532の画像種別を変更するための画像種別選択ボタン522~526と、紙幣詳細表示画面650の表示をオペレータが確認しやすい表示設定に変更するための設定ボタン660と、前画面に戻るための戻るボタン668とを有する。
【0047】
紙幣詳細表示画面650は、紙幣一覧表示画面520にて表示していたよりもサイズの大きな紙幣画像を表示することにより紙幣一覧表示画面520では確認できなかった細かい部位の異常を確認できる。また、RGBバー661は、左右にスライド(指で画面に触れた状態で指を左右に動かす)することで紙幣画像651の色調を調節でき、Brightnessバー662は、左右にスライドすることで紙幣画像651の輝度を調節できる。これにより、オペレータが確認しやすい色調および輝度で紙幣画像651を確認することができる。
【0048】
また、一覧表示画面520と同様に、画像種別選択ボタン522~526のいずれかを選択することで、識別部150にて取得した可視画像、IR画像、UV画像、透過画像、磁気分布画像の中から任意の画像種別を選択して表示することができる。
【0049】
図14は、紙幣詳細表示画面520にてUV画像ボタン524が選択され、画像種別:UV画像が表示されている紙幣詳細表示画面(UV画像)670である。サンプル画像659は、可視画像とUV画像との混合表示にて表示される。カーソル671を左端にスライドすると可視画像のみ、カーソル671を右端にスライドするとUV画像のみを表示できる。また、端以外の任意の位置にカーソル671を合わせると、カーソル671の位置に応じた割合で可視画像とUV画像とを混合した画像を表示できる。
【0050】
例えば、カーソル671を中央に合わせると、可視画像とUV画像とを1:1の割合で混合した画像を表示する。右端から距離3、左端から距離7の位置にカーソルを合わせると、可視画像とUV画像とを3:7の割合で混合した画像を表示する。これにより、UVインクの位置をオペレータが確認することができる。
【0051】
紙幣詳細表示画面650(
図13)内の設定ボタン660は、紙幣画像651をさらに大きなサイズで表示したり、紙幣画像651を拡大/縮小できるモードへの移行、また、記番号画像658と、識別部150にて画像認識し文字変換した記番号657とが不一致であった場合に、記番号657の編集/登録ができる。また、ブラックリスト登録ボタン665を選択すると、識別結果653~657の情報を記憶部160に格納し、次回以降の搬送にてブラックリスト紙幣として他の紙幣と仕分けるように設定できる。
【0052】
また、紙幣詳細表示画面650(
図13)にて紙幣画像651を選択すると、紙幣画像651の表示を表裏切り替えることができる。
図15は、紙幣詳細表示画面650にて紙幣画像651を選択し、紙幣裏面が表示された紙幣詳細表示画面(裏面)690である。このとき、サンプル画像659も同時に裏面表示に切り替わる。サンプル画像659を選択した場合に、表裏切り替わるようにしても良い。
【0053】
保存ボタン691を押すと、紙幣画像651の表裏2枚の画像と、識別結果653~657と、ブラックリスト登録有無を紐付け、PC等の外部機器で参照可能な形式でROM110に保存できる。
【実施例2】
【0054】
次に、実施例2として、リジェクトされた大量の紙幣の中から特定の1枚をより容易に見つけるための別の方法について説明する。
専用搬送モード800(
図4)は、収納部185(RJ1)に搬送された疑券をリジェクト要因別に仕分けることで、オペレータが多数枚のリジェクト券の中から紙幣を探す作業なく現物確認したい紙幣を見つける、もしくは見つけやすい枚数まで絞り込める機能である。以降は、専用搬送モード以外のモードを通常搬送モードと呼ぶ。
【0055】
以下、専用搬送モードの動作について説明する。収納部185(RJ1)の紙幣一覧表示画面520(
図4)内にて専用搬送モードボタン800を選択すると、
図16に示すように、収納部から紙幣を抜き取ってくださいのガイダンスが流れる。ここで、戻るボタン821を押すと、収納部185(RJ1)の紙幣一覧表示画面520(
図4)に戻る。OKボタン822を押すと、専用搬送モード・収納部設定画面840(
図17)に切り替わる。
【0056】
収納部設定画面840では、通常搬送モード時に収納部RJ1に収納された紙幣を、リジェクト要因を含む種別ごとに仕分けるための種別設定842、および種別設定した紙幣の収納上限枚数を収納部ごとに決定するための収納枚数843の設定を行う。
【0057】
収納部設定画面840は、収納部番号841、種別設定842、収納枚数843、そして通常搬送モード時に収納部RJ1にて発生した、リジェクト要因を含む種別ごとの合計枚数を表す合計枚数844が表示される。
【0058】
実施例2では、収納枚数843は設定値:1であり、これは、収納部P1に設定した種別設定842(本実施例の場合リジェクト要因:UV)の紙幣を2枚以上収納しない設定である。これにより、P1に収納された紙幣現物と、画面表示された識別結果とを一対一で照合することが可能となる。
【0059】
収納枚数843は、収納枚数843を選択し数値を手入力することで設定値を変更できる。あるいは、枚数一括設定ボタン851~855を設け、収納部181~185の収納枚数843を一括設定/変更できるようにしても良い。枚数一括設定ボタン851~855にて選択した枚数が、合計枚数844を超える場合は、合計枚数844と同じ値を収納枚数843に設定するようにしても良い。また、種別設定842は、通常搬送モード時の画面から収納部設定画面840に切り替わる際に、通常搬送モード時に収納部185(RJ1)にて発生していたリジェクト要因等の種別を参照し収納部181~185(P1~P4、RJ1)に自動で初期設定される。
【0060】
種別設定842を選択すると、収納部P1に収納する種別を変更できる。実施例2では、収納部RJ1の種別設定845にはBL(ブラックリスト)が設定されており、通常搬送モード時に
図14の紙幣詳細表示画面670にて収納番号1の紙幣をブラックリスト登録したため、収納部RJ1の種別設定845に設定されたものとする。ブラックリスト登録すると、専用搬送モード時に他の種別よりも優先して種別設定される。このため、通常搬送モード時に画面表示された紙幣の中でオペレータが現物確認したいと思った紙幣を優先して振り分け、見つけ出すことができる。
【0061】
また、収納部RJ2の種別設定846はAnyとなっており、収納部数には上限がある(6個)関係上、どの収納部にも種別設定できなかった紙幣の搬送先として、または専用搬送モードにて搬送中に発生した搬送リジェクト券の搬送先として、あるいは専用搬送モードに関係のない紙幣が外部から紛れ込み搬送された場合の搬送先として使用される。
【0062】
上記の種別の初期設定は、収納部設定画面840に切り替わった際、全て空白にしておきオペレータの完全手入力としても良い。専用搬送モードの種別設定842および枚数設定843の入力を完了し、設定完了ボタン858を押すと専用搬送モード・搬送結果画面860(
図18)に切り替わる。
【0063】
専用搬送モード・搬送結果画面860(
図18)は、収納部181~186にある紙幣をリアルタイムで表示する紙幣枚数861~866、専用搬送モードにて収納した紙幣の枚数を、途中で紙幣を抜き取った場合も0にリセットせず加算して表示する累積枚数871~876、通常搬送モード時に収納部185(RJ1)で発生していたリジェクト要因を含む種別ごとの合計枚数881~885で構成される。取込部210(
図2)に紙幣をセットし、Startボタン892を選択すると紙幣搬送を開始する。また、搬送中にStopボタン893を選択すると繰出しを止め、取込部210に紙幣が残った状態であっても、搬送を一時中断することができる。
【0064】
紙幣枚数861~866は、紙幣が1枚収納されるごとに1ずつ加算され、収納部から紙幣を抜き取った場合は0にリセットされる。累積枚数871~876は、紙幣を抜き取った場合でも0にリセットされない。累積枚数871~876の表示によりオペレータは、収納部181~185に設定した種別の紙幣が、専用搬送前の紙幣の中に何枚残っているかを知ることができる。
【0065】
図19に示す画面900は、通常搬送モードにて収納部RJ1に収納された48枚の紙幣について専用搬送を開始し、収納部P1~P4およびRJ1に設定した種別の紙幣が、収納部設定画面870(
図17)にて設定した収納枚数843が1枚に達したため、取込部210に28枚の紙幣を残し紙葉類処理装置200が繰出しを止めたことを示す画面である。紙幣画像および識別結果を確認したい場合、累計枚数表示901~906のいずれかを選択することで、専用搬送モード・紙幣一覧表示画面920に切り替わる。
【0066】
図20は、専用搬送モード・搬送結果画面900にてP1を選択し、収納部185(P1)の専用搬送モード・紙幣一覧表示画面920に切り替わった図である。
【0067】
専用搬送モード・紙幣一覧表示画面920の画面構成は、通常搬送モード時の紙幣一覧表示画面520(
図4)同様、紙幣画像931、収納番号932、通貨種別933、金種934、新旧(版数)935、リジェクト要因936、記番号937が、収納された紙幣1枚ごとに紐付いた状態で表示さる。さらに、現在表示している収納部の位置が紙葉類処理装置概略
図921上で強調表示され、画面スクロール機能、設定ボタン927による表示枚数設定機能、画像種別選択ボタン922~926による画像種別設定機能を有する。上述した機能は実施例1にて説明済みのため、ここでは説明を省略する。戻るボタン928を選択すると、専用搬送モード・搬送結果画面900に戻る。
【0068】
図21は、専用搬送モード・紙幣一覧表示画面920にて紙幣画像931を選択し、専用搬送モード・紙幣一覧表示画面940に切り替わった図である。
【0069】
専用搬送モード・紙幣一覧表示画面940の画面構成は通常搬送モード時の紙幣一覧表示画面520(
図4)同様、紙幣画像941、収納番号942、通貨種別943、金種944、新旧(版数)945、リジェクト要因946、記番号947、記番号画像948、サンプル紙幣949にて構成される。また、記番号編集機能、コントラスト調整機能、保存ボタン951選択によるROM110への保存、可視画像とUV画像との混合表示機能を有する。上述した機能は実施例1にて説明済みのため、ここでは説明を省略する。戻るボタン958を選択すると、紙幣一覧表示画面に戻る。上記により、収納部181~185(P1~P4およびRJ1)に収納された1枚の紙幣と、画面表示された紙幣の紙幣画像と識別結果とが、一対一で紐付いたこととなる。
【0070】
図22は、
図20の状態から収納部184(P4)の紙幣を抜き取り、収納枚数864が1から0に変わった状態である。累積枚数843が合計枚数844に達した収納部の紙幣を抜き取ると、OKボタン961が表示される。
【0071】
図23は、
図22の状態からOKボタン961を選択した図である。OKボタン961を押すと、専用搬送モードにて未設定の種別設定981が新たに設定される。
【0072】
今回の場合は、Hologramが未設定であったため、収納部185(P4)にHologramが新たに設定された状態である。収納部185(P4)に、収納の余地ができたため、この状態でStartボタン892を押すと搬送が再開される。収納部185(P4)以外の収納部にも上記を適用し繰り返すことで、通常搬送モードにて発生した全てのリジェクト要因を含む種別の紙幣に対し、画面表示された紙幣画像および識別結果と、現物紙幣とを一対一で紐付けることが可能となる。
【0073】
上記実施例によれば、紙葉類処理装置の収納部に収納された紙幣の紙幣画像と識別結果とが表示部に一覧表示される。これにより、大まかな紙幣画像と識別結果とを一目で確認することができる。この結果、紙幣画像一枚一枚を確認することなく次の作業に移れるため効率的である。
【0074】
また、一覧表示された紙幣画像の中からいずれか一枚の紙幣画像を表示部の画面上で選択することにより、一覧表示された紙幣画像よりもサイズの大きな紙幣画像が確認できる。このため、従来通り画面上で紙幣の詳細な確認を行うことができる。
【0075】
また、多数のリジェクト券の中から、画面表示された記番号と一致する紙幣を見つけ出す作業が不要となる。このため、現金精査にかかる時間を短縮でき、オペレータの負荷を低減できる。
【0076】
また、紙幣一枚ごとに画面を切り替えることなくリジェクト券の情報を効率的に確認できる。また、リジェクト券として紙幣画像と識別結果とが画面表示された紙幣の現物を、リジェクト収納部に収納された多数のリジェクト券の中から探すことなく容易に見つけることができる。
【0077】
また、紙幣画像の表示パラメータを変更可能であることにより、オペレータによる特殊光ランプの照射や、手触りによる確認の作業なく、異常個所の特定を全て画面上で行える。このため、熟練のオペレータでなくても異常個所を特定しやすく、作業負荷を低減できる。
【0078】
さらに、偽券の疑いのある紙幣としてリジェクト収納部に収納した紙幣(疑券)のリジェクト要因を、収納部ごとの収納種別として新たに設定し、疑券のみを再搬送し、各収納部に1枚ずつ収納可能な機能を有する。この機能により、所定の収納部に収納された1枚の紙幣現物と、画面表示された1枚の紙幣画像および識別結果とを一対一で紐付けることができる。
【符号の説明】
【0079】
100 主制御部
130 表示操作部
150 識別部
160 記憶部
170 振分ゲート
180 収納部
200 紙葉類処理装置
210 取込部