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特許7007251異材接合方法、異材接合継手、異材接合用補助部材付き管状部材及びその製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】異材接合方法、異材接合継手、異材接合用補助部材付き管状部材及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B21D 39/04 20060101AFI20220203BHJP
   B21D 51/16 20060101ALI20220203BHJP
   B23K 9/23 20060101ALI20220203BHJP
   B23K 9/00 20060101ALI20220203BHJP
   F16B 9/00 20060101ALI20220203BHJP
   F16B 7/20 20060101ALI20220203BHJP
   F16B 4/00 20060101ALI20220203BHJP
   F16B 5/08 20060101ALI20220203BHJP
   B21D 53/86 20060101ALN20220203BHJP
【FI】
B21D39/04 B
B21D51/16 B
B23K9/23 H
B23K9/00 501C
F16B9/00
F16B7/20 A
F16B4/00 N
F16B4/00 J
F16B5/08 A
B21D53/86 Z
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2018191647
(22)【出願日】2018-10-10
(65)【公開番号】P2020059041
(43)【公開日】2020-04-16
【審査請求日】2020-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000001199
【氏名又は名称】株式会社神戸製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 励一
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-017375(JP,A)
【文献】特開2006-102752(JP,A)
【文献】特開2005-147346(JP,A)
【文献】特開2015-127062(JP,A)
【文献】特開2000-126832(JP,A)
【文献】特開2013-244521(JP,A)
【文献】特開2014-100733(JP,A)
【文献】米国特許第05937496(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 39/04
B21D 51/16
B23K 9/23
B23K 9/00
F16B 9/00
F16B 7/20
F16B 4/00
F16B 5/08
B21D 53/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の金属材料からなる管状の第1の部材と、該第1の金属材料と異なる第2の金属材料からなる第2の部材とを接合してなる異材接合方法において、
前記第1の金属材料と異なる第3の金属材料からなる管状の補助部材と、前記第1の部材のいずれか一方の内側部材の複数の穴が形成された部分の周囲に、前記補助部材と前記第1の部材のいずれか他方の外側部材を配置する工程と、
柱状の中子を、前記内側部材の内側に配置する工程と、
前記内側部材に形成された複数の穴と対向する前記外側部材の周壁に向けて、押圧部材を径方向内側に変位させることで、前記外側部材の周壁の一部を径方向内側に膨出させて前記穴に対して嵌入させ、前記内側部材と前記外側部材とをかしめ結合する工程と、
前記中子を前記内側部材の内側から引き抜く工程と、
前記補助部材と前記第2の部材とを溶接することで、前記補助部材を介して前記第1の部材と前記第2の部材とを接合する工程と、
を有する異材接合方法。
【請求項2】
前記中子は、前記複数の穴に対応する各位相に軸方向に沿って延びる複数の溝部を有し、
前記中子の配置工程において、前記中子は、前記複数の溝部と前記内側部材の前記複数の穴との各位相が一致するようにして、前記内側部材の内側に配置され、
前記かしめ結合工程において、前記外側部材の周壁の一部は、前記内側部材の穴及び前記中子の溝部に嵌入させる請求項1に記載の異材接合方法。
【請求項3】
前記内側部材が前記補助部材で、前記外側部材が前記第1の部材であり、
前記補助部材の軸方向端部には、前記第1の部材の内径よりも大径の外周面を有する拡管部が設けられ、
前記第1の部材の配置工程において、前記第1の部材の軸方向端部は、前記補助部材の拡管部と当接する、請求項1又は2に記載の異材接合方法。
【請求項4】
前記第1の金属材料は、アルミニウム合金もしくはマグネシウム合金製と、鋼製とのいずれか一方であり、
前記第2及び第3の金属材料は、前記アルミニウム合金もしくは前記マグネシウム合金製と、前記鋼製とのいずれか他方である請求項1~のいずれか1項に記載の異材接合方法。
【請求項5】
第1の金属材料からなる管状の第1の部材と、該第1の金属材料と異なる第2の金属材料からなり、前記第1の部材と接合される第2の部材と、を有する異材接合継手において、
前記第1の金属材料と異なる第3の金属材料からなる管状の補助部材を備え、
前記補助部材と前記第1の部材のいずれか一方である内側部材には、円周方向に複数の穴が形成され、
前記補助部材と前記第1の部材のいずれか他方である外側部材は、その周壁の一部が径方向内側に膨出して前記穴に対して嵌入される複数の嵌入部を有することで、前記内側部材とかしめ結合され、
前記補助部材と前記第2の部材とが溶接される異材接合継手。
【請求項6】
前記複数の嵌入部は、前記内側部材の内周面よりも径方向内側に膨出している請求項に記載の異材接合継手。
【請求項7】
前記内側部材が前記補助部材で、前記外側部材が前記第1の部材であり、
前記補助部材の軸方向端部には、前記第1の部材の内径よりも大径の外周面を有する拡管部が設けられ、
前記第1の部材の軸方向端部は、前記補助部材の拡管部と当接する、請求項5又は6に記載の異材接合継手。
【請求項8】
前記第1の金属材料は、アルミニウム合金もしくはマグネシウム合金製と、鋼製とのいずれか一方であり、
前記第2及び第3の金属材料は、前記アルミニウム合金もしくは前記マグネシウム合金製と、前記鋼製とのいずれか他方である請求項のいずれか1項に記載の異材接合継手。
【請求項9】
金属材料からなる管状部材と、該管状部材の金属材料と異なる金属材料からなり、前記管状部材と嵌合する管状の補助部材と、を備える異材接合用補助部材付き管状部材であって、
前記管状部材と前記補助部材のいずれか一方の内側部材には、円周方向に複数の穴が形成され、
前記管状部材と前記補助部材のいずれか他方の外側部材は、その周壁の一部が径方向内側に膨出して前記複数の穴に対して嵌入されてなる複数の嵌入部を有することで、前記内側部材とかしめ結合される異材接合用補助部材付き管状部材。
【請求項10】
前記複数の嵌入部は、前記内側部材の内周面よりも径方向内側に膨出している請求項に記載の異材接合用補助部材付き管状部材。
【請求項11】
前記内側部材が前記補助部材で、前記外側部材が前記管状部材であり、
前記補助部材の軸方向端部には、前記管状部材の内径よりも大径の外周面を有する拡管部が設けられ、
前記管状部材の軸方向端部は、前記補助部材の拡管部と当接する、請求項9又は10に記載の異材接合用補助部材付き管状部材。
【請求項12】
前記管状部材の金属材料は、アルミニウム合金もしくはマグネシウム合金製と、鋼製とのいずれか一方であり、
前記補助部材の金属材料は、前記アルミニウム合金もしくは前記マグネシウム合金製と、前記鋼製とのいずれか他方である請求項11のいずれか1項に記載の異材接合用補助部材付き管状部材。
【請求項13】
金属材料からなる管状部材と、該管状部材の金属材料と異なる金属材料からなり、前記管状部材と嵌合する管状の補助部材と、を備える異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法であって、
前記管状部材と前記補助部材のいずれか一方の内側部材の複数の穴が形成された部分の周囲に、前記管状部材と前記補助部材のいずれか他方の外側部材を配置する工程と、
柱状の中子を、前記内側部材の内側に配置する工程と、
前記内側部材に形成された複数の穴と対向する前記外側部材の周壁に向けて、押圧部材を径方向内側に変位させることで、前記外側部材の周壁の一部を径方向内側に膨出させて前記穴に対して嵌入させ、前記内側部材と前記外側部材とをかしめ結合する工程と、
前記中子を前記内側部材の内側から引き抜く工程と、
を備える異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
【請求項14】
前記中子は、前記複数の穴に対応する各位相に軸方向に沿って延びる複数の溝部を有し、
前記中子の配置工程において、前記中子は、前記複数の溝部と前記内側部材の前記複数の穴との各位相が一致するようにして、前記内側部材の内側に配置され、
前記かしめ結合工程において、前記外側部材の周壁の一部は、前記内側部材の穴及び前記中子の溝部に嵌入させる請求項13に記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
【請求項15】
前記内側部材が前記補助部材で、前記外側部材が前記管状部材であり、
前記補助部材の軸方向端部には、前記管状部材の内径よりも大径の外周面を有する拡管部が設けられ、
前記管状部材の配置工程において、前記管状部材の軸方向端部は、前記補助部材の拡管部と当接する、請求項13又は14に記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
【請求項16】
前記管状部材の金属材料は、アルミニウム合金もしくはマグネシウム合金製と、鋼製とのいずれか一方であり、
前記補助部材の金属材料は、前記アルミニウム合金もしくは前記マグネシウム合金製と、前記鋼製とのいずれか他方である請求項1315のいずれか1項に記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異材接合方法、異材接合継手、異材接合用補助部材付き管状部材及びその製造方法に関し、特に、自動車や鉄道車両等の輸送機器、建築物等の構造物に適用可能な異材接合方法、異材接合継手、異材接合用補助部材付き管状部材及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車等の輸送機器の燃費の向上を図るため、車体重量の軽量化が進められている。軽量化としては、現在主要となっている鋼を、軽量素材であるアルミニウム合金、マグネシウム合金、炭素繊維などに置換する手段がある。しかし、全てをこれら軽量素材に置換するには、高コスト化や強度不足になる、といった課題があり、その解決策として、鋼と軽量素材を適材適所に組み合わせた、いわゆるマルチマテリアルと呼ばれる設計手法が注目を浴びている。
【0003】
鋼と上記軽量素材を組み合わせるには、必然的にこれらを接合する箇所が出てくる。鋼同士やアルミニウム合金同士、マグネシウム合金同士では容易である溶接が、異材では極めて困難であることが知られている。この理由として、鋼とアルミニウムあるいはマグネシウムの溶融混合部には極めて脆い性質である金属間化合物(IMC)が生成し、引張や衝撃といった外部応力で溶融混合部が容易に破壊してしまうことにある。このため、抵抗スポット溶接法やアーク溶接法といった溶接法が異材接合には採用できず、他の接合法を用いるのが一般的である。鋼と炭素繊維の接合も、後者が金属ではないことから溶接を用いることができない。
【0004】
従来の異材接合技術の例としては、鋼素材と軽量素材の両方に貫通穴を設けてボルトとナットで該穴の両側から拘束する手段があげられる。また、他の例としては、かしめ部材を強力な圧力をかけて片側から挿入し、かしめ効果によって拘束する手段が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、鋼素材と軽量素材とを接合する部位としては、上記平板同士を接合する場合以外に、管状部材と平板とを接合する場合がある。
【0006】
これに対し、特許文献2には、板状の鋼製部品の穴部にアルミパイプを挿通し、更にアルミパイプ内にゴムを挿入した状態で、ゴムの両端を圧縮してアルミパイプを拡大変形させ、鋼製部品にアルミパイプを接合する技術が開示されている。
また、特許文献3では、鋼製の壁の開口に筒状部材を挿入し、筒状部材の内部に配置された弾性体を軸方向に圧縮させて筒状部材を2段階で拡管して、筒状部材と壁とを接合している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2002-174219号公報
【文献】特開2016-147309号公報
【文献】米国特許第4320568号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、特許文献2や3に記載の接合方法の場合、接合現場において、ゴムや弾性体を有する接合装置が必要となり、現場での接合作業が煩雑となる可能性がある。
【0009】
本発明は、上記事項に鑑みてなされたものであり、その目的は、異なる金属材料からなる部材を、低コストで簡便に、且つ確実に接合でき、広範囲な分野に適用できる異材接合方法、異材接合継手、異材接合用補助部材付き管状部材及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の上記目的は、以下の構成によって達成される。
(1) 第1の金属材料からなる管状の第1の部材と、該第1の金属材料と異なる第2の金属材料からなる第2の部材とを接合してなる異材接合方法において、
前記第1の金属材料と異なる第3の金属材料からなる管状の補助部材と、前記第1の部材のいずれか一方の内側部材の複数の穴が形成された部分の周囲に、前記補助部材と前記第1の部材のいずれか他方の外側部材を配置する工程と、
柱状の中子を、前記内側部材の内側に配置する工程と、
前記内側部材に形成された複数の穴と対向する前記外側部材の周壁に向けて、押圧部材を径方向内側に変位させることで、前記外側部材の周壁の一部を径方向内側に膨出させて前記穴に対して嵌入させ、前記内側部材と前記外側部材とをかしめ結合する工程と、
前記中子を前記内側部材の内側から引き抜く工程と、
前記補助部材と前記第2の部材とを溶接することで、前記補助部材を介して前記第1の部材と前記第2の部材とを接合する工程と、
を有する異材接合方法。
(2) 前記中子は、前記複数の穴に対応する各位相に軸方向に沿って延びる複数の溝部を有し、
前記中子の配置工程において、前記中子は、前記複数の溝部と前記内側部材の前記複数の穴との各位相が一致するようにして、前記内側部材の内側に配置され、
前記かしめ結合工程において、前記外側部材の周壁の一部は、前記内側部材の穴及び前記中子の溝部に嵌入させる(1)に記載の異材接合方法。
(3) 第1の金属材料からなる管状の第1の部材と、該第1の金属材料と異なる第2の金属材料からなる第2の部材とを接合してなる異材接合方法において、
前記第1の金属材料と異なる第3の金属材料からなる管状の補助部材と、前記第1の部材のいずれか一方の内側部材の周囲に、前記補助部材と前記第1の部材のいずれか他方の外側部材を配置する工程と、
軸方向に沿って延びる複数の溝部を有する柱状の中子を、前記内側部材の内側に配置する工程と、
前記内側部材を介して前記中子に形成された複数の溝部と対向する前記外側部材の周壁に向けて、押圧部材を径方向内側に変位させることで、前記外側部材の周壁の一部を径方向内側に膨出させて前記内側部材に形成された窪みに対して嵌入させ、前記内側部材と前記外側部材とをかしめ結合する工程と、
前記中子を前記内側部材の内側から引き抜く工程と、
前記補助部材と前記第2の部材とを溶接することで、前記補助部材を介して前記第1の部材と前記第2の部材とを接合する工程と、
を有する異材接合方法。
【0011】
(4) 前記内側部材が前記補助部材で、前記外側部材が前記第1の部材であり、
前記補助部材の軸方向端部には、前記第1の部材の内径よりも大径の外周面を有する拡管部が設けられ、
前記第1の部材の配置工程において、前記第1の部材の軸方向端部は、前記補助部材の拡管部と当接する、(1)~(3)のいずれかに記載の異材接合方法。
(5) 前記第1の金属材料は、アルミニウム合金もしくはマグネシウム合金製と、鋼製とのいずれか一方であり、
前記第2及び第3の金属材料は、前記アルミニウム合金もしくは前記マグネシウム合金製と、前記鋼製とのいずれか他方である、(1)~(4)のいずれかに記載の異材接合方法。
(6) 第1の金属材料からなる管状の第1の部材と、該第1の金属材料と異なる第2の金属材料からなり、前記第1の部材と接合される第2の部材と、を有する異材接合継手において、
前記第1の金属材料と異なる第3の金属材料からなる管状の補助部材を備え、
前記補助部材と前記第1の部材のいずれか一方である内側部材には、円周方向に複数の穴が形成され、
前記補助部材と前記第1の部材のいずれか他方である外側部材は、その周壁の一部が径方向内側に膨出して前記穴に対して嵌入される複数の嵌入部を有することで、前記内側部材とかしめ結合され、
前記補助部材と前記第2の部材とが溶接される異材接合継手。
(7) 前記複数の嵌入部は、前記内側部材の内周面よりも径方向内側に膨出している、(5)に記載の異材接合継手。
(8) 第1の金属材料からなる管状の第1の部材と、該第1の金属材料と異なる第2の金属材料からなり、前記第1の部材と接合される第2の部材と、を有する異材接合継手において、
前記第1の金属材料と異なる第3の金属材料からなる管状の補助部材を備え、
前記補助部材と前記第1の部材のいずれか一方である外側部材は、その周壁の一部が径方向内側に膨出して前記補助部材と前記第1の部材のいずれか他方である内側部材に設けられた複数の窪みに対して嵌入される複数の嵌入部を有することで、前記内側部材とかしめ結合され、
前記補助部材と前記第2の部材とが溶接される異材接合継手。
(9) 前記内側部材が前記補助部材で、前記外側部材が前記第1の部材であり、
前記補助部材の軸方向端部には、前記第1の部材の内径よりも大径の外周面を有する拡管部が設けられ、
前記第1の部材の軸方向端部は、前記補助部材の拡管部と当接する、(6)~(8)のいずれかに記載の異材接合継手。
(10) 前記第1の金属材料は、アルミニウム合金もしくはマグネシウム合金製と、鋼製とのいずれか一方であり、
前記第2及び第3の金属材料は、前記アルミニウム合金もしくは前記マグネシウム合金製と、前記鋼製とのいずれか他方である、(6)~(9)のいずれかに記載の異材接合継手。
【0012】
(11) 金属材料からなる管状部材と、該管状部材の金属材料と異なる金属材料からなり、前記管状部材と嵌合する管状の補助部材と、を備える異材接合用補助部材付き管状部材であって、
前記管状部材と前記補助部材のいずれか一方の内側部材には、円周方向に複数の穴が形成され、
前記管状部材と前記補助部材のいずれか他方の外側部材は、その周壁の一部が径方向内側に膨出して前記複数の穴に対して嵌入されてなる複数の嵌入部を有することで、前記内側部材とかしめ結合される異材接合用補助部材付き管状部材。
(12) 前記複数の嵌入部は、前記内側部材の内周面よりも径方向内側に膨出している(11)に記載の異材接合用補助部材付き管状部材。
(13) 金属材料からなる管状部材と、該管状部材の金属材料と異なる金属材料からなり、前記管状部材と嵌合する管状の補助部材と、を備える異材接合用補助部材付き管状部材であって、
前記管状部材と前記補助部材のいずれか一方の内側部材には、円周方向に複数の窪みが形成され、
前記管状部材と前記補助部材のいずれか他方の外側部材は、その周壁の一部が径方向内側に膨出して前記複数の窪みに対して嵌入されてなる複数の嵌入部を有することで、前記内側部材とかしめ結合される異材接合用補助部材付き管状部材。
(14) 前記内側部材が前記補助部材で、前記外側部材が前記管状部材であり、
前記補助部材の軸方向端部には、前記管状部材の内径よりも大径の外周面を有する拡管部が設けられ、
前記管状部材の軸方向端部は、前記補助部材の拡管部と当接する、(11)~(13)のいずれかに記載の異材接合用補助部材付き管状部材。
(15) 前記管状部材の金属材料は、アルミニウム合金もしくはマグネシウム合金製と、鋼製とのいずれか一方であり、
前記補助部材の金属材料は、前記アルミニウム合金もしくは前記マグネシウム合金製と、前記鋼製とのいずれか他方である、(11)~(14)のいずれかに記載の異材接合用補助部材付き管状部材。
【0013】
(16) 金属材料からなる管状部材と、該管状部材の金属材料と異なる金属材料からなり、前記管状部材と嵌合する管状の補助部材と、を備える異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法であって、
前記管状部材と前記補助部材のいずれか一方の内側部材の複数の穴が形成された部分の周囲に、前記管状部材と前記補助部材のいずれか他方の外側部材を配置する工程と、
柱状の中子を、前記内側部材の内側に配置する工程と、
前記内側部材に形成された複数の穴と対向する前記外側部材の周壁に向けて、押圧部材を径方向内側に変位させることで、前記外側部材の周壁の一部を径方向内側に膨出させて前記穴に対して嵌入させ、前記内側部材と前記外側部材とをかしめ結合する工程と、
前記中子を前記内側部材の内側から引き抜く工程と、
を備える異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
(17) 前記中子は、前記複数の穴に対応する各位相に軸方向に沿って延びる複数の溝部を有し、
前記中子の配置工程において、前記中子は、前記複数の溝部と前記内側部材の前記複数の穴との各位相が一致するようにして、前記内側部材の内側に配置され、
前記かしめ結合工程において、前記外側部材の周壁の一部は、前記内側部材の穴及び前記中子の溝部に嵌入させる請求項16に記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
(18) 金属材料からなる管状部材と、該管状部材の金属材料と異なる金属材料からなり、前記管状部材と嵌合する管状の補助部材と、を備える異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法であって、
前記管状部材と前記補助部材のいずれか一方の内側部材の周囲に、前記管状部材と前記補助部材のいずれか他方の外側部材を配置する工程と、
軸方向に沿って延びる複数の溝部を有する柱状の中子を、前記内側部材の内側に配置する工程と、
前記内側部材を介して前記中子に形成された複数の溝部と対向する前記外側部材の周壁に向けて、押圧部材を径方向内側に変位させることで、前記外側部材の周壁の一部を径方向内側に膨出させて前記内側部材に形成された窪みに対して嵌入させ、前記内側部材と前記外側部材とをかしめ結合する工程と、
前記中子を前記内側部材の内側から引き抜く工程と、
を備える異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
(19) 前記内側部材が前記補助部材で、前記外側部材が前記管状部材であり、
前記補助部材の軸方向端部には、前記管状部材の内径よりも大径の外周面を有する拡管部が設けられ、
前記管状部材の配置工程において、前記管状部材の軸方向端部は、前記補助部材の拡管部と当接する、(16)~(18)のいずれかに記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
(20) 前記管状部材の金属材料は、アルミニウム合金もしくはマグネシウム合金製と、鋼製とのいずれか一方であり、
前記補助部材の金属材料は、前記アルミニウム合金もしくは前記マグネシウム合金製と、前記鋼製とのいずれか他方である、(16)~(19)のいずれかに記載の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法。
【発明の効果】
【0014】
本発明の異材接合方法及び異材接合継手によれば、管状の補助部材が管状の第1の部材と強固に結合されると共に、該補助部材と第2の部材とが溶接により接合されるので、異なる金属材料からなる第1の部材と第2の部材とを、補助部材を介して間接的に接合することができる。
また、第1の部材に対する補助部材の取り付け位置に応じて、第1の部材の任意の位置に、第2の部材を接合することができる。
さらに、管状の第1の部材と補助部材とを予め結合しておけば、補助部材と第2の部材とを一般的な溶接方法で容易に接合することができる。
また、管状の第1の部材と補助部材とのかしめ部位を多く設けることができるので、結合強度をより強くすることができる。
したがって、本発明は、異なる金属材料からなる部材を、低コストで簡便に、且つ確実に接合でき、広範囲な分野に適用できる。
【0015】
また、本発明の異材接合用補助部材付き管状部材及びその製造方法によれば、管状の補助部材が管状部材と強固に結合されているので、管状部材と、該管状部材と異なる金属材料からなる部材とを、補助部材を介して間接的に接合することができる。
また、管状部材に対する補助部材の取り付け位置に応じて、管状部材の任意の位置に、管状部材と異なる金属材料からなる部材を接合することができる。
また、管状の第1の部材と補助部材とのかしめ部位を多く設けることができるので、結合強度をより強くすることができる。
したがって、本発明は、異なる金属材料からなる部材を、低コストで簡便に、且つ確実に接合でき、広範囲な分野に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第1実施形態に係る異材接合継手を示す斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る異材接合方法の各工程を示す斜視図である。
図3】第1実施形態の異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、中子の配置工程及びかしめ結合工程を示す斜視図である。
図4】第1実施形態の異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの横断面図である。
図5】第1実施形態の異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程及び中子の引き抜き工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの縦断面図である。
図6A】第1実施形態の第1変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの横断面図である。
図6B】第1実施形態の第2変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの横断面図である。
図6C】第1実施形態の第3変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの横断面図である。
図6D】第1実施形態の第4変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの横断面図である。
図6E】第1実施形態の第5変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの横断面図である。
図7】本発明の第2実施形態に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、中子の配置工程及びかしめ結合工程を示す斜視図である。
図8】第2実施形態の異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの横断面図である。
図9】第2実施形態の異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程及び中子の引き抜き工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの縦断面図である。
図10A】第2実施形態の第1変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの横断面図である。
図10B】第2実施形態の第2変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの横断面図である。
図10C】第2実施形態の第3変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの横断面図である。
図10D】第2実施形態の第4変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの横断面図である。
図10E】第2実施形態の第5変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの横断面図である。
図11】本発明の第3実施形態に係る異材接合方法の各工程を示す斜視図である。
図12】本発明の第3実施形態に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、中子の配置工程及びかしめ結合工程を示す斜視図である。
図13】第3実施形態の異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの横断面図である。
図14】第3実施形態の異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程及び中子の引き抜き工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの縦断面図である。
図15A】第3実施形態の第1変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの横断面図である。
図15B】第3実施形態の第2変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの横断面図である。
図15C】第3実施形態の第3変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの横断面図である。
図15D】第3実施形態の第4変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの横断面図である。
図15E】第3実施形態の第5変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの横断面図である。
図16】本発明の第4実施形態に係る異材接合継手を示す斜視図である。
図17】本発明の第4実施形態に係る異材接合方法の各工程を示す斜視図である。
図18】第4実施形態の異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、中子の配置工程及びかしめ結合工程を示す斜視図である。
図19】第4実施形態の異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの横断面図である。
図20】第4実施形態の異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程及び中子の引き抜き工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの縦断面図である。
図21A】第4実施形態の第1変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの横断面図である。
図21B】第4実施形態の第2変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの横断面図である。
図21C】第4実施形態の第3変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの横断面図である。
図21D】第4実施形態の第4変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの横断面図である。
図21E】第4実施形態の第5変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの横断面図である。
図22】本発明の第5実施形態に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、中子の配置工程及びかしめ結合工程を示す斜視図である。
図23】第5実施形態の異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの横断面図である。
図24】第5実施形態の異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程及び中子の引き抜き工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの縦断面図である。
図25A】第5実施形態の第1変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの横断面図である。
図25B】第5実施形態の第2変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの横断面図である。
図25C】第5実施形態の第3変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの横断面図である。
図25D】第5実施形態の第4変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの横断面図である。
図25E】第5実施形態の第5変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの横断面図である。
図26】本発明の第6実施形態に係る異材接合方法の各工程を示す斜視図である。
図27】本発明の第6実施形態に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、中子の配置工程及びかしめ結合工程を示す斜視図である。
図28】第6実施形態の異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの横断面図である。
図29】第6実施形態の異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程及び中子の引き抜き工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの縦断面図である。
図30A】第6実施形態の第1変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの横断面図である。
図30B】第6実施形態の第2変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの横断面図である。
図30C】第6実施形態の第3変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの横断面図である。
図30D】第6実施形態の第4変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの横断面図である。
図30E】第6実施形態の第5変形例に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、かしめ結合工程を示す、パイプ、補助部材、中子及びポンチの横断面図である。
図31】本発明の第7実施形態に係る異材接合方法及び異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法において、パイプ、補助部材、中子の配置工程及びかしめ結合後の異材接合用補助部材を示す斜視図である。
図32】第7実施形態の異材接合方法において、溶接後の異材接合継手の断面図である。
図33】本発明の第1変形例に係る異材接合補助部材付き管状部材の斜視図である。
図34】本発明の第2変形例に係る異材接合補助部材付き管状部材の斜視図である。
図35A】本発明の第3変形例において、補助部材付き管状部材と板材とを接合する状態を示す斜視図である。
図35B】本発明の第4変形例に係る異材接合継手を示す斜視図である。
図35C】本発明の第5変形例に係る異材接合継手を示す斜視図である。
図35D】本発明の第6変形例に係る異材接合継手を示す斜視図である。
図35E】本発明の第7変形例に係る異材接合継手を示す斜視図である。
図36A】本発明の第8変形例に係る異材接合用補助部材付き管状部材を示す斜視図である。
図36B】本発明の第8変形例に係る異材接合方法、及び異材接合継手を示す斜視図である。
図37】本発明の第9変形例に係る異材接合補助部材付き管状部材の斜視図である。
図38】本発明の第10変形例に係る異材接合補助部材付き管状部材の斜視図である。
図39A】本発明の第11変形例において、補助部材付き管状部材と板材とを接合する状態を示す斜視図である。
図39B】本発明の第12変形例に係る異材接合継手を示す斜視図である。
図39C】本発明の第13変形例に係る異材接合継手を示す斜視図である。
図39D】本発明の第14変形例に係る異材接合継手を示す斜視図である。
図39E】本発明の第15変形例に係る異材接合継手を示す斜視図である。
図40】本発明の異材接合継手が適用される自動車用のシートフレームを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の各実施形態に係る異材接合方法、異材接合継手、異材接合用補助部材付き管状部材及びその製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下に示す第1~第3実施形態は、第1の部材であるパイプ1を本発明の内側部材とし、補助部材3を本発明の外側部材とする形態を示したものであり、第4~第7実施形態は、第1の部材であるパイプ1を本発明の外側部材とし、補助部材3を本発明の内側部材とする形態を示したものである。また、いずれの実施形態においても、内側部材に複数の貫通穴1a、3fが形成されている。
【0018】
(第1実施形態)
第1実施形態の異材接合方法は、アルミニウム合金又はマグネシウム合金(第1の金属材料)からなる円管状のパイプ(第1の部材、管状部材)1と、鋼製(第2の金属材料)からなる平板状の板材(第2の部材)2とを、鋼製(第3の金属材料)からなる円管状の補助部材3を用いて間接的に接合し、図1に示すような異材接合継手10を得るものである。このため、異材接合継手10では、以下詳述するように、補助部材3がパイプ1と強固に結合されていると共に、補助部材3と板材2とがアーク溶接等により接合されている。
【0019】
図2に示すように、パイプ1には、円周方向に所定の間隔で複数の貫通穴(本実施形態では、4つ)1aが形成されている。複数の貫通穴1aは、軸方向においてパイプ1の端部寄りの位置に形成されている。
【0020】
補助部材3は、パイプ1の端部に外嵌して取り付けられている。このため、補助部材3の内径は、パイプ1の外径より僅かに大きく設計されている。また、補助部材3は、パイプ1の複数の貫通穴1aに臨む周壁の一部が径方向内側に膨出し、複数の貫通穴1aに対して嵌入される複数の嵌入部3aを有する。これによって、補助部材3は、パイプ1とかしめ結合されている。嵌入部3aの基部は、パイプ1の外周面と貫通穴1aとの縁部全周に亘って接触しており、補助部材3は、パイプ1に対して軸方向に位置決めされると共に、回り止めされている。
【0021】
また、板材2と、該板材2の平面に載置された補助部材3の端部との隅部には、アーク溶接によって溶接金属Wが形成され、板材2と補助部材3が強固に接合されている。
【0022】
このような異材接合継手10は、図2図5に示すように、まず、複数の貫通穴1aが形成された円管状のパイプ1と、円筒状の補助部材3と、を用意する。パイプ1の複数の貫通穴1aは、管状のブランク部材に対して図示しないパンチ等を用いて穿設される。なお、複数の貫通穴1aは、図1に示すような円形に限らず、多角形など他の形状であってもよい。ただし、後述するポンチ8の先端形状も、貫通穴1aの形状に合せるのが好ましい。
【0023】
そして、図3に示すように、補助部材3を、パイプ1の複数の貫通穴1aが形成される部分の周囲に配置するとともに、鋼鉄製の柱状の中子5を、パイプ1の内側に配置する。
【0024】
次に、図3図5に示すように、複数のポンチ(押圧部材)8を、補助部材3の径方向外側で、パイプ1の複数の貫通穴1aの各位相と対応する位置に配置する。そして、パイプ1の複数の貫通穴1aと対向する補助部材3の周壁に向けて、ポンチ8を径方向内側に変位させる。これにより、補助部材3の周壁の一部が、径方向内側に膨出し、貫通穴1aに対して嵌入することで、嵌入部3aを形成し、パイプ1と補助部材3とがかしめ結合される。
なお、ポンチ8は、不図示のプレス装置などに連結され、径方向内側に向かって強大な荷重を付与可能となっている。
【0025】
その後、ポンチ8を嵌入部3aから退避させるように、径方向外側へ移動させると共に、中子5をパイプ1の内側から引き抜く。これにより、パイプ1と補助部材3からなる接合体(異材接合用補助部材付き管状部材)4が得られる。
【0026】
その後、図2に戻って、接合体4の補助部材3と、板材2とがアーク溶接等により接合される。このアークによるすみ肉溶接は、鋼同士の溶接であるので、金属間化合物を生じることなく、強固に接合される。図2中、符号23は、溶接トーチを表している。
【0027】
なお、本実施形態では、パイプ1をアルミニウム合金又はマグネシウム合金とし、板材2と補助部材3とを鋼製としているが、板材2と補助部材3の金属材料がパイプ1の金属材料と異なるものであればよく、各部材の金属材料はこれに限定されない。例えば、板材2と補助部材3の金属材料は、金属間化合物を生じることなく、融接を用いて互いに接合可能な材料であればよい。また、板材2と補助部材3の鋼製の組成は、互いに同一であっても異なるものであってもよい。
また、パイプ1が鋼製、板材2がアルミニウム合金又はマグネシウム合金である場合には、補助部材3は、パイプ1の金属材料と異なる金属材料であればよく、例えば、板材2と同じ金属材料であるアルミニウム合金又はマグネシウム合金としてもよい。
【0028】
また、パイプ1の断面形状は、円形に限らず、管状であれば任意であり、補助部材3の断面形状は、貫通穴1aが形成される部分でパイプ1の外面に接触又は近接して、貫通穴1a内に嵌入部3aが形成される形状であれば、パイプ1の形状と対応するものでもよいし、パイプ1の形状と異なる形状であってもよい。一方、中子5の断面形状は、パイプ1の断面形状と相似形状である必要がある。
【0029】
例えば、図6Aでは、パイプ1は、断面形状が正八角形である角管部材とし、補助部材3も、断面形状が正八角形である角管部材とし、中子5も、断面形状が正八角形である角柱部材としている。また、パイプ1には、貫通穴1aが1つおきの四辺に穿設されている。
【0030】
図6Bでは、パイプ1は、断面形状が正方形である角管部材とし、補助部材3も、断面形状が正方形である角管部材とし、中子5も、断面形状が正方形である角柱部材としている。また、パイプ1には、貫通穴1aが各辺に穿設されている。
【0031】
図6Cでは、パイプ1は、断面形状が円形である円管部材とし、補助部材3は、断面形状が正方形である角管部材とし、中子5は、断面形状が円形である円柱部材としている。また、パイプ1には、貫通穴1aが円周方向に90°間隔で穿設されている。
【0032】
図6Dでは、パイプ1は、断面形状が円形である円管部材とし、補助部材3は、断面形状が正六角形である角管部材とし、中子5は、断面形状が円形である円柱部材としている。また、パイプ1には、貫通穴1aが円周方向に120°間隔で穿設されている。
【0033】
図6Eでは、パイプ1は、断面形状が長方形である角管部材とし、補助部材3も、断面形状が長方形である角管部材とし、中子5も、断面形状が長方形である角柱部材としている。また、パイプ1には、貫通穴1aが各辺に穿設されており、特に、長辺には、2つの貫通穴1aが穿設されている。
【0034】
上述した図6A図6Eのいずれの変形例の場合も、パイプ1の縮管加工により補助部材3がパイプ1と強固に結合されていると共に、補助部材3と板材2とがアーク溶接等により接合される。
【0035】
以上説明したように、本実施形態の異材接合方法によれば、管状のパイプ1をアルミニウム合金又はマグネシウム合金からなるとし、平板状の板材2を鋼製からなるとした場合、鋼製からなる管状の補助部材3を、パイプ1の複数の貫通穴1aが形成された部分の周囲に配置する工程と、柱状の中子5を、パイプ1の内側に配置する工程と、パイプ1に形成された複数の貫通穴1aと対向する補助部材3の周壁に向けて、ポンチ8を径方向内側に変位させることで、補助部材3の周壁の一部を径方向内側に膨出させて貫通穴1aに対して嵌入させ、パイプ1と補助部材3とをかしめ結合する工程と、中子5をパイプ1の内側から引き抜く工程と、補助部材3と板材2とを溶接することで、補助部材3を介してパイプ1と板材2とを接合する工程と、を有する。
また、本実施形態の異材接合継手10によれば、アルミニウム合金又はマグネシウム合金からなる管状のパイプ1と、鋼製からなり、パイプ1と接合される平板状の板材2(又は他のパイプ9)と、鋼製からなる管状の補助部材3と、を備え、補助部材3は、その周壁の一部が径方向内側に膨出してパイプ1の貫通穴1aに対して嵌入される複数の嵌入部3aを有することで、パイプ1とかしめ結合され、且つ、補助部材3と板材2とが溶接される。
これにより、管状の補助部材3が管状のパイプ1と強固に結合されると共に、該補助部材3と板材2とが溶接により接合されるので、異なる金属材料からなるパイプ1と板材2とを、補助部材3を介して間接的に接合することができる。
【0036】
また、管状のパイプ1と補助部材3とを予め結合しておけば、補助部材3と板材2とを一般的な溶接方法で容易に接合することができる。
したがって、本実施形態は、異なる金属材料からなるパイプ1と板材2とを、低コストで簡便に、且つ確実に接合でき、広範囲な分野に適用できる。
【0037】
また、本実施形態の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法によれば、アルミニウム合金又はマグネシウム合金からなる管状のパイプ1と、鋼製からなり、パイプ1の周囲に配置される管状の補助部材3と、を備え、管状の補助部材3を、パイプ1の複数の貫通穴1aが形成された部分の周囲に配置する工程と、鋼鉄製の柱状の中子5を、パイプ1の内側に配置する工程と、パイプ1に形成された複数の貫通穴1aと対向する補助部材3の周壁に向けて、ポンチ8を径方向内側に変位させることで、補助部材3の周壁の一部を径方向内側に膨出させて貫通穴1aに対して嵌入させ、パイプ1と補助部材3とをかしめ結合する工程と、中子5をパイプ1の内側から引き抜く工程と、を備える。
また、本実施形態の異材接合用補助部材付き管状部材によれば、アルミニウム合金又はマグネシウム合金からなる管状部材と、鋼製からなり、パイプ1の周囲に配置される管状の補助部材3と、を備え、パイプ1には、複数の貫通穴1aが形成され、補助部材3は、その周壁の一部が径方向内側に膨出して複数の貫通穴1aに対して嵌入されてなる複数の嵌入部3aを有することで、パイプ1とかしめ結合される。
これにより、管状の補助部材3がパイプ1と強固に結合されているので、パイプ1と、該パイプ1と異なる金属材料からなる板材2とを、補助部材3を介して間接的に接合することができる。
したがって、本実施形態は、異なる金属材料からなるパイプ1と板材2とを、低コストで簡便に、且つ確実に接合でき、広範囲な分野に適用できる。
【0038】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る異材接合方法について、図7図10Eを参照して説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等部分については、説明を省略或いは簡略化する。
【0039】
第2実施形態では、図7及び図8に示すように、中子5は、パイプ1の複数の貫通穴1aに対応する各位相に軸方向に沿って延びる複数(本実施形態では、4つ)の溝部5aを有する。このため、本実施形態では、中子5の配置工程において、中子5は、複数の溝部5aとパイプ1の複数の貫通穴1aとの各位相が一致するようにして、パイプ1の内側に配置される。
【0040】
さらに、図8及び図9に示すように、かしめ結合工程において、ポンチ8は、より深くまで径方向内側に押し込むことができ、補助部材3の周壁の一部は、パイプ1の貫通穴1a及び中子5の溝部5aに嵌入する。即ち、本実施形態の嵌入部3aは、パイプ1の内周面よりも径方向内側に膨出して、第1実施形態よりも深くまで形成されるので、かしめ接合強度が向上された異材接合継手10及び接合体4を得ることができる。
【0041】
また、本実施形態では、図10A図10Eに示すような、第1実施形態の図6A~6Eと同様な断面形状を有するパイプ1及び補助部材3との組合せにおいても、溝部5aを有する中子5を用いて、かしめ接合強度が向上された異材接合継手10及び接合体4を得ることができる。
その他の構成及び作用については、第1実施形態のものと同様である。
【0042】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る異材接合方法について、図11図15Eを参照して説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等部分については、説明を省略或いは簡略化する。
【0043】
第3実施形態では、図11に示すように、第1及び第2実施形態と異なり、貫通穴が形成されていない円管状のパイプ1が使用される。一方、図12に示すように、中子5は、第2実施形態と同様に、軸方向に沿って延びる複数の溝部5aを有する円柱状のものが使用される。複数の溝部5aは、円周方向に等間隔に形成されている。また、補助部材3は、第1及び第2実施形態と同様に、円管状のものが使用される。
【0044】
したがって、第3実施形態では、管状のパイプ1をアルミニウム合金又はマグネシウム合金からなるとし、平板状の板材2を鋼製からなるとした場合、鋼製からなる管状の補助部材3を、パイプ1の周囲に配置し、また、複数の溝部5aを有する鋼鉄製の柱状の中子5を、パイプ1の内側に配置する。そして、パイプ1を介して中子5に形成された複数の溝部5aと対向する補助部材3の周壁に向けて、ポンチ8を径方向内側に変位させる。これにより、補助部材3の周壁の一部を径方向内側に膨出させることで、パイプ1には、中子5の複数の溝部5a内にそれぞれ入り込む複数の内向き凸部1bが形成され、補助部材3の周壁の一部は、パイプ1の複数の内向き凸部1bによって形成された複数の窪み1cに対してそれぞれ嵌入する複数の嵌入部3aが形成され、パイプ1と補助部材3とがかしめ結合される。
【0045】
その後は、第1実施形態と同様に、中子5をパイプ1の内側から引き抜くことで、接合体4が形成され、さらに、補助部材3と板材2とを溶接することで、補助部材3を介してパイプ1と板材2とを接合して、異材接合継手10が得られる。
【0046】
このように、第3実施形態の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法、及び異材接合継手の製造方法によれば、貫通穴1aを有しない円管状のパイプ1に対して、溝部5aを有する中子5を用いてパイプ1と補助部材3とをかしめ結合するので、パイプ1に貫通穴の穴開け作業を行なう必要がなくなり、工程数を削減でき、製造コストを低減することができる。
【0047】
また、第3実施形態の異材接合用補助部材付き管状部材、及び異材接合継手によれば、パイプ1の金属材料と異なる金属材料からなり、パイプ1の周囲に配置される管状の補助部材3とを備え、パイプ1には、径方向内側に凹んだ複数の窪み1cが形成され、補助部材3は、その周壁の一部が径方向内側に膨出して複数の窪み1cに対して嵌入されてなる複数の嵌入部3aを有する。これにより、補助部材3は、パイプ1とかしめ結合される。即ち、本実施形態では、パイプ1に貫通穴1aを有さずに、パイプ1と補助部材3とをかしめ結合できるとともに、パイプ1の内部の防水性を確保することができる。
【0048】
また、本実施形態では、図15A図15Eに示すような、第1実施形態の図6A~6Eと同様な断面形状を有するパイプ1及び補助部材3との組合せにおいても、貫通穴1aを有しないパイプ1に対して、溝部5aを有する中子5を用いて、かしめ結合することができる。この場合も、製造工程数を削減できるメリットを有する。
その他の構成及び作用については、第1実施形態のものと同様である。
【0049】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係る異材接合方法について、図16図21Eを参照して説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等部分については、説明を省略或いは簡略化する。
【0050】
第4実施形態の異材接合方法は、アルミニウム合金又はマグネシウム合金(第1の金属材料)からなる円管状のパイプ(第1の部材、管状部材)1と、鋼製(第2の金属材料)からなる平板状の板材(第2の部材)2とを、鋼製(第3の金属材料)からなる円管状の補助部材3を用いて間接的に接合し、図16に示すような異材接合継手10を得るものである。このため、異材接合継手10では、以下詳述するように、補助部材3がパイプ1と強固に結合されていると共に、補助部材3と板材2とがアーク溶接等により接合されている。
【0051】
図17に示すように、補助部材3には、円周方向に所定の間隔で複数の貫通穴(本実施形態では、4つ)3fが形成されている。
【0052】
補助部材3は、パイプ1の端部に内嵌して取り付けられている。このため、補助部材3の外径は、パイプ1の内径より僅かに小さく設計されている。また、パイプ1は、補助部材3の複数の貫通穴3fに臨む周壁の一部が径方向内側に膨出し、複数の貫通穴3fに対して嵌入される複数の嵌入部1fを有する。これによって、パイプ1と補助部材3とは、かしめ結合されている。嵌入部1fの基部は、パイプ1の内周面と貫通穴3fとの縁部全周に亘って接触しており、補助部材3は、パイプ1に対して軸方向に位置決めされると共に、回り止めされている。また、パイプ1と補助部材3とは、互いにかしめ結合された状態において、補助部材3の軸方向端部3bがパイプ1の軸方向端部1gから延出している。
【0053】
また、板材2と、該板材2の平面に載置された補助部材3の軸方向端部3bとの隅部には、アーク溶接によって溶接金属Wが形成され、板材2と補助部材3が強固に接合されている。なお、補助部材3の軸方向端部3bは、パイプ1の軸方向端部1gから延出しているので、板材2と容易に溶接することができる。
【0054】
このような異材接合継手10は、図17図20に示すように、まず、円管状のパイプ1と、複数の貫通穴3fが形成された円筒状の補助部材3と、を用意する。補助部材3の複数の貫通穴3fは、管状のブランク部材に対して図示しないパンチ等を用いて穿設される。なお、複数の貫通穴3fは、図16に示すような円形に限らず、多角形など他の形状であってもよい。ただし、後述するポンチ8の先端形状も、貫通穴3fの形状に合せるのが好ましい。
【0055】
そして、図18に示すように、パイプ1を、補助部材3の複数の貫通穴3fが形成される部分の周囲に、補助部材3の軸方向端部3bがパイプ1の軸方向端部1gから延出した状態で配置するとともに、鋼鉄製の柱状の中子5を、補助部材3の内側に配置する。このため、パイプ1を補助部材3の周囲に配置する際には、パイプ1の軸方向端部1gの下方には、パイプ1の軸方向端部1gを支持する支持部材(図示せず)を用いることが好ましい。
【0056】
次に、図18図20に示すように、複数のポンチ(押圧部材)8を、補助部材3の径方向外側で、補助部材3の複数の貫通穴3fの各位相と対応する位置に配置する。そして、補助部材3の複数の貫通穴3fと対向するパイプ1の周壁に向けて、ポンチ8を径方向内側に変位させる。これにより、パイプ1の周壁の一部が、径方向内側に膨出し、貫通穴3fに対して嵌入することで、嵌入部1fを形成し、パイプ1と補助部材3とがかしめ結合される。
なお、ポンチ8は、不図示のプレス装置などに連結され、径方向内側に向かって強大な荷重を付与可能となっている。
【0057】
その後、ポンチ8を嵌入部1fから退避させるように、径方向外側へ移動させると共に、中子5をパイプ1及び補助部材3の内側から引き抜く。これにより、パイプ1と補助部材3からなる接合体(異材接合用補助部材付き管状部材)4が得られる。
【0058】
その後、図17に戻って、接合体4の補助部材3と、板材2とがアーク溶接等により接合される。このアークによるすみ肉溶接は、鋼同士の溶接であるので、金属間化合物を生じることなく、強固に接合される。図17中、符号23は、溶接トーチを表している。
【0059】
なお、本実施形態では、パイプ1をアルミニウム合金又はマグネシウム合金とし、板材2と補助部材3とを鋼製としているが、板材2と補助部材3の金属材料がパイプ1の金属材料と異なるものであればよく、各部材の金属材料はこれに限定されない。例えば、板材2と補助部材3の金属材料は、金属間化合物を生じることなく、融接を用いて互いに接合可能な材料であればよい。また、板材2と補助部材3の鋼製の組成は、互いに同一であっても異なるものであってもよい。
また、パイプ1が鋼製、板材2がアルミニウム合金又はマグネシウム合金である場合には、補助部材3は、パイプ1の金属材料と異なる金属材料であればよく、例えば、板材2と同じ金属材料であるアルミニウム合金又はマグネシウム合金としてもよい。
【0060】
また、パイプ1の断面形状は、円形に限らず、管状であれば任意であり、補助部材3の断面形状は、貫通穴3fが形成される部分でパイプ1の内面に接触又は近接して、貫通穴3f内に嵌入部1fが形成される形状であれば、パイプ1の形状と対応するものでもよいし、パイプ1の形状と異なる形状であってもよい。一方、中子5の断面形状は、補助部材3の断面形状と相似形状である必要がある。
【0061】
例えば、図21Aでは、パイプ1は、断面形状が正八角形である角管部材とし、補助部材3も、断面形状が正八角形である角管部材とし、中子5も、断面形状が正八角形である角柱部材としている。また、補助部材3には、貫通穴3fが1つおきの四辺に穿設されている。
【0062】
図21Bでは、パイプ1は、断面形状が正方形である角管部材とし、補助部材3も、断面形状が正方形である角管部材とし、中子5も、断面形状が正方形である角柱部材としている。また、補助部材3には、貫通穴3fが各辺に穿設されている。
【0063】
図21Cでは、パイプ1は、断面形状が正方形である角管部材とし、補助部材3は、断面形状が円形である円管部材とし、中子5は、断面形状が円形である円柱部材としている。また、補助部材3には、貫通穴3fが円周方向に90°間隔で穿設されている。
【0064】
図21Dでは、パイプ1は、断面形状が正六角形である角管部材とし、補助部材3は、断面形状が円形である円管部材とし、中子5は、断面形状が円形である円柱部材としている。また、補助部材3には、貫通穴3fが円周方向に120°間隔で穿設されている。
【0065】
図21Eでは、パイプ1は、断面形状が長方形である角管部材とし、補助部材3も、断面形状が長方形である角管部材とし、中子5も、断面形状が長方形である角柱部材としている。また、補助部材3には、貫通穴3fが各辺に穿設されており、特に、長辺には、2つの貫通穴3fが穿設されている。
【0066】
上述した図21A図21Eのいずれの変形例の場合も、パイプ1の縮管加工により補助部材3がパイプ1と強固に結合されていると共に、補助部材3と板材2とがアーク溶接等により接合される。
【0067】
以上説明したように、本実施形態の異材接合方法によれば、管状のパイプ1をアルミニウム合金又はマグネシウム合金からなるとし、平板状の板材2を鋼製からなるとした場合、鋼製からなり、複数の貫通穴3fが形成された管状の補助部材3の周囲に、パイプ1を配置する工程と、柱状の中子5を、補助部材3の内側に配置する工程と、補助部材3に形成された複数の貫通穴3fと対向するパイプ1の周壁に向けて、ポンチ8を径方向内側に変位させることで、パイプ1の周壁の一部を径方向内側に膨出させて貫通穴3fに対して嵌入させ、パイプ1と補助部材3とをかしめ結合する工程と、中子5を補助部材3の内側から引き抜く工程と、補助部材3と板材2とを溶接することで、補助部材3を介してパイプ1と板材2とを接合する工程と、を有する。
また、本実施形態の異材接合継手10によれば、アルミニウム合金又はマグネシウム合金からなる管状のパイプ1と、鋼製からなり、パイプ1と接合される平板状の板材2(又は他のパイプ9)と、鋼製からなり、円周方向に複数の貫通穴3fが形成される管状の補助部材3と、を備え、パイプ1は、その周壁の一部が径方向内側に膨出して補助部材3の貫通穴3fに対して嵌入される複数の嵌入部1fを有することで、補助部材3とかしめ結合され、且つ、補助部材3と板材2とが溶接される。
これにより、管状の補助部材3が管状のパイプ1と強固に結合されると共に、該補助部材3と板材2とが溶接により接合されるので、異なる金属材料からなるパイプ1と板材2とを、補助部材3を介して間接的に接合することができる。
【0068】
また、管状のパイプ1と補助部材3とを予め結合しておけば、補助部材3と板材2とを一般的な溶接方法で容易に接合することができる。
したがって、本実施形態は、異なる金属材料からなるパイプ1と板材2とを、低コストで簡便に、且つ確実に接合でき、広範囲な分野に適用できる。
【0069】
また、本実施形態の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法によれば、アルミニウム合金又はマグネシウム合金からなる管状のパイプ1と、鋼製からなり、パイプ1の周囲に配置される管状の補助部材3と、を備え、複数の貫通穴3fが形成された管状の補助部材3の周囲に、パイプ1を配置する工程と、鋼鉄製の柱状の中子5を、補助部材3の内側に配置する工程と、補助部材3に形成された複数の貫通穴3fと対向するパイプ1の周壁に向けて、ポンチ8を径方向内側に変位させることで、パイプ1の周壁の一部を径方向内側に膨出させて貫通穴3fに対して嵌入させ、パイプ1と補助部材3とをかしめ結合する工程と、中子5を補助部材3の内側から引き抜く工程と、を備える。
また、本実施形態の異材接合用補助部材付き管状部材によれば、アルミニウム合金又はマグネシウム合金からなる管状部材と、鋼製からなり、パイプ1の内側に配置される管状の補助部材3と、を備え、補助部材3には、複数の貫通穴3fが形成され、パイプ1は、その周壁の一部が径方向内側に膨出して複数の貫通穴3fに対して嵌入されてなる複数の嵌入部1fを有することで、補助部材3とかしめ結合される。
これにより、管状の補助部材3がパイプ1と強固に結合されているので、パイプ1と、該パイプ1と異なる金属材料からなる板材2とを、補助部材3を介して間接的に接合することができる。
したがって、本実施形態は、異なる金属材料からなるパイプ1と板材2とを、低コストで簡便に、且つ確実に接合でき、広範囲な分野に適用できる。
【0070】
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態に係る異材接合方法について、図22図25Eを参照して説明する。なお、第4実施形態と同一又は同等部分については、説明を省略或いは簡略化する。
【0071】
第5実施形態では、図22及び図23に示すように、中子5は、補助部材3の複数の貫通穴3fに対応する各位相に軸方向に沿って延びる複数(本実施形態では、4つ)の溝部5aを有する。このため、本実施形態では、中子5の配置工程において、中子5は、複数の溝部5aと補助部材3の複数の貫通穴3fとの各位相が一致するようにして、補助部材3の内側に配置される。
【0072】
さらに、図23及び図24に示すように、かしめ結合工程において、ポンチ8は、より深くまで径方向内側に押し込むことができ、パイプ1の周壁の一部は、補助部材3の貫通穴3f及び中子5の溝部5aに嵌入する。即ち、本実施形態の嵌入部1fは、補助部材3の内周面よりも径方向内側に膨出して、第4実施形態よりも深くまで形成されるので、かしめ接合強度が向上された異材接合継手10及び接合体4を得ることができる。
【0073】
また、本実施形態では、図25A図25Eに示すような、第4実施形態の図21A~21Eと同様な断面形状を有するパイプ1及び補助部材30との組合せにおいても、溝部5aを有する中子5を用いて、かしめ接合強度が向上された異材接合継手10及び接合体4を得ることができる。
その他の構成及び作用については、第4実施形態のものと同様である。
【0074】
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態に係る異材接合方法について、図26図30Eを参照して説明する。なお、第4実施形態と同一又は同等部分については、説明を省略或いは簡略化する。
【0075】
第6実施形態では、図26に示すように、第4及び第5実施形態と異なり、貫通穴が形成されていない円管状の補助部材3が使用される。一方、図27に示すように、中子5は、第5実施形態と同様に、軸方向に沿って延びる複数の溝部5aを有する円柱状のものが使用される。複数の溝部5aは、円周方向に等間隔に形成されている。また、補助部材3は、第4及び第5実施形態と同様に、円管状のものが使用される。
【0076】
したがって、第6実施形態では、管状のパイプ1をアルミニウム合金又はマグネシウム合金からなるとし、平板状の板材2を鋼製からなるとした場合、鋼製からなる管状の補助部材3の周囲に、パイプ1を配置し、また、複数の溝部5aを有する鋼鉄製の柱状の中子5を、補助部材3の内側に配置する。そして、補助部材3を介して中子5に形成された複数の溝部5aと対向するパイプ1の周壁に向けて、ポンチ8を径方向内側に変位させる。これにより、パイプ1の周壁の一部を径方向内側に膨出させることで、補助部材3には、中子5の複数の溝部5a内にそれぞれ入り込む複数の内向き凸部3cが形成され、パイプ1の周壁の一部は、補助部材3の複数の内向き凸部3cによって形成された複数の窪み3dに対してそれぞれ嵌入する複数の嵌入部1fが形成され、パイプ1と補助部材3とがかしめ結合される。
【0077】
その後は、第4実施形態と同様に、中子5を補助部材3の内側から引き抜くことで、接合体4が形成され、さらに、補助部材3と板材2とを溶接することで、補助部材3を介してパイプ1と板材2とを接合して、異材接合継手10が得られる。
【0078】
このように、第6実施形態の異材接合用補助部材付き管状部材の製造方法、及び異材接合継手の製造方法によれば、貫通穴3fを有しない円管状の補助部材3に対して、溝部5aを有する中子5を用いてパイプ1と補助部材3とをかしめ結合するので、補助部材3に貫通穴の穴開け作業を行なう必要がなくなり、工程数を削減でき、製造コストを低減することができる。
【0079】
また、第6実施形態の異材接合用補助部材付き管状部材、及び異材接合継手によれば、パイプ1の金属材料と異なる金属材料からなり、パイプ1の内側に配置される管状の補助部材3とを備え、補助部材3には、径方向内側に凹んだ複数の窪み3dが形成され、パイプ1は、その周壁の一部が径方向内側に膨出して複数の窪み3dに対して嵌入されてなる複数の嵌入部1fを有する。これにより、パイプ1は、補助部材3とかしめ結合される。即ち、本実施形態では、補助部材3に貫通穴3fを有さずに、パイプ1と補助部材3とをかしめ結合できる。
【0080】
また、本実施形態では、図30A図30Eに示すような、第4実施形態の図21A~21Eと同様な断面形状を有するパイプ1及び補助部材30との組合せにおいても、貫通穴3fを有しない補助部材3に対して、溝部5aを有する中子5を用いて、かしめ結合することができる。この場合も、製造工程数を削減できるメリットを有する。
その他の構成及び作用については、第4実施形態のものと同様である。
【0081】
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態に係る異材接合方法について、図31及び図32を参照して説明する。なお、第4実施形態と同一又は同等部分については、説明を省略或いは簡略化する。
【0082】
第7実施形態では、補助部材3の軸方向端部3bには、パイプ1の内径よりも大径の外周面を有する拡管部3eが設けられる。具体的に、本実施形態では、拡管部3eの外径は、パイプ1の外径と略等しく形成される。これにより、補助部材3の周囲にパイプ1を配置する際に、パイプ1の軸方向端部1gは、補助部材3の拡管部3e、即ち、拡管部3eによって形成された段差部分と当接させて、パイプ1と補助部材3とを軸方向に位置決めすることができる。また、図32に示すように、接合体4が形成された後は、補助部材3の拡管部3eと板材2とがアーク溶接され、拡管部3eと板材2との隅部には溶接金属Wが形成される。
【0083】
したがって、本実施形態によれば、補助部材3に拡管部3eを設けることで、パイプ1の支持部材を設けることなく、補助部材3の軸方向端部3bをパイプ1の軸方向端部1gから延出した状態で、パイプ1を補助部材3の周囲に容易に配置することができる。
また、補助部材3には、拡管部3eを形成するための拡管工程が必要となるが、パイプ1の軸方向端部1gと板材2との間にくびれ部分がなくなり、異材接合継手10としての外観性を向上することができる。
その他の構成及び作用については、第4実施形態のものと同様である。なお、本実施形態の拡管部を有する構成は、第5及び第6実施形態の補助部材3にも適用可能である。
【0084】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものでなく、適宜、変形、改良等が可能である。
【0085】
以下、図33図36Bは、パイプ1を内側部材、補助部材3を外側部材とした各変形例である。
例えば、一対の補助部材3をパイプ1の両端部にかしめ結合することで、図33に示すような接合体4を構成してもよい。
【0086】
また、図34に示すように、異材接合用補助部材付き管状部材である接合体4には、補助部材3の嵌入部3aが軸方向に複数(本実施形態では、2つ)並んで形成されるようにしてもよい。この場合、図示しないが、パイプ1には、貫通穴1aが軸方向に複数並んで設けられている。
【0087】
このように、パイプ1と補助部材3とのかしめ部位を円周方向だけでなく、軸方向にも複数設けることで、パイプ1と補助部材3とをより強固に接合することができる。
【0088】
さらに、図35Aに示すように、接合体4の端面(パイプ1及び補助部材3の端面)は、パイプ1の軸線方向に対して傾斜していてもよく、接合体4の軸線方向が板材2の法線に対して傾斜して接合することもできる。この場合、パイプ1及び補助部材3の端面は、パイプ1の縮管加工の後に斜めに切断してもよいし、縮管加工の前にそれぞれ斜めに切断していてもよい。
【0089】
また、図35Bに示すように、接合体4は、板材2の面に対して、パイプ1の軸線が平行になるように、パイプ1と板材2とが接合させてもよい。この場合、補助部材3と板材2とは、補助部材3の円周方向2か所(片側のみ図示)にパイプ1の軸方向に沿ってアーク溶接が施されている。
【0090】
また、図35Cに示すように、接合体4は、板材2に形成された半円筒形の凹部2dに補助部材3を介してパイプ1が収容されるようにして、パイプ1と板材2とが接合されてもよい。この場合、補助部材3と板材2とは、板材2の凹部2dと平面との境界部2箇所にパイプ1の軸方向に沿ってアーク溶接が施されている。
【0091】
また、図35Dに示すように、接合体4は、パイプ1と他のパイプ9とが直交するようにして、補助部材3を介して互いに接合されてもよい。この場合、補助部材3の端面は、他のパイプ9の外周面9aに対して全周に亘って接するように加工され、補助部材3の端面に沿ってアーク溶接が施されている。
【0092】
また、図35Eに示すように、接合体4は、パイプ1と他のパイプ9とが直線状に連結するように、補助部材3を介して互いに接合されてもよい。この場合、補助部材3の端面と他のパイプ9の端面とが全周に亘って接し、これら端面に沿ってアーク溶接が施される。なお、パイプ1とパイプ9は同じ径でも良いし、異なる径とすることもできる。
【0093】
また、図36Aに示すように、嵌入部3aが補助部材3の軸方向両端側に位置するようにして、補助部材3をパイプ1の軸方向中間部に配置した接合体4を形成することができる。このため、図36Bに示すように、開口が形成された板材2を補助部材3の回りに挿通して、軸方向両側に位置する嵌入部3aの軸方向中間部で、板材2と補助部材3との各隅部をアーク溶接などにより接合することで、板材2をパイプ1の軸方向中間部に接合することができる。
【0094】
また、図37図39Eは、パイプ1を外側部材、補助部材3を内側部材とした各変形例である。
例えば、補助部材3に設けられる複数の穴3fは、要求されるパイプ1との接合強度に応じて少なくとも2箇所あればよく、上記実施形態の4箇所に限定されるものでなく、例えば、図37に示すような8箇所であってもよい。
【0095】
また、図38に示すように、異材接合用補助部材付き管状部材である接合体4には、パイプ1の嵌入部1fが軸方向に複数(本実施形態では、2つ)並んで形成されるようにしてもよい。この場合、図示しないが、補助部材3には、貫通穴3fが軸方向に複数並んで設けられている。
【0096】
このように、パイプ1と補助部材3とのかしめ部位を円周方向だけでなく、軸方向にも複数設けることで、パイプ1と補助部材3とをより強固に接合することができる。
【0097】
さらに、図39Aに示すように、接合体4の端面(パイプ1及び補助部材3の端面)は、パイプ1の軸線方向に対して傾斜していてもよく、接合体4の軸線方向が板材2の法線に対して傾斜して接合することもできる。この場合、パイプ1及び補助部材3の端面は、パイプ1の縮管加工の後に斜めに切断してもよいし、縮管加工の前にそれぞれ斜めに切断していてもよい。
【0098】
また、図39Bに示すように、接合体4は、板材2の面に対して、パイプ1の軸線が平行になるように、パイプ1と板材2とが接合させてもよい。この場合、補助部材3と板材2とは、補助部材3の円周方向2か所(片側のみ図示)にパイプ1の軸方向に沿ってアーク溶接が施されている。
【0099】
また、図39Cに示すように、接合体4は、板材2に形成された半円筒形の凹部2dに補助部材3を介してパイプ1が収容されるようにして、パイプ1と板材2とが接合されてもよい。この場合、補助部材3と板材2とは、板材2の凹部2dと平面との境界部2箇所にパイプ1の軸方向に沿ってアーク溶接が施されている。
【0100】
また、図39Dに示すように、接合体4は、パイプ1と他のパイプ9とが直交するようにして、補助部材3を介して互いに接合されてもよい。この場合、補助部材3の端面は、他のパイプ9の外周面9aに対して全周に亘って接するように加工され、補助部材3の端面に沿ってアーク溶接が施されている。
【0101】
また、図39Eに示すように、接合体4は、パイプ1と他のパイプ9とが直線状に連結するように、補助部材3を介して互いに接合されてもよい。この場合、補助部材3の端面と他のパイプ9の端面とが全周に亘って接し、これら端面に沿ってアーク溶接が施される。なお、パイプ1とパイプ9は同じ径でも良いし、異なる径とすることもできる。
【0102】
さらに、上記第1~第7実施形態では、中子5を鋼鉄製としているが、本発明の中子はこれに限らず、非鉄合金やセラミックなどの硬質材であってもよい。
【0103】
また、本発明の異材接合継手10が適用される例としては、図40に示すような、自動車用のシートフレームが挙げられる。具体的には、離間して対向配置される鋼製の一対のプレス板部材(サイドフレーム、第2の部材)2A、2Bに対して、アルミニウム合金製のパイプ(第1の部材)1と鋼製の補助部材3とが結合された接合体4A、4B、4Cを梁部材(連結部材)として、アーク溶接により接合することで、自動車用のシートフレームが得られる。この場合、接合体4A,4B,4Cでは、パイプ1の両端部に一対の補助部材3が設けられており、各補助部材3が各プレス板部材2A,2Bにそれぞれ接合される。このように構成されたシートフレームは、梁部材として鋼製の金属管が使用される一般的なものに比べて、軽量化を図ることができ、また、従来通りのアーク溶接設備にて製造することができる。
【符号の説明】
【0104】
1 パイプ(第1の部材、管状部材)
1a 貫通穴(穴)
1f 嵌入部
2 板材(第2の部材)
3 補助部材
3a 嵌入部
3f 貫通穴(穴)
4 接合体(異材接合用補助部材付き管状部材)
5 中子
8 ポンチ(押圧部材)
9 他のパイプ(第2の部材)
10 異材接合継手
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図11
図12
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図15A
図15B
図15C
図15D
図15E
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図21B
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図25A
図25B
図25C
図25D
図25E
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図30B
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図30E
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図34
図35A
図35B
図35C
図35D
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図36B
図37
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図39A
図39B
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図39D
図39E
図40