(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】湿気制御包装材料
(51)【国際特許分類】
B65D 85/10 20060101AFI20220117BHJP
B65D 65/40 20060101ALI20220117BHJP
B65D 81/24 20060101ALI20220117BHJP
【FI】
B65D85/10
B65D65/40 D
B65D81/24 D
(21)【出願番号】P 2018514317
(86)(22)【出願日】2016-09-21
(86)【国際出願番号】 IB2016055637
(87)【国際公開番号】W WO2017055970
(87)【国際公開日】2017-04-06
【審査請求日】2019-09-03
(32)【優先日】2015-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】カイヨー ティモシー
【審査官】田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/061675(WO,A1)
【文献】特開2014-237121(JP,A)
【文献】特開2006-315742(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第00348840(EP,A2)
【文献】特開2010-120385(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0021219(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 85/10
B65D 65/40
B65D 81/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟な多層包装材料であって、
湿気バリア層(230)と、
湿度調整塩溶液を含む湿気制御材料を含む湿気制御層(210)と、を備え、
前記湿気制御材料は、湿気を吸収または放出することができる材料であり、また、
前記湿気制御層は前記内側パッケージの封じられた内側表面の全体または実質的に全体を画定する、柔軟な多層包装材料を備える、喫煙物品のための内側パッケージ。
【請求項2】
前記湿気制御層は、透湿性である、請求項1に記載の内側パッケージ。
【請求項3】
前記湿気制御層は、ヒートシール性層である、請求項1または請求項2に記載の内側パッケージ。
【請求項4】
前記湿気バリア層および前記湿気制御層は、封じることができる層である、請求項1~3のいずれか1項に記載の内側パッケージ。
【請求項5】
追加のヒートシール性層が外側層として前記湿気バリア層上に位置する、請求項1~4のいずれか1項に内側パッケージ。
【請求項6】
前記
湿気制御層は、38℃かつ90%の相対湿度において24hあたり20g/m
2より大きい水蒸気透過率を有する、請求項1~
5のいずれか1項に記載の内側パッケージ。
【請求項7】
前記湿気バリア層は、38℃かつ90%の相対湿度において24hあたり20g/m
2以下の水蒸気透過率を有する、請求項1~
6のいずれか1項に記載の内側パッケージ。
【請求項8】
前記湿気制御材料は、封じられたときに前記包装材料によって画定される内部容積中の相対湿度を20%~90%に維持するよう構成される、請求項1~
7のいずれか1項に記載の内側パッケージ。
【請求項9】
前記湿度調整塩溶液は、炭酸カリウム溶液、酢酸マグネシウム溶液、酢酸ナトリウム溶液、塩化アンモニウム溶液、硝酸アンモニウム溶液、および臭化ナトリウム溶液からなる群から選択される、請求項
1~8のいずれか1項に記載の内側パッケージ。
【請求項10】
前記湿度調整塩溶液はポリマー担体に浸透される、請求項
1~9のいずれか1項に記載の内側パッケージ。
【請求項11】
前記湿気制御材料は、ポリエーテルポリアミドを含む、請求項1~10のいずれか1項に記載の内側パッケージ。
【請求項12】
ボックスおよび前記ボックスにヒンジで取り付けられるリッドを含むハウジングと、
前記ハウジング内に配置され、1つ以上の消費財を収容するための内部容積を画定する、請求項1~1
1のいずれか1項に記載の内側パッケージとを備え、
前記内側パッケージは、それを通して前記1つ以上の喫煙物品を取り出すことが可能なアクセス開口を画定し、
前記内側パッケージは再び封じることが可能なフラップを含み、前記アクセス開口は、前記フラップが閉位置にあるときには前記フラップによって覆われ、前記フラップが開位置にあるときには前記アクセス開口は少なくとも部分的に覆われない、容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、湿気を吸収または放出する、柔軟な包装材料に関連する。柔軟な包装材料は、封じてパッケージを形成する際に、柔軟な包装材料によって画定される内部容積の相対湿度を制御するのに使用されうる。
【背景技術】
【0002】
いくつかの消費財は、望ましい相対湿度を維持する環境で保管される場合には、新鮮さまたは新鮮さの知覚を保持する。封じられたパッケージにおける相対湿度を維持するためのいくつかの解決法が提案されている。例えば、乾燥剤を封じられたパッケージ内に置く、または包装の内側層に組み込んで、乾燥した内部環境を維持する。湿性の環境を維持するためには、保湿剤が封じられたパッケージ中に置かれる。例えば、湿度パッドをパッケージ内に封止して、封じられたパッケージ内の湿性の環境を維持する。
【0003】
食品製品および喫煙物品は、湿度を管理された環境での保管が望ましい消費者製品の例である。紙巻たばこや葉巻たばこなどの喫煙物品は一般に、ボックスと、容器の後部壁を横切って延びるヒンジ線の周りにボックスに結合されたリッドとを持つ剛直なヒンジ・リッド型容器内にパッケージされる。こうしたヒンジ・リッド型容器は通常、一枚の層状の厚紙ブランクから構成される。使用時、リッドはヒンジ線を中心に回転して容器を開き、ボックス内に配置されている喫煙物品の束へのアクセスが得られる。
【0004】
ボックス内に配置されている喫煙物品の束は通常、金属化紙、金属箔またはその他の柔軟なシート材料の内側ライナー内に包まれる。内側ライナー内の喫煙物品の束にアクセスするには、消費者は通常、ヒンジ・リッド型容器を初めて開く際に、内側ライナーの予め穿孔された上部を取り外して破棄する。
【0005】
例えば、水、湿度、香味および臭味の出入りに対する向上した保護を提供するためには、喫煙物品の束を再び封じることが可能で実質的に気密なラッパーに封入することが知られている。ラッパーは再び封じることが可能であるが、ラッパーの内部容積内の相対湿度は、ラッパーが開いている間に変化する場合がある。
【0006】
気密なラッパー内の高い相対湿度を維持するために、湿度パッドまたは他の湿気放出要素を気密なラッパー内に置くことが提案されている。しかし、包装に追加のコンポーネントを加えることは製造を複雑にし、このことは、喫煙物品製造産業において一般的に用いられる高速製造ラインにおいて特に問題となりうる。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的の1つは、湿気を放出および吸収可能な包装材料を提供することである。好ましくは、こうした包装材料を使用して、封じてパッケージを形成する際に、包装材料によって画定される内部容積の相対湿度を制御しうる。
【0008】
本発明の他の目的は、容器内の相対湿度を制御可能とするよう湿気を放出および吸収可能である包装材料を有する消費財用の容器を提供することである。好ましくは、消費財は喫煙物品である。
【0009】
本発明のその他の目的は、下記の請求の範囲および添付図面を含む本開示を読んで理解することで当業者にとって明らかとなろう。
【0010】
本発明の様々な態様において、柔軟な包装材料は、湿気バリア層と湿気制御材料を含む湿気制御層とを備える。湿気制御層は、湿気制御材料を含む。本明細書で使用される場合、「湿気制御材料」とは、保管状態が変化する、通常の保管状態において湿気を容易に吸収し、湿気を容易に放出することができる材料のことである。例えば、乾燥状態では、湿気制御材料は容易に湿気を放出する。高湿度状態では、乾燥した湿気制御材料が容易に湿気を吸収する。好ましい実施形態では、湿気制御材料は、包装によって形成された封じられたパッケージの内部容積内の湿度を制御する蒸気圧を有する。湿気制御材料は、内部容積中の分圧が湿気制御材料の蒸気圧と等しくなるまで、透湿層を介して内部容積中の湿気を吸収または放出することができる。一部の好ましい実施形態では、湿気制御層は、透湿層としてもよく、包装材料が封じられる際にパッケージの内側表面を形成してもよい。別の好ましい実施形態では、湿気制御包装材料が透湿層をさらに備え、そして、湿気制御層は湿気バリア層と透湿層との間に位置する。
【0011】
本発明の一部の態様では、湿気制御包装材料は、外側表面、内側表面、および外側表面と内側表面との間に配置された湿気制御材料を含む。内側表面から湿気制御材料への水の浸透性は、外側表面から湿気制御材料への浸透性よりも大きい。湿気制御材料は、封じられたときに包装によって画定される内部容積中の相対湿度を20%~90%、好ましくは40%~80%に維持するよう構成される。好ましくは、透湿性湿気制御層が、湿度調整塩溶液とポリエーテルポリアミドからなる群から選択される湿気制御材料を含むことが好ましい。
【0012】
本発明の様々な態様において、湿気制御包装材料は、湿気バリア層と透湿性の湿気制御層とを含む。透湿性の湿気制御層が、湿度調整塩溶液とポリエーテルポリアミドからなる群から選択される湿気制御材料を含むことが好ましい。
【0013】
本発明の好ましい態様では、容器は、ボックスとボックスにヒンジで取り付けられたリッドを含むハウジングを備える。容器は、ハウジング内に配置され、消費財を収容するための内部容積を画定する、内側パッケージをさらに備える。内側パッケージは、本発明の湿気制御包装材料から少なくとも部分的に形成される。好ましくは、(i)内側パッケージが消費財をそこから取り出し可能なアクセス開口を画定し、(ii)内側パッケージが再び封じることができるフラップを備える。フラップが閉位置にあるときは、アクセス開口はフラップによって覆われる。フラップが開位置にあるときは、アクセス開口は少なくとも部分的に覆われない。
【0014】
本発明の好ましい態様では、アセンブリは、本発明の容器とこの容器中に保管される消費財とを含む。好ましくは、消費財は喫煙物品である。
【0015】
本発明の包装材料、容器、およびアセンブリの様々な態様は、現在市販されている、封じられた内部容積の湿度を調整することを試みる包装材料、容器およびアセンブリに対して1つ以上の利点を有しうる。例えば、本発明の包装材料は、湿気制御材料が作用することができる大きな表面積を提供しうる。例えば、湿気制御材料を、パッケージの封じられた内側表面の全体または実質的に全体を画定する包装材料中に組み込むことで、水分制御材料が湿気を吸収し、封じられた内部容積に湿気を放出することができる表面積は、例えば内部容積中に湿度パッドを封止することによって達成可能なものよりも実質的に大きくなりうる。加えて、湿気制御材料を包装材料によって画定される内部容積内に置くのに対して、湿気制御材料を包装材料中に一体化させることで、製造ラインにおける製造ステップまたは変更を減少させることができる。例えば、本発明の包装材料は、既存の製造機器およびラインを使用する現在用いられている包装材料に置き換えることができる。大規模製造、特に、喫煙物品産業において用いられているような高速の製造に対して、製造ステップまたは機器への変更を加えることは行い難い。本明細書で説明した包装材料、容器、およびアセンブリの1つ以上の態様のさらなる利点は、本開示を読み理解することで当業者に明らかとなるであろう。
【0016】
本発明の包装材料は、包装材料中に、局所的環境条件に応じて湿気を放出または吸収する湿度制御のための溶液を組み込む。封じて内部容積を画定するパッケージを形成する際、包装材料は内部容積中の相対湿度を制御しうる。パッケージを開いて容易に再び封じることができるように、パッケージは再び封じることができることが好ましい。パッケージを開いてヘッドスペースとも呼ばれる内部容積中に保管される1つ以上の消費財にアクセスするとき、内部容積中の相対湿度が外部環境と均衡し始め、内部容積の相対湿度を望ましい範囲から逸脱させる場合がある。パッケージを再び封じる場合、包装材料中の湿気制御材料および包装の構造は、望ましい湿度レベルに戻すよう内部容積中の相対湿度を変更させうる。これは、開封および再封の後にパッケージ中に1つ以上の消費財が残っているときに特に有利である。
【0017】
本発明の包装材料は、封じてパッケージの内部容積を画定するときに、包装材料が、内部容積に面する内側表面と、内部容積の外方に面する外側表面とを有するように構成される。本発明の包装材料は、内側表面と外側表面との間に湿気制御材料を含有する。外側表面から湿気制御材料への湿気の浸透性は、内側表面から湿気制御材料への湿気の浸透性よりも小さく、湿気制御材料と本発明の包装材料から少なくとも部分的に形成される封じられたパッケージの内部容積との間の選択的な湿分移転を提供する。好ましくは、外側表面から湿気制御材料への湿気の浸透性は、内側表面から湿気制御材料への湿気の浸透性よりも実質的に小さい。例えば、内側表面から湿気制御材料への湿気の浸透性は、外側表面から湿気制御材料への湿気の浸透性の5倍以上、例えば、10倍以上、または50倍以上などとしうる。
【0018】
好ましい実施形態では、本開示の包装材料は、湿気バリア層、透湿層、および湿気制御材料を含む。湿気制御材料は、透湿層中に配置されるか、少なくともその一部を形成してもよい。好ましくは、包装は、湿気バリアと透湿層との間に配置される湿気制御層を含む。湿気制御層は、湿気制御材料を含む。透湿層は、包装の内側表面を形成する。
【0019】
本発明の目的のために、湿気バリア層は、ISO 2528:1995によって判定する場合に、38℃かつ90%の相対湿度において、24hあたり20g/m2以下の水蒸気または湿気透過率(WVTR)を有する層である。好ましくは、本発明の包装の湿気バリア層は、38℃かつ90%の相対湿度において、24hあたり10gm2未満のWVTRを有する。
【0020】
本発明の目的のために、透湿層は、ISO 2528:1995によって判定する場合に、38℃かつ90%の相対湿度において、24hあたりのg/m2が20よりも大きい、好ましくは40よりも大きく、より好ましくは60よりも大きく、さらにより好ましくは80よりも好ましく、さらにより好ましくは100よりも大きい水蒸気または湿気透過率(WVTR)を有する層である。一部の実施形態では、本発明の包装の透湿層は、38℃かつ90%の相対湿度において、24hあたり500g/m2よりも大きいWVTRを有する。
【0021】
本明細書で使用される場合、柔軟な包装材料は、例えば、皺寄せされた、ポーチ、バッグ、バンドル、スキン包装に、そして剥離可能なリッドに製造され得る材料を意味する。
【0022】
本発明の包装材料は、任意の適切な湿気バリア層を含んでもよい。適切な湿気バリア層には、アルミニウム箔、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、または低密度ポリエチレン(LDPE)または直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などのポリオレフィンが含まれる。湿気バリア層は、任意の適切な厚みを有しうる。湿気バリア層の厚みは、湿気バリア特性および剥離抵抗などの性能特性に影響を及ぼしうる。
【0023】
任意の適切な金属または金属酸化物層をバリア層として用いてもよい。適切な金属および金属酸化物層の例には、アルミニウム箔、アルミニウム酸化物、シリコン酸化物、および金属化ポリエチレンテレフタレートなどの溶着金属が含まれる。
【0024】
堅さまたはヒートシール性などのさらなる機能性を提供するため、または、機械加工性、費用、柔軟性、またはバリア特性を向上させるために、バルク層が提供されてもよい。好ましいバルク層は、ポリエチレン、エチレン‐α‐オレフィン共重合体(EAO)、ポリプロピレン、ポリブデン、ビニルアセテートなどの少量のコモノマーで重合された主重量のエチレンを有するエチレン共重合体、および「オレフィン」ファミリー分類内の他のポリマー樹脂などの1つ以上のポリオレフィンを含む。バルク層は、任意の適切な厚みのものであってもよく、または、特定の適用における使用では省略されてもよいが、特に堅さまたは柔軟性特性およびヒートシール性を向上させるためには存在することが好ましい。
【0025】
本発明の包装材料は、任意の適切な透湿層を含んでもよい。透湿性は、層を形成する材料に固有の特性であってもよく、または、層中に孔またはチャネルを形成することで材料が浸透性とされてもよい。好ましくは、湿気バリア層は湿気または水蒸気に対して浸透性があるが、水に対しては浸透性がない。これは、例えば、微細孔によって達成されうる。孔は、例えば、ポリマーをCO2で押し出すことによって、押し出し、コーティングまたは鋳造前にポリマー材料を形成することによって、あるいはポロゲンを導入して除去することによって、形成されてもよい。ポロゲンの非限定的な例には、重炭酸ナトリウム、ゼラチンビード、糖結晶、およびポリマー微粒子などが含まれる。1つ以上のポロゲンが、硬化または凝結の前にポリマーに組み込まれてもよい。その後、ポリマーは硬化または凝結されて、ポロゲンが適切な溶剤で押し出されてもよい。孔のサイズ、程度および相互接続性は、例えば、使用するポロゲンのサイズおよび濃度、またはガスまたは発泡との混合の程度によって制御されうる。
【0026】
好ましくは、透湿層はヒートシール性である。ヒートシール性層は、フィルムの完全性を損なうことなく、隣接するフィルム接触面への伝導と、表面間の接着界面を形成するために、少なくとも1つのフィルム接触面上に十分な熱を生成する、従来の間接的加熱手段によって融着接着可能な層である。連続層間の接着界面は、包装工程およびその後の処理に耐えるだけの十分な物理的強度を有することが好ましい。ヒートシールは、所期の使用の異なる条件を満たすように設計されうるが、様々なヒートシール形成が当該技術で公知であり、本発明において用いられうる。好ましくは、物品接触層またはヒートシール層は、それ自体がヒートシール性であるが、ラップシールで他の対象物、フィルムまたは層、あるいは外側層に封止可能であってもよい。
【0027】
別の方法として、透湿層は、超音波溶接または接着剤などの任意の適切な他の機構によって封止されてもよい。
【0028】
透湿層を形成可能なポリマーの例には、ポリテトラフルオロエチレン、ポリブチレンテレフタレート、およびポリエチレンオキシドが含まれる。
【0029】
透湿層を形成可能な別の例には、エントレインド(entrained)ポリマーが含まれる。エントレインドポリマーは、ベースポリマー、活性剤、およびチャネリング剤を含む。活性剤は、選択された材料に作用、相互作用、または反応する。チャネリング剤はベースポリマーと非混合性であり、エントレインドポリマーを介してベースポリマー単体よりも高速で選択された材料を透過するよう適合されている。チャネリング剤は、非水溶性ポリマーである。
【0030】
本発明の包装材料は、保管状態が変化するという通常の保管状態において湿気を容易に吸収し、湿気を容易に放出することができる任意の適切な湿気制御材料を含みうる。好ましくは、湿気制御材料は、本発明の包装材料によって形成された封じられたパッケージの内部容積内の相対湿度を制御または確立する蒸気圧を有する。湿気制御材料は、内部空間中の分圧が湿気制御材料の蒸気圧と等しくなるまで、内部空間の水蒸気を吸収または放出することができる。
【0031】
加湿したポリマー材料を湿気制御材料としてもよい。加えて、または別の方法として、湿気制御材料をポリマー材料に組み込んでもよく、あるいは、ポリマー材料に湿気制御材料を充填してもよい。好ましくは、湿気制御材料は、透湿層とは分離した湿気制御層中に存在する。
【0032】
一部の好ましい実施形態では、湿気制御材料は、ポリエーテルポリアミドを含む。適切なポリエーテルポリアミドには、2015年8月6日公開の「MOISTURE-ABSORBING/RELEASING MATERIAL」と題する、米国特許出願公報第2015/0218315A1号に記載されるもののように、23℃で保持された場合に、そのジアミン構成単位が特定のポリエーテルジアミン化合物およびキシリレンジアミンに由来する、そのジカルボン酸構成単位が4~20の炭素原子を有するα、ω直鎖脂肪族ジカルボン酸に由来する、ポリエーテルポリアミドが含まれる。一部の好ましいい実施形態では、湿気制御材料は、湿度調整塩溶液である。適切な湿度調整塩溶液は、例えば、1996年3月13日付で発行された、「Humidistat」と題された欧州特許第0348840B1号に記載される。他の適切な湿気制御材料には、O’Brien,J.Sci.Instruments,pp.73-76(1948年3月)に列挙されたものが含まれる。
【0033】
以下の表1は、用いることが可能な適切な湿度調整塩溶液の実施例を示すが、これらは、欧州特許第0348840B1号に提示されている実施例である。
表1 湿度調整塩溶液の実施例
【表1】
【0034】
一部の実施形態では1つ以上の湿気制御材料を使用して、封じられたパッケージ内側の相対湿度を制御しうる。例えば、2つ以上の湿度調整塩を含む溶液を使用してもよい。
【0035】
湿度調整塩溶液は、任意の適切な方法で本発明の包装材料内に組み込んでもよい。例えば、ポリマー材料は、塩溶液を充填または浸透されてもよい。好ましくは、塩溶液は、飽和塩溶液である。好ましくは、ポリマー材料はフィルムである、または包装材料の層を形成する。塩溶液を吸収することができる、またはその中に塩溶液を浸透可能な任意の適切なポリマー材料を使用してもよい。好ましくは、ポリマー材料は、塩溶液を吸収可能な混在した離散繊維を含む。ポリマー材料は、フラッフパルプ、積層紙、または同時形成吸収剤などの任意の数の吸収剤材料としうる。同時形成シートが好ましい。同時形成層は、Anderson et al.に付与された米国特許第4,100,324号における教示に従って製造することができる。同時形成層は、天然繊維と人工繊維の組み合わせを含みうる。好ましくは、同時形成層はメルトブロー繊維を含む。メルトブロー繊維は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、またはナイロンからなってもよい。好ましくは、メルトブロー繊維はポリプロピレンからなる。同時形成層のステープル長繊維は、例えば、セルロース、綿、亜麻、ジュート、絹、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、レーヨン、またはナイロンとしうる。好ましい実施形態では、同時形成層は、木材パルプ(ステープル長)繊維とポリマー(短)繊維の70/30の混合物である。
【0036】
湿気制御材料を含むポリマー層は、接着剤、超音波接着、または熱接着などの任意の適切な方法で包装の他の層に接着させてもよい。
【0037】
本明細書に記載の包装材料は、乱用耐性の外側層としうる外側層、1つ以上の中間層、および1つ以上のタイ層などの1つ以上の随意の追加の層を含んでもよい。
【0038】
本明細書に記載の包装材料は、湿気バリア層の外部に外側層を含んでもよい。外側層がユーザーまたは消費者によって見える場合、フィルムの外面が望ましい光学的特性を有することが好ましく、高光沢を有することが好ましい場合がある。また、外側層が耐摩耗性を提供することが好ましい。この外部保護層は、ヒートシール性層として使用されても使用されてなくてもよい。一部の実施形態では外側層はヒートシール性層として機能するが、必ずしも望ましい光学的特性または耐摩耗性を含まなくてもよい。外側層に対して選択される材料は、外側層の望ましい特性に応じて選択されうる。例えば、該層は、剥離力および穿刺力、ならびに使用中に包装が遭遇しうる他の圧力や乱用に対して耐性があるように選択される材料からなってもよい。外側層は、機械加工しやすいものとすべきである。すなわち、外側層は、例えばカバー、包装、印刷のため、あるいはフィルムまたはバッグ製造工程の一部として、容易に機械に送り込まれて機械によって操作されることが可能とすべきである。適切な堅さ、柔軟性、耐屈曲亀裂性、引張応力、引張強度、摩擦係数、印刷適性、および光学的特性もまた、適切な材料選択によって外側層に頻繁に設計される。また、この層は、例えばインパルスシーラーによる、溶け落ちに対して耐熱性でありうる、または、例えばオーバーラップシールを用いた、特定の包装実施形態におけるヒートシール表面として使用され得る、望ましい熱シールを生成するのに適した特性を有するよう選択されてもよい。適切な外側層には、紙、配向ポリエステル、非結晶性ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、キャストナイロンまたは配向ナイロン、ポリプロピレン、または共重合体、あるいはその混合物が含まれうる。
【0039】
本発明の包装材料は、任意の適切な中間層を含んでもよい。中間層は、外層と内層との間の、透湿層である任意の層である。中間層には、1つ以上の酸素バリア層、タイ層またはフィルム構造またはその所期の使用に有用な機能的属性を有する層を含みうる。中間層は、加工性、引張特性、柔軟性、堅さ、引張応力、指定の剥離、易開機構、引裂特性、強度、伸長、光、および酸素または他の気体バリアなどの多数の特性を、向上させる、加える、あるいは修正するのに使用されうる。適切な中間層には、接着剤、接着ポリマー、紙、配向ポリエステル、非結晶性ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ナイロン、ポリプロピレン、または共重合体、あるいはその混合物が含まれうる。
【0040】
本発明の包装材料には、「タイ層」としても当該技術で公知の1つ以上の接着層を含んでもよく、これは、隣接する層の相互の接着性を促進し、かつ望ましくない剥離を防止するために選択されうる。様々な層との材料の適合性のために別個の接着剤を使用することなく、一方の層の他方の層への接着性を助けるために、多機能層を作成することが好ましい。別の方法として、タイ層が異なる層と適合性のある異なる接着剤の仲介として機能してもよく、あるいは、異なる層と接着剤の間の仲介として機能する一方で異なる接着剤を使用することなく一方の層の他方の層への接着性を助けるよう機能してもよい。
【0041】
層が適合ポリマーを含む実施形態では、層は、タイ層を介して接着されるのではなく、熱によって共押出しされるか積層されてもよい。
【0042】
あらゆる消費財を、本発明の包装材料内で包装しうる。消費財は、望ましい範囲内の相対湿度を有する環境において製品が保管される場合には、新鮮さが維持されるか新鮮さが知覚される、消費財であることが好ましい。こうした消費財の例には、食品製品、喫煙物品、およびたばこ含有製品が含まれる。好ましくは、消費財は喫煙物品である。
【0043】
「喫煙物品」という用語は、紙巻たばこ、葉巻たばこ、シガリロを含み、またたばこ組成物などの喫煙組成物が点火されて燃焼されて煙を生成するその他の物品を含む。「喫煙物品」という用語はまた、喫煙用組成物を燃焼させることなく直接的または間接的に喫煙用組成物を加熱する喫煙物品や、喫煙用組成物を燃焼も加熱もしない喫煙物品などであるがこれに限定されない、喫煙用組成物が燃焼するのではなく、むしろ空気の流れまたは化学反応を使用して、たばこなどの喫煙可能材料からニコチン、風味化合物またはその他の材料を送達するものを含む。
【0044】
喫煙物品、特にたばこを含む喫煙物品は、約50%~約80%、より好ましくは、約60%~約70%の範囲の相対湿度を有する環境で保管されることが好ましい。本発明の包装材料は、本明細書に提示する技術に従って、望ましい相対湿度を有する封じられた内部容積を生成するために製造されうる。
【0045】
一部の実施形態では、消費財用の容器の内側ライナーは、本発明の包装材料を含む。消費財(例えば、細長い喫煙物品)を、折り畳まれた層状ブランクから形成された容器内に包装することが知られている。例えば、紙巻たばこ、シガロリ、および葉巻たばこなどの細長い喫煙物品は一般に、喫煙物品を収容するボックスと、容器の後部壁を横切って延びるヒンジ線を中心としてボックスに結合されたリッドとを有する、ヒンジリッドパック入りで販売される。
【0046】
容器内の消費財は、封じられるとと内側パッケージを形成しうる内側ライナー内に包まれてもよい。また、容器は、内側パッケージ内、または内側パッケージとハウジングのボックスとの間に配置される、内側フレームを含んでもよい。初めて開く前に、充填された容器は、外側ラッパー内に包まれた状態でありうる。
【0047】
容器は、消費財を収容するために任意の適切な形態をとりうる。例えば、既に言及したとおり、容器は、消費財を収容するボックスに結合された1つ以上のヒンジリッドを持つ、ヒンジ・リッド型容器としうる。1つ以上の実施形態で、容器は、外側シェル内に取り付けられた消費財を収容するための内側スライドを持つ、スライド・アンド・シェル容器としうる。容器がスライド・アンド・シェル容器である場合、外側シェルまたは内側スライドは1つ以上のヒンジリッドを含みうる。容器、内側フレーム、内側パッケージおよび外側ラッパーは、厚紙、ボール紙、プラスチック、金属、またはその組み合わせを含むがこれに限定されない、任意の適切な材料から形成しうる。
【0048】
その寸法の適切な選択によって、本発明による容器は、異なる合計数の喫煙物品、または異なる配置の喫煙物品を保持するよう設計しうる。例えば、その寸法の適切な選択によって、本発明による容器は、合計10~30の喫煙物品を保持するよう設計しうる。
【0049】
好ましい実施形態では、ハウジングのリッドは、ボックスにヒンジで取り付けられ、開位置と閉位置の間で操作されるように適合される。開位置では、消費者はハウジング内に配置された消費財にアクセスできる。リッドは、容器の後部壁を横切って延びるヒンジ線に沿って、ボックスにヒンジで取り付けられてもよい。「ヒンジ線」という用語は、容器を開くために、その周りをリッドが旋回しうる線を意味する。ヒンジ線は、例えば、ハウジングの後部壁を形成するパネル内の折り目または横罫線としうる。
【0050】
ハウジング内には、消費財が配置される内側パッケージが配置される。内側パッケージは、1つ以上の消費財を収容するための内部容積を少なくとも部分的に画定する。一部の好ましい実施形態では、内側パッケージは、第一の層と第一の層に取り付けられた第二の層を含む。本発明の包装材料は、第一の層および第二の層の一方または両方としてもよい。
【0051】
第一の層は内側表面および外側表面を有してもよい。また、第一の層は、第一の層中に形成された、内側パッケージのフラップを画定する虚弱線を含んでもよい。虚弱線は、任意の適切な形状または複数の形状の組み合わせをとりうる。好ましくは、虚弱線は、フラップを第一の層から分離する3つの側面と、フラップと第一の層との間にヒンジ線を形成する第四の側面とを有するフラップを画定する。一部の実施形態では、フラップは、ボックスのリッドの内側表面に取り付けられて、リッドを開いたときに、フラップが虚弱線に沿って内側パッケージから分離されるようにしてもよい。
【0052】
虚弱線は、連続的であっても非連続的(例えば、穿孔された)であってもよい。さらに、虚弱線は、任意の適切な技術または複数の技術の組み合わせ、例えば、レーザ切断または機械的切断(例えば、ダイ切断、キス切断)を使用して形成されてもよい。虚弱線は、第一の層の内側表面と外側表面に横断する方向に任意の適切な深さを含んでもよい。
【0053】
内側パッケージは、容器を初めて開くまでは、虚弱線に沿って確実に封じられてもよい。これにより、容器内部に含まれている消費財の貯蔵寿命を延長しうる。
【0054】
第二の層は内側表面および外側表面を有してもよい。第二の層は、消費財をそこから取り出すことができるアクセス開口を含んでもよい。アクセス開口は、フラップが閉位置にあるときには、第一の層中に形成されたフラップによって覆われる。さらに、アクセス開口は、第一の層のフラップが開位置にあるときには、少なくとも部分的に覆われない。1つ以上の実施形態では、フラップが開位置にあるとき、アクセス開口は全く覆われない。
【0055】
アクセス開口は、第二の層上の任意の適切な位置に配置しうる。1つ以上の実施形態では、アクセス開口は、内側パッケージの前部壁上に位置するように第二の層上に配置されてもよい。1つ以上の実施形態では、アクセス開口は、内側パッケージの上部壁上に位置するように第二の層上に配置されてもよい。1つ以上の実施形態では、アクセス開口は、内側パッケージの前部と上部壁の一部にわたって位置するように第二の層上に配置されてもよい。
【0056】
アクセス開口は、任意の適切な形状または複数の形状の組み合わせをとりうる。さらに、アクセス開口は、任意の適切な技術または複数の技術の組み合わせ、例えば、レーザー切断または機械的切断(例えば、ダイ切断)を使用して形成されてもよい。
【0057】
第二の層は、任意の適切な技術または複数の技術の組み合わせを使用して第一の層の内側表面に取り付けられてもよい。好ましくは、第二の層は接着剤を使用して第一の層の内側表面に取り付けられる。任意の適切な接着剤または複数の接着剤の組み合わせを利用してもよい。接着剤は位置換え可能な接着剤であることが好ましい。任意の適切な位置換え可能な接着剤、例えば、感圧接着剤を利用しうる。
【0058】
第二の層は、第一の層に対して任意の適切な寸法を有しうる。1つ以上の実施形態では、第二の層は第一の層と同延する。換言すると、第二の層は第一の層の外周に延びる。1つ以上の実施形態では、第二の層が、第一の層の表面積よりも小さい表面積を有してもよい。例えば、第二の層は第一の層に取り付けられる接着ラベルであってもよく、この場合には、第二の層は第一の層と同延ではない。
【0059】
第一の層の外側表面の少なくとも一部は、ボックスの後部壁の内側表面の対応する部分に恒久的に貼り付けられてもよい。第一の層の外側表面のこの部分をボックスの後部壁に貼り付けるために、任意の適切な技術または複数の技術の組合せが利用されうる。恒久的な接着剤を利用して、第一の層の外側表面の一部をボックスの後部壁に取り付けることが好ましい。さらに、第一の層の外側表面の少なくとも一部は、ボックスの前部壁の内側表面の対応する部分に恒久的に貼り付けられてもよい。ここでも、任意の適切な技術または複数の技術の組み合わせを利用して、例えば、第一の層の外側表面を恒久的な接着剤でボックスの前部壁に付着させることで、第一の層の外側表面のこの部分をボックスの前部壁の内側表面に取り付けてもよい。
【0060】
1つ以上の実施形態では、虚弱線によって画定される第一の層のフラップは、容器のハウジングのリッドの内側表面に取り付けられてもよい。例えば、機械的留め具、接着剤、熱接着または超音波接着、およびその組み合わせである、任意の適切な技術または複数の技術の組み合わせを利用して、フラップをリッドの内側表面に取り付けてもよい。好ましくは、フラップは接着剤を使用してリッドの内側表面に取り付けられる。接着剤は、任意の適切な接着剤または複数の接着剤の組み合わせとしうる。第二の接着剤は永久接着剤であることが好ましい。フラップの任意の適切な部分をリッドの内側表面に取り付けてもよい。1つ以上の実施形態では、フラップを形成する第一の層の外側表面の一部がリッドの内側表面に取り付けられる。1つ以上の実施形態では、フラップを形成する第一の層の内側表面の一部がリッドに取り付けられる。
【0061】
フラップは、フラップが閉位置にあるときに第二の層に再び取り付けられるよう適合される。第二の層を第一の層に取り付けるのに使用されるのと同一の接着剤を、フラップと第二の層との間に配置して、フラップが閉位置にあるときにフラップを第二の層に再び取り付けてもよい。1つ以上の実施形態では、別のまたは追加の接着剤または複数の接着剤を、第二の層に配置されたアクセス開口の周囲に沿って、第二の層の少なくとも一部に沿って配置して、閉位置にあるときにフラップを第二の層に取り付けることができるようにしてもよい。アクセス開口の周囲に沿った第二の層のこの部分は、第二の層の封止領域を画定する。フラップは、フラップが閉位置にあるときに封止領域内でフラップが第二の層に取り付けられるようにアクセス開口が封止領域に重なるよう適合される。フラップと封止領域との間に配置された接着剤は、フラップの繰り返しの開閉を許容して、フラップが開位置にあるときには内側パッケージ内に配置された消費財を出し入れ可能とし、フラップが閉位置にあるときには消費財が内側パッケージ内に封じられたままとなるようにする。フラップと封止領域との間に配置された接着剤は、パッケージが空になるまで消費者が内側パッケージを開いたり再び封じることができるよう、少なくとも内側パッケージ内に消費財がある回数だけフラップを再び取り付けるための十分な付着性を提供することが好ましい。
【0062】
別のまたは追加の接着剤は、フラップと封止領域との間の任意の適切な位置に配置してもよい。1つ以上の実施形態では、この接着剤はフラップ上に配置されてもよい。こうした実施形態では、接着剤は、フラップ全体を覆うよう、第一の層の内側表面上に配置されてもよい。1つ以上の実施形態では、この接着剤は、フラップが閉位置にあるときの封止領域に対応するフラップの周囲の少なくとも一部に沿って配置されてもよい。1つ以上の実施形態では、別のまたは追加の接着剤は、封止領域の第二の層上に配置されてもよい。さらに、1つ以上の実施形態では、別のまたは追加の接着剤がフラップと第二の層上に配置されてもよい。
【0063】
好ましくは、フラップが、内側パッケージの第二の層に配置されたアクセス開口の面積よりも大きい面積を有して、フラップが閉位置にあるときにアクセス開口がフラップによって覆われるようにしてもよい。フラップを画定する虚弱線は、第二の層の封止領域を露出する。封止領域は、任意の適切な寸法または複数の寸法を有してもよい。例えば、1つ以上の実施形態では、封止領域が、アクセス開口の周囲から虚弱線に延びる一定の幅を有してもよい。1つ以上の実施形態で、封止領域は、アクセス開口の周囲に沿って変動する幅を有してもよい。
【0064】
また、容器はボックス内に配置された内側フレームを含んでもよい。内側フレームは、内側パッケージとボックスの前部壁との間に配置されるか、内側パッケージ内に配置されてもよい。内側パッケージ内に配置される場合には、内側フレームは、内側パッケージの前部壁が内側フレームとボックスの前部壁との間となるよう位置付けられる。内側フレームは、前部壁と一対の対向する側壁を含む。好ましくは、内側フレームはU字型である。「U字型」という用語は、3つの部分を含む形状を意味するために使用されるが、ここで、第一および第三の部分は相互に平行であり、第二の部分と直角をなす同一の方向に延びる。
【0065】
好ましくは、内側フレームの前部壁は、内側パッケージの前部壁が内側フレームの前部壁とボックスの前部壁との間となるように配置される。有利なことに、内側パッケージの前部壁に隣接して提供される大きな表面積を有する内側フレームは、容器の構造的強度を増大する。内側フレームによって提供される増大した構造強度により、フラップのより確実な閉鎖が許容される。これは、その後の容器が完全に充填されていない時に閉じる作業において、特に有利である。
【0066】
好ましくは、内側フレームは前部壁の上部に切り欠きを含む。切り欠きは、実質的にアクセス開口に相当することが好ましく、また、内側パッケージ内の消費財がより容易に出し入れされうるように提供される。内側フレームが切り欠きを含む場合、内側フレームの高さは内側フレームの底部から切り欠きまでの距離として定義される。
【0067】
内側フレームが、1つ以上の補強要素を含んでもよい。1つ以上の補強要素が接着剤を含んで、この接着剤が内側フレームと内側パッケージを補強することが好ましい。1つ以上の実施形態では、1つ以上の補強要素は、内側フレームの製造に利用されるのと類似の厚紙などの、内側フレームに貼り付けられる少なくとも1つの材料の層を含みうる。こうした実施形態では、少なくとも1つの追加の材料の層は、内側フレームに恒久的に貼り付けられる。好ましくは、少なくとも1つの追加の層は細長い。内側フレームがU字型である場合、少なくとも1つの追加の材料の層は、内側フレームの前部壁の外側表面に貼り付けられることが好ましい。好ましくは、少なくとも1つの層は、内側フレームの表面に隣接して貼り付けられる。
【0068】
リッドおよび少なくとも1つの側壁を含むカートンは、本明細書に記述される複数の容器を収容することができる。
【0069】
容器の構成要素の相対的位置を描写するために使用される「前部」、「後部」、「上方」、「下方」、「側面」、「上部」、「底部」という用語は、リッドが上部端にあり、消費財が上方端の前部から出し入れ可能な、直立位置にある容器について言及するものである。「左」および「右」という用語は、容器をその直立位置で前部から見たときの容器の側壁に言及して使用されうる。
ここで本発明の一部の態様が図示されている図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【
図1】
図1は、本発明の様々な実施形態による包装材料の概略断面図である。
【
図2】
図2は、本発明の様々な実施形態による包装材料の概略断面図である。
【
図3】
図3は、容器がハウジングと、ハウジング内に配置された内側パッケージと、を含む、容器の開位置での概略斜視図である。
【
図6】
図6は、
図3の内側パッケージの一部の概略断面図である。
【
図7】
図7は、内側パッケージの形成に使用されるブランクの概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0071】
図1を参照すると、本発明の柔軟な包装材料200は、透湿層220によって画定される内側表面260、封止層であってもよい、外側層240によって画定される外側表面250、湿気バリア層230、および湿気制御層210を含みうる。湿気制御層210は、湿気バリア層230と透湿層220の間にある。好ましくは、湿気制御層210は、透湿層220と連通している。湿気制御層210は、湿気制御材料215を含む。一部の実施形態では、湿気制御材料215は、湿気制御層210を形成するポリマー材料である。一部の実施形態では、湿気制御材料215は、共に湿気制御層210を形成する、ベースポリマー材料に組み込まれるか、浸透される。
【0072】
図2を参照すると、本発明の柔軟な包装材料200は、湿気制御透湿層225によって画定される内側表面260、封止層であってもよい、外側層240によって画定される外側表面250、および湿気バリア層230を含みうる。図示する実施形態では、湿気制御透湿層225は、透湿性でもあり、湿気制御材料215も含む。一部の実施形態では、湿気制御材料215は、湿気制御透湿層225を形成するポリマー材料である。一部の実施形態では、湿気制御材料215は、共に湿気制御透湿層225を形成する、ベースポリマー材料に組み込まれるか、浸透される。
図2に図示する実施形態では、湿気制御材料215は、ポリエーテルポリアミドまたは湿度調整塩溶液であることが好ましい。
【0073】
図3~8は、本発明の包装材料を用いうる、消費財用の容器、パッケージおよびライナーの選択実施形態を例示する。ただし、本発明の包装は、任意の適切な容器に関連して使用されてもよい。
【0074】
図3を参照すると、消費財用の容器10の一実施形態の概略斜視図が図示される。容器10は、ボックス14と、ヒンジ線(図示せず)によってボックスにヒンジで取り付けられたリッド20とを含む、ハウジング12を含む。ヒンジ線は、容器10のボックス14の後部18を横切って延び、リッド20が閉位置(
図5)から、
図3に図示するように開位置に移動することを許容するよう機能する。内側パッケージ30は、ハウジング12内に配置される。内側パッケージ30は、消費財を収容するための内部容積を少なくとも部分的に画定する。内側パッケージ30は、容器を初めて開くまで消費財を密封封止するためのバリア材料からなる。バリア材料は、金属箔またはプラスチックと金属の積層体からなってもよい。
【0075】
内側パッケージ30は、前部壁32と後部壁34を含む(
図4)。また、内側パッケージ30は、第一の層40と第一の層40の内側表面46に取り付けられた第二の層50も含む(
図6)。第一の層40は、フラップ44を画定する虚弱線42を含む。さらに、第二の層50は、消費財(図示せず)をそこから取り出すことができるアクセス開口54を含む。アクセス開口54は、フラップが閉位置にあるときは、フラップ44によって覆われる(
図5)。さらに、アクセス開口54は、フラップ44が開位置にあるときは、少なくとも部分的に覆われない。フラップ44は、ヒンジ線に沿って第一の層40に取り付けられる。1つ以上の実施形態で、フラップ44は、リッド20の内側表面22にも取り付けられ(
図4)、その結果、リッドを開いたときに、フラップが内側パッケージ30から虚弱線42に沿って分離し、アクセス開口54が少なくとも部分的にカバーされない。
【0076】
容器10は、内側パッケージ30内に配置された内側フレーム70も含む。内側フレーム70は、内側フレームと内部パッケージ30の内側表面との間に配置された補強要素72を含んでもよい。
【0077】
図4を参照すると、
図3の容器10の概略断面図が、開位置におけるリッド20とフラップ44とともに図示される。内部パッケージ30は、ハウジング12のボックス14内に配置されて図示され、内側フレーム70は内側パッケージ内に配置される。フラップ44は、リッド20に取り付けられる。開位置では、フラップ44はS字形状を形成する。容器10の幾何学的形状は、フラップ(およびリッド20)が閉位置に戻るときにフラップ44が自動的に内側パッケージ30に再び封じられるようにされる。
【0078】
内側パッケージ30の第一の層40の外側表面48の少なくとも一部は、ボックス14の後部壁18の内側表面19の対応する部分に恒久的に貼り付けられ、これによって、第一の領域24のボックスの後部壁の内側表面に内側パッケージを貼り付ける。さらに、内側パッケージ30の第一の層40の外側表面48の少なくとも一部は、ボックス14の前部壁16の内側表面17の対応する部分に恒久的に貼り付けられ、これによって、第二の領域26のボックスの前部壁の内側表面に内側パッケージを貼り付ける。内部パッケージ30の少なくとも一部をボックス14の前部壁16と後部壁18の一方または両方に恒久的に貼り付けることで、内側パッケージの構造的弾性がさらに向上されうる。内側パッケージ30は、例えば、ホットメルト接着剤、溶剤型接着剤、水性接着剤、無溶剤接着剤、感圧接着剤、導電型シーリング、および誘導型シーリングを用いて、恒久的に貼り付けられてもよい。好ましい実施形態では、内側パッケージ30は、ホットメルト接着剤を用いてボックス14に恒久的に取り付けられる。
【0079】
図5を参照すると、
図3の容器10の概略斜視図が図示される。容器10のリッド20および内側パッケージ30のフラップ44は、閉位置にある。フラップ44は、フラップが閉位置にあるときは、第二の層50(
図6)に取り付けられる。
【0080】
図6を参照すると、
図3の内側パッケージ30の一部の概略側面が図示される。第一の層40は、フラップ44を画定する虚弱線42を含む。第二の層50は、接着剤60によって第一の層40の内側表面44に取り付けられる。第二の層50は、アクセス開口54を含む。
図6に図示するように、アクセス開口54は、フラップが閉位置にあるときは、フラップ44によって覆われる。フラップ44は、フラップが閉位置にあるときは、第二の層50に取り付けられるよう適合される。
【0081】
封止領域62は、虚弱線42とアクセス開口54の周囲55との間に形成される。フラップ44は、アクセス開口54を封止領域62内に重ね合わせて、フラップが閉位置にあるときに封止領域内でフラップが第二の層50に取り付けられるように適合される。1つ以上の実施形態では、封止領域62は、アクセス開口54の周囲に沿って、一定の幅を有する。1つ以上の実施形態では、封止領域62は、アクセス開口54の周囲に沿って、変動する幅を有する。
【0082】
図7および8を参照すると、予め組み立てられた内部パッケージ100と内側フレーム120の概略平面図が図示される。
図7に図示する予め組み立てられた内部パッケージ100は、組み立てられるときに、内側パッケージの前部壁(例えば
図4の内側パッケージ30の前部壁32)を形成する前部壁パネル102と、組み立てられるときに内側パッケージの後部壁(例えば、
図4の内側パッケージ30の後部壁34)を形成する2つのパネル104と106、上部壁パネル108と、底部壁パネル110とを含む。予め組み立てたてられた内側パッケージ100は、複数の側壁パネル118も含む。
図7から分かるように、アクセス開口54は、上部壁パネル108と前部壁パネル102の一部にわたって配置される。また、予め組み立てられた内部パッケージ100は、補強要素119を含んでもよい。補強要素119は、
図3~4の内側フレーム70に関して本明細書に記載する任意の適切な補強要素を含みうる。
【0083】
図8は、予め組み立てられた内側フレーム120を図示する。本明細書に記載するように、内側フレーム120は、前部壁122と2つの対向する側壁124および126を含む。前部壁122の外側表面には、補強要素128が設けられる。本明細書に記載するように、切り欠き130は、内側フレームの前部壁パネルの上部に提供される。切り欠き130は、容器内に収容された消費財をより容易に出し入れすることを許容するように提供される。切り欠き130は、内側パッケージ30内に提供されたアクセス開口54と整合するように提供される(
図3)。
【0084】
上記図面中の点線は、折り目を示す。
【0085】
本明細書で使用されるすべての科学的および技術的な用語は、別途指定のない限り、当業界で一般に使用される意味を持つ。本明細書で提供した定義は、本明細書で頻繁に使用される特定の用語の理解を容易にするために提供されている。
【0086】
単数形(「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」)は本明細書で使用される場合、複数形の対象を有する実施形態を含蓄するが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0087】
「または」は一般的に、本明細書で使用される場合、「および/または」を含めた意味で使用されるが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。「および/または」という用語は、列挙された要素の1つまたはすべて、または列挙された要素のうちの任意の2つ以上の組み合わせを意味する。
【0088】
「有する、持つ(have)」、「有している、持っている(having)」、「含む(include)」、「含まれる(including)」、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」、またはこれに類するものは本明細書で使用される場合、制約のない意味で使用され、一般的に「含むが、これに限定されない」を意味する。「から本質的に成る」、「から成る」、およびこれに類するものは、「含む」およびこれに類するものに包摂されることが理解されるであろう。
【0089】
「好ましい」および「好ましくは」という語は、ある特定の状況下で、ある特定のメリットをもたらし得る本発明の実施形態を指す。ただし、同一またはその他の状況下で、その他の実施形態もまた好ましいものでありうる。その上、1つ以上の好ましい実施形態の列挙は、その他の実施形態が有用ではないことを暗に意味するものではなく、請求の範囲を含む本開示の範囲からその他の実施形態を除外するものではない。
【0090】
したがって、湿気制御包装材料のための、包装材料、パッケージ、容器、およびアセンブリについて記載する。本発明の様々な修正および変形が、本発明の範囲および精神を逸脱することなく、当業者に明らかになるであろう。本発明は特定の好ましい実施形態に関連して記述してきたが、当然のことながら、本発明は主張の通り、こうした特定の実施形態に不当に限定されるべきではない。実際に、包装製造、紙巻たばこ製造、または関連する分野の当業者にとって明らかである、本発明を実施するための説明された方法の様々な修正は、以下の特許請求の範囲の範囲内に収まるものであることが意図される。