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特許7007280情報処理装置、計数システム、計数方法およびコンピュータプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】情報処理装置、計数システム、計数方法およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06M 11/00 20060101AFI20220117BHJP
   G06T 7/60 20170101ALI20220117BHJP
【FI】
G06M11/00 D
G06T7/60 300Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018542458
(86)(22)【出願日】2017-09-20
(86)【国際出願番号】 JP2017033885
(87)【国際公開番号】W WO2018061928
(87)【国際公開日】2018-04-05
【審査請求日】2020-08-17
(31)【優先権主張番号】P 2016194271
(32)【優先日】2016-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】北川 丈晴
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 哲明
【審査官】岩本 太一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-052972(JP,A)
【文献】特開2011-103098(JP,A)
【文献】特開2010-063001(JP,A)
【文献】特開2010-121970(JP,A)
【文献】特開2016-110381(JP,A)
【文献】特開2003-250382(JP,A)
【文献】特開2013-201714(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06M 7/00-15/00
G06T 7/00- 7/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測対象の物体が撮影されている撮影画像から前記計測対象の物体における予め定められた特徴を持つ特徴部位を検知する検知手段と、
前記撮影画像における検知した前記特徴部位の数を前記計測対象の物体の数として計数する計数手段と
を備え、
前記計数手段は、さらに、撮影範囲の一部が互いにオーバーラップし、かつ、同時に撮影された複数の前記撮影画像から計数した前記特徴部位の数の合計値を前記計測対象の物体の数として計数する機能を持ち、
また、その計数された前記計測対象の物体の数を、前記オーバーラップしている撮影範囲において重複して計数されると想定される前記計測対象の物体の数に応じて補正する補正手段を備えており、
前記計測対象の物体は、移動する物体であり、
前記補正手段は、同時に撮影された複数の前記撮影画像から計数された前記計測対象の物体の数を、前記オーバーラップしている撮影範囲において重複して計数されると想定される前記計測対象の物体の数に基づいた間引き率を用いて補正し、
また、前記間引き率は、前記計測対象の物体の動きに応じて設定される情報処理装置。
【請求項2】
前記検知手段は、前記計測対象の物体における撮影条件が異なる前記特徴部位の複数の画像を利用して、前記撮影画像から前記特徴部位を検知する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
計測対象の物体が存在している撮影空間を、撮影範囲の一部が互いにオーバーラップするように撮影する複数の撮影装置と、
前記撮影装置による撮影画像に基づいて、前記撮影空間内における計測対象の物体の数を計数する情報処理装置と
を備え、
前記情報処理装置は、
前記計測対象の物体が撮影されている前記撮影画像から前記計測対象の物体における予め定めた特徴を持つ特徴部位を検知する検知手段と、
前記撮影画像における検知した前記特徴部位の数を前記計測対象の物体の数として計数する計数手段とを備え、
前記計数手段は、さらに、撮影範囲の一部が互いにオーバーラップし、かつ、同時に撮影された複数の前記撮影画像から計数した前記特徴部位の数の合計値を前記計測対象の物体の数として計数する機能を持ち、
また、その計数された前記計測対象の物体の数を、前記オーバーラップしている撮影範囲において重複して計数されると想定される前記計測対象の物体の数に応じて補正する補正手段を備えており、
前記計測対象の物体は、移動する物体であり、
前記補正手段は、同時に撮影された複数の前記撮影画像から計数された前記計測対象の物体の数を、前記オーバーラップしている撮影範囲において重複して計数されると想定される前記計測対象の物体の数に基づいた間引き率を用いて補正し、
また、前記間引き率は、前記計測対象の物体の動きに応じて設定される計数システム。
【請求項4】
複数の前記撮影装置は、前記撮影空間内における高さ方向に互いに間隔を介して配設される請求項に記載の計数システム。
【請求項5】
前記撮影空間における同じ高さ位置に複数の前記撮影装置が配設されている請求項に記載の計数システム。
【請求項6】
計測対象の物体が存在している撮影空間を、撮影範囲の一部が互いにオーバーラップするように同時に撮影された複数の撮影画像から前記計測対象の物体における予め定められた特徴を持つ特徴部位を検知し、
前記撮影画像における検知した前記特徴部位の数を前記計測対象の物体の数として計数し、
さらに、撮影範囲の一部が互いにオーバーラップし、かつ、同時に撮影された複数の前記撮影画像から計数した前記特徴部位の数の合計値を前記計測対象の物体の数として計数し、
また、同時に撮影された複数の前記撮影画像から計数された前記計測対象の物体の数を、前記オーバーラップしている撮影範囲において重複して計数されると想定される前記計測対象の物体の数に基づき、かつ、前記計測対象の物体の動きに応じて設定される間引き率を用いて、補正する計数方法。
【請求項7】
計測対象の物体が存在している撮影空間を、撮影範囲の一部が互いにオーバーラップするように同時に撮影された複数の撮影画像から前記計測対象の物体における予め定められた特徴を持つ特徴部位を検知する処理と、
前記撮影画像における検知した前記特徴部位の数を前記計測対象の物体の数として計数する処理と
さらに、撮影範囲の一部が互いにオーバーラップし、かつ、同時に撮影された複数の前記撮影画像から計数した前記特徴部位の数の合計値を前記計測対象の物体の数として計数する処理と、
また、同時に撮影された複数の前記撮影画像から計数された前記計測対象の物体の数を、前記オーバーラップしている撮影範囲において重複して計数されると想定される前記計測対象の物体の数に基づき、かつ、前記計測対象の物体の動きに応じて設定される間引き率を用いて、補正する処理と
をコンピュータに実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影装置を利用して物体の数を計測する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
魚の養殖技術の向上のために、養殖している魚の成長を観測することが行われている。特許文献1には、魚の観測に関わる技術が開示されている。この特許文献1における技術では、水槽の上方側(あるいは底側)と横側から撮影された魚の背側(あるいは腹側)の撮影画像と、頭側の正面の撮影画像とに基づいて、魚の頭、胴体、尾ひれ等の部位の形状や大きさが部位毎に推定される。その魚の部位毎の形状や大きさの推定は、各部位毎に与えられている複数のテンプレート画像を利用して行われる。すなわち、各部位毎の撮影画像がそれぞれ各部位毎のテンプレート画像に照合され、撮影画像に合うテンプレート画像中の魚の部位における大きさ等の既知の情報に基づいて、魚の各部位毎の大きさ等が推定される。
【0003】
特許文献2には、水中の魚を動画カメラと静止画カメラによって撮影し、撮影された動画および静止画に基づいて、魚影を検知する技術が開示されている。また、特許文献2には、動画から得られた魚影の1つの軌跡に対して出現回数を1回とするというように、撮影動画に出現する出現回数を魚種毎に計数する構成が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-250382号公報
【文献】特開2013-201714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2には、魚影の軌跡を計数する構成が示されている。この構成では、例えば、動画において、魚が別の魚の陰となる等の原因によって魚影の軌跡が一旦途切れ、再び、登場した場合には同じ魚であるにも拘わらず別の魚影の軌跡となるので、出現回数は2回となる。つまり、特許文献2に表されている構成により計数される魚影の数はその軌跡であり、魚の数とは異なる虞があり、特許文献2の構成では、魚の数の計数精度の向上は難しい。
【0006】
本発明は上記課題を解決するために考え出された。すなわち、本発明の主な目的は、撮影装置による撮影画像を利用して物体の数を計測する場合に、物体の計数の精度を高めることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、
計測対象の物体が撮影されている撮影画像から前記計測対象の物体における予め定められた特徴を持つ特徴部位を検知する検知部と、
前記撮影画像における検知した前記特徴部位の数を前記計測対象の物体の数として計測する計数部とを備える。
【0008】
本発明の計数システムは、
計測対象の物体が存在している撮影空間を撮影する撮影装置と、
前記撮影装置による撮影画像に基づいて、前記撮影空間内における計測対象の物体の数を計測する情報処理装置と
を備え、
前記情報処理装置は、
前記計測対象の物体が撮影されている撮影画像から前記計測対象の物体における予め定めた特徴を持つ特徴部位を検知する検知部と、
前記撮影画像における検知した前記特徴部位の数を前記計測対象の物体の数として計測する計数部とを備える。
【0009】
本発明の計数方法は、
計測対象の物体が撮影されている撮影画像から前記計測対象の物体における予め定められた特徴を持つ特徴部位を検知し、
前記撮影画像における検知した前記特徴部位の数を前記計測対象の物体の数として計測する。
【0010】
本発明のプログラム記憶媒体は、
計測対象の物体が撮影されている撮影画像から前記計測対象の物体における予め定められた特徴を持つ特徴部位を検知する処理と、
前記撮影画像における検知した前記特徴部位の数を前記計測対象の物体の数として計測する処理と
をコンピュータに実行させるコンピュータプログラムを記憶する。
【0011】
なお、本発明の上記主な目的は、本発明の情報処理装置に対応する本発明の計数方法によっても達成される。また、本発明の上記主な目的は、本発明の情報処理装置、本発明の計数方法に対応するコンピュータプログラムおよびそれを記憶するプログラム記憶媒体によっても達成される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、撮影装置による撮影画像を利用して物体の数を計測する場合に、物体の計数の精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る第1実施形態の情報処理装置の構成を簡略化して表すブロック図である。
図2】第1実施形態の情報処理装置を備えた計数システムの構成を簡略化して表すブロック図である。
図3】本発明に係る第2実施形態の計数システムの構成を簡略化して表すブロック図である。
図4】第2実施形態における撮影装置であるカメラの配設形態を説明する図である。
図5】第2実施形態におけるカメラを生簀に投入した状態の一例を説明する図である。
図6】第2実施形態におけるカメラの撮影範囲の一例を表す図である。
図7】第2実施形態におけるカメラによる撮影画像の一例を表す図である。
図8】第2実施形態における検知部が検知処理で利用する参考データの一例を表す図である。
図9図8に続いて、第2実施形態における検知部が検知処理で利用する参考データの一例を表す図である。
図10】第2実施形態における検知部の検知処理を説明する図である。
図11】第2実施形態における制御装置の計数に係る動作例を表すフローチャートである。
図12】本発明に係る第3実施形態におけるカメラの配設形態を説明する図である。
図13】第3実施形態におけるカメラの撮影範囲の一例を表す図である。
図14】第3実施形態における検知部が検知処理で利用する参考データの一例を表す図である。
図15図14に続いて、第3実施形態における検知部が検知処理で利用する参考データの一例を表す図である。
図16】別の参考データの一例を表す図である。
図17図16に続いて、別の参考データの一例を表す図である。
図18】本発明に係る第4実施形態におけるカメラの配設形態を説明する図である。
図19】第4実施形態におけるカメラの撮影範囲の一例を表す図である。
図20】第4実施形態における制御装置の機能構成を説明する図である。
図21】カメラの配設形態のその他の実施形態を表す図である。
図22図21のように配設されたカメラの撮影範囲の一例を表す図である。
図23】カメラの配設形態のさらに別の実施形態を表す図である。
図24図23のように配設されたカメラを生簀に投入した状態の一例を説明する図である。
図25図24のように配設されたカメラの撮影範囲の一例を表す図である。
図26】参考データのさらに別の例を表す図である。
図27図26に続いて、参考データのさらに別の例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明に係る実施形態を図面を参照しながら説明する。
【0015】
<第1実施形態>
図1は、本発明に係る第1実施形態の情報処理装置の構成を簡略化して表すブロック図である。第1実施形態の情報処理装置1は、図2に表されるように、撮影装置6と共に、計数システム5を構成する。撮影装置6は、計測対象の物体が存在している撮影空間を撮影する状態に配設されている。
【0016】
情報処理装置1は、機能部として、検知部2と、計数部3とを備える。検知部2は、計測対象の物体が撮影されている撮影画像から計測対象の物体における予め定められた特徴を持つ特徴部位を検知する機能を備える。計数部3は、撮影画像において検知部2が検知した特徴部位の数を計測対象の物体の数として計測する機能を備える。
【0017】
第1実施形態の情報処理装置1は、撮影画像において、計測対象の物体における特徴部位を検知し、当該検知した特徴部位の数を計測対象の物体の数として計測するので、簡単な構成で、物体の計数の精度を高めることができる。
【0018】
<第2実施形態>
以下に、本発明に係る第2実施形態を説明する。
【0019】
図3は、本発明に係る第2実施形態の計数システムの構成を簡略化して表すブロック図である。第2実施形態における計数システム10は、計測対象の物体である生簀内の魚の数を計測するシステムである。この計数システム10は、撮影装置であるカメラ11と、情報処理装置12とを備えている。
【0020】
カメラ11は、防水機能を持ち、図5に表されるように、魚26が養殖されている生簀25内に配設される。第2実施形態では、カメラ11は、水底に近い位置に配設されている。また、生簀25の水面に平行な断面におけるカメラ11の位置については、ほぼ中央となっている。このような位置に配置されるカメラ11のレンズの向きは、水面を向く向き(上向き)となっている。また、カメラ11は、図6に表されるような撮影範囲(視野)を持っている。つまり、カメラ11の撮影範囲は、生簀25の大きさを考慮し、生簀25の側面側も撮影できる範囲となっている。
【0021】
カメラ11を水中に配設する手法は特に限定されないが、その一例を次に述べる。すなわち、カメラ11は、それぞれ、図4に表されるような支持部材である金属板20に、レンズの向きが上向き(金属板20の基板面の上方側を向く向き)となるように支持固定される。カメラ11が支持固定される金属板20は、線条材である複数(4本)のロープ21により浮体であるブイ22に接続されている。また、各ロープ21におけるブイ22の反対側の端部側は錘23に接続されている。
【0022】
このような構成を持つカメラ11の配設構造体が水中(生簀25)に投入されることにより、ブイ22は水面に浮き、錘23は水底側に沈み、これにより、金属板20は、ロープ21によって水中に吊下げられている形態となる。また、錘23が金属板20(換言すればカメラ11)の配設位置が大きく変動してしまうことを防止する。このように、金属板20とロープ21とブイ22と錘23によってカメラ11を水中に配設する手法は、構造が簡易であり、また、コンパクト化および軽量化が容易である。このことから、カメラ11を別の生簀25に移動させることが容易となる。
【0023】
このように水中に配設されるカメラ11は、生簀25内の魚26を腹側から撮影することになる。例えば、カメラ11による撮影画像中の魚26は、図7のイメージ図に表されるような像となる。
【0024】
なお、カメラ11は、動画を撮影する機能を備えている撮影装置であるが、動画撮影機能を持たずに例えば静止画を設定の時間間隔毎に断続的に撮影する撮影装置をカメラ11として採用してもよい。また、カメラ11のキャリブレーションは、生簀25の環境や計測対象の魚の種類等を考慮した適宜なキャリブレーション手法によって行われる。ここでは、そのキャリブレーション手法の説明は省略する。
【0025】
さらに、カメラ11による撮影を開始する手法および撮影を停止する手法は、カメラ11の性能や生簀25の環境などを考慮した適宜な手法が採用される。例えば、魚の観測者が、カメラ11を生簀25に進入させる前に手動により撮影を開始させ、また、カメラ11を生簀25から退出させた後に手動により撮影を停止させる。また、カメラ11が無線通信あるいは有線通信の機能を備えている場合には、撮影開始と撮影停止を制御する情報を送信できる操作装置と、カメラ11とを接続する。そして、観測者による操作装置の操作により、水中のカメラ11の撮影開始と撮影停止が制御されてもよい。
【0026】
上述したようなカメラ11により撮影された撮影画像は、有線通信あるいは無線通信によって情報処理装置12に取り込まれてもよいし、可搬型記憶媒体に格納された後に当該可搬型記憶媒体から情報処理装置12に取り込まれてもよい。
【0027】
情報処理装置12は、図3に表されるように、概略すると、制御装置13と、記憶装置14とを備えている。また、情報処理装置12は、例えば観測者(計測者)の操作により情報を情報処理装置12に入力する入力装置(例えば、キーボードやマウス)16と、情報を表示する表示装置17に接続されている。さらに、情報処理装置12は、当該情報処理装置12とは別体の外付けの記憶装置15に接続されていてもよい。
【0028】
記憶装置14は、各種データやコンピュータプログラム(以下、プログラムとも記す)を記憶する機能を有し、例えば、ハードディスク装置や半導体メモリ等の記憶媒体により実現される。情報処理装置12に備えられる記憶装置14は一つには限定されず、複数種の記憶装置が情報処理装置12に備えられていてもよく、この場合には、複数の記憶装置を総称して記憶装置14と記す。また、記憶装置15も、記憶装置14と同様に、各種データやコンピュータプログラムを記憶する機能を有し、例えば、ハードディスク装置や半導体メモリ等の記憶媒体により実現される。なお、情報処理装置12が記憶装置15に接続されている場合には、記憶装置15には適宜な情報が格納される。また、この場合には、情報処理装置12は、適宜、記憶装置15に情報を書き込む処理および読み出す処理を実行するが、以下の説明では、記憶装置15に関する説明を省略する。
【0029】
第2実施形態では、記憶装置14には、カメラ11による撮影画像が、撮影したカメラを表す情報や、撮影時間の情報などの撮影状況に関わる情報と関連付けられた状態で格納される。
【0030】
制御装置13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)により構成される。制御装置13は、例えばCPUが記憶装置14に格納されているコンピュータプログラムを実行することにより、次のような機能を有することができる。すなわち、制御装置13は、機能部として、検知部30と、計数部31と、表示制御部32とを備えている。
【0031】
表示制御部32は、表示装置17の表示動作を制御する機能を備えている。例えば、表示制御部32は、入力装置16から、カメラ11の撮影画像を再生する要求を受け取った場合に、記憶装置14から要求に応じたカメラ11の撮影画像を読み出し当該撮影画像を表示装置17に表示する。
【0032】
検知部30は、例えば、カメラ11の撮影画像の再生中に、観測者の入力装置16の操作によって魚の数を計測する要求が入力されたことを検知すると、次のような処理を実行する機能を備えている。すなわち、検知部30は、カメラ11による撮影画像において、計測対象の物体である魚における予め定められた特徴を持つ特徴部位を検知する機能を備えている。第2実施形態では、魚の頭が特徴部位として設定されている。カメラ11の撮影画像から特徴部位である魚の頭を検知する手法には様々な手法があり、ここでは、情報処理装置12の処理能力等を考慮した適宜な手法が採用されるが、その一例を挙げると、次のような手法がある。
【0033】
例えば、計測対象となる種類の魚の頭について、図8および図9に表されるような、魚の向きやカメラ11からの距離等が異なる複数の参考データ(参考部位画像)が記憶装置14に格納されている。なお、図8および図9における参考データは、魚の腹側から見た魚の頭の画像である。これら参考データは、計測対象となる種類の魚が撮影されている多数の撮影画像から、頭の特徴部位が撮影されている領域の画像が教師データ(教師画像)として抽出され、当該教師データを利用した機械学習により作成される。
【0034】
検知部30は、記憶装置14から読み出した特徴部位(魚の頭)の参考データを利用して、次のように、撮影画像における特徴部位を検知する。例えば、検知部30は、図10に表されるような撮影画像46の左上端から予め定められた形状および大きさを持つ調査画像範囲を右上端に向けて移動させながら、設定の間隔毎に調査画像範囲が位置している部分の画像と、参考データとを比較する。そして、検知部30は、調査画像範囲内の画像と参考データとのマッチ度(類似度)を例えばテンプレートマッチング手法で利用される手法により判定する。検知部30は、マッチ度が閾値(例えば90%)以上である場合に、その画像は特徴部位を表していると検知する。
【0035】
検知部30は、調査画像範囲を右上端まで移動させると、撮影画像46における左上端よりも設定間隔下げた位置から調査画像範囲を右側に移動させながら、上記同様に、設定間隔毎にマッチ度を判定していく。
【0036】
検知部30は、このように撮影画像において調査画像範囲をスキャン(走査)しながら参考データと調査画像範囲内の画像とのマッチ度を判定することにより、カメラ11による撮影画像において計測対象の物体(魚)の特徴部位(頭)を検知する。図10の例では、撮影画像46において検知された特徴部位が枠48により表されている。例えば、このような検知部30による検知結果は、表示制御部32によって表示装置17に表示される。
【0037】
計数部31は、カメラ11による撮影画像において検知部30により検知された特徴部位の数を計測対象の物体(魚)の数として計測する機能を備えている。また、計数部31は、そのように計数した計測対象の物体の数の情報を、計測した撮影画像の情報(例えば撮影画像の識別情報)に関連付けた状態で記憶装置14に格納する機能を備えている。
【0038】
なお、計数部31は、特徴部位の数を計数した後に、その計数値を補正する機能を備えていてもよい。例えば、別の魚の陰に隠れたために撮影画像に映らなかった等の原因により計数部31により計数されない魚が有ると想定される。このような計数されない魚の数と、計数部31により計数される魚の数との関係が例えば観測やシミュレーションにより求められ、当該関係データが補正用データとして記憶装置14に格納される。計数部31は、特徴部位の数を計数した後に、当該計数値を、その補正用データにより補正し、補正後の値を計測対象の物体の数として算出してもよい。
【0039】
第2実施形態の計数システム10は上記のように構成されている。次に、第2実施形態における情報処理装置12の計数処理の一例を図11のフローチャートに基づいて説明する。
【0040】
例えば、情報処理装置12の検知部30は、観測者による入力装置16の操作により、計測対象の物体を計数する要求が入力されたことを検知すると(ステップS101)、カメラ11による撮影画像を記憶装置14から取得する。そして、検知部30は、取得したカメラ11による撮影画像において、記憶装置14に格納されている参考データを利用して、計測対象の物体における特徴部位を検知する(ステップS102)。その後、計数部31が、検知部30により検知された撮影画像における特徴部位の数を計測する(ステップS103)。そして、計数部31は、例えば、計測した物体の数を表示制御部32によって表示装置17に表示させる。情報処理装置12は、このような処理により、撮影画像から計測対象の物体の数を計測し、出力することができる。
【0041】
第2実施形態の計数システム10は、情報処理装置12の検知部30および計数部31によって、撮影画像において計測対象の物体の特徴部位を検知し、特徴部位の数を計測対象の物体の数として計測する機能を備えている。これにより、情報処理装置12は、簡単な構成で、物体の計数の精度を高めることができる。
【0042】
<第3実施形態>
以下に、本発明に係る第3実施形態を説明する。なお、第3実施形態の説明において、第2実施形態における計数システムを構成する構成部分と同様な構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0043】
第3実施形態における計数システム10は、撮影装置であるカメラ11の配設形態が第2実施形態と異なり、それ以外は、第2実施形態の計数システム10とほぼ同様な構成を備えている。
【0044】
すなわち、図12は、第3実施形態におけるカメラ11の配設形態を模式的に表す斜視図である。つまり、カメラ11は、レンズの向きが支持部材である金属板20の基板面に平行となるような横向きで金属板20に固定されている。換言すれば、カメラ11は、水中(生簀25)に投入された状態で、水面に平行となるような横向きとなるように配設される。また、水中におけるカメラ11の深さ位置(高さ位置)は、水底と水面との間の中間部となる位置である。さらに、カメラ11は、生簀25の周縁部に配置される。図13は、生簀25を上方側から見た場合におけるカメラ11の撮影範囲と生簀25との関係を表す図である。
【0045】
カメラ11は、上記のように配設されることにより、生簀25内の魚を横側から撮影することになる。このため、情報処理装置12における検知部30が検知処理で利用する参考データは、図14および図15に表されるような横側から見た魚の頭のサンプル画像である。
【0046】
第3実施形態の計数システム10においても、第2実施形態と同様に、撮影画像から計測対象の物体の特徴部位を検知し、当該特徴部位の数を計測対象の物体の数として算出するので、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0047】
なお、第3実施形態では、計測対象の物体の特徴部位として魚の頭が例に挙げられている。これに代えて、例えば、計測対象の物体の特徴部位は、魚の尾であってもよい。この場合には、検知部30が検知処理で利用する参考データは、例えば、図16および図17に表されるような横側から見た魚の尾のサンプル画像となる。
【0048】
<第4実施形態>
以下に、本発明に係る第4実施形態を説明する。なお、第4実施形態の説明において、第2や第3の実施形態における計数システムを構成する構成部分と同様な構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0049】
第4実施形態における計数システム10は、撮影装置であるカメラの配設形態が第2や第3の実施形態と異なり、それ以外は、第2あるいは第3の実施形態の計数システム10とほぼ同様な構成を備えている。
【0050】
すなわち、図18は、第4実施形態におけるカメラの配設形態を模式的に表す図である。第4実施形態の計数システム10は、複数(図18の例では2台)の撮影装置であるカメラ11,40を備えている。カメラ11,40は、魚26が養殖されている生簀25内に投入された状態において、深さ方向(高さ方向)に間隔を介して配設される。第4実施形態では、カメラ11,40の深さ方向の位置については、カメラ11は、水底に近い位置に配設され、カメラ40は、水底と水面とのほぼ中間部に配設されている。また、生簀25の水面に平行な断面におけるカメラ11,40の位置については、ほぼ中央となっている。このような位置に配置されるカメラ11,40のレンズの向きは、水面を向く向き(上向き)となっている。また、カメラ11,40の撮影範囲(視野)は生簀25の大きさを考慮し、生簀25の側面側も撮影できる範囲となっている。このように配設されるカメラ11,40の撮影画像は、第2実施形態と同様に、生簀25内の魚26を腹側から撮影することになる。
【0051】
カメラ11,40を水中に配設する手法も、第2実施形態で述べた手法と同様の手法を採用することができる。つまり、カメラ11,40は、金属板20とロープ21とブイ22と錘23を利用する配設形態でもって、水中に配設される。なお、カメラ11,40を水中に配設する手法は、ロープ21を利用する手法に限定されず、例えば、ロープ21に代えて棒状部材が用いられる手法であってもよい。
【0052】
第4実施形態では、複数台のカメラ11,40が配設されることにより、各カメラ11,40による撮影画像が得られる。このことにより、情報処理装置12における検知部30と計数部31は、それぞれ、得られる複数の撮影画像のそれぞれについて、処理を実行する。そして、計数部31は、カメラ11,40による撮影画像から計測された物体の数を合計し、合計値を測定対象の物体の数として算出する。
【0053】
なお、情報処理装置12は、同時に撮影されたカメラ11の撮影画像とカメラ40の撮影画像とを用いる。このことを考慮し、同時に撮影されたカメラ11による撮影画像とカメラ40による撮影画像とを得やすくするために、撮影中に、時間合わせ(同期)に用いる目印となる変化をもカメラ11,40に共通に撮影させることが好ましい。例えば、同期に用いる目印として、自動制御あるいは観測者の手動によって短時間発光する光を利用することとし、カメラ11,40がその光を撮影するようにしてもよい。あるいは、同期に用いる目印としての音を画像と共にカメラ11,40が取り込むようにしてもよい。あるいは、カメラ11,40が内蔵している時計の時間合わせをしておき、カメラ11,40は内蔵の時計の時間情報を撮影画像に関連付けてもよい。このように、カメラ11,40の撮影画像に同期に用いる情報が含まれる、あるいは、関連付けられることにより、カメラ11,40の撮影画像の同期を行うことが容易となる。
【0054】
ところで、第4実施形態では、カメラ11,40は、深さ方向に間隔を介して配置され、かつ、それらレンズの向きは同じ方向を向いている(上向きである)。このため、カメラ11の撮影範囲は、図19における斜線領域Wのような、カメラ40の撮影範囲とオーバーラップする領域がある。このため、カメラ11による撮影画像から計数部31が計数する計測対象の物体(魚)の数には、カメラ40による撮影画像において計数部31が計数する計測対象の物体(魚)の数が含まれてしまうことが想定される。このことを考慮し、第4実施形態では、計数部31により計数された計測対象の物体の数を補正する機能が備えられている。すなわち、図20に表されるように、制御装置13は、第2や第3の実施形態の構成に加えて、補正部34を備えている。なお、図20は、制御装置13において、検知部30と表示制御部32の図示が省略されている。
【0055】
補正部34は、カメラ11,40におけるオーバーラップしている撮影範囲領域において計数部31により重複して計数されると想定される計測対象の物体の数に基づいて、計数部31により計数された計測対象の物体の数を補正する機能を備えている。
【0056】
例えば、カメラ11による撮影画像から計数部31が計数する計測対象の物体の数のうち、カメラ40による撮影画像においても計数部31が計数すると考えられる計測対象の物体の数の割合がどの程度になるかを観測者等が予め求める。その求められた割合のデータが間引き率(例えば、0.5(50%))として記憶装置14に格納される。なお、間引き率を求める手法には様々な手法が考えられる。例えば、実験に基づいた観測者の経験に基づいて観測者が間引き率を定める。あるいは、予め撮影されたカメラ11,40による撮影画像を教師データとして利用した機械学習によって得られたサンプル画像(例えば魚の動きの動画)に基づいて、間引き率が算出されてもよい。あるいは、撮影環境に応じた前記間引き率が算出されてもよい。このように、間引き率を求める手法には様々な手法があり、適宜な手法により間引き率が求められる。
【0057】
補正部34は、カメラ11による撮影画像において計数部31により計数された計測対象の物体の数に、記憶装置14に格納されている間引き率を乗算することにより、補正数を算出する。そして、補正部34は、計数部31により計測対象の物体の数として計数された数から、算出した補正数を差し引くことにより、計数部31により計数された計測対象の物体の数を補正する。補正部34は、そのように補正した補正後の計測対象の物体の数の情報を記憶装置14に格納する機能を備えている。また、補正部34は、補正後の計測対象の物体の数を表示制御部32によって表示装置17に表示させる機能をさらに備えている。
【0058】
第4実施形態の計数システム10では、複数のカメラ11,40が深さ方向に配設されている。このため、次のような効果を得ることができる。例えば、カメラ11から離れているために、カメラ11による撮影画像においては不明瞭である物体があるとする。この場合に、その物体がカメラ11よりも近い位置のカメラ40により撮影されることによって、カメラ40による撮影画像では、カメラ11による撮影画像よりも、その物体の画像の明瞭化を図ることができる。このように計測対象の物体における画像の明瞭化を図ることができることにより、情報処理装置12は、撮影画像を利用する計数の機能によって計測対象の物体の計測精度を高めることができる。
【0059】
また、第4実施形態では、複数のカメラ11,40の撮影画像を利用することに起因して、重複して計測されてしまう物体があるが、情報処理装置12は、補正部34によって、そのような重複した物体の数を補正できる。このため、情報処理装置12は、複数のカメラ11,40の撮影画像を利用することに因る不具合の発生を防止できる。
【0060】
<第5実施形態>
以下に、本発明に係る第5実施形態を説明する。なお、第5実施形態の説明において、第2~第4の実施形態における計数システムを構成する構成部分と同様な構成部分には同一符号を付し、その共通部分の重複説明は省略する。
【0061】
第5実施形態における計数システム10は、撮影装置であるカメラの配設形態が第4実施形態と異なり、それ以外は、第4実施形態の計数システム10とほぼ同様な構成を備えている。
【0062】
すなわち、図21は、第5実施形態におけるカメラ50の配設形態を模式的に表す斜視図である。図22は、図21の上方側から見たカメラ50の配設形態を表すモデル図である。第5実施形態では、水中(生簀25)においてカメラ50が配設される位置は、水底に近い深さ位置Dtと、水面に近い位置Dbと、それら位置Db,Dt間の間隔をほぼ等間隔に分ける位置Dm1,Dm2とである。また、カメラ50が配設される各深さ位置(高さ位置)において、カメラ50は4台ずつ配設される。深さ位置毎の4台のカメラ50は、図22に表されるように、水面に沿う互いに異なる四方向にそれぞれ向いて配設されている。図21に表されるような複数のカメラ50は、第4実施形態と同様に、生簀25の中央部に配置される。
【0063】
第5実施形態における情報処理装置12では、検知部30は、各カメラ50の撮影画像において計測対象の物体(魚)の特徴部位(頭)を検知する。第5実施形態では、カメラ50は、計測対象の物体である魚を横側から撮影するので、検知部30が特徴部位の検知処理で利用する参考データは、例えば、図14および図15に表されるような横側から見た魚の頭のサンプル画像である。
【0064】
計数部31は、各カメラ50の撮影画像において検知された特徴部位の数を計測し、各撮影画像における計測数を合計し、当該合計値を計測対象の物体の数として算出する。第5実施形態では、水平方向に隣り合っているカメラ50におけるオーバーラップする撮影範囲は、例えば、図22における領域Wとなる。また、高さ方向に隣り合っているカメラ50の撮影範囲についても、オーバーラップする撮影範囲領域がある。補正部34は、そのようなオーバーラップする撮影範囲領域において重複して計測される計測対象の物体の数を考慮して、計数部31により算出された計測対象の物体の数を補正する。
【0065】
第5実施形態の計数システム10は、第4実施形態に比べて、カメラ50の配設数をより増加したことにより、計測対象の物体の計数精度をより高めることができる。
【0066】
<その他の実施形態>
なお、本発明は第1~第5の実施形態に限定されることなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、第4と第5の実施形態では、複数のカメラ50が生簀25の中央部に配置されている。これに代えて、例えば、図24に表されるように、複数のカメラ50は生簀25の周縁部(図24の例では角部)に配置されてもよい。この場合には、例えば、図23に表されるように、互いに異なる各深さ位置に1台ずつカメラ50が配設されている。図25は、図24におけるカメラ50と生簀25との関係を水面側から見たモデル図である。図25に表されているように、各深さ位置のカメラ50のレンズの向きは生簀25の中央部を向く横向きの同方向となっている。なお、図24,25に表されるように生簀25の周縁部にカメラ50が配置される場合において、カメラ50の視野によっては、各深さ位置に複数ずつカメラ50が配設されてもよい。
【0067】
このようにカメラ50が配設される場合には、カメラ50の撮影画像は、第5実施形態と同様に、生簀25内の魚26を横側から撮影することになる。
【0068】
また、第4実施形態では、カメラ11,40は図18に表されているように二段に配設され、第5実施形態ではカメラ50は図21に表されているように四段に配設されている。これに代えて、カメラを複数段に配設する場合の段数は、魚の数を計数する目的とする深さ範囲によっては三段や五段以上であってもよい。
【0069】
さらに、第2~第5の実施形態の構成に加えて、情報処理装置12の検知部30が検知処理を開始する前などの適宜なタイミングで、撮影画像における水の濁りを軽減する画像処理や、水の揺らぎに因る魚体の歪みを補正する画像処理が行われてもよい。また、撮影画像を物体の水深や明るさ等の撮影条件を考慮して補正する画像処理が行われてもよい。このように、情報処理装置12が、撮影環境を考慮して撮影画像を画像処理(画像補正)することにより、計測対象の物体の計数精度をより高めることができる。また、情報処理装置12は、そのように画像補正された撮影画像を利用することにより、参考データの数を少なくできるという効果を得ることができる。
【0070】
さらに、第2と第3の実施形態では、情報処理装置12における検知部30は、計測対象の物体の特徴部位として魚の頭を検知している。これに代えて、例えば、検知部30は、魚の側面部分を検知してもよい。この場合には、検知部30が検知処理で利用する参考データは、例えば、図26および図27に表されるような魚の側面部分のサンプル画像となる。
【0071】
さらに、検知部30が利用する図14図17に表される参考データは一例であって、検知部30が利用する参考データは、さらに多くの参考データが含まれていてもよい。例えば、魚の頭あるいは尾の参考データとして、図27における見切りデータ(つまり、検知した部分の一部が撮影範囲から外れてしまっている画像データ)のようなデータが検知対象外のデータが含まれていてもよい。また、図27に表されるような魚のくねりを考慮した魚の尾のくねりを表すデータが参考データとして含まれていてもよい。
【0072】
さらに、第2~第5の実施形態では、計測対象の物体として魚を例にして説明しているが、第2~第5の実施形態で説明した構成を持つ計数システム10は、他の物体の計数にも適用可能である。
【0073】
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【0074】
この出願は、2016年9月30日に出願された日本出願特願2016-194271を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0075】
1,12 情報処理装置
2,30 検知部
3,31 計数部
5,10 計数システム
6 撮影装置
11,40,50 カメラ
図1
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