(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】プレノプティックセンサ
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20220117BHJP
G02B 3/00 20060101ALI20220117BHJP
G02B 3/02 20060101ALI20220117BHJP
【FI】
H01L27/146 D
G02B3/00 A
G02B3/02
(21)【出願番号】P 2019021677
(22)【出願日】2019-02-08
(62)【分割の表示】P 2016514448の分割
【原出願日】2013-12-07
【審査請求日】2019-02-28
【審判番号】
【審判請求日】2021-03-04
(32)【優先日】2013-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】ES
(73)【特許権者】
【識別番号】515326170
【氏名又は名称】ブラスコ クラレト,ホルヘ ヴィセンテ
(73)【特許権者】
【識別番号】515326181
【氏名又は名称】ブラスコ ワイト,イサベル レナ
(73)【特許権者】
【識別番号】515326192
【氏名又は名称】ブラスコ ワイト,カーメン ビクトリア
(73)【特許権者】
【識別番号】515326206
【氏名又は名称】ブラスコ ワイト,ウィリアム ホルヘ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ブラスコ クラレト,ホルヘ ヴィセンテ
【合議体】
【審判長】辻本 泰隆
【審判官】河本 充雄
【審判官】▲吉▼澤 雅博
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-526294(JP,A)
【文献】特開2012-156311(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0033636(US,A1)
【文献】特開2004-336228(JP,A)
【文献】特開2011-84060(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L27/146
G02B 3/00
G02B 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトセンサを有する基板と、
高屈折率の材料の層から成り、上記
基板の上に配置された、プレノプティックマイクロレンズと、
上記プレノプティックマイクロレンズの上に配置されたマイクロ対物レンズと
をモノリシックに集積することを特徴とするプレノプティックセンサ。
【請求項2】
上記プレノプティックマイクロレンズが球面であることを特徴とする請求項1に記載のプレノプティックセンサ。
【請求項3】
上記プレノプティックマイクロレンズが非球面構造を有することを特徴とする請求項1に記載のプレノプティックセンサ。
【請求項4】
上記プレノプティックマイクロレンズは、上記フォトセンサの基板から一定の距離のところに配置されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のプレノプティックセンサ。
【請求項5】
上記プレノプティックマイクロレンズと上記フォトセンサの基板との間の距離は
セパレータによって維持されていることを特徴とする請求項
4に記載のプレノプティックセンサ。
【請求項6】
上記
セパレータは高屈折率の材料である1つ以上の層を有することを特徴とする請求項
5に記載のプレノプティックセンサ。
【請求項7】
上記
セパレータは、光を吸収して反射を避ける材料で出来ていることを特徴とする請求項
5または
6に記載のプレノプティックセンサ。
【請求項8】
高屈折率の材料の層から成り、上記フォトセンサの基板の上に配置された、画素マイクロレンズをさらに備え、
上記プレノプティックマイクロレンズは、上記画素マイクロレンズの上に配置されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のプレノプティックセンサ。
【請求項9】
フォトセンサを有する基板と、
上記
基板の上に配置された、1つ以上の低屈折率の材料の層と、
上記低屈折率の材料の層の上に配置されたマイクロ対物レンズと、
をモノリシックに集積し、
上記マイクロ対物レンズは、高屈折率の材料の層と低屈折率の材料の層と
が、連続的に
積層されて構成されることを特徴とするセンサ。
【請求項10】
高屈折率の材料の層から成り、上記フォトセンサの基板の上に配置された、画素マイクロレンズをさらに備え、
上記1つ以上の低屈折率の材料の層は、上記画素マイクロレンズの上に配置されることを特徴とする請求項9に記載のセンサ。
【請求項11】
フォトセンサを有する基板と、
上記
基板の上に連続的に積層された
セパレータであって高屈折率の材料である1つ以上の層と、
上記セパレータの上に配置され、上記セパレータによって上記フォトセンサの基板との間の距離が維持されたマイクロ対物レンズと
をモノリシックに集積することを特徴とするセンサ。
【請求項12】
高屈折率の材料の層から成り、上記フォトセンサの基板の上に配置された、画素マイクロレンズをさらに備え、
上記マイクロ対物レンズは、上記画素マイクロレンズの上に配置されることを特徴とする請求項11に記載のセンサ。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔1.技術分野〕
本発明はイメージキャプチャに関連しており、より具体的には、キャプチャされたイメージだけではなく、光線の到達の方向もキャプチャする固体のセンサを用いたプレノプティックイメージ(plenoptic images)のキャプチャに関する。この分野は、光学上の素子、光電子センサ(光の強さを電流に変換するもの)、キャプチャされたイメージの加工素子も備えている。イメージセンサの製品の質を上げ、その大きさを縮小し、豊富な製造能力を提供すると共に、そのコストを削減することが目的とされている。本発明は、ウェハレベルの光学設計と、多様な光電子部品および光学ウェハの「サンドイッチ」の作製を提供する。結果として、カメラを組み入れた、デジタルカメラ、携帯電話、タブレット端末、ラップトップ型コンピュータ、総合消費者商品に用いられ得るセンサとなり、特に、CMOSイメージセンサと組み合わせられる(ただしこれに限定されるわけではない)。イメージセンサの多様な構造および作製方法がここに記載されている。
【0002】
〔2.背景技術〕
「モノリシック集積回路」は、一般的なチップ設計技術を使用して得られたものであり、ベース材料(基板)が、能動素子(トランジスタ、センサなど)だけではなく、相互接続の素子も含んでいる。この用語は、通常異なる技術および機能の集積化に用いられる。通常異なる技術および機能の例として、同じチップに入ったアナログおよびデジタル回路を使用すること、または、アナログ、デジタル回路、信号処理、センサ、および保護回路と共にパワー半導体を集積化することが挙げられる。光電子工学では、「モノリシック集積化」は、通常、「電子材料」、レーザー光、検出器、およびそれらを有する電子バイアス回路、制御、および管理システムによって作られた、それ自体がチップに入っている光学ファイバー入力/出力光学導波管といった構成を1つの「電子光学集積回路」に集積化するための傾向のことを指す。
【0003】
普通のカメラでは、フィルム(または、デジタルカメラにおけるセンサ)は、フィルムの各ポイント(デジタルカメラにおけるピクセルセンサ)が全ての方向からポイントに届いた光線を全て集積する2次元イメージをキャプチャする。プレノプティックカメラ(ライトフィールドカメラ)は、光の範囲をサンプリングすることができ、また、ライトフィールドにおける光線の向きもサンプリングすることができる。
【0004】
光の到達の方向をキャプチャすることにより、3次元イメージ、異なるポイントで再びフォーカスの合ったイメージ、「完全にピントが合った」(現実のオブジェクトとの距離に関わらず)イメージといった「新たな光景」または新たなイメージを合成することができる。
【0005】
図1(米国特許出願公開8,290,358B1、発明者Todor G. Georgievから転載)は先行技術の実施例を示しており、カメラのアレイ(2つ以上のレンズまたは対物レンズを有し、図においては、図の最上部に3つのレンズ)部分を示している。各レンズ/対物レンズは、いくつかのフォトセンサにおいてそうすることも可能ではあるが、フォトセンサの特定の部分(イメージの下部の細いフィルム)で、現実のイメージにフォーカスを合わせている。キャプチャされた多数のイメージは、1つのイメージを形成するために組み合わされ得る。
【0006】
図2(再び米国特許出願公開8,290,358B1から転載)は、プレノプティックカメラの先行技術の2つめの実施例を示している。プレノプティックカメラは、(イメージの最上部において)1つの対物レンズまたはレンズと、マイクロレンズのセット(又はマイクロレンズのアレイ)を使用している。マイクロレンズのセットは、例えば、1つのレンズの次に他のレンズが配置され、2次元パターン(
図2に矢印でマークしたマイクロレンズのアレイは、この図において3つのビームが交差するポイントに置かれている)を形成している100,000の(または、最近の実施例においてはより多くの)小型レンズ(lenslets)を含み得る。上記マイクロレンズのアレイは、フォトセンサ(イメージの下端部)の短い距離(約0.5mm)で通常は配置されている。フォトセンサは、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ、CCD(Charge Coupled Device)センサ、または過去、現在、もしくは未来のあらゆるフォトセンサ技術であってもよい。マイクロレンズのアレイの平面は、フォトセンサの平面と平行である。
【0007】
前段落において記載したプレノプティックカメラセンサによってキャプチャされたイメージは、実のところ、カメラのレンズ/主要な対物レンズの小さなイメージの集まり(アレイ)であり、イメージは多くの場合「マイクロイメージ」と呼ばれる。各ポイントにおいて記載された「マイクロレンズ/センサ」構造は、明るさだけではなく、異なる方向における光強度分布もキャプチャする。いくつかのマイクロレンズのそれぞれは、メインレンズからそれに到達するビームを、メインレンズの異なる位置からの光線として分けている。光線は、フォトセンサにおいてピクセルに格納され、各マイクロレンズにおけるピクセルのセットは、マクロ-ピクセル(
図2にキーでマークされている)と呼ばれるn-ピクセルのイメージを形成する。
【0008】
3つ目の形式である「ライトフィールドカメラ(light field camera)」は、マイクロレンズアレイが開口(不透明な表面の小さな穴であり、光を入れる)のアレイと取り替えられていることを除いて、
図2の形式に似ている。4つ目の形式である「プレノプティックカメラ」は、屈折しない「正弦波マスク」がマイクロレンズと取り替えられていることを除いて、
図2の形式に似ている。上記マスクは、入射する光を屈折させずに変調し、結果としてキャプチャされたイメージは、ライトフィールド入射とライトフィールドマスクとの畳み込み(convolution)のイメージとなる。このカメラは、フーリエの周波数領域に直接的にライトフィールドをキャプチャする。このようにして、2次元(2D)センサピクセルは、いくつかのエンコードされた入射光線の線形結合を表している。上記線形結合は、ライトフィールド(光線の到着方向を含む)の全ての情報を取得するためのソフトウェアによってデコードされ得る。
【0009】
図3および
図4(英国特許出願公開2,488,905、発明者Norihito HiasaおよびKoshi Hatakeyamaから転載)は、光線の伝搬と、再び焦点を定める、距離を計算するなどといった多様な処理に用いられ得る、アルゴリズムのソースとを示している。
図3は、目標平面の1対のポイントが、マイクロレンズの平面を超えて位置づけられた平面において焦点が合った場合を示している。しかしながら、これらの光線は決して焦点に達することなく、それらはマイクロレンズによって分散され、(フォーカスされた平面における1ピクセルではなく)センサにおけるいくつかのピクセルに達する。
図4は、平面対象物における1対のポイントが、マイクロレンズの前の平面に焦点が合い、そこから分岐した場合を示している。これらは、マイクロレンズによって分散され、結果としてセンサ平面におけるいくつかのピクセルに達する。何れの場合においても、センサ(フィルム)がマイクロレンズのところにあるなら、これらのポイントのイメージはぼやけて見える。しかしながら、プレノプティックカメラでは、光線の到達の方向を決定することができ、光線の「バックトラッキング」を計算するアルゴリズムであって(空間におけるイメージセンサからメインレンズの右側および焦点面まで、さらに、物体空間におけるこれらの光の起点から、レンズの左側まで)、
図3、4に記載された物体の焦点の合ったイメージを計算するための多数のアルゴリズムがある。物体イメージ空間を有する空間の三角形の相似により、焦点面(201)から
図3、4に記載された平面(101、102、および202)までの距離を計算することもでき、さらに、イメージのピクセルと物体空間におけるこれらのピクセルの基点までの間の距離を計算することもできる。この情報を用いて、3次元(3D)テレビイメージを作製する、イメージの焦点を再び合わせる、完全に焦点の合ったイメージを生成する、などといったことが可能となる。
【0010】
プレノプティックカメラの最近の実装について述べたが、プレノプティックカメラは1908年に既にLippmanによって説明されている。しかし、技術の問題によって、Ng, Hanrahan, LevoyおよびHorowitzが彼の特許である米国特許出願公開2007/025074(および”Stanford Tech Report”CTSR 2005-02)において、使用されているマイクロレンズの数と解像度が等しいカメラについて説明した2004年まで飛躍的に進歩しなかった。2004年の10月、Ng, Hanrahan, LevoyおよびHorowitz(米国特許出願公開2012/0300097)は、
図2、3、および4に記載された構造に似ている構造を有するプレノプティックセンサについて説明している。我々は、
図6.Aに上記センサを再現し、それらの主要な部品を明確にする。図の下の部分は、全体の組み立て品を表しており、一方、図の上の部分は、上記組み立て品の各種の部品を表している。「デジタルバック」は、「チップパッケージ」(「デジタルバック」に接続する各チップ入出力ピンを有する)が組み入れられたプリント基板の機能を実行している間、セットに機械的な強度を与える。チップは、「レンズホルダ」に機械的に固定された「マイクロレンズアレイ」(または、マイクロレンズのアレイ)と同様に、「フォトセンサ」、フォトセンサに取り付けられた「ベースプレート」(またはベース)を含んでいる。レンズホルダは、マイクロレンズとフォトセンサとの間に所定の距離を保つ「分離バネ」と一緒に「ベースプレート」(ベース)に取り付けられている。3箇所に設けられた「調整ネジ」(またはネジ)は、フォトセンサおよびマイクロレンズアレイの平面の距離と平行度を制御する。この図は、主要なカメラレンズを示してはいない。
【0011】
上記特許に表されたアイデアは消費市場に向かう初期のプレノプティックに光を与えた。2012年、上述した特許の発明者の一人が従業者として働くLytro社は、仕組みが
図6.Bに示されているカメラを市場に売り出し始めた。
図6.B(www.lytro.comから引用)では、最上部に入力レンズのセット(8×のズームおよび固定口径f/2)を示し、
図6.Aのそれに似た概念を有する「ライトフィールドセンサ」、および図の下部に「ライトフィールドエンジン」(前段落において手短に言及されたプレノプティックアルゴリズムを実行するいくらかの処理能力を有する(基本的には、製品の初期のバージョンに再び主眼を置く))を示している。
【0012】
2008年にLumsdaine、Georgiev、およびIntwalaは、上述した特許(”A. Lumsdaine and T.Georgiev. Full resolution Lightfield rendering. Technical report, Adobe Systems, January 2008 ", および米国特許出願公開2009/0041448)において、効率的な解像度という観点においてハイスペックなデザインについて説明した。
【0013】
2009年10月、Georgievは、従来のカメラ(センサの前に配置されたメインレンズを有する)に様々なレンズを加え、そして、様々なプリズムが追加された(レンズ/プリズムのセットが同じイメージの異なる視野を取得しメインレンズを通してそれをセンサに向ける)改良型を記載した(米国特許出願公開2010/0020187)。この特許は、レンズ/プリズムのセットの写真(添付の
図5.A)、およびカメラに取り付けられた「レンズ/プリズム/メインレンズ」セット組み立て品(
図5.B)を提供している。イメージは、「ライトフィールド」をサンプリングするために組み合わされた様々な入力レンズを通して行われた。
【0014】
2009年10月の優先日を有して、DiFrancesco Selkirk、Duff、VandeWettering、およびFlowersは、米国特許出願公開2011/0169994において、わずかに異なる光学系(
図7.Aを参照)を説明した。光学系では、「マイクロレンズアレイ」(「小型レンズアレイ」または「マイクロレンズのアレイ」)が、レンズシステムの前に立たせてあるが、上記レンズアレイと物体空間との間の入力レンズを備えている。上記レンズシステムの実用的な装置が、より大きな直径のレンズを持つ「ヘッドチューブ」と、カメラに対して上記光学系の接続の近くにある領域においてより小さな直径のレンズを持つ「テールパイプ」と共に記載されている(
図7.B)。マイクロレンズのアレイおよび入力レンズは、上記構造の3番目のチューブの導入部分(
図7.Cに記載のように)に加えられる。この構造に使われる原理とアルゴリズムは、上述した構造に使われているそれらと類似している。すなわち、「複数のイメージからライトフィールドのサンプルを取得する」という構造に類似している。
【0015】
上述の実行可能な対物レンズの位置決め実施を除いて、試作から市場志向消費者製品まで、洗練されたアプリケーションのために高い光学的な品質を追い求める試作を通して、体積および高い製造費用の削減に向かう傾向が同時に起こった。2001年2月、Ueno、Funaki、およびKobayashi(米国特許出願公開2012/0218448)は、実際は、「マイクロレンズアレイ」14(光透過基板14bおよびマイクロレンズ自身14aを含む)に光を送る入力レンズ12を含む、カメラ用の小さなモジュール(
図8.Aを参照)であり、最終的には、光エネルギーを電気エネルギーに変換するフォトダイオードといったピクセルを含む「イメージキャプチャ素子」16を含む、「半導体において実施された撮像装置」を記載した。上記素子は、半導体基板16a、バイアス回路、および読み出し部(不図示)によって形成される。バイアス回路および読み出し部は、電力を供給し、基板16a、各ピクセル16bに対応するカラーフィルタ16c(例えば、赤、緑、または青)に形成されたピクセル16bを読み出す。ピクセル16bは、Bayerフォーマットといった、標準フォーマットで配置されており、最終的に小さいマイクロレンズ16dは任意の各カラーフィルタに配置される。マイクロレンズ16dの処理は各フォトセンサ(ピクセル16b)に入射する光線を集中させることである。セット「半導体基板/カラーフィルタ/ピクセルマイクロレンズ」の最上部において、フォトセンサの外側の領域であるが、フォトセンサ16とマイクロレンズ14との間の距離を維持しようとする「樹脂スペーサ」42がある。それらは、赤外線または赤外線に近い光を排除し、通る光を可視化させる材料からできる「光透過基板」40を含むセットの一部である。半導体基板には、ピクセル16b用の「読み出しおよび偏光電極」44がある。このような電極は、「接触点」48において半導体基板50を縦に交差する金属支柱46によって接続される。チップ50は、バイアス回路およびフォトセンサ(ピクセル)の処理部を持っている。入力レンズ12は、光透過基板40に配置されている支持材64によって所定の位置に保持されている円柱62によって所定の位置に配置されている。「外光に対する保護フレーム」52は、基板16Aまたはチップ50に光が入るのを防ぐために、構造全体の外側カバーとして、上記構造の外側に取り付けられている。上記カバーは、上記構造と外側の電子システムとを電気的に接続する電極54によって唯一分断されている。この特許(すなわち、「請求項」1)は、半導体のイメージシステムの権利を求めており、当該半導体のイメージシステムは:ピクセルのブロックおよびこれらのピクセルを含む半導体センサ、第1の光学システム(図のレンズ12として表される)、第2の光学システム(図のマイクロレンズ14として表される)によって構成され、対象物が無限遠点に配置されるとき、第1の光学システム(レンズ12)をイメージした平面が、第1の光学システム(レンズ12)とイメージセンサ(16)との距離より大きく、第1の光学システム(レンズ12)の距離以内となることを確立する。
【0016】
2011年の3月、Ueno、Iida、およびFunakiは、彼の特許である米国特許出願公開(上記特許の8Bに表される図を参照)において、前述の段落において説明した構造とわずかに異なる構造について明らかにした。例えば、その構造は、入力レンズシステムに面する(センサに面する替わりに)マイクロレンズを有する、および/または、マイクロレンズおよびセンサにカラーフィルタを追加する(例えば、赤、緑、および青)、それらのイメージセンサも色を取り込むために、ベイヤーパターンといったあるパターンを形成する、また、カラーフィルタ(およびそれらの結合されたセンサ)が、周囲に近付くような大きな偏りを持った、イメージ領域(
図8.Bを参照)の周囲に逸らされた構造を作る方法を説明している。
【0017】
モノリシックセンサの製造工程、マイクロエレクトロニクス、および1つのダイスの一部分として光学構成部分の進歩は、2009年10月にBrueckner、Duparre、Wippermann、Dannberg、およびBrauerによって、彼の特許である米国特許出願公開2011/0228142においても示されている。その実施形態の1つが
図8.Cに表されており、それはプレノプティック構造ではない。それは、基板100に含まれるフォトセンサ30’のグループにマイクロレンズ10を配置可能にしているだけであり、「3D空間観測円錐(3D space observation cones)」を作り出し(線410を参照)、最も狭い部分(マイクロレンズに配置された)において切り取られ、そして距離を広げ、いくつかは物体空間において視野と重なる。それぞれのマイクロレンズ10と結合された異なる光学チャネル(クロストーク)間の光学結合からノイズを避けるため、ちょうど適当な光線を通すための開口を有する不透明な層11、12、および12’がある。透明な基板20、21、および22は、ガラス、プラスチック、または無機コポリマー(例えば、ORMOCER)によって構成される。マイクロレンズの焦点距離は、マイクロレンズ10とセンサ30’との距離に一致しこれらの焦点距離は30~3000ミクロンまで伸び、マイクロレンズの直径は10~1000ミクロンであり、マイクロレンズの数は4~25000、およびの数は10000~10Mピクセルまたはそれ以上である。センサ30’は、その後に付け加えたハードウェアまたはソフトウェアによって結合される、いくつかのマイクロイメージ(4~25000)を生成する。この構造の主な効果は、携帯用に適用するために設計され、追加のレンズが必要ではないので、その体積が小さいことであり、それは大量生産に役立つ。
【0018】
ライトフィールドカメラの歴史は、(上述したような)光学構成部分、(新たな特性を有するフォトセンサイメージのピクセルが形成されると始まる:異なるフォーカス、全体的にフォーカスされる、3Dイメージなど)アルゴリズム、および段々とより発展するマイクロエレクトロニクス/マイクロ光学、フォトセンサ(メガピクセル、光度、コントラスト、など)の3つの分野が平行して進化している。前述した2つの段落において記載された第1歩は、品質レベルととても高い再現性とを提供すると同時に、マイクロエレクトロニクスにおいて使用される技術に類似した技術に使用される光学上の素子の処理および製造、ウェハレベルで大幅にコストを削減する製造技術に導く、最初のものである。しかしながら、半導体フォトダイオードパネル上のマイクロレンズおよびカラーフィルタの構成は、ここ数十年、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)技術における先行技術の典型的なセンサを示す、
図10.A(米国特許出願公開2012/0012959A1、発明者Po-Shuo Chen)に記載の構成に似た構成が使用されている:下から上に、内部において3つのフォトセンサが示されている(右のものは矢印が付されている)半導体基板を見分けることができる、半導体は、薄いシリコン窒化物によって保護され、上記基板上において、シアン、黄色、およびマゼンダのような基本色のシステムが用いられ得るが、カラーフィルタR(赤)、G(緑)、B(青)が配置されている。最終的に、最上部に、フォトセンサへ向かう光を集中させ、構造の発光効率を増加させる光学材料と共に組み込まれた3つのカラーレンズがある(たいてい、ほとんどの光学、センサの出版物は、無限に小さい寸法の感光素子を有する感光連続層を有する従来のフィルムといった、簡単な平らな感光面によって表される、しかし、現実には、各フォトセンサのピクセルは不連続なサイズであり、また、それらを分けるものと、保持されるバイアス回路および読み込み部との間に空間があり、それ故、上述したマイクロレンズの有用性がある)。カラーフィルタは、典型的に、各感光カラー層が堆積され、部分的に光にさらされ(ネガティブシェーディングフォトグラフィックマスクのパターンによって)、およびくっきりと描かれ(発達して)、しかし、ジェットプリントによっても形成される、フォトリソグラフィ法によって加工される。マイクロレンズ(たいてい、熱可塑性の樹脂またはフォトレジストの透明な材料によって作られる)は、多くの場合、フォトリソグラフィ、熱工程、熱逆流、および硬化の後に、このような材料を堆積することによって形成される。
【0019】
2010年の7月、Po-Shuo Chenは、米国特許出願公開(
図10.B)において、より良い特性を備える構造を説明した。その構造は、カラーフィルタがそれらの間で分離されており、マイクロレンズのアレイが、隣り合ったマイクロレンズとの間にギャップがないことを示しており、平面図(
図10.C)は、上記カラーフィルタ(斜め方向(D1)より短い、水平方向および垂直方向(X1、Y1)におけるそれらの間のギャップを有する)の多角形の構造を示している。このような構造の利点が、「クロストーク(カラー間のクロストーク)」を避けることであること明白であり、加えて、この構造は、マイクロレンズ間にギャップができるのを避けることができ、従って、光効果を増加させることができる。Chenはまた、この構造(カラーフィルタ間にギャップを有する)は、堆積および熱処理に基づくマイクロレンズの新たな製造方法の可能性を広げていることを説明した。それによって、熱可塑性プラスチックといった、フォトレジストなものではなく、透明な材料の使用の自由度を広げることも説明した。明らかに、各マイクロレンズの写真平板処理は、堆積および次の熱処理、その処理は材料の選択の自由度を加えるが、によって処理された材料に基づく高い精度を可能にするだろう。
【0020】
他の注目に値する進歩は、光センサにおいて、前面照射(FSI(Front Side Illumination))技術、裏面照射(BSI(Back Side Illumination))技術、そして
図9に示す2つのもの同士の差異から生まれている。
図9では、標準的なCMOS加工(
図9.A、FSI)において、フォトセンサを生成するためにシリコン加工が行われている。その結果、フォトセンサ上の領域と同様に異なるフォトセンサ間の領域は、異なる電気信号(バイアスおよびフォトセンサの読み出し、電力、電圧、など)を伝える金属層に用いられている。これらの金属化層は、センサの発光効率を悪化させる不透明な構造を提供する。この問題の解決法は、迅速に、接続および金属化が、フォトセンサが生成された基板(
図9.B)の反対側において行われることである。このようにして、フォトセンサとカラーフィルタ間の不透明な層が除去され、その結果、発光効率が改善する。販売を促進するアップルのiPad(登録商標)において、それらは、それらのカメラが他の特徴と一緒に後方照射すなわちBSIを有していることを、ついでながら言及する価値がある。BSI技術によって供与される他の効果は、より小さい寸法の光モジュールが可能になることであり、より広い開口(より速いレンズ)、より高い質のズームの設計が可能になることである。
【0021】
ここまで、大きなサイズの別々の光学構成部分を用いて始められた最初のプレノプティックの構想について説明した。最初の構想では、CMOSまたはCCDセンサからとても短い距離でマイクロレンズの1つのアレイを配置し、他の構想では、カメラの外付けの対物レンズに追加された追加モジュールとしてマイクロレンズを配置し、そして最終的に、モノリシック集積化およびウェハプロセシングに向けた第1の段階である、例えば、CMOS組立工程における半導体基板上のCCDセンサまたはフォトセンサといったセンサが製造された樹脂基板上のスペーサによって、透明な基板上にマイクロレンズが設置される。
【0022】
ここで述べる本発明の主な改善点の1つは、異なるウェハ上に加工された光学的および電気的構造に代わって、1つのウェハ上に加工された構造へと導く、また、スペーサによって結合された後、より良い光学的な特性および低コスト高品質の製造方法へと導く、さらなるモノリシック集積化に向けた段階へ向かうことである。
【0023】
特にCMOS技術のセンサにおいて、フォトセンサ技術水準の急速な見直しがあった。ますます多くのメガピクセルは、進歩して、ますます高機能な色のフィルタを有するBSI(裏面照射)構造、および動作する領域において光を集めるための上記各フォトセンサの表面に配置されたマイクロレンズの位置を合わせる構造となり、バイアス回路または読み出し部のみを含む半導体領域上で起こりやすいエネルギー消費を避けることになる。
【0024】
本発明の概要の話に移る前に、最終的に、光学構成部分の完全取り付け>組み立て品およびそれらのそれぞれのセンサの様々な傾向は、再検討されるだろう。まず、
図7.B(またはより程度を抑えたまたはより程度の大きい精密さ、固定された対物レンズ、またはズーム)に示すように普通のターゲットを有する商用のカメラ(現在または将来)に導入されているプレノプティックセンサにおいて、現在のカメラ(加えて、プレノプティックセンサのマイクロレンズ)との相違は、センサ上に記録されたピクセルの後処理である。次に、今日の市販のカメラ(および将来のカメラ)は、
図7.C(または類似の)に示された外付けの対物レンズ上に取り付けられたマイクレンズを備えている。これらの傾向は、メガピクセルの数の点では高解像度カメラを提供し(なぜなら、水平方向および垂直方向の寸法が、数平方センチメートルのセンサ上に多くのメガピクセルを製造することは比較的簡単だからである)、また、低い光学異常と高い発光効率とを保証する大きいレンズのおかげで高い光学上の質を提供する。この部分は、中間価格、高価格、およびとても高価格のニッチマーケットをカバーし、TVおよび映画のための高い品質の専門的な解決法へと到達するだろう。
【0025】
品質とコストの中間結果を
図11に示す。底部に「フレキシブル回路」があり、その上にフォトセンサが取り付けられている(これは、上記のものと似ているが、この画像では、チップの最上部に外部電子部品と小さな透明ガラスとの接続のための被包があり、これは、小型レンズに対し、フォトセンサの領域の汚れ、ほこりおよび水分の進入を防ぐ目的がある)。このチップは、数枚のレンズを有するセンサを配置する機械液構造に収容されており、その結果、モジュールとなり、これは、携帯電話、ラップトップコンピュータおよびその他の消費者の小さい機器に収容される目的を有する。これらのモジュールの典型的な値段は非常に低い。これは、百万分製造される消費者用機器の一部であって(モバイルコンピュータおよびスマートフォン)、非常に多くの人々に値段が手頃である必要があるからである。
【0026】
上記の構造は、比較的低コストだが、否定できない機械的および組み立て上の複雑さを有している。これは、ロボットまたは自動的な組み立て技術を用いてもそうである。上記機械的構造中の多くのレンズの値段は、マイクロ電子工学またはマイクロ光学で用いられるのと同様の処理技術を用いて組み立て可能な同様の構造に比べて高い。この傾向に沿い、2007年11月に、WengおよびLinは、(US 2009/0134483 Alの中で)コンパクトカメラモジュールについて記載しており、
図12で示すように、フォトセンサチップ(102)、レンズのセット(126)および電導性材料の外シェル(134)を有している。このモジュールは、シリコンまたは他の半導体材料としうる基板100を有し、また、CCDまたはCMOSイメージセンサと、半導体基板100上に配置された透明基板160と、2つの基板の間に配置されたマイクロレンズアレイ104とを有し、CCDまたはCMOSイメージセンサは、フォトダイオードまたはフォトトランジスタなどの光電子部品102のアレイを有し、これは典型的な半導体技術により基板100に組み込まれている。半導体基板100には少なくとも1つのランドピン(I/Oピン)114bが接続され、マイクロ電子工学製造技術を用いて基板上に導電層101が形成されている。また、フォトセンサの外部読み出しのためにピンのセット114aが配置されている。フォトセンサのピンとしてのグランドピンは両方とも誘電体層112によって基板から電気的に分離されている。半導体基板100上には透明基板160(ガラスまたは石英)が堆積され、センサ102およびその各マイクロレンズ104にキャビティ160bが形成されている。透明基板160上にはレンズのセット126が配置され、その後、半導体基板134とレンズとの上に導電層が配置される。この機能は、この層が層101およびピン114bを通じて接地されているので、電磁ノイズからの干渉からセンサ構造を守ることである。さらに、照射絶縁構造を向上させるために、導電層134上に(簡素な不透明なペイント同様に簡素でもよい)不透明な層136が用いられうる。外部の電磁放射構造への免疫を高めるために、IZO(インジウム亜鉛酸化物)またはITO(インジウムスズ酸化物)などの材料で形成された構造の最上部に透明導電層130を用いてもよい。この特許はまた、ウェハ処理に基づく製造方法を記載し、非常に低価格で大量のカメラモジュールの製造ができる。例えば、センサを製造するのに用いられる技術だけでなく、半導体基板100上にガラスウェハまたは石英ウェハ160を配置する技術であり、または、ウェハ基板160上にレンズ126を配置する技術や、ウェハに形成されたサブモジュール全体の上に透明導電層130を堆積させる技術である。最後に、この構造は、切断処理(ダイシング)またはウェハ上に形成された各サブモジュールの分離に付され得、その後、チップの底部にて例えばBGA(ボールグリッドアレイ)または「半田ボール」などのマイクロ電子工学包装の通常の技術が用いられ、これは通常は現代の包装の高密度チップにて利用可能であり(図に番号118b、118aで示す)、入り口ピンおよびで次ピンの高密度化ができ、高密度センサにより多く用いられる新しいCMOS技術の増大するメガピクセルを迅速に放出できて非常に便利である。
【0027】
T.Y. Lin, C.Y. ChengおよびH.Y. Linは、2007年5月に米国特許出願公開2011/292271の新規なモジュールから(
図13に示す)記載し、図の底部には、モジュールをプリント回路モジュールに接続するための半田ボールと、フォトセンサ300(CMOSまたはCCD)を有し、これの上には、上述のものと同様のマイクロレンズアレイ302が配置されている。この目的は、各フォトセンサのアクティブ領域に集光させることであり、基板上には、ガラス、石英または他の透明な材料などの透明基板材料が配置されている。この構造は、任意の他のCCDまたはCMOSイメージセンサのものと似ているが、ここから、乾燥したフォトレジストフィルム(点線領域)からなる平坦構造112が配置され、これは、マイクロ電子工学処理に通常用いられるものと非常に似ているが、高い密着性という特徴があり、層の厚みが、センサとレンズとの間に設計された距離に応じて任意に制御可能であるような上記層が、フォトリソグラフィの処理および攻撃に付され、透明基板とレンズ10との間の空の空間(112a)を有する構造となる。レンズ(10)は、基板100と、基板100の2つの反対側の2つの素子102・104とによって形成され(この図では凸だが凹でもよい)、レンズは、ガラス、エポキシ、アクリレートまたはシリコーンなどの有機材料で形成され、異なる層間の機械的リンクは熱処理で行われる。フォトレジスト材料の新しい層(206、214)を堆積させ、レンズ(206a、214a)間の空間の隙間を形成するために選択的エッチングし、最後に構造の最上部に透明基板216を配置することによって、この構造にもと多くのレンズを追加してもよい。記載の製造工程は、それ自身をウェハ処理に適合させ、第1のウェハはフォトセンサを有し、その上には画素マイクロレンズ302があり、また、その構造から、数枚のレンズが、ウェハの全てのセンサ上に次々に形成され、最後に、切断処理(ダイシングまたはダイスを得る)に付され、そこから、大量のカメラモジュールが得られる。
【0028】
前の段落で記載した処理は、製造コストを大幅に減少させ、特に、レンズ間またはセンサと第1レンズとの間のガラススペーサを用いる代替物と比べて有益であり、これは、ガラスセパレータが300ミクロン未満の厚みに届き得ないという技術的理由を考慮すると特にそうである(特許発明では、厚みは約30ミクロンまでを達成しており、組み立ての厚みを減少させることによって、また、構造のための接着材料の使用を避けることによって、レンズの設計がより柔軟になる)。
【0029】
デジタルカメラと多くの応用にてCCDセンサが用いられているが、製造コストが安くて製造工程の収率(仕様を満たす部分の割合)が高く、サイズが小さいため、CMOSセンサの使用が増加している。これは、半導体を製造するために発達した技術や装置(マイクロプロセッサ、メモリおよび論理回路)の使用によるものである。
【0030】
述べた進歩と並行して、異なる原理の分野で、メタ材料が発達し、例えば、このような材料は、電磁波を取り扱うのに設計された小規模の構造を含み、すでに1967年に、Victor Veselagoは、その著作「The electrodynamics of substances Simultaneously With negative Values of ε and μ」(文献1)の中で、負の屈折率の材料の可能性について述べている。2007年にHenry Lezecは可視光での負の屈折率を得て(文献2)、それ以来、種々のグループが、不可視性や技術水準をはるかに超えた倍率の顕微鏡などの応用のためにこのような材料を用いる可能について理論化している。
【0031】
〔3.発明の詳細な実施形態〕
下記の記載は、発明を実行する特定の方法を反映する。しかし、主たる目的は、発明の原理を説明することであり、意図を限定してはならない。発明の範囲は、この書面の特許請求の範囲を参照することにより定められるのが最良である。
【0032】
背景技術において記載されたモノリシック集積回路の定義に加え、本発明においてモノリシックとの用語は、(主としてCCD、又はCMOSセンサ、又は主として半導体基板である基板上に構築された他のものである)光センサだけでなく、センサに届く前に光学的に光線を処理するセンサ基板に配置された様々な光材料の層のような、マイクロエレクトロニクス、及び/又はマイクロオプティックスにおいて通常用いられる方法により主に進められる、単一の構造へ組み込まれた電気光学センサにも用いられる。
【0033】
この発明の主たる新規性は、光センサ基板(CCD,CMOS、又は、過去又は未来の他の光センサ技術)上の層の下のプレノプティックマイクロレンズを含めて、互いの上に位置する、屈折率の異なる光学層の使用である。
【0034】
発明の1つの実施を示す
図14を参照すると、光センサ2の配置された基板1を底部から最上部へ分けることができる(基板は、例えば半導体基板であってよく、光センサは例えばフォトダイオード、フォトトランジスタ、又は光センサであってよく、用いられる半導体技術は、CMOS技術、又は光センサ及び/又は電子回路を製造する過去、現在、又は未来の技術であってよい)。図は、1次元のみを見せているが、センサは、2次元で構築されており、「2次元アレイ」を形成する。カラーイメージセンサ(白、黒、及びグレーの度合いのものと比較して)を作製することが望まれる場合、「光センサアレイ」上にカラーフィルタ(6,7,及び8)が設置されることができる。カラーフィルタは3つの原色(緑6、赤7、及び青8、又は他の原色のセットが用いられている場合は、黄、マゼンタ、及びシアン)を通常含み、色のアレイは
図10.Aのような構造から
図10.B、及び
図10.Cのような構造に発展され、全てのセンサ2の全ての面積の合計が、回路のバイアス及び読み出しのための空間を用いる必要のために基板1の面積よりも小さいので、最も近頃の製造処理において、カラーフィルタ上に通常はマイクロレンズが、各々の光センサ/フィルタのために設置され、これらのマイクロレンズの目的は、光のビームを内部(光センサのアクティブ領域上)へ集中させることである。光ビームが、光センサに向かって屈折して、領域4を横切る、ユニット領域ごとの全ての光エネルギーを光センサ2の領域に集中させるように、マイクロレンズ3上に低屈折率の層4が設置される。この状態を有するために、材料4の屈折率は、材料3の屈折率より低くなければならない。最後に、マイクロレンズ5(材料4よりも高屈折率の材料を有する)が設置される。
【0035】
5,4,及び3により形成された構造は、適切な構造のレンズ5及び3のプロファイル並びに距離xを設計することにより、
図2,3,4,6.,6.B,8.A及び8.Bに記載されたものと同様のプレノプティック構造を得る(
図14の実施内、各々の4画素が存在するプレノプティックマイクロレンズ5の下では、実際に、四角形(4×4画素)を有するプレノプティックレンズ5と想定される2次元構造において16画素であるが、従来とは異なる以下のパターンの画素とマイクロレンズとの幾何形状も設計可能であることが後でわかるだろう)。様々な方法で設計された構造は、上述したような光学的視点では、より良好である。:
図3,4,6.A,及び6.Bのようなイメージセンサに近いマイクロレンズ構造に対して、機械的な複雑性、及び製造コストが徹底的に減少する。高品質の光学系、及び非常に高い画素数を有する本格的なカメラのための、従来の、又は従来に近いターゲットで記載されるようなプレノプティックセンサの使用もが可能になる(携帯電話又はラップトップのカメラの設計の困難さと比較して、大きなカメラのためのこのタイプのセンサを設計し、比較的高い値の各マイクロレンズの領域を有する数平方センチメートルの領域内で多くの画素を製作することができる)。ここで、所望の大きい画素の数、及び所望のマイクロレンズの数は、非常に小さいサイズ(1cm×1cm未満)に設計されなければならない。これにより、そのようなセンサは
図5.A,5.B,7A及び7.Cの解決策よりよい特徴を提供する。加えて、
図5.A,6.A,6.B,7.A及び7.Cにおいて実行される個々の製造に対するマイクロ電子工学工程(フォトリソグラフィないしは他の方法)におけるマイクロレンズの許容誤差の制御の容易さを提供する。
図8.A及び8.Bでのマイクロレンズとセンサとの間に位置する異なるウェハと空気の隙間(又は他のガス)との間の配置工程や、本発明においてここで記載されたものよりも本質的にモノリシックでなくセンサとマイクロレンズとの間の汚染した材料の存在の影響をより受けやすい構造を避けており、機械的、及び製造の複雑性も、
図8.A及び8.Bで達成できるものより低くなっている。
【0036】
図14に戻ると、マイクロ電子部品の製造工程は、(球の、非球面の、凸面の、凹面の、又は設計者による下記の何れかの要望されたパターンの)
図14のマイクロレンズ3及び5の非常に高精度の設計ができるだけでなく、距離アルゴリズムに応じて距離xのような他の設計パラメータを制御することが完全にできる。距離は、アルゴリズムに応じて、通常は、プレノプティックレンズ5の焦点距離に等しい、又は他のタイプnoアルゴリズムより少ない/より多い。例えば、
図15において、この距離は、
図14と比較して減少する(画素数に関してより高く、センサにおける入射光の指向性に関してはより低い、分別アルゴリズムを実現する)。
【0037】
両凸状のプレノプティックマイクロレンズ5(画素のマイクロレンズ3と対比させてこのように称する。)の代わりに、
図16に示すような、凸面を有するレンズ(5)を用いることもある。(ここでは、異なる屈折率間の製造と境界面とをより柔軟にするだけのために、(「屈折率1」及び「屈折率4」とラベル付けされている)高屈折率のマイクロレンズ3と5との間に、低屈折率の二層(図において「屈折率2」及び「屈折率3」とラベル付けされている)が用いられている。)
マイクロ電子工学により提供される製造方法と同様の光学の製造方法により提供される柔軟性は、無限である。例えば、
図17は、画素マイクロレンズと、その上にプレノプティックマイクロレンズとのみがある構造を示し、この図では、第1、及び第2のマイクロレンズとも球面であり、
図18では非球面の構造を有する。図内の「プレノプティック半球」の直径と「画素半球」の直径との間の距離は、ゼロに等しい(どちらの半球も基板上にある)。しかし、プレノプティック半球は、基板からのもっと離して設置して、
図8.Cのものと同様の構造を作製してもよい。
【0038】
図19~22は、ウェハレベルの工程を可能にする、非常に低価格であって非常に高品質に、多くのセンサを製造することができる製造フローを示す。
【0039】
光センサのアレイを含む基板、又はカラーフィルタ及びそれに関連する画素マイクロレンズの製造は、図示していない。これらの構造は存在する製品において非常に広く知られており、したがって、発明の構造の詳細な記載について述べる。
【0040】
図19では、光センサ基板(光センサの作業領域上に光ビームの焦点を合わせる高屈折率(図において「屈折率1」がラベル付けされている)の画素レンズ)と、画素レンズ上に、
図19に示されるように、フォトレジストの透明な低屈折率(屈折率2)の材料が設置されている(画素マイクロレンズは、通常、透明な樹脂材に基づいて1.5周辺の屈折率を有することができ、一方、他の材料又はメタ材料は、1.1周辺又はそれより低い値を有することができる)。距離xは、コーティングの数に依存して、より大きく、又はより小さく作られることができる。
図19の構造において、(前もって選択された照射に依存する)選択的な攻撃を用いた連続焼き付け(エッチング)のために、選択的な照射が行われる。その結果、
図20の構造において、
図19において堆積された「屈折率2」の材料がフォトリソグラフィ工程で選択的に取り付けられることに注意されたい。
【0041】
図20の構造の上に、高屈折率の透明なフォトレジストが再配置され(
図21では「屈折率3」または「屈折率1」とラベル付けしてある)、それにより
図21の構造が得られる。高屈折率のこの材料は、画素マイクロレンズ(屈折率-1)を形成する材料と類似または同一であってよい。次のステップは、新しいフォトリソグラフィおよび選択的照射およびエッチングであり、最後に、
図22の構造を得る。この構造は、
図2、
図3、
図4、
図6.A、
図6.B、
図8および
図8.Bに記載の従来のプレノプティック構造のモノリシックバージョン(単一のチップの上に形成)であり、そういうものとして、光線の到達方向、リフォーカス、カメラから実際の点までの距離などの認識の同一アルゴリズムを適用することができる。
【0042】
本発明は、マイクロ電子工学製造に典型的に用いられる方法を用いることができ、種々の屈折率の素子によって形成されるマイクロ光学構造を得て、また、マイクロ電子工学に用いられる先進の製造方法を用いて許容誤差の制御が容易であり、製造工程または種々の量と質との関係の点で種々の設計の妥協に適応する大きな柔軟性を有する。
【0043】
例えば、CCDまたはCMOSを用いる製造工程は非常に成熟しており、それゆえ、製造基盤がすでにあり、また、精巧と品質とが根本的ではない応用のためのコストを非常に小さくすることができ、
図23に記載のような構造を得ることができる。これは成熟した工程であるので、バイアス回路のサイズが、読み書きとも、全体の寸法に比べて相対的に高い。フォトセンサ2は、全体の領域に対して相対的に小さい基板1の全領域の何割かを占める(
図14の例と比べて、より進んだマイクロ電子工学処理となることがわかり、ここでは、電子回路の寸法が減少し、基板の全領域に対して相対的に小さい領域を占める)。
図23に記載されたこの構造は、基板の表面(例えばシリコンCMOS処理)とマイクロレンズの表面との間の距離を、より多く必要とする(画素マイクロレンズとプレノプティックマイクロレンズとの間の距離(x1)は、
図14と同じでも異なってもよい)。これは、入射光が、より小さい領域に集光されるべきだからであり、これが、
図23では材料3の厚みが増した理由であり、このことは、より厚い透明材料の堆積とその後のフォトリソグラフィ(照射およびエッチング)など、マイクロ電子材料と類似の光学材料によって相対的に用意に処理可能であり、球面、非球面の両方に対して非常に高精度でマイクロレンズの表面を形成することができる。
【0044】
図24は、フォトセンサ基板の正方形の領域にマイクロレンズを形成する方法を示す(厚みが薄いほうの線の正方形は、フォトセンサの領域である)。高精度のフォトリソグラフィ処理により、円ベースの半球レンズよりもむしろ、正方形ベースの球面レンズを設計および製造することができる。このような製造工程により、フォトセンサ上のレンズが、単一の半球を配置するのではなく、4本の線で互いに交差する半球の一部分4個を配置するような構造を得ることができる。
図25.Aは、互いに隣り合って形成された2つの画素を示す。細線の正方形は、基板(CMOS基板など)上に形成されたフォトセンサである。上記フォトセンサ間で、太線の正方形は、バイアス電子回路のために保存されて読み出される基板領域と思われ、上部のx字形(X形状)は、各画素に関係する各マイクロレンズを構成する半球状の4つの部分の間の交点を表す。
【0045】
図25.Bは、4×4画素アレイの平面図を示し、
図26は、この構造の断面図を示し、また、画素レンズ3から距離x2のところに位置するプレノプティックレンズ5を示し、プレノプティックレンズ5と画素レンズ3との間に低屈折率レンズの透明材料4がある。この例では、プレノプティックマイクロレンズアレイの各マイクロレンズ5は、16個の画素を含んでいる(4×4)。マイクロ電子工学製造工程が、より密な構造(さらにサブミクロンへ)へと進展し、基板1の全領域にフォトセンサ2として用いられる領域の割合を増加させていることがわかる。領域2の割合が増加すると、画素マイクロレンズの垂直サイズも減少する(画素マイクロレンズ3に入射する光ビームは、フォトセンサ2の領域に集光するのに、あまり多くの垂直距離を必要としないからである)。カラーのセンサの場合は、三原色のオプションのフィルタ(8、6および7)は依然として配置されている。
【0046】
CVD(化学蒸着法)、LPCVD(低圧化学蒸着法)、PECVD(プラズマ助長化学蒸着法)、HIDPCVD(高密度プラズマ化学蒸着法)またはマイクロ電子工学で通常用いられる材料の他の堆積方法、例えば溶融材料の重力による単純な堆積、この場合では光学材料の堆積を行うのに用いられる方法、などの、従来技術で知られる方法によって、異なる光学層を形成してもよい。
【0047】
本発明の実施に用いられるまたは用いうる光学材料について以下に述べるが、これらは単に実施例であり、発明の一般性を制限することを意図しないことを強調しておく。これは、この実施例で述べた材料で、または、現時点では存在しない新しい材料を含めて代替の材料で本発明を実施することもできるからである。
【0048】
プレノプティックレンズ5は、画素レンズ3同様、ガラスの感光材料で形成することができ、ウェハレベルで、人間の介在を最小にして、低コストで、ウェハ1枚あたり多くのイメージセンサを製造することができる。レンズ(プレノプティックレンズおよび画素レンズ)はまた、エッチング後に硬化処理(UV光―紫外線―または高温での熱硬化など)に付されうる、高屈折率の熱可塑性、フォトレジスト材料または透明ポリマーで、ウェハレベルで製造することができる。UV硬化は、選択的に行って、その後、適切な溶媒を用いて非硬化部分を除去することができる。UV光によって硬化可能な高屈折率のハイブリッド有機-無機ポリマーおよび/または尾部の数回の商業的な実行を用いることもできる。非硬化領域に攻撃できる固体のポリマーや、ある条件(温度またはUV照射)でいくらかの屈折率を有する透明な固体になる液体ポリマーを、用いることができる。
【0049】
すでに述べたように、マイクロレンズ3、5として典型的に用いられるいくつかの材料は、典型的には、1.5より大きい屈折率を有し、いくつかの材料では2に達する。高屈折率の適したレンズ材料は、窒化ケイ素(屈折率が2.0)であり、これは、プラズマCVD処理(プラズマ化学蒸着法)で堆積でき、代替としては、基板上に堆積により(屈折率1.6ないし1.7の)ポリイミド樹脂フィルムを形成し、次いで遠心分離(回転)し、その後、用いられる材料のタイプに適した溶媒を用いて正確な形状としてレンズを作製する。例えば、用いられる材料として、窒化ケイ素は、ドライエッチング(またはドライケミカル攻撃)にて攻撃可能である。流体材料を堆積して、より柔らかい材料を生むこともでき、これはその後、硬化するため、または、固化工程中に硬化を行う溶融材料を堆積するために、硬化処理(熱またはUV―紫外線)を必要とする。これは、ガラス、プラスチック、有機-無機ポリマーおよび述べた他の材料の種々のタイプに適用可能な工程である。
【0050】
マイクロ電子工学製造工程により得られる可能性は、設計者に、種々のアッベ数、種々の分散特徴、可変の直径(ピッチ)、または、種々の屈折率を有する、種々の材料を有するレンズ、円形(または3次元でみれば半球)、正方形(3次元でみれば互いに交差する4つの重なるドーム/非球面)、三角形を含めて六角形(3次元でみれば6つの重なる球面/非球面)レンズ、を形成する柔軟性であり、画素の設計にも同じことが言え、より効率的に提供されるプレノプティックアルゴリズムの新規な技術の設計への可能性を開き、色消しレンズの非常に柔軟な設計を提供する柔軟性をも拡大するより良い照射性能(6つの三角形の画素をカバーする六角形のマイクロレンズなど)を提供する。種々の厚みの層、従前のレンズの上に堆積された種々の特徴の新規な層、を堆積でき、ついには、設計の柔軟性は、大きな個々の光学部品よりもはるかに大きい。さらに、「犠牲材料」の使用により、1に近い屈折率の層(空気を含む)を形成することができ、(材料3、4または5の)透明な層の上に、厚みのフォトレジスト材料が堆積され、これで必要とされる形式であり、数個の開口を有する(材料3、4または5の)新規な透明な層が形成され、埋められたフォトレジスト材料に適した溶媒を入らせることができ、次いで、溶解させてその後除去する。1に近い屈折率を得るために設計者に与えられる柔軟性にもかかわらず、高屈折率の材料間の空気の層でさえ、設計は、例えば
図14.Bに示すように、透明な材料(3および5)の2つの層の間の「サポートカラム」を含む必要があり、これに伴う欠点がある(2つの層3、5の間の高屈折率4’の「カラム」の存在、または、高屈折率の層間の機械的サポートのカラムがあまり豊富でないことによる潜在的な機械的問題を有する構造)。(空気やガスの代わりに)メタ材料を使用するほうが魅力的であり、1より小さくさえなりうる屈折率を提供する。消費できる材料は、水溶性ゲル、および、商業的に利用可能ないくつかの材料または非常に広範囲に商業的である集積回路の従来のフォトレジスト材料、とすることができる(水、アセトンまたはイソプロパノールに可溶)。
【0051】
材料4は、低屈折率の任意の透明な材料とすることができる。画素レンズのサイズ同様、プレノプティックレンズと画素レンズとの間の距離(
図14のx)を減少させるために、材料5と4との(3と4とでも同様)屈折率の比は、できるだけ高くすべきである。低屈折率の透明な層4の可能性は、ガラス、プラスチック、無機コポリマー、有機コポリマーであり、およそ1.5の屈折率を有する。
【0052】
有機ポリマーの屈折率を減らす公知の方法はフッ素の含有量の多い組成とすることであるが、こうすると材料の水と油とへの溶解度が減り、高屈折率の材料と低屈折率の材料との間の境界の強固な結合が困難になり、この問題への可能性のある解決策は、上に低屈折率の材料が配置される高屈折率の透明な表面を(または、上に高屈折率の材料が配置される低屈折率の表面を)酸素の豊富なプラズマ処理に浸すことである。しかしながら、この処理は、充分制御しながら行わないと、接着の問題があり、品質と製造効率とを悪化させうる。それゆえ、センサのすぐ上の第1層は、低屈折率であるにもかかわらず(典型的にはスパッタリングで堆積される遠心分離―スピンコーティング―で通常形成されるアクリルフィルムのフッ素樹脂またはフッ化マグネシウムでは1.3または1.4)、フッ素有機化合物またはフッ素無機化合物が通常使用され、屈折率の設計範疇だけでなく層間の接着性の範疇にも基づき、種々の屈折率の層で「サンドイッチ」を形成する(図では簡素化して単一の層だけが配置されているが)。
【0053】
フォトセンサのすぐ上に用いられる他の透明材料は、(表面安定化および/または平坦化された層を含みうる、単一層または多重層の構造において、)チップのアクティブ素子間の相互接続を確立するために、金属層間の誘電体で従来から用いられるもの、および/または、ポリシリコンであり、酸化ケイ素、FSG(フッ素化ケイ酸塩ガラスまたはガラスフッ素化ケイ酸塩)、炭素をドープした酸化物、MSQ(メチル-Siセスキ-オキサン)、HSQ(水素SilseQuioxano)、FTEOS(フッ化テトラエチルオルソケイ酸塩)またはBPSG(ホウ素-ホスホケイ酸塩ガラスまたはホスホケイ酸塩ガラス-ホウ素)、などの材料であり、後者は通常、セ氏900度付近で熱還流処理により形成され、前のものは、CVD、LPCVD、PECVD、HIPCVD、または従来公知の他の堆積方法により形成される。表面安定化または平坦化された層(簡略化のため図では示さず、また、従来公知である)は、種々の化合物で形成でき、例えば、窒化ケイ素(SiNまたはSi3N4)、酸窒化ケイ素(SiON)、炭化ケイ素(SiC)、酸炭化ケイ素(SiOC)またはル時の特性を有する他の組み合わせで形成できる。簡略化のため図では示さないが、カラーフィルタは、一般に、酸化ケイ素の付加的なクリアコートまたはその組み合わせにより、それらを保護し、カラーフィルタは、CVD、LPCVD、PECVD、HIPCVD、または従来公知の他の堆積方法により形成される。
【0054】
次に、
図19、20、21および22に記載の製造工程シーケンスを参照して、
図14で述べたのと同様の構成を得るための本発明で提案される製造工程を説明する。CMOS処理構造で従来から公知で広範囲に用いられる、フォトセンサ2のアレイを有するフォトセンサ基板1、カラーフィルタ(6、7および8)、および画素レンズ3から始まるが、本発明では種々の構造に適用可能である。高屈折率(屈折率1)の画素レンズを提供する上記基板の上に(
図19)、設計処理で決定した厚みxで低屈折率(屈折率2)の材料を配置する。この層は
図16に示すような単一または「サンドイッチ層」であり、例えば、XCVD、堆積遠心分離または従来公知の他の処理のような処理によって低屈折率の第1層(屈折率2)を追加し、さらに、その層の上に、低屈折率の基板(
図16では屈折率3)が結合される。
【0055】
図19の構造の上に、例えば、正のフォトレジストとしての材料で感光層があり、この層は、「屈折率3」の層の上に配置される。この感光層は、グレーマスクを用いて光に選択的に曝露され、例えば、ランプ(非常に高圧で水銀蒸気のランプ)のI線で照射され、それにより、構造は、種々の光強度に曝露され、それを用いて、光への曝露およびその後のエッチングの時に、フォトレジスト材料の層が
図20の最上部の同じ曲面を正確に提供する。エッチング後、フォトレジスト材料は、例えば、ドライエッチング溶媒での化学攻撃を受け(ドライエッチング)、これは典型的には、イオンによる層への衝撃である(典型的には、フッ素カーボネート、酸素、塩素、三塩化ホウ素およびときには追加として水素、アルゴン、ヘリウムおよびその他のガス、などの反応ガスのプラズマ)。この攻撃は、感光材料を「クリーニング」するのに加えて、低い方の層の材料を「清掃」(空にする)し始め、低屈折率の層4(
図19では「屈折率2」)に、フォトレジスト材料に始めに形成されたのと同じ曲線を転写する。ドライエッチングを用いる正確さと再現性は優れている。
【0056】
最後に、高屈折率の材料の第3の層が形成され(
図21では「屈折率3または屈折率1」)、これは、CVD、LPCVD、PECVD、HDPCVDまたは従来公知の他の堆積処理などの上述のものと類似の技術で堆積できる。もしこの層「屈折率3または屈折率1」が感光透明材料(樹脂、ガラスまたは他の感光材料)で堆積されれば、基板を、上述のものと同様に光に曝露させ、その後その層を、材料を選択的に溶解する攻撃に付せば十分であり、その結果、
図22の最終構造(マイクロ電子工学で典型的に用いられる製造工程を用いて得られる一つのプレノプティック構造)が得られる。他の代替物は、
図21の構造の上にフォトレジスト材料を配置するのに従来用いられる処理を繰り返すことであり、例えばグレーレベルのマスクを用いて選択的な照射に付し、得られた構造を、例えばドライエッチングでの最終攻撃(ドライエッチング溶媒での攻撃)に付して、フォトレジスト材料の構造を清掃するだけでなく、フォトレジスト材料にて最初に生成した高屈折率プロファイルの層5を導く。
【0057】
決定されたフォトリソグラフィの例を用いて本発明について述べたが、予想寸法が13.5ナノメートルに達するEUV(超紫外線)のように、本発明を実施するときには他の公知のまたは未来のフォトリソグラフィ技術も使用できる。
【0058】
図14、15、16、17および18の優れた光学層は、複製技術によっても作製でき、すなわち、レンズの形状のネガの型にポリマー(室温では粘性または液体であってよい)が堆積され、その型に逆の形のセンサウェハが配置され、それによって、センサウェハが、(フォトセンサおよび画素レンズの側で)液体または粘性のポリマーと接触し、その後、紫外線への曝露または高温により、ポリマーを固化する。ポリマーは、適した屈折率を有する透明な固体になり、それによりプレノプティックマイクロレンズのマトリクスが形成される。
【0059】
カラーフィルタは、引き続くフォトリソグラフィ処理によって3色の各層を堆積することによって作製され、保護層または表面安定化層で全てを覆う。
【0060】
プレノプティックマイクロレンズの最上部、画素マイクロレンズ、および他のどこかに、アンチグレアコーティングの層を配置してもよく、それにより、構造の照射効率を向上させるのに役立ち、IR(赤外)フィルタと同様に、スペクトルの望まない部位をフィルタリングすることによってフォトセンサでの信号/ノイズ比を改善する。
【0061】
画素レンズは、プレノプティックレンズについて述べたのと同様の方法で作製される。
【0062】
例えばガラスの機械的スタンプ(低温および高温)、熱還流、超精度に型処理する装置、レーザー機器、およびその他の光学およびマイクロ電子工学の従来公知の処理のような、光学素子およびマイクロ電子工学の他の技術と装置と共に簡潔に述べた処理は、極度に洗練され、正確でコストの効率もよい、処理、道具および結果をもたらし、層の厚みの許容誤差により軸上の許容誤差の可能性を設計者に与える。側面取り付けの許容誤差は、フォトリソグラフィマスクの正確さによって決定され(非常に大きな体積、1億単位、で再現でき、28nmと同等、近い将来にはもっと小さい、のパターン)、大きなサイズと重量の光学製品についてその特徴のいくつかと競合しそれに勝る小型製品を作製する極度に簡素な製造技術でモノリシックに集積製品に到達する。例えば、マイクロレンズの物理的実施において、ナノメートルのオーダーの許容誤差で、大きなチャンバ-の場合と比べて、収差をはるかに小さくすることができる。
【0063】
光学ウェハと光学センサウェハは、別々に製造して、その後、両方のウェハについて「配置マスク」によって、両者を合わせることができ(溶接、アノード結合処理またはリンクにて)、現在のマスク配置装置を用いて非常に高精度化でき、または、ウェハセンサ上の種々のパターンの光学層を、堆積技術、エピタキシャル成長または従来公知の他の技術によって作製できる。
【0064】
集積回路の製造のためのマイクロ電子工学として、または、イメージセンサの任意の製造工程(CMOS、CCDまたはその他)において、最後のステップは、ウェハを数個の個々のチップに切断(ダイシング)してカプセルに入れることであり、通常、プラスチックまたはセラミックパッケージ(光をセンサに入れるために最上部に透明材料での開口部を含んでいる)と、外部システムとチップの電気的相互接続のための金属ピンとを用い、または、非常に高密度のピンを有するチップの場合は、金属ピンの代わりに、
図13の底部のはんだ屑と類似のチップ(BGAまたはボールグリッドアレイ)の底部に配置されたはんだ屑のアレイを用いることができ、また、製造工程と特定の装置の利用可能性とに依存して、単位コストがより高くなるが、光学ウェハと電子ウェハとを別々に切断(ダイシング)して、各装置を、カプセル化処理の上の各光学センサに配置することもできる。
【0065】
本発明に記載のように、小型化することによって、他の技術よりも適切に解決されるいくつかの実際の問題点がある。提案されたようなセンサへ入射光を導く外側レンズ、または、センサの厚みを一般に減少させたと思われる任意のセンサ(全厚みが1cm未満、または、例えば、携帯電話の一部を形成するためにもっと小さい)は、周辺のアレイのプレノプティックマイクロレンズでは、アレイの中心部のマイクロレンズと比べて、垂直からはずれて、光線束を受け取り、それによって、光がフォトセンサに向かって効率的には方向づけられず、したがって、フォトセンサの中心部では最大効率であるがその周辺に向かうにつれて徐々に悪化する。アレイの周辺のプレノプティックマイクロレンズでの入射光は、アレイの中心部よりも急勾配であり、その結果、フォトセンサの周辺部の画素から見るのでは、フォトセンサの中心部の画素から見るのと比べて、焦点距離が浅くなる。この問題を解決する3つの方法があり、第1の方法は、周辺部において、フォトセンサの画素の間隔を、中心部とは異ならせることであり(中心領域のプレノプティックマイクロレンズと比べて、隣接する「円盤」、「正方形」または「六角形」から、より遠くなっているアレイ周辺部のプレノプティックマイクロレンズに対応して設計された、「円盤」、「正方形」、「六角形」または「任意の形状」を配置する)、同時に、センサの中心部の画素からセンサの周辺部へと、画素の面積を増加させる。この解決策は、基板(例えばCMOS処理でのシリコン)の面積を増加させるので、あまり効率的でなく、製品のコストを増加させるが、このことを述べるのは妥当であると思われる。
【0066】
前の段落で述べた第2の解決策は、プレノプティックアレイの中心部と比べて、プレノプティックアレイの周辺部では、より小さい垂直性を持ったビームに対し、より大きい逸脱を確実化するために、プレノプティックアレイの中心部では、プレノプティックアレイの周辺部とは異なるプロファイルを持ったプレノプティックマイクロレンズを設計することであり、この策では、レンズアレイの中心部のみが、軸に対して完全に対称であり、プレノプティックアレイの周辺部に向かって進むと、徐々に、マイクロレンズは軸に対して非対称になり、確実に、フォトセンサのビームの周辺部が、その周辺部と比べて、中心部で、正確に等しい効率となる。この解決策は、個々の光学部品では事実上、実現性がない実行であるが、本発明に記載のようなマイクロレンズの製造のフォトリソグラフィ工程を用いると、極端に効率的で、実施が容易である。
【0067】
第3の解決策は、マイクロレンズとセンサとの間の距離(
図14のパラメータx)を徐々に変化させることであり、それによって、この距離は、プレノプティックアレイの周辺部のほうが、プレノプティックアレイの中心部より小さくなる。単一(または2個または多くても4個)のマイクロレンズだけがシステムの光軸に垂直であり、センサの中心部のマイクロレンズであり、他のマイクロレンズでxが可変なので、プレノプティックアレイの中心部から離れるに従い、光軸に対して増加する傾向があり、センサ面により近くなる。この解決策も、個々の光学部品では事実上、実現性がないが、フォトリソグラフィ工程を用いると、効率的で、実施が容易である。
【0068】
前の段落で述べたものを混合した解決策は、光学的効率を最大化して光学的収差を最小化する点からもっとも効率的であり、フォトリソグラフィ処理を用いることによって、距離とレンズ形状との制御によりすでに非常に低い効率である。
【0069】
利用できる処理と材料に応じて、
図14.Bのものと同様にして構造が作製され、材料層4(低屈折率)は、空気(または他の不活性、非腐食性のガス材料で、水分浸透に耐える良い特性を有するもの)に置き換えられ、フォトセンサ2(またはその関連レンズ3)と「マイクロレンズアレイ」5との間の距離は、セパレータ4’によって維持される。この構造もまた、「ウェハ積層」を用いて、相対的に簡素で低コストの製造技術であり、(基板1、フォトセンサ2、カラーフィルタ6、7および8、および随意的にマイクロレンズ3を有する)従来のセンサにおいて、通常のフォトセンサのウェハの上に、セパレータ(4’)を有する第2のウェハが配置され、これの上に、マイクロレンズ5を有する第3のウェハが配置されている。マイクロ電子工学製造工程における製造工程とウェハ配置のためのマスク配置技術により、光学ウェハと光学部品を有する電子ウェハを配置する素晴らしい結果が得られる。通常、8または12インチの標準的なウェハが用いられる。
【0070】
ウェハセパレータ4’の材料は、光を吸収する必要があり、「二重画像」をもたらすどんな種類の反射も避けなければならない。この目的は、例えばスプレーなど、抗反射材料を用いたセパレータ4’の側壁のコーティングなどの簡単な方法で達成することができる。ウェハセパレータ4’は、溶接、アノード結合により、温度により、または、紫外線や硬化温度により硬化しうる粘着性樹脂によって達成することができる。これらの樹脂の堆積は、光軸に対して対称である必要があり、プリント技術またはスプレーにより選択的に、センサへの光の光路の領域を避けなければならない。同様に、マイクロレンズウェハ5はセパレータ4’に固定されている。
【0071】
ウェハセパレータ4’は、センサウェハと同寸法(通常8または12インチ)のガラス基板を物理的または化学的に攻撃(エッチング)し、同様に、開口部は、レーザーカッティング、パワージェット圧または超音波穿孔によって作製してもよい。
【0072】
他のオプションでは、材料4’および5は、2個の別個の片でなく1個の片として構成してもよい。それゆえ、ウェハ5+4’は、フォトセンサウェハ(1+2+6+7+8+3)の上に配置される。
【0073】
セパレータ(4’)の光学ウェハの製造の代わりに、これらは、半導体基板の上に乾燥したフォトレジスト材料を堆積して、次いで、プレノプティックマイクロレンズ5で画素レンズ(3)を配置する、分離ギャップを開けるための化学的または物理的攻撃(エッチング)を行うことによって作製できる。
【0074】
マイクロレンズ5のウェハを製造する方法は多数ある。
図14.Bでは最終的な製品しか示していないが、これは、上部には凸-平坦のマイクロレンズ、下部には平坦-凸のマイクロレンズ、を有する薄い基板を用いることによって得ることができる。マイクロレンズは、ガラス、シリコーンまたはアクリル材料の有機材料で製造することができる。マイクロレンズはまた、ポリマーまたは硬化可能(UV光または熱によって)な液体が用いられる複製処理によっても作製することができ、マイクロレンズは、ガラス、プラスチック、石英または樹脂の薄い透明基板の上に形成することができる。このようにして、球面、非球面またはその他のレンズを形成することができる。これは、化学的または物理的攻撃に感受性のある材料のフォトリソグラフィ攻撃、または、マイクロレンズの基板の上にフォトレジスト材料を堆積すること、それをエッチングしてグレーマスクを用いてレンズの形状を与え、その構造を化学的または物理的攻撃(エッチング)に付して、フォトレジスト材料の形状を取って次いでレンズ材料を形成し、マイクロレンズウェハの片側または両側で処理を実行する技術によっても作製可能である。
【0075】
セパレータ4’のウェハにマイクロレンズ5のウェハを配置して固定した後、切断(ダイシング)、すなわち、ウェハに含まれる各プレノプティックセンサの分離を行うことができる。
【0076】
構造の最上部のマイクロレンズ5は、IR(赤外)光をフィルタ処理する層で覆われてもよく、それによって、センサの信号/ノイズ比が増加する。抗反射コーティングを用いると、入射光の出力の一部がセンサに到達しないことが防がれる。
【0077】
図14.Bに記載の技術により用いられるプレノプティックアルゴリズムは、センサの面を、入力光学システムの焦点距離よりも短い距離に配置する。
【0078】
本発明の最も大きなインパクトは、上記マイクロ光学しょりの一部としてメタ材料の使用であり、負の屈折率の材料ではなく、1より小さい正の屈折率の材料のみの使用により、光学部品の寸法を大幅に減らすことができる。
図14を参照して、もし、層4の屈折率が例えば0.5ないし0.1に作製されれば、距離xは、大幅に減少し、前例の無い厚みを持ったモノリシック集積化を実現できる(特に、非常に小さい寸法のセンサを要求する携帯電話などの分野に適している)。(電子部品と光学部品とを集積化することによって、)画素マイクロレンズ3と表面のマイクロレンズ5との間の距離が3ミリメートルであるようなモノリシックセンサを製造したところ、集積されたセンサのサイズをさらに増加し、(
図11のような)小さいサイズの個別の光学部品で達成されるサイズに到達し、過大な厚みのウェハが得られ、切断処理(ダイシング)の困難さおよび機械的不安定さが大きく、製造工程の収率が悪化し、モノリシック構造のコストとサイズが増加した。
【0079】
しかしながら、1より小さい屈折率のメタ材料を用いると、画素マイクロレンズとプレノプティックマイクロレンズとの間の距離x(
図22.B)を減らせるだけでなく、本発明に記載の製造工程に許容できるマイクロ光学部品の厚み(数ミリメートル)にすることができ、単一のモノリシックセンサの一部としてのより多くのレンズ枚数にすることができる。
図22.Bを参照して、1より小さい屈折率のメタ材料を用いると、距離xが減り、プレノプティックマイクロレンズの上のメタ材料の第2の層4’の堆積が可能になり、その上に、例えば、凹/凸のレンズ5’、または、両面凹のレンズ5”、または、凹/凸のレンズ5’”、または、両面凸のレンズ5””、または、
図22.Bに示すのと同様の「サンドイッチ」構造を用いて、いくつかのレンズの組み合わせが可能になり、その結果、マイクロカメラのすべてのレンズを集積するモノリシックセンサが得られ、これは、本発明に記載のフォトリソグラフィ技術を用いることによって得られ、例えば、光学収差および照射効率などのいくつかの特徴で大きいサイズの同等品と対抗し、非常に大きな体積と非常に小さいコストで、製造の容易さの点で、これらのカメラに勝る。
【0080】
種々のレンズが堆積される順序は、設計者にとって適した任意のものであってよく、
図22.Bの構造は、
図6.Bの構造の同等のマイクロ光学部品であり(ズームは除く。これは、以下に述べるように、マイクロ光学的に構成することも可能である)、もし、層5(
図22.B)が、「光学サンドイッチ」の最上部に配置されれば、
図5.Aおよび5.Bのものに相当する集積構造が得られ、もし、(物体空間のマイクロカメラを分離する入力レンズの直下に)第2のものが配置されれば、
図7.Aおよび7.Bのレンズのマイクロ光学部品の相当物が得られる。
【0081】
1より小さい屈折率の材料を用いることにより
図22.Bで示した著しいサイズ減少に到達させない場合は、
図22.Cに記載のものと同様のモノリシックに集積されたカメラが得られる(ここでは、層間のギャップは
図22.Bと同じスケールで描かれていない)。
図22.Bの低屈折率の材料(4)は空気(または他のガス)に置き換えられ、セパレータウェハ4””を使用することで、マイクロレンズも含めて高屈折率レンズ(5)間の分離が保証され、それによって、(層1、2、6、7、8および随意的に3を含めて)センサウェハの上に第1セパレータウェハ4””が配置され、それの上に、プレノプティックマイクロレンズウェハ5が配置され、それの上に、第1レンズの配置のための支持として働く第2のセパレータウェハが配置され(この例では凸-凹)、以下同様に、携帯機器の使用に適した優れた性能のマイクロカメラを形成する(携帯電話、ラップトップ、タブレットなど)。本発明は、センサウェハの上および第1のプレノプティックレンズウェハの上に光学ウェハを積層することによってより多くのレンズを追加することによる、
図14.Bに記載のスーパーセットである。
【0082】
製造技術はすでに
図14.Bにて示した。
図22.Cの上部の層にレンズウェハを製造する種々の可能性について説明するが、いくつかは、WO 2004/027880 A2のWolterink, Dohmen Sander Van Der Sijde, Arjen De Bruin, Groot and Anton Van Arendonkに広範囲に記載されている。
図14.Bで説明したときに述べた材料で、薄い透明基板の上に、複製技術によって凹の光学素子を形成でき、それによって、平坦-凸のレンズ(球面、非球面またはアナモルフィック)が得られる。複製技術を用いることで、センサ寸法について開口した(光を通過させるギャップ)、不透明な材料の基板の上にレンズを形成することができ(レンズに穴を、スイスチーズのスライスと同じようにして、ただし、明らかにもっと規則正しく設計された光通過用の穴を、有する)、不透明な基板は、「ノイズ光」がセンサに到達するのを防ぎ、例えば、凸-凹のレンズが、基板のくぼみに複製されることができ、それによって、得られるマイクロ対象物の厚みを減らすことができる。凸-凹のレンズを形成する、効率の劣る他の方法は、透明基板の上に、基板の下部に複製された対応する凹部を有する、細かい凸表面を複製することである。光学ウェハは、任意のプロファイルで記載されるように構成でき、
図22.Cのものだけでなく、任意のアナモルフィックレンズでもよい。上記のようにしてウェハを積層し、または、光学部品について熟練者により任意の他の方法で外挿され、それにより、このようにして、ほとんど任意のタイプのモノリシックに集積されたミニカメラを作製することができる。
【0083】
上述した技術のほかに、ガラスまたは高屈折率の透明な感光材料でウェハを、従来公知のフォトリソグラフィ技術で攻撃することができ、それにより、レンズの両側に、フォトリソグラフィ技術を用いて達成できる小さい許容誤差によって、大きいサイズのレンズの製造方法と比べてうらやましいほどの収差を有する任意のプロファイルの任意のタイプのレンズを形成することができる。他の可能性は、光学ウェハの上にフォトレジスト材料を堆積し、その後、材料をグレーマスクに付してエッチングし、フォトレジスト材料の上に所望の光学プロファイルのレンズを形成し、化学的または物理的攻撃(エッチング)し、フォトレジスト材料を除去するだけではなく、光学基板の上にフォトリソグラフィで得られた表面のプロファイルを再生することである。この技術により、サイズまたは収差の点で、従来技術とは比べようもないレンズが得られる。
【0084】
ウェハやセンサ(またはマイクロカメラ)の光学層を積層する順序は、
図22.Bや
図22.Cのものでなくてもよく、例えば、マイクロレンズウェハは、(画素レンズの表面から数えて)最初でなく最後でもよく、その結果、
図5.Aの個別(個々のレンズを有する)の実施形態と類似のモノリシック実施形態が得られる。他の例では、マイクロレンズウェハは、入力レンズと他のレンズとの間(LMAとセンサとの間に配置)でもよく、その結果、
図7.A、7.Bおよび7.Cの構造のモノリシック実施形態が得られる。
【0085】
図22.Bと22.Cとを混合した解決策も可能であり、ここでは、低屈折率の層と高屈折率の層とを交互に堆積することによって、レンズに最もちかいセンサが作製され、ここで、センサの、より離れた層は、セパレータと、ウェハの積層とによって作製される。マイクロレンズは、(センサの層の成長により得られる)第1の構造の一部とすることができ、または、(ウェハの積層により得られる)第2の構造の一部とすることができる。この製造技術では層の順序の交換が可能である。
【0086】
本発明の完全に異なる革新領域は、集積されたメガピクセルの数であり(大きなカメラ、および、携帯電話、タブレットおよび手持ち式の機器用の小さなカメラの両方)、理論的には、マイクロ電子工学で用いられるMooreの法則を続けているが、実際には、非常に小さい画素の光の非効率さによって限界があり、画素のサイズ無限に減少することはできない。これは、非常に小さい距離では、光の波の性質が現れ始めるからであり、画素(フォトセンサ)の上の光ビームの対象、マイクロプレノプティックレンズおよび画素マイクロレンズは、センサ表面の距離にかかわらず平坦な光出力密度を有し、パワー密度は、
図27.Aのような形式を有し(光路内の円形レンズを仮定して)、中心部では、エネルギーのほとんどが濃縮され(中央画素、エアリー円と呼ばれる、
図27.Aの下部のダークグレー)、中心部の画素から離れるに従い、サイドローブはますます小さくなる(エアリーリング、
図27.Aの下部ではより明瞭なグレー)。射出瞳が円形である光学システムでは、点物体の画像に関連する光輝分布が、中心部の円形ローブによって構成され、エネルギーのほとんどが濃縮され(84%)、同心円状のリングが連続的に強度を減少させる。
【0087】
上記の画素の実施形態では、レンズは、完全な半球ではなく、四半球セクタであり、互いに交差してフォトセンサの正方形に光ビームを集光させる(
図24参照)。エアリー円およびエアリーリングは、完全な円ではなく、
図27.Bの最上部に示すようないわゆる「四角円」(quadri-circle)(図の下部の通常のエアリー円と比べて)を含む4つの円形のセクタである。しかしながら、このような特色は、下記の本発明の一般性を減らさない。もし画素レンズが六角形であれば、「六角円」(hexa-circle)の光輝分布となる。
【0088】
画素サイズ(マイクロレンズおよび/またはフォトセンサ)が、光エネルギーのメインローブと同じくらい小さければ(
図27.Aまたは27.Bのエアリー円)、二次出力キュー(
図27.Aのエアリーリング、または
図27.Bの「四角リング」(quadri-ring))は、結局、正しいフォトセンサではなく隣の画素に落ち、画素間で干渉するようになる。点間の干渉現象が起きる前に、特に、屈折率の比に依存して、隣接画素間でマイクロレンズ(半球、または、4つの球セクタからなる「四角球」(quadri-sphere)、または、六角形の場合には「六角球」(hexa-sphere)、または、三角球(trian-sphere)や他の幾何形状)が重なるようにすることが可能であり、このような深いサブミクロン処理を示す
図28に示すように、フォトセンサの面積は、基板(フォトセンサとバイアス・読み出し回路)の全面積と比べて非常に大きい。2つの隣接画素の2つの半球(または2つの非球面レンズまたは2つの四角球)が重なるという事実は、否定的な効果ではなく、肯定的な効果であり、フォトセンサの面積が基板の全面積と比べて非常に大きいので、画素マイクロレンズ(3)の垂直方向の材料の厚みは、非常に大きく、構造の全サイズを増加させる。この場合、垂直方向の画素マイクロレンズ3の厚みは非常に小さく、また、マイクロレンズ表面から画素フォトセンサまでの垂直方向の空間が小さく、その結果、構造の厚みが非常に小さく、メインカメラレンズを通った光エネルギーのほぼ100%がフォトセンサの有効表面に入る。上記いくつかの構造間の違いは、マイクロレンズ3の上側表面の限界が、そのプロファイルの下部で、現実には基板1に接触せず、
図28、29に示すように、2つの隣接マイクロレンズの表面間の交差線で、低屈折率の材料4が常に基板1の最小距離に配置されるようにすることである。
【0089】
カメラが非常に小さい寸法の装置の一部を形成して、また同時に非常に多くの画素を持つ必要があるような、非常に小さい寸法の設計をするときには、サイズを小さくすることにより、各フォトセンサのサイズが、
図27のメインローブの幅ほどに届くことが必要とされるような極度の端に到達しうる。この場合、いくらかの画素間ノイズは、それがもし充分小さく、画質の著しい劣化の原因がなければ、受容しなければならず、また、フォトセンサに達する光エネルギーが入射光のエネルギーの100%でないことも受容しなければならない。
【0090】
事実、このような寸法(数ミクロンに近い、あるいはミクロンを若干下回る)へのアプローチ時には、ほとんどの場合、画像の詳細の豊富さは、極端なズームのコストで画素が過度に可視となるまで、画像の特定の領域の詳細を表示するサポートコンピュータで保持されたズームによってのみ評価することができ、このような状況では、隣接画素間の小さい干渉は、現実世界の詳細画像のわずかな変化を示すが、このような詳細が現実世界で色の差を有することほど重要ではない。このような状況で、もし、カラーフィルタが、画素ごとに設計されるのではなく、マイクロレンズごとに設計されるのであれば、
図30の構成を採用すれば、画素間の干渉効果は、ダメージがはるかに小さくなる。いくつかの可能性として、そのうち一つ目の可能性は、プレノプティックレンズの上にカラーフィルタを配置する(
図30の最上部)ことであり、2つ目の可能性は、レンズと画素フォトセンサとの間にカラーフィルタを配置する(
図30の下部)ことであり、3つ目の可能性は、述べた2つの解決策(画素マイクロレンズの下のフィルタ、または、プレノプティックマイクロレンズの上または下のフィルタ)を組み合わせた小さい厚みのフィルタを用いることである。可能性のある別の解決策は、
図31に示すように、プレノプティックマイクロレンズ自身が、高屈折率の透明な材料で構成されるだけでなく、カラーフィルタの特性をも有することである。画素マイクロレンズをフィルタ画素とすることもでき(
図32の下部に示すように)、あるいは、フィルタ処理がマイクロレンズアレイと両方で行うような混合解決策とすることもできる。このような構造は、実際の視点からも、より効率的であり、これは、画素マイクロレンズとプレノプティックマイクロレンズとを作製するのに用いられる材料の分散特性、屈折率および他の光学特性が、(色の)周波数と無関係であるとは限らず、画素マイクロレンズとプレノプティックマイクロレンズとが異なり各色に対して最適化されるような設計を可能にし、あまり高級でない光学材料および値段の使用が可能になるからである。
【0091】
前の段落で述べた構造、または、
図27のサイドローブ(エアリーリング)が、バイアス・読み出し回路を意図して不透明な基板の領域にあるような構造は、
図33.A、34および35に示すような画素間のギャップを選択し、本発明に記載のような光学層に適用されるマイクロ電子工学製造技術の使用により、容易に得られる。センサのメガピクセルの数の極度の増加と、適用強制の必要性の減少とにおいて、
図33.Bのような設計を採用する限界に入ることができ、そこでは、以下に示すように、画素の中心部を、それに最も近い画素のパワーの谷に配置することができ、隣接画素に異なるカラーフィルタを用いることで、隣接画素の色(異なる周波数)間で直交性を用いる。
【0092】
このような極度のサイズ減少に達すると、人間の目には知覚できないが、赤外または近赤外のスペクトルで出力される光のように、重要になる他のノイズ効果があり、フォトセンサでは顕著なノイズであり、それを最小にするためには、これらの周波数範囲のためのフィルタを追加する。このようなフィルタは、光路の任意の点(1つまたは複数の点)に配置でき、それ自身でまたは(1色のフィルタの使用だけでなく、避けるべきノイズに相当する周波数範囲について非常に高い選択性を持ったフィルタの使用によって)カラーフィルタと組み合わせて、赤外フィルタをプレノプティックマイクロレンズの上に配置することができ、画素マイクロレンズと基板との間にプレノプティックマイクロレンズの材料の一部を形成し、画素マイクロレンズの上に、画素マイクロレンズとプレノプティックマイクロレンズとの間に配置された低屈折率の材料(例えば
図29の材料4)で、画素マイクロレンズの一部を形成する。述べた方法のいくつかを組み合わせて構成することもできる。
【0093】
図34は、カラーセンサに通常用いられるベイヤーパターンを形成する4つの隣接画素の光エネルギーの分布を示す(緑、赤、青、緑の4つの正方形画素)。図の最上部には、マイクロレンズおよび対応する画素カラーフィルタからの照射が含まれ、この場合には、フォトセンサの領域が見え(文字G、R、B、G)、画素マイクロレンズは、メインローブの照射がフォトセンサの表面に届くように設計され、第2および第3のローブは、不透明な領域に影響を与え、それによって、隣接フォトセンサの顕著な量のノイズを防ぐ。
図35は、フォトセンサ2が形成された基板1の上で、(前の図の番号付与を用いて)この現象をより明瞭に示し、これらは、緑6および赤7のフィルタに堆積され、しかしながら、「非アクティブ基板領域」(フォトセンサによって用いられない領域であり、通常はバイアス回路、A/Dコンバータおよびフォトセンサ読み出しに用いられる)の上では、サイドローブが基板に到達できるようにさせない不透明な材料の層が堆積され、技術に応じて、この材料は、(通常はCMOS処理で用いられる)フォトセンサに、「金属接続」の役割をも果たすことができ、しかし、金属の代わりに、半導体製造に使用されるまたは使用可能な他の不透明な素子を含んでもよい。
【0094】
図36は、四つ葉パターンを示し、他のパターンのセンサは、典型的にはカラーで用いられ(斜めに配置された白画素と、斜めの各緑画素および交互の斜めの画素:2つの青と2つの赤)、このパターンにも前述の議論を適用可能である。
【0095】
例えば、CMOS処理や過去、現在または未来の他のフォトセンサ製造工程において、よりサブミクロンの技術に向かう進歩、バイアス・読み出し回路、および接続は、より小さくなり、より小さい空間に、より高密度の画素を設計することが可能になり、もし同時に基板の使用を改善しようと努力すれば、基板の全面積と比べて、割合がますますより大きくなるフォトセンサの面積で、
図37の構造に到達でき(コスト面の明らかな理由による。例えばCMOS処理ではコストはシリコンの面積に比例する。)、ここでは、フォトセンサの面積は、基板の全面積と比べて非常に大きいが、画素の第2および第3のローブが隣接フォトセンサを照射して、SNR(相互画素ノイズの観点から)を低下させるという問題がある。実際には、
図38に示すように色間では斜めなので、この問題は考えられているほど深刻ではなく、非常に小さいセンサ寸法と、単位面積あたりの非常に大きい画素数とを適用の必要性が規定しているような設計を示し、それによって、この寸法として、入射光の波長に匹敵し始めるにつれて、ビームが回折を受け、光学構造が効率的でなくなるので(非常に少数の光子だけがフォトセンサに届く)、これ以上画素マイクロレンズやフォトセンサの寸法を減少することはできず、また、本願出願時にはいくつかの半導体製造者が、トランジスタのゲートの寸法に対する体積で28ナノメートルのCMOS技術で製造を始めていることを覚えておくべきであり、光の波長はフォトセンサの寸法よりも実質的に大きいので明らかにこのサイズのフォトセンサは非効率的であり、この結果、非常に著しい光効率で、減少させる回折の処理が得られる。
【0096】
小さいサイズの緊急の必要性、高いパッケージング、それゆえ小さい空間中の多くの画素、が、「フォトセンサ/画素マイクロレンズ」の設計を促し、それゆえ、「画素マイクロレンズ/フィルタ」の照射ピークは、隣接画素の第1のゼロ照射に落ち(
図38および
図33.Bに示す)、例えばベイヤー構造では、
図38の画素の最上部に赤と緑の照射が行われる。しかしながら、色を斜めにすることによって画素間の干渉の問題が最小化され、
図38の下部は、6dBフィルタ処理の減衰(実線)と10dB(破線)とで、フィルタを通じて緑から赤への照射を反射し、禁止的な厚みに達するので、明らかに、フィルタの減衰を永久には増加させることはできず、しかしながら、ほとんどの適用に対して許容できる状況に容易に到達する。
【0097】
より重要なのは、隣接画素ノイズはフィルタ処理されないので、同じ色の隣接点の干渉である。この点について、ベイヤーパターンは良い性能を示し、これは、緑の画素のみが斜めに隣接する緑を有しているからであり、一方、四つ葉パターンでは、すべての点が、斜めに同じ色で隣接している。この現象を
図39に示し、この場合、基板の全面積に対するフォトセンサの面積の割合は、充分小さいので、フォトセンサの領域で第1のローブパワーを有する2つの緑のビームと、第2および第3のローブが、フォトセンサ間の不透明な領域を照射する。しかしながら、より小さい面積でのより多くの画素の要求があって、また、サブミクロン技術が許すと、
図40のうちの一つのような状況になり、これは、特定の適用には充分でありうるが、この設計範疇は、互いに重なる隣接「マイクロレンズ/センサ」の間の光ビーム、すなわち、色間の減衰する重なり(赤―図では大きな減衰で示す―、青、および緑)だけでなく、それらの間で重なる緑の2つのビーム、を押す。より小さい面積のセンサやマイクロレンズを設計することはできず、なぜならある閾値より小さい寸法に対しては直線的な伝播よりも波現象が優勢になり始めるからであり、これらの閾値より小さいと、この構造は効率性からはずれ、その結果、複数の屈折や回折が、感知できる量の光子がセンサに達するのを妨げるからであるということを覚えておくべきである。この点で、ある非効率を受け入れなければならないが、にもかかわらず、非常に小さいサイズと単位面積あたりでの高い画素密度とを要求する大多数の適用に対して適したセンサを充分得ることができ、この問題を下記の本発明で最小化した場合は特にそうである。まず、
図40は、センサ領域にはすべてのメインビーム照射が投影されるわけではないことを示し、メインローブの一部は不透明領域に属し(小型化の目的のために我々が受け入れなければならない効率低下である)、しかしながら、もっと深刻なのは、緑画素の第2および第3のローブが、他の隣接する緑画素にノイズを導入するという事実であり、
図40に示すように相互画素ノイズが増加し、これは、同色が隣接するときには減衰フィルタがないからである。
図40はまた、緑領域において赤画素の照射(および、正確には描いていないが、青も)が、フィルタによって大きく減衰することを示している。
【0098】
空間の必要性、小型化する傾向、および増大する画素数は、隣接画素を照射するビームがそれらの間の重なるような構造を促しており、この状況では、センサが引き続き動作するように、より大きい寸法で作用して無視できる波現象を考慮しなければならない。
図27.Aの照射は、センサ上にいわゆるエアリー円を形成し(または、我々の実施例の正方形画素では四角円であり、または、画素と三角形の画素レンズとを用いるときには三角円(trian-circle))、以下の表現で与えられる。
【0099】
【0100】
ここで、J1は、第1の種類で1次のベッセル(Bessel)関数であり、λは波長であり、n’は屈折率であり、σ’は射出瞳とフォトセンサ面との間の光線の入射角であり、ρ’は、画像面の半径座標(radial coordinate)である。
【0101】
関数の第1のゼロは、
【0102】
【0103】
に現れ、これは、エアリー円の半径が入射光の波長に依存することを示し、これにより、異なる色に対するフォトセンサ領域の異なる領域を用いる設計範疇、または、各色の異なるレンズ設計プロファイルが確立される。
【0104】
ベイヤーパターンの場合、斜め方向の緑の2つの隣接画素間の干渉は、四つ葉パターンで斜め方向の赤の2つの隣接画素間の干渉よりも小さく、これは、波長が小さいからであり、これにより、緑のエアリー円は赤のエアリー円より小さい。もし、慎重に限界に到達するように、また緑の2つの光ビームが一緒に来ることを開始するように、これらの間の画素にアプローチするならば、フォトセンサの設計時に措置をとることができ、
図41は、右の画素では、フォトセンサの物理的構造を変更すると、緑の画素間のギャップが広がることを示している(緑のフォトセンサの左側の角は、右から削除され、基板のアクティブエリアから消去され、対称形の画素を設計する場合には正方形を六角形に変更する)。もっと効率的なのは、画像の左側の部分の緑の画素であり、右の角から緑のフォトセンサの右側の部分で三角形領域が取り出され(基板の非アクティブエリアに変換される)、隣接する緑のフォトセンサのマイクロレンズ/フィルタから来た緑の光の最大の通過領域において、隣接する緑の2つのフォトセンサの間の距離をさらに動かし、覚えておくこととして、光は構造の最上部から来て、マイクロレンズで回折し、センサの上に運ばれ、最後にカラーフィルタによってフィルタ処理され、これは、マイクロレンズの同じ材料の一部とすることができ、または、マイクロレンズの下に位置する平坦なカラー層とすることもできる。記載した2つの状況のいずれにおいても、隣接する2つの緑の領域の間を通る最も高い照射部分は、頂点を通り、ここで、2つの理由で、3色のセンサ(隣接する4つの画素)を集光させており、第1に、頂点から遠ざけ、距離を増加させ、また、減衰も同様で(エアリーディスクの中心部から遠ざける)、第2に、隣接する緑のマイクロレンズから来た緑の光が、頂点を通り、赤と青のフィルタを通り、緑に到達し(緑-赤の群と、青-緑の群)、隣接する緑領域で感知できない程度にまで徐々に消えていき、これが、このセンサ領域から三角形領域を切り取ったセンサを除去する理由であり、緑の領域において、隣接センサの近くで非常に広いが隣接センサから離れるに従い狭くなる「非感光性」領域を形成し、対角線にて隣接するセンサから来た緑の光の最大通過領域において、感光性でない領域の最大限に到達し、光は、より低い減衰点(4つの画素の群の頂点、
図41参照)を通って通過し、画素間のノイズを最小にする。
【0105】
いくつかのマイクロ電子工学技術は、その設計ルールで、任意の角度でリソグラフィを行うことは認めておらず、垂直、水平および45度の角度だけを認めており、この場合には、フォトセンサのアクティブエリアの無い三角形が、
図41の形から、ベイヤーパターンの最も右における緑のフォトセンサの右へ、描かれる。他の技術はさらに制限的であり、垂直および水平な線のみを許可しており、この場合には、のアクティブエリアの無い「三角形」が、
図41の左に位置する緑のセンサの左の角に示すように設計される。
【0106】
図41に示すパターンは非常に小さいが、光スペクトルの波長は、青スペクトルの最上部のおよそ400ナノメートルから、それより低い赤スペクトルのおよそ800ナノメートルまでであってよいということを覚えておくべきである。特許出願時には、28ナノメートルへのCMOS技術のサブミクロンは、大容量で製造され、これは、任意のCMOS技術(または他の過去、現在および未来の技術)が、可視光スペクトルの波長よりはるかに小さい寸法で幾何形状の設計が容易であることを示し、これは、回折現象を回避するためにマイクロレンズおよびマイクロセンサの最小の寸法を決定する。
【0107】
ここに記載の本発明は、非常に低いコストで、非常に高品質のプレノプティックセンサを大きな体積で製造できる大きな利点が有り、また、適用の数が増えている小さいサイズのメガピクセルのセンサの製造に非常に有利でもあり、後にもいくつか述べるが、光波の現象が無視できないような限界に到達することを許可する。
【0108】
ここで述べる構造は、3Dチップの一部であってもよく、
図14、14.B、22.Bおよび22.Cに示すような構造の下部に、プリントされた回路に半田付けする代わりに、特定の機能、例えばプレノプティック処理、を持った他の集積回路に配置される。
【0109】
記載の本発明は、ズームマイクロ機構と組み合わせてもよく、そこでは、光学サンドイッチレンズのうちの一つまたはいくつかが、MEMS(マイクロ電子機械システム)によって駆動される垂直軸に垂直に移動し、画像の再ピント合わせや光学ズームのような構造の使用を可能にする。
【0110】
記載の発明は、外部から制御可能な静的ズームと組み合わせてもよく、そこでは、光学サンドイッチレンズのうちの一つまたはいくつかが、外部パラメータ(電圧、電流または他のパラメータ)の制御の下で焦点距離を変更し、画像の再ピント合わせや光学ズームのような構造の使用を可能にする。
【0111】
メインのプロトタイプおよび市場で使用される最初の製品は、「従来技術」で述べたマイクロレンズを使用し、ここに記載のフォトセンサおよびマイクロレンズは、下記の適用の利点を与える。
【0112】
〔従来技術との差異を示す使用例〕
図41に示す幾何形状の画素を用いるフォトセンサは、非常に小さい空間に非常に高い画素密度の画像を捕捉するのに用いることができ、その結果、従来技術を劇的に改善した画素間のコントラストが得られ、隣接画素間の信号/ノイズ比が増加し、非常に高いメガピクセル総数でさらに増大し、かつ非常に小さいサイズ(センサは1cm×1cmより小さい面積を占める)の、携帯電話、タブレット、ラップトップまたは他の携帯機器のカメラなどの応用を含む。本発明は、(プレノプティックマイクロレンズの無い)従来のセンサには、(プレノプティックマイクロレンズの有る)ライトフィールドセンサにも適用可能であるが、後者に特に有利であり、なぜなら、(到達方向を識別する)マイクロレンズあたりの画素数と、使用可能なメガピクセルの数を増やすための増加するマイクロレンズの数との間のバランスが、現在の技術を超える総画素数のセンサを押すからであり、Mooreの法則の限界を超えるが、非常に小さい画素寸法について望まない屈折を導く光波現象をできるだけ緩和する。
【0113】
単位面積あたりのメガピクセル数についての仕様を緩めることができる場合には、
図40、またはさらに
図39に示すように、低コストでフォトセンサ技術を使用でき(またはセンサの単位面積あたりのメガピクセル数にて増加する密度技術を使用)、空間が重要な設計範疇ではないような応用に対するノーマル/ラージサイズのカメラにおいて、非常に高い照射効率および高いコントラストを持った、(現在の技術を超えて)非常に多くの数のメガピクセルを達成できる(例えば、DSLRでは、センサのサイズは各側で数cmとすることができる)。また、携帯機器(電話、タブレットその他)への応用としては、高いメガピクセル数が基本的な目的ではないような応答では、応用に対して非常に高いコントラストで非常に高い画質(低ノイズ)を達成でき、(
図39に記載のように)第1の完全なエアリー円を含む画素領域の場合には品質を非常に高くすることができ、このような状況下では入射光の84%がフォトセンサに到達し、4つのセンサ領域によって増加する場合は所定の技術のセンサの感度およびコントラストが増加するだけである。この段落で述べたことは、従来のセンサおよびデジタルカメラに適用されるが、特にプレノプティックカメラセンサに有益であり、なぜなら、マイクロレンズの数が指数的に増え、それにより多くの方向を決定するための正確な画素数も増えるからである。
【0114】
記載の発明は、センサ/カメラの効率を悪化させ始める大きな要因が回折光であるという点で、特に、より長い波長で初めに回折を始める赤色で、従来の画素密度を改善する。本発明は、通常およびプレノプティックのセンサに使用可能であり、応用は以下に述べる。
【0115】
図14、14.B、15、16、17、18、22、22.B、22.C、23および26に記載の発明は、画素上の情報の適切な処理で、画素の色の強度の情報だけでなく光線の到着方向の情報も得ることができる、プレノプティックセンサを実現でき、写真ショットの焦点面において異なる現実世界の面にて画像を再ピント合わせすることができるという新規な応用が得られ、(写真のすべての点において)完全にピントが合った画像が得られ、(立体画像で)アクティブガラスを有する映画スクリーンやモニターの3Dディスプレイやガラスのないパッシブガラスや将来の3Dスクリーン/ディスプレイでは3D(3次元)画像が得られる。画素数と、(マイクロレンズあたりの画素数とともに直線的に増える)異なる深さでピント合わせした可能な面の数とは、本発明の使用により劇的に増加する。
【0116】
記載の発明で開発されたプレノプティックセンサは、比較的小さいフォトセンサ数を持つ小さい携帯式カメラから、高画素数で専門的な光学部品を持つプロフェッショナルなカメラまで、用いることができる。カメラのレンズにおいてまたはセンサ面の前の面に個別に配置されたマイクロレンズアレイにおいてプレノプティックマイクロレンズを個々のレベルで集積するような他のプレノプティック技術と比べての主要な利点は、光学部品のためでもあるマイクロ電子工学で用いられるのと同様の製造技術を用いてウェハを処理する能力であり、高品質で低コストなプレノプティックセンサおよび大量生産に向いた製造工程を得て、光学収差を減らし、単位面積あたりのマイクロレンズの数および総画素数を増やす。
【0117】
プレノプティック技術の不利な点の一つは、用いられるアルゴリズムに依存して、および、可能な超解像技術、および、(プレノプティックアルゴリズムを用いて後処理される)最終的な画像における中間画素の補間に依存して、センサの画素数より小さい、画像の画素数となる、結果として得られる画素数である。極端に小さい場合は、プレノプティックマイクロレンズの数と等しい画素数をアルゴリズムが提示する。この事実は、光線の個々の到達方向を決定するためにできるだけ多くのマイクロレンズが必要である事実と合わせて、極端に言えば、従来技術を超えるマイクロレンズとセンサの原因となるだろう。
【0118】
進んだマイクロ電子工学処理および/またはマイクロ光学処理を用いたマイクロレンズのモノリシックな集積化は、例えばCMOS技術において、マイクロプロセッサ、メモリおよび他の論理回路のために行われる大きな投資ゆえ、非常に洗練されたものとなり、非常に洗練された設計および生産の手段は、プレノプティックマイクロレンズにも適用でき、従来技術を超えるレンズ数を有して個々の等価物よりも光学収差が少ないプレノプティックマイクロレンズアレイの製造を可能にした。
【0119】
ここに記載の本発明の利点を評価するために、現時点では実施できない将来の画像獲得技術の仕様について議論する。3DのHDTVビデオカメラを製造すると仮定し(現時点では、立体画像を得るために、平行にした2つのカメラが用いられ、製造コストが2倍以上になりコストは劇的に増えるが、画質の後処理は減る)、原則的に、2つの可能性が有り、1280×720のマイクロレンズ(921,600個のマイクロレンズ)、または640×360のマイクロレンズ(211,260個のマイクロレンズ)を使用して関連する超解像アルゴリズムで最終的に1280×720の画素にまで増やすことが試みられる。また、マイクロレンズによる16個の画素の妥当なパラメータを用いる(7個の焦点面になる)と仮定すると、1つ目のケースでは14,745,600個の画素のセンサ、または、超解像を用いれば3,686,400個の画素のセンサになり、特に、1つ目のケースのほうの値は、非常に大きく、本発明の出願時の技術水準の限度にまで行っている。3D画質を高めるようにして焦点面を21個要求する場合は、特に消費者の適用では非常に低いコストであるため、超解像を用いなければ111.5個のメガピクセルが、または超解像2ないし1を用いれば25.6個のメガピクセルが、明らかに本発明の出願時の技術水準以上に不足する。
【0120】
発表されている最初の工業用プレノプティックセンサのうちの一つは、添付したリンク(http://lightfield-forum.com/light-field-camera-prototypes/toshiba-lightfield-camera-module/)にて公開されるのに応じて、2014年の第2四半期中に利用可能になると思われ、7×5mmの領域に、直径で30ミクロンのマイクロレンズ500,000個(上記の例で述べたHDTVカメラの2つの要件の間の数である)のアレイと、メガ光線のセンサCMOS8(同じく上記2つの要件の間に位置する)とを含み、この技術についてデータは公開されていないが、その実施は、
図6.A、6.B、8.Aまたは8.Bで述べたのと同様の技術を用いて行えばよい。上記のウェブリンクによれば、
図6.Bの個々の実施形態は、我々の実施例に係るプレノプティックセンサ5より少ない個数のマイクロレンズを有し、本発明よりも相対的に少ない数である。
【0121】
これまでの議論から、従来技術では、超解像アルゴリズムを用いてのみHDTVカメラを実施できており、より多くのマイクロレンズを用いる超解像なしのアルゴリズムよりも常に品質が低い。本発明に記載のプレノプティック処理は、フォトリソグラフィ処理も含めて、上記ウェブで発表された500,000個のマイクロレンズの最大値よりも著しく大きいマイクロレンズの個数を生成することができ、また、この情報から、マイクロレンズの「半径」に関して、これは正方形よりもむしろ円形であると考えられ、数個の円の間の領域によってフォトセンサの画素のいくつかが浪費されるので、また同様に入射光のエネルギーも浪費されるので、常に効率が低い。
【0122】
もし、設計範疇が、4000×3000画素を得るために3Dフィルムのためのカメラのためのセンサであれば、マイクロレンズのプレノプティックアレイにて12個のメガレンズで新たに設計でき(マイクロレンズあたり16画素増えてセンサに192個のメガピクセルで、焦点面は7個だけ)、または、プレノプティックアレイに2000×1500(3個のメガレンズ)(センサに48個のメガピクセル)および超解像のファクタを2として新たに設計でき、どちらの仕様も(特に1つ目)、充分に従来技術を超えており、また、単に、相互画素ノイズが適切なレベルあり集積化密度が同等であるセンサに対してと同様、プレノプティックマイクロレンズに対して、ここに記載したようなマイクロ電子工学技術を用いて実施できる。もし、3D画質を高めるために焦点面を7個よりも多くしたい場合は、仕様は、技術水準についての最大の夢を過剰に超える。
【0123】
最後に、1より小さい屈折率のメタ材料を、本発明のマイクロ電子工学処理とともに使用すると、センサ基板の上に形成された完全な物体のモノリシックな集積化が可能になり、
図22.Bに示すモノリシックな集積化(プレノプティックレンズ5がある、または無い)によって、人間の関与を最大限に最小化する自動製造技術を用いて、
図11に示すように、現時点で提供される製造コストより著しく低い製造コストでモジュールが得られ、製造コストを減らし、光と光学カメラとの品質と効率とを増加させ、
図5.A、5.B、7.A、7.Bおよび7.Cに示すカメラとここに記載のセンサの使用に対して旧式化するであろう解決策との比較は開始していない。
【0124】
〔参考文献〕
1.V. G. Veselago (1968 (Russian text 1967)). . Soy. Phys. Usp. 10 (4): 509-14. Bibcode: 1968SvPhU.10.509V. doi: 10.1070/PU 1968v010n04ABEH003699、
2.Negative Refraction at Visible Frequencies, Henry J. Lezec et al., Science 316, 430 (2007); D01: 10.1126/science.1139266。
【0125】
態様1.
フォトセンサを有する基板と、上記フォトセンサの基板の上に配置された低屈折率の材料の層と、をモノリシックに集積するプレノプティックセンサであって、
上記低屈折率の材料の層の厚みが、用いられるプレノプティックアルゴリズムに依存し、かつ、プレノプティックレンズの焦点距離に近い値(わずかにそれより大きくても小さくてもよい)からゼロ近くまで取り得、
上記プレノプティックレンズは、高屈折率の材料から成り、
上記プレノプティックレンズは、上記低屈折率の材料の層の上に配置され、
上記プレノプティックレンズと上記フォトセンサの基板の画素との間の配置、および、光学素子の他の寸法が、(技術水準を超えて)10分の1ミクロンより小さい許容誤差であることを特徴とするセンサ。
【0126】
態様2.
上記低屈折率の材料の層が現れず、上記層の長さがゼロで、センサが、ただ随意的に、画素としてのマイクロレンズのように見え、また、高屈折率の材料ではプレノプティックマイクロレンズのように見えることを特徴とする態様1に記載のセンサ。
【0127】
態様3.
種々の屈折率の光学材料が、CMOS、CCDまたは過去、現在または未来のフォトセンサの任意の技術の基板フォトセンサの上に形成されていることを特徴とする態様1または2に記載のセンサ。
【0128】
態様4.
光学層が、半導体プロセスに通常用いられる以下の技術:
・ウェハ処理、
・公知の技術(CVD、LPCVD、PECVDまたは他の方法のHIPCVD堆積材料など)を用いての材料の層の堆積、
・ウェハの光学的および/または電子的サンドイッチ積層、
・分離材の使用、
・フォトリソグラフィ、
・陽性または陰性の(消耗性または非消耗性の)フォトレジスト材料の使用、
・種々の溶媒での化学攻撃、
・プラズマ攻撃または公知の任意の攻撃、
・特定の特性を有する成分を有する光学的または電子的材料のドーピング、
・熱処理、
・紫外線硬化または熱硬化、
・種々のカプセルを用いた回路/センサの包装、
・例えば、BGA(ボールグリッドアレイ)または任意の処理または方法、
・現在または未来のマイクロ電子工学製造の使用、および/または、紫外線への曝露や熱処理などの下で液体ポリマーの複製または凝固のような小型光学部品の製造に適用可能なマイクロ電子工学製造の使用、
などを用いて基板フォトセンサの上に形成され、
電子工学と光学との間の配置、または種々の光学層間の配置、または、光学層の厚みの配置、を、関係する範囲における波長部分に到達する許容誤差で、すなわち、(技術水準を超えて)ナノメートルまたはそれより小さい許容誤差で得ることを特徴とする態様1ないし3のいずれか1項に記載のセンサ。
【0129】
態様5.
態様1における各フォトセンサと各低屈折率層との間に、上記低屈折率の層より高い屈折率を有する、画素としてのマイクロレンズが設けられていることを特徴とする態様1ないし4のいずれか1項に記載のセンサ。
【0130】
態様6.
各フォトセンサの上に、または、各プレノプティックマイクロレンズの上に、(および随意的に、さらに、マイクロレンズの下に配置されたフォトセンサの上に、)カラーフィルタが設けられている、
または、
プレノプティックマイクロレンズを構成する色の材料で(および随意的に、さらに、マイクロレンズの下のフォトセンサに)構成されている、
または、
画素としてのマイクロレンズを構成する色の材料で構成されている、
または、
これらの組み合わせである、
ことを特徴とする態様1ないし5のいずれか1項に記載のセンサ。
【0131】
態様7.
近赤外線または赤外線のフィルタが設けられている、
または、
カラーフィルタの一部として構成されている、
ことを特徴とする態様1ないし6のいずれか1項に記載のセンサ。
【0132】
態様8.
フィルタが、可視光の通過を防ぎ、赤外スペクトルまたは実行に関連する任意のスペクトルの透過だけを許可することを特徴とする態様1ないし6のいずれか1項に記載のセンサ。
【0133】
態様9.
光学センサによって設定されるパワー分布のメインローブの面積と実質的に同一の面積をフォトセンサが有する(エアリーディスクまたはもし正方形ベースの画素としてのマイクロレンズが用いられるならばエアリーの「四角円」(quadri-circle))ように、および、
第2ローブ(第1エアリーリング、または、正方形ベースの画素としてのレンズのためのエアリーの「四重リング」(quadruple ring))が隣接フォトセンサ間の不透明な領域を照明するように、
フォトセンサと、フォトセンサ間の距離とが設計されており、
このことは、マイクロレンズの幾何形状(例えば六角形または任意の多角形形状であってよい)または画素の幾何形状(例えば三角形(または任意の多角形形状)であってよく、そこから、エアリーの三角円(trian circle)(またはエアリーの多角円)を導く)に無関係である、
ことを特徴とする態様1ないし8のいずれか1項に記載のセンサ。
【0134】
態様10.
画素に割り当てられたランプのメインローブのパワーのピークが隣接画素のパワーのゼロと一致するように、隣接フォトセンサ間の距離が設計され、フォトセンサのアクティブ領域が、隣接画素間で許容できるノイズの量と、センサの適用で許容できる信号/ノイズ比とに依存して設計されることを特徴とする態様1ないし8のいずれか1項に記載のセンサ。
【0135】
態様11.
フォトセンサの面積および単位面積あたりのフォトセンサの密度(フォトセンサ間の距離にて測定された)が、態様9に記載のものの上と、態様10に記載のもののわずかに下との間であることを特徴とする態様1ないし8のいずれか1項に記載のセンサ。
【0136】
態様12.
斜めに隣接する同じ色の画素に配置されたフォトセンサのアクティブ領域の幾何形状(ベイヤーパターンの緑、または、四つ葉パターンのそれらのうちの任意のもの)は、正方形に設計されるのではなく、(正方形の代わりに)フォトセンサのアクティブ領域の最終的な形状がどうであっても、隣接するフォトセンサのマイクロレンズから生じた同じ色の光のフォトセンサのアクティブ領域を移動させる目的で、斜めに隣接して配置された同じ色のセンサに最も近い領域に修正されることを特徴とする態様9ないし11のいずれか1項に記載のセンサ。
【0137】
態様13.
フォトセンサの正方形形状は、斜めに配置された同じ色のアナログフォトセンサのアクティブ領域を遠ざける垂直線の導入によって同じ色のセンサに最も近い正方形の頂点を平坦化することによって修正され、アクティブ領域を六角形(反対側の頂点のうちの2つにおいて追加の2つの辺で修正された正方形)にし、この原則は、他の任意の幾何形状の多角形(例えば三角形)のフォトセンサにも適用されうることを特徴とする態様12に記載のセンサ。
【0138】
態様14.
感光セルのアクティブ領域は、正方形の元の頂点から正方形の中央領域まで貫く(非感光領域または非アクティブ領域の)三角形の導入によって、その頂点にて正方形の寸法が減少し、この原則は、他の任意の幾何形状の多角形(例えば三角形)のフォトセンサにも適用されうることを特徴とする態様12に記載のセンサ。
【0139】
態様15.
感光セルのない領域(非アクティブ領域)は、正方形の元の頂点から正方形の中央領域まで貫く(非感光性領域または非アクティブ領域の)「階段状三角形」の導入によって、その頂点にて正方形の寸法が減少し、この三角形は、45度またはフォトセンサの技術の設計のルールで許可された任意の幾何形状で、垂直線および水平線によって構成され、この原則は、他の任意の幾何形状の多角形(例えば三角形)のフォトセンサにも適用されうることを特徴とする態様12に記載のセンサ。
【0140】
態様16.
態様1に記載の低屈折率の材料(フォトセンサの基板の上に配置されたもの)または態様5に記載の低屈折率の材料(画素としてのマイクロレンズの上に配置されたもの、およびフォトセンサの基板の上のこれら)は、プレノプティックマイクロレンズと基板との間の距離またはプレノプティックマイクロレンズと画素マイクロレンズとの間の距離を減少させる目的を持ったものよりも低い屈折率を有するメタ材料または材料であることを特徴とする態様1、3ないし15のいずれか1項に記載のセンサ。
【0141】
態様17.
上記センサの上に、(異なるレンズ間に低屈折率の空間を形成する)低屈折率の層および(レンズを形成する)高屈折率の層が連続的に追加され、レンズおよび/またはマイクロレンズの層の順序に無関係に、任意の形状(両凸、両凹、凸-凹、凹-凸、平坦-凹、平坦-凸、凹-平坦、凸-平坦、マイクロレンズアレイ、および、凹メニスカス、凸メニスカス構造などの大きなレンズの設計において一般に使用できる任意の構造、または、マイクロエレクトロニクスで典型的に用いられて態様4で簡単に記載した光学的製造プロセスで用いられる小さい寸法に導かれる他の任意の構造)の種々のレンズから構成されるマイクロレンズを形成するまで処理を数回繰り返すことを特徴とする態様1ないし16のいずれか1項に記載のセンサ。
【0142】
態様18.
低屈折率の材料は、1より小さい屈折率を持つメタ材料または材料であることを特徴とする態様17に記載のセンサ。
【0143】
態様19.
プレノプティックマイクロレンズは、フォトセンサの中央から最も離れた領域にて効率を改善するために、「プレノプティックアレイ」の中央から離れた位置ほど、徐々に、より非対称なプロファイルで設計されていることを特徴とする態様1ないし18のいずれか1項に記載のセンサ。
【0144】
態様20.
プレノプティックマイクロレンズは、フォトセンサの中央から最も離れた領域にて効率を改善するために、「プレノプティックアレイ」の中央から離れた位置ほど、基板までの(または画素としてのマイクロレンズまでの)距離が徐々に小さくなる設計になっており、プレノプティックアレイの中央から離れるにつれて全てのマイクロレンズがわずかに急峻に構成され、アレイの中央のマイクロレンズだけが光軸に垂直または準垂直であることを特徴とする態様1ないし18のいずれか1項に記載のセンサ。
【0145】
態様21.
フォトセンサの中央から最も離れた領域にて効率を改善するために、フォトセンサおよび/またはフォトセンサのアクティブ領域および/またはフォトセンサのアクティブ領域の間の幾何形状が、フォトセンサの中央と周辺とで異なり、中央から周辺へと徐々に変化することを特徴とする態様1ないし18のいずれか1項に記載のセンサ。
【0146】
態様22.
フォトセンサの中央から最も離れた領域にて効率を改善するために、態様19、20および21に記載の測定のうちの2つ以上およびそれらの間の任意の組み合わせおよび/または交換が同時に行われることを特徴とする態様1ないし18のいずれか1項に記載のセンサ。
【0147】
態様23.
光学層の1つ以上および/またはレンズの1つ以上の上に、反射防止コーティングの層が堆積されていることを特徴とする態様1ないし22のいずれか1項に記載のセンサ。
【0148】
態様24.
態様1ないし23のいずれか1項に記載のセンサを製造する方法であって、
光学層が、半導体プロセスに通常用いられる以下の技術:
・ウェハ処理、
・公知の技術(CVD、LPCVD、PECVDまたは他の方法のHIPCVD堆積材料など)を用いての材料の層の堆積、
・ウェハの光学的および/または電子的サンドイッチ積層、
・分離材の使用、
・フォトリソグラフィ、
・陽性または陰性の(消耗性または非消耗性の)フォトレジスト材料の使用、
・種々の溶媒での化学攻撃、
・プラズマ攻撃、
・特定の特性を有する成分を有する光学的または電子的材料のドーピング、
・熱処理、
・紫外線硬化または熱硬化、
・種々のカプセルを用いた回路/センサの包装、
・例えば、BGA(ボールグリッドアレイ)または任意の処理または方法、
・現在または未来のマイクロ電子工学製造の使用、および/または、紫外線への曝露や熱処理などの下で液体ポリマーの凝固のような小型光学部品の製造に適用可能なマイクロ電子工学製造の使用、
などを用いて基板フォトセンサの上に形成され、
電子工学と光学との間の配置、または種々の光学層間の配置、または、光学層の厚みの配置、を、関係する範囲における波長部分に到達する許容誤差で、すなわち、(技術水準を超えて)ナノメートルまたはそれより小さい許容誤差で得ることを特徴とする、センサの製造方法。
【0149】
態様25.
光学的サンドイッチのレンズのいくつかでのマイクロメカニズムズーム、または、
外部パラメータ(電圧、電流または他のパラメータ)の制御下で焦点距離を変化させる、光学的サンドイッチのレンズのいくつかでの固定ズーム、または、
外部パラメータにて制御可能なマイクロメカニズムズームおよび固定ズームの組み合わせ、
を有することを特徴とする態様1ないし24のいずれか1項に記載のセンサ。
【0150】
態様26.
プレノプティックレンズが存在せず、本発明の残りのものが従来のセンサに適用されたことを特徴とする態様9ないし18のいずれか1項に記載のセンサ。
【図面の簡単な説明】
【0151】
【
図1】プレノプティックセンサの従来技術の可能な実施形態を示す図である。
【
図2】プレノプティックセンサの従来技術の可能な第2の実施形態を示す図である。
【
図3】面がセンサの後ろに集光した場合のセンサにプレノプティック光線が入射することを示す図である。
【
図4】面がセンサの前に集光した場合のセンサにプレノプティック光線が入射することを示す図である。
【
図5.A】マイクロレンズがメインレンズと物体空間との間に配置されているプレノプティックレンズの実施形態を示す図である。
【
図5.B】物体空間間の
図5.Aのプレノプティックレンズ(左の画像)、メインレンズおよびカメラ(右)を示す図である。
【
図6.A】フォトセンサの面から非常に小さい距離(0.5mm)に配置されたプレノプティックマイクロレンズアレイの実施形態を示す図である。
【
図6.B】
図6.Aの本発明の早期の産業上の実施形態(フォトセンサの面から非常に小さい距離に配置されたプレノプティックマイクロレンズアレイ)を示す図である。
【
図7.A】第1入力対物レンズ(左)と他のレンズ(右)との間に配置されたレンズのプレノプティックマイクロレンズ(レンズグループ)の実施形態の光学的概要を示す図である。
【
図7.B】
図7.Aの構造の実施形態のための部品の機械的光学的概要を示す図である。
【
図7.C】
図7.Aの構造の実施形態の機械的光学的概要を示す図である。
【
図8.A】フォトセンサの基板上にプレノプティックマイクロレンズが配置されること(透明基板14b上で、フォトセンサから非常に小さい距離に、フォトセンサとマイクロレンズ基板との間の樹脂セパレータの使用により、構成される)を示す図である。
【
図8.B】
図8.A同様、マイクロレンズが透明基板の最上部に配置されている実施形態を示す図である。
【
図8.C】フォトセンサ100の基板30上に構成されたセンサアレイの上にマイクロレンズアレイ10を配置するモノリシック構造の実施形態を示す図である。
【
図9.A】フォトセンサ技術FSI(前面照射)を用いる従来技術の基板を示す図である。
【
図9.B】フォトセンサ技術BSI(裏面照射)を用いる従来技術の基板を示す図である。
【
図10.A】フォトセンサ基板上にカラーフィルタと画素マイクロレンズとが形成された従来技術を示す図である。
【
図10.B】
図10.Aを超えて、フォトセンサ基板上にカラーフィルタと画素マイクロレンズとが形成された従来技術の発展を示す図である。
【
図11】(フレキシブルプリント基板上に取り付けられた)フォトセンサと、フォトセンサ上にレンズを配置する機械的支持台とを有する、携帯アプリケーションのためのカメラモジュール(携帯電話、タブレット、ラップトップ)を示す図である。
【
図12】(集積回路のパッケージに取り付けられた)フォトセンサと、透明基板上の2つの素子のレンズ(126)とを有し、電磁照射を保護して組み立て品に機械的強度を与える不透明な導電パターンで全てが包まれている、携帯アプリケーションのためのカメラモジュール(携帯電話、タブレット、ラップトップ)を示す図である。
【
図13】
図12と類似するが、2つの透明基板上に2つの素子の2つのレンズと、基板保護のための第3の透明基板とを取り付けている、携帯アプリケーションのためのカメラモジュール(携帯電話、タブレット、ラップトップ)を示す図である。
【
図14】その上にフォトセンサ(2)が形成され、その上にカラーフィルタ(6、7および8)、画素マイクロレンズ(3)、低屈折率の材料(4)およびプレノプティックマイクロレンズ(5)が配置された基板(1)を有する、本発明の実施形態を示す図である。
【
図14.B】上記(
図14)と類似するが、低屈折率の材料が、空気(または他のガス)によって置き換えられ、セパレータの使用によりマイクロレンズのウェハがセンサのウェハのある程度の距離に維持されることを示す図である。
【
図19】マイクロ電子工学工程で通常用いられる処理を用いて光学画素のマイクロレンズにプレノプティックマイクロレンズにより、非常に高品質で非常に低コストで大きな体積におけるウェハ処理に通じる、本発明の製造シーケンスの詳細を示す図である。
【
図20】マイクロ電子工学工程で通常用いられる処理を用いて光学画素のマイクロレンズにプレノプティックマイクロレンズにより、非常に高品質で非常に低コストで大きな体積におけるウェハ処理に通じる、本発明の製造シーケンスの詳細を示す図である。
【
図21】マイクロ電子工学工程で通常用いられる処理を用いて光学画素のマイクロレンズにプレノプティックマイクロレンズにより、非常に高品質で非常に低コストで大きな体積におけるウェハ処理に通じる、本発明の製造シーケンスの詳細を示す図である。
【
図22】マイクロ電子工学工程で通常用いられる処理を用いて光学画素のマイクロレンズにプレノプティックマイクロレンズにより、非常に高品質で非常に低コストで大きな体積におけるウェハ処理に通じる、本発明の製造シーケンスの詳細を示す図である。
【
図22.B】1より小さい屈折率の材料(またはメタ材料)の使用によりサイズを小型化し、数個のレンズ(5””5”’,5’’,5’)とプレノプティックマイクロレンズ(5)とを含む完全モノリシックターゲットの実施が可能になることを示す図である。
【
図22.C】
図22.Bと同様の本発明の実施形態であり、低屈折率の材料を空気(または他のガス)に置き換え、セパレータを用いて、光学ウェハをそれらの間で、および、光電子工学ウェハから、離している実施形態を示す図である。
【
図23】
図14と同様の本発明の実施形態であり、フォトセンサの面積は、フォトセンサ基板の全面積と比べて相対的に小さく、それゆえ、プレノプティックマイクロレンズ(3)が、
図14に示す実施形態における最上部の基板の上に厚みを有することを示す図である。
【
図24】フォトセンサとフォトセンサに最も近い基板の部分との上の、マイクロレンズの構造の詳細(球面または非球面の4つの部分からなる)を示す図である。
【
図25.A】
図24の平面図であり、フォトセンサに最も近い基板の部分を含む、2つのフォトセンサの上の2つのマイクロレンズの構造を示す図である。
【
図25.B】
図24の平面図であり、4×4のフォトセンサとフォトセンサに最も近い基板の部分との上の4×4のマイクロレンズアレイの構造を示す図である。
【
図26】
図25.Bの断面図であり、基板(1)の上に形成された4×4のフォトセンサアレイ(2)の上に配置された4×4のカラーフィルタ(8、6、7)の上に配置された4×4の画素マイクロレンズアレイの上に配置された低屈折率の材料(4)の上に配置されたプレノプティックマイクロレンズ(5)の構造を示す図である。
【
図27.A】丸い射出瞳を持つシステムのセンサ面に点物体の画像に関連する光輝分布(円盤とエアリーリングとを導き、図の最上部は、垂直軸の光輝分布と、水平軸上の中心からの距離との比較を示し、底部では、パワーレベルはグレーの強度によって示される)を示す図である。
【
図27.B】
図24、25Aおよび25Bで示したような画素マイクロレンズの使用によるエアリーの四角円の提示(図の最上部)であり、光学部品が円形であれば、エアリー円およびリングであるもの(図の底部)と対比されるものを示す図である。
【
図28】トポロジーで互いに重なり合う画素マイクロレンズであり、基板の全面積に対するフォトセンサの面積の割合が高く、この機能を実行するためのマイクロレンズの厚みが、この重なり合いを強いることを示す図である。
【
図29】基板(1)、フォトセンサ(2)、カラーフィルタ(6、7、8)、画素マイクロレンズ(3)、低屈折率層(4)およびプレノプティックマイクロレンズ(5)を有する、
図28の横断面を示す図である。
【
図30】カラーフィルタが、プレノプティックマイクロレンズでグループ分けされ、画素マイクロレンズとプレノプティックマイクロレンズとの下の層に分布している構造であり、赤外線フィルタの役割も果たしうることを示す図である。
【
図31】カラーフィルタがプレノプティックマイクロレンズでグループ分けされ、さらに生成すべき必要な屈折率変化が色の通過に選択的であるような材料で出来ているとする第2の機能をプレノプティックマイクロレンズが有することを示す図である。
【
図32】カラーフィルタがプレノプティックマイクロレンズと画素マイクロレンズとでグループ分けされ、さらに生成すべき必要な屈折率変化が色の通過に選択的であるような材料で出来ているとする第2の機能をすべてのプレノプティックマイクロレンズ(プレノプティックおよび画素)が有することを示す図である。
【
図33.A】2つの隣接するマイクロレンズを通ってセンサ面の2つの隣接する画素に投影される物体空間内で2つの隣接する点物体の画像に関連する光輝分布であり、その結果、2つの重ならないエアリーディスクと、両方の画素間に配置された領域にそれらの間で干渉する2つのエアリーリングとがあることを示す図である。
【
図33.B】4つの隣接するマイクロレンズを通ってセンサ面の4つの隣接する画素に投影される物体空間内で4つの隣接する点物体の画像に関連する光輝分布であり、自然の光波によって生じる回折を避けるために画素は許容できる最小の寸法にまで小さくなっており、画素密度を増やすために、エアリーディスクのピーク(最大値)が隣接画素の光輝のゼロの上に配置されていることを示す図である。
【
図34】緑の画素と赤の画素の上の(青の上も同様)ベイヤーパターンの光輝分布であり、マイクロレンズ、フォトセンサの面積、およびフォトセンサ間の不透明領域が、メインローブ(エアリー円)がフォトセンサの領域で完全に反射され、第2および第3のローブ(第2および第3のエアリーリング)がフォトセンサのない不透明領域を生むような寸法になっていることを示す図である。
【
図35】
図34の断面図であり、(底部)フォトセンサ基板(1)、フォトセンサ(2)、緑カラーフィルタ(6)、赤カラーフィルタ(7)および画素マイクロレンズ(3)を示し、カラーフィルタ、フォトセンサが配置されていない基板領域に、金属層(バイアスおよび/または読み出し用)または他の不透明材料であり、フォトセンサの領域に完全に含まれる緑と赤の2つのエアリー円の光輝の大きさが示されていることを示す図である。
【
図36】四つ葉パターンで、画素間ノイズにより感受性の高いベイヤーパターンであり、斜めに互いに干渉する同じ色の画素がもっと多いことを示す図である。
【
図37】単位面積あたりの画素の密度を増やすために、光輝の第2・第3ローブが隣接画素と干渉することを許容することを示す図である。
【
図38】単位面積あたりの画素の密度をさらに増やすために、隣接画素のゼロにエアリーピークが来ることを許容し、メインローブのすべてのエネルギーがセンサにより用いられるわけではないことを許容し、異なる色の画素間の干渉がカラーフィルタにより最小化されることを示す図である。
【
図39】画素間ノイズの点で最も重要な画素は、同色(ベイヤーパターンでは緑)であり、斜めに隣接するものであり、これはその干渉がフィルタ処理できないからであることを示す図である。
【
図40】同色の隣接画素間の距離は、適用される、許容できる最大の信号/ノイズ比によって固定され、これは、エアリーがその第1ローブが同色(ベイヤーパターンでは2つの緑)のエアリー隣接画素の第1ローブとの干渉を始めると劇的に低下することを示す図である。
【
図41】同色のエアリー隣接画素間の距離は、適用される、許容できる最大の信号/ノイズ比によって固定され、これは、エアリーがその第1ローブが同色(ベイヤーパターンでは2つの緑)のエアリー隣接画素の第1ローブとの干渉を始めると劇的に低下し、これは、同色のエアリー隣接画素のフォトセンサの特定の幾何形状によって最小化でき、フォトセンサの正方形の頂点は、隣接領域に近い画素におけるフォトセンサの隣接画素のアクティブエリアを形成しないことを示す図である。