(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】部分的非対称増幅ラベルを用いた確率的整形振幅の伝送
(51)【国際特許分類】
H04L 27/26 20060101AFI20220117BHJP
H03M 13/25 20060101ALI20220117BHJP
【FI】
H04L27/26 310
H03M13/25
H04L27/26 410
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019136753
(22)【出願日】2019-07-25
【審査請求日】2019-11-18
(32)【優先日】2018-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-05-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513311642
【氏名又は名称】ノキア ソリューションズ アンド ネットワークス オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100141162
【氏名又は名称】森 啓
(72)【発明者】
【氏名】ヤニック ルフェーブル
【審査官】原田 聖子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0083716(US,A1)
【文献】国際公開第2018/121887(WO,A1)
【文献】特表2010-526518(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/26
H03M 13/25
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気アナログフロントエンドとデジタル信号プロセッサとを備えるデータ送信機を備える装置であって、
該デジタル信号プロセッサは、コンステレーション・シンボルストリームを生成するために、入力データストリームを冗長符号化し、前記電気アナログフロントエンドによって生成された1つ以上の変調された電気キャリアに、前記
コンステレーション・シンボルストリームのコンステレーション・シンボルを搬送させるために、前記電気アナログフロントエンドを駆動するように構成され、
前記デジタル信号プロセッサは、
第1のサブストリームおよび第2のサブストリームを生成するために、前記入力データストリームを逆多重化するように構成されたデマルチプレクサと、整形コードを前記第1のサブストリームに適用することによって、第1の符号化データストリームおよび第2の符号化データストリームを生成するように構成された整形エンコーダと、
前記コンステレーション・シンボルストリームのコンステレーション・シンボル振幅を選択するために前記第2の符号化データストリームを使用し、前記コンステレーション・シンボル振幅に適用される少なくともいくつかの符号を選択するために、前記第1の符号化データストリームおよび前記第2のサブストリームを使用するように
構成されたコンステレーションマッパーと
を備え、
前記デジタル信号プロセッサは、第1および第2の入力と出力とを有するXORゲートをさらに備え、
前記第1の入力は前記第1の符号化データストリームを受信するように接続され、
前記第2の入力は前記第2のサブストリームを含むデータストリームを受信するように接続され、
前記出力は前記コンステレーションマッパーに接続されており、
前記コンステレーションマッパーは、前記コンステレーション・シンボル振幅に適用される少なくともいくつかの符号を選択するために、前記出力から受信したビット値を使用するように構成される、
装置。
【請求項2】
前記第2のサブストリームにFEC符号を適用することによって、第3の符号化データストリームを生成するように構成されたFECエンコーダをさらに備え、前記コンステレーションマッパーは、前記コンステレーション・シンボル
ストリームの前記コンステレーション・シンボル振幅を選択する前記第3の符号化データストリームを使用するようにさらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記FECエンコーダは、低密度パリティ検査符号を使用するように構成される、
請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記整形エンコーダは、前記整形コードを前記第1のサブストリームに適用することによって第4の符号化データストリームを生成するようにさらに構成され、前記FECエンコーダは、さらに、前記FEC符号を前記第4の符号化データストリームに適用することによって、前記第3の符号化データストリームを生成するように構成されている、
請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記デマルチプレクサは、さらに、第3のサブストリームを生成するために前記入力データストリームを逆多重化するように構成され、前記FECエンコーダは、また、前記FEC符号を前記第3のサブストリームに適用することによって、前記第3の符号化データストリームを生成するようにさらに構成される、
請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記コンステレーションマッパーは、前記コンステレーション・シンボル振幅に適用される前記符号の少なくともいくつかを選択するために、前記第3の符号化データストリームを使用するようにさらに構成される、
請求項2に記載の装置。
【請求項7】
FEC符号を前記第2のサブストリームに適用することによって、第3の符号化データストリームを生成するように構成されたFECエンコーダをさらに備え、
前記コンステレーションマッパーは、さらに、前記コンステレーション・シンボル振幅に適用される前記符号のうちの少なくともいくつかを選択するために、前記第3の符号化データストリームを使用するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記コンステレーションマッパーは、前記第2の符号化データストリームによって供給される固定数のビットと前記第2のサブストリームによって供給される固定数のビットとを有するビットワードを使用してコンステレーション・シンボル振幅を選択するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記コンステレーションマッパーは、異なるバイナリラベルが、異なるそれぞれのコンステレーション・シンボルに対応するバイナリラベルのセットを使用してコンステレーションマッピングを実行するように構成され、
各バイナリラベルはそれぞれの符号部分とそれぞれの振幅部分とを含み、
前記振幅部分は、コンステレーション原点に関して対称的である任意の対のコンステレーション・シンボルに対して、前記振幅部分の特定のビットのそれぞれの値が、2進数の0および2進数の1を含むようになっている、
請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記デジタル信号プロセッサは、前記コンステレーション・シンボルストリームを分割することによって、複数のコンステレーション・シンボルサブストリームを生成するように構成されたキャリアマッパーをさらに備え、
前記デジタル信号プロセッサは、前記電気アナログフロントエンドによって生成された複数の前記変調された電気キャリアに、前記複数の前記コンステレーション・シンボルサブストリームを搬送させるために、前記電気アナログフロントエンドを駆動するように構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項11】
モデムをさらに備え、該モデムは前記データ送信機を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
サービス配信ユニットをさらに含み、該サービス配信ユニットは前記データ送信機を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
電気アナログフロントエンドおよびデジタル信号プロセッサを含むデータ受信機を備える装置であって、
該デジタル信号プロセッサは、前記電気アナログフロントエンドによって出力された受信電気信号の1つ以上の
変調された電気キャリアを表し、コンステレーションの送信されたコンステレーション・シンボルのストリームに対応する値のストリームを処理するように構成され、
該デジタル信号プロセッサは、送信されたコンステレーション・シンボルの前記ストリームにおいて冗長符号化され、
前記1つ以上の変調された電気キャリアによって搬送されるソースデータストリームを回復するために、
前記値のストリームを冗長復号化するように構成され、
前記デジタル信号プロセッサは、
前記値のストリームのそれぞれを前記コンステレーションにマッピングすることによって、第1のデータストリームおよび第2のデータストリームを生成するように構成されたコンステレーション・デマッパーであって、前記第1のデータストリームは、前記マッピングによって決定されたコンステレーション・シンボルのバイナリラベルの符号ビットを搬送し、前記第2のデータストリームは、前記マッピングによって決定された前記コンステレーション・シンボルの前記バイナリラベルの振幅ビットを搬送するものである、コンステレーション・デマッパーと、
前記第1および第2のデータストリームを使用して生成されたビットワードのストリームを復号することによって、前記ソースデータストリームの第1のサブストリームを回復するように構成される整形デコーダであって、該復号は、整形コードを用いて実行されるものである、整形デコーダと、を備え、
前記デジタル信号プロセッサは、第1および第2の入力と出力とを有するXORゲートをさらに備え、
該第1の入力は前記第1のデータストリームを受信するように接続され、
該第2の入力は第3のデータストリームを受信するように接続され、
該第3のデータストリームは、前記値のストリームに基づいて生成されたものであり、
ビットワードの前記ストリームは、前記XORゲートの前記出力において生成されたビット値を含む、
装置。
【請求項14】
前記値のストリームを復号するために、
FEC符号を適用することによって、前記ソースデータストリームの第2のサブストリームを回復するように構成されたFECデコーダをさらに備え、
前記コンステレーション・デマッパーは、さらに、前記マッピングを実行するために前記FECデコーダの出力を使用するように構成される、
請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記FECデコーダは、低密度パリティ検査符号を使用するように構成されている、
請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記FECデコーダは、
前記値のストリームを復号することによって回復されたパリティビットを破棄し、
前記値のストリームを復号することによって回復された情報ビットを再符号化することによって、前記パリティビットを再生成し、前記再生成されたパリティビットをコンステレーション・デマッパーに向ける
ように構成される、
請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記デジタル信号プロセッサは、第1および第2の入力と出力とを有する
XORゲートをさらに備え、
該第1の入力は前記第1のデータストリームを受信するように接続され、
該第2の入力は第3のデータストリームを受信するように接続され、
該第3のデータストリームは、前記FECデコーダにより、
前記値のストリームを復号することによって生成されたものであり、
ビットワードの前記ストリームは、前記
XORゲートの前記出力において生成されたビット値を含む、
請求項14に記載の装置。
【請求項18】
モデムをさらに備え、該モデムは前記データ受信機を含む、
請求項13に記載の装置。
【請求項19】
サービス配信ユニットをさらに含み、該サービス配信ユニットは前記データ受信機を含む、
請求項13に記載の装置。
【請求項20】
電気アナログフロントエンドとデジタル信号プロセッサとを備えるデータ送信機を備える装置であって、
該デジタル信号プロセッサは、コンステレーション・シンボルストリームを生成するために、入力データストリームを冗長符号化し、
前記電気アナログフロントエンドによって生成された1つ以上の変調された電気キャリアに、前記コンステレーション・シンボルストリームのコンステレーション・シンボルを搬送させるために、前記電気アナログフロントエンドを駆動するように構成され、
前記デジタル信号プロセッサは、第1のサブストリームおよび第2のサブストリームを生成するために、前記入力データストリームを逆多重化するように構成されたデマルチプレクサと、
整形コードを前記第1のサブストリームに適用することによって、第1の符号化データストリームおよび第2の符号化データストリームを生成するように構成された整形エンコーダと、
前記コンステレーション・シンボルストリームのコンステレーション・シンボル振幅を選択するために前記第2の符号化データストリームを使用し、
前記コンステレーション・シンボル振幅に適用される少なくともいくつかの符号を選択するために、前記第1の符号化データストリームおよび前記第2のサブストリームを使用するように構成されたコンステレーションマッパーを備え、
デジタル信号プロセッサは、第1および第2の入力と出力とを有する論理ゲートをさらに備え、
前記第1の入力は前記第1の符号化データストリームを受信するように接続され、
前記第2の入力は前記第2のサブストリームに対応するデータストリームを受信するように接続され、
前記出力は前記コンステレーションマッパーに接続されており、
前記コンステレーションマッパーは、コンステレーション・シンボル振幅に適用される少なくともいくつかの符号を選択する前記出力から受信したビット値を使用するように構成され、
前記論理ゲートがXORゲートを含み、
前記装置は、
第2のサブストリームにFEC符号を適用することによって、第3の符号化データストリームを生成するように構成されたFECエンコーダをさらに備え、
前記コンステレーションマッパーは、前記コンステレーション・シンボルストリームの前記コンステレーション・シンボル振幅を選択する前記第3の符号化データストリームを使用するようにさらに構成され、
前記FECエンコーダは、低密度パリティ検査符号を使用するように構成される、
装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
光通信機器に関し、より詳細には、排他的ではないが、確率的信号整形および任意選択の前方誤り訂正(FEC)を使用して通信信号を送受信するための方法および装置に関する。
[関連出願への相互参照]本出願は、2018年2月2日に出願され、「確率的信号整形および前方誤り訂正を使用したレイヤードコーディング」と題された米国仮特許出願第62/713,822号の利益を主張する。その出願の全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
このセクションは、本開示のよりよい理解を容易にするのに役立ち得る態様を紹介する。したがって、この節の記載はこの観点から読まれるべきであり、先行技術にあるものまたは先行技術にないものについての承認として理解されるべきではない。
【0003】
信号整形は、しばしば整形利得と呼ばれるエネルギー節約を提供することができる。信号整形の典型的な実施では、比較的大きいエネルギーのコンステレーション・シンボルは、比較的小さいエネルギーのコンステレーション・シンボルよりも少ない頻度で送信される。線形通信チャネルの場合、整形ゲインは理論的に1.53dBに近づくことがある。
【0004】
代表的な体系的FEC符号は、入力ビット列に対応する組のパリティビットを付加することによって入力ビット列を拡張ビット列(FEC符号語)に変換するために使用される。いくつかの高性能FEC符号は、低密度パリティ検査(LDPC)符号である。LDPC符号は、各行および各列に比較的少数の非ゼロ要素を有するパリティ検査行列を有する線形ブロック符号である。LDPCデコーダは、復号中にソフト情報を使用することができ、その情報は、例えば、ビタビ・アルゴリズム(Viterbi algorithm)、バール-コック-ジェリネク-ラビブ・アルゴリズム(Bahl-Cocke-Jelinek-Raviv algorithm)、または、確率伝搬アルゴリズム(belief-propagation algorithm)などのソフト出力アルゴリズムに依存する、ソフト情報検出器によって生成することができる。
【0005】
周波数分割多重化(FDM)は、有線、無線、および光通信チャネルで使用することができる複数の搬送周波数でデータを送信する方法である。FDMのさまざまな変更は、広帯域デジタル通信、デジタルテレビ、オーディオ放送、デジタル加入者線(DSL)またはG.fastまたはG.mgfastインターネットアクセス、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ホームネットワーク、4Gまたは5Gモバイル・アクセスネットワークなどのさまざまな形式で使用される。典型的には集合的にマルチトーン(DMT)変調と呼ばれるFDMのいくつかの変形は、例えば普通電話サービス(POTS)銅配線、同軸ケーブルおよび/または電力線の上で確立された有線通信チャネルにおいて使用される。いくつかのFDM方式は直交周波数分割多重化(OFDM)を使用する。
【0006】
少なくともいくつかの通信システムは、信号整形、順方向誤り訂正、および/または周波数分割多重化の様々な組み合わせおよびサブコンビネーションの使用から利益を得ることができる。
【発明の概要】
【0007】
本明細書で開示されるのは、部分的に非対称の振幅ラベルを使用するコンステレーションが送信に適用される符号を決定するためにも使用されるような形で、確率的に成形された振幅を送信するために使用される通信システムの様々な実施形態である。例示的な実施形態では、データ送信機は、FECコードによって生成されたパリティを選択された振幅ビットに配置するために、適切な論理機能(例えば、XOR機能)を使用するように、一方、そのパリティを送信されたコンステレーション・シンボルの符号ビットに配置することを避けるために、部分的に反対称の振幅ラベルを使用するように構成される。いくつかの実施形態では、FEC符号は低密度パリティ検査符号とすることができる。いくつかの実施形態は、例えば外側FECコードおよび内側FECコードを用いることなど、階層化FECコーディングと互換性がある。いくつかの実施形態では、FEC符号化は任意選択であり得る。いくつかの実施形態は、銅配線を介してDSLアクセスまたはG.fastアクセスを提供するシステムなど、DMT変調に依存する通信システムで有利に使用することができる。
【0008】
開示されたデータ送信機と両立するデータ受信機も開示されている。
【0009】
例示的な実施形態によれば、電気アナログフロントエンドとデジタル信号プロセッサとを備えるデータ送信機を備える装置が提供される。このデジタル信号プロセッサは、入力データストリームを冗長符号化して、コンステレーション・シンボルストリームを生成し、アナログフロントエンドを駆動して、アナログフロントエンドによって生成された1つ以上の変調電気キャリアに、コンステレーション・シンボル・ストリームのコンステレーション・シンボルを搬送させるように構成される。デジタル信号プロセッサは、入力データストリームを逆多重化して第1のサブストリームと第2のサブストリームとを生成するように構成されたデマルチプレクサと、整形符号を第1のサブストリームに適用することによって、第1の符号化データストリームおよび第2の符号化データストリームを生成するように構成された整形エンコーダと、第2の符号化データストリームを使用して、コンステレーション・シンボル・ストリームのためのコンステレーション・シンボル振幅を選択し、第1の符号化データストリームおよび第2のサブストリームを使用して、コンステレーション・シンボル振幅に適用される少なくともいくつかの符号を選択するように構成されたコンステレーションマッパーと、を備える。
【0010】
別の例示的な実施形態によれば、デジタル信号プロセッサは、電気アナログフロントエンドによって出力され、コンステレーションの送信コンステレーション・シンボルのストリームに対応する受信された電気信号の1つ以上の変調キャリアを表す値のストリームを処理するように構成され、デジタル信号プロセッサは、値のストリームを冗長復号化して、送信されたコンステレーション・シンボルのストリーム内に冗長符号化され、そして、1つ以上の変調された電気キャリアによって搬送されるソースデータストリームを回復するように構成される、電気アナログフロントエンドおよびデジタル信号プロセッサを備えるデータ受信機を備える装置が提供される。ここで、デジタル信号プロセッサは、値のストリームの各々をコンステレーションにマッピングすることによって第1のデータストリームと第2のデータストリームとを生成するように構成されたコンステレーション・デマッパーであって、第1のデータストリームは、マッピングによって決定されたコンステレーション・シンボルのバイナリラベルの符号ビットを搬送し、第2のストリームは、マッピングによって決定されたコンステレーション・シンボルの前記バイナリラベルの振幅ビットを搬送する、コンステレーション・デマッパーと、第1および第2のデータストリームを使用して生成されたビットワードのストリームを復号することによって、ソースデータストリームの第1のサブストリームを回復するように構成された整形デコーダであって、復号は、整形コードを用いて実行されるものである、整形デコーダと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
開示された様々な実施形態の他の態様、特徴、および利点は、例として、以下の詳細な説明および添付の図面からより明確になる。
【
図1】
図1は、様々な実施形態を実施することができるDMTシステムのブロック図を示す。
【
図2】
図2は、一実施形態による
図1のDMTシステムで使用することができる送信機のブロック図を示す。
【
図3】
図3は、
図1のDMTシステムで使用することができる受信機のブロック図を示す。
【
図4】
図4は、一実施形態による
図2の送信機において使用することができるデジタル回路のブロック図を示す。
【
図5A】
図5Aは、一実施形態による
図4のデジタル回路を実装するために使用することができる例示的なラベル付け方式を示す図である。
【
図5B】
図5Bは、一実施形態による
図4のデジタル回路を実装するために使用することができる例示的なラベル付け方式を示す図である。
【
図6】
図6は、一実施形態による
図3の受信機において使用することができるデジタル回路のブロック図を示す。
【
図7】
図7は、別の実施形態による
図2の送信機において使用することができるデジタル回路のブロック図を示す。
【
図8】
図8は、別の実施形態による
図3の受信機で使用することができるデジタル回路のブロック図を示す。
【
図9】
図9は、更に別の実施形態による
図2の送信機において使用することができるデジタル回路のブロック図を示す。
【
図10】
図10は、代替的な実施形態による
図9のデジタル回路のブロック図を明示的に示す。
【
図11】
図11は、更に別の実施形態による
図3の受信機において使用することができるデジタル回路のブロック図を示す。
【
図12】
図12は、更に別の実施形態による
図3の受信機において使用することができるデジタル回路のブロック図を示す。
【
図13】
図13は、いくつかの符号化方式の、ある性能特性をグラフィカルに比較している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、米国特許第10,091,046号および第10,200,231号、ならびに米国特許出願第15/817,537号に開示される1つ以上の特徴の使用から利益を受け得る。これらのそれぞれの参照により、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0013】
以下の頭字語/略語は、様々な実施形態の説明および/または添付の図面において使用されている。
【0014】
ADC:アナログ-デジタルコンバータ
AFE:アナログフロントエンド
ARQ:自動リピート要求
AWGN:加算性ホワイト・ガウスノイズ
CPE:顧客宅内機器
CRC:巡回冗長検査
DAC:デジタル-アナログコンバータ
DMT:ディスクリート・マルチトーン
DMUX:デマルチプレクサ
DPU:ディストリビューション・ポイント・ユニット
DSP:デジタル・シグナル・プロセッサ
DSL:デジタル加入者線
DTU:データ転送ユニット
FDM:周波数分割多重化
FEC:順方向エラー修正
FFT:高速フーリエ変換
FIFO:固定イン/固定アウト
FIVO:固定イン/可変アウト
IFFT:逆高速フーリエ変換
IQ:同相/直角位相
I/O:入出力
LAN:ローカルエリア・ネットワーク
LCM:LDPC符号化変調
LDPC:低密度パリティチェック
LLR:対数尤度比
LSB:最下位ビット
MSB:最上位ビット
MUX:マルチプレクサ
OFDM:直交周波数分割多重化
PAM:パルス振幅変調
PAS:確率的振幅整形
POTS:普通の電話サービス
QAM:直交振幅変調
RF:無線周波数
RS:リードソロモン
Rx:レシーバー
SNR:S/N比
TCM:トレリス符号化変調
Tx:送信機
VIFO:可変入力/固定出力
VIVO:可変イン/可変アウト
XOR:排他的論理和
【0015】
図1は、様々な実施形態を実施することができるDMTシステム100のブロック図を示す。システム100は、
図1に示すように、加入者線140
1-140
nを介して接続された分配ポイント装置(DPU)110と複数の顧客構内設備(CPE)ユニット150
1-150
nとを含む。いくつかの実施形態において、DPU110は、サービスプロバイダ(例えば、電話会社)の「中央局」に配置することができる。いくつかの他の実施形態では、DPU110は、1つ以上のバックホール(例えば、光)リンクを使用して、電話局よりも加入者宅に近い場所に、遠隔に配置することができ、対応する装置は、街頭のキャビネット、ポール、建物の地下などに物理的に配置することができる。CPEユニット150
1-150
nは、通常、それぞれ異なる顧客サイトに配置されている。
【0016】
加入者線1401-140nのそれぞれは、典型的には、データサービスに対応する信号を送信するように構成されたそれぞれの「ツイストペア」ケーブルを含む。いくつかの実施形態では、POTSまたはISDN信号などのレガシー信号は、ツイストペアケーブルを介して送信されるデータサービス信号と周波数多重化することができる。DPU110において、加入者線1401-140nの各々は、入力/出力(I/O)ポート1381-138nのそれぞれ1つに接続されている。CPE側では、加入者線1401-140nのそれぞれは、それぞれがCPEユニット1501-150nのそれぞれの1つのI/OポートであるI/Oポート1421-142nのそれぞれに同様に接続されている。
【0017】
例示的実施形態では、DPU110は複数のトランシーバ(120
i/130
i)を含み、各トランシーバはI/Oポート138
1-138
n(i=1、2、…、n)のそれぞれ1つに内部接続されている。トランシーバ(120
i/130
i)は、それぞれの送信機120
iとそれぞれの受信機130
iとを含む。CPEユニット150
iは、そのCPEユニットのI/Oポート142
iに内部接続されたトランシーバ(160
i/170
i)を含む。トランシーバ(160
i/170
i)は、それぞれの送信機160
iとそれぞれの受信機170
iとを含む。送信機160
iは、送信機120
iと機能的に同様であり得る。受信機170
iは、受信機130
iと機能的に同様であり得る。送信機120、160の例示的な実施形態は、
図2、4、7、9および10を参照して、以下により詳細に説明される。受信機130、170の例示的な実施形態は、
図3、6、8、11および12を参照して、以下に、より詳細に説明される。
【0018】
図2は、一実施形態によるシステム100(
図1)で使用することができる送信機200のブロック図を示す。送信機200は、デジタル信号プロセッサ(DSP)204、デジタル-アナログ変換器(DAC)230、およびアナログフロントエンド(AFE)240を備える。送信機200
1-120
nおよび/または160
1-160
n(
図1)のいくつかまたはすべてを実装するために送信機200の異なるインスタンスを使用できる。
【0019】
DSP204は、冗長データ符号化およびデジタル搬送波多重化を実行して、入力データストリーム202を符号化したデジタル出力信号222を生成するように動作する。DAC230は、デジタル信号222をアナログ形式に変換して、対応するアナログ電気無線周波数(RF)信号232を生成するように動作する。次に、AFE240は、信号232を加入者線140を介した送信に適した形式に変換し、得られた変調電気信号242を対応するI/Oポート138または142に印加する。
【0020】
例示の実施形態では、DSP204は、電子エンコーダ210および逆高速フーリエ変換(IFFT)モジュール220を含む。電子エンコーダ210は、とりわけ、確率的信号整形、FEC符号化、およびコンステレーションを含む冗長データ符号化を実行し、および、それぞれ、異なるそれぞれの周波数の異なるそれぞれのトーン(搬送波)を使用して送信を目的としたコンステレーション・シンボルを搬送するコンステレーション・シンボル・シーケンス2121-212Kを生成するキャリアマッピングを実行する。次に、IFFTモジュール220は、関連技術で知られているように、逆フーリエ変換を使用してデジタル搬送波多重化を実行し、それによって、シーケンス2121-212Kを対応する時間領域デジタル信号222に変換する。特定の実施形態に応じて、送信機200で使用されるトーンの数Kは、100、1000、さらには1000以上のオーダーであり得る。
【0021】
電子エンコーダ210の例示的な実施形態は、
図4、7、9、および10を参照して、以下により詳細に説明される。
【0022】
AFE240は、従来の送信機AFE回路とすることができる。AFE240を実装するのに適した例示的な送信機AFE回路は、例えば、N.Stojkovicによる「ADSLアナログ・フロントエンド」、AUTOMATIKA、V.47(2006)、No.1-2、pp.59-67に、短くレビューされている。これは、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0023】
図3は、一実施形態によるシステム100(
図1)で使用することができる受信機300のブロック図を示す。受信機300は、AFE310、アナログデジタル変換器(ADC)320、およびDSP324を備える。受信機300の異なるインスタンスを使用して、受信機130
1-130
nおよび/または170
1-170
nの一部または全部を実装することができる(
図1)。
【0024】
AFE310は、対応するI/Oポート138または142を介して受信された変調された電気入力信号302を、ADC320におけるデジタル化に適した対応するアナログ電気RF信号312に変換するように動作する。AFE310の入力信号302に適用される典型的なアナログ信号処理には、増幅とフィルタリングが含まれる。AFE310を実装するのに適した例示的な受信機AFE回路は、例えば、N.Stojkovicによる前記の論文において簡単に概説されている。いくつかの実施形態では、同じトランシーバまたはモデムに属するAFE310およびAFE240は、クロッキングシステムおよび電気ハイブリッドなどのいくつかの回路要素を共有することができる。
【0025】
ADC320は、デジタルサンプル(値)の対応するシーケンス322を生成するために適切なサンプリングレートで信号312をサンプリングするように動作する。
【0026】
例示の実施形態では、DSP324は、高速フーリエ変換(FFT)モジュール330および電子デコーダ340を含む。FFTモジュール330は、関連技術分野で知られているように、フーリエ変換を使用して、デジタル搬送波逆多重化を実行し、それによって、シーケンス322を対応する周波数領域デジタルシーケンス332
1-332
Kに変換する。次に電子デコーダ340は、コンステレーションおよびキャリアデマッピング、誤り訂正、および冗長復号化を適用して、対応する送信機によって符号化されたデータストリーム202を、受信機300に入力信号302を受信させた出力信号242に回復する(
図2も参照)。回復されたデータストリーム202は、次に、デジタル出力信号342を介して外部回路に向けられる。
【0027】
電子復号器340の例示的な実施形態は、
図6、8、11、および12を参照して、以下でより詳細に説明される。
【0028】
ITU標準化は、最近、電力線通信のG.hn標準の発展と同様に、G.mgfastとも呼ばれる次世代DSL標準のの発展に向けた作業を始めた。これらの標準の両方に対して、新しい符号化および変調方式が検討されている。例えば、両方の標準に対して、多層符号化としても知られているLDPC符号化変調(LCM)は、現在のソリューションと比較して、性能を改善することができるFEC方式として使用され得る。
【0029】
性能をさらに改善するために使用することができる別の変調技術は、直交振幅変調(QAM)コンステレーションのような送信コンステレーションの「整形」である。例えば、従来の通信システムは、情報を送信するために正方格子上に一様に分布したQAM配置を使用する。この分布は、高い信号対雑音比(SNR)値に対する理論容量と比較して少なくとも1.53dBの性能ギャップをもたらす。確率的振幅整形(PAS)は、このパフォーマンスの差を縮小または縮小するために使用できる実用的な方法である。例えば、PASは、コンステレーショングリッド上のおおよそのマクスウェル-ボルツマン分布などのおおよそガウス様分布を有するようにコンステレーション・シンボルが送信される確率を修正することができる。他の整形方式と比較して、PASは、所与のチャネルの容量に合うように整形量を調整することができ、それを適切な既製のLDPC符号と組み合わせることができるという点で有利であり得る。
【0030】
以下の説明では、パルス振幅変調(PAM)フォーマットに焦点を当てる。2m-PAMコンステレーションは、一次元の線に沿って分布する2m個の異なるコンステレーションポイントを有する。ここでは、コンステレーションポイントが互いに等距離にあり、原点(ゼロ)の周りに対称的に配置されていると仮定する。各コンステレーションポイントは、mビット長の一意のバイナリラベルを使用してラベルを付けることができる。提示された説明のQAM変調への拡張は比較的簡単である。例えば、2つの2mPAMシンボルは、それぞれのPAMシンボルで独立して、QAMシンボルの2次元のそれぞれを変調することによって22m-QAMシンボルを構築するために組み合わせることができる。
【0031】
バイナリラベルの異なるビットに、バイナリラベルの全体的な値に関して、それぞれ異なる「重要度」を割り当てることができる。例えば、その割り当ては、より重要なビットの値を「1」から「0」に変更することが、同じことが行われる場合と比較して、平均して、元のコンステレーションポイントからより遠いコンステレーションポイントにつながるようになり得る。このラベリングスキームの下では、異なるコンステレーション・ポイントのバイナリラベルを、以下に説明する符号化およびマッピングに適した方法で、最下位ビット(LSB)および最上位ビット(MSB)の重ならないセットに解析することができる。
【0032】
本明細書に開示されているいくつかの例示的な実施形態は、上で引用した米国特許第10,091,046号に開示されている特定のエンコーダおよび/またはデコーダの非自明な修正に基づくものと見なすことができる。より具体的には、米国特許第10,091,046号は、特に、バイナリラベルの(c-1)個のLSBが、符号ビットと共にLDPC符号によって符号化され、バイナリラベルの(m-c)MSB(符号ビットを除く)は、LDPCコードによって符号化されないままであるPAS-LCM方式を開示している。LDPC符号によって生成された全てのパリティビットは、符号ビット(の一部)に配置される。
【0033】
このPAS-LCM方式の1つの特長は、符号ビットがLDPCコードによって保護されていることである。しかし、比較的頻繁には、符号ビットは、そのような保護を必要としない。例えば、それらが送信されたバイナリラベルの最も信頼できるビットである傾向があるからである。状況によっては、後者の特性により、従来のLCM方式のパフォーマンスと比較してパフォーマンスがいくらか低下する結果となり得る。
【0034】
以下に開示される例示的な実施形態は、(i)元のビット値を置き換えるためにPAS符号化ラベルの選択されたLSB位置にパリティビット値を配置すること、(ii)適切な論理関数(例えば、XOR関数)を前記元のビット値および前記パリティビット値に適用して符号ビット値を生成することによって、最先端技術における上記の問題、および、おそらく他の関連問題に対処できる。その結果、上記のパフォーマンス低下の可能性を、有益に軽減または完全に回避することができる。例示的な実施形態の他の可能性のある性能上の利点は、
図13を参照して以下に説明される。
【0035】
図4は、一実施形態による送信機200(
図2)で使用することができるデジタル回路400のブロック図を示す。より具体的には、回路400は電子エンコーダ210の一部とすることができ、入力データストリーム402をコンステレーション・シンボルの出力ストリーム452に変換するように構成される。ここで、振幅が異なるコンステレーション・シンボルは、整形エンコーダ410により適用される符号化によって異なる発生率をそれぞれ有する。いくつかの実施形態では、電子エンコーダ210は、互いに並列に接続された回路400の2つ以上のインスタンス(ノミナル・コピー)を含むことができる。
【0036】
入力データストリーム402は、データ転送ユニット(DTU)またはフレームを搬送するように構成されることができ、それらの各々は、送信、および必要であれば、全体としての再送信を目的とする構造化データブロックである。典型的なDTUは、DTUヘッダ、ペイロード部分、および巡回冗長検査(CRC)部分を含む。いくつかの実施形態では、データストリーム402はDTU全体を搬送することができない。例えば、複数の並列回路400が使用される場合、各回路400は、同じDTUの異なる部分が、回路400の異なるそれぞれのインスタンスによって処理されるように、DTUのそれぞれの部分を処理するように構成されることができる。当業者は、入力データストリーム202(
図2)を用いて入力データストリーム402を生成する方法を容易に理解する。
【0037】
出力ストリーム452は通常、コンステレーション・シンボルシーケンス212
1-212
Kの間で、1つ以上の回路400から受信されたコンステレーション・シンボルを分散配置するように動作するキャリアマッパーに向けられる。既に上述したように、コンステレーション・シンボルシーケンス212
1-212
Kの各々は、変調電気信号242の異なるそれぞれの周波数成分を使用して送信される(
図2参照)。
【0038】
回路400は、入力データストリーム402を分割してデータストリーム406および408を生成するデマルチプレクサ(DMUX)404を含む。データストリーム406は、整形エンコーダ410に適用される。データストリーム408のコピーは、
図4に示すように、LDPCエンコーダ420およびマルチプレクサ(MUX)440に適用される。データストリーム406および408の相対ビットレートは、整形エンコーダ410およびLDPCエンコーダ420で使用されるコードのレートによって、および、コンステレーションマッパー450で使用されるコンステレーションのサイズによって決定される。
【0039】
例示的な実施形態では、整形エンコーダ410は、固定サイズ/入力サイズ(FIFO)の確率的信号整形を実行するように構成され、その下で、入力データ406の固定サイズブロックは、出力シーケンス412のビットワードの固定サイズセットに変換される。典型的には、入力データ406の統計的特性は、ランダムまたは擬似ランダムデータシーケンスのそれと同様である。しかしながら、出力シーケンス412内の異なるビットワード値は、整形エンコーダ410によって使用される整形コードによって決まる異なるそれぞれの発生率を有する。異なる実施形態では、整形コードは、出力シーケンス412に任意の選択されたビットワード値の分布を持たせるように構成され得る。そのような分布のいくつかの例は、近似指数分布、近似ガウス分布、および近似マクスウェル-ボルツマン分布を含む。ただし、これらに限定されるものではない。入力データ406を冗長符号化することによって、整形コードが、ビットワード値の所望の分布を達成することを当業者は理解する。
【0040】
いくつかの実施形態では、整形エンコーダ410は、入力データ406によって供給されるビット数と対応する出力シーケンス412内のビットワード数との間の比が一定のままであり、整形エンコーダが適切な初期化手順を実行した後の入力データ406のサイズまたはバイナリの内容には依存しないように、前述のFIFO変換を「ストリーミング」方式で実行するように構成され得る。この特徴は、入力データブロックのサイズまたはビットワードの出力セットのサイズのいずれか、あるいはその両方が、入力データブロックのの2進数の内容に依存することができるいくつかの他の確率的信号整形方式の対応する特徴とは異なる。入力データブロックそのような確率的信号整形方式の様々な変形は、関連文献においてしばしば、可変イン/固定アウト(VIFO)、固定イン/可変アウト(FIVO)、および、可変イン/可変アウト(VIVO)スキームと呼ばれる。
【0041】
いくつかの実施形態では、整形エンコーダ410は、VIFO整形コードを使用して出力シーケンス412を生成するように構成され得る。
【0042】
当業者であれば、整形エンコーダ410で使用される整形コードと、コンステレーション・マッパー450で使用されるコンステレーションとは、互いに互換性があるように設計および構成されていることを理解する。この互換性を確実にするために考慮に入れられるパラメータのいくつかは、同じ変調次数mの使用、および整形振幅および対応するコンステレーション・ポイントに対する互換バイナリラベルの使用を含む。しかし、これらに限定されるものではない。m=3の場合のそのような互換性の一例は、
図5A-5B図を参照して以下により詳細に説明される。
【0043】
ビットワードパーサ414は、シーケンス412の各ビットワードをより短いビットワードに解析するように動作する。例えば、シーケンス412のビットワード長が(m-1)ビットである場合、各ビットワードの(m-1-c)個のMSBが解析済みシーケンス416の対応するビットワードを形成するために使用され、各ビットワードの残りのLSBは、解析されたシーケンス417および418を形成するために使用される。より具体的には、前記LSBの最上位ビットはシーケンス417に導かれ、残りの(c-1)LSBはシーケンス418に導かれる。ここで、mは、コンステレーションマッパー450で使用されるコンステレーションの各コンステレーション・シンボルに符号化されているビット数を示す。
【0044】
図4は、シーケンス412のビットワードがその中でどのように解析されているかを図示するビットワードパーサ414の出力インタフェース415を示す。図示されるように、各ビットワードは、以下のように表される(m-1)ビットを有する。
(u
1 u
2…u
Nu L l
1 l
2…l
Nl) (1)
ここで、u
1、u
2、…u
NuはビットワードのN
uMSBを表す。L、l
1、l
2、…、l
Nlはビットワードの(N
l+l)個のLSBを示す。Lは(N
l+l)個のLSBの最上位ビットを表す。数N
uおよびN
lは、式(2)を満たす正の整数である。
N
u+N
l+l=m-l (2)
ビットワード(u
1、u
2、…u
Nu)はシーケンス416に使用される。ビットLはシーケンス417に使用される。ビットワード(l
1、l
2、…、l
Nl)はシーケンス418に使用される。
【0045】
LDPCエンコーダ420は、データストリーム408およびシーケンス418のコピーを使用して、ビットブロックを形成し、これに、LDPCエンコーダは動作可能なLDPC符号を適用して、対応するパリティビットブロックを生成する。パリティビットのブロックは直列化されて、データストリーム422を形成する。
【0046】
MUX440は、データストリーム408および422を多重化して対応するデータストリーム442を生成する。バッファ4304は、MUX440に適用される前に、データストリーム408および422を時間的に適切に整列させるように動作する。データストリーム442の2つのコピーは、それぞれXORゲート432およびコンスタレーションマッパー450に適用される。XORゲート432も、シーケンス417を受信する。バッファ4301は、XORゲート432に適用する前に、シーケンス417とデータストリーム442とを時間的に適切に整列させるように動作する。XORゲート432は、それぞれシーケンス417およびデータストリーム442からのビットの各ペアにXOR演算を適用し、これにより、出力データストリーム436が生成され、コンスタレーションマッパー450に送られる。コンステレーションマッパー450はまた、シーケンス416および418を受信し、これらはそれぞれバッファ4302および4303に適切にバッファリングされて、コンステレーションマッパーによって受信された他の入力(例えば、436、442)と時間的に整列される。
【0047】
上記の時間調整は、例えば、DMUX404とコンステレーションマッパー450との間の異なる信号処理経路における異なる処理遅延を考慮するために実行される。当業者は、これらの遅延の大部分が典型的には、整形エンコーダ410およびLDPCエンコーダ420において実行される処理によって引き起こされることを理解する。
【0048】
コンステレーションマッパー450は、動作可能な2
m-PAMコンステレーションを使用して、シーケンス416および418ならびにデータストリーム436および442を出力ストリーム452に変換する。ここで、各コンステレーション・シンボルはmビットを符号化する。
図4は、コンステレーションマッパ450の入力インタフェース448を示し、これは、その中にマッピングされているビットワードが、コンステレーションマッパによって受信された様々な入力からどのように構築されるかを図で示す。図示されるように、各ビットワードは以下のように表されるm個のビットを有する。
(s u
1 u
2…u
Nu L’ l
1 l
2…l
Nl) (3)
ここで、sはビットワードの符号ビットを表す。u
1、u
2、…、u
Nuは、ビットワードのN
uMSBを示す(符号ビットを除く)。L’、l
1、l
2、…、l
Nlはは、ビットワードの(N
l+l)個のLSBを示す。L’は、(N
l+l)個のLSBの最上位ビットを表す。符号ビットsは、データストリーム436の対応するビットによって提供される。ビットワード(u
1、u
2、…、u
Nu)は、シーケンス416の対応するビットによって提供される。ビットL’は、データの対応するビットによって提供される。ビットワード(l
1、l
2、…、l
Nl)は、シーケンス418の対応するビットによって提供される。
【0049】
式(1)および(3)を比較すると、パーサ414とコンステレーションマッパー450との間に配置された回路によって実行されるビットワード変換が明らかになる。より具体的には、式(3)に示されたビットワードの符号なし振幅ラベル(s u1 u2…uNu L’ l1 l2…lNl)は、式(1)の符号なし振幅ラベル(u1 u2…uNu L l1 l2…lNl)のビットLをストリーム442からのそれぞれのビットL’によって置き換えることにより得られる。後者のビットは、LDPCエンコーダ420によって生成されたパリティビットまたはデータストリーム408からの情報ビットのいずれかであり得る。符号なし振幅ラベルのための符号ビットsは、式(4)に従って生成される。
s=LXORL’ (4)
次に、コンステレーションマッパー450の符号付き振幅ラベル(s u1 u2…uNu L’ l1 l2…lNl)が、符号なしビットsを符号なし振幅ラベル(u1 u2…uNu L’ l1 l2…lNl)の前に付加することによって生成される。
【0050】
いくつかの実施形態では、回路400は、(例えば、十分な数のそのようなパリティビットが生成された場合)パリティビット422のみを使用してL’ビットを埋めるように構成され得る。そのような実施形態では、バッファ4304およびMUX440を除去することができ、パリティストリーム422をデータストリーム442の代わりに使用することができる。当業者は、ストリーム422に対してLDPCエンコーダ420によって生成されるパリティビットの数は、とりわけ、その中で使用されるLDPC符号のレートおよび数N1に依存することを理解する。
【0051】
いくつかの実施形態では、数Nuはゼロであり得る(すなわち、Nu=0)。そのような実施形態では、バッファ4302を削除することができ、シーケンス416は、ビットワードパーサ414によって生成されず、コンステレーションマッパ450によって使用されることができない。
【0052】
いくつかの実施形態において、数Nlはゼロであり得る(すなわち、Nl=0)。そのような実施形態では、バッファ4303を除去することができ、シーケンス418をビットワードパーサ414によって生成することはできず、LDPCエンコーダ420およびコンステレーションマッパー450によって使用することはできない。
【0053】
図5A-
図5Bは、一実施形態による回路400で使用することができる例示的なラベル付け方式を示す。より具体的には、
図5Aは、コンステレーションマッパー450で使用される2
m-PAMコンステレーション500を、各コンステレーションポイントの隣に示されている対応するバイナリラベルとともに、示す。
図5Bは、整形エンコーダ410およびコンステレーション500で使用される振幅ラベル間の関係を示す。この例では、m=3、N
u=0、および、N
l=1である。
【0054】
図5Aを参照すると、コンステレーション500内の各バイナリラベルは、3ビットのビットワードである。式(3)によると、対応するビットワードフォーマットは以下の通りである。
(s L’l
l) (5)
コンステレーション500における二値ラベルの検査は、ビットL’の値が、原点に関して反対称であることを明らかにする。対照的に、ビットl
lの値は原点に関して対称的である。従前通り、符号ビットsの値は原点に関して反対称である。当業者であれば、コンステレーション500内のバイナリラベルの個々のビットのこれらの対称性を使用して、最適なLCM構成を実施することができることを理解する。
【0055】
図5に示す2
m-PAMコンステレーション500’は、整形エンコーダ410で使用されるコンステレーションである。式(1)に示すように、コンステレーション500’内の符号なし振幅ラベルは以下のフォーマットを有する。
(L l
l) (6)
コンステレーション500’内のバイナリラベルの検査は、ビットLの値が原点に関して対称的であることを明らかにする。ビットl
lの値も原点に関して対称であり、コンステレーション500(
図5A)と同じである。当業者であれば、コンステレーション500’内のバイナリラベルの個々のビットのこれらの対称性は、PAS符号化にとって典型的であることを理解する。ここで、例えば、PAS(整形)エンコーダによる符号ビットが生成されないので、対応するマッピングは、原点に関して暗黙的に対称である。
【0056】
図5Aおよび
図5Bに示されるように、コンステレーション500および500’における2進ラベルの2つのLSBの対称性の違いに留意する。
【0057】
実際には、XORゲート432を回路400内で使用して、コンステレーション500’のラベリングをコンステレーション500のラベリングに変換し、それによって、その中で実施されるLCM符号化に最適にする。以下のコンステレーション・ポイント500’の
図5Bに示す2つのビット列は、そのような変換が実際に行われることを容易に検証するために使用することができる。これら2つのビット列のうちの最初のものは、各コンステレーション・ポイントについてのビットL’の値を示す。これらの値は
図5A(式(5)も参照)と同じである。これら2つのビット列のうちの第2のものは、各コンステレーションポイントに対するの値(sXORL’)を示す(再度、式(5)を参照)。前記第2のストリング内の値がコンステレーション500’内のビットLの値と同じであること(式(6)も参照)、すなわち、L=sXORL’であることは明らかである。後者がs=LXORL’として等価的に表現されることができ、それが符号ビットsについての明白な式を与えることは容易に検証することができる。
【0058】
図6は、一実施形態による受信機300(
図3)で使用することができるデジタル回路600のブロック図を示す。より具体的には、回路600は、電子デコーダ340の一部とすることができる。いくつかの実施形態では、電子デコーダ340は、互いに並列に接続された回路600の2つ以上のインスタンス(ノミナル・コピー)を含み得る。
【0059】
回路600は、電子デコーダ340のキャリアデマッパーからのデジタルサンプル(値)の対応する入力ストリーム602を受信することに応答して、データストリーム402(
図4も参照)を回復するように動作する。例示的な実施形態では、例えば、
図3を参照して上述したように、対応する受信機300のFFTモジュール330によって生成された1つ以上のシーケンス3321-332Kからのデジタルサンプルを適切に転送することによって、キャリアデマッパーは入力ストリーム602を生成する。
【0060】
回路600は、LDPCエンコーダ420によって符号化されたビットに対応する対数尤度比(LLR)を計算するように構成されたソフト情報検出器610を含む。この計算は、例えば、対応する振幅の事前情報608を用いて、関連技術で知られているように実行できる。分布L’ビットに対応するLLRは、LLRストリーム612を介してLDPCデコーダ630に向けられる。符号化されたLSB(l1、l2、…、lNl)に対応するLLRは、同様に、LLRストリーム614を介して、LDPCデコーダ630に向けられる。
【0061】
LDPCデコーダ630は、LLRストリーム612および614によって提供されたLLRを処理するように動作し、LDPCエンコーダ420によって使用されるLDPCコードの対応するコードワードを回復する。次に、L’ビットを表すビットを各回復LDPCコードワードから抽出して、データストリーム442を再構成する。符号化されたLSBを表すビット(l
1、l
2、…、l
Nl)もまた、復元された各LDPC符号語から抽出されて、シーケンス418を再構成する(
図4も参照)。
【0062】
ビットパンチャー640は、データストリーム442からパリティビットストリーム422に対応するビットを廃棄(パンチアウト)するように動作し、それによってデータストリーム408を再構成する。
【0063】
コンステレーション・デマッパー650は、入力ストリーム602の遅延コピーと、データストリーム442およびシーケンス418のコピーとを使用して、シーケンス416およびデータストリーム436を再構成する(
図4も参照)。いくつかの実施形態では、コンステレーション・デマッパー650によって実行されるデマッピングは、事前情報608の一部または全部に依存することができる。バッファ620は、ソフト情報検出器610およびLDPC復号器630によってもたらされる処理遅延を考慮して、各タイムスロットにおいて、データストリーム442およびシーケンス418によってコンステレーション・デマッパー650に提供されるビットは、入力ストリーム602によって提供されるデジタルサンプルから生じるように、入力ストリーム602を遅延するように構成される。
【0064】
例示的な実施形態では、コンステレーション・デマッパー650は、上で引用した米国特許第10,091,046号に記載されているLCMデマッピング手順を実施するように構成することができる。
【0065】
XORゲート632は、シーケンス418およびデータストリーム442によってそれぞれ受信されたビットの各ペアにXOR演算を適用し、それによってシーケンス417を回復する。
【0066】
連結器660は、復元されたシーケンス416、417、および418を使用して、シーケンス412を再構築する。当業者は、連結器660によって実行される動作が、パーサ414(
図4)によって実行される動作と逆であることを理解する。後者の事実はまた、インターフェース415(
図4)と659(
図6)の比較からも明らかである。
【0067】
整形デコーダ670は、整形エンコーダ410で使用されたのと同じ整形コードを使用して、ビットワードシーケンス412をデータストリーム406に変換し戻すように動作する。
【0068】
MUX680は、回復されたデータストリーム406および408を適切に多重化して、データストリーム402を回復するように動作する。当業者は、MUX680によって実行される動作が、DMUX404(
図4)によって実行される動作と逆であることを理解する。
【0069】
Lビットを取得するための復号化されたL’およびsビットの(受信機)回路600における排他的論理和により、LDPC保護されたL’ビットからのエラーがLビットに伝搬する可能性があることに留意する。これは、LDPCパリティビット(
図4の422、L’ビットによって搬送)におけるエラーが、デコードされたLビット値におけるエラー、そして、デコードされた符号なし振幅値におけるエラーをもたらすことを意味する。後者のエラーは、整形デコーダ670における復号化エラーにさらにつながる。このエラー伝播挙動(LDPCパリティにおけるエラーは振幅に伝播する)は、回路400および600を使用して実施される符号化方式の明確な特徴である。例えばこのようなエラーの伝播は、「純粋な」LCM(整形なし)または、パリティが符号ビットに配置されるPAS-LCMスキームでは発生しない。たとえば、後者の2つの方式では、ハード・デマッピング後にパリティが単純に破棄されるためである。
【0070】
実際に使用されている多くのLDPC符号は、それらの構造が典型的には、パリティビットの平均度数が(符号化されている)情報ビットの平均度数より低いようなものであるので、パリティビットに対する保護が少ない。本明細書で使用されるとき、用語「ビットの程度」は、ビットがLDPC符号によって受ける制約の数を指す。結果として、低いコードワードエラーレートでは、誤って受信されたコードワードはパリティビットにおいてのみエラーを有する可能性がある。そのような誤った符号語は、誤ったパリティビットが単に破棄されるので、いくつかの従来の符号化方式では復号誤りをもたらさないかもしれない。しかし、回路400および600を使用して実施される符号化方式では、そのような誤った符号語は、振幅ビット(例えば、Lビット)への誤り伝搬を招く可能性がある。
【0071】
幸いなことに、そのようなエラー伝播は、回路600において、比較的簡単な方法で、例えば、追加の後処理ステップを適用するようにLDPCデコーダ630を構成することによって防ぐことができる。ここで、デコードされた情報ビットは、有効なLDPCコードを使用して再エンコードされます。このようにして生成されたパリティは、復号されたパリティではなく、LDPC復号器630によって復号された情報ビットと共に出力されて、上記のエラー伝播を防ぐことができる。この後処理ステップは任意選択であり、すべての実施形態で使用される必要はなく、または、すべてのパリティビットを生成するために適用される必要もない。この後処理ステップはまた、パリティビットの一部のみ(例えば、ある閾値を下回る程度を有するパリティビット)を生成するためにも使用され得る。
【0072】
代替実施形態では、この後処理ステップは、別個の専用回路構成要素(
図6に明示的には示されていない)を使用して実施することができる。前記専用回路構成要素は、例えば、XORゲート632から上流に挿入することができる。
【0073】
図7は、別の実施形態による送信機200(
図2)において使用され得るデジタル回路700のブロック図を示す。回路700は回路400(
図4)の修正であり、そこでは追加の(外側の)FEC符号化層が、シーケンス416、417、および418ならびにデータストリーム408、またはそれらのサブセットを保護するために使用される。
図7に示すように、FEC符号化の外層は、リードソロモン(RS)符号を使用して実施される。当業者は、FEC符号化の外部層の他の実施形態が、他の適切なFEC符号を使用することができることを理解する。
【0074】
(
図4の回路400と比較して)回路700に組み込まれる追加の回路は、RSエンコーダ720、バッファ4305および4306、およびMUX740を含む。RSエンコーダ720は、動作RSコードを、シーケンス416、417、418のコピーおよびデータストリーム408(またはそのサブセット)を使用して形成されたビットブロックに適用することによってパリティビットストリーム722を生成するように動作する。次いで、ビットストリーム722およびデータストリーム408は、対応するデータストリーム742を生成するためにMUX740を使用して多重化される。データストリーム408のコピーの代わりに、データストリーム742のコピーがLDPCエンコーダ420に適用される(
図4参照)。バッファ4301-4306によって課される時間遅延は、DMUX404とコンステレーションマッパー450との間の異なる信号処理経路における異なる処理遅延を考慮するように適切に選択される。
【0075】
例示的な実装形態では、RSエンコーダ720で使用されるRSコードのコードレートは、LDPCエンコーダ420で使用されるLDPCコードのコードレートよりも高い可能性がある。同じRSコードは、デコードされたシーケンス416、417、418およびデータストリーム408のエラー(ある場合)を修正するために、対応する受信機で有利に使用することができる(例えば、
図8を参照)。これらのエラーは、たとえば、一部のトーンでの狭帯域RF干渉によって引き起こされる非定常ノイズによって引き起こされる可能性がある。
【0076】
図8は、代替実施形態による受信機300(
図3)で使用することができるデジタル回路800のブロック図を示す。より具体的には、回路800は回路600(
図6)の変更であり、この変更で、回路800で実施される復号化処理を回路700(
図7)で実施される符号化処理と両立させることを目的とする。
【0077】
(
図6の回路600と比較して)回路800に組み込まれた追加の回路は、RSデコーダ830およびビットパンチャー840を含む。RSデコーダ830への入力は、対応するデータが「プライム(Primed)」参照番号を用いてラベル付けされており、対応するデータ・シーケンス/ストリームは、それらの中にエラーを有する可能性があり、そのエラーはRSデコーダによって訂正することができる。ビットパンチャー840は、回復されたデータストリーム742からパリティビットストリーム722に対応するビットを破棄するように動作し、それによってデータストリーム408を再構築する。
【0078】
当業者であれば、過度の実験をすることなく、回路800を修正して回路700の上記の代替実施形態のうちの任意の1つと互換性を持たせる方法を理解する。
【0079】
図9は、さらに別の実施形態による送信機200(
図2)で使用することができるデジタル回路900のブロック図を示す。回路900は、送信コンステレーション・シンボルのいくつかのLSBが整形エンコーダ410によって整形されないままにされる(例えば、それを使用して生成されない)回路400(
図4)の別の変更である。
【0080】
(
図4の回路400と比較して)回路900に組み込まれる追加の回路は、3ウェイDMUX902、バッファ4305、DMUX904、およびMUX940を含む。3ウェイDMUX 902はDMUX 404(
図4を参照)を置き換え、入力データストリーム402を逆多重化することにより、データストリーム406、408、908を生成するように構成されている。LDPCデコーダ420は、2つの代わりに3つの入力に基づいてパリティビットストリーム422を生成するように修正され、追加の入力はデータストリーム908のコピーである。コンステレーションマッパー450は、4つではなく5つの入力に基づいて入力ビットワードの生成を可能にする修正された入力インターフェース948を有し、追加の入力はデータストリーム918である(
図4も参照)。図示のように、入力インターフェース948によって形成された各ビットワードは以下の構造を有する。
(s u
1 u
2…u
Nu L’ l
1 l
2…l
Nl l
Nl+1 l
Nl+2…l
Nl+q) (7)
ここで、sはビットワードの符号ビットを表す。u
1、u
2、…u
NuはビットワードのN
uMSBを示す(符号ビットを除く)。L、l
1、l
2、…、l
Nl…、l
Nl+qは、ビットワードの(N
l+1+q)LSBを示す。L’は(N
l+1+q)LSBの最上位ビットを表す。qは正の整数である。数q、N
u、N
lは、式(8)を満たす正の整数である。
N
u+N
l+q+2=m (8)
符号ビットsは、データストリーム436の対応するビットによって提供される。ビットワード(u
1、u
2、…、u
Nu)は、シーケンス416の対応するビットによって提供される。ビットL’は、データの対応するビットによって提供される。ビットワード(l
1、l
2、…、l
Nl)はシーケンス418の対応するビットによって提供される。ビットワード(l
Nl+1 l
Nl+2…l
Nl+q)は、データストリーム918の対応するビットによって提供される。
【0081】
DMUX904は、パリティデータストリーム422の一部910を分岐するように構成される。パリティデータストリーム422の残りの部分906は、MUX440を介して、DMUX904によってデータストリーム442に導かれる。MUX940は、データストリーム908および910を多重化することによりデータストリーム918を生成するように構成される。
【0082】
バッファ4301-4305によって課される時間遅延は、DMUX902とコンステレーションマッパー450との間の異なる信号処理経路における異なる処理遅延を考慮するように適切に選択される。
【0083】
この実施形態では、動作コンステレーションの各バイナリラベルのビット(lNl+1 lNl+2…lNl+q)は、整形エンコーダ410によって整形されないが、それにもかかわらず、LDPCエンコーダ420で使用される動作LDPC符号によって保護される。
【0084】
いくつかの実施形態では、回路900は、LDPCエンコーダ420が削除され、パリティビットストリーム422が生成も送信もされないように修正することができる。そのような実施形態では、データストリーム402がデータストリーム442の代わりに使用され、データストリーム908がデータストリーム918の代わりに使用される(例えば、
図10参照)。
【0085】
いくつかの実施形態では、数N1およびqは、N1=0およびq=1に設定することができる。そのような実施形態では、DMUX904およびMUX940を取り外すことができる。
【0086】
図10は、代替実施形態によるデジタル回路900のブロック図を明示的に示す。この場合、(前の段落で示したとおり)LDPCエンコーダー420は存在しない。この特定の実施形態の重要な特徴は、少なくとも1つの整形振幅ビット(例えば、Lなど)の送信に対して、PASコーディングに固有の対称ラベリングに影響を与えることなく(例えば、
図5Aの500’を参照)、反対称ラベリングを実現することである(
図5A-5Bを参照して説明)。このデジタル回路900のこの特定の実施形態は、また、FECパリティがその中で生成されていないので、パリティをそのような非対称振幅ビット(例えば、L’)に入れることは任意であり得ることを実証する。
【0087】
図11は、さらに別の実施形態による受信機300(
図3)において使用することができるデジタル回路1100のブロック図を示す。より具体的には、回路1100は電子デコーダ340の一部とすることができる。回路1100は回路600(
図6)の修正であり、この修正は回路1100で実行される復号処理を回路900(
図9)で実行される符号化処理と互換性があるようにすることに向けられる。
【0088】
(
図6の回路600と比較して)回路1100に組み込まれた追加の回路は、ビットパンチャー1140を含む。MUX680(
図6参照)の代わりに3入力MUX1180が用いられる。ソフト検出器610は、追加のLLRストリームを生成するように修正され、これは、1102とラベル付けされ、前記追加のLLRストリームは、LSB(l
Nl+1 l
Nl+2…l
Nl+q)に対応するLLRを搬送する。LDPCデコーダ630は、データストリーム918をさらに出力するように修正される(
図9も参照)。LDPCデコーダ630から受信したデータストリーム418、918、および442に基づいて、コンステレーション・デマッパーを修正してシーケンス416、417、および418を回復する。ビットパンチャー1140は、ビットストリーム910に対応するビットを前記データストリーム918から廃棄するように動作し、これにより、データストリーム908を再構築する(
図9も参照)。MUX1180は、受信データストリーム406、908、および408を適切に多重化してデータストリーム402を回復するように動作する。当業者は、MUX1180によって実行される動作がDMUX902によって実行される動作と逆である(
図9)ことを理解する。
【0089】
図12は、さらに別の実施形態による受信機300(
図3)において使用することができるデジタル回路1200のブロック図を示す。より具体的には、回路1200は電子デコーダ340の一部であり得、
図10に示す回路900の実施形態で実施される符号化処理と互換性のある復号処理を実行するように構成される。
【0090】
回路1200は、対応するバイナリラベルを決定するために、入力ストリーム602のデジタルサンプルを動作可能なコンステレーション上にマッピングするコンステレーション・デマッパー1250を含む。次に、出力インターフェース1248は、決定されたバイナリラベルを適切に解析して、データストリーム/シーケンス436、416、408、418、および908を回復する。XORゲート632は、データストリーム436および436によって提供される各ビット対にXOR演算を適用することによって、シーケンス417を回復する。次に、連結器660は、シーケンス416、417、および418を使用してシーケンス412を再構築する。整形デコーダ670は、ビットワードシーケンス412をデータストリーム406に変換し戻すように動作する。
【0091】
バッファ620によって課される時間遅延は、コンステレーション・デマッパー1250とMUX1280との間の異なる信号処理経路における異なる処理遅延を考慮するように適切に選択される。MUX1180は、受信データストリーム406、908、および408を多重化して、データストリーム402を回復するように動作する。
【0092】
図13は、いくつかのLCM方式の特定の性能特性をグラフィカルに比較している。示された性能データを得るために、これらの全ての方式に対して、符号化率3/4の12000ビット長LDPC符号、すなわち3つの情報ビット毎に1つのパリティビットを生成する符号を使用した。異なる方式のシミュレートされたブロック誤り率は、容量に対するSNRギャップの関数として示されている。それは以下のように定義される。
SNRギャップ対容量[dB]=
SNR[dB]-10log
10(2
b_eff-1) (9)
ここで、b_effは、送信されている(すなわち、符号化および整形のオーバーヘッドを差し引いた)有効情報量である。容量に対するSNRギャップは、異なるそれぞれの量の有効情報b_effを送信する異なる方式を比較することを可能にする。
【0093】
曲線1302は、28-QAMシンボル当たり4つの符号化ビットを有する(すなわち、16-PAMシンボル当たり2つの符号化ビットを有する)開示されたLSBオンリーLCM-PAS方式のシミュレートされたブロック誤り率(15000ビットのブロック)をグラフで示す。送信機における対応する符号化は、例えば、回路400(
図4)を使用して実行することができる。
【0094】
整形なしで4つの符号化ビットを有するLCM方式(曲線1306)は、10-4のブロック誤り率で約2.77dBの容量とのギャップをもたらし、これはDSLの典型的な動作点である。6つの符号化ビットを有するLCM-PASに基づく整形符号化を適用することによって(曲線1304)、ギャップを約2.1dB(約0.67dBの利得)に減らすことができる。符号化ビット数が多い(すなわち、4ではなく6)ため、利得は1.53dBの潜在的整形利得と比較して制限される。すべての実用的な目的のために、4つの符号化ビットだけでLCM-PAS方式を使用することはできない(曲線1308)。その場合、符号化されていないビットは十分な保護を持たず、許容できないほど高いブロック誤り率をもたらすからである。対照的に、曲線1302で表されるLSBオンリーLCM-PAS方式では、未符号化ビットに対する十分な保護を依然として得ることができながら4つの符号化ビットを使用することができ、~1.58dBの容量とのギャップをもたらし。これは、~1.19dBの整形ゲインである。
【0095】
開示されたLSBオンリーPAS-LCM技術の可能性のある利点は、最も保護を必要とするビットである最も低いLSBオンリーにLDPC符号を適用できることである(それらは最も信頼性が低いからである)。対照的に、相当するするPAS-LCM技術の下では、対応するエンコーダは、また、符号ビットが最も信頼性が高い(したがって、保護を必要としない可能性がある)場合でも、符号ビットを保護するように構成される。結果として、LSBオンリーの方式は、情報スループットおよび複雑さに関してより効率的であり得、対応する改善は曲線1302の相対位置によって示される。
【0096】
いくつかの実施形態は、LCMだけでなく、任意の適切な階層化符号化変調方式にも適用され得ることに留意する。たとえば、従来のDSLで使用されているようなトレリス符号化変調で使用できる。
【0097】
また、いくつかの実施形態は、FEC符号語が、異なる整形符号および/または異なる変調次数を使用する可能性がある異なるトーンにわたって実行されるDSLなどのマルチキャリア通信で使用することができることにも留意する。
【0098】
上記に開示された例示的な実施形態によれば、例えば、要約セクションにおいて、および/または、
図1ー
図13のいずれか1つ、または、いずれかの組み合わせを参照すると、電気アナログフロント(例えば、
図2の240)端部およびデジタル信号プロセッサ(例えば、
図2の204)を含むデータ送信機(例えば、
図2の200)であって、ここで、デジタル信号プロセッサは、入力データストリーム(例えば、
図2の202、
図4、7、9、10の402)を冗長符号化して、コンステレーション・シンボルストリーム(例えば、
図4、7、9、10の452)を生成し、アナログフロントエンドを駆動して、アナログフロントエンドによって生成された1つ以上の変調電気キャリアに、コンステレーション・シンボルストリームのコンステレーション・シンボルを搬送させるように構成され、ここで、デジタル信号プロセッサは、入力データストリームを逆多重化して、第1のサブストリーム(例えば、
図4、7、9、10の406)および第2のサブストリーム(例えば、
図4、7、9、10の408)を生成するように構成されたデマルチプレクサ(例えば、
図4、7の404、
図9、10の902)と、第1の符号化データストリーム(例えば、417、
図4、7、9、10)および第2の符号化データストリーム(例えば、4、7、9、10の416)を、第2のサブストリームを使用して、コンステレーション・シンボルストリームのコンステレーション・シンボル振幅を選択し、第1の符号化データストリームおよび第2のサブストリームを使用して、コンステレーション・シンボル振幅に適用される少なくともいくつかの符号(たとえば、
図4、7、9、10)を選択するように構成された第1のサブストリームおよび第2の符号化データストリーム(例えば、4、7、9、10の450)に整形コードを適用することにより、生成するように構成される整形エンコーダ(例えば、
図4、7、9、10の410)と、を備えるものである、データ送信機を備える装置が提供される。
【0099】
上記装置のいくつかの実施形態では、デジタル信号プロセッサは、第1および第2の入力と出力とを有する論理ゲート(例えば、
図4、7、9、10の432)をさらに備え、第1の入力は第1の入力を受信するように接続され、第2の入力は第2のサブストリームに対応するデータストリーム(例え、ば
図10の408、
図4、7、9の442)を受信するように接続され、出力はコンステレーションマッパーに接続される。ここで、コンステレーションマッパーは、出力から受信したビット値(例えば、
図4、7、9、10も436)を使用して、コンステレーション・シンボル振幅に適用される符号を選択するように構成される。
【0100】
上記装置のいずれかのいくつかの実施形態において、論理ゲートはXORゲートを含む(例えば、
図4、7、9、10の432)。
【0101】
上記の装置のうちのいずれかの、いくつかの実施形態では、この装置は、第2のサブストリームにFEC符号を適用することによって、第3の符号化データストリーム(たとえば、
図4、
図7、
図9の422)を生成するように構成されたFECエンコーダ(たとえば、
図4、7、9の420)をさらに備える。ここで、コンステレーションマッパーは、コンステレーションのためのコンステレーション・シンボル振幅を選択するために、第3の符号化データストリーム(例えば、
図4、7、9の442、および/または、
図9の918)を使用するようにさらに構成される。
【0102】
上記の装置のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、FECエンコーダ(例えば、
図4、7、9の420)は、低密度パリティ検査(LDPC)コードを使用するように構成される。
【0103】
上記装置のいずれかのいくつかの実施形態では、整形エンコーダは、整形コードを第1のサブストリームに適用することによって、第4の符号化データストリーム(例えば418、
図4、7、9)を生成するようにさらに構成される。ここで、FECエンコーダはさらに、FEC符号を第4の符号化データストリームに適用することによって第3の符号化データストリームを生成するように構成されている。
【0104】
上記の装置のいずれかのいくつかの実施形態では、デマルチプレクサはさらに、入力データストリームを逆多重化して第3のサブストリームを生成する(たとえば、
図8の408または908)ように構成される。ここで、FECエンコーダは、さらに、FECコードを第3のサブストリームに適用することによって、第3の符号化データストリームを生成するように構成されている。
【0105】
上記の装置のいずれかのいくつかの実施形態では、コンステレーションマッパーは、さらに、第3の符号化データストリームを使用して(例えば、
図4、7、9の442によって)、コンステレーション・シンボルの振幅に適用される符号の少なくともいくつかを選択するように構成される。
【0106】
上記の装置のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、装置は、第2のサブストリームにFEC符号を適用することによって、第3の符号化データストリーム(たとえば、
図4、
図7、
図9の422)を生成するように構成されたFECエンコーダ(たとえば、
図4、7、9の420)をさらに備える。ここで、コンステレーションマッパーは、第3の符号化データストリームを使用して(例えば、
図4、7、9の442を介して)、コンステレーション・シンボル振幅に適用される符号の少なくともいくつかを選択するようにさらに構成される。
【0107】
上記装置のいずれかのいくつかの実施形態では、コンステレーションマッパーは、第2の符号化データストリームによって供給される固定数のビット(例えば、
図10のNu)および第2のサブストリームによって供給される単一のビット(例えば、
図10のL’)を有するビットワード(例えば、(u
1 u
2…u
Nu L’)、(7))を使用してコンステレーション・シンボル振幅を選択するように構成される。
【0108】
上記装置のいずれかのいくつかの実施形態では、コンステレーションマッパーは、異なるバイナリラベルが異なるそれぞれのコンステレーション・シンボル(例えば、
図5Aの500)に対応する1組のバイナリラベルを使用してコンステレーションマッピングを実行するように構成される。各異なるバイナリラベル(例えば、(sL’l
l)、式(5))は、それぞれの符号部分(例えば、s、式(5))および、それぞれの振幅部分(例えば、(L’l
l)、式(5))を含む。ここで、振幅部分は、コンステレーション原点に関して対称である任意の対のコンステレーション・シンボルに対して、振幅部分の特定のビットのそれぞれの値が、2進数の0および2進数の1を含む(例えば、
図5AのL’)ようになっている。
【0109】
上記の装置のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、デジタル信号プロセッサは、コンステレーション・シンボルストリームを分割することによって、複数のコンステレーション・シンボルサブストリーム(たとえば、
図2の212)を生成するように構成されたキャリアマッパー(たとえば
図2の210)をさらに備える。ここで、デジタル信号プロセッサは、アナログフロントエンドを駆動して、アナログフロントエンドによって生成された複数の変調電気キャリアに、複数の前記コンステレーション・シンボルサブストリームを搬送させるように構成される。
【0110】
上記の装置のいずれかのいくつかの実施形態では、装置はモデム(たとえば、
図1の150)をさらに含み、モデムはデータ送信機を含む。
【0111】
上記の装置のいずれかのいくつかの実施形態では、装置は、サービス配信ユニット(例えば、
図1の110)をさらに含み、サービス配信ユニットはデータ送信機を含む。
【0112】
上記に開示された別の例示的な実施形態によれば、例えば、要約セクションにおいて、および/または、
図1-
図131つ、あるいは、いくつかもしくはすべての任意の組み合わせにおいて、電気アナログフロントエンド(例えば、
図3の310)およびデジタル信号プロセッサ(例えば、324、
図3)を含むデータ受信機(例えば、300、
図3)を備える装置が提供される。このデジタル信号プロセッサは、電気アナログフロントエンドによって出力され、送信されたコンステレーション・シンボルのストリームに対応する(例えば、
図5Aの500)受信電気信号の1つ以上の変調キャリアを表す値のストリーム(例えば、
図6の602)を処理するように構成される。デジタル信号プロセッサは、値のストリームを冗長復号化して、送信されたコンステレーション・シンボルのストリームにおいて冗長符号化されて、1つ以上の変調された電気キャリアよって搬送されたソースデータストリーム(例えば、
図6の402)を回復するように構成される。ここで、デジタル信号プロセッサは、第1のデータストリーム(例えば、
図6、12の436)および第2のストリーム(例えば、
図6、12の416)を、値のストリームの各々をコンステレーションにマッピングすることによって、生成するように構成されたコンステレーション・デマッパー(例えば、
図6の650、
図12の1250)であって、ここで、第1のデータストリームは、マッピングによって決定されたコンステレーション・シンボルのバイナリラベルの符号ビットを搬送し、第1のデータストリームは、マッピングによって決定されたコンステレーション・シンボルのバイナリラベルの振幅ビットを搬送するものである、コンステレーション・デマッパーと、ビットワード(例えば、(u
1 u
2…u
Nu L l
1 l
2…l
Nl)のストリーム(例えば、
図4の412)を復号することによって、第1および第2のデータストリームを使用して生成された、ソースデータストリームの第1のサブストリーム(例えば、
図6の406)を回復するように構成された整形デコーダ(例えば、
図6の670)であって、ここで、復号化は整形コードを使用して実行されるものである、整形デコーダとを備える。
【0113】
上記装置のいくつかの実施形態では、デジタル信号プロセッサは、第1および第2の入力と出力とを有する論理ゲート(たとえば、
図6の632)をさらに備え、第1の入力は第1のデータストリームを受信するように接続される。第2の入力は、第3のデータストリーム(例えば、
図6の442、
図12の408)を受信するように接続され、第3のデータストリームは、値のストリームに基づいて生成される。ここで、ビットワードのストリームは、論理ゲートの出力で生成されたビット値(例えば、
図6の417)を含む。
【0114】
上記装置のいずれかのいくつかの実施形態では、論理ゲートはXORゲート(例えば、
図6の632)を含む。
【0115】
上記の装置のいずれかのいくつかの実施形態では、本願装置は、FECコードを適用して値のストリームをデコードすることにより、ソースデータストリームの第2のサブストリーム(たとえば、
図6の408)を回復するように構成されたFECデコーダ(たとえば、
図6の610/630)をさらに備える。ここで、前記コンステレーション・デマッパーは、前記マッピングを実行するために前記FECデコーダの出力(例えば、
図4の442、418)を使用するようにさらに構成される。
【0116】
上記の装置のうちのいずれかのいくつかの実施形態では、FECデコーダ(たとえば、
図6の630)は、低密度パリティチェック(LDPC)コードを使用するように構成される。
【0117】
上記の装置のいずれかのいくつかの実施形態では、FECデコーダは、値のストリームを復号することによって回復されたパリティビットを破棄し、値のストリームを復号することによって回復された情報ビットを再符号化することによってパリティビットを再生成し、再生成されたパリティビットをコンステレーション・デマッパーに向けるように構成される。
【0118】
上記装置のいずれかのいくつかの実施形態では、デジタル信号プロセッサは、第1および第2の入力と出力とを有する論理ゲート(例えば、
図6の632)をさらに備える。第1の入力は第1のデータストリームを受信するために接続され、第2の入力は、第3のデータストリーム(例えば、
図6の442)を受信するように接続され、第3のデータストリームは、値のストリームを復号することによってFECデコーダによって生成される。ここで、ビットワードのストリームは、論理ゲートの出力で生成されたビット値(例えば、
図6の417)を含む。
【0119】
上記の装置のいずれかのいくつかの実施形態では、装置はモデム(例えば、
図1の150)をさらに備え、モデムはデータ受信機を含む。
【0120】
上記の装置のいずれかのいくつかの実施形態では、装置はサービス配信ユニット(例えば、
図1の110)をさらに含み、サービス配信ユニットはデータ受信機を含む。
【0121】
本開示は、例示的な実施形態への参照を含むが、本明細書は限定的な意味で解釈されることを意図していない。本開示の範囲内の他の実施形態と同様に、記載された実施形態の様々な修正は、当業者には明らかである。例えば、以下の特許請求の範囲で表されるように、これらの開示が関係するものは、開示の原則および範囲内にあるとみなされる。
【0122】
いくつかの実施形態は、回路ベースのプロセスとして実装されることができ、単一の集積回路上で可能な実装形態を含む。
【0123】
いくつかの実施形態は、方法、および、それらの方法を実施するための装置の形で具体化することができる。いくつかの実施形態はまた、磁気記録媒体、光記録媒体、固体メモリ、フロッピー(登録商標)ディスケット、CD-ROM、ハードドライブ、または、任意の他の非一時的な機械可読メディアなどの有形の媒体に記録されたプログラムコードの形態で具現化され得る。ここで、プログラムコードがコンピュータなどの機械にロードされて実行されると、その機械は特許発明を実施するための装置となる。いくつかの実施形態は、例えば、機械にロードされおよび/または機械によって実行されることを含む、非一時的機械可読記憶媒体に記憶されるプログラムコードの形で実施することもできる。ここで、プログラムコードがロードされ、コンピュータまたはプロセッサなどの機械によって、実行されるとき、その機械は特許発明を実施するための装置となる。汎用プロセッサ上で実施されるとき、プログラムコードセグメントはプロセッサと組み合わさって、特定の論理回路と同様に動作する独自の装置を提供する。
【0124】
特に明記しない限り、各数値および範囲は、「約」または「およそ」という語がその値または範囲の前にあるかのように近似的であると解釈されるべきである。
【0125】
さらに、本開示の性質を説明するために説明および図示された部品の詳細、材料、および配置の様々な変更は、例えば、以下の特許請求の範囲で表されるように、本開示の範囲から逸脱することなく当業者によって行われ得ることが理解される。
【0126】
請求項における図番号および/または図参照符号の使用は、請求項の解釈を容易にするために、請求される主題の1つ以上の可能な実施形態を識別することを意図している。そのような使用は、それらの請求項の範囲を対応する図に示される実施形態に必ずしも限定すると解釈されるべきではない。
【0127】
以下の方法請求項における要素は、もしあれば、対応するラベル付けを用いて特定の順序で記載されているが、請求項の列挙がそれらの要素の一部または全部を実施するための特定の順序を別に説明しない限り、それらの要素は必ずしも、その特定の順序で実装されていると限定することを意図するものではない。
【0128】
本明細書における「一実施形態」または「一実施形態」への言及は、その実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造、または特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれ得ることを意味する。本明細書の様々な箇所における「一実施形態では」という句の出現は、必ずしも同じ実施形態を指すものでも、別の実施形態または代替実施形態が他の実施形態を相互に排他的に排除するものでもない。同じことが「実装」という用語にも当てはまる。
【0129】
本明細書で別段の指定がない限り、複数の類似オブジェクトのうちのオブジェクトを指すための序形容詞「第1」、「第2」、「第3」などの使用は、単にそのような類似オブジェクトの異なる実例が言及されていることを示す。また、そのように言及される類似のオブジェクトは、時間的に、空間的に、ランク付けにおいて、または任意の他の方法で、対応する順序または順序でなければならないことを意味することを意図するものではない。
【0130】
また、この説明の目的のために、用語「結合する」、「結合している」、「結合した」、「接続する」、「接続している」、または「接続した」は、エネルギーが許容される当技術分野で既知のまたは今後開発される方法を指す。必須ではないが、1つ以上の追加の要素の挿入が考えられる。逆に、「直接結合された」、「直接接続された」などの用語は、そのような追加の要素がないことを意味する。
【0131】
要素および標準に関して本明細書で使用されるとき、互換性という用語は、その要素が標準によって全体的または部分的に特定される方法で他の要素と通信し、標準で規定されている方法で、他の要素と十分に通信できると他の要素によって認識されることを意味する。互換性のある要素は、標準で指定されている方法で内部的に動作する必要はない。
【0132】
本願の特許請求の範囲に含まれる実施形態は、(1)本明細書によって可能にされ、(2)法定の主題に対応する実施形態に限定される。非有効化実施形態および非法定主題に対応する実施形態は、たとえそれらが正式に特許請求の範囲内にあるとしても、明示的に否認される。
【0133】
説明した実施形態は、あらゆる点で例示的なものにすぎず、限定的なものではないと考えるべきである。特に、本開示の範囲は、本明細書の説明および図によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の均等物の意味および範囲内にある全ての変更は、それらの範囲内に包含されるべきである。
【0134】
当業者は、上記の様々な方法のステップがプログラムされたコンピュータによって実行され得ることを容易に認識する。本明細書では、いくつかの実施形態は、機械またはコンピュータ可読であり、機械実行可能プログラムまたはコンピュータ実行可能プログラムの命令をコード化するプログラムデータ記憶装置、例えば、デジタルデータ記憶媒体をカバーすることを意図する。ここで、前記命令は、本明細書に記載の方法のステップの一部またはすべてを実行する。プログラム記憶装置は、例えば、デジタルメモリ、磁気ディスクまたはテープなどの磁気記憶媒体、ハードドライブ、または光学的に読み取り可能なデジタルデータ記憶媒体とすることができる。実施形態はまた、本明細書に記載の方法の前記ステップを実行するようにプログラムされたコンピュータをカバーすることを意図している。
【0135】
説明および図面は単に本開示の原理を例示するものである。したがって、当業者であれば、本明細書では明示的に説明または図示していないが本開示の原理を具体化し、その趣旨および範囲内に含まれる様々な構成を考案できることが理解される。さらに、本明細書に列挙されたすべての例は、主に、本技術を促進するために発明者によって与えられた概念を読者が理解するのを助けるための教育目的のためだけに意図されている。そして、そのような具体的に列挙された例および条件に限定されることなく解釈されるべきである。さらに、本開示の原理、態様、および実施形態、ならびにその特定の例を列挙する本明細書中のすべての記述は、それらの均等物を包含することを意図している。
【0136】
「プロセッサ」および/または「コントローラ」とラベル付けされた任意の機能ブロックを含む、図に示されている様々な要素の機能は、専用ハードウェア、ならびに適切なソフトウェアに関連してソフトウェアを実行できるハードウェアの使用によって提供され得る。プロセッサによって提供されるとき、機能は、単一の専用プロセッサによって、単一の共有プロセッサによって、または、そのうちのいくつかが共有され得る複数の個々のプロセッサによって提供され得る。さらに、「プロセッサ」または「コントローラ」という用語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行することが可能なハードウェアを排他的に指すと解釈されるべきではなく、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)ハードウェア、ネットワークプロセッサ、応用特定集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ソフトウェアを格納するためのリードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、および不揮発性記憶装置を、制限することなく、暗黙的に含み得る。従来のおよび/またはカスタムの他のハードウェアも含まれ得る。同様に、図に示されているスイッチは概念的なものにすぎない。それらの機能は、プログラムロジックの操作、専用ロジックを通して、プログラム制御と専用ロジックの相互作用を通じて、または手動でも、実行することができる。特定の技術は、文脈からより明確に理解されるように、実施者によって選択可能である。
【0137】
本願で使用されるように、「回路」という用語は、以下のうちの1つ以上またはすべてを指すことができる。(a)ハードウェアのみの回路実装(アナログおよび/またはデジタル回路のみでの実装など)、(b)ハードウェア回路とソフトウェアの組み合わせ(該当する場合)、(i)アナログおよび/またはデジタルハードウェア回路とソフトウェア/ファームウェアの組み合わせ、および(ii)ソフトウェア、および携帯電話またはサーバなどの装置に様々な機能を実行させるために連携するソフトウェアおよびメモリを有するハードウェアプロセッサ(デジタルシグナルプロセッサを含む)の任意の部分、(c)動作にはソフトウェア(ファームウェアなど)を必要とする、動作にソフトウェアを必要としないものもある、マイクロプロセッサまたはマイクロプロセッサの一部などのハードウェア回路および/またはプロセッサ。回路のこの定義は、特許請求の範囲を含む本出願におけるこの用語のすべての使用に適用される。さらなる例として、この出願において使用されるように、回路という用語は、単なるハードウェア回路またはプロセッサ(または複数のプロセッサ)またはハードウェア回路またはプロセッサの一部、および、その(またはそれらの)付随するソフトウェアおよび/またはファームウェアの実装もまたカバーする。回路という用語は、また、例えば、特定の請求項要素に適用可能であれば、ベースバンド集積回路、または、モバイルデバイス用のプロセッサ集積回路をカバーする。または、サーバ、セルラーネットワークデバイス、または他のコンピューティングもしくはネットワークデバイス内のにおける集積回路。
【0138】
本明細書の任意のブロック図は、本開示の原理を具体化する例示的な回路の概念図を表すことを当業者は理解する。同様に、任意のフローチャート、フロー図、状態遷移図、擬似コードなどは、コンピュータ可読媒体で実質的に表されることができ、そのようなコンピュータまたはプロセッサが明示的に表示されるかどうかにかかわらず、コンピュータまたはプロセッサによって実行されるさまざまなプロセスを表すことが理解される。