(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】通知メッセージの記述的アラートをブロードキャストする方法
(51)【国際特許分類】
G04G 21/00 20100101AFI20220117BHJP
G04G 9/00 20060101ALI20220117BHJP
【FI】
G04G21/00 302A
G04G21/00 D
G04G9/00 306Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019201261
(22)【出願日】2019-11-06
【審査請求日】2019-11-25
(32)【優先日】2018-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591260638
【氏名又は名称】チソット・エス アー
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】エドアルド・フランツィ
(72)【発明者】
【氏名】アラン-セルジュ・ポレ
【審査官】吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-239360(JP,A)
【文献】特開2002-252676(JP,A)
【文献】特開2000-92164(JP,A)
【文献】特開2007-215051(JP,A)
【文献】特開2018-109580(JP,A)
【文献】特開2017-167054(JP,A)
【文献】特開2008-217731(JP,A)
【文献】米国特許第8712383(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0119462(US,A1)
【文献】独国実用新案第202013010965(DE,U1)
【文献】特開平11-150584(JP,A)
【文献】特開2000-113335(JP,A)
【文献】特開2007-281786(JP,A)
【文献】国際公開第2017/050784(WO,A1)
【文献】特表2017-504443(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04G 3/00-99/00
H04M 1/00
A61B 5/00-5/03
G06F 3/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通知メッセージの性質及び通知メッセージの内容に関する記述的アラートを、腕時計(1)の着用者にブロードキャストする方法であって、
前記腕時計(1)の機能に関連する事象の識別に関連する通知メッセージを含む情報データを、前記腕時計(1)の処理ユニット(2)によって受信するステップ(10)と、
受信した前記情報データに関連する前記記述的アラートの信号を前記腕時計(1)のタッチレンダリングインタフェース(3)に送信するステップ(14)であって、前記タッチレンダリングインタフェース(3)は、皮膚を通じて所定の感覚を感知させることで少なくとも前記通知メッセージの内容に関する前記記述的アラートを前記腕時計(1)の前記着用者に伝達するように構成されている、送信するステップ(14)と、
を含み、
前記所定の感覚は、
前記メッセージからもたらされる所定の感情を引き起こす感覚および
前記メッセージに含まれる所定の意味を
表す文字の形状を感知させる感覚の少なくとも1つである、方法。
【請求項2】
前記データの少なくとも1つの記述的特徴を抽出するサブステップ(12)を含む、前記情報データを処理するステップ(11)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記抽出するサブステップ(12)は、前記情報データ中の少なくとも1つの記述的特徴を抽出基準に従って選択する段階(13)を含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記抽出基準は、前記腕時計の前記着用者によって事前に定義され、とりわけ、選択される、数及び前記少なくとも1つの記述的特徴を含むことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記送信するステップ(14)は、前記情報データから抽出された前記少なくとも1つの記述的特徴に基づき、前記信号の設計基準を選択するサブステップ(15)を含むことを特徴とする、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
前記設計基準は、前記タッチレンダリングインタフェース(3)の動作用のデータを含み、前記データは、前記タッチレンダリングインタフェース(3)を形成する振動要素(4)の各々に対して定義された少なくとも1つの周波数及び少なくとも1つの振幅を含むことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記情報データは、前記通知メッセージに関連する記述的特徴のセットを含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記信号は、前記メッセージのブロードキャストの持続時間の間に、前記タッチレンダリングインタフェース(3)の前記振動要素(4)の各々の個別の制御命令を含むことを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記形状は、前記通知メッセージに含まれる少なくとも1つの図形表現に基づいて定義されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の方法を実装した、とりわけ高性能な腕時計(1)であって、
前記腕時計は、処理ユニット(2)、及び複数の振動要素(4)が設けられたタッチレンダリングインタフェース(3)を備え、
前記処理ユニット(2)は前記タッチレンダリングインタフェース(3)に接続されている、腕時計(1)。
【請求項11】
前記タッチレンダリングインタフェース(3)は前記腕時計(1)の部分の全てに又は一部だけに画定されており、前記部分は前記着用者の皮膚と接触することが意図されていることを特徴とする、請求項10に記載の腕時計(1)。
【請求項12】
プログラムコード命令を含むコンピュータプログラムであって、前記プログラムコード命令は、前記コンピュータプログラムが腕時計(1)の処理ユニット(2)によって実行された場合に、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法の前記ステップ(10から17)を実行する、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通知メッセージの記述的アラートをブロードキャストする方法に関する。
【0002】
本発明はまた、本方法を実装した腕時計、並びにコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術では慣例的に、通知メッセージの受信は、腕時計において音声信号を発することからなるアラートによって合図している。しかし、これらメッセージの受信をアラートする、そのような音声信号の放出により、静寂が絶対に必要な場所を支配している静寂が妨害されると、腕時計の着用者にとって不快感がもたらされる可能性がある。
【0004】
この欠点を克服するために、従って、通知メッセージを受信した時点で、アラートとして振動を発する振動インタフェースを備える腕時計が知られている。
【0005】
しかし、これら腕時計の大きな欠点は、着用者は、振動インタフェースの振動のみに基づいて、通知メッセージの性質を判断することができず、そうするためには着用者は従って、この通知メッセージが見える、着用者の腕時計のダイヤルを見る必要がある、という事実に関連している。
【0006】
従って、代替的な、特に従来技術の欠点を持たない解決策を見つける必要が存在すると理解されている。
【発明の概要】
【0007】
従って、本発明の目標の1つは、通知メッセージの記述的アラートをブロードキャストして、それにより腕時計の着用者が、この腕時計によって発せられるアラートから、この通知メッセージの性質及び内容を判断することを可能にする方法を提案することである。
【0008】
この目的のため、本発明は、通知メッセージの記述的アラートを、腕時計の着用者にブロードキャストする方法に関し、その方法は、
腕時計の機能に関連する事象の識別に関連する通知メッセージを含む情報データを、腕時計の処理ユニットによって受信するステップ、及び、
受信した情報データに関連する記述的アラート信号を、腕時計のタッチレンダリングインタフェースに送信するステップであって、インタフェースは記述的アラートを腕時計の着用者に伝達するように構成されている、送信するステップ、を含む。
他の実施形態では、
方法は、データの少なくとも1つの記述的特徴を抽出するサブステップを含む、情報データを処理するステップを含み、
抽出するサブステップは、情報データ中の少なくとも1つの記述的特徴を抽出基準に従って選択する段階を含み、
抽出基準は、腕時計の着用者によって事前に定義され、とりわけ、選択される、数及び少なくとも1つの記述的特徴を含み、
送信するステップは、情報データから抽出された少なくとも1つの記述的特徴に基づき、信号の設計基準を選択するサブステップを含み、
設計基準はタッチレンダリングインタフェースの動作用のデータを含み、データは、インタフェースを形成する各振動要素に対して定義された少なくとも1つの周波数及び少なくとも1つの振幅を含み、
情報データは通知メッセージに関連する記述的特徴のセットを含み、
信号は、メッセージのブロードキャストの持続時間の間に、タッチレンダリングインタフェースの各振動要素の個別の制御命令を含む。
【0009】
本発明はまた、本方法を実装した、とりわけ高性能な腕時計に関し、腕時計は、処理ユニット、及び複数の振動要素が設けられたタッチレンダリングインタフェースを備え、処理ユニットはタッチレンダリングインタフェースに接続されている。
【0010】
有益には、タッチレンダリングインタフェースは腕時計の部分の全てに又は一部だけに画定されており、この部分は着用者の皮膚と接触することが意図されている。
【0011】
本発明はまた、プログラムコード命令を含むコンピュータプログラムに関し、プログラムコード命令は、コンピュータプログラムが腕時計の処理ユニットによって実行されたときに、この方法のステップを実行する。
【0012】
他の特徴及び利点は、添付の図面を参照して、決して限定することなく情報提示の目的として以下に与えられる記載から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態による、通知メッセージの記述的アラートをブロードキャストするための方法に関連するフローチャートを示す。
【
図2】本発明の一実施例による、本方法を実装した腕時計を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、通知メッセージの記述的アラートを腕時計1の着用者にブロードキャストするための方法を表す。本方法は、腕時計1の着用者に、腕時計1の1つ以上の機能に関連する事象の識別を、識別された事象に特有の記述的アラートのブロードキャストを介して、知らせる/通知することを目標としている。このアラートは、通知メッセージの受信を合図することだけに限定されず、識別された事象を特定することにより着用者にその内容も通信するので、記述的と呼ばれる。そのようなアラートはまた、個別であり、とりわけ、腕時計1の音声インタフェースによる音の放出なしでブロードキャストされるので静かである。この腕時計1において、通知メッセージは従って、腕時計の機能に関連する事象の識別に関連する内容を含み、この機能は、例えば、腕時計1の着用者の心拍数をモニタする機能に関し、識別された事象は、測定された着用者の心拍数が閾値を超過したことに関し得ることに留意されたい。
【0015】
これに関連して、とりわけタッチレンダリングインタフェース3を介して、腕時計1によって着用者にブロードキャストされる通知メッセージの記述的アラートはタッチアラートである。実際、そのようなインタフェース3により、着用者は記述的アラートをタッチによって感知することが可能になる。換言すれば、着用者によるこのアラートの受信は、着用者のタッチ感覚認知を用いている。一例では、着用者は、ガールフレンドからの不在着信に関連する識別された事象に対して、愛撫の感覚に対応するアラートを着用者の皮膚で感知することができ、又は、代替例では、着用者はこのアラートに対して、ハート形状の輪郭の実現を皮膚上で感知することができる。
【0016】
そのような方法は、腕時計1、とりわけ
図2に示すスマートウォッチによって実現される。そのような腕時計1は、非限定的及び非網羅的に、
物理的リソース及びソフトウェアリソース、特に、メモリ要素と協働する少なくとも1つのプロセッサ、を備える処理ユニット2と、
電気信号を機械的振動に変換できるトランスデューサなどの複数の振動要素4(例えば、複数の圧電要素)を備えるタッチレンダリングインタフェース3と、
第1のアナログ表示構成要素、並びに第2のデジタル及び/又は英数字表示構成要素が設けられたハイブリッド表示ダイヤル5と、
スピーカとしての音声インタフェース6と、
通信モジュール7と、
機械式又は電子式ムーブメント8と、
環境、挙動、及び/又は生理学的センサ9と、
を備える。
【0017】
腕時計1のこの処理ユニット2は、なかでも、音声インタフェース6、タッチレンダリングインタフェース3、振動要素4、表示ダイヤル5、通信モジュール7、ムーブメント8、並びに環境、挙動及び/又は生理学的センサ9にリンク/接続されている。
【0018】
この腕時計1では、タッチレンダリングインタフェース3は腕時計1の部分の全てに又は一部だけに画定されており、この部分は、例えば着用者の手首に画定される着用者の皮膚と接触することが意図されている。換言すれば、このタッチレンダリングインタフェース3は、皮膚と接触するために腕時計ケースの底部の表面内/上に、及び/又は皮膚と接触するために腕時計バンドの表面内/上に設けられ得る。第1の実現例では、このタッチレンダリングインタフェース3の振動要素4は、腕時計ケース1の底部の内面の全て又は一部に配置され得る。第2の例では、これら振動要素4は、腕時計バンド内に、又はこの腕時計バンドの接触面に、特に、この腕時計バンドの少なくとも1つのストランド内に配置され得る。この例では、この腕時計バンドの接触面は好ましくは変形可能であることに留意されたい。第3の例では、これら振動要素4は、腕時計ケースの底部の接触面に配置され、この接触面は好ましくは変形可能である。第4の例では、タッチレンダリングインタフェース3は振動要素4が配置される変形可能な支持膜を備える。この例では、この膜は従って、腕時計ケースの底部の接触面に及び/又は腕時計バンドの接触面に締結されることにより、腕時計1に追加された部分であり得る。一代替形態では、この膜は、腕時計ケース1の底部の接触面及び/又は腕時計バンドの接触面と一体として形成できる。
【0019】
この腕時計1では、各振動要素4は、個別に処理ユニット2にリンク/接続されていることに留意されたい。そのような振動要素4は、例えば、圧電セラミックから、又は可撓性を有する圧電材料(ポリフッ化ビニリデン:PVDF)から作製することができ、非限定的に、円形形状を有し得るか、及び/又はフィルム又はスキンであり得る。そのような振動要素4は、およそ数ミリメートル又は更に数マイクロメートルの小さな厚さと共に、およそ数平方ミリメートル又は更に数平方マイクロメートルの特徴的寸法を有し得る。この構成において、処理ユニット2はこのタッチレンダリングインタフェース3の各振動要素4を個々に及び/又は別個に制御できる。
【0020】
この腕時計1では、通信モジュール7は、とりわけSIMカード(「加入者識別モジュール:Subscriber Identity Module」の頭字語)を備えることによりセルラネットワークのシステムと、又はWLAN無線ローカルネットワークと、接続を確立するように構成されており、通信技術、例えばBluetooth(登録商標)などを実装することもできる。これら状態では、腕時計1は、遠隔サーバ、コンピュータ、又は更にスマートフォンとデータを交換できる。
【0021】
その上、腕時計1の環境センサ9は、例えば温度、気圧などの環境パラメータを測定するようにとりわけ適合されている。挙動センサ9に関しては、これらは、腕時計1の着用者の全ての種類の挙動特性、例えば、着用者が行った動き又はジェスチャなどを測定できる。これを行うために、これら挙動センサ9は1つ以上の慣性センサを備えることができ、これは、加速度計、ジャイロスコープ、又は小型多軸ジャイロメータのタイプであり、例えばMEMS技術を用いて作製された多軸センサであって、加速度計及び/又はジャイロスコープに関連付けられた複数の軸線に応じた角速度及び線形加速度を検出できる。生理学的センサ9に関しては、これらは、着用者の生体の機能に関連するパラメータ、例えば、脈拍、血液酸素飽和度、皮膚インピーダンス、血圧、呼吸数、呼吸性不整脈、皮膚温、発汗速度、血液酸素飽和度、又は血流量などを測定できる。
【0022】
そのような方法は、腕時計の機能に関連する事象の識別に関連する通知メッセージを含む情報データを、腕時計1の処理ユニット2によって受信するステップ10を含む。この腕時計は実際に、機能のセットを含む。これら機能は、非限定的及び非網羅的な形態で、通話の管理、SMS又はMMSタイプのショートメッセージの管理、インスタントメッセージの管理、気圧測定、標高測定、温度測定、スポーツ結果の提供、ナビゲーション/案内支援の提供、心拍数測定、歩数測定、カレンダの提供、アラームの提供など、に関連する。
【0023】
これに関連して、情報データは、例えば、通知メッセージに関連する記述的特徴のセットを含む。腕時計1の機能に関する事象の識別から得られる通知メッセージに対するこの情報データは、処理ユニット2によって、腕時計1のセンサ9から又は遠隔サーバから受信される。これに関連して、処理ユニット2による事象の識別は、非限定的及び非網羅的な形態で、
とりわけ、着用者の挙動パラメータ若しくは生理学的パラメータ、又は環境パラメータなどを、この処理ユニットによってモニタする場合は、1つ以上のセンサ9から得られた測定値が閾値を超過したと判断すること、
処理ユニット2によって通信モジュール7から受信された不在着信を受信すること、
処理ユニット2によって通信モジュールを介して遠隔サーバから受信された、ショートメッセージ若しくはインスタントメッセージ、又は一通の電子メールを受信すること、
腕時計1の動作モードを起動させること、
アラーム時計用のアラーム、会議用のアラーム、薬摂取用のアラームなどのアラームをトリガすること、
などに対応し得ることに留意されたい。
【0024】
これら状態では、情報データは、通知メッセージに関連する記述的特徴のセットを含み、このセットは例えば、
識別された事象のカテゴリ、例えば、アラーム時計用のアラーム、会議用のアラーム、薬摂取用のアラーム、不在着信、着用者の挙動パラメータ若しくは生理学的パラメータ又は環境パラメータの新しい測定など、
識別された事象の時刻/日付、例えば不在着信の時刻、測定の時刻など、
を含む。
【0025】
加えて、通知メッセージが、例えば不在着信、新しいショートメッセージ若しくはインスタントメッセージ、又は新しい電子メールの受信に関連する場合は、これら特徴は、
送信者/発呼者の連絡要素、例えば姓、名など、
送信者/発呼者のプロファイル、例えば家族、親しい友人、職場の同僚、顧客、ボーイフレンド/ガールフレンド、配偶者など、
を更に含み得ることに留意されたい。
【0026】
方法は次に、腕時計の機能に関連する事象の識別に関連する通知メッセージを含む情報データを処理するステップ11を伴う。このステップ11は、データの少なくとも1つの記述的特徴を抽出するサブステップ12を含み、サブステップ12は、情報データ中の少なくとも1つの記述的特徴を抽出基準に従って選択する段階13を伴う。この抽出基準は、腕時計1の着用者によって事前に定義され、とりわけ、選択される記述的特徴の数及びタイプを含む。従って、そのような基準により、この情報データ中に含まれる複数の特徴から選択される少なくとも1つの特徴を識別することが可能になる。例えば、記述的特徴のセットが、着用者の配偶者からの不在着信に関連する識別された事象に関連する通知メッセージに関連し、抽出基準が2つの特徴の選択を伴う場合は、第1の特徴が識別された事象のカテゴリに関連し、第2の特徴が発呼者のプロファイルに関連し、そのとき、抽出された特徴は、第1の特徴については「通話」に、第2の特徴については「配偶者」に対応しなければならない。
【0027】
そのような抽出基準により、着用者にブロードキャストされる記述的アラートの設計に関与する記述的特徴を定義することが可能になる。
【0028】
方法は次に、受信した情報データに関連する記述的アラート信号を、腕時計1のタッチレンダリングインタフェース3に送信するステップ14であって、インタフェース3はアラートを腕時計1の着用者に伝達するように構成されている、送信するステップ14、を含む。このステップ14は、情報データから抽出された少なくとも1つの記述的特徴に基づき、アラート信号の設計基準を選択するサブステップ15を含む。この設計基準は、情報データから抽出することが可能な1つ以上の記述的特徴に従って定義されている。この設計基準は好ましくは、処理ユニット2のメモリ要素内にアーカイブされている他の設計基準のように、腕時計の着用者によって事前に構成されている。そのような設計基準は、タッチレンダリングインタフェース3を形成する振動要素の動作シナリオを含む。従って、この設計基準は、腕時計1の着用者に伝達されることが意図された記述的アラートに関連する信号の設計に関与している。例えば、第1の特徴が「通話」であり、第2の特徴が着用者の「配偶者」の場合は、そのとき、信号の設計基準は、これら特徴に対して具体的に定義され、タッチを介して腕時計1の着用者に通知されるタッチ記述的アラートを設計することを目標とする動作シナリオを含む。このタッチアラートは、例えば、着用者により感知される愛撫の感覚に、又は、一代替形態では、着用者の皮膚上での記号/パターンの実現、例えばハート形状の輪郭の実現に対応させることができる。
【0029】
メッセージが、感情アイコンタイプの画像などの図形表現を含む場合は、処理ユニットは、例えば、この画像の主目的を識別し、その基本的形状を定義して、この形状を着用者の皮膚上に表現するために、この画像のデジタル処理を実装できることに留意されたい。
【0030】
記述的アラート信号の設計基準は、タッチレンダリングインタフェース3の動作用のデータを含む。より正確には、タッチレンダリングインタフェース3の動作用のこのデータは、インタフェース3を形成する各振動要素4に対して定義された少なくとも1つの周波数及び少なくとも1つの振幅を含む。特に、この動作用データは、
記述的アラートのブロードキャストの持続時間と、
ブロードキャストの持続時間に対しての、各振動要素4の動作の少なくとも1つの時間/期間、又は、
記述的アラートのブロードキャストの持続時間の全て又は一部の間の固有の動作時間、又は、
記述的アラートのブロードキャストの持続時間の間の一連の動作時間と、
各動作時間に対して、
振動周波数及び振動振幅、又は、
振動周波数及び一連の振動振幅、又は、
一連の振動周波数及び一連の振動振幅、又は、
一連の振動周波数及び振動振幅と、
を含む。
【0031】
一連の振動周波数は、類似した若しくは実質的に類似した周波数のみ、又は異なる若しくは実質的に異なる周波数のみ、又は類似した周波数と異なる周波数との組み合わせを含み得ることに留意されたい。同様に、一連の振幅は、類似した若しくは実質的に類似した振幅のみ、又は異なる若しくは実質的に異なる振幅のみ、又は類似した振幅と異なる振幅との組み合わせを含み得る。
【0032】
このステップ14は次に、設計基準に基づいてアラート信号を生成するサブステップ16を含む。このサブステップ16の間、処理ユニット2はこの設計基準に基づいて、タッチレンダリングインタフェース3の各振動要素4を個々に及び/又は別個に制御することを可能にする信号を設計する。この信号は次に、信号を伝達するサブステップ17の間に、処理ユニットによってタッチレンダリングインタフェース3に送られる。そのような信号は、記述的アラートのブロードキャストの持続時間の間に、各振動要素4の個別の制御命令を含む。
【0033】
この信号を受信した時点で、タッチレンダリングインタフェース3は、このタッチ記述的アラートを着用者の皮膚に放出/ブロードキャストする。従って、このタッチアラートは、非限定的及び非網羅的な形態で、
タッチに基づいた形態での、パターン/記号、文字、数字などの図形表現の輪郭の実現、すなわち、着用者の皮膚上で個人の指先の運動によって実現され得るようなもの、
着用者の皮膚上への図形表現の適用、例えば文字又は記号/パターンの形状の適用、
例えば、着用者に柔らかい、快適な、官能的な、又は逆に不快な知覚を生成することを目標とした、波及び/又は振動する現象の生成、
に対応し得る。
【0034】
本発明はまた、プログラムコード命令を含むコンピュータプログラムに関し、プログラムコード命令は、コンピュータプログラムが腕時計1の処理ユニット2によって実行された場合に、本方法のステップ10から17を実行する。
【符号の説明】
【0035】
1 腕時計
2 処理ユニット
3 タッチレンダリングインタフェース
4 振動要素
5 表示ダイヤル
6 音声インタフェース
7 通信モジュール
8 ムーブメント
9 センサ
10 受信するステップ
11 処理するステップ
12 抽出するサブステップ
13 選択する段階
14 送信するステップ
15 選択するサブステップ
16 生成するサブステップ
17 伝達するサブステップ