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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】プラスチック容器製品
(51)【国際特許分類】
   A61J 1/05 20060101AFI20220117BHJP
   B65D 1/02 20060101ALI20220117BHJP
【FI】
A61J1/05 315C
B65D1/02 211
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019542428
(86)(22)【出願日】2018-02-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-09
(86)【国際出願番号】 EP2018054551
(87)【国際公開番号】W WO2018162255
(87)【国際公開日】2018-09-13
【審査請求日】2021-02-22
(31)【優先権主張番号】102017002401.4
(32)【優先日】2017-03-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】514056207
【氏名又は名称】コッヒャー-プラスティック マシーネンバウ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル シュパーレク
(72)【発明者】
【氏名】ヨハネス ゲサー
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー ハンマー
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー バイアー
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル シュールテス
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特開平7-88150(JP,A)
【文献】特表昭62-502450(JP,A)
【文献】米国特許第4337025(US,A)
【文献】国際公開第2016/015742(WO,A1)
【文献】特開2008-104868(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 1/05
B65D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に成形同時充填プロセスによって製造されたプラスチック容器製品であって、
容器内容物を有する容器本体と、該容器本体に設けられる頭部(12)とを備え、該頭部(12)は接合部(38)を有する頭部膜(16)によって閉じられた取出し領域(14)を画定し、前記接合部(38)は、前記頭部膜(16)によって広がる面(20)を貫通し、容器内容物の取出しのために前記頭部膜(16)の自由端面(26)上の少なくとも二つの貫入可能領域(22、24)を互いに分離しているプラスチック容器製品において、
前記頭部膜(16)の前記自由端面(26)上に見られる前記接合部(38)は、面(20)内を延びる仮想の直線(32)から少なくとも部分的に逸脱した接合線(36)を有し、該接合線(36)は、仮想の直線(32)より長く、かつ前記貫入可能領域(22、24)を少なくとも部分的に包囲していることを特徴とするプラスチック容器製品。
【請求項2】
前記接合部(38)は、前記頭部(12)の一つの点(E1)から前記頭部(12)の反対側の点(E2)まで延びており、かつ補強手段として前記頭部膜(16)が意図せず穿刺されることに対する抵抗力を少なくとも部分的に提供することを特徴とする、請求項1記載のプラスチック容器製品。
【請求項3】
前記接合部(38)又は前記補強手段は、前記頭部膜(16)上のそれぞれの前記貫入可能領域(22、24)の位置についての目安を操作者に与えることを特徴とする請求項1又は2に記載のプラスチック容器製品。
【請求項4】
前記頭部膜(16)の面(20)内で延びる前記接合部(38)は、交互性を有する線、好ましくは曲線状の線を有することを特徴とする、請求項1~3の何れか一項に記載のプラスチック容器製品。
【請求項5】
曲線状の線は、実質的に単一の波、好ましくは正弦波(40)に類似しており、波形の谷(42)及び/又は波形の山(44)は前記頭部膜(16)のそれぞれ一つの貫入可能領域(22、24)を受容し、そのようにして少なくとも部分的に包囲していることを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載のプラスチック容器製品。
【請求項6】
前記接合部(38)の前記接合線(36)は、前記成形同時充填プロセス中に前記頭部を製造する際に生じる一種の分割線として形成され、前記接合部(38)は前記頭部(12)の反対側に沿ってさらに進み(19)、前記成形同時充填プロセス中に複数の成形型を使用する製造の際に生じる容器本体(10)のモールド分割線(21)に結合することを特徴とする、請求項1~5の何れか一項に記載のプラスチック容器製品。
【請求項7】
前記頭部膜(16)内の前記接合線(36)は、二つの対向する点(E1、E2)で前記頭部(12)における接合線(19)に結合し、二つの対向する点の間に仮想の接続する直線(32)が形成され、該直線上及び/又は外側に前記頭部膜(16)の前記貫入可能領域(22、24)の中心(M1、M2)があり、一形態では仮想の直線(32)は接線の態様で少なくとも一つの貫入可能領域(22、24)を画定し、又は貫入可能領域は仮想の直線(32)から所定間隔で配置されていることを特徴とする、請求項1~6の何れか一項に記載のプラスチック容器製品。
【請求項8】
前記頭部膜(16)は、円形の外周を有すると共に、仮想の接続する直線(32)と該直線に対して垂直に位置する仮想の接続する直線(48)とを有し、仮想の接続する直線(32)と直線(48)は交差する点で仮想中心(Z)を画定し、該仮想中心(Z)を通る前記接合部(38)の波(40)は波形の谷(42)から波形の山(44)へ移行することを特徴とする、請求項1~7の何れか一項に記載のプラスチック容器製品。
【請求項9】
波形の谷(42)及び/又は波形の山(44)に当接する接線(T)は、仮想中心(Z)又は他の中心(Z+1)を通って仮想の接続する直線(32)と共に、10~90°、好ましくは30~70°、より好ましくは40~60°の角度αを形成することを特徴とする、請求項1~8の何れか一項に記載のプラスチック容器製品。
【請求項10】
波形の山(44)から波形の谷(42)へ続く順序が逆になっていることを特徴とする、請求項1~9の何れか一項に記載のプラスチック容器製品。
【請求項11】
前記接合部(38)の波(40)の波形の谷(42)及び/又は波形の山(44)の始端(P1、P2)は、部分(50)に移行しており、該部分(50)は、平面図で前記頭部膜(16)の端面(26)を見ると仮想の接続する直線(32)に沿って延び、前記頭部(12)におけるそれぞれ対向する点(E1、E2)に通じていることを特徴とする、請求項1~10の何れか一項に記載のプラスチック容器製品。
【請求項12】
前記接合部(38)の長さは、端面図で見て、好ましくは円形に形成された前記頭部膜(16)の直径よりも少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%長いことを特徴とする、請求項1~11の何れか一項に記載のプラスチック容器製品。
【請求項13】
前記頭部膜(16)上の前記貫入可能領域(22、24)の肉厚は、それ以外の領域、特に前記接合部(38)の領域における前記頭部膜(16)の平均肉厚よりも小さく、前記貫入可能領域(22、24)の平均肉厚は0.1mm~0.40mm、好ましくは0.15mm~0.35mmであることを特徴とする、請求項1~12の何れか一項に記載のプラスチック容器製品。
【請求項14】
前記頭部膜(16)上の二つの貫入可能領域(22、24)の肉厚及び/又は面積は大きさが異なることを特徴とする、請求項1~13の何れか一項に記載のプラスチック容器製品。
【請求項15】
前記頭部膜(16)上の前記接合部(38)は、補強リブの態様で、少なくとも部分的に周囲に向かって外側に及び/又は容器本体(10)の内部に向かって突出していることを特徴とする、請求項1~14の何れか一項に記載のプラスチック容器製品。
【請求項16】
前記容器本体(10)の前記頭部(12)及び/又は頭部(12)と容器本体(10)との間のカラー(30)はキャップ部材(31)と固く結合され、該キャップ部材(31)は外から解放可能な又は解放された穿通部(60、62)を備え、該穿通部(60、62)は前記頭部膜(16)の割当て可能な前記貫入可能領域(22、24)と重なるように配置されていることを特徴とする、請求項1~15の何れか一項に記載のプラスチック容器製品。
【請求項17】
前記頭部膜(16)内の前記貫入可能領域(22、24)の位置に応じて、前記キャップ部材(31)のそれぞれの穿通部(60、62)の取付け方向は、仮想の接続する直線(32)に対して70°未満、好ましくは50°未満、より好ましくは30°未満のオフセット角βで前記頭部(12)に取り付けられていることを特徴とする、請求項1~16の何れか一項に記載のプラスチック容器製品。
【請求項18】
前記キャップ部材(31)は前記頭部膜(16)の自由端面(26)における補強リブ、好ましくは前記接合部(38)から形成された補強リブに固持されていることを特徴とする、請求項1~17の何れか一項に記載のプラスチック容器製品。
【請求項19】
前記頭部膜(16)は、湾曲していない平面、又は周囲に向かって外側に凸状に突出した湾曲した面(20)を有することを特徴とする、請求項1~18の何れか一項に記載のプラスチック容器製品。
【請求項20】
使用されるプラスチック材料は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリプロピレンコポリマー又はポリプロピレンブレンドが容器材料として使用されること、及び/又は前記容器本体(10)の容器壁が少なくとも二種類の材料からなる多層構造を有することを特徴とする、請求項1~19の何れか一項に記載のプラスチック容器製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に成形同時充填プロセスによって製造されたプラスチック容器製品であって、容器内容物を有する容器本体と、それに隣接する頭部と、を備え、頭部は接合部を有する頭部膜によって閉じられた取出し(吸出し)領域を画定し、接合部は、頭部膜で覆われた面を貫通し、容器内容物の取出し(吸出し)過程のために頭部膜の自由端面上の貫入可能領域を互いに分離しているものに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載されており、またボッテルパック(bottelpack、登録商標)システムの名称で知られているように、成形同時充填(BFS=Blow Fill Seal)プロセスで製造されたプラスチック容器は、食品や飲料に、そしてまた医療分野で医薬品、診断薬、経腸栄養剤、医療製品、例えば洗浄液や透析液の包装に非常に有利に使用される。そうした用途のためにこのような容器の本質的な利点は、内容物が専ら容器材料をなすポリマー、典型的にはLDPE、HDPE又はPPなどのプラスチックと接触していることである。BFSプロセスによって製造され充填された一体型容器では、内容物の滅菌性/無菌性をより長期間保証することができる。注射、注入、輸血又は経腸栄養を目的とした容器は、容器内容物への接近を形成するために特別の形状の頭部領域を有する。容器と頭部の一体型設計は、製造プロセスを特に合理的に実施する際に充填物の確実な無菌性を可能にする。容器頭部にはエラストマーシーリングエレメント(DIN/ISO15759)を備えたキャップが、溶接又は封入によって取り付けられる。
【0003】
そのような容器では、医療用の他の容器製品、例えば注射瓶、円筒形アンプル又は注射用のプラスチック容器(DIN/EN/ISO15747:2012-07)と同様に、例えば注射カニューレ又は穿刺部材で穿通する際に封止材料からポリマー又はエラストマー粒子が打ち出されることがある。これらの遊離した粒子は、カニューレ、注射器、又は容器自体の中に残る可能性がある。これはとりわけカニューレの目詰まりを引き起こすことがあり、その結果、取出し(吸出し)及び/又は注射過程が不可能になり、粒子が充填物中に入り込む可能性もある。
【0004】
それゆえこの問題に関して、エラストマーで封止された注射瓶を使用する際は、既にEN/ISO8871-5:2014で、また米国薬局方第381章でも限界値が指定されている。専門用語でフラグメンテーションとも呼ばれるこの問題に対処するために、先行技術(特許文献2)において既に特別の針形状が提案されたが、それは複雑で高価な特殊カニューレを必要とする。
【0005】
特許文献3により、容器の規定された横方向肩部に配置されたカニューレ用の薄肉の穿孔された位置を有するプラスチック容器が知られている。ここでは十分な薄肉化は非常に複雑な金型技術によってのみ達成でき、引っ込んだ領域は容易な清掃を非常に困難にするという難点を伴う。さらにこれらの薄肉部は容器の最も高い部分又は最も低い部分にはないので、これらの薄肉部を通して容器を完全に空にすることは不可能である。
【0006】
これに対し特許文献4(マイヤーホーファー)により知られている、成形同時充填プロセスによって製造された容器製品は、容器頭部に対して特別に設計されたダブルドーム形状を有しており、そうすることによって容器から取出しするためにカニューレを突き通す際に確実に密封され、粒子を形成しないことが保証される。この場合、貫通領域の肉厚を小さくする必要はない。必要なダブルドーム形状は一つの穿通個所しか可能にせず、容器製品としての成形同時充填注入容器の、DIN/EN/ISO15759:2006-05に従って形成された定評のある頭部形状から非常に逸脱しており、ISO規格15759:2006-05に適合しない特殊なキャップシステムを必要とするが、これもまた非常に経費がかかり、全容器システムの機能安定性を損ねる恐れがある。
【0007】
更に特許文献4(図1及び図3)は、特許文献5(図1図2及び図3)と同様に、頭部領域におけるモールド分割線の不利な線を示している(図1及び図3:接合部18)。それにより穿通箇所は容器頭部の縁部に非常に近く、カニューレの穿刺角度がわずかにずれただけでも意図せず容器の首部を突き通す大きい危険をもたらす。別の欠点は、容器頭部の中心剛性が小さいことであり、これは特許文献6で取り上げられている。この文献では、頭部領域を補強するために、複数の頭部面を有する多数の多種多様なドーム状の頭部形状が提案されているが、これらも同様に詳細に適合されたキャップ設計を必要とし、DIN/EN/ISO15759:2006-05に従う頭部面に対して穿通領域を著しく小さくする。それによって二つの穿通箇所の可能な相互間隔も小さくなり、それはまた使用中に、例えば注入物を投与する際に、穿刺された注入装置(EN/ISO8536-4:2013)がかなり張り出した点滴チャンバで、注入中に別の薬剤を注加するためのカニューレ用の穿通箇所を塞ぐと不利を招くことがある。
【0008】
特許文献7(ワイラー)は、図4に端面図で容器本体を直線状に横断する分割線(42、「パーティングライン」、第8欄、26行以下)を有する容器を示している。そのような分割線は、典型的にブロー成型において二つの部分からなる型を使用する場合に生じる。分割線は形状を付与する2部分からなる金型を分離する結果生じる。これに付随する頭部領域内の封止接合部又は若しくは接合部は最小の長さを有し、分割線に直線状に追随する。この例のようにブロー成形容器の場合に限らず一般に封止接合部はできる限り短くして、医療目的のために無菌充填物を充填された滅菌容器の場合に患者の健康に非常に深刻な影響を及ぼす可能性がある弱点、不完全、さらには漏れのリスクを最小限に抑える必要がある。
【0009】
特に、例えば特許文献8及び特許文献9に記載されている多層壁構造を有する容器における封止接合部は敏感であり、漏れが発生しやすい。
【0010】
特許文献6が対象とする容器は、容器本体の頭部の端部を統一的な曲率で覆う均一な頭部膜の代わりに、頭部端部に異なる湾曲を形成する異なる頭部面が形成されており、その結果頭部膜の可能な全取出し面に対して、たわみに対する抵抗が増大するとともに、穿刺、切断又は貫通がより容易にされている。それにより取出し過程における頭部膜の逃げや、漏れの危険性は最小限に抑えられ、それほど鋭くない穿刺スパイク、切れ刃又は太いカニューレを利用しても取扱いが安全なやり方で可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】欧州特許出願公開第2269558(A1)号明細書
【文献】米国特許第5868721号明細書
【文献】国際公開第81/02286号
【文献】米国特許第4574965号明細書
【文献】中国特許出願公開第85103261(A)号明細書
【文献】独国特許出願公開第102013012809号明細書
【文献】欧州特許出願公開第0621027(A1)号明細書
【文献】欧州特許第1616549号明細書
【文献】独国特許出願公開第10347908(A1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の課題は、この先行技術から出発して、特に容器内容物の取扱い及び取出し(吸出し)過程に関して、公知の解決策に対してさらに改良された容器製品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題は、特許請求の範囲の請求項1の特徴をその全体において有する容器製品によって解決される。
【0014】
請求項1の特徴部分に従い、頭部膜の自由端面上に見られる接合部は仮想直線から少なくとも部分的に逸脱した接合線を有しており、この接合線はこの面内を進むように延びて直線より長くなっており、貫入可能領域を少なくとも部分的に包囲していることによって、非常に薄肉の貫入可能領域を形成することができる。これらの領域は頭部膜の面内に位置する長くされた接合部又は封止接合部によって支持されて、容器内容物を取出し(吸出し)又は添加する間にそれぞれの貫入可能領域で意図せず全頭部膜の陥没を招いて、取出し過程が特に無菌性に関して劣化することがないようにされている。この点では誤操作が排除されているので、本発明によるプラスチック容器製品の取扱いは全体として操作者にとってより容易にされており、それ以外にも容器内容物の確実な添加及び/又は取出し過程がいかなる場合も保証されている。本発明による接合部による添加又は取出し過程のための支持及び補剛補強機能はまた、接合部が直線状の向きを離れて貫入可能領域を少なくとも部分的に含み、そうすることで縁部側を追加的に補強することによっても保証されている。したがって頭部の支持及び固定する接合部によって、頭部膜の自由端面上の貫入可能領域は頭部膜の他の壁部分と比較して壁の厚さを小さくすることができ、このことは上述の添加及び/又は取出し過程をさらに容易にするのを助ける。
【0015】
平均的な当業者にとって驚くべきことに、公知の成形同時充填プロセス(BFS)を用いて通常は直線状に向けられた線に比べて実質的に長くされた接合部によって、0.10mm~0.25mmの薄肉個所を貫入可能領域として通常の生産と同様の確実さをもって簡単に形成でき、その際に専門用語で頭部封止接合部又は頭部溶接接合部とも呼ばれる接合部に漏れを生じることなく、また110℃を超える温度範囲、例えば充填された容器製品を滅菌する際に必要なオートクレーブプロセスの枠内で生じる温度範囲で内部圧力負荷が発生した場合に薄肉個所が引き裂けることもない。ここでは一方では、BFSプロセスの第3の製造工程、すなわち容器頭部の封止において、まだ高温のポリマーの逆剪断運動により、明らかに好ましいポリマー鎖の配向及び/又は系における有利な応力状態が生じると考えられる。他方では、既に述べたように、薄い穿通面に密に接近する接合部の支持効果にも特別の意味が帰せられる。
【0016】
本発明による容器製品の特に好ましい実施形態では、接続する接合線は、成形同時充填プロセス(BFS)で頭部製作時に発生する一種の封止接合部又は溶接接合部として形成され、頭部の反対側で頭部に沿ってさらに進み、BFSプロセスの一環として複数の成形型から製造する際に生じるモールド分割線に結合する。頭部に対するそのような封止接合部を作製する際に、上記の製造プロセスで頭部膜内に、上述した頭部の平均肉厚と比較して肉厚が減らされた貫入可能領域も生じる。この場合、封止接合部若しくは溶接接合部は、頭部膜を密封された状態で完全に貫通する。
【0017】
さらに、頭部膜における接合線は二つの対向する点で、それ以外の頭部における対応する分割線/接合線に結合しており、二つの対向する点の間に仮想接続直線が形成され、その直線上及び/又は外側に頭部膜の貫入可能領域の中心があること、及び一形態では仮想直線は少なくとも一つの貫入可能領域を接線の態様で画定し、又はこの領域は仮想直線に対して所定間隔を取ることが、特に有利であることが分かった。このようにして、多数の用途のために確実に操作できるように貫入可能領域を容器製品の頭部膜上に支持されて配置することができる。
【0018】
これに関連してさらに、接合部を頭部膜上の正弦波の線と類似又は同一に形成し、その波形の谷及び/又は波形の山は頭部膜のそれぞれ一つの貫入可能領域を受容し、そのようにして少なくとも部分的に支持するように包囲していることが特に有利であることが分かった。
【0019】
本発明による容器製品のさらに特に好ましい実施形態では、容器本体はその頭部を介して及び/又は頭部と容器本体との間のカラーを介してキャップ部材と好ましくは固く結合されており、キャップ部材は外から解放可能な又は解放された穿通部を備えており、これらの穿通部は頭部膜の割当て可能な貫入可能領域と重なるように配置されている。上記の頭部膜内の貫入可能領域は偏心的に配置されることができ、キャップ部材はその穿通部が取出し過程のために貫入可能領域と重ならなければならないので、本発明によりキャップ部材を設定可能なオフセット角度だけ回して容器に取り付けることが可能であり、有利に提供される。
【0020】
本発明による容器製品の別の有利な実施形態は、その他の従属請求項の対象である。
【0021】
総じて本発明による解決策によって次の容器製品が提供されている。
成形同時充填プロセスによって漏れの危険性が少なく、確実で再現可能に製造することができる。
容器頭部の形状が実質的にDIN/ISO15759に適合している。
好ましくは二つの互いに空間的に分離されて肉厚が小さくなるように制御された同様の貫入可能領域を有し、標準カニューレ(DIN/EN/ISO7864)で穿通すると、キャップなしでも粒子が打ち出されないか、打ち出されたとしても非常にわずかである。
EN/ISO8536-4:2013に準拠した注入装置の穿刺部材で穿通する際に少ない穿通力を可能にする。
二つの穿通部を有するキャップ部材を斜めの位置でも容器本体に取り付けることができる。
【0022】
以下に、本発明による解決策を容器製品の例示的な実施形態に基づいてより詳細に説明する。図面は縮尺通りに表現されていない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】DIN/ISO15759に従う先行技術による頭部を有する注入容器の形態のプラスチック製容器製品の、実際に実現された実施形態を縮小して示した斜視図である。
図2図1に示す容器製品の頭部の拡大図である。
図3】本発明による容器製品のための変更された頭部の図2に対応する表現である。
図4図3の頭部に使用されている頭部膜の上端面図である。
図5】頭部膜の接合部と貫入可能領域の配置が異なることを示す、図4に対応する図である。
図6】頭部膜の接合部と貫入可能領域の配置が異なることを示す他の図である。
図7】頭部膜の接合部と貫入可能領域の配置が異なることを示す更に他の図である。
図8】頭部膜の接合部と貫入可能領域の配置が異なることを示す更に他の図である。
図9図3図8のいずれかに示す可能な頭部膜を有し、キャップ部材を取り付けた、本発明による容器製品の別の実施形態の頭部の断面図であり、容器内容物の取出し過程を実行するために穿刺部材を突き刺す際の状態が示されている。
図10】穿通部がキャップ側で覆われている、図9に示すキャップ部材の斜視図であり、キャップ部材は部分的にしか示されていない容器製品の長手方向の向きに対して全体が斜めに延びるように配置されている。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、先行技術(特許文献6)において明白な、いわゆる成形同時充填法(BFS)に従って製造されたプラスチック容器製品を示す。この容器製品は、慣用的な種類の容器内容物(図示せず)を有する容器本体10と、これに接続する頭部12とを備え、頭部12は接合部18を有する頭部膜16によって閉じられた取出し領域14を画定しており、この接合部18は頭部膜で覆われた面20を貫通して、図2に詳しく示すように容器内容物の取出し過程のために頭部膜16の自由端面26上の二つの貫入可能領域22、24を互いに分離している。二つの貫入可能領域は理想的にM1、M2を中心とする円形で表現されている。頭部12のその他の部分は、首部28とカラー部30である。
【0025】
図1に示す容器製品は、プラスチック材料、特にポリオレフィン材料からなる、BFSプロセスによって一体的に製造された注入瓶である。図示の例でDIN/ISO15759:2006-05に従う先行技術によって形成された頭部12は、ISO15759-BFS-A又はISO15759-BFS-Bに従うキャップ部材31によって、図9及び図10に例として示すように溶接又は封入によってカラー部30に結合することができる。頭部12の自由端側の端部には、取出し及び/又は添加過程のために、連続的に延び、且つ一様に凸状に湾曲した頭部膜16があり、これは例えばカニューレ(DIN/EN/ISO7864)又は穿刺部材34(EN/ISO8536)によって、図9に例として図示された矢印の方向に突き刺すことができる。平面図で頭部膜16の端面26を垂直に上から見ると、そこに示されているそれ自体突出して湾曲している接合部18は、図2に破線で再現されている仮想の直線32を辿る。この仮想の直線32は二つの点E1とE2との間の最短接続を形成し、これらの点で公知の接合部18は頭部12において続くモールド分離線19に連続的に移行する。そのため点状の箇所E1とE2との間に弧状又は弦状に延びる接合部18は頭部膜16の湾曲に追従し、一種の補強リブとして形成されて、好ましくは頭部膜16の自由端面26上から設定可能な張り出しで突出している。さらにモールド分割線19は、BFSプロセスで典型的に二つの部分からなる成形型を用いて成形される容器本体10のモールド分割線21に結合する。
【0026】
図2の方向で見て、湾曲した接合部18の両側に対向する二つの貫入可能領域22、24が配置されており、これらは簡単に表現するためにM1及びM2を中心とする閉じた円として示されている。しかし領域22、24は製造条件によっては他の輪郭形状、例えば楕円形、三日月形又は同種のものであってよい。これらの貫入可能又は穿入可能な領域22、24は、図9に暗示されているように、頭部膜16の他の肉厚よりも薄くなった減少した肉厚を有する。貫入可能領域22、24に対する減少した肉厚は、既に述べたように実際には円形とはわずかに異なる形状を有することがあり、これらはBFSプロセスの製造工程中の材料の流動過程から生じるが、適当な金型を介した適切な成形により頭部膜16内に意図的に得ることもできる。完全を期すために言うと、ISO15759によれば頭部膜16の直径は典型的には30mmであることができる。
【0027】
専門用語で頭部封止接合部とも呼ばれる接合部18は、頭部12の点E1から同じ頭部の反対側の点E2まで延び、突出したリブの形態の補強手段として、容器の内容物に関する後続の取出し又は添加過程のためにカニューレ又は穿刺部材34などの取出し装置を押し当てた際に頭部膜全体を意図せず穿刺することに対する抵抗力を少なくとも部分的に提供する。もしそのようなリブ状の補強手段がなかったなら、図9に示すように穿刺具34が当たった際に頭部膜16の穿通過程は実質的に起こり得ず、むしろ頭部膜16は薄肉に形成された場合に内側に湾曲し、そのため効果的な穿刺又は穿通が妨げられることがある。ここで明らかなように頭部膜16を肉厚に関して相応に厚く形成すればビード状に補強された接合部18がなくても頭部膜16自体が抵抗力を形成するが、穿刺具34を用いた穿刺過程のためにより大きい力の消費が必要であり、とりわけその場合は既に述べたフラグメンテーションを招き、厚くされた壁領域から遊離したプラスチック粒子がより多く穿刺具34の取出し流路(図示せず)に到達するが、これはいかなる場合も避けなければならない。
【0028】
図1及び図2に示した先行技術の表現によるリブ状の補強接合部18は既にこの問題に対する解決策を提供しているが、それにもかかわらず実際には、この公知の解決策は、特に注入容器の形態で容器から機能的に確実で円滑に取出しする過程のためには依然として難点があり、それらは図3以下に示す本発明の解決策によって解決される。ここで完全性を期して言及すると、穿刺具を用いて容器から容器内容物を取り出す取出し過程の前に、少なくとも1種類の媒体を添加する過程を、例えば既に注入液など容器液を充填して完成した容器に薬剤を補給する形態で設けることができる。図9に原理図のみを示した穿刺具34は注射器の通常の注射針であってよい。
【0029】
図3及び図4に示す本発明による解決法では、それぞれ頭部膜16の自由端面26上に見られるように配置された本発明の接合部38は、仮想の直線32から逸脱した接合線36を有する。この接合線36は、面20の内部でそれぞれ湾曲した面としての頭部膜16の内部で延びており、直線32よりも長く、貫入可能領域22、24を少なくとも部分的に有している。本発明による接合部38の非直線36は、操作者に頭部膜18上のそれぞれ貫入可能領域22、24の位置又は場所に関する目安を与える。なぜなら接合部38は貫入可能領域22、24をそれぞれ約半分有しているからである。
【0030】
さらに図3及び図4から明らかなように、頭部膜16の面20内部で延びる接合部38は、交互性を有する線、好ましくは曲線状の線を有する正弦波40を形成し、その波形の谷及び付随する波形の山は頭部膜16のそれぞれ一つの貫入可能領域22若しくは24を受容し、そのようにして少なくとも部分的に有している。頭部膜16内の接合線36は、ここでも再び二つの対向する点E1、E2で頭部12における別の接合線に結合(移行)している。この場合、対向する両点E1及びE2は、それらの間に図2の仮想の直線32に対応する仮想の接続する直線32を形成する。この仮想の接続する直線32上に頭部膜16の貫入可能領域22、24の中心M1、M2がある。
【0031】
頭部膜16は円形の外周を有し、仮想の接続する直線32はこの直線32に対して垂直である他の仮想の接続する直線48と共に仮想中心Zを画定し、この点で波40は本発明による接合部38の図4の表現に従い波形の谷42から波形の山44へ移行する。
【0032】
さらに図4の表現に従い、中心Zを通って波形の谷42と波形の山44に接線を当てると、この接線Tは仮想の接続する直線32と約50°の角度αを形成する。ここでは接合部38の実施形態に応じて約40°(図8)~75°(図5)の範囲でその他の角度寸法αが可能である。図7に示す実施形態では、波形の谷42から波形の山44への移行は仮想中心Zの外で、したがって他の中心Z+1を通って進む。この場合、この点を通って図4に示す表現に従って接線を引くことができよう。しかしその限りでは角度αの数値は変化しない。
【0033】
さらに図3及び図4から明らかなように、接合部38の波40の波形の谷42の始端P1と波形の山44の始端若しくは終端P2は、それぞれ部分50に移行している。この部分は平面図で頭部膜16の端面26を見ると仮想の接続する直線32に沿って進み、それぞれの部分は縁部が頭部12における対向する点E1、E2に通じている。部分50は直線として選択される代わりに、正弦波40を継続して弧状に進むことも、又はこの波の進路と逆方向に進むこともできる。波形の接合部38の長さは、円形に形成された頭部膜16の直径より少なくとも30%長くなるように選択されるのが好ましい。
【0034】
頭部膜16上の貫入可能又は穿入可能な領域22、24は、図3及び図4に示す実施形態では実質的に等しい大きさになるように選択されている。さらに図9から明らかなように、頭部膜16上の両貫入可能領域22、24の肉厚は、頭部膜16の他の領域の平均肉厚よりも小さく、貫入可能領域22、24の平均肉厚は0.15mm~0.35mmであることが好ましい。各貫入可能領域22、24の肉厚も異なるように選択することができ、その結果として例えば一方の貫入可能領域は穿刺カニューレを導入するのに特に適しており、他方の貫入可能領域は注射針を導入するための良好な接近性を可能にする。さらに、貫入可能領域22、24の両面積は異なる大きさとなるように選択することができ、その点で変更された頭部膜16が図7に例として示されている。さらに、図8に示す頭部膜16の実施形態では波形の谷42から波形の山44上への順序も逆転されていて、図8の方向に見て最初に左側に波形の山44が波形の谷42の前に来ている。
【0035】
それぞれの頭部膜16上の接合部38は、補強リブの方式で少なくとも部分的に周囲に向かって外側に及び/又は容器本体10の内部に向かって突出することができ、図2には公知の解決策について外側への張り出しが示されている。簡単に表現するために、図3以下の表現ではリブ形成は省略されている。図示されている頭部膜16は、それぞれ湾曲面として、すなわち周囲に向かって外側に凸状に突出した面20の形態で示されている。しかしまた頭部膜16を湾曲していない面、すなわち平面(図示せず)として形成することも全く可能である。容器本体10のためのプラスチック材料としては、通常ポリエチレン、シクロオレフィンポリマー、ポリプロピレンが採用され、同様にシクロオレフィンコポリマー、ポリプロピレンコポリマー又はポリプロピレンブレンドも考慮される。さらに、本発明による容器の容器壁は、少なくとも2種類の材料の多層構造(図示せず)を有することができる。
【0036】
波形の接合部38を得るためには、相応の成形装置において頭部12の波形を得るために成形型が互いに対向する端面に必要な凹部と凸部を有する成形型を形成することが必要である。プラスチック容器でそうした頭部形状を形成するために、スライド制御を用いて成形型を動かすようにした成形装置が、独国特許出願第10317712号に示されている。接合部38に対する図示された波形は、製造技術上特に有利であることが分かった。しかし他の波形、例えば異なる曲線形状を有するS字形の弧の方式も選択することができる。さらに必要に応じて蛇行状の接合部線又はジグザグ状の接合線を実現することができる。重要なのは、それぞれ貫入可能領域22、24が少なくとも部分的に包囲されるように接合部38を選択して、それらの貫入可能領域22、24を穿刺中に十分安定にすることである。さらに総じて長くされた接合線36に基づいて、そうでなければ柔軟なプラスチック頭部膜16の改善された補強が達成される。さらに頭部膜16上に3つ以上の貫入可能領域を取り付けることも可能である(図示せず)。
【0037】
図5図8の表現に従う本発明による容器製品のための頭部膜16の別の実施形態については、それらが前述の実施形態と著しく異なり、そのためまだ十分に説明されていない場合に限り説明される。
【0038】
頭部膜16の図5に示す実施形態では、その上側の貫入可能領域22は仮想の接続する直線32に接しており、別の貫入可能領域24はこの接続する直線32に対して設定可能な軸方向間隔を有している。図6に示す実施形態では、中心Zを通って波形の谷42と波形の山44に当接した接線Tは、図4の実施形態におけるよりも急勾配である。さらに別の接線として、接続する直線32は図6の方向で見て、貫入可能領域22の上側若しくは貫入可能領域24の下側に当接しており、両貫入可能領域はほぼ等しい面積で形成されている。
【0039】
図7に示す実施形態では、貫入可能領域24の直径は貫入可能領域22よりも小さくなるように選択されている。さらに既に説明したように、波40の線は中心Zに対して偏心的に別のZ+1を通って進むように配置されている。図8に示す実施形態では、ほぼ同じ大きさである両貫入可能領域22、24に直線32が接しており、既に説明したように、図3図7に示す実施形態による波形の谷42から波形の山44へ進む線は逆転されている。
【0040】
図9及び図10に示す実施形態では、キャップ部材31が公知のやり方で頭部12に当てられている。キャップ部材31は、好ましくは硬質プラスチック材料でできており、おおまかに底部52を有する円形の盃の形をして、取外し可能なタブ54、56を有しており、そのうちの図9の表現によれば右側のタブ56は穿刺具34を用いた取出し過程のために取り除かれている。キャップ部材31はその下側縁部が、取り付けられており、フランジ58は、頭部12でカラー部30と首部28との間に延びるフランジ58に一体的に固定されている。説明を簡単にするために図9では容器本体10は示されなかったが、その他の点では容器本体10は図10の表現により図1に示す容器本体10とは異なる形状を有していてもよい。キャップ部材31内には、それぞれの貫入可能領域22、24を割り当てられて覆う二つの穿通部60、62がある(図9参照)。穿通部60、62はそれぞれ一種の密封部材を形成し、好ましくは低剛性及び低硬度のエラストマー材料から形成されている。穿通部60、62には、好ましくは熱可塑性エラストマーが用いられ、これらは例えば溶接によって簡単にキャップ部材31と一体的に結合することができる。
【0041】
図10に示す表現から明らかなように、その他の頭部12と容器本体10の容器上側の間の首部28の形態をした移行部は、簡単にするために省略された。さらに図9及び図10に示すキャップ部材31を有する解決策によって、特に確実な解決策が達成される。特にそれぞれのタブ54及び/又は56を取り除いた後に初めて貫入可能領域22及び24が取出し及び/又は添加過程のために解放されるからであり、この場合、穿刺具34はなおもそれぞれのエラストマー穿通部60、62をまだ貫通しなければならない。
【0042】
さらに、このような本発明による解決策では、特に図10に示されるように、キャップ部材31は貫入可能領域22、24に割り当てられて、頭部12にずらして載置することが可能である。したがって二つの貫入可能領域22及び24は仮想の接続する直線32の上(図4)又は外側(図5-図8)に位置することができ、そのため両タブ54、56を通って引かれる長手方向軸線64は仮想の直線32とオフセット角βを形成する。この角度は図10に示す実施形態によれば約45°をなすことができるが、0°(図4)~約30°(図5)以上の値、及びそれ以上の値を有することもできる。したがって用途に応じてBFS瓶用のキャップ部材31のキャップの向きを、その二つの穿通部60、62が容器10の軸線32に対して平行になるように位置合わせすることが可能である。しかし図10に示す表現によれば、容器瓶10の長い横断軸線若しくは接続直線32に対して他のキャップの向きで、好ましくは0°~50°の間で実施することも同様である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10