(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】車両内で使用するためのプラグアッセンブリ
(51)【国際特許分類】
F16L 37/084 20060101AFI20220117BHJP
【FI】
F16L37/084
(21)【出願番号】P 2019543857
(86)(22)【出願日】2018-02-12
(86)【国際出願番号】 AT2018060041
(87)【国際公開番号】W WO2018145139
(87)【国際公開日】2018-08-16
【審査請求日】2021-01-08
(32)【優先日】2017-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】514248880
【氏名又は名称】ヘン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】マービン リスト
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-516036(JP,A)
【文献】米国特許第5148836(US,A)
【文献】特開2006-97879(JP,A)
【文献】米国特許第6086044(US,A)
【文献】特表2007-513306(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 37/084
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に車両内で使用するためのプラグアッセンブリ(1)であって、
パイプ(3)と、シール部材(5)と、コネクタ(4)とを有し、
該コネクタはコネクタボディ(6)を有し、該コネクタボディ(6)は環状空間(22)を有し、
該環状空間は、横断面内に前記コネクタ(4)の中央の長手軸(9)をリング形状に包囲するスリーブ形状の第1のケーシング部分(12)と、横断面内に中央の長手軸(9)をリング形状に包囲する、コネクタ(4)の第2のケーシング部分(15)との間に位置し、
前記第1のケーシング部分(12)は前記第2のケーシング部分(15)によって包囲され、かつ前記コネクタボディ(6)の前記第1のケーシング部分(12)が第1の終端部分(16)において第1の前壁部分(17)によって前記第2のケーシング部分(15)と結合され、かつ前記第1及び第2のケーシング部分(12、15)は第2の終端部分(24)において互いに対して開放し、それによって前記コネクタボディ(6)のパイプ収容側(25)が形成され、
前記パイプ(3)の接続部分(33)は前記パイプ収容側(25)から前記コネクタボディ(6)の前記環状空間(22)内へ挿入され、かつ前記シール部材(5)は前記第1のケーシング部分(12)と前記パイプ(3)の前記接続部分(33)との間に配置され
、
前記コネクタボディ(6)の前記第1のケーシング部分(12)は、前記コネクタボディ(6)の前記第1のケーシング部分(12)の変形領域(56)と前記パイプ(3)との間に形状結合が形成されるように変形され、
前記シール部材(5)は少なくとも部分的に前記第1のケーシング部分(12)の前記変形領域(56)内へ張り出し、それにより前記シール部材(5)は少なくとも領域的に前記第1のケーシング部分(12)と前記パイプ(3)の間で挟まれ
、
接触領域(57)内で、前記第1のケーシング部分(12)は少なくとも領域的に直接にパイプ(3)に嵌るプラグアッセンブリにおいて、
前記シール部材(5)は前記接触領域(57)の中心(58)に対して間隔(61)を開けて配置され、
該間隔は次の通り選択され、それにより、前記シール部材(5)が、変形した前記第1のケーシング部分(12)の前記接触領域(57)に連続する第1の側面(59)と前記パイプ(3)との間に挟持され、前記接触領域(57)に連続し、かつ前記第1の側面(59)と対向する第2の側面(60)内へは張り出さないようなっている、ことを特徴とするプラグアッセンブリ。
【請求項2】
前記変形領域(56)内で前記パイプ(3)と前記コネクタボディ(6)の前記第1のケーシング部分(12)とが一緒に変形し、それによって前記コネクタボディ(6)と前記パイプ(3)との間に形状結合が実現されている、ことを特徴とする請求項
1に記載のプラグアッセンブリ。
【請求項3】
前記パイプ(3)は前記接続部分(33)内で少なくとも部分的に一周する凹所(65)を有し、該凹所内へ変形した状態において前記コネクタボディ(6)の前記第1のケーシング部分(12)が張り出し、それによって前記コネクタボディ(6)と前記パイプ(3)との間に形状結合が実現されている、ことを特徴とする請求項1
又は2に記載のプラグアッセンブリ。
【請求項4】
前記パイプ(3)は良好な可塑変形性を有する材料から形成されている、ことを特徴とする請求項1~
3の何れか一項に記載のプラグアッセンブリ。
【請求項5】
前記パイプ(3)は、金属、特に鋼又は鋼合金から形成されている、ことを特徴とする請求項1~
4の何れか一項に記載のプラグアッセンブリ。
【請求項6】
前記シール部材(5)はシールメインボディ(52)を有し、該シールメインボディ(52)の外側にストッパ(38)が形成されている、ことを特徴とする請求項1~
5の何れか一項に記載のプラグアッセンブリ。
【請求項7】
前記ストッパ(38)は少なくとも部分的に一周するウェブの形式で形成されている、ことを特徴とする請求項
6に記載のプラグアッセンブリ。
【請求項8】
前記第2のケーシング部分(15)は前記パイプ収容側(25)にテーパー(48)を有し、該テーパー(48)の内径(50)は前記第2のケーシング部分(15)のメイン領域の内径(47)よりも小さく、かつ前記パイプ(3)は前記パイプ収容側(25)の内部の環状空間(22)の領域内で変形され、それにより前記テーパー(48)は前記パイプ(3)と前記コネクタボディ(6)の間の付加的な形状結合として作用する、ことを特徴とする請求項1~
7の何れか一項に記載のプラグアッセンブリ。
【請求項9】
プラグアッセンブリ(1)、特に請求項1~9の何れか一項に記載のプラグアッセンブリ(1)を形成する方法であって、
前記プラグアッセンブリ(1)は、パイプ(3)と、シール部材(5)と、コネクタ(4)とを有し、
該コネクタ(4)はコネクタボディ(6)を有し、該コネクタボディ(6)は環状空間(22)を有し、
該環状空間は、横断面内に前記コネクタ(4)の中央の長手軸(9)を環状に包囲するスリーブ形状の第1のケーシング部分(12)と、横断面内に中央の長手軸(9)を環状に包囲する、前記コネクタ(4)のスリーブ形状の第2のケーシング部分(15)との間に位置し、
前記第1のケーシング部分(12)は前記第2のケーシング部分(15)によって包囲され、かつ前記コネクタボディ(6)の前記第1のケーシング部分(12)は第1の終端部分(16)において第1の前壁部分(17)によって前記第2のケーシング部分(15)と結合され、かつ前記第1及び第2のケーシング部分(12、15)は第2の終端部分(24)において互いに対して開放し、それによって前記コネクタボディ(6)のパイプ収容側(25)が形成され
、
前記環状空間(22)内に収容された前記シール部材(5)を有する前記コネクタボディ(6)を準備するステップと、
前記パイプ(3)を準備するステップと、
前記パイプ(3)を前記パイプ収容側(25)から前記コネクタボディ(6)の前記環状空間(22)内へ挿入するステップであって、前記パイプ(3)は前記環状空間(22)内へ挿入され、前記第1のケーシング部分(12)と前記パイプ(3)の接続部分(33)との間に前記シール部材(5)が配置されるようにする、ステップと、
プレス工具(53)によって前記コネクタボディ(6)の前記第1のケーシング部分(12)を変形するステップであって、前記コネクタボディ(6)の前記第1のケーシング部分(12)は、前記コネクタボディ(6)の前記第1のケーシング部分(12)の変形領域(56)と前記パイプ(3)との間に形状結合が形成されるように変形し、前記シール部材(5)が少なくとも部分的に前記第1のケーシング部分(12)の変形領域(56)内へ張り出し、前記シール部材(5)は少なくとも領域的に前記第1のケーシング部分(12)と前記パイプ(3)との間に挟まれる、ステップと、
を有
し、
接触領域(57)内で、前記第1のケーシング部分(12)が少なくとも領域的に直接にパイプ(3)に嵌るように、前記第1のケーシング部分(12)を形成する方法において、
前記シール部材(5)は前記接触領域(57)の中心(58)に対して間隔(61)を開けて配置され、
該間隔は次の通り選択され、前記シール部材(5)が、変形した前記第1のケーシング部分(12)の前記接触領域(57)に連続する第1の側面(59)と前記パイプ(3)との間に挟持され、前記接触領域(57)に連続し、かつ前記第1の側面(59)と対向する第2の側面(60)内へは張り出さないようなっている、ことを特徴とするプラグアッセンブリを形成する方法。
【請求項10】
前記環状空間(22)内に収容された前記シール部材(5)を有する前記コネクタボディ(6)を準備するために、前記シール部材(5)は該シール部材(5)に配置されたストッパ((38)を先頭にして前記環状空間(22)内へ挿入される、ことを特徴とする請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
前記シール部材(5)は、前記第1のケーシング部分(12)に連続する前壁(31)に嵌るまで環状空間(22)内へ挿入され、前記前壁(31)は前記シール部材(5)のためのストッパとして用いられる、ことを特徴とする請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
前記パイプ(3)を前記コネクタボディ(6)の前記環状空間(22)内へ挿入する際に、前記パイプ(3)は、該パイプ(3)が前記シール部材(5)のストッパ(38)に嵌るまで、前記環状空間(22)内へ挿入される、ことを特徴とする請求項
10又は
11に記載の方法。
【請求項13】
前記パイプ(3)があらかじめ定められた力で前記シール部材(5)へ圧接され、前記シール部材(5)は、前記第1のケーシング部分(12)に連続する前壁(31)へ嵌ることを保証する、ことを特徴とする請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
前記コネクタボディ(6)の前記第1のケーシング部分(12)は前記プレス工具(53)によって接触領域(57)内でのみ変形する、ことを特徴とする請求項
9~
13の何れか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に車両内で使用するための、プラグアッセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1からは、プラグアッセンブリが知られており、それにおいて第1のケーシング部分が第1の領域内で、パイプとの形状結合を形成するために変形され、第2の領域内では、第1のケーシング部分とパイプとの間にシール部材を挟持するために変形される。
【0003】
この種のプラグアッセンブリもしくはこの種のプラグアッセンブリを形成する方法は欠点を有しており、第1のケーシング部分は軸方向に互いに離隔した2つの箇所において圧縮されなければならず、したがってより大きい変形力が必要である。
更に、特許文献2~4に開示されているプラグアッセンブリが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2015/161333(A1)号
【文献】米国特許第5148836(A)号明細書
【文献】オーストリア国特許第509196(B1)号明細書
【文献】オーストリア国特許第516939(A)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、従来技術の欠点を克服して、簡単に形成することができ、それにもかかわらず良好なシール作用と高い機械的堅牢性を有するプラグアッセンブリを提供し、かつプラグアッセンブリを形成する方法を提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、特許請求の範囲に記載の装置及び方法によって解決される。
【0007】
本発明によれば、特に車両内で使用するための、プラグアッセンブリが形成されている。プラグアッセンブリは、パイプ、シール部材及びコネクタを有しており、そのコネクタがコネクタボディを有し、コネクタボディが環状空間を有し、その環状空間は、横断面内にコネクタの中央の長手軸を環状に包囲するスリーブ形状の第1のケーシング部分と、横断面内に中央の長手軸を環状に包囲する、コネクタのスリーブ形状の第2のケーシング部分との間に位置しており、第1のケーシング部分が第2のケーシング部分によって包囲されており、かつコネクタボディの第1のケーシング部分が、第1の終端部分において第1の前壁部分によって第2のケーシング部分と結合されており、かつこれらのケーシング部分が第1の終端部分において互いに対して開放しており、それによってコネクタボディのパイプ収容側が形成されており、パイプの接続部分がパイプ収容側からコネクタボディの環状空間内へ挿入されており、かつシール部材が第1のケーシング部分とパイプの接続部分との間に配置されている。コネクタボディの第1のケーシング部分は、コネクタボディの第1のケーシング部分の変形領域とパイプとの間に形状結合が形成されるように、変形されており、シール部材が少なくとも部分的に第1のケーシング部分の変形領域内へ張り出しているので、シール部材が少なくとも領域的に第1のケーシング部分とパイプとの間に挟持されている。
【0008】
本発明に係るプラグアッセンブリは、第1のケーシング部分の小さい変形領域内のみにおける変形によってパイプとコネクタボディとの形状結合の挟持を形成することができ、さらにパイプをコネクタボディに対して密閉することができる、という利点を有している。シール部材が部分的に第1のケーシング部分の変形領域内へ張り出すことによって、シール部材が第1のケーシング部分とパイプとの間に挟持され、それによってそのシール効果を発揮できることが、保証されている。
【0009】
さらに、接触領域内で第1のケーシング部分が少なくとも領域的に直接パイプに嵌り、シール部材が接触領域の中心に対して間隔をおいて配置されており、その間隔が次のように、すなわちシール部材が変形された第1のケーシング部分の、接触領域に連続する第1の側面とパイプとの間に挟持されているが、接触領域に連続し、かつ第1の側面と対向する第2の側面内へ張り出さないように、選択されていると、効果的であり得る。この利点は、シール部材を介在させないで、第1の側面の領域内で第1のケーシング部分がパイプと直接接触することができることである。安定した第1のケーシング部分が安定したパイプと直接接触することによって、形状結合は高い安定性を有することができる。
【0010】
さらに、変形領域内でパイプとコネクタボディの第1のケーシング部分を一緒に変形することができ、それによってコネクタボディとパイプの間に形状結合を実現することができる。その場合の利点は、形状結合を形成するためにパイプを前もって加工しておく必要はなく、標準パイプを使用できることである。第1のケーシング部分とパイプが一緒に変形されていることによって、形状結合が高い安定性を有することができる。
【0011】
さらに、パイプは接続部分内に少なくとも部分的に一周する凹所を有することができ、その中へコネクタボディの第1のケーシング部分が変形された状態で張り出し、それによってコネクタボディとパイプとの間に形状結合が実現されている。その場合の利点は、コネクタボディとパイプとの間に形状結合を形成することができるようにするために、凹所を有するパイプが必ずしも第1のケーシング部分と共に変形される必要がないことである。むしろ凹所はカウンター部材として用いることができ、その中へ第1のケーシング部分を挿入して変形することができる。
【0012】
好ましい形態によれば、パイプは良好な可塑変形性を有する材料から形成することができる。好ましくは、この措置によってパイプは第1のケーシング部分と共に変形することができる。
【0013】
展開によれば、パイプが鋼又は鋼合金から形成されることが、可能である。好ましくは、鋼もしくは鋼合金は良好な可塑変形性を有している。
【0014】
さらに、シール部材がシールメインボディを有しており、シールメインボディの外側にストッパが形成されていると、効果的であり得る。好ましくは、シール部材に設けられたストッパは、パイプをシール部材に対して位置決めし、もしくはパイプをコネクタボディに対して位置決めするために用いることができる。
【0015】
さらにストッパは、少なくとも部分的に一周するウェブの形式で形成することができる。好ましくは、この種の一周するウェブは、簡単に形成することができる。
【0016】
さらに、第2のケーシング部分がパイプ収容側にテーパーを有することができ、テーパーの内径が第2のケーシング部分のメイン領域の内径よりも小さく、かつパイプがパイプ収容側の内部の環状空間の領域内で変形されているので、テーパーがパイプとコネクタボディとの間の付加的な形状結合として作用する。好ましくは、コネクタボディとパイプの間の付加的な形状結合によって、プラグアッセンブリの軸方向の保持力もしくは安定性を改良することができる。
【0017】
本発明は、さらに、プラグアッセンブリ内で使用するための、内部に挿入されたシール部材を有するコネクタに関する。
【0018】
さらに、プラグアッセンブリを形成する方法が設けられており、プラグアッセンブリはパイプ、シール部材及びコネクタを有し、コネクタがコネクタボディを有し、そのコネクタボディが環状空間を有し、その環状空間は、横断面内にコネクタの中央の長手軸を環状に包囲するスリーブ形状の第1のケーシング部分と、横断面内に中央の長手軸を環状に包囲する、コネクタのスリーブ形状の第2のケーシング部分との間に位置しており、第1のケーシング部分が第2のケーシング部分によって包囲されており、コネクタボディの第1のケーシング部分が第1の終端部分において第1の前壁部分によって第2のケーシング部分と結合されており、かつそれらのケーシング部分が第2の終端部分において互いに対して開放しており、それによってコネクタボディのパイプ収容側が形成されている。
本方法は、以下の方法ステップを有する。
環状空間内に収容されたシール部材を有するコネクタボディを準備するステップと、
パイプを準備するステップと、
パイプをパイプ収容側からコネクタボディの環状空間内へ挿入するステップであって、パイプが環状空間内へ、シール部材が第1のケーシング部分とパイプの接続部分との間に配置されるようにする、ステップと、
コネクタボディの第1のケーシング部分をプレス工具によって変形させるステップであって、コネクタボディの第1のケーシング部分がコネクタボディの第1のケーシング部分の変形領域とパイプとの間で形状結合を形成するようにし、シール部材が少なくとも部分的に第1のケーシング部分の変形領域内へ張り出し、それによってシール部材を少なくとも領域的に第1のケーシング部分とパイプとの間で挟む、ステップ。
【0019】
本発明に係る方法の利点は、第1のケーシング部分が変形領域内でのみ変形されるだけで済み、それによって変形工具が余り複雑な形状を有する必要がなく、さらに必要とされる変形力を減少させることができることである。
【0020】
特に、環状空間内に収容されたシール部材を有するコネクタボディを準備するために、シール部材に配置されたストッパを先頭にしてシール部材が環状空間内へ挿入されると、効果的であり得る。
【0021】
さらに、シール部材は、第1のケーシング部分に連続する前壁に嵌るまで、環状空間内へ挿入することができ、前壁がシール部材のためのストッパとして用いられる。好ましくはこの措置によって、シール部材を環状空間内で位置決めすることができる。
【0022】
さらに、パイプをコネクタボディの環状空間内へ挿入する場合に、パイプがシール部材のストッパに嵌るまで、環状空間内へ挿入することができる。好ましくはそれによって、パイプをシール部材に対し、もしくはコネクタボディに対して位置決めすることができる。
【0023】
好ましい形態によれば、シール部材が第1のケーシング部分に連続する前壁に嵌ることを保証するために、パイプをあらかじめ定められた力でシール部材に圧接することができる。それによって特に、場合によっては誤って位置決めされたシール部材をパイプによってその正しい位置へ移動させることができる。
【0024】
展開によれば、コネクタボディの第1のケーシング部分は接触領域内でのみ、プレス工具によって変形されることが可能である。その場合の利点は、それによってプレス工具の複雑性を減少させることができることである。さらにこの措置によって、必要な変形力をできる限り小さく抑えることができる。
【0025】
本発明をさらによく理解するために、以下の図を用いて本発明を詳細に説明する。
図は、それぞれ著しく簡略化された図式的な表示である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】プラグアッセンブリの4分の1カットを示す斜視図である。
【
図2】プラグアッセンブリを搭載した車両を示す図である。
【
図3】プラグアッセンブリを分解して示す断面図である。
【
図5】プラグアッセンブリの第1の実施例の個別コンポーネントをつなぎ合わせた位置で示す断面図である。
【
図6】プラグアッセンブリの第1の実施例の個別コンポーネントをプレスされた位置で示す断面図である。
【
図7】プラグアッセンブリの第2の実施例の個別コンポーネントをつなぎ合わせた位置で示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
最初に記録しておくが、異なるように記載される実施形態において、同一の部分には同一の参照符号ないし同一の構成部分名称が設けられており、説明全体に含まれる開示は、同一の参照符号ないし同一の構成部分名称を有する同一の部分へ意味に従って移し替えることができる。また、説明内で選択される、たとえば上、下、側方などのような位置記載は、直接説明され、かつ示される図に関するものであって、この位置記載は位置が変化した場合には意味に従って新しい位置へ移し替えられる。
【0028】
図1は、プラグアッセンブリ1の斜視図を示しており、これは4分の1をカットして示されている。さらに
図1には、プラグアッセンブリ1と接続可能な、相手コネクタ2が図式的に示されている。プラグアッセンブリ1と相手コネクタ2の間の協働については、オーストリア国特許第509196(B1)号明細書に充分に記述されている。
【0029】
図1においてプラグアッセンブリ1は、組み合わされた状態で示されている。プラグアッセンブリ1はパイプ3、コネクタ4及びコネクタ4とパイプ3の間に挿入されたシール部材5を有している。コネクタ4は、コネクタボディ6を有しており、そのコネクタボディは好ましくは一体的な変形部品として、たとえば深絞り部品として、特に特殊鋼シートから形成されている。
【0030】
図2は、
図1に示すプラグアッセンブリを組み込んだ車両7の図式的な表示である。
図2に明らかなように、プラグアッセンブリ1は好ましくは車両7内、特に道路と結びついた、内燃機関を備えた自動車内で使用される。特にプラグアッセンブリ1は、内燃機関への外気供給の種々の構成部品と接続するために使用される。たとえばプラグアッセンブリ1は適切な相手コネクタと共に、ターボチャージャ8の吸気領域内の2つの部分を接続するために設けることができる。さらに、この種のプラグ接続は、ターボチャージャ8から出ている圧力側で2つの構成部分を接続するために使用することもできる。
【0031】
図3は、プラグアッセンブリ1をコネクタ4の中央の長手軸9に沿った縦断面で示している。個々の構成部分をよく説明することができるようにするために、このプラグアッセンブリは
図3において分解して示されている。
【0032】
図3においてよくわかるように、コネクタ4はコネクタボディ6の他にプラグシール10を有しており、そのプラグシールはコネクタボディ6内に収容されている。プラグシール10は、コネクタアッセンブリ1を相手コネクタ2と組み合わされた状態において充分に密閉できるようにするために用いられる。
【0033】
さらにコネクタ4はばね部材11を有しており、そのばね部材によってプラグアッセンブリ1の位置は、プラグアッセンブリ1と組み合わされた相手コネクタ2に対して固定することができる。したがってばね部材11は、容易に作動と非作動にすることができるように構成されているので、必要に応じてプラグアッセンブリ1と相手コネクタ2を互いに分離し、もしくは互いに接続することができる。
【0034】
図3において明らかなように、コネクタボディ6に第1のケーシング部分12が形成されており、それがコネクタ4の中央の長手軸9をスリーブ形状に包囲している。言い換えると、第1のケーシング部分12は回転対称の中空円筒である。
【0035】
第1のケーシング部分12は、内側に位置するケーシング面13と外側に位置するケーシング面14とを有している。第1のケーシング部分12を第2のケーシング部分15が包囲しており、その第2のケーシング部分も同様に中央の長手軸9に関して回転対称に形成されている。第1のケーシング部分12は、第1の終端部分16において第1の前壁部分17によって第2のケーシング部分15と結合されている。
【0036】
第1のケーシング部分12と同様に、第2のケーシング部分15も内側に位置するケーシング面18と外側に位置するケーシング面19とを有している。
【0037】
第1のケーシング部分12は、その内側に位置するケーシング面13と外側に位置するケーシング面14とによって画成されており、それによって第1のケーシング部分12の材厚20が生じる。第2のケーシング部分15も同様に、内側に位置するケーシング面18と外側に位置するケーシング面19とによって画成され、それによって第2のケーシング部分15の材厚21が生じる。
【0038】
2つのケーシング部分12、15を離隔させることによって、環状空間22が生じる。環状空間22は、特に径方向において、第1のケーシング部分12の外側に位置するケーシング面14と第2のケーシング部分15の内側に位置するケーシング面18とによって画成される。特にそれによって環状空間間隙23が生じる。この環状空間間隙23は、好ましくはその中にパイプ3を少なくとも部分的に収容することができるような大きさに選択されている。図示される実施例において、環状空間間隙23は2mmと20mmの間、特に3mmと10mmの間、好ましくは5mmと7mmの間の大きさである。
【0039】
2つのケーシング部分12、15は、コネクタ4の第2の終端部分24において互いに対して開放しており、それによってコネクタボディ6のパイプ収容側25が生じる。
【0040】
第1のケーシング部分12が面取り26を有することができ、その面取りは第1のケーシング部分12のパイプ収容側25に形成されている。この種の面取り26は、シール部材5を挿入方向27において第1のケーシング部分12上へ容易に嵌めることができる、という利点をもたらす。さらに第2のケーシング部分15もこの種の面取り28を有することができるので、パイプ3も環状空間22内へ容易に挿入することができる。
【0041】
面取り26、28は、たとえば適切な半径をもって曲げることによって実現することができ、好ましくは深絞りプロセスの間に成形される。
【0042】
さらに、コネクタ4の第1の終端部分16の方向に見て、第1のケーシング部分12にシール収容部29が連続しており、そのシール収容部も同様にコネクタボディ6内に形成されている。この種のシール収容部29内にプラグシール10を収容することができる。さらにシール収容部29に第3のケーシング部分30が連続することができ、それが相手コネクタ2を収容するために用いられる。第3のケーシング部分30に前壁部分17が連続することができ、それが第3のケーシング部分30を第2のケーシング部分15と結合する。すでに述べたように、この構造もしくは関係によって、第1のケーシング部分12が前壁部分17を介して第2のケーシング部分15と結合されている。
【0043】
好ましくはコネクタボディ6は深絞り方法において形成され、コネクタボディ6のケーシング部分の全材厚は、ほぼ等しい大きさである。
【0044】
図3の表示において明らかなように、シール収容部29が前壁31を有し、その前壁が第1のケーシング部分12に連続していることが、好ましい場合もある。前壁31は、第1のケーシング部分12から始まって特に第2のケーシング部分15の方向に曲げることができ、それによってプラグシール10のための収容凹部が生じる。
【0045】
前壁31の形成は、さらに、プラグアッセンブリ1を組み立てる途上でシール部材5を挿入方向27において環状空間22内へ、前壁31に嵌るまで挿入することができる、という利点をもたらす。したがって前壁は、シール部材5の位置決めプロセスを容易にするために用いることもできる。言い換えると、前壁31はシール部材5のための軸方向の位置決めストッパとして用いられる。
【0046】
第1のケーシング部分12の軸方向の延び32は、好ましくは、環状空間22がシール部材5とパイプ3に形成された接続部分33とを収容するのに充分な長さを有するような大きさに選択される。
【0047】
さらに、第1のケーシング部分12が、パイプ収容側25の方向に第2のケーシング部分15よりも長く延びることができ、したがって軸方向に見て第2のケーシング部分15に対して所定の間隔34で張り出している。
【0048】
シール部材5も回転対称のボディとして形成することができ、実質的に矩形の横断面が中央の長手軸9を中心に回転対称に形成されている。それによってシール部材5に内側ケーシング面35と外側ケーシング面36が形成され、それらが互いに対して所定の間隔で配置されており、それによってシール部材5の材厚37が生じる。シール部材5の材厚37は、好ましくは軟弾性的な材料から形成されている、シール部材5が容易に変形することができる大きさに選択される。好ましくは材厚37は、シール部材5ができる限り良好にその機能を満たすことができるようにするために、1mmと10mmの間、特に2mmと5mmの間で選択される。
【0049】
さらに、シール部材がストッパ38を有することができ、そのストッパは矩形の横断面の外側ケーシング面36に対して張り出しており、パイプ3を位置決めするために用いることができる。
【0050】
シール部材5の内径39は、第1のケーシング部分12の外径40とほぼ同じ大きさに選択されている。2つの直径39、40が互いに調整されて、シール部材5が第1のケーシング部分12上へ容易に取り付けることができ、かつそこに良好に付着すると、効果的である。図示される実施例において、シール部材5の内径39は、約62mmである。
【0051】
シール部材5の幅41は、好ましくはシール部材5の厚み37の約200%と500%の間となるように、選択することができる。シール部材5のこの形態によって、シール部材はプラグアッセンブリ1内へ組み込まれた状態においてその作用をできる限り最良に展開することができる。
【0052】
さらに、パイプ3がシール領域42を有しており、そのシール領域はプラグアッセンブリ1が組み立てられた状態においてシール部材5と協働する。特にプラグアッセンブリ1の組み立てられた状態において、シール部材5の外側ケーシング面36がシール領域42の内側ケーシング面43に嵌る。パイプ3とコネクタボディ6の間を密閉するための正確な機構について、以下でさらに詳細に説明する。
【0053】
パイプ3をシール部材5を介して滑り移動させることができるようにするために、シール領域42の内径44は、シール部材5の外径45よりも大きくすることができる。好ましくは2つの直径44、45は、プラグアッセンブリ1の組立てプロセスの間にパイプ3をシール部材5を介して容易に滑り移動させることができるように、選択される。
【0054】
パイプ3の外径46は、好ましくはコネクタボディ6の第2のケーシング部分15の内径47よりも小さいように、選択される。それによってパイプ3は、プラグアッセンブリ1を組み立てる間にコネクタボディ6の環状空間22内へ容易に挿入することができる。
【0055】
さらに、コネクタボディ6の第2のケーシング部分15は、パイプ収容側25にテーパー48を有することができる。テーパー48によって、プラグアッセンブリ1が組み立てられた状態において、パイプ3とコネクタボディ6の間の形状結合を改良することができる。
【0056】
テーパー48を形成することによって、パイプ収容側25における環状空間間隙23は環状空間22の内側の収容幅49よりも小さい。
【0057】
さらに、テーパー48は連続的に変化する横断面を有することができ、したがって円錐状に形成されている。このように形成されたテーパー48は、製造技術的に容易に形成することができる。さらに、テーパー48がアーチ形状に形成されることも、考えられる。さらに他の変形例においては、テーパー48が段つきで形成されることも、考えられる。
【0058】
しかしテーパー48の機能性にとっては、その形状は重要ではなく、ただ唯一必要なのは、テーパー48の内径50が第2のケーシング部分15のメイン領域の内径47よりも小さいことである。
【0059】
パイプ3の外径46は、好ましくはテーパー48の領域内で第2のケーシング部分15の内径50よりも小さい大きさであるように、選択される。それによってパイプ3は、プラグアッセンブリ1を組み立てる間にコネクタボディ6の環状空間22内へ容易に挿入することができる。
【0060】
図4には、シール部材5の実施例が斜視図で示されている。
図4から明らかなように、個々のセグメントの形式のストッパ38を形成することができ、それらのストッパがシールメインボディ52の周面に分配して配置されている。
【0061】
プラグアッセンブリ1の組立てを、以下で
図5と6の表示を用いて説明する。
【0062】
第1の方法ステップにおいて、シール部材5が環状空間22内へ挿入される。シール部材5は環状空間22内及び挿入方向27において、シール収容部29の前壁31に嵌るまで、滑り移動することができる。特に、コネクタ6はその中に挿入されているシール部材5と共に第1の作業で準備し、もしくは形成することができ、それらを中間貯蔵し、もしくは他の作業へ移送することができる。
【0063】
他の方法ステップにおいて、選択的に、コネクタボディ6内のシール部材5の正しい位置を調整することができる。シール部材5がコネクタボディ6内に正しく位置決めされている場合に、他の方法ステップにおいてパイプ3を挿入方向27において環状空間22内へ挿入することができる。
【0064】
好ましくはパイプ3は、パイプ3の端面51がシール部材5のストッパ38に嵌るまで、環状空間22内へ挿入される。それによってコネクタボディ6に対するパイプ3の軸方向の位置も定められる。
【0065】
図5の表示において、シール部材5とパイプ3は組み合わされた位置で示されており、その位置においてそれらは、コネクタボディ6の環状空間22内へ挿入されている。
図5においては、
図3におけるのと同一の部分には同一の参照符号もしくは構成部分名称が使用される。不必要な繰り返しを避けるために、
図3の詳細な説明が参照するよう指示され、もしくは参照される。
【0066】
図5に明らかなように、プラグアッセンブリ1の組み立てられた状態において、シール部材5はシール収容部29の前壁31に嵌っている。さらに、パイプ3の端面51がシール部材5のストッパ38に嵌っている。それによってコネクタボディ6に対するシール部材5の位置も、シール部材5に対する、かつコネクタボディ6に対するパイプ3の位置も、定められている。
【0067】
個々の構成部分を互いに対して固定するために、プラグアッセンブリ1を形成するための他の方法ステップにおいて、第1のケーシング部分12をプレスすることができるので、第1のケーシング部分12とパイプ3の間に形状結合が形成される。
【0068】
図5には、プレス機械54のプレス工具53が図式的に示されており、そのプレス工具はケーシング部分12を変形させ、それに伴ってコネクタボディ6とパイプ3の間に形状結合を形成するために用いられる。
図5から明らかなように、プレス工具53はプレス突片55を有することができ、そのプレス突片が第1のケーシング部分12を変形させるために用いられる。
【0069】
図6は、
図3と5における表示に相当するプラグアッセンブリ1の他の断面を示している。
図6において、先行する
図3と5におけるのと同一の部分には、同一の参照符号もしくは構成部品名称が使用される。不必要な繰り返しをさけるために、先行する
図3と5の詳細な説明が参照するよう指示され、もしくは参照される。
【0070】
図6の断面表示において、プラグアッセンブリ1はプレスされた状態で示されている。
図6に明らかなように、第1のケーシング部分12は変形領域56において、第1のプラグアッセンブリ12とパイプ3の間に形状結合が形成されるように、変形されている。
図6に示すこの実施例において、第1のケーシング部分12とパイプ3の間の形状結合は、第1のケーシング部分12が変形領域56内でプレス工具53によって変形され、もしくは外側へ押圧されることにより、第1のケーシング部分12がパイプ3に嵌り、パイプ3が変形領域56内で同様に変形されることによって、実現されている。パイプ3は、第2のケーシング部分15に嵌るまで、外側へ向かって変形することができる。言い換えると、パイプ3は変形された第1のケーシング部分12と第2のケーシング部分15との間に挟持することができる。
【0071】
シール部材5は少なくとも部分的に第1のケーシング部分12の変形領域56内へ張り出すので、シール部材5が領域的に第1のケーシング部分12とパイプ3との間に挟持されている。
【0072】
変形領域56は接触領域57を有しており、その接触領域において変形が最大寸法を有する。したがって接触領域57の中心58において、第1のケーシング部分12が第2のケーシング部分15に対してもっとも広く変形されている。さらに第1の側面59と第2の側面60が形成されており、それらは接触領域57に連続している。2つの側面59、60は、接触領域57と第1のケーシング部分12の変形されない、あるいはわずかしか変形されない部分との間の移行部を形成する。
【0073】
第1の側面59と称されるのは、コネクタボディ6の第1の終端部分16の近傍に配置されている側面である。第2の側面60と称されるのは、コネクタボディ6の第2の終端部分24の近傍に配置されている側面である。
【0074】
図6からさらに明らかなように、接触領域57の中心58は、テーパー48と前壁31の間の位置に選択することができるので、テーパー48はパイプ3と第1のケーシング部分15との間の付加的な形状結合をもたらす。
【0075】
この実施例において、変形領域56もしくはシール部材5は次のように、すなわちシール部材5は第1の側面59の領域内で第1のケーシング部分12とパイプ3の間に挟持されるが、第2の側面60の領域内へ張り出さないように、形成されている。特に、シール部材5は接触領域57の中心58に対して間隔61で配置することができ、その間隔は次のように、すなわちシール部材5が変形された第1のケーシング部分12の、接触領域57に連続する第1の側面59とパイプとの間に挟持されるが、接触領域57に連続し、かつ第1の側面59に対向する第2の側面60内へ張り出さないように、選択されている。
【0076】
図示されない他の実施変形例において、シール部材5は、変形された第1のケーシング部分12の第1の側面59とパイプ3との間にも、変形された第1のケーシング部分12の第2の側面60とパイプ3との間においても、挟持することができる。
【0077】
特にシール部材5の内側ケーシング面35は第1のケーシング部分12の外側に位置するケーシング面14に対してプレスされているので、両者は互いに嵌っている。さらにシール部材5の外側ケーシング面36はパイプ3内のシール収容部42の内側ケーシング面43に対してプレスされているので、これらの面も互いに嵌っている。シール部材5をこのように挟むことによって、パイプ3はコネクタ4に対して充分に密閉することができ、それによって圧力下にあるガスの流出が阻止される。
【0078】
図5からさらに明らかなように、第2のケーシング部分15内に第1の窓開口部62を形成することができ、その窓開口部を通して測定装置63によってシール部材5の正確な位置を管理することができる。さらに第2の窓開口部64を設けることができ、それを通して測定装置63によってパイプ3の変形度を管理することができる。シール部材5の正確な位置を管理するための測定装置63と、パイプ3の変形度を管理するための測定装置63は、異なる装置の形式で形成することができる。しかし、2つの方法ステップのために同一の測定装置63を使用することもできる。
【0079】
図7には、プラグアッセンブリ1の他の、場合によってはそれ自体自立した実施形態が示されており、ここでも先行する
図1から6におけるのと同一の部分には同一の参照符号もしくは構成部分名称が使用される。不必要な繰り返しを避けるために、先行する
図1から6における詳細な説明が参照するよう指示され、もしくは参照される。
【0080】
図7から明らかなように、パイプ3の接続部分33は、シール領域42内に凹所65を有している。
【0081】
パイプ3のこの種の形態において、形状結合を形成するために、第1のケーシング部分12が凹所65内へ進入変形することができる。したがってパイプ3は、第1のケーシング部分12の変形領域56がパイプ3の凹所65と対応することによって、コネクタボディ6内に保持することができる。
【0082】
この種の実施変形例において、パイプ3は必ずしも変形可能に形成される必要はない。というのは、形状結合を形成するためにパイプ3の変形は不要だからである。パイプ3は、たとえば、良好な可塑変形特性をもたないプラスチック材料からなることができる。
【0083】
凹所65は、好ましくは横断面が半円形の溝として形成されており、その溝はパイプ3のシール領域42内に形成されている。第1の実施変形例によれば、溝は、一周する溝として形成されている。
【0084】
他の実施変形例によれば、凹所65は周面にわたって見てセグメント化することができ、したがって中間ウェブを有し、それが凹所65を中断している。
【0085】
他の実施変形例においては、パイプ3が凹所65を有することができ、かつ付加的に可塑変形可能である。
【0086】
実施例は、可能な実施変形例を示しており、ここに記録しておくが、本発明は具体的に示された実施変形例に限定されるものではなく、むしろ個々の実施変形例を互いに様々に組み合わせることも可能であり、これらの変形可能性はこの発明による技術的に取り扱うための教示に基づいて、この技術分野で活動する当業者の裁量の範囲内にある。
【0087】
保護領域は、請求項によって定められる。しかし明細書と図面は、請求項を解釈するために利用されるべきである。図示され、かつ説明された様々な実施例からなる個別特徴及び特徴の組合せは、それ自体自立した進歩的解決を表すことができる。自立した進歩的解決の基礎となる課題は、明細書から読み取ることができる。
【0088】
具体的な説明内の値領域についてのすべての記載は、その任意の部分領域とすべての部分領域を共に含むものであって、たとえば記載1から10は、下限の1と上限の10から始まるすべての部分領域、すなわち下限の1またはそれ以上で始まり、上限の10またはそれ以下で終了する、たとえば1から1.7、または3.2から8.1、あるいは5.5から10のすべての部分領域、を一緒に含んでいるものとする。
【0089】
最後に形式的に指摘しておくが、構造をよりよく理解するために部材は一部縮尺どおりではなく、かつ/又は拡大及び/又は縮小して示されている。
【符号の説明】
【0090】
1 プラグアッセンブリ
2 相手コネクタ
3 パイプ
4 コネクタ
5 シール部材
6 コネクタボディ
7 車両
8 ターボチャージャ
9 コネクタの長手軸
10 プラグシール
11 ばね部材
12 第1のケーシング部分
13 内側に位置するケーシング面
14 外側に位置するケーシング面
15 第2のケーシング部分
16 コネクタの第1の終端部分
17 前壁部分
18 内側に位置するケーシング面
19 外側に位置するケーシング面
20 第1のケーシング部分の材厚
21 第2のケーシング部分の材厚
22 環状空間
23 環状空間間隙
24 コネクタの第2の終端部分
25 パイプ収容側
26 面取り
27 挿入方向
28 面取り
29 コネクタのシール収容部
30 第3のケーシング部分
31 前壁のシール収容部
32 第1のケーシング部分の軸方向の延び
33 接続部分
34 間隔
35 シール部材の内側ケーシング面
36 シール部材の外側ケーシング面
37 シール部材の材厚
38 ストッパ
39 シール部材の内径
40 第1のケーシング部分の外径
41 シール部材の幅
42 パイプのシール領域
43 シール収容部の内側ケーシング面
44 シール収容部の内径
45 シール収容部の外径
46 パイプの外径
47 第2のケーシング部分の内径
48 テーパー
49 環状空間の主要幅
50 テーパーの内径
51 パイプの端面
52 シールメインボディ
53 プレス工具
54 プレス機械
55 プレス突片
56 変形領域
57 接触領域
58 中心
59 第1の側面
60 第2の側面
61 間隔
62 第1の窓開口部
63 測定装置
64 第2の窓開口部
65 凹所