(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】冠動脈内に冠動脈ステントを安全に位置決めするための装置及びその方法
(51)【国際特許分類】
A61F 2/95 20130101AFI20220117BHJP
【FI】
A61F2/95
(21)【出願番号】P 2019547456
(86)(22)【出願日】2017-07-27
(86)【国際出願番号】 RU2017000555
(87)【国際公開番号】W WO2018190745
(87)【国際公開日】2018-10-18
【審査請求日】2020-01-15
(32)【優先日】2017-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】RU
(73)【特許権者】
【識別番号】519236479
【氏名又は名称】セブン ソンズ リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】ブラジーミル ボリソビチ トラペズニコフ
【審査官】上田 真誠
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/052414(WO,A1)
【文献】特表2013-508080(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0045871(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/95
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冠動脈内に冠動脈ステントを位置決めする装置であって、
スロットによって互いに接続された円筒形前部と雌ネジ付きの円筒形後部とを有するハウジングを具備し、前記スロットは前記円筒形後部が前記円筒形
後部の軸回り
に回転することを可能にすることを特徴とする、装置において、
前記ハウジングは切頭前部を有する前記円筒形前部を含み、前記ハウジングの前記切頭前部は、操作者の手によって冠動脈ガイドを固定するための凹部を備え、
ランナが、前記ハウジングの前記円筒形後部の雌ネジと係合する突起と、一方の側で前記円筒形前部内部のガイドに沿って移動する突起と、前記ランナ内に収容されるフック付き金属製コレットと、を備え、
前記コレットは、他方の側で前記ランナに螺合する
ランナキャップに配置され、
かつ、前記コレットは、前記ハウジングの両側の側孔内に突出する耳部を有する保持具内に配置され、
前記ランナキャップは、前記保持具に配置されたスロットに係合する突起を備える、装置。
【請求項2】
前記ハウジングの前記円筒形前部上のほか、前記ハウジングの前記円筒形後部上に、前記ハウジングの前記円筒形前部を前記円筒形後部に接続する前記スロットに沿って特殊なマークを形成することを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
冠動脈内に冠動脈ステントを位置決めする装置であって、
スロットによって互いに接続された円筒形前部と雌ネジ付きの円筒形後部とを有するハウジングを具備し、前記スロットは前記円筒形後部が前記円筒形後部の軸回り
に回転することを可能にすることを特徴とする、装置において、
前記ハウジングは切頭前部を含み、前記ハウジングの前記切頭前部に、操作者の手によって冠動脈ガイドを固定するための凹部を形成し、
ランナが、前記ハウジングの前記円筒形後部の前記雌ネジと係合する突起と、一方の側で前記ハウジングの前記円筒形前部内のガイドに沿って移動する突起と、前記ランナ内に収容され、前記ランナと一体的に形成され、他方の側で前記ランナに螺合する
ランナキャップに収容されるプラスチック製クランプと、を備え、
前記ランナは、前記ハウジングの両側の側孔に突出する耳部を有する保持具内に配置され、
前記ランナキャップは、前記保持具に配置されたスロットに係合する突起を備える、装置。
【請求項4】
前記ハウジングの前記円筒形前部上のほか、前記ハウジングの前記円筒形後部上に、前記ハウジングの前記円筒形前部を前記円筒形後部に接続する前記スロットに沿って特殊なマークを形成することを特徴とする、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
冠動脈内に冠動脈ステントを位置決めする装置であって、
スロットによって互いに接続された円筒形前部と雌ネジ付きの円筒形後部とを有するハウジングを具備し、前記スロットは前記円筒形後部が前記円筒形後部の軸回りに回転することを可能にすることを特徴とする、装置において、
前記ハウジングは切頭前部を含み、前記ハウジングの前記切頭前部に、操作者の手によって冠動脈ガイドを固定するための凹部を形成し、
ランナが、前記ハウジングの前記円筒形後部の前記雌ネジと係合する突起と、一方の側で前記ハウジングの前記円筒形前部内のガイドに沿って移動する突起と、前記ランナ内に配置されるプラスチック製クランプであって、該プラスチック製クランプの軸回りに回転可能であるように配置され、他方の側で前記ランナに螺合する
ランナキャップに収容されるプラスチック製クランプと、を備え、
前記ランナは、前記ハウジングの両側の側孔に突出する耳部を有する保持具内に配置され、
前記ランナキャップは、前記保持具に配置されたスロットに係合する突起を備える、装置。
【請求項6】
前記ハウジングの前記円筒形前部上のほか、前記ハウジングの前記円筒形後部上に、前記ハウジングの前記円筒形前部を前記円筒形後部に接続する前記スロットに沿って特殊なマークを形成することを特徴とする、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
冠動脈内に冠動脈ステントを位置決めする装置であって、
スロットによって互いに接続された円筒形前部と雌ネジ付きの円筒形後部とを有するハウジングを具備し、前記スロットは前記円筒形後部が前記円筒形後部の軸回りに回転することを可能にすることを特徴とする、装置において、
前記ハウジングは切頭前部を含み、前記ハウジングの前記切頭前部に、操作者の手によって冠動脈ガイドを固定するための凹部を形成し、
ランナは、前記ハウジングの前記円筒形後部の前記雌ネジと係合する突起と、一方の側で前記ハウジングの前記円筒形前部内のガイドに沿って移動する突起とを備え、
前記ランナ内に配置されるランナブッシュは、
ランナキャップ及びランナの内部円錐形表面と一致する円錐形端面を備え、
前記ランナブッシュは、前記
ランナキャップに配置され、他方の側で前記ランナに螺合するネジ山を備え、かつ、
前記ランナブッシュは、前記ハウジングの両側の側孔に突出する耳部を有する保持具内に配置され、
前記ランナキャップは、前記保持具に配置されたスロットに係合する突起を備える、装置。
【請求項8】
前記ハウジングの前記円筒形前部上のほか、前記ハウジングの前記円筒形後部上に、前記ハウジングの前記円筒形前部を前記円筒形後部に接続する前記スロットに沿って特殊なマークを形成することを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単純な冠動脈床病変及び複雑な冠動脈床病変の場合、具体的には、病変によって狭くなった動脈部分の内腔を修復するための血管内冠動脈ステント留置術の場合の冠動脈内に、冠動脈ステントを最大限に正確、迅速かつ安全に位置決めするための医療の分野の使用に適する。
【0002】
本発明による装置は、冠動脈の入口部病変、左冠動脈幹及び右冠動脈口の病変を含む冠動脈の分岐病変の場合のほか、「重なり」ゾーンを減らすための「ステント・イン・ステント(stent-in-stent)」冠動脈ステント留置術の場合の使用を意図する。
【0003】
この装置の使用により、患者及び医療関係者の放射線曝露のほか、放射線不透過性造影剤への患者の曝露を著しく減少させることが可能になる。
【0004】
この装置は、介入心臓病学の分野での専門的能力の開発時に若い専門家によって容易に使用されてもよい。
【0005】
さらに、請求項に記載の装置はこのほか、同じように、腎動脈、内臓動脈にステント留置するために使用されてもよい。
【背景技術】
【0006】
冠動脈ステント留置術のための多数の装置が医療機器市場で入手可能である。
【0007】
特に、特許文献1(米国特許第6,293,964号明細書)は、Merit Medica(米国)から入手可能なOSTIAL PROを開示する。この特許による装置は、冠動脈ステントと共に誘導カテーテル内に挿入可能な4つの舌状部から作成される円錐部を備える。誘導カテーテルは冠動脈口内に選択的に位置決めされる。冠動脈ステントは、冠動脈口よりも遠位の位置までカテーテルに沿って誘導され、次いで誘導カテーテルが冠動脈口から引き抜かれ、装置が展開される。装置が誘導カテーテルを離れると、その舌状部が広がって大動脈壁に当接し、その結果、誘導カテーテル先端部は、左冠動脈幹及び右冠動脈幹の入口部ステント留置に必要な冠動脈口内に選択的に位置決めできない。罹患領域内で冠動脈ステントをその後に位置決めすることは全体的に手動で実施される。
【0008】
既知の装置の不利な点には、左冠動脈幹及び右冠動脈幹の入口部病変の場合のほか、冠動脈ステントの手動位置決めの場合にのみ特に、その適用性が限られていることが挙げられる。
【0009】
このほか、Seven Sons OJSCによって所有されている特許文献2(ロシア国特許第2598798号明細書)による「冠動脈内に冠動脈ステントを安全に位置決めする装置」が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】米国特許第6,293,964号明細書
【文献】ロシア国特許第2598798号明細書
【発明の概要】
【0011】
請求項に記載の装置は主に以下の点で異なる。
-冠動脈内で冠動脈ステントをさらに迅速に、さらに正確に位置決めする点、
-ステントを手動で位置決めするのではなく、機械的に位置決めする点、
-冠動脈ステント位置決めの時間短縮によって患者及び医療関係者の放射線暴露が低減する点、
-冠動脈床の任意の部分に病変がある場合に装置を適用できる点、
-冠動脈ステント位置決め時間の短縮によって放射線不透過性造影剤への患者の曝露を低減する点、
-用途が単一である点、
-装置は外科医の手の延長部として都合よく構成される点、
-重量と寸法のパラメータが最小である点、
-使いやすい点、
-生産の費用対効果が高い点。
【0012】
請求項に記載の装置は、内部に配置されたランナ(runner)を有するハウジングを備える。このランナは、送達システムを受容する穴と、ハウジングの円筒形後部の雌ネジに係合する突起と、ハウジング内の一側のガイドに沿って移動する突起と、送達システム及びフックを受容する穴を内部に有する金属コレットと、を有する。このコレットは、送達システムを受容する穴を有するキャップ内に配置され、反対側のランナに螺合されるネジ山を備える。
【0013】
周方向に延びるスロットによって互いに接続された切頭円筒形前部と円筒形後部とから形成されたハウジングはプラスチック製であり、ハウジングの切頭円筒形前部の両側に操作者の指のための凹部を備える。ここで、本体の右半体及び左半体は、別々に製造され、機構がハウジングの内側部分の縁部に配置された突起及び穴を介して組み立てられた時点で互いに接続される。ハウジングの前部とハウジングの後部とを接続するスロットに沿うハウジングの前部のほか、ハウジングの後部にも、ランナが移動するにつれて、ハウジングの後部の回転角度に関して付加的な視覚的情報を操作者に提供する特殊なマークが配置される。
【0014】
ハウジングの円筒形前部は、ハウジングの両側の側孔に突出する耳部を有する保持具を備え、ハウジングの内側には、フック付きコレットを収容するランナに螺結されたキャップが配置される。
【0015】
操作者の左手親指と左手人差し指で保持されるように構成されたハウジングの切頭前部には、操作者が装置を定位置に固定することを可能にする凹部が形成される。左手親指用凹部はこのほか、冠動脈ガイドを固定するためのパッドとして機能する。冠動脈ステント送達システムをハウジングに挿入するための貫通孔がハウジングの前部及び後部に形成される。
【0016】
スロットが、ハウジングにてハウジングの円筒形前部と円筒形後部との間に形成され、円筒形後部がその軸回りに回転可能であるように前部と後部とを接続する。
【0017】
ハウジングの円筒形前部の内側に配置された保持具の耳部は、ハウジングの前部の側部切欠きに収容される。耳部は、保持具をハウジングに対して回転可能にする。ハウジングのスロットでは、ランナコレットのランナキャップ収容フックに突起が配置される。このようなフックは、係合されると、キャップがランナに螺合されるかランナから取り外され、それによってコレットフックを折り畳むか拡張させ、それに応じて冠動脈ステント送達システムを固定するか解放するように、キャップを一方向又は別方向に回転させる。同時に、キャップは、ハウジングの円筒形後部が接続スロットにて回転するにつれて、ランナと共に同じスロットに沿って水平に移動する。
【0018】
保持具は、ハウジングの円筒形前部の側部切欠きに設けられた耳部を用いて回転させられると、キャップが回転して内側のコレットに螺合されるかコレットから取り外されるように形成される。ここで、コレットフックはキャップの位置に応じて開閉し、ハウジングの円筒形後部がその軸を中心に回転すると、ランナは、その突起がハウジングの円筒形後部の雌ネジと係合した時点でハウジングの前部のガイドに沿って水平に移動する。ランナ内に配置された冠動脈ステント送達システムは、コレットフックが締め付けられている間、ランナと同時に移動する。
【0019】
保持機構をその初期位置に戻すために、保持具とハウジングの円筒形後部とを逆方向に作動させる。
【0020】
そのような設計は、コレットフックが締め付けられている間、コレットがその軸回りに自由に回転することができるため、ステントがその軸回りに同時に回転できるようにしながら、ステントが前後に動くときに冠動脈ステント送達システムを堅固に固定することを可能にする。
【0021】
このように、保持具の耳部の回転によりキャップがランナ本体から取り外されると、コレットフックが開き、その結果、冠動脈ステント送達システムはその自由な軸方向移動を可能にする自由状態になり、キャップが螺合されると送達システムを固定するためにコレットフックを閉じる。
【0022】
装置の使用準備が整うと、コレットフックが開いている間に、送達システムに担持される冠動脈ステントを先ず装置内に徐々に挿入し、冠動脈ステント送達システムをハウジングに設けられた貫通孔を介して配置する。操作者は、装置内に配置された送達システムによって担持される冠動脈ステントを冠動脈の罹患領域まで手動で前進させる。次に、操作者は装置を左手で固定するのに必要な距離に移動させ、右手で保持具を回転させることによってコレットフックを用いて送達システムを固定し、さらにハウジングの円筒形後部を回転させてハウジングの回転運動をランナの並進運動に変換し、冠動脈ステントを血管内に位置決めするのに必要な距離まで送達システムを前進させる。操作者はこのほか、ハウジングの後部を前進させるとき、ハウジングの円筒形後部を必要な方向に回転させることによって、冠動脈ステント送達システムを保持する機構をその初期位置に戻し、その結果、冠動脈ステントを前方か後方にさらに位置決めすることを継続してもよい。
実施形態2
【0023】
装置は、内部に配置されたランナを有するハウジングを備える。このランナは、送達システムを受容する穴と、ハウジングの円筒形後部の雌ネジに係合する突起と、一方の側でハウジング内部のガイドに沿って移動する突起と、送達システムを受容する穴を備えるプラスチック製クランプと、を有する。このプラスチック製クランプは、ランナと一体的に形成され、送達システムを受容する穴を有するキャップ内に配置され、他方の側でランナに螺合されるネジ山を備える。
【0024】
周方向に延びるスロットによって互いに接続された切頭円筒形前部と円筒形後部とから形成されたハウジングは、プラスチック製であり、ハウジングの切頭円筒形前部の両側に操作者の指のための凹部を備える。ここで、本体の右半体及び左半体は別々に製造され、機構がハウジングの内側部分の縁部に配置された突起及び穴を介して組み立てられた時点で互いに接続される。
【0025】
ハウジングの円筒形前部は、ハウジングの両側の側孔に突出する耳部を有する保持具を備え、ハウジングの内側には、プラスチック製クランプを収容するランナに螺結されたキャップが配置される。
【0026】
操作者の左手親指と左手人差し指で保持されるように構成されたハウジングの切頭前部には、操作者が装置を定位置に固定することを可能にする凹部が形成される。ここで、左手親指用凹部はこのほか、冠動脈ガイドを固定するためのパッドとして機能する。冠動脈ステント送達システムをハウジングに挿入するための貫通孔がハウジングの前部及び後部に形成される。
【0027】
周方向のスロットが、ハウジングの円筒形前部と円筒形後部との間でハウジング内に形成され、円筒形後部がその軸回りを回転可能であるように両部分を接続する。
【0028】
ハウジングの内側に配置された保持具の耳部は、ハウジングの前部の側部切欠きに収容される。このような耳部は、保持具をハウジングに対して回転可能にし、ハウジングのスロットでは、ランナと一体的に形成されたプラスチック製クランプを収容するランナキャップに突起が配置される。このクランプは、係合された時点で、キャップがランナに螺合されるかランナから取り外され、それによってそれぞれプラスチック製のクランプフラップを圧縮するか拡張させて冠動脈ステント送達システムを締め付けるか解放するときに、キャップを一方向又は別方向に回転させる。同時に、キャップは、ハウジングの円筒形後部が接続スロットにて回転するにつれて、ランナと共に同じスロットに沿って水平に移動する。
【0029】
保持具は、ハウジングの円筒形前部の側面切欠きに設けられた耳部を用いて回転させられると、キャップが回転して内側のコレットに螺合するかコレットから取り外されるように形成される。ここで、コレットフックはキャップの位置に応じて開閉し、ハウジングの円筒形後部がその軸回りに回転すると、ランナは、突起がハウジングの円筒形後部の雌ネジに嵌合した時点でハウジングの前部のガイドに沿って水平に移動する。ランナ内に配置された冠動脈ステント送達システムは、コレット保持具が締め付けられている間、ランナと同時に移動する。
【0030】
保持機構をその初期位置に戻すために、保持具とハウジングの円筒形後部とを逆方向に作動させる。
【0031】
そのような設計は、ステントが前後に移動するときに冠動脈ステント送達システムを堅固に固定することを可能にする。
【0032】
このようにして、保持具の耳部の回転によりキャップがランナ本体から取り外されると、プラスチック製のクランプフラップが開き、その結果、冠動脈ステント送達システムはその自由な軸方向移動を可能にする自由状態になる。キャップが螺合されると、クランプフラップが閉じて送達システムを固定する。
【0033】
装置の使用準備が整うと、送達システムによって担持される冠動脈ステントが先ず、クランプフラップが開いている間に装置の中に徐々に挿入され、冠動脈ステント送達システムはハウジングに設けられた貫通孔を介して配置される。操作者は、装置内に配置された送達システムによって担持される冠動脈ステントを冠動脈の罹患領域まで手動で前進させる。次に、操作者は、装置を左手で固定するのに必要な距離に移動させ、保持具を右手で回転させることによってクランプフラップを用いて送達システムを固定し、さらにハウジングの円筒形後部を回転させてハウジングの回転運動をランナの並進運動に変換し、冠動脈ステントを血管内に位置決めするのに必要な距離まで送達システムを前進させる。ハウジングの後部を前進させるとき、操作者はこのほか、ハウジングの円筒形後部を必要な方向に回転させることによって冠動脈ステント送達システムを保持する機構をその初期位置に戻すことができ、その結果、冠動脈ステントの位置決めを前方又は後方のいずれかに継続してもよい。
実施形態3
【0034】
装置は、内部に配置されたランナを有するハウジングを備える。このランナは、送達システムを受容する穴と、ハウジングの円筒形後部の雌ネジに係合する突起と、一方の側でハウジング内部のガイドに沿って移動する突起と、送達システムを受容する穴を備えるプラスチック製クランプと、を有する。このプラスチック製クランプは、その軸回りに回転可能であり、送達システムを受容する穴を有するキャップ内に配置され、他方の側でランナに螺合されるネジ山を備える。
【0035】
周方向に延びるスロットによって互いに接続された切頭円筒形前部と円筒形後部とから形成されたハウジングは、プラスチック製であり、ハウジングの切頭円筒形前部の両側に操作者の指のための凹部を備える。ここで、本体の右半体及び左半体は別々に製造され、機構がハウジングの内側部分の縁部に配置された突起及び穴を介して組み立てられた時点で互いに接続される。
【0036】
ハウジングの円筒形前部は、ハウジングの両側の側孔に突出する耳部を有する保持具を備え、ハウジングの内側には、プラスチック製クランプを収容するランナに螺結されたキャップが配置される。
【0037】
操作者の左手親指と左手人差し指で保持されるように構成されたハウジングの切頭前部には、操作者が装置を定位置に固定することを可能にする凹部が形成される。ここで、左手親指用凹部はこのほか、冠動脈ガイドを固定するためのパッドとして機能する。冠動脈ステント送達システムをハウジングに挿入するための貫通孔がハウジングの前部及び後部に形成される。
【0038】
スロットが、ハウジングの切頭部と円筒形部との間でハウジング内に周方向に形成され、円筒形後部がその軸回りを回転可能であるように両部分を接続する。
【0039】
ハウジングの内側に配置された保持具の耳部は、ハウジングの前部の側部切欠きに収容される。このような耳部は、保持具をハウジングに対して回転可能にし、ハウジングのスロットでは、プラスチック製クランプであって、その軸回りに回転可能であるプラスチック製クランプを収容するランナキャップに突起が配置される。このクランプは、係合された時点で、キャップがランナに螺合されるかランナから取り外され、それによってそれぞれプラスチック製のクランプフラップを圧縮するか拡張させて冠動脈ステント送達システムを締め付けるか解放するときに、キャップを一方向又は別方向に回転させる。同時に、キャップは、ハウジングの円筒形後部が接続スロットにて回転するにつれて、ランナと共に同じスロットに沿って水平に移動する。
【0040】
保持具は、ハウジングの円筒形前部の側面切欠きに設けられた耳部を用いて回転させられると、キャップが回転して内側のコレットに螺合するかコレットから取り外されるように形成される。ここで、クランプフラップはキャップの位置に応じて開閉し、ハウジングの円筒形後部がその軸回りに回転すると、ランナは、突起がハウジングの円筒形後部の雌ネジに嵌合した時点でハウジングの前部のガイドに沿って水平に移動する。ランナ内に配置された冠動脈ステント送達システムは、クランプフラップが締め付けられている間、ランナと同時に移動する。
【0041】
保持機構をその初期位置に戻すために、保持具とハウジングの円筒形後部とを逆方向に作動させる。
【0042】
そのような設計は、ステントが前後に移動するときに冠動脈ステント送達システムを堅固に固定することを可能にする一方、冠動脈ステント送達システムをその軸回りに同時に回転させることができる。
【0043】
このようにして、保持具の耳部の回転によりキャップがランナ本体から取り外されると、プラスチック製のクランプフラップが開き、冠動脈ステント送達システムはその自由な軸方向移動を可能にする自由状態になる。キャップが螺合されると、クランプフラップが閉じて送達システムを固定する。
【0044】
装置の使用準備が整うと、送達システムによって担持される冠動脈ステントが先ず、クランプフラップが開いている間に装置の中に徐々に挿入され、冠動脈ステント送達システムはハウジングに設けられた貫通孔を介して配置される。操作者は、装置内に配置された送達システムによって担持される冠動脈ステントを冠動脈の罹患領域まで手動で前進させる。次に、操作者は、装置を左手で固定するのに必要な距離に装置を移動させ、保持具を右手で回転させることによってクランプフラップを用いて送達システムを固定し、さらにハウジングの円筒形後部を回転させてハウジングの回転運動をランナの並進運動に変換し、冠動脈ステントを血管内に位置決めするのに必要な距離まで送達システムを前進させる。ハウジングの後部を前進させるとき、操作者はこのほか、ハウジングの円筒形後部を必要な方向に回転させることによって冠動脈ステント送達システムを保持する機構をその初期位置に戻し、その結果、冠動脈ステントの位置決めをさらに前方又は後方のいずれかに継続してもよい。
実施形態4
【0045】
装置は、内部に配置されたランナを有するハウジングを備える。このランナは、送達システムを受容する穴と、ハウジングの円筒形後部の雌ネジに係合する突起と、一方の側でハウジング内部のガイドに沿って移動する突起と、送達システムを収容する穴を備えたキャップと、ゴム製ブッシュと、を有する。このゴム製ブッシュは、送達システムを内側に収容する穴と、キャップとランナの内側の類似する面と一致する円錐形端面とを備える。このゴム製ブッシュはキャップ内に配置され、反対側のランナに螺合されるネジ山を備える。
【0046】
周方向に延びるスロットによって互いに接続された切頭円筒形前部と円筒形後部とから形成されたハウジングは、プラスチック製であり、ハウジングの前部の両側に操作者の指のための凹部を備える。ここで、本体の右半体及び左半体は別々に製造され、機構がハウジングの内側部分の縁部に配置された突起及び穴を介して組み立てられた時点で互いに接続される。
【0047】
ハウジングの円筒形前部は、ハウジングの両側の側孔に突出する耳部を有する保持具を備え、ハウジングの内側には、ゴム製ブッシュを収容するランナに螺結されたキャップが配置される。
【0048】
操作者の左手親指と左手人差し指で保持されるように構成されたハウジングの切頭前部には、操作者が装置を定位置に固定することを可能にする凹部が形成される。ここで、左手親指用凹部はこのほか、冠動脈ガイドを固定するためのパッドとして機能する。冠動脈ステント送達システムをハウジングに挿入するための貫通孔がハウジングの前部及び後部に形成される。
【0049】
周方向のスロットが、ハウジングの円筒形前部と円筒形後部との間でハウジング内に形成され、円筒形後部がその軸回りに回転可能であるように両部分を接続する。
【0050】
ハウジングの内側に配置された保持具の耳部は、ハウジングの前部の側部切欠きに収容される。このような耳部は、保持具をハウジングに対して回転可能にし、ハウジングのスロットでは、内側にゴム製ブッシュを収容するランナキャップに突起が配置される。ゴム製ブッシュは、 キャップとランナの類似する面と一致する円錐形端面を有する。この表面は、係合された時点で、キャップがランナに螺合されるかランナから取り外され、それによってそれぞれゴム製ブッシュを圧縮するか拡張させて冠動脈ステント送達システムを締め付けるか解放するときに、キャップを一方向又は別方向に回転させる。同時に、キャップは、ハウジングの円筒形後部が接続スロットにて回転するにつれて、ランナと共に同じスロットに沿って水平に移動する。
【0051】
保持具は、ハウジングの前部の側部切欠きに設けられた耳部を用いて回転させられると、キャップが回転して内側のゴム製ブッシュに螺合するかゴム製ブッシュから取り外される。このとき、ゴム製ブッシュはキャップの位置に応じて圧縮されるか拡張され、ハウジングの円筒形後部がその軸回りに回転すると、ランナは、ランナの突起部がハウジングの円筒形後部の雌ネジと篏合した時点で、ハウジングの前部のガイドに沿って水平に移動する。ランナ内に配置された冠動脈ステント送達システムは、ゴム製ブッシュが締め付けられている間にランナと同時に移動する。
【0052】
保持機構をその初期位置に戻すために、保持具とハウジングの円筒形後部とを逆方向に作動させる。
【0053】
そのような設計は、ステントが前後に移動するときに冠動脈ステント送達システムを堅固に固定することを可能にする。
【0054】
このようにして、保持具の耳部の回転によりキャップがランナ本体から取り外されると、ゴム製ブッシュが拡張し、その結果、冠動脈ステント送達システムはその自由な軸方向移動を可能にする自由状態になる。キャップが螺合されると、ゴム製ブッシュが圧縮されて送達システムを固定する。
【0055】
装置の使用準備が整うと、送達システムによって担持される冠動脈ステントが先ず、ゴム製ブッシュが拡張されている間に装置の中に徐々に挿入され、冠動脈ステント送達システムはハウジングに設けられた貫通孔を介して配置される。操作者は、装置内に配置された送達システムによって担持される冠動脈ステントを冠動脈の罹患領域まで手動で前進させる。次に、操作者は、装置を左手で固定するのに必要な距離に装置を移動させ、保持具を右手で回転させることによってゴム製ブッシュを用いて送達システムを固定し、さらにハウジングの円筒形後部を回転させてハウジングの回転運動をランナの並進運動に変換し、冠動脈ステントを血管内に位置決めするのに必要な距離まで送達システムを前進させる。ハウジングの後部を前進させるとき、操作者はこのほか、ハウジングの円筒形後部を必要な方向に回転させることによって冠動脈ステント送達システムを保持する機構をその初期位置に戻し、その結果、冠動脈ステントの位置決めを前方又は後方のいずれかにさらに継続してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
添付図面のリストを以下に提供する。
【
図4】コレットフックを有する装置の全体断面図である。
【
図5】ランナキャップを有する装置の全体断面図である。
【
図9】静止したプラスチック製クランプの断面図を有するランナの全体図である。
【
図9a】静止したプラスチック製クランプを有するランナの全体図である。
【
図9b】静止したプラスチック製クランプを有するランナの分離図である。
【
図10】可動プラスチック製クランプの断面図を有するランナの全体図である。
【
図10a】可動プラスチック製クランプを有するランナの全体分離図である。
【
図11】ゴム製ブッシュの断面図を有するランナの全体図である。
【
図11a】ゴム製ブッシュを有するランナの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
以下、添付図面を参照しながら本発明をさらに説明する。
実施形態1
【0058】
この装置は、操作者の指用の凹部3(
図1、
図2、
図3)と冠動脈ステント送達システム31を受容する穴4(
図1、
図2、
図3、
図4、
図5、
図6)とを有する切頭前部2及び円筒形前部5(
図1、
図2、
図3)と、回転可能な円筒形後部10とから形成されたハウジング1(
図1)を備える。この円筒形後部は、冠動脈ステント送達システム31(
図1、
図2、
図3、
図4、
図5、
図6)を受容する穴11と、ハウジングの前部と後部を接続するスロット8(
図7)周りに延びる円筒形前部5上のマーク32と、ハウジング1(
図1、
図2、
図3)の回転可能な円筒形後部10上のマーク33とを有する。マーク33は、ランナ14の長手方向移動のためのハウジング1(
図1、
図2、
図3)の円筒形後部10の回転角度に関する視覚情報を操作者に提供するためのものである。ここで、ハウジング1はプラスチック製であり、その左半体及び右半体(
図1)は別々に製造され、ハウジング内に、冠動脈ステント送達システム31(
図4、
図5、
図6)を受容する穴17(
図8)と、ハウジング10(
図6、
図7、
図8)の円筒形後部のネジ山12(
図6、
図7)と係合する突起15と、ハウジングの前部(
図6、
図7、
図8)のガイド6に接続され、ランナ14を移動させるため
の突起16とを有するランナ14(
図4、
図5、
図6)を配置し、ランナ14の穴18(
図7)に配置されるコレット20(
図4、
図7、
図8)であって、その軸回りに回転可能であり、ランナ14内に収容されたフック21(
図4、
図7、
図8)を備えるコレットを配置し、冠動脈ステント送達システム31を受容する穴29(
図5、
図7)を有する
ランナキャップ26(
図5、
図6、
図7、
図8)であって、保持具23(
図1、
図2、
図6、
図7)内でランナ14のネジ山19(
図4、
図7、
図8)と螺合し、ネジ山から取り外されるキャップを配置し、ハウジング1の前部2に配置される保持具23であって、切欠き7(
図1、
図2、
図3)にて保持具23(
図1、
図2、
図6)を回転させるための耳部24(
図1、
図2、
図3、
図7)を用いて、保持具23の回転時(
図1、
図2、
図6)の
ランナキャップ26の突起30とスロット25(
図6、
図7)との係合によって
ランナキャップ26を螺合し、取り外す(
図5、
図6、
図7、
図8)保持具を配置した後、ハウジング(
図5)の前部及びハウジングの後部における凹部及び突起9及び13を用いて接続される。
【0059】
送達システム31(
図1、
図2、
図3)を装置の内部に収容するために、操作者は保持具23の耳部24(
図1、
図2、
図3、
図7)を回転させる。その結果、保持具23(
図1、
図2、
図3、
図7)が回転し、
ランナキャップ26の突起30(
図5、
図8)が保持具23のスロット25(
図6、
図7)に係合し、
ランナキャップ26がランナ14のネジ山19(
図4)から取り外され、コレット20のフック21が開いて(
図4)、装置1の冠動脈ステント送達システム31を受容する穴22(
図4、
図8)を解放する。送達システム31(
図1、
図2、
図4、
図5、
図6)は、ハウジング10の円筒形後部の開口部11(
図6、
図7)、ランナ14の開口部17(
図8)、
ランナキャップ26の開口部29(
図5、
図7)及びハウジングの前部2の開口部4(
図6、
図7)を通して挿入される。
【0060】
次に、保持具23は、保持具23の耳部24(
図1、
図2、
図3、
図7)を用いて反対方向(
図5)に回転させられる。その結果、ランナ14の
ランナキャップ26は、ランナ14のネジ山19(
図5)に螺合されて、コレット20のフック21を閉じ、送達システムを固定する。操作者は、ハウジング1の円筒形後部10を回転させることにより、ハウジング1の後部10(
図1、
図2、
図3)の回転運動をランナ14(
図4、
図5、
図6)の並進運動に変換し、ハウジング1の前部5及び円筒形後部10上の特殊なマーク32及び33(
図1、
図2、
図3)をそれぞれ用いて前進をさらに視覚的に制御しながら、送達システム31をその軸回りに回転可能であるように装置の内部で水平に前進させる。
実施形態2
【0061】
この装置は、操作者の指用の凹部3(
図1、
図2、
図3)と冠動脈ステント送達システム31を受容する穴4(
図1、
図2、
図3、
図4、
図5、
図6)とを有する切頭前部2及び円筒形部5(
図1、
図2、
図3)と、回転可能な円筒形後部10とから形成されたハウジング1(
図1)を備える。この円筒形後部は、冠動脈ステント送達システム31を受容する穴11(
図1、
図2、
図3、
図4、
図5、
図6)と、ハウジング1の円筒形前部5上のマーク32であって、ハウジングの前部と後部を接続するスロット8(
図7)周りに延びるマーク32と、ハウジング1の回転可能な円筒形後部10上のマーク33(
図1、
図2、
図3)とを有する。マーク33は、ランナ14の長手方向移動のためのハウジング1(
図1、
図2、
図3)の円筒形後部10の回転角度に関する視覚情報を操作者に提供するためのものである。ここで、ハウジング1はプラスチック製であり、その左半体及び右半体(
図1)は別々に製造され、ハウジング内に、冠動脈ステント送達システム31(
図4、
図5、
図6)を受容する穴17(
図8)と、ハウジング10(
図6、
図7、
図8)の円筒形後部のネジ山12(
図6、
図7)と係合する突起15と、ハウジングの前部のガイド6(
図6、
図7、
図8)に接続され、ランナ14を移動させるため
の突起16と、を有するランナ14(
図4、
図5、
図6)を配置し、ランナ14(
図9a)と一体的に形成されたクランプ35(
図9a、
図9b)であって、クランプ送達システム保持領域36を有し、冠動脈ステント送達システム31を受容する穴29(
図9)を有するランナ14の
ランナキャップ26(
図9、
図9a、
図9b)内に収容されるフラップ34(
図9a、
図9b)を備えるクランプ35を配置し、保持具23(
図1、
図2、
図6、
図7)内でランナ14のネジ山19(
図9a、
図9b)と螺合し、ネジ山から取り外すことができる
ランナキャップ26を配置し、ハウジング1の前部2に配置される保持具23であって、切欠き7(
図1、
図2、
図3)にて保持具23(
図1、
図2、
図6)を回転させるための耳部24(
図1、
図2、
図3、
図7)を用いて、保持具23の回転時(
図1、
図2、
図6)の
ランナキャップ26の突起30とスロット25(
図6、
図7)との係合によって
ランナキャップ26を螺合し、取り外す(
図5、
図6、
図7、
図8)保持具23を配置した後、ハウジング(
図5)の前部及びハウジングの後部の凹部及び突起9及び13を用いて接続される。
【0062】
送達システム31(
図1、
図2、
図3)を装置の内部に収容するために、操作者は保持具23の耳部24(
図1、
図2、
図3、
図7)を回転させる。その結果、保持具23(
図1、
図2、
図3、
図7)が回転し、
ランナキャップ26の突起30(
図5、
図9a)が保持具23のスロット25(
図6、
図7)に係合し、
ランナキャップ26がランナ14のネジ山19(
図9а、
図9b)から取り外され、クランプ35のフラップ34が開いて(
図9а、
図9b)、装置の冠動脈ステント送達システム31を受容する穴17(
図9b)を解放する。送達システム31(
図1、
図2、
図4、
図5、
図6)は、ハウジング10の円筒形後部の開口部11(
図6、
図7)、ランナ14の開口部17(
図8、
図9b)、
ランナキャップ26の開口部29(
図5、
図9a)及びハウジングの前部2の開口部4(
図6、
図7)を通して挿入される。
【0063】
次に、保持具23は、保持具23の耳部24(
図1、
図2、
図3、
図7)を用いて反対方向(
図5)に回転させられる。その結果、ランナ14の
ランナキャップ26(
図9、
図9a、
図9b)は、ランナ14のネジ山19(
図5、
図9a、
図9b)に螺合されて、ランナ14と一体的に形成されたクランプ35のクランプ送達システム保持領域36(
図9、
図9b)のフラップ34を閉じて送達システムを固定する。
【0064】
操作者は、ハウジング1の円筒形後部10を回転させることにより、ハウジング1の後部10(
図1、
図2、
図3)の回転運動をランナ14(
図4、
図5、
図6、
図9、図 9a、
図9b)の並進運動に変換し、ハウジング1の前部5及び円筒形後部10上の特殊なマーク32及び33(
図1、
図2、
図3)を用いて前進をさらに視覚的に制御しながら、送達システム31を装置の内部で水平に前進させる。
実施形態3
【0065】
装置は、ハウジング1(
図1)を備える。ハウジング1は、操作者の指用の凹部3(
図1、
図2、
図3)と冠動脈ステント送達システム31を受容する穴4(
図1、
図2、
図3、
図4、
図5、
図6)とを有するハウジング1の切頭前部2及び円筒形前部5(
図1、
図2、
図3)と、回転可能な円筒形後部10とから形成される。この円筒形後部は、冠動脈ステント送達システム31を受容する穴11(
図1、
図2、
図3、
図4、
図5、
図6)と、ハウジングの前部と後部を接続するスロット8(
図7)周りに延びるハウジング1の円筒形前部5上のマーク32と、ハウジング1の回転可能な円筒形後部10上のマーク33(
図1、
図2、
図3)とを有する。マーク33は、ランナ14の長手方向移動のためのハウジング1(
図1、
図2、
図3)の円筒形後部10の回転角度に関する視覚情報を操作者に提供するためのものである。ここで、ハウジング1はプラスチック製であり、その左半体及び右半体(
図1)は別々に製造され、ハウジング内に、冠動脈ステント送達システム31(
図4、
図5、
図6)を受容する穴17(
図8)と、ハウジング10(
図6、
図7、
図8)の円筒形後部のネジ山12(
図6、
図7)と係合する突起15と、ハウジングの前部のガイド6に接続され、ランナ14を移動させるため
の突起16(
図6、
図7、
図8)とを有するランナ14(
図4、
図5、
図6)を配置し、クランプブッシュ40(
図10a)をその軸回りに回転可能に受容するランナ穴45内に配置されるクランプ38(
図10、
図10a)であって、ステント送達システム保持領域39を有するフラップ37(
図10、
図10a)と、冠動脈ステント送達システム31を受容する穴41(
図10、
図10a)とを有し、ランナ14の
ランナキャップ26(
図10、
図10a)に収容されるクランプ38を配置し、保持具23(
図1、
図2、
図6、
図7)の内側にてランナ14のネジ山19(
図10a)と螺合し、ネジ山から取り外すことがでる
ランナキャップ26を配置し、ハウジング1の前部2に配置される保持具23であって、切欠き7(
図1、
図2、
図3)にて保持具23(
図1、
図2、
図6)を回転させるための耳部24(
図1、
図2、
図3、
図7)を用いて、保持具23の回転時(
図1、
図2、
図6)の
ランナキャップ26の突起30とスロット25(
図6、
図7)との係合によって
ランナキャップ26を螺合し、取り外す(
図5、
図6、
図7、
図8、
図10、
図10a)保持具を配置した後、ハウジング(
図5)の前部及びハウジングの後部での凹部及び突起9及び13を用いて接続される。
【0066】
送達システム31(
図1、
図2、
図3)を装置の内部に収容するために、操作者は保持具23の耳部24(
図1、
図2、
図3、
図7)を回転させる。その結果、保持具23(
図1、
図2、
図3、
図7)が回転し、
ランナキャップ26の突起30(
図5、
図10a)が保持具23のスロット25(
図6、
図7)に係合し、
ランナキャップ26がランナ14のネジ山19(
図10、
図10а)から取り外され、ランナ14のブッシュ18(
図10a)内に収容されたクランプ38のフラップ37(
図10a)が開いて、冠動脈ステント送達システム31を装置内に受容するクランプ38の穴41(
図10、
図10a)を解放する。送達システム31(
図1、
図2、
図4、
図5、
図6)は、ハウジング10の円筒形後部の開口部11(
図6、
図7)、ランナ14の開口部17(
図10)、
ランナキャップ26の開口部29(
図5、
図10a)及びハウジングの前部2の開口部4(
図6、
図7)を通して挿入される。
【0067】
次に、保持具23は、保持具23の耳部24(
図1、
図2、
図3、
図7)を用いて反対方向(
図5)に回転させられる。その結果、ランナ14の
ランナキャップ26(
図10、
図10a)は、ランナ14のネジ山19(
図5、
図10a)に螺合されて、クランプ38のステント送達システム保持領域39(
図10、
図10a)内でフラップ37を閉じ、送達システムを固定する。
【0068】
操作者は、ハウジング1の円筒形後部10を回転させることにより、ハウジング1の後部10(
図1、
図2、
図3)の回転運動をランナ14(
図4、
図5、
図6、
図10、
図10a)の並進運動に変換し、ハウジング1の前部5及び円筒形後部10上の特殊なマーク32及び33(
図1、
図2、
図3)をそれぞれ用いて前進をさらに視覚的に制御しながら、送達システム31をその軸回りに回転可能であるように装置の内部で水平に前進させる。
実施形態4
【0069】
装置は、ハウジング1(
図1)を備える。ハウジング1は、操作者の指用の凹部3(
図1、
図2、
図3)と、冠動脈ステント送達システム31を受容する穴4(
図1、
図2、
図3、
図4、
図5、
図6)とを有するハウジング1の切頭前部2及び円筒形前部5(
図1、
図2、
図3)と、ハウジング1の回転可能な円筒形後部10とから形成される。この円筒形後部は、冠動脈ステント送達システム31(
図1、
図2、
図3、
図4、
図5、
図6)を受容する穴11と、ハウジングの前部と後部を接続するスロット8(
図7)周りに延びるハウジング1の円筒形前部5上のマーク32と、ハウジング1の回転可能な円筒形後部10上のマーク33(
図1、
図2、
図3)とを有する。マーク33は、ランナ14の長手方向移動のためのハウジング1(
図1、
図2、
図3)の円筒形後部10の回転角度に関する視覚情報を操作者に提供するためのものである。ここで、ハウジング1はプラスチック製であり、その左半体及び右半体(
図1)は別々に製造され、ハウジング内に、冠動脈ステント送達システム31(
図4、
図5、
図6)を受容する穴17(
図8)と、ハウジング10(
図6、
図7、
図8)の円筒形後部のネジ山12(
図6、
図7)と係合する突起15と、ハウジングの前部(
図6、
図7、
図8)のガイド6に接続され、ランナ14を移動させるため
の突起16とを有するランナ14(
図4、
図5、
図6)を配置し、ゴム製ブッシュ42 (
図11、
図11a)であって、キャップ及びランナの内側の類似する表面と一致する円錐形の端面と、
ランナキャップ26(
図11、
図11a)に収容される冠動脈ステント送達システムを受容する穴43とを有するゴム製ブッシュを配置し、保持具23(
図1、
図2、
図6、
図7)内でランナ14のネジ山19(
図11a)と螺合し、ネジ山から取り外すことができる
ランナキャップ26を配置し、ハウジング1の前部2に配置される保持具23であって、切欠き7(
図1、
図2、
図3)にて保持具23(
図1、
図2、
図6)を回転させるための耳部24(
図1、
図2、
図3、
図7)を用いて、保持具23の回転時(図 1、
図2、
図6)の
ランナキャップ26の突起30とスロット25(
図6、
図7)との係合によって
ランナキャップ26を螺合し、取り外す(
図5、
図6、
図7、
図8、
図11、
図11a)保持具を配置した後、ハウジング(
図5)の前部及びハウジングの後部での凹部及び突起9及び13を用いて接続される。
【0070】
送達システム31(
図1、
図2、
図3)を装置の内部に収容するために、操作者は保持具23の耳部24(
図1、
図2、
図3、
図7)を回転させる。その結果、保持具23(
図1、
図2、
図3、
図7)が回転し、
ランナキャップ26の突起30(
図5、
図8)が保持具23のスロット25(
図6、
図7)に係合し、
ランナキャップ26がランナ14のネジ山19(
図4)から取り外され、一方の側がランナ14の円錐形部分44(
図11、
図11a)に収容され、他方の側が
ランナキャップ26(
図11、
図11a)に収容されるゴム製ブッシュ42(
図11、
図11a)は、拡張して、装置内に冠動脈ステント送達システム31を受容する開口部17(
図9b)を解放する。送達システム31(
図1、
図2、
図4、
図5、
図6)は、ハウジング10の円筒形後部の開口部11(
図6、
図7)、ランナ14の開口部17(
図8、
図11、
図11a)、ゴム製ブッシュ42の開口部43(
図11、
図11a)、
ランナキャップ26の開口部29(
図5、
図11a)及びハウジングの前部2の開口部4(
図6、
図7)を通して挿入される。
【0071】
次に、保持具23は、保持具23の耳部24(
図1、
図2、
図3、
図7)を用いて反対方向(
図5)に回転させられる。その結果、ランナ14の
ランナキャップ26(
図11、
図11a)は、ランナ14のネジ山19(
図5、
図11a)に螺合されて、ゴム製ブッシュ42(
図11、
図11a)を圧縮して送達システムを固定する。
【0072】
操作者は、ハウジング1の円筒形後部10を回転させることにより、ハウジング1の後部10(
図1、
図2、
図3)の回転運動をランナ14(
図4、
図5、
図6)の並進運動に変換し、ハウジング1の前部5及び円筒形後部10上の特殊なマーク32及び33(
図1、
図2、
図3)をそれぞれ用いて前進をさらに視覚的に制御しながら、送達システム31を装置の内部で水平に前進させる。
なお、本発明の参考例として、以下のものも含まれる。
〔参考例9〕
冠動脈内に冠動脈ステントを位置決めする方法であって、
冠動脈ステント送達システムが前記装置のハウジングに収容された時点で、
保持具の耳部が回転させられ、その結果、保持具内に配置されたキャップの側部突起が保持具のスロットと共に回転して、前記キャップをランナから取り外し、それによって、送達システムを受容する貫通孔を形成しながらコレットのフックを開き、
前記冠動脈ステント送達システムは、前記ハウジングの前部及び後部の貫通孔を介して延びるガイド上に連続的に配置され、次に、保持具の耳部が反対方向に回転させられて、前記キャップを前記ランナに螺合し、前記コレットのフックを圧縮し、
前記送達システムは前記装置内に固定され、ゴム製端部の突起が前記ハウジングの前記円筒形後部の雌ネジに係合する結果として、前記ハウジングの前記円筒形後部の回転運動を前記ランナの並進運動に変換し、
固定された前記送達システムは、前記装置内で必要な距離だけ水平に移動する一方、前記コレットはその軸回りに回転させられ、前記冠動脈ガイドは、前記ハウジングの切頭前部に形成された凹部に操作者の手によって押し付けられる、ことを特徴とする、方法。
〔参考例10〕
冠動脈内に冠動脈ステントを位置決めする方法であって、
冠動脈ステント送達システムが装置のハウジングに収容された時点で、
保持具の耳部が回転させられ、その結果、保持具内に配置されたキャップの側部突起が保持具のスロットと共に回転して、前記キャップをランナから取り外し、それによって、送達システムを受容する貫通孔を形成しながら、前記ランナと一体的に形成されたクランプのフラップを開き、
前記冠動脈ステント送達システムは、前記ハウジングの前部及び後部の貫通孔を介して延びるガイド上に連続的に配置され、次に、保持具の耳部が反対方向に回転させられて、前記キャップを前記ランナに螺合し、前記クランプのフラップを圧縮し、
前記送達システムは前記装置内に固定され、ゴム製端部の突起が前記ハウジングの前記円筒形後部の雌ネジに係合する結果として、前記ハウジングの前記円筒形後部の回転運動を前記ランナの並進運動に変換し、
固定された前記送達システムは、前記装置内で必要な距離だけ水平に移動し、前記冠動脈ガイドは、前記ハウジングの切頭前部に形成された凹部に操作者の手によって押し付けられる、ことを特徴とする、方法。
〔参考例11〕
冠動脈内に冠動脈ステントを位置決めする方法であって、
冠動脈ステント送達システムが装置のハウジングに収容された時点で、
保持具の耳部が回転させられ、その結果、保持具内に配置されたキャップの側部突起が保持具のスロットと共に回転して、前記キャップをランナから取り外し、それによって、送達システムを受容する貫通孔を形成しながら、クランプのフラップを開き、
前記冠動脈ステント送達システムは、前記ハウジングの前部及び後部の貫通孔を介して延びるガイド上に連続的に配置され、次に、保持具の耳部が反対方向に回転させられて、前記キャップを前記ランナに螺合し、前記クランプのフラップを圧縮し、
前記送達システムは前記装置内に固定され、ゴム製端部の突起が前記ハウジングの前記円筒形後部の雌ネジに係合する結果として、前記ハウジングの前記円筒形後部の回転運動を前記ランナの並進運動に変換し、
固定された前記送達システムは、前記装置内で必要な距離だけ水平に移動する一方、前記クランプはその軸回りに回転させられ、前記冠動脈ガイドは、前記ハウジングの切頭前部に形成された凹部に操作者の手によって押し付けられる、ことを特徴とする、方法。
〔参考例12〕
冠動脈内に冠動脈ステントを位置決めする方法であって、
冠動脈ステント送達システムが装置のハウジングに収容された時点で、
保持具の耳部が回転させられ、その結果、保持具内に配置されたキャップの側部突起が保持具のスロットと共に回転して、前記キャップをランナから取り外し、それによって、送達システムを受容する貫通孔を形成しながら、前記キャップに収容されるゴム製ブッシュを拡張し、
前記冠動脈ステント送達システムは、前記ハウジングの前部及び後部の貫通孔を介して延びるガイド上に連続的に配置され、次に、保持具の耳部が反対方向に回転させられて、前記キャップを前記ランナに螺合し、前記ゴム製ブッシュを圧縮し、
前記送達システムは前記装置内に固定され、ゴム製端部の突起が前記ハウジングの前記円筒形後部の雌ネジに係合する結果として、前記ハウジングの前記円筒形後部の回転運動を前記ランナの並進運動に変換し、
固定された前記送達システムは、前記装置内で必要な距離だけ水平に移動する一方、前記クランプはその軸回りに回転させられ、前記冠動脈ガイドは、前記ハウジングの切頭前部に形成された凹部に操作者の手によって押し付けられる、ことを特徴とする、方法。
【0073】
〔符号の説明〕
1 装置のハウジング
2 ハウジングの切頭前部
3 操作者の指用の凹部
4 冠動脈ステント送達システムを受容する穴
5 ハウジングの円筒形前部
6 ランナガイド
7 ハウジング内の保持具切欠き
8 ハウジングの前部と後部を接続するためのスロット
9 ハウジングの前部を締結するための凹部及び突起
10 ハウジングの円筒形後部
11 送達システムを収容するためのハウジングの後部の穴
12 ハウジング後部の雌ネジ
13 ハウジングの後部を締結するための凹部及び突起
14 ランナ
15 ハウジングの後部内のネジ山と係合するランナ突起
16 ハウジングガイド用のランナ突起
17 冠動脈ステント送達システムを受容するランナ穴
18 コレットを受容するランナ穴
19 キャップを螺合するためのランナネジ山
20 コレット
21 コレットフック
22 冠動脈ステント送達システムを受容するコレット穴
23 保持具
24 保持具の耳部
25 保持スロット
26 ランナキャップ
27 ランナ雌ネジ
28 キャップ円錐形部
29 冠動脈ステント送達システムを受容するためのキャップ穴
30 ランナキャップの突起
31 冠動脈ステント送達システム
32 ハウジングの円筒形前部にランナを配置するためのマーク
33 ハウジングの円筒形後部にランナを配置するためのマーク
34 クランプフラップ
35 クランプ
36 プラスチック製クランプ送達システム保持領域
36 バネ
37 クランプフラップ
38 クランプ
39 冠動脈ステント送達システム保持領域
40 ランナに接続するためのプラスチック製クランプブッシュ
41 冠動脈ステント送達システムを受容するプラスチック製クランプ穴
42 ゴム製ブッシュ
43 冠動脈ステント送達システムを受容するゴム製ブッシュ穴
44 ランナの内側の円錐形部分
45 クランプブッシュを受容するランナ穴