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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】金網取付金具及び照明金網棚
(51)【国際特許分類】
   F21V 21/096 20060101AFI20220203BHJP
   F21V 21/00 20060101ALI20220203BHJP
   A47F 5/00 20060101ALI20220203BHJP
   A47F 11/06 20060101ALI20220203BHJP
   A47G 29/00 20060101ALI20220203BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220203BHJP
【FI】
F21V21/096
F21V21/00 130
A47F5/00 B
A47F11/06
A47G29/00 J
F21Y115:10
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020205654
(22)【出願日】2020-12-11
【審査請求日】2020-12-11
(73)【特許権者】
【識別番号】597088775
【氏名又は名称】プリンス電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000235
【氏名又は名称】特許業務法人 天城国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】乾 孝太朗
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-012998(JP,A)
【文献】特開2017-073335(JP,A)
【文献】特開2010-170970(JP,A)
【文献】実開昭49-093167(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 21/096
A47F 5/00
A47F 11/06
A47G 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の金属棒から構成される金網の、互いに隣接する前記金属棒に一方の面で当接する第1面部と永久磁石に吸着される吸着部と前記第1面部及び前記吸着部をつなぐ連結部とから成る金網取付金具。
【請求項2】
複数の金属棒から構成される金網の、隣接する前記金属棒に一方の面で当接する第1面部と隣接する前記金属棒に他方の面で当接し永久磁石に吸着される第2面部と、前記第1面部及び前記第2面部をつなぐ連結部とから成る金網取付金具。
【請求項3】
前記連結部に切欠き部を有する請求項2記載の金網取付金具。
【請求項4】
複数の金属棒から構成される金網の、隣接する前記金属棒に掛けられる一対の懸垂部とその間に設けられ、永久磁石に吸着される平面部を有する金網取付金具。
【請求項5】
前記一対の懸垂部は同一方向の向けられている請求項4記載の金網取付金具。
【請求項6】
前記一対の懸垂部は内側から外側に向けられている請求項4記載の金網取付金具。
【請求項7】
複数の金属棒から構成される金網の、隣接する前記金属棒に一方の面で当接する第1面部と隣接する前記金属棒に他方の面で当接し永久磁石を有する第2面部と、前記第1面部及び前記第2面部をつなぐ連結部と、から成る金網取付金具。
【請求項8】
複数の金属棒から構成される金網を複数段有する金網棚と、
隣接する前記金属棒に上面で当接する上面部と、照明器具の上部に有する永久磁石に吸着される吸着部と、前記上面部及び前記吸着部をつなぐ連結部とから成る金網取付金具と、
を備える照明金網棚。
【請求項9】
複数の金属棒から構成される金網を複数段有する金網棚と、
隣接する前記金属棒に上面で当接する上面部と、前記金属棒に下面で当接し下方の照明器具に有する金属を吸着する永久磁石を備える下面吸着部と、前記上面部及び前記下面吸着部をつなぐ連結部とから成る金網取付金具と、
を備える照明金網棚。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、平板状の金属製棚などの金網に取り付けられる金網取付金具及び照明金網棚に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ワイヤーフレーム製のかごなどを鉛直方向に所定間隔をあけて数段に重ね、販売するパンなど陳列物を各かごに入れて置く陳列棚が知られている。そして、それら陳列物を明るく見せるために、かごの下面に照明器具を取り付けていた。この照明器具は例えば上段の陳列棚のワイヤーに引っ掛けて固定、あるいは照明器具をワイヤーにネジで止めて固定していた。しかしこのような方法で固定すると、陳列棚のかごと照明器具の相対的な位置が固定されてしまい、陳列物に対して照明したい位置を変えたい場合などに変える位置が限定されてしまい不便であった。
【0003】
一般的に、金属製の平板に位置を自由に金属製のものを取り付けるには、永久磁石が用いるのが便宜である。しかし、上記のような金網製のかごなどの下に金属物を永久磁石で取り付ける場合、金網を構成する金属棒と永久磁石との接触面積が小さくなって磁力が弱まり、金属物が落下してしまうおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は、上記のような金網と照明器具などを機械的に固定すると、両者の相対位置が限られ不便であることの課題を解決するものであり、金網と照明器具などの相対位置をある程度自由に動かすことが可能な、金網取付金具及び照明金網棚を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記した課題を解決するために、本発明の一実施形態の金網取付金具は、複数の金属棒から構成される金網の、隣接する前記金属棒に一方の面で当接する第1面部と永久磁石に吸着される吸着部と前記第1面部及び前記吸着部をつなぐ連結部とから成る。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】この発明の一実施形態にかかる照明金網棚の構成を説明するための上面図である。
図2図1に示した照明金網棚の一部の構成を示すA-A‘断面図である。
図3】本発明の第1の実施形態の金網取付金具の斜視図である。
図4図2に示した照明金網棚の各部の位置や大きさの関係を説明するための断面図である。
図5】本発明の第2の実施形態の金網取付金具の断面図である。
図6】本発明の第3の実施形態の金網取付金具の断面図である。
図7】本発明の第4の実施形態の金網取付金具の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各実施形態において、同一の構成部分には同一の符号を付して説明する。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、平板金網状のトレイと第1の実施形態の金網取付金具と照明装置の関係を示す上面図である。図2は、図1のトレイの奥部のA-A’の位置で見た、トレイと金網取付金具と照明器具の関係を示す断面図である。
【0009】
トレイ11は、縦横に所定間隔を置いて網の目状に配置固定された複数の金属棒12a,12bから成る金属網棚である。このようなトレイ11が上下方向に複数段、図示しないパイプにより所定間隔で固定される。例えばこの上段のトレイ11の下面の両側S1、S2と奥の面Dに、照明器具13a,13b,13cが後述するように下に向けて光を照射するように固定設置される。
【0010】
これらの照明器具13a,13b,13cは、例えば複数個のLED素子を直線状に配設して構成した、例えばアルミ製の照明器具である。図2に示すように照明器具13cの上部には吸引力の強い永久磁石14が固定されており、永久磁石14に後述する断面コ字型の金網取付金具15が、吸着される。ここでいう永久磁石は、長期間、例えば1年にわたり磁力を有する磁石をいう。
【0011】
トレイ11を構成する金属棒12aに取り付けられる金網取付金具15の斜視図を図3に示す。この金網取付金具15は、断面がコ字状の金属製の金具で、平行に設けられた2つの上面部21a,下面部21bと、その間の連結部22から成る。連結部22は上面部21aと下面部21b間に金属棒を挟むことができるようにその直径より少し大きくなるような間隔で湾曲しており中央に切欠き部23を有する。
【0012】
この金網取付金具15は例えば、中央部がくり抜かれた長方形の金属製の平板(鋼板)を、曲げたときの平板部の間隔bが金属棒の直径cより少し大きくなるように折り曲げ成形して製造する(図4参照)。
【0013】
このように製造された金網取付金具15は、照明器具13cを取り付けたい位置の上方の金属棒12bに、上方から図2の矢印Fに示す方向に差し込まれることにより固定される。
【0014】
金網取付金具15の幅及び長さ(奥行)は金網の金属棒12aの間に差し込むことが可能なように決められる。図4に示すように金属棒12aの間隔をd、金網取付金具15の奥行をeとすると、e>dとすることにより、2本の金属棒の上面部21a,下面部21bに金網取付金具15が当接するので安定する。しかし奥行eが大き過ぎると、隣接する金属棒間への挿入が難しくなる。金網取付金具15の上面部21a,下面部21bは開放端が少し開いていた方が、挿入が容易になる。また、金網取付金具15の幅f(図3参照)は当然、金属棒12bの間隔gとその直径を加算した値w1よりも小さくする。これらの関係は、金属棒12a間に金網取付金具を取り付ける場合も同様である。
【0015】
なお、金網取付金具15の形成されている上記切欠き部23はなくてもよいが、あれば差し込まれた金網取付金具15が金属棒に差し込まれている程度を確実に知ることができる利点がある。切欠き部の形状は長方形に限らず楕円形であってもよい。また、中央の切欠き部ではなく、外側を幅狭とした形状にすることも可能である。
【0016】
この実施形態の金網取付金具のように切欠き部を形成しあるいは幅を狭くした形状とした場合には、平板状の金属板を容易に折り曲げることができ容易に製造することができる利点を有する。
【0017】
上述のトレイは、平板状の棚でなくて、楕円状やかご状であってもよい。
【0018】
(第2の実施形態)
図5に第2の実施形態の断面図を示す。この実施形態の金網取付金具51は、断面がU字状である。金網取付金具51は、両端に、内側から外側に開いた懸垂部52a,52bと、その間に設けられた水平部53を有する形状を有する。
【0019】
懸垂部52a,52bは隣接する金属棒12aに懸けられその間の水平部53には、例えば照明器具(図示せず)の上部に取り付けられた永久磁石54に吸着される。このようにして、照明器具は金属棒12aに吊り下げられる。
【0020】
水平部53の距離gは、金属棒12aの距離dから金属棒の直径を減算した値w2より小さいことが望ましい。
【0021】
この実施形態によれば、金網取付金具51を上方から押し付けることにより簡単に金属棒間に嵌めることができる利点がある。
【0022】
(第3の実施形態)
図6に第3の実施形態の断面図を示す。この実施形態の金網取付金具61は、断面がU字状である。金網取付金具611は、両端に、同一方向に向けられた懸垂部62a,62bと、その間に設けられた水平部63を有する形状を有する。
【0023】
懸垂部62a,62bは隣接する金属棒12aに懸けられ、その間の水平部63には、例えば照明器具(図示せず)の上部に取り付けられた永久磁石64に吸着される。このようにして、照明器具は金属棒12aに吊り下げられる。
【0024】
水平部63の距離hは、金属棒12a間の距離dと同程度であれば懸垂部62a,62bを各金属棒12aに適切に引掛けることができ、望ましい。
【0025】
この実施形態によれば、金網取付金具61を上方から金属棒間に引掛けるようにして嵌めることができる利点がある。
【0026】
なお、第2、第3の実施形態の幅に関しては、第1の実施形態と同様に、吊り下げられる金属棒と直角方向の金属棒の配設間隔より小さいことが望ましい。そのほか、第2、第3の実施形態に関して記載のない部分は、第1の実施形態と同様である。また、上記実施形態では、同一方向の隣接する金属棒に金網取付金具を取着する例について述べたが、金網取付金具を異なる方向の隣接する金属棒に取着するようにすることも可能である。
【0027】
上記実施形態では、永久磁石を上部に有する照明器具を取り付けた場合について述べたが、照明器具を永久磁石と別体とすることもできる。
【0028】
なお、永久磁石を有するならば照明器具以外の装置にも本発明を適用することができる。
【0029】
(第4の実施形態)
永久磁石を、照明器具でなく金網取付金具の方に取り付けることも可能である。この種の実施形態についてここで述べる。
【0030】
この実施形態の金網取付金具の断面図を図7に示す。隣接する金属棒72に、取り付けられる金網取付金具75は、上面で当接する上面部76aと下面吸着部76bと、この上面部76aと下面吸着部76bを連結する連結部77とから成る。
【0031】
下面吸着部76bは、下面部76cの下面に永久磁石74を固定した構成を有する。永久磁石74には、下方に設置される照明器具73の上方に設けられた金属部78が設けられている。この金属部78は、矢印Rで示すように上方の下面吸着部76bに吸着される。
【0032】
この実施形態によれば、永久磁石を照明器具の方に付着する必要がなく、汎用性の高い照明器具を使える利点がある。また、照明器具の上部が金属製ならば、上記金属部78を設けることは必要でない。
【0033】
また、本発明は、水平状の棚でなくて立設した金網製の衝立などや斜めにした金属網などにも適用可能である。
【0034】
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0035】
11・・・トレイ、
12a,12b、72・・・金属棒、
13a,13b,13c、73・・・照明器具、
14、54,64、74・・・永久磁石、
15、51,61、75・・・金網取付金具、
21a、76a・・・上面部、
21b、76c・・・下面部、
22、77・・・連結部、
23・・・切欠き部、
52a,52b、62a,62b・・・懸垂部、
53、63・・・水平部、
76b・・・下面吸着部、
78・・・金属部。
【要約】      (修正有)
【課題】金網と照明器具などを機械的に固定する場合に、両者の相対位置をある程度自由に動かすことが可能な、金網取付金具及び照明金網棚を提供する。
【解決手段】金網取付金具15は、複数の金属棒から構成される金網の、隣接する金属棒に一方の面で当接する第1面部21aと永久磁石に吸着される吸着部21bと第1面部21a及び吸着部21bをつなぐ連結部22とから成る。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7