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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】物品運搬方法及び関連デバイス
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20220117BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20220117BHJP
【FI】
G06Q10/08 306
B65G61/00 526
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020502419
(86)(22)【出願日】2018-07-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-09-24
(86)【国際出願番号】 US2018042729
(87)【国際公開番号】W WO2019018550
(87)【国際公開日】2019-01-24
【審査請求日】2020-03-12
(31)【優先権主張番号】201710595508.4
(32)【優先日】2017-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518179944
【氏名又は名称】ツァイニャオ スマート ロジスティクス ホールディング リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】リウ チエ
(72)【発明者】
【氏名】チェン チュンポー
(72)【発明者】
【氏名】チョン チェンシン
(72)【発明者】
【氏名】ファン チーアン
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-219857(JP,A)
【文献】特開2017-122004(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0150375(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
B65G 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータデバイスにより実施される物品運搬方法であって、
運搬車両に対応する第1の物品セットを提供することと、
前記運搬車両によって送信される、前記運搬車両に対応する第2の物品セットを受信することと、
目標物品を決定することと、
前記第1の物品セットと前記第2の物品セットとの間の相違物品を決定することと、
前記相違物品が前記目標物品であるかどうかを決定して、決定結果情報を前記運搬車両に送信することと、
を含み、
前記目標物品を決定することが、
前記運搬車両の目標位置を決定することと、
前記第2の物品セットを送信する前記運搬車両の位置と物品との事前記録された対応に従って、前記目標位置に対応する前記目標物品を決定することと、
を含む、
物品運搬方法。
【請求項2】
前記第1の物品セットが第1の物品タグセットであり、前記第2の物品セットが第2の物品タグセットであり、
前記第1の物品セットと前記第2の物品セットとの間の相違物品を前記決定することが、
前記第1の物品タグセットと前記第2の物品タグセットとの間の相違物品タグを決定することを含み、
前記相違物品が前記目標物品であるかどうかを前記決定することが、
前記相違物品タグに対応する物品が前記目標物品であるかどうかを決定することを含む、請求項1に記載の物品運搬方法。
【請求項3】
前記第1の物品セットが、複数のサブセットを含み、異なるサブセットが、前記運搬車両内に設置される相違物品格納ユニットに対応する、請求項1に記載の物品運搬方法。
【請求項4】
前記運搬車両によって送信される、前記運搬車両に対応する第2の物品セットを前記受信することが、
前記運搬車両によって送信される、前記運搬車両の目標物品格納ユニットに対応する前記第2の物品セットを受信することを含み、
前記第1の物品セットと前記第2の物品セットとの間の相違物品を前記決定することが、
前記第1の物品セット内で、前記目標物品格納ユニットに対応する目標サブセットを決定することと、
前記目標サブセットと前記第2の物品セットとの間の相違物品を決定することと、を含む、請求項3に記載の物品運搬方法。
【請求項5】
物品運搬タスクを生成し、前記物品運搬タスクを情報取得端末または前記運搬車両に送信することをさらに含む、請求項1に記載の物品運搬方法。
【請求項6】
前記第1の物品セット内の物品を前記物品運搬タスク内の物品と比較することと、
前記第1の物品セット内の前記物品が前記物品運搬タスク内の前記物品と一致しない場合、第1のプロンプトメッセージを前記運搬車両に送信することと、をさらに含み、
前記第1のプロンプトメッセージが、前記運搬車両に積載された物品に対する検証が失敗であることをプロンプトするために使用される、請求項5に記載の物品運搬方法。
【請求項7】
第1のプロンプトメッセージを前記運搬車両に前記送信することが、
前記第1の物品セット内の前記物品の量が、前記物品運搬タスク内の前記物品の量より少ない場合、前記第1の物品セット内の欠落物品を決定することと、
前記欠落物品の識別子を前記運搬車両に送信することと、をさらに含む、請求項6に記載の物品運搬方法。
【請求項8】
前記物品運搬タスク内の前記物品の荷受位置に従って運搬経路を計画することと、
前記運搬経路を前記運搬車両に送信することと、をさらに含む、請求項5に記載の物品運搬方法。
【請求項9】
前記運搬車両によって送信される移動位置を受信することと、
前記移動位置が前記物品運搬タスク内の物品の荷受位置に対応する場合、移動停止命令を前記運搬車両に送信することと、をさらに含む、請求項8に記載の物品運搬方法。
【請求項10】
移動位置が前記物品運搬タスク内の前記物品の前記荷受位置に対応する場合、検証コードを含むピックアップ通知を前記物品に対応する通信端末に送信することをさらに含む、
請求項8に記載の物品運搬方法。
【請求項11】
前記運搬車両によって送信された検証コードを受信することと、
前記運搬車両によって送信された前記検証コードが、前記ピックアップ通知内の前記検証コードと同じである場合、開放命令を前記運搬車両に送信することと、をさらに含む、
請求項10に記載の物品運搬方法。
【請求項12】
前記運搬車両に決定結果情報を前記送信することが、
前記相違物品が前記目標物品ではない場合に、警告情報を前記運搬車両に送信することを含む、請求項10に記載の物品運搬方法。
【請求項13】
コンピュータデバイスにより実施される物品運搬方法であって、
運搬車両によって運搬された第1の物品セットを獲得することと、
事前設定された条件が満足された後、前記運搬車両に対応する第2の物品セットを獲得することと、
目標物品を決定することと、
前記第1の物品セットと前記第2の物品セットとの間の相違物品を決定することと、
前記相違物品が前記目標物品であるかどうかを決定し、決定結果を出力することと、を含み、
前記目標物品を決定することが、
前記運搬車両の目標位置を決定することと、
前記第2の物品セットを送信する前記運搬車両の位置と物品との事前記録された対応に従って、前記目標位置に対応する前記目標物品を決定することと、
を含む、
物品運搬方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2017年7月20日に出願の中国特許出願第201710595508.4号に基づき、それに対する優先権を主張するものである。
【0002】
本出願は、物流技術の分野に関し、より詳細には、物品運搬方法及び関連デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
物流の分野において、物流荷物は通常、入荷、出荷、運搬、配送、及び受領などのいくつかの活動の対象となる必要がある。配送は、配達とも呼ぶことができ、物流荷物が、荷受人が所在するエリアの物流窓口に到着した後、宅配便業者がその物流荷物を荷受人の荷受住所に配送することを意味する。宅配便業者による手作業の配達は比較的柔軟性があるが、人件費が高くつく。
【0004】
配送の人件費をある程度低減するため、セルフピックアップ棚がいくつかの場所に設置される。宅配便業者が物流荷物を荷物棚の中に置き、通常、1つの速達荷物が、荷物棚の1つのロッカーの中に置かれ、速達荷物の荷受人は、セルフピックアップ棚から物流荷物をピックアップするように通知される。しかしながら、そのような様式には、セルフピックアップ棚の長いターンアラウンド時間及びロッカーの低い空間利用率などの多くの不確かな問題がある。
【0005】
従って、手作業の配達の費用を低減するために別の解決法が必要とされる。現在、工業団地及びオフィスビルなどのいくつかの場所においては物流ロボットが構成される。物流ロボットには引き出しが設けられ、物流荷物は、その引き出しの中に置かれ、物流ロボットが、物流荷物を物流窓口から荷受人の荷受位置まで運搬する。しかしながら、そのような様式では、物流ロボットが荷受位置に到着した後、荷受人によって受け取られた物流荷物が、荷受人に属さない可能性がある。即ち、荷物ピックアップエラーの状況が発生する可能性がある。
【発明の概要】
【0006】
本出願は、物流ロボットによる物品の配送の正確さを確保するために、物品運搬方法を提供する。
【0007】
本目的を達成するために、本出願によって提供される技術的解決法は以下の通りである。
【0008】
第1の態様によると、本出願は、サーバによって実施されるべき物品運搬方法を提供する。本方法は、運搬車両に対応する第1の物品セットを提供することと、運搬車両によって送信される、運搬車両に対応する第2の物品セットを受信することと、目標物品を決定することと、第1の物品セットと第2の物品セットとの間の相違物品を決定することと、相違物品が目標物品であるかどうかを決定し、決定結果情報を運搬車両に送信することと、を含む。
【0009】
第2の態様によると、本出願は、運搬車両によって実施されるべき物品運搬方法を提供する。本方法は、運搬車両によって運搬された第1の物品セットを獲得し、運搬車両に対応する第1の物品セットをサーバに送信することと、事前設定された条件が満足されるとき、運搬車両に対応する第2の物品セットを獲得し、運搬車両に対応する第2の物品セットをサーバに送信することと、を含む。第2の物品セットは、サーバが、対応する目標物品を決定するために提供される。第1の物品セット及び第2の物品セットは、サーバが、相違物品を決定し、相違物品が目標物品であるかどうかを決定し、決定結果情報を運搬車両に送信するために提供される。本方法は、結果情報を受信及び出力することをさらに含むことができる。
【0010】
第3の態様によると、本出願は、運搬車両によって実施されるべき物品運搬方法を提供する。本方法は、事前設定された条件が満足された後、運搬車両によって運搬された第1の物品を獲得することと、運搬車両に対応する第2の物品セットを獲得することと、目標物品を決定することと、第1の物品セットと第2の物品セットとの間の相違物品を決定することと、相違物品が目標物品であるかどうかを決定し、決定結果を出力することと、を含む。
【0011】
第4の態様によると、本出願は、運搬車両に対応する第1の物品セットを提供するように構成される、メモリと、運搬車両によって送信される、運搬車両に対応する第2の物品セットを受信するように構成される、通信インターフェースと、目標物品を決定し、第1の物品セットと第2の物品セットとの間の相違物品を決定し、相違物品が目標物品であるかどうかを決定し、決定結果情報を生成するように構成される、プロセッサとを含む、サーバを提供する。通信インターフェースは、結果情報を運搬車両に送信するようにさらに構成される。
【0012】
第5の態様によると、本出願は、運搬車両によって運搬された第1の物品を獲得するように構成される、物品情報取得ユニットと、運搬車両に対応する第1の物品セットをサーバに送信するように構成される、通信インターフェースとを含む、運搬車両を提供する。物品情報取得ユニットは、事前設定された条件が満足された後、運搬車両に対応する第2の物品セットを獲得するようにさらに構成される。通信インターフェースは、運搬車両に対応する第2の物品セットをサーバに送信するようにさらに構成される。第2の物品セットは、サーバが、対応する目標物品を決定するために提供される。第1の物品セット及び第2の物品セットは、サーバが、相違物品を決定し、相違物品が目標物品であるかどうかを決定し、決定結果情報を運搬車両に送信するために提供される。運搬車両は、結果情報を受信及び出力するように構成される出力ユニットをさらに含む。
【0013】
第6の態様によると、本出願は、運搬車両によって運搬された第1の物品を獲得し、事前設定された条件が満足された後、運搬車両に対応する第2の物品セットを獲得するように構成される、物品情報取得ユニットを含む運搬車両を提供する。運搬車両は、目標物品を決定し、第1の物品セットと第2の物品セットとの間の相違物品を決定し、相違物品が目標物品であるかどうかを決定し、決定結果を獲得するように構成される、プロセッサをさらに含む。運搬車両は、決定結果を出力するように構成される出力ユニットをさらに含む。
【0014】
先述の技術的解決法から、本出願のいくつかの実施例において、サーバが運搬車両に対応する第1の物品セットを事前記録するということが分かる。第1の物品セットは、物品が配送される前に、運搬車両によって運搬される物品セットを表すために使用される。サーバは、受信する運搬車両によって送信される第2の物品セットを受信することができ、ここでは物品セットは、物品が運搬車両によって配送された後の物品セットである。サーバは、第2の物品セットに従って、配送された目標物品を決定し、第1の物品セットと第2の物品セットとの間の相違物品を決定し、相違物品が目標物品であるかどうかを決定することができ、その結果として、正しい物品が運搬車両から取り出されているかどうかを決定結果に従って決定することができる。
【0015】
本出願の実施例の技術的解決法、または先行技術における技術的解決法をより明白に例証するため、本出願の実施例または先行技術を説明するための添付の図面が、以下に簡単に紹介される。明らかに、以下の説明における添付の図面は、単に本出願のいくつかの実施例にすぎず、当業者は、発明的取り組みなしに添付の図面から他の添付の図面を導き出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本出願による物品運搬システムの概略構造図である。
図2-1】本出願による物品運搬方法のフローチャートである。
図2-2】本出願による物品運搬方法のフローチャートである。
図3】本出願による運搬車両の概略構造図である。
図4】本出願によるサーバのハードウェアの概略構造図である。
図5】本出願による運搬車両のハードウェアの概略構造図である。
図6】本出願による運搬車両のハードウェアの別の概略構造図である。
図7】本出願による運搬車両のハードウェアのさらに別の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下は、本出願の実施例内の添付の図面を参照して本出願の実施例における技術的解決法を明白かつ完全に説明する。明らかに、説明される実施例は、本出願の実施例の単に一部にすぎず、全てではない。創造的取り組みなしに本出願の実施例に基づいて当業者によって得られる他の全ての実施例は、本出願の保護範囲内に入るものとする。
【0018】
物流の分野において、物流荷物は多くの場合、配送活動の対象となる必要がある。手作業での配送費用を低減するために、運搬車両は、いくつかの場所に提供され、物流荷物を物流荷物の事前設定された荷受位置に運搬するように構成される。運搬車両は、複数の物流荷物を運搬することができ、運搬車両が複数の物流荷物を荷受位置へ運搬した後、ユーザが、その荷受位置に配送されることになっていない物流荷物を取る場合がある。
【0019】
従って、物流荷物の配送正確性を向上させるため、本出願は、物品運搬システムを提供する。物品運搬システムの応用シナリオは、物流荷物を運搬することに限定されないということに留意されたく、他の物品も運搬することができる。
【0020】
本出願によって提供される物品運搬システムは、図1に示されるように、具体的には、運搬車両、情報取得端末、及びサーバを含む。運搬車両は、ベアリング装置を有する可動装置であってもよく、その特定の形態が可動ロボットである。1つの実施例において、運搬車両および情報取得端末は、サーバに別々に接続される。サーバは、1つまたは複数のコンピュータデバイスであってもよい。
【0021】
運搬される前、物品は、事前設定された位置に置くことができる。事前設定された位置に到着した後、運搬車両は、物品を運搬するために物品運搬タスクを実行することができる。物品は、一意的に対応するタグ情報および一意的に対応するスキャンコード情報を有することができる。物品運搬タスクは、簡単に、運搬タスクと呼ぶことができ、タグ情報は、物品タグと呼ぶことができる。
【0022】
情報取得端末は、運搬タスク内の物品のタグ情報及びスキャンコード情報を取得し、タグ情報及びスキャンコード情報をサーバに送信するように構成される。サーバは、タグ情報とスキャンコード情報との対応を確立して格納するように構成される。物品を格納するように構成される物品格納ユニットは、運搬車両内に設置される。タグは、物品上に設置される。タグ取得ユニットは、物品格納ユニットの内側に設置され、タグ取得ユニットは、物品格納ユニットの内側に格納された物品のタグ情報を取得することができる。
【0023】
運搬タスクを実行する前、運搬車両は、積載物品のタグ情報をサーバに送信し、サーバは、このタグ情報を格納する。運搬車両が物品の荷受位置に移動した後、ユーザは、物品格納ユニット内の物品を取り出すことができ、運搬車両は、物品格納ユニットの内側の物品のタグ情報を再度取得し、取得したタグ情報をサーバに再度送信する。サーバは、再度取得したタグ情報を、格納したタグ情報と比較して、ユーザによって取り出された物品のタグ情報を決定する。次いで、取り出された物品のタグ情報に対応するスキャンコード情報が、タグ情報とスキャンコード情報との対応に従って決定され、スキャンコード情報が荷受位置に対応する物品のスキャンコード情報であるかどうかが決定される。決定結果に従って、ユーザによって運搬車両から取り出された物品が正しいかどうかを決定することができる。
【0024】
先述の物品運搬システムに基づいて、本出願は、物品運搬方法をさらに提供する。図2-1及び図2-2に示されるように、物品運搬方法は、以下のステップS201~S232を含む。
【0025】
S201:情報取得端末が、運搬タスク内に含まれる全ての物品のタグ情報及びスキャンコード情報を取得する。
【0026】
運搬される前、物品は、事前設定された位置に置くことができる。運搬車両は、事前設定された位置に到着した後、物品運搬タスクを実行することを開始することができる。しかしながら、複数の物品が事前設定された位置に置かれる場合がある。この場合、運搬車両のためのこの運搬タスクにおいてどの物品が運搬されるべきかを決定する必要がある。運搬タスク内の物品を決定することは、サーバによって実行することができる。
【0027】
具体的には、物品は、事前設定された荷受位置を有する。運搬効率を改善するため、サーバは、荷受位置が同じエリア内にある物品を、1つの運搬タスクの物品と見なす。確実に、同じエリアの区分けは、実際の状況に従って実施することができる。本出願においては、特定の制限はなされない。例えば、同じフロアまたは同じビルは、同じエリアと見なすことができる。
【0028】
1つの運搬タスク内の物品は、1つの運搬車両に割り当てられる。運搬車両内の物品格納ユニット(引き出しなど)が、運搬タスク内の物品を決定するときに、重量、サイズ、及び量などの側面に対する要件を有するということを考慮して、サーバは、また、運搬タスク内の全ての物品の総重量が運搬車両に対応する重量条件を満足すること、運搬タスク内の各物品のサイズが、運搬車両に対応するサイズ条件を満足する必要があること、及び運搬タスク内の全ての物品の総量が、運搬車両に対応する量条件を満足すること、を確実にする必要がある。確実に、運搬タスク内の物品を決定するとき、サーバは、荷受位置、重量、サイズ、及び量のうちの1つ若しくは複数を条件として使用することができ、または1つ若しくは複数の他の運搬条件が、実際の状況に従って含まれてもよい。運搬条件がどの形態にあるかは、サーバが運搬条件を満足する物品を決定することができる限りは問題ではない。
【0029】
運搬タスク内の物品を決定した後、サーバは、運搬タスクを運搬車両に送信する。確実に、実施形態を簡略化するため、運搬車両によってどの物品が運搬される必要があるかは、代替的に手動で決定されてもよい。
【0030】
運搬予定の物品を決定した後、物品にタグを設置する必要がある。例えば、オペレータが、運搬予定の物品にタグを貼り付ける。各物品のためのタグは固有であってもよい。例えば、タグは、無線自動識別(RFID)タグであってもよい。確実に、タグは、それに限定されず、代替的に、近距離無線通信(NFC)などの無線周波数技術を使用したタグであってもよい。タグ取得ユニットは、情報取得端末の内側に設置されてもよく、タグ情報を取得するように構成される。
【0031】
物品には、二次元バーコードまたはバーコード画像などのスキャンコードも設けられる。スキャンコード取得モジュールが、代替的に、情報取得端末の内側に設置されてもよく、スキャンコード情報を取得するように構成される。スキャンコード情報は、物品の固有識別子など、物品の基本情報を含む。
【0032】
物品にタグを設置することは、限定されるものではないが、運搬予定の物品が決定された後であってもよく、代替的には、運搬予定の物品が決定される前であってもよいということに留意されたい。即ち、物品には、スキャンコード及びタグが既に設けられている。この運搬タスク内の物品が決定された後、オペレータは、情報取得端末を直接使用することにより、物品のタグ情報及びスキャンコード情報を取得することができる。
【0033】
S202:情報取得端末が、物品のタグ情報及びスキャンコード情報をサーバに送信する。
【0034】
運搬タスク内の同じ物品のタグ情報及びスキャンコード情報を取得した後、情報取得端末は、そのタグ情報及びスキャンコード情報を一緒に、または別々に、サーバに送信する。タグ情報及びスキャンコード情報が別々にサーバに送信される場合、そのタグ情報及びスキャンコード情報が同じ物品に対応することを明白に示して、別々に送信されるタグ情報及びスキャンコード情報が同じ物品の情報であることをサーバに通知する必要がある。
【0035】
実際の応用においては、同じタグが複数回取得される可能性が高い。例えば、特定の物品のタグ情報が取得された後、及びオペレータが別の物品のタグ情報を取得するとき、オペレータは、前の物品のタグ情報を誤って取得する場合がある。従って、送信前に、物品とタグ情報との対応を確実にするため、タグ情報が取得された後、取得したタグ情報と同じタグ情報が以前に取得されているかどうかがチェックされ、以前に取得されていない場合には、タグ情報及びスキャンコード情報を、サーバに送信することができる。
【0036】
加えて、情報取得端末は、1つの物品のタグ情報及びスキャンコード情報を毎回送信することができ、代替的には、複数の物品のタグ情報及びスキャンコード情報を送信することができる。1つの実施例において、情報取得端末は、運搬タスク内の全ての物品のタグ情報及びスキャンコード情報をサーバに送信する。
【0037】
1つの例示的な実施例において、運搬タスクは、7つの物品を含み、この7つの物品のタグ情報及びスキャンコード情報は、[001,aaa]、[002,bbb]、[003,ccc]、[004,ddd]、[005,eee]、[006,fff]、及び[007,ggg]である。
【0038】
S203:サーバが、物品のタグ情報とスキャンコード情報との対応を格納する。
【0039】
サーバが、一緒に送信されるタグ情報及びスキャンコード情報を受信する場合、サーバは、タグ情報とスキャンコード情報との対応を確立することができる。サーバが、タグ情報及びスキャンコード情報を別々に受信する場合、サーバは、同じ物品のタグ情報及びスキャンコード情報を決定し、同じ物品のタグ情報とスキャンコード情報との対応を確立する。タグ情報とスキャンコード情報との対応は、確立されて格納される。
【0040】
確実に、情報取得端末もまた、タグ情報とスキャンコード情報との対応関係に関する情報をサーバに送信することができる。
【0041】
ステップS201において、オペレータが、情報取得端末を使用して、運搬車両のこの運搬タスク内の全ての物品のタグ情報及びスキャンコード情報を取得し、ステップS202において、情報取得端末がまた、各物品に対応するタグ情報及びスキャンコード情報をサーバに送信するということに留意されたい。この方法では、ステップS203において、サーバは、各物品のタグ情報とスキャンコード情報との対応を確立する。即ち、運搬タスクが複数の物品を含む場合、各物品のスキャンコード情報とタグ情報との対応が確立される。例えば、7つの物品についてサーバによって確立されるタグ情報とスキャンコード情報との対応は、001-aaa、002-bbb、003-ccc、004-ddd、005-eee、006-fff、及び007-gggである。
【0042】
対応性は、物品が運搬車両から降ろされた後に、運搬タスク内の全ての物品が物品格納ユニット内に置かれているかどうかをチェックするために使用されてもよく、または、荷受人が物品をピックアップするときに正確性検証を実施するために使用されてもよい。特定のプロセスについての以下の説明を参照されたい。
【0043】
S204:運搬車両が、物品格納ユニットの識別子を獲得し、物品格納ユニット内に格納された物品のタグ情報を取得する。
【0044】
運搬車両の場所において、各物品のタグ情報及びスキャンコード情報を取得した後、オペレータは、物品を運搬車両の物品格納ユニット内に置く。具体的には、運搬車両の物品格納ユニットは、物品格納ユニットを開閉するために命令が必要とされる形式に設定されてもよい。それに応じて、マンマシンインターフェースが、運搬車両にさらに設置されてもよく、オペレータは、物品格納ユニットを開閉するために、マンマシンインターフェースに従って、引き出し開閉命令を運搬車両に入力することができる。
【0045】
運搬車両内に設置される物品格納ユニットの1つの実施例が図3に示される。この実施例において、運搬車両には、3つの引き出し、具体的には、引き出しA、引き出しB、及び引き出しCが設けられる。3つの引き出しは、層状に配置され、引き出しは、物流荷物を格納するために使用され、タグ取得ユニットが各引き出し内に設置される。加えて、表示画面が、運搬車両にさらに設置されてもよい。表示画面は、運搬車両内に設置される全ての引き出しのアイコンを表示することができる。オペレータは、特定の引き出しのアイコンをクリックすることができ、オペレータが物流荷物をその引き出し内に置くことができるように、運搬車両は、クリックされた引き出しアイコンに対応する引き出しを開ける。オペレータが引き出し内に物流荷物を完璧に置き、引き出しを閉める必要があるとき、オペレータはさらに、引き出しを閉めるために、先述の動作手続きに従って引き出しのアイコンを再度クリックすることができる。確実に、物品格納ユニットの形態は、引き出しに限定されず、別の形態であってもよく、配置様式もまた、図3に示される配置様式に限定されない。加えて、表示画面は、代替的に、タブレットコンピュータなどの独立端末であってもよく、この端末は、機械的な装着様式で運搬車両に装着される。
【0046】
物品を物品格納ユニット内に置いた後、オペレータは、各物品格納ユニット内に格納された物品のタグ情報を取得するように運搬車両に命令するために、取得命令を運搬車両に入力することができる。取得命令は、物品格納ユニットを閉めるための先述の命令であってもよい。即ち、閉められた後、物品格納ユニットは、取得行為を実施することができる。確実に、取得命令は、代替的に、閉命令ではなく、独立した命令であってもよい。
【0047】
具体的には、タグ情報取得ユニットは、運搬車両の物品格納ユニットの内側に設置される。物品が物品格納ユニット内に置かれた後、タグ情報取得ユニットは、物品格納ユニット内に置かれた物品に設置されたタグ情報を取得することができる。例えば、物品に設置されたタグは、RFID TAGであってもよい。運搬車両の引き出しの内側に設置されたタグ情報取得ユニットは、RFID TAG取得ユニットである。オペレータが物品を引き出し内に置き、引き出しを閉めた後、RFID TAG取得ユニットは、物品上のRFID TAGのタグ情報を取得することができる。タグ情報取得ユニットが物品格納ユニット内に置かれた各物品のタグ情報を正確に取得することができることを確実にするため、オペレータが物品を物品格納ユニット内に置くとき、オペレータは、タグ情報取得ユニットの場所に基づいて、物品のタグを有する面をタグ情報取得ユニットの方に向けることができる。
【0048】
運搬車両に設置された物品格納ユニットは各々が、固有識別子に別々に対応する。例として図3内の運搬車両を使用すると、引き出しは、タグA、B、及びCにより識別される。確実に、識別子形態は、別の形態であってもよく、文字に限定されない。物品格納ユニットの内側のタグ情報を取得するとき、運搬車両はまた、物品格納ユニットのタグを取得する必要がある。
【0049】
運搬車両によって取得される各物品格納ユニットの識別子は、物品格納ユニットの内側のタグ情報に対応し、この対応は、どの物品がどの物品格納ユニットに格納されるかを表すために使用される。例えば、ある引き出しの識別子がAであり、この引き出し内に格納された物品の取得タグ情報が、001及び002を含む場合、識別子Aは、タグ情報001及び002に対応し、この対応は、引き出しA内に格納された2つの物流荷物を表すことができ、物流荷物は、タグ情報001及びタグ情報002を備えた2つの物流荷物である。
【0050】
1つまたは複数の物品格納ユニットが、運搬車両内に設置されてもよいということに留意されたい。1つの物品格納ユニットが存在する場合、運搬車両を物品格納ユニットとして使用することができる。運搬車両に複数の物品格納ユニットが設けられる場合、運搬車両は、先述の方法を使用することにより、各物品格納ユニットの識別子及び各物品格納ユニット内の物品のタグ情報を取得する必要がある。物品格納ユニット内に置かれる物品がない場合、物品格納ユニットの内側の物品のタグ情報は空である。
【0051】
S205:運搬車両が、物品格納ユニットの識別子及び物品格納ユニットに対応するタグ情報をサーバに送信する。
【0052】
1つの物品格納ユニットが運搬車両内に設置される場合、即ち、運搬車両が物品格納ユニットである場合、物品格納ユニットの識別子を送信することは、運搬車両の識別子を送信することである。運搬車両に複数の物品格納ユニットが設けられる場合、運搬車両は、各物品格納ユニットの識別子及び物品格納ユニットに対応するタグ情報をサーバに送信する必要がある。
【0053】
運搬車両は、物品格納ユニットの1つの識別子及び物品格納ユニットに対応するタグ情報を一度に送信することができ、代替的に、複数の物品格納ユニットの識別子及び各物品格納ユニットに対応するタグ情報を一度に送信することができる。例えば、運搬車両は、全ての物品格納ユニットの識別子及び物品格納ユニットに対応するタグ情報をサーバに一度に送信することができる。
【0054】
例えば、運搬車両には、引き出し、具体的には、引き出しA、引き出しB、及び引き出しCが設けられる。引き出しAに対応するタグ情報が、001及び002を含み、引き出しBに対応するタグ情報が、004、006、及び007を含み、引き出しCに対応するタグ情報が、003を含む場合、運搬車両は、A[001,002]、B[004,006,007]、及びC[003]をサーバに送信することができる。
【0055】
運搬車両が物品格納ユニットの全てに対応するタグ情報をサーバに送信した後、それは、運搬車両が物品積載を完了することを示すということに留意されたい。
【0056】
S206:サーバが、物品格納ユニットの識別子及び物品格納ユニットに対応するタグ情報を格納する。
【0057】
サーバが複数の運搬車両を管理し、運搬車両の物品格納ユニットの識別子が同じであってもよい場合、運搬車両はまた、運搬車両の識別子を送信する必要があるということを理解されたい。この方法では、物品格納ユニットの識別子及び物品格納ユニットに対応するタグ情報を格納するだけではなく、サーバは、2つの間の関係性及び運搬車両の識別子を格納する。
【0058】
サーバは、全ての物品格納ユニットの先述の識別子及び物品格納ユニットに対応するタグ情報を格納し、運搬車両の物品積載が完了したことが示された後、サーバは、どの物品が運搬車両の物品格納ユニット内に置かれるかを記録する。上に説明されるものと同じ例を使用すると、サーバに格納される引き出し識別子とタグ情報との対応は、A[001,002]、B[004,006,007]、及びC[003]である。
【0059】
サーバは、物品格納ユニットに対応するタグ情報を格納し、タグ情報は、物品を表すことができるということに留意されたい。従って、サーバは、物品格納ユニットに対応する物品セットを事前記録することができる。物品セットは、第1の物品セットと呼ぶことができる。確実に、第1の物品セットは、サーバ以外の別のデバイスに事前記録されてもよい。物品運搬方法が実施されるとき、サーバは、別のデバイスから第1の物品セットを獲得する。物品セットは、タグ情報でなくてもよく、代替的に、物品を一意的に表すことができる別の識別子であってもよい。
【0060】
第1の物品セットは変更可能であり、物品が運搬車両によって無事に配送されるたびに、その物品を物品セットから削除することができる。
【0061】
S207:サーバが、物品格納ユニットに対応するタグ情報をスキャンコード情報に対応するタグ情報と比較し、それらが異なる場合、ステップS208を実施し、それらが同じである場合、ステップS210を実施する。
【0062】
実際の応用においては、オペレータが、運搬タスク内の物品を物品格納ユニット内に置くのを忘れる、または、ある物品を物品格納ユニット内に追加的に置くという状況が存在する場合がある。この状況が発生した後にオペレータに気付かせるために、物品格納ユニット内の物品が運搬タスク内の物品と同じであるかどうかが比較により決定される。
【0063】
具体的には、サーバは、スキャンコード情報とタグ情報との対応を格納し、全ての対応を獲得することにより、どの物品がこの運搬タスク内で運搬される必要があるかを決定することができる。加えて、サーバは、ステップS206において運搬車両の全ての物品格納ユニットに対応するタグ情報を格納し、タグ情報は、どの物品が運搬車両に積載されるかを表すことができる。さらに、全ての物品格納ユニットに対応するタグ情報の全てが、全てのスキャンコードに対応するタグ情報の全てと比較されて、それらが同じであるかどうかを決定する。前者タグ情報の量が後者タグ情報の量よりも少ない場合、運搬車両に積載された物品の量が運搬タスク内の物品よりも小さいことを示す。
【0064】
例えば、全ての物品格納ユニットに対応するタグ情報の全ては、[001,aaa]、[002,bbb]、[003,ccc]、[004,ddd]、[005,eee]、[006,fff]、及び[007,ggg]内のタグ情報である。全ての物品格納ユニットに対応する識別子情報の全ては、A[001,002]、B[004,006,007]、及びC[003]内のタグ情報である。比較後に、タグ情報005が物品格納ユニットに対応するタグ情報から欠落していることが分かり、これは、タグ情報005に対応する物品が運搬車両の物品格納ユニット内に置かれていないことを示す。
【0065】
実際の応用においては、タグ情報の量は同じであるが内容が異なるという状況が存在する場合がある。従って、比較は、タグ情報の量に限定されず、タグ情報の内容が、代替的に比較されてもよく、タグ情報の内容が異なる場合、ステップS208も実施される。
【0066】
S208:サーバが、第1のプロンプト情報を運搬車両に送信し、第1のプロンプト情報は、運搬車両内に積載された物品に対する検証が失敗であることをプロンプトするために使用される。
【0067】
サーバは、プロンプト情報を生成し、このプロンプト情報を運搬車両に送信する。このプロンプト情報を他のプロンプト情報と区別することを容易にするため、このプロンプト情報は、第1のプロンプト情報と呼ばれる。
【0068】
S209:運搬車両が、第1のプロンプト情報を出力する。運搬車両が修正完了命令を受信する場合、プロセスは、ステップS207における決定結果が同じになるまでステップS204に戻る。
【0069】
第1のプロンプト情報を受信した後、運搬車両は、第1のプロンプト情報の形態に対応する出力様式で第1のプロンプト情報を出力する。例えば、第1のプロンプト情報は、テキスト、画像、または同様のものであってもよく、第1のプロンプト情報は、表示画面に表示される。別の例では、第1のプロンプト情報は音声であり、出力される第1のプロンプト情報は、音声出力デバイスを使用することにより出力される。第1のプロンプト情報は、オペレータによって積載された物品に対する検証が失敗であることをプロンプトするために使用される。
【0070】
確実に、検証失敗の理由もまた、第1のプロンプト情報内でさらにプロンプトされてもよい。例えば、比較結果は、物品格納ユニットに対応するタグ情報の量がスキャンコード情報に対応するタグ情報の量よりも少ないことであり、第1のプロンプト情報においてプロンプトされる理由は、運搬タスク内の全ての物品が物品格納ユニット内に置かれていないということである。比較結果が、物品格納ユニットに対応するタグ情報の量はスキャンコード情報に対応するタグ情報と同じであるが、内容が異なるというものである場合、第1のプロンプト情報においてプロンプトされる理由は、物品格納ユニット内の物品が運搬タスク内の物品と異なるということである。比較結果が、物品格納ユニットに対応するタグ情報の量がスキャンコード情報に対応するタグ情報の量よりも大きいことである場合、第1のプロンプト情報においてプロンプトされる理由は、物品格納ユニット内に置かれた物品が運搬タスク内の物品よりも多いということである。
【0071】
さらに、サーバの第1のプロンプト情報は、エラーが発生する物品の情報をさらに含むことができる。例えば、物品格納ユニット内に置かれていない物品の場合、物品のスキャンコード情報または別の識別子が、物品のタグ情報に従って決定され、二次元バーコード情報または別の識別子が、第1のプロンプト情報に追加され、送信される。上の例を使用すると、欠落したタグ情報が005であることが決定される場合、タグ情報とスキャンコード情報との対応に従って、タグ情報に対応するスキャンコード情報はeeeであると決定することができ、その結果として、このスキャンコード情報を、第1のプロンプト情報に追加し、運搬車両に送信して、オペレータがエラーを迅速に決定することを容易にすることができる。
【0072】
オペレータが、プロンプト情報に従って、物品が実際には誤って置かれていること、追加的に置かれていること、または欠落していることを発見した場合、オペレータは、その発見に従って、物品格納ユニット内に置かれる物品を修正する。修正が完了した後、オペレータは、マンマシンインターフェースを使用することにより、修正完了命令を運搬車両に入力することができ、修正完了命令を受信した後、運搬車両は、修正した物品に対する検証を再度実施するためにステップS204に戻るように構成されてもよい。代替的に、実施形態を簡略化するため、運搬車両は、代替的にステップS210を直接実施するように構成されてもよい。
【0073】
いくつかの特定の場合において、プロンプト情報を受信した後、オペレータは、物品を修正する必要がないことを決定し、運搬車両は、物品を直接運搬することができる。オペレータは、マンマシンインターフェースを使用することにより、修正完了命令を直接入力することができ、修正完了命令を受信した後、運搬車両は、サーバがステップS210を実施することを可能にするために、プロンプト情報をサーバに送信することができる。
【0074】
加えて、運搬車両が、修正完了命令を受信した後、ステップS204に戻るように構成される場合、物品積載完了命令を入力するために使用されるマンマシンインターフェースは、運搬車両においてさらに設定されてもよい。オペレータは、マンマシンインターフェースを使用することにより、物品積載完了命令を入力することができ、物品積載完了命令を受信した後、運搬車両は、ステップS210を実施する。
【0075】
S210:サーバが、物品運搬タスク内の物品の荷受位置に従って運搬経路を計画する。
【0076】
サーバは、どの物品が運搬タスク内に含まれるかを決定し、物品の荷受位置を決定する。運搬車両の運搬経路は、物品の荷受位置及び荷受位置がある場所の地図に従って計画される。運搬経路は、全ての物品に対応する荷受位置を含む。1つの荷受位置が、1つまたは複数の物品に対応してもよい。1つの荷受位置が複数の物品に対応する場合、これは、複数の物品が同じ荷受位置を有することを示す。
【0077】
S211:サーバが、運搬経路を運搬車両に送信する。
【0078】
サーバは、この運搬タスクのために計画された運搬経路を運搬車両に送信する。
【0079】
S212:運搬車両が、運搬経路に従って移動し、移動工程において移動位置をサーバに送信する。
【0080】
運搬車両には、ナビゲーションモジュール及び移動機器が設けられてもよい。ナビゲーションモジュールは、運搬経路によって示される道筋に従って移動するように移動機器に命令することができる。加えて、移動工程において、運搬車両は、事前設定された時間間隔で移動工程におけるリアルタイムの位置をサーバに報告することができる。
【0081】
S213:サーバが、運搬車両によって送信される移動位置に従って、運搬車両が物品の荷受位置に到着するかどうかを決定する。決定結果が、はいの場合、ステップS214が実施され、決定結果が、いいえの場合、ステップS213が後になって再度実施される。
【0082】
サーバは、運搬車両が運搬タスク内に含まれる物品に対応する荷受位置に到着するかどうかを決定するために、運搬車両の移動工程を監視することができる。確実に、運搬車両は、自らの移動工程を監視することができる。具体的には、運搬経路は、複数の停止点をさらに含むことができ、停止点は、物品の荷受位置に対応する。この方法では、ステップS212において、運搬車両は、自身が物品の荷受位置に到着するかどうかを決定することができ、はいの場合、移動を停止し、荷受位置における到着の通知情報をサーバに送信して、サーバが、ステップS214において荷受位置に対応する物品のための検証コードを生成し、その後続ステップを実施することを可能にする。
【0083】
S214:サーバが、移動停止命令を運搬車両に送信し、荷受位置に対応する物品のための検証コードを生成し、ピックアップ通知を物品に対応する通信端末に送信し、ピックアップ通知は、検証コードを含む。
【0084】
運搬車両が荷受位置に到着した後、サーバは、どの物品が荷受位置に対応するのかを決定し、荷受位置に対応する物品のための固有検証コードを生成する。複数の物品が同じ荷受位置に対応する場合、検証コードは、まず、物品のうちの1つのために生成され、この検証コードは、ピックアップ通知に含まれ、物品に対応する通信端末に送信される。通信端末は、モバイル端末またはデスクトップコンピュータなどの様々なデバイスであってもよい。ピックアップ通知は、SMSメッセージまたはアプリケーションプログラム内のメッセージングなど、様々な形態にあってもよい。ピックアップ通知は、物品格納ユニット内の物品の受け取りを荷受人に通知するために使用される。
【0085】
本出願の物品ピックアップ手続きは、1つの荷受位置における複数の荷受人が物品を順次ピックアップするというように設定されてもよいということに留意されたい。従って、1つの荷受位置が複数の受け取り予定の物品に対応する場合、サーバは、検証コードを複数の物品に対応する通信端末に順次送信し、現在の物品のピックアップ手続きが終了した後、検証コードを別の物品に対応する通信端末に送信する。この方法では、1つの実施例において、運搬車両が荷受位置にあるとき、サーバが運搬車両のために1つの検証コードのみを確保することを確実にすることができる。
【0086】
説明を容易にするため、荷受位置に対応する物品は、受け取り予定の物品と呼ばれるということに留意されたい。荷受位置に対応する物品のための検証コードを生成し、ピックアップ通知をその物品に対応する通信端末に送信するステップは、移動停止命令を運搬車両に送信した後に実施されることに限定されなくてもよく、代替的に、荷受人が荷受位置に到着するための時間を確保するために、ピックアップ通知を事前に荷受人に送信することができるように、運搬車両の移動位置と荷受位置の位置との間の距離が事前設定されたしきい値距離範囲内に入ることが決定された後に実施されてもよい。
【0087】
S215:移動停止命令を受信した後、運搬車両が、移動を停止し、ユーザによって入力された検証コードを受信する。
【0088】
サーバがピックアップ通知を物品の荷受人に送信し、荷受人がピックアップ通知内の検証コードを獲得した後、検証コードは、運搬車両に設置されるマンマシンインターフェースを使用することにより運搬車両に入力されてもよい。
【0089】
S216:運搬車両が、検証コードをサーバに送信する。
【0090】
検証コードを受信した後、運搬車両は、検証コードをサーバに送信する。
【0091】
S217:検証コードを受信した後、サーバが、検証コードが、生成された検証コードと同じであるかどうかを決定して、検証コード決定結果を獲得する。
【0092】
サーバは、ステップS214において物品の荷受人のための検証コードを生成し、運搬車両を通じて荷受人によって送信された検証コードを受信した後、サーバは、受信した検証コードをステップS214において生成した検証コードと比較して、物品を受け取る荷受人の身元が合法であるかどうかを決定するために認証を実施するということに留意されたい。
【0093】
具体的には、比較結果が同じである場合、認証成功を示す決定結果が生成され、比較結果が異なる場合、認証失敗を示す決定結果が生成される。加えて、比較結果が認証成功を示す場合、サーバは、検証コードに対応する物品のタグ情報をさらに決定し、タグ情報と物品格納ユニットの識別子との対応に従って、物品のある物品格納ユニットの識別子をさらに決定することができ、物品格納ユニットの識別子を検証コード決定結果に追加し、それらを一緒に運搬車両に送信する。
【0094】
検証コードに対してサーバによって実施される認証は、時間に対する認証をさらに含むということに留意されたい。具体的には、サーバは、運搬車両から検証コードを受信する時間と検証コードを生成する時間との間の時間間隔が、事前設定された時間間隔以内であるかどうかを決定し、時間間隔が事前設定された時間間隔内である場合、検証コードが生成した検証コードと同じであるかどうかをさらに決定し、時間間隔が事前設定された時間間隔内でない場合、検証コードの内容をもはや決定せず、認証失敗を示す決定結果を生成する。
【0095】
加えて、検証コードに対してサーバによって実施される認証は、入力の回数に対する認証をさらに含むことができる。具体的には、上で述べたように、運搬車両が荷受位置にあるとき、サーバは、運搬車両のために1つの検証コードを確保する。この方法では、検証コードを生成した後、及びこの検証コードに対応する物品のピックアップ手続きが完了したことを決定する前、運搬車両に送信され、サーバによって受信される全ての検証コードは、物品のピックアップのための検証コードであると全て見なされる。従って、検証コードを生成した後、及び検証コードに対応する物品のピックアップ手続きが完了したことを決定する前、サーバが運搬車両によって送信された検証コードを受信するたびに、サーバは、運搬車両によって検証コードを送信する回数を数え、回数が事前設定されたしきい値回数に達する場合、検証コードの内容をもはや決定せず、認証失敗を示す決定結果を生成し、回数が事前設定されたしきい値回数に達しない場合、検証コードの内容を決定することができる。入力の回数に対する認証及び時間に対する認証の実行順序は、本出願では特に制限されない。入力の回数に対する認証がまず実施されてもよく、または時間に対する認証がまず実施されてもよく、またはそれらが同時に実施されてもよい。
【0096】
S218:サーバが、検証コード決定結果を運搬車両に送信する。
【0097】
ステップS217に関する説明から、実際の状況に応じて、サーバにより運搬車両に送信される検証コード決定結果は、認証成功または認証失敗を示すことができるということが分かる。
【0098】
S219:検証コード決定結果が認証成功を示す場合、運搬車両が、検証コード決定結果内の物品格納ユニットの識別子に従って、物品格納ユニットの識別子に対応する物品格納ユニットを開き、検証コード決定結果が認証失敗を示す場合、運搬車両が、認証失敗の情報を出力する。
【0099】
検証コード決定結果を受信した後、運搬車両は、検証コード決定結果が認証成功を示すか、認証失敗を示すかに従って、異なる行為を実施する。検証コード決定結果が認証成功を示す場合、運搬車両は、検証コード決定結果内の物品格納ユニットの識別子に従って、物品格納ユニットを開けることができ、その結果として荷受人は物品を取り出すことができる。
【0100】
例えば、運搬車両が荷受位置に到着するとき、荷受位置に対応する受け取り予定の物品のタグ情報は007であり、この物品が引き出しBに置かれていることは、ステップS207における例から分かる。従って、成功を示す検証コード決定結果を受信した後、運搬車両は引き出しBを開け、その結果として荷受人は物品を取り出すことができる。
【0101】
検証コード決定結果が認証失敗を示す場合、運搬車両は、表示画面のテキスト出力、または音声出力デバイスの音声出力などの様々な形態でプロンプト情報を出力する。運搬車両は、ユーザによって入力される検証コードを再度受信するためにステップS215に戻り、後続ステップを実施することができる。
【0102】
S220:物品格納ユニットが閉まっていることを検出した後、運搬車両が、物品格納ユニット内のタグ情報を取得する。
【0103】
1つの物品格納ユニットが複数の物品を格納することができることから、荷受人が誤って物品をピックアップすることを防ぐため、荷受人によって取り出される物品に対して認証を実施することができる。具体的には、物品を取り出した後、荷受人は、物品格納ユニットを閉める命令を運搬車両に入力することができる。運搬車両が物品格納ユニットを閉める命令を受信すると、運搬車両は、物品格納ユニット内の物品のタグ情報を再獲得するように物品格納ユニット内のタグ情報取得ユニットをトリガすることができる。詳細な獲得様式については、先の説明を参照されたい。詳細はここでは説明されない。
【0104】
S221:運搬車両が、物品格納ユニットの識別子及び物品格納ユニットに格納される物品の取得したタグ情報をサーバに送信する。
【0105】
このステップで送信される物品格納ユニットの識別子及びタグ情報は、物品格納ユニットの識別子及び物品格納ユニットに格納される物品の対応するタグ情報のみを含むことができる。先の例が依然として例として使用される。このステップでは、運搬車両によって送信される引き出し識別子及びタグ情報は、B[004,006]である。
【0106】
物品格納ユニットに対応するタグ情報は、物品を表すために使用されてもよいということに留意されたい。従って、運搬車両によって送信されるタグ情報のセットは、物品格納ユニットに対応する物品セットを表すために使用されると見なすことができる。
【0107】
ステップS206の説明において、物品セットは、第1の物品セットと呼ばれる。区別を容易にするため、このステップにおける物品セットは、第2の物品セットと呼ぶことができる。第1の物品セットは、特定の物品が置かれる物品格納ユニットが開けられる前の物品セットであり、第2の物品セットは、物品が置かれる物品格納ユニットが開けられた後の物品セットである。どの物品が取り出されているかは、2つの物品セットを比較することにより決定することができる。
【0108】
S222:サーバが、物品格納ユニットの識別子に対応するタグ情報を決定し、決定したタグ情報を受信したタグ情報と比較して、一致しないタグ情報を獲得する。
【0109】
上で述べたように、ステップS206において、サーバは、物品格納ユニットの識別子とタグ情報との対応を記録する。この対応は、運搬車両の物品積載中に生成され、どの物品が運搬車両の各物品格納ユニット内に置かれるかを表すことができる。加えて、ステップS222においてサーバによって受信される物品格納ユニットの識別子及びタグ情報の対応は、荷受人が1つの物品ピックアップ手続きを完了した後に生成され、1つの物品ピックアップ手続きが完了した後にどの物品が物品格納ユニットに残っているかを表すことができる。従って、サーバが2つを比較した後、獲得したタグ情報は、どの物品が荷受人によって取り出されているかを表す。
【0110】
例えば、ステップS222においてサーバによって受信される引き出し識別子及びタグ情報は、B[004,006]であり、サーバは、引き出し識別子Bに対応するタグ情報[004,006,007]についてステップS206において記録される対応を検索し、次いで、受信したタグ情報[004,006]を発見したタグ情報[004,006,007]と比較することによって、一致しないタグ情報が007であることを決定することができ、これは、荷受人によって取り出された物品がタグ情報007を有する物品であることを表す。
【0111】
タグ情報を決定することは、目標物品を決定することを意味するということに留意されたい。目標物品は、運搬車両の位置に対応する物品を表すために使用される。運搬車両の位置は、第2の物品セットが送信される位置であってもよく、この位置は、目標位置と呼ぶことができる。第2の物品セットが送信される位置は、荷受位置、または運搬経路内の荷受位置に近い位置であってもよい。荷受位置に近い位置は、荷受位置までの距離が特定の距離範囲内に入る位置であってもよい。
【0112】
目標物品を決定するための実施形態は、第2の物品セットを送信する運搬車両の位置に従って目標物品を決定することであってもよい。具体的には、運搬車両の目標位置が決定され、目標位置に対応する目標物品は、第2の物品セットを送信する運搬車両の場所と物品との事前記録された対応に従って決定される。代替的に、目標物品を決定するための別の実施形態は、運搬車両によって入力される検証コードに従って目標物品を決定することであってもよい。具体的には、運搬車両によって送信される検証コードが獲得され、この検証コードに対応する目標物品が、検証コードと物品との対応に従って決定される。そのような様式の実施を確実にするため、検証コードが生成されるとき、検証コードと物品との対応が確立されてもよい。代替的に、検証コードと物品との間に対応が確立されず、代わりに、検証コードに対応する目標物品は、検証コードとユーザとの対応、及びユーザと物品との対応に従って決定される。
【0113】
S223:サーバが、一致しないタグ情報を荷受位置に対応する物品のタグ情報と比較し、それらが異なる場合、ステップS224を実施し、それらが同じである場合、ステップS226を実施する。
【0114】
サーバが、どの物品が荷受位置における受け取り予定の物品であるかを決定し、受け取り予定の物品にはタグ情報が設けられるということは、ステップS214において説明される。従って、サーバは、先のステップにおいて決定された一致するタグ情報を受け取り予定の物品のタグ情報と比較し、それらが同じである場合、荷受人によって取り出された物品が正しいことを示すことから、ステップS225を実施し、それらが異なる場合、荷受人によって取り出された物品が正しくないことを示すことから、ステップS224を実施する。
【0115】
先の例が依然として例として使用される。比較後に獲得される一致しないタグ情報は007であり、ステップS219において決定される物品の受け取り予定のタグ情報もまた007である。従って、サーバはステップS226を実施する。
【0116】
2つのタグ情報が同じである場合、運搬車両が無事に配送を実施することを示すことから、タグ情報を第1の物品セットから削除することができる。
【0117】
S224:サーバが、警告情報を運搬車両に送信する。
【0118】
サーバは、警告情報を生成し、この警告情報は、ピックアップエラーを荷受人にプロンプトするために使用される。
【0119】
S225:運搬車両が、警告解除命令を受信するまで警告情報のプロンプトに従って警告を出す。
【0120】
運搬車両の警告は、テキストまたは音声など様々な形態であってもよい。例えば、運搬車両の音声出力デバイスが警告音を出力する。例において、運搬車両は、警告解除命令を受信するまで警告を出し続けることができる。警告解除命令は、運搬車両のマンマシンインターフェースを使用することにより、荷受人によって入力されてもよく、物品が物品格納ユニットに戻されたことを運搬車両が検出した後に生成されてもよい。運搬車両は、物品が物品格納ユニットに戻されるかどうかを様々な様式で検出することができる。検出様式の1つは、先述のステップS220及び後続ステップに従って検出を実施することである。
【0121】
S226:サーバが、荷受位置に対応する物品の全てについてピックアップ手続きが完了したかどうかを決定し、はいの場合、ステップS227を実施し、いいえの場合、ステップS232を実施する。
【0122】
ステップS214~ステップS223は、荷受位置に対応する1つの物品のピックアップ手続きである。従って、ステップS226において、まず、ピックアップ手続きが荷受位置に対応する物品の全てについて完了したかどうかが決定され、ピックアップ手続きが物品の全てについて完了した場合、運搬車両が次の荷受位置に移動するように、ステップS227を実施することができる。ピックアップ手続きが荷受位置に対応する物品の全てについて完了していない場合、サーバが荷受位置に対応する別の物品のための検証コードを生成することを可能にするために、ステップS232を実施することができる。
【0123】
S227:サーバが、荷受位置が運搬経路内の最終荷受位置であるかどうかを決定し、そうでない場合、ステップS228を実施し、そうである場合、ステップS230を実施する。
【0124】
運搬経路の目的地は、最終荷受位置であってもよい。即ち、運搬経路は、運搬車両をそれぞれの荷受位置へと誘導するだけである。別の実施形態において、運搬経路は、帰還経路をさらに含むことができ、帰還経路は、事前設定された帰還位置へ戻るように運搬車両を誘導するために使用される。
【0125】
S228:サーバが、移動命令を運搬車両に送信する。
【0126】
移動命令は、運搬経路に従って移動し続けるように運搬車両に命令するために使用される。
【0127】
S229:移動命令を受信した後、運搬車両が、運搬経路に従って移動し続け、移動工程において移動位置をサーバに送信し、ステップS213に戻る。
【0128】
S230:サーバが、帰還命令を運搬車両に送信する。
【0129】
運搬経路が帰還経路を含まない場合、サーバは、荷受位置から事前設定された帰還位置地点までの運搬車両の経路を決定し、この経路が帰還経路であり、サーバは、帰還経路を帰還命令に追加する。運搬経路が帰還経路を含む場合、帰還命令は、帰還経路を含む必要がない。
【0130】
S231:帰還命令を受信した後、運搬車両が、帰還命令に従って帰還経路を決定し、帰還経路に従って、事前設定された帰還位置地点へ移動する。
【0131】
帰還命令が帰還経路を含む場合、運搬車両は、帰還命令内の帰還経路を決定された帰還経路として使用し、帰還命令が帰還経路を含まない場合、運搬車両は、運搬経路内の帰還経路を決定された帰還経路として使用する。
【0132】
確実に、この実施例において、物品返送手続きがさらに含まれてもよい。即ち、サーバは、運搬車両の物品格納ユニットがピックアップされない物品を含むことを決定し、物品返送命令を運搬車両に送信し、物品返送リストをオペレータの情報取得端末に送信する。物品返送命令を受信した後、運搬車両は、指定の物品帰還位置へ移動し、オペレータは、物品返送手続きを完了するために、情報取得端末に示される物品返送リストに従って、運搬車両の物品格納ユニット内の物品を受け取ることができる。
【0133】
S232:サーバが、荷受位置に対応する別の物品のための検証コードを生成し、この検証コードを含むピックアップ通知を、別の物品に対応する通信端末に送信し、ステップS215においてユーザにより検証コードを受信するステップを実施することに戻る。
【0134】
先述の技術的解決法から、本出願が物品運搬方法を提供するということが分かる。この方法では、物品格納ユニットの利用率を改善するように、1つまたは複数の物品を、運搬車両内に設置される物品格納ユニットに置くことができる。加えて、本出願において、タグが物品上に置かれ、タグ情報取得ユニットが運搬車両内に設置され、物品格納ユニット内の各物品のタグ情報が取得され、サーバにアップロードされてもよい。運搬車両が特定の物品の荷受位置に到着した後、サーバは、運搬車両の物品運搬の前の物品格納ユニット内のタグ情報を物品が荷受位置において取り出された後の物品格納ユニット内のタグ情報と比較することによって、ユーザによって取り出される物品を決定することができ、さらに、この荷受位置において、取り出される物品を受け取り予定の物品と比較して、ユーザによって取り出された物品が正しいかどうかを決定する。この観点から、本出願によって提供される物品運搬方法は、物品格納ユニットの利用率を改善しながら、ユーザのピックアップの正確性を確実にすることができる。
【0135】
特定の物品の荷受位置に到着した後、運搬車両は、荷受人が物品を取り出した後に物品格納ユニット内のタグ情報を再獲得するために待機する必要があるということを理解されたい。先述の実施例のステップS220において、荷受人が物品を既に取り出したかどうかは、物品格納ユニットが閉まっているかどうかを検出するかどうかによって決定される。しかしながら、物品が取り出されているかどうかを決定するための方法は、上記に限定されず、代替的に、荷受位置における運搬車両の滞在時間長が事前設定された時間長に達するかどうかを決定することであってもよい。そのような状況は、運搬車両の物品格納ユニットが開閉される必要がない状況に適用されるのにより好適である。確実に、事前設定された時間長は、単に例示的な説明にすぎず、別の事前設定された条件が存在してもよい。
【0136】
事前設定された時間長が事前設定された条件として使用され、1つの荷受位置が複数の物品に対応する場合、物品は、それぞれの事前設定された時間長を有し、物品の事前設定された時間長は、同じであるか、または異なっていてもよいということに留意されたい。
【0137】
図4を参照すると、図4は、本出願によるサーバのハードウェアの概略構造図である。サーバは、コンピュータデバイスであってもよい。図4に示されるように、サーバは、メモリ401、通信インターフェース402、プロセッサ403、及び1つまたは複数のバス404を含む。
【0138】
メモリ401、通信インターフェース402、及びプロセッサ403は、バス404を通じて互いに接続される。
【0139】
メモリ401は、運搬車両に対応する第1の物品セットを提供するように構成される。
【0140】
通信インターフェース402は、運搬車両によって送信される、運搬車両に対応する第2の物品セットを受信するように構成される。
【0141】
プロセッサ403は、目標物品を決定し、第1の物品セットと第2の物品セットとの間の相違物品を決定し、相違物品が目標物品であるかどうかを決定し、決定結果情報を生成するように構成される。
【0142】
通信インターフェース402は、結果情報を運搬車両に送信するようにさらに構成される。
【0143】
例において、第1の物品セットは、具体的には第1の物品タグセットであり、第2の物品セットは、具体的には第2の物品タグセットである。
【0144】
第1の物品セットと第2の物品セットとの間の相違物品を決定するステップを実行するとき、プロセッサ403は、第1の物品タグセットと第2の物品タグセットとの間の相違物品タグを決定するように特に構成され、相違物品が目標物品であるかどうかを決定することは、相違物品タグに対応する物品が目標物品であるかどうかを決定することを含む。
【0145】
例において、第1の物品セットは、複数のサブセットを含み、異なるサブセットは、運搬車両内に設置される相違物品格納ユニットに対応する。
【0146】
例において、運搬車両によって送信される、運搬車両に対応する第2の物品セットを受信するステップを実施するとき、通信インターフェース402は、運搬車両によって送信される、運搬車両の目標物品格納ユニットに対応する第2の物品セットを受信するように特に構成される。
【0147】
第1の物品セットと第2の物品セットとの間の相違物品を決定するステップを実施するとき、プロセッサ403は、第1の物品セット内で、目標物品格納ユニットに対応する目標サブセットを決定し、目標サブセットと第2の物品セットとの間の相違物品を決定するように特に構成される。
【0148】
例において、目標物品を決定するステップを実施するとき、プロセッサ403は、第2の物品セットを送信する運搬車両の目標位置を決定し、第2の物品セットを送信する運搬車両の位置と物品との事前記録された対応に従って、目標位置に対応する目標物品を決定するように特に構成される。
【0149】
例において、プロセッサ403は、物品運搬タスクを生成するようにさらに構成される。
【0150】
通信インターフェース402は、物品運搬タスクを情報取得端末または運搬車両に送信するようにさらに構成され、物品運搬タスクは、ユーザが物品運搬タスク内の物品を運搬車両へ格納するように、情報取得端末または運搬車両に表示されるために使用される。
【0151】
例において、プロセッサ403は、第1の物品セット内の物品を物品運搬タスク内の物品と比較するようにさらに構成される。
【0152】
通信インターフェース402は、第1の物品セット内の物品が物品運搬タスク内の物品と一致しない場合、第1のプロンプトメッセージを運搬車両に送信するようにさらに構成され、第1のプロンプトメッセージは、運搬車両に積載された物品に対する検証が失敗であることをプロンプトするために使用される。
【0153】
例において、プロセッサ403は、第1の物品セット内の物品の量が、物品運搬タスク内の物品の量よりも少ない場合、第1の物品セット内の欠落物品を決定するようにさらに構成される。
【0154】
第1のプロンプトメッセージを運搬車両に送信するステップを実施するとき、通信インターフェース402は、欠落物品の識別子を運搬車両に送信するように特に構成される。
【0155】
例において、プロセッサ403は、物品運搬タスク内の物品の荷受位置に従って運搬経路を計画するようにさらに構成され、通信インターフェース402は、運搬経路を運搬車両に送信するようにさらに構成される。
【0156】
例において、通信インターフェース402は、運搬車両によって送信される移動位置を受信するようにさらに構成され、プロセッサ403は、移動位置が物品運搬タスク内の物品の荷受位置に対応する場合、移動停止命令を生成するようにさらに構成され、通信インターフェース402は、移動停止命令を運搬車両に送信するようにさらに構成される。
【0157】
例において、プロセッサ403は、移動位置が物品運搬タスク内の物品の荷受位置に対応する場合、検証コードを含むピックアップ通知を生成するようにさらに構成され、通信インターフェース402は、ピックアップ通知を物品に対応する通信端末に送信するようにさらに構成される。
【0158】
例において、通信インターフェース402は、運搬車両によって送信される検証コードを受信するようにさらに構成され、プロセッサ403は、運搬車両によって送信される検証コードがピックアップ通知内の検証コードと同じである場合、開放命令を生成するようにさらに構成され、通信インターフェース402は、開放命令を運搬車両に送信するようにさらに構成される。
【0159】
例において、プロセッサ403は、相違物品が目標物品ではない場合、警告情報を生成するようにさらに構成され、決定結果を運搬車両に送信するステップを実施するとき、通信インターフェース402は、警告情報を運搬車両に送信するようにさらに構成される。
【0160】
図5を参照すると、図5は、本出願による運搬車両の概略構造図である。図5に示されるように、運搬車両は、具体的には、物品情報取得ユニット501、通信インターフェース502、出力ユニット503、及び1つまたは複数のバス504を含む。
【0161】
物品情報取得ユニット501、通信インターフェース502、及び出力ユニット503は、バス504を通じて互いに接続される。
【0162】
物品情報取得ユニット501は、運搬車両によって運搬された第1の物品を獲得するように構成される。
【0163】
通信インターフェース502は、運搬車両に対応する第1の物品セットをサーバに送信するように構成される。
【0164】
物品情報取得ユニット501は、事前設定された条件が満足された後、運搬車両に対応する第2の物品セットを獲得するようにさらに構成される。
【0165】
通信インターフェース502は、運搬車両に対応する第2の物品セットをサーバに送信するようにさらに構成され、第2の物品セットは、サーバが、対応する目標物品を決定するために提供される。
【0166】
第1の物品セット及び第2の物品セットは、サーバが、相違物品を決定し、相違物品が目標物品であるかどうかを決定し、決定結果情報を運搬車両に送信するために提供される。
【0167】
出力ユニット503は、結果情報を受信及び出力するように構成される。
【0168】
物品情報取得ユニット501は、運搬車両に設置される。物品情報取得ユニット501は、タグリーダ、例えば、スキャナ、センサ、または他の検出器であってもよい。例えば、タグ情報取得ユニットは、RFIDタグリーダであってもよい。出力ユニット503は、音声出力デバイス、映像出力デバイス、ディスプレイ、または同様のものであってもよい。
【0169】
例において、運搬車両によって運搬された第1の物品セットを獲得するステップを実施するとき、物品情報取得ユニット501は、運搬車両によって運搬された物品の物品タグを獲得し、物品タグのセットを第1の物品セットとして使用するように特に構成される。
【0170】
例において、運搬車両は、複数の物品格納ユニットを含み、運搬車両によって運搬された第1の物品セットを獲得するステップを実施するとき、物品情報取得ユニット501は、運搬車両内のそれぞれの物品格納ユニットに対応する物品サブセットを獲得し、それぞれの物品サブセットを第1の物品セットとして使用するように特に構成される。
【0171】
例において、事前設定された条件が満足された後、運搬車両に対応する第2の物品セットを獲得するステップを実施するとき、物品情報取得ユニット501は、事前設定された条件が満足された後、運搬車両内の目標物品格納ユニットに対応する物品サブセットを獲得し、物品サブセットを第2の物品セットとして使用するように特に構成される。
【0172】
図6を参照すると、図6は、本出願による別の運搬車両の概略構造図である。図6に示されるように、図5に示される構造を含むことに加えて、運搬車両は、プロセッサ505、ディスプレイ506、入力ユニット507、及び開放ユニット508をさらに含む。
【0173】
プロセッサ505は、運搬車両が閉まっているかどうかを検出するか、または運搬車両の滞在時間長が事前設定された時間長に達するかどうかを検出するように構成され、運搬車両が閉まっていること、または運搬車両の滞在時間長が事前設定された時間長に達することは、事前設定された条件が満足されることを表すために使用される。
【0174】
ディスプレイ506は、物品運搬タスク内の物品を運搬車両に格納するために、サーバによって送信される物品運搬タスクを表示するように構成される。
【0175】
いくつかの実施例において、プロセッサ505、ディスプレイ506、入力ユニット507、及び開放ユニット508は、全てが同じ運搬車両に設置されなくてもよいということに留意されたい。
【0176】
例において、通信インターフェース502は、サーバによって送信された運搬経路を受信するようにさらに構成され、運搬経路は、物品運搬タスク内の物品の荷受位置に従って計画される。プロセッサ505は、運搬経路に従って運搬タスク内のそれぞれの物品の荷受位置へ順次移動するように運搬車両を制御するように構成されてもよい。
【0177】
例において、運搬経路に従って運搬タスク内のそれぞれの物品の荷受位置へ順次移動するように運搬車両を制御するステップを実施するとき、プロセッサ505は、運搬経路に従って移動し、移動位置をサーバに送信するように運搬車両を制御するように特に構成される。
【0178】
通信インターフェース502は、サーバによって送信された移動停止命令を受信するようにさらに構成され、移動停止命令は、移動位置が物品運搬タスク内の物品の荷受位置に対応するときに送信される。
【0179】
例において、運搬経路は、荷受位置に対応する印付きの停止点を含む。
【0180】
運搬経路に従って運搬タスク内のそれぞれの物品の荷受位置へ順次移動するように運搬車両を制御するステップを実施するとき、プロセッサ505は、運搬経路に従って移動し、印付きの停止点に対応する位置へ移動した後に移動を停止するように運搬車両を制御するように特に構成される。
【0181】
入力ユニット507は、ユーザによって入力された検証コードを受信するように構成され、通信インターフェース502は、検証コードをサーバに送信するようにさらに構成され、検証コードは、サーバが、検証コードがピックアップ通知内の検証コードと同じである場合、開放命令を運搬車両に送信し、開放命令を受信するために提供され、開放ユニット508は、開放命令を受信し、運搬車両を開けるように構成される。ロックが運搬車両に設置されてもよく、開放ユニット508は、ロック解除構成要素であってもよい。
【0182】
例において、結果情報を受信及び出力するステップを実施するとき、出力ユニット503は、警告情報を受信及び出力するように特に構成され、警告情報は、相違物品が目標物品ではないときにサーバによって送信される。
【0183】
図7を参照すると、図7は、本出願によるさらに別の運搬車両の概略構造図である。図7に示されるように、運搬車両は、具体的には、物品情報取得ユニット701、プロセッサ702、出力ユニット703、及び1つまたは複数のバス704を含むことができる。
【0184】
物品情報取得ユニット701、プロセッサ702、及び出力ユニット703は、バス704を通じて互いに接続される。
【0185】
物品情報取得ユニット701は、運搬車両によって運搬された第1の物品を獲得し、事前設定された条件が満足された後、運搬車両に対応する第2の物品セットを獲得するように構成される。
【0186】
プロセッサ702は、目標物品を決定し、第1の物品セットと第2の物品セットとの間の相違物品を決定し、相違物品が目標物品であるかどうかを決定し、決定結果を獲得するように構成される。
【0187】
出力ユニット703は、決定結果を出力するように構成される。
【0188】
物品情報取得ユニット701は、具体的には、RFIDタグ取得ユニットなどのタグ情報取得ユニットであってもよい。
【0189】
本明細書内の実施例は全て漸進的に説明され、説明は、各実施例を他の実施例から区別する差異に焦点を合わせるということに留意されたい。それぞれの実施例間の同じまたは同様の部分については相互参照がなされてもよい。
【0190】
本出願において、第1及び第2などの関係性用語は、あるエンティティまたは動作を、別のエンティティまたは動作と区別するために使用されるにすぎず、エンティティまたは動作間の実際の関係または順序の存在を要求または示唆するわけではない。さらには、「含む」、「備える」、または任意の他の変異形などの用語は、非排他的な包含を網羅しようとするものであり、その結果、一連の要素を含むプロセス、方法、物品、またはデバイスは、その要素を含むだけでなく、明示的に列挙されない他の要素も含むか、または、プロセス、方法、物品、若しくはデバイスの本来の要素を含む。それ以上の制限がない場合、「~を含む」という表現によって規定される要素は、追加の同じ要素がまた、先述の要素を含むプロセス、方法、物品、またはデバイス内に存在することを除外しない。
【0191】
開示される実施例に関する先述の説明は、当業者が本出願を実施または使用することを可能にする。実施例に対する様々な修正は、当業者には明らかである。本出願において規定される一般原理は、本出願の趣旨または範囲から逸脱することなく他の実施例において実施することができる。従って、本出願は、本出願に示される実施例に限定されず、本出願に開示される原理及び新規特徴と一致する広範な範囲に適合する。
図1
図2-1】
図2-2】
図3
図4
図5
図6
図7