(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】真空掃除機用の塵埃分離器
(51)【国際特許分類】
A47L 9/16 20060101AFI20220117BHJP
B01D 45/06 20060101ALI20220117BHJP
【FI】
A47L9/16
B01D45/06
(21)【出願番号】P 2020507553
(86)(22)【出願日】2018-07-27
(86)【国際出願番号】 GB2018052140
(87)【国際公開番号】W WO2019030485
(87)【国際公開日】2019-02-14
【審査請求日】2020-04-10
(32)【優先日】2017-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500024469
【氏名又は名称】ダイソン・テクノロジー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ・パーシー-レイン
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・アイザックス
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー・キャンベル-ヒル
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】特開昭50-138656(JP,A)
【文献】実開昭61-167917(JP,U)
【文献】特開2017-056202(JP,A)
【文献】特表2001-521811(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 9/10-9/19
B01D 45/00-45/18
A47L 5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空掃除機用の塵埃分離器であって、
入口及び出口を有するチャンバであって、前記入口を通して塵埃含有流体が当該チャンバに入り、前記出口を通して清浄済流体が当該チャンバから出る、チャンバと、
前記出口に位置するディスクであって、回転軸回りに回転するように構成されており、穴部であって当該出口を通して清浄済流体が通過する穴部を備える、ディスクと、
を備え、
前記入口が、前記チャンバ内を延在する入口ダクトの端部によって画成されており、
前記入口の中央と前記ディスクの中央との間の分離距離が、前記入口の直径以下であることを特徴とする塵埃分離器。
【請求項2】
前記チャンバに入る塵埃含有流体が、前記ディスクに方向付けられていることを特徴とする請求項1に記載の塵埃分離器。
【請求項3】
前記塵埃含有流体から分離された塵埃が、前記チャンバの底部に集まり、前記チャンバの頂部に向かう方向で累進的に充填し、
前記出口が、前記チャンバの頂部にまたは前記頂部に隣接して位置し、
前記チャンバの前記底部が、前記チャンバの前記頂部から軸方向に間隔を空けていることを特徴とする請求項1または2に記載の塵埃分離器。
【請求項4】
前記入口ダクトが、前記チャンバの前記底部から上方に延在することを特徴とする請求項3に記載の塵埃分離器。
【請求項5】
前記入口ダクトが、前記チャンバ内を直線的に延在することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の塵埃分離器。
【請求項6】
前記入口ダクトが、前記チャンバの壁部を通って延在し、
前記入口ダクトの他端部が、前記真空掃除機の様々なアタッチメントに取り付け可能であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の塵埃分離器。
【請求項7】
前記ディスクの直径が、前記入口の直径より大きいことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の塵埃分離器。
【請求項8】
前記ディスクが、前記入口の全開口面積より大きい全開口面積を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の塵埃分離器。
【請求項9】
前記ディスクが、有孔領域及び無孔領域を備え、
前記穴部が、前記有孔領域に形成されており、
前記チャンバに入る塵埃含有流体が、前記無孔領域に方向付けられていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の塵埃分離器。
【請求項10】
前記無孔領域が、前記入口の直径以上の幅を有することを特徴とする請求項9に記載の塵埃分離器。
【請求項11】
前記ディスクが、金属で形成されていることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の塵埃分離器。
【請求項12】
当該塵埃分離器が、前記ディスクを前記回転軸回りに駆動するための電気モータを備えることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の塵埃分離器。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載の塵埃分離器を備えることを特徴とする手持型真空掃除機。
【請求項14】
細長い管体によって掃除機ヘッドに取り付けられた手持式ユニットを備えるスティック型真空掃除機であって、
前記手持式ユニットが、請求項1から12のいずれか1項に記載の塵埃分離器を備え、
細長い前記管体が、前記回転軸と平行な軸に沿って延在することを特徴とするスティック型真空掃除機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空掃除機用の塵埃分離器に関する。
【背景技術】
【0002】
真空掃除機の塵埃分離器は、有孔バッグまたはサイクロン式分離器を備え得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、両タイプの分離器は、これら分離器の欠点を有する。例えば、バッグの孔には、使用中に塵埃が迅速に詰まる一方、サイクロン式分離器によって消費される圧力は、高くなり得る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、真空掃除機用の塵埃分離器を提供し、この塵埃分離器は、入口及び出口を有するチャンバであって、この入口を通して塵埃含有流体がチャンバに入り、この出口を通して清浄済流体がチャンバから出る、チャンバと、出口に位置するディスクであって、回転軸回りに回転するように構成されており、穴部であってこれら穴部を通して清浄済流体が通過する穴部を備える、ディスクと、を備え、入口が、チャンバ内で延在する。
【0005】
チャンバに入る塵埃含有流体は、回転ディスクに接触し、回転ディスクは、流体に接線方向力を付与する。塵埃含有流体が径方向外方へ移動するにしたがって、ディスクが付与する接線方向力は、増加する。流体は、ディスクにある穴部を通して引き込まれる一方、塵埃の大きな慣性により、塵埃は、外方へ移動し続け、チャンバの底部に収集される。
【0006】
本発明の塵埃分離器は、有孔バッグまたはサイクロン式分離器のような従来の分離器に対する利点を有する。例えば、バッグの孔には、使用中に塵埃が迅速に詰まる。これは、掃除機ヘッドにおいて達成する吸引を低減させる。本発明の塵埃分離器によれば、ディスクが回転することにより、ディスクにある穴部に塵埃がない状態をほぼ維持することを保証することを補助する。その結果、使用中に吸引の著しい低減を観測し得ない。真空掃除機のサイクロン式分離器は、主として、2以上の分離段を備える。第1段は、しばしば、粗い塵埃を除去するために単一の大型のサイクロンチャンバを備え、第2段は、細かい塵埃を除去するために複数の小型のサイクロンチャンバを備える。その結果、サイクロン式分離器の全体サイズは、大きくなり得る。サイクロン式分離器のさらなる困難性は、高い分離効率を達成するために、サイクロン式分離器が主として高い流動速度を必要とすること、である。さらに、サイクロン式分離器を通って移動する流体は、しばしば、流体が入口から出口まで進行する際に比較的長い経路を辿る。その結果、サイクロン式分離器に関連する圧力降下は、高くなり得る。本発明の塵埃分離器によれば、比較的高い分離効率をより小型の態様で達成し得る。特に、塵埃分離器は、単一のチャンバを有する単一の段を備え得る。さらに、分離は、回転ディスクが塵埃に付与した角運動量の結果として初期的に発生する。その結果、比較的高い分離効率を比較的低い流動速度で達成し得る。また、チャンバの入口から出口までの移動時に流体がとる経路は、比較的短い。その結果、塵埃分離器にわたる圧力降下は、同じ分離効率を有するサイクロン式分離器にわたる圧力降下よりも小さくなり得る。
【0007】
入口とディスクとの間の分離距離は、効率的な分離を達成する際に重要な部分をなし得る。特に、分離距離が増加するにしたがって、穴部における塵埃含有流体の径方向速度は、減少しやすく、そのため、より多くの塵埃は、穴部を通る流体に運ばれやすい。したがって、分離距離が小さいことが望ましい。しかしながら、分離距離が小さすぎると、分離距離より大きな塵埃は、入口ダクトとディスクとの間で捕捉され得る。流体が運ぶ塵埃のサイズは、とりわけ、入口ダクトの直径によって制限される。したがって、入口の直径以下の分離距離は、効率的な分離を促す一方で塵埃が入口ダクトとディスクとの間を通過するのに十分な空間を提供するという利益を有する。
【0008】
チャンバに入る塵埃含有流体は、ディスクに方向付けられ得る。すなわち、塵埃含有流体は、ディスクと交差する流動軸に沿って入口を通してチャンバに入り得る。真空掃除機の塵埃分離器内に回転ディスクを設けることは、公知である。しかしながら、塵埃分離器が流体から塵埃を分離するためにサイクロンチャンバを有しなければならないという既存の先入観がある。ディスクは、流体がサイクロンチャンバから出る際に流体から残存塵埃を除去するための補助フィルタとしてのみ使用されている。サイクロンチャンバに入る大量の塵埃から回転ディスクを保護しなければならないというさらなる先入観がある。その結果、塵埃含有流体は、ディスクとの直接衝突を避ける態様でサイクロンチャンバ内に導入される。しかしながら、塵埃含有流体をディスクに方向付けることによって、塵埃は、回転ディスクと接触すると比較的高い接線方向力を受ける。流体内の塵埃は、径方向外方に放り出される一方、流体は、ディスクにある穴部を軸方向で通過する。その結果、効率的な塵埃分離は、サイクロンチャンバを必要とせずに達成され得る。
【0009】
塵埃含有流体から分離された塵埃は、チャンバの底部に集まり得、チャンバの頂部に向かう方向で累進的に充填し得る。出口は、チャンバの頂部にまたは頂部に隣接して位置し得、チャンバの底部は、チャンバの頂部から軸方向で間隔をあけ得る。出口をチャンバの頂部にまたは頂部に隣接して位置付けることにより、ディスクには、チャンバ内に集まる分離した塵埃がないままとなり得る。その結果、効率的な分離は、チャンバに塵埃が充填される際に維持され得る。チャンバの底部は、チャンバの頂部から軸方向に(すなわち、回転軸と平行な方向で)間隔をあけている。これは、ディスクによって径方向外方に放り出される塵埃及び流体がチャンバの底部に収集されている塵埃を乱しにくいという利益を有する。さらに、チャンバ内の渦流は、チャンバの上下ではなくチャンバの周りを移動しやすい。その結果、チャンバ内に収集された塵埃を再び取り込むことを低減し得、その結果、分離効率を改善する。
【0010】
入口ダクトは、チャンバの底部から上方に延在し得る。塵埃分離器をスティック型またはアプライト型の真空掃除機に採用すると、掃除機ヘッドは、一般に、塵埃分離器の下方に位置する。塵埃分離器の底部から上方に延在する入口ダクトを有することにより、掃除機ヘッドと塵埃分離器との間のダクト配管は、あまり入り組まない経路になり、そのため、圧力損失を低減する。キャニスタ型の真空掃除機について、塵埃分離器は、シャーシ上に備え付けられ得、それにより、塵埃分離器の底部は、シャーシの前方に向けて方向付けられている。掃除機ヘッドから塵埃分離器まで流体を搬送することを担当するダクト配管は、真空掃除機を操縦するために使用され得る。特に、ダクト配管は、シャーシの前方を持ち上げるために使用され得、したがって、シャーシを前方に引っ張るまたはシャーシを左右に操縦することを容易にする。
【0011】
入口ダクトは、チャンバ内を直線的に延在し得る。これは、塵埃含有流体が直線状経路に沿って入口ダクトを通って移動するという利点を有する。その結果、塵埃含有流体が関連する圧力降下は、減少し得る。対照的に、入口ダクトが1以上の曲部を有していると、入口ダクトを通して移動する流体に起因する圧力損失は、増加する。
【0012】
入口ダクトは、チャンバの壁部を通って延在し得、入口ダクトの他端部は、真空掃除機の様々なアタッチメントに取り付け可能であり得る。特に、入口ダクトは、真空掃除機の様々な付属具に取り付け可能であり得る。様々なアタッチメントを直接取り付ける入口ダクトを設けることにより、様々なアタッチメントと塵埃分離器との間に比較的短い経路が設けられ得る。その結果、圧力損失を低減し得る。
【0013】
ディスクの直径は、入口の直径よりも大きくなり得る。これは、少なくとも2つの利益を有する。第1に、ディスクに関して比較的大きな全開口面積を達成し得る。実際に、ディスクは、入口より大きな全開口面積を有し得る。ディスクの全開口面積を増加させることにより、穴部を通って移動する流体の軸方向速度は、減少しやすい。その結果、穴部を通る流体に運ばれる塵埃が少なくなりやすく、このため、分離効率の増加を観測し得る。さらに、ディスクの全開口面積を増加させることにより、塵埃分離器にわたる圧力降下の減少を達成し得る。第2に、比較的大きなディスクを有することにより、比較的高い接線方向速度をこのディスクによって達成し得る。ディスクの接線方向速度を増加させると、ディスクが塵埃含有流体に付与する接線方向力は、増加する。その結果、ディスクによって流体から分離される塵埃がより多くなりやすく、そのため、分離効率の増加を観測し得る。
【0014】
ディスクは、有孔領域及び無孔領域を有し得る。穴部は、有孔領域に形成されており、チャンバに入る塵埃含有流体は、無孔領域に方向付けられる。これは、少なくとも2つの利益を有する。第1に、流体は、方向変更させられ、ディスクの有孔領域上を通過する。その結果、穴部上を移動する流体の径方向速度がより高くなり、そのため、流体が運ぶ塵埃であって方向変更に適合して穴部を軸方向に通過できる塵埃がより少なくなる。第2に、流体が運ぶ比較的硬い物体は、ディスクに衝突し得、穴部間のランドを穴開けし得るまたは損傷し得る。塵埃含有流体が無孔領域に衝突することを保証することによって、流体が運ぶ物体がディスクを損傷させることを低減し得る。
【0015】
無孔領域は、入口の直径以上の幅を有し得る。無孔領域が円状である場合、幅は、無孔領域の直径に相当する。あるいは、無孔領域が環状である場合、幅は、無孔領域の外径と内径との間の差に相当する。無孔領域の幅を入口と少なくとも同じサイズとすることを保証することによって、チャンバに入る塵埃含有流体は、有孔領域上を通過する前に径方向に方向変更することが促進される。これは、穴部上を移動する流体の径方向速度がより高くなり、そのため、穴部を軸方向で通過する塵埃がより少なくなるという利点を有する。さらに、入口と少なくとも同じサイズの無孔領域を有することによって、ディスクを損傷する危険性を低減する。
【0016】
ディスクは、金属で形成され得る。これは、例えばプラスチックで形成されたディスクに対して少なくとも2つの利益を有する。第1に、比較的高い剛性を有する比較的薄いディスクを達成し得る。第2に、ディスクは、流体が運ぶ硬いまたは鋭い物体からの損傷を受けにくい。これは、チャンバに入る塵埃含有流体をディスクに方向付けるため、特に重要である。
【0017】
塵埃分離器は、ディスクを駆動するための電気モータを備え得る。その結果、ディスクの速度、ひいては塵埃に付与する接線方向力は、流量及び流体速度の影響を比較的受けにくくなる。その結果、タービンと比較して、比較的低い流量で比較的高い分離効率を達成し得る。
【0018】
本発明は、同様に、上記段落のいずれかで説明した塵埃分離器を備える手持型真空掃除機を提供する。
【0019】
真空掃除機の塵埃分離器内に回転ディスクを設けることが公知であるが、塵埃分離器が流体から塵埃を分離するためにサイクロンチャンバを有しなければならないという既存の先入観がある。その結果、塵埃分離器の全体サイズは、比較的大きく、手持式ユニットでの使用に適していない。本発明の塵埃分離器を用いれば、比較的小型な態様で効率的な分離を達成し得る。その結果、塵埃分離器は、手持式ユニットでの使用に特に良好に適する。
【0020】
本発明は、細長い管によって掃除機ヘッドに取り付けられた手持式ユニットを備えるスティック型真空掃除機をさらに提供し、手持式ユニットは、上記段落のいずれかで説明した塵埃分離器を備え、細長い管は、回転軸と平行な軸に沿って延在する。
【0021】
回転軸と平行に延在する細長い管を有することによって、塵埃含有流体は、掃除機ヘッドから塵埃分離器、ひいては回転ディスクへ比較的直線状の経路に沿って運ばれ得る。その結果、圧力損失を低減し得る。
【0022】
本発明をより迅速に理解するために、例として、添付の図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図3】真空掃除機の塵埃分離器を示す断面図である。
【
図5】塵埃分離器を通る塵埃含有流体の流動を示す図である。
【
図7】床よりも上方を清掃するために使用するときにおける真空掃除機の一部を示す断面図である。
【
図8】ディスクが入口ダクトの周縁部で塵埃含有流体に付与した接線方向力を示す図であって、(a)が塵埃含有流体がディスクの中央に方向付けられた図、(b)が塵埃含有流体がディスクの中央からずらして方向付けられた図、である。
【
図9】第1の代替的な塵埃分離器を示す断面図である。
【
図10】第2の代替的な塵埃分離器を有する真空掃除機の一部を示す断面図である。
【
図11】第3の代替的な塵埃分離器を示す断面図である。
【
図12】第3の代替的な塵埃分離器を有する真空掃除機の一部を示す断面図である。
【
図13】第3の代替的な塵埃分離器を空にすることを示す図である。
【
図14】第4の代替的な塵埃分離器を示す断面図である。
【
図15】いずれかの塵埃分離器を形成し得る代替的なディスク組立体を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1の真空掃除機1は、細長い管体3を用いて掃除機ヘッド4に取り付けられた手持式ユニット2を備える。細長い管体3は、手持式ユニット2から取り外し可能であり、それにより、手持式ユニット2は、独立型の真空掃除機として使用され得る。
【0025】
ここで、
図2から
図7を参照すると、手持式ユニット2は、塵埃分離器10、モータ前フィルタ11、真空モータ12及びモータ後フィルタ13を備える。モータ前フィルタ11は、塵埃分離器10の下流側ではあるが真空モータ12の上流側に位置し、モータ後フィルタ13は、真空モータ12の下流側に位置する。使用中において、真空モータ12は、掃除機ヘッド4の底面にある吸引開口部を通して塵埃含有流体を引き込む。掃除機ヘッド4から、塵埃含有流体は、細長い管体3に沿って塵埃分離器10内へ引き込まれる。塵埃は、流体から分離されて塵埃分離器10内に保持される。清浄済流体は、塵埃分離器10から出てモータ前フィルタ11を通して引き込まれ、このモータ前フィルタは、真空モータ12を通過する前に流体から残りの塵埃を除去する。最後に、真空モータ12によって放出された流体は、モータ後フィルタ13を通過し、手持式ユニット2にある通気孔14を通して排出される。
【0026】
塵埃分離器は、容器20、入口ダクト21及びディスク組立体22を備える。
【0027】
容器20は、共同でチャンバ36を画成する頂壁部30、側壁部31及び底壁部32を備える。頂壁部の中央にある開口部は、チャンバ36の出口38を画成する。底壁部32は、ヒンジ33を用いて側壁部31に取り付けられている。底壁部32に取り付けられたキャッチ34は、側壁部31にある凹所と係合し、底壁部32を閉塞位置で保持する。キャッチ34を解放することにより、底壁部32は、
図6に示すように、開放位置へ揺動する。
【0028】
入口ダクト21は、容器20の底壁部32を通って上方に延在する。入口ダクト21は、チャンバ36内に中心合わせして延在しており、ディスク組立体22から短距離で終端している。入口ダクト21の一端部は、チャンバ36の入口37を画成する。入口ダクト21の他端部は、手持式ユニット2を独立型の掃除機として使用する場合に、細長い管体3または付属具に取り付け可能である。
【0029】
ディスク組立体22は、電気モータ41に連結されたディスク40を備える。電気モータ41は、チャンバ36の外側に位置しており、ディスク40は、チャンバ36の出口38に位置して出口を覆う。電源を入れると、電気モータ41は、ディスク40を回転軸48回りに回転させる。ディスク40は、金属で形成されており、有孔領域46で囲まれた中央の無孔領域45を備える。ディスク40の外周部は、容器20の頂壁部30と重なる。ディスク40が回転すると、ディスク40の外周部は、頂壁部30と接触して頂壁部とのシールを形成する。ディスク40と頂壁部30との間の摩擦を低減するために、低摩擦材料(例えばPTFE)のリングを頂壁部30の周囲に設ける。
【0030】
使用中において、真空モータ12は、塵埃含有流体を入口37を介してチャンバ36内に引き込ませる。入口ダクト21は、ディスク40の回転軸48と一致する軸に沿ってチャンバ36内を中心合わせして延在する。その結果、塵埃含有流体は、軸方向で(すなわち回転軸48と平行な方向で)チャンバ36に入る。さらに、塵埃含有流体は、ディスク40の中央に方向付けられている。ディスク40の中央の無孔領域は、塵埃含有流体を方向変更して径方向外方へ(すなわち回転軸に直交する方向で)移動させる。回転ディスク40は、塵埃含有流体に接線方向力を付与し、流体を旋回させる。塵埃含有流体が径方向外方へ移動するにしたがって、ディスク40が付与する接線方向力は、増加する。ディスク40の有孔領域46に達すると、流体は、ディスク40にある穴部47を通して軸方向に引き込まれる。これは、流体の方向における更なる方向変更を必要とする。大きく重い塵埃の慣性は、大きすぎて、塵埃が流体に追従することを可能としない。その結果、穴部47を通して引き込まれるのではなく、塵埃は、径方向外方へ移動し続け、最終的には、チャンバ36の底部に集まる。小さく軽い塵埃は、ディスク40を通る流体に追従し得る。この塵埃の大部分は、その後、モータ前及びモータ後フィルタ11、13によって除去される。塵埃分離器10を空にするために、キャッチ34を解放して容器20の底壁部32を揺動して開く。
図6に示すように、容器20及び入口ダクト21は、入口ダクト21が底壁部32の移動を防止しないまたは邪魔しないように構成されている。
【0031】
床面を清掃することに加え、真空掃除機1は、棚、カーテンまたは天井のような床の上方にある表面を清掃するために使用され得る。これら表面を清掃する際、手持式ユニット2を
図7に示すように反転させる。チャンバ36内に収集されている塵埃50は、ディスク40に向けて落下する。ディスク40に落下する塵埃は、有孔領域46にある穴部47のいくつかを通って引き込まれるまたは穴部のいくつかを塞ぎやすい。その結果、ディスク40の利用可能な開口面積は、減少し、ディスク40を軸方向に通過する流体の速度は、増加する。大部分の塵埃は、ディスク40を通る流体によって運ばれやすくなり、このため、塵埃分離器10の分離効率は、増加しやすい。容器20の頂壁部30は、平坦ではないが、その替わりに、段付である。その結果、チャンバ36は、側壁部31と頂壁部30の段部との間に位置する溝部を備える。この溝部は、ディスク40を囲み、チャンバ36に落下した塵埃50を収集するように機能する。その結果、手持式ユニット2を反転させたときにディスク40上に落下しやすい塵埃が少なくなる。
【0032】
塵埃分離器10は、有孔バッグを採用した従来の分離器に対していくつかの利点を有する。バッグの孔部には、使用中に塵埃が迅速に詰まる。これは、掃除機ヘッドで達成する吸引を低減する。さらに、バッグは、通常、一杯になると交換しなければならず、いつバッグが一杯になったかを判断することは、常に容易ではない。本明細書で説明した塵埃分離器を用いると、ディスク40の回転は、有孔領域46にある穴部47にはほぼ塵埃がないままであることを保証する。その結果、使用中に観測される吸引の著しい低減がない。また、塵埃分離器10は、容器20の底壁部32を開放することによって空にされ得、そのため、交換型バッグの必要性を回避する。さらに、容器20の側壁部31に透光性材料を採用することによって、ユーザは、いつ塵埃分離器10が一杯になって空にする必要があるか比較的容易に判断できる。有孔バッグの上記欠点は、周知であり、サイクロン式分離を採用した分離器によって同等に良好に解決される。しかしながら、本明細書で説明した塵埃分離器10は、サイクロン式分離器に対する利点を同様に有する。
【0033】
比較的高い分離効率を達成するため、真空掃除機のサイクロン式分離器は、主として、2以上の分離段を備える。第1段は、しばしば、粗い塵埃を除去するための、単一の比較的大型のサイクロンチャンバを備え、第2段は、細かい塵埃を除去するための、複数の比較的小型のサイクロンチャンバを備える。その結果、サイクロン式分離器の全体サイズは、比較的大きくなり得る。サイクロン式分離器のさらなる困難性は、高い分離効率を達成するために、分離器が高い流動速度を必要とすることである。さらに、サイクロン式分離器を通って移動する流体は、しばしば、流体が入口から出口まで進行する際に、比較的長い経路を辿る。経路が長く速度が速い結果として、高い空力的損失を引き起こす。その結果、サイクロン式分離器に関連する圧力損失は、高くなり得る。本明細書で説明した塵埃分離器を用いると、より小型な態様で比較的高い分離効率を達成し得る。特に、塵埃分離器は、単一のチャンバを有する単一の段を備える。さらに、分離は、回転ディスク40が塵埃含有流体に付与した角度方向モーメントの結果として初期的に発生する。その結果、比較的低い流体速度で比較的高い分離効率を達成し得る。また、塵埃分離器10の入口37から出口38まで移動する際に流体がとる経路は、比較的短い。流体速度が低く経路が短い結果として、空力的損失は、小さくなる。その結果、同じ分離効率に関して、塵埃分離器10にわたる圧力降下は、サイクロン式分離器にわたる圧力降下よりも小さい。したがって、真空掃除機1は、より強力でない真空モータを用いて、サイクロン式真空掃除機の清掃性能と同じ清掃性能を達成できる。真空モータ12の電力消費の減少が真空掃除機1の実行時間を増加させるために使用されるので、これは、真空掃除機1にバッテリで電力供給する場合に、特に重要である。
【0034】
真空掃除機の塵埃分離器内に回転ディスクを設けることは、公知である。例えば、独国特許第19637431号明細書及び米国特許第4382804号明細書それぞれは、回転ディスクを有する塵埃分離器を記載している。しかしながら、塵埃分離器が流体から塵埃を分離するためにサイクロンチャンバを有しなければならないという既存の先入観がある。ディスクは、流体がサイクロンチャンバから出る際に流体から残存塵埃を取り除くための補助フィルタとしてのみ使用される。サイクロンチャンバに入る大量の塵埃から回転ディスクを保護しなければならないというさらなる先入観がある。したがって、塵埃含有流体は、ディスクとの直接衝突を避ける態様でサイクロンチャンバ内に導入される。
【0035】
本明細書で説明した塵埃分離器は、サイクロンチャンバを必要とすることなく回転ディスクを用いて塵埃分離を達成し得るという発見を利用している。塵埃分離器は、塵埃含有流体をディスクに直接向かう方向でチャンバ内に導入することによって、効率的な塵埃分離を達成し得るという発見を利用している。塵埃含有流体をディスクに方向付けることによって、塵埃は、回転ディスクと接触すると比較的高い力を受ける。流体内の塵埃は、径方向外方へ放り出される一方、流体は、ディスクにある穴部を軸方向で通過する。その結果、サイクロン流動を必要とせずに効率的な塵埃分離を達成する。
【0036】
塵埃分離器10の分離効率及び塵埃分離器10にわたる圧力降下は、ディスク40にある穴部47のサイズの影響を受けやすい。所定の既知の全開口面積に関して、塵埃分離器10の分離効率は、穴サイズが減少するにしたがって増加する。しかしながら、塵埃分離器10にわたる圧力降下は、同様に、穴サイズが減少するにしたがって増加する。分離効率及び圧力降下は、同様に、ディスク40の全開口面積の影響を受けやすい。特に、全開口面積が増加するにしたがって、ディスク40を通って移動する流体の軸方向速度は、減少する。その結果、分離効率は、増加し、圧力降下は、減少する。したがって、大きい全開口面積を有することは、有利である。しかしながら、ディスク40の全開口面積を増加させることは、困難性を伴わない訳ではない。例えば、すでに留意したように、全開口面積を増加させるために穴のサイズを増加させることは、実際に、分離効率を低減させ得る。代替例として、全開口面積は、有孔領域46のサイズを増加させることによって増加され得る。これは、ディスク40のサイズを増加させることによって、または、無孔領域45のサイズを減少させることによって、達成され得る。例えば、ディスク40の外周部と頂壁部30との間には接触シールが形成されているので、大径のディスク40を駆動させるためにより多くの電力が必要になる。さらに、大径の回転ディスク40は、チャンバ36内により多くの撹拌を発生させ得る。その結果、チャンバ36内に既に収集されている塵埃を再び取り込むことは、増加し、そのため、分離効率への実際の純減少があり得る。他方、無孔領域45の直径を減少させた場合、以下で詳述する理由のため、ディスク40を通って移動する流体の軸方向速度は、実際に増加する。ディスク40の全開口面積を増加させる別の方法は、穴部47間のランドを減少させることである。しかしながら、ランドを減少させることは、それ自体の困難性を有する。例えば、ディスク40の剛性は、減少しやすくなり、有孔領域46は、より脆弱になりやすく、ひいては損傷をより受けやすくなる。したがって、ディスク40の設計には考慮する多くの要因がある。
【0037】
ディスク40は、有孔領域46によって囲まれた中央の無孔領域45を備える。中央の無孔領域45を設けることは、以下で説明するいくつかの利点を有する。
【0038】
ディスク40の剛性は、ディスク40と容器20の頂壁部30との間の有効な接触シールを達成する際に重要であり得る。無孔性の中央領域45を有することにより、ディスク40の剛性を増加させる。その結果、薄いディスクを採用し得る。これは、ディスク40をより適時にかつコスト効率の良い態様で製造し得るという利益を有する。さらに、特定の製造方法(例えば化学的エッチング)に関して、ディスク40の厚さは、穴部47の及びランドについての最小可能寸法を規定し得る。したがって、薄いディスクは、比較的小さい穴部及び/またはランドの寸法を有するディスクを製造するためにこのような方法を使用し得るという利益を有する。その上、ディスク40のコスト及び/または重量は、ディスク40を駆動させるのに必要な機械力と共に、低減され得る。結果として、より強力でなくかつ小型であり得るかつ安価なモータ41を使用してディスク40を駆動し得る。
【0039】
中央の無孔領域45を有することにより、チャンバ36に入る塵埃含有流体は、軸方向から径方向へ方向変更させられる。塵埃含有流体は、ディスク40の表面上を外方へ移動する。これは、少なくとも2つの利益を有する。第1に、塵埃含有流体が有孔領域46上を移動する際、流体は、ディスク40にある穴部47を通過するために、比較的大きな角度(約90°)で方向変更する必要がある。その結果、流体が運ぶ塵埃であって方向変更に適合して穴部を軸方向に通過できる塵埃がより少なくなる。第2に、塵埃含有流体がディスク40の表面上を移動する際に、塵埃含有流体は、有孔領域46を擦ることを助ける。結果として、穴部47に捕捉され始め得る塵埃は、流体によって押し流される。
【0040】
ディスク40の接線方向速度は、ディスク40の周辺から中央に向けて減少する。その結果、ディスク40が塵埃含有流体に付与した接線方向力は、周辺から中央に向けて減少する。ディスク40の中央領域45に穿孔されていると、ディスク40を通過しそうな塵埃は、より多くなる。中央の無孔領域45を有することによって、穴部47は、ディスク40のうち接線方向速度ひいては塵埃に付与される接線方向力が比較的高い領域に設けられる。
【0041】
チャンバ36内に導入された塵埃含有流体が軸方向から径方向へ方向変更すると、比較的重い塵埃は、軸方向で進行し続け、ディスク40に衝突する。ディスク40の中央領域45が穿孔されていると、ディスク40に衝突する比較的硬い物体は、穴部47間のランドを穴開けし得るまたは損傷し得る。穿孔されていない中央領域45を有することによって、ディスク40を損傷させる危険性を低減する。
【0042】
無孔領域45の直径は、入口37の直径よりも大きい。その結果、流体が運ぶ硬い物体は、有孔領域46に衝突してディスク40を損傷させにくい。また、塵埃含有流体は、チャンバ36に入る際に軸方向から径方向へ方向変更することが良好に促される。入口37とディスク40との間の分離距離は、これら利益を達成する際の重要な部分を果たす。入口37とディスク40との間の分離距離が大きくなるにしたがって、ディスク40の有孔領域46における塵埃含有流体の速さの接線方向成分は、減少しやすい。その結果、ディスク40にある穴部47を通って運ばれる塵埃は、より多くなりやすい。さらに、分離距離が増加するにしたがって、流体が運ぶ硬い物体は、有孔領域46に衝突してディスク40をより損傷させやすい。したがって、比較的小さい分離距離が望ましい。しかしながら、分離距離が小さすぎる場合、分離距離よりも大きい塵埃は、入口ダクト21とディスク40との間を通過できず、したがって、捕捉され始める。流体が運ぶ塵埃のサイズは、とりわけ、入口ダクト21の直径に制限される。特に、塵埃のサイズは、入口ダクト21の直径よりも大きくなりにくい。したがって、入口37の直径以下の分離距離を採用することによって、上記利益を達成し得る一方、塵埃が入口ダクト21とディスク40との間を通過するのに十分な空間を提供する。
【0043】
選択する分離距離にかかわらず、ディスク40の無孔領域45は、利点を提供し続ける。特に、無孔領域45は、ディスク40にある穴部47がディスク40によって塵埃に付与された接線方向力が比較的高い領域に設けることを保証する。また、分離距離が増加するにしたがって塵埃含有流体がより分散する経路を辿るが、比較的重い物体は、依然として、チャンバ36に入ると比較的直線状の経路に沿い続けやすい。したがって、中央の無孔領域45は、可能性のある損傷からディスク40を保護し続ける。
【0044】
利点にもかかわらず、無孔領域45の直径は、入口37の直径よりも大きい必要はない。無孔領域45のサイズを減少させることにより、有孔領域46のサイズ、ひいてはディスク40の全開口面積を増加させ得る。その結果、塵埃分離器10にわたる圧力降下は、減少しやすい。また、有孔領域46を通って移動する塵埃含有流体の軸方向速度を観測し得る。しかしながら、無孔領域45のサイズが減少するにしたがって、有孔領域46に遭遇する前にチャンバ36に入る流体がもはや軸方向から径方向へ方向変更させられない点に至る。したがって、方向変更角度がより小さいことに起因した軸方向速度の増加によって開口面積がより大きいことに起因した軸方向速度の減少をずらす点に至る。
【0045】
あるいは、ディスク40の中央領域45は、穿孔され得る。上述した利点の大部分を喪失するが、それにもかかわらず、完全に穿孔されたディスク40を有することに利点があり得る。例えば、ディスク40を製造するのに簡素かつ/または安価であり得る。特に、ディスク40は、連続的な有孔シートから切断され得る。中央領域45を穿孔していても、ディスク40は、ディスク40の中央において力がより小さいにもかかわらず、チャンバ36に入る塵埃含有流体に接線方向力を付与し続ける。したがって、ディスク40は、分離効率が低減しているにも関わらず、流体から塵埃を分離し続ける。また、ディスク40の中央領域45が穿孔されている場合に、塵埃は、ディスク40が付与した接線方向が比較的小さいことにより、ディスク40のまさに中央にある穴部を塞ぎ得る。まさに中央にある穴部を塞いでいる状態で、ディスク40は、ディスク40の中央が無孔であるようにふるまう。あるいは、中央領域45は、穿孔され得るが、周囲にある有孔領域46の開口面積より小さい開口面積を有し得る。さらに、中央領域45の開口面積は、ディスク40の中央から径方向外方へ移動するにつれて増加し得る。これは、ディスク40の接線方向速度が増加するにしたがって、中央領域45の開口面積が増加するという利益を有する。
【0046】
入口ダクト21は、ディスク40の回転軸48と一致する軸に沿って延在する。その結果、チャンバ36に入る塵埃含有流体は、ディスク40の中央に方向付けられる。これは、塵埃含有流体がディスク40の表面にわたって均一に分布するという利点を有する。対照的に、入口ダクト21がディスク40の中央からずらして方向付けられている場合には、流体は、不均一に分布する。この点を例示するため、
図8は、ディスクの周縁部においてディスクが塵埃含有流体に付与する接線方向力であって、(a)入口ダクトがディスク40の中央に方向付けられている接線方向力、及び(b)入口ダクトが中央からずらして方向付けられている接線方向力、を示す。
図8(b)に示す例において、ディスク40の下半分では、塵埃含有流体が非常に少ない。ディスク40にわたる流体のこの不均一な分布は、1以上の逆効果を有する可能性がある。例えば、ディスク40を通る流体の軸方向速度は、塵埃含有流体に最も大きくさらされるこれら領域において増加しやすい。その結果、塵埃分離器10の分離効率は、減少しやすい。また、塵埃分離器10のディスク40が分離した塵埃は、容器20内に不均一に集まり得る。その結果、塵埃分離器10の容量を損ない得る。容器20内に既に収集されている塵埃50を再び取り込むことも増加し得、分離効率のさらなる低減を招く。塵埃流体を中央からずらして方向付けることのさらなる欠点は、ディスク40が不均一な構造的負荷を受けること、である。結果として生じる不均一性は、容器20の頂壁部30とのシール不良を招き得、真空掃除機1内にあるディスク組立体22を支持するために使用される軸受の寿命を低減し得る。
【0047】
入口ダクト21は、底壁部32に取り付けられ得、一体的に形成され得る。したがって、入口ダクト21は、底壁部32によってチャンバ内に支持されている。あるいは、入口ダクト21は、入口ダクト21と側壁部31との間で径方向に延在する1以上の支柱を用いて、容器20の側壁部31によって支持され得る。この構成は、底壁部32が入口ダクト21を動かすことなく開閉自在であるという利点を有する。その結果、塵埃容量がより大きい背の高い容器20を採用し得る。しかしながら、この構成の欠点は、入口ダクト21を支持するために使用されている支柱が底壁部32を開放させたときにチャンバ36から塵埃が落下することを阻害しやすいこと、であり、このため、容器20を空にすることがより困難になる。
【0048】
入口ダクト21は、チャンバ36内を直線的に延在する。これは、塵埃含有流体が直線状経路に沿って入口ダクト21を通って移動するという利点を有する。しかしながら、この構成には、困難性がない訳ではない。底壁部32は、開閉するように構成されており、ヒンジ33及びキャッチ34を用いて側壁部31に取り付けられている。したがって、掃除機ヘッド4を操縦するためにユーザが手持式ユニット2に力(例えば掃除機ヘッド4を前後に操縦するための押引力、掃除機ヘッド4を左右に舵切するための捻転力、または、掃除機ヘッド4を床から離して上昇させるための上昇力)をかけると、力は、ヒンジ33及びキャッチ34を介して掃除機ヘッド4に伝達される。したがって、ヒンジ33及びキャッチ34は、必要な力に耐えるために設計されなければならない。別の構成として、底壁部32は、側壁部31に固定され得、側壁部31は、頂壁部30に取り外し可能に取り付けられ得る。容器20は、側壁部31及び底壁部32を頂壁部30から取り外して反転させることによって、空にされる。ヒンジ及びキャッチを必要な力に耐えることができるように設計する必要がない点でこの構成が有利であるが、塵埃分離器10は、空にするのに便利ではなくなる。
【0049】
別の塵埃分離器101を
図9に示す。入口ダクト21の一部は、容器20の側壁部31に沿って延在し、側壁部に取り付けられている、または、側壁部と一体に形成されている。底壁部32は、同様に、ヒンジ33及びキャッチ(図示略)によって側壁部31に取り付けられている。しかしながら、入口ダクト21は、もはや底壁部32を通って延在していない。したがって、底壁部32を開閉位置間で移動させるときに、入口ダクト21の位置を変更しない。これは、ヒンジ及びキャッチを必要な力に耐えることができるように設計する必要なく空にすることが便利であるという利点を有する。しかしながら、
図9から明らかなように、入口ダクト21は、もはや直線的ではない。その結果、入口ダクト21にある曲部に起因した損失が増加し、そのため、塵埃分離器に関連する圧力降下は、増加しやすい。
図9に示す構成の入口ダクト21がもはや直線的ではないが、入口ダクト21の短部分は、ディスク40の回転軸48と一致する軸に沿って延在し続ける。その結果、塵埃含有流体は、ディスク40の中央に方向付けられた軸線方向でチャンバ36に入り続ける。
【0050】
図10は、さらなる塵埃分離器102を示しており、この塵埃分離器では、入口ダクト21が、容器20の側壁部31を通って直線的に延在している。底壁部32は、ヒンジ33を用いて側壁部31に取り付けられており、キャッチ34によって閉塞して保持されている。
図3及び
図9に示す構成において、塵埃分離器10、101のチャンバ36は、本質的に筒状形状であり、チャンバ36の長手方向軸は、ディスクの回転軸48と一致する。ディスク40は、チャンバ36の頂部に向けて位置しており、入口ダクト21は、チャンバ36の底部から上方に延在する。頂部及び底部の基準は、流体から分離された塵埃が好ましくはチャンバ36の底部に集まりチャンバ36の頂部に向かう方向で累進的に充填することを意味する、と理解される。
図10に示す構成を用いて、チャンバ36の形状は、シリンダ状の頂部分と立方体状の底部分との結合体として考えられ得る。ディスク40及び入口ダクト21双方は、チャンバ36の頂部に向けて位置している。入口ダクト21が容器20の側壁部31を通って延在しているので、この構成は、掃除機ヘッド4の操縦に必要な力に耐えることができるヒンジ及びキャッチを必要とすることなく容器20が底壁部32を介して従来のように空にされ得るという利点を有する。また、入口ダクト21が直線的であるので、入口ダクト21に関連する圧力損失は、低減される。この構成は、少なくとも3つのさらなる利点を有する。第1に、塵埃分離器102の塵埃容量は、著しく増加する。第2に、床の上方を清掃するために手持式ユニット2を反転させると、容器20内の塵埃は、ディスク40上に落下しにくくなる。したがって、チャンバ36は、ディスク40の周囲に保護溝部を有する必要がなく、そのため、より大きい全開口面積を有するより大きなディスク40を使用し得る。第3に、容器20の底壁部32は、所定レベル面に載置したときに、手持式ユニット2を支持するために使用され得る。しかしながら、この構成には、欠点がない訳ではない。例えば、大型の容器20は、家具の品物間や機器間のような狭いスペースへのアクセスを妨害し得る。また、チャンバ36の底部は、チャンバ36の頂部から径方向で間隔をあけている。すなわち、チャンバ36の底部は、ディスク40の回転軸48に垂直な方向で、チャンバ36の頂部から間隔をあけている。その結果、ディスク40によって径方向外方へ投げ出された塵埃及び流体は、チャンバ36の底部に収集された塵埃を乱し得る。さらに、チャンバ36内の渦流は、チャンバ36を上下動する傾向がある。結果として、塵埃を再び取り込むことは、増加し得、その結果、分離効率の低減を招く。一方、
図3及び
図9に示す構成において、チャンバ36の底部は、チャンバ36の頂部から軸方向で間隔をあけている。したがって、ディスク40によって径方向外方へ放り出された塵埃及び流体は、チャンバ36の底部に収集されている塵埃を乱しにくい。また、チャンバ36内の渦流は、チャンバ36を上下動するのではなくむしろチャンバ36の周囲を移動する。
【0051】
上述した塵埃分離器10、101、102それぞれにおいて、入口ダクト21の少なくとも端部分(すなわち入口37を有する部分)は、ディスク40の回転軸48と一致する軸に沿って延在する。その結果、塵埃含有流体は、ディスク40の中央に方向付けられた軸方向でチャンバ36に入る。この利点は、上述した。しかしながら、別の構成を有することが望ましい場合もあり得る。例えば、
図11から
図13は、入口ダクト21がディスク40の回転軸48に対して角度付けされた軸に沿って延在する塵埃分離器103を示す。すなわち、入口ダクト21は、回転軸48と非平行な軸に沿って延在する。この構成の結果として、塵埃含有流体は、回転軸48と非平行な方向でチャンバに入る。それにもかかわらず、チャンバ36に入る塵埃含有流体は、ディスク40に方向付けられ続ける。実際には、
図11から
図13に示す塵埃分離器103を用いて、塵埃含有流体は、ディスク40の中央に方向付けられ続ける。この特有の構成は、いくつかの理由で有利であり得る。第1に、真空掃除機1を床清掃のために使用すると、
図1に示すように、手持式ユニット2は、約45°の角度で全体として下方に方向付けられる。その結果として、塵埃は、塵埃分離器内に不均一に集まり得る。特に、塵埃は、好ましくはチャンバ36の一側に沿って集まり得る。
図3に示す塵埃分離器10を用いて、この塵埃の不均一な収集は、塵埃は、一側に沿ってチャンバ36の頂部まで充填することを意味し得、このため、チャンバ36の他側には塵埃が比較的ないことがあるにもかかわらず、チャンバ充填状態を引き起こす。
図12に示すように、
図11から
図13の塵埃分離器103は、利用可能な空間をより良好に使用し得る。その結果として、塵埃分離器10の容量を改善し得る。
図9の塵埃分離器は、同様に、この構成を有しているといえ得る。しかしながら、塵埃分離器101の入口ダクト21は、2つの曲部を有する。対照的に、
図11から
図13の塵埃分離器103の入口ダクト21は、全体的に直線的であり、このため、圧力損失は、小さい。
図11から
図13に示す構成のさらなる利点は、空にすることに関する。
図3に示す構成と同じように、入口ダクト21は、底壁部32に取り付けられており、底壁部と共に移動可能である。
図6に示すように、
図3の塵埃分離器10を垂直に持って底壁部32が開放位置にあると、入口ダクト21は、水平に延在する。対照的に、
図13に示すように、
図11から
図13の塵埃分離器103を垂直に持って底壁部32を開放すると、入口ダクト21は、下方に傾く。その結果、塵埃は、入口ダクト21から外へスライドすることを良好に促される。
【0052】
図11から
図13に示す構成において、チャンバ36に入る塵埃含有流体は、ディスク40の中央に方向付けられ続ける。この構成には利点があるが、それにもかかわらず、塵埃の効率的な分離は、塵埃含有流体を中央からずらして方向付けることによって、達成され得る。さらに、塵埃含有流体を中央からずらして方向付けることが望ましい場合があり得る。例えば、ディスク40の中央領域が穿孔される場合には、塵埃含有流体は、中心からずらして方向付けられ得、それにより、ディスク40のうち接線方向速度が最遅である領域を回避する。その結果、分離効率の純利得を観測し得る。例として、
図14は、チャンバ36に入る塵埃含有流体がディスク40において中央からずらして方向付けられる構成を示す。
図9に示す構成と同様に、入口ダクト21は、容器20の側壁部31と一体的に形成されており、底壁部32は、ヒンジ33及びキャッチ(図示略)によって側壁部31に取り付けられている。底壁部32が開閉位置間で移動すると、入口ダクト21の位置は、一定のままである。これは、掃除機ヘッド4を操縦するのに必要な力に耐えることができるようにヒンジ及びキャッチを設計する必要なく容器20を便利に空にするという利点を有する。さらに、
図9の塵埃分離器101とは対照的に、入口ダクト21は、直線的であり、このため、塵埃含有流体が入口ダクト21を通って移動することに起因する圧力損失は、低減し得る。
【0053】
より一般的な意味において、塵埃含有流体は、流動軸49に沿ってチャンバ36に入るといえ得る。流動軸49は、ディスク40と交差し、それにより、塵埃含有流体は、ディスク40に方向付けられる。これは、塵埃含有流体がチャンバ36に入ったすぐ後にディスク40に衝突するという利益を有する。ディスク40は、塵埃含有流体に接線方向力を付与する。流体は、ディスク40にある穴部47を通して引き込まれる一方で、塵埃のより大きな慣性により、塵埃は、径方向外方へ移動してチャンバ36内に集まる。
図3、
図9、
図10及び
図11に示す構成において、流動軸49は、ディスク40の中央と交差する一方で、
図14に示す構成において、流動軸49は、ディスク40と中央からずれて交差する。ディスク40の中央と交差する流動軸49を有することに利点があるが、それにもかかわらず、塵埃の効率的な分離は、ディスク40と中央からずれて交差する流動軸49を有することによって、達成され得る。
【0054】
上述した構成それぞれにおいて、入口ダクト21は、円状横断面を有し、このため、入口37は、円形状を有する。あるいは、入口ダクト21及び入口37は、代替の形状を有し得る。同様に、ディスク40の形状は、円状である必要はない。しかしながら、ディスク40が回転するので、非円形状のディスクを有することから得られる利点が明確ではない。ディスク40の有孔及び無孔領域45、46は、同様に、様々な形状を有し得る。特に、無孔領域45は、円状である必要もディスク40の中央に位置する必要もない。例えば、入口ダクト21をディスク40において中央からずらして方向付けられる場合、無孔領域45は、環状の形状を取り得る。上記議論において、時々、特有の素子の直径に言及する。その素子が非円形状を有する場合、直径は、素子の最大幅に相当する。例えば、入口37が矩形状または正方形状である場合に、入口37の直径は、入口37の対角線に相当する。あるいは、入口が楕円形状である場合、入口37の直径は、長軸に沿う入口37の幅に相当する。
【0055】
ディスク40は、ステンレス鋼のような金属で形成されており、金属は、プラスチックに対して少なくとも2つの利点を有する。第1に、比較的高い剛性を有する比較的薄いディスクを達成し得る。第2に、比較的硬いディスク40を達成し得、このディスクは、比較的硬いディスク40は、流体が運ぶまたは手持式ユニット2を反転させたときにディスク40上に落下する硬いまたは鋭い物体によって損傷されにくい。それでもやはり、これら利点にもかかわらず、ディスク40は、プラスチックなどの別の材料で形成されることが想定され得る。実際には、プラスチックを使用することは、金属に対する利点を有し得る。例えば、ポリオキシメチレンのようなディスク40を低摩擦プラスチックで形成することにより、容器20の頂壁部30の周囲に設けられた低摩擦材料(例えばPTFE)の環状体を省略し得る。
【0056】
上述した構成において、ディスク組立体22は、電気モータ41のシャフトに直接取り付けられたディスク40を備える。あるいは、ディスク40は、例えば、ギアボックスまたは駆動ドッグを用いて、電気モータに間接的に取り付けられ得る。さらに、ディスク組立体22は、ディスク40を取り付けるキャリアを備え得る。例として、
図15は、キャリア70を有するディスク組立体23を示す。キャリア70は、ディスク40の剛性を増加させるために使用され得る。その結果、薄型のディスク40または大径のかつ/または高い全開口面積のディスク40を使用し得る。キャリア70は、同様に、ディスク組立体23と容器20との間にあるシールを形成するために使用され得る。これに関して、ディスク40と頂壁部30との間の接触シールを上述したが、例えばラビリンスシールまたは流体シールなどの別のタイプのシールを同等に採用し得る。キャリア70は、同様に、全体的に穿孔されたディスクの中央領域を塞ぐために使用され得る。
図15に示す例において、キャリア70は、径方向スポーク73によってリム72に接続された中央ハブ71を備える。流体は、隣接するスポーク73間にある開口部74を介してキャリア70を通って移動する。
【0057】
上述したディスク組立体22、23それぞれは、ディスク40を駆動するための電気モータ41を備える。あるいは、ディスク組立体22、23は、ディスク40を駆動するための別の手段を備え得る。例えば、ディスク40は、真空モータ12によって駆動され得る。この構成は、
図1に示すレイアウトで特に実行可能であり、このレイアウトにおいて、真空モータ12は、ディスク40の回転軸と一致する軸回りで回転する。あるいは、ディスク組立体22、23は、ディスク組立体22、23を通って移動する流体流動によって動力供給されるタービンを備え得る。タービンは、一般に、電気モータよりも安価であるが、タービンの速度、ひいてはディスク40の速度は、タービンを通って移動する流体の流速に依存する。その結果、高い分離効率は、低流速では達成しにくくなり得る。あるいは、塵埃がディスク40にある穴部47に詰まると、ディスク40の開口面積は、減少し、そのため、タービンへの流体流動を制限する。その結果、ディスク40の速度は、減少し、そのため、詰まる可能性は、増加する。ランウェイ効果(runway effect)は、上昇し、この効果において、ディスクが詰まるにしたがってディスク40が増加的に遅くなり始める。さらに、掃除機ヘッド4にある吸引開口部が瞬間的に塞がれる場合に、ディスク40の速度は、著しく減少する。塵埃は、ディスク40上に著しく積み重なる。その後障害を除去すると、塵埃は、タービンが塵埃を放り出すのに十分な速度でディスク40を駆動できない程度までディスク40の開口面積を制限し得る。電気モータは、一般により高価であるが、ディスク40の速度が流速または流体速度の影響を比較的受けにくいという利点を有する。その結果、高い分離効率は、低い流速及び低い流体速度で達成され得る。さらに、ディスク40は、塵埃で詰まりにくい。電気モータを使用するさらなる利点は、電気モータが必要とする電力がより小さいことである。すなわち、所定の流速及びディスク速度に関して、電気モータによって引き出された電力は、タービンを駆動するために真空モータ12によって引き出された追加の電力未満である。
【0058】
このため、塵埃分離器10は、独立型掃除機として使用され得るまたはスティック型掃除機1として使用するために細長い管体3を介して掃除機ヘッド4に取り付けられ得る手持式ユニット2を形成するとして説明された。手持式ユニットにディスク組立体を設けることは、決して直感的ではない。真空掃除機の塵埃分離器内に回転ディスクを設けることが公知ではあるが、流体から塵埃を分離するために塵埃分離器がサイクロンチャンバを有さなければならないといる既存の先入観がある。その結果、塵埃分離器の全体寸法は、比較的大きく、手持式ユニットで使用するのに適していない。本明細書で説明した塵埃分離器を用いて、比較的小型な態様で効率的な分離を達成し得る。その結果、塵埃分離器は、手持式ユニットでの使用に特に良好に適する。
【0059】
手持式ユニットの重量は、明らかに、手持式ユニットの設計において重要な検討材料である。したがって、真空モータに加えて電気モータを有することは、自明な設計選択事項ではない。また、手持式ユニットをバッテリ給電する場合に、電気モータが消費する電力が真空掃除機の駆動時間を短くすると合理的に想定され得る。しかしながら、ディスクを駆動するために電気モータを使用することにより、比較的少量の圧力降下に関して比較的高い分離効率を達成し得る。結果として、従来の手持型掃除機と比較して、より強力ではない真空掃除機を用いて同じ清掃性能を達成し得る。したがって、消費する電力がより小さいより小さい真空モータを用い得る。その結果、重量及び/または電力消費における純減少が可能であり得る。
【0060】
本明細書で説明した塵埃分離器が手持型真空掃除機での使用に特に良好に適しているが、想定されることは、塵埃分離器がアプライト型、キャニスタ型またはロボット型の真空掃除機のような別のタイプの真空掃除機に同等に使用され得ること、である。
【符号の説明】
【0061】
1 真空掃除機,スティック型掃除機、2 手持式ユニット、3 管体、4 掃除機ヘッド、10,101,102,103 塵埃分離器、21 入口ダクト、36 チャンバ、37 入口、38 出口、40 回転ディスク、41 電気モータ、41 モータ、45 無孔領域,中央領域、46 有孔領域,無孔領域、48 回転軸