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特許7007484入眠潜時を決定するためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】入眠潜時を決定するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/16 20060101AFI20220117BHJP
   A61B 5/374 20210101ALI20220117BHJP
【FI】
A61B5/16 130
A61B5/374
A61B5/16 ZDM
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020531759
(86)(22)【出願日】2018-12-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-18
(86)【国際出願番号】 EP2018084071
(87)【国際公開番号】W WO2019115412
(87)【国際公開日】2019-06-20
【審査請求日】2021-01-14
(31)【優先権主張番号】62/597,460
(32)【優先日】2017-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ツォネヴァ,ツヴェトミラ キーロヴァ
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア モリーナ,ゲイリー ネルソン
【審査官】永田 浩司
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-060583(JP,A)
【文献】特開2015-006258(JP,A)
【文献】CONRAD IBER, et al.,The AASM Manualfor the Scoring of Sleepand Associated Events,AASM Manual for Scoring Sleep,2007年,pp.24-25
【文献】Da Woon Jung, et al.,Estimation of Sleep Onset Latency based on the Correlation betweenBlood Pressure and Heart Beat Interval,Proceedings of the IEEE-EMBS International Conference on Biomedical and Health Informatics,2012年,pp.898-901
【文献】Erik K. St. Louis, et al.,Electroencephalography (EEG): An Introductory Text andAtlas of Normal and Abnormal Findings in Adults, Children,and Infants,Electroencephalography,2016年,p.9
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/16
A61B 5/372
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
睡眠セッションについて被検体の入眠潜時を決定するように構成されるシステムであって、当該システムは、
前記睡眠セッション中の前記被検体における脳活動に関連する情報を伝える出力信号を生成するように構成される1つ以上のセンサと、
前記1つ以上のセンサと動作可能に結合される1つ以上のハードウェアプロセッサとを含み、
前記1つ以上のハードウェアプロセッサは、機械読取可能な命令によって、
a)前記出力信号に基づいて、前記被検体の1つ以上の睡眠段階を決定するように構成され、前記1つ以上の睡眠段階は、前記睡眠セッション中の前記被検体における睡眠の存在を示し、
b)前記1つ以上の睡眠段階に基づいて、前記被検体における入眠瞬間を決定するように構成され、前記入眠瞬間は、前記睡眠セッション中の前記被検体における睡眠の開始を示す極めて短い時間を含み、
c)前記被検体について睡眠意図瞬間を決定するように構成され、前記睡眠意図瞬間は、睡眠を開始する前記被検体の意図を示す極めて短い時間を含み、前記睡眠意図瞬間は、
(i)前記出力信号に基づいて、前記被検体における目の瞬きを検出し、前記検出された目の瞬きが所定の期間の間止んでいることに応答して、前記睡眠意図瞬間を決定すること、及び
(ii)前記出力信号に基づいて、目標周波数帯域の脳活動パワーが閾値パワーレベルを突破したかどうかを判断し、突破に応答して前記睡眠意図瞬間を決定すること
によって決定され、且つ
d)前記入眠瞬間及び前記睡眠意図瞬間に基づいて前記入眠潜時を決定するように構成される、
システム。
【請求項2】
前記1つ以上のハードウェアプロセッサは、前記被検体について前記睡眠意図瞬間を決定することが、前記被検体における目の瞬きを検出することを含むように構成され、前記被検体における目の瞬きを検出することは、前記出力信号の電圧について、負のピークへの負のゼロ交差と、その後に続く正のゼロ交差及び正のピークを検出することを含み、ピーク間距離は距離閾値範囲内であり、ピーク間振幅は振幅閾値範囲内である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
睡眠セッションについて被検体の入眠潜時を決定するように構成されるシステムであって、当該システムは、
前記睡眠セッション中の前記被検体における脳活動に関連する情報を伝える出力信号を生成するように構成される1つ以上のセンサと、
前記1つ以上のセンサと動作可能に結合される1つ以上のハードウェアプロセッサとを含み、
前記1つ以上のハードウェアプロセッサは、機械読取可能な命令によって、
a)前記出力信号に基づいて、前記被検体の1つ以上の睡眠段階を決定するように構成され、前記1つ以上の睡眠段階は、前記睡眠セッション中の前記被検体における睡眠の存在を示し、
b)前記1つ以上の睡眠段階に基づいて、前記被検体における入眠瞬間を決定するように構成され、前記入眠瞬間は、前記睡眠セッション中の前記被検体における睡眠の開始を示す極めて短い時間を含み、
c)前記被検体について睡眠意図瞬間を決定するように構成され、前記睡眠意図瞬間は、睡眠を開始する前記被検体の意図を示す極めて短い時間を含み、前記睡眠意図瞬間は、
(i)前記出力信号に基づいて、前記被検体における目の瞬きを検出し、前記検出された目の瞬きが所定の期間の間止んでいることに応答して、前記睡眠意図瞬間を決定すること、又は
(ii)前記出力信号に基づいて、目標周波数帯域の脳活動パワーが閾値パワーレベルを突破したかどうかを判断し、突破に応答して前記睡眠意図瞬間を決定すること、又は
(iii)前記(i)及び前記(ii)の組み合わせ
によって決定され、
d)前記入眠瞬間及び前記睡眠意図瞬間に基づいて前記入眠潜時を決定するように構成され、
前記1つ以上のハードウェアプロセッサは、前記被検体について前記睡眠意図瞬間を決定することが、前記目標周波数帯域の前記脳活動パワーが前記閾値パワーレベルを突破したかどうかを判断することを含むように構成され、
前記パワーは、アルファパワーであり、
前記目標周波数帯域は、8~13Hz周波数帯域であり、
前記閾値パワーレベルは、平均アルファパワーレベルであり、
前記突破は、第2時間エポックの平均アルファパワーが、直前の第1時間エポックの平均アルファパワーに対して所定の量だけ上昇していることに応答して検出される、
システム。
【請求項4】
前記1つ以上のハードウェアプロセッサは、前記被検体における前記入眠瞬間を決定することが、前記被検体が、所定の睡眠段階において所定の時間量を過ごしたかどうか判断し、前記被検体が前記所定の睡眠段階において前記所定の時間量を過ごしたことに応答して、前記入眠瞬間を、前記所定の睡眠段階の前記所定の時間量の開始時間として決定することを含むように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
当該システムは、前記被検体に感覚刺激を与えるように構成される1つ以上の感覚刺激装置を更に含み、前記1つ以上の感覚刺激装置は、前記出力信号及び前記入眠潜時に基づいて、前記睡眠セッション中の前記被検体の睡眠を誘発し、かつ/又は高めるように、前記1つ以上のハードウェアプロセッサによって制御される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
睡眠セッションについて被検体の入眠潜時を決定するように構成されるシステムであって、当該システムは、
前記睡眠セッション中の前記被検体における脳活動に関連する情報を伝える出力信号を生成するように構成される1つ以上のセンサと、
被検体に感覚刺激を提供するように構成される1つ以上の感覚刺激装置であって、前記睡眠セッション中の前記被検体における睡眠を誘導及び/又は強化するように前記出力信号及び前記入眠潜時に基づいて1つ以上のハードウェアプロセッサによって制御される1つ以上の感覚刺激装置と、
前記1つ以上のセンサと動作可能に結合される1つ以上のハードウェアプロセッサとを含み、
前記1つ以上のハードウェアプロセッサは、機械読取可能な命令によって、
a)前記出力信号に基づいて、前記被検体の1つ以上の睡眠段階を決定するように構成され、前記1つ以上の睡眠段階は、前記睡眠セッション中の前記被検体における睡眠の存在を示し、
b)前記1つ以上の睡眠段階に基づいて、前記被検体における入眠瞬間を決定するように構成され、前記入眠瞬間は、前記睡眠セッション中の前記被検体における睡眠の開始を示す極めて短い時間を含み、
c)前記被検体について睡眠意図瞬間を決定するように構成され、前記睡眠意図瞬間は、睡眠を開始する前記被検体の意図を示す極めて短い時間を含み、前記睡眠意図瞬間は、
(i)前記出力信号に基づいて、前記被検体における目の瞬きを検出し、前記検出された目の瞬きが所定の期間の間止んでいることに応答して、前記睡眠意図瞬間を決定すること、又は
(ii)前記出力信号に基づいて、目標周波数帯域の脳活動パワーが閾値パワーレベルを突破したかどうかを判断し、突破に応答して前記睡眠意図瞬間を決定すること、又は
(iii)前記(i)及び前記(ii)の組み合わせ
によって決定され、
d)前記入眠瞬間及び前記睡眠意図瞬間に基づいて前記入眠潜時を決定するように構成され、
前記1つ以上のセンサ、前記1つ以上のハードウェアプロセッサ、及び前記1つ以上の感覚刺激装置のうちの1つ以上は、前記被検体によって装着されるように構成される衣類に含まれ、前記1つ以上のハードウェアプロセッサは、前記被検体に関連付けられるコンピューティングデバイス上に前記入眠潜時の表示を生じさせるよう構成される、
システム。
【請求項7】
決定システムを用いて、睡眠セッションについて被検体の入眠潜時を決定するための方法であって、前記決定システムは、1つ以上のセンサと、1つ以上のハードウェアプロセッサとを含み、当該方法は、
前記1つ以上のセンサにより、前記睡眠セッション中の前記被検体における脳活動に関連する情報を伝える出力信号を生成するステップと、
前記1つ以上のハードウェアプロセッサにより、前記出力信号に基づいて、前記被検体の1つ以上の睡眠段階を決定するステップであって、前記1つ以上の睡眠段階は、前記睡眠セッション中の前記被検体における睡眠の存在を示す、ステップと、
前記1つ以上のハードウェアプロセッサにより、前記1つ以上の睡眠段階に基づいて、前記被検体における入眠瞬間を決定するステップであって、前記入眠瞬間は、前記睡眠セッション中の前記被検体における睡眠の開始を示す極めて短い時間を含む、ステップと、
前記1つ以上のハードウェアプロセッサにより、前記被検体について睡眠意図瞬間を決定するステップであって、前記睡眠意図瞬間は、睡眠を開始する前記被検体の意図を示す極めて短い時間を含み、前記睡眠意図瞬間は、
(i)前記出力信号に基づいて、前記被検体における目の瞬きを検出し、前記検出された目の瞬きが所定の期間の間止んでいることに応答して、前記睡眠意図瞬間を決定すること、及び
(ii)前記出力信号に基づいて、目標周波数帯域の脳活動パワーが閾値パワーレベルを突破したかどうかを判断し、突破に応答して前記睡眠意図瞬間を決定すること
によって決定されるステップと、
前記1つ以上のハードウェアプロセッサにより、前記入眠瞬間及び前記睡眠意図瞬間に基づいて、前記入眠潜時を決定するステップとを含む、
方法。
【請求項8】
前記被検体について前記睡眠意図瞬間を決定するステップは、前記被検体における目の瞬きを検出することを含み、前記被検体における目の瞬きを検出することは、前記出力信号の電圧について、負のピークへの負のゼロ交差と、その後に続く正のゼロ交差及び正のピークを検出することを含み、ピーク間距離は距離閾値範囲内であり、ピーク間振幅は振幅閾値範囲内である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
決定システムを用いて、睡眠セッションについて被検体の入眠潜時を決定するための方法であって、前記決定システムは、1つ以上のセンサと、1つ以上のハードウェアプロセッサとを含み、当該方法は、
前記1つ以上のセンサにより、前記睡眠セッション中の前記被検体における脳活動に関連する情報を伝える出力信号を生成するステップと、
前記1つ以上のハードウェアプロセッサにより、前記出力信号に基づいて、前記被検体の1つ以上の睡眠段階を決定するステップであって、前記1つ以上の睡眠段階は、前記睡眠セッション中の前記被検体における睡眠の存在を示す、ステップと、
前記1つ以上のハードウェアプロセッサにより、前記1つ以上の睡眠段階に基づいて、前記被検体における入眠瞬間を決定するステップであって、前記入眠瞬間は、前記睡眠セッション中の前記被検体における睡眠の開始を示す極めて短い時間を含む、ステップと、
前記1つ以上のハードウェアプロセッサにより、前記被検体について睡眠意図瞬間を決定するステップであって、前記睡眠意図瞬間は、睡眠を開始する前記被検体の意図を示す極めて短い時間を含み、前記睡眠意図瞬間は、
(i)前記出力信号に基づいて、前記被検体における目の瞬きを検出し、前記検出された目の瞬きが所定の期間の間止んでいることに応答して、前記睡眠意図瞬間を決定すること、又は
(ii)前記出力信号に基づいて、目標周波数帯域の脳活動パワーが閾値パワーレベルを突破したかどうかを判断し、突破に応答して前記睡眠意図瞬間を決定すること、又は
(iii)上記(i)及び上記(ii)の組み合わせ
によって決定されるステップと、
前記1つ以上のハードウェアプロセッサにより、前記入眠瞬間及び前記睡眠意図瞬間に基づいて、前記入眠潜時を決定するステップとを含み、
前記被検体について前記睡眠意図瞬間を決定するステップは、前記目標周波数帯域の前記脳活動パワーが前記閾値パワーレベルを突破したかどうかを決定することを含み、
前記パワーは、アルファパワーであり、
前記目標周波数帯域は、8~13Hz周波数帯域であり、
前記閾値パワーレベルは、平均アルファパワーレベルであり、
前記突破は、第2時間エポックの平均アルファパワーが、直前の第1時間エポックの平均アルファパワーに対して所定の量だけ上昇していることに応答して検出される、
法。
【請求項10】
前記被検体における前記入眠瞬間を決定するステップは、前記被検体が、所定の睡眠段階において所定の時間量を過ごしたかどうか判断し、前記被検体が前記所定の睡眠段階において前記所定の時間量を過ごしたことに応答して、前記入眠瞬間を、前記所定の睡眠段階の前記所定の時間量の開始時間として決定することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記システムは、前記被検体に感覚刺激を与えるように構成される1つ以上の感覚刺激装置を更に備え、当該方法は、前記被検体に感覚刺激を与えるために、前記出力信号及び前記入眠潜時に基づいて、前記1つ以上のハードウェアプロセッサにより前記1つ以上の感覚刺激装置を制御するステップを更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
決定システムを用いて、睡眠セッションについて被検体の入眠潜時を決定するための方法であって、前記決定システムは、1つ以上のセンサと、1つ以上のハードウェアプロセッサとを含み、当該方法は、
前記1つ以上のセンサにより、前記睡眠セッション中の前記被検体における脳活動に関連する情報を伝える出力信号を生成するステップと、
前記1つ以上のハードウェアプロセッサにより、前記出力信号に基づいて、前記被検体の1つ以上の睡眠段階を決定するステップであって、前記1つ以上の睡眠段階は、前記睡眠セッション中の前記被検体における睡眠の存在を示す、ステップと、
前記1つ以上のハードウェアプロセッサにより、前記1つ以上の睡眠段階に基づいて、前記被検体における入眠瞬間を決定するステップであって、前記入眠瞬間は、前記睡眠セッション中の前記被検体における睡眠の開始を示す極めて短い時間を含む、ステップと、
前記1つ以上のハードウェアプロセッサにより、前記被検体について睡眠意図瞬間を決定するステップであって、前記睡眠意図瞬間は、睡眠を開始する前記被検体の意図を示す極めて短い時間を含み、前記睡眠意図瞬間は、
(i)前記出力信号に基づいて、前記被検体における目の瞬きを検出し、前記検出された目の瞬きが所定の期間の間止んでいることに応答して、前記睡眠意図瞬間を決定すること、又は
(ii)前記出力信号に基づいて、目標周波数帯域の脳活動パワーが閾値パワーレベルを突破したかどうかを判断し、突破に応答して前記睡眠意図瞬間を決定すること、又は
(iii)上記(i)及び上記(ii)の組み合わせ
によって決定されるステップと、
前記1つ以上のハードウェアプロセッサにより、前記入眠瞬間及び前記睡眠意図瞬間に基づいて、前記入眠潜時を決定するステップと、
前記睡眠セッション中の前記被検体の睡眠を誘発及び/又は強化するように、前記出力信号及び前記入眠潜時に基づいて、前記1つ以上のハードウェアプロセッサにより前記1つ以上の感覚刺激装置を制御するステップとを含み、
前記1つ以上のセンサ、前記1つ以上のハードウェアプロセッサ及び前記1つ以上の感覚刺激装置、のうちの1つ以上は、前記被検体によって装着されるように構成される衣類に含まれ、当該方法は、前記1つ以上のハードウェアプロセッサにより、前記被検体に関連付けられるコンピューティングデバイス上に前記入眠潜時の表示を生じさせるステップを更に含む、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(1.分野)
本開示は、睡眠セッションについて、被検体における入眠潜時を決定するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(2.関連分野の説明)
睡眠モニタリング及び入眠潜時決定システムは、睡眠障害を識別するため又は睡眠療法に関連して頻繁に使用される。典型的なシステムは、被検体が実際に寝るつもりでいるとき及び入眠が始まるときを評価するために、被検体の物理的動きを連続的に測定し、環境光レベルを検出し得る(例えば被検体が照明を消したときを決定する)。しかしながら、そのようなシステムは、例えば被検体の動きの測定、光露出の測定又は他の共通の技術による検出に失敗する可能性がある被検体の意図の変化(例えば起きようと決めることや、携帯電話を操作すること等)に起因して、しばしば入眠潜時を正確に評価し損なう。
【発明の概要】
【0003】
したがって、本開示の1つ以上の態様は、睡眠セッションについて被検体の入眠潜時を決定するように構成されるシステムに関する。システムは、1つ以上のセンサ、1つ以上のハードウェアプロセッサ及び/又は他の構成要素を備える。センサは、睡眠セッション中の被検体における脳活動に関連する情報を伝える出力信号を生成するように構成される。ハードウェアプロセッサは、センサ及び/阿多は他の構成要素と動作可能に結合される。ハードウェアプロセッサは、機械読取可能な命令によって構成される。ハードウェアプロセッサは、出力信号に基づいて、被検体の1つ以上の睡眠段階を決定するように構成される。睡眠段階は、睡眠セッション中の被検体における睡眠の存在を示す。ハードウェアプロセッサは、決定された睡眠段階に基づいて、被検体における入眠瞬間(sleep onset moment)を決定するように構成される。入眠瞬間は、睡眠セッション中の被検体における睡眠の開始を示す極めて短い時間(a moment in time)を備える。ハードウェアプロセッサは、検体について睡眠意図瞬間(sleep intention moment)を決定するように構成される。睡眠意図瞬間は、睡眠を開始する被検体の意図を示す極めて短い時間を備える。睡眠意図瞬間は出力信号に基づいて決定される。一例として、睡眠意図瞬間は:(i)出力信号に基づいて、被検体における目の瞬きを検出し、検出された目の瞬きが所定の期間の間止んでいることに応答して、睡眠意図瞬間を決定すること;又は(ii)出力信号に基づいて、目標周波数帯域の脳活動パワーが閾値パワーレベルを突破したかどうかを判断し、突破に応答して睡眠意図瞬間を決定すること;又は(iii)(i)及び(ii)の組合せ、によって決定される。ハードウェアプロセッサは、入眠瞬間及び睡眠意図瞬間に基づいて入眠潜時を決定するように構成される。
【0004】
本開示の更に別の態様は、決定システムを用いて、睡眠セッションについて被検体の入眠潜時を決定するための方法に関する。システムは、1つ以上のセンサ、1つ以上のハードウェアプロセッサ及び/又は他の構成要素を備える。方法は、センサにより、睡眠セッション中の被検体における脳活動に関連する情報を伝える出力信号を生成するステップを含む。方法は、ハードウェアプロセッサにより、出力信号に基づいて、被検体の1つ以上の睡眠段階を決定するステップを含む。睡眠段階は、睡眠セッション中の被検体における睡眠の存在を示す。方法は、ハードウェアプロセッサにより、決定された睡眠段階に基づいて、被検体における入眠瞬間を決定するステップを含む。入眠瞬間は、睡眠セッション中の被検体における睡眠の開始を示す極めて短い時間を備える。方法は、ハードウェアプロセッサにより、被検体について睡眠意図瞬間を決定するステップを含む。睡眠意図瞬間は、睡眠を開始する被検体の意図を示す極めて短い時間を備える。睡眠意図は、出力信号に基づいて決定される。一例として、睡眠意図瞬間は、(i)出力信号に基づいて、被検体における目の瞬きを検出し、検出された目の瞬きが所定の期間の間止んでいることに応答して、睡眠意図瞬間を決定すること;又は(ii)出力信号に基づいて、目標周波数帯域の脳活動パワーが閾値パワーレベルを突破したかどうかを判断し、突破に応答して睡眠意図瞬間を決定すること;又は(iii)(i)及び(ii)の組合せ、によって決定される。方法は、ハードウェアプロセッサにより、入眠瞬間及び睡眠意図瞬間に基づいて入眠潜時を決定するステップを含む。
【0005】
本開示の更に別の態様は、睡眠セッションについて被検体の入眠潜時を決定するためのシステムに関する。システムは、睡眠セッション中の被検体における脳活動に関連する情報を伝える出力信号を生成するための手段を備える。システムは、出力信号に基づいて、被検体の1つ以上の睡眠段階を決定するための手段を備える。睡眠段階は、睡眠セッション中の被検体における睡眠の存在を示す。システムは、決定された睡眠段階に基づいて、被検体における入眠瞬間を決定するための手段を備える。入眠瞬間は、睡眠セッション中の被検体における睡眠の開始を示す極めて短い時間を備える。システムは、被検体について睡眠意図瞬間を決定するための手段を備える。睡眠意図瞬間は、睡眠を開始する被検体の意図を示す極めて短い時間を備える。睡眠意図瞬間は、出力信号に基づいて決定される。一例として、睡眠意図瞬間は、(i)出力信号に基づいて、被検体における目の瞬きを検出し、検出された目の瞬きが所定の期間の間止んでいることに応答して、睡眠意図瞬間を決定すること;又は(ii)出力信号に基づいて、目標周波数帯域の脳活動パワーが閾値パワーレベルを突破したかどうかを判断し、突破に応答して睡眠意図瞬間を決定すること;又は(iii)(i)及び(ii)の組合せ、によって決定される。システムは、入眠瞬間及び睡眠意図瞬間に基づいて入眠潜時を決定するための手段を備える。
【0006】
本開示のこれら及び他の目的、特徴及び特性、並びに構造の関連する要素の動作方法と機能及び部品の組合せと製造の経済性は、添付の図面に関連して以下の説明及び添付の特許請求の範囲を検討すると、より明らかになるであろう。図面はすべて、本明細書の一部を形成しており、同様の参照番号は、様々な図において対応する部分を示す。しかしながら、図面は、単に例示及び説明の目的のためであり、本開示の限定の定義として意図されていないことは明らかに理解されようy。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】1つ以上の実施形態による、睡眠セッションについて被検体の入眠潜時を決定するよう構成されるシステムの概略図である。
【0008】
図2】1つ以上の実施形態による、被検体の頭皮上の異なる位置のEEG信号を示す図である。
【0009】
図3】1つ以上の実施形態による、被検体の入眠周囲で生じ、システムによって検出される、様々な生理学的イベントを示す図である。
【0010】
図4】1つ以上の実施形態による、システムによる入眠潜時の決定の概略図である。
【0011】
図5】1つ以上の実施形態による、被検体によって装着されるヘッドセットを示す図である。
【0012】
図6】1つ以上の実施形態による、睡眠セッションについて被検体における入眠潜時を決定するための方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書で使用されるとき、「a」、「an」及び「the」という単数形は、文脈が明らかにそうでない場合を除いて複数の参照も含む。本明細書で使用されるとき、「又は」という用語は、文脈が明らかにそうでない場合を除いて「及び/又は」を意味する。本明細書で使用されるとき、2つ以上の部品又は構成要素が「結合される」という記載は、リンクか生じている限り、それらの部品が直接的に又は間接的に、すなわち1つ以上の中間部品又は構成要素を介して接合されるか一緒に動作することを意味するものとする。本明細書で使用されるとき、「直接結合される」は、2つ以上の要素が直接的に互いに接触することを意味する。本明細書で使用されるとき「固定的に結合される」又は「固定される」は、2つの構成要素が、互いに対して一定の方向を維持しながら、一体となって動くように結合されることを意味する。
【0014】
本明細書で使用されるとき、「ユニタリ」という語は、構成要素が単一のピース又はユニットとして作成されることを意味する。すなわち、別個に作成され、その後1つのユニットとして一緒に結合される複数のピースを含む構成要素は、「ユニタリ」構成要素又は本体ではない。本明細書で用いられるとき、2つ以上の部品又は構成要素が互いに「係合する」という記載は、それらの部品が互いに対して、直接又は1つ以上の中間部品又は構成要素を介して力を加えることを意味するものとする。本明細書で用いられるとき、「数」とい用語は、1つ又は1より大きい整数(すなわち複数)を意味するものとする。
【0015】
限定ではないが、例えば上、下、左、右、上方、下方、前、後及びこれらの派生語のような指向性のフレーズは、図面に示されている要素の向きに関連するが、本明細書で明示的に示されていない限り、特許請求の範囲に対して限定するものではない。
【0016】
図1は、睡眠セッションについて、被検体12の入眠潜時を決定するよう構成されるシステム10の概略図である。いくつかの実施形態において、入眠潜時は、睡眠を開始すると決めた後(睡眠意図)、実際に眠りに落ちるまでにかかる時間である。入眠潜時は、完全な覚醒から睡眠への移行が起こるのにかかる時間の長さである。入眠潜時は、しばしば眠気についてのバイオマーカーとして及び不眠症の診断において使用される。入眠潜時は、睡眠効率(例えばベッドにいる合計時間のうちの眠っている時間の割合)及び合計睡眠時間(例えば睡眠の持続時間)の決定の一部でもある。通常の入眠潜時は、20~50歳の間の大人では13分~19分の間であることが多い。これらの数字における顕著な変化は、睡眠障害の指標であることが多い。例えばより長い潜時は、就眠困難に関連付けられる。就眠困難は、眠りに落ちる慢性的な困難性を示す。より短い潜時は、極端な眠気(例えば日中の)に関連付けられ、そのような眠気は、睡眠不足、断眠及び/又はナルコレプシーの結果である可能性がある。
【0017】
臨床睡眠研究及び消費者睡眠評価デバイスは、入眠潜時推定を提供する。以前の入眠潜時推定アプローチ及び/又はシステムは、睡眠意図及び入眠を定義する際の、それらの不一致によって制限される。例えば臨床設定では、睡眠意図は、照明をオフにすることによって課されるが、このイベントは、必ずしも被検体の睡眠意図を反映しない(例えば被検体は単にベッドに横たわって、起きた状態で照明をオフにすることがある)。
【0018】
家環境では、入眠は、長い期間の静止として(例えばアクティグラフィベースの検出方法を使用して)検出されてよく、一方、睡眠意図は、従来技術のシステムにおけるユーザインタフェースを介して行われる入力及び/又は選択を介して、ユーザから明示的に得られることが多い。従来技術のシステムにおける不正確な入眠潜時の推定は、睡眠障害を検出するためのそのようなシステムの診断の正確さを制限し、消費者睡眠モニタリングデバイスのユーザを誤解させる可能性がある。例えば家で睡眠をモニタするように構成された消費者デバイスは、ユーザと臨床医の双方に、経時的な睡眠パラメータの目的推定を得るための機会を提示する。しかしながら、既存のデバイスは、しばしば、存在しない場合に睡眠問題の誤った考えを生み出し、そして、不安や不眠症といった睡眠問題をトリガする。家では、ユーザは、読書やテレビを観ること、あるいは電話を使用することのように、ほとんど動く必要のない様々なベッドタイムアクティビティに関わるので、睡眠意図は推定するのが難しく、それらはすべて、入眠潜時の不正確な推定(例えば長すぎる)となる可能性がある。
【0019】
典型的な睡眠は、周期的(睡眠周期)に生じ、睡眠の回復値(restorative value)に対して異なる寄与を有する睡眠段階によって特徴づけられる。システム10は、睡眠ポリグラフ(PSG)及び/又は他の方法(以下で説明される)を使用して、睡眠段階を識別するように構成される。段階1及び段階2は、シータ(4~8Hz)振動脳活動と、睡眠紡錘波及びKコンプレックスによってそれぞれ特徴づけられる浅い眠りの段階である。段階2及び段階4は、徐波及びデルタ活動(0.5~4Hz)(以下で説明される)によって特徴づけられる深い眠りの段階である。レム(REM)睡眠は、典型的に、入眠の約90分後に生じ、増加した眼球運動、心拍数及び呼吸数によって特徴づけられる。システム10は、睡眠意図が検出された後に検出される最初の睡眠段階の始まりであるように、入眠(SO:sleep onset)を決定するよう構成される。通常の大人の睡眠では、覚醒後の最初の睡眠段階は、ノンレム(NREM)睡眠段階のうちの最も軽いもの(例えば段階1)に一致する。いくつかの実施形態において、入眠は、所定の期間(例えば1分及び/又は他の時間)の間に検出される任意の睡眠段階の始まりであるように決定される。レムによる睡眠の開始が生じる可能性があり、しばしば睡眠障害(例えばナルコレプシー)を示す。システム10は、入眠時間と、被検体12が睡眠を開始(SI:initiate sleep)しようと意図する時間との間の差として、入眠潜時(SOL:sleep onset latency)を決定するよう構成される。これは、以下に示される数式1(式1)によって示される。
SOL=SO-SI (式1)
【0020】
システム10は、脳波図(EEG)及び/又はセンサ出力信号に基づいて決定される他の情報を使用して、入眠潜時を決定する。いくつかの実施形態において、入眠潜時は、EEGパターンを介して睡眠意図及び入眠の検出に基づいて決定される。これらのパターンは、瞬きの消滅、アルファ消滅(alpha extinction)、デルタパワー、紡錘波、並びに/あるいは睡眠意図及び/又は入眠に関連する他の情報を示す。正確な入眠潜時の決定を一貫して提供することにより、臨床の正確性が改善され、消費者製品の信用性が強化される。
【0021】
いくつかの実施形態において、システム10は、刺激装置16、センサ18、プロセッサ20、電子ストレージ22、ユーザインタフェース24、外部リソース26及び/又は他の構成要素のうちの1つ以上を含む。
【0022】
センサ18は、被検体12における脳活動及び/又は他の活動に関連する情報を伝える出力信号を生成するよう構成される。いくつかの実施形態において、脳活動は、睡眠に関連する任意の活動及び/又はシステム10における他の活動を含むか、活動の欠如を含む。例えばセンサ18は、非EEGセンサであってよく、この場合、システム10は、アクティグラフィセンサ、カメラ及び/又は他のセンサ18からの情報及び/又はカメラ情報からの瞬きの消滅に基づいて入眠を検出するよう構成される。これは以下で更に説明される。いくつかの実施形態では、センサ18は、被検体12における徐波活動(SWA:slow wave activity)に関連する情報を伝える出力信号を生成するように構成される。いくつかの実施形態において、被検体12における脳活動及び/又は他の活動に関連する情報は、SWAに関連する情報である。いくつかの実施形態において、センサ18は、睡眠に関連付けられる任意のマーカーに関連する情報を提供することができる、任意のEEGセンサ、アクティグラフィセンサ、心拍数センサ及び/又は任意の他のセンサとすることができる。例えばSWAは、本明細書で説明されるシステムには重要ではない。いくつかの実施形態において、センサ18は、睡眠セッション中に被検体12に提供される刺激に関連する情報を伝える出力信号を生成するよう構成される。
【0023】
いくつかの実施形態では、被検体12の睡眠、SWA及び/又は他の活動を使用して、被検体12の睡眠段階を検出してよい。上記で説明したように、被検体12の睡眠段階は、レム(REM)又はノンレム(NREM)睡眠に関連付けられ得る。被検体12の睡眠段階は、NREM段階N1、段階N2又は段階N3、REM睡眠及び/又は他の睡眠段階のうちの1つ以上であってよい。いくつかの実施形態において、被検体12の睡眠段階は、段階S1、S2、S3又はS4のうちの1つ以上であってよい(例えばS1~S4は、以前の睡眠段階名称に対応し、一方、N1、N2及びN3は最新の名称に対応する)。いくつかの実施形態において、NREM段階2及び/又は段階3(及び/又はS3及び/又はS4)は、徐波(例えば深い)睡眠であり得る。センサ18は、そのようなパラメータを直接的に測定する1つ以上のセンサを含んでよい。例えばセンサ18は、被検体12の頭皮に沿って、被検体12の脳内の電流の流れから生じる電気的活動を検出するよう構成される、脳波図(EEG)電極を含んでよい。センサ18は、間接的に被検体12のSWAに関連する情報を伝える出力信号を生成する1つ以上のセンサを含んでよい。例えば1つ以上のセンサ18は、被検体12の心拍数(例えばセンサ18は、被検体12の胸部に配置され得る心拍数センサ及び/又は被検体12から離れる距離から心拍数を検出するように構成されるカメラを備える心拍数センサであってよく、かつ/又は被検体12の手首上のブレスレットとして構成されるか及び/又は被検体12の別の手足に配置されてよい)、被検体12の動き(例えばセンサ18は、アクティグラフィ信号を使用して睡眠を分析できるように、被検体12の手首及び/又は足首の周囲のブレスレットのようなウェアラブル上で担持される加速度計;例えば被検体12の動きを示す、ベッド及び/又はマットレス上の圧力の変化を検出するように構成される圧力センサ(例えば圧力センサは、ベッド/マットレス/シーツ等の下に配置され得る);及び/又は他の動きセンサ)、被検体12の呼吸及び/又は被検体12の他の特徴に基づいて、出力を生成する心拍数センサを含んでよい。
【0024】
いくつかの実施形態において、センサ18は、EEG電極、眼電図(EOG:electrooculogram)電極、アクティグラフィセンサ、心電図(EKG:electrocardiogram)電極、呼吸センサ、圧力センサ、バイタルサインカメラ、フォトプレスチモグラム(PPG:photoplethysmogram)センサ、機能的近赤外センサ(fNIR:functional near infra-red)、温度センサ、マイクロフォン及び/又は被検体12に与えられる刺激(例えばその量、頻度、強度及び/又は他の特徴)に関連する出力信号を生成するよう構成される他のセンサ、並びに/あるいは他のセンサ、のうちの1つ以上を含んでよい。センサ18は、被検体12に近い単一の位置に図示されているが、これは限定するように意図されていない。センサ18は、複数の位置にあるセンサ、例えば感覚刺激装置16内にある(又はこれと通信する)か、被検体12の衣類と(取り外し可能に)結合されるか、被検体12によって装着されるか(例えばヘッドバンド、リストバンド等として)、被検体12が睡眠している間に被検体12を指すよう配置されるか(例えば被検体12の動きに関連する出力信号を伝えるカメラ)、被検体12が眠っているベッド及び/又は他の家具と結合されるか、かつ/また他の位置に配置されるセンサを含んでよい。いくつかの実施形態において、センサ18は、所定の時間に(例えば間隔で)、実質的に連続して、かつ/又は他の時間に出力信号を生成するよう構成される。
【0025】
プロセッサ20は、システム10における情報処理能力を提供するように構成される。そういうものとして、プロセッサ20は、デジタルプロセッサ、アナログプロセッサ、情報を処理するよう設計されたデジタル回路、情報を処理するよう設計されたアナログ回路、状態マシン及び/又は情報を電子的に処理するための他の機構、のうちの1つ以上を含んでよい。プロセッサ20は、図1では単一のエンティティとして示されているが、これは単に例示の目的のためである。いくつかの実施形態において、プロセッサ20は複数の処理ユニットを含んでよい。これらの処理ユニットは物理的に同じデバイス(例えば感覚刺激装置16、ユーザインタフェース24、外部リソース26の一部であるサーバ等)内に配置されてよく、あるいはプロセッサ20は、協調して動作する複数のデバイスの処理機能を表してもよい。いくつかの実施形態において、プロセッサ20は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、サーバ及び/又は他のコンピューティングデバイスのようなコンピューティングデバイスであってよく、かつ/又はそのようなコンピューティングデバイスに含まれてもよい。そのようなコンピューティングデバイスは、システム10とのユーザインタラクションを促進するように構成されるグラフィカルユーザインタフェースを有する、1つ以上の電子アプリケーションを実行してよい。
【0026】
図1に図示されるように、プロセッサ20は、1つ以上のコンピュータプログラム構成要素を実行するように構成される。コンピュータプログラム構成要素は、例えばプロセッサ20内に符号化されるか、かつ/又は他の方法で具現化される、ソフトウェアプログラム及び/又はアルゴリズムを備えてよい。コンピュータプログラム構成要素は、睡眠段階構成要素30、入眠構成要素32、睡眠意図構成要素34、入眠潜時構成要素36、制御構成要素38及び/又は他の構成要素、のうちの1つ以上を含んでよい。プロセッサ20は、ソフトウェア;ハードウェア;ファームウェア;ソフトウェア、ハードウェア及び/又はファームウェアの何らかの組合せ;並びに/あるいはプロセッサ20における処理能力を構成するための他の機構によって、構成要素30、32、34、36及び/又は38を実行するように構成されてよい。
【0027】
構成要素30、32、34、36及び38は、図1では単一の処理ユニット内に共同設置されているように図示されているが、プロセッサ20が複数の処理ユニットを備える実施形態では、構成要素30、32、34、36及び/又は38のうちの1つ以上が他の構成要素からリモートに配置されてもよいことを認識されたい。構成要素30、32、34、36及び/又は38のうちのいずれかが、説明されるものよりも多くの又は少ない機能を提供してもよいので、以下で説明される異なる構成要素30、32、34、36及び/又は38によって提供される機能の説明は、例示の目的のためであり、限定するように意図されていない。例えば構成要素30、32、34、36及び/又は38のうちの1つ以上が省略されてもよく、その機能の一部又はすべてが、他の構成要素30、32、34、36及び/又は38によって提供されてもよい。別の例として、プロセッサ20は、構成要素30、32、34、36及び/又は38のうちの1つの下に属する機能の一部又はすべてを実行し得る、1つ以上の追加の構成要素を実行するように構成されてもよい。
【0028】
いくつかの実施形態において、睡眠段階構成要素30は、被検体12の睡眠段階を決定するように構成される。睡眠段階は、睡眠の存在、睡眠の深さ及び/又は睡眠セッション中の被検体12の他の特徴を示す。いくつかの実施形態において、睡眠段階構成要素30は、被検体12の睡眠段階を決定することが、被検体12についての1つ以上の脳活動パラメータを決定することを含むように構成される。脳活動パラメータは、出力信号及び/又は他の情報に基づいて決定される。いくつかの実施形態において、脳活動パラメータを決定することは、被検体12の睡眠セッション中にEEGを生成すること及び/又はモニタリングすることを含んでもよい。EEGは、例えばユーザインタフェース24によって表示されてよい。いくつかの実施形態において、睡眠段階構成要素30は、脳活動パラメータが、紡錘波、Kコンプレックスのような特定の睡眠パターン、あるいは睡眠徐波、アルファ波及び/又はEEG信号の他の特徴の頻度、振幅、位相、存在であるか、かつ/又はそれらに関連するように構成される。いくつかの実施形態において、脳活動パラメータは、EEG信号の頻度、振幅及び/又は他の特徴に基づいて決定される。いくつかの実施形態において、決定された脳活動パラメータ及び/又はEEGの特徴は、上述のREM及びNREM睡眠段階に対応する睡眠段階であってよく、かつ/又はそのような睡眠段階を示してよい。
【0029】
例えばNREM睡眠中の典型的なEEG特徴は、睡眠段階N1について、アルファ波(例えば約8~13Hz)からシータ波(例えば約4~7Hz)の遷移;睡眠段階N2について、睡眠紡錘波(例えば約11~16Hz)及び/又はKコンプレックス(例えば睡眠徐波と同様)の存在;睡眠段階N3について、約75uV超のピーク間振幅を有する、睡眠徐波としても知られるデルタ波(例えば約0.5~4Hz)の存在;浅眠及び/又は覚醒の存在及び/又は他の特徴を含む。いくつかの実施形態において、浅眠は、アルファ活動(例えば8~13Hz帯域のEEGパワー)がもはや存在せず、徐波が存在しない、という事実によって特徴づけられてよい。いくつかの実施形態において、SWAは、正である連続値(例えば0.4~4Hz帯域のEEGパワー)である。システム10は、被検体12のSWAを閾値と比較することによって、その不在を検出するように構成されてよい。いくつかの実施形態において、徐波の不在は浅眠を示す。加えて、紡錘波活動(11~16Hz帯域のEEGパワー)が高いことがある。深眠は、デルタ活動(例えば0.5~4Hz帯域のEEGパワー)が支配的であるという事実によって特徴づけられてよい。いくつかの実施形態において、デルタ帯域及びSWAのEEGパワーは、睡眠EEGに関して同じである。いくつかの実施形態において、睡眠段階構成要素30は、刺激によって生じるEEGデルタパワーレベルにおける変化、被検体12におけるマイクロ覚醒(micro arousals)の量、他のEEGパワーレベル及び/又は他のパラメータを決定するように構成される。いくつかの実施形態において、睡眠段階構成要素30は、被検体12における徐波活動のレベルを決定し、徐波イベントを検出し、N1、N2及び/又はN3睡眠を検出し、かつ/又は他の情報を決定するように構成される。いくつかの実施形態において、睡眠段階構成要素30は、例えばSWAを示す0.5~4Hz周波数帯域のEEGパワーを決定し、EEG信号における徐波の密度を定量することによって、睡眠(例えばNREM)のタイプを決定するように構成される。いくつかの実施形態において、例えば徐波がN3期間の全体を通して存在しない可能性はあるが、例えばそのような徐波がN3中に存在する可能性は非常に高い傾向がある。徐波は、例えば(程度はより低いが)N2中に存在してもよい。
【0030】
いくつかの実施形態において、睡眠段階構成要素30は、被検体12の最初の睡眠段階を決定するように構成される。最初の睡眠段階はしばしばNREM睡眠と一致し、NREM睡眠は、アルファ、ベータ(又は双方)のパワーが所定の閾値未満であるかどうかをテストすることによって検出することができる。異常睡眠の場合には、最初の睡眠段階は、REM睡眠と一致する可能性があり、REM睡眠は、シータ/アルファ比が所定の閾値を超えることをテストすることによって検出することができる。閾値ベースの検出は、睡眠を検出するための多くの可能なストラテジのうちの1つである。より洗練された(例えばニューラルネットワーク、非線形サポートベクトルマシン)機械学習アルゴリズムを、睡眠の段階分け及び/又は他の目的のために使用することができることにも留意されたい。
【0031】
いくつかの実施形態において、睡眠段階構成要素30は、所定の時間(例えば間隔)、実質的に連続的に及び/又は他の時間に、睡眠段階、上述の睡眠及び/又は脳活動パラメータ、並びに/あるいは他のパラメータを決定するように構成される。いくつかの実施形態において、脳活動パラメータは、EEG信号、心電図(ECG)信号、アクティグラフィ信号、体温振動、電気皮膚反応(GSR)信号及び/又は脳に関連する他の情報、被検体12の中枢及び/又は末梢神経系、並びに/あるいは被検体12の他の生命システムに基づいて決定されてよい。
【0032】
いくつかの実施形態において、睡眠段階構成要素30は、被検体12が眠っている間及び/又は睡眠セッションの前又は後に、睡眠段階(例えばN1、N2、N3)を決定するように構成される。睡眠段階構成要素30は、センサ18からの出力信号、上述のように決定されるパラメータ及び/又は他の情報に基づいて睡眠段階を識別するように構成される。例えば睡眠段階構成要素30は、被検体12におけるSWAに基づいて、睡眠段階構成要素30によって生成されるヒプノグラム及び/又は他の情報に基づいて睡眠段階を識別してよい。
【0033】
入眠構成要素32は、被検体12の入眠瞬間を決定するように構成される。入眠瞬間は、睡眠セッション中に被検体12における睡眠の開始を示す極めて短い時間を含む。いくつかの実施形態において、入眠瞬間は、所定の時間(例えば30秒であるが、これは限定するように意図されない)よりも長く続く睡眠の最初のエピソード(例えば段階1、段階2等)の始まりである。入眠構成要素32は、センサ18からの出力信号内の情報、睡眠段階構成要素30によって決定された情報及び/又は他の情報に基づいて、入眠瞬間を決定するように構成される。例えばいくつかの実施形態において、入眠構成要素32は、睡眠段階構成要素30によって生成されたヒプノグラム及び/又は他の情報に基づいて入眠瞬間を決定するように構成される。いくつかの実施形態において、被検体12における入眠瞬間を決定することは、被検体12が、所定の睡眠段階において所定の時間量を過ごしたかどうかを判断することと、被検体12が所定の睡眠段階において所定の時間量を過ごしたことに応答して、入眠瞬間を、所定の睡眠段階における所定の時間量の開始時間として決定することとを含む。例えば入眠構成要素32は、ヒプノグラム内の実質的水平線を、被検体12が特定の睡眠段階にあるという指示として識別してよい。水平線の長さは、被検体12がその睡眠段階において過ごした時間量を示してよい。
【0034】
睡眠意図構成要素34は、被検体12の睡眠意図瞬間を決定するように構成される。睡眠意図瞬間は、睡眠を開始する被検体の意図を示す極めて短い時間を含む。いくつかの実施形態において、睡眠意図瞬間は、被検体12が、睡眠に入ることを意図して自身の目を閉じる瞬間である。いくつかの実施形態において、睡眠意図瞬間は、所定の期間(例えば30秒であるが、これは限定するよう意図されていない)の最初の連続的エポックの終わりであり、被検体の目は、入眠の前に閉じられている。睡眠意図構成要素34は、センサ18からの出力信号内の情報、睡眠段階構成要素30によって決定された情報及び/又は他の情報に基づいて、睡眠意図瞬間を決定するように構成される。システム10は、被検体12の目に関連する脳活動が、出力信号内の情報(例えばEEG内の及び/又はセンサ18からの出力信号内の情報内の他の情報又は該出力信号内の情報に基づいて決定される他の情報)内で示されるか、かつ/又はそのような情報に基づいて(例えば睡眠段階構成要素30及び/又は睡眠意図構成要素34によって)決定されるように構成される。例えば上昇したアルファパワーは、刺激の欠如及び視覚的処理に関連する脳領域のアイドリングに関連付けられる。目の瞬きに関連する脳活動のような、この活動の一部は、望まれないアーチファクトと見なされ、従来のシステムではセンサ出力信号からフィルタされる。
【0035】
目の瞬きの存在は、被検体12における覚醒を示す(例えば眠りに入る意図の欠如)。睡眠意図構成要素34は、睡眠意図瞬間が、(i)出力信号に基づいて被検体における目の瞬きを検出し、検出された目の瞬きが所定の時間期間の間止んでいることに応答して、睡眠意図瞬間を決定すること;(ii)出力信号に基づいて、目標周波数帯域における脳活動パワーが、閾値パワーレベルを突破したかどうかを判断し、突破に応答して睡眠意図瞬間を決定すること;(iii)(i)と(ii)の組合せによって及び/又は他の方法によって決定されるように構成される。
【0036】
目の瞬きは、EEG、EOG及び/又は他の信号(例えばセンサ18からの出力信号及び/又はセンサ18からの出力信号内の情報に基づいて決定される信号)内で示される生理学的イベントである。いくつかの実施形態において、被検体12における目の瞬きを検出することは、出力信号の電圧について、負のピークへの負のゼロ交差(negative going zero crossing)と、その後に続く正のゼロ交差(positive going zero crossing)及び正のピークを検出することを含み、ピーク間距離は距離閾値範囲内であり、ピーク間振幅は振幅閾値範囲内である(以下で図2に関連して更に説明される)。いくつかの実施形態において、ピーク間距離の閾値範囲は、約100~500ミリ秒及び/又は他の範囲である。いくつかの実施形態において、ピーク間振幅閾値範囲は、約100又はそれ以上のマイクロボルト及び/又は他の範囲である。いくつかの実施形態において、目の瞬きは、極端な点の傾斜及び位置を知らせる信号の最初の派生(first derivative)を考慮して検出される可能性もある。目の瞬きは、特徴も抽出して検出を最適化する機械学習アルゴリズム(例えばディープニューラルネットワーク)を使用して検出される可能性もある。いくつかの実施形態において、システム10は、目の瞬きが、被検体12の顔に取り付けられたカメラ及び/又はEOG/EMGセンサで検出されるように構成される。いくつかの実施形態において、2つ以上のセンサが被検体12の頭に分布されるとすると、システム10は、目の瞬きが、独立構成要素分析のような線形分解を使用して検出されるように構成される。この手順では、独立構成要素フィルタが、EEGデータ内で利用可能な最大の時間的独立信号を生成するために選択される。瞬きに関連する信号は、主に頭の正面における活性を示す構成要素として識別される。逆変換によって、時系列データに戻ることができ、瞬きが止まる瞬間を識別することができる。
【0037】
いくつかの実施形態において、目標周波数帯域内の脳活動パワーが閾値パワーレベルを突破しているかどうかの判断に関して、パワーはアルファパワーであり、目標周波数帯域は、8~13Hz周波数帯域であり、閾値パワーレベルは、平均アルファパワーレベルであり;突破は、第2時間エポック(epoch of time)の平均アルファパワーが、直前の第1時間エポックの平均アルファパワーに対して所定量だけ上昇していることに応答して検出される。いくつかの実施形態において、アルファリズムは、睡眠意図構成要素34について、脳の最も有力な検出可能リズムである。アルファリズムは、覚醒しているが、目を閉じてリラックス状態にある個体で現れる。いくつかの実施形態において、睡眠意図構成要素34は、例えば約20~100マイクロボルトの間の振幅で約8~13Hzの間のEEG信号(及び/又はセンサ18によって出力されるか、かつ/又はセンサ18からの情報に基づいて決定される他の信号)の振動を検出することに応答して、アルファリズムを検出するように構成される。
【0038】
非限定的な例として、図2は、被検体(例えば被検体12)の頭皮上の16個の異なる位置201(図2では1~16でラベル付けされている)について、(例えば図1に示されるセンサ18からの出力信号内の情報を使用して、かつ/又はその情報に基づいて、睡眠段階構成要素30によって決定される)EEG信号200を図示している。信号200は、各位置からの信号における目の瞬き202とアルファリズム204を示している。例えば位置15のEEG信号200の一部分の拡大されたビューにおいて、信号200は、負のピーク214への負のゼロ交差212と、その後に続く正のゼロ交差216及び正のピーク218を含み、ピーク間距離220は距離閾値範囲内であり、ピーク間振幅222は、(例えば図1の睡眠意図構成要素によって決定される)振幅閾値範囲内である。このパターンは、上述の目の瞬きを示す。図2は、例えば約20~100マイクロボルトの間の振幅で約8~13Hzの間のEEG信号の振幅224も示しており、これはアルファリズム204を示す。最終的に、図2は、アーチファクト230によって影響される信号セグメントを示している。
【0039】
図3は、入眠周囲で生じ、システム10(例えば上述の図1)によって検出される、様々な生理学的イベントを示している。図3に示されるように、被検体の睡眠の意図312は、被検体が瞬きをやめるときに明白である。例えば図3は、入眠306の前の数分間304の目の瞬き302の消滅300を示す。目の瞬き302は、図3では、電圧303の検出された変動として示されている。図3に示されるように、目の瞬きに対応する電圧変化の振幅は、典型的に100マイクロボルトよりも高い。(図3の線は、目の瞬きが検出された瞬間を示すことに留意されたい。これは物理的な目の瞬きではない。物理的な目の瞬きを示すマーカー及び/又は表現(例えば縦線)である。)また、アルファ帯域308のパワーは、入眠306周囲で増加する。デルタ帯域310での増加したパワーによって特徴づけられる、より深い睡眠段階も存在する。最終的に、図3は、(例えば上述のように、例えば特定の記録をスコアリングする睡眠専門家によって手動で報告される動きの欠如及び/又は入眠に基づいて)従来技術のシステムによって決定される入眠314と比較した、上述のように(例えば決定された睡眠段階に基づいて)システム10によって決定される入眠306を示している。
【0040】
図1に戻ると、上述のように、睡眠意図構成要素34は、上述のパターンに関連する閾値を使用して、目の瞬き及び/又はアルファ増加を検出するように構成される。例えば目の瞬き検出について、睡眠意図構成要素34は、約100~500ミリ秒の間のピーク間距離及び例えば約100マイクロボルト等の所定の閾値を突破する振幅で、コサイン波(負のゼロ交差、負のピーク、正のゼロ交差、正のピーク)を検出するように構成される。アルファリズム検出について、睡眠意図構成要素34は、約20~100マイクロボルトの間の振幅で、約8~13Hzの間のEEG信号の振動を検出するように構成される。本明細書に記載される例示の閾値及び/又は範囲は限定するように意図されていない。いくつかの実施形態において、睡眠意図構成要素34は、閾値及び/又は閾値に関連する情報が、ユーザインタフェース24及び/又は他のデバイスを介して、被検体12及び/又は他のユーザによって入力及び/又は選択され、被検体12の現在及び/又は以前の睡眠セッションからのセンサ18の出力信号及び/又は他の情報に基づいて決定され、センサ18として使用されるセンサのタイプに基づいて決定され、外部リソース26及び/又は電子ストレージ22内に情報に基づいて決定され、かつ/又は他の方法で決定されるように構成される。
【0041】
例えば個々の閾値が、睡眠意図構成要素34によって、使用されたEEG取得システム及び/又は電極(センサ18)のタイプに基づいて調整されてよい。乾電極は、湿電極と比べて信号振幅における相違を生じさせることがある。いくつかの実施形態において、あるタイプの特定の閾値が調整されてよい。例えば睡眠意図構成要素34は、睡眠意図が検出され、瞬きの完全な停止に応答することの代わりに、目の瞬きの数が所与の時間エポックの最大瞬き許容閾値範囲内であることに応答して、睡眠意図瞬間が決定されるように構成される。別の例として、睡眠意図構成要素34は、睡眠意図が検出され、被検体12の目が開いている間の平均アルファパワーに対する被検体12の目が閉じている間のアルファ周波数帯域の平均パワーの比における変化に応答して(アルファ減衰係数)、睡眠意図瞬間が決定されるように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、アルファ減衰係数は、睡眠意図構成要素34によって決定され、センサ18の出力信号によって伝えられる情報を使用して、2つ以上の連続する時間エポックわたって、被検体12の目が閉じていることを検出するために使用される。いくつかの実施形態において、睡眠意図構成要素34は、アルファ減衰係数が所定の値を超えていることに応答して、アルファ減衰係数を決定するために使用された最新のエポックにおいて被検体12の目が閉じられると決定するように構成される。アルファ減衰係数は、典型的に0.8~3の間の範囲である。睡眠意図構成要素34は、被検体12のアルファ減衰係数が約1.5~1.8の値(これは単なる例である)及び/又は他の値を突破していることに応答して、被検体12の目が閉じられると決定するように構成される。この例示の値は限定するように意図されておらず、センサのタイプ、EEG(システム)のタイプ及び/又はシステム10の他の特徴に依存してよい。
【0042】
いくつかの実施形態において、睡眠意図構成要素34は、機械学習アルゴリズムを使用して、被検体12の目が開いている時間と、被検体12の目が閉じている時間との間を区別するように構成される1つ以上の分類子を作成するように構成される。いくつかの実施形態において、分類子は、上述のイベントの例を含むトレーニングセットに基づいて、新たなエポックがどのクラス(例えば開いた目又は閉じた目)に属するかを識別するために最適化される、(回帰モデル又はニューラルネットワークを通して実装される)数学関数である。いくつかの実施形態において、睡眠意図構成要素34は、分類子が、生の信号に対してトレーニングされ、かつ/又は2つのクラス(例えば開いた目又は閉じた目)を分けるために関連する特徴が抽出されるように構成される。
【0043】
入眠潜時構成要素36は、被検体12について入眠潜時を決定するように構成される。入眠潜時は、入眠瞬間、睡眠意図瞬間及び/又は他の情報に基づいて決定される。いくつかの実施形態において、入眠潜時構成要素36は、上述の数式1を使用して、被検体12についての入眠潜時を決定するように構成される。数式1によると、入眠潜時は、被検体12についての睡眠意図瞬間(例えば被検体12が睡眠を開始することを決めた時間)と、被検体12についての入眠瞬間(被検体12が実際に眠りに落ちる時間)との間の時間差である。
【0044】
図4は、入眠潜時構成要素36(図1)による入眠潜時の決定の概略図である。図4に示されるように、EEGセンサ18は、睡眠セッション中の被検体(例えば図1の被検体12)における脳活動に関連する情報を伝える出力信号400を生成する。1つ以上のハードウェアプロセッサ20は、センサ18に動作可能に結合される。1つ以上のハードウェアプロセッサ20は、睡眠段階構成要素30、入眠構成要素32、睡眠意図構成要素34及び入眠潜時構成要素36を含む。図4は、信号分析器402として一緒に形成される構成要素30~34を含む。信号分析器402(例えば睡眠段階構成要素30)は、出力信号400に基づいて、被検体の睡眠段階404を決定するように構成される。信号分析器402は、決定された睡眠段階404に基づいて、被検体における入眠瞬間406を決定するように構成される。信号分析器402は、被検体について睡眠意図瞬間408を決定するように構成される。睡眠意図瞬間は:出力信号に基づいて、被検体の目の瞬きを検出し410、検出された目の瞬きが所定の時間の間止んでいることに応答して、睡眠意図瞬間を決定すること;又は出力信号に基づいて、目標周波数帯域の脳活動(例えばアルファパワー)が閾値パワーレベルを突破しているかどうかを判断し412、突破に応答して睡眠意図瞬間を決定すること;又は410と412の組合せによって決定される。入眠潜時構成要素36は、入眠瞬間406及び睡眠意図瞬間408に基づいて(例えば上述の数式1に従って)、入眠潜時を決定するように構成される。
【0045】
図1に戻ると、いくつかの実施形態において、制御構成要素38は、睡眠セッション中及び/又は他の時間に被検体12に刺激を与えるように、1つ以上の刺激装置16を制御するように構成される。いくつかの実施形態において、刺激装置16は、所定の治療制度に従って、出力信号、入眠潜時決定及び/又は他の情報に基づいて、刺激を与えるように制御される。睡眠徐波は、NREM睡眠で伝達される刺激(例えば周辺聴覚、磁気、電気及び/又は他)を通して高められる可能性がある。制御構成要素38(及び/又は他のプロセッサ構成要素)は、センサ18の出力信号(例えばEEGに基づいて)、入眠潜時決定及び/又は睡眠セッション中の他の情報に基づいて、被検体12の脳活動をモニタし、刺激装置16による刺激(例えば聴覚及び/又は他の刺激)の伝達を制御し、被検体12におけるSWAを制御する。い及び/くつかの実施形態において、出力信号、入眠潜時決定及び/又は他の情報に基づいて、制御構成要素30(及び/又は以下で説明されるプロセッサ構成要素のうちの1つ以上)が、米国特許出願第14/784,782号(「System and Method for Sleep Session Management Based on Slow Wave Sleep Activity in a Subject」と題する)、第14/783,114号(「System and Method for Enhancing Sleep Slow Wave Activity Based on Cardiac Activity」と題する)、第14/784,746号(「Adjustment of Sensory Stimulation Intensity to Enhance Sleep Slow Wave Activity」と題する)、第15/101,008号(「System and Method for Determining Sleep Stage Based on Sleep Cycle」と題する)及び/又は第15/100,435号(「System and Method for Facilitating Sleep Stage Transitions」と題する)で説明されるものと同様及び/又は同じ1つ以上の動作を実行し、これらはすべて参照によってその全体が個々に組み込まれる。
【0046】
感覚刺激装置16は、非侵襲的脳刺激及び他の方法を通して、睡眠段階間の移行を促進し、特定の段階における睡眠を維持し、かつ/又は他の動作を実行するように構成される。感覚刺激装置16は、聴覚、電気、磁気、視覚、体性感覚及び/又は他の感覚刺激を使用して、非侵襲的脳刺激及び他の方法を通して、睡眠段階間の移行を促進し、特定の段階における睡眠を維持し、かつ/又は他の動作を実行するように構成されてもよい。聴覚、電気、磁気、視覚、体性感覚及び/又は他の感覚刺激は、聴覚刺激、視覚刺激、体性感覚刺激、電気刺激、磁気刺激、異なるタイプの刺激の組合せ及び/又は他の刺激を含んでよい。聴覚、電気、磁気、視覚、体性感覚及び/又は他の感覚刺激は、におい、音、視覚刺激、接触、味覚、体性感覚刺激、触覚、電気、磁気及び/又は他の刺激を含む。例えば被検体12における徐波睡眠を強化するために、音響トーンが被検体12に提供されてよい。感覚刺激装置16の例は、サウンド生成器、スピーカ、音楽プレーヤ、トーン生成器、被検体12の頭皮上の1つ以上の電極、振動刺激を伝えるバイブレータ(例えば圧電部材等)、大脳皮質を直接刺激するために磁場を生成するコイル、1つ以上の光生成器又はランプ、フレグランスディスペンサ及び/又は他のデバイス、のうちの1つ以上を含んでよい。いくつかの実施形態において、感覚刺激装置16は、(例えば本明細書で説明されるように)被検体12に与えられる刺激の強度、タイミング及び/又は他のパラメータを調整するよう構成される。
【0047】
電子ストレージ22は、情報を電子的に記憶する電子記憶媒体を含む。電子ストレージ22の電子記憶媒体は、システム10に一体的(すなわち、実質的に取り外し不可能)に設けられるシステムストレージ及び/又は例えばポート(例えばUSBポート、ファイヤワイヤポート等)を介してシステム10に取り外し可能に接続可能な取り外し可能ストレージのうちの一方又は双方を含んでよい。電子ストレージ22は、光学的に読取可能な記憶媒体(例えば光ディスク等)、磁気的に読取可能な記憶媒体(例えば磁気テープ、磁気ハードドライブ、フロッピードライブ等)、電荷ベースの記憶媒体(例えばEPROM、RAM等)、ソリッドステート記憶媒体(例えばフラッシュドライブ等)、クラウドストレージ及び/又は他の電子的に読取可能な記憶媒体、のうちの1つ以上を含んでよい。電子ストレージ22は、ソフトウェアアルゴリズム、プロセッサ20によって決定される情報、ユーザインタフェース及び/又は外部コンピューティングシステム(例えば外部リソース26)を介して受け取られる情報、並びに/あるいはシステム10が本明細書で説明されるように機能することを可能にする他の情報を記憶してよい。電子ストレージ22は、(全体又は一部として)システム10内の別個の構成要素であってよく、あるいは電子ストレージ22は、(全体又は一部として)システム10の1つ以上の他の構成要素(例えばプロセッサ20)と一体的に設けられてもよい。
【0048】
ユーザインタフェース24は、システム10と被検体12及び/又は他のユーザとの間のインタフェースを提供するよう構成され、該インタフェースを通して、被検体12及び/又は他のユーザは、システム10へ情報を提供し、システム10から情報を受け取ってよい。これは、データ、キュー、結果及び/又は命令、並びに集合的に「情報」と称される任意の他の通信可能なアイテムが、ユーザ(例えば被検体12)と、感覚刺激装置16、センサ18、プロセッサ20及び/又はシステム10の他の構成要素のうちの1つ以上との間で伝達されることを可能にする。例えばEEG、入眠潜時値及び/又は他の情報が、ユーザインタフェース24を介して介護者に表示されてよい。別の例として、ユーザインタフェース24は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ及び/又は他のコンピューティングデバイス等のコンピューティングデバイスであるか、かつ/又はそのようなコンピューティングデバイスに含まれてよい。そのようなコンピューティングデバイスは、ユーザに情報を提供し、かつ/又はユーザから情報を受け取るように構成されるグラフィカルユーザインタフェースを有する、1つ以上の電子アプリケーションを実行し得る。
【0049】
ユーザインタフェース24内に含めるのに適したインタフェースデバイスの例には、キーパッド、ボタン、スイッチ、キーボード、ノブ、レバー、ディスプレイ画面、タッチ画面、スピーカ、マイクロフォン、インジケータライト、可聴アラーム、プリンタ、触覚フィードバックデバイス及び/又は他のインタフェースデバイスが含まれる。いくつかの実施形態において、ユーザインタフェース24は、複数の別個のインタフェースを含む。いくつかの実施形態において、ユーザインタフェース24は、プロセッサ20及び/又はシステム10の他の構成要素と一体的に提供される、少なくとも1つのインタフェースを含む。いくつかの実施形態において、ユーザインタフェース24は、プロセッサ20及び/又はシステム10の他の構成要素と無線で通信するように構成される。
【0050】
ハードワイヤード又は無線のいずれかの他の通信技術も、本開示によりユーザインタフェース24として考慮されることが理解されよう。例えば本開示は、ユーザインタフェース24が、電子ストレージ22によって提供される取り外し可能なストレージインタフェースと一体化され得ることを考慮している。この例では、情報は、ユーザがシステム10の実装をカスタマイズすることを可能にする取り外し可能ストレージ(例えばスマートカード、フラッシュドライブ、取り外し可能ディスク等)からシステム10にロードされてよい。ユーザインタフェース24としてシステム10における使用に適合される例示の入力デバイス及び技術は、これらに限定されないが、RS-232ポート、RFリンク、IRリンク、モデム(電話、ケーブル又は他)を含む。要するに、システム10に情報を伝達するための任意の技術が、本開示によってユーザインタフェース24として考慮される。
【0051】
外部リソース26は、システム10、システム10の外部の1つ以上のサーバ、ネットワーク(例えばインターネット)、電子ストレージ、Wi-Fi技術に関連する機器、Bluetooth(登録商標)に関連する機器、データ入力デバイス、センサ、スキャナ、個々のユーザに関連付けられるコンピューティングデバイス及び/又は他のリソースと通信するか、かつ/又はこれらによって制御されるよう構成される、情報のソース(例えばデータベース、ウェブサイト等)、システム10に参加している外部エンティティ(例えばヘルスケアプロバイダの医療記録システム)、医療及び/又は他の機器(例えばランプ及び/又は他の照明装置、サウンドシステム、オーディオ及び/又はビジュアル記録装置等)を含む。いくつかの実装では、外部リソース26に属する機能性のいくつか又はすべてが、システム10に含まれるリソースによって提供されてよい。外部リソース26は、プロセッサ20、ユーザインタフェース24、センサ18、電子ストレージ22、感覚刺激装置16及び/又はシステム10の他の構成要素と、有線及び/又は無線接続を介して、ネットワーク(例えばローカルエリアネットワーク及び/又はインターネット)を介して、セルラ技術を介して、Wi-Fi技術を介して及び/又は他のリソースを介して通信するように構成されてよい。
【0052】
図1では、感覚刺激装置16、センサ18、プロセッサ20、電子ストレージ22及びユーザインタフェース24は、別個のエンティティとして示されている。これは、限定するように意図されていない。システム10の構成要素のいくつか及び/又はすべて及び/又は他の構成要素が、1つ以上の単数デバイスにグループ化されてよい。例えば図5は、被検体502(例えば図1に示される被検体12)によって装着されるヘッドセット500を図示している。ヘッドセット500は、検知電極504、基準電極505、EEGに関連付けられる1つ以上のデバイス506、聴覚刺激を伝える手段508(例えば有線及び/又は無線オーディオデバイス及び/又は他のデバイス)及び1つ以上のオーディオスピーカ510を含む。オーディオスピーカ510は、被検体502の耳に及び/又はその近くに、かつ/又は他の位置に配置されてよい。基準電極505は、被検体502の後ろに、かつ/又は他の位置に配置されてよい。図5に示される例では、検知電極504は、被検体503の脳活動に関連する情報及び/又は他の情報を伝える出力信号を生成するように構成されてよい。出力信号は、プロセッサ(例えば図1に示されるプロセッサ20)、プロセッサを含んでも含まなくてもよいコンピューティングデバイス(例えばベッドサイドラップトップ)及び/又は他のデバイスに無線及び/又は有線経由で伝えられ得る。音響刺激は、無線オーディオデバイス508及び/又はスピーカ510を介して被検体502に伝達されてよい。検知電極504、基準電極505及びデバイス506は、例えば図1のセンサ18によって表されてよい。無線オーディオデバイス508及びスピーカ510は、例えば図1に示される感覚刺激装置16によって表されてもよい。この例では、コンピューティングデバイス(図5には図示せず)が、プロセッサ20、電子ストレージ22、ユーザインタフェース24及び/又は図1に示されるシステム10の他の構成要素を含んでよい。
【0053】
図6は、決定システムを用いて、睡眠セッションについて被検体の入眠潜時を決定するための方法600を示す。システムは、1つ以上のセンサ、マシン読取可能な命令によって構成される1つ以上のハードウェアプロセッサ及び/又は他の構成要素を含む。ハードウェアプロセッサは、コンピュータプログラム構成要素を実行するよう構成される。コンピュータプログラム構成要素は、睡眠段階構成要素、入眠構成要素、睡眠意図構成要素、入眠潜時構成要素、制御構成要素及び/又は他の構成要素を含む。以下で提示される方法600の動作は例示であるように意図されている。いくつかの実施形態において、方法600は、説明されていない1つ以上の追加の動作を伴って及び/又は議論されている動作の1つ以上を伴わずに成し遂げられてもよい。加えて、方法600の動作が図6で例示され、以下で説明される順序は、限定であるように意図されていない。例えばリアルタイムで動作しているシステムは、睡眠意図(例えば以下で説明される動作608)は、入眠(例えば以下で説明される動作606)の前に検出されてよい。次いで、SOLが、上記の数式1に記載されるようにSOとSIとの間の差として決定されてよく、かつ/又はカウンタ/バッファによって、SOが検出されるまで瞬間SIから蓄積サンプルが検出される。
【0054】
いくつかの実施形態において、方法600は、1つ以上の処理デバイス(例えばデジタルプロセッサ、アナログプロセッサ、情報を処理するよう設計されたデジタル回路、情報を処理するよう設計されたアナログ回路、状態マシン及び/又は電子的に情報を処理するための他の機構)において実施されてよい。処理デバイスは、電子記憶媒体上に電子的に記憶された命令に応答して、方法の動作のいくつか又はすべてを実行する1つ以上のデバイスを含んでよい。処理デバイスは、方法600の動作のうちの1つ以上の実行のために特別に設計されるようハードウェア、ファームウェア及び/又はソフトウェアを通して構成される1つ以上のデバイスを含んでよい。
【0055】
動作602において、被検体における脳活動に関連する情報を伝える出力信号が生成される。いくつかの実施形態において、センサは、脳波図(EEG)センサ及び/又は被検体における徐波活動に関連する情報を伝える出力信号を生成するよう構成される他のセンサを含む。いくつかの実施形態において、センサは、EEG電極、眼電図(EOG)電極、アクティグラフィセンサ、心電図(EKG)電極、呼吸センサ、圧力センサ、バイタルサインセンサ、フォトプレスチモグラム(PPG)センサ又は機能的近赤外センサ(fNIR)のうちの1つ以上を含む。いくつかの実施形態において、動作602は、センサ18(図1に示され、本明細書で説明される)と同一又は類似の1つ以上のセンサによって実行される。
【0056】
動作604において、被検体の睡眠段階が決定される。睡眠段階は、睡眠セッション中の被検体における睡眠の存在を示す。いくつかの実施形態において、動作604は、(図1に示され、本明細書で説明される)睡眠段階構成要素30と同一又は同様のプロセッサ構成要素によって実行される。
【0057】
動作606において、被検体の入眠瞬間が決定される。入眠瞬間は、睡眠セッション中の被検体における睡眠の開始を示す極めて短い時間を備える。いくつかの実施形態において、被検体の入眠瞬間を決定することは、被検体が、所定の睡眠段階において所定の時間量を過ごしたかどうかを判断し、被検体が所定の睡眠段階において所定の時間量を過ごしたことに応答して、入眠瞬間を、所定の睡眠段階における所定の時間量の開始時間として決定することを含む。いくつかの実施形態において、動作606は、(図1に示され、本明細書で説明される)入眠構成要素32と同一又は同様のプロセッサ構成要素によって実行される。
【0058】
動作608において、被検体について、睡眠意図瞬間が決定される。睡眠意図瞬間は、睡眠を開始する被検体の意図を示す極めて短い時間を備える。睡眠意図瞬間は、(i)出力信号に基づいて被検体における目の瞬きを検出し、検出された目の瞬きが所定の時間の間止んでいることに応答して、睡眠意図瞬間を決定すること;又は(ii)出力信号に基づいて、目標周波数帯域における脳活動パラメータが閾値パワーレベルを突破しているかどうかを判断し、突破に応答して睡眠意図瞬間を決定すること;又は(iii)(i)と(ii)の組合せによって決定される。いくつかの実施形態において、被検体における目の瞬きを検出することは、出力信号の電圧について、負のピークへの負のゼロ交差と、その後に続く正のゼロ交差及び正のピークを検出することを含み、ピーク間距離は、距離閾値範囲内であり、ピーク間振幅は、振幅閾値範囲内である。いくつかの実施形態において、目標周波数帯域における脳活動パワーが閾値パワーレベルを突破しているかどうかを判断することに関して、パワーはアルファパワーであり、目標周波数帯域は、8~13Hz周波数帯域であり、閾値パワーレベルは、平均アルファパワーレベルであり、突破は、第2時間エポックの平均アルファパワーが、直前の第1時間エポックについての平均アルファパワーに対して所定の量だけ上昇していることに応答して検出される。いくつかの実施形態において、動作608は、(図1に示され、本明細書で説明される)睡眠意図構成要素34と同一又は類似のプロセッサ構成要素によって実行される。
【0059】
動作610において、被検体について入眠潜時が決定される。入眠潜時は、入眠瞬間及び睡眠意図瞬間に基づいて決定される。いくつかの実施形態において、動作610は、(図1に示され、本明細書で説明される)入眠潜時構成要素36と同一又は類似のプロセッサ構成要素によって実行される。
【0060】
いくつかの実施形態において、システムは、被検体に感覚刺激を与えるように構成される1つ以上の感覚刺激装置を更に備える。これらの実施形態において、方法は、出力信号に基づいて、ハードウェアプロセッサで感覚刺激装置を制御して、睡眠セッション中に被検体における睡眠を誘発し、かつ/又は高めることを更に含む。いくつかの実施形態において、この動作は、(図1に示され、本明細書で説明される)制御構成要素38と同一又は類似のプロセッサ構成要素によって実行される。
【0061】
上記で提供された説明は、現在最も実用的で好ましい実施形態と考えられるものに基づいて、例示の目的のために詳細を提供しているが、そのような詳細は単にその目的のためだけであり、本開示は明示的に開示される実施形態に限定されないが、反対に添付の特許請求の範囲内にある修正及び均等な配置を網羅するように意図されていることが理解されよう。例えば本開示は、可能な範囲で、任意の実施形態の1つ以上の特徴を、任意の他の実施形態の1つ以上の特徴と組み合わせることができることを考慮していることが理解されよう。
【0062】
特許請求の範囲において、括弧内に配置される任意の参照符号は、請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。「備える」又は「含む」という語は、請求項内に列強されるもの以外の要素又はステップの存在を除外しない。いくつかの手段を列挙しているデバイスの請求項において、これらの手段のいくつかが、1つの同じハードウェアアイテムによって具現化されてもよい。要素に先行する「a」又は「an」という語は、そのような要素の複数の存在を除外しない。いくつかの手段を列挙している任意のデバイスの請求項において、これらの手段のいくつかが、1つの同じハードウェアアイテムによって具現化されてもよい。特定の要素が相互に異なる従属請求項に記載されているという単なる事実は、これらの要素を組合せで使用することができないことを示していない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6