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特許7007513工作機械、制御方法、および制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-11
(45)【発行日】2022-01-24
(54)【発明の名称】工作機械、制御方法、および制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   B23Q 11/00 20060101AFI20220117BHJP
   B23Q 17/00 20060101ALI20220117BHJP
   B08B 5/02 20060101ALI20220117BHJP
【FI】
B23Q11/00 Z
B23Q17/00 A
B08B5/02
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021093255
(22)【出願日】2021-06-02
【審査請求日】2021-06-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000146847
【氏名又は名称】DMG森精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100185719
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 悠樹
(74)【代理人】
【識別番号】100170748
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100150072
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 賢司
(72)【発明者】
【氏名】山本 幸佑
(72)【発明者】
【氏名】小菅 正裕
【審査官】中里 翔平
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-055839(JP,A)
【文献】特許第6748327(JP,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2009-0106961(KR,A)
【文献】特開2004-074380(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 11/00 - 11/14
B24B 55/12
B01D 45/00 - 45/18
B08B 1/00 - 1/04
B08B 5/00 - 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを加工することが可能な工作機械であって、
加工エリアを区画形成するためのカバー体を備え前記カバー体には、開口が設けられており、
前記加工エリアにクーラントを吐出するための吐出部と、
前記吐出部が前記加工エリアにクーラントを吐出することにより発生した気中の物質を収集するためのミストコレクタとを備え、前記ミストコレクタは、前記物質を気中から除去するためのフィルタを含み、
前記フィルタに流体を吐出することにより前記フィルタを洗浄するための洗浄部と、
前記開口を覆うように前記カバー体に設けられているドアと、
前記ドアの開閉状態を検知するための開閉センサと、
前記開閉状態が前記ドアの開状態を示す場合に、前記工作機械が前記ワークを加工していない認識するための認識部とを備え、
前記洗浄部は、前記工作機械が前記ワークを加工していない場合に、前記フィルタを洗浄する、工作機械。
【請求項2】
ワークを加工することが可能な工作機械であって、
加工エリアを区画形成するためのカバー体と、
前記加工エリアにクーラントを吐出するための吐出部と、
前記吐出部が前記加工エリアにクーラントを吐出することにより発生した気中の物質を収集するためのミストコレクタとを備え、前記ミストコレクタは、前記物質を気中から除去するためのフィルタを含み、
前記フィルタに流体を吐出することにより前記フィルタを洗浄するための洗浄部と、
工具を装着することが可能な主軸と、
前記主軸の軸方向を回転中心として当該主軸を回転するための回転駆動部と、
前記主軸を移動するための位置駆動部と、
加工プログラムに従って、前記回転駆動部および前記位置駆動部を制御するための制御部とを備え、前記加工プログラムは、設定可能な範囲内の最大速度で前記主軸を移動させるための移動指令を有し、
前記移動指令が実行されている間、前記工作機械が前記ワークを加工していない認識するための認識部を備え、
前記洗浄部は、前記工作機械が前記ワークを加工していない場合に、前記フィルタを洗浄する、工作機械。
【請求項3】
ワークを加工することが可能な工作機械であって、
加工エリアを区画形成するためのカバー体と、
前記加工エリアにクーラントを吐出するための吐出部と、
前記吐出部が前記加工エリアにクーラントを吐出することにより発生した気中の物質を収集するためのミストコレクタとを備え、前記ミストコレクタは、前記物質を気中から除去するためのフィルタを含み、
前記フィルタに流体を吐出することにより前記フィルタを洗浄するための洗浄部と、
工具を装着することが可能な主軸と、
複数の工具を保持するためのマガジンと、
前記複数の工具から選択された一の工具を前記主軸に装着するための工具交換装置と、
前記工具交換装置の動作状態が前記工具交換装置の動作中を示す場合、前記工作機械が前記ワークを加工していない認識するための認識部とを備え、
前記洗浄部は、前記工作機械が前記ワークを加工していない場合に、前記フィルタを洗浄する、工作機械。
【請求項4】
前記洗浄部は、前記工作機械が前記ワークを加工している場合には前記フィルタを洗浄しない、請求項1~3のいずれか1項に記載の工作機械。
【請求項5】
前記洗浄部は、前記フィルタを通過する気流の方向において前記フィルタよりも下流側に配置されている、請求項1~のいずれか1項に記載の工作機械。
【請求項6】
ワークを加工することが可能な工作機械の制御方法であって、
前記工作機械は、
加工エリアを区画形成するためのカバー体を備え前記カバー体には、開口が設けられており、
前記加工エリアにクーラントを吐出するための吐出部と、
前記吐出部が前記加工エリアにクーラントを吐出することにより発生した気中の物質を収集するためのミストコレクタとを備え、前記ミストコレクタは、前記物質を気中から除去するためのフィルタを含み、
前記工作機械は、さらに、前記フィルタに流体を吐出することにより前記フィルタを洗浄するための洗浄部と、
前記開口を覆うように前記カバー体に設けられているドアと、
前記ドアの開閉状態を検知するための開閉センサとを備え、
前記制御方法は、
前記開閉状態が前記ドアの開状態を示す場合に、前記工作機械が前記ワークを加工していない認識するステップと、
前記工作機械が前記ワークを加工していない場合に、前記洗浄部に前記フィルタを洗浄させるステップとを備える、制御方法。
【請求項7】
ワークを加工することが可能な工作機械の制御プログラムであって、
前記工作機械は、
加工エリアを区画形成するためのカバー体を備え前記カバー体には、開口が設けられており、
前記加工エリアにクーラントを吐出するための吐出部と、
前記吐出部が前記加工エリアにクーラントを吐出することにより発生した気中の物質を収集するためのミストコレクタとを備え、前記ミストコレクタは、前記物質を気中から除去するためのフィルタを含み、
前記工作機械は、さらに、前記フィルタに流体を吐出することにより前記フィルタを洗浄するための洗浄部と、
前記開口を覆うように前記カバー体に設けられているドアと、
前記ドアの開閉状態を検知するための開閉センサとを備え、
前記制御プログラムは、前記工作機械に、
前記開閉状態が前記ドアの開状態を示す場合に、前記工作機械が前記ワークを加工していない認識するステップと、
前記工作機械が前記ワークを加工していない場合に、前記洗浄部に前記フィルタを洗浄させるステップとを実行させる、制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、工作機械に備えられるミストコレクタを制御するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
工作機械が工具でワークを加工する際には、熱が発生する。この発熱を抑えるために、工作機械は、クーラントをワークに吐出する。このとき、クーラントが気化し、工作機械内においてミストが発生する。
【0003】
発生したミストは、ミストコレクタによって収集される。これに関し、特許第6836683号公報(特許文献1)は、ミストコレクタを備えた工作機械を開示している。当該ミストコレクタは、工作機械内で発生したミストを捕集するためのフィルタを有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6836683号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ミストコレクタは、工作機械内で発生したミストだけでなく、気中を浮遊するワークの切り屑など様々な微小物質を捕集する。ミストコレクタが気中の微小物質の捕集を続けていると、ミストコレクタ内のフィルタに目詰まりが発生する。この目詰まりを防止するために、フィルタの洗浄機構を有する工作機械が存在する。特許文献1に開示される工作機械は、このような洗浄機構を有するものではない。
【0006】
ワークの加工中には、多量の微小物質が気中に発生する。したがって、ワークの加工中にフィルタの洗浄が行われると、ミストコレクタによる微小物質の吸引効率が低下してしまう。そのため、ミストコレクタによる微小物質の吸引効率の低下を抑制しつつミストコレクタ内のフィルタの目詰まりを防止するための技術が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一例では、ワークを加工することが可能な工作機械は、加工エリアを区画形成するためのカバー体と、上記加工エリアにクーラントを吐出するための吐出部と、上記吐出部が上記加工エリアにクーラントを吐出することにより発生した気中の物質を収集するためのミストコレクタとを備える。上記ミストコレクタは、上記物質を気中から除去するためのフィルタを含む。上記工作機械は、さらに、上記フィルタに流体を吐出することにより上記フィルタを洗浄するための洗浄部と、上記工作機械の動作状態を示す情報に基づいて、上記工作機械が上記ワークを加工していないことを認識するための認識部とを備える。上記洗浄部は、上記工作機械が上記ワークを加工していない場合に、上記フィルタを洗浄する。
【0008】
本開示の一例では、上記洗浄部は、上記工作機械が上記ワークを加工している場合には上記フィルタを洗浄しない。
【0009】
本開示の一例では、上記カバー体には、開口が設けられている。上記工作機械は、上記開口を覆うように上記カバー体に設けられているドアと、上記ドアの開閉状態を検知するための開閉センサとを含む。上記情報は、上記開閉状態を含む。上記認識部は、上記開閉状態が上記ドアの開状態を示す場合に、上記工作機械が上記ワークを加工していないと認識する。
【0010】
本開示の一例では、上記工作機械は、工具を装着することが可能な主軸と、上記主軸の軸方向を回転中心として当該主軸を回転するための回転駆動部と、上記主軸を移動するための位置駆動部と、加工プログラムに従って、上記回転駆動部および上記位置駆動部を制御するための制御部とを備える。上記情報は、上記加工プログラムを含む。上記加工プログラムは、設定可能な範囲内の最大速度で上記主軸を移動させるための移動指令を有する。上記認識部は、上記移動指令が実行されている間、上記工作機械が上記ワークを加工していないと認識する。
【0011】
本開示の一例では、上記工作機械は、さらに、工具を装着することが可能な主軸と、複数の工具を保持するためのマガジンと、上記複数の工具から選択された一の工具を上記主軸に装着するための工具交換装置とを備える。上記情報は、上記工具交換装置の動作状態を含む。上記認識部は、上記動作状態が上記工具交換装置の動作中を示す場合、上記工作機械が上記ワークを加工していないと認識する。
【0012】
本開示の一例では、上記洗浄部は、上記フィルタを通過する気流の方向において上記フィルタよりも下流側に配置されている。
【0013】
本開示の他の例では、ワークを加工することが可能な工作機械の制御方法が提供される。上記工作機械は、加工エリアを区画形成するためのカバー体と、上記加工エリアにクーラントを吐出するための吐出部と、上記吐出部が上記加工エリアにクーラントを吐出することにより発生した気中の物質を収集するためのミストコレクタとを備える。上記ミストコレクタは、上記物質を気中から除去するためのフィルタを含む。上記工作機械は、さらに、上記フィルタに流体を吐出することにより上記フィルタを洗浄するための洗浄部を備える。上記制御方法は、上記工作機械の動作状態を示す情報に基づいて、上記工作機械が上記ワークを加工していないことを認識するステップと、上記工作機械が上記ワークを加工していない場合に、上記洗浄部に上記フィルタを洗浄させるステップとを備える。
【0014】
本開示の他の例では、ワークを加工することが可能な工作機械の制御プログラムが提供される。上記工作機械は、加工エリアを区画形成するためのカバー体と、上記加工エリアにクーラントを吐出するための吐出部と、上記吐出部が上記加工エリアにクーラントを吐出することにより発生した気中の物質を収集するためのミストコレクタとを備える。上記ミストコレクタは、上記物質を気中から除去するためのフィルタを含む。上記工作機械は、さらに、上記フィルタに流体を吐出することにより上記フィルタを洗浄するための洗浄部を備える。上記制御プログラムは、上記工作機械に、上記工作機械の動作状態を示す情報に基づいて、上記工作機械が上記ワークを加工していないことを認識するステップと、上記工作機械が上記ワークを加工していない場合に、上記洗浄部に上記フィルタを洗浄させるステップとを実行させる。
【0015】
本発明の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解される本発明に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】工作機械の外観を示す図である。
図2】工作機械内の様子を表わす図である。
図3図2とは異なる方向から工作機械内の様子を表わす図である。
図4】工作機械における駆動機構の構成例を示す図である。
図5図1に示されるミストコレクタの断面図を示す図である。
図6】工作機械がワークを加工しているときにおける洗浄機構によるクーラントの吐出態様を示す図である。
図7】工作機械がワークを加工していないときにおける洗浄機構によるクーラントの吐出態様を示す図である。
図8】工作機械の機能構成の一例を示す図である。
図9】工作機械内の様子を上から表わした図である。
図10】工作機械を正面から表わした図である。
図11】一例としての加工プログラムを示す図である。
図12】CPU(Central Processing Unit)ユニットのハードウェア構成の一例を示す図である。
図13】CNC(Computer Numerical Control)ユニットのハードウェア構成の一例を示す図である。
図14】工作機械の制御部が実行する処理の一部を表わすフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照しつつ、本発明に従う各実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらについての詳細な説明は繰り返さない。なお、以下で説明される各実施の形態および各変形例は、適宜選択的に組み合わされてもよい。
【0018】
<A.工作機械100の外観>
図1を参照して、実施の形態に従う工作機械100について説明する。図1は、工作機械100の外観を示す図である。
【0019】
本明細書でいう「工作機械」とは、ワークを加工する機能を備えた種々の装置を包含する概念である。本明細書では、工作機械100の一例として、横形のマシニングセンタを例に挙げて説明を行うが、工作機械100は、これに限定されない。たとえば、工作機械100は、縦形のマシニングセンタであってもよい。あるいは、工作機械100は、旋盤であってもよいし、付加加工機であってもよいし、その他の切削機械や研削機械であってもよい。さらに、工作機械100は、これらを複合した複合機であってもよい。
【0020】
図1に示されるように、工作機械100は、ミストコレクタ40と、カバー体130を含む。カバー体130は、スプラッシュガードとも呼ばれ、工作機械100の外観を成すとともに、ワークWの加工エリアAR(図2参照)を区画形成している。
【0021】
また、カバー体130には、ドアDRが設けられている。作業者は、ドアDRを開いた状態で加工対象のワークをカバー体130内に設置する。作業者は、ワークの設置が完了するとドアDRを閉じる。
【0022】
ミストコレクタ40は、たとえば、鉛直方向においてカバー体130よりも高い位置に設けられている。図1の例では、ミストコレクタ40は、カバー体130の天井部分に連結されている。ミストコレクタ40は、カバー体130内の気中の物質(以下、「微小物質」ともいう。)を収集し、カバー体130内の微小物質が工作機械100外に漏れることを防ぐ。ミストコレクタ40によって収集される微小物質は、たとえば、クーラントの排出により発生したミストと、ワークの加工により発生した微小な切り屑と、気中を浮遊するその他の異物などを含む。
【0023】
<B.工作機械100の内部構成>
次に、図2および図3を参照して、工作機械100の内部構成について説明する。図2は、工作機械100内の様子を表わす図である。図3は、図2とは異なる方向から工作機械100内の様子を表わす図である。
【0024】
図2および図3に示されるように、工作機械100は、その内部に、クーラントの吐出部125と、主軸頭131と、工具134と、テーブル136と、回収機構150とを含む。主軸頭131は、主軸132と、ハウジング133とを含む。
【0025】
説明の便宜のために、以下では、主軸132の軸方向を「Z軸方向」とも称する。重力方向を「Y軸方向」とも称する。Y軸方向およびZ軸方向の両方に直交する方向を「X軸方向」と称する。
【0026】
カバー体130の天井には開口135が形成されている。上述のミストコレクタ40は、開口135を覆うように設けられる。これにより、ミストコレクタ40は、加工エリアARから開口135を介して気中の微小物質を収集する。
【0027】
吐出部125は、工作機械100内に設けられ、ワークWの加工により生じた切り屑を回収機構150に排出するためにクーラントを吐出する。吐出部125は、1つ以上の吐出機構で構成されている。図2および図3には、吐出部125の一例として、吐出機構125A,125Bが示されている。
【0028】
吐出機構125Aは、主軸頭131に設けられている。吐出機構125Aは、主軸頭131のハウジング133を通じて主軸132の端面からクーラントを吐出するサイドスルー仕様であってもよいし、主軸頭131の主軸中心を通じて主軸頭131に保持された工具の刃先からクーラントを吐出するセンタースルー仕様であってもよい。吐出機構125Aは、主に、ワークの加工点にクーラントを吐出することにより、主軸132および工具134に付着した切り屑を除去したり、ワークの加工点の発熱を抑えたりする。吐出機構125Aは、X軸方向を回転軸とした回転方向(すなわち、A軸方向)に駆動可能に構成されるとともに、Z軸方向を回転軸とした回転方向(すなわち、C軸方向)に駆動可能に構成される。これにより、吐出機構125Aは、A軸方向およびC軸方向におけるクーラントの吐出方向を変える。
【0029】
吐出機構125Bは、吐出機構125Aよりも上方に設けられている。吐出機構125Bは、たとえば、カバー体130の天井部分に取り付けられる。吐出機構125Bは、主に、カバー体130から加工エリアARの全体にクーラントを吐出する。
【0030】
主軸132は、ハウジング133の内部に設けられている。主軸132には、被加工物であるワークWを加工するための工具が装着される。図2および図3の例では、ワークWのミーリング加工に用いられる工具134が主軸132に装着されている。
【0031】
回収機構150は、ワークWの加工によって生じた切り屑を加工エリアARの外へ排出する。また、回収機構150は、吐出部125から加工エリアARに吐出されたクーラントを回収する。
【0032】
<C.工作機械100の駆動機構>
次に、図4を参照して、工作機械100における各種の駆動機構について説明する。図4は、工作機械100における駆動機構の構成例を示す図である。
【0033】
図4に示されるように、工作機械100は、制御部50と、ポンプ109C,109Mと、ATC(Automatic Train Control)ドライバ111Nと、回転駆動部110Aと、位置駆動部110Bと、モータ112A,112R,112X~112Zと、移動体113と、吐出機構125A,125Bと、主軸頭131と、工具134と、テーブル136と、ATC160(工具自動交換装置)とを含む。
【0034】
本明細書でいう「制御部50」とは、工作機械100を制御する装置を意味する。制御部50の装置構成は、任意である。制御部50は、単体の制御ユニットで構成されてもよいし、複数の制御ユニットで構成されてもよい。図4の例では、制御部50は、PLC(Programmable Logic Controller)としてのCPUユニット20と、CNCユニット30とで構成されている。CPUユニット20およびCNCユニット30は、通信経路B(たとえば、フィールドバスまたはLANケーブルなど)を介して互いに通信を行う。
【0035】
CPUユニット20は、予め設計されているPLCプログラムに従って、工作機械100内の各種ユニットを制御する。当該PLCプログラムは、たとえば、ラダープログラムで記述されている。
【0036】
一例として、CPUユニット20は、PLCプログラムに従ってポンプ109Mを制御する。これにより、CPUユニット20は、洗浄機構90による流体の吐出量のオン/オフ、および洗浄機構90による流体の吐出量などを制御する。当該流体は、たとえば、クーラントまたはエアーである。洗浄機構90は、回転フィルタ56に流体を吐出することにより回転フィルタ56を洗浄する。
【0037】
他の例として、CPUユニット20は、PLCプログラムに従って、ミストコレクタ40内のモータドライバ111Mを制御する。モータドライバ111Mは、モータ112Mの目標回転速度の入力をCPUユニット20から受け、モータ112Mを制御する。これにより、ミストコレクタ40の駆動のオン/オフ、およびミストコレクタ40によるミストの吸引量などが制御される。なお、モータ112Mは、交流モータであってもよいし、ステッピングモータであってもよいし、サーボモータであってもよいし、その他の種類のモータであってもよい。
【0038】
他の例として、CPUユニット20は、PLCプログラムに従って、ポンプ109Cを制御し、吐出部125によるクーラントの吐出を制御する。これにより、クーラントの吐出のオン/オフ、およびクーラントの吐出量などが制御される。
【0039】
CNCユニット30は、CPUユニット20からの加工開始指令を受けたことに基づいて、予め設計されている加工プログラムの実行を開始する。CNCユニット30は、回転駆動部110Aおよび位置駆動部110Bを制御することで主軸頭131を駆動し、ワークを加工する。
【0040】
本明細書でいう「回転駆動部110A」とは、主軸132の軸方向を回転中心として主軸132を回転するための駆動機構のことを言う。回転駆動部110Aの装置構成は、任意である。回転駆動部110Aは、単体の駆動ユニットで構成されてもよいし、複数の駆動ユニットで構成されてもよい。図4の例では、回転駆動部110Aは、モータドライバ111Rで構成されている。
【0041】
本明細書でいう「位置駆動部110B」とは、主軸132の位置を変えるための駆動機構のことを言う。位置駆動部110Bは、X軸方向、Y軸方向およびZ軸方向の少なくとも1つの位置を調整するように構成されればよい。位置駆動部110Bの装置構成は、任意である。位置駆動部110Bは、単体の駆動ユニットで構成されてもよいし、複数の駆動ユニットで構成されてもよい。図4の例では、位置駆動部110Bは、モータドライバ111X~111Zで構成されている。
【0042】
加工プログラムは、たとえば、NC(Numerical Control)プログラムで記述されている。CNCユニット30は、当該加工プログラムに従ってモータドライバ111R,111X~111Zを制御し、テーブル136に固定されているワークWを加工する。
【0043】
モータドライバ111Rは、CNCユニット30から目標回転速度の入力を逐次的に受け、モータ112Rを制御する。モータ112Rは、Z軸方向を中心として主軸132を回転駆動する。モータ112Rは、交流モータであってもよいし、ステッピングモータであってもよいし、サーボモータであってもよいし、その他の種類のモータであってもよい。
【0044】
モータ112Rがサーボモータである場合、モータドライバ111Rは、モータ112Rの回転角度を検知するためのエンコーダ(図示しない)のフィードバック信号からモータ112Rの実回転速度を算出する。そして、モータドライバ111Rは、算出した実回転速度が目標回転速度よりも小さい場合にはモータ112Rの回転速度を上げ、算出した実回転速度が目標回転速度よりも大きい場合にはモータ112Rの回転速度を下げる。このように、モータドライバ111Rは、モータ112Rの回転速度のフィードバックを逐次的に受けながらモータ112Rの回転速度を目標回転速度に近付ける。
【0045】
モータドライバ111Xは、CNCユニット30から目標位置の入力を逐次的に受け、モータ112Xを制御する。モータ112Xは、主軸頭131が取り付けられている移動体113をボールネジ(図示しない)を介して送り駆動し、X方向の任意の位置に主軸132を移動する。モータドライバ111Xによるモータ112Xの制御方法は、モータドライバ111Rと同様であるので、その説明については繰り返さない。なお、モータ112Xは、交流モータであってもよいし、ステッピングモータであってもよいし、サーボモータであってもよいし、その他の種類のモータであってもよい。
【0046】
モータドライバ111Yは、CNCユニット30から目標位置の入力を逐次的に受け、モータ112Yを制御する。モータ112Yは、主軸頭131が取り付けられている移動体113をボールネジ(図示しない)を介して送り駆動し、Y方向の任意の位置に主軸132を移動する。モータドライバ111Yによるモータ112Yの制御方法は、モータドライバ111Rと同様であるので、その説明については繰り返さない。なお、モータ112Yは、交流モータであってもよいし、ステッピングモータであってもよいし、サーボモータであってもよいし、その他の種類のモータであってもよい。
【0047】
モータドライバ111Zは、CNCユニット30から目標位置の入力を逐次的に受け、モータ112Zを制御する。モータ112Zは、主軸頭131が取り付けられている移動体113をボールネジ(図示しない)を介して送り駆動し、Z方向の任意の位置に主軸132を移動する。モータドライバ111Zによるモータ112Zの制御方法は、モータドライバ111Rと同様であるので、その説明については繰り返さない。なお、モータ112Zは、交流モータであってもよいし、ステッピングモータであってもよいし、サーボモータであってもよいし、その他の種類のモータであってもよい。
【0048】
他の例として、CNCユニット30は、加工プログラムに従って、ATCドライバ111Nを制御し、ATC160の送り駆動および回転駆動を制御する。ATC160は、中心軸165と、アーム166とを含む。図4の例では、中心軸165は、Z軸に平行に設けられている。アーム166は、中心軸165の軸方向に直交する一方向に中心軸165から延出している工具把持部166Aと、当該一方向の反対方向に中心軸165から延出している工具把持部166Bとを含む。
【0049】
ATCドライバ111Nは、たとえば、2軸一体型のドライバであり、ATC160に接続される第1,第2モータ(図示しない)の駆動を制御する。より具体的には、ATCドライバ111Nは、第1モータの目標回転速度の入力と、第2モータの目標回転速度の入力とのそれぞれをCNCユニット30から受け、第1,第2モータのそれぞれを制御する。当該第1モータは、ATCドライバ111Nからの出力電流に従ってATC160のアーム166を送り駆動し、Z軸方向の任意の位置にアーム166を駆動する。上記第2モータは、ATCドライバ111Nからの出力電流に従ってATC160のアーム166を回転駆動し、Z軸を中心とした回転方向の任意の回転角度にアーム166を駆動する。
【0050】
ATC160は、工具の交換命令を受けたことに基づいて、マガジン(図示しない)から次使用工具を取得する。その後、ATC160は、使用済工具を主軸132から抜き取るとともに、次使用工具を主軸132に装着する。その後、ATC160は、主軸132から抜き取った使用済工具をマガジンに収納する。
【0051】
<D.ミストコレクタ40の内部構造>
次に、図5を参照して、ミストコレクタ40内の内部構造について説明する。図5は、図1に示されるミストコレクタ40の断面図を示す図である。
【0052】
ミストコレクタ40は、ハウジング52を含む。ハウジング52は、吸気口として機能する開口135を有する。ミストコレクタ40は、加工エリアAR内の気中の微小物質を、開口135を介してハウジング52内に導く。
【0053】
ハウジング52の内部は、第1フィルタリングエリア52Aと、第2フィルタリングエリア52Bとに分けられている。加工エリアARから収集された微小物質は、第1フィルタリングエリア52Aおよび第2フィルタリングエリア52Bを順に通過する。
【0054】
第1フィルタリングエリア52Aは、筒状部分55Aと、筒状部分55Bとで構成されている。筒状部分55Aは、筒状部分55Bと連結している。筒状部分55Aおよび筒状部分55Bは、軸AXを中心軸として同軸上に配置されている。
【0055】
以下では、軸AXの直交方向を「径方向」とも称する。典型的には、径方向における筒状部分55Aの内径は、径方向における筒状部分55Bの内径よりも長い。
【0056】
第1フィルタリングエリア52Aには、シャフト54が収容されている。シャフト54には、回転フィルタ56およびファン57が固定されている。シャフト54は、上述のモータ112Mに接続されており、軸AXを中心として回転可能に構成されている。これにより、シャフト54は、回転軸として機能し、回転フィルタ56およびファン57を連動して回転する。
【0057】
回転フィルタ56は、ハウジング52の筒状部分55Aに収容されている。回転フィルタ56の径方向は、筒状部分55Aの内面と直交している。ここでいう「直交」とは、90度だけでなく、略90度も含み得る概念である。すなわち、回転フィルタ56の径方向と、筒状部分55Aの内面とが成す角度は、90度であってもよいし、略90度(たとえば、85度以上95度以下)であってもよい。
【0058】
ファン57は、ハウジング52の筒状部分55Bに収容されている。ファン57は、回転フィルタ56を通過する気流を発生させるための動翼として機能する。すなわち、ファン57が回転することで、加工エリアAR内の微小物質は、回転フィルタ56に導かれる。回転フィルタ56は、遠心力を利用して衝突した微小物質を径方向に飛ばす。これにより、当該微小物質は、回転フィルタ56に捕集される。回転フィルタ56によって捕集された微小物質は、たとえば、工作機械100内に戻される。
【0059】
また、ハウジング52の筒状部分55Bには、洗浄機構90が収容されている。洗浄機構90は、回転フィルタ56に流体を吐出することにより回転フィルタ56を洗浄するための機構である。洗浄機構90の詳細については後述する。
【0060】
第2フィルタリングエリア52Bには、多層フィルタ70が収容されている。多層フィルタ70は、回転フィルタ56とは異なり不動である。多層フィルタ70は、回転フィルタ56を通過した微小物質を捕集する。
【0061】
以上のように、加工エリアARからミストコレクタ40に吸引された微小物質は、回転フィルタ56、ファン57、多層フィルタ70の順に通過する。これにより、微小物質が除去された空気が排気口72から排気される。
【0062】
<E.回転フィルタ56および洗浄機構90>
次に、図6を参照して、回転フィルタ56および洗浄機構90の位置関係について説明する。図6は、工作機械100がワークを加工しているときにおける洗浄機構90によるクーラントの吐出態様を示す図である。
【0063】
回転フィルタ56は、フィルタ部58と、縁部59で構成されている。フィルタ部58は、縁部59によって保持されている。
【0064】
洗浄機構90は、軸AXの軸方向において、回転フィルタ56と上述のファン57との間に配置されている。異なる言い方をすれば、洗浄機構90は、回転フィルタ56を通過する気流の方向において回転フィルタ56よりも下流側で、かつ、ファン57を通過する気流の方向においてファン57よりも上流側に配置されている。
【0065】
洗浄機構90は、ノズル91を有する。ノズル91は、ミストコレクタ40のハウジング52に固定されている。また、ノズル91は、軸AXの直交方向(すなわち、径方向)に延びている。ノズル91は、ノズル91と回転フィルタ56との間における径方向の距離が一定となるように設けられている。
【0066】
ノズル91は、複数の吐出口93を有する。複数の吐出口93は、径方向に沿って並んでいる。吐出口93は、流体を吐出可能な開口をなしている。吐出口93は、たとえば、円形の開口形状を有する。
【0067】
ノズル91には、工作機械100に併設されたクーラントタンク(図示しない)からクーラントが供給される。ノズル91に供給されたクーラントは、吐出口93を通じて、回転フィルタ56に吐出される。これにより、洗浄機構90は、回転フィルタ56の下流側に付着している微小物質を回転フィルタ56の上流側から除去する。除去された微小物質は、上述の開口135を通じて工作機械100の加工エリアARに戻される。
【0068】
なお、吐出口93を通じて回転フィルタ56に吐出される流体は、クーラントに限られず、たとえば、エアーであってもよい。
【0069】
<F.洗浄処理の概要>
引き続き図6を参照しつつ、図7を参照して、洗浄機構90による洗浄処理の概要について説明する。図7は、工作機械100がワークを加工していないときにおける洗浄機構90によるクーラントの吐出態様を示す図である。
【0070】
ミストコレクタ40は、回転フィルタ56の洗浄処理を定期的に実行する。ワークの加工中には、多量の微小物質が気中に発生する。そのため、ワークの加工中に回転フィルタ56の洗浄が行われると、ミストコレクタ40による微小物質の吸引効率が低下してしまう。そこで、洗浄機構90は、ワークの非加工中において、回転フィルタ56を洗浄する。
【0071】
より具体的には、制御部50は、工作機械100の動作状態を示す情報(以下、「動作情報」ともいう。)に基づいて、工作機械100がワークを加工していないことを認識する。当該動作情報とは、ワークの加工中とワークの非加工中との間で値が変化する種々の情報を包含する概念である。動作情報の具体例については後述する。
【0072】
図6に示されるように、洗浄機構90は、工作機械100がワークを加工していない場合、回転フィルタ56を洗浄する。これにより、工作機械100は、ミストコレクタ40による微小物質の吸引力がワークの加工中に低下することを防止することができる。
【0073】
一方で、洗浄機構90は、工作機械100がワークを加工している場合には、回転フィルタ56を洗浄しない。これにより、工作機械100は、回転フィルタ56の洗浄頻度を抑制することができる。結果として、工作機械100は、ミストコレクタ40に係る消費電力を削減することができる。
【0074】
<G.工作機械100の機能構成>
次に、図8を参照して、工作機械100の機能構成について説明する。図8は、工作機械100の機能構成の一例を示す図である。
【0075】
上述の制御部50は、機能構成として、認識部152と、洗浄制御部170とを含む。以下では、認識部152および洗浄制御部170の機能について順に説明する。
【0076】
なお、各機能構成の配置は、任意である。図8に示される機能構成の一部または全部は、上述のCPUユニット20に実装されてもよいし、上述のCNCユニット30に実装されてもよい。
【0077】
また、以下では、工作機械100がワークを加工していないときを「非加工中」ともいい、工作機械100がワークを加工しているときを「非加工中」ともいう。すなわち、「非加工中」とは、「加工中」以外のときである。
【0078】
(G1.認識部152)
認識部152は、工作機械100の動作情報に基づいて、ワークの非加工中を認識する。当該認識機能を実現するための機能構成として、認識部152は、開閉状態取得部154と、判断部156と、駆動指令監視部158と、判断部160と、ATC指令監視部162と、判断部164とを含む。これらの機能構成は、工作機械100を構成するいずれの装置に実装されてもよい。
【0079】
以下では、認識部152によるワークの非加工中を認識する方法の具体例1~4について説明する。
【0080】
(a)非加工中の認識方法の具体例1
まず、図9および図10を参照して、ワークの非加工中を認識する方法の具体例1について説明する。図9は、工作機械100内の様子を上から表わした図である。図10は、工作機械100を正面から表わした図である。
【0081】
図9および図10に示されるように、工作機械100のカバー体130には、ドアDRが設けられている。ドアDRは、ワークの加工エリアARと作業者Uの作業エリアとの間を区切る。作業者Uは、作業エリアにおいてワークの段取り作業を行う。段取り作業とは、加工対象のワークWをパレットPTに取り付ける作業や、加工済みのワークWをパレットPTから取り外す作業などを意味する。
【0082】
より具体的には、作業者Uは、開閉ボタンBTを押下することでドアDRを開く。ドアDRは、たとえば、サーボモータなどの駆動源によって駆動される。ドアDRが開いたことに基づいて、作業者Uは、加工対象のワークWをパレットPTに取り付ける。
【0083】
作業者Uは、ワークWの取り付け作業が完了すると、開閉ボタンBTを押下する。このことに基づいて、ドアDRが閉まる。次に、工作機械100は、ワークWの加工を開始する。
【0084】
その後、作業者Uは、ワークWの加工が完了すると開閉ボタンBTを押下し、ドアDRを開く。ドアDRが開いたことに基づいて、作業者Uは、加工済みのワークWをパレットPTから取り外す。
【0085】
このように、ワークWの加工は、ドアDRが閉じている最中に行われ、ドアDRが開いている最中には行われない。そのため、ドアDRの開閉状態は、ワークWの非加工中を認識するための指標になり得る。
【0086】
そこで、本具体例では、認識部152は、上述のドアDRの開閉状態を工作機械100の動作情報として取得する。そして、認識部152は、当該開閉状態がドアDRの開状態を示す場合に、工作機械100がワークを非加工中であると認識する。このようなワークの非加工中の認識方法は、たとえば、開閉状態取得部154および判断部156によって実現される。
【0087】
開閉状態取得部154は、開閉センサC1からドアDRの開閉状態を取得する。開閉センサC1は、たとえば、工作機械100のカバー体130に設けられており、ドアDRの開閉状態を検知する。開閉センサC1は、磁気センサであってもよいし、光学センサであっってもよいし、超音波センサであってもよい。
【0088】
開閉センサC1は、たとえば、無線通信機能を有する。ドアDRが開いている場合には、開閉センサC1は、開状態を示す信号を開閉状態取得部154に出力する。一方で、ドアDRが閉じている場合には、開閉センサC1は、閉状態を示す信号を開閉状態取得部154に出力する。開閉状態取得部154は、ドアDRの開閉状態を開閉センサC1から取得したことに基づいて、当該開閉状態を判断部156に出力する。
【0089】
判断部156は、開閉状態取得部154から取得したドアDRの開閉状態が「開状態」を示す場合、ワークWの非加工中であると判断する。一方で、判断部156は、開閉状態取得部154から取得したドアDRの開閉状態が「閉状態」を示す場合、ワークWの加工中であると判断する。判断部156による判断結果は、洗浄制御部170に出力される。
【0090】
なお、上述では、ドアDRの開閉状態が開閉センサC1によって検知される例について説明を行ったが、ドアDRの開閉状態は、種々の方法で検知され得る。ある局面において、ドアDRの開閉は、CPUユニット20に格納されているPLCプログラムに従って制御される。この場合、開閉状態取得部154は、当該PLCプログラムを読み込み、ドアDRの開閉状態を示す変数を当該PLCプログラムから取得する。判断部156は、当該変数の値に基づいて、ワークWが非加工中であるか否かを判断する。
【0091】
また、上述では、ドアDRがモータなどの駆動源によって駆動される例について説明を行ったが、ドアDRは、手動で開閉可能なように構成されてもよい。
【0092】
(b)非加工中の認識方法の具体例2
次に、図11を参照して、ワークの非加工中を認識する方法の具体例2について説明する。図11は、一例としての加工プログラム322を示す図である。
【0093】
本具体例では、認識部152は、工作機械100の加工プログラム322を工作機械100の動作情報として取得する。加工プログラム322には、工作機械100の加工に係る様々な命令が規定されている。一例として、加工プログラム322は、早送り加工を実行するための命令コードと、切削送り加工を実行するための命令コードとを含む。
【0094】
「早送り」とは、工作機械100で設定可能な範囲内の最大速度で主軸132を駆動する制御を意味する。当該最大速度は、工作機械100の機種などに依存し、工作機械100ごとに予め設定されている。典型的には、加工プログラム322において「G00」のGコードが実行された場合に、主軸132は、早送りで駆動される。一例として、図11の破線D1には、「G00」の命令コードが示されている。早送り指令である「G00」には、移動先の座標値が規定されている。
【0095】
「切削送り」とは、指定された送り速度で主軸132を駆動する制御を意味する。典型的には、切削送り時における主軸132の送り速度は、早送り時における主軸132の送り速度よりも遅い。切削送りの速度は、加工プログラム322上で指定される。一例として、加工プログラム322において「G01」~「G03」のGコードが実行された場合に、主軸132は、切削送りで駆動される。一例として、図11の破線D2には、「G01」の命令コードが示されている。切削送り指令である「G01」~「G03」には、移動先の座標値(X,Y,Z)が規定されている。
【0096】
典型的には、ワークの加工は、早送り時には行われず、切削送り時に行われる。そこで、認識部152は、加工プログラム322に規定される早送り指令が実行されている間、工作機械100がワークを加工していないと認識する。このようなワークの非加工中の認識方法は、たとえば、駆動指令監視部158および判断部160によって実現される。
【0097】
より具体的には、駆動指令監視部158は、加工プログラム322の実行中において加工プログラム322を監視する。そして、駆動指令監視部158は、加工プログラム322において現在実行されている命令コードが早送り指令であるか否かを判断する。駆動指令監視部158は、現在実行されている命令コードが早送り指令である場合、早送り指令が現在実行されていることを判断部160に出力する。
【0098】
判断部160は、現在実行されている命令コードが早送り指令である場合、ワークの非加工中であると判断する。一方で、判断部156は、現在実行されている命令コードが早送り指令でない場合、ワークの加工中であると判断する。判断部160による判断結果は、洗浄制御部170に出力される。
【0099】
(c)非加工中の認識方法の具体例3
次に、ワークの非加工中を認識する方法の具体例3について説明する。
【0100】
本具体例では、認識部152は、上述のATC160の動作状態を工作機械100の動作情報として取得する。そして、認識部152は、当該取得した動作状態に基づいて、工作機械100がワークを非加工中であるか否かを判断する。
【0101】
より具体的には、工作機械100は、上述の加工エリアARの他に、工具エリア(図示しない)を有する。加工エリアARおよび工具エリアは、カバー体130の内部において仕切りによって区分けされている。加工エリアARには、主軸頭131が設けられている。工具エリアは、上述のATC160と、マガジン(図示しない)とが設けられている。マガジンは、ワークの加工に用いられる複数の工具を保持する。
【0102】
マガジンに保持されている工具は、加工エリアARと工具エリアとの間の仕切に設けられているドアを介して主軸132に取り付けられる。より具体的には、ATC160は、工具の交換指示を受け付けたことに基づいて、加工プログラム322で指定された工具をマガジンから取得し、当該工具を主軸132に装着する。工具が主軸132に装着されたことに基づいて、工作機械100は、加工プログラム322に従って加工エリアAR内でワークの加工を開始する。ワークの加工が完了すると、ATC160は、工具エリアにおいて使用済みの工具を取り外すとともに、次の工具を主軸132に取り付ける。
【0103】
典型的には、ワークの加工は、ATC160による工具の交換時には行われない。そこで、認識部152は、ATC160の動作状態を工作機械100の動作情報として取得する。そして、認識部152は、当該動作状態がATC160の動作中を示す場合、工作機械100がワークを非加工中であると認識する。このようなワークの非加工中の認識方法は、たとえば、ATC指令監視部162および判断部164によって実現される。
【0104】
より具体的には、ATC指令監視部162は、加工プログラム322の実行中において加工プログラム322を監視する。そして、ATC指令監視部162は、加工プログラム322において現在実行されている命令コードが工具交換指令であるか否かを判断する。当該工具交換指令は、たとえば、「M06」で指定される命令コードを含む。ATC指令監視部162は、現在実行されている命令コードが工具交換指令である場合、命令コードが現在実行されていることを判断部164に出力する。
【0105】
判断部164は、現在実行されている命令コードが工具交換指令である場合、ワークWの非加工中であると判断する。一方で、判断部156は、現在実行されている命令コードが工具交換指令でない場合、ワークWの加工中であると判断する。判断部164による判断結果は、洗浄制御部170に出力される。
【0106】
なお、工具交換指令は、加工プログラム322ではなく、PLCプログラムに規定されている場合もある。この場合、ATC指令監視部162は、上述のCPUユニット20のPLCプログラムを監視してもよい。
【0107】
(d)非加工中の認識方法の具体例4
上述では、認識部152が加工プログラム322に規定される早送り指令または工具交換指令に基づいて、ワークの非加工中を認識する例について説明を行ったが、認識部152は、その他の指標に基づいて、ワークの非加工中を認識してもよい。一例として、認識部152は、加工プログラム322の実行の終了を示す命令コードが実行されたことに基づいて、工作機械100がワークを加工していない非加工中と認識する。当該命令コードは、たとえば、「M30」の命令コードを含む。
【0108】
(G2.洗浄制御部170)
次に、図8に示される洗浄制御部170の機能について説明する。
【0109】
洗浄制御部170は、認識部152がワークの非加工中と認識している間の少なくとも一タイミングにおいて、洗浄開始指令を洗浄機構90に出力する。一方で、洗浄制御部170は、認識部152がワークの加工中と認識している間には洗浄機構90による洗浄処理を実行しない。
【0110】
ある局面において、洗浄制御部170は、上述の判断部156,160,164の一部がワークの非加工中であると判断した場合に、洗浄開始指令を洗浄機構90に出力する。洗浄機構90は、当該洗浄開始指令を受けたことに基づいてクーラントの吐出を開始し、ミストコレクタ40の回転フィルタ56を洗浄する。その後、洗浄制御部170は、上述の判断部156,160,164の全部がワークの加工中であると判断した場合に、洗浄停止指令を洗浄機構90に出力する。
【0111】
他の局面において、洗浄制御部170は、上述の判断部156,160,164の全部がワークの非加工中であると判断した場合に、洗浄開始指令を洗浄機構90に出力する。洗浄機構90は、当該洗浄開始指令を受けたことに基づいてクーラントの吐出を開始し、ミストコレクタ40の回転フィルタ56を洗浄する。その後、洗浄制御部170は、上述の判断部156,160,164の一部がワークの加工中であると判断した場合に、洗浄停止指令を洗浄機構90に出力する。洗浄機構90は、当該洗浄停止指令を受けたことに基づいてクーラントの吐出を停止する。
【0112】
<H.CPUユニット20のハードウェア構成>
次に、図12を参照して、図4に示されるCPUユニット20のハードウェア構成について説明する。図12は、CPUユニット20のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0113】
CPUユニット20は、制御回路201と、ROM(Read Only Memory)202と、RAM(Random Access Memory)203と、通信インターフェイス204,205と、補助記憶装置220とを含む。これらのコンポーネントは、内部バス209に接続される。
【0114】
制御回路201は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU、少なくとも1つのGPU(Graphics Processing Unit)、少なくとも1つのASIC(Application Specific Integrated Circuit)、少なくとも1つのFPGA(Field Programmable Gate Array)、またはそれらの組み合わせなどによって構成され得る。
【0115】
制御回路201は、制御プログラム222などの各種プログラムを実行することでCPUユニット20の動作を制御する。制御プログラム222は、工作機械100内の各種装置を制御するための命令を規定している。制御回路201は、制御プログラム222の実行命令を受け付けたことに基づいて、補助記憶装置220またはROM202からRAM203に制御プログラム222を読み出す。RAM203は、ワーキングメモリとして機能し、制御プログラム222の実行に必要な各種データを一時的に格納する。
【0116】
通信インターフェイス204は、LAN(Local Area Network)ケーブル、WLAN(Wireless LAN)、またはBluetooth(登録商標)などを用いた通信を実現するためのインターフェイスである。一例として、CPUユニット20は、通信インターフェイス305を介して、上述のポンプ109C,109M、モータドライバ111Mなどの外部機器との通信を実現する。
【0117】
通信インターフェイス205は、フィールドバスに接続される各種ユニットとの通信を実現するためのインターフェイスである。当該フィールドバスに接続されるユニットの一例として、CNCユニット30やI/Oユニット(図示しない)などが挙げられる。
【0118】
補助記憶装置220は、たとえば、ハードディスクやフラッシュメモリなどの記憶媒体である。補助記憶装置220は、制御プログラム222などの各種情報を格納する。一例として、制御プログラム222は、たとえば、上述の洗浄機構90によるクーラントの吐出量/吐出圧を指定するための命令コード、上述の洗浄機構90によるクーラントの吐出のオン/オフを指定するための命令コードを含む。他の例として、制御プログラム222は、ミストコレクタ40内の回転フィルタ56の回転のオン/オフを指定するための命令コード、ミストコレクタ40内の回転フィルタ56の回転速度を指定するための命令コードを含む。他の例として、制御プログラム222は、上述の吐出部125によるクーラントの吐出量/吐出圧を指定するための命令コード、上述の吐出部125によるクーラントの吐出のオン/オフを指定するための命令コードを含む。
【0119】
制御プログラム222の格納場所は、補助記憶装置220に限定されず、制御回路201の記憶領域(たとえば、キャッシュメモリ)、ROM202、RAM203、外部機器(たとえば、サーバー)などに格納されていてもよい。
【0120】
なお、制御プログラム222は、単体のプログラムとしてではなく、任意のプログラムの一部に組み込まれて提供されてもよい。この場合、本実施の形態に従う各種の処理は、任意のプログラムと協働して実現される。このような一部のモジュールを含まないプログラムであっても、本実施の形態に従う制御プログラム222の趣旨を逸脱するものではない。さらに、制御プログラム222によって提供される機能の一部または全部は、専用のハードウェアによって実現されてもよい。さらに、少なくとも1つのサーバーが制御プログラム222の処理の一部を実行する所謂クラウドサービスのような形態でCPUユニット20が構成されてもよい。
【0121】
<I.CNCユニット30のハードウェア構成>
次に、図13を参照して、図4に示されるCNCユニット30のハードウェア構成について説明する。図13は、CNCユニット30のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0122】
CNCユニット30は、制御回路301と、ROM302と、RAM303と、通信インターフェイス305と、通信インターフェイス305と、補助記憶装置320とを含む。これらのコンポーネントは、内部バス309に接続される。
【0123】
制御回路301は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU、少なくとも1つのASIC、少なくとも1つのFPGA、またはそれらの組み合わせなどによって構成され得る。
【0124】
制御回路301は、加工プログラム322などの各種プログラムを実行することでCNCユニット30の動作を制御する。加工プログラム322は、ワーク加工を実現するためのプログラムである。制御回路301は、加工プログラム322の実行命令を受け付けたことに基づいて、ROM302からRAM303に加工プログラム322を読み出す。RAM303は、ワーキングメモリとして機能し、加工プログラム322の実行に必要な各種データを一時的に格納する。
【0125】
通信インターフェイス305は、LAN、WLAN、またはBluetooth(登録商標)などを用いた通信を実現するためのインターフェイスである。一例として、CNCユニット30は、通信インターフェイス305を介してCPUユニット20との通信を実現する。また、CNCユニット30は、通信インターフェイス305または他の通信インターフェイスを介して、ワーク加工のための各種駆動ユニット(たとえば、モータドライバ111R,111X~111Z,ATCドライバ111Nなど)との通信を実現する。
【0126】
補助記憶装置320は、たとえば、ハードディスクやフラッシュメモリなどの記憶媒体である。補助記憶装置320は、加工プログラム322などを格納する。加工プログラム322の格納場所は、補助記憶装置320に限定されず、制御回路301の記憶領域(たとえば、キャッシュメモリ)、ROM302、RAM303、外部機器(たとえば、サーバー)などに格納されていてもよい。
【0127】
<J.制御フロー>
次に、図14を参照して、ミストコレクタ40の制御フローについて説明する。図14は、工作機械100の制御部50が実行する処理の一部を表わすフローチャートである。
【0128】
図14に示される処理は、制御部50が制御プログラムを実行することにより実現される。他の局面において、処理の一部または全部が、回路素子またはその他のハードウェアによって実行されてもよい。
【0129】
ステップS110において、制御部50は、上述の認識部152として機能し、工作機械100の動作情報を取得する。工作機械100の動作情報については上述の通りであるので、その説明については繰り返さない。
【0130】
ステップS112において、制御部50は、上述の認識部152として機能し、工作機械100がワークを非加工中であるか否かを判断する。制御部50は、工作機械100がワークを非加工中であると判断した場合(ステップS112においてYES)、制御をステップS122に切り替える。そうでない場合には(ステップS112においてNO)、制御部50は、制御をステップS132に切り替える。
【0131】
ステップS122において、制御部50は、モータドライバ111Mを制御し、予め設定されている第1速度でミストコレクタ40の回転フィルタ56を回転する。当該第1速度は、後述のステップS132に示される第2速度よりも遅い。これにより、制御部50は、ワークの加工中における回転フィルタ56の回転速度よりも、ワークの非加工中における回転フィルタ56の回転速度を下げる。その結果、ミストコレクタ40内の回転フィルタ56の洗浄がミストコレクタ40による気中の微小物質の吸引よりも優先される。
【0132】
ステップS122において、制御部50は、上述の洗浄制御部170として機能し、洗浄機構90によるクーラントの吐出を開始する。
【0133】
ステップS132において、制御部50は、モータドライバ111Mを制御し、予め設定されている第2速度でミストコレクタ40の回転フィルタ56を回転する。当該第2速度は、上述のステップS122に示される第1速度よりも速い。これにより、制御部50は、ワークの非加工中における回転フィルタ56の回転速度よりも、ワークの加工中における回転フィルタ56の回転速度を上げる。その結果、ミストコレクタ40による気中の微小物質の吸引がミストコレクタ40内の回転フィルタ56の洗浄よりも優先される。
【0134】
ステップS134において、制御部50は、上述の洗浄制御部170として機能し、洗浄機構90によるクーラントの吐出を停止する。
【0135】
なお、図14に示される処理フローでは、洗浄機構90によるミストコレクタ40の洗浄処理がワークの非加工中に常に実行されているが、当該洗浄処理は、ワークの非加工中に常に実行される必要はない。一例として、制御部50は、工作機械100の動作状態が加工中から非加工中に遷移したことに基づいて洗浄機構90による洗浄実行時間のカウントを開始する。その後、制御部50は、当該洗浄実行時間が所定時間を超えたことに基づいて、洗浄機構90による洗浄処理を停止してもよい。
【0136】
<M.まとめ>
以上のようにして、工作機械100は、その動作状態を示す情報に基づいて、ワークの非加工中を認識する。そして、工作機械100は、ワークの非加工中において、洗浄機構90によるミストコレクタ40の回転フィルタ56の洗浄を実行する。これにより、工作機械100は、ワークの加工中にミストコレクタ40による微小物質の吸引力を低下することを防止することができる。
【0137】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0138】
20 CPUユニット、30 CNCユニット、40 ミストコレクタ、50 制御部、52 ハウジング、52A 第1フィルタリングエリア、52B 第2フィルタリングエリア、54 シャフト、55A 筒状部分、55B 筒状部分、56 回転フィルタ、57 ファン、58 フィルタ部、59 縁部、70 多層フィルタ、72 排気口、90 洗浄機構、91 ノズル、93 吐出口、100 工作機械、109C ポンプ、109M ポンプ、110A 回転駆動部、110B 位置駆動部、111M モータドライバ、111N ATCドライバ、111R モータドライバ、111X モータドライバ、111Y モータドライバ、111Z モータドライバ、112A モータ、112M モータ、112R モータ、112X モータ、112Y モータ、112Z モータ、113 移動体、125 吐出部、125A 吐出機構、125B 吐出機構、130 カバー体、131 主軸頭、132 主軸、133 ハウジング、134 工具、135 開口、136 テーブル、150 回収機構、152 認識部、154 開閉状態取得部、156 判断部、158 駆動指令監視部、160 判断部、162 ATC指令監視部、164 判断部、165 中心軸、166 アーム、166A 工具把持部、166B 工具把持部、170 洗浄制御部、201 制御回路、202 ROM、203 RAM、204 通信インターフェイス、205 通信インターフェイス、209 内部バス、220 補助記憶装置、222 制御プログラム、301 制御回路、302 ROM、303 RAM、305 通信インターフェイス、309 内部バス、320 補助記憶装置、322 加工プログラム。
【要約】
【課題】ミストコレクタによる微小物質の吸引効率の低下を抑制しつつミストコレクタ内のフィルタの目詰まりを防止するための技術を提供する。
【解決手段】工作機械は、加工エリアを区画形成するためのカバー体と、加工エリアにクーラントを吐出するための吐出部と、吐出部が加工エリアにクーラントを吐出することにより発生した気中の物質を収集するためのミストコレクタとを備える。ミストコレクタは、物質を気中から除去するためのフィルタを含む。工作機械は、さらに、フィルタに流体を吐出することによりフィルタを洗浄するための洗浄部と、工作機械の動作状態を示す情報に基づいて、工作機械がワークを加工していないことを認識するための認識部とを備える。洗浄部は、工作機械がワークを加工していない場合に、フィルタを洗浄する。
【選択図】図6
図1
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図3
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図14