(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-12
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】車及び扉の開閉装置
(51)【国際特許分類】
E05B 83/18 20140101AFI20220117BHJP
E05B 47/00 20060101ALI20220117BHJP
E05B 65/10 20060101ALI20220117BHJP
B60J 5/04 20060101ALI20220117BHJP
【FI】
E05B83/18
E05B47/00 H
E05B65/10 L
B60J5/04 V
(21)【出願番号】P 2018241930
(22)【出願日】2018-12-26
【審査請求日】2020-12-24
(73)【特許権者】
【識別番号】502066948
【氏名又は名称】株式会社 東洋ブラザー工業
(74)【代理人】
【識別番号】100092680
【氏名又は名称】入江 一郎
(72)【発明者】
【氏名】瀬下 節男
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-022266(JP,A)
【文献】実開昭56-124151(JP,U)
【文献】特開2003-135169(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 83/18
E05B 47/00
E05B 65/10
B60J 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナ本体の開口部を開閉する扉の開閉装置を有した車であって、
前記コンテナ本体に取り付けられたフックと、
前記扉に取り付けられると共に、前記フックに係止する係止部と、
この係止部に係止した前記フックを前記係止部から離間するように動作させる解除キ
ーと、
前記フックを前記係止部に接近して係止させる施錠キーと
、
アクチュエータに接続されたロッドと、
このロッドに接続された回動部とを備え、
この回動部は、平坦部に取り付けられ、
前記フックは、前記回動部の先端部に形成され、
前記回動部に回動を規制する第1、第2の規制部が設けられ、
前記第1の規制部は、前記フックが前記係止部に接近する方向を規制し、
前記第2の規制部は、前記フックが前記係止部から離間する方向を規制し、
前記平坦部に第1の支持部材が設けられ、
前記回動部に第2の支持部材が設けられ、
付勢部材の一端は前記第1の支持部材に、前記付勢部材の他端は前記第2の支持部材
に、取り付けられ、
前記平坦部は、前記コンテナ本体に取り付けられ、
前記フックは、前記回動部、前記平坦部を介して、前記コンテナ本体に取り付けられ
、
前記第1の支持部材が前記第1の規制部に当接し、この当接状態は前記付勢部材の付
勢力により保持され、
前記第1の支持部材が前記第2の規制部に当接し、この当接状態は前記付勢部材の付
勢力により保持される
ことを特徴とする車。
【請求項2】
ベース部にアクチュエータ及び平坦部が取り付けられている
ことを特徴とする請求項
1記載の車。
【請求項3】
平坦部にアクチュエータが取り付けられている
ことを特徴とする請求項
1記載の車。
【請求項4】
ベース部に搭載されたアクチュエータ、ロッド、回動部を覆う覆い部が設けられ、
この覆い部にフックの移動を許容する開口部が設けられている
ことを特徴とする請求項
2記載の車。
【請求項5】
平坦部に搭載されたアクチュエータ、ロッド、回動部を覆う覆い部が設けられ、
この覆い部にフックの移動を許容する開口部が設けられている
ことを特徴とする請求項
3記載の車。
【請求項6】
フックが係止部に係止しないと共に、第1の支持部材が第1の規制部に当接した状態
の前記フックに前記係止部に衝突した際、前記フックが上方に回動する
ことを特徴とする請求項
1記載の車。
【請求項7】
車のコントローラに、解除キーと施錠キーによる制御が付加されている
ことを特徴とする請求項1記載の車。
【請求項8】
コンテナ本体の開口部は、扉で開閉され、
ベース部がコンテナ本体に取り付けられ、
フックに係止する係止部は、回動自在な緊急解除回動部に設けられ、
この回動自在な緊急解除回動部は、前記扉に取り付けられ、
前記緊急解除回動部は、回動キーにより回動するものであり、
前記緊急解除回動部は、前記コンテナ本体の外方に臨む外方開口部を有し、
解除キーが故障した場合、前記回動キーを前記外方開口部に差し込み、回動すること
により、前記緊急解除回動部が前記フックを前記係止部から離間するように移動し、前記
フックと前記係止部との係止状態を解除する
ことを特徴とする請求項
2記載の車。
【請求項9】
フックに係止する係止部は、回動自在な緊急解除回動部に設けられ、
この回動自在な緊急解除回動部は、扉に取り付けられ、
前記緊急解除回動部は、回動キーにより回動するものであり、
前記緊急解除回動部は、前記コンテナ本体の外方に臨む外方開口部を有し、
解除キーが故障した場合、前記回動キーを前記外方開口部に差し込み、回動すること
により、前記緊急解除回動部が前記フックを前記係止部から離間するように移動させ、前
記フックと前記係止部との係止状態を解除する
ことを特徴とする請求項
2又は請求項
3記載の車。
【請求項10】
コンテナ本体の開口部を観音開き扉で開閉される扉の開閉装置を有した車であって、
前記コンテナ本体の天井部に取り付けられたフックと、
前記扉に取り付けられると共に、前記フックに係止する係止部と、
この係止部に係止した前記フックを前記係止部から離間するように動作させる解除キ
ーと、
前記フックを前記係止部に接近して係止させる施錠キーとを備え、
前記観音開き扉は、第1の扉と第2の扉であり、
平面視、前記第1の扉の端面に突出した第1の凸部が設けられ、
平面視、前記第2の扉の端面に突出した第2の凸部が設けられ、
前記観音開き扉が閉じた状態において、平面視、前記第1の凸部は、前記第2の凸部
より前記コンテナ本体内に近い位置にあり、前記観音開き扉を閉にすると、前記第1の凸
部が前記第2の凸部に係止する関係にあり、
前記フックに係止する係止部は、回動自在な緊急解除回動部に設けられ、
この回動自在な緊急解除回動部は、前記第2の扉に取り付けられ、
前記緊急解除回動部は、回動キーにより回動するものであり、
前記緊急解除回動部は、前記コンテナ本体の外方に臨む外方開口部を有し、
解除キーが故障した場合、前記回動キーを前記外方開口部に差し込み、回動すること
により、前記緊急解除回動部が前記フックを前記係止部から離間するように移動し、前記
フックと前記係止部との係止状態を解除する
ことを特徴とする車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車及び扉の開閉装置に係り、特に、扉の開閉に支障が生じにくい車及び扉の開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、施錠装置を備えたコンテナを有した移動販売車がある(例えば、特許文献参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記移動販売車の施錠装置にあっては、フック受(19)は車本体側に、フック受(19)に係止するフック(20)は、扉側に、それぞれ取り付けられている。
このフック受(19)とフック(20)との係止、非係止を電気的に行おうとすれば、フック(20)を動作させる制御部が扉側、フック(20)を動作させる制御部も移動側となり、制御部の電気配線等が故障要因となり、扉の開閉に支障を生じることなる。
【0005】
本発明は、前記支障を考慮してなされた車及び扉の開閉装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の車は、コンテナ本体の開口部を開閉する扉の開閉装置を有した車であって、前記コンテナ本体に取り付けられたフックと、前記扉に取り付けられると共に、前記フックに係止する係止部と、この係止部に係止した前記フックを前記係止部から離間するように動作させる解除キーと、前記フックを前記係止部に接近して係止させる施錠キーと、アクチュエータに接続されたロッドと、このロッドに接続された回動部とを備え、この回動部は、平坦部に取り付けられ、前記フックは、前記回動部の先端部に形成され、前記回動部に回動を規制する第1、第2の規制部が設けられ、前記第1の規制部は、前記フックが前記係止部に接近する方向を規制し、前記第2の規制部は、前記フックが前記係止部から離間する方向を規制し、前記平坦部に第1の支持部材が設けられ、前記回動部に第2の支持部材が設けられ、付勢部材の一端は前記第1の支持部材に、前記付勢部材の他端は前記第2の支持部材に、取り付けられ、前記平坦部は、前記コンテナ本体に取り付けられ、前記フックは、前記回動部、前記平坦部を介して、前記コンテナ本体に取り付けられ、前記第1の支持部材が前記第1の規制部に当接し、この当接状態は前記付勢部材の付勢力により保持され、前記第1の支持部材が前記第2の規制部に当接し、この当接状態は前記付勢部材の付勢力により保持されるものである。
【0008】
また、請求項2記載の車は、請求項1記載の車において、ベース部にアクチュエータ
及び平坦部が取り付けられているものである。
【0009】
また、請求項3記載の車は、請求項1記載の車において、平坦部にアクチュエータが
取り付けられているものである。
【0010】
また、請求項4記載の車は、請求項2記載の車において、ベース部に搭載されたアク
チュエータ、ロッド、回動部を覆う覆い部が設けられ、この覆い部にフックの移動を許容
する開口部が設けられているものである。
【0011】
また、請求項5記載の車は、請求項3記載の車において、平坦部に搭載されたアク
チュエータ、ロッド、回動部を覆う覆い部が設けられ、この覆い部にフックの移動を許容
する開口部が設けられているものである。
【0012】
また、請求項6記載の車は、請求項1記載の車において、フックが係止部に係止しな
いと共に、第1の支持部材が第1の規制部に当接した状態の前記フックに前記係止部に衝
突した際、前記フックが上方に回動するものである。
【0013】
また、請求項8記載の車は、請求項1記載の車において、車のコントローラに、解除キーと施錠キーによる制御が付加されているものである。
【0014】
また、請求項8記載の車は、請求項2記載の車において、コンテナ本体の開口部は、
扉で開閉され、ベース部がコンテナ本体に取り付けられ、フックに係止する係止部は、回
動自在な緊急解除回動部に設けられ、この回動自在な緊急解除回動部は、前記扉に取り付
けられ、前記緊急解除回動部は、回動キーにより回動するものであり、前記緊急解除回動
部は、前記コンテナ本体の外方に臨む外方開口部を有し、解除キーが故障した場合、前記
回動キーを前記外方開口部に差し込み、回動することにより、前記緊急解除回動部が前記
フックを前記係止部から離間するように移動し、前記フックと前記係止部との係止状態を
解除するものである。
【0015】
また、請求項9記載の車は、請求項2又は請求項3記載の車において、フックに係
止する係止部は、回動自在な緊急解除回動部に設けられ、この回動自在な緊急解除回動部
は、扉に取り付けられ、前記緊急解除回動部は、回動キーにより回動するものであり、前
記緊急解除回動部は、前記コンテナ本体の外方に臨む外方開口部を有し、解除キーが故障
した場合、前記回動キーを前記外方開口部に差し込み、回動することにより、前記緊急解
除回動部が前記フックを前記係止部から離間するように移動させ、前記フックと前記係止
部との係止状態を解除するものである。
【0016】
また、請求項10記載の車は、コンテナ本体の開口部を観音開き扉で開閉される扉の
開閉装置を有した車であって、前記コンテナ本体の天井部に取り付けられたフックと、前
記扉に取り付けられると共に、前記フックに係止する係止部と、この係止部に係止した前
記フックを前記係止部から離間するように動作させる解除キーと、前記フックを前記係止
部に接近して係止させる施錠キーとを備え、前記観音開き扉は、第1の扉と第2の扉であ
り、平面視、前記第1の扉の端面に突出した第1の凸部が設けられ、平面視、前記第2の
扉の端面に突出した第2の凸部が設けられ、前記観音開き扉が閉じた状態において、平面
視、前記第1の凸部は、前記第2の凸部より前記コンテナ本体内に近い位置にあり、前記
観音開き扉を閉にすると、前記第1の凸部が前記第2の凸部に係止する関係にあり、前記
フックに係止する係止部は、回動自在な緊急解除回動部に設けられ、この回動自在な緊急
解除回動部は、前記第2の扉に取り付けられ、前記緊急解除回動部は、回動キーにより回
動するものであり、前記緊急解除回動部は、前記コンテナ本体の外方に臨む外方開口部を
有し、解除キーが故障した場合、前記回動キーを前記外方開口部に差し込み、回動するこ
とにより、前記緊急解除回動部が前記フックを前記係止部から離間するように移動し、前
記フックと前記係止部との係止状態を解除するものである。
【0017】
また、請求項12記載の扉の開閉装置は、本体の開口部を開閉する扉の開閉装置であって、前記本体に取り付けられたフックと、前記扉に取り付けられると共に、前記フックに係止する係止部と、この係止部に係止した前記フックを前記係止部から離間するように動作させる解除キーと、前記フックを前記係止部に接近して係止させる施錠キーとを備えているものである。
【発明の効果】
【0018】
請求項1記載の車によれば、解除キー及び施錠キーによって、電気的に動作するフッ
クを開閉動作する扉ではなく、コンテナ本体に取り付けられているため、フックを動作さ
せる制御部が固定側になり、制御部の電気配線等の非接触による故障要因を防止でき、故
障の少ない扉の開閉装置を有した車を得ることができる。また、第1の支持部材が第1の規制部に当接し、この当接状は付勢部材の付勢力により保持され、第1の支持部材が第2の規制部に当接し、この当接状態は付勢部材の付勢力により保持されることができ、特に、第1の支持部材が第1の規制部に当接し、この当接状態は付勢部材の付勢力により保持されるため、車の移動中、扉が開くことを防ぐことができる。
【0020】
また、請求項2記載の車によれば、上述した請求項1記載の発明の効果に加え、ベー
ス部にアクチュエータ及び平坦部が取り付けられ、平坦部に回動部及び第1の支持部材が
取り付けられ、回動部に第2の支持部材が取り付けられ、第1の支持部材と第2の支持部
材に付勢部材が取り付けられているため、つまり、扉の開閉装置の主要構成部材をベース
部に搭載して、ユニット化(ロック装置ユニット)できるため、車への取り付け、取り外
しが容易となる。
【0021】
また、請求項3記載の車によれば、上述した請求項1記載の発明の効果に加え、平坦
部にアクチュエータが取り付けられ、平坦部に回動部及び第1の支持部材が取り付けられ
、回動部に第2の支持部材が取り付けられ、第1の支持部材と第2の支持部材に付勢部材
が取り付けられているため、つまり、扉の開閉装置の主要構成部材を平坦部に搭載して、
ユニット化(ロック装置ユニット)できるため、車への取り付け、取り外しが容易となる
。
【0022】
また、請求項4記載の車によれば、上述した請求項2記載の発明の効果に加え、ベー
ス部に搭載されたアクチュエータ、ロッド、回動部を覆う覆い部が設けられ、この覆い部
にフックの移動を許容する開口部が設けられているため、フックの移動に支障なく、アク
チュエータ、ロッド、回動部を保護することができる。
【0023】
また、請求項5記載の車によれば、上述した請求項3記載の発明の効果に加え、平坦
部に搭載されたアクチュエータ、ロッド、回動部を覆う覆い部が設けられ、この覆い部に
フックの移動を許容する開口部が設けられているため、フックの移動に支障なく、アクチ
ュエータ、ロッド、回動部を保護することができる。
【0024】
また、請求項6載の車によれば、上述した請求項1記載の発明の効果に加え、フック
が係止部に係止しないと共に、第1の支持部材が第1の規制部に当接した状態の前記フッ
クに前記係止部に衝突した際、前記フックが上方に回動するため、フックの損傷を防ぐこ
とができる。
【0025】
また、請求項7記載の車によれば、上述した請求項1記載の発明の効果に加え、車の
コントローラに、解除キーと施錠キーによる制御が付加されているため、新たなコントロ
【0026】
また、請求項8記載の車によれば、上述した請求項2記載の発明の効果に加え、解除
キーが故障した場合、回動キーを緊急解除回動部の外方開口部に差し込み、回動すること
により、緊急解除回動部がフックを係止部から離間するように移動し、フックと係止部と
の係止状態を解除するため、故障により解除キーが動作しない場合に対応することができ
る。
【0027】
また、請求項9記載の車によれば、上述した請求項2又は請求項3記載の発明の効
果に加え、解除キーが故障した場合、回動キーを緊急解除回動部の外方開口部に差し込み
、回動することにより、緊急解除回動部がフックを係止部から離間するように移動させ、
フックと係止部との係止状態を解除するため、故障により解除キーが動作しない場合に対
応することができる。
【0028】
また、請求項10記載の車によれば、解除キー及び施錠キーによって、電気的に動作
するフックを開閉動作する扉ではなく、コンテナ本体に取り付けられているため、フック
を動作させる制御部が固定側になり、制御部の電気配線等の非接触による故障要因を防止
でき、故障の少ない扉の開閉装置を有した車を得ることができ、解除キーが故障した場合
、回動キーを緊急解除回動部の外方開口部に差し込み、回動することにより、緊急解除回
動部がフックを係止部から離間するように移動し、フックと係止部との係止状態を解除す
るため、故障により解除キーが動作しない場合に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例の車の要部の概略的斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の扉の開閉装置の要部の概略的正面図である。
【
図3】
図3は、
図2のフックが係止部に係止する状態の概略的正面図である。
【
図4】
図4は、
図2のフックが係止部から離間した状態の
図2の一部を拡大して示す概略的一部拡大正面図である。
【
図5】
図5は、
図2のフックが係止部に係止する状態の
図2の一部を拡大して示す概略的一部拡大正面図である。
【
図6】
図6は、
図2の実施例と異なる他の実施例の概略的正面図である。
【
図7】
図7は、
図6のフックが係止部から離間した状態の概略的正面図である。
【
図8】
図8は、
図6の実施例と異なる他の実施例の概略的正面図である。
【0031】
本発明の一実施例の車及び扉の開閉装置を図面(
図1乃至
図11)を参照して説明する。
山間部等において、食料品等を搭載した車(例えば、特開2017-35988公報参照)が使用されている。この車は、略直方体形状のコンテナを有している。
図1に示す1は、運転部を省略した車のコンテナ本体である。
【0032】
車は、コンテナ本体1の開口部を開閉する扉11の開閉装置を有している。
扉11は、水平方向にスライドするもので、
図2に示す20は、コンテナ本体1に取り付けられたフックで、30は、扉11に取り付けられた係止部で、フック20は、係止部30に係止するものである。係止部30は、例えば、自動車部品に使用されるストライカー(ストライカーは、ロック側のつめと噛み合ってドアを保持する役目を有する。)である。
【0033】
図1に示す4はリモコンで、リモコン4には、係止部30に係止したフック20を係止部30から離間するように動作させる(
図2の破線で示したフック20から実線で示したフック20に移動させる)解除キー(解除釦スイッチ)と、フック20を係止部30に接近して係止させる(
図3の破線で示したフック20から実線で示したフック20に移動させる)施錠キー(施錠釦スイッチ)とを備えている。
【0034】
その結果、上述した車によれば、解除キー及び施錠キーによって動作するフック20を開閉動作する扉11ではなく、コンテナ本体1に取り付けられたため、フック20を動作させる制御部が固定側になり、制御部の電気配線等の非接触による故障要因を防止でき、扉11の開閉に支障が生じにくい車を得ることができる。
なお、
図1に示す40は、車両のバッテリーであり、50は、車両に搭載された又は、専用のコントローラーである。
【0035】
図2に示す5はアクチュエータで、6はアクチュエータ5に接続されたロッド棒で、2はロッド棒6に接続された回動部で、回動部2には、突出した先端部にフック20が形成されている。回動部2は、平坦部(プレート)7に取り付けられている。
また、回動部2には、回動を規制する第1、第2の規制部21、22(
図4及び
図5参照)が設けられている。そして、第1の規制部21は、
図3及び
図5に示すように、フック20が係止部30に接近する方向を規制し、第2の規制部22は、
図2及び
図4に示すように、フック20が係止部30から離間する方向を規制するようになっている。
【0036】
71は平坦部7に設けられた第1の支持部材(支持ピン)で、23は回動部2に設けられた第2の支持部材(支持ピン)である。
8は付勢部材(スプリング)で、付勢部材8の一端は、第1の支持部材71に、付勢部材8の他端は、第2の支持部材23に、取り付けられている。
そして、第1の支持部材71が第1の規制部21に当接して、この当接状態を付勢部材8の付勢力により保持している。この保持状態においては、回動部2の回転軸をOとすれば、付勢部材8は、回転軸Oの下に位置し(
図5参照)、付勢部材8の長手方向は、回転軸Oとずれを有している。
また、第1の支持部材71が第2の規制部22に当接して、この当接状態を付勢部材8の付勢力により保持するようにしている。この保持状態においては、付勢部材8は、回転軸Oの上に位置し(
図4参照)、付勢部材8の長手方向は、回転軸Oとずれを有している。
なお、フック20が係止部30に係止しない状態であって、第1の支持部材71が第1の規制部21に当接した状態のフック20に係止部30に衝突した際、フック20が上方に回動するようになっている。そのため、フック20の損傷を防ぐことができる。
【0037】
即ち、第1の支持部材71が第1の規制部21に当接して、この当接状態を付勢部材8の付勢力により保持し、第1の支持部材71が第2の規制部22に当接して、この当接状態を付勢部材8の付勢力により保持することができ、特に、第1の支持部材71が第1の規制部21に当接して、この当接状態を付勢部材8の付勢力により保持するため、車の移動中、扉11が開くことを防ぐことができる。
【0038】
また、
図2に示す9はベース部で、ベース部9には、アクチュエータ5、平坦部7が取り付けられ、平坦部7に回動部2、第1の支持部材71が取り付けられ、回動部2に第2の支持部材23が取り付けられ、第1の支持部材71と第2の支持部材23に付勢部材8が取り付けられているため、つまり、扉11の開閉装置の主要構成部材をベース部2に搭載して、ユニット化できるため、車への取り付け、取り外しが容易となる。
【0039】
また、
図6及び
図7に示すように、ベース部9に搭載されたアクチュエータ5、ロッド棒6、回動部2を覆う覆い部10が設けられている。覆い部10(ユニットカバー)には、フック20の移動を許容する開口部(スリット)Sが設けられている。
そのため、フック20の移動に支障なく、アクチュエータ5、ロッド棒6、回動部2を保護することができる。
【0040】
上述した実施例においては、ベース部9には、アクチュエータ5、平坦部7が取り付けられたが、本願発明は、これに限らず、ベース部9を無くし、平坦部7をベース部2と同じ大きさとして、平坦部7にアクチュエータ5を取り付けるようにしても良い。
即ち、平坦部7にアクチュエータ5、回動部2、第1の支持部材71が取り付けられ、回動部2に第2の支持部材23が取り付けられ、第1の支持部材71と第2の支持部材23に付勢部材8が取り付けられている。つまり、扉11の開閉装置の主要構成部材を平坦部7に搭載して、ユニット化(ロック装置ユニット)できるため、車への取り付け、取り外しが容易となる。
また、平坦部7に搭載されたアクチュエータ5、ロッド6、回動部2を覆う覆い部10を設け、この覆い部10にフック20の移動を許容する開口部(スリット)Sが設けられるようにしても良い。その結果、フック20の移動に支障なく、アクチュエータ5、ロッド6、回動部2を保護することができる。
【0041】
また、
図8及び
図9に示す実施例は、故障により解除キーが動作しない場合に、扉を開くようにして、対応することができるものである。
即ち、フック20に係止する係止部30は、回動自在な緊急解除回動部Kに設けられ、 この回動自在な緊急解除回動部Kは、扉(扉パネル)11に取り付けられている。緊急解除回動部Kは、回動キー(図示せず)により回動するものであり、緊急解除回動部Kは、コンテナ本体1の外方に臨む外方開口部K1を有している。
解除キーが故障(例えば、電気的故障)した場合、回動キー(図示せず)を外方開口部K1に差し込み、回動することにより、緊急解除回動部Kがフック20を係止部30から離間するように移動し、フック20と係止部30との係止状態を解除することができる。
なお、
図8及び
図9に示す実施例においては、上述した実施例と同一部分に同一符号を付して、説明の一部を省略する。
【0042】
また、
図10及び
図11に示す実施例は、コンテナ本体1の開口部を観音開き扉11’、12’で開閉される扉の開閉装置を有した車に、故障により解除キーが動作しない場合に対応した場合について、以下、説明する。
即ち、フック20は、コンテナ本体1の天井部にベース部9を介して取り付けられている。(場合により、フック20は、コンテナ本体1の天井部にベース部9をなくして広く形成された平坦部7を介して取り付けられるようにしても良い。)
フック20に係止する係止部30は、扉11’、12’の内、第2の扉12’に取り付けられられている。
なお、係止部30に係止したフック20を係止部30から離間するように動作させる解除キーと、フック20を係止部30に接近して係止させる施錠キーとを、例えば、リモコン4(
図1参照)に備えている。リモコン4には、解除釦スイッチ、施錠釦スイッチが設けられている。
【0043】
上述した観音開き扉は、
図11に示すように、第1の扉(扉パネル)11’と第2の扉(扉パネル)12’であり、平面視、第1の扉11’の端面に突出した第1の凸部11’Tが設けられ、平面視、第2の扉12’の端面に突出した第2の凸部12’Tが設けられ、観音開き扉11’、12’が閉じた状態において(
図11参照)、平面視、第1の凸部11’Tは、第2の凸部12’Tよりコンテナ本体1内に近い位置にあり、観音開き扉11’、12’を閉にすると、第1の凸部11’Tが第2の凸部12’Tに係止する関係にある。
【0044】
フック20に係止する係止部30は、回動自在な緊急解除回動部Kに設けられ、この回動自在な緊急解除回動部Kは、第2の扉12に取り付けられ、緊急解除回動部Kは、回動キー(図示せず)により回動するものであり、緊急解除回動部Kは、コンテナ本体1の外方に臨む外方開口部K1を有している。
そして、解除キー(解除キーは、例えば、リモコン4内の解除釦スイッチ)が故障した場合、回動キー(図示せず)を外方開口部K1に差し込み、回動することにより、緊急解除回動部Kがフック20を係止部30から離間するように移動させ、フック20と係止部30との係止状態を解除することができる。
その結果、故障により解除キーが動作しない場合に、扉11’、12’を開くようにして、対応することができる。
なお、
図10及び
図11に示す実施例においては、上述した実施例と同一部分に同一符号を付して、説明の一部を省略する。
【0045】
上述した実施例の「扉の開閉装置」を車に適用した例を示したが、車以外のものにも適用できるものである。。
この場合、扉の開閉装置は、本体の開口部を開閉する扉の開閉装置であって、前記本体に取り付けられたフックと、前記扉に取り付けられた前記フックに係止する係止部と、この係止部に係止した前記フックを前記係止部から離間するように動作させる解除キーと、前記フックを前記係止部に接近して係止させる施錠キーとを備えているものとなる。
【符号の説明】
【0046】
1 コンテナ本体
11 扉
20 フック
30 係止部