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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-12
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】防鳥装置
(51)【国際特許分類】
   A01M 29/32 20110101AFI20220117BHJP
   E04D 13/18 20180101ALI20220117BHJP
   H02S 20/23 20140101ALI20220117BHJP
【FI】
A01M29/32
E04D13/18
H02S20/23 Z
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018115855
(22)【出願日】2018-06-19
(65)【公開番号】P2019216637
(43)【公開日】2019-12-26
【審査請求日】2021-01-06
(73)【特許権者】
【識別番号】501244934
【氏名又は名称】株式会社コーユー
(74)【代理人】
【識別番号】100080746
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 武嗣
(72)【発明者】
【氏名】山本 剛司
(72)【発明者】
【氏名】中田 英治
(72)【発明者】
【氏名】井上 太一
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3179214(JP,U)
【文献】特開2015-123005(JP,A)
【文献】登録実用新案第3174173(JP,U)
【文献】特開2001-45956(JP,A)
【文献】特開2015-192633(JP,A)
【文献】特開2008-306940(JP,A)
【文献】特開2019-58078(JP,A)
【文献】特開2018-105002(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第1731690(EP,A2)
【文献】特開2019-208451(JP,A)
【文献】特開2018-25013(JP,A)
【文献】特開平11-71873(JP,A)
【文献】特開2013-177779(JP,A)
【文献】特開2009-225802(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 29/32
E04B 1/92
E04D 13/18
H02S 20/23
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋根(Y)の上面(Y1 )と、該屋根(Y)の上面(Y1 )に設置されたソーラーパネル(S)の下面(S1 )との間の空間(C)へ、鳥類が侵入するのを防止するために、上記ソーラーパネル(S)の端縁フレーム(S0 )と、上記屋根(Y)の上面(Y1 )との間隙部(E)を遮断する防鳥ネット(1)を備えた防鳥装置に於て、
上記ソーラーパネル(S)の端縁フレーム(S0 )に沿って所定の間隔(L)をもって複数設置される防鳥ネット保持具(2)と、上記防鳥ネット(1)を上記防鳥ネット保持具(2)に固着する結束バンド(3)とを、有し、
上記防鳥ネット保持具(2)が、水平壁部(4)と垂直壁部(5)を備えたL字型のソーラーパネル受け部(13)と、上記垂直壁部(5)の外面(5a)に形成された、結束バンド挿通用の孔部(6)を有する突出部(7)を、有する保持具本体(14)を備え、
防鳥ネット(1)を上記垂直壁部(5)の外面(5a)側に配設して、上記結束バンド(3)を、上記孔部(6)に挿通して、上記防鳥ネット(1)を上記防鳥ネット保持具(2)に固着するように構成し、
上記垂直壁部(5)の内面(5b)及び水平壁部(4)の内面(4b)に、接着手段(Z)を備えたことを特徴とする防鳥装置。
【請求項2】
屋根(Y)の上面(Y1 )と、該屋根(Y)の上面(Y1 )に設置されたソーラーパネル(S)の下面(S1 )との間の空間(C)へ、鳥類が侵入するのを防止するために、上記ソーラーパネル(S)の端縁フレーム(S0 )と、上記屋根(Y)の上面(Y1 )との間隙部(E)を遮断する防鳥ネット(1)を備えた防鳥装置に於て、
上記ソーラーパネル(S)の端縁フレーム(S0 )に沿って所定の間隔(L)をもって複数設置される防鳥ネット保持具(2)と、上記防鳥ネット(1)を上記防鳥ネット保持具(2)に固着する結束バンド(3)とを、有し、
上記防鳥ネット保持具(2)は、水平壁部(4)と垂直壁部(5)を備えたL字型であって、
垂直壁部(5)の内面(5b)に上下方向の凹溝(8)を形成し、上記凹溝(8)と上記垂直壁部(5)の外面(5a)側とを連通状とする第1小孔(11)を、上記凹溝(8)の溝底壁部(10)の上下中間位置に貫設するとともに、上記水平壁部(4)と垂直壁部(5)との角部近傍(G)の外面(G0 )と、上記凹溝(8)とを連通状にする第2小孔(12)を、上記角部近傍(G)に貫設し、
防鳥ネット(1)を上記垂直壁部(5)の外面(5a)に当接して、上記結束バンド(3)を、上記凹溝(8)に配設するとともに、上記第1小孔(11)及び第2小孔(12)に挿通して、上記防鳥ネット(1)を上記防鳥ネット保持具(2)に固着するように構成し、
上記垂直壁部(5)の内面(5b)及び水平壁部(4)の内面(4b)に、接着手段(Z)を備えたことを特徴とする防鳥装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防鳥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、屋根の上面にソーラーパネル(太陽光パネル、太陽電池パネル)を設置する場合、屋根の上面とソーラーパネルの下面との間に空間が存在する(例えば、特許文献1参照)。しかし、上記空間に鳥が巣を作り、鳥がソーラーパネルの上面に糞をすることにより、発電効率が低下するという問題があった。そこで、ソーラーパネルの端縁フレームと、屋根の上面との間隙部(すなわち上記空間への入口部)を防鳥ネットにて遮蔽する。本出願人は、以前、防鳥ネットを挟持する防鳥ネット保持具を有する防鳥装置を提案した(特願2017-183313参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-158105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記防鳥装置は、端縁フレームS0 と屋根Yの上面Y1 との間に上下突っ張り力を発生させるものであり、載置板30が水平状なので、図10に示すように、屋根Yの上面Y1 が傾斜状の場合、あるいは、上面Y1 が凹凸波形であってその傾斜箇所には、設置することができないという欠点がある。そこで、本発明は、屋根の上面の傾斜の有無にかかわらず設置することができる防鳥装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明に係る防鳥装置は、屋根の上面と、該屋根の上面に設置されたソーラーパネルの下面との間の空間へ、鳥類が侵入するのを防止するために、上記ソーラーパネルの端縁フレームと、上記屋根の上面との間隙部を遮断する防鳥ネットを備えた防鳥装置に於て、上記ソーラーパネルの端縁フレームに沿って所定の間隔をもって複数設置される防鳥ネット保持具と、上記防鳥ネットを上記防鳥ネット保持具に固着する結束バンドとを、有し、上記防鳥ネット保持具が、水平壁部と垂直壁部を備えたL字型のソーラーパネル受け部と、上記垂直壁部の外面に形成された、結束バンド挿通用の孔部を有する突出部を、有する保持具本体を備え、防鳥ネットを上記垂直壁部の外面側に配設して、上記結束バンドを、上記孔部に挿通して、上記防鳥ネットを上記防鳥ネット保持具に固着するように構成し、上記垂直壁部の内面及び水平壁部の内面に、接着手段を備えたものである。
【0006】
また、屋根の上面と、該屋根の上面に設置されたソーラーパネルの下面との間の空間へ、鳥類が侵入するのを防止するために、上記ソーラーパネルの端縁フレームと、上記屋根の上面との間隙部を遮断する防鳥ネットを備えた防鳥装置に於て、上記ソーラーパネルの端縁フレームに沿って所定の間隔をもって複数設置される防鳥ネット保持具と、上記防鳥ネットを上記防鳥ネット保持具に固着する結束バンドとを、有し、上記防鳥ネット保持具は、水平壁部と垂直壁部を備えたL字型であって、垂直壁部の内面に上下方向の凹溝を形成し、上記凹溝と上記垂直壁部の外面側とを連通状とする第1小孔を、上記凹溝の溝底壁部の上下中間位置に貫設するとともに、上記水平壁部と垂直壁部との角部近傍の外面と、上記凹溝とを連通状にする第2小孔を、上記角部近傍に貫設し、防鳥ネットを上記垂直壁部の外面に当接して、上記結束バンドを、上記凹溝に配設するとともに、上記第1小孔及び第2小孔に挿通して、上記防鳥ネットを上記防鳥ネット保持具に固着するように構成し、上記垂直壁部の内面及び水平壁部の内面に、接着手段を備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の防鳥装置によれば、屋根の上面の傾斜の有無にかかわらず設置することができる。また、ソーラーパネルの端縁フレームの上下厚さ寸法にかかわらず、設置できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1の実施の形態の使用状態を示す斜視図である。
図2】使用状態を示す図であって、(A)は断面側面図、(B)は断面正面図である。
図3】第1の実施の形態を示す斜視図である。
図4】使用状態の一例を示す簡略図である。
図5】使用状態の他例を示す簡略図である。
図6】使用状態のさらに他例を示す簡略図である。
図7】第2の実施の形態の使用状態を示す断面正面図である。
図8】第2の実施の形態を示す斜視図である。
図9図8の断面図であって、(A)はA-O1 -A断面端面図、(B)はB-O2 -B断面端面図である。
図10】従来例を示す断面正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図示の実施の形態に基づいて本発明を詳説する。
図1は、本発明の第1の実施の形態の使用状態を示す。この防鳥装置は、屋根Yの上面Y1 と、屋根Yの上面Y1 に設置されたソーラーパネルSの下面S1 図2図3参照)との間の空間Cへ、鳥類(図示省略)が侵入するのを防止するために、ソーラーパネルSの端縁フレームS0 と、屋根Yの上面Y1 との間隙部Eを遮断する金属製防鳥ネット1を備える。図2に示すように、屋根Yの上面Y1 が直線状の傾斜面の場合、及び、図3に示すように、屋根Yの上面Y1 が波型の場合(例えば瓦屋根の場合)等、屋根Yの上面Y1 の形状にかかわらず、設置することができる。そして、瓦屋根に設置する場合、防鳥ネット1に切込みKを入れて、防鳥ネット1の先端部1aを瓦屋根の凹凸形状に対応させ、間隙部Eを適切に遮断して、鳥類が侵入するのを確実に防止する。
【0010】
ソーラーパネルSの端縁フレームS0 に沿って所定の間隔Lをもって複数設置される防鳥ネット保持具2と、防鳥ネット1を防鳥ネット保持具2に固着する結束バンド3とを、有する。
【0011】
図3に示すように、防鳥ネット保持具2が、金属製であって、水平壁部4と垂直壁部5を備えたL字型のソーラーパネル受け部13と、垂直壁部5の外面5aに形成された、結束バンド挿通用の孔部6を有する突出部7を、有する保持具本体14を備える。防鳥ネット1を垂直壁部5の外面5a側に配設して、結束バンド3を、孔部6に挿通して、防鳥ネット1を防鳥ネット保持具2に固着するように構成される。垂直壁部5の内面5b及び水平壁部4の内面4bに、接着手段Zを備える。接着手段Zとしては、粘着による場合を含むと定義する。接着手段Zは、例えば、接着剤、両面テープ等から成る。
【0012】
図1図2図4に示すように、水平壁部4がソーラーパネルSの下面S1 側となるように設置する場合の他に、図5に示すように、水平壁部4がソーラーパネルSの上面S2 側となるように設置することができる。そして、図6に示すように、水平壁部4がソーラーパネルSの下面S1 側となるように配設するとともに、水平壁部4がソーラーパネルSの上面S2 側となるように配設して、上下に2つの防鳥ネット保持具2を設置するも良い。図6に示すように上下に2つの防鳥ネット保持具2を設置する場合、ひとつの結束バンド3を上下の孔部6に挿通して、防鳥ネット1を保持することができる。
【0013】
図7は、第2の実施の形態の使用状態を示す。図7図9に示すように、垂直壁部5の内面5bに上下方向の凹溝8を形成する。凹溝8と垂直壁部5の外面5a側とを連通状とする第1小孔11を、凹溝8の溝底壁部10の上下中間位置に貫設する。水平壁部4と垂直壁部5との角部近傍Gの外面G0 と、凹溝8とを連通状にする第2小孔12を、角部近傍Gに貫設する。防鳥ネット1を垂直壁部5の外面5aに当接して、結束バンド3を、凹溝8に配設するとともに、第1小孔11及び第2小孔12に挿通して、防鳥ネット1を防鳥ネット保持具2に固着するように構成される。垂直壁部5の内面5b及び水平壁部4の内面4bに、接着手段Zを備える。その他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0014】
なお、本発明は、設計変更可能であって、例えば、防鳥ネット1を樹脂製とするも良い。また、防鳥ネット保持具2を、エンジニアリングプラスチック等の樹脂製とするも良い。
【0015】
以上のように、本発明は、屋根Yの上面Y1 と、該屋根Yの上面Y1 に設置されたソーラーパネルSの下面S1 との間の空間Cへ、鳥類が侵入するのを防止するために、上記ソーラーパネルSの端縁フレームS0 と、上記屋根Yの上面Y1 との間隙部Eを遮断する防鳥ネット1を備えた防鳥装置に於て、上記ソーラーパネルSの端縁フレームS0 に沿って所定の間隔Lをもって複数設置される防鳥ネット保持具2と、上記防鳥ネット1を上記防鳥ネット保持具2に固着する結束バンド3とを、有し、上記防鳥ネット保持具2が、水平壁部4と垂直壁部5を備えたL字型のソーラーパネル受け部13と、上記垂直壁部5の外面5aに形成された、結束バンド挿通用の孔部6を有する突出部7を、有する保持具本体14を備え、防鳥ネット1を上記垂直壁部5の外面5a側に配設して、上記結束バンド3を、上記孔部6に挿通して、上記防鳥ネット1を上記防鳥ネット保持具2に固着するように構成し、上記垂直壁部5の内面5b及び水平壁部4の内面4bに、接着手段Zを備えたので、屋根Yの上面Y1 の傾斜の有無にかかわらず設置することができる。また、結束バンド3を用いるので、容易かつ迅速に設置することができる。また、ソーラーパネルSの端縁フレームS0 の上下厚さ寸法にかかわらず、設置できる。また、垂直壁部5の内面5b、及び、水平壁部4の内面4bの2面の各々に設けられた接着手段Zにて防鳥ネット保持具2を端縁フレームS0 に固着するので、確実かつ強固に固着することができ、耐用年数が長い。
【0016】
また、屋根Yの上面Y1 と、該屋根Yの上面Y1 に設置されたソーラーパネルSの下面S1 との間の空間Cへ、鳥類が侵入するのを防止するために、上記ソーラーパネルSの端縁フレームS0 と、上記屋根Yの上面Y1 との間隙部Eを遮断する防鳥ネット1を備えた防鳥装置に於て、上記ソーラーパネルSの端縁フレームS0 に沿って所定の間隔Lをもって複数設置される防鳥ネット保持具2と、上記防鳥ネット1を上記防鳥ネット保持具2に固着する結束バンド3とを、有し、上記防鳥ネット保持具2が、水平壁部4と垂直壁部5を備えたL字型であって、垂直壁部5の内面5bに上下方向の凹溝8を形成し、上記凹溝8と上記垂直壁部5の外面5a側とを連通状とする第1小孔11を、上記凹溝8の溝底壁部10の上下中間位置に貫設するとともに、上記水平壁部4と垂直壁部5との角部近傍Gの外面G0 と、上記凹溝8とを連通状にする第2小孔12を、上記角部9近傍に貫設し、防鳥ネット1を上記垂直壁部5の外面5aに当接して、上記結束バンド3を、上記凹溝8に配設するとともに、上記第1小孔11及び第2小孔12に挿通して、上記防鳥ネット1を上記防鳥ネット保持具2に固着するように構成し、上記垂直壁部5の内面5b及び水平壁部4の内面4bに、接着手段Zを備えたので、屋根Yの上面Y1 の傾斜の有無にかかわらず設置することができる。また、結束バンド3を用いるので、容易かつ迅速に設置することができる。また、ソーラーパネルSの端縁フレームS0 の上下厚さ寸法にかかわらず、設置できる。また、垂直壁部5の内面5b、及び、水平壁部4の内面4bの2面の各々に設けられた接着手段Zにて防鳥ネット保持具2を端縁フレームS0 に固着するので、確実かつ強固に固着することができ、耐用年数が長い。
【符号の説明】
【0017】
1 防鳥ネット
2 防鳥ネット保持具
3 結束バンド
4 水平壁部
4b 内面
5 垂直壁部
5a 外面
5b 内面
6 孔部
7 突出部
8 凹溝
9 角部
9a 外面
10 溝底壁部
11 第1小孔
12 第2小孔
13 ソーラーパネル受け部
14 保持具本体
C 空間
E 間隙部
G 角部近傍
0 外面
L 所定の間隔
S ソーラーパネル
1 下面
0 端縁フレーム
Y 屋根
1 上面
Z 接着手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10