(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-12
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】資材管理システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
B66C 13/06 20060101AFI20220117BHJP
B66C 13/08 20060101ALI20220117BHJP
B66C 13/00 20060101ALI20220117BHJP
【FI】
B66C13/06 M
B66C13/08 H
B66C13/00 Z
(21)【出願番号】P 2018537694
(86)(22)【出願日】2016-10-07
(86)【国際出願番号】 AU2016050941
(87)【国際公開番号】W WO2017059493
(87)【国際公開日】2017-04-13
【審査請求日】2019-10-04
(32)【優先日】2015-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(32)【優先日】2015-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】519081709
【氏名又は名称】バートン アイピー プロプリエタリー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】VERTON IP PTY LTD
【住所又は居所原語表記】Level 1, 5 Gardner Close, Milton QLD 4064 Australia
(74)【代理人】
【識別番号】100141586
【氏名又は名称】沖中 仁
(72)【発明者】
【氏名】トムソン,スタンレイ
(72)【発明者】
【氏名】ミラー,アンドリュー
【審査官】須山 直紀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/135191(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0051879(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0299440(US,A1)
【文献】米国特許第9375841(US,B1)
【文献】特表2017-500257(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0297650(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 13/06
B66C 13/08
B66C 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
資材管理方法であって、該方法は、
積み荷制御システムを介して吊り下げられた積み荷の回転を制御する工程であって、前記積み荷制御システムは、前記吊り下げられた積み荷に、直接的又は間接的に取り付けるための1またはこれより多くのトルク発生デバイスと、前記1またはこれより多くのトルク発生デバイスと通信状態にあるコントローラーと、前記コントローラーと通信状態にある1またはこれより多くのセンサとを備え、これにより、前記コントローラーは、前記1またはこれより多くのトルク発生デバイスを制御し、従って、前記1またはこれより多くのセンサからの信号に応答して、前記吊り下げられた積み荷の前記回転及び方位を制御
し、ここで、前記1またはこれより多くのトルク発生デバイスは、1またはこれより多くのジャイロスコープモジュールの形態であり、前記ジャイロスコープモジュールは、当該ジャイロスコープモジュールのローターに連結された第1のモーターを含み、前記第1のモーターは、前記ローターの角速度を制御して、前記吊り下げられた積み荷の回転を制御するために前記コントローラーと通信状態にあり、ここで、各ジャイロスコープモジュールの前記第1のモーターは、それぞれの前記ローター内に位置する、工程と、
プロセッサを介して、作業活動および資材フローに関するデータを、前記1またはこれより多くのセンサから受け取る工程と、
前記プロセッサを介して、前記作業活動および資材フローに関するデータに基づいて安全性および生産性情報を生成する工程と、
前記プロセッサを介して、前記生成された安全性および生産性情報と、前記作業活動および資材フローの既存のプロジェクト計画およびスケジュールとを比較する工程と、
前記プロセッサを介して、前記プロジェクト計画および作業スケジュールの現状および相対的進捗を決定する工程と、
前記プロセッサを介して、更新されたプロジェクト計画および作業スケジュールを生成する工程と、
を包含する方法。
【請求項2】
前記作業活動および資材フローに関するデータは、前記資材の位置;前記資材の動き;前記資材の識別;前記資材の回転のうちの1またはこれより多くを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記資材は、積み荷であり、前記方法は、吊り下げられた積み荷の回転を、
2またはこれより多くのジャイロスコープモジュー
ルを、直接的または間接的に前記吊り下げられた積み荷に取り付ける工程と、
前記2またはこれより多くのジャイロスコープモジュールを、前記コントローラーを介して独立して制御して、前記吊り下げられた積み荷の前記回転を制御する工程と、
によって制御する工程を包含する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記2またはこれより多くのジャイロスコープモジュールを制御する工程は、前記ジャイロスコープモジュールのうちの1またはこれより多くのローターの方位を、前記コントローラーを介して制御する工程を包含する、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記2またはこれより多くのジャイロスコープモジュールを、前記コントローラーを介して制御して、前記吊り下げられた積み荷にモーメントを付与するか、または前記吊り下げられた積み荷の方位を維持する、
請求項3または4に記載の方法。
【請求項6】
前記2またはこれより多くのジャイロスコープモジュールを制御する工程は、前記ジャイロスコープモジュールのうちの1またはこれより多くの前記ローターの方位をロックする工程を包含する、
請求項3~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記2またはこれより多くのジャイロスコープモジュールを制御する工程は、前記吊り下げられた積み荷の回転を、
a)前記ジャイロスコープモジュールの起動の間に、前記ジャイロスコープモジュールのうちの1もしくはこれより多くの前記ローターの角速度を制御する工程;および/または
b)前記ローターが所望の角速度より多く回転した後に、前記ジャイロスコープモジュールのうちの1もしくはこれより多くの前記ローターの方位を制御する工程、
によって制御する工程を包含する、
請求項3~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記2またはこれより多くのジャイロスコープモジュールを制御する工程は、前記ジャイロスコープモジュールのうちの2つの前記ローターを、前記2つのジャイロスコープモジュールの起動の間に運動量ホイール設定において方位決定する工程および前記ローターが所望の角速度より多く回転した後に、上記2つのジャイロスコープモジュールの前記ローターの方位を第2の設定へと変更する工程を包含する、
請求項3~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記2またはこれより多くのジャイロスコープモジュールを制御する工程は、前記ジャイロスコープモジュールのうちの2つの前記ローターを制御して、共通の方向または反対方向に回転させる工程を包含する、
請求項3~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
吊り下げられた積み荷の回転を制御するためのシステムであって、前記システムは、
前記吊り下げられた積み荷に、直接的または間接的に取り付けるための1またはこれより多くのトルク発生デバイスと、
前記1またはこれより多くのトルク発生デバイスと通信状態にあるコントローラーと、
前記コントローラーと通信状態にある1またはこれより多くのセンサと、
を含み、これにより、前記コントローラーは、前記1またはこれより多くのトルク発生デバイスを制御し、従って、前記1またはこれより多くのセンサからの信号に応答して、前記吊り下げられた積み荷の前記回転及び方位を制御
し、
ここで、前記1またはこれより多くのトルク発生デバイスは、1またはこれより多くのジャイロスコープモジュールの形態であり、前記ジャイロスコープモジュールは、当該ジャイロスコープモジュールのローターに連結された第1のモーターを含み、前記第1のモーターは、前記ローターの角速度を制御して、前記吊り下げられた積み荷の回転を制御するために前記コントローラーと通信状態にあり、ここで、各ジャイロスコープモジュールの前記第1のモーターは、それぞれの前記ローター内に位置する、システム。
【請求項11】
各ジャイロスコープモジュールは、ケーシングにピボットするように取り付けられた1またはこれより多くのジンバルにピボットするように取り付けられた1またはこれより多くのローターを含む、
請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記ジャイロスコープモジュールのうちの1またはこれより多くを含む積み荷支持構造体を含む、
請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
各ジャイロスコープモジュールを:a)別のジャイロスコープモジュール;b)積み荷支持構造体;またはc)前記吊り下げられた積み荷、に取り付けるための取り付け手段を含む、
請求項11または12に記載のシステム。
【請求項14】
各ジャイロスコープモジュールは、別個のケーシングに取り付けられるか、または2またはこれより多くのジャイロスコープモジュールは、同じケーシングに取り付けられる、
請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記ケーシングは、前記ローターのうちのそれぞれ1つとともにピボットする、および/または2またはこれより多くのパーツに形成される、
請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記ケーシングの前記2またはこれより多くのパーツが、積み荷支持構造体に向かって動かされ得るように、前記ケーシングの前記2またはこれより多くのパーツと前記積み荷支持構造体との間に連結された1またはこれより多くのリンク機構を含む、
請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記ローターは、前記ローターの慣性モーメントを制御するために1またはこれより多くの可動式の重りを含む、
請求項10~16のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
前記ジンバルの方位を制御して、前記吊り下げられた積み荷の回転を制御するために、各ジャイロスコープモジュールの前記ジンバルに連結され、かつ前記コントローラーと通信状態にある第2のモーターを含む、
請求項10~17のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
前記第1のモーターおよび前記第2のモーターへと電力供給するために、1またはこれより多くの電源を含む、
請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記1またはこれより多くの電源のうちの1またはこれより多くは、a)前記それぞれのジャイロスコープモジュール内に;b)前記それぞれのジャイロスコープモジュールの前記ローター内に、位置する、
請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記1またはこれより多くの電源のうちの1またはこれより多くは、ワイヤレス充電器を介して再充電される、
請求項19または20に記載のシステム。
【請求項22】
前記ワイヤレス充電器は、前記積み荷を吊り上げているクレーン上に位置する、
請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
各第1のモーターが前記それぞれのローターと連動するかまたは連動解除することを可能にするための1またはこれより多くの第1のクラッチ、および/または、各第2のモーターが、前記それぞれのジンバルと連動するかまたは連動解除することを可能にするための1またはこれより多くの第2のクラッチ、および/または、前記ジンバルおよび/または前記ジャイロスコープモジュールのうちの1またはこれより多くのローターの回転をロックするための1またはこれより多くのロックを含む、
請求項10~22のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項24】
前記コントローラーは、前記2またはこれより多くのジャイロスコープモジュールを制御することによって、前記積み荷の回転を制御するために、コンピューター読み取り可能なプログラムコードを実行するためのプロセッサを含むか、または前記プロセッサの形態にある、
請求項10~23のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項25】
ユーザー入力を受け取るための前記プロセッサと通信状態にある、遠隔コントローラーのような入力デバイスを含み、ここで前記プロセッサは、コンピューター読み取り可能なプログラムコードを実行して、前記ユーザー入力に基づいて前記積み荷の回転を制御する、
請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記コンピューター読み取り可能なプログラムコードのうちの少なくともいくつかは、前記ジャイロスコープモジュールのうちの2つの前記ローターを、前記2つのジャイロスコープモジュールの起動の間に運動量ホイール設定にあるように制御し、そして前記ジャイロスコープモジュールのうちの2つの前記ローターの方位を、前記ローターが所望の角速度より多く回転した後に、第2の設定へと変更するように実行される、
請求項24または25に記載のシステム。
【請求項27】
前記コンピューター読み取り可能なプログラムコードのうちの少なくともいくつかは、1またはこれより多くのジャイロスコープモジュールを、前記吊り下げられた積み荷の回転の第1パートに関して、および1またはこれより多くの他のジャイロスコープモジュールを前記回転の第2パートに関して制御するために実行される、
請求項24、25または26に記載のシステム。
【請求項28】
前記1またはこれより多くのセンサのうちの1またはこれより多くが、前記それぞれのトルク発生デバイスの状態を前記コントローラーに提供し、および/または、コンピューター読み取り可能なプログラムコードは、プロセッサによって実行されて、前記1またはこれより多くのセンサから受け取ったデータを使用して、前記吊り下げられた積み荷を自動的に方位決定し、および/または、前記コントローラーは、前記1またはこれより多くのセンサから受け取ったデータを使用して、前記吊り下げられた積み荷の動きの記録を生成する、
請求項10~27のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項29】
前記トルク発生デバイスは、前記センサのうちの前記1またはこれより多くを含む1またはこれより多くのセンサモジュールを受け取るために、1またはこれより多くのソケットまたは凹部を含む、
請求項10~28のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項30】
前記トルク発生デバイスによって前記積み荷に付与し得る最大トルク、角運動エネルギーおよび/または運動量を表示するためのインジケーターを含む、
請求項10~29のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項31】
前記コントローラーに直接的または間接的に接続可能な、1またはこれより多くの太陽電池;1またはこれより多くの拡声器;1またはこれより多くのディスプレイ画面のうちの1またはこれより多くを含む、
請求項10~30のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項32】
吊り下げられた積み荷に直接的または間接的に連結された2またはこれより多くの制御モーメントジャイロスコープモジュールを介して前記吊り下げられた積み荷の回転を制御するための方法であって、前記方法は、
前記2またはこれより多くの制御モーメントジャイロスコープモジュールのうちの1またはこれより多くを介して、前記吊り下げられた積み荷の回転の第1パートを制御する工程と、
前記2またはこれより多くの制御モーメントジャイロスコープモジュールのうちの異なる1またはこれより多くを介して、前記吊り下げられた積み荷の回転の第2パートを制御する工程と、
を包含し、
ここで、前記吊り下げられた積み荷の前記回転の前記第1パートおよび前記回転の前記第2パートは、前記2またはこれより多くの制御モーメントジャイロスコープモジュール内で角運動量を移動させることにより制御され
、
ここで、前記制御モーメントジャイロスコープモジュールは、当該制御モーメントジャイロスコープモジュールのローターに連結された第1のモーターを含み、前記第1のモーターは、前記ローターの角速度を制御して、前記吊り下げられた積み荷の回転を制御するためにコントローラーと通信状態にあり、ここで、各制御モーメントジャイロスコープモジュールの前記第1のモーターは、それぞれの前記ローター内に位置する、方法。
【請求項33】
1またはこれより多くのトルク発生デバイスにより発生したトルクを付与することにより前記吊り下げられた積み荷の移動を制御するための、吊り下げられた積み荷に直接的または間接的に連結された1またはこれより多くのトルク発生デバイスと連携した1またはこれより多くのセンサと通信状態にあるプロセッサを含む積み荷管理システムであって、
ここで、前記1またはこれより多くのトルク発生デバイスは、1またはこれより多くのジャイロスコープモジュールの形態であり、前記ジャイロスコープモジュールは、当該ジャイロスコープモジュールのローターに連結された第1のモーターを含み、前記第1のモーターは、前記ローターの角速度を制御して、前記吊り下げられた積み荷の回転を制御するためにコントローラーと通信状態にあり、ここで、各ジャイロスコープモジュールの前記第1のモーターは、それぞれの前記ローター内に位置し、
ここで前記プロセッサは、
1もしくはこれより多くのスケジュールを、前記1もしくはこれより多くのセンサからのデータに基づいて自動的に更新する、および/または
前記積み荷および/もしくはその動きの詳細を、前記1もしくはこれより多くのセンサからのデータに基づいて、1もしくはこれより多くのモニタリングシステムを介して自動的に表示する、
積み荷管理システム。
【請求項34】
積み荷認識方法であって、該方法は、
積み荷に直接的または間接的に取り付けられた1もしくはこれより多くのトルク発生デバイスにより発生したトルクを付与することにより前記積み荷の動きを制御する工程
であって、ここで、前記1もしくはこれより多くのトルク発生デバイスは、1もしくはこれより多くのジャイロスコープモジュールの形態であり、前記ジャイロスコープモジュールは、当該ジャイロスコープモジュールのローターに連結された第1のモーターを含み、前記第1のモーターは、前記ローターの角速度を制御して、前記吊り下げられた積み荷の回転を制御するためにコントローラーと通信状態にあり、ここで、各ジャイロスコープモジュールの前記第1のモーターは、それぞれの前記ローター内に位置する、工程と、
プロセッサを介して、前記1もしくはこれより多くのトルク発生デバイスと連携した1またはこれより多くのセンサから前記積み荷の詳細を受け取る工程と、
前記プロセッサを介して、前記1またはこれより多くのセンサからの前記詳細と、1またはこれより多くの積み荷識別子とを比較して、前記積み荷を識別する工程と、
を包含する方法。
【請求項35】
スケジュール作成方法であって、該方法は、
プロセッサを介して、積み荷の詳細を、前記積み荷に直接的または間接的に取り付けられた1もしくはこれより多くのトルク発生デバイスと連携した1またはこれより多くのセンサから受け取る工程であって、ここで、前記積み荷の動きは、1もしくはこれより多くのトルク発生デバイスにより発生したトルクを付与することにより制御され
、ここで、前記1もしくはこれより多くのトルク発生デバイスは、1もしくはこれより多くのジャイロスコープモジュールの形態であり、前記ジャイロスコープモジュールは、当該ジャイロスコープモジュールのローターに連結された第1のモーターを含み、前記第1のモーターは、前記ローターの角速度を制御して、前記吊り下げられた積み荷の回転を制御するために前記プロセッサと通信状態にあり、ここで、各ジャイロスコープモジュールの前記第1のモーターは、それぞれの前記ローター内に位置する、工程と、
前記プロセッサを介して、前記1またはこれより多くのセンサからの積み荷の前記詳細に基づいて、前記積み荷の位置および/または動きを決定する工程と、
前記積み荷の前記位置および/または動きに基づいて、1またはこれより多くのスケジュールを更新する工程と、
を包含する方法。
【請求項36】
モニタリング方法であって、該方法は、
プロセッサを介して、積み荷の詳細を、前記積み荷の動きを制御するために前記積み荷に直接的または間接的に取り付けられた1もしくはこれより多くのトルク発生デバイスと連携した1またはこれより多くのセンサから受け取る工程
であって、ここで、前記1もしくはこれより多くのトルク発生デバイスは、1もしくはこれより多くのジャイロスコープモジュールの形態であり、前記ジャイロスコープモジュールは、当該ジャイロスコープモジュールのローターに連結された第1のモーターを含み、前記第1のモーターは、前記ローターの角速度を制御して、前記吊り下げられた積み荷の回転を制御するために前記プロセッサと通信状態にあり、ここで、各ジャイロスコープモジュールの前記第1のモーターは、それぞれの前記ローター内に位置する、工程と、
前記プロセッサを介して、1またはこれより多くのセンサからの前記積み荷の詳細に基づいて、前記積み荷の位置および/または動きを決定する工程と、
1またはこれより多くのモニタリングシステムを介して、前記積み荷の前記位置および/または前記動きを表示する工程と、
を包含する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、積み荷管理システムおよび方法を含む、資材管理システムおよび方法に関する。特に、本発明の実施形態は、ジャイロスコープデバイスを介して吊り下げられた積み荷を方位決定すること、ならびに積み荷およびそれらの動き(例えば、建設現場、港湾でのおよび他の環境での)についてのデータを測定および生成することに関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
輸送および建築のようないくつかの産業では、作業の多様な性質および地理的な拡がりが、生産性、進捗、費用コントロール、および安全性の課題を追跡することを困難にしている。例えば、積み荷は、これが最終的な位置へと置かれるまでに複数回位置を換えられ得るので、置き間違えられ得るか、遺失され得る。
【0003】
いくつかの産業では、吊り下げられた積み荷の、例えば、クレーンを介する動きは、周囲の作業者および構造体に危険を及ぼし得る。動きのある特定の局面は、クレーンによって制御され得る一方で、積み荷の回転はしばしば、推測不能であり得、環境要因(例えば、風)によって突然影響を及ぼされ得る。
【0004】
伝統的には、積み荷の回転は、作業員によって手で引っ張られる、その積み荷に取り付けられるタグライン(tag line)として公知のロープまたはケーブルを介して制御されてきた。このアプローチに伴う1つの問題は、職員がその吊り上げられた積み荷から十分に離れるだけの空間がほとんど存在しない可能性もあることである。積み荷がトラックおよび/または船に積まれ、そしてそこから降ろされる場合、そこには、迅速に積んだり降ろしたりする時間的重圧がまた存在し得、そして船から降ろす場合には、船からの積み荷の積み降ろしを正確に記録することが顧客から求められ得る。従って、安全性の理由から、作業員がその吊り下げられた積み荷の直ぐ下に立つことは典型的には許容されていない一方で、作業員は、その積み荷のほぼ下ではあるが片側にずれて立つことはしばしば必要とされ、このような場合には、その吊り下げられたかもしくは部分的に吊り下げられた積み荷と固定された物体もしくは構造体との間に閉じ込められるか、または港湾もしくはデッキから水の中に落とされるという可能性がある。このアプローチに伴う別の問題は、それが遅くかつ不正確であり得ることである。
【0005】
吊り下げられた積み荷の回転を制御するための改善されたシステムを提供する努力がなされてきた。例えば、米国特許第5816098号に記載されるシステムは、積み荷梁上の中心点に1個のコントロールモーメントジャイロスコープ(CMG)を提供することによって積み荷の方位を提供する。
【0006】
このシステムに伴う1つの問題は、CMGのモーメント出力は、そのジャイロスコープの物理特性によって制限されることである。特に、そのジャイロスコープは、ある特定の回転角を通じて出力トルクを提供し得るに過ぎない。これは、そのCMGが、その積み荷の回転を制御する能力が、その積み荷を吊り上げて置く間に、重大な点で効率的に機能しなくなる可能性があることを意味する。
【0007】
この問題は、より多くの運動量を保存するように、そのCMGのローターの重量を増大させることによって部分的に対処され得る。しかし、そのローターの重量を増大させると、吊り上げられなければならない重量に加わることになるので、操縦の融通性が低下し、かつ費用が増大する。
【0008】
さらに、大きなローターを伴うこのようなCMGは、かなりの立ち上がり時間および停止時間を有し、より大きなモーターを要し、ローターを駆動するために大きな電力消費を有し、積み荷の不釣り合いを回避するために、積み荷もしくは支持梁上の中心位置において使用されなければならない。
【0009】
CMGを使用して積み荷の回転を制御することに伴うさらなる問題は、CMGのローターの再方位が、縦揺れおよび/もしくは横揺れのような望ましくないトルク、ならびにその積み荷を回転するために所望のトルクを付与することである。そのCMGはまた、典型的には、その積み荷の手作業での回転を妨害するその積み荷の手作業での回転に不要な反応をもたらす。さらに、そのローターが、その積み荷の手作業での再方位の間に自由に再方位決定することを許容される場合、その積み荷が再方位決定された後に、望ましくない方位にある可能性がある。
【0010】
国際特許出願公開番号WO 2015/082347は、吊り下げられた積み荷の方位を制御するための別のシステムを記載する。そのシステムは、リフティングフレームを含み、このリフティングフレームに、吊り上げられるべき積み荷が接続される。2またはこれより多くのフライホイールユニットは、リフティングフレーム上に配置される。各フライホイールユニットは、ジンバル支持体の中に配置されるジンバルの中に配置されるフライホイールロータリーを含む。
【0011】
制御ユニットは、フライホイールの回転の速度および方向ならびにジンバルの傾斜を個々に制御して、リフティングフレームおよび必要とされるかまたは所定の方位に向かう任意の取り付けられた積み荷を回転させるためのトルクを作り出す。制御システムは、回転の速度を完全にもしくは部分的に低下させ、ジンバルを新たな開始位置へと傾斜させ、そしてフライホイールに再び回転を付けることによるか、またはフライホイールを停止し、フライホイールを反対方向に回転を付けることによるかのいずれかによって、フライホイールユニットを再初期化する。
【0012】
WO 2015/082347のシステムに伴う1つの問題は、ユーザーが、積み荷の吊り上げにおいて非実際的な遅れを引き起こし得るフライホイールユニットの再初期化を待たなければならず、プロジェクトに関する進捗を遅らせ得ることである。別の問題は、フライホイールが、クレーンによって常に吊り上げられなければならず、かつ積み荷の重量を運ばなければならないリフティングフレームに、顕著な重量を加えることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】米国特許第5816098号明細書
【文献】WO 2015/082347号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
発明の目的
本発明の好ましい目的は、吊り下げられた積み荷の方位を制御する、ならびに/あるいは先行技術の前述の問題のうちの1もしくはこれより多くに対処するかもしくは少なくとも改善するおよび/または有用な産業的代替手段を提供する、資材を管理するための改善されたシステムおよび/または方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
発明の要旨
本発明は、資材管理システムおよび方法、そして特に、積み荷管理システムおよび方法に関する。特に、本発明の実施形態は、ジャイロスコープデバイスを介して吊り下げられた積み荷を方位決定すること、ならびにその積み荷およびそれらの動きについてのデータを測定および生成することに関する。
【0016】
一形態において、必ずしも最も広い形態ではないが、本発明は、資材管理方法にあり、前記方法は、
プロセッサを介して、作業活動および資材フローに関するデータを、1またはこれより多くのセンサから受け取る工程;
前記プロセッサを介して、前記作業活動および資材フローに関するデータに基づいて安全性および生産性情報を生成する工程;
前記プロセッサを介して、前記生成された安全性および生産性情報と、前記作業活動および資材フローの既存のプロジェクト計画およびスケジュールとを比較する工程;
前記プロセッサを介して、前記プロジェクト計画および作業スケジュールの現状および相対的進捗を決定する工程;ならびに
前記プロセッサを介して、更新されたプロジェクト計画および作業スケジュールを生成する工程、
を包含する。
【0017】
前記作業活動および資材フローに関するデータは、少なくとも以下:前記資材の位置;前記資材の動き;前記資材の識別;前記資材の回転のうちの1またはこれより多くを含み得る。
【0018】
適切には、前記資材は、積み荷であり、前記方法は、
2またはこれより多くのジャイロスコープモジュールを、前記吊り下げられた積み荷に直接的または間接的に取り付ける工程であって、前記2またはこれより多くのジャイロスコープモジュールは、コントローラーの形態で前記プロセッサと通信状態にある工程;および
前記2またはこれより多くのジャイロスコープモジュールを、前記コントローラーを介して独立して制御して、前記吊り下げられた積み荷の回転を制御する工程、
によって、吊り下げられた積み荷の回転を制御する工程を包含する。
【0019】
別の形態において、必ずしも最も広い形態ではないが、本発明は、吊り下げられた積み荷の回転を制御するためのシステムにあり、前記システムは、
前記吊り下げられた積み荷に、直接的または間接的に取り付けるための2またはこれより多くのジャイロスコープモジュール;および
前記2またはこれより多くのジャイロスコープモジュールを独立して制御して、前記吊り下げられた積み荷の回転を制御するためのコントローラー
を含む。
【0020】
好ましくは、各ジャイロスコープモジュールは、1またはこれより多くのジンバルにピボットするように取り付けられた1またはこれより多くのローターを含む。
【0021】
適切には、前記システムは、各ジャイロスコープモジュールを別のジャイロスコープモジュールに、積み荷支持構造体に、または前記吊り下げられた積み荷に取り付けるための取り付け手段を含む。
【0022】
適切には、前記システムは、前記ジャイロスコープモジュールのうちの1またはこれより多くを含む積み荷支持構造体を含む。
【0023】
適切には、各ジャイロスコープモジュールの前記1またはこれより多くのジンバルのうちの1つは、ケーシングにピボットするように取り付けられている。
【0024】
適切には、各ジャイロスコープモジュールは、別個のケーシングに取り付けられる。
【0025】
適切には、2またはこれより多くのジャイロスコープモジュールは、同じケーシングに取り付けられる。
【0026】
適切には、前記システムは、前記ローターの角速度を制御して、前記吊り下げられた積み荷の回転を制御するために、各ジャイロスコープモジュールの前記ローターに連結され、かつ前記コントローラーと通信状態にある第1のモーターを含む。
【0027】
適切には、前記第1のモーターは、前記ローター内に位置する。
【0028】
適切には、前記ローターは、前記ローターの慣性モーメントを制御するために1またはこれより多くの可動式の重りを含む。
【0029】
適切には、前記システムは、前記ジンバルの方位を制御して、前記吊り下げられた積み荷の回転を制御するために、各ジャイロスコープモジュールの前記ジンバルに連結され、かつ前記コントローラーと通信状態にある第2のモーターを含む。
【0030】
適切には、前記システムは、前記第1のモーターおよび前記第2のモーターへと電力供給するために、1またはこれより多くの電源を含む。
【0031】
適切には、前記1またはこれより多くの電源のうちの1またはこれより多くは、前記それぞれのジャイロスコープモジュール内に位置する。
【0032】
適切には、前記1またはこれより多くの電源のうちの1またはこれより多くは、前記それぞれのジャイロスコープモジュールの前記ローター内に位置する。
【0033】
適切には、前記1またはこれより多くの電源のうちの1またはこれより多くは、ワイヤレス充電器を介して再充電される。
【0034】
適切には、上記ワイヤレス充電器は、前記積み荷を吊り上げているクレーン上に位置する。
【0035】
適切には、前記システムは、各第1のモーターが前記それぞれのローターと連動するかまたは連動解除することを可能にするために、1またはこれより多くの第1のクラッチを含む。
【0036】
適切には、前記システムは、各第2のモーターが前記それぞれのジンバルと連動するかまたは連動解除することを可能にするために、1またはこれより多くの第2のクラッチを含む。
【0037】
適切には、前記システムは、前記ジンバルおよび/または前記ジャイロスコープモジュールのうちの1またはこれより多くのローターの回転をロックするために、1またはこれより多くのロックを含む。
【0038】
適切には、前記コントローラーは、前記2またはこれより多くのジャイロスコープモジュールを制御することによって、前記積み荷の回転を制御するために、コンピューター読み取り可能なプログラムコードを実行するためのプロセッサを含む。
【0039】
適切には、前記プロセッサは、コンピューター読み取り可能なプログラムコードを実行して、ユーザー入力に基づいて前記積み荷の回転を制御する。
【0040】
適切には、前記コントローラーは、前記ユーザー入力を受け取るための前記プロセッサと通信状態にある入力デバイスを含む。
【0041】
適切には、前記入力デバイスは、遠隔コントローラーである。
【0042】
適切には、前記コンピューター読み取り可能なプログラムコードのうちの少なくともいくつかは、前記ジャイロスコープモジュールのうちの2つのローターが前記ジャイロスコープモジュールのうちの2つの起動の間に運動量ホイール設定にあるように制御し、そして前記ジャイロスコープモジュールのうちの2つのローターの方位を、前記ローターが所望の角速度より多く回転した後に、第2の設定へと変更するように実行される。
【0043】
適切には、前記コンピューター読み取り可能なプログラムコードのうちの少なくともいくつかは、1またはこれより多くのジャイロスコープモジュールを、前記吊り下げられた積み荷の回転の第1の部品に関して、および1またはこれより多くの他のジャイロスコープモジュールを前記回転の第2の部品に関して制御するために実行される。
【0044】
適切には、前記ジャイロスコープモジュールは、前記コントローラーと通信状態にある1またはこれより多くのセンサ、またはプロセッサを各々含む。
【0045】
適切には、前記センサのうちの1またはこれより多くは、前記それぞれのジャイロスコープモジュールの状態を前記コントローラーに提供する。
【0046】
適切には、前記コンピューター読み取り可能なプログラムコードのうちの少なくともいくつかは、前記1またはこれより多くのセンサから受け取ったデータを使用して、前記吊り下げられた積み荷を自動的に方向決定するように実行される。
【0047】
適切には、前記コントローラーは、前記1またはこれより多くのセンサから受け取ったデータを使用して、前記吊り下げられた積み荷の動きの記録を生成する。
【0048】
適切には、前記ジャイロスコープモジュールは、前記センサのうちの1またはこれより多くを含む1またはこれより多くのセンサモジュールを受容する1またはこれより多くのソケットまたは凹部を含む。
【0049】
適切には、前記システムは、前記ジャイロスコープモジュールによって前記積み荷に付与し得る最大トルク、角運動エネルギーおよび/または運動量を表示するためのインジケーターを含む。
【0050】
前記システムは、前記コントローラーに直接的または間接的に接続可能な以下:1またはこれより多くの太陽電池;1またはこれより多くの拡声器;1またはこれより多くのディスプレイ画面のうちの1またはこれより多くを含み得る。
【0051】
別の形態において、必ずしも最も広い形態ではないが、本発明は、吊り下げられた積み荷の回転を制御するための方法にあり、前記方法は、
2またはこれより多くのジャイロスコープモジュールを、前記吊り下げられた積み荷に直接的または間接的に取り付ける工程;および
前記2またはこれより多くのジャイロスコープモジュールを、コントローラーを介して独立して制御して、前記吊り下げられた積み荷の回転を制御する工程、
を包含する。
【0052】
適切には、前記2またはこれより多くのジャイロスコープモジュールを制御する工程は、前記ジャイロスコープモジュールのうちの1またはこれより多くのローターの角速度を、前記コントローラーを介して制御する工程を包含する。
【0053】
適切には、前記2またはこれより多くのジャイロスコープモジュールを制御する工程は、前記ジャイロスコープモジュールのうちの1またはこれより多くの前記ローターの方位を、前記コントローラーを介して制御する工程を包含する。
【0054】
適切には、前記2またはこれより多くのジャイロスコープモジュールは、前記吊り下げられた積み荷にモーメントを付与するために、前記コントローラーを介して制御される。
【0055】
適切には、前記2またはこれより多くのジャイロスコープモジュールは、前記吊り下げられた積み荷の方位を維持するために、前記コントローラーを介して制御される。
【0056】
適切には、前記2またはこれより多くのジャイロスコープモジュールを制御する工程は、前記ジャイロスコープモジュールのうちの1またはこれより多くの前記ローターの方位をロックする工程を包含する。
【0057】
適切には、前記2またはこれより多くのジャイロスコープモジュールを制御する工程は、前記ジャイロスコープモジュールの起動の間に、前記ジャイロスコープモジュールのうちの1またはこれより多くの前記ローターの角速度を制御することによって、前記吊り下げられた積み荷の回転を制御する工程を包含する。
【0058】
適切には、前記2またはこれより多くのジャイロスコープモジュールを制御する工程は、前記ローターが所望の角速度より多く回転した後に、前記ジャイロスコープモジュールのうちの1またはこれより多くの前記ローターの方位を制御することによって、前記吊り下げられた積み荷の回転を制御する工程を包含する。
【0059】
適切には、前記2またはこれより多くのジャイロスコープモジュールを制御する工程は、前記ジャイロスコープモジュールのうちの2つの起動の間に、運動量ホイール設定において前記ジャイロスコープモジュールのうちの2つの前記ローターを方位決定する工程および前記ローターが所望の角速度より多く回転した後に、前記ジャイロスコープモジュールのうちの2つの前記ローターの方位を第2の設定へと変更する工程を包含する。
【0060】
適切には、前記2またはこれより多くのジャイロスコープモジュールを制御する工程は、前記ジャイロスコープモジュールのうちの2つの前記ローターを制御して、共通する方向に回転させる工程を包含する。
【0061】
適切には、前記2またはこれより多くのジャイロスコープモジュールを制御する工程は、前記ジャイロスコープモジュールのうちの2つの前記ローターを制御して、反対方向に回転させる工程を包含する。
【0062】
さらなる形態において、必ずしも最も広い形態ではないが、本発明は、吊り下げられた積み荷に直接的または間接的に連結されている2またはこれより多くのジャイロスコープモジュールを介して、前記吊り下げられた積み荷の回転を制御するための方法にあり、前記方法は、
前記吊り下げられた積み荷の回転の第1の部品を、前記2またはこれより多くのジャイロスコープモジュールのうちの1またはこれより多くを介して制御する工程;および
前記吊り下げられた積み荷の回転の第2の部品を、前記2またはこれより多くのジャイロスコープモジュールのうちの異なる1またはこれより多くを介して制御する工程
を包含する。
【0063】
さらに別の形態において、必ずしも最も広い形態ではないが、本発明は、吊り下げられた積み荷に直接的または間接的に連結されている1またはこれより多くのジャイロスコープユニットの1またはこれより多くのセンサと通信状態にあるプロセッサを含む積み荷管理システムにあり、ここで前記プロセッサは、前記1またはこれより多くのセンサからのデータに基づいて、1またはこれより多くの計画された作業スケジュールを自動的に更新する。
【0064】
別の形態において、必ずしも最も広い形態ではないが、本発明は、吊り下げられた積み荷に直接的または間接的に連結されている1またはこれより多くのジャイロスコープユニットの1またはこれより多くのセンサと通信状態にあるプロセッサを含む積み荷管理システムにあり、ここで前記プロセッサは、前記積み荷および/またはその動きの詳細を、前記1またはこれより多くのセンサからのデータに基づいて、1またはこれより多くのモニタリングシステムを介して自動的に表示する。
【0065】
別の形態において、必ずしも最も広い形態ではないが、本発明は、積み荷認識方法にあり、前記方法は、
プロセッサを介して、積み荷の詳細を、1またはこれより多くのセンサから受け取る工程;および
前記プロセッサを介して、前記1またはこれより多くのセンサからの前記詳細と、1またはこれより多くの積み荷識別子とを比較して、前記積み荷を識別する工程、
を包含する。
【0066】
別の形態において、必ずしも最も広い形態ではないが、本発明は、スケジュール作成方法にあり、前記方法は、
プロセッサを介して、積み荷の詳細を、1またはこれより多くのセンサから受け取る工程;
前記プロセッサを介して、前記1またはこれより多くのセンサからの積み荷の前記詳細に基づいて、前記積み荷の位置および/または動きを決定する工程;ならびに
前記積み荷の前記位置および/または動きに基づいて、1またはこれより多くの計画された作業スケジュールを更新する工程、
を包含する。
【0067】
別の形態において、必ずしも最も広い形態ではないが、本発明は、モニタリング方法にあり、前記方法は、
プロセッサを介して、積み荷の詳細を、1またはこれより多くのセンサから受け取る工程;
前記プロセッサを介して、1またはこれより多くのセンサからの前記積み荷の詳細に基づいて、前記積み荷の位置および/または動きを決定する工程;ならびに
1またはこれより多くのモニタリングシステムを介して、前記積み荷の前記位置および/または前記動きを表示する工程、
を包含する。
【0068】
別の形態において、必ずしも最も広い形態ではないが、本発明は、積み荷管理方法にあり、前記方法は、
プロセッサを介して、積み荷の詳細および周りの環境を、1またはこれより多くのセンサから受け取る工程;
前記プロセッサを介して、前記積み荷の詳細および前記周りの環境に基づいて、前記周りの環境の三次元マップを生成する工程;
前記プロセッサを介して、前記積み荷の位置および/または回転と、前記周りの環境のマップとを比較する工程;ならびに
前記プロセッサを介して、前記積み荷の安全な動きを決定する工程、
を包含する。
【0069】
本発明のさらなる形態および/または特徴は、以下の詳細な説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
本発明が容易に理解され得、実践的な効果をもたらし得るために、ここで添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施形態に対して言及される。ここで類似の参照番号は、同一の要素に言及する。図面は、例示によってのみ提供される。
【0071】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に従う、吊り下げられた積み荷の回転を制御するためのシステムの模式図である。
【0072】
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に従うジャイロスコープモジュールの平面図である。
【0073】
【
図3】
図3は、
図2に示されるジャイロスコープモジュールの正面断面図である。
【0074】
【
図4】
図4は、本発明の一実施形態に従うジャイロスコープユニットの平面図である。
【0075】
【
図5】
図5は、
図4に示されるジャイロスコープユニットの正面断面図である。
【0076】
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態に従う積み荷システムに取り付けられた2つのジャイロスコープモジュールの正面図である。
【0077】
【
図7】
図7は、
図6に示される積み荷システムに取り付けられた2つのジャイロスコープモジュールの平面図である。
【0078】
【
図8】
図8は、
図6および
図7に示される積み荷システム上の2つのジャイロスコープモジュールの運動量ホイール設定の平面図である。
【0079】
【
図9】
図9は、2つのジャイロスコープモジュールのローターの加速を、y軸のまわりに正の方向で示す運動量ホイール設定の平面図である。
【0080】
【
図10】
図10は、2つのジャイロスコープモジュールの加速を、y軸のまわりに反対方向で示す運動量ホイール設定の平面図である。
【0081】
【
図11】
図11は、
図6および
図7に示される積み荷システム上の2つのジャイロスコープモジュールの第2の設定の平面図であり、ここでジャイロスコープモジュールのローターは、z軸のまわりに反対方向に回転する。
【0082】
【
図12】
図12は、本発明の一実施形態に従うジャイロスコープユニットの断面図である。
【0083】
【
図13】
図13は、本発明の一実施形態に従う第3の設定の平面図である。
【0084】
【
図14】
図14は、本発明の一実施形態に従う第4の設定の平面図である。
【0085】
【
図15】
図15は、本発明の一実施形態に従う第5の設定の平面図である。
【0086】
【
図16】
図16は、本発明の一実施形態に従うジャイロスコープユニットの平面図である。
【0087】
【
図17】
図17は、本発明の一実施形態に従うジャイロスコープモジュールを制御するためのコントローラーの模式図である。
【0088】
【
図18】
図18は、ジャイロスコープモジュールのローターの方位を、前記ジャイロスコープモジュールの前記ローターの方位に対して変更することによる、積み荷に付与し得る最大運動量の例示的グラフを図示する。
【0089】
【
図19】
図19は、ジャイロスコープモジュールのローターの方位を、前記ジャイロスコープモジュールの前記ローターの方位に対して変更することによる、積み荷に適用可能なトルクの例示的グラフである。
【0090】
【
図20】
図20は、本発明の一実施形態に従うジャイロスコープユニットの平面図である。
【0091】
【
図21】
図21は、本発明の一実施形態に従う吊り下げられた積み荷の回転を制御するための方法の一般的フロー図である。
【0092】
【
図22】
図22は、本発明の一実施形態に従う吊り下げられた積み荷の回転を制御するための第2の方法の一般的フロー図である。
【0093】
【
図23】
図23は、本発明の一実施形態に従う吊り下げられた積み荷の回転を制御するための第3の方法の一般的フロー図である。
【0094】
【
図24】
図24は、本発明の一実施形態に従う積み荷管理システムを図示する。
【0095】
【
図25】
図25は、本発明の一実施形態に従う積み荷認識方法を図示する。
【0096】
【
図26】
図26は、本発明の一実施形態に従うスケジュール作成方法を図示する。
【0097】
【
図27】
図27は、本発明の一実施形態に従うモニタリング方法を図示する。
【0098】
【
図28】
図28は、本発明の一実施形態に従う積み荷管理方法を図示する。
【0099】
【
図29】
図29は、本発明の一実施形態に従うジャイロスコープユニットを図示する。
【0100】
【
図30】
図30は、本発明の一実施形態に従うジャイロスコープユニットのためのワイヤレス充電器を図示する。
【0101】
【
図31】
図31は、本発明の一実施形態に従うジャイロスコープモジュールのローターを図示する。
【0102】
【
図32】
図32は、本発明の一実施形態に従う可変性の慣性モーメントを有するジャイロスコープモジュールのローターの第1の設定を図示する。
【0103】
【
図32A】
図32Aは、本発明の一実施形態に従う可変性の慣性モーメントを有するジャイロスコープモジュールのローターの第2の設定を図示する。
【0104】
【
図33】
図33は、本発明の別の実施形態に従うジャイロスコープモジュールの平面図である。
【0105】
【0106】
当業者は、図面の中の要素が単純さおよび明確さを目的として図示されており、必ずしも縮尺どおりには書かれていないことを理解する。例えば、図面の中の要素のうちのいくつかの相対的寸法は、本発明の実施形態の理解を改善する一助となるように変形されてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0107】
発明の詳細な説明
本発明は、資材管理システムおよび方法、そして特に、積み荷管理システムおよび方法に関する。特に、本発明は、吊り下げられた積み荷を、ジャイロスコープデバイスを介して方位決定すること、ならびに積み荷およびその動きについてのデータを測定および生成することに関する。
【0108】
図1は、本発明の一実施形態に従う吊り下げられた積み荷の回転を制御するためのシステム100の模式図である。システム100は、吊り下げられた積み荷に直接的または間接的に取り付けるための2またはこれより多くのジャイロスコープモジュール110を含む。例えば、ジャイロスコープモジュール110のうちの1またはこれより多くは、吊り下げられた積み荷に、取り付け手段(例えば、ボルト、クランプまたはチェーン)を介して直接取り付けられる。例えば、前記ジャイロスコープモジュール110のうちの1またはこれより多くは、それらを積み荷支持構造体に取り付けることによって、またはそれらを、吊り下げられた積み荷に直接的または間接的に取り付けられる別のジャイロスコープモジュール110に取り付けることによって、吊り下げられた積み荷に間接的に取り付けられ得る。いくつかの実施形態において、ジャイロスコープモジュール110のうちの1またはこれより多くは、積み荷支持構造体の一部を形成する。4つのジャイロスコープモジュールは、
図1の中で例として示され、110A、110B、110Cおよび110Dと表示される。
【0109】
システム100はまた、2またはこれより多くのジャイロスコープモジュール110を独立して制御して、吊り下げられた積み荷の回転を制御するために、2またはこれより多くのジャイロスコープモジュール110と通信状態にあるコントローラー120を含む。コントローラー120は、例えば、ジャイロスコープモジュール110のうちの1つのうちの一部を形成し得るか、またはジャイロスコープモジュール110から遠隔に位置し得る。
【0110】
図2は、本発明の一実施形態に従うジャイロスコープモジュール110の平面図であり、
図3は、
図2に示されるジャイロスコープモジュール110の正面断面図である。ジャイロスコープモジュール110は、第1の軸312を介して、ジンバル320にピボットするように取り付けられたローター310を含む。ジンバル320は、第2の軸322を介して、例えば、ケーシング330にピボットするように取り付けられる。
【0111】
発明の実施形態において、ローター310の角速度および/または方位は、吊り下げられた積み荷の方位を制御するために、各ジャイロスコープモジュール110のコントローラー120によって独立して制御される。いくつかの実施形態において、ジャイロスコープモジュール110のうちの1またはこれより多くは、例えば、さらなる次元でローター310の再方位を可能にするために、1より多くのジンバルを含む。いくつかの実施形態において、ジャイロスコープユニットが提供され、このユニットは、1またはこれより多くのジャイロスコープモジュールおよび本明細書で記載される1またはこれより多くの他の特徴を含む。当業者は、例示的なジャイロスコープユニットが本明細書中以降で記載されかつ図面に示される一方で、本発明の実施形態に従うジャイロスコープユニットは、これらのジャイロスコープユニットの特徴の任意の組み合わせを含み得、その示される組み合わせに限定されないことを認識する。
【0112】
図4は、本発明の一実施形態に従うジャイロスコープユニット300の平面図である。
図5は、
図4に示されるジャイロスコープユニット300の正面断面図である。ジャイロスコープユニット300は、ケーシング330に取り付けられたジャイロスコープモジュール110を含む。いくつかの実施形態において、ジャイロスコープモジュール110およびケーシング330は、小型かつ自己充足式ユニットを形成し得る。
【0113】
ジンバル320は、ケーシング330に、第2の軸322を介してピボットするように取り付けられる。第1のモーター314は、ローター310の角速度を制御するために、ローター310に連結され得る。第1のモーター314は、コントローラー120がローター310の角速度を制御して、吊り下げられた積み荷の回転を制御することを可能にするために、コントローラー120と通信状態にある。第2のモーター324は、ジンバル320、よってローター310の方位を制御するために、ジンバル320に連結される。第2のモーター324は、コントローラー120がジンバル320の方位を制御して、吊り下げられた積み荷の回転を制御することを可能にするために、コントローラー120と通信状態にある。第1のモーター314および/または第2のモーター324は、例えば、ローター310の方位および/または角速度の正確な制御を可能にし、コントローラー120にローターの現在の方位および/または角速度を提供するために、サーボモーターであり得る。いくつかの実施形態において、第1のモーター314は、ローター310の一部を形成する。例えば、モーターは、パンケーキ型モーター、アウトランナーモーター、インランナーモーターまたはローター310内での使用に適した別のモーターであり得る。ローター310の中に第1のモーター314を含めると、ジャイロスコープモジュール110の全体の重量が低減し得る。
【0114】
いくつかの実施形態において、第1のモーター314は、ローター310またはジンバル320を減速させる場合に、例えば、電源(例えば、バッテリー)を再充電するために、回生制動を提供する。いくつかの実施形態において、第1のモーター314は、ローター310またはジンバル320を減速させる場合、エネルギーを別の第1のモーター314へと、例えば、機械的にまたは電気的に移動させる。
【0115】
取り付け手段340は、ケーシング330を介して、ジャイロスコープモジュール110を吊り下げられた積み荷に直接的または間接的に取り付けるために提供され得る。例えば、取り付け手段340は、取り付けデバイス(例えば、迅速取り付けデバイス)の任意の公知のタイプであり得、ジャイロスコープモジュール110は、取り付け手段340を介して、別のジャイロスコープモジュールに、積み荷支持構造体に、または吊り下げられた積み荷に取り付けられ得る。いくつかの実施形態において、取り付け手段は、ジャイロスコープモジュール110が、例えば、垂直方向、長手軸方向、および/または横方向に積み重ねられ得るように、ジャイロスコープモジュール110の1より多くの側面に提供され得る。このような迅速取り付けデバイスが、迅速取り外しデバイスとしても機能し得ることは、認識される。
【0116】
図6は、本発明の一実施形態に従う積み荷システム400に取り付けられた2つのジャイロスコープモジュール110の正面図である。
図7は、
図6に示される積み荷システム400に取り付けられた2つのジャイロスコープモジュール110の平面図である。
【0117】
積み荷システム400は、ケーブル424を介して積み荷410を支持する積み荷支持構造体420を含む。積み荷支持構造体420は、ケーブル422を介してクレーンから吊り下げられる。2つのジャイロスコープモジュール110は、積み荷支持構造体420に取り付けられる。いくつかの実施形態において、取り付け点は、積み荷支持構造体420の上に提供され、この支持構造体420には、ジャイロスコープモジュール110が取り付けられ得る。
【0118】
ジャイロスコープモジュール110は、積み荷支持構造体420に沿って中程に積み荷支持構造体420のいずれかの側面に取り付けられることが示される。しかし、上述のように、ジャイロスコープモジュール110は、積み荷支持構造体420または積み荷410上の任意の点において取り付けられ得るか、あるいは積み荷支持構造体420の一部を形成し得る。いくつかの実施形態において、前記ジャイロスコープモジュール110のうちの1またはこれより多くは、積み荷支持構造体420の一部を形成する。例えば、1またはこれより多くのジャイロスコープモジュール110は、積み荷支持梁へと一体化される。
【0119】
吊り下げられた積み荷410の回転が、ローターの角速度を制御することによって制御される場合のジャイロスコープモジュール110の設定は、本明細書中以降、運動量ホイール設定といわれる。運動量ホイール設定において、ローター310の角速度の変化は、ローターと同じ回転面において吊り下げられた積み荷にトルクを付与し得る。例えば、
図6および
図7の中の吊り下げられた積み荷410のy軸のまわりの回転は、必要な場合には、ジャイロスコープモジュール110のうちの一方または両方のローター310の角速度を制御することによって制御され得る。
【0120】
図8は、
図6および
図7に示される積み荷システム400上の2つのジャイロスコープモジュール110の運動量ホイール設定500の平面図である。運動量ホイール設定500において、2つのジャイロスコープモジュール110のローター310は、y軸のまわりで、すなわち、回転のx-z平面で回転可能である。
【0121】
ローター310のうちの1つは、矢印510によって示されるように、y軸のまわりに正の方向に加速される。ローター310は、積み荷支持構造体420へと、例えば、モーター314を介して、矢印550および矢印560によって示されるように、y軸のまわりに負の方向にトルクを適用することによって加速される。このトルクは、積み荷支持構造体420から積み荷410へと移動される。
【0122】
図9は、矢印512および矢印522によって示されるように、y軸のまわりに正の方向に2つのジャイロスコープモジュール110のローターの加速を示す運動量ホイール設定500の平面図である。ローター310は、積み荷支持構造体420へと、例えば、モーター314を介して、y軸のまわりに負の方向にトルクを適用することによって各々加速される。両方のローター310が、y軸のまわりに同じ方向にトルクを誘導することによって加速されるので、そのトルクは、積み荷支持構造体420へと、よって、積み荷410へとより大きな正味のトルクが適用され得るように加わる。積み荷支持構造体420に適用される正味のトルクは、矢印552および矢印562によって示される。
【0123】
図10は、y軸のまわりに反対方向に2つのジャイロスコープモジュールの加速を示す運動量ホイール設定500の平面図である。
【0124】
ローター310のうちの第1のものは、矢印514によって示されるように、y軸のまわりに負の方向に加速される。ローター310のうちの第1のものは、積み荷支持構造体420へと、例えば、モーター314を介して、y軸のまわりに正の方向にトルクを適用することによって加速される。ローター310のうちの第2のものは、矢印524によって示されるように、y軸のまわりに正の方向に加速される。ローター310のうちの第2のものは、積み荷支持構造体420へと、例えば、モーター314を介してトルクを適用することによって加速される。
【0125】
ローター310は、y軸のまわりに反対方向にトルクを誘導することによって加速されるので、そのトルクは、互いに反対である。一例において、ローター310は、等しくかつ反対のトルクが各ジャイロスコープモジュール110によって積み荷支持構造体420へと適用されるように、加速される。そのようにして、2つのジャイロスコープモジュールは、積み荷支持構造体420または積み荷410を加速することなく、運動量ホイール設定において加速され得る。
【0126】
図11は、
図6および
図7に示される積み荷システム400上の2つのジャイロスコープモジュール110の第2の設定600の平面図である。第2の設定600において、ジャイロスコープモジュール110のローター310は、矢印610および矢印620によって示されるように、z軸のまわりに反対方向に、すなわち、回転のx-y平面において回転する。
【0127】
吊り下げられた積み荷420の回転は、ジャイロスコープモジュール110のうちの一方または両方のローター310の方位を、例えば、第2のモーター324を介して制御することによって、ジャイロスコープモジュール110を介して制御され得る。矢印630および矢印640は、運動量ホイール設定500から第2の設定600に達するために、x軸のまわりに、すなわち、回転のy-z平面において、2つのジャイロスコープモジュール110のローター310の方位の例示的な変更を図示する。矢印650および矢印660は、ローター310の方位における変更によって、積み荷支持構造体420に適用されるトルクを図示する。ここでそのローター310は、y軸のまわりに正の方向で最初に回転していた。
【0128】
ローターから積み荷支持構造体420へと移動した運動量は、ローター310の運動量の変化を考慮することによって決定され得る。例えば、ローター310うちの第1のものは、最初にy軸のまわりの、および最終的にはz軸のまわりの角運動量(L)を有する。ローター310のうちの第1のものは、最初は、L1Yの角運動量を伴ってy軸のまわりに正の方向に回転し、方位を変更して、L2Zの角運動量を伴ってz軸のまわりに正の方向に回転する。従って、ローター310のうちの第1のものの角運動量の変化は、L2Z-L1Yであると計算される。ローター310のうちの第2のものは、最初は、L3Yの角運動量を伴ってy軸のまわりに正の方向に回転し、方位を変更して、-L4Zの角運動量を伴ってz軸のまわりに負の方向に回転する。従って、ローター310のうちの第2のものの角運動量の変化は、-L4Z-L3Yであると計算される。よって、ローター310の角運動量の全体の変化は、(L2-L4)Z-(L1+L3)Yであると計算され、積み荷支持構造体420に移動される総運動量は、(L4-L2)Z+(L1+L3)Yであると計算される。
【0129】
各ローター310の角運動量の大きさが等しい場合、L2=L4であり、従って、L4-L2=0である。よって、正味の角運動量は、積み荷支持構造体420においてz軸のまわりに誘導されず、z軸のまわりの運動量における不要な変化は、軽減される。L1=L3であると、L1+L3=2L1であるので、単一のローター310の運動量の2倍が、積み荷支持構造体420に移動され、よって、積み荷410は、y軸のまわりに移動される。すなわち、積み荷410に移される運動量は、2L1Yである。
【0130】
ローター310が方位を180度変更されるように、ジンバルがさらに回転され、y軸のまわりに負の方向に回転する場合、運動量の別の2L1Yが、積み荷410へと移動され、積み荷410に移動される総運動量は、4L1Yになる。
【0131】
ジンバルが、第2の設定600から、反対方向に運動量ホイール設定500へと戻って回転される場合、-2L1Yのさらなる運動量が、積み荷410に移動される。ローター310の方位が、第2の設定600から運動量ホイール設定500へもしくはこれを超えて共通する方向に変更される場合、等しくかつ反対の運動量が、積み荷支持構造体420へと各ローター310から移動されるので、運動量のさらなる変化は、積み荷支持構造体420において誘導されない。
【0132】
第2の設定600において、ジャイロスコープモジュール110のジンバル320は、ローター310の方位が積み荷支持構造体420に対して変化することを防止するために、例えば、ロックを介してロックされ得る。ジンバル320がロックされていると、ジャイロスコープモジュール110は、y軸のまわりで、積み荷支持構造体420、または積み荷410の回転に対して正味の抵抗を提供しない。これは、本明細書中以降、「フリーホイール設定」といわれる。
【0133】
特に、フリーホイール設定は、積み荷支持構造体420が回転される場合に、等しくかつ反対のトルクが、各ジャイロスコープモジュール110によって積み荷支持構造体420において誘導されれば達成される。例えば、フリーホイール設定は、ジャイロスコープモジュール110のローター310がz軸のまわりの、しかし反対方向に角運動量の同じ大きさを有する場合に達成され得る。
【0134】
いくつかの実施形態において、ローター310は、第2の設定600において停止から加速される。ローター310を停止から加速する場合に、正味のトルクが、積み荷支持構造体420に適用されないように、例えば、実質的に等しいトルクが、z軸のまわりに反対方向に各ローター310に適用される。
【0135】
図12は、本発明の一実施形態に従うジャイロスコープユニット700の断面図である。ジャイロスコープユニット700は、ロータークラッチ710およびジンバルクラッチ720を含む。ロータークラッチ710は、第1のモーター314がローター310と連動および連動解除することを可能にする。ジンバルクラッチ720は、第2のモーター324がジンバル320と連動および連動解除することを可能にする。
【0136】
いくつかの実施形態において、コントローラーは、ローター310および/またはジンバル320が自由に回転することを可能にすることによって、吊り下げられた積み荷の方位を、ロータークラッチ710および/またはジンバルクラッチ720を介して制御する。いくつかの実施形態において、コントローラー120は、ローター310における運動量が、積み荷410にトルクを付与することなく、例えば、空気抵抗を介して消費し得るように、ロータークラッチ710および/またはジンバルクラッチ720を連動解除する。
【0137】
ジャイロスコープユニット700はまた、ローターロック715およびジンバルロック725を含む。ローターロック715は、ローター310の回転をロックし、ジンバルロック725は、ジンバル320の方位をロックする。いくつかの実施形態において、コントローラー120は、1もしくはこれより多くのジャイロスコープモジュール110のローター310の方位を、ジンバルロック725を介してロックする、および/または1もしくはこれより多くのジャイロスコープモジュール110のローター310の回転を、ローターロック715を介してロックすることによって、吊り下げられた積み荷の方位を制御する。
【0138】
積み荷支持構造体420に付与され得る運動量が制限されるので、さらなるジャイロスコープモジュール110またはジャイロスコープモジュール110の対は、積み荷410に、直接的または間接的に取り付けられ得る。
【0139】
図13は、本発明の一実施形態に従う第3の設定800の平面図である。第3の設定800において、4つのジャイロスコープモジュール110は、
図6および
図7に示される積み荷システムに取り付けられる。
【0140】
4つのジャイロスコープモジュール110は、ジャイロスコープモジュール110の第1のセット810およびジャイロスコープモジュール110の第2のセット820として構成され得る。ジャイロスコープモジュール110の各セットは、反対方向に回転させる2つのジャイロスコープモジュール110を含む。ジャイロスコープモジュール110のうちの第1のセット810のローター310の方位は、矢印830および矢印840によって示されるように、x軸のまわりに反対方向で変更される。これは、矢印850および矢印860によって示されるように、y軸のまわりに負の方向に積み荷支持構造体420においてトルクを誘導する。
【0141】
ジャイロスコープモジュール110のうちの第2のセット820は、ジャイロスコープモジュール110のうちの第2のセット820が、積み荷支持構造体420の回転に抵抗しないように、例えば、各ジャイロスコープモジュール110のジンバル320を、例えば、ジンバルロック725を介してロックすることによって、フリーホイール設定において構成され得る。あるいは、ジャイロスコープモジュール110のうちの第2のセット820のローター310の方位はまた、さらなるトルクを提供するために、x軸のまわりに反対方向で変更され得るか、またはジャイロスコープモジュール110のうちの第2のセット820は、各ジャイロスコープモジュール110のローター310が、方位を自由に変更して、積み荷支持構造体420の回転に抵抗し得るように、第2のモーター324から連動解除され得る。
【0142】
4つのジャイロスコープモジュール110が、これらが方位を自由に変更し得るように、第2のモーター324から連動解除される場合、その4つのジャイロスコープモジュールは、2つのジャイロスコープモジュール110より良好な積み荷410の方位の変更を、例えば、積み荷410の方位の変更に追加の抵抗を提供することによって軽減する。第3の設定800でのジャイロスコープモジュール110の両方のセットはまた、回転に対する正味の抵抗を提供するジャイロスコープモジュール110なしで、積み荷支持構造体420がy軸のまわりに回転されることを可能にするように、フリーホイール設定においてロックされ得る。
【0143】
図14は、本発明の一実施形態に従う第4の設定900の平面図である。第4の設定800において、4つのジャイロスコープモジュール110は、
図6および
図7に示される積み荷システムに取り付けられる。ジャイロスコープモジュール110のうちの第1のセット810は、運動量ホイール設定500にあり、ジャイロスコープモジュール110のうちの第2のセット820は、第2の設定600にある。第4の設定900は、
図13に示されるとおりのジャイロスコープモジュール110のうちの第1のセット810のジンバル320の方位を変更することによって、第3の設定800から到達され得る。
【0144】
ジャイロスコープモジュール110のうちの第2のセット820のローター310の方位は、矢印870および矢印880によって示されるように、x軸のまわりに反対方向で変更される。これは、矢印852および矢印862によって示されるように、y軸のまわりに負の方向で積み荷支持構造体420においてトルクを誘導する。従って、ジャイロスコープモジュール110のうちの第2のセット810は、例えば、一旦ジャイロスコープモジュール110のうちの第1のセット820が、所定の方向にさらなるトルクを生じることができなくなると、y軸のまわりに積み荷支持構造体420のさらなるトルクを生じさせるために使用され得る。
【0145】
図15は、本発明の一実施形態に従う第5の設定1000の平面図である。第5の設定1000において、4つのジャイロスコープモジュール110は、
図6および
図7に示される積み荷システムに取り付けられる。ジャイロスコープモジュール110のうちの第1のセット810および第2のセット820は、y軸のまわりに負の方向に回転するローターを伴う運動量ホイール設定500にある。第5の設定1000は、
図14に示されるように、ジャイロスコープモジュール110のうちの第2のセット820のジンバル320の方位を変更することによって、第3の設定800から到達され得る。
【0146】
第5の設定1000において、ジャイロスコープモジュール110は、ローター310の方位を180度変更することによって、y軸のまわりに2Lの大きさまで、積み荷支持構造体420における運動量を各々誘導し得る。矢印834、矢印844、矢印874および矢印884は、矢印854および矢印856によって示されるトルクを誘導するジャイロスコープモジュール110の方位の変更を示す。従って、各ジャイロスコープモジュール110がLの運動量を有する場合、4つのジャイロスコープモジュール110は、8Lの正味の最大運動量を積み荷支持構造体420に付与し得る。
【0147】
Lの運動量で運動量ホイール設定において各ジャイロスコープモジュール110を開始し、ジャイロスコープモジュール110の各々を同時に回転させることによって、より大きなトルクが、積み荷支持構造体420においておよびより長い持続期間にわたって誘導され得る。
【0148】
設定が2つまたは4つのジャイロスコープモジュール110で示されてきた一方で、任意の数のジャイロスコープモジュール110が、所望の最大トルクを達成するために使用され得る。好ましい実施形態において、ジャイロスコープモジュールは、積み荷410および/または積み荷支持構造体420の釣り合いがとれるように、配置される。例えば、ジャイロスコープモジュール110は、積み荷410および/または積み荷支持構造体420の重力の中心に対して、釣り合いのとれたまたは対称的な設定において取り付けられる。好ましい実施形態において、ジャイロスコープモジュール110のローター310は、不要な、z軸のまわりの梁の縦揺れおよびx軸のまわりの梁の横揺れが軽減されると同時に、トルクがy軸のまわりに積み荷410へと付与されるように、2またはこれより多くのジャイロスコープモジュール110のグループにおいて対称的に再方位決定される。
【0149】
図16は、本発明の一実施形態に従うジャイロスコープユニット1100の平面図である。ジャイロスコープユニット1100は、先に記載されるように、ローター310およびジンバル320を含むジャイロスコープモジュール110、ケーシング330、取り付け手段340、第1のモーター314および第2のモーター324を含む。
【0150】
ジャイロスコープユニット1100はまた、コントローラー1120を含む。コントローラー1120は、例えば、コントローラー120またはジャイロスコープユニット1100がコントローラー120と通信することを可能にするデバイスであり得る。コントローラー1120は、第1のモーター314および/または第2のモーター324を制御して、吊り下げられた積み荷の回転を制御する。
【0151】
ジャイロスコープユニット1100は、第1のモーター314、第2のモーター324およびコントローラー1120へと電力供給するために、第1のモーター314、第2のモーター324およびコントローラー1120に接続された電源1110を含む。電源1110は、ジャイロスコープユニット1100内に、例えば、ローター310を妨げない場所であるジャイロスコープユニット1100のケーシング330の区画の中に、位置する。いくつかの実施形態において、電源1110は、ジャイロスコープモジュール110のローター310内に位置する。よって、より軽いジャイロスコープユニット1100が、ローター310の設定された重量のために構築され得る。
【0152】
ジャイロスコープユニット1100は、ジャイロスコープモジュール110の状態を提供するために、コントローラー1120と通信状態にある1またはこれより多くのセンサ1130を含む。1またはこれより多くのセンサ1130は、例えば、カメラ、位置センサ(例えば、グローバルポジショニングシステム(GPS)クライアントおよび/または高度センサ)および/または回転センサ(例えば、加速度計)を含み得る。コントローラー1120は、例えば、1もしくはこれより多くのセンサ1130から受け取ったデータを使用して所定の方位へと、例えば、吊り下げられた積み荷410を自動的に方位決定し得る、および/または1もしくはこれより多くのセンサ1130から受け取ったデータを使用して、吊り下げられた積み荷410の動きの記録を生成し得る。いくつかの実施形態において、1またはこれより多くのセンサ1130は、ローター310の方位を測定するために方位センサおよび/または各ジャイロスコープモジュール110のローター310の角速度を測定するために角速度センサを含む。例えば、方位センサおよび/または角速度センサは、第1のモーター314および/または第2のモーター324の一部を形成し得る。
【0153】
図17は、本発明の一実施形態に従うジャイロスコープモジュール110を制御するためのコントローラー120の模式図である。コントローラー120は、プロセッサ1210およびメモリ1220を含む。メモリ1220は、本明細書で記載される発明の種々の局面を行うために、プロセッサ1210によって実行され得るコンピューター読み取り可能なプログラムコード1230を含む。例えば、プロセッサ1210は、2またはこれより多くのジャイロスコープモジュール1210を制御することによって、積み荷の回転を制御するために、コンピューター読み取り可能なプログラムコード1230を実行し得る。
【0154】
いくつかの実施形態において、プロセッサ1210は、コンピューター読み取り可能なプログラムコード1230を実行して、入力に基づいて積み荷の回転を制御する。コントローラー120(
図17に示される)は、例えば、ユーザー(例えば、クレーンドライバーもしくは地上ベースのユーザー)からの入力を受け取るためのプロセッサ1210と通信状態にある入力デバイス1240を含む。しかし、いくつかの実施形態において、入力デバイス1240は、遠隔コントローラーである。コントローラー120(
図17に示される)はまた、ジャイロスコープモジュール110および他のデバイスと通信するために、通信デバイス1250を含む。
【0155】
いくつかの実施形態において、プロセッサ1210は、コンピューター読み取り可能なプログラムコード1230を実行して、ジャイロスコープモジュール110によってy軸のまわりのいずれかの方向において誘導され得る最大トルク、角運動エネルギーおよび/または運動量を計算し、可能な最大トルク、角運動エネルギーおよび/または運動量を、インジケーターを介してユーザーへと表示する。そのインジケーターは、例えば、光、ディスプレイまたはスケールであり得、例えば、入力デバイスまたは遠隔コントローラーに接しているクレーンオペレーターへと提供され得る。いくつかの実施形態において、プロセッサ1210は、コンピューター読み取り可能なプログラムコード1230を実行して、最大トルク、角運動エネルギーおよび/または運動量が閾値トルク、閾値角運動エネルギーおよび/または閾値運動量を下回っているかを決定するために、ならびにその最大トルク、角運動エネルギーおよび/または運動量がその閾値を下回っている場合に、例えば、そのクレーンオペレーターに警告灯を表示する。
【0156】
いくつかの実施形態において、誘導され得る最大トルク、角運動エネルギーおよび/または運動量は、各ジャイロスコープモジュール110の測定される方位および角速度に基づいて計算される。
図18は、ジャイロスコープモジュール110のローター310の方位に対してジャイロスコープモジュール310のローター310の方位を変更することによって、積み荷410に付与し得る最大角運動量の例示的なグラフ1300を図示する。ここでローター310は、大きさLの角運動量で回転しており、基準方位は、ローター310がy軸のまわりに正の方向に回転している状態である。
【0157】
グラフ1300は、ローター310の方位を変更することによって、y軸のまわりに正の方向に積み荷410に付与し得る最大角運動量を図示する第1のプロット(Y+)を含む。グラフ1300は、ローター310の方位を変更することによってy軸のまわりに負の方向に積み荷410に付与し得る最大角運動量を図示する第2のプロット(Y-)を含む。
【0158】
グラフ1300から認められ得るように、ローター310が、y軸のまわりに正の方向で回転している場合、角運動量の最大量は、ジャイロスコープモジュール110のローター310を再方位決定することによって、y軸のまわりに正の方向で積み荷410に付与され得る。しかし、角運動量は、ジャイロスコープモジュール110のローター310を再方位決定することによって、y軸のまわりに負の方向でその積み荷に付与され得ない。
【0159】
同様に、ローター310が、y軸のまわりに負の方向で回転している場合、角運動量の最大量は、ジャイロスコープモジュール110のローター310を再方位決定することによって、y軸のまわりに負の方向で積み荷410に付与され得る。しかし、角運動量は、ジャイロスコープモジュール110のローター310を再方位決定することによって、y軸のまわりに正の方向でその積み荷に付与され得ない。
【0160】
ローター310がz軸のまわりに回転している場合、角運動量は、ジャイロスコープモジュール110のローター310を再方位決定することによって、y軸のまわりにいずれかの方向で積み荷410に付与され得る。従って、ジャイロスコープモジュール110は、積み荷410が、必要であれば、y軸のまわりにいずれかの方向で回転され得るように、積み荷410を吊り上げる前に、z軸のまわりに回転させるローター310とともに構成され得る。あるいは、より大きな角運動量がy軸のまわりに一方向で積み荷410に付与される必要がある場合、ジャイロスコープモジュール110は、積み荷410を吊り上げる前に、その方向でy軸のまわりに回転するローター310とともに構成され得る。より大きな角運動量が積み荷410に付与されることを可能にするためのローター310のこのような偏りは、本明細書中以降、「プレローディング」といわれる。
【0161】
例えば、ジャイロスコープモジュール110は、積み荷が地上にある間に、例えば、積み荷410を吊り上げる前または積み荷が新たな位置へと吊り上げられた後にその積み荷を引き離す前に、ジャイロスコープモジュール110を構成することによって、積み荷410の方位に影響を及ぼすことなく構成され得る。
【0162】
図19は、ジャイロスコープモジュール110のローター310の方位に対してジャイロスコープモジュール310のローター310の方位を変更することによって、積み荷410に適用可能なトルクの例示的グラフ1350を図示する。ここでローター310は、大きさLの運動量で回転しており、その基準方位決定は、ローター310がy軸のまわりに正の方向で回転している状態である。
【0163】
グラフ1350は、角速度ωgでジンバル320を回転させることによって、ローター310の方位を変更することによって適用可能なトルクを図示する。グラフ1350から認められ得るように、ローター310がy軸のまわりに回転している場合、トルクの最小量は、y軸のまわりに積み荷410に適用され得る。そしてローター310がz軸のまわりに回転している場合、トルクの最大量は、y軸のまわりに積み荷410に適用され得る。
【0164】
ジャイロスコープモジュール110は、従って、より大きな量のトルクが吊り上げの初期に必要とされる場合、例えば、積み荷410を吊り上げる前に、z軸のまわりに回転するローター310とともに構成され得る。z軸のまわりに回転するローター310を伴う設定は、本明細書中以降、「ニュートラル設定」といわれる。
【0165】
いくつかの実施形態において、1またはこれより多くのジャイロスコープモジュール110は、ローター310を、予め定められた方向においてy軸のまわりに回転するように構成することによってプレロードされ、1またはこれより多くのジャイロスコープモジュール110は、z軸のまわりに回転するローター310を伴うニュートラル設定で構成される。例えば、予め定められた方向にプレロードされた1つのジャイロスコープモジュール110およびニュートラル設定で構成された1つのジャイロスコープモジュール110は、y軸のまわりに予め定められた方向で3Lの最大角運動量およびy軸のまわりに反対方向でLの最大角運動量を誘導し得る。
【0166】
以下の表1は、本発明のいくつかの実施形態に従う5つの例示的システムの特性を示す。その特性は、計算した積み荷410および積み荷支持構造体420の回転を含む。
【表1】
【0167】
以下の表2は、表1に記載される例示的システムのより多くの特性を示す。
【表2】
【0168】
以下の表3は、表1および表2に記載される例示的システムのより多くの特性を示す。
【表3】
【0169】
図20は、本発明の一実施形態に従うジャイロスコープユニット1400の平面図である。ジャイロスコープユニット1400は、ケーシング330およびこのケーシング300に取り付けられた2つのジャイロスコープモジュール110を含む。ジャイロスコープモジュール110は、各々、コントローラー120によって独立して制御され得る。単一のケーシング330の中の2つのジャイロスコープモジュール110は、
図8~11に示される2つのジャイロスコープモジュール110の設定に類似の機能を行い得る。いくつかの実施形態において、2つより多くのジャイロスコープモジュール110が、1個のケーシングの中に含まれている。
【0170】
上記で記載される実施形態は、本発明の例を提供するものの、本発明の実施形態は、各ジャイロスコープモジュール中に1より多くのローターおよび/または1より多くのジンバルを含み得る。一例において、ジャイロスコープモジュールは、ローター310が2つまたは3つの方向で再方位決定され得るように、2つまたは3つのジンバルを含む。第2のモーター、ロックおよび/またはクラッチは、各軸のまわりにローターの方位を制御するために、各ジンバルに対して提供され得る。別の例では、ジャイロスコープモジュールは、ジンバル内に2つのローターを含む。第1のモーター、ロックおよび/またはクラッチは、各ローターの速度が個々に制御され得るように、各ローターに対して提供され得る。例えば、ローターは、正味のトルクが積み荷410に適用されないように、コントローラーによって反対方向に加速され得る。次いで、トルクは、コントローラー120を介してローターのうちの1つを減速することによって、積み荷410に適用され得る。ローターは、典型的には、ローターが加速され得るよりは速く減速され得るので、より大きなトルクが、運動量ホイール設定において積み荷に提供され得る。
【0171】
図21は、本発明の一実施形態に従う吊り下げられた積み荷の回転を制御するための方法1500の一般的フロー図である。いくつかの実施形態において、方法1500は、システム100において行われる。方法1500は、以下の工程を包含する。
【0172】
工程1510において、方法1500は、2またはこれより多くのジャイロスコープモジュール110を、吊り下げられた積み荷410に直接的または間接的に取り付ける工程を包含する。
【0173】
工程1520において、方法1500は、2またはこれより多くのジャイロスコープモジュール110を、コントローラー120を介して独立して制御して、吊り下げられた積み荷の回転を制御する工程を包含する。一例において、2またはこれより多くのジャイロスコープモジュール110は、吊り下げられた積み荷410にモーメントを付与するために、コントローラーを介して制御される。別の例では、2またはこれより多くのジャイロスコープモジュール110は、吊り下げられた積み荷の方位を維持するために、コントローラー120を介して制御される。
【0174】
図22は、本発明の一実施形態に従う吊り下げられた積み荷の回転を制御するための方法1600の一般的フロー図である。方法1600は、吊り下げられた積み荷410の回転を、この吊り下げられた積み荷に直接的または間接的に連結される2またはこれより多くのジャイロスコープモジュール110を介して制御する。方法1600は、以下の工程を包含する。
【0175】
工程1610において、方法1600は、2またはこれより多くのジャイロスコープモジュール110のうちの各々のローター310の角速度を独立して制御することによって、2またはこれより多くのジャイロスコープモジュール110の起動の間に、吊り下げられた積み荷の回転を制御する工程を包含する。
【0176】
工程1620において、方法1600は、2またはこれより多くのジャイロスコープモジュール110のうちの各々のローター310の方位を独立して制御することによって、2またはこれより多くのジャイロスコープモジュール110の起動後に、吊り下げられた積み荷の回転を制御する工程を包含する。
【0177】
図23は、本発明の一実施形態に従う吊り下げられた積み荷の回転を制御するための方法1700の一般的フロー図である。方法1700は吊り下げられた積み荷の回転を、吊り下げられた積み荷410に直接的または間接的に連結される2またはこれより多くのジャイロスコープモジュール110を介して制御する。方法1700は、以下の工程を包含する。
【0178】
工程1710において、方法1700は、2またはこれより多くのジャイロスコープモジュール110のうちの1またはこれより多くを介して、吊り下げられた積み荷410の回転の第1の部品を制御する工程を包含する。
【0179】
工程1720において、方法1700は、2またはこれより多くのジャイロスコープモジュール110のうちの異なる1またはこれより多くを介して、吊り下げられた積み荷410の回転の第2の部品を制御する工程を包含する。
【0180】
例えば、上記で考察されるように、ジャイロスコープモジュール110のローター310がある特定の方位に一旦達したら、ローター310は、運動量を吊り下げられた積み荷410に、y軸のまわりに一方向に付与し得るに過ぎない。y軸のまわりに他の方向にさらなる運動量が必要とされる場合、別のジャイロスコープモジュール110が、この運動量を付与するために使用され得る。
【0181】
図24は、資材管理システム、および特に、本発明の一実施形態に従う積み荷管理システム1800を図示する。資材/積み荷管理システム1800は、1またはこれより多くのセンサ1820、スケジューラー1830および1またはこれより多くのモニタリングシステム1840と通信状態にあるプロセッサ1810を含む。
【0182】
1またはこれより多くのセンサ1820は、例えば、積み荷認識センサ、状況認識センサ、位置センサおよび/またはモーションセンサを含む。1またはこれより多くのセンサ1820は、例えば、ジャイロスコープユニット上に、積み荷支持構造体上に、クレーン上に、積み荷の集荷/荷下ろし場所で、および/あるいは現場、港湾または他の適用可能な領域もしくは操縦の環境にある他の場所に、位置し得る。
【0183】
プロセッサ1810は、1またはこれより多くのセンサ1820からデータを受け取って処理し、その処理されたデータは、例えば、現場、港湾などでの安全性および/または進捗および/または生産性をモニターし、プロジェクト計画および/または作業活動および資材フローのスケジュールを更新するために使用される。
【0184】
スケジューラー1830は、1またはこれより多くのスケジュール(例えば、建築現場、港湾またはプロジェクトに関して)を、プロセッサ1810によって処理された1またはこれより多くのセンサ1820からのデータに基づいて更新する。
【0185】
1またはこれより多くのモニタリングシステム1840は、1またはこれより多くのディスプレイを介して、またはプロセッサ1810から、前記資材/積み荷の制御または現場での動きのモニタリングのための他のシステムへとデータを入力することによって、自動的または手作業でのモニタリングを提供する。例えば、1またはこれより多くのモニタリングシステム1840は、現場での安全性、プロジェクトの進捗および現在の積み荷の状態のモニタリングおよび/または制御のために使用され得る。
【0186】
いくつかの実施形態において、モニタリングシステム1840のうちの1またはこれより多くは、モバイルコンピューティングデバイス(例えば、タブレット、スマートフォンまたはラップトップ型コンピューター)である。しかし、モニタリングシステム1840のうちの1またはこれより多くは、センサのうちの1またはこれより多くに基づいてプロセッサ1810によって処理されるデータを表示および/または使用する任意のコンピューティングデバイスを含み得る。
【0187】
モニタリングシステム1840のうちの1またはこれより多くは、現場、プロジェクトおよび/または積み荷に関する関連情報を、例えば、現場監督に、現場エンジニア、プロジェクトスケジューラー、クライアント、輸送会社、運送業者、雇われ業者、税関職員またはクレーン製造業者に対して表示することによって、現場およびプロジェクトを管理するために使用され得る。これは、ロジスティクスの各レベルに関与する関係者がそのシステムによって調整されることを可能にする。いくつかの実施形態において、クレーンの使用がモニターされることを可能にするために、雇われ業者もしくはクレーン製造業者に整理された報告書が提供される。
【0188】
図25は、本発明の一実施形態に従う資材、および特に積み荷認識方法1900を図示する。方法1900は、以下の工程を包含する。
【0189】
工程1910において、方法1900は、プロセッサを介して、積み荷の詳細を1またはこれより多くのセンサから受け取る工程を包含する。例えば、プロセッサは、プロセッサ1810であり得、積み荷の詳細を、1またはこれより多くの積み荷認識センサ1820から受け取り得る。積み荷認識センサとしては、例えば、写真測量的認識を使用して積み荷を識別するカメラ、積み荷と関連するコード(例えば、バーコードもしくはクイックレスポンス(QR)コード)を読み取るコードリーダー、および/または積み荷と関連するRFIDタグを読み取る無線識別(radio frequency identification)(RFID)リーダーが挙げられ得る。いくつかの実施形態において、カメラは、吊り上げの前、その間および/またはその後に積み荷を見るために、クレーン上にある。
【0190】
工程1920において、方法1900は、前記プロセッサを介して、1またはこれより多くのセンサからの詳細と、1またはこれより多くの積み荷識別子とを比較して、その積み荷を識別する工程を包含する。例えば、積み荷識別子は、現場、港湾などへのまたはそこからの1もしくはこれより多くの輸送貨物に関する項目、RFIDコード、バーコード、QRコード(登録商標)、または積荷目録もしくはトラック運送状の1またはこれより多くの三次元モデルを含み得る。いくつかの実施形態において、積み荷識別子は、プロセッサと通信状態にあるデータベースの中に保存される。例えば、データベースは、プロジェクトにおけるまたは現場での各項目に関する識別子を含む。
【0191】
図26は、本発明の一実施形態に従うスケジュール作成方法2000を図示する。方法2000は、以下の工程を包含する。
【0192】
工程2010において、方法2000は、プロセッサを介して、積み荷の詳細を1またはこれより多くのセンサから受け取る工程を包含する。例えば、プロセッサは、プロセッサ1810であり得、1またはこれより多くのセンサ1820から積み荷の詳細を受け取り得る。
【0193】
工程2020において、方法2000は、前記プロセッサを介して、1またはこれより多くのセンサからの積み荷の詳細に基づいて、積み荷の位置および/または動きを決定する工程を包含する。
【0194】
工程2030において、方法2000は、積み荷の位置および/または動きに基づいて、1またはこれより多くのプロジェクト計画および/またはスケジュールを更新する工程を包含する。いくつかの実施形態において、1またはこれより多くのスケジュールは、積み荷の識別、および例えば、センサ1820からプロセッサ1810によって受け取って処理された他のデータ(例えば、積み荷の位置)に基づいて更新される。例えば、1またはこれより多くのスケジュールは、積み荷が現場にある位置から吊り上げられているか、または現場のある位置に降ろされているかを示すために更新され得る。いくつかの実施形態において、スケジューラー1830は、例えば、安全性の問題を軽減するために、ならびに/あるいは資源の最適な利用を提供するために、ならびに/あるいは現状および/またはプロジェクトの相対的な進捗を決定するために、その更新されたスケジュールに基づいて、現場またはプロジェクト計画での作業を自動的に更新する。
【0195】
図27は、本発明の一実施形態に従うモニタリング方法2100を図示する。方法2100は、以下の工程を包含する。
【0196】
工程2110において、方法2100は、プロセッサを介して、積み荷の詳細を1またはこれより多くのセンサから受け取る工程を包含する。例えば、プロセッサは、プロセッサ1810であり得、1またはこれより多くのセンサ1820から積み荷の詳細を受け取り得る。
【0197】
工程2120において、方法2100は、前記プロセッサを介して、1またはこれより多くのセンサからの積み荷の詳細に基づいて、積み荷の位置および/または動きを決定する工程を包含する。例えば、1またはこれより多くのモニタリングシステムは、1またはこれより多くのモニタリングシステム1840であり得る。
【0198】
工程2130において、方法2100は、1またはこれより多くのモニタリングシステムを介して、積み荷の位置および/または動きを表示する工程を包含する。いくつかの実施形態において、積み荷が一旦識別されると、プロセッサ1810は、モニタリングシステム1840のうちの1またはこれより多くを介して、位置センサおよび/またはモーションセンサ1820のうちの1またはこれより多くからのデータに基づいて、積み荷の位置および/または動きを出力する。これは、積み荷が現場、港湾などのまわりで追跡されることを可能にする。
【0199】
いくつかの実施形態において、プロセッサ1810は、モニタリングシステム1840のうちの1またはこれより多くを介して、積み荷およびリフトに関連する情報(例えば、リフトの集荷時間および集荷位置、吊り上げている間の積み荷の経路、リフトの荷下ろしの時間および荷下ろしの位置、集荷時の積み荷の方位、吊り上げている間中の積み荷の方位、荷下ろしのときの積み荷の方位、吊り上げてから荷下ろすまでの時間、積み荷が集荷から荷下ろしまで三次元で移動した距離、積み荷が移動する場所のリフトの継続期間、積み荷が静止している場所でのリフトの継続期間、使用される/許容される回転の量、ならびに/または吊り上げている間に受け取った手作業入力の量が挙げられる)を決定および出力する。
【0200】
いくつかの実施形態において、プロセッサ1810は、スケジューラー1830から情報(積み荷のタイプ、例えば、本体工事、臨時作業、がらくた、建設機械、乗用ケージ;積み荷の重量;または積み荷の動きの方向(例えば、地面もしくは輸送機から仕事場への、または仕事場から地面もしくは輸送機への)が挙げられる)を受け取る。プロセッサ1810は、モニタリングシステム1840のうちの1またはこれより多くを介して、この情報を、現場および積み荷の吊り上げの局面の改善されたモニタリングを可能にするために他の情報とともに出力し得る。例えば、積み荷の重量は、上記の積み荷識別およびデータベース中に保存された積み荷のプロジェクトデータに基づいて、または積み荷を支持するフック、吊り上げ梁もしくはリギング(rigging)に取り付けられたセンサ(例えば、ロードセル)を介して決定される。いくつかの実施形態において、センサ1820のうちの1またはこれより多くに基づいてプロセッサ1810を介して決定された重量は、積み荷の同一性を決定する一助とするために、および/または積み荷に変化があるか否かを決定するために、データベースの中の重量と比較される。これは、積み荷に関する不正(例えば、積み荷の一部の落下、または人々の積み荷の一部の除去もしくは盗難)が検出されることを可能にし得る。
【0201】
図28は、本発明の一実施形態に従う資材管理方法2200を図示する。方法2200は、以下の工程を包含する。
【0202】
工程2210において、方法2200は、プロセッサを介して、作業活動および資材フローに関するデータ(例えば、積み荷の詳細および/または周りの環境)を、1またはこれより多くのセンサから受け取る工程を包含する。例えば、プロセッサは、プロセッサ1810であり得、積み荷の詳細および/または周りの環境を、1またはこれより多くのセンサ1820から受け取り得る。
【0203】
1またはこれより多くのセンサは、例えば、状況認識センサ(例えば、カメラ、風速および風向センサ、熱画像化、光検出と測距(LIDAR)、超音波距離測定、ならびに/または動きおよび/もしくは位置センサ(例えば、回転および/もしくは線形加速度計、ならびに/またはグローバルポジショニングシステム(GPS)デバイス)を含み得る。
【0204】
工程2220において、方法2200は、前記プロセッサを介して、作業活動および資材フローに関するデータに基づいて、安全性および生産性情報を生成する工程を包含する。作業活動および資材フローに関するデータに基づく安全性および生産性情報としては、以下が挙げられ得るが、これらに限定されない:前記1またはこれより多くのセンサから受け取った積み荷の詳細および周りの環境に基づく、周りの環境の三次元マップ。いくつかの実施形態において、データベースは、例えば、構造体が建築されるおよび項目が動かされる場合に、そのプロジェクトまたは現場の三次元マップとともにリアルタイムで更新される。
【0205】
工程2230において、方法2200は、前記プロセッサを介して、生成した安全性および生産性情報と、作業活動および資材フローの既存のプロジェクト計画およびスケジュールとを比較する工程を包含する。例えば、工程2230は、積み荷の位置および/または回転と、周りの環境のマップとが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、プロセッサ1810は、積み荷認識センサおよび/またはデータベースから、積み荷の形状およびサイズを決定する。
【0206】
工程2240において、方法2200は、前記プロセッサを介して、プロジェクト計画および作業スケジュールの現状および相対的進捗を決定する工程を包含する。例えば、工程2240は、積み荷の安全な動きを含み得るが、これに限定されない。例えば、プロセッサ1810は、データベースの中の情報に基づいて、他の物体および構造体を回避するための積み荷の安全な経路を自動的に決定し得る。いくつかの実施形態において、プロセッサ1810は、上記のコントローラーであるか、または積み荷の吊り上げを制御するために、コントローラーの1もしくはこれより多くの機能を行う。プロセッサはまた、積み荷の詳細および/または周りの環境を使用して、潜在的な危険および/またはインシデントを決定し得る。例えば、プロセッサ1810は、状況認識センサ1820からのデータを処理し、集荷および/もしくは荷下ろしのときにその領域にいる人々の数、吊り上げている間に積み荷の経路への人々の近さ、荷下ろしの間の積み荷への人々の近さ、他の構造体もしくは装置への最も近い接近方法、積み荷もしくは積み荷支持構造体と他の物体との間の任意の衝突からの最大加速または衝撃、吊り上げる間の種々の位置もしくは高度での風の状態、ならびに/あるいは吊り上げている間に使用される最大出力トルクのような情報を決定する。
【0207】
いくつかの実施形態において、状況認識センサ1820からのデータは、安全性管理のために、例えば、危険を回避し、情報を提供して、安全な作業システムの設定、および/または危険を軽減する制御を可能にするためにプロセッサ1810によって使用される。いくつかの実施形態において、安全な作業システムおよび制御は、プロセッサ1810およびプロセッサ出力情報によって、1またはこれより多くのモニタリングシステムを介して、現場での安全性システムおよび制御に伴うコンプライアンスに関して、アクセスされる。センサを介する作業の実行のこのような詳細な追跡は、作業のパフォーマンス、ならびに安全性システムおよび軽減に関するコンプライアンスおよび効率のモニタリングのリアルタイム可聴性モニタリングを可能にする。
【0208】
一例において、コンピューター読み取り可能なコードの構成要素は、全ての積み荷の動きおよび吊り下げられている間に1またはこれより多くの積み荷に最も近接している職員を追跡するために、プロセッサ1810によって実行される。プロセッサ1810は、センサのうちの1またはこれより多く(例えば、カメラ)によって捕捉される画像を自動的に分析して、1またはこれより多くの吊り下げられた積み荷に対する職員の位置を決定する。例えば、プロセッサ1810は、前記センサのうちの1またはこれより多くから画像を受け取って、位置を決定する場合に、その画像を検索する。プロセッサ1810は、リアルタイム警告を、例えば、職員が吊り下げられた積み荷のあまりに近くに/下に立っているという、またはクレーンが職員の上で積み荷を動かしているという安全規則の不履行をモニタリングシステム1840のうちの1またはこれより多くを介して送る。
【0209】
工程2250において、方法2200は、前記プロセッサを介して、更新されたプロジェクト計画および作業スケジュールを生成する工程を包含する。
【0210】
いくつかの実施形態において、報告書は、プロセッサ1810を介して、定期的に、例えば、1時間に1回、1日に1回、もしくは1週間に1回、または要求に応じて、自動的に生成される。コンピューター読み取り可能なコードの構成要素は、センサ1810から受け取ったデータを自動的にソートし、かつ安全規則の非遵守のインシデントおよび期間を決定するために、プロセッサ1810によって実行される。
【0211】
いくつかの実施形態において、プロジェクトの概算およびスケジュールは、センサまたは手作業による入力から決定される量(例えば、課せられた仕事に割り当てられる職員の数および反復作業に関する概算されるサイクルタイム)に基づいて、プロセッサ1810を介して自動的に生成される。
【0212】
いくつかの実施形態において、プロセッサ1810は、積み荷レベルによって詳細な積み荷での、またはクレーンレベルによってクレーンでの、または訓練レベルでの計画された速度と比較して、実際の生産速度のパフォーマンスの自動化分析および整理を行う。例えば、いくつかの実施形態において、プロセッサ1810は、集荷、移動および/もしくは荷下ろしに関するサイクルタイム、ならびに/またはリフトの各ステージに関与する職員の数を測定するために、1またはこれより多くのセンサからのデータを使用する。いくつかの実施形態において、プロセッサ1810は、その測定されたサイクルタイムおよび/または吊り上げの各段階に関与する職員の数と、その計画されたもしくは割り当てられた量とを比較し、異常がある場合には、モニタリングシステム1840のうちの1またはこれより多くに警告を自動的に送る。いくつかの実施形態において、プロセッサ1810は、無駄な動きおよび/または過剰な職員が存在するか否かを決定し、過剰な時間および/もしくは過剰な職員が存在すれば、モニタリングシステム1840のうちの1またはこれより多くに警告を自動的に送る。例えば、過剰な動きとしては、構造体および装置を飛び越えるために必要とされる高さと比較して、積み荷の過剰な垂直移動、集荷から荷下ろしまでの最短経路と比較して、過剰な水平移動および/または地面もしくは輸送機へ戻された積み荷(これが計画の一部ではなかった場合)が挙げられ得る。過剰な職員は、その課せられた仕事に割り当てられた職員と比較して、集荷および/または荷下ろしのときの領域にいる過剰な職員が挙げられ得る。いくつかの実施形態において、プロセッサ1810は、計画外のグループもしくは輸送機へ返却された積み荷に旗印を付ける。プロセッサ1810はまた、例えば、クレーン利用に関するデータおよび/またはより適切な使用のためにクレーンを配置転換する可能性を提供するために、ならびに/あるいは維持管理スケジュールを最適化して、装置の有効年数を最大化しかつ休止時間を最小化するために、クレーンのサイズ/能力と比較して、吊り上げられる積み荷の代表的な重量を記録し得る。
【0213】
図29は、本発明の一実施形態に従うジャイロスコープユニット2300を図示する。ジャイロスコープユニット2300は、1またはこれより多くのソケットまたは凹部2310を含み、その中にセンサモジュール2320が設置され得る。各センサモジュール2320は、1またはこれより多くのセンサを含む。示される実施形態において、ソケット2310は、ジャイロスコープユニット2300の角に隣接して位置する。ローターがすれすれに通るジャイロスコープユニット2300の内部の容積は、典型的には球形である。従って、空間は、ソケット2310を、立方型のジャイロスコープユニット2300の角に隣接して位置させることによって保存され得る。
【0214】
図29は、ジャイロスコープユニット2300の頂部もしくは底部で全て一方向を指し示すソケットを示す一方で、他の実施形態において、ジャイロスコープユニットは、例えば、ジンバル/ローター/モーターがすれすれに通る容積がないように、ジャイロスコープユニット2300の側面のうちのいずれか1またはこれより多くのソケットを含み得る。いくつかの実施形態において、ソケットはまた、ジャイロスコープユニット2300を一緒に、例えば、並んでもしくは一方が別のものの頂部に結合するための迅速取り付け点として機能する。
【0215】
センサモジュール2320は、適用に応じて構成され得る。例えば、下向きのセンサを含むセンサモジュール2320は、ジャイロスコープモジュール2300の底部にあるソケット2310の中に構成され得る。
【0216】
いくつかの実施形態において、センサ処理モジュール2330は、
図29に示されるように、ジャイロスコープユニット2300の側面に固定される。センサ処理モジュール2330は、1またはこれより多くのセンサおよび/またはジャイロスコープユニット2300のセンサからのデータを分析するためのプロセッサを含み得る。
【0217】
いくつかの実施形態において、処理されたデータは、プロジェクトまたは現場をスケジュール作成およびモニターするために使用され得るように、例えば、ワイヤレスでサーバーまたはクラウドへと送られる。いくつかの実施形態において、処理されたデータおよび/またはセンサデータは、センサ処理モジュール2330の保存デバイスに保存され得、分析のために後のときにダウンロードされ得る。
【0218】
図30は、本発明の一実施形態に従うジャイロスコープユニット2300のためのワイヤレス充電器2400を図示する。ワイヤレス充電器2400は、送信機2420に接続された電源2410を含む。送信機2420は、例えば、クレーン上に、または使用中のジャイロスコープユニット2300の近くの別の位置に位置し得る。ジャイロスコープモジュール2300は、送信機2420から電力を受け取りかつジャイロスコープユニット2300のバッテリー2360を充電する受信機2350を含む。例えば、受信機2350は、電磁波を介して送信機2420から電力を受け取る。送信機2420が受信機2350の近くにある(短距離充電)場合、電力は、例えば、誘導結合、容量性結合または電磁的動的結合を介して送られ得る。送信機2420が受信機2350から遠い(長距離充電)場合、電力は、例えば、マイクロ波または光の波を介して送られ得る。
【0219】
いくつかの実施形態において、送信機2420は、クレーンのブームの先端近くに位置し、電源2410は、クレーンの電源である。ジャイロスコープユニット2300は、例えば、積み荷支持構造体を引き揚げることによって、バッテリー2360を充電するために、リフトの間の送信機2420へと距離を詰めて動かされ得る。
【0220】
いくつかの実施形態において、送信機2420は、吊り上げている間にジャイロスコープユニット1900を充電する。ジャイロスコープユニット2300のこのような規則的な充電は、ジャイロスコープユニット2300が操縦の間にバッテリー充電を維持することを可能にし、ジャイロスコープユニット2300を、充電するために積み荷支持構造体もしくはクレーンから接続を切る必要性を軽減する。規則的な充電の使用はまた、ジャイロスコープユニット2300におけるバッテリーに必要とされるサイズおよび重量を低減する。
【0221】
代替の実施形態において、ソース端末(source terminal)は、ブーム先端に位置し、ジャイロスコープユニット2300の受信機端末は、ジャイロスコープユニット2300を充電するためにソース端末と接触した状態にされる。例えば、ソース端末は、ジャイロスコープユニット2300を含む積み荷支持構造体をリフトの間に引き揚げることによって、受信機端末と接触した状態にされる。
【0222】
図31は、本発明の一実施形態に従うジャイロスコープモジュールのローター2500を図示する。ローター2500は、ローター2500を加速および減速するためのモーター2510(モーターステーター2520およびモーターローター2530を含む)ならびにモーター2510に電力供給するための1またはこれより多くのバッテリー2540を含む。ローター2500はまた、モーター2510を制御して、ローター2500の速度を制御するためのコントローラー2550および電力を受け取って、1またはこれより多くのバッテリー2540を充電するための受信機2560を含む。
【0223】
いくつかの実施形態において、ジャイロスコープユニット2300の別の部分は、受信機2560を含み、ローター2500の中の1またはこれより多くのバッテリー2540に1またはこれより多くのスリップリングを介して電気的に接続される。
【0224】
類似の設定が、ジンバルを駆動するモーターと関連する1またはこれより多くのバッテリーを充電するために使用され得る。
【0225】
図32および32Aは、本発明の一実施形態に従うジャイロスコープモジュールのローター2600を図示する。ローター2600は、前記ローター2600の慣性モーメントを変動させるために、コントローラー120によって制御され得る再配置可能な重りを含む。示される実施形態において、その重りは、バッテリー2610である。バッテリー2610は、モーター2620に電力供給するために、モーターローター2630のコイル2620に接続される。バッテリー2610は、
図32Aに示されるように、慣性モーメントを増大させるために、ローター2600の周辺に向かって再配置され得るか、または
図32に示されるように、慣性モーメントを低減するためにローター2600の軸に向かって再配置され得る。
【0226】
ローター2600の慣性モーメントの低減は、ローター2600の速度を増大させる一方で、ローター2600の慣性モーメントの増大は、ローター2600の速度を低下させる。これは、例えば、制動(例えば、回生制動)の効率を改善するために、ローター2600の速度が制御されることを可能にする。いくつかの実施形態において、ローター2600の速度は、例えば、ローター2600の速度を増大させて、空気抵抗を介するエネルギー喪失を増大させることによって、エネルギーが環境に対してより迅速に喪失されることを可能にする。いくつかの実施形態において、ローター2600は、エネルギーがより迅速に喪失されることを可能にする変数空気抵抗を有する。環境へのエネルギーの喪失は、ローター2600が積み荷にトルクを付与することなく減速されることを可能にする。次いで、ローター2600は、積み荷にトルクを付与して、ローター2600を加速し得る。このプロセスをローター2600の複数のセットで繰り返すと、連続モーメントが、ローターを遅らせるまたは停止させることによって積み荷に付与されることを可能にし得、ローターを再構成し、次いで、ローター2600を、前記それぞれのモーターを介して加速し得る。
【0227】
図33および
図34をここで参照する。これらの図は、それぞれ、本発明の別の実施形態に従うジャイロスコープモジュール2700の平面図および側面図を示す。ジャイロスコープモジュール2700は、ローター310、取り付け手段340、第1のモーター314、第2のモーター324、コントローラー1120、第1のモーター314、第2のモーター324およびコントローラー1120に接続された電源1110、ならびに先に記載されるように、コントローラー1120と通信状態にある1またはこれより多くのセンサ1130を含む。
【0228】
ジャイロスコープモジュール2700は、2部品ケーシングを含む。ローター310は、ローター310の外径を覆ってかつローター310の縁に最小のクリアランスを設けてしっかりと取り付けられたスリムラインローターケーシング2720の中に設置される。ローターケーシング2720は、ジンバルとして作用し、外側ケーシング2730に対してピボットする。よって、この実施形態において、そのスリムラインケーシング2720は、ローター310とともにピボットする。
【0229】
ローターケーシング2720は、ローター310を収容するために任意の適した形状(例えば、円形もしくは矩形)であり得る。矩形のローターケーシング2720に関して、ローター閉じ込めの外側および外側ケーシング2730の内側の角は、機械類、バッテリー、ならびに計算モジュールおよび通信モジュールのために使用される。
【0230】
2つより多くのローター310との吊り上げ梁組み立てのために、外側ケーシング2730およびローターモジュールは、ケーシング2720、2730が、吊り上げ梁が使用中でない場合に、梁に対してたたみ込むように、リンク機構もしくはアームを有する吊り上げ梁から支持される。リンク機構は、代わりに入れ子式の支持体の形態にあり得る。
【0231】
梁とモジュールとの間のリンク機構は、そのモジュールと梁との間で必要とされるクリアランスに依存して、手作業で調節され得るか、機械的に電力供給され得るか、電力供給されかつ自動的に延ばしたり引っ込めたりされ得る。各端部に1つのモジュール2700を有する吊り上げ梁に関しては、ケーシング2730は、梁の端部にあるソケットの中に据え付けられた単純なシャフト上にあり得る。外側ケーシング2730の側面は、リフト間で太陽エネルギーを捕らえることによって、増大したバッテリー寿命を提供するために、太陽電池(PV)の取り付けのための位置を提供する。
【0232】
ピボットするケーシングを含むジャイロスコープモジュール2700は、ピボットしないケーシングの中に収容されているローターを超える多くの利点を有する。例えば、ピボットするケーシングは、職員(例えば、クレーンオペレーター、およびその領域にいる他の人)に視覚信号を提供する。出力されたモーメントおよび残っているモーメントは、ローター角度に比例するので、オペレーターがローターの角度的位置を常時よく知っておくことは、極めて重要である。ローター310およびケーシング2720が一緒にピボットする場合、そのオペレーターは、画面上のいかなるインジケーターをも参照することなく、吊り上げ梁および/または積み荷を見ている間に位置をモニターし得る。オペレーターの技量および制御を改善することに関して、顕著な利点がある。さらに、積み荷付近にいる任意の他の人々は、例えば、方位および残っているモーメント容量に関して積み荷が何を行うかに関する即座のフィードバックを有する。
【0233】
ケーシングをピボットすることで、必要とされる空間が低減される。ピボットしないケーシングに関しては、ケーシングのサイズは、三次元でローター310の直径によって調節される。例えば、1m直径のローターは、1m直径の球体に等しい最小ケーシングサイズ、またはより実際的には、一辺が1mの立方体を必要とする。1m直径のローターに対するピボットするケーシングは、1m×1m×200~300mmであり得る。ケーシング2720、2730は、格納および輸送のために梁に対してたたみ込まれる場合、必要とされる空間は、さらに低減される。4ローターのシステムおよび300mm幅の吊り上げ梁に関しては、ピボットしない組み立て体の全体的な幅は、2.3mである。ピボットする組み立て体は、200mm幅のケーシングに対して700mmであり得る。
【0234】
ピボットするケーシングは、必要とされる強度を低減する。ケーシング2720は、ローター、ベアリングもしくはシャフトの構造的故障という事象において、空転しているローター310を含んでいなければならない。ローター310がケーシングの内部でピボットしていれば、立方体ケーシングの全6面および球形ケーシングの表面全体は、高速で回転している物体の主要な不調に由来する衝撃および摩損に耐えることができなければならない。ケーシング2720が、ローター310とともにピボットすれば、ケーシング2720の外径のみ、すなわち、ケーシング全体とは対称的に高強度の狭い帯域が強い力を受けやすい。
【0235】
ピボットするケーシングは、例えば、検査および維持管理目的のための、より容易な接近路を提供する。ピボットしないケーシングでは、ある種の維持管理可能な構成要素は、ケーシングのかなり内側にあるので、検査および維持管理のために側面に大きな開口部を要する。ピボットするケーシングに関しては、外部から数ミリメートルより大きな構成要素はない。すなわち、接近開口部は、遙かに小さいものであり得る。
【0236】
ピボットするケーシングを含むジャイロスコープモジュール2700は、バッテリー内蔵型ローター設定(battery-in-roter configurations)を含むある範囲のモーター-バッテリー-ロータータイプと適合する。別の利点は、ケーシングおよび梁全体が、梁がリフト間の待機モードにある間に、自動的にそれ自体を方位決定して、最大の太陽放射を得ることである。
【0237】
クレーン操縦を利用するプロジェクトはしばしば、全ての作業員に重要な情報(例えば、緊急警報を含む安全性のメッセージ)を即座に連絡する方法および手段に乏しい。いくつかの実施形態によれば、本発明のシステムおよび方法は、本発明がその一部であるクレーン操縦およびクレーン操縦がその一部であるプロジェクトの中で以前には存在していなかった視点を作り出すことによって、この問題に対処するか、または少なくとも改善する。
【0238】
本発明のこのような実施形態は、ジャイロスコープモジュールの可聴および/または見える範囲内の人々に出力または広めるための、コントローラー120からジャイロスコープモジュールへと送られているデータを含む。例えば、
図33および
図34に言及すると、ジャイロスコープモジュール2700は、オーディオビジュアル通信システム2750(例えば、1またはこれより多くのディスプレイ、例えば、耐候性フラットスクリーンデジタルディスプレイ/モニター)および1またはこれより多くの拡声器を含む。そのオーディオビジュアル通信システム2750は、ジャイロスコープモジュール2700の外側ケーシング2730のうちの1またはこれより多くの外表面に取り付けられ得る。そのモジュール内からの電力および/データ供給の取り付けおよび提供の手段は、操縦要件に合うようにオーディオビジュアル通信システム2750が容易に取り付けられかつ外されることを可能にするバネ留めカバー付きの例えば、迅速取り外し台および電力/データソケットを介し得る。
【0239】
オーディオビジュアル通信システムからの出力の例としては、プロジェクトワイド通常放送(project-wide regular broadcast)(例えば、ジャイロスコープモジュールの可聴および/または目に見える範囲内の全てのプロジェクトスタッフに広められるプロジェクト指揮者によって記録される1週間に1回のメッセージ、ならびに課せられた仕事に関連する要点および情報)が挙げられる。例えば、オーディオビジュアル通信システムは、情報(例えば、図面、3Dモデル、部品リスト、作業方法/一覧表(statement))を表示するために、地上に近いレベルにまで下げられ得る大型ディスプレイを含み得る。そのディスプレイはまた、現場内会議のために使用され得る。オーディオビジュアル通信システムからの他の出力は、安全性または緊急状況(例えば、緊急避難警告および/または指示)に関し得る。
【0240】
よって、本発明の実施形態は、先行技術の前述の問題のうちの1またはこれより多くに対処するかまたは少なくとも改善する。本発明の実施形態は、積み荷に直接的または間接的に取り付けられ得るジャイロスコープモジュール110を提供する。これは、ジャイロスコープモジュール110が、ユーザーによって望ましい場合におよび積み荷の重量を支持することをも要するジャイロスコープユニットなしで、積み荷または積み荷支持構造体上に構成されることを可能にする。例えば、さらなるジャイロスコープモジュール110は、強風のときに、またはより大きなトルクが必要とされる場合に加えられ得る。ジャイロスコープユニットの数および/または積み荷支持構造体もしくは積み荷の上のジャイロスコープユニットの設定はまた、積み荷および/または積み荷支持構造体の釣り合いをとる、クレーンと積み荷支持構造体との間のクリアランスを提供する、所望のセンサ設定を達成する、ならびに/あるいはクレーンの吊り上げ重量を最小化すると同時に所望の回転制御を達成するために選択され得る。
【0241】
ジャイロスコープモジュール110は、ジャイロスコープモジュール110が種々の設定で容易に構成され、および種々の設定間の移り変わりを可能にするコントローラー120によって独立して制御される。
【0242】
例えば、本発明のいくつかの実施形態において、ジャイロスコープモジュール110は、起動の間の運動量ホイール設定で構成されることによって、スイッチを入れたら即座に出力モーメントを提供し得る。各ジャイロスコープモジュール110のローター310が所望の角速度に到達する場合、ジャイロスコープモジュール110は、利用可能なトルクを最大にするために、第2の設定へと再方位決定され得る。あるいは、いくつかの実施形態において、2つのジャイロスコープモジュール110は、積み荷にトルクを適用することなく、第2の設定において反対方向を起動する。
【0243】
さらに、ジャイロスコープモジュール110は、積み荷の不要な横揺れまたは縦揺れを誘導することなく、再方位決定され得る。例えば、好ましい実施形態において、一対のジャイロスコープモジュール110のローター310は、等しくかつ反対のトルクが、各ジャイロスコープモジュール110によって、x軸および/またはz軸のまわりに積み荷または積み荷支持構造体に適用されるように、対称的な様式でコントローラーを介して制御される。実際は、コントローラーおよびシステムの他の部品の正確さに起因して、x軸および/またはz軸のまわりに少量の正味のトルクが適用され得る。にもかかわらず、x軸および/またはz軸のまわりに適用される任意のトルクは、典型的には重力が積み荷と釣り合いをとるほどに十分小さい。
【0244】
ジャイロスコープモジュール110はまた、吊り下げられた積み荷が手作業でまたは他のジャイロスコープモジュール110によって、ジャイロスコープモジュール110によって誘導されたモーメントを克服する必要なく再方位決定されることを可能にするフリーホイール設定で構成され得る。
【0245】
本発明の実施形態はまた、複数のジャイロスコープモジュール110を使用することによって改善された信頼性を提供する。例えば、コントローラーは、第1のジャイロスコープモジュール110または一対のジャイロスコープモジュール110を制御して、第1のジャイロスコープモジュール110または一対のジャイロスコープモジュール110が迅速に低減するトルク量を吊り下げられた積み荷に適用する点まで吊り下げられた積み荷の回転を制御する。次いで、コントローラー120は、第2のジャイロスコープモジュール110または一対のジャイロスコープモジュール110を制御して、吊り下げられた積み荷の回転を制御する。
【0246】
各ジャイロスコープモジュール110は、モジュールを一緒に働かせて、オペレーターが必要としている詳細な入力なしで、必要とされる出力運転を達成するために単一の制御システムを可能にするために、個々にかつ遠隔に制御され得るか、またはケーブルもしくはワイヤレスで同期化され得る。
【0247】
ジャイロスコープユニットのバッテリーは、ジャイロスコープユニットを積み荷支持構造体または積み荷から外さずに、例えば、ワイヤレス充電によって再充電され得る。これは、ジャイロスコープユニットを使用するにあたって、オペレーターが必要な作業を低減する。ジャイロスコープモジュールのローターの中にバッテリーを一体化することは、バッテリーとモーターコイルとの間のエネルギー移動を改善し、重量および空間を節約し、製造をより単純にし得、配線および接続を低減し、そして電力をジンバルの中のまたはジャイロスコープモジュールに対して外部にある電源からローターへと移動するためのスリップリング接続に関わる潜在的な信頼性の課題を軽減する。本発明の可変性の慣性ローターおよびバッテリーをローターの中に含めることはまた、ローターのより効率的な回生制動を可能にする。
【0248】
本発明の実施形態はまた、つり上げの間に再初期化せずに、システムの機能性を最大化する。例えば、再初期化は、積み荷とジャイロスコープモジュールとの間のみではなく、運動量をシステム外部から地面へと移すことによって、吊り上げの間に行われる。
【0249】
本発明の実施形態は、機械的複雑さよりむしろ感知およびソフトウェアを介して、使用できる出力における融通性を達成するジャイロスコープユニットを提供する。これは、製造コスト、重量、維持管理費用、および衝撃からの損傷に対する故障発生度を低減し得る。
【0250】
センサは、ジャイロスコープユニット上に(例えば、ソケットの中に)固定されたかまたは再構成可能な位置を有し得る。これは、各ジャイロスコープユニットにおけるセンサが、ユーザーによって望ましい場合に、例えば、ジャイロスコープユニットの周りの環境の詳細を受け取るために、または積み荷またはジャイロスコープモジュールの動きの詳細を受け取るために、構成されることを可能にする。
【0251】
本発明の実施形態は、プロジェクトまたは現場の多くの局面にわたる追跡およびスケジュール作成のために使用され得る。進捗は、輸送貨物を降ろしてから建築まで、輸送貨物を積むまで、モニターされ得る。進捗はまた、他の情報源(例えば、集荷のための位置とは離れて輸送貨物が到着)からのデータを使用してモニターされ得る。
【0252】
本発明の一例は、以下に記載され、建築に関して、構造用鋼の直立に続いて、予め成形したコンクリートの床、次いで、機械および配管の設置が続く。
【0253】
クレーンが積み荷を集荷し、プロセッサ1810はその積み荷を識別する。そのクレーンは、必要な最終位置に積み荷を置く。プロセッサは、1またはこれより多くのセンサを介して、積み荷がその最終位置に到着したというデータを受け取り、スケジューラー1830(例えば、プロジェクトまたは現場のために使用され得るスケジュール作成ソフトウェア)においてスケジュールを更新する。例えば、スケジューラー1830またはプロセッサ1810は、積み荷の識別とスケジュールの中のライン項目とを符合させ、そのライン項目の状態を「設置もしくは完了」へと更新する。スケジューラー1830は、完了している全体的なパーセンテージを更新し、そのプロジェクトの最終日を再予測する。
【0254】
これは、プロジェクトの全ての局面において、モニターされるべき各個々のクレーン吊り上げならびに進捗および資材の動きの詳細に至るまで、プロジェクトがスケジュール作成されかつ自動的に再スケジュール作成されることを可能にする。
【0255】
先行技術におけるいくつかのスケジュール作成ツールは、更新するのが高価でありかつ時間のかかる多量の詳細、例えば、10,000~20,000のライン項目を含み得る。本発明は、より詳細にスケジュール作成およびリアルタイムベースで周辺コストなしにスケジュール上での進捗の自動更新を可能にする。これは、プロジェクトにおける改善された決定および資源のより効率的な利用を可能にする。
【0256】
多くの建設プロジェクトに関するクライアントから請負人への支払いは、達成されたマイルストーンもしくは設置された量に基づき、先行技術において、これらは、手作業での測定もしくは量の計数、報告書への手作業による整理、および次いで、支払い請求の提出によって達成される。次いで、クライアントは、一般に、支払い前にある種の量の確認を行う。本発明は、鍵となる進捗の数量が自動的に捕捉され得るので、作業量を低減し、かつクライアントおよび請負人両方の効率を増大させるという利益を提供する。
【0257】
本発明のいくつかの実施形態において、4Dモデリングもしくはバーチャル建築といわれるスケジュール作成ツール(これは、非常に詳細な3Dモデルと等しく詳細なスケジュールとの組み合わせに基づくソフトウェアである)は、プロジェクトが検討されかつ視覚的に状態が把握される(statused visually)ことを可能にするために使用される。リフトの制御はまた、既存の構造体との衝突を回避するために、その4Dモデルに基づいて自動的に制御され得る。そのリフトはまた、その計画に対して実行され得、次いでリフトの性能は、品質および訓練目的で後に分析され得る。
【0258】
よって、本発明の実施形態は、例えば、改善された実行および積み荷の動きの安全性、ならびに関与する人々へのフィードバックによって、最小の周辺コストで活動をモニターし、そして現場での生産性、安全性および被害対策を改善するために、データが捕捉および分析され得る手段を提供する。これはまた、資材および積み荷の追跡を、例えば、積み荷の素性、取り扱い履歴および最終位置を記録することを可能にする。このような詳細は、支払いのために物品が受け取られることを担保し、保証のためにインシデントを追跡するために使用され得る。その詳細はまた、品質保証、現場管理のための進捗測定ならびに進捗請求および期限延長請求、調達および支払いの目的で使用され得る。
【0259】
いくつかの産業では、本体工事の一部として設置された全ての資材が、製造業者、製造日、および/またはバッチ番号に戻って追跡され得ることは、必要条件である。本発明の実施形態は、現場で資材を自動的に追跡し、さらなる費用なしで報告および整理するために使用され得る。これは、作業現場に顕著な効率改善をもたらし得る。
【0260】
本発明の実施形態は、積み荷についてのデータを集めるかまたは周りの環境についてのデータを集めるために、積み荷または積み荷支持構造体上の最も有効な位置に必要に応じて変更を加えられそして配置され得るジャイロスコープユニットを提供する。リフトの中の1つの重要な項目は、リギングであるので、各積み荷に関する正確な吊り上げ梁および/またはスプレッダーバーの使用は、非常に重要である。本出願のジャイロスコープユニットは、積み荷または積み荷支持構造体上に意のままに構成され得、先行技術のうちの少なくともいくらかにあるように、積み荷支持構造体の一部であることに制限されない。ジャイロスコープユニットはまた、比較的小さく、積み荷の最適な釣り合い、センサ方位および/または積み荷の制御のために位置し得る。
【0261】
本出願の実施形態のセンサは、積み荷の全ての空間的および資材の属性、ならびに積み荷の動きと関連する全てのロジスティックデータを規定するためにデータを生成し得る。環境および個々の積み荷に関する品質情報の提供は、リフト計画、実行および検討ツール(物理的およびデジタルの両方)を含めた完全な作業フローにおけるクレーンの使用を可能にする。情報はまた、未だ想定されていない新たなシステムをも可能にし得る。
【0262】
作業現場の空間的マッピングと積み荷の経路マッピングとの組み合わせは、本発明の実施形態が完全に自動化されたリフトを提供することを可能にし、このリフトは、例えば、ソフトウェアを介して実行されかつセンサに基づいてリアルタイムで適合される予め計画された積み荷の動きを含み得る。そのリフトはまた、適切なときに、クレーンの使用を共有し得、アクセス制限し得、資源を解放し得るように、作業現場の他の部分と自動的に調整され得る。
【0263】
本明細書において、用語「含む、包含する(comprises)」、「含む、包含する(comprising)」、もしくは類似の用語は、要素の列挙を含む装置が、それら要素のみを含むのではなく、列挙されていない他の要素をも十分に含み得るように、非網羅的な包含を意味することが意図される。
【0264】
本明細書のいかなる先行技術への言及も、先行技術が技術常識の一部を形成するという承認または示唆の何らかの形態として理解されることもないし、理解されないものとする。
【0265】
本明細書全体を通じて、目的は、本発明をいかなる一実施形態にも具体的な特徴の集合にも限定することなく本発明を記載することであった。当業者は、それでもなお本発明の範囲内に入るその具体的実施形態からのバリエーションを十分に理解し得る。例えば、本明細書で記載される2またはこれより多くの実施形態に由来する1またはこれより多くの特徴は、組み合わされて、1またはこれより多くのさらなる実施形態を形成し得ることは予見される。