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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-12
(45)【発行日】2022-02-10
(54)【発明の名称】保安灯を充電するための充電器
(51)【国際特許分類】
   F21S 9/02 20060101AFI20220203BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20220203BHJP
   F21V 25/00 20060101ALI20220203BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20220203BHJP
   E01F 9/608 20160101ALI20220203BHJP
   E01F 9/615 20160101ALI20220203BHJP
   E01F 9/669 20160101ALI20220203BHJP
   E01F 9/688 20160101ALI20220203BHJP
   E01F 13/00 20060101ALI20220203BHJP
   E01F 13/02 20060101ALI20220203BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220203BHJP
【FI】
F21S9/02
H02J7/00 301B
F21V25/00
F21V23/00 160
F21V23/00 150
E01F9/608
E01F9/615
E01F9/669
E01F9/688
E01F13/00 301
E01F13/02 A
E01F13/02 Z
F21Y115:10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020116525
(22)【出願日】2020-07-06
【審査請求日】2021-04-16
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成1年12月25日ウェブサイト掲載(https://www.youtube.com/watch?v=PdZpv5BlWho)のアイ21チャージ製品紹介
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成2年2月20日発行の刊行物「アイ21チャージカタログ」
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591050947
【氏名又は名称】ダンレックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092864
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100098154
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 克彦
(72)【発明者】
【氏名】八木橋 拓也
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-319833(JP,A)
【文献】特開2019-027058(JP,A)
【文献】実開平06-005007(JP,U)
【文献】特開2018-092756(JP,A)
【文献】特開2001-076502(JP,A)
【文献】特開2001-210113(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 9/02
H02J 7/00
F21V 25/00
F21V 23/00
E01F 9/00
E01F 13/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路に設置される道路保安部材に取り外し可能に取り付けるための取付部に連設された筐体の内部にLED発光体が透光性を有する壁面の内側に配置されているとともに前記取付部または筐体の少なくとも一方に電力を蓄電する二次電池と、前記二次電池に蓄電された電気を用いて前記LED発光体を点灯させる点灯制御回路を収装し、且つ前記筐体の内部に太陽電池が透光性を有する壁面の内側に配置されているとともに前記太陽電池が透光性を有する壁面の内側に配置されており、前記太陽電池により生起された電力を前記二次電池に蓄電可能であり、前記取付部に前記二次電池を充電するための外部電源用接続端子が備えられており、前記二次電池を前記太陽電池および外部電源用接続端子に接続した外部電源により充電可能とした保安灯を充電するための充電器であって、
前記保安灯の取付部を嵌挿させた際に保安灯を立設状態に保持可能な嵌挿部を有する上方開口の複数のソケットが基板上に立設されているとともに、前記各ソケットの内部に前記保安灯を立設させた際に前記保安灯における取付部に備えられている外部電源用接続端子が接触する充電用接続端子が備えられており、且つ前記充電用接続端子には外部電源への接続コードが配線されているとともに前記各ソケットには充電制御回路がそれぞれ備えられており、前記各ソケットのいずれかに取付部を嵌挿した際に、前記各ソケットに備えられた充電制御回路が各充電器毎に個別に充電状態を判別してその充電状態に応じて最適な充電電力と充電時間を個別に制御して各保安灯毎に最適な充電を行うことを可能としたことを特徴とする保安灯を充電するための充電器。
【請求項2】
前記ソケットの嵌挿部における頂面から内周にわたって、前記保安灯の取付部をその外周面に突設された嵌挿凸部または嵌挿凹部が上下方向に嵌挿する嵌挿凹部または嵌挿凸部が形成されており、前記保安灯の取付部と充電器のソケットとが所定の平面位置において互いに所定の回転位置に嵌挿可能であることを特徴とする請求項1記載の保安灯を充電するための充電器。
【請求項3】
前記ソケットに前記ソケットに嵌挿した取付部を解除可能に保持するための保持部材が備えられていることを特徴とする請求項1または2記載の保安灯を充電するための充電器。
【請求項4】
前記基板に複数のソケットが並設されているとともに前記各ソケットには充電制御回路がそれぞれ備えられており、前記各ソケットのいずれかに取付部を嵌挿した保安灯の二次電池が外部電源により充電されることを特徴とする請求項1,2または3記載の保安灯を充電するための充電器。
【請求項5】
前記各ソケットに供給される電源を高圧、高電流電源にすることで急速充電可能であることを特徴とする請求項1,2,3または4記載の保安灯を充電するための充電器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路、工事現場、建築現場などにおいて夜間や悪天候時などにおける人や車両の安全な通行や事故を防止するために用いられる保安灯、殊に、LED発光体の点灯または点滅を行保安灯を充電するための充電器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、道路工事や建築現場で用いられている保安灯として、例えば特開2000-319833号公報に提示されているものが知られている。
【0003】
前記公報に提示されている保安灯は、例えば図13および図14に示したように、筒状の取付部1の上方に透光性を有する合成樹脂材などにより形成された筐体2が連設されているとともに、取付部1と筐体2内に基板3が貫通して配置されているとともに、前記筐体2から取付部1の内部にかけて軸線に沿って基板3が配置されており、前記基板3の前記筐体2部分に上方から下方へと順に太陽電池(ソーラーパネル)4、LED発光体5、反射鏡6が壁面の内側に配置されているとともに前記基板3の取付部1の部分に前記太陽電池4により生起された電力を蓄電する例えばニッケル水素電池などの二次電池7と、前記二次電池7に蓄電された電力を用いて前記LED発光体5をスイッチ9により点灯または点滅させる点灯制御回路8を収装した構成である。
【0004】
そして、以上の構成を有する従来の保安灯Lは、例えば図15に示すように、道路に設置される三角コーンや工事用機材などの道路保安部材Sに取り外し可能に取り付けて使用され、予め定めた所定の暗さになると、点灯制御回路8により日中において太陽電池4により充電していた状態から二次電池7からの電力によりLED発光体5を点灯または点滅させるように切り替えて使用するものであり、殊に、この種の保安灯Lは二次電池7を筐体2に収装した太陽電池4により日中において保安灯自身により生起した電力により賄っているのでAC電源を用いる場合に比べて機能的に優れているとともに一次電池を用いる場合のような電池交換の手間も要らず、経済的にも優れている。
【0005】
ところで、前記保安灯Lは、年間を通じて日中と夜間の時間の比率を考慮して太陽電池4、LED発光体5および二次電池7などの容量を定めて設計されているが、実際の使用に際して、例えば雪国のように日照が少ない場所での使用や悪天候が続いた場合、設置個所が日陰になり日当たりが悪い場合などには充電量が不足してしまい日中における充電時間では充電量が不足してしまい、本来点灯すべきときに、LED等の発光体を点灯できないことがあるという問題があった。
【0006】
そこで、特開2017-40097号公報に、太陽電池と、前記太陽電池により光エネルギーから変換された電力を蓄える二次電池と、乾電池収容部に収容し、前記二次電池の電圧が所定値以上のときは前記充電部から当該工事灯のうちの電力を必要とする部分に電力を供給させる一方、前記充電部の電圧が前記所定値より低いときは、前記乾電池から電力を必要とする部分に電力を供給させる保安灯(工事灯)が提案されている。
【0007】
ところが、電源として乾電池を使用している場合には、乾電池の消耗が早く、乾電池の交換にかかる手間と費用が増えるという問題があり(通常、この種の工事灯は多数設置する必要があるので、全体としてこの乾電池交換にかかる手間と費用は膨大になる)、また、電池の交換のためには、密封性が損なわれるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2000-319833号公報
【文献】特開2017-40097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発は、前記従来の保安灯が有する実際の使用に際して、夜間において必要な点灯或いは点滅の機能を確実に発揮できるとともに交換に手間と費用が掛かる乾電池を用いな保安灯を充電するための充電器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するためになされた本発明である充電器に用いられる保安灯は、道路に設置される道路保安部材に取り外し可能に取り付けるための取付部に連設された筐体の内部にLED発光体が透光性を有する壁面の内側に配置されているとともに前記取付部または筐体の少なくとも一方に電力を蓄電する二次電池と、前記二次電池に蓄電された電気を用いて前記LED発光体を点灯させる点灯制御回路を収装した保安灯であって、前記取付部に前記二次電池を充電するための外部電源用接続端子が備えられており、前記二次電池を前記太陽電池および外部電源用接続端子に接続した外部電源により充電可能としたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明である充電器に用いられる保安灯は、前記筐体の内部に太陽電池が透光性を有する壁面の内側に配置されているとともに前記太陽電池が透光性を有する壁面の内側に配置されており、前記太陽電池により生起された電力を前記二次電池に蓄電可能である場合には、前記二次電池を昼間の間に太陽エネルギーにより充電することにより更に電気代を節減できる。
【0012】
更に、本発明である充電器に用いられる保安灯は、前記取付部が所定形の外周を有する筒状で、且つ前記取付部の外周面または底面に前記外部電源用接続端子が備えられていることにより、保安灯内から二次電池を取り出すことなく、そのままの状態で接続端子を用いて外部から二次電池を充電することができる。
【0013】
更にまた、本発明における保安灯の取付部を嵌挿させた際に保安灯を立設状態に保持可能な嵌挿部を有する上方開口のソケットが基板上に立設されているとともに、前記ソケットの内部に前記保安灯を立設させた際に前記保安灯における取付部に備えられている外部電源用接続端子が接触する充電用接続端子が備えられており、且つ前記充電用接続端子には外部電源への接続コードが配線されていることを特徴とする保安灯を充電するための充電器を用いる場合には、道路保安部材から取り外した保安灯をその取付部を前記基板上に立設させたソケットに嵌挿させるだけの簡単な作業で外部電源を用いて内蔵している二次電池を充電することができ、きわめて簡単である。
【0014】
加えて、本発明である保安灯を充電するための充電器が、前記ソケットの嵌挿部における頂面から内周にわたって、前記保安灯の取付部の外周面に突設された嵌挿凹部または嵌挿凸部が上下方向に嵌挿する嵌挿凸部または嵌挿凹部が形成されており、前記保安灯の取付部と充電器のソケットとが所定の平面位置において互いに所定の回転位置に嵌挿可能である場合には、保安灯の取付部をソケットに嵌挿するだけで保安灯の外部電源用接続端子と充電器の充電用接続端子とが接続されて充電が可能である。
【0015】
また、本発明である保安灯を充電するための充電器において、ソケットに前記ソケットに嵌挿した取付部を解除可能に保持するための保持部材が備えられている場合には、充電中に保安灯が充電器に確実に保持されて外れてしまうなどの問題がない。
【0016】
更に、本発明である保安灯を充電するための充電器において、前記基板に複数のソケットが並設されているとともに前記各ソケットには充電用の制御回路がそれぞれ備えられており、前記各ソケットのいずれかに取付部を嵌挿した保安灯の二次電池が外部電源により充電されることは言うまでもなく、一度に複数の保安灯を外部電源により充電可能としたことにより一度に複数の保安灯を使用する現場においても短時間に効率よく充電作業を行うことができる。
【0017】
殊に、本発明である保安灯を充電するための充電器において、外部電源がAC電源である場合には安定した充電の電源を確保することが可能であり、電池である場合にはAC電源のない作業現場においても充電が可能であり運搬などの煩雑さをなくすことができ、前記各ソケットに供給される電源を高圧、高電流電源にすることで急速充電が可能である。
【発明の効果】
【0018】
本発明である保安灯および保安灯を充電するための充電器を用いることにより、保安灯に収納されている二次電池を取り出すことなく簡単な操作で設計時における電圧電源に復帰させることができ、実際の使用に際して生じる設計時における夜間の点灯或いは点滅時間を確実に確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明における実施の形態である保安灯を示す斜視図。
図2図1におけるA-A線に沿う断面図。
図3図1に示した実施の形態における底面図。
図4図1に示した実施の形態における背面図。
図5】本発明における異なる実施の形態である保安灯を示す縦断面図。
図6図1または図4に示した実施の形態である保安灯に用いるのに適した本発明である充電器における実施の形態を示す斜視部分図。
図7図5に示した充電器の実施の形態における平面図。
図8図5に示した実施の形態における充電器の一部を切截した側面図。
図9図1または図4に示した実施の形態である保安灯を図5に示した実施の形態である充電器を用いて充電する場合の充電状態を示す説明図。
図10図1または図4に示した実施の形態である保安灯を図4に示した実施の形態である充電器を用いて充電する場合の異なる充電状態を示す説明図保安灯。
図11】本発明である充電器の異なる実施の形態を示す斜視図。
図12図9に示した実施の形態におけるブロック回路図。
図13】従来の保安灯を示す斜視図。
図14図13におけるB-B線に沿う断面図。
図15図13に示した保安灯の使用状態を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1乃至図3は本発明における保安灯Lの好ましい実施の形態を示すものであり、基本構成は前記図12および図13に示した従来の保安灯Lとほぼ同様であり、筒状の取付部1の上方に少なくとも表面が透光性を有する合成樹脂材などにより形成した筐体2が連設されているとともに、前記筐体2から取付部1の内部にかけて軸線に沿って基板3が配置されており、前記基板3の前記筐体2部分に複数のLED発光体5が前記前方側の壁面の内側に例えば環状に沿って配置されているとともに前記基板の取付部1の部分に電力を蓄電する例えばニッケル水素電池などの二次電池7と、前記二次電池7に蓄電された電気を用いて前記各LED発光体5を例えば通常発光と緊急発光のように発光量や発光色、更に点灯順序などを警告の種類により点灯または点滅させる点灯制御回路8を収装した構成である。
【0022】
そして、殊に、本実施の形態では、前記図12および図13に示した従来の保安灯Lと異なり前記基板3の前記筐体2部分に太陽電池(ソーラーパネル)が収装されておらず、また、取付部1の底面11に二次電池7を充電するための外部電源用接続端子10,10が備えられており、二次電池7を外部電源用接続端子10,10に接続した外部電源により充電可能としたことを特徴としている。
【0023】
また、本実施の形態である保安灯は、前記図15に示す従来の保安灯Lのように、道路に設置される三角コーンや工事用機材などの道路保安部材Sに取り外し可能に取り付けて使用され、予め定めた所定の暗さになると、点灯制御回路8により日中において外部電源用接続端子10,10を介して充電しておいた状態の二次電池7からの電力によりLED発光体5を点灯または点滅させるように使用するものであり、一次電池を用いる場合のような電池交換の手間も要らず、経済的にも優れている点も同様である。
【0024】
また、本実施の形態である保安灯Lは、日中において夜間に使用するのに必要十分の電力を外部電源用接続端子10,10に接続した外部電源により二次電池7に充電しておくことで保安灯L内に収納されている二次電池を取り出すことなく簡単な操作で設計時における電圧電源に復帰させることができるので、従来の保安灯Lのように夜間の使用時に必要な電力不足によりLED発光体5を点灯または点滅させることができなくなる事態を生じることがない。
【0025】
本実施の形態では、基板3の透光性を有する前記筐体2部分の内部に外部電源用接続端子10,10に接続した外部電源により前記二次電池の充電状態を示す例えばLEDにより形成された充電表示灯71が筐体2の背面側に備えられているので、点灯または点滅させるのに必要な電力が充電されているのを確認することができる。
【0026】
殊に、本実施の形態である保安灯Lでは、図4に示すように、二次電池7の充電状態を示す充電表示灯71がそれぞれ配置位置と点灯色を変えた3個の表示部71a(緑色:良好(約90時間分充電))、表示部71b(黄色:不足(約20時間分充電))、表示部71c(赤色:要充電)により形成されているので、各保安灯Lについてのそれぞれ異なる二次電池の充電時期をきわめて容易に確認することができる。
【0027】
尚、本実施の形態である保安灯Lにおける前記基板3に備えられた点灯制御回路8において夜間を含めて暗所において充電するときには二次電源7からLED発光体5への電流を遮断して無駄な電力の消費を防いでいる。
【0028】
また、図面中、符号12は取付部1の外周面13に突設させた嵌挿凹部であり、例えば、前記図15に示すように、道路に設置される三角コーンのような道路保安部材Sに取り付ける際に、嵌挿した取付部1の水平方向の回転位置の位置決めを行うためにも用いられる。
【0029】
また、図5は本発明である保安灯Lの異なる実施の形態を示すものであり、基本的構成は前記図1乃至図4に示した実施の形態とほぼ同様であるが、前記基板3の前記筐体2部
分に上方から下方へと順に太陽電池(ソーラーパネル)4が壁面の内側に配置されている点が異なり、日中において前記太陽電池4により生起された電力を二次電池7に蓄電した電気を用いて前記LED発光体5を点灯または点滅させるものであるとともに、取付部1の底面11に二次電池4を充電するための外部電源用接続端子10,10が備えられており、二次電池4を太陽電池4および外部電源用接続端子10,10に接続した外部電源により充電することも可能としたことを特徴としている。
【0030】
本実施の形態である保安灯Lは、予め定めた所定の暗さになると、点灯制御回路8により日中において太陽電池4により充電していた状態から二次電池7からの電力によりLED発光体5を点灯または点滅させるように切り替えて使用するものであり、殊に、この種の保安灯Lは二次電池7を筐体2に収装した太陽電池4により日中において保安灯自身により生起した電力により賄っているのでAC電源を用いる場合に比べて機能的に優れているとともに一次電池を用いる場合のような電池交換の手間も要らず、経済的にも優れており、特に、本実施の形態では、日中の日照時間が少ないなどの理由で二次電池7の充電が十分でない場合に外部電源用接続端子10,10を用いて外部電源により不足の電力を充電して補うことができるという特徴を有している。
【0031】
また、図6乃至図8は、前記図1乃至図4に示した本発明の保安灯Lに適した保安灯Lに収装された二次電池7を充電するための本発明である充電器Cの好ましい実施の形態を示すものであり、この充電器Cは、図9および図10に示すように、上方を開口した円筒状で内部に形成した嵌挿部21に前記図1乃至図3に示した保安灯Lの取付部1を嵌挿させた際に保安灯Lを立設状態に保持可能な例えば硬質の電気絶縁樹脂などにより成形されたソケット22が所定形状の基板23上に一体的に立設されている。
【0032】
更に詳細に説明すると、本実施の形態は、図8および図9に示したように、前記ソケット22の嵌挿部21内の底壁24に保安灯Lの取付部1を嵌挿部21に嵌挿して立設させた際に保安灯Lにおける取付部1に備えられている外部電源用接続端子10,10が接触する充電用接続端子25,25が備えられており、充電用接続端子25,25には、AC電源などの外部電源への接続コード30が整流器や変圧器を有する変換器31および前記基板23を固定した大型の基板40に固定した制御回路32を介して配線されている。
【0033】
殊に、本実施の形態である前記充電用接続端子25は所定の径と長さを有する棒状に形成されているとともに前記ソケット22の嵌挿部21内の底壁24に上端を露出させて且つ下部において前記底壁24内に形成された収装孔26,26に所定の長さだけ軸方向に移動可能に収装されているとともに前記収装孔26,26に配置した弾性体(コイルばね)27,27により常時は先部を前記収装孔26,26に先端方向に付勢された状態で配置されており充電中に保安灯Lが充電器Cから外れてしまう心配がない。
【0034】
また、本実施の形態である充電器Cは、前記ソケットの嵌挿部21における頂面から内周面にわたって互いに並行な2条の嵌挿凸部28が上下方向に向けて形成されており、この嵌挿凸部28が前記保安灯Lの取付部1の外周面13に形成された前記嵌挿凹部12で位置決め手段14を形成する。
【0035】
そのため、前記嵌挿凹部12,12を嵌挿凸部28,28に合致させた位置で保安灯Lを充電器Cのソケット22の嵌挿部21に嵌挿させるだけで保安灯Lの外部電源用接続端子10,10が充電器Cの充電用接続端子25,25に接続されて設定されている電力を充電可能であり、夜間に使用する保安灯Lにおいて生じる二次電池7の電力低下による点灯不良を解消することができる。
【0036】
このとき、本実施の形態では、前記筐体2部分の内部に外部電源用接続端子10,10に接続した外部電源により前記二次電池の充電状態を示す充電表示灯71が備えられているので、必要な電力が充電されていることを確実且つ即座に確認できるばかりか、過充電による時間のロスと電気の無駄を省くことができる。
【0037】
尚、本実施の形態では保安灯Lに二次電池の充電状態を充電表示灯71を備えているが、同様なインジケータを充電器Cに備えてもよく(図示せず)、この場合には圧倒的に多数を必要とする保安灯Lに備える必要がないので経済的であるが、充電表示灯71を保安灯Lに備えておく場合には、保安灯Lの設置時に二次電池7の状態を確認することができる点で優れている。
【0038】
また、本実施の形態では、前記ソケット22に前記ソケット22に嵌挿した保安灯Lの取付部1を解除可能に保持するための例えば金属や硬質合成樹脂製の板ばねからなる保持部材29が備えられているので充電中の保安灯Lが確実に充電器Cに保持されて充電中に脱落する心配がない。
【0039】
図11および図12図1乃至図4に示した保安灯Lを充電するための本発明である充電器Cの異なる実施の形態を示すものであり、大型の基板40に前記図4に示した充電器Cの複数個が前後左右に並設されているとともに前記各複数の充電器Cの各充電用接続端子25同士が並列に接続されて、外部電源である商用電源(AC電源)への接続コード30に変換器31および制御回路32を介して連結されていることで、1個または一度に複数の保安灯Lを外部電源により充電可能としたものである。
【0040】
特に、本実施の形態は、各充電器Cに制御回路32がそれぞれ備えられていて、各充電器において差し込まれた保安灯Lを確認して各充電器C毎に個別に充電状態を判別するので、充電が必要な保安灯Lを任意の位置の充電器Cに挿入すれば充電が開始されることは勿論のこと、充電器Cが個別に備えられた制御回路32により、差し込まれた保安灯Lの二次電池7の充電状態に応じて最適な充電電力と充電時間を個別に制御されて充電されるので、1個の電源で充電状態の異なる保安灯Lを1個から必要な数だけ充電器Cに挿入するだけで各保安灯Lに最適な充電を行うことができる。
【0041】
尚、本実施の形態は大型の基板40上にそれぞれに縦横に5列ずつで合計25個の充電器Cを並設したものとしたが、これに限るものでなく、また、本実施の形態では、前記図1乃至図4に示したような保安灯Lの複数個を用いる構成で、異なる数の保安灯Lに応じ
て所定数を併設して適宜対応することが容易であるが、大型の基板40に所望数の保安灯Lを一体的に成形しても良いことは勿論である。
【0042】
前記図1乃至図4に示したような保安灯Lは、多くの現場において単数で使用されるよりも多数個を所定間隔で配置した図15に示したような道路保安部材Sに使用される場合が多く、この場合には複数の保安灯Lが一度に充電不足に陥ることになるが、本実施の形態では一度に複数の充電が可能であり、短時間に充電を行うことができる。
【0043】
尚、前記各実施の形態では、保安灯Lを充電器Cで充電する電源として廉価で安定した電源が得られる商用電源(AC電源)を用いたが、これに限らず現場近くに商用電源(AC電源)が用意できない場合には適宜容量の電池を使用することも可能である。
【0044】
また、保安灯Lを充電器Cで充電する電源として各ソケットに供給される電源を適宜の高電圧および高電流を用いることにより急速充電も可能であり、急の使用にも対応することができる。
【0045】
尚、本実施の形態では、前記図1乃至図3に示した本発明の実施の形態である保安灯Lに適した保安灯Lに収装された二次電池7を充電するために好ましい実施の形態を示したが、本実施の形態は前記図4に示した太陽電池4を収装した保安灯Lの実施の形態についても前記図1乃至図3に示した本発明の保安灯Lと全く同様にして充電することができ、例えば冬季のように日中の間に十分な充電ができない場合にも必要な電力を保持した状態で使用することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 取付部、2 筐体、3 基板、4 太陽電池、5 LED発光体、6 反射鏡、7 二次電池、8 点灯制御回路、9 スイッチ、10 外部電源用接続端子、11 底面、12 嵌挿凹部、13 外周面、14 位置決め手段、21 嵌挿部、22 ソケット、23 基板、24 底壁、25 充電用接続端子、26 収納孔、27 弾性体、28 嵌挿凸部、29 保持部材、30 接続コード、31 変換器、32 制御回路、40 基板、71 充電表示灯、L 保安灯、C 充電器、S 道路用保安部材
【要約】
【課題】保安灯が有する実際の使用に際して、生じる設計時における性能おける充電時間では発光が必要な夜間に点灯或いは点滅ができず保安灯の機能を発揮できない事態が生じる問題を解決可能な保安灯および保安灯を充電するための充電器を提供する。
【解決手段】取付部1に二次電池7を充電するための外部電源用接続端子10が備えられており、二次電池7を太陽電池4および外部電源用接続端子10に接続した外部電源により充電可能とした。
【選択図】図2
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