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  • 特許-人口呼吸器用呼吸回路保持装置 図1
  • 特許-人口呼吸器用呼吸回路保持装置 図2
  • 特許-人口呼吸器用呼吸回路保持装置 図3
  • 特許-人口呼吸器用呼吸回路保持装置 図4
  • 特許-人口呼吸器用呼吸回路保持装置 図5
  • 特許-人口呼吸器用呼吸回路保持装置 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-12
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】人口呼吸器用呼吸回路保持装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 39/10 20060101AFI20220118BHJP
   A61M 16/08 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
A61M39/10 110
A61M16/08 330
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020219946
(22)【出願日】2020-12-30
【審査請求日】2020-12-30
(73)【特許権者】
【識別番号】521004767
【氏名又は名称】馬木 良文
(74)【代理人】
【識別番号】100199451
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 隆滋
(72)【発明者】
【氏名】馬木 良文
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-24836(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2015/0157845(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 39/10
A61M 16/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の保持部と、
第二の保持部と、
前記第一の保持部と前記第二の保持部を連結する連結部を備え、
前記連結部は、前記第一の保持部と前記第二の保持部が離れる距離を任意に変更することが可能であり、
前記第一の保持部は、人工鼻の上流側の呼吸回路に取り付けられ、
前記第二の保持部は、前記人工鼻の下流側の前記呼吸回路に取り付けられる、人口呼吸器用呼吸回路保持装置。
【請求項2】
前記第一の保持部と前記第二の保持部は、第一の挟持部と第二の挟持部を有し、該第一の挟持部と該第二の挟持部で前記呼吸回路を挟み込むことで該呼吸回路に保持される、請求項1に記載の人口呼吸器用呼吸回路保持装置。
【請求項3】
前記連結部は、前記第一の保持部と前記第二の保持部の連結状態を開放することが可能である、請求項1または請求項2に記載の人口呼吸器用呼吸回路保持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は人口呼吸器用の呼吸回路保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人工呼吸器の呼吸回路の脱落事故により、患者や介護者の負担が増大するという問題が発生しており、最悪の場合では患者が死亡してしまうという脱落事故も発生している。このため、従来、人口呼吸器用の呼吸回路の脱落防止を目的とした人口呼吸器用の呼吸回路保持装置がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-129087号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示す人口呼吸器用の呼吸回路保持装置は患者の動きに呼吸回路の患者側を追従させることを可能とするものであるが、人工鼻の脱着事故は、患者の動きによって発生する場合のみならず、患者の咳込みによって発生する場合や人工鼻の取り付けを行う際の不手際によって発生する場合等、様々な要因によって発生している。このため、人工鼻を用いた呼吸回路において、特許文献1に示す人口呼吸器用の呼吸回路保持装置では人工鼻が脱着することによる呼吸回路の脱落事故を防止することができないという問題がある。
【0005】
本発明は、このようなことに鑑みてなされたものであり、人工鼻の脱着事故を防止する人口呼吸器用の呼吸回路保持装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、
第一の保持部(2a、2b)と、
第二の保持部(3a、3b)と、
前記第一の保持部と前記第二の保持部を連結する連結部(4a、4b)を備え、
前記連結部は、前記第一の保持部と前記第二の保持部が離れる距離を任意に変更することが可能であり、
前記第一の保持部は、人工鼻(20)の上流側の呼吸回路に取り付けられ、
前記第二の保持部は、前記人工鼻の下流側の前記呼吸回路に取り付けられる、人口呼吸器用呼吸回路保持装置(1)
によって達成できる。
【0007】
また、上記目的は、
前記第一の保持部と前記第二の保持部は、第一の挟持部(2a、2b)と第二の挟持部(3a、3b)を有し、該第一の挟持部と該第二の挟持部で前記呼吸回路を挟み込むことで該呼吸回路に保持される上記の人口呼吸器用呼吸回路保持装置(1)
によっても達成できる。
【0008】
また、上記目的は、
前記連結部は、前記第一の保持部と前記第二の保持部の連結状態を開放することが可能である、上記の人口呼吸器用呼吸回路保持装置(1)
によっても達成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、人工鼻の脱着事故を防止する人口呼吸器用の呼吸回路保持装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態による人口呼吸器用呼吸回路保持装置1を用いた呼吸回路100の斜視図である。
図2】本発明の実施の形態による人口呼吸器用呼吸回路保持装置1を用いた呼吸回路100の分解斜視図である。
図3】本発明の実施の形態による人口呼吸器用呼吸回路保持装置1の正面図である。
図4】本発明の実施の形態による人口呼吸器用呼吸回路保持装置1の背面図である。
図5】本発明の実施の形態による人口呼吸器用呼吸回路保持装置1の変形例を用いた呼吸回路200の斜視図である。
図6】従来例の人工呼吸器の呼吸回路の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態による人口呼吸器用呼吸回路保持装置1について、図1図5を用いて説明する。なお、以下の全ての図面においては、理解を容易にするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせて図示する場合がある。
【0012】
図6は、本発明の実施の形態による人口呼吸器用呼吸回路保持装置1を用いていない場合の従来例の人工呼吸器の呼吸回路の分解斜視図である。従来例において、呼吸回路には、人工鼻20を取り付けるための取付部が人工鼻の下流側(患者側)の管10と上流側(人工呼吸器側)の管10のそれぞれに設けられる。下流側の管10の取付部に人工鼻20の管を挿入し、人工鼻20の上流側の管に上流側の管10の取付部を挿入することで呼吸回路10が形成される。従来例においては、人工鼻20は、これらの取付部と人工鼻の管の摩擦のみによって呼吸回路10に接続され保持される構成である。このように、人工鼻20は、管10の取付部と人工鼻の管の摩擦のみによって保持される構成であることが、管10の取付部と人工鼻の接続が外れる脱着事故の要因である。
【0013】
図1及び図2に示すように、本発明の実施の形態による人口呼吸器用呼吸回路保持装置1は、人工鼻の下流側(患者側)の管10の取付部と上流側(人工呼吸器側)の管10の取付部のそれぞれに取り付けられる構成である。
【0014】
図1は、人口呼吸器用呼吸回路保持装置1の連結部4a、4bのバックルを絞めることで、人工鼻20の脱着を防止している状態を示している。一方、図2は、人口呼吸器用呼吸回路保持装置1の連結部4a、4bのバックルを外すことで、人工鼻20を呼吸回路100から取り外した状態を示している。
【0015】
図3は、人口呼吸器用呼吸回路保持装置1の正面図であり、図4は、人口呼吸器用呼吸回路保持装置1の背面図である。人口呼吸器用呼吸回路保持装置1は、第一の保持部を構成する挟持部2a、2bと第二の保持部を構成する挟持部3a、3bとこれらを連結する連結部4a、4bで構成される。挟持部2a、2b、3a、3bは、剛性の高い合成樹脂で形成されるが、可とう性がある合成樹脂で形成されてもよい。
【0016】
連結部4a、4bは、ベルト(2本)とベルトの長さを調整するアジャスター(1個)とバックル(雄側、雌側)およびベルトを挟持部に取り付けるためのリング(2個)で構成される。
【0017】
挟持部2a、2b、3a、3bの正面側の表面には、結束バンドを通すための結束バンド通部a1(2個)、a2(2個)、および連結部4a、4bを取り付けるための連結部取付部b1が設けられる。結束バンド通部a1(2個)、a2(2個)のそれぞれに結束バンドを通して結束することで、挟持部2a、2b、3a、3bのそれぞれを挟み込む構成である。
【0018】
挟持部2a、2b、3a、3bは、円弧形状で構成される。また、図4に示すように、挟持部2a、2b、3a、3bの内側の表面にはストライプ状の凸部が形成されており、当該凸部を上述の管10に設けられた取付部の外側表面に設けられたストライプ状の凹部に嵌合させることで挟持部2a、2b、3a、3bを管10に保持する構成である。なお、本実施形態においては2個の挟持部によって挟み込み保持する構成であるが、3個以上の挟持部で挟み込み保持する場合があってもよいし、一個の挟持部で抑え込み保持する場合があってもよい。
【0019】
図5は、本発明の実施の形態による人口呼吸器用呼吸回路保持装置1の変形例を用いた呼吸回路200の斜視図である。図5に示すように本変形例では、連結部5a、5bとして、紐部と紐止め部で構成される。また、本実施形態における連結部には、バックルや紐止め部を用いることで第一の保持部と第二の保持部の連結を開放する構成であるが、バックルや紐止め部以外の機構、例えば、面ファスナー、フック等を用いてもよい。
【0020】
このように、本発明の実施の形態による人口呼吸器用呼吸回路保持装置1を人工呼吸器の呼吸回路に用いることで、第一の保持部が取り付けられた呼吸回路の部分と第二の保持部が取り付けられた呼吸回路の部分の離れる距離が連結部によって制限されるため、人工鼻と呼吸器回路の接続状態が確実に保持され、人工鼻の脱着事故を防止することが可能となる。このため、人工呼吸器の呼吸回路の脱落事故を大幅に削減することが実現でき、特に、介護者の負担を軽減することが可能となる。また、人口呼吸器用呼吸回路保持装置1の連結部4a、4bは、第一の保持部と第二の保持部の連結を容易に開放することができるため、人工鼻を取り換える作業を容易に行うことも可能となる。また、人口呼吸器用呼吸回路保持装置1は、二つの挟持部によって呼吸回路を挟み込む構成であるため、様々な形状の呼吸回路に対応することも可能である。
【0021】
本発明は、上述の実施の形態に限らず種々の変形が可能である。また、上述の各実施の形態は、本発明の好適な一例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、上述の説明によって不当に限定されるものではない。また、上述の各実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明は、人口呼吸器用の呼吸回路の脱落防止を目的とした人口呼吸器用の呼吸回路保持装置においても広く利用可能であり、人工鼻を用いていない場合の人口呼吸器用の呼吸回路保持装置においても利用可能である。
【符号の説明】
【0023】
1 人口呼吸器用呼吸回路保持装置
2a、2b、3a、3b 挟持部
4a、4b、5a、5b 連結部
10 管
20 人工鼻
100、200 呼吸回路
【要約】      (修正有)
【課題】本発明の目的は、人工鼻の脱着事故を防止する人口呼吸器用の呼吸回路保持装置を提供することである。
【解決手段】人口呼吸器用呼吸回路保持装置1は、第一の保持部と、第二の保持部と、第一の保持部と第二の保持部を連結する連結部4a、4bを備えている。連結部4a、4bは、第一の保持部と第二の保持部が離れる距離を任意に変更することが可能である。第一の保持部は、人工鼻20の上流側の呼吸回路に取り付けられ、第二の保持部は、人工鼻20の下流側の呼吸回路に取り付けられる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6