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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-12
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】給油口蓋の取付構造
(51)【国際特許分類】
   B60K 15/05 20060101AFI20220118BHJP
【FI】
B60K15/05 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2017217024
(22)【出願日】2017-11-10
(65)【公開番号】P2019085060
(43)【公開日】2019-06-06
【審査請求日】2020-10-23
(73)【特許権者】
【識別番号】308039414
【氏名又は名称】株式会社FTS
(74)【代理人】
【識別番号】100097076
【弁理士】
【氏名又は名称】糟谷 敬彦
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 康行
(72)【発明者】
【氏名】樅山 貴司
(72)【発明者】
【氏名】下川 晋治
【審査官】結城 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-123930(JP,A)
【文献】特開2016-120817(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0130531(US,A1)
【文献】実開昭62-108030(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 15/05,
F16C 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の給油口を塞ぐ給油口蓋を開閉する給油口蓋の取付構造において、
上記給油口蓋に取付アーム部材が取付けられ、上記給油口に給油口ボックスが取付けられ、該給油口ボックスに取付アーム部材を取付け、
上記取付アーム部材は、上記給油口蓋を取付ける蓋取付部と、上記給油口ボックスに回動自在に取付けるボックス取付腕を有し、該ボックス取付腕の先端に、上記給油口ボックスに上記取付アーム部材を回動自在に係止するボックス係合ピンを設け、
上記給油口ボックスは、給油口ボックス本体から車体の内側に延設されるアーム収納部が形成され、該アーム収納部の奥に上記ボックス係合ピンを係合するアーム係合部を設け、上記給油口ボックスの上記給油口ボックス本体から上記アーム係合部まで上記ボックス係合ピンを案内するアームガイド部を形成し、上記アームガイド部と上記アーム係合部の連結部にボックス係合ピン保持突起を形成し,
上記給油口蓋が開いて、上記取付アーム部材の上記ボックス取付腕が上記給油口ボックスの上記ボックス本体に当接したときに、当接部分を中心に上記ボックス取付腕の回動により上記ボックス係合ピンが回動する方向に付勢され、上記アームガイド部のボックス係合ピン保持突起の付近の溝方向は、上記ボックス係合ピンが付勢される方向と異なる方向に形成され,たことを特徴とする給油口蓋の取付構造。
【請求項2】
上記アームガイド部の上記ボックス係合ピン保持突起は、上記アームガイド部に上記ボックス係合ピン保持突起同士が互いに対向するように2個形成され、上記ボックス係合ピン保持突起と上記ボックス係合ピン保持突起の間隔は、上記ボックス係合ピンの直径の90~99%の距離である請求項1に記載の給油口蓋の取付構造。
【請求項3】
上記ボックス係合ピンは、軸方向の先端に行くにつれて斜面状に削られた傾斜面が形成された請求項1又は請求項2に記載の給油口蓋の取付構造。
【請求項4】
上記ボックス係合ピンは、断面形状が円形、楕円形又は卵型である請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の給油口蓋の取付構造。
【請求項5】
上記ボックス係合ピン保持突起は、断面形状が略三角形であり、上記アームガイド部側の斜面の角度が上記アーム係合部側の斜面の角度よりも緩やかである請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の給油口蓋の取付構造。
【請求項6】
上記給油口蓋の裏面に上記取付アーム部材の蓋取付部が一体的に形成された請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の給油口蓋の取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体の給油口を塞ぐ給油口蓋を開閉する、給油口蓋の取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車用燃料タンクに燃料を給油する場合に、車体に設けられた給油口101を塞ぐ給油口蓋110を開いて、給油口101から燃料を給油する。
このとき、図11図12に示すように、給油口蓋110は、裏面に蓋取付部材120が取付けられて、蓋取付部材120は、給油口ボックス140に取付けられている。給油口ボックス140とともに、給油口蓋110は、給油口101に取付けられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
給油口蓋110を開くときに、蓋取付部材120の給油口ボックス140に対する係合ピン121は、開閉スペースを確保するため、給油口101よりも横方向の奥の給油口蓋110の外側に設けられている。このため、蓋取付部材120も大きく湾曲して、給油口蓋110の横方向の外側まで延設されている。
【0004】
そのため、図12に示すように、給油口ボックス140は、給油口101の開口部分よりも横方向に、大きくなって、給油口ボックス140の搭載スペースを確保するために大きなスペースを必要とするとともに、給油口ボックス140の給油口101への組付けの作業性がよくなかった。
【0005】
蓋取付部材120の形状も、給油口101の開口部分の形状が、車両の種類ごとに変わるため、車両に合わせて変える必要があり、部品の共通化も困難であった。
また、蓋取付部材120の係合ピン121を給油口ボックス140に取付けるときも、給油口ボックス140の奥に蓋取付部材120の先端を潜り込ませる必要があり、蓋取付部材120の給油口ボックス140への組付け時の作業性がよくなかった。
【0006】
また、給油口蓋110の開く角度が大きくなると、蓋取付部材120の中央付近が給油口ボックス140の縁に当接して、蓋取付部材120の先端に回動するように付勢される力が働く場合がある。この場合には、蓋取付部材120の先端が係合ピン121から外れて給油口ボックス140から外れる恐れがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2005-343367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで本発明は、給油口蓋を給油口ボックスに取付けやすく、外れにくい給油口蓋の取付構造を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために請求項1の本発明は、車体の給油口を塞ぐ給油口蓋を開閉する給油口蓋の取付構造において、
給油口蓋に取付アーム部材が取付けられ、給油口に給油口ボックスが取付けられ、給油口ボックスに取付アーム部材を取付け、
取付アーム部材は、給油口蓋を取付ける蓋取付部と、給油口ボックスに回動自在に取付けるボックス取付腕を有し、ボックス取付腕の先端に、給油口ボックスに取付アーム部材を回動自在に係止するボックス係合ピンを設け、
給油口ボックスは、給油口ボックス本体から車体の内側に延設されるアーム収納部が形成され、アーム収納部の奥にボックス係合ピンを係合するアーム係合部を設け、給油口ボックスの給油口ボックス本体からアーム係合部までボックス係合ピンを案内するアームガイド部を形成し、アームガイド部とアーム係合部の連結部にボックス係合ピン保持突起を形成し,
給油口蓋が開いて、取付アーム部材のボックス取付腕が給油口ボックスのボックス本体に当接したときに、当接部分を中心に上記ボックス取付腕の回動によりボックス係合ピンが回動する方向に付勢され、アームガイド部のボックス係合ピン保持突起の付近の溝方向は、ボックス係合ピンが付勢される方向と異なる方向に形成されたことを特徴とする給油口蓋の取付構造である。
【0010】
請求項1の本発明では、車体の給油口を塞ぐ給油口蓋を開閉する給油口蓋の取付構造において、給油口蓋に取付アーム部材が取付けられ、給油口に給油口ボックスが取付けられ、給油口ボックスに取付アーム部材が取付けられている。このため、給油口ボックスに取付アーム部材により給油口蓋が開閉自在に取付けられて、給油口蓋が車体の給油口を塞ぐことができる。
【0011】
取付アーム部材は、給油口蓋を取付ける蓋取付部と、給油口ボックスに回動自在に取付けるボックス取付腕を有し、ボックス取付腕の先端に、給油口ボックスに取付アーム部材を回動自在に係止するボックス係合ピンが設けられている。このため、給油口ボックスに設けられたボックス係合ピンを中心に取付アーム部材が回動して、給油口蓋が車体の給油口を開閉することができる。
【0012】
給油口ボックスは、給油口ボックス本体から車体の内側に延設されるアーム収納部が形成され、アーム収納部にボックス係合ピンを係合するアーム係合部を有し、給油口ボックスの給油口ボックス本体からアーム係合部までボックス係合ピンを案内するアームガイド部を形成している。このため、取付アーム部材を給油口ボックスに取付けるときに、アームガイド部に沿ってボックス係合ピンを挿入することで、給油口ボックスの奥の車体の内部方向に形成された直接見えない給油口ボックスのアーム係合部に、容易に取付アーム部材を組み付けることができる。アームガイド部は、溝形状でも、切り欠き形状でも、凸部でもよい。
ームガイド部とアーム係合部の連結部にボックス係合ピン保持突起を形成したため、アーム係合部に設けられたボックス係合ピンが外れることを防止できる。
給油口蓋が開いて、取付アーム部材のボックス取付腕が給油口ボックスのボックス本体に当接したときに、当接部分を中心に上記ボックス取付腕の回動により上記ボックス係合ピンが回動する方向に付勢され、アームガイド部のボックス係合ピン保持突起の付近の溝方向は、ボックス係合ピンが付勢される方向と異なる方向に形成されているため、給油口蓋を大きく開いたときに、取付アーム部材のボックス取付腕が給油口ボックスのボックス本体に当接する場合があるが、当接部分を中心にボックス取付腕が回動して、ボックス係合ピンが回動する方向に付勢され、ボックス係合ピン保持突起とアームガイド部の方向に付勢されることがなく、アームガイド部の方向が付勢方向と異なり、ボックス係合ピンがアーム係合部から外れ難い。
【0018】
請求項2の本発明は、アームガイド部のボックス係合ピン保持突起は、アームガイド部にボックス係合ピン保持突起同士が互いに対向するように2個形成され、ボックス係合ピン保持突起とボックス係合ピン保持突起の間隔は、ボックス係合ピンの直径の90~99%の距離である請求項1に記載の給油口蓋の取付構造である。
【0019】
請求項2の本発明では、アームガイド部のボックス係合ピン保持突起は、アームガイド部にボックス係合ピン保持突起同士が互いに対向するように2個形成され、ボックス係合ピン保持突起とボックス係合ピン保持突起の間隔は、ボックス係合ピンの直径の90~99%の距離である。このため、ボックス係合ピン保持突起とボックス係合ピン保持突起の間隔がボックス係合ピンを挿入するときに、撓ませてはめ込むことが可能で、かつ容易に外れ難い距離となり、ボックス係合ピンをアーム係合部に取付けるときに、取付けやすく、外れ難い。
【0020】
ボックス係合ピン保持突起とボックス係合ピン保持突起の間隔がボックス係合ピンの直径の90%未満の場合には、ボックス係合ピン保持突起とボックス係合ピン保持突起の間隔が狭く、間をボックス係合ピンが通過し難く、ボックス係合ピンの取付が困難となり、ボックス係合ピンの直径の99%を超える場合には、間隔が広く、ボックス係合ピンが外れやすくなる。
【0021】
請求項3の本発明は、ボックス係合ピンは、軸方向の先端に行くにつれて斜面状に削られた傾斜面が形成された給油口蓋の取付構造である。
【0022】
請求項5の本発明では、ボックス係合ピンは、軸方向の先端に行くにつれて斜面状に削られた傾斜面が形成されため、ボックス係合ピンがボックス係合ピン保持突起とボックス係合ピン保持突起の間を挿入するときにボックス係合ピン保持突起が撓みやすく、挿入しやすくなり、取付アーム部材の組付けが容易である。
【0023】
請求項4の本発明は、ボックス係合ピンは、断面形状が円形、楕円形又は卵型である給油口蓋の取付構造である。
【0024】
請求項4の本発明では、ボックス係合ピンは、断面形状が円形、楕円形又は卵型であるため、ボックス係合ピンがボックス係合ピン保持突起とボックス係合ピン保持突起の間を挿入しやすくなり、取付アーム部材の組付けが容易である。
【0025】
請求項5の本発明は、ボックス係合ピン保持突起は、断面形状が略三角形であり、アームガイド部側の斜面の角度がアーム係合部側の斜面の角度よりも緩やかである給油口蓋の取付構造である。
【0026】
請求項5の本発明では、ボックス係合ピン保持突起は、断面形状が略三角形であり、アームガイド部側の斜面の角度がアーム係合部側の斜面の角度よりも緩やかである。このため、ボックス係合ピンをボックス係合ピン保持突起とボックス係合ピン保持突起の間に挿入するときは、斜面が緩やかであるため挿入しやすく、ボックス係合ピンが外れるときは、斜面の角度が大きくなり、外れ難くなる。
【0027】
請求項6の本発明は、給油口蓋の裏面に取付アーム部材の蓋取付部が一体的に形成された給油口蓋の取付構造である。
【0028】
請求項6の本発明は、給油口蓋の裏面に取付アーム部材の蓋取付部が一体的に形成されたため、給油口蓋と取付アーム部材の接続構造が簡単になり、部品点数を少なくして、軽量化することができる。
【発明の効果】
【0029】
給油口ボックスは、ボックス係合ピンを係合するアーム係合部を有し、給油口ボックスのボックス本体からアーム係合部までボックス係合ピンを案内するアームガイド部を形成しているため、取付アーム部材を給油口ボックスに取付けるときに、アームガイド部の中にボックス係合ピンを挿入することで、容易に取付アーム部材を給油口ボックスに組み付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の実施の形態を示すもので、給油口蓋を開いた状態の給油口ボックスと給油口蓋及び取付アーム部材の断面図である。
図2】本発明の実施の形態を示すもので、給油口蓋を開いた状態の取付アーム部材と給油口ボックスの取付部分の拡大断面図である。
図3】本発明の実施の形態を示すもので、給油口ボックスの側面図である。
図4】本発明の実施の形態を示すもので、給油口ボックスのアームガイド部部分の斜視図である。
図5】本発明の実施の形態を示すもので、給油口ボックスのアームガイド部部分の断面図である。
図6】本発明の実施の形態を示すもので、給油口ボックスのアーム係合部の拡大斜視図である。
図7】本発明の実施の形態を示すもので、給油口ボックスのアーム係合部の拡大断面図である。
図8】本発明の実施の形態を示すもので、取付アーム部材のボックス係合ピンの拡大断面図である。
図9】本発明の実施の形態を示すもので、取付アーム部材のボックス係合ピンの他の形状の拡大斜視図である。
図10】本発明の実施の形態を示すもので、取付アーム部材のボックス係合ピンの他の形状の拡大断面図である。
図11】従来の給油口蓋を開いた状態の給油口部分の斜め上方から見た斜視図である。
図12】従来の給油口蓋を開いた状態の給油口部分の断面図で、図15のB-B線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は、車体2の給油口1を塞ぐ給油口蓋10を、開閉する給油口蓋10の取付構造に関するものである。本発明に実施の形態を図1図10に基づき説明する。
本発明の実施の形態について、給油口蓋10と、給油口蓋10を車体2に取付ける給油口ボックス30と、給油口ボックス30と給油口蓋10を連結する連結部材である取付アーム部材20をそれぞれ説明するとともに、給油口蓋10の回動についても説明する。
【0032】
給油口蓋10は、図1に示すように、車体2の給油口1を塞ぐために給油口1の形状に合わせて形成されている。本発明に実施の形態では、四角形に形成されているが、給油口1の形状に合わせて円形や楕円形に形成することができる。給油口蓋10の上面11は、車体2の色と合わせて塗装されて、平滑な平面を形成している。
自動車用燃料タンクに燃料を給油する場合に、車体2に設けられた給油口1を塞ぐ給油口蓋10を開いて、給油口1から燃料を給油する。
【0033】
給油口蓋10の裏面12には、給油口蓋10の取付部材である取付アーム部材20を取付ける給油口蓋10のアーム部材取付部13が設けられている。本実施の形態では、給油口蓋10のアーム部材取付部13は、2枚の平行板として形成されている。給油口蓋10のアーム部材取付部13には、取付アーム部材20が取付けられる給油口蓋10のアーム部材取付孔14が設けられている。
【0034】
取付アーム部材20は、図1図2に示すように、円弧状に湾曲した板状の取付アーム部材20のボックス取付腕23と、ボックス取付腕23の一方の先端に形成され、給油口蓋10に取付けられる部分である取付アーム部材20の蓋取付部21と、ボックス取付腕23の他方の先端に形成され、給油口ボックス30に取付けられる部分である取付アーム部材20のボックス取付部24を有している。蓋取付部21が給油口蓋10のアーム部材取付孔14にはめ込まれて、給油口蓋10が取付アーム部材20に取付けられる。
【0035】
なお、給油口蓋10と取付アーム部材20を一体的に形成して、取付アーム部材20の蓋取付部21と給油口蓋10のアーム部材取付孔14を省略して、給油口蓋10の裏面12に取付アーム部材20の蓋取付部21を一体的に形成することができる。この場合には、給油口蓋10の裏面12に取付アーム部材20の蓋取付部21が一体的に形成されたため、給油口蓋10と取付アーム部材20の接続構造が簡単になり、部品点数を少なくして、軽量化することができる。
【0036】
取付アーム部材20の蓋取付部21の先端には、給油口ボックス30側に延設された取付アーム部材20の蓋ロック部22が形成されている。蓋ロック部22は、給油口蓋10が閉まったときに、給油口ボックス30の後述する給油口ボックス30のロックピン32と係合する。
【0037】
取付アーム部材20のボックス取付部24は、図8図10に示すように、後述する給油口ボックス30のアーム係合部35に係合する取付アーム部材20のボックス係合ピン25が形成されている。ボックス係合ピン25は、ボックス取付部24の先端の両側面に形成されている。
【0038】
取付アーム部材20のボックス係合ピン25は、先端に行くにつれて斜面状に切りかかれた取付アーム部材20のボックス係合ピン斜面25aを形成することができる。ボックス係合ピン斜面25aにより取付アーム部材20のボックス係合ピン25が後述する給油口ボックス30のアーム係合部35に取付けやすい。
【0039】
またボックス係合ピン25は、取付アーム部材20のボックス取付部24の両側にそれぞれ突出するように形成することもできるが、ボックス取付部24の先端の一方の側面から他方の側面まで連続した1本のピンとして形成することもできる。
【0040】
ボックス係合ピン25は、断面形状が円形、楕円形又は卵型に形成することができる。この場合には、ボックス係合ピン25が後述するボックス係合ピン保持突起35bとボックス係合ピン保持突起35bの間を挿入しやすくなり、取付アーム部材20の組み付けが容易である。
【0041】
次に、給油口蓋10が取付アーム部材20により取付けられる給油口ボックス30について、図1図7に基づき説明する。
本実施の形態では、図3に示すように、給油口ボックス30の本体である給油口ボックス本体31は、略四角形の箱状に形成されているが、給油口1が形成される車体2と給油口蓋10の形状に合わせて、円形、楕円形等に形成することができる。
【0042】
給油口ボックス本体31は、図1に示すように、底部の中心に車体2の給油口1と連通する給油ガン(図示せず。)を挿入する給油口ボックス30の給油孔36が形成されている。
給油口ボックス30は、図1図2に示すように、車体2に設けられている給油口ボックス保持部3に取付けられている。
【0043】
取付アーム部材20のボックス取付部24が取付けられる給油口ボックス30の部分は、車体2の給油口ボックス保持部3が形成されている部分よりも車体2の内側(図1における左側)に入り込んで、給油口ボックス30のアーム収納部37として形成されている。アーム収納部37の詳細は、後述する。
【0044】
図1に示すように、給油口ボックス30のアーム収納部37と反対側には、給油口ボックス30のロックピン32が形成され、給油口蓋10が閉じられたときに、ロックピン32が取付アーム部材20の蓋ロック部22に係合して、給油口蓋10をロックすることができる。給油口蓋10を開くときは、給油口ボックス30のロックピン32が後退して、取付アーム部材20の蓋ロック部22から外れる。
【0045】
給油口ボックス30の給油口ボックス本体31の上端の周囲には、給油口ボックス30のシール部材33が取付けられて、給油口ボックス本体31が、車体2の給油口ボックス保持部3に取付けられたときに、給油口ボックス保持部3と給油口ボックス本体31の上端の間をシールすることができる。
【0046】
給油口ボックス30のアーム収納部37は、取付アーム部材20のボックス係合ピン25を係合するアーム係合部35を有している。図3図6に示すように、給油口ボックス本体31からアーム係合部35まで取付アーム部材20のボックス係合ピン25を案内する給油口ボックス30のアームガイド部34を形成している。アームガイド部34は、図3に示すように、溝状に形成しても、溝の代わりに切り欠き部として形成しても、凸部として形成してもよい。
【0047】
アームガイド部34を形成したため、取付アーム部材20を給油口ボックス30に取付けるときに、アームガイド部34の中を、取付アーム部材20のボックス係合ピン25を挿入して、摺動することで、給油口ボックス30のアーム収納部37の奥が見にくくても、容易に取付アーム部材20を給油口ボックス30に組み付けることができる。
図4に示すように、給油口ボックス30のアーム係合部35に給油口ボックス30のアーム係合部ピン当接部35aを設けて、取付アーム部材20のボックス係合ピン25の先端を当接することができる。
【0048】
図5図7に示すように、給油口ボックス30のアームガイド部34とアーム係合部35の連結部にボックス係合ピン保持突起35bが対向するように2個形成されている。ボックス係合ピン保持突起35bにより、ボックス係合ピン保持突起35bを撓ませて、給油口ボックス30のアーム係合部35にはめ込まれた取付アーム部材20のボックス係合ピン25がアーム係合部35から外れることを防止できる。
【0049】
ボックス係合ピン保持突起35bとボックス係合ピン保持突起35bの間隔は、取付アーム部材20のボックス係合ピン25の直径の90~99%の距離であることが好ましい。この場合には、ボックス係合ピン25をアーム係合部35に取付けるときに、ボックス係合ピン保持突起35bを撓ませてはめ込ませて、取付けやすく、容易に外れ難い。
【0050】
ボックス係合ピン保持突起35bとボックス係合ピン保持突起35bの間隔が取付アーム部材20のボックス係合ピン25の直径又は軸長の99%を超える場合には、取付アーム部材20を給油口ボックス30のアーム係合部35に取付けるときにボックス係合ピン保持突起35bとボックス係合ピン保持突起35bの間をボックス係合ピン25が通過しやすく、ボックス係合ピン25が外れやすくなり、ボックス係合ピン25の直径又は軸長の90%未満の場合には、間隔が狭くなり、ボックス係合ピン25の取付けが困難となる。
【0051】
また、図4図8に示すように、給油口ボックス30のアームガイド部34とアーム係合部35の連結部にボックス係合ピン保持突起35bが形成されている場所の外面から内部方向(ボックス係合ピン保持突起35bと直交する方向)にボックス係合ピン保持突起35cを形成することができる。
【0052】
ボックス係合ピン保持突起35cは、ボックス係合ピン保持突起35bの代わりに形成することも、ボックス係合ピン保持突起35bと合わせて形成することもできる。
ボックス係合ピン保持突起35cは、ボックス係合ピン保持突起35bと同様に、取付アーム部材20のボックス係合ピン25が給油口ボックス30のアーム係合部35から外れるのを防止できる。
【0053】
給油口蓋10が大きく開いて、図2に示すように、取付アーム部材20のボックス取付腕23が給油口ボックス30の上端の部分(図2においてXで示す)に当接する場合がある。この場合には、当接部分Xを中心にボックス取付腕23が回動して、ボックス取付腕23の先端に形成された取付アーム部材20のボックス係合ピン25が回転するように付勢される。
【0054】
給油口ボックス30のアームガイド部34のアーム係合部35に近接した部分、すなわち、ボックス係合ピン保持突起35bの付近のアームガイド部34の方向は、取付アーム部材20のボックス係合ピン25が付勢される方向と異なる方向に形成されている。
このため、給油口蓋10を大きく開いたときに、取付アーム部材20のボックス取付腕23が給油口ボックス本体31に当接して、当接部分を中心にボックス取付腕23が回動し、ボックス係合ピン25が回動して、ボックス係合ピン保持突起35bの方向に付勢されても、アームガイド部34の方向が付勢方向と異なっているためボックス係合ピン25がアーム係合部35から外れ難い。
【0055】
また、ボックス係合ピン保持突起35bは、断面形状が略三角形に形成し、給油口ボックス30のアームガイド部34側の斜面の角度が取付アーム部材20のボックス係合ピン25側の斜面の角度よりも緩やかに形成することが好ましい。この場合には、ボックス係合ピン25を給油口ボックス30のアームガイド部34からボックス係合ピン保持突起35bとボックス係合ピン保持突起35bの間に挿入するときは、斜面が緩やかであるため挿入しやすく、ボックス係合ピン25が給油口ボックス30のアーム係合部35から外れるときは、斜面の角度が大きくなり、外れ難くなる。
【符号の説明】
【0056】
10 給油口蓋
20 取付アーム部材
23 ボックス取付腕
24 ボックス取付部
25 ボックス係合ピン
30 給油口ボックス
31 給油口ボックス本体
34 アームガイド部
35 アーム係合部
35b ボックス係合ピン保持突起
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図12