(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-12
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】作業状況表示制御装置、作業状況表示制御システム、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/13 20060101AFI20220118BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20220118BHJP
E01H 5/00 20060101ALI20220118BHJP
【FI】
G08G1/13
G08G1/00 D
E01H5/00 Z
(21)【出願番号】P 2017158160
(22)【出願日】2017-08-18
【審査請求日】2020-07-08
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】505389695
【氏名又は名称】首都高速道路株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507230382
【氏名又は名称】首都高メンテナンス西東京株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】500422735
【氏名又は名称】レッドフォックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】坂爪 誠
(72)【発明者】
【氏名】坪山 雅俊
(72)【発明者】
【氏名】岩▲崎▼ 有
【審査官】小林 勝広
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-227721(JP,A)
【文献】特開2011-008383(JP,A)
【文献】特開2005-036477(JP,A)
【文献】特開2002-123886(JP,A)
【文献】特開2015-215798(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01H 1/00-15/00
G01C 21/00-21/36、23/00-25/00
G06F 19/00
G06Q 10/00-10/10、30/00-30/08、
50/00-50/20、50/26-99/00
G08G 1/00-99/00
G09B 23/00-29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業車両の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記位置情報取得部が取得した前記位置情報と、道路の起点からの距離を示す距離標の距離表示と前記距離標の地図上の位置とが対応づけられた情報である距離標情報とに基づいて、複数の前記距離標のうち前記位置情報が示す作業車両の現在位置の近傍の前記距離標を選択する距離標選択部と、
前記距離標情報において前記距離標選択部が選択した前記距離標に対応づけられている距離表示を取得する距離表示取得部と、
前記位置情報取得部が前記位置情報を取得した時期と、前記距離表示取得部が取得した前記距離表示とが対応づけられた情報である時系列情報を生成する時系列情報生成部と、
前記時系列情報生成部が生成した前記時系列情報が示す前記距離表示の時系列に従った増減を判定する増減判定部と、
前記増減判定部の判定結果に基づいて、前記作業車両が通過した道路が上り車線であるか下り車線であるかを判定する車線判定部と、
前記位置情報と、前記車線判定部の判定結果とに基づいて、前記作業車両が通過した道路が上り車線であるか下り車線であるかを示す画像情報を生成する画像情報生成部と、
前記作業車両が事業所から出動したことを示す出動情報と、前記作業車両が前記事業所に帰着したことを示す帰着情報とを取得する出動情報取得部と、
融雪剤の残量を示す情報である融雪剤情報を取得する融雪剤情報取得部と、
を備え、
前記出動情報、及び前記帰着情報は、前記作業車両の運転席の所定の箇所に備えられたボタンを操作することにより生成され、
前記位置情報取得部は、前記出動情報取得部から前記出動情報を取得すると前記位置情報を取得し、前記出動情報取得部から前記帰着情報を取得すると前記位置情報を取得することを停止し、
前記画像情報生成部は生成した前記画像情報を表示部に表示させ
、
前記画像情報生成部は、前記融雪剤情報取得部が取得した前記融雪剤情報に基づいて、前記融雪剤情報が示す融雪剤の残量を示す画像情報を生成する
作業状況表示制御装置。
【請求項2】
作業車両の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記位置情報取得部が取得した前記位置情報と、道路の起点からの距離を示す距離標の距離表示と前記距離標の地図上の位置とが対応づけられた情報である距離標情報とに基づいて、複数の前記距離標のうち前記位置情報が示す作業車両の現在位置の近傍の前記距離標を選択する距離標選択部と、
前記距離標情報において前記距離標選択部が選択した前記距離標に対応づけられている距離表示を取得する距離表示取得部と、
前記位置情報取得部が前記位置情報を取得した時期と、前記距離表示取得部が取得した前記距離表示とが対応づけられた情報である時系列情報を生成する時系列情報生成部と、
前記時系列情報生成部が生成した前記時系列情報が示す前記距離表示の時系列に従った増減を判定する増減判定部と、
前記増減判定部の判定結果に基づいて、前記作業車両が通過した道路が上り車線であるか下り車線であるかを判定する車線判定部と、
前記位置情報と、前記車線判定部の判定結果とに基づいて、前記作業車両が通過した道路が上り車線であるか下り車線であるかを示す画像情報を生成する画像情報生成部と、
前記作業車両が事業所から出動したことを示す出動情報と、前記作業車両が前記事業所に帰着したことを示す帰着情報とを取得する出動情報取得部と、
を備え、
前記出動情報、及び前記帰着情報は、前記作業車両の運転席の所定の箇所に備えられたボタンを操作することにより生成され、
前記位置情報取得部は、前記出動情報取得部から前記出動情報を取得すると前記位置情報を取得し、前記出動情報取得部から前記帰着情報を取得すると前記位置情報を取得することを停止し、
前記画像情報生成部は生成した前記画像情報を表示部に表示させ
、
前記時系列情報生成部は、前記位置情報取得部が新たに前記位置情報を取得した時期と、前記距離表示取得部が新たに取得した前記距離表示と、既に生成されている前記時系列情報に格納されている前記時期と前記距離表示とから前記作業車両の移動速度の概算値を算出し、算出した前記概算値が所定の値より大きいと判定する場合、前記距離表示取得部が新たに取得した前記距離表示を前記時系列情報に格納せずに破棄する
作業状況表示制御装置。
【請求項3】
前記画像情報生成部は、前記作業車両が通過した道路が上り車線である場合の表示態様と、前記作業車両が通過した道路が下り車線である場合の表示態様とを互いに異なる態様にして画像情報を生成する
請求項1
または請求項2に記載の作業状況表示制御装置。
【請求項4】
前記作業車両が作業を開始したことを示す作業開始情報と前記作業車両が作業を終了したことを示す作業終了情報とを取得する作業情報取得部と、
をさらに備え、
前記画像情報生成部は、前記作業情報取得部が取得した前記作業開始情報と、前記作業終了情報と、前記位置情報取得部が取得した前記位置情報とに基づいて、作業済みの道路の表示態様と作業済みでない道路の表示態様とを互いに異なる態様にして画像情報を生成する
請求項1
から請求項3のいずれか一項に記載の作業状況表示制御装置。
【請求項5】
作業車両に備えられた携帯端末装置と前記作業車両の作業状況を表示する作業状況表示制御装置とを備える作業状況表示制御システムであって、
前記携帯端末装置は、
前記作業車両の現在位置を示す位置情報を取得する作業車両位置情報取得部と、
前記作業車両位置情報取得部が取得した前記位置情報を前記作業状況表示制御装置に送信する送信部と
を備え、
前記作業状況表示制御装置は、
前記位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記位置情報取得部が取得した前記位置情報と、高速道路の起点からの距離を示す距離標の距離表示と前記距離標の地図上の位置とが対応づけられた情報である距離標情報とに基づいて、複数の前記距離標のうち前記位置情報が示す作業車両の現在位置の近傍の前記距離標を選択する距離標選択部と、
前記距離標情報において前記距離標選択部が選択した前記距離標に対応づけられている距離表示を取得する距離表示取得部と、
前記位置情報取得部が前記位置情報を取得した時期と、前記距離表示取得部が取得した前記距離表示とが対応づけられた情報である時系列情報を生成する時系列情報生成部と、
前記時系列情報生成部が生成した前記時系列情報が示す前記距離表示の時系列に従った増減を判定する増減判定部と、
前記増減判定部の判定結果に基づいて、前記作業車両が通過した道路が上り車線であるか下り車線であるかを判定する車線判定部と、
前記位置情報と、前記車線判定部の判定結果とに基づいて、前記作業車両が通過した道路が上り車線であるか下り車線であるかを示す画像情報を生成する画像情報生成部と、
前記作業車両が事業所から出動したことを示す出動情報と、前記作業車両が前記事業所に帰着したことを示す帰着情報とを取得する出動情報取得部と、
融雪剤の残量を示す情報である融雪剤情報を取得する融雪剤情報取得部と、を備え、
前記出動情報、及び前記帰着情報は、前記作業車両の運転席の所定の箇所に備えられたボタンを操作することにより生成され、
前記位置情報取得部は、前記出動情報取得部から前記出動情報を取得すると前記位置情報を取得し、前記出動情報取得部から前記帰着情報を取得すると前記位置情報を取得することを停止し、
前記画像情報生成部は生成した前記画像情報を表示部に表示させ
、
前記画像情報生成部は、前記融雪剤情報取得部が取得した前記融雪剤情報に基づいて、前記融雪剤情報が示す融雪剤の残量を示す画像情報を生成する
作業状況表示制御システム。
【請求項6】
作業車両に備えられた携帯端末装置と前記作業車両の作業状況を表示する作業状況表示制御装置とを備える作業状況表示制御システムであって、
前記携帯端末装置は、
前記作業車両の現在位置を示す位置情報を取得する作業車両位置情報取得部と、
前記作業車両位置情報取得部が取得した前記位置情報を前記作業状況表示制御装置に送信する送信部と
を備え、
前記作業状況表示制御装置は、
前記位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記位置情報取得部が取得した前記位置情報と、高速道路の起点からの距離を示す距離標の距離表示と前記距離標の地図上の位置とが対応づけられた情報である距離標情報とに基づいて、複数の前記距離標のうち前記位置情報が示す作業車両の現在位置の近傍の前記距離標を選択する距離標選択部と、
前記距離標情報において前記距離標選択部が選択した前記距離標に対応づけられている距離表示を取得する距離表示取得部と、
前記位置情報取得部が前記位置情報を取得した時期と、前記距離表示取得部が取得した前記距離表示とが対応づけられた情報である時系列情報を生成する時系列情報生成部と、
前記時系列情報生成部が生成した前記時系列情報が示す前記距離表示の時系列に従った増減を判定する増減判定部と、
前記増減判定部の判定結果に基づいて、前記作業車両が通過した道路が上り車線であるか下り車線であるかを判定する車線判定部と、
前記位置情報と、前記車線判定部の判定結果とに基づいて、前記作業車両が通過した道路が上り車線であるか下り車線であるかを示す画像情報を生成する画像情報生成部と、
前記作業車両が事業所から出動したことを示す出動情報と、前記作業車両が前記事業所に帰着したことを示す帰着情報とを取得する出動情報取得部と、を備え、
前記出動情報、及び前記帰着情報は、前記作業車両の運転席の所定の箇所に備えられたボタンを操作することにより生成され、
前記位置情報取得部は、前記出動情報取得部から前記出動情報を取得すると前記位置情報を取得し、前記出動情報取得部から前記帰着情報を取得すると前記位置情報を取得することを停止し、
前記画像情報生成部は生成した前記画像情報を表示部に表示させ
、
前記時系列情報生成部は、前記位置情報取得部が新たに前記位置情報を取得した時期と、前記距離表示取得部が新たに取得した前記距離表示と、既に生成されている前記時系列情報に格納されている前記時期と前記距離表示とから前記作業車両の移動速度の概算値を算出し、算出した前記概算値が所定の値より大きいと判定する場合、前記距離表示取得部が新たに取得した前記距離表示を前記時系列情報に格納せずに破棄する
作業状況表示制御システム。
【請求項7】
コンピュータに、
作業車両の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記位置情報取得ステップにおいて取得された前記位置情報と、道路の起点からの距離を示す距離標の距離表示と前記距離標の地図上の位置とが対応づけられた情報である距離標情報とに基づいて、複数の前記距離標のうち前記位置情報が示す作業車両の位置の近傍の前記距離標を選択する距離標選択ステップと、
前記距離標情報において前記距離標選択ステップにおいて選択された前記距離標に対応づけられている距離表示を取得する距離表示取得ステップと、
前記位置情報取得ステップにおいて前記位置情報が取得された時期と、前記距離表示取得ステップにおいて取得された前記距離表示とが対応づけられた情報である時系列情報を生成する時系列情報生成ステップと、
前記時系列情報生成ステップにおいて生成された前記時系列情報が示す前記距離表示の時系列に従った増減を判定する増減判定ステップと、
前記増減判定ステップの判定結果に基づいて、前記作業車両が通過した道路が上り車線であるか下り車線であるかを判定する車線判定ステップと、
前記位置情報と、前記車線判定ステップの判定結果とに基づいて、前記作業車両が通過した道路が上り車線であるか下り車線であるかを示す画像情報を生成する画像情報生成ステップと、
前記作業車両が事業所から出動したことを示す出動情報と、前記作業車両が前記事業所に帰着したことを示す帰着情報とを取得する出動情報取得ステップと、
融雪剤の残量を示す情報である融雪剤情報を取得する融雪剤情報取得ステップと、
を実行させるためのプログラムであって、
前記出動情報、及び前記帰着情報は、前記作業車両の運転席の所定の箇所に備えられたボタンを操作することにより生成され、
前記位置情報取得ステップは、前記出動情報取得ステップから前記出動情報が取得されると前記位置情報を取得し、前記出動情報取得ステップから前記帰着情報が取得されると前記位置情報を取得することを停止し、
前記画像情報生成ステップは生成した前記画像情報を表示部に表示させ
、
前記画像情報生成ステップは、前記融雪剤情報取得ステップが取得した前記融雪剤情報に基づいて、前記融雪剤情報が示す融雪剤の残量を示す画像情報を生成する
プログラム。
【請求項8】
コンピュータに、
作業車両の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記位置情報取得ステップにおいて取得された前記位置情報と、道路の起点からの距離を示す距離標の距離表示と前記距離標の地図上の位置とが対応づけられた情報である距離標情報とに基づいて、複数の前記距離標のうち前記位置情報が示す作業車両の位置の近傍の前記距離標を選択する距離標選択ステップと、
前記距離標情報において前記距離標選択ステップにおいて選択された前記距離標に対応づけられている距離表示を取得する距離表示取得ステップと、
前記位置情報取得ステップにおいて前記位置情報が取得された時期と、前記距離表示取得ステップにおいて取得された前記距離表示とが対応づけられた情報である時系列情報を生成する時系列情報生成ステップと、
前記時系列情報生成ステップにおいて生成された前記時系列情報が示す前記距離表示の時系列に従った増減を判定する増減判定ステップと、
前記増減判定ステップの判定結果に基づいて、前記作業車両が通過した道路が上り車線であるか下り車線であるかを判定する車線判定ステップと、
前記位置情報と、前記車線判定ステップの判定結果とに基づいて、前記作業車両が通過した道路が上り車線であるか下り車線であるかを示す画像情報を生成する画像情報生成ステップと、
前記作業車両が事業所から出動したことを示す出動情報と、前記作業車両が前記事業所に帰着したことを示す帰着情報とを取得する出動情報取得ステップと、
を実行させるためのプログラムであって、
前記出動情報、及び前記帰着情報は、前記作業車両の運転席の所定の箇所に備えられたボタンを操作することにより生成され、
前記位置情報取得ステップは、前記出動情報取得ステップから前記出動情報が取得されると前記位置情報を取得し、前記出動情報取得ステップから前記帰着情報が取得されると前記位置情報を取得することを停止し、
前記画像情報生成ステップは生成した前記画像情報を表示部に表示させ
、
前記時系列情報生成ステップは、前記位置情報取得ステップが新たに前記位置情報を取得した時期と、前記距離表示取得ステップが新たに取得した前記距離表示と、既に生成されている前記時系列情報に格納されている前記時期と前記距離表示とから前記作業車両の移動速度の概算値を算出し、算出した前記概算値が所定の値より大きいと判定する場合、前記距離表示取得ステップが新たに取得した前記距離表示を前記時系列情報に格納せずに破棄する
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業状況表示制御装置、作業状況表示制御システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
交通の安全を確保するために、道路のメンテナンスが必要である。例えば、冬になると路面に凍結が発生するため、雪凍対策が必要となる。道路の雪凍対策において、塩水散布や除雪などの作業が複数の作業車両を利用して行われる。作業車両は、管理センターからの指示に基づいて事業所から出動する。管理センターは、作業済みの道路と、作業済みでない道路とを即時に把握することができれば、作業車両の配車効率が向上する。
【0003】
即時の作業状況の管理を低コストで行うことのできる除雪作業管理システム及びこのシステムにおいて用いられる除雪作業機械が知られている(特許文献1)。特許文献1に記載の除雪作業管理システムでは、除雪作業機械から送られた除雪情報を管理する管理サーバと、この管理サーバから送られた除雪情報を表示する表示部を有する管理端末とを有する。
除雪作業機械は、除雪作業機械の現在位置の情報と、除雪作業状態の情報とから除雪作業情報を作成し、管理サーバに送信する。管理サーバは、除雪作業情報を逐次記憶し、記憶された除雪作業情報から除雪作業進捗情報を作成し、管理端末に送信する。管理端末は、管理サーバから送られた除雪情報を表示する表示部を有し、表示部には、道路地図及びこの道路地図上の除雪作業機械の回送中及び作業中の位置が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
高速道路などの道路においては、上り車線と、下り車線とが分離しているため、作業状況を上り車線と、下り車線とにおいて分けて把握することが求められている。しかし、GPS(Global Positioning System)等による現在位置の情報のみでは、上り車線と、下り車線との区別が判然としないとう問題があった。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、作業車両が上り車線と下り車線のいずれにおいて作業をしているのかを判別できる作業状況表示制御装置、作業状況表示制御システム、及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明の一態様は、作業車両の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報取得部が取得した前記位置情報と、道路の起点からの距離を示す距離標の距離表示と前記距離標の地図上の位置とが対応づけられた情報である距離標情報とに基づいて、複数の前記距離標のうち前記位置情報が示す作業車両の現在位置の近傍の前記距離標を選択する距離標選択部と、前記距離標情報において前記距離標選択部が選択した前記距離標に対応づけられている距離表示を取得する距離表示取得部と、前記位置情報取得部が前記位置情報を取得した時期と、前記距離表示取得部が取得した前記距離表示とが対応づけられた情報である時系列情報を生成する時系列情報生成部と、前記時系列情報生成部が生成した前記時系列情報が示す前記距離表示の時系列に従った増減を判定する増減判定部と、前記増減判定部の判定結果に基づいて、前記作業車両が通過した道路が上り車線であるか下り車線であるかを判定する車線判定部と、前記位置情報と、前記車線判定部の判定結果とに基づいて、前記作業車両が通過した道路が上り車線であるか下り車線であるかを示す画像情報を生成する画像情報生成部と、前記作業車両が事業所から出動したことを示す出動情報と、前記作業車両が前記事業所に帰着したことを示す帰着情報とを取得する出動情報取得部と、融雪剤の残量を示す情報である融雪剤情報を取得する融雪剤情報取得部と、を備え、前記出動情報、及び前記帰着情報は、前記作業車両の運転席の所定の箇所に備えられたボタンを操作することにより生成され、前記位置情報取得部は、前記出動情報取得部から前記出動情報を取得すると前記位置情報を取得し、前記出動情報取得部から前記帰着情報を取得すると前記位置情報を取得することを停止し、前記画像情報生成部は生成した前記画像情報を表示部に表示させ、前記画像情報生成部は、前記融雪剤情報取得部が取得した前記融雪剤情報に基づいて、前記融雪剤情報が示す融雪剤の残量を示す画像情報を生成する作業状況表示制御装置である。
(2)また、本発明の一態様は、作業車両の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報取得部が取得した前記位置情報と、道路の起点からの距離を示す距離標の距離表示と前記距離標の地図上の位置とが対応づけられた情報である距離標情報とに基づいて、複数の前記距離標のうち前記位置情報が示す作業車両の現在位置の近傍の前記距離標を選択する距離標選択部と、前記距離標情報において前記距離標選択部が選択した前記距離標に対応づけられている距離表示を取得する距離表示取得部と、前記位置情報取得部が前記位置情報を取得した時期と、前記距離表示取得部が取得した前記距離表示とが対応づけられた情報である時系列情報を生成する時系列情報生成部と、前記時系列情報生成部が生成した前記時系列情報が示す前記距離表示の時系列に従った増減を判定する増減判定部と、前記増減判定部の判定結果に基づいて、前記作業車両が通過した道路が上り車線であるか下り車線であるかを判定する車線判定部と、前記位置情報と、前記車線判定部の判定結果とに基づいて、前記作業車両が通過した道路が上り車線であるか下り車線であるかを示す画像情報を生成する画像情報生成部と、前記作業車両が事業所から出動したことを示す出動情報と、前記作業車両が前記事業所に帰着したことを示す帰着情報とを取得する出動情報取得部と、を備え、前記出動情報、及び前記帰着情報は、前記作業車両の運転席の所定の箇所に備えられたボタンを操作することにより生成され、前記位置情報取得部は、前記出動情報取得部から前記出動情報を取得すると前記位置情報を取得し、前記出動情報取得部から前記帰着情報を取得すると前記位置情報を取得することを停止し、前記画像情報生成部は生成した前記画像情報を表示部に表示させ、前記時系列情報生成部は、前記位置情報取得部が新たに前記位置情報を取得した時期と、前記距離表示取得部が新たに取得した前記距離表示と、既に生成されている前記時系列情報に格納されている前記時期と前記距離表示とから前記作業車両の移動速度の概算値を算出し、算出した前記概算値が所定の値より大きいと判定する場合、前記距離表示取得部が新たに取得した前記距離表示を前記時系列情報に格納せずに破棄する作業状況表示制御装置である。
【0009】
(3)また、本発明の一態様は、上記の作業状況表示制御装置において、前記画像情報生成部は、前記作業車両が通過した道路が上り車線である場合の表示態様と、前記作業車両が通過した道路が下り車線である場合の表示態様とを互いに異なる態様にして画像情報を生成する。
【0010】
(4)また、本発明の一態様は、上記の作業状況表示制御装置において、前記作業車両が作業を開始したことを示す作業開始情報と前記作業車両が作業を終了したことを示す作業終了情報とを取得する作業情報取得部と、をさらに備え、前記画像情報生成部は、前記作業情報取得部が取得した前記作業開始情報と、前記作業終了情報と、前記位置情報取得部が取得した前記位置情報とに基づいて、作業済みの道路の表示態様と作業済みでない道路の表示態様とを互いに異なる態様にして画像情報を生成する。
【0011】
(5)また、本発明の一態様は、作業車両に備えられた携帯端末装置と前記作業車両の作業状況を表示する作業状況表示制御装置とを備える作業状況表示制御システムであって、前記携帯端末装置は、前記作業車両の現在位置を示す位置情報を取得する作業車両位置情報取得部と、前記作業車両位置情報取得部が取得した前記位置情報を前記作業状況表示制御装置に送信する送信部とを備え、前記作業状況表示制御装置は、前記位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報取得部が取得した前記位置情報と、高速道路の起点からの距離を示す距離標の距離表示と前記距離標の地図上の位置とが対応づけられた情報である距離標情報とに基づいて、複数の前記距離標のうち前記位置情報が示す作業車両の現在位置の近傍の前記距離標を選択する距離標選択部と、前記距離標情報において前記距離標選択部が選択した前記距離標に対応づけられている距離表示を取得する距離表示取得部と、前記位置情報取得部が前記位置情報を取得した時期と、前記距離表示取得部が取得した前記距離表示とが対応づけられた情報である時系列情報を生成する時系列情報生成部と、前記時系列情報生成部が生成した前記時系列情報が示す前記距離表示の時系列に従った増減を判定する増減判定部と、前記増減判定部の判定結果に基づいて、前記作業車両が通過した道路が上り車線であるか下り車線であるかを判定する車線判定部と、前記位置情報と、前記車線判定部の判定結果とに基づいて、前記作業車両が通過した道路が上り車線であるか下り車線であるかを示す画像情報を生成する画像情報生成部と、前記作業車両が事業所から出動したことを示す出動情報と、前記作業車両が前記事業所に帰着したことを示す帰着情報とを取得する出動情報取得部と、融雪剤の残量を示す情報である融雪剤情報を取得する融雪剤情報取得部と、を備え、前記出動情報、及び前記帰着情報は、前記作業車両の運転席の所定の箇所に備えられたボタンを操作することにより生成され、前記位置情報取得部は、前記出動情報取得部から前記出動情報を取得すると前記位置情報を取得し、前記出動情報取得部から前記帰着情報を取得すると前記位置情報を取得することを停止し、前記画像情報生成部は生成した前記画像情報を表示部に表示させ、前記画像情報生成部は、前記融雪剤情報取得部が取得した前記融雪剤情報に基づいて、前記融雪剤情報が示す融雪剤の残量を示す画像情報を生成する作業状況表示制御システムである。
(6)また、本発明の一態様は、作業車両に備えられた携帯端末装置と前記作業車両の作業状況を表示する作業状況表示制御装置とを備える作業状況表示制御システムであって、前記携帯端末装置は、前記作業車両の現在位置を示す位置情報を取得する作業車両位置情報取得部と、前記作業車両位置情報取得部が取得した前記位置情報を前記作業状況表示制御装置に送信する送信部とを備え、前記作業状況表示制御装置は、前記位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報取得部が取得した前記位置情報と、高速道路の起点からの距離を示す距離標の距離表示と前記距離標の地図上の位置とが対応づけられた情報である距離標情報とに基づいて、複数の前記距離標のうち前記位置情報が示す作業車両の現在位置の近傍の前記距離標を選択する距離標選択部と、前記距離標情報において前記距離標選択部が選択した前記距離標に対応づけられている距離表示を取得する距離表示取得部と、前記位置情報取得部が前記位置情報を取得した時期と、前記距離表示取得部が取得した前記距離表示とが対応づけられた情報である時系列情報を生成する時系列情報生成部と、前記時系列情報生成部が生成した前記時系列情報が示す前記距離表示の時系列に従った増減を判定する増減判定部と、前記増減判定部の判定結果に基づいて、前記作業車両が通過した道路が上り車線であるか下り車線であるかを判定する車線判定部と、前記位置情報と、前記車線判定部の判定結果とに基づいて、前記作業車両が通過した道路が上り車線であるか下り車線であるかを示す画像情報を生成する画像情報生成部と、前記作業車両が事業所から出動したことを示す出動情報と、前記作業車両が前記事業所に帰着したことを示す帰着情報とを取得する出動情報取得部と、を備え、前記出動情報、及び前記帰着情報は、前記作業車両の運転席の所定の箇所に備えられたボタンを操作することにより生成され、前記位置情報取得部は、前記出動情報取得部から前記出動情報を取得すると前記位置情報を取得し、前記出動情報取得部から前記帰着情報を取得すると前記位置情報を取得することを停止し、前記画像情報生成部は生成した前記画像情報を表示部に表示させ、前記時系列情報生成部は、前記位置情報取得部が新たに前記位置情報を取得した時期と、前記距離表示取得部が新たに取得した前記距離表示と、既に生成されている前記時系列情報に格納されている前記時期と前記距離表示とから前記作業車両の移動速度の概算値を算出し、算出した前記概算値が所定の値より大きいと判定する場合、前記距離表示取得部が新たに取得した前記距離表示を前記時系列情報に格納せずに破棄する作業状況表示制御システムである。
【0012】
(7)また、本発明の一態様は、コンピュータに、作業車両の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得ステップと、前記位置情報取得ステップにおいて取得された前記位置情報と、道路の起点からの距離を示す距離標の距離表示と前記距離標の地図上の位置とが対応づけられた情報である距離標情報とに基づいて、複数の前記距離標のうち前記位置情報が示す作業車両の位置の近傍の前記距離標を選択する距離標選択ステップと、前記距離標情報において前記距離標選択ステップにおいて選択された前記距離標に対応づけられている距離表示を取得する距離表示取得ステップと、前記位置情報取得ステップにおいて前記位置情報が取得された時期と、前記距離表示取得ステップにおいて取得された前記距離表示とが対応づけられた情報である時系列情報を生成する時系列情報生成ステップと、前記時系列情報生成ステップにおいて生成された前記時系列情報が示す前記距離表示の時系列に従った増減を判定する増減判定ステップと、前記増減判定ステップの判定結果に基づいて、前記作業車両が通過した道路が上り車線であるか下り車線であるかを判定する車線判定ステップと、前記位置情報と、前記車線判定ステップの判定結果とに基づいて、前記作業車両が通過した道路が上り車線であるか下り車線であるかを示す画像情報を生成する画像情報生成ステップと、前記作業車両が事業所から出動したことを示す出動情報と、前記作業車両が前記事業所に帰着したことを示す帰着情報とを取得する出動情報取得ステップと、融雪剤の残量を示す情報である融雪剤情報を取得する融雪剤情報取得ステップと、を実行させるためのプログラムであって、前記出動情報、及び前記帰着情報は、前記作業車両の運転席の所定の箇所に備えられたボタンを操作することにより生成され、前記位置情報取得ステップは、前記出動情報取得ステップから前記出動情報が取得されると前記位置情報を取得し、前記出動情報取得ステップから前記帰着情報が取得されると前記位置情報を取得することを停止し、前記画像情報生成ステップは生成した前記画像情報を表示部に表示させ、前記画像情報生成ステップは、前記融雪剤情報取得ステップが取得した前記融雪剤情報に基づいて、前記融雪剤情報が示す融雪剤の残量を示す画像情報を生成するプログラムである。
(8)また、本発明の一態様は、コンピュータに、作業車両の現在位置を示す位置情報を取得する位置情報取得ステップと、前記位置情報取得ステップにおいて取得された前記位置情報と、道路の起点からの距離を示す距離標の距離表示と前記距離標の地図上の位置とが対応づけられた情報である距離標情報とに基づいて、複数の前記距離標のうち前記位置情報が示す作業車両の位置の近傍の前記距離標を選択する距離標選択ステップと、前記距離標情報において前記距離標選択ステップにおいて選択された前記距離標に対応づけられている距離表示を取得する距離表示取得ステップと、前記位置情報取得ステップにおいて前記位置情報が取得された時期と、前記距離表示取得ステップにおいて取得された前記距離表示とが対応づけられた情報である時系列情報を生成する時系列情報生成ステップと、前記時系列情報生成ステップにおいて生成された前記時系列情報が示す前記距離表示の時系列に従った増減を判定する増減判定ステップと、前記増減判定ステップの判定結果に基づいて、前記作業車両が通過した道路が上り車線であるか下り車線であるかを判定する車線判定ステップと、前記位置情報と、前記車線判定ステップの判定結果とに基づいて、前記作業車両が通過した道路が上り車線であるか下り車線であるかを示す画像情報を生成する画像情報生成ステップと、前記作業車両が事業所から出動したことを示す出動情報と、前記作業車両が前記事業所に帰着したことを示す帰着情報とを取得する出動情報取得ステップと、を実行させるためのプログラムであって、前記出動情報、及び前記帰着情報は、前記作業車両の運転席の所定の箇所に備えられたボタンを操作することにより生成され、前記位置情報取得ステップは、前記出動情報取得ステップから前記出動情報が取得されると前記位置情報を取得し、前記出動情報取得ステップから前記帰着情報が取得されると前記位置情報を取得することを停止し、前記画像情報生成ステップは生成した前記画像情報を表示部に表示させ、前記時系列情報生成ステップは、前記位置情報取得ステップが新たに前記位置情報を取得した時期と、前記距離表示取得ステップが新たに取得した前記距離表示と、既に生成されている前記時系列情報に格納されている前記時期と前記距離表示とから前記作業車両の移動速度の概算値を算出し、算出した前記概算値が所定の値より大きいと判定する場合、前記距離表示取得ステップが新たに取得した前記距離表示を前記時系列情報に格納せずに破棄するプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、作業車両が上り車線と下り車線のいずれにおいて作業をしているのかを判別できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る作業状況表示制御システムの概略を示す図である。
【
図2】本実施形態に係る端末装置の表示画面の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係る作業状況表示制御システムの構成の一例を示す概略ブロック図である。
【
図4】本実施形態に係る距離標情報の一例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係る作業状況表示制御装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】本実施形態に係る時系列情報の一例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係る作業状況表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本実施形態に係る作業状況表示制御システムST1の概略を示す図である。
作業状況表示制御システムST1では、作業車両Vに搭乗している作業者に携帯される端末装置2と、管理センターA1とを備える。ただし、作業車両V1と、作業車両V2とを総称して作業車両Vと記載する。端末装置2-1と、端末装置2-2とを総称して端末装置2と記載する。
【0016】
作業車両V1は、上り車線R1において、例えば塩水散布や除雪などの作業をする。端末装置2-1は、作業車両V1の現在位置の情報を管理センターA1の作業状況表示制御装置1に送信する。作業車両V2は、下り車線R2において、例えば塩水散布や除雪などの作業をする。端末装置2-2は、作業車両V2の現在位置の情報を管理センターA1の作業状況表示制御装置1に送信する。
管理センターA1に備えられた作業状況表示制御装置1は、端末装置2-1から作業開始の通知を受け取る。作業状況表示制御装置1は、作業開始の通知を受け取ると、地図画面上に作業車両V1の位置の軌跡を表示し、道路毎に作業状況を表示する。作業状況表示制御装置1は、端末装置2-2から作業開始の通知を受け取る。作業状況表示制御装置1は、作業開始の通知を受け取ると、地図画面上に作業車両V2の位置の軌跡を表示し、道路毎に作業状況を表示する。
管理センターA1に備えられたディスプレイD1に表示される地図画面により、管理者は作業車両Vの作業状況を即時に把握することができる。
【0017】
作業車両Vの現在位置の情報を取得するのみでは、作業車両Vが上り車線において作業をしているのか、下り車線において作業をしているのか、管理者は判別ができない。そこで、作業状況表示制御装置1は、高速道路に設置されている距離標KP1~距離標KP6の表示を利用し、上り車線と下り車線とを判別して、作業車両Vの作業状況を表示する。
【0018】
図2は、本実施形態に係る端末装置2の表示画面D2の一例を示す図である。
端末装置2は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の携帯端末装置である。端末装置2の表示画面D2には、地図情報とともに、事業所からの出動を管理センターA1に通知するためのボタンB1が表示されている。作業車両Vの作業者は、事業所から出動する際に、ボタンB1を操作する。
表示画面D2には、ボタンB1の他に、事業所への帰着を管理センターA1に通知するときに操作されるボタン、作業を開始したことを管理センターA1に通知するときに操作されるボタン、及び作業を終了したことを管理センターA1に通知するときに操作されるボタンが表示される。
【0019】
図3は、本実施形態に係る作業状況表示制御システムST1の構成の一例を示す概略ブロック図である。
作業状況表示制御システムST1は、作業状況表示制御装置1と、端末装置2-i(i=1、2、・・・、n:nは作業車両Vの合計台数)と、距離標情報サーバSB1と、地図情報サーバSB2と、路面温度情報サーバSB3と、天候情報サーバSB4と、排雪場情報サーバSB5とを備える。ただし、以下の説明では、端末装置2-i(i=1、2、・・・、n:nは作業車両Vの合計台数)を総称して端末装置2と記載する。
【0020】
作業状況表示制御装置1は、第1取得部10と、判定部11と、第2取得部12と、画像情報生成部13と、配信部14と、通信部15とを備える。作業状況表示制御装置1は、管理センターA1に設置される。
【0021】
第1取得部10は、位置情報取得部100と、出動情報取得部101と、作業情報取得部102とを備える。
位置情報取得部100は、作業車両Vの現在位置を示す位置情報を取得する。
出動情報取得部101は、作業車両Vが事業所から出動したことを示す出動情報と、作業車両Vが事業所に帰着したことを示す帰着情報とを取得する。
作業情報取得部102は、作業車両Vが作業を開始したことを示す作業開始情報と作業車両Vが作業を終了したことを示す作業終了情報とを取得する。
【0022】
判定部11は、距離標選択部110と、距離表示取得部111と、時系列情報生成部112と、増減判定部113とを備える。
【0023】
距離標選択部110は、端末装置2の現在位置を示す位置情報と、距離標情報とに基づいて、複数の距離標KP1~距離標KP6のうち位置情報が示す作業車両Vの現在位置の近傍の距離標を選択する。ここで、距離標選択部110は、位置情報取得部100が取得した位置情報を、位置情報取得部100から取得する。また、距離標情報とは、道路の起点からの距離を示す距離標の距離表示と前記距離標の地図上の位置とが対応づけられた情報である。
【0024】
距離表示取得部111は、距離標情報において距離標選択部110が選択した距離標に対応づけられている距離表示を取得する。
時系列情報生成部112は、時系列情報を生成する。ここで、時系列情報とは、位置情報取得部100が位置情報を取得した時期と、距離表示取得部111が取得した距離表示とが対応づけられた情報である。
増減判定部113は、時系列情報生成部112が生成した時系列情報が示す距離表示の時系列に従った増減を判定する。
【0025】
第2取得部12は、融雪剤情報取得部120と、パトロールカー位置情報取得部121と、距離標情報取得部122と、地図情報取得部123と、路面温度情報取得部124と、天候情報取得部125と、排雪場情報取得部126と、パトロール情報取得部127とを備える。
【0026】
融雪剤情報取得部120は、端末装置2のうちプラント班車両に搭乗する作業者に携帯される端末装置から、融雪剤情報を取得する。ここで、融雪剤情報とは、プラント班により融雪剤の残量が確認された時刻におけるプラントの融雪剤の残量を示す情報である。融雪剤情報取得部120は、端末装置2のうちプラント班車両に搭乗する作業者に携帯される端末装置から、プラント班車両の現在位置を示す位置情報を取得する。
パトロールカー位置情報取得部121は、端末装置2のうちパトロールカーに搭乗する作業者に携帯される端末装置から、パトロールカーの現在位置を示す位置情報を取得する。
【0027】
距離標情報取得部122は、距離標情報サーバSB1から距離標情報を取得する。
地図情報取得部123は、地図情報サーバSB2から地図情報を取得する。地図情報とは、作業車両Vの現在位置や、作業車両Vの位置の軌跡を表示するための地図を示す情報である。
【0028】
路面温度情報取得部124は、路面温度情報サーバSB3から路面温度情報を取得する。ここで路面温度情報は、道路の路面の温度を示す情報である。
天候情報取得部125は、天候情報サーバSB4から天候情報を取得する。天候情報とは、作業車両Vが作業をする日における、地図情報が示す地図上のエリア毎の天候の予報を示す情報である。天候の予報とは、例えば3時間毎の予報である。なお、天候情報は、現在の天候の情報を示す情報であってもよく、気温を示す情報等を含んでもよい。
【0029】
排雪場情報取得部126は、排雪場情報サーバSB5から排雪場情報を取得する。排雪場情報とは、除雪車両が除雪した雪を排雪車両が捨てるための場所である排雪場の位置を示す情報である。
パトロール情報取得部127は、パトロール情報を、端末装置2のうちパトロールカーに搭乗する作業者に携帯される端末装置から取得する。パトロール情報とは、道路の状況について報告すべき場所を示す情報である。
【0030】
画像情報生成部13は、作業車両Vが通過した道路が上り車線であるか下り車線であるかを示す画像情報P1を生成する。画像情報生成部13は、画像情報P1において、作業車両Vが通過した道路が上り車線である場合の表示態様と、作業車両Vが通過した道路が下り車線である場合の表示態様とを互いに異なる態様にして表示する。
画像情報生成部13は、作業済みの道路の表示態様と作業済みでない道路の表示態様とを互いに異なる態様にして表示する。ここで、画像情報生成部13は、作業情報取得部102が取得した作業開始情報と、作業終了情報と、位置情報取得部100が取得した位置情報とに基づいて表示する。
画像情報生成部13は、位置情報と、増減判定部113の判定結果とに基づいて、画像情報P1を生成する。
【0031】
配信部14は、画像情報生成部13が生成した画像情報P1を、通信部15を介して、端末装置2に送信する。配信部14は、ディスプレイD1に画像情報P1を表示する。
通信部15は、無線ネットワークNWを介して、各種の情報の送信及び受信を行う。通信部15は、無線ネットワークNWを介して通信を行うためのハードウェアである。
【0032】
端末装置2-1は、制御部20と、GPSモジュール21と、端末通信部22とを備える。端末装置2-i(i=2、3、・・・、n:nは作業車両Vの合計台数)は、端末装置2-1の機能と同様である。端末装置2は、作業車両Vに搭乗する作業者により携帯される。
【0033】
GPSモジュール21は、アンテナ(不図示)を介して端末装置2-1の現在位置の情報を取得する。GPSモジュール21は、作業車両位置情報取得部200からの要求に応じて、作業車両Vの現在位置の情報を作業車両位置情報取得部200に出力する。
【0034】
制御部20は、作業車両位置情報取得部200と、出動情報生成部201と、作業情報生成部202と、融雪剤情報生成部203と、パトロール情報生成部204とを備える。
作業車両位置情報取得部200は、端末装置2の現在位置の情報を、作業車両Vの現在位置を示す位置情報としてGPSモジュール21から取得する。
出動情報生成部201は、作業車両Vの作業者による端末装置2-1の操作に基づいて、出動帰着情報を生成する。出動帰着情報とは、作業車両Vの事業所からの出勤、または帰着を示す情報である。
作業情報生成部202は、作業車両Vの作業者による端末装置2-1の操作に基づいて、作業情報を生成する。作業情報とは、作業車両Vの作業の開始、または終了を示す情報である。
【0035】
融雪剤情報生成部203は、プラント班車両の作業者による端末装置2-1の操作を介して入力されるプラントの融雪剤の残量に基づいて、融雪剤情報を生成する。
パトロール情報生成部204は、パトロールカーの作業者による端末装置2-1の操作を介して入力される道路の状況について報告すべき場所に基づいて、パトロール情報を生成する。
【0036】
端末通信部22は、無線ネットワークNWを介して、作業状況表示制御装置1との間において各種の情報の送信及び受信を行う。各種の情報とは、例えば、作業車両Vの現在位置を示す位置情報、出動帰着情報、作業情報、融雪剤情報、パトロール情報、及び作業状況表示制御装置1により生成される画像情報P1である。端末通信部22は、作業車両位置情報取得部200が取得した、作業車両Vの現在位置を示す位置情報を作業状況表示制御装置1に送信する。端末通信部22は、融雪剤情報生成部203が生成した融雪剤情報を、作業状況表示制御装置1に送信する。端末通信部22は、パトロール情報生成部204が生成したパトロール情報を、作業状況表示制御装置1に送信する。
【0037】
距離標情報サーバSB1は、無線ネットワークNWを介して、距離標情報を作業状況表示制御装置1に送信する。ここで、
図4を参照して距離標情報の具体例について説明する。
【0038】
図4は、本実施形態に係る距離標情報の一例を示す図である。図示するように距離標情報は、距離標番号、距離表示、及び座標の各項目の列を有している。距離標情報は、距離標番号毎に距離表示、及び座標が格納される行と列からなる2次元の表形式のデータである。
距離標番号は、各距離標を識別するための番号である。距離表示は、距離標に表示される高速道路の起点からの距離を示す表示である。各距離標は、例えば100メートル間隔毎に高速道路に設置されている。座標は、距離標の位置を示す座標である。座標は、例えば経度と緯度を用いて表される。
【0039】
図3に戻って、作業状況表示制御システムST1の構成の説明を続ける。
地図情報サーバSB2は、無線ネットワークNWを介して、地図情報を作業状況表示制御装置1に送信する。
路面温度情報サーバSB3は、無線ネットワークNWを介して、路面温度情報を作業状況表示制御装置1に送信する。
天候情報サーバSB4は、無線ネットワークNWを介して、天候情報を作業状況表示制御装置1に送信する。
排雪場情報サーバSB5は、無線ネットワークNWを介して、排雪場情報を作業状況表示制御装置1に送信する。
なお、作業状況表示制御装置1は、距離標情報、路面温度情報、及び排雪場情報の一部を、外部サーバ(距離標情報サーバSB1、路面温度情報サーバSB3、及び排雪場情報サーバSB5)から受信する代わりに、自装置に備えられたデータベース(不図示)に記憶させてもよい。その場合、距離標情報取得部122、路面温度情報取得部124、及び排雪場情報取得部126は、作業状況表示制御装置1に備えられたデータベースから、各々距離標情報、路面温度情報、及び排雪場情報を取得する。
【0040】
図5は、本実施形態に係る作業状況表示制御装置1の処理の一例を示すフローチャートである。本フローチャートで示す処理は、作業状況表示制御装置1が稼働を開始した場合に実行される。
【0041】
(ステップS100)位置情報取得部100は、通信部15を介して、端末装置2から作業車両Vの位置情報を取得する。位置情報取得部100は、取得した位置情報を距離標選択部110に出力する。
位置情報取得部100は、位置情報を取得した時刻を示す情報を、不図示のタイマーから取得する。位置情報取得部100は、距離標情報取得部122からの要求に応じて、取得した時刻を示す情報を、時系列情報生成部112に出力する。
【0042】
(ステップS101)出動情報取得部101は、端末装置2から出動情報、または帰着情報を取得し、位置情報取得部100に出力する。作業状況表示制御装置1は、作業車両Vが事業所から出動し帰着するまでの間、作業車両Vの軌跡を地図上に表示するため、作業車両Vが事業所から出動し帰着するまでの間のみ、作業車両Vの現在位置情報を取得する。位置情報取得部100は、出動情報取得部101から出動情報を取得すると、端末装置2から、作業車両Vの現在位置情報を、所定の周期毎に取得する。ここで、所定の周期とは、例えば5秒である。
位置情報取得部100は、出動情報取得部101から帰着情報を取得すると、端末装置2から、作業車両Vの現在位置情報を取得することを停止する。
【0043】
距離標選択部110は、位置情報取得部100から位置情報を取得する。距離標選択部110は、距離標情報取得部122から距離標情報を取得する。距離標選択部110は、取得した距離標情報に基づいて、取得した位置情報が示す作業車両Vの現在位置の近傍の距離標を選択する。
ここで、距離標選択部110は、例えば、取得した位置情報が示す作業車両Vの現在位置と、距離標情報が示す座標に対応する位置との距離を、距離標情報が示す距離標番号毎に算出する。距離標選択部110は、算出した距離の中から最小の距離を判定する。距離標選択部110は、判定した最小の距離を算出するのに用いた座標に対応する距離標番号を選択する。
ただし、距離標選択部110は、判定した最小の距離が、所定の値よりも大きい場合、距離標を選択しない。ここで所定の値とは、例えば10メートルである。この場合、距離標選択部110は処理を中止し、位置情報取得部100はステップ100の処理を繰り返す。
距離標選択部110は、選択した距離標番号を距離表示取得部111に出力する。
【0044】
(ステップS102)距離表示取得部111は、距離標選択部110から距離標番号を取得する。距離表示取得部111は、距離標情報取得部122から距離標情報を取得する。距離表示取得部111は、取得した距離標情報が示す距離表示の中から、取得した距離標番号に対応する距離表示を取得し、時系列情報生成部112に出力する。
【0045】
(ステップS103)時系列情報生成部112は、距離表示取得部111から距離表示を取得する。時系列情報生成部112は、位置情報取得部100から、位置情報取得部100が作業車両Vの位置情報を取得した時刻を取得する。時系列情報生成部112は、取得した時刻と、取得した距離表示とを対応づけ、時系列情報を生成する。時系列情報生成部112は、生成した時系列情報を増減判定部113に出力する。
ここで、
図6を参照して時系列情報について説明する。
【0046】
図6は、本実施形態に係る時系列情報の一例を示す図である。図示するように時系列状情報は、時刻及び距離表示の各行を有している。時系列情報は、作業状況表示制御装置1が作業車両Vの位置情報を取得した時刻毎に、距離標の距離表示が格納される行と列からなる2次元の表形式のデータである。
時系列情報生成部112は、ステップS103の処理を実行する度毎に、時系列情報に新たな列を追加する。ただし、時系列情報生成部112は、時系列情報の最新の時刻に対応する列の距離表示に、取得した距離表示と同じ値が格納されている場合、時系列情報に新たな列を追加しない。
なお、作業車両Vの作業時の速度は、例えば毎時20キロメートル以下である。
図5に戻って、作業状況表示制御装置1の処理の一例について説明を続ける。
【0047】
(ステップS104)増減判定部113は、時系列情報生成部112から時系列情報を取得する。増減判定部113は、取得した時系列情報の列の中から、時刻の新しいものから順に所定の数だけ、時刻と距離表示との組を抽出する。ここで所定の数とは、例えば2個である。増減判定部113は、抽出した時刻と距離表示との組に基づいて、距離表示の時系列に従った増減を判定する。
増減判定部113は、判定した結果を画像情報生成部13に出力する。
【0048】
(ステップS105)画像情報生成部13は、増減判定部113から、距離表示の時系列に従った増減の判定結果を取得する。画像情報生成部13は、取得した判定結果に基づいて、作業車両Vが上り車線を移動しているか、下り車線を移動しているかを判定する。
画像情報生成部13は、取得した判定結果が、距離表示が時系列に従って減少していることを示している場合、作業車両Vが上り車線を移動していると判定する。一方、画像情報生成部13は、取得した判定結果が、距離表示が時系列に従って増加していることを示している場合、作業車両Vが下り車線を移動していると判定する。
【0049】
(ステップS106)画像情報生成部13は、作業車両Vが上り車線を移動しているか、下り車線を移動しているかについての判定結果を、自装置または外部サーバに備えられたデータベース(不図示)に登録する。
【0050】
(ステップS107)画像情報生成部13は、地図情報取得部123から地図情報を取得する。画像情報生成部13は、位置情報取得部100から作業車両Vの現在位置を示す情報を取得する。画像情報生成部13は、作業情報取得部102から、作業開始情報と、作業終了情報とのいずれかを取得する。
画像情報生成部13は、作業開始情報を取得した場合、作業車両Vの軌跡を、取得した地図情報が示す地図上に、例えば実線を用いて描く。画像情報生成部13は、作業終了情報を取得した場合、作業車両Vの軌跡を、取得した地図情報が示す地図上に、例えば点線を用いて描く。
画像情報生成部13は、作業車両Vの軌跡を、取得した地図情報が示す地図上に描く。ここで、画像情報生成部13は、自装置または外部サーバに備えられたデータベースに登録された判定結果に基づいて、判定結果が作業車両Vが上り車線を移動していると判定した場合と、作業車両Vが下り車線を移動していることを示す場合とにおいて、異なる色を用いて作業車両Vの軌跡を描く。
【0051】
画像情報生成部13は、融雪剤情報取得部120から融雪剤情報を取得する。画像情報生成部13は、パトロールカー位置情報取得部121からパトロールカーの現在位置を示す情報を取得する。画像情報生成部13は、路面温度情報取得部124から路面温度情報を取得する。画像情報生成部13は、天候情報取得部125から天候情報を取得する。画像情報生成部13は、排雪場情報取得部126から排雪場情報を取得する。画像情報生成部13は、パトロール情報取得部127からパトロール情報を取得する。
画像情報生成部13は、作業車両Vの現在位置と、融雪剤情報が示す融雪剤の残量と、パトロールカーの現在位置と、路面温度情報が示す路面温度と、天候情報と、排雪場情報が示す排雪場の位置と、パトロール情報が示す道路上の位置とを、取得した地図情報が示す地図上に描く。
画像情報生成部13は、上述の各種の情報を描いた地図により、画像情報P1を生成する。
ここで、
図7を参照して画像情報P1について説明する。
【0052】
図7は、本実施形態に係る作業状況表示画面TP1の一例を示す図である。
作業状況表示画面TP1には、画像情報P1と、ボタンM1~ボタンM9とが表示される。ボタンM1~ボタンM9は、画像情報P1を表示する態様を変更するためのボタンである。
【0053】
作業車両Vの現在位置は、作業車両Vを示すアイコンを用いて表示される。作業車両Vを示すアイコンには、作業車両Vが所属する事業所の名称の略称が、事業所毎の車両番号とともに表示される。作業車両Vには、空ダンプV3と、散布車両V4と、除雪車両V5-1及び除雪車両V5-2と、排雪車両(不図示)と、プラント班車両(不図示)と、パトロールカーG1-1~パトロールカーG1-3とがある。
【0054】
回送上り車線RUK3は、回送中の散布車両V4の軌跡である。上り車線RU3は、作業中の散布車両V4の軌跡である。回送下り車線RDK4-1は、回送中の除雪車両V5-1の軌跡である。下り車線RD4-1は、作業中の除雪車両V5-1の軌跡である。上り車線RU4-2と、下り車線RD4-2とは、除雪車両V5-2の軌跡である。
各車線は、作業車両の種類に応じて、互いに異なる色を用いて表示される。さらに、上り車線と下り車線とは、互いに異なる色を用いて表示される。
回送上り車線RUK3と、回送下り車線RDK4-1とは点線を用いて表示される。上り車線RU3と、下り車線RD4-1とは実線を用いて表示される。このように、回送中の車両の軌跡と、作業中の車両の軌跡とは、異なる線種を用いて表示される。
【0055】
下り車線RD2は、空ダンプV3の軌跡である。空ダンプV3の軌跡は、上り車線と下り車線とは区別されず、1つの色を用いて表示される。空ダンプV3の軌跡は、空ダンプが回送中の場合表示されない。
プラント班車両と、パトロールカーG1-1~パトロールカーG1-3との軌跡は表示されない。
【0056】
プラントC1と、プラントC2とは、融雪剤情報に基づいて、融雪剤の残量が確認された時刻における融雪剤の残量を示すアイコンを用いて表示される。融雪剤の残量は、例えば5段階に区分されて、残量が確認された時刻とともに表示される。
天候情報W1は、天候を示すアイコンを用いて表示される。
【0057】
ボタンM1~ボタンM6は、作業車両Vの種類毎に、特定の車線における車両の現在位置と、車両の軌跡とを表示するか否かを切り替えるためのボタンである。ボタンM1~ボタンM6が選択されると、例えばアコーディオン表示により、表示の切り替えの対象とする車線の一覧が表示される。
【0058】
ボタンM7は、各種の情報を表示するか否かを切り替えるためのボタンである。ボタンM7が選択されと、例えばアコーディオン表示により、表示の切り替えの対象となる情報の一覧が表示される。ここで、表示の切り替えの対象となる情報とは、例えば、距離標の位置や、回送中の作業車両の現在位置や、天候情報W1などである。
【0059】
ボタンM8と、ボタンM9とは、作業車両Vの軌跡について、いずれの時間帯における軌跡を表示するかを選択するためのボタンである。ボタンM8と、ボタンM9とが選択されると、例えば、現在時刻を基準として何時間前から何時間前までの車両の軌跡を表示するかを選択することができる。
【0060】
以上に説明したように、本実施形態に係る作業状況表示制御装置1は、位置情報取得部100と、距離標選択部110と、距離表示取得部111と、時系列情報生成部112と、増減判定部113とを備える。
【0061】
位置情報取得部100は、作業車両Vの現在位置を示す位置情報を取得する。
距離標選択部110は、位置情報取得部100が取得した位置情報と、道路の起点からの距離を示す距離標KP1の距離表示と距離標KP1の地図上の位置とが対応づけられた情報である距離標情報とに基づいて、複数の距離標(距離標KP1~距離標KP6)のうち位置情報が示す作業車両Vの現在位置の近傍の距離標を選択する。
距離表示取得部111は、距離標情報において距離標選択部110が選択した距離標に対応づけられている距離表示を取得する。
時系列情報生成部112は、位置情報取得部100が位置情報を取得した時期と、距離表示取得部111が取得した距離表示とが対応づけられた情報である時系列情報を生成する。
増減判定部113は、時系列情報生成部112が生成した時系列情報が示す距離表示の時系列に従った増減を判定する。
【0062】
この構成により、本実施形態に係る作業状況表示制御装置1は、距離表示の時系列に従った増減の判定結果に基づいて、作業車両が通過した車線における距離表示の時系列に従った増減を判定できる。
一般的には、GPS等による現在位置の情報を用いれば、作業車両の位置やその走行軌跡を知ることができる。しかしながら、GPS等による現在位置の情報では、所定の位置分解能を超えて精密な位置の特定をすることまではできない。ここで、例えば高速道路や両面通行の一般道路等のように、車両の走行方向が互いに逆向きの車線が隣接している場合には、GPSの位置分解能が車線を識別することができる程度にまでは高くないことがある。この場合、GPS等による現在位置の情報によると、作業車両がいずれの走行方向の車線を走行しているのかを判別できないという課題があった。
本実施形態に係る作業状況表示制御装置1は、作業車両が通過した車線における距離表示の時系列に従った増減を判定できるため、作業車両がいずれの走行方向の車線において作業をしているのかを判別できる。例えば、キロポスト等の距離表示がなされている道路において、作業車両の走行に伴い距離表示が増加する車線を下り車線、作業車両の走行に伴い距離表示が減少する車線を上り車線とした場合、本実施形態に係る作業状況表示制御装置1の判定結果によれば、作業車両が上り車線と下り車線のいずれにおいて作業をしているのかを判別できる。
【0063】
また、本実施形態に係る作業状況表示制御装置1は、車線判定部(画像情報生成部13)と、画像情報生成部13とをさらに備える。
車線判定部(画像情報生成部13)は、増減判定部113の判定結果に基づいて、作業車両Vが通過した道路が上り車線であるか下り車線であるかを判定する。
画像情報生成部13は、位置情報と、車線判定部(画像情報生成部13)の判定結果とに基づいて、作業車両Vが通過した道路が上り車線であるか下り車線であるかを示す画像情報P1を生成する。
この構成により、本実施形態に係る作業状況表示制御装置1は、作業車両Vが通過した道路が上り車線であるか下り車線であるかを示す画像情報を生成することができるため、作業車両が上り車線と下り車線のいずれにおいて作業をしているのか地図上において区別することができる。
【0064】
画像情報生成部13は、作業車両Vが通過した道路が上り車線である場合の表示態様と、作業車両Vが通過した道路が下り車線である場合の表示態様とを互いに異なる態様にして画像情報P1を生成する。
この構成により、本実施形態に係る作業状況表示制御装置1は、作業車両Vが通過した道路を上り車線と下り車線とを互いに異なる態様にして画像情報を生成できるため、作業車両が上り車線と下り車線のいずれにおいて作業をしているのかを地図上において容易に区別することができる。
【0065】
また、本実施形態に係る作業状況表示制御装置1は、作業情報取得部102を備える。
作業情報取得部102は、作業車両Vが作業を開始したことを示す作業開始情報と作業車両Vが作業を終了したことを示す作業終了情報とを取得する。
画像情報生成部13は、作業情報取得部102が取得した作業開始情報と、作業終了情報と、位置情報取得部100が取得した位置情報とに基づいて、作業済みの道路の表示態様と作業済みでない道路の表示態様とを互いに異なる態様にして画像情報を生成する。
【0066】
この構成により、本実施形態に係る作業状況表示制御装置1は、作業車両が作業中に通過した軌跡と、回送中に通過した軌跡とを異なる態様にして画像情報を生成できるため、作業を終了した位置とを、道路に作業漏れの箇所がないかを把握することができる。
【0067】
また、本実施形態に係る作業状況表示制御システムST1は、作業車両Vに備えられた携帯端末装置(端末装置2)と作業車両Vの作業状況を表示する作業状況表示制御装置1とを備える。
携帯端末装置(端末装置2)は、作業車両位置情報取得部200と、送信部(端末通信部22)とを備える。
作業車両位置情報取得部200は、作業車両Vの現在位置を示す位置情報を作業状況表示制御装置1に送信する。
送信部(端末通信部22)は、作業車両位置情報取得部200が取得した位置情報を作業状況表示制御装置1に送信する。
【0068】
この構成により、本実施形態に係る作業状況表示制御システムは、携帯端末装置は、作業車両の現在位置を示す位置情報を作業状況表示制御装置に送信することができるため、作業状況表示制御装置は、作業車両の現在位置を簡便に取得できる。
【0069】
なお、上記の実施形態においては、距離標選択部110は、ステップS101において、作業車両Vの現在位置に最も近い距離標を選択する場合について説明したが、距離標選択部110が距離標を選択する方法はこれに限らない。距離標選択部110は、例えば、作業車両Vの現在位置から所定の距離内にある距離標の中から任意の距離標を選択してもよい。ここで、所定の距離とは、例えば200メートルである。
【0070】
なお、上記の実施形態においては、時系列情報生成部112は、時系列情報を生成する際に、距離表示取得部111から取得した距離表示をそのまま用いる場合について説明をしたが、時系列情報生成部112は、取得した距離表示を選別してもよい。
その場合、時系列情報生成部112は、位置情報取得部100から、位置情報取得部100が作業車両Vの位置情報を取得した時刻と、取得した距離表示と、時系列情報に格納されている時刻と距離表示とから、作業車両Vの移動速度の概算値を算出してもよい。時系列情報生成部112は、算出した移動速度の概算値が、所定の値より大きいと判定する場合、取得した距離表示を時系列情報に格納せずに破棄してもよい。ここで所定の値とは、例えば、毎時50キロメートルである。
【0071】
なお、上記の実施形態においては、高速道路が交差しない場合について説明をしたが、作業状況表示制御装置1は、高速道路が交差する場合の画像情報を生成してもよい。その場合、距離標情報の座標は、距離標の設置位置の高さを示す座標を含んでもよい。
【0072】
なお、上記の実施形態においては、出動帰着情報、及び作業情報は、作業車両Vの作業者による端末装置2の操作に基づいて生成される場合について説明をしたが、出動帰着情報、及び作業情報は、作業車両Vの運転席の所定の箇所に備えられたボタンを操作することにより生成されてもよい。運転席の所定の箇所とは、例えばハンドルである。生成された出動帰着情報、及び作業情報は、例えばBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信を用いて端末装置2に送信される。
【0073】
なお、上記の実施形態においては、空ダンプと、排雪車両とを区別する場合について説明をしたが、空ダンプと排雪車両とを区別しなくてもよい。端末装置の表示画面には、作業を開始したことを、空ダンプとして走行する作業と、排雪作業とを区別して管理センターに通知するボタンが表示される。作業情報には、作業車両Vの作業の開始、または終了を示す情報に加えて、作業内容を示す情報が含まれる。作業状況表示制御装置は、作業情報に含まれる作業内容を示す情報に基づいて、同一の作業車両の軌跡を、作業内容に応じて異なる様態にして表示することができる。
【0074】
なお、上述した実施形態における作業状況表示制御装置1の一部、例えば、判定部11、及び画像情報生成部13部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、作業状況表示制御装置1に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
また、上述した実施形態における作業状況表示制御装置1の一部、または全部を、LSI(Large Scale Integration)等の集積回路として実現してもよい。作業状況表示制御装置1の各機能ブロックは個別にプロセッサ化してもよいし、一部、または全部を集積してプロセッサ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現してもよい。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いてもよい。
【0075】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0076】
ST1…作業状況表示制御システム、A1…管理センター、V1、V2…作業車両、R1…上り車線、R2…下り車線、1…作業状況表示制御装置、2、2-1、2-2…端末装置、KP1、KP2、KP3、KP4、KP5、KP6…距離標、D1…ディスプレイ、SB1…距離標情報サーバ、SB2…地図情報サーバ、SB3…路面温度情報サーバ、SB4…天候情報サーバ、SB5…排雪場情報サーバ、10…第1取得部、100…位置情報取得部、101…出動情報取得部、102…作業情報取得部、11…判定部、110…距離標選択部、111…距離表示取得部、112…時系列情報生成部、113…増減判定部、12…第2取得部、13…画像情報生成部、14…配信部、15…通信部、20…制御部、200…作業車両位置情報取得部、201…出動情報生成部、202…作業情報生成部、21…GPSモジュール、22…端末通信部、P1…画像情報、G1-1、G1-2、G1-3…パトロールカー、V3…空ダンプ、V4…散布車両、V5-1、V5-2…除雪車両、R2…下り車線、RUK3…回送上り車線、RU3…上り車線、RDK4-1…回送下り車線、RD4-1…下り車線、C1、C2…プラント、B1、M1、M2、M3、M4、M5、M6、M7、M8、M9…ボタン、D2…表示画面