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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-12
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】建築カバー用操作システム
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/42 20060101AFI20220118BHJP
【FI】
E06B9/42 Z
【請求項の数】 7
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017205455
(22)【出願日】2017-10-24
(65)【公開番号】P2018080567
(43)【公開日】2018-05-24
【審査請求日】2020-10-09
(31)【優先権主張番号】62/413,301
(32)【優先日】2016-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/452,404
(32)【優先日】2017-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/530,516
(32)【優先日】2017-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512330721
【氏名又は名称】ハンター ダグラス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド,ホルト
(72)【発明者】
【氏名】ステファン,ティー.ワイズカップ
(72)【発明者】
【氏名】テリー,アキンズ
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-167298(JP,U)
【文献】国際公開第2014/034971(WO,A1)
【文献】米国特許第7128126(US,B2)
【文献】中国実用新案第205532187(CN,U)
【文献】台湾実用新案出願公開第418169(TW,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00-9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築カバー用操作システムであって、前記操作システムは、
入力を備える第1の駆動部であって、前記第1の駆動部は第1の遊星ギヤセットである、第1の駆動部と、
出力を備える第2の駆動部であって、前記第2の駆動部は第2の遊星ギヤセットである、第2の駆動部と、
前記入力の作動時、前記出力回転方向を制御するために、前記第1の駆動部および前記第2の駆動部の間で回転を伝達する要素を選択的にロックするように構成された方向制御機構であって、前記要素は、前記第1の遊星ギヤセットおよび前記第2の遊星ギヤセットによって共有されるリングギヤ、または前記第1の遊星ギヤセットにおけるキャリアおよび前記第2の遊星ギヤセットにおける太陽ギヤの組み合わせである、方向制御機構
を備える操作システム。
【請求項2】
前記方向制御機構によって選択的にロックされる要素は、前記第1の駆動部および前記第2の駆動部の共有要素である、請求項1に記載の操作システム。
【請求項3】
前記第1の駆動部は出力を備え、
前記第2の駆動部は入力を備え、
前記第1の駆動部の出は、前記第2の駆動部の入である、
請求項1または2に記載の操作システム。
【請求項4】
前記第1の駆動部および前記第2の駆動部の各々は、前記入力の回転時、前記出力の回転を制御するための遊星ギヤセットを備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の操作システム。
【請求項5】
前記第1の駆動部の入は、1方向に回転するように構成され、
前記第2の駆動部の出は、前記第1の駆動部および前記第2の駆動部の間で回転を伝達する要素の選択的係合に依存して、2方向の1つに回転するように構成される、
請求項1~4のいずれか一項に記載の操作システム。
【請求項6】
前記第1の駆動部および前記第2の駆動部の間で回転を伝達する要素との係合は、前記第2の駆動部の出を第1の方向に回転させ、
前記第2の駆動部の出の前記第1の方向への回転は、建築特徴をまたぐように前記建築カバーを拡張し、かつ前記建築カバーが拡張されると前記建築カバーを開放する、
請求項5に記載の操作システム。
【請求項7】
前記第1の駆動部および前記第2の駆動部の間で回転を伝達する要素との切離、および前記方向制御機構と前記第1の駆動部および前記第2の駆動部の少なくとも1つの他の要素との係合は、前記第1の駆動部の入の回転時、前記第2の駆動部の出を第2の方向に回転させる、請求項5または6に記載の操作システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、出願全体が参照によって本明細書に組み込まれる、2016年10月26日に出願された“Operating System for an Architectural Covering”と題された係属中の米国特許仮出願第62/413,301号、2017年1月31日に出願された“Operating System for an Architectural Covering”と題された係属中の米国特許仮出願第62/452,404号、および2017年7月10日に出願された“Operating System for an Architectural Covering”と題された係属中の米国特許仮出願第62/530,516号に対する優先権を主張するものである。
【0002】
本開示は、一般に建築カバーに関し、特に、建築カバー用操作システムに関する。
【背景技術】
【0003】
たとえば窓、戸口、アーチ道などの開口部および壁を含む建物用のカバーなどの建築カバーは、長年にわたり多数の形状を成してきた。いくつかのカバーは、たとえば拡張位置および退避位置などの様々な位置または構成間で移動可能な引込み式シェード材を含む。追加または代替として、シェード材は、シェード材を通して視界がもたらされるようにシェード材の一部が操作される開放構成と、シェード材によって視界が遮られるようにシェード材の一部が操作される閉鎖構成との間で動かされ得る。シェード材を位置または構成間で動かすために、いくつかのカバーは操作システムを含む。いくつかの操作システムは、引込み式コード機構を用いて窓用シェードまたはシェーディングの操作システムを操作することにより、長くぶら下がるコードを排除し、比較的一定のコード長さをもたらす。いくつかのカバーの引込み式コード機構は、たとえばシェード材を退避させ、シェード材を交互に退避および拡張し、またはシェード材を閉鎖かつ退避させるなど、シェード材を1または複数の方向または構成に動かすためにユーザによって操作され得る(たとえば相互的に牽引および自動的に退避され、これは、限定する意図を伴わず便宜上「ポンプされる」と称されてもよい)。いくつかの操作システムは、シェード材またはシェーディング(これらの用語は限定する意図を伴わず本明細書において相互置換性を持って使用され得る)が自身の重みで重力落下し、建築物/特徴をまたいでシェード材が拡張することを可能にする。いくつかのカバーは、シェード材が完全拡張構成に到達するとシェード材が(たとえば自動的に)開くように付勢する別機構を含む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は一般に、既存の構成に改善または代替をもたらす建築カバー用操作システムを提供する。操作システムは、たとえば建築物または開口部内での、またはそれらをまたぐシェード材の動きを容易にするなど、建築カバーの操作を容易にするためにシェード材に連結され得る。操作システムは、たとえばシェード材を建築物/特徴に関して拡張、開放、および退避/閉鎖するための3つの方法など、2つ以上の方法でユーザによって操作され得る。1つの例において、操作システムは、シェード材が建築物/特徴をまたいで重力落下することを選択的に可能にしてよい。拡張されると、操作システムは、ユーザによって操作される引込み式コード機構を介してシェード材を開放するために操作(たとえば往復操作および自動リセット)され得る。引込み式コード機構はまた、シェード材を閉鎖および/または退避させるためにユーザによって操作されてもよい。1つの実施形態において、操作システムは、駆動部材の回転方向を変更するために移動可能な制御機構を含む。制御機構は、操作システムの動作を変更するために、たとえば伝動装置の様々な部品など操作システムの様々な部品に交互に係合してよい。1つの実施形態において、制御機構は、伝動装置の動きを制御し、その結果として駆動部材の回転を制御するために伝動装置の複数の駆動部間で共有される要素を選択的にロックするように構成される。
【0005】
本開示のこの概要は、理解する上で助けとなるように提供されるものであり、当業者は、本開示の様々な態様および特徴の各々がいくつかの例において個別に有利に用いられ得ること、または他の例において本開示の他の態様および特徴と有利に併用され得ることを理解する。したがって、本開示は実施形態の観点から提示されるが、任意の実施形態の個々の態様は、個別に、あるいはその実施形態または他の任意の実施形態の態様および特徴と組み合わせて特許請求対象となり得ることを理解すべきである。特定の実施形態の本開示は、本質として単なる例示にすぎず、特許請求対象である発明またはその応用または使用を限定することは一切意図されない。本開示の主旨および範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用されてもよいことおよび構造的および/または論理的変更がなされ得ることを理解すべきである。
【0006】
本開示は、本出願において様々なレベルの細部において説明され、本概要に要素、部品などを含むか含まないかによって特許請求対象である主題事項の範囲に関するいかなる限定も意図されることはない。特定の例において、本開示の理解に不必要な細部、または認知することが難しい他の細部を表すものは、省略されていることがある。また、明確化を目的として、特定の特徴の詳細な説明は、それらが当業者には明らかである場合、本開示の説明を不明瞭にしないために論じられない。特許請求対象である主題事項は、必ずしも本明細書に示される特定の実施形態または構成に限定されるものではなく、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ定義される。
【0007】
本明細書に組み込まれその一部を成す添付図面は、単に実例として本開示の実施形態を示し、上記概説および以下の詳細な説明と共に、本開示の原理を説明する上で役立つものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の実施形態に係る操作システムの左前等角図である。
図2】本開示の実施形態に係る、図1の操作システムの左前分解立体図である。
図3】本開示の実施形態に係る出力キャリアの拡大図である。
図4】本開示の実施形態に係る入力ギヤの拡大図である。
図5】本開示の実施形態に係るオーバランニングギヤの拡大図である。
図6】本開示の実施形態に係る、図1の操作システムの右後分解立体図である。
図7】本開示の実施形態に係る、図1の直線VII~VIIに沿って描かれた図1の操作システムの断面図である。
図8】本開示の実施形態に係る、図2の直線VIII~VIIIに沿って描かれた図1の操作システムのギヤセットの一部の断面図である。
図9】本開示の実施形態に係る、図7の直線IX~IXに沿って描かれた図1の操作システムの断面図であり、第1のギヤシステムの動作を示す。
図10】本開示の実施形態に係る、図7の直線X~Xに沿って描かれた図1の操作システムの断面図であり、第2のギヤシステムの動作を示す。
図11】本開示の実施形態に係る、図7の直線XI~XIに沿って描かれた図1の操作システムの断面図であり、ギヤセットと駆動部材との係合を示す。
図12】本開示の実施形態に係る、図7の直線XII~XIIに沿って描かれた図1の操作システムの断面図であり、第1の動作位置におけるシフタを示す。
図13】本開示の実施形態に係る、図7の直線XIII~XIIIに沿って描かれた図1の操作システムの断面図であり、第2の動作位置におけるシフタを示す。
図14】本開示の実施形態に係る、図7の直線XIV~XIVに沿って描かれた図1の操作システムの断面図であり、第2の動作位置におけるシフタを示す。
図15】本開示の実施形態に係る、図14の断片図であり、図1の操作システムのオーバランニングギヤチャネルを示す。
図16】本開示の実施形態に係る、図9の直線XVI~XVIに沿って描かれた、図1の操作システムのオーバランニングギヤチャネルの追加の断面図である。
図17】本開示の実施形態に係る、シェード要素に付属した図1の操作システムの斜視図である。
図18】本開示の実施形態に係る、直線XVIII~XVIIIに沿って描かれた図17の断面図であり、退避構成におけるシェード要素を示す。
図19】本開示の実施形態に係る、直線XIX~XIXに沿って描かれた図17の断面図であり、拡張閉鎖構成におけるシェード要素を示す。
図20】本開示の実施形態に係る、直線XX~XXに沿って描かれた図17の断面図であり、拡張開放構成におけるシェード要素を示す。
図21】本開示の実施形態に係る、追加の操作システムの部分分解立体図である。
図22】本開示の実施形態に係る、図21の操作システムの断面図である。
図23】本開示の実施形態に係る、追加の操作システムの概略図である。
図24】本開示の実施形態に係る、追加の操作システムの概略図である。
図25】本開示の実施形態に係る、追加の操作システムの部分分解立体正面図である。
図26】本開示の実施形態に係る、図25の操作システムの部分分解立体背面図である。
図27】本開示の実施形態に係る、第1の構成におけるシフトロック特徴または機構を示す、図25の操作システムの背面図である。説明目的のためにエンドキャップが透明に示される。
図28】本開示の実施形態に係る、第2の構成におけるシフトロックを示す、図25の操作システムの背面図である。説明目的のためにエンドキャップが透明に示される。
図29】本開示の実施形態に係る、第3の構成におけるシフトロックを示す、図25の操作システムの背面図である。説明目的のためにエンドキャップが透明に示される。
図30】本開示の実施形態に係る、図25の直線XXX~XXXに沿って描かれた拡大断片断面図である。
図31】本開示の実施形態に係る、図27の直線XXXI~XXXIに沿って描かれた拡大断片断面図である。
図32】本開示の実施形態に係る、図25の操作システムの正面図である。
図33】本開示の別の実施形態に係る、障害要素の斜視図である。
図34】本開示の実施形態に係る、図33の直線XXXIV~XXXIVに沿って描かれた断面図である。
図35】本開示の実施形態に係る、追加の操作システムの部分分解立体図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の様々な実施形態によると、限定する意図を伴わず便宜上「シェード」とも称され得る付属カバーまたはカバー材をユーザが所望する位置に移動するための操作システムが提供される。たとえば操作システムは、カバーの少なくとも一部が関連建築物/特徴(たとえば窓、戸口、アーチ道など)を被覆する拡張位置と、カバーが建築物/特徴をまたいで少なくとも部分的に退避する退避位置との間で付属カバーを移動してよい。また操作システムは、カバーが建築物/特徴をまたいでたとえば拡張位置または退避位置など所望の位置に配置されると、たとえばカバーの操作可能ベーンなどカバーの一部を開放または閉鎖するなど、カバーを開放および/または閉鎖するように動作可能であってよい。
【0010】
操作システムの動作を制御するために、操作システムには、様々な動作モード間で(たとえば2つ、3つ、または更に多い数の動作モード間で)操作システムを切り換わらせるように操作され得る制御機構が設けられ得る。1つの実施形態において、操作システムは、2より多い数の動作モード間で切り換わる。1つの実施形態において、制御機構は、動作モード間で操作システムをシフトするために、たとえば伝動装置の様々な部品など操作システムの様々な部品に交互に係合する。たとえば第1の動作モードにおいて、操作システムは、カバーを閉鎖および/または退避させるように動作する。第2の動作モードにおいて、操作システムは、カバーがたとえば重力によって自動的に建築物/特徴をまたいで拡張することを可能にするように動作する。第3の動作モードにおいて、操作システムは、たとえばカバーが拡張位置に至ると、カバーの操作可能要素(たとえばベーン)を開放するなど、カバーを開放するように動作する。たとえば制御機構と伝動装置の少なくとも一部との係合または切離などによって、様々な動作モードがもたらされ得る。また、追加または代替として、様々な動作モードは、伝動装置の異なる部分を係合または切離することによってもたらされ得る。1つの実施形態において、第2の動作モードは、伝動装置から制御機構を切離することによってもたらされる。1つの実施形態において、第1の動作モードは、制御機構を伝動装置の第1の部品と係合することによってもたらされる。1つの実施形態において、第3の動作モードは、制御機構を伝動装置の第2の部品と係合することによってもたらされる。制御機構の位置に依存して、伝動装置は、たとえば回転要素またはチューブを2方向の1つに回転することによって、カバーを操作可能に動かし(たとえば回転させる、持ち上げる、開放する、閉鎖するなど)てよい。少なくとも1つの実施形態において、伝動装置は、たとえば付属カバーの閉鎖、退避、および/または開放など、操作システムの動作要求に対応する動作のモードに依存して様々な駆動比をもたらしてよい。たとえば1つの実施形態において、カバーの開放は、カバーを拡張するための回転と同じ方向に駆動部材を回転することによってもたらされる。ただし、拡張したカバーを開放構成に移行するためにカバーの要素(たとえばベーンなど)を制御する際、拡張方向への移動のより精密な制御が望まれ得る。
【0011】
本明細書で説明するように、制御機構は、所望の出力を提供するように伝動装置の動きを制御するように動作可能である。たとえば伝動装置は、常に同じ方向(たとえば第1の方向)に回転する入力によって駆動され得る。伝動装置の様々な部品と制御機構との選択的な係合に依存して、伝動装置の出力の回転方向は、入力と同じであるか、入力と異なるか、入力によって制御されるか、または入力の制御と無関係(たとえば入力に対して自由に回転する)であってよい。この特徴は、2つ以上の駆動部の相互作用によってもたらされ得る。1つの実施形態において、操作システムへの入力は、伝動装置の第1の駆動部に関連付けられる。1つの実施形態において、操作システムの出力は、伝動装置の第2の駆動部に関連付けられる。本明細書で説明するように、駆動部の1つの少なくとも一部を(たとえば制御機構を介して)制御することによって、そこに関連する他の部分(複数も可)を制御し、その結果、入力の作動時に操作システムの出力に作用する。
【0012】
本開示の様々な実施形態によると、限定する意図を伴わず理解する上での助けとなるように便宜上参照番号が用いられる添付図面に示すように、建築カバー102と関連して使用され得る操作システム100が提供される。建築カバー102は、たとえばローラチューブの回転によって動くローラシェード(たとえば図17図20を参照)のように、駆動部材の回転によって退避形態と拡張形態との間で移動され得る。1つの実施形態における操作システム100は、ハウジング104、(いくつかの実施形態において引込み式コード機構またはコードリールと称され得る)入力アセンブリ106、回転可能駆動部材108、方向制御機構110、および入力アセンブリ106の作動時に駆動部材108を回転させるように構成された伝動装置112を含む。後述するように、駆動部材108は、方向制御機構110の位置に依存して第1の方向Eまたは反対の第2の方向Rのいずれかに回転してよく、駆動部材108の回転は、たとえばカバー102を拡張、退避、開放、および/または閉鎖させるように、建築物/特徴に対してカバー102を動かす。たとえば1つの実施形態において、方向制御機構110は、たとえば操作システム100を第1の方法で操作するなど操作システム100の第1の機能を実現するために伝動装置112の第1の部品120(図6を参照)に選択的に係合してよく、それによって、駆動部材108が第2の方向Rに回転する時、建築物/特徴を少なくとも部分的にまたぐように(たとえば窓、扉、アーチ道などをまたぐように)カバー102を退避させ、および/またはカバー102の付属ベーン122(図18および図19を参照)を閉鎖してよい。同様に、方向制御機構110は、たとえば、駆動部材108が第1の方向Eに回転すると、建築物/特徴を少なくとも部分的にまたぐようにカバー102を拡張する(図19を参照)ための第2の方法で操作システム100を操作するなど、操作システム100の第2の機能を実現するために伝動装置112の第2の部品124に選択的に係合してよい(図6を参照)。追加または代替として、方向制御機構110と伝動装置112の第2の部品124との選択的な係合によって、たとえば、駆動部材108が第1の方向Eに回転すると、カバー102のベーン122(図20を参照)を開くように操作システム100に第3の方式で操作するなど、操作システム100の第3の機能が実現され得る。後述するように、方向制御機構110は、ユーザが操作システム100の所望の動作モードを選択し、所望するとおりにカバー102を配置することを可能にする。たとえば方向制御機構110は、後述するように、カバー102の所望の配置を実現するように操作システム100の動作を選択的に制御するために伝動装置112の第1および第2の部品120、124に交互に係合するように移動可能なシフタ118(または1つの動作モードから他の動作モードへ操作システム100の動作をシフトするための操作システム100の他の部品)を含んでよい。あるいは、以下で詳述するように、1つの実施形態において、シフタ118は第1の駆動部164の一部と係合してよい。シフタ118と第1の駆動部164の一部との(たとえば第1の駆動部164の第1の部材160との)係合は、第2の駆動部165の動作によってカバー102を閉鎖および/または建築物/特徴をまたいでカバー102を退避させることが可能であるように、第1の駆動部164の一部(たとえば第1の部材160)の回転運動を制限してよい。同様に、シフタ118と伝動装置112の第2の部分との(たとえば第2の駆動部165の第2の部材162との)係合は、第2の駆動部165の動作によって建築物/特徴をまたぐようにカバー102を拡張および/またはカバー102を開放(たとえばカバー102のベーン122を開放)することが可能であるように、伝動装置112の第2の部分(たとえば第2の部材162)の回転運動を制限してよい。
【0013】
図2図6、および図17に示す1つの実施形態において、駆動部材108は、伝動装置112からカバー102へ動きおよび/またはトルクを伝達するように構成され得る。たとえば駆動部材108は、たとえばローラチューブ136(図17を参照)または他の機能的に類似した要素などのシェードまたはカバー巻取部材を介して、シェード要素に係合するように構成され得る。そのような実施形態において、伝動装置112は、カバー102の動作を制御するために駆動部材108を回転するように構成され得る。たとえば伝動装置112は、建築物/特徴を少なくとも部分的にまたぐようにカバー102を拡張し、少なくとも建築物/特徴をまたいでカバー102を退避させ、および/または所望のとおりにカバー102を開放および/または閉鎖するために、駆動部材108を回転させてよい。たとえば以下で詳述するように、駆動部材108の回転は、カバー102を、カバー102が完全拡張および閉鎖される第1の位置(図19を参照)へ動かしてよい。カバー102が第1の位置に至ると、たとえば第1の方向Eへの駆動部材108の回転は、カバー102を、カバー102が拡張および開放される第2の位置(図20を参照)へ動かしてよい。たとえば、駆動部材108の第1の方向Eへの回転は、カバー102が拡張されると、たとえばベーン122材料142を支持シート140に対して動かすなどベーン122を互いに対して動かすことによって2つの隣接するベーン間に間隙146をもたらすことなどによって、カバー102のベーン122を開放してよい。所望される場合、駆動部材108は、ベーン122を閉鎖するように間隙(複数も可)146を低減してベーン122間の視界(場合によってはビュースルーと称される)を縮小または消滅し、カバー102を第1の位置に配置するように、たとえば第2の方向Rなど反対方向に回転され得る。カバー102が閉鎖されると、駆動部材108は、以下で詳述するようにカバー102が少なくとも部分的に退避した第3の位置にカバー102を配置するために、伝動装置112を介して第2の方向Rに回転され得る(図18を参照)。
【0014】
図18図20に示す1つの実施形態において、駆動部材108は、たとえば締り嵌めまたは摩擦嵌合などによってローラチューブ136の一部に係合するようなサイズおよび形状であってよい。駆動部材108は、端壁132から長さLだけ伸長しフレアフランジ134を終点とする円筒チューブ130によって画定される中空円筒部材として形成され得る(図2を参照)。ローラチューブ136を回転駆動するために、たとえば駆動部材130は、ローラチューブ136の内面と摩擦係合または連動するために円筒チューブ130の長さLに沿って円筒チューブ130から径方向外側へ伸長する複数の長手方向リブ138を含んでよい(たとえば図18を参照)。このように、伝動装置112を介した駆動部材108の回転は、ローラチューブ136を対応して回転させてよい。そのような実施形態において、カバー102はローラチューブ136に連結されてよく、それによって、カバー102は、ローラチューブ136が第2および第1の方向R、Eへそれぞれ駆動部材108を介して回転するとローラチューブ136に巻き付き、またはローラチューブ136から巻き解かれる(図17図20を参照)。ローラシェードに関連して説明したが、操作システム100は、重なり型および縦型のシェードまたはカバーを含む他のカバー種類に関連してもよい。そのような実施形態において、操作システム100は、限定する意図を伴わず例示を目的として提示される後述される方法と同様に様々なカバーを拡張、退避、開放、および/または閉鎖するように操作可能であってよい。
【0015】
操作システム100の様々な動作モードを可能にするために、伝動装置112は、互いに操作可能に連結される(図2図6、および図7を参照)が方向制御機構110によって個々に制御される、たとえば第1および第2の駆動部164、165など1または複数の駆動部を含んでよい。たとえば、以下で詳述するように、第1および第2の駆動部164、165は、駆動部材108の回転を変更するために方向制御機構110によって選択的に係合される部分を含んでよい。後述するように、入力アセンブリ106の作動によって第1および第2の駆動部164、165が作動し、シフタ118の位置に依存してカバー102を退避、拡張、閉鎖、または開放するために駆動部材108が回転することを可能にする。たとえば1つの実施形態において、上述したように、また以下で詳述するように、方向制御機構110は、操作システム100の第1の機能を実現するための伝動装置112の第1の部品120(図6を参照)、または操作システム100の第2の機能を実現するための伝動装置112の第2の部品124(図6を参照)に選択的に係合するためにシフタ118を含んでよい。あるいは他の実施形態において、以下で詳述するように、シフタ118は、第1の駆動部164の一部と係合してよい。シフタ118と第1の駆動部164の一部との(たとえば第1の駆動部164の第1の部材160との)係合は、第2の駆動部165の動作がカバー102を閉鎖および/または建築物/特徴をまたいでカバー102を退避させることを可能にするために、第1の駆動部164の一部(たとえば第1の部材160)の回転運動を制限してよい。同様に、シフタ118と伝動装置112の第2の部分との(たとえば第2の駆動部165の第2の部材162との)係合は、第2の駆動部165の動作が建築物/特徴をまたぐようにカバー102を拡張および/またはカバー102を開放(たとえばカバー102のベーン122を開放)することを可能にするために、伝動装置112の第2の部分(たとえば第2の部材162)の回転運動を制限してよい。いくつかの実施形態において、伝動装置112は、第1および第2の駆動部164、165の各々が遊星ギヤセットを構成する遊星ギヤシステムであってよいが、本明細書で説明される操作システム100の動作を可能にする他の構成も考えられる。1つの実施形態において、伝動装置112(たとえば第1および第2の駆動部164、165)は、ローラチューブ136の回転軸に対応し得る回転軸Aに沿って駆動部材108内で同軸上に取り付けられ得る(図2および図7を参照)。
【0016】
第1および第2の駆動部164、165の各々は、操作システム100内での密集した動きおよび/または方向制御機構110との選択的係合のために構成された1または複数の要素を含んでよい。たとえば1つの実施形態において、第1および第2の駆動部164、165の各々は入力要素および出力要素を含み、出力要素は、たとえば入力要素と出力要素との間に動作可能に配置された1または複数の要素を介して、入力要素によって動作可能に制御される。そのような実施形態において、方向制御機構110は、第1および/または第2の駆動部164、165の出力方向を制御するために第1および/または第2の駆動部164、165の1または複数の要素を回転に対して選択的にロックしてよい。たとえば1つの実施形態において、第1の部材160は、係合外形176を画定する外周縁部174を含み、方向制御機構110(たとえばシフタ118)は、本明細書で詳述するように第1の部材160の回転を選択的に制御することによって第1の駆動部164の動きを制御するために係合外形176を選択的に係合するように動作可能である。同様に、第2の部材162は、係合外形214を画定する外周縁部212を含んでよく、方向制御機構110(たとえばシフタ118)は、以下で詳述するように第2の部材162の回転を選択的に制御することによって第2の駆動部165の動きを制御するために係合外形214を選択的に係合するように動作可能である。
【0017】
1つの実施形態において、伝動装置112の第1の駆動部164は、第1の基部166と、第1の基部166から第1の長さL伸長する第1の中空円筒チューブ168とを含む第1の部材160を有する(図2および図6を参照)。第1の基部166は、操作システム100の他の要素に対して滑動可能な(たとえば、それぞれ第2の部材162に対して滑動可能およびハウジング104の一部に対して滑動可能な)対向する第1および第2の表面170、172を含む。いくつかの実施形態において、第1の基部166は、第1の部材160の回転を制御するために方向制御機構110(たとえばシフタ118)が選択的に係合される係合外形176を画定する。係合外形176は、第1の基部166から径方向外側に伸長する複数の突起178によって画定される歯形またはステップ形であってよいが、後述される目的を実現するために他の形状および構成も考えられる。突起178は、第1の基部166の第1および/または第2の表面170、172と同一の広がりを持って伸長するサイズおよび形状であってよい。第1のチューブ168は、後述するように、動作中、操作システム100の他の要素に対して滑動可能な(たとえば後述するように、それぞれハウジング104の一部に対して滑動可能および第2の部材162の内側部分に対して滑動可能な)内側表面および外側表面180、190(それぞれ図2および図6を参照)を含んでよい。1つの実施形態において、たとえば以下で詳述するように第1の部材160と第1の駆動部164の他の要素とを関連付けるために、複数の支柱192が第1のチューブ168の終端194から伸長してよい。
【0018】
第2の部材162は、第1の部材160と同様の目的のために同様の構成および形状であってよい。すなわち第2の部材162は、第2の基部196と、第2の基部196から第2の長さL伸長する第2の中空円筒チューブ198とを含んでよく、第2の基部196および第2のチューブ198はそれぞれ第1の部材160の第1の基部166および第1のチューブ168に対して滑動可能である。第2の基部196はまた、第1の表面200および対向する第2の表面210と、それらの間に画定され、操作システム100の他の要素に対する(たとえばそれぞれハウジング104の一部および第1の部材160に対する)第2の部材162の滑らかな回転を可能にするための外周縁部212とを含んでよい。いくつかの実施形態において、第2の基部196は、方向制御機構110(たとえばシフタ118)が第2の部材162の回転を制御するために選択的に係合される係合外形214を画定する。第2の部材162の係合外形214は、たとえば第2の基部196の第1および/または第2の表面200、210と同じ広がりを持って伸長するように、第2の基部196から径方向外側へ伸長する複数のギヤ歯216によって画定され得る。
【0019】
操作システム100は概ね任意の適切な構成をとってよいが、小型であることが所望の特性とされる実施形態において、伝動装置112の様々な部品は互いに入れ子状にされ得る。たとえば第1の部材160および/または第2の部材162は、第1の部材160の少なくとも一部(たとえば第1のチューブ168)が少なくとも部分的に第2の部材162の第2のチューブ198の中に回転可能に受け入れられ得るように構成され得る(図7を参照)。そのような実施形態において、第2のチューブ198は、2部の内側表面220を画定してよい。たとえば図8を参照すると、第2のチューブ198の内側表面220は、それぞれ伝動装置112および第1の部材160に係合するためのギヤ表面222および平滑表面224を含んでよい。平滑表面224は、第1のチューブ168の外側表面190に対して滑動し、第1のチューブ168を収容するサイズであってよい。駆動部材108の長さLは、伝動装置112を覆い隠し保護するように第2のチューブ198の第2の長さLよりも長くあってよい。
【0020】
いくつかの実施形態において、伝動装置112は、駆動部材108の可変制御を提供することによってカバー102の可変制御を提供し、所望の機能(特に、たとえばカバー102の閉鎖、退避、および/または開放)を実現するために操作システム100の動作要求(たとえば、トルク、速度等)と合致させるように構成され得る。たとえば伝動装置112は、カバー102が退避しているか開放しているかに依存して、たとえば2つ以上の駆動比などの様々な機械的利点または制御を提供してよい。そのような実施形態において、様々な機械的利点は、たとえばカバー102の(たとえばカバー102の開放における)精密な調整のためのより良い制御および/またはカバー102の(たとえばカバー102の退避における)質量調整のために増加された速度など、操作システム100の所望の動作速度または動作効率を提供し得る。たとえば伝動装置112は、カバー102を拡張および/または開放するために駆動部材108を第1の方向Eに回転させる比較的高い機械的利点(たとえば第1の駆動またはギヤ比)を提供し、カバー102を退避および/または閉鎖するために駆動部材108を第2の方向Rに回転させる比較的低い機械的利点(たとえば第2の駆動またはギヤ比)を提供するように構成され得る。駆動比は、同じ期間における出力(たとえば駆動部材108)の回転数に対する入力機構(たとえば入力アセンブリ106)の回転数の比率として定義され得る。第1の駆動比は、それぞれカバー102を開放および退避させるために必要なトルクおよび/または所望の速度を少なくとも提供するために第2の駆動比よりも高くあってよい。いくつかの実施形態において、第1の駆動比は約5:1~約10:1であってよく、動作速度がそれほど考慮されない状況(たとえばカバー102の開放における精密な調整)および/またはカバー102を操作するために比較的容易であること(たとえば弱い力)が望まれる状況においてカバー102の精密な調整を可能にするために、好適には約8:1であってよい。そのような実施形態において、第2の駆動比は約1:1~約5:1であってよく、カバー102を退避させるために必要な入力を制限するとともにカバー102を不快なほど緩慢に退避させないために、好適には約3:1であってよい。伝動装置112は、特定のシェード構成に基づいて操作システム100の要求(重いシェード対軽いシェード、速度対軽い吊上力など)のバランスをとるように構成され得る。たとえば伝動装置112は、顧客の要望および所望および/またはカバー102の様々な構成に合わせた駆動比を提供するように構成され得る。たとえば、重量および/または転がり抵抗が大きいカバーは高い機械的利点を有する駆動比を必要としてよく、逆もまた然りである。
【0021】
非排他的な実施形態において、第1の駆動部164は遊星ギヤセットを含み、第1の駆動部164は第1の太陽ギヤ244を含んでよく、遊星ギヤの第1のセット246は、第1の太陽ギヤ244と噛合い係合し、遊星ギヤの第1のセット246を第1の太陽ギヤ244の周囲に配置する第1のキャリア248によって保持される。たとえば、たとえば第1の部材160の一部として第1の部材160によって画定され得る第1のキャリア248は、第1の太陽ギヤ244に沿って周方向に間隔を有するたとえば支柱192のような複数の支柱を含んでよい。そのような実施形態において、第1の太陽ギヤ244が第1のキャリア248に対して回転すると、遊星ギヤの第1のセット246の各々が支柱192を中心に回転してよい。後述するように、いくつかの実施形態において、遊星ギヤの第1のセット246は、第1の駆動部164を第2の駆動部165に動作可能に連結する伝達部材252から伸長する支柱250に回転可能に取り付けられてもよい。第1のキャリア248の支柱192および伝達部材252の支柱250に遊星ギヤの第1のセット246を回転可能に取り付けることによって、後述するように、伝達部材252および第1のキャリア248(第1の部材160)は共に回転し(または静止状態に保持され)、第1および第2の駆動部164、165の間で運動を伝達してよい。以下で詳述するように、第1の太陽ギヤ244は、たとえば入力アセンブリ106などの入力機構によって回転駆動され得る。そのような実施形態において、たとえば1つの実施形態における入力アセンブリ106の回転などの入力機構の作動は、第1の太陽ギヤ244を回転させ、それによって遊星ギヤの第1のセット246をそれらの個々の軸の周囲で対応して回転させ得る。方向制御機構110の位置に依存して、第1のキャリア248、およびそれに伴い遊星ギヤの第1のセット246は、第1の太陽ギヤ244の周囲を旋回すなわち回転してもしなくてもよい。たとえばシフタ118と第1の部材160との(たとえば第1の部材160の係合外形176との)選択的な係合は、遊星ギヤの第1のセット246を保持する第1の部材160の回転を制限し、それによって遊星ギヤの第1のセット246は、第1の太陽ギヤ244の回転時に個々の軸の周囲のみを回転するように(第1の太陽ギヤ244の周囲を回転しないように)制限される。
【0022】
同様に、第2の駆動部165は、第2の太陽ギヤ260、および第2の太陽ギヤ260と噛合い係合し、遊星ギヤの第2のセット262を第2の太陽ギヤ260の周囲に位置付ける第2のキャリア264によって保持される遊星ギヤの第2のセット262を含んでよい。第2のキャリア264は、第2の太陽ギヤ260に沿って周方向に間隔を有する複数の支柱266を含んでよく、第2の太陽ギヤ260が第2のキャリア264に対して回転すると、遊星ギヤの第2のセット262の各々は支柱266を回転してよい。以下で詳述するように、第2の太陽ギヤ260は、たとえば伝達部材252によって、たとえば第1の駆動部164の出力によって、入力機構によって回転可能に駆動され得る。第1および第2の駆動部164、165の間で力が伝達されることができるように、第2の太陽ギヤ260および伝達部材252は、たとえば単一要素として成形または形成され、共に回転する。そのような実施形態において、入力機構の回転は第2の太陽ギヤ260を回転させ、それによって、遊星ギヤの第2のセット262をそれらの個々の軸の周りで対応して回転させる。シフタ118と第1または第2の部材160または162との選択的な係合に依存して、遊星ギヤの第2のセット262がそれらの個々の軸の周囲を回転する時、遊星ギヤの第2のセット262は、第2のサンギヤ260の周囲を第1または第2の方向EまたはRに周回(あるいは、「旋回」または「回転」、これらの用語はいずれも限定されず相互置換性を持って使用可能である)し、それによって、第2のキャリア264が第2の太陽ギヤ260の周囲を対応して回転する。たとえば、第2の太陽ギヤ260が、第1の部材160に動作可能に連結された伝達部材252を介して静止状態に保持される(かつリングギヤ268が回転する)時、シフタ118と第1の部材160との選択的な係合によって、遊星ギヤの第2のセット262が第2の太陽ギヤ260の周囲を第2の方向Rに回転してよい。同様に、シフタ118の第2の部材162との(またその中に形成されたリングギヤ268との)選択的な係合によって、以下で詳述するように、遊星ギヤの第2のセット262は、第2の太陽ギヤ260の周囲を第1の方向Eに旋回してよい。
【0023】
操作システム100の選択的操作および可変制御を可能にするために、第1および第2の駆動部164、165は、たとえばそれらの間で要素を共有すること、またはそれらの間の1または複数の要素(たとえば第1および第2の駆動部164、165の間で動きを伝達する要素)を共に回転するように連結することなどによって、一方の回転が他方を回転させるように連結される。そのような実施形態において、方向制御機構110(たとえばシフタ118)は、第1および第2の駆動部164、165、または第1および第2の駆動部164、165の間で回転を伝達する要素を選択的にロックし、伝動装置112の動作を制御するように構成され得る。たとえば、第1および第2の駆動部164、165はリングギヤ268を共有してよく、リングギヤ268は遊星ギヤの第1および第2のセット246、262の両方と噛み合い係合する。少なくとも1つの実施形態において、たとえば遊星ギヤセットの1つが自身の太陽ギヤの周囲を回転することができない場合、遊星ギヤの第1のセット246または遊星ギヤの第2のセット262のいずれかの回転がリングギヤ268の回転をもたらし、それによって他方の遊星ギヤセットの回転をもたらしてよい。1つの実施形態において、リングギヤ268は、たとえば第2の部材162の第2のチューブ198内に、またはその一部として(たとえばギヤ表面222の一部として)、第2の部材162の一部として形成され得る。そのような実施形態において、遊星ギヤの第1および第2のセット246、262は、リングギヤ268と各自の太陽ギヤ244、260との間の第2の部材162の第2のチューブ198内に少なくとも部分的に配置される。後述するように、シフタ118と第2の部材162との選択的な係合は、操作システム100の操作方法を制御してよい。たとえば、シフタ118と第2の部材162との選択的な係合は、リングギヤ268を少なくとも1つの方向への回転から(たとえば少なくとも第2の方向Rへの回転から)ロックし、それによって、遊星ギヤの第1および第2のセット246、262がそれらの個々の軸周囲を回転する時、遊星ギヤの第1および第2のセット246、262に各自の太陽ギヤ244、260の周囲を周回または回転させる。
【0024】
カバー102の動きを少なくとも制御するために、出力または出力キャリアとも称され得る第2のキャリア264は、駆動部材108に動作可能に係合するように構成され得る。たとえば第2のキャリア264および駆動部材108は、一方の動きが他方を対応して動かすような対応構造を含んでよい。図3に示す1つの実施形態において、第2のキャリア264は、突起280と支柱266との間に配置された壁282から突起280が伸長するような係合機構を含んでよい。突起280は、突起280に沿って周方向に間隔を有する複数の径方向に伸長するタブ284を含んでよい。そのような実施形態において、駆動部材108は、その端壁132に画定された開口部286を含んでよく、その周囲に、第2のキャリア264のタブ284と(たとえばサイズ、形状、および/または位置が)対応する複数のスロット288が画定される(図11を参照)。組立て状態において、第2のキャリア264の突起280は駆動部材108の開口部286内に少なくとも部分的に受け入れられ、第2のキャリア264のタブ284が駆動部材108のスロット288内に受け入れられてよく(図11を参照)、それによって第2のキャリア264および駆動部材108の一方の回転が他方へ伝えられる。そのように、伝動装置112の回転は、駆動部材108を回転駆動してよい(逆もまた然りである)。駆動部材108と第2のキャリア264との係合を保持するために、駆動部材108および第2のキャリア264は対応する保持特徴を含んでよく、それらはいくつかの実施形態において、所望される場合、操作システム100の解体を可能にするために解除可能であってよい。たとえば第2のキャリア264の突起280は、各々が少なくとも部分的に端末フック部分292によって画定された複数の弾性キャッチ290を含んでよく、端末フック部分292は、開口部286の径よりも大きい径を画定する。そのような実施形態において、突起280は、フック部分292が駆動部材108の端壁132を通過するまで開口部286内に挿入され(タブ284およびスロット288は軸の位置を合わせられ)、その点において、キャッチ290は第2のキャリア264の壁282とフック部分292との間で端壁132の少なくとも一部を固定するように拡張される(図7を参照)。
【0025】
伝動装置112を全体として保持するために、伝動装置112は、ハウジング104内に少なくとも部分的に回転可能に受け入れられ得る。たとえば図7を参照すると、ハウジング104は、第1および第2の部材160、162の一部を収容するように互いに係合する第1および第2の半分300、302を含んでよい。図示するように、第1の半分300は、ボス304、およびボス304の周囲に伸長する底壁308によって少なくとも部分的に画定された環状凹部306を含んでよい。環状凹部306は、それぞれ第1および第2の部材160、162の第1および第2の基部166、196を少なくとも受け入れてよい。凹部306は、第1および第2の基部166、196の合計厚さに概ね対応する深さを含んでよい(図7を参照)。そのような実施形態において、第1の部材160の第2の表面172は、たとえばハウジング104に対する第1の部材160の軸方向移動を制限するために、第1の半分300の底壁308に対して回転可能に接触または滑動してよい。組立て型伝動装置112を回転可能に支持するために、ボス304は、底壁308から離れる方向に第3の長さL伸長してよく、第3の長さLは、第1の部材160の第1のチューブ168の第1の長さLに概ね対応する。そのような実施形態において、第1の部材160は、ボス304の周囲を回転してよい。図示するように、ボス304は、回転軸Aに沿って伝動装置112と同軸上に位置を合わせられ得る。
【0026】
ハウジング104の第2の半分302は中央開口部310を含んでよく、それを通って、それぞれ第1および第2の部材160、162のチューブ168、198が受け入れられ得る(図2および図7を参照)。いくつかの実施形態において、中央開口部310は、駆動部材108のフランジ134も受け入れるようなサイズであってよい。組み立てられると、第2の部材162の第1の表面200は、第2の半分302の内側表面312に対して回転可能または滑動してよい。このように、それぞれ第1および第2の部材160、162の第1および第2の基部166、196は、ハウジング104の第1および第2の半分300、302の間に収容され、伝動装置112をハウジング104に、または少なくとも部分的にその中に連結してよい(図7を参照)。第1および第2の半分300、302を互いに連結するために、第1および第2の半分300、302は対応する保持機構を含んでよい。たとえば、第1の半分300は、第1の半分300に沿って周方向に間隔を有する複数のタブ314を含んでよい(図6を参照)。第2の半分302は、2つの半分300、302を互いにスナップ嵌めして固定するために、第1の半分300のタブ314に係合する複数の対応するキャッチ316を含んでよい(図1を参照)が、たとえばファスナ、熱溶接、音波溶接などの他の適切な締結機構が利用されてもよい。
【0027】
上述したように、伝動装置112の動きは、入力アセンブリ106によって制御され得る。たとえば入力アセンブリ106は、ユーザによって作動されると伝動装置112の一部(たとえば第1の駆動部164)を回転駆動するように適合され得る。後述するように、入力アセンブリ106は、伝動装置112に入力を供給して伝動装置112を回転させ、それによって駆動部材108を回転させてよい。1つの例において、入力アセンブリ106は、ばねモータ330およびそこに連結された入力軸332を含んでよい(図2を参照)。いくつかの実施形態において、ばねモータ330は、たとえばドライブコード334(たとえば図13を参照)などの作動要素によって作動してよい。そのような実施形態において、入力軸332はばねモータ330に連結されてよく、それによって、ドライブコード334の作動によって生じるようなばねモータ330の回転が入力軸332を回転させる。たとえばドライブコード334は、ばねモータ330の回転軸から離れる方向に距離を置いた点においてばねモータ330に係合してよく、それによって、ドライブコード334の作動時にばねモータ330が(たとえば第1の方向Eに)回転するようにばねモータ330に付勢するモーメントが生じる。ばねモータ330の回転は入力軸332を回転させてよく、後述するように、入力軸332の回転は、伝動装置112を回転駆動する。いくつかの実施形態において、ドライブコード334は、ドライブコード334の動きによってもたらされるモーメントが動作中比較的一定であるように、たとえば環状溝336内など、ばねモータ330の外部に巻き取られてよい。
【0028】
入力アセンブリ106が繰り返し操作されることを可能にするために、ばねモータ330は、ドライブコード334をばねモータ330に巻き付けるように、たとえばクロックスプリング337または同様のデバイスなどを介して第2の方向Rに回転するように付勢され得る(図6を参照)。このように、ユーザは、ドライブコード334の操作システム100から離れる方向への一連の比較的短い行程を用いて入力アセンブリ106を繰り返し操作してよい。たとえば、発動行程中、ユーザは、ばねモータ330を第1の方向Eに回転させるためにドライブコード334をばねモータ330から離れる方向へ(たとえば下向きに)第1の距離動かしてよく、その時点でユーザは、ドライブコード334を放すか、またはドライブコード334に加えた力の量を低減してよい。十分な力が解放されると、ばねモータ330は、ドライブコード334を引き込みばねモータ330の外側部分に巻き取るように第2の方向Rに回転するように付勢され得る(たとえばリセット行程)。リセットされると、ドライブコード334は、ばねモータ330を継続して回転させるために再び作動されてよく(すなわち発動行程)、それによって伝動装置112に駆動部材108を回転させる。発動行程およびリセット行程を交互に行うプロセスは、伝動装置112を介して(たとえば第2のキャリア264を介して)駆動部材108が所望される十分な量回転するまで繰り返されてよい。ドライブコード334はばねモータ330に巻き取られるように付勢され得るので、ドライブコード334が引き込まれる時にドライブコード334のわずかな部分のみ(たとえばハンドル部分のみ)しか見えないことにより、操作システム100および/または付属カバーの審美的魅力が増す。ドライブコード334が重なり合うことを防ぐために、ドライブコード334は、後述するように操作システム100および/またはカバー102の一部に係合するように動作可能な停止機構338を含んでよい。いくつかの実施形態において、停止機構338は、たとえばワンドまたはハンドル340(以下、限定する意図を伴わず便宜上「ハンドル」とする)などのタッチポイントまたは操作要素を連結するために、ねじ付きであってよく、または他の係合機構を含んでよい(図1を参照)。
【0029】
図2図6、および図7を参照すると、入力軸332は、ばねモータ330の回転が入力軸332を回転させ、伝送装置112を回転させるように、ばねモータ330に動作可能に連結され得る。いくつかの実施形態において、入力軸332は、ばねモータ330の回転が入力軸332を1方向のみに回転させるように構成され得る。たとえば入力軸332は、2つ以上の1方向または逆戻り防止ベアリング(たとえば2つのベアリング)によって回転可能に支持され得る。後述するように、ベアリングの各々は、その中で入力軸332が1方向のみに回転することを可能にし得るが、たとえば偏向ランプまたはウェッジによって係合可能な内部ローラを介して、入力軸332の相対回転を反対方向に制限してもよい。後述するように、組み合わせられたベアリングは、入力軸332の回転を様々な方向に制限してよい。たとえば、少なくとも1つの1方向ベアリング(たとえば第1のベアリング342)は、後述するようにばねモータ330の第1の方向Eへの回転を入力軸332に伝達するように構成されるなど、1方向においてばねモータ330による回転力を入力軸332へ伝達するように構成され得る。そのような実施形態において、少なくとも他方の1方向ベアリング(たとえば第2のベアリング346)は、入力軸332を回転可能に支持し、上述したようにばねモータ330の周期的動きの間、入力軸332の回転を第1のベアリング342によって伝達される1方向のみに制限するように、第1のベアリング342を補うように構成され得る。特に、第1のベアリング342は、ばねモータ330および入力軸332に(たとえばばねモータ330の一部と入力軸332との間で径方向に)連結されてよく、それによって入力アセンブリ106の発動行程中、ばねモータ330の第1の方向Eへの回転は、入力軸332を対応して第1の方向Eに回転させる(たとえば、発動行程中、第1のベアリング342および入力軸332は調和して回転する)。同じ発動行程中、入力軸332は、第2のベアリング346内で第1の方向Eに回転し得る。入力アセンブリ106のリセット行程中、ばねモータ330は第2の方向Rに回転し、第1のベアリング342を入力軸332の周囲で第2の方向Rに回転させ得るが、入力軸332は、第2のベアリング346によって第2の方向Rへの回転を制限される。このように、入力軸332は、ユーザからの入力による入力アセンブリ106の動作中、第1の方向Eのみに回転してよく、これは、たとえばドライブコード334の往復運動を容易にし、および/または操作システム100がばねモータ330を逆駆動しないよう制限するために有利であり得る。たとえば、第1および第2のベアリング342、346を使用しない場合、入力軸332が(たとえばカバー102の重みによって)第2の方向Rに回転し、ばねモータ330に損傷を与え得る。
【0030】
図7に示すような1つの実施形態において、第1のベアリング342は、圧入などによってばねモータ330の突起部344内に受け入れられ得る。入力軸332をばねモータ330に回転可能に連結するために、第1のベアリング342は、第1のベアリング342のばねモータ330に対する回転を防止するような方法で、ばねモータ330内に位置付けられ得る。たとえばばねモータ330および/または第1のベアリング342は、2つの要素間に締り嵌めをもたらし、第1のベアリング342をばねモータ330に効果的にロックするようなサイズおよび形状であってよい。図7の実施形態において、第2のベアリング346は、たとえば圧入などによってベアリングブロック348内に配置されるなど、ハウジング104のボス304内で回転可能に固定され得る。1つの実施形態において、ベアリングブロック348は、ハウジング104のボス304内で回転可能に固定され得る。図示するように、ベアリングブロック348は、中空体350とともに、そこから径方向に伸長する複数のフィン360を含んでよい。第2のベアリング346は、たとえば締り嵌めなどによって本体350に対する第2のベアリング346の回転を防止するような方法で、ベアリングブロック348の本体350内に位置付けられ得る。ボス304内でベアリングブロック348を固定するために、ボス304の内壁に複数の対応する溝362が画定されてよく、ボス304の溝362は、ベアリングブロック348のフィン360を受け入れてよい。ベアリングブロック348をボス304内で適切に配置するために、スペーサ364がボス304内に受け入れられ、ばねモータ330とベアリングブロック348との間に配置され得る。ベアリングブロック348と同様、スペーサ364は、ボス304の溝362に係合するベアリングブロック348と同様の放射状フィン構造などによって、ボス304内で回転可能に固定されるようなサイズおよび形状であってよい。ボス304内に配置されると、ベアリングブロック348は、ボス304の軸端とほぼ同一平面上に位置してよい(図7を参照)。位置付けられると、第1および第2のベアリング342、346は、たとえば回転軸Aに沿って、入力軸332をボス304および伝動装置112と同軸上に位置合わせしてよい。
【0031】
本明細書で説明されるように、入力軸332は、ばねモータ330の作動時、たとえば第1および第2の駆動部164、165の少なくとも1つ(たとえば第1の駆動部164)など、伝動装置112を回転させるように合わせられ得る。たとえば入力軸332は、たとえば半円形、正方形など非円形の断面(図9を参照)を含んでよい。そのような実施形態において、入力または入力ギヤとも称され得る第1の太陽ギヤ244は、たとえば対応する非円形の断面を有するような、第1の太陽ギヤ244を貫通して画定され、入力軸332が第1の太陽ギヤ244を回転させることができるように構成された開口部366を含んでよい(図4を参照)。入力軸332の回転は、第1の太陽ギヤ244を回転駆動し、それによって、たとえば駆動部材108、第1および第2の部材160、162、第1および第2のキャリア284、264、リングギヤ268、第2の太陽ギヤ260、遊星ギヤの第1および第2のセット246、262(のそれらの個々の軸周囲、各自の太陽ギヤの周囲、またはその両方のいずれかでの)、またはそれらの任意の組み合わせの各々の回転をもたらすなど、第1および第2の駆動部164、165の残りの要素の少なくともいくつかを対応して回転させ得る。たとえば入力軸332は、第1および第2の部材160、162、第1および第2のキャリア284、264、および駆動部材108に画定された空所または開口部内で自由に回転してよい。ばねモータ330を含むものとして図示および説明されるが、入力アセンブリ106は、入力軸332を第1の方向Eに回転させるように動作可能な任意の種類のアセンブリまたはシステムを含んでよく、特に、電気モータ、連続コードループ、またはねじりワンド機構を含む。
【0032】
伝動装置112の動作を制御し、それによって駆動部材108の回転を制御するために、図12図14に示す操作システム100の実施形態は、駆動部材108を第1の方向Eまたは第2の方向Rに回転させる伝動装置112の回転をもたらすために制御機構110に関連付けられた第1および第2のロック部分380、382を含んでよい。1つの実施形態において、第1および第2のロック部分380、382は、伝動装置112の様々な部品または部分に交互に係合するように構成される。たとえば後述するように、第1のロック部分380は、駆動部材108を第1の方向Eへの回転に対して制限するために伝動装置112の第1の部分に係合し、第2のロック部分382は駆動部材108を第2の方向Rへの回転に対して制限するために伝動装置112の他の部分に係合してよい。本明細書で説明される実施形態の各々において、シフタ118は、後述するように、操作システム100の動きを制御するために、第1のロック部分380を伝動装置112と係合し、第2のロック部分382を伝動装置112と係合し、または第1および第2のロック部分380、382を伝動装置112から切離することを交互に行うために、係合構成間で移動可能であってよい。たとえば、シフタ118と伝動装置112の第1の部分との(たとえば第1の部材160との)係合は、第1のロック部分380に係合することによって、操作システム100を駆動部材108の回転方向に作用させ、それによって、たとえば駆動部材108を第2の方向Rのみに回転するように制限することによってカバー102を閉鎖および/または退避させるなど、第1の方法でカバー102の動作に作用する。同様に、シフタ118と伝動装置112の他の部分との(たとえば第2の部材162との)係合は、第1の部分380を切離かつ第2のロック部分382に係合し、たとえば駆動部材108を第1の方向Eに回転するように制限することによってカバー102を開放するなど、他の方法で駆動部材108の回転方向に作用する。追加または代替として、第1および第2のロック部分380、382の切離は、たとえば駆動部材108を第1の方向Eに(たとえば自由に)回転させることによってカバー102が建築物/特徴をまたいで拡張することを可能にするなど、第3の方法でカバー102の動作に作用してよい。
【0033】
いくつかの実施形態において、第1のロック部分380は、シフタ118の第1の部分400を含む。そのような実施形態において、シフタ118の第1の部分400は、第1の部材160の回転を制限するために第1の部材160の係合外形176に係合してよい。たとえば第1の部分400は、第1のロック部分380を伝動装置112に係合するために第1の部材160の係合外形176に選択的に係合するように構成された第1の突起404を含んでよい。後述するように、シフタ118の第1の部分400は、第1の部材160に係合するために、ハウジング104の第1の半分300に画定された開口部内に選択的に伸長してよい。
【0034】
いくつかの実施形態において、第2のロック部分382は、シフタ118の第2の部分402およびオーバランニングギヤ386を含み、シフタ118の第2の部分402は、オーバランニングギヤ386を介して第2の部材162に選択的に係合する。後述するように、オーバランニングギヤ386は、シフタ118が第2のロック部分382を伝動装置112に係合するように配置されると、操作システム100が2つ以上の方法でカバー102を操作することを可能にしてよい。たとえば、シフタ118が第2の部材162と係合するために配置されると、オーバランニングギヤ386は、カバー102が伝動装置112による影響を受けず建築物/特徴をまたいで重力落下する(すなわち重力落下特徴)ことを作動的に可能にするとともに、カバー102が完全に落下(すなわち拡張)すると操作システム100がカバー102を駆動開放することを可能にしてよい。たとえば以下で詳述するように、シフタ118が第2の部材162と係合するために配置されると、オーバランニングギヤ386は、第2の部材162を1方向のみ(たとえば第1の方向Eのみ)に回転させ得る。組立て状態において、オーバランニングギヤ386は、第2の部材162の係合外形214と噛合い係合し、それによって第2の部材162の回転がオーバランニングギヤ386を回転させ、逆もまた然りである。たとえば図5に示すように、オーバランニングギヤ386は、第2の部材162のギヤ歯216と噛み合う複数のギヤ歯388を含んでよい。そうすることで、第2の部材162の回転は、オーバランニングギヤ386の回転を制御することによって制御され得る。後述するように、シフタ118は、第2の部材162の回転を制限するためにオーバランニングギヤ386に係合してよい。たとえば、シフタ118は、オーバランニングギヤ386の回転を制限するために、オーバランニングギヤ386のギヤ歯388の少なくとも1つに係合してよい。シフタ118がオーバランニングギヤ386に係合すると、以下で詳述するように、オーバランニングギヤ386は、第2の部材162の回転を制限してよい。図9図14、および図15に示すように、オーバランニングギヤ386は、ハウジング104の第1および第2の半分300、302によってその間に画定されたチャネル390内で回転してよい。チャネル390は、第1のチャネル部分392および第2のチャネル部分394を画定する長さを含んでよい。後述するように、シフタ118は、第2のチャネル部分394内に選択的に伸長し、その中でオーバランニングギヤ386に係合してよい。
【0035】
いくつかの実施形態において、シフタ118は、第2の部分402と対向する第1の部分400を含む細長い部材であってよい(図12および図13を参照)。いくつかの実施形態において、シフタ118は湾曲し、第1および第2の部分400、402の間に位置する軸の周囲を旋回してよい。後述するように、軸は、操作システム100の動作を変更するために、シフタ118が2つの動作位置間で移動(たとえばロック)し、第1の部材160(たとえば第1の動作位置、図12を参照)または第2の部材162(たとえば第2の動作位置、図13を参照)のいずれかに係合することを可能にしてよい。シフタ118は、たとえばエンドキャップ408の内側表面410から伸長するピボットボス416の周囲など、操作システム100の一部に回転可能または枢動可能に取り付けられ得る(図2を参照)。ピボットボス416は、シフタ118が第1および第2の動作位置間で移動することができるように、シフタ118の軸と位置を合わせられ得る。
【0036】
シフタ118を動作位置間で動かすために、ドライブコード334は、シフタ118の第1の部分400を通って経路を定められ得る。そのようにして、ユーザは、ドライブコード334を特定の方向に操作することによってシフタ118を動作位置間で移動してよい。たとえば、ドライブコード334を操作システム100に向かって動かすと、シフタ118は第1の動作位置へ移動してよく、ドライブコード334を操作システム100から離れる方向に動かすと、シフタ118は第2の動作位置へ移動してよい。
【0037】
シフタ118は、交互形式で、第1のロック部分380または第2のロック部分382のいずれかを伝動装置112と係合するように解除可能に保持され得る。たとえば操作システム100は、シフタ118の位置に基づいてシフタ118を2つの動作位置の1つに付勢する付勢機構438を含んでよい。図2に示すように、付勢機構438は、シフタ118およびエンドキャップ408と関連付けられた複数の磁石を含んでよい。第1の磁石440は、たとえばエンドキャップ408の内側表面410などエンドキャップ408に固定され、第2の磁石442は、たとえばシフタ118の第2の部分402に画定された空所444内に配置されるなど、シフタ118の一部に関連付けられ得る(図14を参照)。
【0038】
第1および第2の磁石440、442は、シフタ118の第1または第2のロック部分380、382のいずれかを伝動装置112との係合状態に配置するために反発し合うように構成され得る。第1および第2の磁石440、442は、シフタ118が動作位置間に配置される時、互いにほぼ位置を合わせられてよく、磁石440、442は、シフタ118を動作位置の1つに付勢してよい。たとえば、シフタ118の第1の部分400が第1の部材160付近に配置されると、第1および第2の磁石440、442は相反発し、第1の部分400を完全に第1の部材160との係合のために位置付けてよい。同様に、シフタ118の第2の部分402が第2の部材162付近に配置されると、第1および第2の磁石440、442は反発し合い、シフタ118を完全に第2の部材162と係合するために位置付けてよい。交番反発力を提供するために、第1および第2の磁石440、442は重なり滑動関係に配置されてよく、第2の磁石442は、シフタ118の位置に依存して第1の磁石440のどちらかの側面に配置される。複数の磁石を含むものとして図示および説明したが、付勢機構438は、たとえば第1および第2の部材160、162など伝動装置112の様々な部品と係合するためにシフタ118を交互に位置付けるように動作可能な1または複数のカム面、ピボット機構、ばねなどを含む任意の適切な構造または構成を含んでよい。
【0039】
ここで、図示された実施形態の動作がより詳しく考察される。本明細書で説明されるように、入力アセンブリ106の動作は、第1の駆動部164を作動させ、それによって第2の駆動部165を作動させ、それに連結された駆動部材108を回転させ得る。たとえば限定はされないが、第1および第2の駆動部164、165の各々は、入力および出力を含んでよい。1つの実施形態において、第1の駆動部164の出力は、後述するように、第2の駆動部165の入力であってよく、あるいは第2の駆動部165の入力を動作可能に駆動し得る。そのような実施形態において、方向制御機構110は、伝動装置112を様々な方法で操作するために伝動装置112の異なる部分(たとえば、第1および第2の駆動部164、165の共有要素)に交互に係合し、伝動装置112の動作方法は、たとえば第1の駆動部164の入力の回転時に第2の駆動部165の出力の回転を制御することなどによって、駆動部材108の動作方法に(たとえば第1の方向Eに回転、第2の方向Rに回転、および/または自由に回転するように)作用する。後述するように、1つの実施形態において、シフタ118の第1の係合構成(たとえば第1のロック部分380との係合)は、伝動装置112の少なくとも第1の要素に作用し、駆動部材108を第1の方法で回転させ得る。同様に、シフタ118の第2のロック部分382との第2の係合構成は、伝動装置112の少なくとも第2の要素に作用し、駆動部材108を第2の方法で回転させ得る。シフタ118の第3の係合構成は、たとえば伝動装置112の第1の駆動部164と第2の駆動部165との間で共有される要素など伝動装置112の少なくとも1つの要素を切離することなどによって、駆動部材108を自由に回転させ得る。
【0040】
簡単に言うと、操作システム100の動作中、入力軸332は第1の方向Eに回転し、第1の太陽ギヤ244を第1の方向Eに回転させる。変わるのは、方向制御機構110(たとえばシフタ118)の位置に依存して、第1のキャリア248がロックされるかリングギヤ268がロックされるかという点である。第1のキャリア248がロックされる場合、遊星ギヤの第1のセット246は、それらの個々の軸周囲を回転することしかできず、第1の太陽ギヤ244の周囲を旋回することはできない。本明細書で説明されるように、第1のキャリア248をロックすることによって第2の太陽ギヤ260がロックされる。遊星ギヤの第2のセット262および第2のキャリア264はいずれも自由に回転するので、それらは同じ第2の方向Rに回転する。リングギヤ268がロックされる場合、遊星ギヤの第1のセットおよび第2のセット246、262は、たとえばギヤの各々が個々の軸周囲を第2の方向Rに回転すると同時に第1の方向Eに旋回するなど、ギヤがそれらの個々の軸周囲を回転する方向と反対方向にリングギヤ268に対して旋回する。
【0041】
具体的には、カバー102が完全拡張および閉鎖される第1の位置に配置されると(図19を参照)、操作システム100は、1つの非限定的な実施形態において、たとえばカバー102をローラチューブ136に巻き取るなど、カバー102を退避させるように操作され得る。カバー102を退避させるために、シフタ118は、シフタ118の第1の部分400と第1の部材160とを係合するように配置され得る(図12を参照)。上述したように、シフタ118を第1の部材160との係合状態に配置するために、ユーザは、たとえば付勢機構438の付勢によってシフタ118が第1の部材160に係合するまで、たとえば建築物/特徴に向かって後ろ向きなど第1の部材160側にドライブコード334を付勢してよい。シフタ118が第1の動作位置に位置付けられると、シフタ118の第1の突起404は、第1の部材160の係合外形176に係合し、第1の部材160を回転に対してロックしてよい。たとえば第1の突起404は、第1の部材160の突起178の少なくとも1つの表面に係合し、第1の部材160を第1の方向Eへの回転に対してロックしてよい。
【0042】
シフタ118が第1の部材160と係合すると、ユーザは、たとえばドライブコード334を繰り返し操作するなど、入力アセンブリ106を操作してよく、カバー102を退避させるために伝動装置112を回転させる。たとえばユーザは、たとえばドライブコード334を操作システム100から離れる方向に下向きに(たとえば真下に)牽引するといったように、ドライブコード334に第1の方法で付勢し、ばねモータ330を第1の方向Eに回転させてよい。上述したように、ばねモータ330が第1の方向Eへの回転は、入力軸332を第1の方向Eに回転させ、入力軸332の回転は、たとえば第1の駆動部164の第1の太陽ギヤ244を入力軸332と同じ方向に(たとえば第1の方向Eに)回転させるなど、第1の駆動部164のための入力を供給する。第1の太陽ギヤ244が第1の方向Eに回転すると、遊星ギヤの第1のセット246の各ギヤはその個々の軸周囲を第2の方向Rに回転する。シフタ118によって(第1のキャリア248を保持する)第1の部材160が回転に対して固定されると、第1の太陽ギヤ248が第1の方向Eに回転する時、遊星ギヤの第1のセット246は、(第1のキャリア248が回転に対して固定されるので)第1の太陽ギヤ244の周囲を旋回することができず、その場でそれらの個々の軸周囲を第2の方向Rに回転することしかできない。遊星ギヤの第1のセット246がそれらの個々の軸周囲を第2の方向Rに回転すると、たとえば第2の部材162(リングギヤ268)を第2の方向Rに回転させるなど、第1の駆動部164の出力が提供され、第1の駆動部164の出力は、たとえば後述するように第2の駆動部165など伝動装置112の他の部分の回転に作用するように動作可能である。
【0043】
第2の駆動部165を有する実施形態において、第1の駆動部164による第2の部材162(リングギヤ268)の回転は、たとえば遊星ギヤ262の第2のセットを回転させるなど、第2の駆動部165のための入力を提供し得る。そのような実施形態において、第2の部材162が第2の方向Rに回転することにより、遊星ギヤの第2のセット262の各ギヤは、個々の軸周囲を第2の方向Rに回転する。第2の太陽ギヤ260は、伝達部材252を介して第1の部材160(第1のキャリア248)に連結されることによって回転に対して固定されるので、遊星ギヤの第2のセット262のギヤがそれぞれの軸周囲を第2の方向Rに回転することにより、遊星ギヤの第2のセット262は第2の太陽ギヤ260の周囲を第2の方向Rに回転し、第2の駆動部165の出力を供給する。たとえば、遊星ギヤの第2のセット262が第2の太陽ギヤ260の周囲を第2の方向Rに旋回すると、第2のキャリア264は第2の方向Rに回転する。第2のキャリア264と駆動部材108との係合により、第2のキャリア264が第2の方向Rに回転すると、駆動部材108は第2の方向Rに回転し、たとえば1つの非限定的な例において、ローラチューブ136を第2の方向Rに回転させ、カバー102をローラチューブ136に巻き取るといったように、カバー102を退避させる。ユーザは、カバー102が建築物/特徴に対して所望の位置まで退避(たとえば完全退避、部分的退避など)するまで、たとえば発動行程およびリセット行程を交互に行うなど、ドライブコード334を継続的に操作してよい。所望の位置に至ると、ユーザはドライブコード334を放してよく、その時点で、たとえば後述するようにドライブコード334の停止機構338が下面または係合構造などエンドキャップ408の一部に当接するまで、ばねモータ330による付勢がドライブコード334を操作システム100に向かって引き込んでよい。
【0044】
退避の任意の時点で、ユーザは、たとえばカバー102をローラチューブ136から巻き解くことによって、建築物/特徴をまたぐようにカバー102を拡張するために操作システム100を操作してよい。カバー102を拡張するために、シフタ118は、第1のロック部分380を切離する(たとえば、シフタ118の第1の部分400が第1の部材160を切離する)ための第2の動作位置に配置され得る(図13を参照)。上述したように、シフタ118を第2の動作位置に配置するために、ユーザは、たとえば付勢機構438の付勢などによってシフタ118が第2の動作位置に配置されるまで、ドライブコード334を、たとえば建築物/特徴から離れる方向など操作システム100から離れる方向に動かしてよい。第2の動作位置に位置付けられると、シフタ118は、第1の部材160を切離し、シフタ118の第2の突起406は、後述するように特定の動作ポイントでオーバランニングギヤ386に選択的に係合するようにハウジング104の第2のチャネル部分394内に伸長してよい(図15を参照)。
【0045】
シフタ118が第1の部材160を切離すると、シフタ118もまたオーバランニングギヤ386から切離されてよく、それによってカバー102は、カバー102を拡張するために第2のキャリア264を回転駆動する必要なく、たとえばローラチューブ136が重力によって第1の方向Eに自由に回転することによって、建築物/特徴をまたいで自由に落下する。たとえば、シフタ118が第1の部材160およびオーバランニングギヤ386を切離すると、伝動装置112は自由に回転して駆動部材108を第1の方向Eに回転させてよく、その結果、少なくとも1つの実施形態において、カバー102は、ローラチューブ136から巻き解かれ、建築物/特徴の更に多くの部分を被覆する。たとえば、シフタ118が第1の部材160およびオーバランニングギヤ386を切離すると、第1の部材160(第1のキャリア248)および第2の部材162は、カバー102によって生じる付勢によって第1の方向Eに自由に回転する。たとえば、第2の部材162(リングギヤ268)が第1の方向Eに回転すると、オーバランニングギヤ386は、ハウジング104の第1のチャネル部分392へ移動し、その中で回転してよい(図15を参照)。シフタ118が第2の動作位置に配置された時、ハウジング104の第2のチャネル部分394内にのみ伸長する場合、オーバランニングギヤ386は第1のチャネル部分392内で自由に回転し、その結果、後述するように、たとえばカバー102が第1の位置に配置されるまで第2の部材162が第1の方向Eに自由に回転することを可能にする。シフタ118が第2の動作位置に配置されると、第1の部材160(第1のキャリア248)は第1の方向Eに自由に回転するので、第2の太陽ギヤ260もまた第1の方向Eに自由に回転する。したがって、シフタ118が第2の動作位置に配置されると、第2の駆動部165の3つの主要部品はいずれも回転に対してロックされず、第2の太陽ギヤ260、リングギヤ268、および第2のキャリア264の各々が第1の方向Eに自由に回転することができ、駆動部材108を第1の方向Eに自由に回転させ、建築物/特徴をまたぐようにカバー102を拡張する。
【0046】
カバー102が第1の位置にあり(すなわち拡張および閉鎖され)、シフタ118が第2の動作位置にされると、ユーザは、たとえばドライブコード334を繰り返し操作するなど入力アセンブリ106を操作し、伝動装置112を回転させてカバー102を開放してよい。たとえばユーザは、たとえばドライブコード334を操作システム100から離れ、かつ建築物/特徴から離れる方向に下向きに(たとえば建築物/特徴の平面を横切るように)牽引するなど、第2の方法でドライブコード334を付勢してよい。1つの実施形態において、ドライブコード334は、カバー102を開放するための第2の動作位置にシフタ118を維持するために、カバー102から離れる方向にわずかに斜めに牽引されなければならない。そうではなくドライブコード334が真下に牽引された場合、ドライブコード334はシフタ118を、カバー102を退避させる第1の動作位置へ移動し得る。上述したように、操作システム100から離れる方向にドライブコード334を動かすことにより、ばねモータ330は第1の方向Eに回転し、それによって入力軸332が第1の方向Eに回転して、たとえば第1の太陽ギヤ244を第1の方向Eに回転させるなど、第1の駆動部164のための入力を供給する。第1の太陽ギヤ244が第1の方向Eに回転すると、遊星ギヤの第1のセット246の各ギヤは、個々の軸周囲を第2の方向Rに回転し、遊星ギヤの第1のセット246が自身の軸周囲を第2の方向Rに回転することによって、第2の部材162(リングギヤ268)は第2の方向Rに回転する。そのような実施形態において、第2の部材162が第2の方向Rに回転することによって、オーバランニングギヤ386は、たとえばオーバランニングギヤ386の第1の方向Eへの回転を介して、第1のチャネル部分392からシフタ118と係合するための第2のチャネル部分394へ移動する(図14を参照)。シフタ118とオーバランニングギヤ386とが係合すると、オーバランニングギヤ386の第1の方向Eへの回転が制限されることによって、第2の部材162の第2の方向Rへの回転が制限され得る。
【0047】
第2の部材162(リングギヤ268)が第2の方向Rの回転に対して固定されると、入力アセンブリ106の継続的な作動は、第1の太陽ギヤ244の第1の方向Eへの回転時に遊星ギヤの第1のセット246の各々が個々の軸周囲を第2の方向Rに回転すると同時に、遊星ギヤの第1のセット246を第1の太陽ギヤ244の周囲で第1の方向Eに回転または周回させる。そのような実施形態において、遊星ギヤの第1のセット246の第1の太陽ギヤ244の周囲の旋回運動は、第1の駆動部164の出力を供給し、後述するように、たとえば第2の駆動部165など伝動装置112の他の部分の回転に作用する。
【0048】
第2の駆動部165を有する実施形態において、第1の太陽ギヤ244の周囲の遊星ギヤの第1のセット246の旋回運動は、第2の駆動部165のための入力を供給し得る。たとえば、遊星ギヤの第1のセット246および第2の太陽ギヤ260の動きを結び付ける伝達部材252を含む実施形態において、第1の太陽ギヤ244の周囲の遊星ギヤの第1のセット246の第1の方向Eへの旋回運動は、第2の太陽ギヤ260を第1の方向Eに回転させ、それによって遊星ギヤの第2のセット262の各ギヤを個々の軸に対して第2の方向Rに回転させる。第2の部材162(リングギヤ268)がシフタ118によって第2の方向Rへの回転に対して固定される場合、遊星ギヤの第2のセット262のそれらの個々の軸周囲の第2の方向Rへの回転は、遊星ギヤの第2のセット262を、第2の太陽ギヤ260に対して第1の方向Eに旋回させ、第2の駆動部165の出力を供給する。たとえば、遊星ギヤの第2のセット262が第2の太陽ギヤ260の周囲を第1の方向Eに旋回すると、第2のキャリア264は第1の方向Eに回転する。第2のキャリア264と駆動部材108との係合により、第2のキャリア264の第1の方向Eへの回転は、駆動部材108を第1の方向Eに回転させ、たとえばローラチューブ136を第1の方向Eに回転させてカバー102のベーン122を開放するなど、上述したようにカバー102を開放する。カバー102の開放における精密な制御をもたらすために、伝動装置112は、駆動部材108を第1の方向Eに回転させる比較的高い第1の駆動比を含んでよい。ユーザは、カバー102が所望のとおり開放(たとえば完全開放、部分的開放など)されるまで、たとえば上述した発動行程とリセット行程とを交互に行うなど、ドライブコード334を継続的に操作してよい。
【0049】
カバー102の閉鎖形態への移動は、カバー102の退避に関連して上述したものと概ね同様に実現され得る。具体的には、シフタ118は、シフタ118の第1の部分400が第1の部材160に係合するように第1の動作位置に配置され得る。シフタ118が第1の部材160に係合すると、ユーザは、たとえばドライブコード334を繰り返し作動させるなど入力アセンブリ106を操作し、カバー102の退避に関連して上述したものと同様に駆動部材108を第2の方向Rに回転させてよい。たとえばユーザは、上述した第1の方法でドライブコード334に付勢し、上で詳述したようにばねモータ330および入力軸332を第1の方向Eに回転させ、シフタ118と第1の部材160との係合によって伝動装置112を介して駆動部材108を第2の方向Rに回転させてよい。駆動部材108が第2の方向Rに回転すると、上述したように、たとえばローラチューブ136が第2の方向Rに回転してカバー102のベーン122を閉鎖することによって、カバー102が閉鎖され得る。ユーザは、カバー102が所望のとおりに閉鎖(たとえば完全閉鎖、部分的閉鎖など)するまで、たとえば上述したように発動行程およびリセット行程を交互に行うなど、ドライブコード334を継続的に操作してよい。カバー102が完全に閉鎖すると、カバー102は上述したように退避してよい。
【0050】
カバー102に操作システムを取り付けるために、操作システム100は、カバー102のエンドキャップ408に連結され得る(図1および図2を参照)。たとえば、たとえばハウジング104の第1の半分300など、操作システム100のハウジング104は、複数のファスナ412を用いてエンドキャップ408の内側表面410に固定され得るが、他の適切な締結機構および手段も考えられる。ばねモータ330は、たとえばエンドキャップ408の内側表面410に画定された凹部414内など、エンドキャップ408とハウジング104との間に配置され得る(図2および図7を参照)。固定されると、ばねモータ330の突起344は、たとえばばねモータ330および伝動装置112の回転が同軸上に一致するように、ハウジング104のボス304内に回転可能に配置され得る(図7を参照)。
【0051】
いくつかの実施形態において、エンドキャップ408は、第2の方向Rに回転するようにばねモータ330を付勢することを容易にし得る。たとえば1つの非排他的な実施形態において、タブ436は、ばねモータ330と係合するためにエンドキャップ408の内側表面410から伸長してよい(図2を参照)。タブ436は、上述したばねモータ330の付勢を容易にするためのアンカー点をもたらしてよい。たとえばクロックスプリング337またはねじりばねなどの付勢部材の対向端部が、それぞれタブ436およびばねモータ330に連結され得る。ばねモータ330が第1の方向Eに回転すると、少なくとも上述した目的のために、クロックスプリング337が引っ張られて、第2の方向へ回転するようにばねモータ330を付勢してよい。
【0052】
追加または代替として、エンドキャップ408はいくつかの実施形態において、操作システム100の滑らかな動作を容易にするために方向制御機構110(たとえばシフタ118)と正確に位置を合わせてドライブコード334を配置するように構成され得る。たとえばエンドキャップ408は、エンドキャップ408の底部432付近に開口部430を画定するようにエンドキャップ408の内側表面410から内向きに伸長する(たとえば輪になる)ガイド420を含んでよい(図1を参照)。そのような実施形態において、シフタ118の第1の部分400は開口部430に隣接して配置され、ドライブコード334は開口部430を通って経路を定められ得る(図13を参照)。ガイド420は、開口部430によってドライブコード334がシフタ118を動作位置間で移動することが可能であるようなサイズおよび形状であってよい。操作システム100の所望の審美性を提供するために、ガイド420は下面434を画定してよく、ドライブコード334の停止機構338が下面434と係合してドライブコード334の完全退避位置を画定する。
【0053】
図21図24は、過負荷保護アセンブリまたは機構を組み込む操作システム600、1100、または1600の追加の実施形態を示す。以下に示す説明を除き、操作システム600、1100、1600は、操作システム100および関連する上記説明と同様であり、後述する操作システム600、1100、1600の特徴は、上述した操作システム100の実施形態に追加されてもよく、逆もまた然りである。したがって、特定の例において、類似した特徴は、上記説明および図21図24の観点から当業者には明らかである場合、考察されない。参照を容易にするために、類似した構造は、適切に数が増えた参照番号によって参照される。
【0054】
上述したように、操作システム600は、伝動装置112の過負荷を制限するように構成された、たとえばクラッチ機構460などの過負荷保護アセンブリまたは機構を含んでよい(図21および図22を参照)。たとえば、クラッチ機構460を使用しない場合、入力アセンブリ106による伝動装置112への過大トルク負荷によって、第1および第2の駆動部164、165の少なくとも一部が切離することがあり、これは、伝動装置112に損傷を与え、および/または、少なくとも第1および第2の駆動部164、165が互いに対し過剰に速く動き歯飛びすることによる動作中の不所望のラチェットタイプ音をもたらし得る。後述するように、クラッチ機構460は、過大トルク負荷における伝動装置112の切離が生じる前にスリップするように構成される。
【0055】
図21および図22の実施形態において、クラッチ機構460は、第2のキャリア764の一部に連結(たとえば回転可能に連結)された、たとえば巻きばね462などのばねを含むが、たとえば図23および図24に関連して後述するような他の機構も考えられる。たとえば第2のキャリア764(図21)は、第2の部材662の一端を越えて伸長する円筒軸首464を含んでよく(図21を参照)、巻きばね462は軸首464に回転可能に連結される。そのような実施形態において、駆動部材608は、巻きばね462および第2のキャリア764の軸首464に適合するように細長くあってよい。図示するように、巻きばね462は、それぞれ第1および第2のタング472、474を画定する対向端部468、470を含むばね体466を含んでよい。図示するように、第1および第2のタング472、474は、ばね体466から外側へ向かって伸長する。巻きばね462の内径は、巻きばね462のばね体466と軸首464との間の締り嵌めが生じるように、軸首464の外径よりも小さくてよい。締り嵌めは、第2のキャリア764が巻きばね462の対応する回転をもたらすように構成され得る。後述するように、第2のキャリア764と巻きばね462との間の締り嵌めは、2つの要素間の閾値トルクを上限として支持するように構成され得る。閾値トルクは、たとえばカバー102の特定のサイズ、重量、および/または構成など特定の応用に依存して、約8インチポンド~約12インチポンド(好適には約10インチポンド)であってよい。後述するように、閾値トルクを超過したトルク負荷は、伝動装置112の切離が生じる前に、第2のキャリア764に対して巻きばね462をスリップさせてよい。
【0056】
図22に示す少なくとも1つの実施形態において、巻きばね462は、駆動部材608を回転駆動するように構成され得る。たとえば駆動部材608は、駆動部材608の内部に1または複数の長手方向の空所478を画定する1または複数の内側リブ476を含んでよい。組立て状態において、第1および第2のタング472、474の各々は、第1および第2のタング472、474の間にリブ476の1つが配置されるように、空所478の1つに配置され得る。操作システム600の作動時、第2のキャリア764(図21を参照)は、第2のキャリア264に関して上述したものと同様に、第1の方向Eまたは第2の方向Rのいずれかに回転してよい(図21を参照)。第1の方向Eに回転する場合、第2のキャリア764は、巻きばね462の第1のタング472が駆動部材608のリブ476の1つの側面と係合するように巻きばね462を回転させてよく、その結果、駆動部材608が第1の方向Eに回転する。同様に、第2のキャリア764の第2の方向Rへの回転によって、巻きばね462の第2のタング474がリブ476の対向側面と係合するように巻きばね462が対応して回転してよく、その結果、駆動部材608が第2の方向Rに回転する。第1および第2のタング472、474によって少なくとも1つのリブ476が各側面に設置されるので、駆動部材608は、巻きばね462の回転時のみ回転し得る。たとえば、リブ476のいずれかの側面における第1および第2のタング472、474は、リブ476をいずれかの方向に押し、駆動部材608をいずれかの方向に回転させる。
【0057】
巻きばね462は、過大トルク負荷が生じるまで、駆動部材608を回転駆動してよい。たとえば、カバー102が完全退避または閉位置にある場合、駆動部材608は、たとえば特にカバー102の一部を係合(たとえばボトムレールがヘッドレールに係合)することなどによって、第2の方向Rへの更なる回転から効果的にロックされ得る。同様に、カバー102が完全拡張または開位置にある場合、たとえばリミットストップまたは他の機構などを介して、駆動部材608の第1の方向Eへの更なる回転は制限され得る。そのような実施形態において、第2および第1の方向R、Eそれぞれへの第2のキャリア764の継続的回転は、第2のキャリア764と巻きばね462との間のトルク負荷がそれらの間の締り嵌めによって支持される閾値トルクを超える原因になり得る。閾値トルクを超えると、巻きばね462は、上述した目的のために第2のキャリア764に対してスリップする。
【0058】
いくつかの実施形態において、操作システム600を特定の要件のカバー102に合わせるために、閾値トルクは調整可能であってよい。たとえば限定はされないが、クラッチ機構460は、たとえば第2のキャリア764の軸首464に螺合されるなど、第2のキャリア764に調整可能に連結された調整可能ネジ480を含んでよい(図21を参照)。そのような実施形態において、調整可能ネジ480は、軸首464の外径を制御するように構成され得る。たとえば、調整可能ネジ480の1方向への回転は、軸首464の径を増加させ、軸首464と巻きばね462との間の閾値トルクを増加させることによって、より高い負荷に対するスリップを制限し得る。同様に、調整可能ネジ480の反対方向への回転は、軸首464の径を低減し、軸首464と巻きばね462との間の閾値トルクを低減することによって、より軽い負荷でスリップを生じさせ得る。追加または代替として、閾値トルクは、巻きばね462の変更または適合された選択によって調整されてもよい。たとえば閾値トルクは、軸首464の周囲に配置されたばね体466の巻き数またはサイズに基づいて調整され得る。
【0059】
図23を参照すると、操作システム1100は、過大トルク負荷の下で伝送装置112の切離が生じる前に操作システム1100の一部がスリップすることを可能にする、上述した操作システム600と同様であってよい。1つの実施形態において、操作システム1100は、たとえば駆動部材1108に連結されたラチェット機構482を介して第2のキャリア1264に連結された、たとえば弦巻ばね962などのばねを有するクラッチ機構960を含む。ラチェット機構482は、駆動部材1108に滑動可能に連結され、第2のキャリア1264に対し近付くおよび遠ざかる方向に選択的に移動可能であってよい。そのような実施形態において、ばね962は、ラチェット機構482を第2のキャリア1264に付勢するように、駆動部材1108とラチェット機構482の少なくとも一部との間に配置され得る。第2のキャリア1264に対する駆動機構1108の所望の「スリップ」をもたらすために、第2のキャリア1264およびラチェット機構482の各々は、それぞれ、互いに噛合い係合する複数の歯484、486を含んでよい。通常動作時、ばね962は、たとえばラチェット機構482を第2のキャリア1264に付勢することによって、歯484、486が係合するように付勢してよい。たとえば駆動部材1108が回転に対して効果的にロックされた場合など、過負荷において、駆動部材1108に対する第2のキャリア1264の回転は、たとえば第2のキャリア1264がラチェット機構482に対して回転するとラチェット機構482の歯486に第2のキャリア1264の歯484を登らせることによって、ラチェット機構482を第2のキャリア1264から離れる方向に動かす。いくつかの実施形態において、歯484、486は、第2のキャリア1264がラチェット機構482に対して1方向に(たとえば第1の方向Eに)回転する場合のみクラッチ機構960がスリップするように付勢され得る。上述したクラッチ機構460と同様、ばね962は、第2のキャリア1264およびラチェット機構482が互いに対してスリップする閾値トルクを調整するようなサイズおよび形状であってよい。たとえば、より硬いばねはより高い負荷に対するスリップを制限し得る。同様に、より柔らかいばねは、より軽い負荷でスリップを生じさせ得る。
【0060】
図24を参照すると、操作システム1600は、上述した操作システム600および1100と同様であってよく、過大トルク負荷の下で伝動装置112の切離が生じる前に操作システム1600の一部がスリップすることを可能にする。特に、操作システム1600は、たとえば駆動部材1608に連結されたラチェット機構982を介して第2のキャリア1764の周囲に連結された、たとえば帯状ばね1462などのばねを有するクラッチ機構1460を含む。複数のコレットフィンガ490を含み得るラチェット機構982は、選択的に第2のキャリア1764から離れるように拡張またはそれに向かって収縮するように駆動部材1608に対して弾性撓みし得る。そのような実施形態において、帯状ばね1462は、コレットフィンガ490を第2のキャリア1764に付勢するためにコレットフィンガ490の周囲に配置され得る。第2のキャリア1764に対する駆動部材1608の所望の「スリップ」をもたらすために、第2のキャリア1764およびラチェット部材982(すなわちコレットフィンガ490)の各々は、それぞれ、互いに噛合い係合する複数の歯984、986を含んでよい。通常動作時、帯状ばね1462は、たとえばコレットフィンガ490を第2のキャリア1764に付勢することによって、歯984、986が係合するように付勢してよい。たとえば駆動部材1608が回転に対して効果的にロックされた場合などの過負荷において、第2のキャリア1764の駆動部材1608に対する回転は、たとえば第2のキャリア1764がコレットフィンガ490に対して回転すると同時にコレットフィンガ490の歯986に第2のキャリア1764の歯984を登らせることによって、コレットフィンガ490を第2のキャリア1764から離れる方向に動かす。いくつかの実施形態において、歯984、986は、第2のキャリア1764がコレットフィンガ490に対して1方向に(たとえば第1の方向Eに)回転する場合のみ、クラッチ機構1460がスリップするように付勢され得る。帯状ばね1462は、第2のキャリア1764およびラチェット機構982が互いに対してスリップする閾値トルクを調整するようなサイズおよび形状であってよい。たとえば、より硬いばねは、より高い負荷に対するスリップを制限し得る。同様に、より柔らかいばねは、軽い負荷でスリップを生じさせ得る。ラチェット機構482、982は図23および図24において、第2のキャリア1264、1764が1方向に回転する場合のみスリップするように示されるが、ラチェット機構482、982および/または第2のキャリア1264、1764は、第2のキャリア1264、1764の任意の回転方向において「スリップ」が生じるように構成されてもよい。たとえば歯484、486、984、986は、歯面または歯幅にわたって略対称であってよい。
【0061】
図35は、過負荷保護アセンブリまたは機構を組み込む操作システム2600の追加の実施形態を示す。以下に示す説明以外、操作システム2600は上述した操作システム100、600、1100、1600およびそれらに関連した上記説明と同様である。また、後述する操作システム2600の特徴は、上述した操作システム100、600、1100、1600の実施形態に組み込まれてよく、逆もまた然りである。したがって、特定の例において、上記説明および図35の観点から当業者には明らかである場合、同様の特徴の説明は考察されない。参照を容易にするために、同様の構造は、適切に数を増やされた参照番号によって参照される。
【0062】
上述したように、操作システム2600は、伝動装置112(たとえば図2を参照)の過負荷を制限するように構成された、たとえばクラッチ機構2460などの過負荷保護アセンブリまたは機構を含んでよい。たとえば、クラッチ機構2460を使用しない場合、入力アセンブリ106を介して伝動装置112に付与された過大トルク負荷は、第1および第2の駆動部164、165(たとえば図2を参照)の少なくとも一部を切離させ、それによって伝動装置112に損傷を与え、および/または第1および第2の駆動部が互いに過剰に速く動き歯飛びすることによる動作中の不所望のラチェットタイプ音を生じ得る。後述するように、クラッチ機構2460は、過大トルク負荷の下で伝動装置112の切離が生じる前にスリップするように構成され、それによって上述した損傷および誤動作を防止する。
【0063】
図35の実施形態において、クラッチ機構2460は、たとえば第2のキャリア264(たとえば図2を参照)などの第2のキャリアの一部に連結(たとえば圧入)されたスリップクラッチ2462の形状であってよいが、他の機構も考えられる。たとえば第2のキャリア264は、第2のキャリア264の一端に形成された開口部2470を含んでよい。そのような実施形態において、駆動部材608は、スリップクラッチ2462および第2のキャリア264を越えて伸長してよい。図示したように、スリップクラッチ2462は、第1の本体部分2464および第2の本体部分2466を含んでよい。第1の本体部分2466の一部は、第2のキャリア264の開口部2740内に受け入れられるサイズおよび構成であってよい。第2の本体部分2466は、駆動部材608に連結(たとえば圧入)するために形成された複数のリッジ2468を含んでよい。いくつかの実施形態において、リッジ2468は、駆動部材608に形成された対応する形状の凹部を係合し、あるいは、スリップクラッチ2462の第2の本体部分2466を受け入れるための駆動部材608の開口部に設けられたリッジ(不図示)と噛み合う。
【0064】
使用中、スリップクラッチ2462の第1および第2の本体部分2464、2466は、第1および第2の本体部分2464、2466の間に閾値トルクがもたらされるまで共に回転するように適合および構成される。したがって、閾値トルクを下回ると、入力アセンブリ106を介して第2のキャリア264に付与されたトルクが、スリップクラッチ2462を介して駆動部材608に伝搬する。閾値トルクを超過したトルク負荷は、スリップクラッチ2462をスリップさせ得る。すなわち、閾値トルクを超過したトルク負荷は、第2の本体部分2466とは無関係に第1の本体部分2464を回転させてよく、逆もまた然りである。そのようにして、加えられたトルクが閾値トルクを下回ると、入力アセンブリ106によって供給されたトルクが操作システムを回転させ、それによって第1および第2の本体部分2464、2466を調和して回転させることによって、駆動部材608を回転させる。しかし、閾値トルクがもたらされると(たとえば付与されたトルクが閾値トルク以上であった場合)、操作システムの回転は駆動部材608に伝達されない(たとえば、スリップクラッチ2462の第1の本体部分2464の回転は、スリップクラッチの第2の本体部分2466に伝達されない)。
【0065】
具体的には、操作システム2600の作動時、第2のキャリア264は、上述したものと同じように第1の方向Eまたは第2の方向Rのいずれかへ回転してよい。第1の方向Eに回転する場合、第2のキャリア264は、スリップクラッチ2462(たとえば第1および第2の本体部分2464、2466)を回転させ、それによって駆動部材608を第1の方向Eに回転させ得る。同様に、第2のキャリア264の第2の方向Rへの回転は、スリップクラッチ2462(たとえば第1および第2の本体部分2464、2466)を対応して回転させ、それによって駆動部材608を第2の方向Rに回転させ得る。すなわち、供給されたトルク負荷が閾値トルク負荷を下回る場合、スリップクラッチ2462の第1および第2の本体部分2464、2466は調和して回転し、第2のキャリア264の回転が駆動部材608に伝達され、逆もまた然りである。
【0066】
このように構成され、スリップクラッチ2462(たとえば第1および第2の本体部分2464、2466)は、過大なトルク負荷が生じるまで駆動部材608を回転駆動してよい。たとえば上述したように、カバー102が完全に退避または閉位置にある時、駆動部材608は、たとえば特にカバー102の一部を係合(たとえばボトムレールがヘッドレールに係合)することなどによって、第2の方向Rへの更なる回転から効果的にロックされ得る。同様に、カバー102が完全拡張または開位置にある時、たとえばリミットストップまたは他の機構を介して駆動部材608の第1の方向Eへの更なる回転が制限され得る。そのような例において、ユーザによる入力アセンブリ106の作動は、それぞれ第2または第1の方向R、Eへ第2のキャリア264を回転させ、それによって、第2の本体部分2466は駆動部材608との相互作用によって静止状態で保持されるので、第1および第2の本体部分2464、2466の間のトルク負荷は、スリップクラッチ2462によって支持される閾値トルクを上回る。閾値トルクを超えると、スリップクラッチ2462はスリップする(たとえば、第1の本体部分2464の回転は第2の本体部分2466に伝達されず、逆もまた然りである)。そうすることで、第2のキャリア264の回転は、駆動部材608に伝達されず、逆もまた然りである。
【0067】
非限定的な実施形態例において、閾値トルクは約13インチポンドであってよいが、これは、たとえば特定のサイズ、重量、および/またはカバーの構成など特定の応用に依存して変化してよい。また、スリップクラッチ2462と駆動部材608との間のギヤ比を制御することによって、たとえば速度比、機械的利点など、建築物カバーおよび/または操作システムの他の態様が制御され得る。スリップクラッチ2462は、現在知られている、または今後開発される任意のスリップクラッチであってよい。1つの実施形態において、スリップクラッチ2462は、Reell Precision Manufacturing社によって販売されるTI‐300シリーズのトルクインサートであってよい。
【0068】
理解されるように、上述した実施形態の少なくともいくつかは、説明された操作システム100の操作者またはユーザがドライブコード334を引っ張り、たとえば1回の牽引など最小限の労力でカバー102を拡張形態に動かすことを可能にする。ドライブコード334が自動的に隔絶位置へ退避する実施形態において、操作者がシフタ118を、カバー102の自然落下特徴をもたらす第2の動作位置へ配置し、その後タッチポイント(たとえば棒またはハンドル340)を放した場合、タッチポイントが過剰に速く引き込まれ、シフタ118を、自然落下特徴をもたらすための動作位置から他の動作モードで操作システム100を操作するための位置へ意図せず移動することがある。本出願の他の個別の独立した態様によると、操作システム100の動作を1つの動作モードから他の動作モードへシフトするためのシフタ118または操作システム100の他の構成要素の位置を維持するために、シフトロック特徴または機構(以下、限定する意図を伴わず便宜上「シフトロック」とする)が設けられる。そのようなシフトロックは、自然落下特徴をもたらす上述した操作システム100または複数の動作モードを有する他の操作システムと共に使用され得る。特に、そのようなシフトロックは、所望の動作位置から意図せずシフタ118を移動させ得る自動退避構成要素を有する操作システム100と共に有利に使用され得る。
【0069】
シフトロックの1つの態様は、シフタの動作位置の少なくとも1つにおいてシフタ118の動きの選択的な制限をもたらす。たとえば、建築物カバー102が所望の方向に動く間、所望の動きがもたらされるようにシフタ118の動きを制限することが一般に望まれ得る。特に、操作者によって最小限の労力で所望の動きが実現される場合、カバー102の動きは、そのような動きの開始後、妨害されずに完了することが特に望ましい。1つの実施形態において、シフトロックは、シフタ118が選択された動作位置に移動するとシフタ118の動きを制限する。たとえば、タッチポイントが、1つのモードにおける動作のためにほぼ垂直に動かされ、他のモードにおける動作のためにほぼ操作者に向かって(カバー102から離れるように斜めに)動かされる操作システムにおいて、シフトロックは、少なくともその選択された位置において選択された動作が完了するまで、シフタ118が位置の1つに留まるように制限する。たとえば上述したように、カバー102を拡張構成に解放するためのタッチポイントの動きは、カバー102から離れる方向にタッチポイントを動かすことを伴い、本開示に係るシフトロックは、カバー102が完全に拡張するまで、カバー102を拡張構成に解放するための位置にシフタ118を維持してよい。
【0070】
シフトロックの1つの態様によると、シフタ118の所望の制限がもたらされると、シフトロックは、シフタ118の自由または無制限な動きを可能にするために解放されてよく、または、異なる動作モードのための異なる位置でシフタ118の動きを制限する他の位置へ移動してよい。たとえば、カバー102が建築物/特徴をまたいで拡張されると、たとえば特にカバー102の開放および/またはカバー102の退避など異なる動作モードでカバー102を操作するための他の動作位置にシフタ118を移動することができるように、シフトロックは解除され得る。たとえばカバー102が建築物/特徴をまたいで所望の量だけ拡張(たとえば完全に拡張、部分的に拡張など)されると、シフタ118が第2の動作位置から第1の動作位置へ動かされることができるようにシフトロックが解除され得る。シフトロックが解除されると、シフタ118は、第1および第2の動作位置間で無制限に動かされ得る。
【0071】
本開示の原理に従って形成されるシフトロックは、溝または軌道またはトラック(以下、限定する意図を伴わず簡略化のために「溝」とする)内で動く可動要素を有する選択的ベアリングを含んでよい。移動制限位置において、ベアリングは、シフタが選択された動作位置外へ移動する動きを妨害するように構成された障害要素として機能する。1つの実施形態において、障害要素は、シフタと、たとえばエンドキャップなど(障害要素がシフタの動きを妨害しない場合)シフタがそれに対して動くはずの要素など他の要素とにわたって架橋する要素である。たとえば障害要素は、ボール、ドーナツ形部材、または、シフタのエンドキャップに対する動きを選択的に制限するためにシフタとエンドキャップとの間に伸長するように構成された他の任意の適切な要素であってよい。
【0072】
操作要素は、可動要素を(たとえば自動的に)制限位置に移動し、操作要素が、異なる動作をもたらす異なる方向に移動されるまでシフタをそのような位置に保持し得る。たとえば引込み可能ドライブコードは、シフタが拡張モードから移動しないようにシフタの移動を制限する第1の位置に可動要素を引き入れてよい。ドライブコードは、異なるモードで操作要素を操作するための第2の異なる方向へ動かされ、シフトロックを第2の構成に動かしてよい。1つの実施形態において、ドライブコードの第2の方向への動きは、シフトロックの可動要素を第2の構成または位置へ動かす。1つの実施形態において、シフトロックが第2の構成にある時、(シフタが、操作システムを第2の動作モードで操作する位置に留まるように制限される、上述した第1の構成とは対照的に)シフタは複数の方向へ自由に動く。シフトロックがトラック内に可動要素を含む実施形態において、トラックは、シフタの移動および/またはドライブコードの動きを可動要素に妨害させないように構成され得る。
【0073】
理解されるように、そのようなシフトロックを有する操作システムの操作者は、操作者によるドライブコードの動きが障害要素を移動制限位置に配置した場合、操作者が長時間シフタを保持することを望まず、操作者がシフタを放した後、所望の動作を完了するためにシフタを留まらせようとする動作モードで動作するための位置にシフタが移動するので、シフトロックの動作に全く気付かないことがある。1つの実施形態において、シフトロックの移動制限位置への配置は、付随する動作モード位置にシフタを移動するとほぼ自動的に生じると考えられ得る。また、1つの実施形態において、異なる動作モードで動作するようにシフタを移動することによって、操作者による別の意図的な入力なしで、シフトロックが異なる位置へ移動し得る。
【0074】
図25図32は、シフトロック特徴または機構(以下、限定する意図を伴わず簡略化のために「シフトロック」とする)を含む操作システム2100の実施形態を示す。以下に示す説明以外、操作システム2100は、操作システム100、600、1100、1600、2600、およびそれらに関連する上記説明と同様であり、後述する操作システム2100の特徴は、上述した操作システム100、600、1100、1600、2600の実施形態に追加されてよく、逆もまた然りである。したがって、特定の例において、同様の特徴の説明は、それらが当業者には明らかである場合、考察されない。参照を容易にするために、同様の構造は、適切に数を増やされた参照番号によって表される。
【0075】
上述したように、図25図32に示す操作システム2100は、たとえば選択された動作位置から、操作システム2100が異なる動作モードで動作する異なる位置へのシフタ2118の不所望の移動を制限するなど、シフタ2118の動作位置間での意図しない移動(たとえばシフト)を制限するように構成された、たとえばシフトロックアセンブリ500などのシフトロックを含む。たとえばシフトロックは、ユーザ入力を必要としない動作モード(たとえば自然落下モード)からユーザ入力を必要とするモードへの操作システム2100の意図しないシフトを制限してよい。1つの実施形態において、シフトロックは、カバー102の動作中におけるシフタ2118の第2の動作位置から第1の動作位置への意図しない移動を制限してよい。たとえば、ハンドル2340の揺れ動きによって、シフタ2118は、第2の動作位置から第1の動作位置へ意図せず動くことがある。ハンドル2340の揺れ動きは、ユーザがシフタ2118を(たとえばカバー102の自然落下特徴をもたらすために)第2の動作位置に配置した後、ドライブコード2334および/またはハンドル2340を(意図せず、あるいは他の理由で)放すことによって生じ得る。いくつかの実施形態において、ハンドル2340の揺れ動きは、ばねモータ2330を介したハンドル2340のエンドキャップ2408の方への自動退避によって大きくなり得る。シフタ2118を動作位置間でシフトすることが望まれる場合、後述するように、ユーザは、シフタ2118のシフトが可能になるようにシフトロックアセンブリ500を操作してよい。
【0076】
図25図32を参照すると、シフトロックアセンブリ500は、シフタ2118、エンドキャップ2408、およびシフタ2118およびエンドキャップ2408を選択的ロック構成に係合するように配置された障害要素510を含む。後述するように、シフトロックアセンブリ500は、たとえば障害要素510を介して、エンドキャップ2408に対するシフタ2118の移動を制限し、シフタ2118の動作位置間での意図しないシフトを制限するように動作可能である。たとえば障害要素510は、シフタ2118のエンドキャップ2408に対する動き(たとえばシフタ2118の横滑動または枢動運動)を選択的に制限するために、シフタ2118とエンドキャップ2408との間に選択的な障害をもたらすように構成され得る。障害要素510は、球形、円環(ドーナツ形)、円筒形、多面形などを含むがこれに限定されない概ね任意の形態または形状であってよい。そのため、障害要素510は、ボールベアリング、円筒形棒、または他の任意の市販またはカスタム設計部材であってよい。
【0077】
シフタ2118は、障害要素510の少なくとも一部を受け入れる(図30および図31を参照)ように内部に画定されたチャネル520を含んでよい(図26を参照)。図26に示すように、チャネル520は、たとえば第1の突起部2404に隣接して、シフタ2118の第1の部分2400に画定され得るが、チャネル520は、シフタ2118の他の部分(たとえば第2の部分2402内)に画定されてもよい。チャネル520は、上壁522と下壁524との間に画定された長さ、および対向する側壁526の間に画定された横幅を含んでよい。ドライブコード2334は、シフタ2118内のチャネル520を通って経路を定められ得る(たとえば図30および図31を参照)。たとえばドライブコード2334は、上壁522、チャネル520、および下壁524を通って経路を定められ得る(図31を参照)。そのような実施形態において、チャネル520は、チャネル520の(たとえば上壁522と下壁524との間の)長さに沿った障害要素510の移動を可能にすると同時に、チャネル520の幅に沿った障害要素510の移動を制限するような寸法であってよい。たとえばチャネル520の幅は、障害要素510の移動をチャネル520の長さ方向のみに制限するために、障害要素510の幅とほぼ一致するような寸法であってよい。
【0078】
以下で詳述するように、チャネル520は、シフタ2118のエンドキャップ2408に対する移動を選択的に制限するために、その中での障害要素510の選択的な移動を可能にする寸法であってよい。たとえば、チャネル520の第1の位置528(図26を参照)へ(たとえばチャネル520の下部へ)の障害要素510の移動は、シフタ2118のエンドキャップ2408に対する移動を可能にしてよい(図27および28を参照)。逆に、チャネル520の第2の位置530(図26を参照)へ(たとえばチャネル520の上部へ)の障害要素510の移動は、後述するように(図29を参照)、シフタ2118のエンドキャップ2408に対する移動を制限してよい。
【0079】
図25に示すように、トラック540は、障害要素510の少なくとも一部を受け入れるように、たとえばエンドキャップ2408の内側表面2410などエンドキャップ2408に画定され得る。トラック540は、第1のトラック部分542および第2のトラック部分544を含んでよい。特定の用途に依存して、第1および第2のトラック部分542、544は、互いに対して様々な角度で伸長してよい。1つの実施形態において、第1および第2のトラック部分542、544は、それらの間に壁546を画定するように互いに対して配向され得る。たとえば第1および第2のトラック部分542、544は、特にV字形トラック、U字形トラックを画定するように互いに対して鋭角に伸長してよく、壁546が第1および第2のトラック部分542、544の間に画定される。後述するように、第1のトラック部分542内での障害要素510の選択的配置は、シフタ2118のエンドキャップ2408に対する移動を可能にしてよい。逆に、第2のトラック部分544内での障害要素510の選択的配置は、シフタ2118のエンドキャップ2408に対する移動を制限してよい。1つの実施形態において、トラック540は、たとえば内側表面2410とガイド2420との間に画定された開口部2430の上など、ガイド2420に隣接したエンドキャップ2408の内側表面2410に画定され得る。
【0080】
図31に示すように、操作システム2100が動作するために組み立てられると、障害要素510は、シフタ2118のエンドキャップ2408に対する移動を選択的に妨げるために、たとえばシフタ2118とエンドキャップ2408との間に伸長するなど、少なくとも部分的にシフタ2118とエンドキャップ2408との間に配置され得る。好適な実施形態において、障害要素510は、シフタ2118内に画定されるチャネル520内に少なくとも一部が、かつエンドキャップ内に画定されるトラック540内に少なくとも一部が配置される。障害要素510の様々な部分がチャネル520およびトラック540内に配置され得る。たとえば1つの実施形態において、障害要素510の約1/2がチャネル520内に配置され、障害要素510の約1/2がトラック540内に配置され得るが、他の構成も考えられる。たとえば、障害要素510の更に多くの部分が、チャネル520およびトラック540の1つに(たとえばトラック540内に多くの部分が、またはその逆に)配置されてもよい。追加または代替として、障害要素510の1/2未満がチャネル520内に配置され、障害要素510の1/2未満がトラック540内に配置されてもよい。ただし、上記実施形態の各々において、シフタ2118のエンドキャップ2408に対するたとえば横滑動などの相対運動は、チャネル520およびトラック540の両方に障害要素510の一部を配置することによって制限され得る。たとえばシフタ2118のエンドキャップ2408に対する動きは、以下で詳述するように、それぞれチャネル520およびトラック540を画定するシフタ2118およびエンドキャップ2408の一部と障害要素510との係合によって制限され得る。
【0081】
トラック540およびチャネル520内での障害要素510の移動は、ドライブコード2334を介して制御され得る。たとえば、ドライブコード2334は、ドライブコード2334の動きによって障害要素510が移動するようにシフタ2118のチャネル520内に経路を定められ得る。ドライブコード2334は、ドライブコード2334と障害要素510との間の摩擦係合を介して障害要素510を動かしてよい。ドライブコード2334は、ドライブコード2334と障害要素510との間にある程度の摩擦係合をもたらすために、障害要素510を通って、または障害要素510に隣接して伸長するように経路を定められ得る。たとえば、障害要素510がボールベアリングである実施形態において、ドライブコード2334は、障害要素510に沿って湾曲するように経路を定められ得る(図31を参照)。障害要素510が環状(たとえばドーナツ形またはトロイド)である実施形態において、ドライブコード2334は、障害要素510を通って経路を定められ得る(図33および図34を参照)。環状実施形態においてドライブコード2334と障害要素510との間の摩擦係合を増加するために、障害要素510は、ドライブコード2334が障害要素510を通って障害要素510の下部に沿って経路を定められ、その後障害要素510の上部の反対側に沿って経路を定められるようにドライブコード2334の長手方向軸を横切って配向され、ドライブコード2334と障害要素510との間に所望の摩擦係合をもたらしてよい。本明細書で説明される実施形態の各々において、ドライブコード2334と障害要素510との間の摩擦係合は、ドライブコード2334が障害要素510の表面に対して滑動または摩擦することによってドライブコード2334が動く方向にチャネル520内で障害要素510を動かすために十分である。たとえば、ドライブコード2334の下向きの動きによって障害要素510は下方へ移動する。逆に、ドライブコード2334の上向きの動きによって障害要素510は上方へ移動する。
【0082】
いくつかの実施形態において、シフタ2118、ドライブコード2334、障害要素510、およびエンドキャップ2408の間の許容差は、要素間の締り嵌めをもたらす程度であってよい。たとえば、チャネル520およびトラック540は、ドライブコード2334がシフタ2118と障害要素510との間で部分的に圧縮されるような寸法であってよい。そのような要素間の締り嵌めは、たとえば以下で詳述するようにドライブコード2334の動きがない時、たとえばエンドキャップ2408に対するシフタ2118の移動をロックする位置などのセット位置に障害要素510が留まることを容易にし得る。
【0083】
トラック540の一部は、要素間の締り嵌めを低減するような寸法であってよい。たとえばドウェル548は、第1のトラック部分542の一部として(たとえば第1のトラック部分542の終端部として)形成されてよく、障害要素510がドウェル548内に配置されると障害要素510に対するドライブコード2334の動きを可能にするような寸法であってよい(図25および図27を参照)。たとえば、限定ではないが、ドウェル548は、障害要素510がドウェル548内に配置されると障害要素510とドライブコード2334との間の摩擦係合を低減するように、たとえばエンドキャップ2408の内側表面2410内により大きい深さ、幅、または面積を含むなど、トラック540の他の部分よりも大きなサイズであってよい。そのような構成によって、ドライブコード2334は、ドライブコード2334と障害要素510との結合を制限するために障害要素510に対して概ね自由に移動することができ、これは、カバー102の(たとえばカバー102の退避中の)幾度も繰り返される粗く制御された動きにおいて有益になり得る。
【0084】
シフトロックアセンブリ500の動作が図27図29を参照して詳しく説明される。図27を参照すると、シフタ2118が、ドライブコード2334の作動時にカバー102の退避を可能にする第1の動作位置に配置されると、障害要素510は、たとえばドウェル548内など第1のトラック部分542内に配置され得る。本開示の1つの態様によると、ドウェル548は、ドライブコード2334がカバー102を退避させるために上下に動くと同時に障害要素510が動くための空間を提供する。たとえばドウェル548は、ドライブコード2334が、障害要素510によって妨害されずにシフタ2118のチャネル520内で上下に動くことができるようなサイズおよび形状であってよい。第1のトラック部分542は、シフタ2118が第1の動作位置(図27を参照)から第2の動作位置(図28および図29を参照)へ移動すると同時に障害要素510が第1のトラック部分542内で動くことができるように、シフタ2118に対して斜めに伸長してよい。たとえば第1のトラック部分542は、シフタ2118が第1および第2の動作位置間で移動するときに障害要素510によって画定される円弧角を辿るように設計され得る。このように、シフトロックアセンブリ500は、シフタ2118が第1の動作位置から第2の動作位置へ自由に移動することを可能にしてよい。
【0085】
シフタ2118を第2の動作位置へ移動するために、ユーザは、たとえばハンドル2340などを介してドライブコード2334を操作システム2100から離れる方向に(たとえばユーザの方へ)牽引してよく、それによって、シフタ2118が第2の動作位置に位置付けられるまで、シフタ2118の第1の部分2400を伝動装置2112から離れる方向へ動かす。シフタ2118の第1の動作位置から第2の動作位置への移動によって、ドライブコード2334のある長さがチャネル520を通して牽引され、それによってばねモータ2330が回転し、その結果シフタ2118を通してドライブコード2334の長さを再び引き込むようにばねモータ2330に付勢が生じる。
【0086】
シフタ2118の第2の動作位置への移動中、障害要素510はトラック540の第1のトラック部分542から第2のトラック部分544へ移動し、障害要素510はチャネル520の第1の部分528に配置される(図28を参照)。ユーザはその後、ハンドル2340を放すか、あるいはドライブコード2334をばねモータ2330に向かって動かし、シフタ2118を第1の動作位置から第2の動作位置へシフトする時にチャネル520を通って牽引されたドライブコード2334の長さを、チャネル520を通して引き込んでよい。ドライブコード2334と障害要素510との間の摩擦係合により、ばねモータ2330の付勢下におけるチャネル520を通したドライブコード2334の引込みは、障害要素510を、チャネル520内の第1の位置528からチャネル520内の第2の位置530へ(たとえば上向きに)移動させる(図29を参照)。上述したように、障害要素510とドライブコード2334との間の締り嵌めによって、障害要素510は、たとえばドライブコード2334の対応する下向きの動きを伴わずにチャネル520内の第1の位置528に向かう障害要素510の移動を妨げる障害要素510とドライブコード2334との間の摩擦を介して、ドライブコード2334が引き込まれる時、シフタ2118のチャネル520内の第2の位置530に留まる。ユーザがカバー102を開放するために伝動装置2112を発動行程とリセット行程との間でサイクルさせると、ドライブコード2334がチャネル520内で上下に動くと同時に、障害要素510は、エンドキャップ2408の第2のトラック部分544内およびシフタ2118のチャネル520内で上下に動いてよい。シフタ2118が第2の動作位置に配置されると、シフタ2118の第2の動作位置外への意図しないシフトを制限するために、シフタ2118のチャネル520はエンドキャップ2408の第2のトラック部分544と(たとえば平行に)位置を合わせられ得る。1つの実施形態において、チャネル520と第2のトラック部分544との平行配向は、ユーザが、たとえばカバー102を開放するため、および/または後述するようにシフタ2118を第1の動作位置へ移動するためにドライブコード2334を動かす時、第2のトラック部分544およびチャネル520内での障害要素510の上下の動きを容易にし得る。
【0087】
障害要素510がエンドキャップ2408の第2のトラック部分544およびチャネル520内の第2の位置530に配置されると、シフタ2118は、エンドキャップ2408に対して第1の動作位置の方へ移動することを制限される。具体的には、制限壁546は、障害要素510がチャネル520およびトラック540に対して横方向に動くことを制限することによって、エンドキャップ2408に対するシフタ2118の移動を制限する(たとえば図29を参照)。たとえば制限壁546は、障害要素510が、シフタ2118が第2の動作位置から第1の動作位置への移動中に通る弧に沿って動くことを防いでよい。このように、シフトロックアセンブリ500は、障害要素510がエンドキャップ2408の第2のトラック部分544およびチャネル520内の第2の位置530に配置されると、シフタ2118の意図しないシフトを制限するように動作可能である。そうすることで、シフトロックアセンブリ500は、コードが、たとえばばねモータ2330の退避付勢下において上向きに、操作システム2100に向かって動く(または動かされる)時にシフタ2118のシフトを制限するように動作可能である。そのような構成は、ユーザが、たとえばシフタ2118を第2の動作位置に移動(たとえばクリック)し、カバー102が建築物/特徴をまたいで重力落下する間にカバー102から歩み去るなど、操作システム2100に入力を提供していない時に、シフタ2118のシフトを防止するために有利であり得る。
【0088】
シフタ2118を第1の動作位置へ移動するために、障害要素510は、エンドキャップ2408の第1のトラック部分542に配置される。たとえばユーザは、ドライブコード2334を、たとえばハンドル2340などを介して操作システム2100に向かって(たとえばユーザから離れる方向に)動かす。1つの実施形態において、シフタ2118を第1の動作位置へシフトするためのドライブコード2334の動きによって、ドライブコード2334のある長さがチャネル520を通して牽引され、それによって障害要素510をチャネル520内の第2の位置530からチャネル520内の第1の位置528へ移動する。障害要素510がチャネル520内の第1の位置528に配置されると、障害要素510とトラック540との間の干渉が低減または除去され(たとえば障害要素510が制限壁546を通過し)、障害要素510は第1のトラック部分542内で移動することができる。たとえば、ドライブコード2334の移動を介して障害要素510がチャネル520の第1の位置528に配置されると、障害要素510は第2のトラック部分544から第1のトラック部分542のドウェル548に向かって第1のトラック部分542内で自由に移動してよく、シフタ2118は、シフタ2118の第1の部分2400を伝動装置2112の方へ向けるシフタ2118におけるドライブコード2334の横方向付勢下において第1の動作位置の方へ移動することができる。このように、シフタ2118は、障害要素510が第1のトラック部分542内に配置されると、エンドキャップ2408に対して動いてよい。障害要素510がドウェル548内に配置されると、ドライブコード2334は、ユーザがカバー102を退避させるために伝動装置2112を発動行程とリセット行程との間でサイクルさせる時、シフタ2118のチャネル520内で比較的自由に動いてよい。
【0089】
障害要素510が制限壁546を「登り」、トラック540外へ移動することを防ぐために、エンドキャップ2408は、シフタ2118(たとえばシフタの端部)がエンドキャップ2408の内側表面2410から離れる方向に移動することを防ぐガイド2420を含んでよい(図31を参照)。たとえばガイド2420は、第1および第2の動作位置間でのシフタ2118の移動中にこれを支持するためのベールとして画定され得る(図30を参照)。第1および第2の動作位置の各々(およびそれらの間の任意の位置)においてシフタ2118を支持するために、ガイド2420は、第1および第2の動作位置間でのシフタ2118の端部の移動によって画定される弧に合致するような形状(たとえばアーチ状)であってよい。
【0090】
操作システム100、600、1100、1600、2100、または2600およびその構成要素は、概ね任意の種類の材料で構成され得る。たとえば操作システム100、600、1100、1600、2100、または2600の構成要素の各々は、金属、セラミック、プラスティック、および/または他の適切な材料を含む天然材料および/または合成材料から構成または形成され得る。プラスティック材料は特に、熱可塑性材料(自己補強型または繊維補強型)、ABS、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリスチレン、PVC、ポリアミド、またはPTFEを含んでよい。操作システム、100、600、1100、1600、2100、または2600は、たとえばプラグ成形、吹込み成形、射出成形、フライス加工などによって任意の適切な方法で造成、形成、成形、または非成形され得る。
【0091】
1つの実施形態において、建築カバー用操作システムが開示される。操作システムは、入力を含む第1の駆動部、出力を含む第2の駆動部、入力の作動時に出力の動きを制御するために、第1および第2の駆動部間で動きを伝達する要素を選択的にロックするように構成された方向制御機構を含んでよい。
【0092】
1つの実施形態において、方向制御機構によって選択的にロックされる要素は、第1および第2の駆動部の共有要素である。
【0093】
第1の駆動部は出力を含んでよく、第2の駆動部は入力を含み、第1の駆動部の出力は第2の駆動部の入力である。1つの実施形態において、第1および第2の駆動部の各々は、入力の回転時に出力の回転を制御するための遊星ギヤセットを含む。
【0094】
1つの実施形態において、第1の駆動部の入力は1方向に回転するように構成され、第2の駆動部の出力は、第1および第2の駆動部の間で動きを伝達する要素の選択的な係合に依存して2方向のいずれかに回転するように構成される。第1および第2の駆動部の間で動きを伝達する要素と係合することによって、第2の駆動部の出力は第1の方向に回転し、第2の駆動部の出力の第1の方向への回転は、建築特徴をまたぐように建築カバーを拡張し、かつ建築カバーが拡張されると建築カバーを開放する。第1および第2の駆動部の間で動きを伝達する要素と切離すること、および第1および第2の駆動部の少なくとも1つの他の要素と方向制御機構とを係合することによって、第1の駆動部の入力の回転時、第2の駆動部の出力は第2の方向に回転する。
【0095】
1つの実施形態において、建築カバー用操作システムは、カバー巻取部材と係合するために構成された回転可能駆動部材、駆動部材を回転駆動するように構成された伝動装置、および操作システムの2つより多くの動作モードをもたらすように伝動装置の様々な部分に交互に係合するように移動可能なシフタを含んでよい。第1の動作モードにおいて、操作システムは、カバーを閉鎖、退避、または閉鎖かつ退避させるように動作する。第2の動作モードにおいて、操作システムは、カバーが建築物または建築特徴をまたいで拡張することができるように動作する。第3の動作モードにおいて、操作システムは、カバーを開放するように動作する。
【0096】
1つの実施形態において、シフタが伝動装置の様々な部分と交互に係合することによって、伝動装置の作動時、駆動部材の様々な方向への動きが生じる。
【0097】
1つの実施形態において、シフタは、伝動装置の別々の部分に交互に係合するように構成された第1および第2のロック部分を含む。第1のロック部分と伝動装置の第1の部分との係合は、駆動部材を第1の方向への回転に対してロックする。第2のロック部分と伝動装置の他の部分との係合は、駆動部材を第2の方向への回転に対してロックする。
【0098】
1つの実施形態において、シフタは、伝動装置の異なる部分に交互に係合するために軸の周囲を旋回する。シフタは、付勢機構を介して伝動装置の異なる部分との交互の係合において解除可能に保持され得る。
【0099】
1つの実施形態において、操作システムは、エンドキャップを更に含んでよい。付勢機構は、第1および第2の磁石を含む。第1の磁石は、エンドキャップに固定される。第2の磁石は、シフタの一部に関連付けられる。第1および第2の磁石は、シフタを伝動装置との交互の係合状態に配置するために反発し合うように構成される。
【0100】
1つの実施形態において、伝動装置は、第1の部材および第2の部材を含む。シフタは、第1および第2の部材を少なくとも1つの方向への回転に対して交互にロックするように移動する。1つの実施形態において、操作システムは、シフタによって係合されると第2の部材を少なくとも1方向への回転に対してロックするように第2の部材と噛み合い係合したオーバランニングギヤを含む。シフタは、第1の部材を回転に対してロックするために第1の部材に選択的に係合するように動作可能な第1の突起を含む。シフタは、第2の部材を回転に対してロックするためにオーバランニングギヤに選択的に係合するように動作可能な第2の突起を含む。シフタと第1の部材との係合は、駆動部材を第1の方向への回転に対してロックする。シフタとオーバランニングギヤとの係合は、駆動部材を第2の方向への回転に対してロックし、シフタがオーバランニングギヤと係合する位置にある時、駆動部材は第1の方向に自由に回転する。
【0101】
1つの実施形態において、伝動装置は、互いに動作可能に連結されるがシフタによって個々に制御される第1および第2の駆動部を含む。
【0102】
1つの実施形態において、操作システムは、駆動部材を回転駆動するように構成された出力と、所定のトルク負荷がクラッチ機構に付与されると駆動部材が出力に対してスリップすることを可能にするクラッチ機構とを含む。クラッチ機構は、出力に連結され駆動部材と係合可能なばねを含んでよく、ばねは、所定のトルク負荷において駆動部材に対する出力の移動を可能にするように構成される。
【0103】
1つの実施形態において、操作システムは、シフタの移動を選択的に制限するためにシフタに連結された障害要素を含んでよい。
【0104】
1つの実施形態において、建築カバー用操作システムは、第1の部材および第2の部材を含む伝動装置と、伝動装置に連結され、伝動装置の作動時、建築カバーを拡張または退避させるように動作可能なカバー巻取部材と係合するように構成され、第1の方向および第2の反対方向に回転可能である回転可能駆動部材と、伝動装置の作動時、駆動部材の回転を変更するために第1の部材および第2の部材に交互に係合するように2つの動作位置間で移動可能なシフタとを含む。
【0105】
1つの実施形態において、伝動装置は、第1の駆動部および第2の駆動部を含んでよい。第1の駆動部は、第1の太陽ギヤと、第1の太陽ギヤの周囲に遊星ギヤの第1のセットを配置する第1のキャリアによって保持され、第1の太陽ギヤと噛み合い係合する遊星ギヤの第1のセットとを含んでよい。第2の駆動部は、第2の太陽ギヤと、第2の太陽ギヤの周囲に遊星ギヤの第2のセットを配置する第2のキャリアによって保持され、第2の太陽ギヤと噛み合い係合する遊星ギヤの第2のセットとを含んでよい。操作システムは、遊星ギヤの第1のセットおよび遊星ギヤの第2のセットの両方と噛み合い係合するリングギヤを更に含んでよい。第2の部材はリングギヤを含んでよい。
【0106】
第2の太陽ギヤおよび第1のキャリアの少なくとも一部は、共に回転するように動作可能に連結され得る。第1の部材は、第1のキャリアの少なくとも一部を含んでよい。
【0107】
1つの実施形態において、操作システムは、伝動装置を回転駆動するように動作可能な入力軸を含んでよい。入力軸は、1方向のみに回転する。駆動部材は、入力軸と同じ方向に回転するように駆動される。駆動部材は、入力軸の回転と反対方向に回転するように駆動される。駆動部材は、入力軸に対して自由に回転する。
【0108】
1つの実施形態において、シフタの動作位置間での移動によって、伝動装置の作動時、駆動部材の回転方向が変化する。
【0109】
1つの実施形態において、操作システムは、伝動装置を回転させるように動作可能な作動要素を更に含んでよい。作動要素は、シフタを動作位置間で選択的に移動する。操作システムは、シフタの位置に基づいてシフタを動作位置の1つに付勢する付勢機構を更に含んでよい。
【0110】
1つの実施形態において、操作システムは、駆動部材を回転駆動するように構成された出力と、所定のトルク負荷がクラッチ機構に付与されると駆動部材が出力に対してスリップすることを可能にするクラッチ機構とを含んでもよい。クラッチ機構は、出力と選択的に係合可能であり、ラチェット機構に対する出力の選択的な移動を可能にするラチェット機構と、出力と係合するようにラチェット機構に付勢するばねとを含んでよい。
【0111】
1つの実施形態において、操作システムは、シフタの2つの動作位置間での移動を選択的に制限するためにシフタに連結された障害要素を更に含んでよい。
【0112】
1つの実施形態において、操作システムと共に使用するための建築物または建築特徴のためのカバーが開示される。カバーは、駆動部材に連結されたローラチューブと、ローラチューブに取り付けられ、駆動部材の回転時に拡張位置と退避位置との間で移動可能なシェードとを含む。
【0113】
1つの実施形態において、シフタが第1の部材に連結されると、伝動装置の作動によって、駆動部材が第2の方向に回転してシェードを退避させ、シフタが第2の部材に連結されると、伝動装置の作動によって、駆動部材が第1の方向に回転し、建築物または建築特徴をまたぐようにシェードを拡張する。
【0114】
シフタは第2の部材に連結されてよく、駆動部材は第1の方向に自由に回転する。
【0115】
1つの実施形態において、建築物または建築特徴のためのカバーを操作する方法が開示される。方法は、第1の部材または第2の部材のいずれかの回転を回転可能に妨げるためにシフタを介して操作システムの第1および第2の部材に交互に係合すること、シフタが第2の部材に係合される時、操作システムの出力の第1の方向への回転を可能にし、建築物または建築特徴をまたぐようにカバーを拡張するために伝動装置を作動させること、シフタが第2の部材に係合される時、操作システムの出力を第1の方向に回転させ、カバーを開放するために伝動装置を作動させること、および、シフタが第1の部材に係合される時、操作システムの出力を第2の方向に回転させ、カバーを閉鎖、退避、または閉鎖かつ退避させるために伝動装置を作動させることを含む。
【0116】
1つの実施形態において、方法は、伝動装置によって駆動部材を回転駆動することを含んでよい。伝動装置の回転駆動は入力軸によるものであってよい。入力軸の回転は、1方向のみに制限され得る。
【0117】
1つの実施形態において、シフタを第1の部材の外周における係合外形に係合し、係合外形は、シフタによって係合されると、第1の部材の第1の方向への回転に抵抗をもたらす。
【0118】
1つの実施形態において、方法は、オーバランニングギヤを介してシフタを第2の部材に噛合い係合することを更に含んでよく、オーバランニングギヤは、シフタによって係合されると、第2の部材の第2の方向への回転に抵抗をもたらす。
【0119】
1つの実施形態において、方法は、シフタに連結された障害要素を介してシフタの移動を選択的に妨げることを更に含んでよい。
【0120】
1つの実施形態において、操作システムを用いて建築物または建築特徴のカバーを操作する方法が開示される。方法は、建築物または建築特徴をまたいでカバーを退避させるために第1の方法で操作システムを操作することと、建築物または建築特徴をまたぐようにカバーを拡張するために第2の方法で操作システムを操作することと、カバーが拡張構成にある時、カバーを通して視界がもたらされるようにカバーを開放、変形、または再構成するために第3の方法で操作システムを操作することとを含んでよい。たとえば1つの実施形態において、第3の方法では、操作システムは、カバーまたはシェード材によって視界が遮られるようにカバーまたはシェード材の一部が操作される閉鎖構成と、カバーまたはシェード材を通して視界がもたらされるようにシェード材の一部が操作される開放構成との間で、カバーまたはシェード材を変形してよい。
【0121】
1つの実施形態において、操作システムを第1の方法で操作することは、操作システムの出力を第2の方向に回転させるために操作システムの入力を第1の方向に回転させることを含み、操作システムを第2の方法で操作することは、操作システムの出力が第1の方向に回転することを可能にするとともに操作システムの入力を回転に対して固定することを含み、操作システムを第3の方法で操作することは、操作システムの出力を第1の方向に回転させるために操作システムの入力を第1の方向に回転させることを含む。
【0122】
1つの実施形態において、操作システムを第1の方法で操作することは、引込み式コード機構を介してカバーを回転駆動し閉鎖および/または退避させることを含み、操作システムを第2の方法で操作することは、カバーが建築物または建築特徴をまたいで重力落下することを可能にすることを含み、操作システムを第3の方法で操作することは、引込み式コード機構を介してカバーを回転駆動し開放することを含む。
【0123】
1つの実施形態において、第2および第3の方法は、シェードを第1の方向に回転させ、第1の方法は、シェードを反対の第2の方向に回転させる。第1、第2、および第3の方法間での切換えは、シフタを用いて実行され得る。
【0124】
1つの実施形態において、操作システムを操作することは、遊星ギヤシステムを用いて操作システムの一部を回転駆動することを含む。第2の方法は、カバーが建築物または建築特徴をまたいで自由落下することを可能にすることを含む。遊星ギヤシステムは、操作システムを第3の方法で操作するための第1の駆動比をもたらす。遊星ギヤシステムは、操作システムを第1の方法で操作するための、第1の駆動比とは異なる第2の駆動比をもたらしてもよい。
【0125】
1つの実施形態において、建築カバーを操作する方法が開示される。方法は、入力を介して第1の駆動部を回転させることと、第1の駆動部の出力を介して第2の駆動部を回転させることと、第2の駆動部の出力を介して、建築カバーの動きを制御するように構成された駆動部材を回転させることと、駆動部材の動きを制御するために第1および第2の駆動部の1または複数の選択的な係合を選択的に制御することとを含む。
【0126】
駆動部材の動きを制御するために第1および第2の駆動部の1または複数の選択的な係合を選択的に制御することは、シフタを介して第1および第2の駆動部に選択的に係合することを含む。
【0127】
1つの実施形態において、方法は、駆動部材の回転を選択的に制御するために、シフタを介して第1および第2の駆動部の間で動きを伝達する要素を選択的にロックすることも含んでもよい。
【0128】
方法は、第1および第2の駆動部に入力を供給するためにドライブコードを操作することを更に含んでよい。建築カバーのシェード材を閉鎖、退避、または閉鎖かつ退避させるためにドライブコードを第1の方法で操作し、シェード材を開放するためにドライブコードを第2の方法で操作する。ドライブコードを第1の方法で操作することは、ドライブコードを真下に牽引することを含む。ドライブコードを第2の方法で操作することは、建築カバーが取り付けられた建築物または建築特徴から離れる方向にドライブコードを牽引することを含む。
【0129】
1つの実施形態において、建築カバーを操作する方法が開示される。方法は、建築物または建築特徴を少なくとも部分的にまたぐようにカバーを拡張するために伝動装置の出力を第1の方向に回転させることと、カバーが拡張位置に至ると、カバーを開放構成に移行するために伝動装置の出力を第1の方向に回転させることとを含み、カバーは、カバーの拡張と同じ大きさの力での緩慢な調整によって開放構成に移行される。
【0130】
1つの実施形態において、建築カバー用操作システムが開示される。操作システムは、第1の方向のみに回転する入力軸と、少なくとも3つのモードの1つで回転する駆動部材とを含む。少なくとも3つのモードは、第1の方向に駆動されること、第1の方向と反対の第2の方向に駆動されること、および入力軸に対して自由に回転することを含む。
【0131】
1つの実施形態において、操作システムは、伝動装置も含んでよい。伝動装置は、第1および第2の駆動部を含んでよい。第1の駆動部は、第1の駆動部の第1の要素の回転が第2の駆動部の第1の要素を回転させ、第1の駆動部の第1の要素をロックすることによって第2の駆動部の第1の要素が回転に対してロックされるように、第2の駆動部に連結され得る。第1の駆動部の第2の要素の回転は第2の駆動部の第2の要素を回転させてよく、第1の駆動部の第2の要素をロックすることによって第2の駆動部の第2の要素がロックされる。
【0132】
1つの実施形態において、建築カバー用操作システムが開示される。操作システムは、カバー巻取部材を回転させるための伝導装置と、伝動装置の動作に作用するために伝動装置の異なる部分に交互に係合するように第1の動作位置と第2の動作位置との間で移動可能なシフタと、第1および第2の動作位置の1つに留まるようにシフタの移動を選択的に制限するように適合された障害要素とを含む。障害要素は、シフタ内に移動可能に受け入れられ得る。
【0133】
1つの実施形態において、シフタの一部にチャネルが画定されてよく、建築カバーのエンドキャップの一部にトラックが画定されてよく、障害要素は、エンドキャップに対するシフタの移動を選択的に制限するためにチャネルおよびトラック内で移動可能であってよい。チャネルおよびトラックは、その中に障害要素の少なくとも一部を収容するような寸法である。
【0134】
1つの実施形態において、障害要素は、シフタの第1および第2の動作位置間での移動が可能である第1の位置と、シフタの第1および第2の動作位置の1つからの移動が制限される第2の位置との間で移動可能である。障害要素が第2の位置に配置されると、シフタは第2の動作位置に配置されてよく、障害要素はシフタの第1の動作位置への移動を制限する。
【0135】
1つの実施形態において、操作システムは、伝動装置を操作するためのドライブコードを更に含んでよく、トラック内およびチャネル内での障害要素の移動はドライブコードを介して制御される。
【0136】
1つの実施形態において、建築カバー用操作システムが開示される。操作システムは、第1の方法でカバーの動きをもたらすように操作システムを作動させるための第1の動作位置と、第2の方法でカバーの動きをもたらすように操作システムを作動させるための第2の動作位置との間で移動可能なシフタと、カバーが第2の方法で動く間、シフタの移動を第2の動作位置に制限するように動作可能なシフトロックとを含む。
【0137】
1つの実施形態において、第1の動作位置は第2の動作位置と異なる。
【0138】
シフトロックは、第1の構成と第2の構成との間で動作可能であってよく、第1の構成は、シフタの移動を第2の動作位置に制限する。シフトロックは、第1の構成での第1のトラックと第2の構成での第2のトラックとの間で移動可能な可動要素を含んでよく、可動要素は、シフタを第2の動作位置に保持するために、シフトロックが第1の構成にある時、第1のトラック内のみで動くように制約を受け、可動要素が第2のトラック内にある時、シフタの移動を可能にする。第2のトラックは、ドウェルと、シフトロックが第2の構成にある時、ドウェル内に設置された可動要素とを含んでよい。シフタは、内部に形成されたチャネルを含んでよく、可動要素は、シフタの移動を制限するために、シフタのチャネル内かつシフトロックの第1のトラック内に設置され、可動要素は、シフタの移動を可能にするために、シフタのチャネル内かつシフトロックの第2のトラック内に設置される。シフトロックの第1のトラックおよび第2のトラックは、操作要素が連結されるエンドキャップ内に形成される。操作システムは、シフタ内のチャネルを通って伸長する引込み式ドライブコードを更に含んでよく、引込み式ドライブコードは、シフタが第2の動作位置にある時、可動要素をシフトロックの第1のトラック内に移動し、ドライブコードが退避する。可動要素はドウェル内に設置され、可動要素とドライブコードとの摩擦係合が低減される。引込み式ドライブコードは、シフタが第1の動作位置にある時、可動要素をシフトロックの第2のトラック内に移動する。
【0139】
1つの実施形態において、可動要素はボールである。
【0140】
1つの実施形態において、操作システムは、第1の駆動部および第2の駆動部を含む伝動装置を含んでよく、操作システムは、第1の駆動部を操作するための第1の伝動位置と、第2の駆動部を操作するための第2の伝導位置との間で動作可能であり、シフタは、第2の動作位置にある時、第1の駆動部および第2の駆動部から切離され、シフタが第1の動作位置にある時、第1の駆動部および第2の駆動部の1つと係合される。操作システムは、建築カバーを退避位置から拡張位置へ移動するためにシフタを第2の動作位置に移動することの他に追加の動作が必要でないように、シフタの第2の動作位置への移動時、建築カバーを拡張位置に解放してよい。
【0141】
1つの実施形態において、操作システムは、伝動装置に動作可能に連結されたスリップクラッチと、伝動装置と回転可能駆動部材との間で過大トルクが伝達されることを防ぐための回転可能駆動部材とを更に含んでよい。
【0142】
1つの実施形態において、操作システムを用いて建築物または建築特徴のカバーを操作する方法が開示される。方法は、引込み式コード機構を介してカバーを回転駆動し閉鎖および/または退避させることによって建築物または建築特徴をまたいでカバーを退避させる第1の方法で操作システムを操作すること、カバーが建築物または建築特徴をまたいで重力落下することを可能にすることによって建築物または建築特徴をまたぐようにカバーを拡張する第2の方法で操作システムを操作すること、および、引込み式コード機構を介してカバーを回転駆動し開放することによって、カバーが拡張構成にある時、カバーを通して視界がもたらされるようにカバーを開放、変形、または再構成する第3の方法で操作システムを操作することを含んでよい。
【0143】
上記説明は、広い適用範囲を有する。本明細書に開示される概念は、本明細書で説明および描写されたローラシェード以外にも多くの種類のシェードに適用可能であることを理解すべきである。同様に、本明細書に開示された概念は、本明細書で説明および描写された操作システム100以外にも多くの種類の操作システムに適用可能であることを理解すべきである。たとえばこの概念は、建築物/特徴をまたいで移動可能なシェード要素を有する任意の種類のカバーにも等しく適用され得る。任意の実施形態の考察は単に説明的であることが意図され、特許請求の範囲を含む本開示の範囲がこれらの実施形態に限定されることを提言するように意図するものではない。すなわち、本明細書において本開示の例示的な実施形態が詳しく説明されたが、本発明の概念はその他でも様々に具現化および利用されてよく、添付の特許請求の範囲は、従来技術による限定を除き、そのような変形例を含むように解釈されることが意図されたものであることを理解すべきである。
【0144】
上記説明は、例示および説明を目的として提示されており、本明細書に開示される形態または複数の形態に本開示を限定することを意図するものではない。たとえば本開示の様々な特徴は、本開示を整理することを目的として、1または複数の態様、実施形態、または構成にグループ分けされる。しかし、本開示の特定の態様、実施形態、または構成の様々な特徴は、代替の態様、実施形態、または構成に組み合わされてよいことを理解すべきである。また、以下の特許請求の範囲は、各請求項が本開示の個別の実施形態として独立したものであり、この言及によって、この発明を実施する形態に組み込まれる。
【0145】
「少なくとも1つの」、「1または複数の」、および「および/または」という語句は、本明細書で使用される場合、接続的でも離接的でも有効な非限定的な表現である。主体にかかる「a」または「an」という語は、本明細書で使用される場合、その主体の1または複数を指す。そのように、「a」(または「an」)、「1または複数の」、および「少なくとも1つの」という語句は、本明細書において相互置換性を持って使用され得る。方向を示す表現(たとえば、近位、遠位、上、下、上向き、下向き、左、右、横方向、長手方向、前、後、頂部、底部、上方、下方、垂直、水平、径方向、軸方向、時計回り、および反時計回り)は全て、読み手が本開示を理解する助けとなるように識別目的で使用されたにすぎず、具体的に位置、方向、または本開示の使用に関して制限を設けるものではない。接続関係を示す言及(たとえば取り付けられた、連結された、接続された、および接合された)は、幅広く解釈されるべきであり、例外が記されない限り、要素の集合間の中間部材および要素間での移動の相対物を含んでよい。そのように、接続関係を示す言及は必ずしも、2つの要素が直接連結され、互いに固定した関係にあることを暗示するものではない。識別参照(たとえば1次、2次、第1、第2、第3、第4など)は、重要性または優先順位を伴うことは意図されず、1つの特徴を別の特徴と区別するために使用されるものである。図面は例示のみを目的としており、本明細書に添付される図内に示された寸法、位置、順序、およびサイズ関連事項は変化してよい。
図1
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図30
図31
図32
図33
図34
図35