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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-01-12
(45)【発行日】2022-01-25
(54)【発明の名称】ゲーム装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 11/00 20060101AFI20220118BHJP
   A63B 65/02 20060101ALI20220118BHJP
   A63F 13/213 20140101ALI20220118BHJP
   A63F 13/30 20140101ALI20220118BHJP
   A63F 13/75 20140101ALI20220118BHJP
【FI】
A63F11/00 D
A63B65/02 Z
A63F13/213
A63F13/30
A63F13/75
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2017253992
(22)【出願日】2017-12-28
(65)【公開番号】P2019118480
(43)【公開日】2019-07-22
【審査請求日】2020-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(73)【特許権者】
【識別番号】505183107
【氏名又は名称】株式会社ダーツライブ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100080953
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 克郎
(72)【発明者】
【氏名】高久 光一
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 秀樹
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-330630(JP,A)
【文献】特表2013-502972(JP,A)
【文献】特表2007-526780(JP,A)
【文献】米国特許第8113930(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 11/00
A63B 65/02
A63F 13/00 - 13/98
F41J 3/00 - 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを介してサーバ及び他のゲーム装置に接続されるゲーム装置であって、
記憶部と、
表示部と、
前記他のゲーム装置の周囲を撮像することにより生成される動画を受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記動画を前記記憶部に記憶させる記憶処理部と、
前記受信部が受信した前記動画を前記表示部に表示させる表示処理部と、
所定の動画送信条件が満たされたか否かを判定する判定部と、
前記所定の動画送信条件が満たされたと前記判定部が判定した場合、前記記憶部に記憶された前記動画の少なくとも一部を、前記サーバに送信する第1送信部と、を備えることを特徴とする、ゲーム装置。
【請求項2】
前記所定の動画送信条件は、前記受信部による前記動画の受信が遮断されたことであることを特徴とする、請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記所定の動画送信条件は、前記受信部が受信した前記動画にプレイヤによる所定の不正行為が含まれていること、又は、前記受信部が受信した前記動画にプレイヤによる所定の通常プレイ行為が含まれていないことであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記ゲーム装置の周囲を撮像する撮像部と、
前記撮像部が前記ゲーム装置の周囲を撮像することにより生成される動画を、前記他のゲーム装置に送信する第2送信部と、を更に備えることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか一項に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記表示処理部は、前記撮像部が前記ゲーム装置の周囲を撮像することにより生成される動画を前記表示部に表示させる、ことを特徴とする、請求項4に記載のゲーム装置。
【請求項6】
プレイヤの指示を受け付ける指示受付部を更に備え、
前記第1送信部は、前記指示受付部がプレイヤの指示を受け付けた場合、前記記憶部に記憶された前記動画の少なくとも一部を前記サーバに送信する、ことを特徴とする、請求項1から5までのいずれか一項に記載のゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ネットワークを介して接続されたサーバ及び複数のゲーム装置を用いて、複数のプレイヤがゲーム装置を操作することによりゲーム対戦を行う所謂オンラインゲームが行われている。このようなオンラインゲームの中には、プレイヤの不正防止等の理由から、対戦を行っている複数のゲーム装置が、プレイヤを撮像することにより生成された動画(画像を含む)を互いに送信し、各ゲーム装置が相手方のゲーム装置から受信した当該動画を表示するものがある。
【0003】
例えば、特許文献1には、撮像部と、送受信部と、表示部とを備えたゲーム装置が記載されている。送受信部は、撮像部が撮像した自プレイヤの動画を相手方ゲーム装置に送信し、且つ、相手方プレイヤの動画を相手方ゲーム装置から受信する。表示部は、受信した相手方プレイヤの動画を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2015/173962号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、一般に動画データは容量が大きいため、クライアントであるゲーム装置から、サーバを経由して、他のクライアントである相手方のゲーム装置に動画を送信する構成では、遅延が生じてしまい、ゲームのリアルタイム性が損なわれる。そこで、上述のようなオンラインゲームでは、ゲーム装置同士がP2P(Peer to Peer)通信を行い、ゲーム装置同士で動画を送受信する構成が採用される場合が多い。
【0006】
しかしながら、このようにP2P通信の構成を採用した場合、形勢が不利になったプレイヤが不正に通信を切断してゲームを終わらせる等の不正行為を行った場合、証拠となるデータがサーバ側に残っていないため、不正行為か否かを検証することが困難であった。
【0007】
本発明は、このような課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、P2P通信によって動画の遅延を回避しつつも、プレイヤが不正行為を行った可能性の有る場合に、不正行為の検証のための証拠データを確実に保全できるゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るゲーム装置は、通信ネットワークを介してサーバ及び他のゲーム装置に接続されるゲーム装置であって、記憶部と、表示部と、他のゲーム装置の周囲を撮像することにより生成される動画を受信する受信部と、受信部が受信した動画を記憶部に記憶させる記憶処理部と、受信部が受信した動画を表示部に表示させる表示処理部と、所定の動画送信条件が満たされたか否かを判定する判定部と、所定の動画送信条件が満たされたと判定部が判定した場合、記憶部に記憶された動画の少なくとも一部を、サーバに送信する第1送信部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、P2P通信によって動画の遅延を回避しつつも、プレイヤが不正行為を行った可能性の有る場合に、不正行為の検証のための証拠データを確実に保全できるゲーム装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の第1実施形態に係るゲームシステム1の一例を示すネットワーク構成図である。
図2】サーバ10の機能上の構成を示すブロック図である。
図3】ゲーム装置20の概略外観図である。
図4】ゲーム装置20の機能上の構成を示すブロック図である。
図5】ゲームシステム1によるマッチング処理及びゲーム進行処理に係る動作シーケンスの一例を示す図である。
図6】ゲーム画面の一例を示す図である。
図7】ゲーム装置20による動画送信処理に係る動作フローの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ、本発明の様々な実施形態について説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0012】
(1)ゲームシステム1の構成
図1は、ゲームシステム1の一例を示すネットワーク構成図である。ゲームシステム1は、オンラインゲームの一例としてのダーツゲームを実行するためのシステムである。ゲームシステム1は、互いにインターネット等の通信ネットワーク2で接続された、サーバ10と、複数のゲーム装置20とを有する。複数のゲーム装置20は、例えば、別々の店舗内に設置されている。なお、複数のゲーム装置20は、同一の店舗内に設置されていてもよい。
【0013】
(2)各装置の構成
(2-1)サーバ10の構成
図2は、サーバ10の機能上の構成を示すブロック図である。サーバ10は、プレイヤのマッチングに係る処理やダーツゲームの進行に係る処理を実行するための情報処理装置である。サーバ10は、サーバ通信部11と、サーバ記憶部12と、サーバ処理部13とを備える。
【0014】
サーバ通信部11は、サーバ10を通信ネットワーク2に接続するための通信インターフェース回路を備え、通信ネットワーク2との間で通信を行う。サーバ通信部11は、ゲーム装置20等から受信したデータをサーバ処理部13に供給する。また、サーバ通信部11は、サーバ処理部13から供給されたデータを、ゲーム装置20等に送信する。
【0015】
サーバ記憶部12は、例えば、磁気テープ装置、磁気ディスク装置、又は光ディスク装置のうちの少なくとも一つを備える。サーバ記憶部12は、サーバ処理部13での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、サーバ記憶部12は、アプリケーションプログラムとして、複数のプレイヤ同士を対戦相手としてマッチングするマッチング処理を実行するためのプログラムや、ダーツゲームを進行させるためのプログラム等を記憶する。コンピュータプログラムは、例えばCD-ROM、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いてサーバ記憶部12にインストールされてもよい。或いは、コンピュータプログラムは、通信ネットワーク2等を介して他の情報処理装置からダウンロードされることによりサーバ記憶部12にインストールされてもよい。
【0016】
サーバ処理部13は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を備える。サーバ処理部13は、例えばCPUであり、サーバ10の全体的な動作を統括的に制御する。サーバ処理部13は、サーバ記憶部12に記憶されているプログラム等に基づいてサーバ10の各種処理が適切な手順で実行されるように、サーバ通信部11等の動作を制御する。サーバ処理部13は、マッチング処理部131と、ゲーム進行部132と、動画受付部133とを備える。マッチング処理部131は、例えば、複数のプレイヤ同士を対戦相手としてマッチングするマッチング処理を実行する。ゲーム進行部132は、例えば、ダーツゲームの進行に係る処理を実行する。動画受付部133は、例えば、ゲーム装置20が送信する動画を受け付ける。
【0017】
(2-2)ゲーム装置20の構成
図3は、ゲーム装置20の概略外観図である。図4は、ゲーム装置20の機能上の構成を示すブロック図である。ゲーム装置20は、プレイヤがダーツゲームを行うためのゲーム装置である。ゲーム装置20は、ゲーム装置通信部21と、ゲーム装置記憶部22と、操作部23と、表示部24と、カードスロットCSと、カードRW部25と、ダーツボードDBと、検出部26と、コイン投入部27と、撮像部28と、ゲーム装置処理部29と、を備える。ダーツゲームにおいて、プレイヤは、ゲーム装置20の前方に適宜設定されたフィールドから、ダーツボードDBを目がけてダーツを投擲する。
【0018】
ゲーム装置通信部21は、ゲーム装置20を通信ネットワーク2に接続するための通信インターフェース回路を備え、通信ネットワーク2との間で通信を行う。ゲーム装置通信部21は、通信ネットワーク2を介してサーバ10及び他のゲーム装置20等から受信したデータをゲーム装置処理部29に供給する。また、ゲーム装置通信部21は、ゲーム装置処理部29から供給されたデータを、通信ネットワーク2を介してサーバ10及び他のゲーム装置20等に送信する。
【0019】
ゲーム装置記憶部22は、例えば、磁気テープ装置、磁気ディスク装置、又は光ディスク装置のうちの少なくとも一つを備える。ゲーム装置記憶部22は、ゲーム装置処理部29での処理に用いられるオペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、アプリケーションプログラム、データ等を記憶する。例えば、ゲーム装置記憶部22は、アプリケーションプログラムとして、ダーツゲームを進行させるためのプログラム等を記憶する。また、例えば、ゲーム装置記憶部22は、通信ネットワーク2等を介して他のゲーム装置20から受信した動画を記憶する。コンピュータプログラムは、例えばCD-ROM、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いてゲーム装置記憶部22にインストールされてもよい。或いは、コンピュータプログラムは、通信ネットワーク2等を介してサーバ10や他の情報処理装置からダウンロードされることによりゲーム装置記憶部22にインストールされてもよい。
【0020】
操作部23は、プレイヤが各種操作を行うためのものであり、例えば、操作パネルに設けられた操作ボタン等によって実現される。操作部23は、プレイヤの操作を受け付け、当該操作に応じた信号をゲーム装置処理部29等に送信する。
【0021】
表示部24は、映像や画像等の表示が可能であればどのようなデバイスでもよく、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ等である。表示部24は、例えば液晶タッチパネルディスプレイにより操作部23と一体化されていてもよい。表示部24は、ゲーム装置処理部29から供給されたデータに応じた画像や動画を表示する。
【0022】
カードスロットCSは、プレイヤが所有するゲームカードを差し込むための挿入口である。ゲーム装置20には、最大4人でゲーム対戦ができるように、4つのカードスロットCSが設けられている。なお、4人を超えた人数でゲーム対戦ができるように、4つを超える数のカードスロットCSが設けられていても良い。
【0023】
カードRW部25は、プレイヤが所有するゲームカードに記録されたカードIDなどを読み取ったり、ゲーム結果で得られた情報などをゲームカードに書き込んだりすることができる。
【0024】
ダーツボードDBは、ダーツゲームの標的となる盤面である。ダーツボードDBは、複数の標的エリアに区切られており、当該標的エリアのそれぞれには、細かい穴が多数設けられている。プレイヤによって投擲されたダーツの先端部は、標的エリアに設けられた多数の穴のうちのいずれかに受容される。
【0025】
検出部26は、標的エリアにダーツが刺さったことを検出するために標的エリアの各々に対応させて設けられたメンブレンスイッチと、投擲されたダーツが標的エリアを外れたことを検出するために設けられた振動センサとを有している。検出部26は、メンブレンスイッチ及び振動センサの信号に基づいて、ダーツが標的エリアのどこに刺さったか/刺さらなかったかを検出し、ゲーム装置処理部29に検出信号を送信する。
【0026】
コイン投入部27は、コインを投入する投入口と、投入口から投入されたコインを検出するセンサとを備えている。ゲーム装置20において、プレイヤによって所定枚数のコインがコイン投入口から投入されることにより、ゲームプレイ可能となる。なお、ゲーム装置20において、コインをコイン投入口から投入せずともゲームプレイ可能としてもよい。
【0027】
撮像部28は、例えば、ビデオカメラ等で構成され、ゲーム装置20の周囲を撮像することにより動画を生成し、ゲーム装置処理部29に出力する。ここで、動画とは、時系列的に連続した少なくとも一の画像を意味し、単一の画像を含むものとして用いられる。撮像部28は、ゲーム装置20の周囲として、例えば、プレイヤ、ダーツゲームのフィールド、及びゲーム装置20等を撮像する。撮像部28は、ゲーム装置処理部29による制御によって、ズームやパンを行いながら撮像を実行してもよい。
【0028】
ゲーム装置処理部29は、一又は複数個のプロセッサ及びその周辺回路を備える。ゲーム装置処理部29は、例えばCPUであり、ゲーム装置20の全体的な動作を統括的に制御する。ゲーム装置処理部29は、ゲーム装置記憶部22に記憶されているプログラム等に基づいてゲーム装置20の各種処理が適切な手順で実行されるように、ゲーム装置通信部21等の動作を制御する。
【0029】
ゲーム装置処理部29は、マッチング要求部291と、ゲーム進行部292と、受信部293と、記憶処理部294と、表示処理部295と、判定部296と、第1送信部297と、第2送信部298と、指示受付部299とを備える。これらの各部は、ゲーム装置処理部29が備えるプロセッサで実行されるプログラムにより実現される機能モジュールである。あるいは、これらの各部は、ファームウェアとしてゲーム装置20に実装されてもよい。マッチング要求部291は、例えば、ゲーム装置20が受け付けたプレイヤからのマッチング要求を、通信ネットワーク2を介してサーバ10に送信する。ゲーム進行部292は、例えば、ダーツゲームの進行に係る処理を実行する。受信部293は、例えば、他のゲーム装置から受信した動画を受信する。記憶処理部294は、例えば、受信部293が受信した動画をゲーム装置記憶部22に記憶させる。表示処理部295は、例えば、受信部293が受信したダーツゲームの進行に係るデータ及び/又は他の動画を合成して表示部24に表示させる。判定部296は、例えば、所定の動画送信条件が満たされたか否かを判定する。所定の動画送信条件は、例えば、受信部293による動画の受信が遮断されたことである。第1送信部297は、例えば、ゲーム装置記憶部22に記憶された動画の少なくとも一部をサーバ10に送信する。第2送信部298は、例えば、撮像部28が生成した動画を他のゲーム装置に送信する。指示受付部299は、例えば、ユーザの指示を受け付ける。
【0030】
(3)ゲームシステム1の動作
次に、ゲームシステム1の動作を説明する。以下では、マッチングによってプレイヤA及びプレイヤBが互いの対戦相手となるものとし、プレイヤAが操作するゲーム装置をゲーム装置20Aと、プレイヤBが操作するゲーム装置をゲーム装置20Bと称する。また、適宜、ゲーム装置20Aが備える各構成の末尾には符号「A」を付し、ゲーム装置20Bが備える各構成の末尾には符号「B」を付す。
【0031】
(3-1)マッチング処理及びゲーム進行処理
図5は、ゲームシステム1によるマッチング処理及びゲーム進行処理に係る動作シーケンスの一例を示す図である。この動作シーケンスは、予めサーバ記憶部12、ゲーム装置記憶部22A、及びゲーム装置記憶部22Bに記憶されているプログラムに基づいて、主にサーバ処理部13、ゲーム装置処理部29A、及びゲーム装置処理部29Bにより、サーバ10、ゲーム装置20A、及びゲーム装置20Bの各要素と協働して実行される。
【0032】
(ステップS101)
まず、ゲーム装置20Aの操作部23Aは、プレイヤAによるマッチング要求の操作を受け付ける。例えば、プレイヤAは、マッチング要求に含む情報として、プレイヤAのIDや、希望するゲームの種類等の情報を入力する。
【0033】
(ステップS102)
次に、ゲーム装置20Aのマッチング要求部291Aは、サーバ10に、ステップS101で受け付けたマッチング要求を送信する。
【0034】
(ステップS103)
ステップS101と同様に、ゲーム装置20Bの操作部23Bは、プレイヤBによるマッチング要求の操作を受け付ける。
【0035】
(ステップS104)
次に、ゲーム装置20Bのマッチング要求部291Bは、サーバ10に、ステップS103で受け付けたマッチング要求を送信する。
【0036】
(ステップS105)
次に、サーバ10のマッチング処理部131は、マッチング処理を行う。ここで、当該マッチング処理により、プレイヤA及びプレイヤBが互いの対戦相手としてマッチングされたものとする。
【0037】
(ステップS106)
次に、サーバ10のマッチング処理部131は、ゲーム装置20A及びゲーム装置20Bのそれぞれに、プレイヤA及びプレイヤBが互いの対戦相手となったことを示す情報である対戦決定通知を送信する。
【0038】
(ステップS107)
次に、サーバ10、ゲーム装置20A、及びゲーム装置20Bは、ダーツゲームの進行処理を実行する。このとき、スコア、ラウンド数、その他のダーツゲームの進行に係るデータ(ゲームデータ)が、サーバ10、ゲーム装置20A、及びゲーム装置20Bのそれぞれの間で送受信される。更に、ゲーム装置20A及びゲーム装置20Bのそれぞれの動画データが、ゲーム装置20A及びゲーム装置20Bの間で送受信される。
【0039】
具体的には、ゲーム装置20Aのゲーム進行部292Aは、プレイヤAがダーツを投擲した場合に検出部26Aが生成する検出信号に基づいて、サーバ10及びゲーム装置20Bのそれぞれに、プレイヤAのスコア等を示すデータを送信する。また、ゲーム装置20Aの撮像部28Aは、ゲーム装置20Aの周囲(プレイヤA、ダーツゲームのフィールド、及びゲーム装置20A等)を撮像することにより、動画を生成し、ゲーム装置処理部29Aに出力する。そして、ゲーム装置処理部29Aの第2送信部298Aは、ゲーム装置20Aの周囲が撮像された当該動画をゲーム装置20Bに送信する。また、ゲーム装置20Aの表示処理部295Aは、サーバ10及びゲーム装置20Bから受信したダーツゲームの進行に係るデータと、ゲーム装置20Bから受信したゲーム装置20Bの周囲が撮像された動画とを合成して、後述するゲーム画面を表示部24Aに表示させる。
【0040】
また、同様にして、ゲーム装置20Bのゲーム進行部292Bは、プレイヤBがダーツを投擲した場合に検出部26Bが生成する検出信号に基づいて、サーバ10及びゲーム装置20Aのそれぞれに、プレイヤBのスコア等を示すデータを送信する。また、ゲーム装置20Bの撮像部28Bは、ゲーム装置20Bの周囲(プレイヤB、ダーツゲームのフィールド、及びゲーム装置20B等)を撮像することにより、動画を生成し、ゲーム装置処理部29Bに出力する。そして、ゲーム装置処理部29Bの第2送信部298Bは、ゲーム装置20Bの周囲が撮像された当該動画をゲーム装置20Aに送信する。また、ゲーム装置20Bの表示処理部295Bは、サーバ10及びゲーム装置20Aから受信したダーツゲームの進行に係るデータと、ゲーム装置20Aから受信したゲーム装置20Aの周囲が撮像された動画とを合成して、後述するゲーム画面を表示部24Bに表示させる。
【0041】
ここで、図6を用いて、ゲーム装置20Aの表示部24A及びゲーム装置20Bの表示部24Bに表示されるゲーム画面500の一例について説明する。図6に示すとおり、ゲーム画面500は、ゲームデータ領域501と、動画領域502Aと、動画領域502Bとを含む。ゲームデータ領域501には、プレイヤA及びプレイヤBそれぞれのスコア、ラウンド数、その他のダーツゲームの進行に係るデータが表示される。動画領域502Aには、撮像部28Aがゲーム装置20Aの周囲(プレイヤAや、ゲーム装置20A等)を撮像することにより生成された動画が表示される。プレイヤB動画領域502Bには、撮像部28Bがゲーム装置20Bの周囲(プレイヤBや、ゲーム装置20B等)を撮像することにより生成された動画が表示される。
【0042】
(3-2)動画送信処理
図7は、ゲーム装置20による動画送信処理に係る動作フローの一例を示す図である。当該動作フローは、予めゲーム装置記憶部22に記憶されているプログラムに基づいて、主にゲーム装置処理部29により、ゲーム装置20の各要素と協働して実行される。当該動作フローにおいて、ゲーム装置20の判定部296は、受信部293による他のゲーム装置から送信される動画の受信が遮断されたか否かを判定する。そして、遮断されたと判定された場合に、ゲーム装置20の第1送信部297は、当該動画の少なくとも一部をサーバ10に送信する。
【0043】
以下では、ゲーム装置20A及びゲーム装置20Bとの間でダーツゲームが実行されている場合において、ゲーム装置20Aが、ゲーム装置20Bの周囲が撮像された動画をサーバ10に送信等する例を説明する。
【0044】
(ステップS201)
まず、ゲーム装置処理部29Aの判定部296Aは、ダーツゲームが開始されると、カウント値Nをリセットする(N→0)。
【0045】
(ステップS202)
次に、判定部296Aは、受信部293Aがゲーム装置20Bから動画を受信しているか否かを判定する。
【0046】
(ステップS203)
ステップS202において、受信部293Aがゲーム装置20Bから動画を受信していると判定された場合(ステップS202;Yes)、判定部296Aは、カウント値Nをリセットする(N→0)。
【0047】
(ステップS204)
次に、記憶処理部294Aは、受信部293Aがゲーム装置20Bから受信した動画を、ゲーム装置記憶部22Aに記憶させる。そして、処理はステップS202に戻る。
【0048】
(ステップS205)
一方、ステップS202において、受信部293Aがゲーム装置20Bから動画を受信していないと判定された場合(ステップS202;No)、判定部296Aは、カウント値Nを1だけ増加させる(N→N+1)。
【0049】
(ステップS206)
次に、判定部296Aは、カウント値Nが所定の閾値以上であるか否かを判定する。ステップS206において、カウント値Nが所定の閾値以上でないと判定された場合(ステップS206;No)、処理はステップS202に戻る。ここで、所定の閾値は、任意に設定することができる。所定の閾値を設定することにより、受信部293Aが所定の時間だけ動画を受信していない状態が継続している場合に、ゲーム装置20Aが動画をサーバ10に送信するように設定することができる。
【0050】
(ステップS207)
ステップS206において、カウント値Nが所定の閾値以上であると判定された場合(ステップS206;Yes)、第1送信部297Aは、ゲーム装置記憶部22Aに記憶されたゲーム装置20Bの周囲の動画の少なくとも一部をサーバ10に送信する。このとき、第1送信部297Aは、ゲーム装置記憶部22に記憶された動画の全てを、サーバ10に送信してもよい。或いは、第1送信部297Aは、ゲーム装置記憶部22に記憶された動画の一部を、サーバ10に送信してもよい。このとき、第1送信部297Aが送信する動画の一部は、ゲーム装置記憶部22に記憶された動画のうち時系列的に最新の一部であってもよいし、最新でない一部であってもよい。なお、第1送信部297Aは、指示受付部299がユーザの指示を受け付けた場合に、ゲーム装置記憶部22Aに記憶されたゲーム装置20Bの周囲の動画の少なくとも一部をサーバ10に送信してもよい。以上で、動画送信処理が終了する。
【0051】
以上のとおり、ゲーム装置20の判定部296は、受信部293による他のゲーム装置から送信される動画の受信が遮断されたか否かを判定する。そして、遮断されたと判定された場合に、ゲーム装置20の第1送信部297は、当該動画の少なくとも一部をサーバ10に送信する。そして、サーバ10は、動画受付部133等を介して、ゲーム装置20から送信された動画を受け付ける。サーバ10は、当該動画に基づいて、通信の障害の原因を特定することができる。したがって、当該構成によって、P2P通信によって動画の遅延を回避しつつも、プレイヤが不正行為を行った可能性の有る場合に、不正行為の検証のための証拠データを確実に保全することが可能となる。
【0052】
なお、上述の実施形態においては、判定部296が判定する所定の動画送信条件は、受信部293による動画の受信が遮断されたこととしたが、これに限られるものではない。所定の動画送信条件は、例えば、受信部293が受信した動画にプレイヤによる所定の不正行為が含まれていることであってもよい。ここで、所定の不正行為、及び当該所定の不正行為を判定するために判定部296が備える構成は、特に限定されない。例えば、所定の不正行為は、プレイヤが撮像部28を手等で覆うなどして撮像を妨害する行為を含む。その場合、判定部296は、受信部293が受信した動画に当該妨害行為が含まれていることを判定するための任意の構成を備えていてもよい。例えば、判定部296は、予め登録された所定のオブジェクト(プレイヤの手、指紋、及び顔その他のプレイヤの身体の一部や、プレイヤが身につける専用又は汎用の装身具等)を認識し、認識した当該所定のオブジェクトが動画を構成する画像フレームにおいて所定の閾値以上のサイズとなったか否か、或いは当該所定のオブジェクトを動画内に認識できなくなったか否かを判定する手段を備えていてもよい。当該構成により、ゲーム装置は、撮像部28による動画の撮像を妨害するために、プレイヤが通常のプレイでは想定されない距離まで撮像部28に近づいたことや、通常のプレイにおいてプレイヤが存在すべき場所にプレイヤが存在しなくなったことを契機として、動画をサーバ装置に送信することが可能となる。或いは、判定部296は、動画を構成する画像フレームの明るさを示す情報(画像フレームに含まれる各画素の輝度等の情報に基づいて算出される情報であってよく、所定の期間に含まれる複数の画像フレームに基づいて算出される情報を含む)を算出し、当該算出された明るさを示す情報が所定の閾値未満であるか否かを判定する手段を備えていてもよい。当該構成により、ゲーム装置は、プレイヤが撮像部28を手などで覆った場合等に動画が一定程度暗くなったことを契機として、動画をサーバ装置に送信することが可能となる。
【0053】
また、所定の動画送信条件は、例えば、受信部293が受信した動画にプレイヤによる所定の通常プレイ行為が含まれていないことであってもよい。ここで、所定の通常プレイ行為は、ゲームの種類に応じて任意に設定することができる。例えばダーツゲームの場合、所定の通常プレイ行為は、プレイヤによるダーツの投擲等の行為であってよい。そして、判定部296は、所定の通常プレイ行為の態様に応じて、受信部293が受信した動画に当該所定の通常プレイ行為が含まれるか否かを判定する手段を備えていてもよい。例えば、所定の通常プレイ行為がダーツの投擲の場合、判定部296は、動画を解析することにより、プレイヤの手又はダーツ等の速度を検出し、検出された速度が所定の閾値以上であれば、通常プレイ行為としてのダーツの投擲があったものと判定する手段を備えていてもよい。また、判定部296は、所定の通常プレイ行為を認識していない期間を算出し、算出された当該期間が所定の閾値以上であるか否かを判定する手段を備えていてもよい。当該構成により、ゲーム装置は、ゲームにおいて通常想定されるプレイヤの行為が少なくとも所定の一定期間行われなかったことを契機として、動画をサーバ装置に送信することが可能となる。
【0054】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、または並列に実行することができる。また、各処理ステップ間に他のステップを追加してもよい。また、1ステップとして記載されているステップを、複数ステップに分けて実行してもよいし、複数ステップに分けて記載されているものを、1ステップとして把握することもできる。
【符号の説明】
【0055】
1…ゲームシステム、10…サーバ、11…サーバ通信部、12…サーバ記憶部、13…サーバ処理部、131…マッチング処理部、132…ゲーム進行部、133…動画受付部、20、20A、20B…ゲーム装置、21…ゲーム装置通信部、22…ゲーム装置記憶部、23…操作部、24…表示部、25…カードRW部、26…検出部、27…コイン投入部、28…撮像部、29…ゲーム装置処理部、291…マッチング要求部、292…ゲーム進行部、293…受信部、294…記憶処理部、295…表示処理部、296…判定部、297…第1送信部、298…第2送信部、299…指示受付部、CS…カードスロット、DB…ダーツボード
図1
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